説明

基板処理装置

【課題】搬送ローラを処理槽の外部からより確実に、かつ安定的に駆動する。
【解決手段】 基板処理装置は、基板搬送用の複数の搬送ローラ30を内部に備えた処理槽10と、搬送ローラ30のローラ軸30aと同一軸線上に並ぶように処理槽10の側壁103を隔ててその外側に配置されると共に磁気的作用により搬送ローラ30と一体に回転する駆動軸50と、当該駆動軸50を駆動することにより処理槽10の外側から非接触で搬送ローラ30を回転駆動するモータ42等を含む駆動手段とを備え、駆動軸50および駆動手段が、前記処理槽10を支持するための支持台11側に支持されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LCD(液晶表示装置)やPDP(プラズマディスプレイ)等のFPD(フラットパネルディスプレイ)用ガラス基板、有機EL用ガラス基板、光ディスク用基板、フォトマスク用ガラス基板等の各種基板をローラ搬送しながら薬液処理や水洗処理といった主にウエット処理を施すのに好適な基板処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、LCD用ガラス基板等の基板を処理槽内でローラ搬送しながら、当該基板に処理液を供給することによって現像、エッチング、剥離等のウエット処理を基板に施す基板処理装置が公知であるが、その一つとして、処理槽内の搬送ローラに対して処理槽外部から非接触で駆動力を伝達することにより、処理槽外部への処理液の漏洩を防止し得るようにしたものが知られている(例えば特許文献1)。
【0003】
この種の装置は、処理槽の内部に支持される搬送ローラのローラ軸と同一軸線上に並ぶように処理槽の外部に駆動軸が支持され、ローラ軸及び駆動軸の端部にそれぞれ磁石を備えた駆動盤が処理槽の側壁を挟んで互いに対向するように組付けられた構成となっている。すなわち、駆動軸の回転駆動力を、当該駆動軸とローラ軸との磁気的作用により処理槽の外側から非接触で搬送ローラに伝達する構成となっている。
【0004】
なお、駆動軸は処理槽内に配列される搬送ローラ毎に対応して設けられている。各駆動軸は、処理槽の側壁の外側面にブラケットを介して支持されており、同じくブラケットを介して処理槽の外側面に固定されたモータの駆動力を動力伝達機構により各駆動軸に伝達することによって各搬送ローラを駆動する構成となっている。
【特許文献1】実開平7−27290号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような従来の装置では、各駆動軸は、1本毎に、又は数本毎にブラケットを介して処理槽の側壁に支持されており、また、モータは単独で、又は何れかの駆動軸と共にブラケットを介して前記側壁に支持される場合が多く、そのため次のような課題がある。
【0006】
すなわち、ウエット処理を行う処理槽は、多くの場合、耐薬品性を確保するために樹脂材料や薄いSUS(ステンレス鋼)板から構成されており、そのため、大型の処理槽などでは、剛性との関係で処理槽の側面は完全なフラットではなく多少の波打ち(凹凸)が生じていたりする。従って、当該側面にブラケットを介して駆動軸等を支持する従来のような構成では、駆動軸同士に軸方向のずれが生じるなどして搬送ローラに対する動力伝達に支障を来すことが考えられる。
【0007】
特に、動力伝達機構としてベルト伝動機構を採用した場合には、上記のような駆動軸同士の軸方向のずれにより走行中のベルトがプーリから脱落することも考えられる。また、モータの駆動直後などにベルトを介して駆動軸に力が働くと、これに伴い処理槽の側壁の変形を伴いながら駆動軸とブラケットが上下に変位し、その結果、ベルトに歯飛び現象が生じる等して動力伝達に支障を来すことも考えられる。
【0008】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、処理槽内に設けられた搬送ローラに対して処理槽の外部から非接触で回転駆動力を伝達するように構成された基板処理装置において、各搬送ローラを処理槽の外部からより確実に、かつ安定的に駆動することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、基板搬送用の回転可能な複数の搬送ローラを内部に備えた処理槽と、前記搬送ローラの回転中心軸と同一軸線上に並ぶように処理槽の側壁を隔ててその外側に配置されると共に磁気的作用により前記搬送ローラと一体に回転する駆動軸と、当該駆動軸を駆動することにより前記処理槽の外側から非接触で前記搬送ローラを回転駆動する駆動手段と、を備えた基板処理装置において、前記処理槽を支持するための支持部材が設けられ、この支持部材に前記駆動軸および駆動手段が支持されているものである。
【0010】
この基板処理装置によれば、駆動軸およびその駆動手段が支持部材側に支持されることにより槽本体から切り離されているため、従来のように、処理槽の側壁の状態(波打ち)によって駆動軸同士に位置ずれが生じ、あるいは駆動時の側壁の変形に伴い駆動軸が変位するなどして駆動軸間の動力伝達に支承が生じるといった不都合を回避することができる。
【0011】
より具体的な構成としては、前記支持部材は、前記処理槽の側方に位置しかつ当該処理槽の前記側壁に沿って前記搬送ローラの配列方向に延びる桟部を含み、この桟部に立設される軸支持部材に前記駆動軸が支持されているものである。
【0012】
このように処理槽を支持できる強度を備えた支持部材に軸支持部材を設け、当該軸支持部材により駆動軸を支持する構成によれば、軸支持部材として強度的に有利な構成のものを設けて駆動軸を安定的に支持することが可能となる。
【0013】
なお、上記構成においては、前記搬送ローラの配列方向に並ぶように複数の前記軸支持部材が設けられ、前記複数の搬送ローラに対応する駆動軸が複数本ずつ前記各軸支持部材に分割して支持されているものであってもよい。
