説明

基板の形状を調整するチャック・システムと方法

本発明はチャック・システム40及び第1、第2の対向する面26b及び26aを有する基板26の形状を変える方法を対象とする。これは第1の対向する表面の種々の領域間に圧力差を生成して、基板が受ける外力から生じる第2の対向する表面の構造的変形を抑えることによって達成される。その目的のために、チャック・システムは第1、第2の対向する側部を有するチャック・ボディを含む。側面がその間に延在している。第1の側部は第1、第2の離間した支持領域58及び60を含む。第1の支持領域は第2の支持領域ならびに第1、第2の凹部52、54を取り囲んでいる。第2の支持領域は第2の凹部を取り囲み、第2の凹部と重なり合ったボディの一部は所定の波長を有する放射線に対して透過性を有する。第2の側部及び側面が外面を定める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は一般にインプリント・リソグラフィに関する。より詳細には、本発明はインプリント・リソグラフィ・プロセス中の望ましくないパターン変化を低減させることを対象とする。
【背景技術】
【0002】
微細加工は、例えばマイクロメートル以下程度のフィーチャを有する非常に小さな構造体の製造を伴う。微細加工が相当の影響を及ぼす1つの分野は集積回路の処理である。半導体処理産業は基板上に形成された単位面積当たりの回路を増大させるとともに、より高い製品歩留りのために努力を続けているので、微細加工は一層重要なものとなっている。微細加工はより高いプロセス制御を提供すると同時に、形成される構造体の最小フィーチャ寸法をより縮小する必要がある。微細加工が採用されている他の開発の分野には、バイオテクノロジー、光技術、機械系等がある。
【0003】
例示的な微細加工技術は、Willsonらに付与された米国特許第6,334,960号に示されている。Willsonらは構造体内にレリーフ像を形成する方法を開示している。この方法はインプリント層を有する基板を設ける工程を含む。インプリント層は重合可能な流体組成で被覆される。モールドが重合可能な流体と機械的に接触する。このモールドはレリーフ構造体を含み、重合可能な流体組成がレリーフ構造体を充填する。次に、重合可能な流体組成はレリーフ構造体を固化かつ重合させる条件に晒され、固化された高分子材料がモールドと相補的なレリーフ構造体を含んだインプリント層上に形成される。次に、モールド内のレリーフ構造体の複製が固化した高分子材料内に形成されるように、モールドはその固体高分子材料から分離される。インプリント層と固化した高分子材料はレリーフ像がインプリント層内に形成されるように、固化した高分子材料に対してインプリント層を選択的にエッチングするためにある環境に晒される。必要な時間とこの技術によって提供される最小フィーチャ寸法は、特に、重合可能な材料の組成に左右される。
【0004】
Chouに付与された米国特許第5,772,905号は、少なくとも1つの突出するフィーチャを有するモールドを基板上の薄膜に押圧させる、基板上に被覆された薄膜内に超微細(36nm以下)パターンを形成するリソグラフィの方法と装置を開示している。モールド内の突出フィーチャは薄膜内に凹部を形成させる。モールドが薄膜から除去される。凹部内の薄膜を除去して基板を露出させるように薄膜が処理される。したがって、モールド内のパターンが薄膜内に置き換えられて、リソグラフィが完了する。次のプロセスでは、薄膜内のパターンが基板内か、あるいは基板上に付加される別の材料内に複製される。
【0005】
さらに別のインプリント・リソグラフィ技術が、Chouらによって2002年6月、Nature誌、Col.417、835〜837貢、「Ultrafast and Direct Imprint of nanostructure in Silicon」に開示されており、これはレーザ支援型直接インプリント(LADI)プロセスと呼ばれる。このプロセスでは、基板のある領域が、レーザを用いてその領域を加熱することによって流動可能に、すなわち液化される。ある領域が所望の粘度に達した後、パターンを有するモールドをその領域に接触させる。この流動可能な領域はパターンの輪郭に一致する。次に冷却されて、パターンが基板内に固化される。この方法でパターンを形成する際に重要な事は、モールドの制御を維持することである。このようにして、特にモールドの望ましくない変形から生じるパターンの望ましくない変化を回避することができる。例えば、面内の変形は線幅の変化を生じさせるほか、パターンの位置決め誤差を生じさせる可能性がある。面外の変形は光学リソグラフィにおいて焦点を失わせ、その結果、下側の残りの層の厚さを変化させる可能性がある。これは線幅の制御及びエッチング。インプリントの両方を困難にする可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、パターンが上に形成される基板に対してモールドを適切に位置決めするように、モールドを成型かつ保持する改善された技術を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は適切にモールドを成型し、かつモールドを用いてパターンが形成されるウエハに対してモールドを位置決めするように基板を調整するチャック・システムを対象とする。このチャック・システムは、間に側面を備えた第1、第2の対向する側部を有するチャック・ボディを備える。第1の側部は第1、第2の離間した支持領域を定める第1、第2の離れた凹部を含む。第1の支持領域は第2の支持領域と第1、第2の凹部を取り囲んでいる。第2の支持領域は第2の凹部を取り囲み、第2の凹部に重なり合っているボディの一部は所定波長を有する放射線に対して透過性になっている。この部分は第2の側部から延びて、第2の凹部に近接して終端している。第2の側部と側面が外面を定める。ボディは第1、第2の凹部を各々外面の1つと流体的に連通した状態にしながらボディを貫通して延びる第1、第2の貫通路を含む。
【0008】
