基材成形装置
【課題】基材の搬送不具合の発生を防止ないし抑制できる基材成形装置を提供すること。
【解決手段】植物性繊維と熱可塑性樹脂を含む材料からなる板状体をその表裏側から挟持して保持するハンガー30によって吊り下げた状態で搬送しながら基材に成形する基材成形装置であって、板状体を加熱する加熱装置と、加熱装置内において、ハンガー30を板状体の表裏側から支持した状態で板状体の板面に沿った方向に搬送する第1スライドレール58a、第3スライドレール58c及び水平方向搬送機構とを備える。加熱装置内において板状体が表裏側から支持された状態で搬送されるので、加熱装置内において板状体を保持した保持装置の落下等の搬送不具合が発生することを防止ないし抑制することができる。
【解決手段】植物性繊維と熱可塑性樹脂を含む材料からなる板状体をその表裏側から挟持して保持するハンガー30によって吊り下げた状態で搬送しながら基材に成形する基材成形装置であって、板状体を加熱する加熱装置と、加熱装置内において、ハンガー30を板状体の表裏側から支持した状態で板状体の板面に沿った方向に搬送する第1スライドレール58a、第3スライドレール58c及び水平方向搬送機構とを備える。加熱装置内において板状体が表裏側から支持された状態で搬送されるので、加熱装置内において板状体を保持した保持装置の落下等の搬送不具合が発生することを防止ないし抑制することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物性繊維と熱可塑性樹脂を含む材料からなる板状体を基材に成形する基材成形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の基材成形装置として、例えば特許文献1に記載のものが知られている。この基材成形装置は、板状体を加熱する予備加熱装置と、板状体を吊り下げた状態で保持するハンガーと、このハンガー上部に取り付けられたローラを載置することのできるスライドレールとを備えている。予備加熱装置内のスライドレール上に載置されたハンガーは、スライドレール近傍に設けられた水平方向移動機構によって加熱炉内をスライドレールに沿って搬送され、板状体の予備加熱が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−20366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記した特許文献1の水平方向移動機構では、ハンガーに吊り下げられた板状体の板面の一方の面側にのみローラが取り付けられ、当該ローラがスライドレール上に載置される。従って、ハンガーは、当該一方の面側においてのみスライドレールに支持された状態で搬送される。このため、搬送時の揺れや衝撃等によってローラがスライドレール上から脱輪し、搬送不具合が発生する虞がある。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みて創作されたものである。本発明は、基材の搬送不具合の発生を防止ないし抑制できる基材成形装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、植物性繊維と熱可塑性樹脂を含む材料からなる板状体をその表裏側から挟持して保持する保持装置によって吊り下げた状態で搬送しながら基材に成形する基材成形装置であって、前記板状体を加熱する加熱装置と、前記加熱装置内において、前記保持装置を前記板状体の表裏側から支持した状態で該板状体の板面に沿った方向に搬送する搬送機構と、を備える基材成形装置に関する。
【0007】
上記の基材成形装置によると、加熱装置内において板状体が表裏側から支持された状態で搬送されるので、加熱装置内において板状体を保持した保持装置の落下等による搬送不具合が発生することを防止ないし抑制することができる。
【0008】
前記保持装置は、前記板状体の表裏側にそれぞれ滑車を備え、前記搬送機構は、前記加熱装置内において、前記板状体の表裏側に前記板状体の板面に沿った方向に設けられた搬入レールをそれぞれ備え、前記保持装置は、前記加熱装置内において、前記滑車が前記搬入レール上を移動することで搬送されてもよい。
【0009】
この構成によると、保持装置を滑車を介して板状体の表裏側から支持するための安定した搬送を具体的に実現できる。
【0010】
前記板状体の表裏側にそれぞれ設けられた前記搬入レールのうち、一方がメイン搬入レールとされ、他方がサブ搬入レールとされ、前記サブ搬入レールは、所定の間隔で分割された複数の切り欠き部を有してもよい。
【0011】
この構成によると、切り欠き部では保持装置がメイン搬入レールのみに支持された状態となるので、保持装置の搬送時に異常が発生した場合に、切り欠き部において保持装置をメイン搬入レールから容易に取り外すことができ、問題に迅速に対応することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、加熱装置内において板状体を保持した保持装置の落下等の搬送不具合が発生することを防止ないし抑制することができる基材成形装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】基材Kの製造方法のフローチャートを示す。
【図2】板状体Wを予備成形するための予備成形型10の断面図であり、予備成形型10が閉じる前の状態を示す。
【図3】板状体Wを予備成形するための予備成形型10の断面図であり、予備成形型10が閉じた後の状態を示す。
【図4】予備成形体W1を本成形するための本成形型20の断面図であり、本成形型20が閉じる前の状態でかつ予備成形型がセット中心に導入された状態を示す。
【図5】予備成形体W1を本成形するための本成形型20の断面図であり、本成形型20が閉じる前の状態でかつ予備成形型が成形中心側に配置された状態を示す。
【図6】予備成形体W1を本成形するための本成形型20の断面図であり、本成形型20が閉じた後の状態を示す。
【図7】板状体Wがハンガー30に吊り下げられた状態を斜め前方から視た斜視図を示す。
【図8】板状体Wがハンガー30に吊り下げられた状態を側方から視た側面図を示す。
【図9】基材成形装置100の全体を模式的に表した平面図を示す。
【図10】ハンガー回収装置70を除いた基材成形装置100の斜視図を示す。
【図11】加熱炉50A内で停止した状態のハンガー30の平面図を示す。
【図12】第1スライドレール58aと第3スライドレール58cに載置されたハンガー30を側方から視た側面図を示す。
【図13】第1スライドレール58aと第3スライドレール58cに載置されたハンガー30が傾いた状態を側方から視た側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面を参照して実施形態を説明する。図1は、図6に示す基材Kの製造方法を示すフローチャートである。図1に示すように、基材Kを製造するためには、植物性繊維と熱可塑性樹脂を混合した材料からなる板状体W全体を加熱した後に(予備加熱工程)、板状体Wの蓄熱状態を保持し(本加熱工程)、蓄熱した板状体Wを予備成形体Zに予備成形し(予備成形工程)、予備成形体Zを基材Kに本成形する(本成形工程)。これにより、所定の形状に成形された基材Kを得ることができる。
【0015】
