基板処理装置及び半導体装置の製造方法
【課題】基板を加熱するためのランプの寿命を長くする。
【解決手段】基板を処理する受光室と、前記受光室内に設けられ、基板を支持する基板支持部と、ランプ電気配線と、該ランプ電気配線を内包し当該ランプ内の気体を気密に封止する封止部とを有し、前記基板支持部に支持された基板に光を照射するランプと、前記受光室外に設けられ、前記ランプと、前記ランプと連結され前記ランプ電気配線に電流を供給するランプ連結部材と、前記封止部よりも熱伝導率の高い材料で構成され、前記封止部の周囲を覆い前記封止部に接触する吸熱部材と、前記吸熱部材に接触し前記吸熱部材を固定するための基礎部材と、を有するランプ収容部と、前記ランプ連結部材に接続され、前記ランプ連結部材へ電流を供給する外部電気配線と、を備えるように基板処理装置を構成する。
【解決手段】基板を処理する受光室と、前記受光室内に設けられ、基板を支持する基板支持部と、ランプ電気配線と、該ランプ電気配線を内包し当該ランプ内の気体を気密に封止する封止部とを有し、前記基板支持部に支持された基板に光を照射するランプと、前記受光室外に設けられ、前記ランプと、前記ランプと連結され前記ランプ電気配線に電流を供給するランプ連結部材と、前記封止部よりも熱伝導率の高い材料で構成され、前記封止部の周囲を覆い前記封止部に接触する吸熱部材と、前記吸熱部材に接触し前記吸熱部材を固定するための基礎部材と、を有するランプ収容部と、前記ランプ連結部材に接続され、前記ランプ連結部材へ電流を供給する外部電気配線と、を備えるように基板処理装置を構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、半導体集積回路装置(以下、ICという。)等の半導体装置の製造装置である基板処理装置、特に、半導体集積回路が作り込まれる半導体基板(例えば、半導体ウエハ)を加熱して処理する基板処理装置、及び該基板処理装置を用いた半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置を製造する際、所望の温度に加熱された半導体基板(ウエハ)等にガスを晒すことで様々な処理がなされている。基板を1枚ずつ処理する枚葉式の基板処理装置では、基板を支持する基板支持部に内包されたヒータや、基板支持部の基板支持面に対向するように配置されたランプ加熱機構などを用いて基板を加熱している。基板を加熱して処理する基板処理装置としては、例えば特許文献1のような装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−88347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のランプ加熱機構を用いて基板を加熱した場合、ランプからの光によりランプの封止部が加熱され、ランプの寿命が短くなることがあった。
そこで、本発明は、基板を加熱するためのランプの寿命を長くすることが可能な基板処理装置、あるいは該基板処理装置を用いた半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するための、本発明の代表的な基板処理装置の構成は、次のとおりである。すなわち、
基板を処理する受光室と、
前記受光室内に設けられ、基板を支持する基板支持部と、
ランプ電気配線と、該ランプ電気配線を内包し当該ランプ内の気体を気密に封止する封止部とを有し、前記基板支持部に支持された基板に光を照射するランプと、
前記受光室外に設けられ、前記ランプと、前記ランプと連結され前記ランプ電気配線に電流を供給するランプ連結部材と、前記封止部よりも熱伝導率の高い材料で構成され、前記封止部の周囲を覆い前記封止部に接触する吸熱部材と、前記吸熱部材に接触し前記吸熱部材を固定するための基礎部材と、を有するランプ収容部と、
前記ランプ連結部材に接続され、前記ランプ連結部材へ電流を供給する外部電気配線と、
を備える基板処理装置。
【0006】
また、本発明の代表的な半導体装置の製造方法の構成は、次のとおりである。すなわち、
基板を処理する受光室と、
前記受光室内に設けられ、基板を支持する基板支持部と、
ランプ電気配線と、該ランプ電気配線を内包し当該ランプ内の気体を気密に封止する封止部とを有し、前記基板支持部に支持された基板に光を照射するランプと、
前記受光室外に設けられ、前記ランプと、前記ランプと連結され前記ランプ電気配線に電流を供給するランプ連結部材と、前記封止部よりも熱伝導率の高い材料で構成され、前記封止部の周囲を覆い前記封止部に接触する吸熱部材と、前記吸熱部材に接触し前記吸熱部材を固定するための基礎部材と、を有するランプ収容部と、
前記ランプ連結部材に接続され、前記ランプ連結部材へ電流を供給する外部電気配線と、
を備える基板処理装置を用いた半導体装置の製造方法であって、
前記受光室内に基板を搬入して前記基板支持部に基板を支持する工程と、
前記基板支持部に支持された基板に、前記ランプから光を照射する光照射工程と、
前記受光室内から基板を搬出する工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
上記の構成によれば、基板を加熱するためのランプの寿命を長くすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態に係る基板処理装置の概要を示す上面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る基板処理装置のロードロック室から処理室までの概要を示す側面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る処理室の概要を示す垂直断面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る処理室の概要を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係る処理室の概要を示す上面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る基板保持ピンの動作を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施形態に係る加熱部の概要を示す垂直断面図である。
【図8】本発明の実施形態に係る加熱部の概要を示す上面図である。
【図9】図7の部分拡大図である。
【図10】本発明の実施形態に係る加熱部の構造を示す分解斜視図である。
【図11】処理室16aにおける基板搬送方法を説明する図である。
【図12】処理室16aにおける基板搬送方法を説明する図である。
【図13】処理室16aにおける基板搬送方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施の形態において、基板処理装置は、一例として、半導体装置(IC)の製造方法における処理工程を実施する半導体製造装置として構成されている。以下、本発明の1実施形態を、図面を用いて説明する。
【0010】
(1)基板処理装置の構成
図1は、本発明の実施形態に係る基板処理装置10の全体構成図であり、基板処理装置10を上方から見た概念図である。図2は、図1に示す基板処理装置10のロードロック室から処理室までの概要を示す側面図である。
図1や図2に示すように、基板処理装置10は、例えば搬送室12と、搬送室12を中心として配置されるロードロック室14a,14b及び2つの処理室16a,16bと、を備えている。ロードロック室14a,14bの上流側には、カセットなどのフープ(キャリア)とロードロック室14a,14bとの間で基板を搬送する大気搬送室(EFEM:Equipment Front End Module)20が配置されている。大気搬送室20には、例えば25枚の基板22を縦方向に一定間隔を隔てて収容可能なフープ(図示せず)が3台配置されている。また、大気搬送室20内には、大気搬送室20とロードロック室14a,14bとの間で基板22を例えば5枚ずつ搬送する図示しない大気ロボットが配置されている。搬送室12、ロードロック室14a,14b及び処理室16a,16bは、例えばアルミニウム(A5052)等の材料により一体形成された容器(装置本体とも呼ぶ)の内部に構成されている。
【0011】
なお、ロードロック室14a,14bは、ロードロック室14a,14b側から処理室16a,16b側に向かう軸に対して線対称となる位置に配置されており、互いに同じ構成を有する。また、処理室16a,16bも、同軸に対して線対称となる位置に配置されており、互いに同じ構成を有する。以下、ロードロック室14a及び処理室16aを中心に説明する。
【0012】
図2に示すように、ロードロック室14a内には、例えば25枚のウエハなどの基板22を縦方向に一定間隔を隔てて収容する基板支持体(ボート)24が設けられている。基板支持体24は、例えば炭化珪素からなり、上部板24cと、下部板24dと、上部板24cと下部板24dとを接続する例えば3つの支柱24aと、を有する。支柱24aの長手方向内側には、基板22を平行姿勢で支持するための載置部(水平溝)24bが、長手方向に例えば25個配列されている。また、基板支持体24は、ロードロック室14a内において、鉛直方向に移動(上下方向に移動)するとともに、鉛直方向に延びる回転軸を軸として回転するように構成されている。基板支持体24が鉛直方向に移動することにより、基板支持体24の3つの支柱24aそれぞれに設けられた載置部24bの上面に、後述するフィンガ対38から基板22が同時に2枚ずつ移載される。また、基板支持体24が鉛直方向に移動することにより、基板支持体24からフィンガ対38へも基板22が同時に2枚ずつ移載されようになっている。
【0013】
図2に示すように、搬送室12内には、ロードロック室14aと処理室16aとの間で基板22を搬送する真空ロボット36が設けられている。真空ロボット36は、上フィンガ38a及び下フィンガ38bから構成されるフィンガ対38が設けられたアーム37を有する。上フィンガ38a及び下フィンガ38bは、例えば同一の形状をしており、上下方向に所定の間隔で離間され、アーム37からそれぞれ略水平に同じ方向に延びて、それぞれ基板22を同時に支持することができるようにされている。アーム37は、鉛直方向に延びる回転軸を軸として回転するようにされているとともに、水平方向に移動するようにされ、同時に2枚の基板22を搬送可能にされている。
【0014】
図2に示すように、処理室16a内には、後述する受光室50が設けられている。受光室50内には、基板支持部44a,44bが設けられている。基板支持部44aと基板支持部44bとの間の空間は、仕切り部材48により水平方向の一部が仕切られている。真空ロボット36を介して処理室16a内に搬入された2枚の基板22は、基板支持部44a,44b上にそれぞれ載置された後、受光室50内で同時に熱処理されるように構成されている。熱処理を含む基板処理工程については後述する。
【0015】