別の実施態様では、圧力制御システムが含まれる。第1の貫通路は第1の凹部を圧力制御システムと流体的に連通させ、第2の貫通路は圧力制御システムを第2の凹部と流体的に連通させる。チャック・ボディに設置される場合、基板は第1、第2の支持領域に接して着座し、第1、第2の凹部を覆う。第1の凹部とその凹部に重なり合った基板の部分が第1の室を定め、第2の凹部とその凹部に重なり合った基板の部分が第2の室を定める。圧力制御システムは第1、第2の室内の圧力を制御するように動作する。具体的には、圧力が第1の室内に確立されてチャック・ボディに対して基板の位置を維持する。特にインプリント中に生じる基板の変形を抑えるために、第2の室内の圧力は第1の室内の圧力とを異なるようにしている。例えば、重力下においてチャック・ボディからの基板の分離が妨げられるように、第1の室内を真空にしてチャック・ボディに対して基板を保持することができる。第2の室を加圧してそれに重なり合った第2の側の一部の変形が低減される。このようにして、静水圧を用いて基板の構造的変形を阻止するようにチャック・ボディに対して基板が保持され、かつ基板に加えられた外力が補償される。本発明のこれら及び他の実施態様を以下でより完全に考察する。この目的のために、第1、第2の対向する表面を有する基板の形状を変更する方法には、第1の対向する表面の種々の領域の間に圧力差を生成して第2の対向する表面の構造的変形を抑える工程を含む。本発明のこれら及び他の実施形態を以下でより完全に考察する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1はブリッジ14とステージ支持体16を有する一対の離間したブリッジ支持体12を備えた、本発明の一実施形態によるリソグラフィ・システム10を示している。ブリッジ14とステージ支持体16は離れている。ブリッジ14からステージ支持体16に向かって延びるインプリント・ヘッド18がブリッジ14に結合されている。モーション・ステージ20がステージ16上に設けられ、インプリント・ヘッド18に向いている。モーション・ステージ20はX及びY軸に沿ってステージ支持体16に対して移動するように構成されている。モーション・ステージ20に化学線の放射を入射させるための放射線源22がシステム10に結合されている。示しているように、放射線源22はブリッジ14に結合され、放射線源22に接続された発電機23を備えている。
【0010】
図1、2の両方を参照すると、モールド28を備えた基板26がインプリント・ヘッド18に接続されている。モールド28はナノメートル程度、例えば100nmの段差hを有する複数の離間した凹部28aと凸部28bによって定められた複数のフィーチャを含んでいる。この複数のフィーチャはモーション・ステージ20上に位置決めされたウエハ30にインプリントされるオリジナルのパターンを決めている。この目的のために、インプリント・ヘッド18はz軸に沿って移動し、かつモールド28とウエハ30との間で距離「d」だけ動くようにされている。このようにして、以下でより完全に考察するようにモールド28上のフィーチャをウエハ30上の流動可能な領域にインプリントすることができる。放射線源22は放射線源22とウエハ30との間にモールド28が配置されるように置かれている。このため、モールド28は放射線源22で発生した放射線に対して透過性を持つ材料で製造される。
【0011】
図2、3の両方を参照すると、インプリント層34などの流動可能な領域が実質的に平坦な輪郭である面32の一部の上に設けられている。流動可能な領域は、参照によりその全体を本願明細書に組み入れた米国特許第5,772,905号に開示されたホット・エンボッシング・プロセス、またはChouらによって2002年6月、Nature誌、Col.417、835〜837頁、「Ultrafast and Direct Imprint of Nanostructure in Silicon」に記載されたタイプのレーザ支援型直接インプリント(LADI)プロセスなどの任意の知られている技術を用いて形成させることができる。しかし、本実施形態では、以下で十分に考察されるように、流動可能な領域は、ウエハ30上に材料36aの複数の分離したビード36として堆積されたインプリント層34から構成される。インプリント層34は、記録されたパターンを形成する、オリジナルのパターンを記録するために選択的に重合されかつ交差結合される材料36aから形成される。材料36aは複数の点36bで交差結合され、交差結合された高分子材料36cとして図4に示されている。
【0012】
図2、3、5を参照すると、インプリント層34に記録されるパターンは、一部はモールド28との機械的接触によって生成される。この目的のために、インプリント・ヘッド18が距離「d」を低減させてインプリント層34をモールド28に機械的に接触させ、面32の上に材料36aを連続的に形成されたインプリント層34を形成するようにビード36が広がる。一実施形態では、インプリント層34の一部34aが凹部28aに入り、凹部を充填するように距離「d」を低くする。
【0013】
凹部28aの充填を容易にするために、材料36aは材料36aの連続構造で面32を被覆する一方、凹部28aを完全に充填するための不可欠な特性を有している。本実施形態では、所望の、通常は最小距離「d」に達した後に凸部28bと重なり合っているインプリント層34の一部34bが残り、厚さt1を有する一部34aと厚さt2を有する一部34bが残される。厚さ「t1」と「t2」は用途に応じて任意の厚さであってよい。典型的には、図5により明白に示したように、t1は一部34aの幅uの2倍以下、すなわちt1≦2uになるように選択される。
【0014】
図2、3、4を参照すると、所望の距離「d」に達した後、放射線源22は材料36aを重合かつ交差結合させる化学線を生成し、交差結合された高分子材料36cを形成する。この結果、インプリント層34の組成が材料36aから固体である材料36cに変性する。特に、図5により明白に示したモールド28の面28cの形状に一致する形状をインプリント層34の側34cに形成するために、材料36cが固化される。インプリント層34が図4に示した材料36cで構成されるように変性された後、モールド28とインプリント層34を離すように距離「d」に増大させるように図2に示したインプリント・ヘッド18が移動させられる。
【0015】