板状体Wに含まれる植物性繊維とは、植物由来の繊維材料のことである。このような繊維材料は、例えば、綿、麻、サイザル、ジュート、ケナフ等から採取することが可能である。この中では、特にケナフが好ましい。ケナフは、成長が早くしかもCO2を多く吸収することから、地球環境保全にとって有効だからである。また、ケナフの靭皮からは比較的長くて丈夫な繊維を採取することが可能だからである。
【0016】
板状体Wに含まれる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ乳酸(PLA)等を用いることができる。この中では、特にポリプロピレンが好ましい。
【0017】
板状体Wを製造するためには、植物性繊維と熱可塑性樹脂を混合した材料を混綿させることでマット状とした後に、得られたマット体を熱圧プレスによって板状に成形する。これにより、所定の厚みを有する板状体Wを製造することができる。このような板状体Wの製造方法は、例えば、特開2001−179716号公報、特開2002−371455号公報等に開示されている。なお、板状体Wは、「熱成形用繊維板」、「プレボード」等の別の名称で呼ばれる場合がある。
【0018】
板状体Wを加熱することによって、当該板状体Wに含まれる熱可塑性樹脂を溶融させることができる。例えば、板状体Wに含まれる熱可塑性樹脂がポリプロピレンである場合には、ポリプロピレンの融点は160℃〜170℃であるため、板状体Wをこれ以上の温度(例えば200℃)に加熱することで当該板状体Wに含まれる熱可塑性樹脂を溶融させることができる。
【0019】
図2、図3は、板状体Wを予備成形するための予備成形型10の断面図である。図2に示すように、予備成形型10は、一対の金型12、14を有している。このうち一方の金型12は、中央部分が凹んだ形状を有しており、他方の金型14は、中央部分が突出した形状を有している。一対の金型12、14は、型面同士が互いに対向するようにして水平方向(図2、図3では左右方向)に配置されている。そして、金型12、14の型面間に板状体Wが金型12、14の型閉じ方向に対して垂直方向(図2、図3では上下方向)に吊り下げられた状態で配置される。図3に示すように、予備成形型10を構成するこれら一対の金型12、14は、例えば金型12を金型14側に移動させ型閉じすることで上下方向に吊り下げられた状態の板状体Wを表裏両面からプレスすることが可能となっている。これにより、板状体Wは、予備成形体W1に成形される。
【0020】
図4、図5、図6は、板状体Wを本成形するための本成形型20の断面図である。図4に示すように、本成形型20は、一対の金型22、24を有している。このうち一方の金型22は、中央部分が凹んだ形状を有しており、他方の金型24は、中央部分が突出した形状を有している。一対の金型22、24は、型面22a、24a同士が互いに対向するようにして水平方向(図では左右方向)に配置されている。図4において両型面22a、24aの中心に配置された予備成形体W1の位置を以下「セット中心」という。
【0021】
図5に示すように、予備成形体W1は、両金型22、24によって行われるプレス加工に先立って、予め他方の金型24の型面24a側(成形中心側)に配置される。次に図6に示すように、本成形型20を構成するこれら一対の金型22、24は、例えば金型22を金型24側に移動させ型閉じすることで上下方向に吊り下げられた状態の板状体Wを表裏両面からプレスすることが可能となっている。
【0022】
予備成形体W1を本成形するための本成形型20は、冷間プレス用の成形型が用いられる。ここでいう「冷間プレス」とは、本成形型20の型面を積極的に加熱しないで行うプレス成形のことを意味するが、加工熱や摩擦熱等によって本成形型20の型面22a、24aがある程度加熱される場合も含まれる。加熱した予備成形体W1を本成形型20(冷間プレス型)でプレスすることによって、予備成形体W1に含まれている熱可塑性樹脂が冷却されて固化する。これにより、所定形状に成形された基材Kを得ることができる(図6参照)。図6において両型面22a、24aの中心に配置された基材Kの位置を以下「成形中心」という。
【0023】
このようにして得られた基材Kは、軽量でかつ強度が高いことから、車両用内装材の基材として用いることができる。例えば、基材Kは、ドアトリム、インストルメントパネル、シートバックボード、パーティションボード、コンソールボックス、ピラーガーニッシュ、クォータトリム等に用いることができる。
【0024】
図2と図4を比較すればわかるように、予備成形型10を構成する一対の金型12、14のクリアランスCL1は、本成形型20を構成する一対の金型22、24のクリアランスCL2よりも大きく設定されている。例えば、CL2が5mmである場合には、クリアランスCL1がそれよりも大きい10mmに設定されている。従って、板状体Wを一回で基材Kに成形するのではなく、まず、板状体Wを予備成形体W1に成形し、次に、この予備成形体W1を基材Kに成形することにより、段階的に(2段階で)成形することが可能となっている。
【0025】
さらに、本成形工程でセット中心に導入された予備成形体W1を成形中心側に移動させて本成形することにより、両金型22、24を型閉じする途中で予備成形体W1が型面の一部に引っ掛かることを回避し、プレス加工後に基材Kの中央部分が型面の一部に引っ掛かった部分から引き延ばされて薄肉となることを規制できる。
【0026】
続いて板状体Wを保持するハンガー30の構成について説明する。図7は、板状体Wを吊り下げた状態で保持するためのハンガー30の斜視図である。図8は、ハンガー30の側面図である。
【0027】
図7に示すように、ハンガー30には、鉄やアルミニウム等の金属製のパイプ状部材からなるシャフト32が設けられている。シャフト32の長さは、板状体Wの横幅よりも大きく形成されている。シャフト32の下部には、板状体Wの上縁部を挟むための2つのクランプ34が取り付けられている。シャフト32の上部には、後述する各スライドレール58a,58b,58cに載置される2つのローラ36が取り付けられている。シャフトの両端には一対の取付部材38,38が設けられており、ローラ36は、この取付部材38を介してシャフト32の上部にそれぞれ取り付けられている。なお、ローラ36は、取付部材38の表面側と裏面側にそれぞれ取り付けられている。従って、ハンガー30には、4つのローラ36が取り付けられている。また、クランプ34及びローラ36は、シャフト32に対して垂直方向に略同軸上に位置している。
【0028】
図8に示すように、クランプ34は、鉄やアルミニウム等の金属製の板状部材からなる一対の挟持部材を有している。両挟持部材は、可動板34aと固定板34bからなり、可動板34aと固定板34b間にヒンジ35を取付け、ヒンジ35を支点としてその下端部を開閉させることで板状体Wの上縁部を挟むことができるように構成されている。即ち、両挟持部材の一方は、同他方に対して板状体Wの上縁部を保持する閉じ位置と板状体Wの上縁部を解除する開き位置との間を開閉可能とされている。可動板34aと固定板34bの上端部間には、ばね部材37が取り付けられており、このばね部材37によって可動板34aの下端部がヒンジ35を支点として閉じる方向に付勢されている。可動板34aと固定板34bの下端部の内面側には、板状体Wが下方に落ちることを規制するための滑り止め部材34cが設けられている。
【0029】