図3から図5に、処理室16aの概要を示す。図3に示すように、処理室16aの下部側(底部及び側部)は、下側容器47により形成されている。下側容器47は、アルミニウム等により一体成型された上述の装置本体の一部を構成する。処理室16aの上部開口は、下側容器47の上部に設けられた蓋46によって閉塞されている。蓋46における基板支持部44a,44bに対応する位置はそれぞれ開口している。係る開口には、加熱部としてのランプハウス80a,80bがそれぞれ設けられている。ランプハウス80a,80bの構成については後述する。このように、処理室16aの外殻は、下側容器47と蓋46とランプハウス80a,80bとにより形成されている。また、蓋46やランプハウス80a,80bの下方であって、基板支持部44a,44bの上方には、受光室50(処理空間とも言う)が形成されている。後述する様に、受光室50の基板支持部に支持された基板は、所望の処理がなされる。
【0016】
蓋46における基板支持部44a,44bに対応する位置であって、ランプハウス80a,80bの近傍には、ガス供給部51a,51bが設けられている。ガス供給部51a,51bの上流端(図中上端)には、図示しないガス供給管の下流端がそれぞれ接続されている。ガス供給管には、上流側から順に、例えばN2ガスや希ガス(ArガスはHeガス等)などの不活性ガスや、他の処理ガスを供給する図示しないガス供給源、流量制御装置としてのマスフローコントローラ、開閉バルブが設けられている。これにより、ガス供給部51a,51bから、それぞれ受光室50内にガスを供給することが可能なように構成されている。なお、受光室50内は、後述する第1の排気口56、第2の排気口60、第3の排気口62を介して、図示しないポンプにより例えば0.1Pa程度までの真空にすることができるように構成されている。
【0017】
上述したように、基板支持部44a,44bは、受光室50内の同一空間内で独立して配置され、受光室50内であってランプハウス80a,80bの下方側にそれぞれ設けられている。基板支持部44a,44bは円盤状に形成されている。基板支持部44a,44bの主面の内、下方側の面には、それぞれフランジ53a,53bが設けられている。
フランジ53a,53bの下方には、下側容器47に立設された支柱49が接続されている。基板支持部44a,44bは、下方から支柱49により支持されると共に、側方から固定部材52により固定されている。
【0018】
基板支持部44a,44bの主面の内、上方側の面(すなわちランプハウス80a,80bに対向する面)には、基板22を水平姿勢で支持する基板支持面55a,55bがそれぞれ設けられている。基板支持面55a,55bのそれぞれの高さは、受光室50内の高さよりも低くされている。また、基板支持部44a,44b内には、加熱部としてのヒータ45a,45bが設けられており、基板支持面55a,55b上に載置した基板22を例えば300℃まで昇温可能に構成されている。基板支持部44a,44bは、それぞれ例えばアルミニウム(A5052又はA5056等)等により形成されている。基板支持部44a,44bをアルミニウムのような熱伝導率の高い材質により形成することで、基板22に効率よく熱を伝達することが可能となる。なお、基板支持部44a,44bは、例えば石英やアルミナ等の非金属耐熱材料によって形成することもできる。係る場合、基板22の金属汚染を回避できる。
【0019】
基板支持部44aと基板支持部44bとの間には、上述した仕切り部材48が配置されている。仕切り部材48は、例えばアルミニウム(A5052又はA5056等)、石英、アルミナ等により形成されており、下側容器47に対して着脱自在に設けられた例えば角柱状の部材として構成されている。
【0020】
基板支持部44a,44bの周囲には、それぞれの外周を囲むように排気バッフルリング54a,54bが配置されている(図4参照)。排気バッフルリング54a,54bには、周方向に複数の孔部(第1の排気口)56が設けられている(図5参照)。基板支持部44a,44b及び排気バッフルリング54a,54bの下方には、第1の排気空間58が形成されている(図3参照)。第1の排気空間58は、基板支持部44a,44bの下方に設けられた第2の排気口60を介して受光室50の下方側の空間に連通している。受光室50の下方側の空間は、下側容器47に設けられた第3の排気口62を介して図示しない真空ポンプにより排気可能に構成されている。
【0021】
したがって、上述のガス供給部51a,51bから受光室50内に供給されたガスを排気する際、ガスは、基板支持部44a,44bに支持された基板22に供給された後、排気バッフルリング54a,54bに設けられた孔部56を介して第1の排気空間58に向けて排気される。次に、排気空間58のガスは基板支持部44a,44bの下方に設けられた第2の排気口60を介して受光室50の下方側に排気された後、下側容器47に設けられた第3の排気口62を介して処理室16aの外部へ排気される。
【0022】
図4及び図5に示すように、仕切り部材48の一端側には、基板22を搬送可能なロボットアーム70が配置されている。ロボットアーム70は、上述したアーム37が搬送する2枚の基板22のうち1枚を基板支持部44bに向けて搬送するとともに、基板支持部44bから回収するようにされている。ロボットアーム70は、例えばアルミナセラミックス(純度99.6%以上)からなるフィンガ72(フィンガ72の基部は位置やレベル合わせのために金属からなる)と、軸部71とを有し、軸部71に回転及び昇降を行う2軸の駆動ユニット(図示せず)が設けられている。フィンガ72は、基板22よりも大きな弧状部72aを有し、この弧状部72aから中心に向けて延びる3つの突起部72bが所定の間隔で設けられている。軸部71は、水冷された磁気シールにより、受光室50が真空にされた場合の大気と遮断をするように構成されている。なお、仕切り部材48及びロボットアーム70は、受光室50内の空間を完全に分離することがないように、受光室50内に配置されている。
【0023】
基板支持部44a,44bには、図6に示すような基板保持ピン74が少なくとも3本ずつ鉛直方向に貫通している。搬送室12内から真空ロボット36を介して処理室16a内に搬送された基板22は、一時的にこれらの基板保持ピン74上に載置されるように構成されている。基板保持ピン74は、上下方向に昇降するようにされている。また、図4や図5に示すように、基板支持部44a,44bの外周には、フィンガ72が備える上述の突起部72bが基板支持部44a,44bの上面に対して上方から下方へ移動可能なように、縦方向(上下方向)の溝部76がそれぞれ3本設けられている。
【0024】
(2)ランプハウスの構成
続いて、本実施形態に係る加熱部としてのランプハウス80a,80bの構成について図7から図10を用いて説明する。
図7は、ランプハウス80および基板支持部44を側面から見た図である。図8は、ランプハウス80を上面から見た図である。図9は、図7の部分拡大図である。図10は、ランプ81の取り付け構造を示す分解斜視図である。ランプ81は、基板支持部44に支持された基板22に光を照射する。
【0025】
ランプ収容部としてのランプハウス80a,80bは、それぞれ、複数のランプ81(81Aから81L)、各ランプ81に対応しランプ81をそれぞれ固定するソケット82、各ソケット82を覆うブロック83、ランプベース84、窓87、側壁86で主に構成される。ソケット82は、ランプ81と連結され、ランプ81に電流を供給するランプ連結部材を構成する。ブロック83は、ソケット82や後述する封止部81sの周囲を覆い接触し、封止部81sから熱を吸収する吸熱部材を構成する。ランプベース84は、ブロック83を接触させて固定するための基礎部材を構成する。ソケット82は、絶縁材料、例えばセラミックスで形成され、ブロック83やランプベース84や側壁86は、ソケット82よりも熱伝導率の高い金属、例えばアルミで形成される。
ランプハウス80a,80bは同一の構成であるため、ここではランプハウス80として説明する。
【0026】
図7に示すように、ランプベース84は側壁86によって支持されている。ランプベース84と処理空間110の間には、処理空間110の雰囲気とランプ81が配設されるランプハウス80内の空間の雰囲気とを隔てる窓87が設けられる。窓87は、Oリング94を介して側壁86に固定されている。窓87は、ランプ81から照射される光のレベルを減衰させない材質が良く、例えば石英で構成されている。
このような構成とすることで、ランプ交換などのメンテナンス作業において、処理空間110の雰囲気に影響することなく、安全にかつすばやくランプ81を交換することが可能となる。
【0027】
仮に、窓87を外してランプ81を交換する場合、次のような問題がある。例えば、基板支持部44に内蔵されたヒータ45が冷却されるのを待つ必要がある。さらには、ランプ交換するために受光室50内の処理空間110を大気圧に戻しているため、再度受光室50内を真空引きする必要がある。
上記のような構造とすることで、ヒータの冷却待ち、再度の真空引きが必要なくなるため、メンテナンス時間の短縮を図ることが可能となる。
【0028】
ランプベース84の内部には、冷媒が流れる冷却流路92が設けられている。ランプベース84の上には、冷却流路92を塞ぐための蓋85が設けられ、冷媒が漏れない構成としている。冷却流路92には、冷媒供給管91と冷媒排出管93が接続されている。図示しない冷媒源から流れてくる冷媒が、冷媒供給管91から冷却流路92へ供給され、冷媒排出管93から排出される。
このような構成とすることで、ランプベース84を経由して、ブロック83を冷却している。ブロック83を冷却することで、後述する封止部81sやソケット82やソケット82に取り付けられている配線82cを冷却することが可能となり、ランプ81の寿命を延ばすことができる。配線82cは、ランプハウス80の外部からソケット82へ電流を供給する外部電気配線である(図9参照)。
【0029】
ランプ81は、図8に示すように円周状に配設されている。各ランプ81は、それぞれ独立して制御できるよう、基板処理装置10のコントローラ120に接続されている。ランプ81はグループごとに管理されている。例えば、81A、81D、81G、81Jは第一グループ、81B、81E、81H、81Kは第二グループ、81C、81F、81I、81Lは第三グループとする。
各グループのランプは隣り合うよう構成されており、グループごとに照度を調整することで、基板22に照射される照度量を調整するようにしている。各グループ間で照度量を調整することで、基板22を均一に加熱することができる。
【0030】
ランプ81が設置された周の直径は、基板22を均一に照射するという観点から、処理基板直径>ランプ設置の直径>処理基板半径の関係とすることが望ましい。ここで、ランプ設置の直径とは、ランプ81A〜81Lの中心を結ぶ円の直径をいう。
【0031】
次に、ランプ81の取り付け構造について説明する。
図9に示すように、ランプ81は、例えばハロゲン電球であり、フィラメント81fを内蔵する例えば石英製のバルブ81b内に、例えばハロゲンガスを封入している。ランプ81は、ハロゲンガスが漏れ出ないように封止するために、石英製のバルブ81bから連続して形成された石英製の封止部81sを有する。封止部81sの機械的強度を高くするため、封止部81sの石英の表面を例えばセラミックスで覆うようにしてもよい。封止部81sは、フィラメント81fに電気的に接続されているモリブデン箔81m(ランプ電気配線)を内包している。モリブデン箔81mは、封止部81s外に突き出るように設けられたプラグ81pに電気的に接続されている。