図5を参照すると、ウエハ30のパタニングを完全にするために付加的な処理を採用してよい。例えば、ウエハ30とインプリント層34をエッチングしてインプリント層34のパターンをウエハ30にインプリントし、図6に示したパターン化された面32aを形成することができる。エッチングを容易にするために、インプリント層34を形成する材料を変えて、所望するようにウエハ30に対する相対エッチング速度を定めてよい。このウエハ30に対するインプリント層34の相対エッチング速度は、約1.5:1〜約100:1の範囲でよい。別の場合、あるいは付加的には、インプリント層34はインプリント層34上に選択的に配設されるフォトレジスト材料(図示せず)に対するエッチング差を有していてもよい。フォトレジスト材料(図示せず)を用意して、知られている技術を用いてインプリント層34をさらにパターン化させてもよい。所望のエッチング速度、及びウエハ30とインプリント層34を形成する下側の成分に応じて、任意のエッチング・プロセスを用いることができる。例示的なエッチング・プロセスには、プラズマ・エッチング、反応性イオン・エッチング、化学的ウェット・エッチング等がある。
【0016】
図1、2を参照すると、例示的放射線源22は紫外線を生成する。熱放射、電磁放射等の他の放射線源が使用されてもよい。インプリント層34内で材料の重合を開始させるのに用いられる放射線の選択が当業者には知られており、典型的には望まれる特定の用途に左右される。さらに、モールド28上の複数のフィーチャが、狭間の形状とされたモールド28の断面を形成している凸部28bに平行な方向に沿って延びる凹部28aとして示されている。しかし、凹部28aや凸部28bは、集積回路を形成するのに必要な実質的に任意のフィーチャに対応させることができ、10分の数ナノメートルと同程度に小さくすることができる。このため、熱的に安定した、例えばほぼ室温(例えば、25℃)において約10ppm/℃未満の熱膨張係数を有する材料でシステム10の構成要素が作られるのが好ましいであろう。いくつかの実施形態では、構成材料は約10ppm/℃未満または1ppm/℃未満の熱膨張係数を有する。この目的のために、ブリッジ支持体12、ブリッジ14、及び/またはステージ支持体16は炭化珪素、商標名INVAR(登録商標)または商標名SUPER INVAR(商標)で市販されている鉄合金、ZERODURE(登録商標)セラミックを含むがこれに限定されないセラミックの1つまたは複数で製造することができる。付加的には、周囲環境の振動からシステム10の残りの構成要素を絶縁するようにテーブル24を構成させてもよい。例示的なテーブル24はカリフォルニア州アービンのNewport Corporationから入手可能である。
【0017】
図7、8を参照すると、モールド28を載せた基板26がチャック・ボディ42を備えたチャック・システム40によってインプリント・ヘッド・ハウジング18aに結合されている。特に、基板26は向きあっている面26a、26bを備え、その間に周囲の側面26cが広がっている。面26bはチャック・システム40に面し、モールド28は面26aから延びている。図2に示したビード36からの流体がモールド28の領域を越えて広がらないようにするために、図8に示したモールド28の面28cはマイクロメートル程度、例えば15μmだけ基板26の面26aから離間している。較正システム18bがインプリント・ヘッド・ハウジング18aに結合されており、チャック・ボディ42が基板26を撓みシステム18cを介して較正システム18bに結合している。較正システム18bは基板26とウエハ30との間の適切な配向整列を容易にし、これによってそれらの間に実質的に均一な空隙間隔「d」が達成される。
【0018】
図7、9の両方を参照すると、較正システム18bは複数のアクチュエータ19a、19b、19cとベース板19dを備えている。特にアクチュエータ19a、19b、19cはハウジング18aとベース板19dとの間に接続されている。撓みシステム18cは撓みばね21aと撓みリング21bを備えている。撓みリング21bはベース板19dと撓みばね21aとの間に結合されている。アクチュエータ19a、19b、19cの動作によって、撓みばね21aだけでなく、チャック・ボディ42と基板26を粗較正させるように撓みリング21bを配向させる。アクチュエータ19a、19b、19cはZ軸へ撓みリング21bを並進させる。撓みばね21aは、適切な配向位置合わせが図2に示したウエハ30と基板26との間に達成されるようにX−Y平面におけるジンバルと同じような動作をする複数の線形ばねを備えている。
【0019】
図8、10を参照すると、チャック・ボディ42は真空技術を用いてモールド28が取り付けられている基板26を保持する。この目的のために、チャック・ボディ42は第1、第2の対向する側部46、48を備えている。側面、すなわち端部である表面50が第1の側部46と第2の側部48との間に広がっている。第1の側部46は第1の凹部52とその第1の凹部52から離れた第2の凹部54を備えており、これで第1、第2の離間した支持領域58、60を定めている。第1の支持領域58は第2の支持領域60と第1、第2の凹部52、54を取り囲んでいる。第2の支持領域60は第2の凹部54を取り囲んでいる。第2の凹部54と重なり合ったチャック・ボディ42の一部分62は、上で示した化学線の波長などの所定の波長を有する放射線に対して透過性である。この目的のために、部分62はガラスなどの透過性材料の薄い層で製造される。しかし、部分62が製造される材料は、図2に示した放射線源22によって生成される放射線の波長に左右される可能性がある。部分62は第2の側部48から延びて、第2の凹部54に最も近い所で終端しており、モールド28が部分62と重ね合わせられるようにモールド28の領域と同じぐらいの広さの領域となっていなければならない。64、66で示した1つまたは複数の貫通路がチャック・ボディ42内に形成されている。貫通路64などの貫通路の1つは、第1の凹部52を側面50と流体的に連通させている。貫通路66などの残りの貫通路は第2の凹部54を側面50と流体的に連通させている。
【0020】
さらに貫通路64が第2の側部48と第1の凹部52の間に延びていてよいことを理解すべきである。同様に、貫通路66が第2の側部48と第2の凹部54との間にある。貫通路64、66が、凹部52、54の各々をポンプ・システム70などの圧力制御システムと流体的に連通させることが好ましい。
【0021】