続いて基材成形装置100の全体構成について説明する。図9は、基材Kを成形するための基材成形装置100の全体を模式的に表した平面図である。また、図10は、ハンガー回収装置70を除いた基材成形装置100の斜視図である。図9に示すように、基材成形装置100は、板状体Wを加熱する加熱装置と、板状体Wを基材Kに成形する成形装置と、ハンガー回収装置70とを備えている。加熱装置は、予備成形装置50と本加熱装置40とから構成されている。予備加熱装置50と本加熱装置40は、基材成形装置100の搬入口からこの順に配置されており、本加熱装置40は、予備加熱装置50と平面視略垂直かつ略水平に配置されている。即ち、予備加熱装置50と本加熱装置40は、平面視略L字状に直交する配置で連結されている。板状体Wは、基材成形装置100の入口側から予備成形装置50に投入され、予備成形装置50で約170℃に加熱され、さらに、加熱状態のまま本加熱装置40に投入される。
【0030】
ハンガー回収装置70は、基材Kの成形後に、基材Kから取り出された空き状態のハンガー30を回収するための装置である。空き状態のハンガー30は、図示しない移送機構によってハンガー回収装置70の搬入部70Aまで搬送され、回収部70Bで回収される。基材Kの成形工程は、図9の矢印方向に従ってハンガー30を搬送しながら行われる。
【0031】
予備加熱装置50は、図9及び図10に示すように、第1加熱炉52Aと第2加熱炉52Bとから構成されている。各加熱炉52A,52Bには、過熱水蒸気を噴出する配管(図示せず)が配設されており、この配管は、板状体Wの表裏両側に対向配置されている。このため、ハンガー30に吊り下げられた状態の板状体Wは、対向配置された配管の間を通過し、板状体Wを表裏両側からムラなく加熱することができ、かつ、加熱時間を短縮することができる。
【0032】
本加熱装置40は、図10に示すように、板状体Wをその内部に通過させることで均一に加熱することのできる熱風循環式の加熱炉42と、その加熱炉42の内部において板状体Wを搬送することのできる搬送装置44とを備えている。加熱炉42の内部温度は例えば200℃に設定されており、予め170℃付近に加熱された板状体Wを200℃に加熱し保持することにより、当該板状体Wに含まれる熱可塑性樹脂の溶融状態を維持させることが可能となっている。
【0033】
図10に示す搬送装置44は、並列に配置された2台のチェーンコンベヤ46a、46bによって構成されており、この2台のチェーンコンベヤ46a、46bは同期して駆動されている。この2台のチェーンコンベヤ46a、46bの上面には、前述したハンガー30を構成するシャフト32の両端部が載置される。これにより、搬送装置44は、ハンガー30によって吊り下げられた状態で保持される板状体Wを加熱炉42の内部で搬送することができるようになっている。
【0034】
加熱炉42の内部には、板状体Wを予備成形するための予備成形型10が設置されている。搬送装置44と予備成形型10は、加熱炉42の内部においてオフセット位置に設置されている。ここでいう「オフセット位置」とは、「互いの中心軸が離れた位置」という意味であり、具体的には、搬送装置44の中心軸P1と、予備成形型10の中心軸P2が水平方向に離れた位置という意味である。
【0035】
予備成形型10の下方には、本成形型20が設置されている。予備成形型10と本成形型20は、オフセット位置に配置されている。ここでいう「オフセット位置」とは、「互いの中心軸が離れた位置」という意味であり、具体的には、予備成形型10の中心軸P2と、本成形型20の中心軸P3が上下方向に離れた位置という意味である。なお、加熱炉42の略後半部は、平面視において略L字形に形成されており、オフセット位置に配置された搬送装置44と予備成形型10をともに収容できるようになっている。本成形型20は、予備成形型10の下方であって、かつ、加熱炉42の外部に設置されている。
【0036】
図10に示すように、基材成形装置100は、ハンガー30に取り付けられたローラ36を回転可能に載置することが可能な第1スライドレール58aと、第2スライドレール58bと、第3スライドレール58cとを備えている。第1スライドレール58aは、搬送装置44の手前側において搬送装置44と平面視略垂直かつ略水平に配置され、予備加熱装置50の搬入部50Aから本加熱装置40の搬入部40A(搬送装置44の手前側)まで延設されている。第2スライドレール58bは、搬送装置44の奥側において搬送装置44と平面視略垂直かつ略水平に配置され、搬送装置44の終端部40Bから予備成形型10まで延設されている。第3スライドレール58cは、搬送装置44の手前側かつ第1スライドレール58aの奥側において第1スライドレール58aと平行かつ同じ高さに配置されている。また、第3スライドレール58cは複数に分割されており、予備加熱装置50の搬入部50Aから予備加熱装置50と本加熱装置40との境界部近傍に亘って所定の間隔を空けながら設けられている。隣接する第3スライドレール58c同士の間の間隙は、切り欠き部59a,59bとされている(図9参照)。複数の切り欠き部59a,59bのうち、加熱炉52A内には2つの切り欠き部59aが設けられ、加熱炉52B内には2つの切り欠き部59bが設けられている。
【0037】
ここで、図12に、第1スライドレール58aと第3スライドレール58cに載置されたハンガー30を側方から視た側面図を示す。予備加熱装置50の搬入部50Aから搬入されたハンガー30は、図12に示すように、取付部材38の手前側(図8の左側)に取り付けられている2つのローラ36のみが第1スライドレール58aに載置され、取付部材38の奥側(図8の右側)に取り付けられている2つのローラ36のみが第3スライドレール58cに載置される。なお、図12に示すように、板状体Wの表裏側に位置するローラ36の間隔W3は、第1スライドレール58aと第3スライドレール58cの間の間隔W4と一致している。このため、各スライドレール58a,58cに載置されたローラ36は、各スライドレール58a,58cの頂点部58a1,58c1に嵌り込んだ状態となる。一方、ハンガー30のローラ36が第2スライドレール58bに載置される際には、取付部材38の奥側(図8の右側)に取り付けられている2つのローラ36のみが載置される。そして、第2スライドレール58bに載置されたローラ36についても、第2スライドレール58bの頂点部(図示せず)に嵌り込んだ状態となる。
【0038】
第1スライドレール58aや第2スライドレール58bの近傍には、図示しない水平方向移動機構がそれぞれ設けられている。水平方向移動機構は、各スライドレール58a,58b,58cに載置されているハンガー30を水平方向に移動させることが可能である。このため、第1スライドレール58aに載置されたハンガー30を、水平方向移動機構によって予備加熱装置50の搬入部50Aから本加熱装置40の搬入部40Aまで移送することが可能となっている。さらに、第2スライドレール58bに載置されたハンガー30を、水平方向移動機構によって搬送装置44の終端部40Bから予備成形型10まで移送することが可能となっている。また、基材成形装置100は、第1スライドレール58aから搬送装置44にハンガー30を受け渡すための図示しない第1ハンガー受け渡し機構と、搬送装置44から第2スライドレール58bにハンガー30を受け渡すための図示しない第2ハンガー受け渡し機構とを備えている。
【0039】
続いて予備加熱装置50内におけるハンガー30の搬送態様について詳しく説明する。予備加熱装置50内に搬入され、ローラ36が第1スライドレール58a及び第3スライドレール58cにそれぞれ載置されたハンガー30は、水平方向移動機構によって予備加熱装置50内を搬送方向に移動しながら各加熱炉52A,52B内の所定の位置でそれぞれ停止する。そして、ハンガー30に吊り下げられた板状体Wは、ハンガー30が停止した状態で、上述した対向配置された両配管の間で加熱される。ここで、図11は、加熱炉52A内で停止した状態のハンガー30の平面図を示している。