【0032】
ソケット82には、プラグ81pを差し込むためのソケット穴82hが設けられ、また、ソケット穴82hに配線82cが電気的に接続されている。こうして、ランプ81のプラグ81pがソケット穴82hに差し込まれることにより、ランプ81とソケット82が電気的に接続されるよう構成されている。そして、外部の電源(不図示)から配線82c(外部電気配線)に電流を供給することにより、ソケット82(ランプ連結部材)を介して、ランプ81のランプ電気配線に電流が供給される。
なお、本実施形態では、ソケット82とランプ81との電気的接続を、ソケット穴82hとプラグ81pにより行っているが、家庭用の白熱電球のように、ランプ81をソケット82にねじ込むように構成してもよい。
【0033】
フィラメント81fに電流を流しランプ81を点灯させると、フィラメント81fの発熱により、封止部81sの温度が上昇する。封止部81sの石英とモリブデンの熱膨張率の差により封止部81sの石英が破損しないように、モリブデンは薄い箔で形成され、石英の熱膨張に応じて変形し易いようになっている。モリブデン箔81mが封止部81sの石英の熱膨張に応じて変形することにより、封止部81sの石英の破損を防止する。
【0034】
しかしながら、モリブデンは350℃以上の高温になると非常に酸化し易いため、酸化による体積膨張で封止部81sが破損するおそれがある。熱による封止部81sの破損は、タングステンフィラメントの溶断とともに、ハロゲン電球の寿命を短くする要因となっている。したがって、ランプ81の寿命を延ばすためには、封止部81sの温度上昇を抑える必要がある。
【0035】
以下、封止部81sの温度上昇を抑えるための構造について説明する。
石英製の封止部81sやセラミックス製のソケット82やソケット82に取り付けられている配線82cは、セラミックスや石英よりも熱伝導度の高いアルミ製のブロック83で覆われ、ブロック83は、アルミ製のランプベース84に上方から埋め込まれている。言い換えれば、ブロック83は、ランプベース84に、基板を処理する処理空間110と異なる方向から嵌め込まれ、固定されている。
この構造により、封止部81sやソケット82や配線82cの熱がブロック83に移動し易くなるので、封止部81sやソケット82や配線82cの温度上昇を抑制することができる。ソケット82や配線82cの温度上昇を抑制することにより、封止部81sの温度上昇を抑制することができる。
【0036】
また、上述した構造により、ブロック83は、ランプ81から封止部81sやソケット82や配線82cへ照射される光を減衰させる、もしくは遮断する。ブロック83を設けることで、ランプ81から封止部81sやソケット82や配線82cへ照射される光を減衰させ、もしくは遮断することで、封止部81sやソケット82や配線82cの温度上昇を抑制することができる。
【0037】
図9に示すように、ブロック83は分割ブロック83aと分割ブロック83bとで構成される。ソケット82を分割ブロック83aおよび分割ブロック83bで挟み込む構成とすることで、ブロック83が封止部81sやソケット82や配線82cを覆い包みことを容易にし、また、ランプ81から封止部81sやソケット82や配線82cへ照射される光を遮る構造の実現を容易にしている。
【0038】
詳しくは、分割ブロック83aと分割ブロック83bには、その上下方向における中央付近に、それぞれ、水平方向の凹部が形成されている。図9に示すように分割ブロック83aと分割ブロック83bを合わせることで、両者の凹部により、ブロック83内部に第1の空間が形成される。この第1の空間にソケット82が嵌まるように構成されている。このため、ソケット82を覆うブロック83の内部形状は、ソケット82の外部形状と略同一に形成されている。
また、分割ブロック83aと分割ブロック83bを合わせた状態において、第1の空間の下方には、ブロック83内部に第2の空間が形成される。この第2の空間に封止部81sが嵌まるように構成されている。このため、封止部81sを覆うブロック83の内部形状は、封止部81sの外部形状と略同一に形成されている。
【0039】
ソケット82の周囲には、ソケット82とブロック83との間の熱伝導を行うための伝熱部材96が設けられている(図10参照)。ソケット82とブロック83との間に、伝熱部材96を挟み込むことにより、ソケット82とブロック83との間の熱伝導性が向上する。
封止部81sの周囲には、封止部81sとブロック83との間の熱伝導を行うための伝熱部材95が設けられている(図10参照)。封止部81sとブロック83との間に、伝熱部材95を挟み込むことにより、封止部81sとブロック83との間の熱伝導性が向上する。
【0040】
伝熱部材95や伝熱部材96としては、容易に変形する性質を有し、ソケット82や封止部81sよりも熱伝導率の高い材質、例えばアルミ製のテープを使用することができる。伝熱部材95や伝熱部材96としてアルミ製のテープを使用すると、封止部81sやソケット82の側面の周囲にアルミ製のテープを巻き付けることにより、伝熱部材95や伝熱部材96を容易に形成することができる。
【0041】
次に、本実施形態におけるランプ81の取り付け構造をさらに詳しく説明する。
図10に示すように、ランプ81の封止部81sのプラグ81p(不図示)がソケット82に差し込まれた状態で、封止部81sの側面の周囲にアルミ製のテープ95が巻き付けられ、ソケット82の側面の周囲にアルミ製のテープ96が巻き付けられる。アルミ製のテープ95や96は、熱を均一に伝導させれば良く、状況に応じ、複数回巻き付けてもよいし、1回の巻き付けとしてもよい。
【0042】
次に、配線用穴101を形成するための凹部101a,101b及び配線用穴102を形成するための凹部102a,102bに、それぞれ配線82cを配置する。その後、ソケット82と封止部81sを、分割ブロック83aと分割ブロック83bにより水平方向から挟み込む。
その状態で、分割ブロック83aに設けたねじ穴104aと分割ブロック83bに設けたねじ穴104bを貫通させて、ねじ穴104aとねじ穴104bに、ねじ99aを水平方向にねじ込む。また、分割ブロック83aに設けたねじ穴105aと分割ブロック83bに設けたねじ穴105bを貫通させて、ねじ穴105aとねじ穴105bに、ねじ99bを水平方向にねじ込む。
こうすることにより、アルミ製のテープを巻き付けられたソケット82と封止部81sが、熱伝導の良好な状態で、ブロック83に固定される。また、配線82cの被覆部がブロック83に押し付けられるので、フィラメント81fから配線82cに伝わってきた熱は、ブロック83に伝わり易くなる。
【0043】
次に、分割ブロック83aに設けたねじ穴103a(不図示)と高さ調整ブロック88に設けたねじ穴88aを貫通させて、ランプベース84に設けたねじ穴84aに、ねじ98aを垂直方向にねじ込む。また、分割ブロック83bに設けたねじ穴103bと高さ調整ブロック88に設けたねじ穴88bを貫通させて、ランプベース84に設けたねじ穴84bに、ねじ98bを垂直方向にねじ込む。こうすることにより、ブロック83が、高さ調整ブロック88を介して、ランプベース84に固定される。
【0044】
さらに、分割ブロック83aに垂直方向に設けたスプリングプランジャー用穴107aにスプリングプランジャー97aを固定し、分割ブロック83bに垂直方向に設けたスプリングプランジャー用穴107bに、スプリングプランジャー97bを固定する。スプリングプランジャー97a,97bは、弾性部材、例えばばねで下方に付勢された押圧部を内蔵している。該押圧部は、ソケット82を下方に押圧する。この押圧により、上記ブロック83の第1の空間の底部において、ソケット82の底部はブロック83に上方から強く接触する(図9参照)ので、ソケット82とブロック83の間の熱伝導性がさらに向上する。
【0045】
高さ調整ブロック88は、図9に示すように、ブロック83上部のフランジ部(水平方向の突出部)83fとランプベース84との間に配置されている。高さ調整ブロック88は、基板支持部44に対するランプ81の高さを調整するためのスペーサで、例えばアルミ製であり、状況に応じて必要時にのみ使用する。高さ調整ブロック88を使用することで、各ランプ間の高さの個体差を吸収することができる。また、高さ調整ブロック88はアルミ製なので、高さ調整ブロック88を使用することで、ブロック83の熱をランプベース84に伝え易くなり、その結果ランプの冷却効率が向上する。
【0046】
(3)基板処理方法
次に、ロボットアーム70が基板22を搬送する動作及び本実施形態における半導体装置の製造方法の一工程としての基板処理方法について、図11ないし図13を用いて説明する。
図11から図13において、ロボットアーム70が基板22を搬送する経過が示されている。なお、図11から図13においては、ロボットアーム70等の動作を明確にするために、基板22は図示されていない。
まず、図11に示すように、真空ロボット36のフィンガ対38の上フィンガ38a及び下フィンガ38bは、それぞれ基板を搬送室12から受光室50内に搬送(2枚の基板22を同時搬送)し、基板支持部44aの上方で停止する。
この時、ロボットアーム70のフィンガ72は、基板支持部44aの上方で2枚の基板22の間に位置するように待機させられている。
【0047】
そして、フィンガ対38が停止した状態で、基板支持部44aを貫通している3つの基板保持ピン74と、ロボットアーム70とが上方に移動する。ここで、下フィンガ38bに載置されていた基板22は、基板支持部44aを貫通している3つの基板保持ピン74に移載される。また、上フィンガ38aに載置されていた基板22は、フィンガ72に移載される。2枚の基板22が移載されたフィンガ対38は、搬送室12に戻される。
【0048】
次に、図12に示すように、ロボットアーム70は、軸部71が回転することにより、フィンガ72が基板支持部44bの上方に移動する。
そして、図13に示すように、フィンガ72の突起部72bのそれぞれが基板支持部44bの溝部76に沿って上方から下方へ移動し、基板支持部44bを貫通している3つの基板保持ピン74に基板22を受け渡す。
【0049】
その後、ロボットアーム70のフィンガ72は、基板支持面55bよりも下方に移動する。ロボットアーム70のフィンガ72が下方に移動すると、基板支持部44aを貫通している3つの基板保持ピン74及び基板支持部44bを貫通している3つの基板保持ピン74が下方に移動し、下フィンガ38bが搬送した基板22と上フィンガ38aが搬送した基板22は、それぞれ基板支持面55a,55b上に略同じタイミングで載置される。
また、ロボットアーム70は、ガス供給部51a,51bから供給されるガスが上方から下方へ流れることを阻害しない状態で、基板22の処理中にも受光室50内に位置する。
【0050】
基板支持面55a,55bに載置された基板22は、ランプ81によって光を照射され、所望の温度、例えば470℃に加熱される。