ポンプ・システム70は、凹部52、54の近くで互いに独立に圧力を制御する1つまたは複数のポンプを備えてよい。チャック・ボディ42に取り付けられるとき、基板26は第1、第2の支持領域58、60に接し、第1、第2の凹部52、54を覆うように置かれる。第1の凹部52とそこに重なり合った基板26の一部分44aは、第1の室52aを形成する。第2の凹部54とそこに重なり合った基板26の一部分44bは第2の室54aを形成する。ポンプ・システム70は第1、第2の室52a、54bの圧力を制御するように動作する。
【0022】
例えば、圧力を第1の室52a内に確立させて、チャック・ボディ42に対して基板26の位置を維持させ、又は維持できない場合には、重力gの下でチャック・ボディ42から基板26が分離しないようにする。特に、インプリント中に発生する、モールド28上のフィーチャによって定められたパターンの面外の変形を抑えるために、第2の室内の圧力を第1の室52aの室内の圧力と異なるようにすることができる。面外の変形は、例えば、図2に示したインプリント層34がモールド28と接触する結果発生する、モールド28に対抗する上向きの力Rから生じる。変形を回避できない場合には、図8に示した基板26の形状を変化させることによって、パターンの面外の変形を抑えることができる。例えば、ポンプ・システム70は室54a内に正圧を加えて力Rを補償することができる。これによって、基板26や、力Rが加えられたモールド28の曲げを制御または弱めて基板26や、モールド28に所望の所定の形状を維持させるように、側部46の種々の領域の間に圧力差が生じさせる。基板26とモールド28が取ることができる例示的な形状には、楕円状、弓状、平面状、放物線状、鞍状等がある。
【0023】
図2、8を参照すると、インプリント・ヘッド18はインプリント・プロセスの間にモールド28が受ける力Rの大きさを検出するための圧力センサ18dを備えいる。センサとデータ通信を行うプロセッサ71に送信される情報はセンサによって生成される。センサ18dによって得られた情報に応答して、プロセッサ71はポンプ・システム70を制御して、基板26やモールド28が所望の所定の形状を有するように力Rを補正するための圧力を室52a、54a内に形成する。
【0024】
室52a、54a内の圧力を、圧力センサ18dによって検出された先のインプリント・プロセスからの力Rの先験的な知識に基づいて形成してもよい。その結果、室52a、54a内の圧力は、基板26、モールド28が所定の所望の形状を有するようにするためにモールド28とインプリント層34との間に接触が生じる前または後のいずれかに確立される。場合によっては、インプリント・プロセス中に室54aを高速、すなわち動的に加圧することが好ましいことがある。例えば、望むならモールド28がインプリント層34と接触した後に、室54a内に圧力を確立して基板26を適切に形成することが有利であろう。基板26、したがってモールド28の所望の所定の形状を得るために室54a内に確立された正圧は、室52a内に確立された真空圧力を超えることができる。これによって基板26がチャック・ボディ42から分離される。
【0025】
インプリント中にチャック・ボディ42と基板26との間の相対位置を維持するために、室54a内の圧力を、モールド28がインプリント層34に接触した後に動的に確立させてもよい。このようにして、力Rと室52a内の真空圧力の両方が、チャック・ボディ42と基板26との間の相対位置が室54a内の正圧とは反対に維持されるのを確実にする。モールド28がインプリント層34内にパターンをインプリントした後、室54a内の圧力は、室54内に真空を確立するように調整される。このようにして、室52a、54aのすべてが真空状態になって、チャック・ボディ42と基板26との間の相対位置を維持すると同時にインプリント層34からのモールド28の分離を容易にする。
【0026】
Y方向は図8の面に直交していることを前提にして、基板をX及びY方向に圧縮する手段が基板26に結合されている。本実施例では、圧縮手段は1つまたは複数のブラダーを有する周囲面26cを取り囲んでいる流体密封ブラダー・システムを備え、2つのブラダーをY軸に沿って延びる72a、72bとして示し、わかり易くするために周囲面26cのX軸に沿って延びているブラダーを示していないが、本実施形態には含まれている。万力または万力として機能する圧電アクチュエータなどの基板26を圧縮できる他のデバイスがブラダー・システムに加えて、あるいはそれの代わりに使用されてよい。ブラダー72a、72b内の流体圧力を制御するために、ブラダー72a、72bはポンプ・システム70と流体的に連通している。このようにして、ブラダー72a、72bを用いて基板26に力を加えて、基板26の寸法を変化させ、かつ図2に示したインプリント層34に記録されるパターンの面内の変形を抑えることができる。
【0027】
特に、インプリント層34に記録されるパターンの面内の変形は、インプリント層34とウエハ30の寸法の変化から生じるかもしれない。このような寸法の変化は、一部には熱変化のほか、一般に倍率/ランアウト誤差と呼ばれるものを発生する先の処理工程に起因するかもしれない。倍率/ランアウト誤差は、オリジナルのパターンが記録されるウエハ30のある領域がオリジナルのパターンの領域よりも大きい場合に発生する。また、倍率/ランアウト誤差はオリジナルのパターンが記録されるウエハ30の領域がオリジナルのパターンよりも狭い面積を有している場合にも発生するであろう。倍率/ランアウト誤差の悪影響は、図6のパターン化面32aに重ね合わされたインプリント層124として示したインプリントされたパターンの複数の層を形成する際に大きくなる。重ね合わされた2つのパターン間の適切な位置合わせは、シングル・ステップ・フル・ウエハ・インプリント・プロセスやステップ・アンド・リピート・インプリント・プロセスの両方における倍率/ランアウト誤差に直面した場合に困難である。
【0028】