【0040】
図11に示すように、平面視において各加熱炉52A内における2つの切り欠き部59a,59aの間の幅は、平面視においてハンガー30における板状体Wの板面に沿った方向(図11の紙面左右方向)のローラ36の間隔W1とほぼ等しいものとされている。また、2つの切り欠き部59a,59aの幅W2は、それぞれローラ36の直径よりも大きいものとなっている。そして、ハンガー30は、加熱炉52A内において2つのローラ36がそれぞれ2つの切り欠き部部59a,59aと一致する位置で停止し、板状体Wの予備加熱が行われる。このため、加熱炉52A内でハンガー30が停止した状態では、図11に示すように、第1スライドレール58aに載置された2つのローラ36を第1スライドレール58aから取り外し、ハンガー30を各切り欠き部59a,59aから奥側方向(図11の紙面上側方向)に取り出すことが可能となっている。
【0041】
なお、加熱炉52B内に設けられた切り欠き部59b,59bは加熱炉52A内に設けられた切り欠き部59a,59aと同様の構成となっている。そして、ハンガー30は、加熱炉52B内においても、2つのローラ36がそれぞれ2つの切り欠き部59b,59bと一致する位置で停止し、板状体Wの予備加熱が行われる。このため、加熱炉52B内でハンガー30が停止した状態でも、ハンガー30を各切り欠き部59b,59bから奥側方向に取り出すことが可能となっている。
【0042】
さて、上記のように、予備加熱装置50内では第1スライドレール58aと第3スライドレール58cとによってハンガー30が板状体Wの表裏側から支持された状態で搬送される。このため、予備加熱装置50内での搬送中にローラ36が各スライドレール58a,58cの頂点部58a1,58c1から外れて傾いたとしても(図13に示す状態)、ローラ36が脱輪することがない。また、各加熱炉52A,52B内でハンガー30が停止した状態では、上記のように、切り欠き部59a、59bからハンガー30を取り外すことができるので、予備加熱中に異常が発生した場合にハンガー30を取り外して迅速に対応することができる。なお、第3スライドレール58cは予備加熱装置50と本加熱装置40との境界部近傍までしか設けられていないので(図9及び図10参照)、本加熱装置40の搬入部40Aまで搬送されたハンガー30は、第1スライドレール58aにのみ載置された状態となっている。このため、本加熱装置40の搬入部40Aでは、第1ハンガー受け渡し機構によって第1スライドレール58aから搬送装置44にハンガー30を受け渡すことができる。
【0043】
以上のように本実施形態に係る基材成形装置100では、予備加熱装置50内において板状体Wが表裏側から支持された状態で搬送方向に搬送されるので、ローラ36が各スライドレール58a,58cから脱輪することがなく、予備加熱装置50内において板状体Wを保持したハンガー30の落下等による搬送不具合が発生することを防止ないし抑制することができる。
【0044】
また、本実施形態に係る基材成形装置100では、ハンガー30が、板状体Wの表裏側にそれぞれローラ36を備えている。そして、予備加熱装置50内において、板状体Wの表裏側に板状体Wの板面に沿った方向に設けられた各スライドレール58a,58cをそれぞれ設けられており、ハンガー30は、予備加熱装置50内において、ローラ36が各スライドレール58a,58c上を移動することで搬送される構成となっている。このように、本実施形態に係る基材成形装置100では、ハンガー30をローラ36を介して板状体Wの表裏側から支持するため安定した搬送を具体的に実現できる。
【0045】
また、本実施形態に係る基材成形装置100では、板状体Wの表裏側にそれぞれ設けられた各スライドレール58a,58cのうち、一方が第1スライドレール58aとされ、他方が第3スライドレール58cとされている。そして、第3スライドレール58cは、所定の間隔で分割され、その間に複数の切り欠き部59a、59bが設けられている。このため、切り欠き部59a、59bにおいてハンガー30が第1スライドレール58aのみに支持された状態となるので、ハンガー30の搬送時に異常が発生した場合に、切り欠き部59a、59bにおいてハンガー30を第1スライドレール58aから容易に取り外すことができ、問題に迅速に対応することができる。
【0046】
実施形態の構成と本発明の構成との対応関係を記載しておく。ハンガー30が「保持装置」の一例である。また、予備加熱装置50が「加熱装置」の一例である。また、第1スライドレール58a、第3スライドレール58c、及び水平方向移動機構が「搬送機構」の一例である。また、ローラ36が「滑車」の一例である。また、第1スライドレール58aが「メイン搬入レール」の一例である。また、第3スライドレール58cが「サブ搬入レール」の一例である。
【0047】
上記の実施形態の変形例を以下に列挙する。
(1)上記の実施形態では、第3スライドレールが複数に分割されている構成を例示したが、第3スライドレールが分割されていない構成を採用してもよい。
【0048】
(2)上記の実施形態では、ハンガーのローラが第1スライドレール及び第3スライドレールに載置されることで、板状体の表裏側からハンガーが支持される構成を例示したが、板状体の表裏側からハンガーを支持するための構成は限定されない。
【0049】
(3)上記の実施形態では、第1スライドレール、第3スライドレール及び水平方向移動機構によって板状体を搬送する構成を例示したが、搬送機構の構成については限定されない。
【0050】
(4)上記の実施形態以外にも、加熱装置及び搬送機構の構成については、適宜に変更可能である。
【0051】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0052】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0053】
10…予備成形型、12、14、22、24…金型、20…本成形型、22a、24a…型面、30…ハンガー、32…シャフト、34…クランプ、36…ローラ、38…取付部材、40…本加熱装置、42…加熱炉、44…搬送機構、50…予備加熱装置、52…予備加熱炉、58a…第1スライドレール、58a1…(第1スライドレールの)頂点部、58c1…(第3スライドレールの)頂点部、58b…第2スライドレール、58c…第3スライドレール、59a、59b…切り欠き部、70…ハンガー回収機構、100…基材成形装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物性繊維と熱可塑性樹脂を含む材料からなる板状体を基材に成形する基材成形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の基材成形装置として、例えば特許文献1に記載のものが知られている。この基材成形装置は、板状体を加熱する予備加熱装置と、板状体を吊り下げた状態で保持するハンガーと、このハンガー上部に取り付けられたローラを載置することのできるスライドレールとを備えている。