基板の接続方法および半導体装置の製造方法
【課題】FPCを折り曲げるための工程を備えず、FPCを折り曲げながら基板同士を接続する方法を提供する。
【解決手段】第1の基板の第1の領域および第2の領域に第1の金属配線を有し、前記第1の領域と、前記第1の領域に有する前記第1の金属配線と、の面積の割合と、前記第2領域と、前記第2の領域に有する前記第1の金属配線と、の面積の割合と、が異なる第1の配線基板を用意する工程と、第2の基板の第2の金属配線と、前記第1の配線基板の前記第1の金属配線と、を電気的に接合する工程と、前記第1の配線基板を加熱し屈曲させる工程と、第3の基板の第3の配線と、前記第1の配線基板の前記第1の金属配線と、を電気的に接続し、前記第1の基板の前記第1の面と、前記第3の基板の前記第1の面と、を非平行に前記第1の配線基板を前記第3の基板に搭載する工程とを含む基板の接続方法。
【解決手段】第1の基板の第1の領域および第2の領域に第1の金属配線を有し、前記第1の領域と、前記第1の領域に有する前記第1の金属配線と、の面積の割合と、前記第2領域と、前記第2の領域に有する前記第1の金属配線と、の面積の割合と、が異なる第1の配線基板を用意する工程と、第2の基板の第2の金属配線と、前記第1の配線基板の前記第1の金属配線と、を電気的に接合する工程と、前記第1の配線基板を加熱し屈曲させる工程と、第3の基板の第3の配線と、前記第1の配線基板の前記第1の金属配線と、を電気的に接続し、前記第1の基板の前記第1の面と、前記第3の基板の前記第1の面と、を非平行に前記第1の配線基板を前記第3の基板に搭載する工程とを含む基板の接続方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の接続方法および半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の電子機器において、電子機器に備える電子部品を電気的に接続する方法としてFPC(Flexible Print Circuit:フレキシブル基板)が多用されている。すなわち、小型化が進む電子機器にあって、わずかなスペースに多くの電子部品を収納させるため、柔軟性の高いFPCを自由に曲げながら電子機器の内部に電子部品をレイアウトすることができることから多用されてきている。しかし、電子機器のなお一層の小型化、あるいは電子デバイスへの適用にいたっては、制御可能な曲げ形状を得られるFPCが要求されるようになった。
【0003】
そこで、特許文献1に記載されたように、FPCの折り曲げ位置に複数の貫通孔、いわゆるミシン目を形成し、折れ曲がり易い部位を備えるFPCが提案されている。また、特許文献2では、カバーフィルムを接着する接着剤の接着力が、金属配線より樹脂製のベースフィルムの方が強いという性質を利用し、折り曲げ部における金属配線を細くしてベースフィルムとカバーフィルムとの接着面積を大きくすることで、カバーフィルムの剥離を防止することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−171031号公報
【特許文献2】特開2006−140452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述の特許文献1および2のいずれの場合も、FPCを折り曲げる、という工程を備え、その際のFPCの曲げ易さ、損傷を防止するものであり、特に特許文献1では、予めFPCに貫通孔を形成しなければならないといった、製造工程が長い、すなわちコストアップとなってしまうものであった。
【0006】
そこで、FPCを折り曲げるための工程を備えず、FPCを折り曲げながら基板同士を接続する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、少なくとも上述の課題の一つを解決するように、下記の形態または適用例として実現され得る。
【0008】
〔適用例1〕本適用例による基板の接続方法は、第1の基板の第1の面の第1の領域および第2の領域に位置する第1の金属配線を有し、前記第1の領域の面積と、前記第1の領域に有する前記第1の金属配線と、の面積の割合と、前記第2領域と、前記第2の領域に有する前記第1の金属配線と、の面積の割合と、が異なる第1の配線基板を用意する工程と、第2の基板に備える第2の金属配線と、前記第1の配線基板の前記第1の領域に有する前記第1の金属配線と、を電気的に接合する工程と、前記第1の配線基板を加熱し、前記第1の領域と前記第2の領域との間で前記第1の配線基板を屈曲させる工程と、第3の基板の第1の面に位置する第3の配線と、前記第1の配線基板の前記第2の領域に有する前記第1の金属配線と、を電気的に接続し、前記第1の基板の前記第1の面の一部または全部と、前記第3の基板の前記第1の面と、を非平行に前記第1の配線基板を前記第3の基板に搭載する工程と、を含むことを特徴とする。
【0009】
上述の適用例によれば、第1の配線基板の第1の領域と第2の領域における基板に対する第1の金属配線の面積割合を異ならせ、第1の配線基板に熱を加えることで、第1の領域における第1の配線基板の熱膨張と第2の領域における第1の配線基板の熱膨張に差異が生じ、第1の配線基板の第1の領域と第2の領域との境界付近に屈曲変形を発生させる。この屈曲変形によって、第2の基板に接続された第1の配線基板を、第3の基板に接続させるために第2の基板と共に第1の配線基板を第3の基板に近接させるだけで、第1の配線基板に所定の屈曲部を形成することができる。従って、予め第1の配線基板を実装状態における所定の屈曲形状に成型する工程を必要としないため、工程の合理化、コストダウンを可能とする基板の接続方法を得ることができる。
【0010】
〔適用例2〕本適用例による基板の接合方法は、第1の基板の第1の面に位置し、第1の部分と前記第1の部分よりも幅の狭い第2の部分を有する第1の金属配線と、を有する第1の配線基板を用意する工程と、前記第1の配線基板を加熱し、前記第1の部分と前記第2の部分との間で前記第1の配線基板を屈曲させる工程と、第2の基板に備える第2の金属配線と、前記第1の配線基板の前記第1の部分と、を電気的に接合する工程と、第3の基板の第1の面に位置する第3の配線と、前記第1の金属配線の前記第2の部分とを電気的に接続し、前記第1の基板の前記第1の面の一部または全部が前記第3の基板の前記第1の面と、を非平行に前記第1の配線基板を前記第3の基板に搭載する工程と、を含むことを特徴とする。
【0011】
上述の適用例によれば、第1の配線基板の第1の部分に対して、第2の部分における金属配線の幅を狭くし、第1の配線基板に熱を加えることで、第1の部分における第1の配線基板の熱膨張と第2の部分における第1の配線基板の熱膨張に差異が生じ、第1の配線基板の第1の部分と第2の部分との境界付近に屈曲変形を発生させる。この屈曲変形によって、第2の基板に接続された第1の配線基板を、第3の基板に接続させるために第2の基板と共に第1の配線基板を第3の基板に近接させるだけで、第1の配線基板に所定の屈曲部を形成することができる。従って、予め第1の配線基板を実装状態における所定の屈曲形状に成型する工程を必要としないため、工程の合理化、コストダウンを可能とする基板の接続方法を得ることができる。
【0012】
〔適用例3〕上述の適用例において、前記第1の基板は前記第1の金属配線よりも厚いことを特徴とする。
【0013】
上述の適用例によれば、熱膨張が少ない金属配線に対して、熱膨張の大きい第1の基板を厚くすることで、熱変形による屈曲部の発生を確実にし、また屈曲量を大きくし、第3の基板への接続性を向上させる。
【0014】
〔適用例4〕上述の適用例において、前記第1の配線基板を屈曲させる工程では、150℃以上250℃以下の温度で前記第1の配線基板を加熱することを特徴とする。
【0015】
上述の適用例によれば、確実に第1の配線基板に屈曲部を発生させることができる。
【0016】
〔適用例5〕上述の適用例において、前記第1の金属配線の前記第1の部分と前記第2の部分と、を繋ぐ第3の部分は、前記第1の部分から前記第2の部分に向けて連続的に幅が狭くなっていることを特徴とする。
【0017】
上述の適用例によれば、屈曲部の金属配線に対する応力集中を緩和させ、金属配線の断線を防止することができる。
【0018】
〔適用例6〕本適用例の半導体装置の製造方法は、第1の基板の第1の面の第1の領域および第2の領域に位置する第1の金属配線を有し、前記第1の領域の面積と、前記第1の領域に有する前記第1の金属配線と、の面積の割合と、前記第2領域と、前記第2の領域に有する前記第1の金属配線と、の面積の割合と、が異なる第1の配線基板を用意する工程と、第2の基板に備える第2の金属配線と、前記第1の配線基板の前記第1の領域に有する前記第1の金属配線と、を電気的に接合する工程と、前記第1の配線基板を加熱し、前記第1の領域と前記第2の領域との間で前記第1の配線基板を屈曲させる工程と、第3の基板の第1の面に位置する第3の配線と、第1の配線基板の前記第2の領域に有する前記第1の金属配線と、を電気的に接続し、前記第1の基板の前記第1の面の一部または全部と、前記第3の基板の前記第1の面と、を非平行に前記第1の配線基板を前記第3の基板に搭載する工程と、を含み、前記第2の基板が半導体チップであることを特徴とする。
【0019】
上述の適用例によれば、第1の配線基板の第1の領域と第2の領域における基板に対する第1の金属配線の面積割合を異ならせ、第1の配線基板に熱を加えることで、第1の領域における第1の配線基板の熱膨張と第2の領域における第1の配線基板の熱膨張に差異が生じ、第1の配線基板の第1の領域と第2の領域との境界付近に屈曲変形を発生させる。この屈曲変形によって、半導体素子に接続された第1の配線基板を、第3の基板に接続させるために半導体素子と共に第1の配線基板を第3の基板に近接させるだけで、第1の配線基板に所定の屈曲部を形成することができる。従って、予め第1の配線基板を実装状態における所定の屈曲形状に成型する工程を必要としないため、工程の合理化、コストダウンを可能とする半導体装置の製造方法を得ることができる。