図11、12を参照すると、ステップ・アンド・リピート工程は、a〜lで示した複数の領域をモールド28上のオリジナルのパターンが記録されるウエハ30上に形成する工程を含む。モールド28上のオリジナルのパターンはモールド28の表面全体と同じ広がりを有するか、またはその一部にあってもよい。ウエハ30に面しているモールド28の表面と同じ広がりを有するオリジナルのパターンに関して本発明を考察するが、基板28は領域a〜lの各々よりも広い面積を有することを理解すべきである。ステップ・アンド・リピート工程の適切な実行には、領域a〜lの各々に対してモールド28を適切に位置合わせすることを含んいる。この目的のために、モールド28は「+」記号で示したアライメント・マーク114aを含む。1つまたは複数の領域a〜lは基準マーク110aを含む。アライメント・マーク114aが基準マーク110aと適切に確実に位置合わせさせることによって、モールド28とそれに重ね合せられた領域a〜lの1つに対する適切な位置合わせが正確に行われる。この目的のため、アライメント・マーク114aと基準マーク110aとの間の相対位置を感知するためにマシン・ビジョン・デバイス(図示せず)が使用される。本実施形態では、適切な位置合わせはアライメント・マーク114aが基準マーク110aに重なり合ったときに表示される。倍率/ランアウト誤差が出現すると、適切な位置合わせは困難になる。
【0029】
しかし、本発明の一実施形態によれば、モールド28とウエハ30との間に相対的寸法変化を生成させることによって、回避されない場合には倍率/ランアウト誤差を低減させることができる。特に、領域a〜lの1つがモールド28上のオリジナルのパターンの面積よりも僅かに小さい面積とするようにウエハ30の温度を変えることができる。その後、倍率/ランアウト誤差の最終的補償が、図8に示したブラダー72a、72bを使用した機械的圧縮力に基板26を晒すことによって達成される。その力は、ブラダー72a、72bを用いて、図12に示した互いに横方向に向いた矢印F1及びF2により示されるようにモールド28に順に加えられる。このようにして、オリジナルのパターンの面積がそれに重なり合った領域a〜lの面積と同じ大きさを有するようになる。
【0030】
しかし、図5、8を参照すると、基板26を圧縮力に晒すと、曲げ動作を通して基板の形状が変化する。また基板26の曲げはインプリント層34にインプリントされるパターンに変形を生じさせるかもしれない。基板26の曲げに起因するパターンの変形は、阻止されないとしても、基板26の曲げが所望の方向に生じるように制御されるようにブラダー72a、72bを位置決めすることによって低減させることができる。本実施形態では、ブラダー72a、72bは、力Rに対して平行な方向と反対の方向に曲がるように基板26を圧縮するように位置決めされる。このようにして基板26の曲げを制御することによって、モールド28が所望の所定の、例えば弓形、平面等となるように、チャック・システム40を用いて曲げ力Bに対して補正される。この目的のために、ポンプ・システム70を用いて室54aが適切に加圧される。例えば、曲げ力Bが力Rを超えている場合、ポンプ・システム70を用いて、曲げ力Bに対抗するように十分な減圧を用いて室54aが真空にされるであろう。曲げ力Bが力Rよりも弱いと仮定すると、ポンプ・システム70を用いて、モールド28の平面性、または他の任意の所望の形状を維持するように室54aが適切に加圧される。正確な圧力レベルは、力RとBの先験的な知識を用いて決定することができ、次いでポンプ・システム70内に含まれるプロセッサ71によってそれを分析し、室52a、54bを適切なレベルまで加圧することができる。また、基板26を所望の形状に維持するために室52a、54a内の圧力が動作中に動的に確立されるように、上記の圧力センサ18dとプロセッサ71などの知られている技術を用いて力R及び力Bを動的に感知することができる。この曲げ力の大きさは、周囲面26cの形状、例えば、周囲面26cが第1、第2の面26a、26bに直交して延びているか、あるいはそれらに対して斜角を形成しているかどうか、ブラダー72a、72bが力を加える周囲面26c上の位置、さらには図2に示した面32上のビード36のパターンなどの多くの因子に左右される。ブラダー72a、72bなどの単一の圧縮力を加える手段が周囲面の対向する領域上に示されている。力F3、F4、F5、F6で示した複数の圧縮力が周囲面26cの対向する領域に加えられることを理解すべきである。力F3、F4、F5、F6は基板26に所望の所定の形状を与えるのに必要とされるような同一あるいは異なる大きさを有してよい。追加の利点は、室52a、54aの一方または両方の圧力を正圧になるように確立することができることであり、これによりチャック・ボディ42からの基板26の取り外しが容易になる。これはプロセッサによる制御または手動によって達成されてもよい。
【0031】
再度図8を参照すると、ブラダー72a、72bを用いて基板26を圧縮する場合、基板26と支持領域58、60との間の相対動きはX及びY軸に沿って発生する。その結果、支持領域58、60が、基板26のプロファイルに一致するように適合され、かつX及びY軸に沿った変形に抵抗する材料から形成された表面領域58a、60aの各々をその上に有することが好ましい。このようにして、表面領域58a、60aはX及びY方向のチャック・ボディ42に対する基板26の相対運動に抵抗する。
【0032】
図8、13を参照すると、別の実施形態では、チャック・ボディ142は1つまたは複数の壁、すなわち第1、第2の支持領域158、160の間に延びている142a、142b、142c、142dで示したバッフルを含んでよい。このように、壁/バッフル142a、142b、142c、142dは、一旦基板26がそれらに重ね合わせて設置されると、凹部152をサブ室として機能する複数のサブ領域152a、152b、152c、152dに分割する。サブ室152a、152b、152c、152dは、結果的に各々がサブ室をポンプ・システム70と流体的に連通させる貫通路(図示せず)を有するであろう流体密封である。別法として、または貫通路と共に、一旦基板26がサブ室に重ね合わせて設置された後で、サブ室152a、152b、152c、152dは流体密封室を形成しなくてもよい。むしろ、壁142a、142b、142c、142dは基板26から離されてサブ室にわたって流体を運ぶためのバッフルとして機能するであろう。この結果、ポンプ・システム70によって適切な圧力レベルが凹部152に加えられると、望むようにサブ室152a、152b、152c、152dの間に圧力差が生じるであろう。同様に、142eで示した1つまたは複数のバッフルが、支持領域160の対向する領域の間に延びて必要に応じてサブ室154a、154bを形成するように位置決めされてよい。
【0033】