基板の加熱処理と並行して、処理ガスをガス供給部51a,51bから供給する。処理ガスとしては、例えば窒素(N2)ガスを供給する。供給された処理ガスの雰囲気にて、基板22が加熱され、所定の熱処理がなされる。
【0051】
所定の熱処理が終了したら、受光室50内から2枚の基板22を搬送室12へ搬送する。この場合、ロボットアーム70及びフィンガ対38は、図11から図13を用いて説明した動作を逆の順序で行う。
【0052】
以上説明した実施形態によれば、少なくとも次の(1)〜(8)の効果を得ることができる。
(1)ランプ封止部又はソケットあるいはその両者を、ランプ封止部やソケットよりも熱伝導率の高いブロックで覆い該ブロックに接触させたので、ランプ封止部の温度上昇を抑制でき、その結果、ランプ寿命を長くすることができる。
(2)上記ブロックを、冷却流路を有するランプベースに接触させたので、更にランプ封止部の温度上昇を抑制することができる。
(3)ソケットの外部電気配線を、上記ブロックで覆うように接触させたので、更にランプ封止部の温度上昇を抑制することができる。
(4)ランプ封止部又はソケットあるいはその両者と、上記ブロックとの間に、変形容易な伝熱部材(例えばアルミ箔)を介在させたので、更にランプ封止部の温度上昇を抑制することができる。
(5)上記ブロックに対し、ばねによりソケットを押し付けるようにしたので、更にランプ封止部の温度上昇を抑制することができる。
(6)ランプ封止部やソケットよりも熱伝導率の高い高さ調整ブロックを介して、上記ブロックをランプベースに取り付けるようにしたので、ランプ封止部の温度上昇を抑制することができる。
(7)上記ブロックを、複数の分割ブロックから構成したので、ランプ封止部又はソケットあるいはその両者をブロックで覆うことが容易となる。また、ソケットの配線を上記ブロックで覆うことが容易となる。
(8)ランプ封止部又はソケット又はソケットの配線を、ブロックで覆い、ランプからの光がランプ封止部又はソケット又はソケットの配線に照射されないようにしたので、ランプ封止部の温度上昇を抑制することができる。
【0053】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更が可能であることはいうまでもない。
前記実施形態においては、ランプ封止部とソケットとソケットの配線の全てをブロックで覆うようにしたが、ランプ封止部とソケットとソケットの配線のうちの1つをブロックで覆うように構成することも可能である。このようにしても、一定程度、ランプ封止部の温度上昇を抑制することができる。
また、前記実施形態においては、ウエハ等の基板に処理が施される場合について説明したが、処理対象はホトマスクやプリント配線基板、液晶パネル、コンパクトディスクおよび磁気ディスク等であってもよい。
【0054】
本明細書の記載には、少なくとも次の構成が含まれる。
第1の構成は、
基板を処理する受光室と、
前記受光室内に設けられ、基板を支持する基板支持部と、
ランプ電気配線と、該ランプ電気配線を内包し当該ランプ内の気体を気密に封止する封止部とを有し、前記基板支持部に支持された基板に光を照射するランプと、
前記受光室外に設けられ、前記ランプと、前記ランプと連結され前記ランプ電気配線に電流を供給するランプ連結部材と、前記封止部よりも熱伝導率の高い材料で構成され、前記封止部の周囲を覆い前記封止部に接触する吸熱部材と、前記吸熱部材に接触し前記吸熱部材を固定するための基礎部材と、を有するランプ収容部と、
前記ランプ連結部材に接続され、前記ランプ連結部材へ電流を供給する外部電気配線と、
を備える基板処理装置。
【0055】
第2の構成は、前記第1の構成に記載された基板処理装置であって、
前記吸熱部材は、前記ランプ連結部材よりも熱伝導率の高い材料で構成され、前記ランプ連結部材の周囲を覆い前記ランプ連結部材に接触するよう構成された基板処理装置。
【0056】
第3の構成は、前記第1の構成又は第2の構成に記載された基板処理装置であって、
前記ランプ収容部は、さらに、前記封止部と前記吸熱部材との間に介在させた変形容易な伝熱部材を有し、前記伝熱部材は、前記封止部及び前記ランプ連結部材よりも熱伝導率の高い材料で構成された基板処理装置。
【0057】
第4の構成は、前記第1の構成ないし第3の構成に記載された基板処理装置であって、
前記基礎部材は、冷媒が流れる冷却流路を内包するよう構成された基板処理装置。
【0058】
第5の構成は、前記第1の構成ないし第4の構成に記載された基板処理装置であって、
前記吸熱部材は、前記外部電気配線の周囲を覆い前記外部電気配線に接触するよう構成された基板処理装置。
【0059】
第6の構成は、前記第1の構成ないし第5の構成に記載された基板処理装置であって、
前記ランプ連結部材は、弾性部材により前記吸熱部材に押し付けられるよう構成された基板処理装置。
【0060】
第7の構成は、前記第1の構成ないし第6の構成に記載された基板処理装置であって、
前記吸熱部材は、複数の分割ブロックから構成された基板処理装置。
【0061】
第8の構成は、前記第1の構成ないし第7の構成に記載された基板処理装置であって、
前記吸熱部材は、前記封止部又は前記ランプ連結部材あるいは前記封止部と前記ランプ連結部材の両者に、前記ランプからの光が照射されないよう、前記ランプからの光を遮るように構成された基板処理装置。
【0062】
第9の発明は、
基板を処理する受光室と、
前記受光室内に設けられ、基板を支持する基板支持部と、
ランプ電気配線と、該ランプ電気配線を内包し当該ランプ内の気体を気密に封止する封止部とを有し、前記基板支持部に支持された基板に光を照射するランプと、
前記受光室外に設けられ、前記ランプと、前記ランプと連結され前記ランプ電気配線に電流を供給するランプ連結部材と、前記封止部よりも熱伝導率の高い材料で構成され、前記封止部の周囲を覆い前記封止部に接触する吸熱部材と、前記吸熱部材に接触し前記吸熱部材を固定するための基礎部材と、を有するランプ収容部と、
前記ランプ連結部材に接続され、前記ランプ連結部材へ電流を供給する外部電気配線と、
を備える基板処理装置を用いた半導体装置の製造方法であって、
前記受光室内に基板を搬入して前記基板支持部に基板を支持する工程と、
前記基板支持部に支持された基板に、前記ランプから光を照射する光照射工程と、
前記受光室内から基板を搬出する工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
【符号の説明】
【0063】
10…基板処理装置、12…搬送室、14a,14b…ロードロック室、16a,16b…処理室、20…大気搬送室、22…基板、24…基板支持体(ボート)、24a…支柱、24b…載置部、24c…上部板、24d…下部板、36…真空ロボット、37…アーム、38…フィンガ対、38a…上フィンガ、38b…下フィンガ、44a,44b…基板支持部、45a,45b…ヒータ、46…蓋、47…下側容器、48…仕切り部材、49…支柱、50…受光室、51a,51b…ガス供給部、52…固定部材、53a,53b…フランジ、54a,54b…排気バッフルリング、55a,55b…基板支持面、56…孔部(第1の排気口)、58…第1の排気空間、60…第2の排気口、62…第3の排気口、70…ロボットアーム、71…軸部、72…フィンガ、72a…弧状部、72b…突起部、74…基板保持ピン、76…溝部,80a,80b…ランプハウス(ランプ収容部)、81…ランプ、81b…バルブ、8f…フィラメント、81m…モリブデン箔、81p…プラグ、81s…封止部、82…ソケット(ランプ連結部材)、82c…配線、82h…ソケット穴、83…ブロック(吸熱部材)、83a,83b…分割ブロック、84…ランプベース(基礎部材)、84a,84b…ねじ穴、85…蓋、86…側壁、87…窓、88…高さ調整ブロック、88a,88b…ねじ穴、91…冷媒供給管、92…冷却流路、93…冷媒排出管、94…Oリング、95…アルミ箔(伝熱部材)、96…アルミ箔(伝熱部材)、97…スプリングプランジャー、98…ねじ、101,102…配線用穴、103,104,105…ねじ穴、107…スプリングプランジャー用穴、110…処理空間、120…コントローラ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、半導体集積回路装置(以下、ICという。)等の半導体装置の製造装置である基板処理装置、特に、半導体集積回路が作り込まれる半導体基板(例えば、半導体ウエハ)を加熱して処理する基板処理装置、及び該基板処理装置を用いた半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置を製造する際、所望の温度に加熱された半導体基板(ウエハ)等にガスを晒すことで様々な処理がなされている。基板を1枚ずつ処理する枚葉式の基板処理装置では、基板を支持する基板支持部に内包されたヒータや、基板支持部の基板支持面に対向するように配置されたランプ加熱機構などを用いて基板を加熱している。基板を加熱して処理する基板処理装置としては、例えば特許文献1のような装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−88347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のランプ加熱機構を用いて基板を加熱した場合、ランプからの光によりランプの封止部が加熱され、ランプの寿命が短くなることがあった。
そこで、本発明は、基板を加熱するためのランプの寿命を長くすることが可能な基板処理装置、あるいは該基板処理装置を用いた半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するための、本発明の代表的な基板処理装置の構成は、次のとおりである。すなわち、
基板を処理する受光室と、
前記受光室内に設けられ、基板を支持する基板支持部と、
ランプ電気配線と、該ランプ電気配線を内包し当該ランプ内の気体を気密に封止する封止部とを有し、前記基板支持部に支持された基板に光を照射するランプと、
前記受光室外に設けられ、前記ランプと、前記ランプと連結され前記ランプ電気配線に電流を供給するランプ連結部材と、前記封止部よりも熱伝導率の高い材料で構成され、前記封止部の周囲を覆い前記封止部に接触する吸熱部材と、前記吸熱部材に接触し前記吸熱部材を固定するための基礎部材と、を有するランプ収容部と、
前記ランプ連結部材に接続され、前記ランプ連結部材へ電流を供給する外部電気配線と、
を備える基板処理装置。
【0006】
また、本発明の代表的な半導体装置の製造方法の構成は、次のとおりである。すなわち、
基板を処理する受光室と、
前記受光室内に設けられ、基板を支持する基板支持部と、
ランプ電気配線と、該ランプ電気配線を内包し当該ランプ内の気体を気密に封止する封止部とを有し、前記基板支持部に支持された基板に光を照射するランプと、
前記受光室外に設けられ、前記ランプと、前記ランプと連結され前記ランプ電気配線に電流を供給するランプ連結部材と、前記封止部よりも熱伝導率の高い材料で構成され、前記封止部の周囲を覆い前記封止部に接触する吸熱部材と、前記吸熱部材に接触し前記吸熱部材を固定するための基礎部材と、を有するランプ収容部と、