【0020】
〔適用例7〕本適用例の半導体装置の製造方法は、第1の基板の第1の面に位置し、第1の部分と前記第1の部分よりも幅の狭い第2の部分を有する第1の金属配線と、を有する第1の配線基板を用意する工程と、前記第1の配線基板を加熱し、前記第1の部分と前記第2の部分との間で前記第1の配線基板を屈曲させる工程と、第2の基板に備える第2の金属配線と、前記第1の配線基板の前記第1の部分と、を電気的に接合する工程と、第3の基板の第1の面に位置する第3の配線と、前記第1の金属配線の前記第2の部分とを電気的に接続し、前記第1の基板の前記第1の面の一部または全部が前記第3の基板の前記第1の面と、を非平行に前記第1の配線基板を前記第3の基板に搭載する工程と、を含み、前記第2の基板が半導体チップであることを特徴とする。
【0021】
本適用例の半導体装置の製造方法は、上述の適用例によれば、第1の配線基板の第1の部分に対して、第2の部分における金属配線の幅を狭くし、第1の配線基板に熱を加えることで、第1の部分における第1の配線基板の熱膨張と第2の部分における第1の配線基板の熱膨張に差異が生じ、第1の配線基板の第1の部分と第2の部分との境界付近に屈曲変形を発生させる。この屈曲変形によって、半導体素子に接続された第1の配線基板を、第3の基板に接続させるために半導体素子と共に第1の配線基板を第3の基板に近接させるだけで、第1の配線基板に所定の屈曲部を形成することができる。従って、予め第1の配線基板を実装状態における所定の屈曲形状に成型する工程を必要としないため、工程の合理化、コストダウンを可能とする半導体装置の製造方法を得ることができる。
【0022】
〔適用例8〕上述の適用例において、前記第1の基板は前記第1の金属配線よりも厚いことを特徴とする。
【0023】
上述の適用例によれば、熱膨張が少ない金属配線に対して、熱膨張の大きい第1の基板を厚くすることで、熱変形による屈曲部の発生を確実にし、また屈曲量を大きくし、第3の基板への接続性を向上させる。
【0024】
〔適用例9〕上述の適用例において、前記第1の配線基板を屈曲させる工程では、150℃以上250℃以下の温度で前記第1の配線基板を加熱することを特徴とする。
【0025】
上述の適用例によれば、確実に第1の配線基板に屈曲部を発生させることができる。
【0026】
〔適用例10〕上述の適用例において、前記第1の金属配線の前記第1の部分と前記第2の部分と、を繋ぐ第3の部分は、前記第1の部分から前記第2の部分に向けて連続的に幅が狭くなっていることを特徴とする。
【0027】
上述の適用例によれば、屈曲部の金属配線に対する応力集中を緩和させ、金属配線の断線を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第1実施形態に係る半導体装置を示す、(a)は平面図、(b)は断面図。
【図2】第1実施形態に係る半導体装置の素子固定板を示す、(a)は平面図と側面図と下面図、(b)は斜視図。
【図3】第1実施形態に係るFPCを示す、(a)は平面図、(b)(c)は断面図、(d)は領域を説明する概念図。
【図4】第1実施形態に係るFPCのその他の例を示す平面図。
【図5】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示すフローチャート。
【図6】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図および平面図。
【図7】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図および平面図。
【図8】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法におけるFPCの変形を説明する概念図。
【図9】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図。
【図10】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図。
【図11】実施例を示す平面図および断面図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態を説明する。
【0030】
(第1実施形態)
図1に第1実施形態に係る半導体装置を示す。図1(a)は半導体装置100の平面図、(b)は断面図である。なお、説明の便宜上、図1(a)からはキャップ60を図示せず、図1(b)ではキャップ60を想像線(2点鎖線)としてある。
【0031】
図1に示す通り、本実施形態に係る半導体装置としての電子部品100(以下、半導体装置100という)は、ジャイロ振動素子11,12,13を備える半導体装置100を例示し、説明する。ジャイロ振動素子11,12,13は、第2の基板としての半導体チップ21,22,23(以下、半導体素子21,22,23という)の能動面21a,22a,23aに複数設けた接続用パッド21c,22c,23cと、ジャイロ振動素子11,12,13に備える支持部11a,12a,13aに備える図示しない電極配線と、が固着され、半導体素子21,22,23に固定されている。なお、作図の便宜上、ジャイロ振動素子13の支持部13aは図示されていない。
【0032】
半導体装置100は、図示するようにジャイロ振動素子11,12,13の面11b,12b,13bが、それぞれX,Y,Z軸に直交するように配置されている、いわゆる3軸ジャイロセンサーとしての機能を有している。ジャイロ振動素子11,12,13を備えた半導体素子21,22,23を、図2に詳細示す素子固定板30に設けた素子固定部30a,30b,30cに接着などの方法により固定される。また素子固定板30は、第3の基板としてのパッケージ基板40に、本例では素子固定板30の素子固定部30aの一方の面を固着、固定されている。
【0033】
このようにパッケージ基板40に素子固定板30を介して固定される半導体素子21,22,23は、第1の配線基板としてのFPC51,52,53を介して、半導体素子21,22,23の能動面21a,22a,23aに形成された外部接続端子21b,22b,23bと、パッケージ基板40の搭載面42a(以降、実装面42aという)に形成された電極40a,40b,40cと電気的に接続される。
【0034】
パッケージ基板40は、電極40a,40b,40cが形成され、半導体素子21,22,23を備える素子固定板30が搭載される実装面42aを備える第2基板と、図示しない内部配線を介して電極40a,40b,40cに繋がる外部接続電極41aを備える第1基板41と、内部を密封するキャップ60が封止固定される封止面43aを有する第3基板43と、を積層して形成されている。
【0035】
図1に示すように、半導体素子22,23の能動面22a,23aは、パッケージ基板40の実装面42aに対して約90°の角度をもって搭載される、いわゆる垂直実装の形態を有している。従って、FPC53は屈曲部53aを形成して、半導体素子23と、パッケージ基板40と、を電気的に接続される。また、FPC52もFPC53と同様に、図1には図示されないが、屈曲部を形成して、半導体素子22と、パッケージ基板40と、を電気的に接続される。
【0036】
FPC51,52,53について説明する。図3はFPC51,52,53を示し、図3(a)は平面図、(b)は(a)に示すA−A´部、(c)は(a)に示すB−B´部の断面図である。FPC51,52,53は、同じ構成であるので、ここではFPC53を例に説明し、符号を付す。
【0037】
FPC53は、第1の基板としてのFPC基板53bの第1の面としての配線形成面53cに、所定の導体配線53dが複数形成されている。更に、半導体素子23およびパッケージ基板40との接合部を除いた導体配線53dを覆うように、絶縁フィルムもしくはコーティング53eが形成されていてもよい。FPC基板53bはフィルム状の合成樹脂から成型され、合成樹脂材料として公知の材料であるポリイミドが好適に用いられる。導体配線53dは、例えば銅、アルミ、金などの導電性金属で且つ延性の優れた材料が好適に用いられる。
【0038】
FPC53は、図3(a)に示すA−A´部の導体配線53fの線幅W1に対して、B−B´部の導体配線53gの線幅W2が狭く形成されている。図3(d)に示すように、この導体配線53fが形成されているFPC52の領域を第1の領域もしくは第1の部分としての領域Lとし、導体配線53gが形成されている領域を第2の領域もしくは第2の部分としての領域Mとする。また、導体配線53fと線幅の異なる導体配線53gとを連続的に幅を変化させて接続する導体配線53hが形成される領域を第3の部分としての領域Nとする。
【0039】
領域Lに形成されている導体配線53fは、領域Mとは反対側の端部側において、図1に示す半導体素子23の能動面23aに形成された外部接続端子23bと電気的に接続、固着される。また、領域Mに形成されている導体配線53gは、領域Lとは反対側の端部側において、パッケージ基板40の実装面42aに形成された電極40bと電気的に接続、固着される。図1に示すようにFPC53の中間部において、FPC53を屈曲させて、半導体素子23とパッケージ基板40とを繋ぐ形態では、FPC53の線幅の狭い領域Mにおける導体配線53gと、線幅を変化させる導体配線53hと、の境界である図3(a)に示すC−C´線付近で屈曲する。
【0040】
すなわち、線幅W2の導体配線53gに対して、線幅W1の導体配線53fに変化させる導体配線53hは、線幅の変化点でありFPC基板53bを形成するポリイミドに対して金属からなる導体配線53dの曲げ強度は大きいために、曲げ難くなり始めるC−C´部が屈曲部となってFPC53が屈曲する。