壁/バッフル142a、142b、142c、142dを示している図2、13の両方を参照すると、この構成では、サブ領域152a、152b、152c、152dは同時に異なる圧力レベルを有することができる。その結果、インプリント層34から引き離されるときに基板26にかかる力の量は基板26の表面にわたって変化する。これによって、インプリント層から基板26を分離する間に変形または欠陥がインプリント層34内に形成されるのを抑えるインプリント層34からの基板26の片持ち、つまり剥離が可能となる。例えば、サブ室152bは残りのサブ室152a、152c、152dに関連する圧力を超える圧力をその室内に確立することができる。その結果、距離「d」を大きくすると、サブ室152a、152c、152dに重なり合った基板26の部分の引っ張り力は、サブ室152bに重なり合わされている基板26の部分が受ける引っ張り力を超え易い。このため、サブ室152a、152c、152dに重なり合った基板26の部分に対して「d」が増大する速度は、サブ室152bに重なり合わされている基板26の部分に対して「d」が増大する速度に比して加速され、上記の片持ち効果が達成される。
【0034】
図14に示したさらに別の実施形態では、チャック・ボディ242は外側の凹部252の底面252aから突出している複数のピン242aを含んでいる。ピン242aは真空によってチャック・ボディ242上に保持されたウエハ(図示せず)を機械的に支持する。これによって支持領域258、260は、支持領域258、260に接して置かれているウエハ(図示せず)の表面(図示せず)と完全に一致する材料で各々形成される表面領域258a、260aを有することになる。このようにして、表面に過度の変化が生じた場合、例えば、ウエハ(図示せず)の表面(図示せず)と表面領域258a、260aとの間に粒子状物質が存在している場合に、表面領域258a、260aはウエハ(図示せず)に流体密封を与える。Z方向のウエハ(図示せず)の機械的支持が、表面領域258a、260aによって行われる必要はない。ピン242aがこの支持を行う。この目的のために、ピン242aは典型的には断面が円形の剛性のある支柱である。
【0035】
図11、12、15を参照すると、動作中、工程200においてX−Y平面のウエハ30の正確な測定が行われる。これはマシン・ビジョン・デバイス(図示せず)や知られている信号処理技術を用いて、ウエハ30上に存在する粗い位置合わせ基準110bを感知することによって達成することができる。工程202では、領域a〜lの1つの面積がモールド28上のオリジナルのパターンの面積よりも若干小さくなるように、ウエハ30の温度が変化、すなわち、上昇されるかまたは低下させられる。この温度変化はウエハ30が保持される温度制御されるチャックまたはペデスタルを用いて達成することができる。各領域a〜lの面積は、同一線上の2つの粗い位置合わせ基準110bの間の距離の変化を測定することにより決定される。
【0036】
特に、XまたはY軸の一方に沿って同一線上にある2つの粗い位置合わせ基準110bの間の距離の変化が決定される。この後、この距離の変化がX軸に沿ってウエハ30上にある隣接する領域a〜lの数で割られる。これによってX軸に沿ったウエハ30の寸法変化に起因する領域a〜lの面積の寸法が変わる。必要に応じて、Y軸に沿ったウエハ30の寸法変化に起因する領域a〜l面積の変化を決定するために同じ測定が行われてよい。しかし、ウエハ30の寸法変化が2本の直交する軸X、Yにおいて均一であると想定されている。
【0037】
工程204では、圧縮力F1及びF2をモールド28に加えて、パターンに重ね合わされた領域a〜lの1つの面積と同じ広がりを有するオリジナルのパターンの面積が確立される。これは2つ以上の位置合わせマーク114aが2つ以上の基準マーク110aに対して位置が合っていることを決定するために、マシン・ビジョン・デバイス(図示せず)や知られている信号処理技術を用いてリアルタイムで達成することができる。工程206では、適切な位置合わせが達成され、倍率/ランアウト誤差が低減された後、ずれが無い場合には、オリジナルのパターンがモールド28と重なり合った領域a〜l内に記録され、記録されたパターンを形成する。ウエハ30またはモールド28のいずれかの寸法変化は全方向に均一というわけではないかもしれないので、圧縮力F1及びF2は同じ大きさである必要はない。さらに、倍率/ランアウト誤差はX−Y両方向に同じではないかもしれない。この結果、このような異常を補償するために圧縮力F1及びF2は異なってもよい。さらに、モールド28が図6に示したインプリント層124に接触した後に、倍率/ランアウト誤差の著しい低減を確実に行うために、モールド28の寸法を変えてもよい。しかし、これは必要というわけではない。
【0038】
再度図6、11、12を参照すると、モールド28と、該モールド28と重なり合った領域a〜lとの位置合わせは、モールド28がインプリント層124から離れた状態で行われる。倍率/ランアウト誤差がウエハ30全体にわたって一定であることがわかった場合、圧縮力F1及びF2はオリジナルのパターンが記録される領域a〜lの各々に対して維持されるであろう。しかし、倍率/ランアウト誤差が1つまたは複数の領域a〜lで異なっていると決定された場合、図15に示した工程202、204がオリジナルのパターンが記録される領域a〜lの各々に対して行われるであろう。ウエハ30とモールド28との間で起こるかもしれない相対的寸法変化には限界があることに注意すべきである。例えば、モールド28が圧縮力F1及びF2を受けたときに、モールド28の構造的完全性を損なうことなく、モールド28上のパターンがそれと同じ大きさを有する面積を定めることができるように、領域a〜lの面積は適した寸法になるべきである。
【0039】
図5、16を参照すると、本発明の別の実施形態では、工程300においてX−Y平面のウエハ30の正確な測定が行われる。工程302では、モールド28に重ね合わされた領域a〜lの1つの寸法が決定される。工程304では、モールド28に重ね合わされた領域a〜lの1つの面積がモールド28上のパターンの面積より大きいかどうかが決定される。この場合、プロセスは工程306に進むか、あるはプロセスは工程308に進む。工程308では、モールド28がこれに重ね合わされた領域a〜lに接触するように置かれ、圧縮力F1及びF2の必要な大きさが決定されてモールド28に加えられ、パターンの面積が領域a〜lの面積と同じ大きさを有することが確実にされる。工程310では、圧縮力F1及びF2がモールド28に加えられる。したがって、モールド28はモールド28に重ね合わされた領域a〜lから離間され、プロセスは工程312に進んで、そこでオリジナルのパターンが記録されるウエハ30上に残っているかどうかが決定される。残っている場合、プロセスは工程314に進み、そこでモールドが隣の領域に重ね合わされて置かれ、プロセスは工程304に進む。残っていない場合には、プロセスは工程316にて終了する。