予備加熱装置内のスライドレール上に載置されたハンガーは、スライドレール近傍に設けられた水平方向移動機構によって加熱炉内をスライドレールに沿って搬送され、板状体の予備加熱が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−20366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記した特許文献1の水平方向移動機構では、ハンガーに吊り下げられた板状体の板面の一方の面側にのみローラが取り付けられ、当該ローラがスライドレール上に載置される。従って、ハンガーは、当該一方の面側においてのみスライドレールに支持された状態で搬送される。このため、搬送時の揺れや衝撃等によってローラがスライドレール上から脱輪し、搬送不具合が発生する虞がある。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みて創作されたものである。本発明は、基材の搬送不具合の発生を防止ないし抑制できる基材成形装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、植物性繊維と熱可塑性樹脂を含む材料からなる板状体をその表裏側から挟持して保持する保持装置によって吊り下げた状態で搬送しながら基材に成形する基材成形装置であって、前記板状体を加熱する加熱装置と、前記加熱装置内において、前記保持装置を前記板状体の表裏側から支持した状態で該板状体の板面に沿った方向に搬送する搬送機構と、を備える基材成形装置に関する。
【0007】
上記の基材成形装置によると、加熱装置内において板状体が表裏側から支持された状態で搬送されるので、加熱装置内において板状体を保持した保持装置の落下等による搬送不具合が発生することを防止ないし抑制することができる。
【0008】
前記保持装置は、前記板状体の表裏側にそれぞれ滑車を備え、前記搬送機構は、前記加熱装置内において、前記板状体の表裏側に前記板状体の板面に沿った方向に設けられた搬入レールをそれぞれ備え、前記保持装置は、前記加熱装置内において、前記滑車が前記搬入レール上を移動することで搬送されてもよい。
【0009】
この構成によると、保持装置を滑車を介して板状体の表裏側から支持するための安定した搬送を具体的に実現できる。
【0010】
前記板状体の表裏側にそれぞれ設けられた前記搬入レールのうち、一方がメイン搬入レールとされ、他方がサブ搬入レールとされ、前記サブ搬入レールは、所定の間隔で分割された複数の切り欠き部を有してもよい。
【0011】
この構成によると、切り欠き部では保持装置がメイン搬入レールのみに支持された状態となるので、保持装置の搬送時に異常が発生した場合に、切り欠き部において保持装置をメイン搬入レールから容易に取り外すことができ、問題に迅速に対応することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、加熱装置内において板状体を保持した保持装置の落下等の搬送不具合が発生することを防止ないし抑制することができる基材成形装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】基材Kの製造方法のフローチャートを示す。
【図2】板状体Wを予備成形するための予備成形型10の断面図であり、予備成形型10が閉じる前の状態を示す。
【図3】板状体Wを予備成形するための予備成形型10の断面図であり、予備成形型10が閉じた後の状態を示す。
【図4】予備成形体W1を本成形するための本成形型20の断面図であり、本成形型20が閉じる前の状態でかつ予備成形型がセット中心に導入された状態を示す。
【図5】予備成形体W1を本成形するための本成形型20の断面図であり、本成形型20が閉じる前の状態でかつ予備成形型が成形中心側に配置された状態を示す。
【図6】予備成形体W1を本成形するための本成形型20の断面図であり、本成形型20が閉じた後の状態を示す。
【図7】板状体Wがハンガー30に吊り下げられた状態を斜め前方から視た斜視図を示す。
【図8】板状体Wがハンガー30に吊り下げられた状態を側方から視た側面図を示す。
【図9】基材成形装置100の全体を模式的に表した平面図を示す。
【図10】ハンガー回収装置70を除いた基材成形装置100の斜視図を示す。
【図11】加熱炉50A内で停止した状態のハンガー30の平面図を示す。
【図12】第1スライドレール58aと第3スライドレール58cに載置されたハンガー30を側方から視た側面図を示す。
【図13】第1スライドレール58aと第3スライドレール58cに載置されたハンガー30が傾いた状態を側方から視た側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面を参照して実施形態を説明する。図1は、図6に示す基材Kの製造方法を示すフローチャートである。図1に示すように、基材Kを製造するためには、植物性繊維と熱可塑性樹脂を混合した材料からなる板状体W全体を加熱した後に(予備加熱工程)、板状体Wの蓄熱状態を保持し(本加熱工程)、蓄熱した板状体Wを予備成形体Zに予備成形し(予備成形工程)、予備成形体Zを基材Kに本成形する(本成形工程)。これにより、所定の形状に成形された基材Kを得ることができる。
【0015】
板状体Wに含まれる植物性繊維とは、植物由来の繊維材料のことである。このような繊維材料は、例えば、綿、麻、サイザル、ジュート、ケナフ等から採取することが可能である。この中では、特にケナフが好ましい。ケナフは、成長が早くしかもCO2を多く吸収することから、地球環境保全にとって有効だからである。また、ケナフの靭皮からは比較的長くて丈夫な繊維を採取することが可能だからである。
【0016】
板状体Wに含まれる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ乳酸(PLA)等を用いることができる。この中では、特にポリプロピレンが好ましい。
【0017】
板状体Wを製造するためには、植物性繊維と熱可塑性樹脂を混合した材料を混綿させることでマット状とした後に、得られたマット体を熱圧プレスによって板状に成形する。これにより、所定の厚みを有する板状体Wを製造することができる。このような板状体Wの製造方法は、例えば、特開2001−179716号公報、特開2002−371455号公報等に開示されている。なお、板状体Wは、「熱成形用繊維板」、「プレボード」等の別の名称で呼ばれる場合がある。
【0018】
板状体Wを加熱することによって、当該板状体Wに含まれる熱可塑性樹脂を溶融させることができる。例えば、板状体Wに含まれる熱可塑性樹脂がポリプロピレンである場合には、ポリプロピレンの融点は160℃〜170℃であるため、板状体Wをこれ以上の温度(例えば200℃)に加熱することで当該板状体Wに含まれる熱可塑性樹脂を溶融させることができる。
【0019】
図2、図3は、板状体Wを予備成形するための予備成形型10の断面図である。図2に示すように、予備成形型10は、一対の金型12、14を有している。このうち一方の金型12は、中央部分が凹んだ形状を有しており、他方の金型14は、中央部分が突出した形状を有している。一対の金型12、14は、型面同士が互いに対向するようにして水平方向(図2、図3では左右方向)に配置されている。そして、金型12、14の型面間に板状体Wが金型12、14の型閉じ方向に対して垂直方向(図2、図3では上下方向)に吊り下げられた状態で配置される。図3に示すように、予備成形型10を構成するこれら一対の金型12、14は、例えば金型12を金型14側に移動させ型閉じすることで上下方向に吊り下げられた状態の板状体Wを表裏両面からプレスすることが可能となっている。これにより、板状体Wは、予備成形体W1に成形される。