【0041】
なお、線幅が変化する導体配線53hについて、線幅の変化のさせ方のその他の例を図3(e)に示す。図3(e)で示すように、導体配線53hの線幅形状は、図示左側に示すように曲線により、線幅の内側に向かって凹形状とする、あるいは図示中央に示すように曲線により、線幅の外側に向かって凸形状とすることができる。また、線幅が変化する導体配線53hを備えず、導体配線53fと導体配線53gとを接続させた、図3(e)の右側に示す形態であっても良い。
【0042】
上述のFPC53において、領域Lにおける導体配線53fの線幅W1に対して、領域Mにおける導体配線53gの線幅W2が小さい形態を例示したが、これに限定はされない。例えば、FPC53の平面視における領域Lの面積SLに対する、同じく平面視における導体配線52fの面積Slとし、平面視における領域Mの面積SMに対する、同じく平面視における導体配線52gの面積比をSmとした場合、
(Sm/SM)/(Sl/SL)<1.0
となるように、すなわち領域Lにおける導体配線53fの形成面積比より、領域Mにおける導体配線53gの形成面積比を小さくするように導体配線53dを形成する形態としても良い。
【0043】
例えば、図4(a)に示すFPC70のように、領域Lと領域Mにおいて線幅の異なる導体配線70aと、線幅の同じ導体配線70bが混在した場合、領域Lにおいては、上述したように領域Lの面積SLは、
SL=HL×WL
となり、領域Lにおける導体配線70a,70bの形成部の平面視面積Slは、導体配線70aと導体配線70bとの領域Lにおける面積s1〜s5の総和であり、
Sl=s1+s2+s3+s4+s5
となる。
【0044】
これに対して、領域Mの面積SMは、
SM=HM×WM
となり、導体配線70a,70bの領域Mにおける形成部の平面視面積Smは、領域Mにおける導体配線70aと導体配線70bとの面積s6〜s10の総和であり、
Sm=s6+s7+s8+s9+s10
となる。
【0045】
こうして求められるSm,SM,Sl,SLの値が、
(Sm/SM)/(Sl/SL)<1.0
となるように、導体配線70a,70bの線幅を決定すれば良い。
【0046】
また、図4(b)に示すように、同じ線幅を備える導体配線71aを有するFPC71であっても、FPC基板71bの幅が、領域Lの幅WLに対して領域Mの幅WMを大きくすることにより、実質的に上述の、
(Sm/SM)/(Sl/SL)<1.0
の条件を満足させることができる。
【0047】
(第2実施形態)
第2実施形態として、上述で説明した第1実施形態に係る半導体装置100の製造方法を説明する。図5は第1実施形態に係る半導体装置100の製造フローを示すフローチャートである。
【0048】
先ず、第1実施形態に係る半導体装置100を構成する半導体素子21,22,23と、ジャイロ振動素子11,12,13と、を準備する(S1)。ステップS1では、能動面21a,22a,23a上に、ジャイロ振動素子11,12,13が接続される接続用パッド21c,22c,23cと、FPC51,52,53が接続される外部接続端子21b,22b,23bと、が例えば、スタッドバンプやペーストによってバンプ形状(突起形状)に形成される。ジャイロ振動素子11,12,13は、例えば水晶から形成され、所定の電極配線を備えている。
【0049】
FPC51,52,53は、図3に示すように、半導体素子21,22,23に設けた外部接続端子21b,22b,23bに対応する第1の領域としての領域Lに形成した第1の金属配線としての導体配線52fと、パッケージ基板40の電極40a,40b,40cに対応する第2の領域としての領域Mに形成した第2の金属配線としての導体配線52gと、を含む導体配線52dが形成されている。
【0050】
次にFPC接続工程(S2)に移行する。なお、FPC接続工程(S2)においてFPC51,52,53は同じ方法による工程であるので、FPC53を例に説明する。FPC接続工程(S2)は、図6(a)に示すように、半導体素子23の能動面23a上に形成された外部接続端子23bと、FPC53の領域Lにおける導体配線53fと、の位置合わせを行い、超音波圧着により接合する。接合方法は、超音波圧着に限定されず、その他公知の接合方法から適宜選択されても良い。
【0051】
FPC接続工程によって、FPC51,52,53が接合された半導体素子21,22,23にジャイロ振動素子11,12,13を搭載するジャイロ振動素子接続工程(S3)に移行する。なお、ジャイロ振動素子接続工程(S3)において、ジャイロ振動素子11,12,13は同じ方法による工程であるので、ジャイロ振動素子13を例に説明する。図6(b)に示すように、ジャイロ振動素子接続工程(S3)では、半導体素子23の能動面23a上に形成された接続用パッド23cに、ジャイロ振動素子13の支持部13aに、接続用パッド23cに対向するように配置された図示しない電極部を導電性接着剤により電気的に接続し、且つ固着させる。このとき、接続用パッド23c及び支持部13aを、加熱及び加圧しながら電気的に接続しても良い。また、この加熱の際、FPC53に熱が伝わるように加熱をしても良い。なお、導電性接着剤による固着には限定されず、公知の接合方法によって接合されても良い。
【0052】
次に、ジャイロ振動素子周波数調整工程(S4)に移行する。ジャイロ振動素子周波数調整工程(S4)は、ジャイロ振動素子11,12,13の駆動腕に形成されている電極膜、もしくは調整用金属膜にレーザーを照射し、部分的に金属膜を除去し、ジャイロ振動素子11,12,13の振動周波数を所定の周波数に調整する。
【0053】
次に、素子固定板貼付工程(S5)に移行する。素子固定板貼付工程(S5)では、予め図2に示す素子固定板30を準備する。素子固定板30は金属、例えばステンレス、黄銅、アルミなどの板材から成型される。この素子固定板30に、図7(a)に示すようにステップS4までで形成された半導体素子21,22,23を貼り付ける。
【0054】
半導体素子21,22,23の貼付は接着剤により固着することができる。接着剤は特に限定されないが、接着性、絶縁性に優れる、例えばエポキシ系接着剤が好適である。なお、本例では、パッケージ基板40の実装面42aに接着固定される素子固定部30aに、半導体素子21を接着固定する構成を例示したが、素子固定部30aにおいては、後述するパッケージ基板40に素子固定板30を固定した後に、半導体素子21を接着する工程としても良い。
【0055】
次に、FPC加熱工程(S6)に移行する。このFPC加熱工程(S6)は、パッケージ基板40に実装する際に屈曲させて組み立てられるFPC52,53に対して、予め僅かな屈曲部を形成するために、FPC52,53を加熱する工程である。FPC52,53への加熱方法としては、例えば熱風、ハロゲンランプ、固体ヒーター接触などの方法が適用できるが、半導体素子22,23および屈曲させないFPC51を備える半導体素子21に不要な熱負荷を掛けることを避けるためにも、熱を集束させて照射できるハロゲンランプまたは固体ヒーターの接触による加熱が好適である。
【0056】
図7(a)に示すように、集熱手段を備えるハロゲンヒーター80をFPC52,53に対向配置し、FPC52,53を150℃〜200℃で1〜2分間、加熱し保持する。このように加熱することで、FPC52,53は図7(b)に示すような矢印D方向への変形が与えられる。
【0057】
この熱によるD方向の変形は、FPC51,52,53のFPC基板51b,52b,53bの素材であるポリイミドの熱膨張によって生じるものである。図8は、FPC加熱工程(S6)において、熱変形が生じる現象を説明する模式図である。図8(a)の平面模式図に示すように、FPC52,53は半導体素子22,23に外部接続端子22b,23bに固着されている。すなわち、FPC52,53の領域Lは半導体素子22,23に実質的に固着された状態にある。
【0058】
更に、上述した通りFPC52,53の領域Lにおいては、図3に示すように導体配線52f,53fの線幅、あるいは領域Lに占める導体配線52f,53fの面積の割合が大きく、FPC基板52b,53bを形成するポリイミドに対して、金属の導体配線52f,53fの熱膨張は小さいことからも、領域LにおけるFPC52,53の熱膨張は抑制される。
【0059】
これに対して、FPC52,53の領域Mにおいては、導体配線52g,53gの線幅が小さい、あるいは面積割合が小さいことで、FPC基板52b,53bのポリイミドが熱膨張し、図8(a)に示す膨張後の形状F1に拡張しようとする。しかし、上述した通りFPC52,53の領域Lでは熱膨張が抑制されていることにより、領域Mの熱膨張は形状F2のように形状が抑制される状態となる。このとき、領域Mの領域L近傍のP1−P1´部では、図8(a)のP1−P1´断面形状で示すように、熱膨張前のFPC52,53に対して、領域Lにおける熱膨張の抑制の影響を受けているため、熱膨張によるFPC52,53の幅の増加分を吸収しようとして、FPC52,53が湾曲する。領域Lに遠くなるP2−P2´部、更に遠くなるP3−P3´部と、徐々に領域Lにおける熱膨張の抑制の影響は少なくなり、FPC52,53の湾曲の程度が小さくなる。
【0060】
一方、図8(a)に示すQ−Q´部では、Q−Q´断面に示すように、領域Lにおける熱膨張の抑制の影響によって生じるP1−P1´部断面の湾曲が、図示するD方向に湾曲させる変形となる。これによって、図8(b)の斜視図に示すような、2方向の湾曲が与えられる。なお、FPC加熱工程(S6)として、ハロゲンヒーター80を用いてFPCを加熱するかわりに、ジャイロ振動素子接続工程(S3)においてFPCに加える熱でFPCに上述した屈曲部を形成しても良い。
【0061】