前記ランプ連結部材に接続され、前記ランプ連結部材へ電流を供給する外部電気配線と、
を備える基板処理装置を用いた半導体装置の製造方法であって、
前記受光室内に基板を搬入して前記基板支持部に基板を支持する工程と、
前記基板支持部に支持された基板に、前記ランプから光を照射する光照射工程と、
前記受光室内から基板を搬出する工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
上記の構成によれば、基板を加熱するためのランプの寿命を長くすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態に係る基板処理装置の概要を示す上面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る基板処理装置のロードロック室から処理室までの概要を示す側面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る処理室の概要を示す垂直断面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る処理室の概要を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係る処理室の概要を示す上面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る基板保持ピンの動作を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施形態に係る加熱部の概要を示す垂直断面図である。
【図8】本発明の実施形態に係る加熱部の概要を示す上面図である。
【図9】図7の部分拡大図である。
【図10】本発明の実施形態に係る加熱部の構造を示す分解斜視図である。
【図11】処理室16aにおける基板搬送方法を説明する図である。
【図12】処理室16aにおける基板搬送方法を説明する図である。
【図13】処理室16aにおける基板搬送方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施の形態において、基板処理装置は、一例として、半導体装置(IC)の製造方法における処理工程を実施する半導体製造装置として構成されている。以下、本発明の1実施形態を、図面を用いて説明する。
【0010】
(1)基板処理装置の構成
図1は、本発明の実施形態に係る基板処理装置10の全体構成図であり、基板処理装置10を上方から見た概念図である。図2は、図1に示す基板処理装置10のロードロック室から処理室までの概要を示す側面図である。
図1や図2に示すように、基板処理装置10は、例えば搬送室12と、搬送室12を中心として配置されるロードロック室14a,14b及び2つの処理室16a,16bと、を備えている。ロードロック室14a,14bの上流側には、カセットなどのフープ(キャリア)とロードロック室14a,14bとの間で基板を搬送する大気搬送室(EFEM:Equipment Front End Module)20が配置されている。大気搬送室20には、例えば25枚の基板22を縦方向に一定間隔を隔てて収容可能なフープ(図示せず)が3台配置されている。また、大気搬送室20内には、大気搬送室20とロードロック室14a,14bとの間で基板22を例えば5枚ずつ搬送する図示しない大気ロボットが配置されている。搬送室12、ロードロック室14a,14b及び処理室16a,16bは、例えばアルミニウム(A5052)等の材料により一体形成された容器(装置本体とも呼ぶ)の内部に構成されている。
【0011】
なお、ロードロック室14a,14bは、ロードロック室14a,14b側から処理室16a,16b側に向かう軸に対して線対称となる位置に配置されており、互いに同じ構成を有する。また、処理室16a,16bも、同軸に対して線対称となる位置に配置されており、互いに同じ構成を有する。以下、ロードロック室14a及び処理室16aを中心に説明する。
【0012】
図2に示すように、ロードロック室14a内には、例えば25枚のウエハなどの基板22を縦方向に一定間隔を隔てて収容する基板支持体(ボート)24が設けられている。基板支持体24は、例えば炭化珪素からなり、上部板24cと、下部板24dと、上部板24cと下部板24dとを接続する例えば3つの支柱24aと、を有する。支柱24aの長手方向内側には、基板22を平行姿勢で支持するための載置部(水平溝)24bが、長手方向に例えば25個配列されている。また、基板支持体24は、ロードロック室14a内において、鉛直方向に移動(上下方向に移動)するとともに、鉛直方向に延びる回転軸を軸として回転するように構成されている。基板支持体24が鉛直方向に移動することにより、基板支持体24の3つの支柱24aそれぞれに設けられた載置部24bの上面に、後述するフィンガ対38から基板22が同時に2枚ずつ移載される。また、基板支持体24が鉛直方向に移動することにより、基板支持体24からフィンガ対38へも基板22が同時に2枚ずつ移載されようになっている。
【0013】
図2に示すように、搬送室12内には、ロードロック室14aと処理室16aとの間で基板22を搬送する真空ロボット36が設けられている。真空ロボット36は、上フィンガ38a及び下フィンガ38bから構成されるフィンガ対38が設けられたアーム37を有する。上フィンガ38a及び下フィンガ38bは、例えば同一の形状をしており、上下方向に所定の間隔で離間され、アーム37からそれぞれ略水平に同じ方向に延びて、それぞれ基板22を同時に支持することができるようにされている。アーム37は、鉛直方向に延びる回転軸を軸として回転するようにされているとともに、水平方向に移動するようにされ、同時に2枚の基板22を搬送可能にされている。
【0014】
図2に示すように、処理室16a内には、後述する受光室50が設けられている。受光室50内には、基板支持部44a,44bが設けられている。基板支持部44aと基板支持部44bとの間の空間は、仕切り部材48により水平方向の一部が仕切られている。真空ロボット36を介して処理室16a内に搬入された2枚の基板22は、基板支持部44a,44b上にそれぞれ載置された後、受光室50内で同時に熱処理されるように構成されている。熱処理を含む基板処理工程については後述する。
【0015】
図3から図5に、処理室16aの概要を示す。図3に示すように、処理室16aの下部側(底部及び側部)は、下側容器47により形成されている。下側容器47は、アルミニウム等により一体成型された上述の装置本体の一部を構成する。処理室16aの上部開口は、下側容器47の上部に設けられた蓋46によって閉塞されている。蓋46における基板支持部44a,44bに対応する位置はそれぞれ開口している。係る開口には、加熱部としてのランプハウス80a,80bがそれぞれ設けられている。ランプハウス80a,80bの構成については後述する。このように、処理室16aの外殻は、下側容器47と蓋46とランプハウス80a,80bとにより形成されている。また、蓋46やランプハウス80a,80bの下方であって、基板支持部44a,44bの上方には、受光室50(処理空間とも言う)が形成されている。後述する様に、受光室50の基板支持部に支持された基板は、所望の処理がなされる。
【0016】
蓋46における基板支持部44a,44bに対応する位置であって、ランプハウス80a,80bの近傍には、ガス供給部51a,51bが設けられている。ガス供給部51a,51bの上流端(図中上端)には、図示しないガス供給管の下流端がそれぞれ接続されている。ガス供給管には、上流側から順に、例えばN2ガスや希ガス(ArガスはHeガス等)などの不活性ガスや、他の処理ガスを供給する図示しないガス供給源、流量制御装置としてのマスフローコントローラ、開閉バルブが設けられている。これにより、ガス供給部51a,51bから、それぞれ受光室50内にガスを供給することが可能なように構成されている。なお、受光室50内は、後述する第1の排気口56、第2の排気口60、第3の排気口62を介して、図示しないポンプにより例えば0.1Pa程度までの真空にすることができるように構成されている。
【0017】
上述したように、基板支持部44a,44bは、受光室50内の同一空間内で独立して配置され、受光室50内であってランプハウス80a,80bの下方側にそれぞれ設けられている。基板支持部44a,44bは円盤状に形成されている。基板支持部44a,44bの主面の内、下方側の面には、それぞれフランジ53a,53bが設けられている。
フランジ53a,53bの下方には、下側容器47に立設された支柱49が接続されている。基板支持部44a,44bは、下方から支柱49により支持されると共に、側方から固定部材52により固定されている。
【0018】
基板支持部44a,44bの主面の内、上方側の面(すなわちランプハウス80a,80bに対向する面)には、基板22を水平姿勢で支持する基板支持面55a,55bがそれぞれ設けられている。基板支持面55a,55bのそれぞれの高さは、受光室50内の高さよりも低くされている。また、基板支持部44a,44b内には、加熱部としてのヒータ45a,45bが設けられており、基板支持面55a,55b上に載置した基板22を例えば300℃まで昇温可能に構成されている。基板支持部44a,44bは、それぞれ例えばアルミニウム(A5052又はA5056等)等により形成されている。基板支持部44a,44bをアルミニウムのような熱伝導率の高い材質により形成することで、基板22に効率よく熱を伝達することが可能となる。なお、基板支持部44a,44bは、例えば石英やアルミナ等の非金属耐熱材料によって形成することもできる。係る場合、基板22の金属汚染を回避できる。
【0019】
基板支持部44aと基板支持部44bとの間には、上述した仕切り部材48が配置されている。仕切り部材48は、例えばアルミニウム(A5052又はA5056等)、石英、アルミナ等により形成されており、下側容器47に対して着脱自在に設けられた例えば角柱状の部材として構成されている。
【0020】
基板支持部44a,44bの周囲には、それぞれの外周を囲むように排気バッフルリング54a,54bが配置されている(図4参照)。排気バッフルリング54a,54bには、周方向に複数の孔部(第1の排気口)56が設けられている(図5参照)。基板支持部44a,44b及び排気バッフルリング54a,54bの下方には、第1の排気空間58が形成されている(図3参照)。第1の排気空間58は、基板支持部44a,44bの下方に設けられた第2の排気口60を介して受光室50の下方側の空間に連通している。受光室50の下方側の空間は、下側容器47に設けられた第3の排気口62を介して図示しない真空ポンプにより排気可能に構成されている。
【0021】
したがって、上述のガス供給部51a,51bから受光室50内に供給されたガスを排気する際、ガスは、基板支持部44a,44bに支持された基板22に供給された後、排気バッフルリング54a,54bに設けられた孔部56を介して第1の排気空間58に向けて排気される。次に、排気空間58のガスは基板支持部44a,44bの下方に設けられた第2の排気口60を介して受光室50の下方側に排気された後、下側容器47に設けられた第3の排気口62を介して処理室16aの外部へ排気される。