【0040】
工程304においてモールド28と重なり合っている領域a〜lがパターンの面積よりも大きい面積を有していると決定された場合、プロセスは工程306に進み、そこでモールド28を膨張させるためにモールド28の温度が変えられる。本実施形態では、モールド28はモールド28に重なり合った領域a〜lの面積よりもパターンが僅かに大きくなるように工程306において加熱される。次に、プロセスは工程310において継続される。
【0041】
上に記載した本発明の実施形態は例示的なものである。多くの変更及び変形が本発明の範囲において上記の開示になされてよい。例えば、チャック・ボディ−基板の組み合わせによって形成された室のすべてを正圧を用いて加圧することによって、基板はチャック・ボディから迅速に解放することができる。さらに、上記実施形態の多くが重合可能な材料のビードの堆積によるインプリント層の形成を採用していない既存のインプリント・リソグラフィ・プロセスにおいて実施されてよい。本発明の種々の実施形態が採用されてよい例示的なプロセスには、参照によってその全体を本願明細書に組み入れた米国特許第5,772,905号に開示されたホット・エンボッシング・プロセスを含む。さらに、本発明の実施形態の多くは、Chouらによる2002年6月、Nature誌、Col.417、835〜837頁、「Ultrafast and Direct Imprint of Nanostructure in Silicon」に記載された種類のレーザ支援型直接インプリント(LADI)プロセスを用いて使用されてよい。したがって、本発明の範囲は上記説明に関連して決定されるべきではなく、代わって添付の特許請求の範囲に関連し、その全範囲の同等物とともに決定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明のリソグラフィ・システムを示す斜視図である。
【図2】図1のリソグラフィ・システムを示す略立面図である。
【図3】重合及び交差結合前に図2に示したインプリント層が構成される材料を示す略図である。
【図4】放射線を受けた後に変性される図3に示した材料の交差結合された高分子材料を示す略図である。
【図5】インプリント層のパターン化後の、図1に示したインプリント層から離間されたモールドを示す略立面図である。
【図6】第1のインプリント層のパターンを基板にインプリントした後の、図5に示した基板の上に位置決めされたさらなるインプリント層を示す略立面図である。
【図7】図1に示したプリント・ヘッドを示す詳細な斜視図である。
【図8】本発明のチャック・システムを示す断面図である。
【図9】図7に示したインプリント・ヘッドを示す分解図である。
【図10】図8に示したチャック・ボディを示す下から見た平面図である。
【図11】インプリント層が配置された図2、5、及び6に示したウエハを示す上から見た平面図である。
【図12】インプリント領域の1つの中のモールドの位置を示す図11の詳細図である。
【図13】別の実施形態による図8に示したチャック・ボディを示す下から見た平面図である。
【図14】第2の別の実施形態による図8に示したチャック・ボディを示す断面図である。
【図15】本発明のインプリント・リソグラフィ技術を用いて形成されたパターンの変形を低減させる方法を示すフロー・チャートである。
【図16】本発明の別の実施形態よるインプリント・リソグラフィ技術を用いて形成されたパターンの変形を低減させる方法を示すフロー・チャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を保持するためのチャック・システムであって、
端面が間に広がっている第1、第2の対向する側部を有するチャック・ボディを備え、前記第1の側部は第1、第2の離れた支持領域となる第1、第2の離れた凹部を含んでおり、前記第1の支持領域は前記第2の支持領域及び前記第1、第2の凹部を取り囲み、かつ前記第2の支持領域は前記第2の凹部を取り囲み、前記第2の凹部と重なり合った前記ボディの一部は所定の波長を有する放射線に対して透過性であり、その部分が前記第2の側部から延びて前記第2の凹部に近い所で終端しており、前記第2の側部と前記端面が外面となっており、前記ボディは前記第1、第2の凹部の1つを前記外面の1つと流体的に連通させる、前記ボディを通って延びる貫通路を含んでいるチャック・システム。
【請求項2】
前記第1、第2の支持領域の各々は、前記支持領域に関連する、前記第2の表面と反対方向を向いた支持表面を有しており、前記支持表面は前記基板のプロファイルに一致するように適合される材料から形成される請求項1に記載のチャック・システム。
【請求項3】
前記第1の凹部は、そこから延びている複数の離間されたピンを含む請求項1に記載のチャック・システム。
【請求項4】
前記第1、第2の支持領域の各々は、前記支持領域に関連する前記第2の表面と反対方向を向いた支持表面を有しており、前記支持表面は、第1の方向に横断する方向の動作に抵抗し、前記基板のプロファイルに一致するように前記第1、第2の対向する側部の間に延びている前記第1の方向に従順な材料から形成されている請求項1に記載のチャック・システム。
【請求項5】
前記第2の凹部内に配設され、前記第1、第2の支持領域の間に延びて前記第1の凹部を複数のサブ室に分割する壁をさらに含む請求項1に記載のチャック・システム。
【請求項6】
前記第1の支持領域は前記第2の支持領域周囲で同心状であり、環状、多角形、円形から構成される形状のセットから選択される形状を有する請求項1に記載のチャック・システム。
【請求項7】
前記第1、第2の対向する側部の形状を撓ませるように、前記基板を曲げるように結合された手段をさらに含む請求項1に記載のチャック・システム。
【請求項8】