次に、素子固定板基板固定工程(S7)に移行する。素子固定板基板固定工程(S7)は、ステップS5,S6によって半導体素子21,22,23が固定された素子固定板30をパッケージ基板40に搭載する工程である。先ず、パッケージ基板40に半導体素子21,22,23が固定された素子固定板30が載置される。この作業の時、ステップS6において湾曲を与えられたFPC52,53は、載置の過程において図9(a)に示すように、パッケージ基板40の実装面42aに、FPC52,53の先端部分が当接し、次に図9(b)に示すように、徐々に実装面42aに沿って先端部分は移動し、同時に図3(a)に示すC−C´部から屈曲部52a,53aの曲がりを強くする。そして、図9(c)に示すように、所定の組み込み位置に載置される。この後、実装面42aと素子固定板30とを接着剤等により固着する。
【0062】
このように、FPC加熱工程(S6)において、熱によってFPC52,53の領域Mに湾曲部を成型させることによって、素子固定板基板固定工程(S7)における載置作業と同時にFPC52,53に所定の屈曲部52a,53aを自己成型させることができる。
【0063】
屈曲部52a,53aは、図3に示す領域Mの導体配線52gと、領域Nの導体配線52hとの境界であるC−C´部近傍を屈曲開始点として屈曲する。すなわち、線幅が広くなる領域Nの導体配線52hの方が曲げ難くなるため、境界のC−C´部が屈曲し易くなることによる。すなわち、領域Mの導体配線52gと領域Nの導体配線52hとの境界位置であるC−C´位置を予め決めておくことによって、FPC52,53の屈曲位置を制御することができる。
【0064】
次に、FPC基板接続工程(S8)に移行する。FPC基板接続工程(S8)では、図10に示すように、パッケージ基板40の実装面42aに形成された電極40aと、FPC51,52,53の一方の端部とを電気的に接続する。接続には、例えば図示するFPC53の場合は、超音波コーン90の先端を接続部にFPC53を電極40cに押し付けるように当て、超音波圧着によって接続する。同じ方法により、FPC51,52がパッケージ基板40に接続される。なお、接続はFPC51,52,53それぞれを個別に行っても良く、超音波コーン90を複数用いることによって、同時に接続することもできる。
【0065】
次に、キャップ(封止)工程(S9)に移行する。キャップ(封止)工程(S9)は、本例に示す半導体装置100がジャイロ振動素子11,12,13を備えることから、ジャイロ振動素子11,12,13の振動を不安定にさせる素子周辺のガス成分としての空気中の酸素や窒素を排除し、半導体装置100の内部を真空気密に保持させるために、図1(b)に示すキャップ60をパッケージ基板40の第3基板43の上面に固着させる。キャップ60は、例えばステンレス、チタンおよびその合金、アルミおよびその合金などの金属製で、パッケージ基板40にキャップ60を載置し、真空(減圧)雰囲気中において、キャップ60と第3基板43を密封、固定し、図1に示す半導体装置100が完成する。
【0066】
第2の基板としての半導体素子22,23を、第3の基板としてのパッケージ基板40に対して非平行に搭載、例えば本例のように略90度の角度を備え搭載、する場合に、半導体素子22,23とパッケージ基板40とを接続する第1の配線基板としてのFPC52,53には屈曲部を設けなければならない。この屈曲部を形成する方法として、上述の通り、FPC52,53を加熱することによって湾曲部を形成し、素子固定板30と共に半導体素子22,23をパッケージ基板40へ搭載する過程で、湾曲部が形成されたFPC52,53の先端部がパッケージ基板40の実装面42aに沿って摺動し、素子固定板が実装面42aに搭載された時点で、FPC52,53には所定に屈曲形状が与えられるようにすることができる。すなわち、予め所定の屈曲部を形成するための特別の工程を必要とせずに、いわゆる垂直実装に代表される平面実装ではない実装形態において、容易にFPCの屈曲部を形成し、電子部品の実装工程の合理化、コストダウンを実現することができる。
【0067】
なお、上述の実施形態では半導体装置を例に説明したが、これに限定されず、半導体素子以外の電子部品を基板上に、基板に非平行に実装する場合であっても、FPCの接続方法として適用することができる。
【0068】
(実施例)
図11(a)に示すような寸法設定の、半導体素子10と、半導体素子10に固着したFPC50に、FPC50に対して200℃で2分間過熱したところ、図11(b)に示すようにFPC50は角度換算で約20度の曲がりを得た。この、曲がりを持ったFPC50を備える半導体素子10を素子固定板30に固着し、パッケージ基板40に実装したところ、図11(c)に示すように、FPC50はパッケージ基板40の実装面42aに沿って屈曲させることができた。
【符号の説明】
【0069】
11,12,13…ジャイロ振動素子、21,22,23…半導体素子、30…素子固定板、40…パッケージ基板、51,52,53…FPC、60…キャップ、100…半導体装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の接続方法および半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の電子機器において、電子機器に備える電子部品を電気的に接続する方法としてFPC(Flexible Print Circuit:フレキシブル基板)が多用されている。すなわち、小型化が進む電子機器にあって、わずかなスペースに多くの電子部品を収納させるため、柔軟性の高いFPCを自由に曲げながら電子機器の内部に電子部品をレイアウトすることができることから多用されてきている。しかし、電子機器のなお一層の小型化、あるいは電子デバイスへの適用にいたっては、制御可能な曲げ形状を得られるFPCが要求されるようになった。
【0003】
そこで、特許文献1に記載されたように、FPCの折り曲げ位置に複数の貫通孔、いわゆるミシン目を形成し、折れ曲がり易い部位を備えるFPCが提案されている。また、特許文献2では、カバーフィルムを接着する接着剤の接着力が、金属配線より樹脂製のベースフィルムの方が強いという性質を利用し、折り曲げ部における金属配線を細くしてベースフィルムとカバーフィルムとの接着面積を大きくすることで、カバーフィルムの剥離を防止することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−171031号公報
【特許文献2】特開2006−140452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述の特許文献1および2のいずれの場合も、FPCを折り曲げる、という工程を備え、その際のFPCの曲げ易さ、損傷を防止するものであり、特に特許文献1では、予めFPCに貫通孔を形成しなければならないといった、製造工程が長い、すなわちコストアップとなってしまうものであった。
【0006】
そこで、FPCを折り曲げるための工程を備えず、FPCを折り曲げながら基板同士を接続する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、少なくとも上述の課題の一つを解決するように、下記の形態または適用例として実現され得る。
【0008】
〔適用例1〕本適用例による基板の接続方法は、第1の基板の第1の面の第1の領域および第2の領域に位置する第1の金属配線を有し、前記第1の領域の面積と、前記第1の領域に有する前記第1の金属配線と、の面積の割合と、前記第2領域と、前記第2の領域に有する前記第1の金属配線と、の面積の割合と、が異なる第1の配線基板を用意する工程と、第2の基板に備える第2の金属配線と、前記第1の配線基板の前記第1の領域に有する前記第1の金属配線と、を電気的に接合する工程と、前記第1の配線基板を加熱し、前記第1の領域と前記第2の領域との間で前記第1の配線基板を屈曲させる工程と、第3の基板の第1の面に位置する第3の配線と、前記第1の配線基板の前記第2の領域に有する前記第1の金属配線と、を電気的に接続し、前記第1の基板の前記第1の面の一部または全部と、前記第3の基板の前記第1の面と、を非平行に前記第1の配線基板を前記第3の基板に搭載する工程と、を含むことを特徴とする。
【0009】
上述の適用例によれば、第1の配線基板の第1の領域と第2の領域における基板に対する第1の金属配線の面積割合を異ならせ、第1の配線基板に熱を加えることで、第1の領域における第1の配線基板の熱膨張と第2の領域における第1の配線基板の熱膨張に差異が生じ、第1の配線基板の第1の領域と第2の領域との境界付近に屈曲変形を発生させる。この屈曲変形によって、第2の基板に接続された第1の配線基板を、第3の基板に接続させるために第2の基板と共に第1の配線基板を第3の基板に近接させるだけで、第1の配線基板に所定の屈曲部を形成することができる。従って、予め第1の配線基板を実装状態における所定の屈曲形状に成型する工程を必要としないため、工程の合理化、コストダウンを可能とする基板の接続方法を得ることができる。
【0010】
〔適用例2〕本適用例による基板の接合方法は、第1の基板の第1の面に位置し、第1の部分と前記第1の部分よりも幅の狭い第2の部分を有する第1の金属配線と、を有する第1の配線基板を用意する工程と、前記第1の配線基板を加熱し、前記第1の部分と前記第2の部分との間で前記第1の配線基板を屈曲させる工程と、第2の基板に備える第2の金属配線と、前記第1の配線基板の前記第1の部分と、を電気的に接合する工程と、第3の基板の第1の面に位置する第3の配線と、前記第1の金属配線の前記第2の部分とを電気的に接続し、前記第1の基板の前記第1の面の一部または全部が前記第3の基板の前記第1の面と、を非平行に前記第1の配線基板を前記第3の基板に搭載する工程と、を含むことを特徴とする。
【0011】