【0022】
図4及び図5に示すように、仕切り部材48の一端側には、基板22を搬送可能なロボットアーム70が配置されている。ロボットアーム70は、上述したアーム37が搬送する2枚の基板22のうち1枚を基板支持部44bに向けて搬送するとともに、基板支持部44bから回収するようにされている。ロボットアーム70は、例えばアルミナセラミックス(純度99.6%以上)からなるフィンガ72(フィンガ72の基部は位置やレベル合わせのために金属からなる)と、軸部71とを有し、軸部71に回転及び昇降を行う2軸の駆動ユニット(図示せず)が設けられている。フィンガ72は、基板22よりも大きな弧状部72aを有し、この弧状部72aから中心に向けて延びる3つの突起部72bが所定の間隔で設けられている。軸部71は、水冷された磁気シールにより、受光室50が真空にされた場合の大気と遮断をするように構成されている。なお、仕切り部材48及びロボットアーム70は、受光室50内の空間を完全に分離することがないように、受光室50内に配置されている。
【0023】
基板支持部44a,44bには、図6に示すような基板保持ピン74が少なくとも3本ずつ鉛直方向に貫通している。搬送室12内から真空ロボット36を介して処理室16a内に搬送された基板22は、一時的にこれらの基板保持ピン74上に載置されるように構成されている。基板保持ピン74は、上下方向に昇降するようにされている。また、図4や図5に示すように、基板支持部44a,44bの外周には、フィンガ72が備える上述の突起部72bが基板支持部44a,44bの上面に対して上方から下方へ移動可能なように、縦方向(上下方向)の溝部76がそれぞれ3本設けられている。
【0024】
(2)ランプハウスの構成
続いて、本実施形態に係る加熱部としてのランプハウス80a,80bの構成について図7から図10を用いて説明する。
図7は、ランプハウス80および基板支持部44を側面から見た図である。図8は、ランプハウス80を上面から見た図である。図9は、図7の部分拡大図である。図10は、ランプ81の取り付け構造を示す分解斜視図である。ランプ81は、基板支持部44に支持された基板22に光を照射する。
【0025】
ランプ収容部としてのランプハウス80a,80bは、それぞれ、複数のランプ81(81Aから81L)、各ランプ81に対応しランプ81をそれぞれ固定するソケット82、各ソケット82を覆うブロック83、ランプベース84、窓87、側壁86で主に構成される。ソケット82は、ランプ81と連結され、ランプ81に電流を供給するランプ連結部材を構成する。ブロック83は、ソケット82や後述する封止部81sの周囲を覆い接触し、封止部81sから熱を吸収する吸熱部材を構成する。ランプベース84は、ブロック83を接触させて固定するための基礎部材を構成する。ソケット82は、絶縁材料、例えばセラミックスで形成され、ブロック83やランプベース84や側壁86は、ソケット82よりも熱伝導率の高い金属、例えばアルミで形成される。
ランプハウス80a,80bは同一の構成であるため、ここではランプハウス80として説明する。
【0026】
図7に示すように、ランプベース84は側壁86によって支持されている。ランプベース84と処理空間110の間には、処理空間110の雰囲気とランプ81が配設されるランプハウス80内の空間の雰囲気とを隔てる窓87が設けられる。窓87は、Oリング94を介して側壁86に固定されている。窓87は、ランプ81から照射される光のレベルを減衰させない材質が良く、例えば石英で構成されている。
このような構成とすることで、ランプ交換などのメンテナンス作業において、処理空間110の雰囲気に影響することなく、安全にかつすばやくランプ81を交換することが可能となる。
【0027】
仮に、窓87を外してランプ81を交換する場合、次のような問題がある。例えば、基板支持部44に内蔵されたヒータ45が冷却されるのを待つ必要がある。さらには、ランプ交換するために受光室50内の処理空間110を大気圧に戻しているため、再度受光室50内を真空引きする必要がある。
上記のような構造とすることで、ヒータの冷却待ち、再度の真空引きが必要なくなるため、メンテナンス時間の短縮を図ることが可能となる。
【0028】
ランプベース84の内部には、冷媒が流れる冷却流路92が設けられている。ランプベース84の上には、冷却流路92を塞ぐための蓋85が設けられ、冷媒が漏れない構成としている。冷却流路92には、冷媒供給管91と冷媒排出管93が接続されている。図示しない冷媒源から流れてくる冷媒が、冷媒供給管91から冷却流路92へ供給され、冷媒排出管93から排出される。
このような構成とすることで、ランプベース84を経由して、ブロック83を冷却している。ブロック83を冷却することで、後述する封止部81sやソケット82やソケット82に取り付けられている配線82cを冷却することが可能となり、ランプ81の寿命を延ばすことができる。配線82cは、ランプハウス80の外部からソケット82へ電流を供給する外部電気配線である(図9参照)。
【0029】
ランプ81は、図8に示すように円周状に配設されている。各ランプ81は、それぞれ独立して制御できるよう、基板処理装置10のコントローラ120に接続されている。ランプ81はグループごとに管理されている。例えば、81A、81D、81G、81Jは第一グループ、81B、81E、81H、81Kは第二グループ、81C、81F、81I、81Lは第三グループとする。
各グループのランプは隣り合うよう構成されており、グループごとに照度を調整することで、基板22に照射される照度量を調整するようにしている。各グループ間で照度量を調整することで、基板22を均一に加熱することができる。
【0030】
ランプ81が設置された周の直径は、基板22を均一に照射するという観点から、処理基板直径>ランプ設置の直径>処理基板半径の関係とすることが望ましい。ここで、ランプ設置の直径とは、ランプ81A〜81Lの中心を結ぶ円の直径をいう。
【0031】
次に、ランプ81の取り付け構造について説明する。
図9に示すように、ランプ81は、例えばハロゲン電球であり、フィラメント81fを内蔵する例えば石英製のバルブ81b内に、例えばハロゲンガスを封入している。ランプ81は、ハロゲンガスが漏れ出ないように封止するために、石英製のバルブ81bから連続して形成された石英製の封止部81sを有する。封止部81sの機械的強度を高くするため、封止部81sの石英の表面を例えばセラミックスで覆うようにしてもよい。封止部81sは、フィラメント81fに電気的に接続されているモリブデン箔81m(ランプ電気配線)を内包している。モリブデン箔81mは、封止部81s外に突き出るように設けられたプラグ81pに電気的に接続されている。
【0032】
ソケット82には、プラグ81pを差し込むためのソケット穴82hが設けられ、また、ソケット穴82hに配線82cが電気的に接続されている。こうして、ランプ81のプラグ81pがソケット穴82hに差し込まれることにより、ランプ81とソケット82が電気的に接続されるよう構成されている。そして、外部の電源(不図示)から配線82c(外部電気配線)に電流を供給することにより、ソケット82(ランプ連結部材)を介して、ランプ81のランプ電気配線に電流が供給される。
なお、本実施形態では、ソケット82とランプ81との電気的接続を、ソケット穴82hとプラグ81pにより行っているが、家庭用の白熱電球のように、ランプ81をソケット82にねじ込むように構成してもよい。
【0033】
フィラメント81fに電流を流しランプ81を点灯させると、フィラメント81fの発熱により、封止部81sの温度が上昇する。封止部81sの石英とモリブデンの熱膨張率の差により封止部81sの石英が破損しないように、モリブデンは薄い箔で形成され、石英の熱膨張に応じて変形し易いようになっている。モリブデン箔81mが封止部81sの石英の熱膨張に応じて変形することにより、封止部81sの石英の破損を防止する。
【0034】
しかしながら、モリブデンは350℃以上の高温になると非常に酸化し易いため、酸化による体積膨張で封止部81sが破損するおそれがある。熱による封止部81sの破損は、タングステンフィラメントの溶断とともに、ハロゲン電球の寿命を短くする要因となっている。したがって、ランプ81の寿命を延ばすためには、封止部81sの温度上昇を抑える必要がある。
【0035】
以下、封止部81sの温度上昇を抑えるための構造について説明する。
石英製の封止部81sやセラミックス製のソケット82やソケット82に取り付けられている配線82cは、セラミックスや石英よりも熱伝導度の高いアルミ製のブロック83で覆われ、ブロック83は、アルミ製のランプベース84に上方から埋め込まれている。言い換えれば、ブロック83は、ランプベース84に、基板を処理する処理空間110と異なる方向から嵌め込まれ、固定されている。
この構造により、封止部81sやソケット82や配線82cの熱がブロック83に移動し易くなるので、封止部81sやソケット82や配線82cの温度上昇を抑制することができる。ソケット82や配線82cの温度上昇を抑制することにより、封止部81sの温度上昇を抑制することができる。
【0036】
また、上述した構造により、ブロック83は、ランプ81から封止部81sやソケット82や配線82cへ照射される光を減衰させる、もしくは遮断する。ブロック83を設けることで、ランプ81から封止部81sやソケット82や配線82cへ照射される光を減衰させ、もしくは遮断することで、封止部81sやソケット82や配線82cの温度上昇を抑制することができる。
【0037】
図9に示すように、ブロック83は分割ブロック83aと分割ブロック83bとで構成される。ソケット82を分割ブロック83aおよび分割ブロック83bで挟み込む構成とすることで、ブロック83が封止部81sやソケット82や配線82cを覆い包みことを容易にし、また、ランプ81から封止部81sやソケット82や配線82cへ照射される光を遮る構造の実現を容易にしている。
【0038】
詳しくは、分割ブロック83aと分割ブロック83bには、その上下方向における中央付近に、それぞれ、水平方向の凹部が形成されている。図9に示すように分割ブロック83aと分割ブロック83bを合わせることで、両者の凹部により、ブロック83内部に第1の空間が形成される。この第1の空間にソケット82が嵌まるように構成されている。このため、ソケット82を覆うブロック83の内部形状は、ソケット82の外部形状と略同一に形成されている。
また、分割ブロック83aと分割ブロック83bを合わせた状態において、第1の空間の下方には、ブロック83内部に第2の空間が形成される。この第2の空間に封止部81sが嵌まるように構成されている。このため、封止部81sを覆うブロック83の内部形状は、封止部81sの外部形状と略同一に形成されている。
【0039】
ソケット82の周囲には、ソケット82とブロック83との間の熱伝導を行うための伝熱部材96が設けられている(図10参照)。ソケット82とブロック83との間に、伝熱部材96を挟み込むことにより、ソケット82とブロック83との間の熱伝導性が向上する。