【0020】
図4、図5、図6は、板状体Wを本成形するための本成形型20の断面図である。図4に示すように、本成形型20は、一対の金型22、24を有している。このうち一方の金型22は、中央部分が凹んだ形状を有しており、他方の金型24は、中央部分が突出した形状を有している。一対の金型22、24は、型面22a、24a同士が互いに対向するようにして水平方向(図では左右方向)に配置されている。図4において両型面22a、24aの中心に配置された予備成形体W1の位置を以下「セット中心」という。
【0021】
図5に示すように、予備成形体W1は、両金型22、24によって行われるプレス加工に先立って、予め他方の金型24の型面24a側(成形中心側)に配置される。次に図6に示すように、本成形型20を構成するこれら一対の金型22、24は、例えば金型22を金型24側に移動させ型閉じすることで上下方向に吊り下げられた状態の板状体Wを表裏両面からプレスすることが可能となっている。
【0022】
予備成形体W1を本成形するための本成形型20は、冷間プレス用の成形型が用いられる。ここでいう「冷間プレス」とは、本成形型20の型面を積極的に加熱しないで行うプレス成形のことを意味するが、加工熱や摩擦熱等によって本成形型20の型面22a、24aがある程度加熱される場合も含まれる。加熱した予備成形体W1を本成形型20(冷間プレス型)でプレスすることによって、予備成形体W1に含まれている熱可塑性樹脂が冷却されて固化する。これにより、所定形状に成形された基材Kを得ることができる(図6参照)。図6において両型面22a、24aの中心に配置された基材Kの位置を以下「成形中心」という。
【0023】
このようにして得られた基材Kは、軽量でかつ強度が高いことから、車両用内装材の基材として用いることができる。例えば、基材Kは、ドアトリム、インストルメントパネル、シートバックボード、パーティションボード、コンソールボックス、ピラーガーニッシュ、クォータトリム等に用いることができる。
【0024】
図2と図4を比較すればわかるように、予備成形型10を構成する一対の金型12、14のクリアランスCL1は、本成形型20を構成する一対の金型22、24のクリアランスCL2よりも大きく設定されている。例えば、CL2が5mmである場合には、クリアランスCL1がそれよりも大きい10mmに設定されている。従って、板状体Wを一回で基材Kに成形するのではなく、まず、板状体Wを予備成形体W1に成形し、次に、この予備成形体W1を基材Kに成形することにより、段階的に(2段階で)成形することが可能となっている。
【0025】
さらに、本成形工程でセット中心に導入された予備成形体W1を成形中心側に移動させて本成形することにより、両金型22、24を型閉じする途中で予備成形体W1が型面の一部に引っ掛かることを回避し、プレス加工後に基材Kの中央部分が型面の一部に引っ掛かった部分から引き延ばされて薄肉となることを規制できる。
【0026】
続いて板状体Wを保持するハンガー30の構成について説明する。図7は、板状体Wを吊り下げた状態で保持するためのハンガー30の斜視図である。図8は、ハンガー30の側面図である。
【0027】
図7に示すように、ハンガー30には、鉄やアルミニウム等の金属製のパイプ状部材からなるシャフト32が設けられている。シャフト32の長さは、板状体Wの横幅よりも大きく形成されている。シャフト32の下部には、板状体Wの上縁部を挟むための2つのクランプ34が取り付けられている。シャフト32の上部には、後述する各スライドレール58a,58b,58cに載置される2つのローラ36が取り付けられている。シャフトの両端には一対の取付部材38,38が設けられており、ローラ36は、この取付部材38を介してシャフト32の上部にそれぞれ取り付けられている。なお、ローラ36は、取付部材38の表面側と裏面側にそれぞれ取り付けられている。従って、ハンガー30には、4つのローラ36が取り付けられている。また、クランプ34及びローラ36は、シャフト32に対して垂直方向に略同軸上に位置している。
【0028】
図8に示すように、クランプ34は、鉄やアルミニウム等の金属製の板状部材からなる一対の挟持部材を有している。両挟持部材は、可動板34aと固定板34bからなり、可動板34aと固定板34b間にヒンジ35を取付け、ヒンジ35を支点としてその下端部を開閉させることで板状体Wの上縁部を挟むことができるように構成されている。即ち、両挟持部材の一方は、同他方に対して板状体Wの上縁部を保持する閉じ位置と板状体Wの上縁部を解除する開き位置との間を開閉可能とされている。可動板34aと固定板34bの上端部間には、ばね部材37が取り付けられており、このばね部材37によって可動板34aの下端部がヒンジ35を支点として閉じる方向に付勢されている。可動板34aと固定板34bの下端部の内面側には、板状体Wが下方に落ちることを規制するための滑り止め部材34cが設けられている。
【0029】
続いて基材成形装置100の全体構成について説明する。図9は、基材Kを成形するための基材成形装置100の全体を模式的に表した平面図である。また、図10は、ハンガー回収装置70を除いた基材成形装置100の斜視図である。図9に示すように、基材成形装置100は、板状体Wを加熱する加熱装置と、板状体Wを基材Kに成形する成形装置と、ハンガー回収装置70とを備えている。加熱装置は、予備成形装置50と本加熱装置40とから構成されている。予備加熱装置50と本加熱装置40は、基材成形装置100の搬入口からこの順に配置されており、本加熱装置40は、予備加熱装置50と平面視略垂直かつ略水平に配置されている。即ち、予備加熱装置50と本加熱装置40は、平面視略L字状に直交する配置で連結されている。板状体Wは、基材成形装置100の入口側から予備成形装置50に投入され、予備成形装置50で約170℃に加熱され、さらに、加熱状態のまま本加熱装置40に投入される。
【0030】
ハンガー回収装置70は、基材Kの成形後に、基材Kから取り出された空き状態のハンガー30を回収するための装置である。空き状態のハンガー30は、図示しない移送機構によってハンガー回収装置70の搬入部70Aまで搬送され、回収部70Bで回収される。基材Kの成形工程は、図9の矢印方向に従ってハンガー30を搬送しながら行われる。
【0031】
予備加熱装置50は、図9及び図10に示すように、第1加熱炉52Aと第2加熱炉52Bとから構成されている。各加熱炉52A,52Bには、過熱水蒸気を噴出する配管(図示せず)が配設されており、この配管は、板状体Wの表裏両側に対向配置されている。このため、ハンガー30に吊り下げられた状態の板状体Wは、対向配置された配管の間を通過し、板状体Wを表裏両側からムラなく加熱することができ、かつ、加熱時間を短縮することができる。
【0032】
本加熱装置40は、図10に示すように、板状体Wをその内部に通過させることで均一に加熱することのできる熱風循環式の加熱炉42と、その加熱炉42の内部において板状体Wを搬送することのできる搬送装置44とを備えている。加熱炉42の内部温度は例えば200℃に設定されており、予め170℃付近に加熱された板状体Wを200℃に加熱し保持することにより、当該板状体Wに含まれる熱可塑性樹脂の溶融状態を維持させることが可能となっている。
【0033】