上述の適用例によれば、第1の配線基板の第1の部分に対して、第2の部分における金属配線の幅を狭くし、第1の配線基板に熱を加えることで、第1の部分における第1の配線基板の熱膨張と第2の部分における第1の配線基板の熱膨張に差異が生じ、第1の配線基板の第1の部分と第2の部分との境界付近に屈曲変形を発生させる。この屈曲変形によって、第2の基板に接続された第1の配線基板を、第3の基板に接続させるために第2の基板と共に第1の配線基板を第3の基板に近接させるだけで、第1の配線基板に所定の屈曲部を形成することができる。従って、予め第1の配線基板を実装状態における所定の屈曲形状に成型する工程を必要としないため、工程の合理化、コストダウンを可能とする基板の接続方法を得ることができる。
【0012】
〔適用例3〕上述の適用例において、前記第1の基板は前記第1の金属配線よりも厚いことを特徴とする。
【0013】
上述の適用例によれば、熱膨張が少ない金属配線に対して、熱膨張の大きい第1の基板を厚くすることで、熱変形による屈曲部の発生を確実にし、また屈曲量を大きくし、第3の基板への接続性を向上させる。
【0014】
〔適用例4〕上述の適用例において、前記第1の配線基板を屈曲させる工程では、150℃以上250℃以下の温度で前記第1の配線基板を加熱することを特徴とする。
【0015】
上述の適用例によれば、確実に第1の配線基板に屈曲部を発生させることができる。
【0016】
〔適用例5〕上述の適用例において、前記第1の金属配線の前記第1の部分と前記第2の部分と、を繋ぐ第3の部分は、前記第1の部分から前記第2の部分に向けて連続的に幅が狭くなっていることを特徴とする。
【0017】
上述の適用例によれば、屈曲部の金属配線に対する応力集中を緩和させ、金属配線の断線を防止することができる。
【0018】
〔適用例6〕本適用例の半導体装置の製造方法は、第1の基板の第1の面の第1の領域および第2の領域に位置する第1の金属配線を有し、前記第1の領域の面積と、前記第1の領域に有する前記第1の金属配線と、の面積の割合と、前記第2領域と、前記第2の領域に有する前記第1の金属配線と、の面積の割合と、が異なる第1の配線基板を用意する工程と、第2の基板に備える第2の金属配線と、前記第1の配線基板の前記第1の領域に有する前記第1の金属配線と、を電気的に接合する工程と、前記第1の配線基板を加熱し、前記第1の領域と前記第2の領域との間で前記第1の配線基板を屈曲させる工程と、第3の基板の第1の面に位置する第3の配線と、第1の配線基板の前記第2の領域に有する前記第1の金属配線と、を電気的に接続し、前記第1の基板の前記第1の面の一部または全部と、前記第3の基板の前記第1の面と、を非平行に前記第1の配線基板を前記第3の基板に搭載する工程と、を含み、前記第2の基板が半導体チップであることを特徴とする。
【0019】
上述の適用例によれば、第1の配線基板の第1の領域と第2の領域における基板に対する第1の金属配線の面積割合を異ならせ、第1の配線基板に熱を加えることで、第1の領域における第1の配線基板の熱膨張と第2の領域における第1の配線基板の熱膨張に差異が生じ、第1の配線基板の第1の領域と第2の領域との境界付近に屈曲変形を発生させる。この屈曲変形によって、半導体素子に接続された第1の配線基板を、第3の基板に接続させるために半導体素子と共に第1の配線基板を第3の基板に近接させるだけで、第1の配線基板に所定の屈曲部を形成することができる。従って、予め第1の配線基板を実装状態における所定の屈曲形状に成型する工程を必要としないため、工程の合理化、コストダウンを可能とする半導体装置の製造方法を得ることができる。
【0020】
〔適用例7〕本適用例の半導体装置の製造方法は、第1の基板の第1の面に位置し、第1の部分と前記第1の部分よりも幅の狭い第2の部分を有する第1の金属配線と、を有する第1の配線基板を用意する工程と、前記第1の配線基板を加熱し、前記第1の部分と前記第2の部分との間で前記第1の配線基板を屈曲させる工程と、第2の基板に備える第2の金属配線と、前記第1の配線基板の前記第1の部分と、を電気的に接合する工程と、第3の基板の第1の面に位置する第3の配線と、前記第1の金属配線の前記第2の部分とを電気的に接続し、前記第1の基板の前記第1の面の一部または全部が前記第3の基板の前記第1の面と、を非平行に前記第1の配線基板を前記第3の基板に搭載する工程と、を含み、前記第2の基板が半導体チップであることを特徴とする。
【0021】
本適用例の半導体装置の製造方法は、上述の適用例によれば、第1の配線基板の第1の部分に対して、第2の部分における金属配線の幅を狭くし、第1の配線基板に熱を加えることで、第1の部分における第1の配線基板の熱膨張と第2の部分における第1の配線基板の熱膨張に差異が生じ、第1の配線基板の第1の部分と第2の部分との境界付近に屈曲変形を発生させる。この屈曲変形によって、半導体素子に接続された第1の配線基板を、第3の基板に接続させるために半導体素子と共に第1の配線基板を第3の基板に近接させるだけで、第1の配線基板に所定の屈曲部を形成することができる。従って、予め第1の配線基板を実装状態における所定の屈曲形状に成型する工程を必要としないため、工程の合理化、コストダウンを可能とする半導体装置の製造方法を得ることができる。
【0022】
〔適用例8〕上述の適用例において、前記第1の基板は前記第1の金属配線よりも厚いことを特徴とする。
【0023】
上述の適用例によれば、熱膨張が少ない金属配線に対して、熱膨張の大きい第1の基板を厚くすることで、熱変形による屈曲部の発生を確実にし、また屈曲量を大きくし、第3の基板への接続性を向上させる。
【0024】
〔適用例9〕上述の適用例において、前記第1の配線基板を屈曲させる工程では、150℃以上250℃以下の温度で前記第1の配線基板を加熱することを特徴とする。
【0025】
上述の適用例によれば、確実に第1の配線基板に屈曲部を発生させることができる。
【0026】
〔適用例10〕上述の適用例において、前記第1の金属配線の前記第1の部分と前記第2の部分と、を繋ぐ第3の部分は、前記第1の部分から前記第2の部分に向けて連続的に幅が狭くなっていることを特徴とする。
【0027】
上述の適用例によれば、屈曲部の金属配線に対する応力集中を緩和させ、金属配線の断線を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第1実施形態に係る半導体装置を示す、(a)は平面図、(b)は断面図。
【図2】第1実施形態に係る半導体装置の素子固定板を示す、(a)は平面図と側面図と下面図、(b)は斜視図。
【図3】第1実施形態に係るFPCを示す、(a)は平面図、(b)(c)は断面図、(d)は領域を説明する概念図。
【図4】第1実施形態に係るFPCのその他の例を示す平面図。
【図5】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示すフローチャート。
【図6】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図および平面図。
【図7】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図および平面図。
【図8】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法におけるFPCの変形を説明する概念図。
【図9】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図。
【図10】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図。
【図11】実施例を示す平面図および断面図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態を説明する。
【0030】
(第1実施形態)
図1に第1実施形態に係る半導体装置を示す。図1(a)は半導体装置100の平面図、(b)は断面図である。なお、説明の便宜上、図1(a)からはキャップ60を図示せず、図1(b)ではキャップ60を想像線(2点鎖線)としてある。
【0031】
図1に示す通り、本実施形態に係る半導体装置としての電子部品100(以下、半導体装置100という)は、ジャイロ振動素子11,12,13を備える半導体装置100を例示し、説明する。ジャイロ振動素子11,12,13は、第2の基板としての半導体チップ21,22,23(以下、半導体素子21,22,23という)の能動面21a,22a,23aに複数設けた接続用パッド21c,22c,23cと、ジャイロ振動素子11,12,13に備える支持部11a,12a,13aに備える図示しない電極配線と、が固着され、半導体素子21,22,23に固定されている。なお、作図の便宜上、ジャイロ振動素子13の支持部13aは図示されていない。
【0032】
半導体装置100は、図示するようにジャイロ振動素子11,12,13の面11b,12b,13bが、それぞれX,Y,Z軸に直交するように配置されている、いわゆる3軸ジャイロセンサーとしての機能を有している。ジャイロ振動素子11,12,13を備えた半導体素子21,22,23を、図2に詳細示す素子固定板30に設けた素子固定部30a,30b,30cに接着などの方法により固定される。また素子固定板30は、第3の基板としてのパッケージ基板40に、本例では素子固定板30の素子固定部30aの一方の面を固着、固定されている。
【0033】
このようにパッケージ基板40に素子固定板30を介して固定される半導体素子21,22,23は、第1の配線基板としてのFPC51,52,53を介して、半導体素子21,22,23の能動面21a,22a,23aに形成された外部接続端子21b,22b,23bと、パッケージ基板40の搭載面42a(以降、実装面42aという)に形成された電極40a,40b,40cと電気的に接続される。