前記貫通路に流体的に連通している圧力制御システムをさらに備え、前記基板は前記第1、第2の支持領域に接して置かれて前記第1、第2の凹部を覆い、第1、第2の室の1つの圧力を制御するように動作する前記圧力制御システムに対して、前記第1の凹部とその凹部に重なり合った前記基板の部分が前記第1の室を形成し、かつ第2の凹部とその凹部に重なり合った前記基板の部分が前記第2の室を形成する請求項1に記載のチャック・システム。
【請求項9】
付加的な貫通路を設けることをさらに含み、前記貫通路と前記付加的な貫通路を前記第1、第2の凹部の各々を前記外面の1つと流体的に連通させかつ前記貫通路と前記付加的な貫通路の両方に流体的に連通している圧力制御システムを備え、前記基板は前記第1、第2の凹部に接して置かれて前記第1、第2の凹部を覆い、第1、第2の室の間に圧力差を生成するように動作する前記圧力制御システムに対して、前記第1の凹部とその凹部に重なり合った前記基板の部分が前記第1の室を形成し、かつ第2の凹部とその凹部に重なり合った前記基板の部分が前記第2の室を形成する請求項1に記載のチャック・システム。
【請求項10】
付加的な貫通路を設けることをさらに含み、前記貫通路と前記付加的な貫通路を前記第1、第2の凹部の各々を前記外面の1つと流体的に連通させ、前記貫通路と付加的な貫通路の両方に流体的に連通している圧力制御システム及び前記基板の対向する側部を撓ませるように前記基板を曲げるように結合された手段を備え、前記基板は前記第1、第2の凹部に接して置かれて前記第1、第2の凹部を覆い、第2の室の圧力を制御して第2の部分の曲率を変えるように動作する前記圧力制御システムに対して、前記第1の凹部とその凹部に重なり合った前記基板の第1の部分が前記第1の室を形成し、かつ第2の凹部とその凹部に重なり合った前記基板の第2の部分が前記第2の室を形成する請求項1に記載のチャック・システム。
【請求項11】
前記第1の凹部内に配設され、前記第1、第2の支持領域の間に延びて前記第1の凹部を複数のサブ室に分割する壁及び前記貫通路と流体的に連通する圧力制御システムをさらに備え、前記基板は前記第1、第2の支持領域に接して置かれ、前記第1の凹部を覆い、前記複数のサブ室の圧力を制御してサブ室間に圧力差を生成するように動作する前記圧力制御システムに対して、前記第1の凹部とその凹部に重なり合った前記基板の一部分が第1の室を形成する請求項1に記載のチャック・システム。
【請求項12】
インプリント層から離れている、第1、第2の対向する表面を有する基板の形状を変える方法であって、
前記インプリント層の機能である、前記第2の対向する表面の構造的変形を抑えるために前記第1の対向する表面の異なる領域の間に圧力差を生成する工程を含む方法。
【請求項13】
前記圧力差を生成する工程は、前記領域の第1のサブセットを引っ張り力に晒し、かつ前記領域の第2のサブセットを押圧力に晒して、所望の所定の形状を有するように前記第2の対向する表面サブ部分を確立する工程をさらに含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記圧力差を生成する工程は、前記種々の領域の残りの領域に関連する引っ張り力よりも実質的に大きい引っ張り力に前記領域の第1のサブセットを晒す工程をさらに含み、前記第1のサブセットは連続しており、かつ前記基板の周縁部に近い所に位置決めされる請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記基板に曲げ動作を引き起こす圧縮力を加えてその寸法を変化させる工程をさらに含み、前記圧力差を生成する工程は引っ張り力を生成して前記曲げ動作を抑え、かつ前記第2の側部の前記部分の所望の所定の形状を維持することを含む請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記圧力差を生成する工程は、第1の前記種々の領域を確立して第2の前記種々の領域を取り囲んでいる工程をさらに含み、前記第1の領域には引っ張り力が加えられ、前記第2の領域上には押圧力が加えられる請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記圧力差を生成する工程は、前記圧力差を変えて前記第2の表面が受ける外圧を補償することによって、前記第2の対向する表面の構造的変形を抑える工程をさらに含む請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記第2の表面にパターンを有するモールド及び前記パターンに面したインプリント層が配設されたウエハを用意し、かつ前記インプリント層を前記モールドに接触させる工程をさらに含み、前記圧力差を生成する工程は、間に端面を有する、第1、第2の対向する側部を有するチャック・ボディを用意する工程をさらに含み、前記第1の側部は第1、第2の支持領域を形成する第1、第2の離れた凹部を備え、前記第1、第2の支持領域に接して前記基板をおいて前記第1、第2の凹部を覆い、前記第1の凹部とその凹部に重なり合った前記基板の部分が第1の室を形成し、前記第2の凹部とその凹部に重なり合った前記基板の部分が第2の室を形成し、前記圧力差は前記第1、第2の室内に異なる圧力を確立することによって生成され、かつ前記インプリント層に前記モールドを接触させた後に前記第2の室内に正圧を確立する工程をさらに含む請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記インプリント層から前記モールドを分離し、前記インプリント層から前記モールドを分離する前に前記第2の室を真空にする工程をさらに含む請求項18に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2006−506814(P2006−506814A)
【公表日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−552099(P2004−552099)
【出願日】平成15年11月12日(2003.11.12)
【国際出願番号】PCT/US2003/036012
【国際公開番号】WO2004/044651
【国際公開日】平成16年5月27日(2004.5.27)
【出願人】(503193362)モレキュラー・インプリンツ・インコーポレーテッド (94)
【Fターム(参考)】