図10に示す搬送装置44は、並列に配置された2台のチェーンコンベヤ46a、46bによって構成されており、この2台のチェーンコンベヤ46a、46bは同期して駆動されている。この2台のチェーンコンベヤ46a、46bの上面には、前述したハンガー30を構成するシャフト32の両端部が載置される。これにより、搬送装置44は、ハンガー30によって吊り下げられた状態で保持される板状体Wを加熱炉42の内部で搬送することができるようになっている。
【0034】
加熱炉42の内部には、板状体Wを予備成形するための予備成形型10が設置されている。搬送装置44と予備成形型10は、加熱炉42の内部においてオフセット位置に設置されている。ここでいう「オフセット位置」とは、「互いの中心軸が離れた位置」という意味であり、具体的には、搬送装置44の中心軸P1と、予備成形型10の中心軸P2が水平方向に離れた位置という意味である。
【0035】
予備成形型10の下方には、本成形型20が設置されている。予備成形型10と本成形型20は、オフセット位置に配置されている。ここでいう「オフセット位置」とは、「互いの中心軸が離れた位置」という意味であり、具体的には、予備成形型10の中心軸P2と、本成形型20の中心軸P3が上下方向に離れた位置という意味である。なお、加熱炉42の略後半部は、平面視において略L字形に形成されており、オフセット位置に配置された搬送装置44と予備成形型10をともに収容できるようになっている。本成形型20は、予備成形型10の下方であって、かつ、加熱炉42の外部に設置されている。
【0036】
図10に示すように、基材成形装置100は、ハンガー30に取り付けられたローラ36を回転可能に載置することが可能な第1スライドレール58aと、第2スライドレール58bと、第3スライドレール58cとを備えている。第1スライドレール58aは、搬送装置44の手前側において搬送装置44と平面視略垂直かつ略水平に配置され、予備加熱装置50の搬入部50Aから本加熱装置40の搬入部40A(搬送装置44の手前側)まで延設されている。第2スライドレール58bは、搬送装置44の奥側において搬送装置44と平面視略垂直かつ略水平に配置され、搬送装置44の終端部40Bから予備成形型10まで延設されている。第3スライドレール58cは、搬送装置44の手前側かつ第1スライドレール58aの奥側において第1スライドレール58aと平行かつ同じ高さに配置されている。また、第3スライドレール58cは複数に分割されており、予備加熱装置50の搬入部50Aから予備加熱装置50と本加熱装置40との境界部近傍に亘って所定の間隔を空けながら設けられている。隣接する第3スライドレール58c同士の間の間隙は、切り欠き部59a,59bとされている(図9参照)。複数の切り欠き部59a,59bのうち、加熱炉52A内には2つの切り欠き部59aが設けられ、加熱炉52B内には2つの切り欠き部59bが設けられている。
【0037】
ここで、図12に、第1スライドレール58aと第3スライドレール58cに載置されたハンガー30を側方から視た側面図を示す。予備加熱装置50の搬入部50Aから搬入されたハンガー30は、図12に示すように、取付部材38の手前側(図8の左側)に取り付けられている2つのローラ36のみが第1スライドレール58aに載置され、取付部材38の奥側(図8の右側)に取り付けられている2つのローラ36のみが第3スライドレール58cに載置される。なお、図12に示すように、板状体Wの表裏側に位置するローラ36の間隔W3は、第1スライドレール58aと第3スライドレール58cの間の間隔W4と一致している。このため、各スライドレール58a,58cに載置されたローラ36は、各スライドレール58a,58cの頂点部58a1,58c1に嵌り込んだ状態となる。一方、ハンガー30のローラ36が第2スライドレール58bに載置される際には、取付部材38の奥側(図8の右側)に取り付けられている2つのローラ36のみが載置される。そして、第2スライドレール58bに載置されたローラ36についても、第2スライドレール58bの頂点部(図示せず)に嵌り込んだ状態となる。
【0038】
第1スライドレール58aや第2スライドレール58bの近傍には、図示しない水平方向移動機構がそれぞれ設けられている。水平方向移動機構は、各スライドレール58a,58b,58cに載置されているハンガー30を水平方向に移動させることが可能である。このため、第1スライドレール58aに載置されたハンガー30を、水平方向移動機構によって予備加熱装置50の搬入部50Aから本加熱装置40の搬入部40Aまで移送することが可能となっている。さらに、第2スライドレール58bに載置されたハンガー30を、水平方向移動機構によって搬送装置44の終端部40Bから予備成形型10まで移送することが可能となっている。また、基材成形装置100は、第1スライドレール58aから搬送装置44にハンガー30を受け渡すための図示しない第1ハンガー受け渡し機構と、搬送装置44から第2スライドレール58bにハンガー30を受け渡すための図示しない第2ハンガー受け渡し機構とを備えている。
【0039】
続いて予備加熱装置50内におけるハンガー30の搬送態様について詳しく説明する。予備加熱装置50内に搬入され、ローラ36が第1スライドレール58a及び第3スライドレール58cにそれぞれ載置されたハンガー30は、水平方向移動機構によって予備加熱装置50内を搬送方向に移動しながら各加熱炉52A,52B内の所定の位置でそれぞれ停止する。そして、ハンガー30に吊り下げられた板状体Wは、ハンガー30が停止した状態で、上述した対向配置された両配管の間で加熱される。ここで、図11は、加熱炉52A内で停止した状態のハンガー30の平面図を示している。
【0040】
図11に示すように、平面視において各加熱炉52A内における2つの切り欠き部59a,59aの間の幅は、平面視においてハンガー30における板状体Wの板面に沿った方向(図11の紙面左右方向)のローラ36の間隔W1とほぼ等しいものとされている。また、2つの切り欠き部59a,59aの幅W2は、それぞれローラ36の直径よりも大きいものとなっている。そして、ハンガー30は、加熱炉52A内において2つのローラ36がそれぞれ2つの切り欠き部部59a,59aと一致する位置で停止し、板状体Wの予備加熱が行われる。このため、加熱炉52A内でハンガー30が停止した状態では、図11に示すように、第1スライドレール58aに載置された2つのローラ36を第1スライドレール58aから取り外し、ハンガー30を各切り欠き部59a,59aから奥側方向(図11の紙面上側方向)に取り出すことが可能となっている。
【0041】
なお、加熱炉52B内に設けられた切り欠き部59b,59bは加熱炉52A内に設けられた切り欠き部59a,59aと同様の構成となっている。そして、ハンガー30は、加熱炉52B内においても、2つのローラ36がそれぞれ2つの切り欠き部59b,59bと一致する位置で停止し、板状体Wの予備加熱が行われる。このため、加熱炉52B内でハンガー30が停止した状態でも、ハンガー30を各切り欠き部59b,59bから奥側方向に取り出すことが可能となっている。
【0042】