【0034】
パッケージ基板40は、電極40a,40b,40cが形成され、半導体素子21,22,23を備える素子固定板30が搭載される実装面42aを備える第2基板と、図示しない内部配線を介して電極40a,40b,40cに繋がる外部接続電極41aを備える第1基板41と、内部を密封するキャップ60が封止固定される封止面43aを有する第3基板43と、を積層して形成されている。
【0035】
図1に示すように、半導体素子22,23の能動面22a,23aは、パッケージ基板40の実装面42aに対して約90°の角度をもって搭載される、いわゆる垂直実装の形態を有している。従って、FPC53は屈曲部53aを形成して、半導体素子23と、パッケージ基板40と、を電気的に接続される。また、FPC52もFPC53と同様に、図1には図示されないが、屈曲部を形成して、半導体素子22と、パッケージ基板40と、を電気的に接続される。
【0036】
FPC51,52,53について説明する。図3はFPC51,52,53を示し、図3(a)は平面図、(b)は(a)に示すA−A´部、(c)は(a)に示すB−B´部の断面図である。FPC51,52,53は、同じ構成であるので、ここではFPC53を例に説明し、符号を付す。
【0037】
FPC53は、第1の基板としてのFPC基板53bの第1の面としての配線形成面53cに、所定の導体配線53dが複数形成されている。更に、半導体素子23およびパッケージ基板40との接合部を除いた導体配線53dを覆うように、絶縁フィルムもしくはコーティング53eが形成されていてもよい。FPC基板53bはフィルム状の合成樹脂から成型され、合成樹脂材料として公知の材料であるポリイミドが好適に用いられる。導体配線53dは、例えば銅、アルミ、金などの導電性金属で且つ延性の優れた材料が好適に用いられる。
【0038】
FPC53は、図3(a)に示すA−A´部の導体配線53fの線幅W1に対して、B−B´部の導体配線53gの線幅W2が狭く形成されている。図3(d)に示すように、この導体配線53fが形成されているFPC52の領域を第1の領域もしくは第1の部分としての領域Lとし、導体配線53gが形成されている領域を第2の領域もしくは第2の部分としての領域Mとする。また、導体配線53fと線幅の異なる導体配線53gとを連続的に幅を変化させて接続する導体配線53hが形成される領域を第3の部分としての領域Nとする。
【0039】
領域Lに形成されている導体配線53fは、領域Mとは反対側の端部側において、図1に示す半導体素子23の能動面23aに形成された外部接続端子23bと電気的に接続、固着される。また、領域Mに形成されている導体配線53gは、領域Lとは反対側の端部側において、パッケージ基板40の実装面42aに形成された電極40bと電気的に接続、固着される。図1に示すようにFPC53の中間部において、FPC53を屈曲させて、半導体素子23とパッケージ基板40とを繋ぐ形態では、FPC53の線幅の狭い領域Mにおける導体配線53gと、線幅を変化させる導体配線53hと、の境界である図3(a)に示すC−C´線付近で屈曲する。
【0040】
すなわち、線幅W2の導体配線53gに対して、線幅W1の導体配線53fに変化させる導体配線53hは、線幅の変化点でありFPC基板53bを形成するポリイミドに対して金属からなる導体配線53dの曲げ強度は大きいために、曲げ難くなり始めるC−C´部が屈曲部となってFPC53が屈曲する。
【0041】
なお、線幅が変化する導体配線53hについて、線幅の変化のさせ方のその他の例を図3(e)に示す。図3(e)で示すように、導体配線53hの線幅形状は、図示左側に示すように曲線により、線幅の内側に向かって凹形状とする、あるいは図示中央に示すように曲線により、線幅の外側に向かって凸形状とすることができる。また、線幅が変化する導体配線53hを備えず、導体配線53fと導体配線53gとを接続させた、図3(e)の右側に示す形態であっても良い。
【0042】
上述のFPC53において、領域Lにおける導体配線53fの線幅W1に対して、領域Mにおける導体配線53gの線幅W2が小さい形態を例示したが、これに限定はされない。例えば、FPC53の平面視における領域Lの面積SLに対する、同じく平面視における導体配線52fの面積Slとし、平面視における領域Mの面積SMに対する、同じく平面視における導体配線52gの面積比をSmとした場合、
(Sm/SM)/(Sl/SL)<1.0
となるように、すなわち領域Lにおける導体配線53fの形成面積比より、領域Mにおける導体配線53gの形成面積比を小さくするように導体配線53dを形成する形態としても良い。
【0043】
例えば、図4(a)に示すFPC70のように、領域Lと領域Mにおいて線幅の異なる導体配線70aと、線幅の同じ導体配線70bが混在した場合、領域Lにおいては、上述したように領域Lの面積SLは、
SL=HL×WL
となり、領域Lにおける導体配線70a,70bの形成部の平面視面積Slは、導体配線70aと導体配線70bとの領域Lにおける面積s1〜s5の総和であり、
Sl=s1+s2+s3+s4+s5
となる。
【0044】
これに対して、領域Mの面積SMは、
SM=HM×WM
となり、導体配線70a,70bの領域Mにおける形成部の平面視面積Smは、領域Mにおける導体配線70aと導体配線70bとの面積s6〜s10の総和であり、
Sm=s6+s7+s8+s9+s10
となる。
【0045】
こうして求められるSm,SM,Sl,SLの値が、
(Sm/SM)/(Sl/SL)<1.0
となるように、導体配線70a,70bの線幅を決定すれば良い。
【0046】
また、図4(b)に示すように、同じ線幅を備える導体配線71aを有するFPC71であっても、FPC基板71bの幅が、領域Lの幅WLに対して領域Mの幅WMを大きくすることにより、実質的に上述の、
(Sm/SM)/(Sl/SL)<1.0
の条件を満足させることができる。
【0047】
(第2実施形態)
第2実施形態として、上述で説明した第1実施形態に係る半導体装置100の製造方法を説明する。図5は第1実施形態に係る半導体装置100の製造フローを示すフローチャートである。
【0048】
先ず、第1実施形態に係る半導体装置100を構成する半導体素子21,22,23と、ジャイロ振動素子11,12,13と、を準備する(S1)。ステップS1では、能動面21a,22a,23a上に、ジャイロ振動素子11,12,13が接続される接続用パッド21c,22c,23cと、FPC51,52,53が接続される外部接続端子21b,22b,23bと、が例えば、スタッドバンプやペーストによってバンプ形状(突起形状)に形成される。ジャイロ振動素子11,12,13は、例えば水晶から形成され、所定の電極配線を備えている。
【0049】
FPC51,52,53は、図3に示すように、半導体素子21,22,23に設けた外部接続端子21b,22b,23bに対応する第1の領域としての領域Lに形成した第1の金属配線としての導体配線52fと、パッケージ基板40の電極40a,40b,40cに対応する第2の領域としての領域Mに形成した第2の金属配線としての導体配線52gと、を含む導体配線52dが形成されている。
【0050】
次にFPC接続工程(S2)に移行する。なお、FPC接続工程(S2)においてFPC51,52,53は同じ方法による工程であるので、FPC53を例に説明する。FPC接続工程(S2)は、図6(a)に示すように、半導体素子23の能動面23a上に形成された外部接続端子23bと、FPC53の領域Lにおける導体配線53fと、の位置合わせを行い、超音波圧着により接合する。接合方法は、超音波圧着に限定されず、その他公知の接合方法から適宜選択されても良い。
【0051】
FPC接続工程によって、FPC51,52,53が接合された半導体素子21,22,23にジャイロ振動素子11,12,13を搭載するジャイロ振動素子接続工程(S3)に移行する。なお、ジャイロ振動素子接続工程(S3)において、ジャイロ振動素子11,12,13は同じ方法による工程であるので、ジャイロ振動素子13を例に説明する。図6(b)に示すように、ジャイロ振動素子接続工程(S3)では、半導体素子23の能動面23a上に形成された接続用パッド23cに、ジャイロ振動素子13の支持部13aに、接続用パッド23cに対向するように配置された図示しない電極部を導電性接着剤により電気的に接続し、且つ固着させる。このとき、接続用パッド23c及び支持部13aを、加熱及び加圧しながら電気的に接続しても良い。また、この加熱の際、FPC53に熱が伝わるように加熱をしても良い。なお、導電性接着剤による固着には限定されず、公知の接合方法によって接合されても良い。
【0052】
次に、ジャイロ振動素子周波数調整工程(S4)に移行する。ジャイロ振動素子周波数調整工程(S4)は、ジャイロ振動素子11,12,13の駆動腕に形成されている電極膜、もしくは調整用金属膜にレーザーを照射し、部分的に金属膜を除去し、ジャイロ振動素子11,12,13の振動周波数を所定の周波数に調整する。
【0053】
次に、素子固定板貼付工程(S5)に移行する。素子固定板貼付工程(S5)では、予め図2に示す素子固定板30を準備する。素子固定板30は金属、例えばステンレス、黄銅、アルミなどの板材から成型される。この素子固定板30に、図7(a)に示すようにステップS4までで形成された半導体素子21,22,23を貼り付ける。
【0054】
半導体素子21,22,23の貼付は接着剤により固着することができる。接着剤は特に限定されないが、接着性、絶縁性に優れる、例えばエポキシ系接着剤が好適である。なお、本例では、パッケージ基板40の実装面42aに接着固定される素子固定部30aに、半導体素子21を接着固定する構成を例示したが、素子固定部30aにおいては、後述するパッケージ基板40に素子固定板30を固定した後に、半導体素子21を接着する工程としても良い。