封止部81sの周囲には、封止部81sとブロック83との間の熱伝導を行うための伝熱部材95が設けられている(図10参照)。封止部81sとブロック83との間に、伝熱部材95を挟み込むことにより、封止部81sとブロック83との間の熱伝導性が向上する。
【0040】
伝熱部材95や伝熱部材96としては、容易に変形する性質を有し、ソケット82や封止部81sよりも熱伝導率の高い材質、例えばアルミ製のテープを使用することができる。伝熱部材95や伝熱部材96としてアルミ製のテープを使用すると、封止部81sやソケット82の側面の周囲にアルミ製のテープを巻き付けることにより、伝熱部材95や伝熱部材96を容易に形成することができる。
【0041】
次に、本実施形態におけるランプ81の取り付け構造をさらに詳しく説明する。
図10に示すように、ランプ81の封止部81sのプラグ81p(不図示)がソケット82に差し込まれた状態で、封止部81sの側面の周囲にアルミ製のテープ95が巻き付けられ、ソケット82の側面の周囲にアルミ製のテープ96が巻き付けられる。アルミ製のテープ95や96は、熱を均一に伝導させれば良く、状況に応じ、複数回巻き付けてもよいし、1回の巻き付けとしてもよい。
【0042】
次に、配線用穴101を形成するための凹部101a,101b及び配線用穴102を形成するための凹部102a,102bに、それぞれ配線82cを配置する。その後、ソケット82と封止部81sを、分割ブロック83aと分割ブロック83bにより水平方向から挟み込む。
その状態で、分割ブロック83aに設けたねじ穴104aと分割ブロック83bに設けたねじ穴104bを貫通させて、ねじ穴104aとねじ穴104bに、ねじ99aを水平方向にねじ込む。また、分割ブロック83aに設けたねじ穴105aと分割ブロック83bに設けたねじ穴105bを貫通させて、ねじ穴105aとねじ穴105bに、ねじ99bを水平方向にねじ込む。
こうすることにより、アルミ製のテープを巻き付けられたソケット82と封止部81sが、熱伝導の良好な状態で、ブロック83に固定される。また、配線82cの被覆部がブロック83に押し付けられるので、フィラメント81fから配線82cに伝わってきた熱は、ブロック83に伝わり易くなる。
【0043】
次に、分割ブロック83aに設けたねじ穴103a(不図示)と高さ調整ブロック88に設けたねじ穴88aを貫通させて、ランプベース84に設けたねじ穴84aに、ねじ98aを垂直方向にねじ込む。また、分割ブロック83bに設けたねじ穴103bと高さ調整ブロック88に設けたねじ穴88bを貫通させて、ランプベース84に設けたねじ穴84bに、ねじ98bを垂直方向にねじ込む。こうすることにより、ブロック83が、高さ調整ブロック88を介して、ランプベース84に固定される。
【0044】
さらに、分割ブロック83aに垂直方向に設けたスプリングプランジャー用穴107aにスプリングプランジャー97aを固定し、分割ブロック83bに垂直方向に設けたスプリングプランジャー用穴107bに、スプリングプランジャー97bを固定する。スプリングプランジャー97a,97bは、弾性部材、例えばばねで下方に付勢された押圧部を内蔵している。該押圧部は、ソケット82を下方に押圧する。この押圧により、上記ブロック83の第1の空間の底部において、ソケット82の底部はブロック83に上方から強く接触する(図9参照)ので、ソケット82とブロック83の間の熱伝導性がさらに向上する。
【0045】
高さ調整ブロック88は、図9に示すように、ブロック83上部のフランジ部(水平方向の突出部)83fとランプベース84との間に配置されている。高さ調整ブロック88は、基板支持部44に対するランプ81の高さを調整するためのスペーサで、例えばアルミ製であり、状況に応じて必要時にのみ使用する。高さ調整ブロック88を使用することで、各ランプ間の高さの個体差を吸収することができる。また、高さ調整ブロック88はアルミ製なので、高さ調整ブロック88を使用することで、ブロック83の熱をランプベース84に伝え易くなり、その結果ランプの冷却効率が向上する。
【0046】
(3)基板処理方法
次に、ロボットアーム70が基板22を搬送する動作及び本実施形態における半導体装置の製造方法の一工程としての基板処理方法について、図11ないし図13を用いて説明する。
図11から図13において、ロボットアーム70が基板22を搬送する経過が示されている。なお、図11から図13においては、ロボットアーム70等の動作を明確にするために、基板22は図示されていない。
まず、図11に示すように、真空ロボット36のフィンガ対38の上フィンガ38a及び下フィンガ38bは、それぞれ基板を搬送室12から受光室50内に搬送(2枚の基板22を同時搬送)し、基板支持部44aの上方で停止する。
この時、ロボットアーム70のフィンガ72は、基板支持部44aの上方で2枚の基板22の間に位置するように待機させられている。
【0047】
そして、フィンガ対38が停止した状態で、基板支持部44aを貫通している3つの基板保持ピン74と、ロボットアーム70とが上方に移動する。ここで、下フィンガ38bに載置されていた基板22は、基板支持部44aを貫通している3つの基板保持ピン74に移載される。また、上フィンガ38aに載置されていた基板22は、フィンガ72に移載される。2枚の基板22が移載されたフィンガ対38は、搬送室12に戻される。
【0048】
次に、図12に示すように、ロボットアーム70は、軸部71が回転することにより、フィンガ72が基板支持部44bの上方に移動する。
そして、図13に示すように、フィンガ72の突起部72bのそれぞれが基板支持部44bの溝部76に沿って上方から下方へ移動し、基板支持部44bを貫通している3つの基板保持ピン74に基板22を受け渡す。
【0049】
その後、ロボットアーム70のフィンガ72は、基板支持面55bよりも下方に移動する。ロボットアーム70のフィンガ72が下方に移動すると、基板支持部44aを貫通している3つの基板保持ピン74及び基板支持部44bを貫通している3つの基板保持ピン74が下方に移動し、下フィンガ38bが搬送した基板22と上フィンガ38aが搬送した基板22は、それぞれ基板支持面55a,55b上に略同じタイミングで載置される。
また、ロボットアーム70は、ガス供給部51a,51bから供給されるガスが上方から下方へ流れることを阻害しない状態で、基板22の処理中にも受光室50内に位置する。
【0050】
基板支持面55a,55bに載置された基板22は、ランプ81によって光を照射され、所望の温度、例えば470℃に加熱される。
基板の加熱処理と並行して、処理ガスをガス供給部51a,51bから供給する。処理ガスとしては、例えば窒素(N2)ガスを供給する。供給された処理ガスの雰囲気にて、基板22が加熱され、所定の熱処理がなされる。
【0051】
所定の熱処理が終了したら、受光室50内から2枚の基板22を搬送室12へ搬送する。この場合、ロボットアーム70及びフィンガ対38は、図11から図13を用いて説明した動作を逆の順序で行う。
【0052】
以上説明した実施形態によれば、少なくとも次の(1)〜(8)の効果を得ることができる。
(1)ランプ封止部又はソケットあるいはその両者を、ランプ封止部やソケットよりも熱伝導率の高いブロックで覆い該ブロックに接触させたので、ランプ封止部の温度上昇を抑制でき、その結果、ランプ寿命を長くすることができる。
(2)上記ブロックを、冷却流路を有するランプベースに接触させたので、更にランプ封止部の温度上昇を抑制することができる。
(3)ソケットの外部電気配線を、上記ブロックで覆うように接触させたので、更にランプ封止部の温度上昇を抑制することができる。
(4)ランプ封止部又はソケットあるいはその両者と、上記ブロックとの間に、変形容易な伝熱部材(例えばアルミ箔)を介在させたので、更にランプ封止部の温度上昇を抑制することができる。
(5)上記ブロックに対し、ばねによりソケットを押し付けるようにしたので、更にランプ封止部の温度上昇を抑制することができる。
(6)ランプ封止部やソケットよりも熱伝導率の高い高さ調整ブロックを介して、上記ブロックをランプベースに取り付けるようにしたので、ランプ封止部の温度上昇を抑制することができる。
(7)上記ブロックを、複数の分割ブロックから構成したので、ランプ封止部又はソケットあるいはその両者をブロックで覆うことが容易となる。また、ソケットの配線を上記ブロックで覆うことが容易となる。
(8)ランプ封止部又はソケット又はソケットの配線を、ブロックで覆い、ランプからの光がランプ封止部又はソケット又はソケットの配線に照射されないようにしたので、ランプ封止部の温度上昇を抑制することができる。
【0053】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更が可能であることはいうまでもない。
前記実施形態においては、ランプ封止部とソケットとソケットの配線の全てをブロックで覆うようにしたが、ランプ封止部とソケットとソケットの配線のうちの1つをブロックで覆うように構成することも可能である。このようにしても、一定程度、ランプ封止部の温度上昇を抑制することができる。
また、前記実施形態においては、ウエハ等の基板に処理が施される場合について説明したが、処理対象はホトマスクやプリント配線基板、液晶パネル、コンパクトディスクおよび磁気ディスク等であってもよい。
【0054】
本明細書の記載には、少なくとも次の構成が含まれる。
第1の構成は、
基板を処理する受光室と、
前記受光室内に設けられ、基板を支持する基板支持部と、
ランプ電気配線と、該ランプ電気配線を内包し当該ランプ内の気体を気密に封止する封止部とを有し、前記基板支持部に支持された基板に光を照射するランプと、
前記受光室外に設けられ、前記ランプと、前記ランプと連結され前記ランプ電気配線に電流を供給するランプ連結部材と、前記封止部よりも熱伝導率の高い材料で構成され、前記封止部の周囲を覆い前記封止部に接触する吸熱部材と、前記吸熱部材に接触し前記吸熱部材を固定するための基礎部材と、を有するランプ収容部と、
前記ランプ連結部材に接続され、前記ランプ連結部材へ電流を供給する外部電気配線と、
を備える基板処理装置。
【0055】
第2の構成は、前記第1の構成に記載された基板処理装置であって、
前記吸熱部材は、前記ランプ連結部材よりも熱伝導率の高い材料で構成され、前記ランプ連結部材の周囲を覆い前記ランプ連結部材に接触するよう構成された基板処理装置。
【0056】
第3の構成は、前記第1の構成又は第2の構成に記載された基板処理装置であって、
前記ランプ収容部は、さらに、前記封止部と前記吸熱部材との間に介在させた変形容易な伝熱部材を有し、前記伝熱部材は、前記封止部及び前記ランプ連結部材よりも熱伝導率の高い材料で構成された基板処理装置。
【0057】
第4の構成は、前記第1の構成ないし第3の構成に記載された基板処理装置であって、
前記基礎部材は、冷媒が流れる冷却流路を内包するよう構成された基板処理装置。
【0058】
第5の構成は、前記第1の構成ないし第4の構成に記載された基板処理装置であって、