さて、上記のように、予備加熱装置50内では第1スライドレール58aと第3スライドレール58cとによってハンガー30が板状体Wの表裏側から支持された状態で搬送される。このため、予備加熱装置50内での搬送中にローラ36が各スライドレール58a,58cの頂点部58a1,58c1から外れて傾いたとしても(図13に示す状態)、ローラ36が脱輪することがない。また、各加熱炉52A,52B内でハンガー30が停止した状態では、上記のように、切り欠き部59a、59bからハンガー30を取り外すことができるので、予備加熱中に異常が発生した場合にハンガー30を取り外して迅速に対応することができる。なお、第3スライドレール58cは予備加熱装置50と本加熱装置40との境界部近傍までしか設けられていないので(図9及び図10参照)、本加熱装置40の搬入部40Aまで搬送されたハンガー30は、第1スライドレール58aにのみ載置された状態となっている。このため、本加熱装置40の搬入部40Aでは、第1ハンガー受け渡し機構によって第1スライドレール58aから搬送装置44にハンガー30を受け渡すことができる。
【0043】
以上のように本実施形態に係る基材成形装置100では、予備加熱装置50内において板状体Wが表裏側から支持された状態で搬送方向に搬送されるので、ローラ36が各スライドレール58a,58cから脱輪することがなく、予備加熱装置50内において板状体Wを保持したハンガー30の落下等による搬送不具合が発生することを防止ないし抑制することができる。
【0044】
また、本実施形態に係る基材成形装置100では、ハンガー30が、板状体Wの表裏側にそれぞれローラ36を備えている。そして、予備加熱装置50内において、板状体Wの表裏側に板状体Wの板面に沿った方向に設けられた各スライドレール58a,58cをそれぞれ設けられており、ハンガー30は、予備加熱装置50内において、ローラ36が各スライドレール58a,58c上を移動することで搬送される構成となっている。このように、本実施形態に係る基材成形装置100では、ハンガー30をローラ36を介して板状体Wの表裏側から支持するため安定した搬送を具体的に実現できる。
【0045】
また、本実施形態に係る基材成形装置100では、板状体Wの表裏側にそれぞれ設けられた各スライドレール58a,58cのうち、一方が第1スライドレール58aとされ、他方が第3スライドレール58cとされている。そして、第3スライドレール58cは、所定の間隔で分割され、その間に複数の切り欠き部59a、59bが設けられている。このため、切り欠き部59a、59bにおいてハンガー30が第1スライドレール58aのみに支持された状態となるので、ハンガー30の搬送時に異常が発生した場合に、切り欠き部59a、59bにおいてハンガー30を第1スライドレール58aから容易に取り外すことができ、問題に迅速に対応することができる。
【0046】
実施形態の構成と本発明の構成との対応関係を記載しておく。ハンガー30が「保持装置」の一例である。また、予備加熱装置50が「加熱装置」の一例である。また、第1スライドレール58a、第3スライドレール58c、及び水平方向移動機構が「搬送機構」の一例である。また、ローラ36が「滑車」の一例である。また、第1スライドレール58aが「メイン搬入レール」の一例である。また、第3スライドレール58cが「サブ搬入レール」の一例である。
【0047】
上記の実施形態の変形例を以下に列挙する。
(1)上記の実施形態では、第3スライドレールが複数に分割されている構成を例示したが、第3スライドレールが分割されていない構成を採用してもよい。
【0048】
(2)上記の実施形態では、ハンガーのローラが第1スライドレール及び第3スライドレールに載置されることで、板状体の表裏側からハンガーが支持される構成を例示したが、板状体の表裏側からハンガーを支持するための構成は限定されない。
【0049】
(3)上記の実施形態では、第1スライドレール、第3スライドレール及び水平方向移動機構によって板状体を搬送する構成を例示したが、搬送機構の構成については限定されない。
【0050】
(4)上記の実施形態以外にも、加熱装置及び搬送機構の構成については、適宜に変更可能である。
【0051】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0052】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0053】
10…予備成形型、12、14、22、24…金型、20…本成形型、22a、24a…型面、30…ハンガー、32…シャフト、34…クランプ、36…ローラ、38…取付部材、40…本加熱装置、42…加熱炉、44…搬送機構、50…予備加熱装置、52…予備加熱炉、58a…第1スライドレール、58a1…(第1スライドレールの)頂点部、58c1…(第3スライドレールの)頂点部、58b…第2スライドレール、58c…第3スライドレール、59a、59b…切り欠き部、70…ハンガー回収機構、100…基材成形装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物性繊維と熱可塑性樹脂を含む材料からなる板状体をその表裏側から挟持して保持する保持装置によって吊り下げた状態で搬送しながら基材に成形する基材成形装置であって、
前記板状体を加熱する加熱装置と、
前記加熱装置内において、前記保持装置を前記板状体の表裏側から支持した状態で該板状体の板面に沿った方向に搬送する搬送機構と、
を備えることを特徴とする基材成形装置。
【請求項2】
前記保持装置は、前記板状体の表裏側にそれぞれ滑車を備え、
前記搬送機構は、前記加熱装置内において、前記板状体の表裏側に前記板状体の板面に沿った方向に設けられた搬入レールをそれぞれ備え、
前記保持装置は、前記加熱装置内において、前記滑車が前記搬入レール上を移動することで搬送されることを特徴とする請求項1に記載の基材成形装置。
【請求項3】
前記板状体の表裏側にそれぞれ設けられた前記搬入レールのうち、一方がメイン搬入レールとされ、他方がサブ搬入レールとされ、
前記サブ搬入レールは、所定の間隔で分割された複数の切り欠き部を有することを特徴とする請求項2に記載の基材成形装置。
【請求項1】
植物性繊維と熱可塑性樹脂を含む材料からなる板状体をその表裏側から挟持して保持する保持装置によって吊り下げた状態で搬送しながら基材に成形する基材成形装置であって、
前記板状体を加熱する加熱装置と、
前記加熱装置内において、前記保持装置を前記板状体の表裏側から支持した状態で該板状体の板面に沿った方向に搬送する搬送機構と、
を備えることを特徴とする基材成形装置。
【請求項2】
前記保持装置は、前記板状体の表裏側にそれぞれ滑車を備え、
前記搬送機構は、前記加熱装置内において、前記板状体の表裏側に前記板状体の板面に沿った方向に設けられた搬入レールをそれぞれ備え、
前記保持装置は、前記加熱装置内において、前記滑車が前記搬入レール上を移動することで搬送されることを特徴とする請求項1に記載の基材成形装置。
【請求項3】
前記板状体の表裏側にそれぞれ設けられた前記搬入レールのうち、一方がメイン搬入レールとされ、他方がサブ搬入レールとされ、
前記サブ搬入レールは、所定の間隔で分割された複数の切り欠き部を有することを特徴とする請求項2に記載の基材成形装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−10296(P2013−10296A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−145413(P2011−145413)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】
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