【0055】
次に、FPC加熱工程(S6)に移行する。このFPC加熱工程(S6)は、パッケージ基板40に実装する際に屈曲させて組み立てられるFPC52,53に対して、予め僅かな屈曲部を形成するために、FPC52,53を加熱する工程である。FPC52,53への加熱方法としては、例えば熱風、ハロゲンランプ、固体ヒーター接触などの方法が適用できるが、半導体素子22,23および屈曲させないFPC51を備える半導体素子21に不要な熱負荷を掛けることを避けるためにも、熱を集束させて照射できるハロゲンランプまたは固体ヒーターの接触による加熱が好適である。
【0056】
図7(a)に示すように、集熱手段を備えるハロゲンヒーター80をFPC52,53に対向配置し、FPC52,53を150℃〜200℃で1〜2分間、加熱し保持する。このように加熱することで、FPC52,53は図7(b)に示すような矢印D方向への変形が与えられる。
【0057】
この熱によるD方向の変形は、FPC51,52,53のFPC基板51b,52b,53bの素材であるポリイミドの熱膨張によって生じるものである。図8は、FPC加熱工程(S6)において、熱変形が生じる現象を説明する模式図である。図8(a)の平面模式図に示すように、FPC52,53は半導体素子22,23に外部接続端子22b,23bに固着されている。すなわち、FPC52,53の領域Lは半導体素子22,23に実質的に固着された状態にある。
【0058】
更に、上述した通りFPC52,53の領域Lにおいては、図3に示すように導体配線52f,53fの線幅、あるいは領域Lに占める導体配線52f,53fの面積の割合が大きく、FPC基板52b,53bを形成するポリイミドに対して、金属の導体配線52f,53fの熱膨張は小さいことからも、領域LにおけるFPC52,53の熱膨張は抑制される。
【0059】
これに対して、FPC52,53の領域Mにおいては、導体配線52g,53gの線幅が小さい、あるいは面積割合が小さいことで、FPC基板52b,53bのポリイミドが熱膨張し、図8(a)に示す膨張後の形状F1に拡張しようとする。しかし、上述した通りFPC52,53の領域Lでは熱膨張が抑制されていることにより、領域Mの熱膨張は形状F2のように形状が抑制される状態となる。このとき、領域Mの領域L近傍のP1−P1´部では、図8(a)のP1−P1´断面形状で示すように、熱膨張前のFPC52,53に対して、領域Lにおける熱膨張の抑制の影響を受けているため、熱膨張によるFPC52,53の幅の増加分を吸収しようとして、FPC52,53が湾曲する。領域Lに遠くなるP2−P2´部、更に遠くなるP3−P3´部と、徐々に領域Lにおける熱膨張の抑制の影響は少なくなり、FPC52,53の湾曲の程度が小さくなる。
【0060】
一方、図8(a)に示すQ−Q´部では、Q−Q´断面に示すように、領域Lにおける熱膨張の抑制の影響によって生じるP1−P1´部断面の湾曲が、図示するD方向に湾曲させる変形となる。これによって、図8(b)の斜視図に示すような、2方向の湾曲が与えられる。なお、FPC加熱工程(S6)として、ハロゲンヒーター80を用いてFPCを加熱するかわりに、ジャイロ振動素子接続工程(S3)においてFPCに加える熱でFPCに上述した屈曲部を形成しても良い。
【0061】
次に、素子固定板基板固定工程(S7)に移行する。素子固定板基板固定工程(S7)は、ステップS5,S6によって半導体素子21,22,23が固定された素子固定板30をパッケージ基板40に搭載する工程である。先ず、パッケージ基板40に半導体素子21,22,23が固定された素子固定板30が載置される。この作業の時、ステップS6において湾曲を与えられたFPC52,53は、載置の過程において図9(a)に示すように、パッケージ基板40の実装面42aに、FPC52,53の先端部分が当接し、次に図9(b)に示すように、徐々に実装面42aに沿って先端部分は移動し、同時に図3(a)に示すC−C´部から屈曲部52a,53aの曲がりを強くする。そして、図9(c)に示すように、所定の組み込み位置に載置される。この後、実装面42aと素子固定板30とを接着剤等により固着する。
【0062】
このように、FPC加熱工程(S6)において、熱によってFPC52,53の領域Mに湾曲部を成型させることによって、素子固定板基板固定工程(S7)における載置作業と同時にFPC52,53に所定の屈曲部52a,53aを自己成型させることができる。
【0063】
屈曲部52a,53aは、図3に示す領域Mの導体配線52gと、領域Nの導体配線52hとの境界であるC−C´部近傍を屈曲開始点として屈曲する。すなわち、線幅が広くなる領域Nの導体配線52hの方が曲げ難くなるため、境界のC−C´部が屈曲し易くなることによる。すなわち、領域Mの導体配線52gと領域Nの導体配線52hとの境界位置であるC−C´位置を予め決めておくことによって、FPC52,53の屈曲位置を制御することができる。
【0064】
次に、FPC基板接続工程(S8)に移行する。FPC基板接続工程(S8)では、図10に示すように、パッケージ基板40の実装面42aに形成された電極40aと、FPC51,52,53の一方の端部とを電気的に接続する。接続には、例えば図示するFPC53の場合は、超音波コーン90の先端を接続部にFPC53を電極40cに押し付けるように当て、超音波圧着によって接続する。同じ方法により、FPC51,52がパッケージ基板40に接続される。なお、接続はFPC51,52,53それぞれを個別に行っても良く、超音波コーン90を複数用いることによって、同時に接続することもできる。
【0065】
次に、キャップ(封止)工程(S9)に移行する。キャップ(封止)工程(S9)は、本例に示す半導体装置100がジャイロ振動素子11,12,13を備えることから、ジャイロ振動素子11,12,13の振動を不安定にさせる素子周辺のガス成分としての空気中の酸素や窒素を排除し、半導体装置100の内部を真空気密に保持させるために、図1(b)に示すキャップ60をパッケージ基板40の第3基板43の上面に固着させる。キャップ60は、例えばステンレス、チタンおよびその合金、アルミおよびその合金などの金属製で、パッケージ基板40にキャップ60を載置し、真空(減圧)雰囲気中において、キャップ60と第3基板43を密封、固定し、図1に示す半導体装置100が完成する。
【0066】
第2の基板としての半導体素子22,23を、第3の基板としてのパッケージ基板40に対して非平行に搭載、例えば本例のように略90度の角度を備え搭載、する場合に、半導体素子22,23とパッケージ基板40とを接続する第1の配線基板としてのFPC52,53には屈曲部を設けなければならない。この屈曲部を形成する方法として、上述の通り、FPC52,53を加熱することによって湾曲部を形成し、素子固定板30と共に半導体素子22,23をパッケージ基板40へ搭載する過程で、湾曲部が形成されたFPC52,53の先端部がパッケージ基板40の実装面42aに沿って摺動し、素子固定板が実装面42aに搭載された時点で、FPC52,53には所定に屈曲形状が与えられるようにすることができる。すなわち、予め所定の屈曲部を形成するための特別の工程を必要とせずに、いわゆる垂直実装に代表される平面実装ではない実装形態において、容易にFPCの屈曲部を形成し、電子部品の実装工程の合理化、コストダウンを実現することができる。
【0067】
なお、上述の実施形態では半導体装置を例に説明したが、これに限定されず、半導体素子以外の電子部品を基板上に、基板に非平行に実装する場合であっても、FPCの接続方法として適用することができる。
【0068】
(実施例)
図11(a)に示すような寸法設定の、半導体素子10と、半導体素子10に固着したFPC50に、FPC50に対して200℃で2分間過熱したところ、図11(b)に示すようにFPC50は角度換算で約20度の曲がりを得た。この、曲がりを持ったFPC50を備える半導体素子10を素子固定板30に固着し、パッケージ基板40に実装したところ、図11(c)に示すように、FPC50はパッケージ基板40の実装面42aに沿って屈曲させることができた。
【符号の説明】
【0069】
11,12,13…ジャイロ振動素子、21,22,23…半導体素子、30…素子固定板、40…パッケージ基板、51,52,53…FPC、60…キャップ、100…半導体装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基板の第1の面の第1の領域および第2の領域に位置する第1の金属配線を有し、前記第1の領域の面積と、前記第1の領域に有する前記第1の金属配線と、の面積の割合と、前記第2領域と、前記第2の領域に有する前記第1の金属配線と、の面積の割合と、が異なる第1の配線基板を用意する工程と、
第2の基板に備える第2の金属配線と、前記第1の配線基板の前記第1の領域に有する前記第1の金属配線と、を電気的に接合する工程と、
前記第1の配線基板を加熱し、前記第1の領域と前記第2の領域との間で前記第1の配線基板を屈曲させる工程と、
第3の基板の第1の面に位置する第3の配線と、前記第1の配線基板の前記第2の領域に有する前記第1の金属配線と、を電気的に接続し、前記第1の基板の前記第1の面の一部または全部と、前記第3の基板の前記第1の面と、を非平行に前記第1の配線基板を前記第3の基板に搭載する工程と、を含む、
ことを特徴とする基板の接続方法。
【請求項2】
第1の基板の第1の面に位置し、第1の部分と前記第1の部分よりも幅の狭い第2の部分を有する第1の金属配線と、を有する第1の配線基板を用意する工程と、
前記第1の配線基板を加熱し、前記第1の部分と前記第2の部分との間で前記第1の配線基板を屈曲させる工程と、
第2の基板に備える第2の金属配線と、前記第1の配線基板の前記第1の部分と、を電気的に接合する工程と、