前記吸熱部材は、前記外部電気配線の周囲を覆い前記外部電気配線に接触するよう構成された基板処理装置。
【0059】
第6の構成は、前記第1の構成ないし第5の構成に記載された基板処理装置であって、
前記ランプ連結部材は、弾性部材により前記吸熱部材に押し付けられるよう構成された基板処理装置。
【0060】
第7の構成は、前記第1の構成ないし第6の構成に記載された基板処理装置であって、
前記吸熱部材は、複数の分割ブロックから構成された基板処理装置。
【0061】
第8の構成は、前記第1の構成ないし第7の構成に記載された基板処理装置であって、
前記吸熱部材は、前記封止部又は前記ランプ連結部材あるいは前記封止部と前記ランプ連結部材の両者に、前記ランプからの光が照射されないよう、前記ランプからの光を遮るように構成された基板処理装置。
【0062】
第9の発明は、
基板を処理する受光室と、
前記受光室内に設けられ、基板を支持する基板支持部と、
ランプ電気配線と、該ランプ電気配線を内包し当該ランプ内の気体を気密に封止する封止部とを有し、前記基板支持部に支持された基板に光を照射するランプと、
前記受光室外に設けられ、前記ランプと、前記ランプと連結され前記ランプ電気配線に電流を供給するランプ連結部材と、前記封止部よりも熱伝導率の高い材料で構成され、前記封止部の周囲を覆い前記封止部に接触する吸熱部材と、前記吸熱部材に接触し前記吸熱部材を固定するための基礎部材と、を有するランプ収容部と、
前記ランプ連結部材に接続され、前記ランプ連結部材へ電流を供給する外部電気配線と、
を備える基板処理装置を用いた半導体装置の製造方法であって、
前記受光室内に基板を搬入して前記基板支持部に基板を支持する工程と、
前記基板支持部に支持された基板に、前記ランプから光を照射する光照射工程と、
前記受光室内から基板を搬出する工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
【符号の説明】
【0063】
10…基板処理装置、12…搬送室、14a,14b…ロードロック室、16a,16b…処理室、20…大気搬送室、22…基板、24…基板支持体(ボート)、24a…支柱、24b…載置部、24c…上部板、24d…下部板、36…真空ロボット、37…アーム、38…フィンガ対、38a…上フィンガ、38b…下フィンガ、44a,44b…基板支持部、45a,45b…ヒータ、46…蓋、47…下側容器、48…仕切り部材、49…支柱、50…受光室、51a,51b…ガス供給部、52…固定部材、53a,53b…フランジ、54a,54b…排気バッフルリング、55a,55b…基板支持面、56…孔部(第1の排気口)、58…第1の排気空間、60…第2の排気口、62…第3の排気口、70…ロボットアーム、71…軸部、72…フィンガ、72a…弧状部、72b…突起部、74…基板保持ピン、76…溝部,80a,80b…ランプハウス(ランプ収容部)、81…ランプ、81b…バルブ、8f…フィラメント、81m…モリブデン箔、81p…プラグ、81s…封止部、82…ソケット(ランプ連結部材)、82c…配線、82h…ソケット穴、83…ブロック(吸熱部材)、83a,83b…分割ブロック、84…ランプベース(基礎部材)、84a,84b…ねじ穴、85…蓋、86…側壁、87…窓、88…高さ調整ブロック、88a,88b…ねじ穴、91…冷媒供給管、92…冷却流路、93…冷媒排出管、94…Oリング、95…アルミ箔(伝熱部材)、96…アルミ箔(伝熱部材)、97…スプリングプランジャー、98…ねじ、101,102…配線用穴、103,104,105…ねじ穴、107…スプリングプランジャー用穴、110…処理空間、120…コントローラ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する受光室と、
前記受光室内に設けられ、基板を支持する基板支持部と、
ランプ電気配線と、該ランプ電気配線を内包し当該ランプ内の気体を気密に封止する封止部とを有し、前記基板支持部に支持された基板に光を照射するランプと、
前記受光室外に設けられ、前記ランプと、前記ランプと連結され前記ランプ電気配線に電流を供給するランプ連結部材と、前記封止部よりも熱伝導率の高い材料で構成され、前記封止部の周囲を覆い前記封止部に接触する吸熱部材と、前記吸熱部材に接触し前記吸熱部材を固定するための基礎部材と、を有するランプ収容部と、
前記ランプ連結部材に接続され、前記ランプ連結部材へ電流を供給する外部電気配線と、
を備える基板処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載された基板処理装置であって、
前記吸熱部材は、前記ランプ連結部材よりも熱伝導率の高い材料で構成され、前記ランプ連結部材の周囲を覆い前記ランプ連結部材に接触するよう構成された基板処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載された基板処理装置であって、
前記ランプ収容部は、さらに、前記封止部と前記吸熱部材との間に介在させた変形容易な伝熱部材を有し、前記伝熱部材は、前記封止部及び前記ランプ連結部材よりも熱伝導率の高い材料で構成された基板処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載された基板処理装置であって、
前記吸熱部材は、前記外部電気配線の周囲を覆い前記外部電気配線に接触するよう構成された基板処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載された基板処理装置であって、
前記ランプ連結部材は、弾性部材により前記吸熱部材に押し付けられるよう構成された基板処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載された基板処理装置であって、
前記吸熱部材は、前記封止部又は前記ランプ連結部材あるいは前記封止部と前記ランプ連結部材の両者に、前記ランプからの光が照射されないよう、前記ランプからの光を遮るように構成された基板処理装置。
【請求項7】
基板を処理する受光室と、
前記受光室内に設けられ、基板を支持する基板支持部と、
ランプ電気配線と、該ランプ電気配線を内包し当該ランプ内の気体を気密に封止する封止部とを有し、前記基板支持部に支持された基板に光を照射するランプと、
前記受光室外に設けられ、前記ランプと、前記ランプと連結され前記ランプ電気配線に電流を供給するランプ連結部材と、前記封止部よりも熱伝導率の高い材料で構成され、前記封止部の周囲を覆い前記封止部に接触する吸熱部材と、前記吸熱部材に接触し前記吸熱部材を固定するための基礎部材と、を有するランプ収容部と、
前記ランプ連結部材に接続され、前記ランプ連結部材へ電流を供給する外部電気配線と、
を備える基板処理装置を用いた半導体装置の製造方法であって、
前記受光室内に基板を搬入して前記基板支持部に基板を支持する工程と、
前記基板支持部に支持された基板に、前記ランプから光を照射する光照射工程と、
前記受光室内から基板を搬出する工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
【請求項1】
基板を処理する受光室と、
前記受光室内に設けられ、基板を支持する基板支持部と、
ランプ電気配線と、該ランプ電気配線を内包し当該ランプ内の気体を気密に封止する封止部とを有し、前記基板支持部に支持された基板に光を照射するランプと、
前記受光室外に設けられ、前記ランプと、前記ランプと連結され前記ランプ電気配線に電流を供給するランプ連結部材と、前記封止部よりも熱伝導率の高い材料で構成され、前記封止部の周囲を覆い前記封止部に接触する吸熱部材と、前記吸熱部材に接触し前記吸熱部材を固定するための基礎部材と、を有するランプ収容部と、
前記ランプ連結部材に接続され、前記ランプ連結部材へ電流を供給する外部電気配線と、
を備える基板処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載された基板処理装置であって、
前記吸熱部材は、前記ランプ連結部材よりも熱伝導率の高い材料で構成され、前記ランプ連結部材の周囲を覆い前記ランプ連結部材に接触するよう構成された基板処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載された基板処理装置であって、
前記ランプ収容部は、さらに、前記封止部と前記吸熱部材との間に介在させた変形容易な伝熱部材を有し、前記伝熱部材は、前記封止部及び前記ランプ連結部材よりも熱伝導率の高い材料で構成された基板処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載された基板処理装置であって、
前記吸熱部材は、前記外部電気配線の周囲を覆い前記外部電気配線に接触するよう構成された基板処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載された基板処理装置であって、
前記ランプ連結部材は、弾性部材により前記吸熱部材に押し付けられるよう構成された基板処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載された基板処理装置であって、
前記吸熱部材は、前記封止部又は前記ランプ連結部材あるいは前記封止部と前記ランプ連結部材の両者に、前記ランプからの光が照射されないよう、前記ランプからの光を遮るように構成された基板処理装置。
【請求項7】
基板を処理する受光室と、
前記受光室内に設けられ、基板を支持する基板支持部と、
ランプ電気配線と、該ランプ電気配線を内包し当該ランプ内の気体を気密に封止する封止部とを有し、前記基板支持部に支持された基板に光を照射するランプと、
前記受光室外に設けられ、前記ランプと、前記ランプと連結され前記ランプ電気配線に電流を供給するランプ連結部材と、前記封止部よりも熱伝導率の高い材料で構成され、前記封止部の周囲を覆い前記封止部に接触する吸熱部材と、前記吸熱部材に接触し前記吸熱部材を固定するための基礎部材と、を有するランプ収容部と、
前記ランプ連結部材に接続され、前記ランプ連結部材へ電流を供給する外部電気配線と、
を備える基板処理装置を用いた半導体装置の製造方法であって、
前記受光室内に基板を搬入して前記基板支持部に基板を支持する工程と、
前記基板支持部に支持された基板に、前記ランプから光を照射する光照射工程と、
前記受光室内から基板を搬出する工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−33946(P2013−33946A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−141686(P2012−141686)
【出願日】平成24年6月25日(2012.6.25)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年6月25日(2012.6.25)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】
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