第3の基板の第1の面に位置する第3の配線と、前記第1の金属配線の前記第2の部分とを電気的に接続し、前記第1の基板の前記第1の面の一部または全部が前記第3の基板の前記第1の面と、を非平行に前記第1の配線基板を前記第3の基板に搭載する工程と、を含む、
ことを特徴とする基板の接続方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の基板の接続方法において、
前記第1の基板は前記第1の金属配線よりも厚い、
ことを特徴とする基板の接続方法。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載された基板の接続方法において、
前記第1の配線基板を屈曲させる工程では、150℃以上250℃以下の温度で前記第1の配線基板を加熱する、
ことを特徴とする基板の接続方法。
【請求項5】
請求項2記載から請求項4のいずれか一項に記載の基板の接続方法において、
前記第1の金属配線の前記第1の部分と前記第2の部分と、を繋ぐ第3の部分は、前記第1の部分から前記第2の部分に向けて連続的に幅が狭くなっている、
ことを特徴とする基板の接続方法。
【請求項6】
第1の基板の第1の面の第1の領域および第2の領域に位置する第1の金属配線を有し、前記第1の領域の面積と、前記第1の領域に有する前記第1の金属配線と、の面積の割合と、前記第2領域と、前記第2の領域に有する前記第1の金属配線と、の面積の割合と、が異なる第1の配線基板を用意する工程と、
第2の基板に備える第2の金属配線と、前記第1の配線基板の前記第1の領域に有する前記第1の金属配線と、を電気的に接合する工程と、
前記第1の配線基板を加熱し、前記第1の領域と前記第2の領域との間で前記第1の配線基板を屈曲させる工程と、
第3の基板の第1の面に位置する第3の配線と、第1の配線基板の前記第2の領域に有する前記第1の金属配線と、を電気的に接続し、前記第1の基板の前記第1の面の一部または全部と、前記第3の基板の前記第1の面と、を非平行に前記第1の配線基板を前記第3の基板に搭載する工程と、を含み、
前記第2の基板が半導体チップである、
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項7】
第1の基板の第1の面に位置し、第1の部分と前記第1の部分よりも幅の狭い第2の部分を有する第1の金属配線と、を有する第1の配線基板を用意する工程と、
前記第1の配線基板を加熱し、前記第1の部分と前記第2の部分との間で前記第1の配線基板を屈曲させる工程と、
第2の基板に備える第2の金属配線と、前記第1の配線基板の前記第1の部分と、を電気的に接合する工程と、
第3の基板の第1の面に位置する第3の配線と、前記第1の金属配線の前記第2の部分とを電気的に接続し、前記第1の基板の前記第1の面の一部または全部が前記第3の基板の前記第1の面と、を非平行に前記第1の配線基板を前記第3の基板に搭載する工程と、を含み、
前記第2の基板が半導体チップである、
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1の基板は前記第1の金属配線よりも厚い、
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項9】
請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1の配線基板を屈曲させる工程では、150℃以上250℃以下の温度で前記第1の配線基板を加熱する、
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項7記載から請求項9のいずれか一項に記載された半導体装置の製造方法において、
前記第1の金属配線の前記第1の部分と前記第2の部分と、を繋ぐ第3の部分は、前記第1の部分から前記第2の部分に向けて連続的に幅が狭くなっている、
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項1】
第1の基板の第1の面の第1の領域および第2の領域に位置する第1の金属配線を有し、前記第1の領域の面積と、前記第1の領域に有する前記第1の金属配線と、の面積の割合と、前記第2領域と、前記第2の領域に有する前記第1の金属配線と、の面積の割合と、が異なる第1の配線基板を用意する工程と、
第2の基板に備える第2の金属配線と、前記第1の配線基板の前記第1の領域に有する前記第1の金属配線と、を電気的に接合する工程と、
前記第1の配線基板を加熱し、前記第1の領域と前記第2の領域との間で前記第1の配線基板を屈曲させる工程と、
第3の基板の第1の面に位置する第3の配線と、前記第1の配線基板の前記第2の領域に有する前記第1の金属配線と、を電気的に接続し、前記第1の基板の前記第1の面の一部または全部と、前記第3の基板の前記第1の面と、を非平行に前記第1の配線基板を前記第3の基板に搭載する工程と、を含む、
ことを特徴とする基板の接続方法。
【請求項2】
第1の基板の第1の面に位置し、第1の部分と前記第1の部分よりも幅の狭い第2の部分を有する第1の金属配線と、を有する第1の配線基板を用意する工程と、
前記第1の配線基板を加熱し、前記第1の部分と前記第2の部分との間で前記第1の配線基板を屈曲させる工程と、
第2の基板に備える第2の金属配線と、前記第1の配線基板の前記第1の部分と、を電気的に接合する工程と、
第3の基板の第1の面に位置する第3の配線と、前記第1の金属配線の前記第2の部分とを電気的に接続し、前記第1の基板の前記第1の面の一部または全部が前記第3の基板の前記第1の面と、を非平行に前記第1の配線基板を前記第3の基板に搭載する工程と、を含む、
ことを特徴とする基板の接続方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の基板の接続方法において、
前記第1の基板は前記第1の金属配線よりも厚い、
ことを特徴とする基板の接続方法。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載された基板の接続方法において、
前記第1の配線基板を屈曲させる工程では、150℃以上250℃以下の温度で前記第1の配線基板を加熱する、
ことを特徴とする基板の接続方法。
【請求項5】
請求項2記載から請求項4のいずれか一項に記載の基板の接続方法において、
前記第1の金属配線の前記第1の部分と前記第2の部分と、を繋ぐ第3の部分は、前記第1の部分から前記第2の部分に向けて連続的に幅が狭くなっている、
ことを特徴とする基板の接続方法。
【請求項6】
第1の基板の第1の面の第1の領域および第2の領域に位置する第1の金属配線を有し、前記第1の領域の面積と、前記第1の領域に有する前記第1の金属配線と、の面積の割合と、前記第2領域と、前記第2の領域に有する前記第1の金属配線と、の面積の割合と、が異なる第1の配線基板を用意する工程と、
第2の基板に備える第2の金属配線と、前記第1の配線基板の前記第1の領域に有する前記第1の金属配線と、を電気的に接合する工程と、
前記第1の配線基板を加熱し、前記第1の領域と前記第2の領域との間で前記第1の配線基板を屈曲させる工程と、
第3の基板の第1の面に位置する第3の配線と、第1の配線基板の前記第2の領域に有する前記第1の金属配線と、を電気的に接続し、前記第1の基板の前記第1の面の一部または全部と、前記第3の基板の前記第1の面と、を非平行に前記第1の配線基板を前記第3の基板に搭載する工程と、を含み、
前記第2の基板が半導体チップである、
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項7】
第1の基板の第1の面に位置し、第1の部分と前記第1の部分よりも幅の狭い第2の部分を有する第1の金属配線と、を有する第1の配線基板を用意する工程と、
前記第1の配線基板を加熱し、前記第1の部分と前記第2の部分との間で前記第1の配線基板を屈曲させる工程と、
第2の基板に備える第2の金属配線と、前記第1の配線基板の前記第1の部分と、を電気的に接合する工程と、
第3の基板の第1の面に位置する第3の配線と、前記第1の金属配線の前記第2の部分とを電気的に接続し、前記第1の基板の前記第1の面の一部または全部が前記第3の基板の前記第1の面と、を非平行に前記第1の配線基板を前記第3の基板に搭載する工程と、を含み、
前記第2の基板が半導体チップである、
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1の基板は前記第1の金属配線よりも厚い、
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項9】
請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1の配線基板を屈曲させる工程では、150℃以上250℃以下の温度で前記第1の配線基板を加熱する、
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項7記載から請求項9のいずれか一項に記載された半導体装置の製造方法において、
前記第1の金属配線の前記第1の部分と前記第2の部分と、を繋ぐ第3の部分は、前記第1の部分から前記第2の部分に向けて連続的に幅が狭くなっている、
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−151390(P2012−151390A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−10582(P2011−10582)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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