【0014】
全ての駆動軸を単一の軸支持部材により支持するようにしてもよいが、上記のように複数の軸支持部材に分割して駆動軸を支持する構成によれば、軸支持部材単位で脱着、組立及び分解が可能となるため組立性およびメンテナンス性が向上する。
【0015】
また、前記軸支持部材は、前記搬送ローラと前記駆動軸との間隔又は前記処理槽の側壁に沿った方向の前記駆動軸の位置が変更可能となるように前記桟部に対して設けられているのが好適である。
【0016】
この構成によれば、搬送ローラと駆動軸との位置関係を調整することができるため、上記のように駆動軸およびその駆動手段を処理槽から切り離して設けるようにしながらも、搬送ローラと駆動軸との位置関係をより最適に保つことが可能となる。
【0017】
なお、前記駆動手段が、駆動源としてのモータとその駆動力を前記各駆動軸に伝達するベルト伝動機構を含み、このベルト伝動機構が、前記駆動軸にそれぞれ掛け渡される駆動伝達ベルトと、この駆動伝達ベルトを案内する案内部材と、前記駆動伝達ベルトの張力を調整する調整部材とを含むものでは、前記案内部材および調整部材が前記軸支持部材に組付けられているのが好適である。
【0018】
この構成によれば、駆動軸、案内部材及び調整部材が全て軸支持部材に組付けられているので、これら各部材相互間の位置関係を良好に確保することができる。従って、モータの駆動により駆動伝達ベルトをより円滑に走行させることが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の基板処理装置によれば、処理槽内の搬送ローラに対して処理槽の外部から非接触で駆動力を伝達する構成において、上記のように、搬送ローラを駆動するための駆動軸およびその駆動手段を、処理槽を支持する支持部材側で支持することにより処理槽から切り離しているため、従来のように、処理槽の側壁の形状や変形に起因して駆動軸間の動力伝達に支承が生じるといった不都合を未然に防止することができる。従って、各搬送ローラに対して処理槽の外部からより確実に、かつ安定的に駆動力を伝達できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0021】
この実施形態に係る基板処理装置は、基板を特定方向に搬送しながら、当該基板に対して薬液処理等の所定のウエット処理を施すものであり、図1に示されるような処理槽10および支持台11に、図2および図3に示されるような基板搬送機構が付加されることにより構成されている。
【0022】
前記処理槽10は、処理される基板W(図3に示す)を収容することができる形状、具体的には平面視矩形でかつ上下方向に扁平な箱形の形状を有しており、その全体がSUSや硬質で耐薬品性の高い樹脂材料、例えば塩化ビニル等により構成されている。
【0023】
当実施形態では、図2中に矢印で示すように、処理槽10の側壁のうち一方側(同図左側)の側壁101から基板Wが処理槽10内に搬入され、当該側壁101に対向する他方側の側壁102から基板Wが搬出されるようになっており、従って、当該各側壁101,102には、それぞれ横長スリット状の搬入口12及び搬出口14が形成されている。なお、これら搬入口12及び搬出口14は、処理槽10に付加される図外のシャッタにより開閉可能となっている。
【0024】
処理槽10の下面には棒状部材が格子状に組まれた補強枠18が固定されている。この補強枠18はSUS又は樹脂材料から構成されている。
【0025】
処理槽10の内部には、基板Wを搬送するための後記搬送ローラ30が設けられると共に、当該搬送ローラ30により搬送される基板Wに処理液を供給するための複数のノズル部材16が、基板Wの搬送方向に一定の間隔を隔てて配置されている。各ノズル部材16は、それぞれ基板Wの搬送方向と直交する方向における複数の位置に処理液を噴射するための噴射口を備えており、各噴射口からシャワー状に処理液を噴射する。
【0026】
上記処理槽10は、その下方から支持台11(本発明の支持部材に相当する)により支持されており、この支持台11は、概略的には、格子状に縦桟22及び横桟24が組まれた支持枠20と、この支持枠20を支える支柱26とを有し、支柱26には適宜これを補強する補助桟28等が組付けられている。
【0027】
支持台11を構成する前記縦桟22等は、SUSや鉄から構成されており、例えば縦桟22等はある程度の断面係数を確保しつつ軽量化を図るために中空構造とされている。
【0028】
前記処理槽10は、この支持台11の前記支持枠20上に支持されている。なお、支持枠20は、図1に示すように、基板Wの搬送方向と直交する方向に傾いた状態で前記支柱26により支持されており、これによって処理槽10が同方向に傾斜した姿勢で支持台11に支持されている。
【0029】
前記基板搬送機構は、図2中に矢印示すように、処理槽10内において基板Wを搬入口12から搬出口14に向けて搬送するものである。この基板搬送機構は、基板搬送方向に並ぶ複数本の搬送ローラ30と、図3に示すように、特定の搬送ローラ30の上方に設けられる押えローラ32と、各搬送ローラ30,32を駆動する駆動系40とを備えている。
【0030】
各搬送ローラ30は、ローラ軸30aと、このローラ軸30aに対してその長手方向の複数の位置に各々固定されるローラ本体30bとを備えており、ローラ本体30bにより基板Wを支持した状態で、前記駆動系40によりローラ軸30aに回転駆動力が与えられることにより基板Wをローラ本体30bの接線方向に搬送する。
【0031】
各押えローラ32も同様に、ローラ軸32aと、このローラ軸32aに対して固定されるローラ本体32bとを備えている。但し、押えローラ32のローラ本体32bは、前記搬送ローラ30のローラ本体30bのうち最も外側のローラ本体30bに対応する位置にのみ固定されている。つまり、各押えローラ32は、基板Wの幅方向の端部を前記ローラ本体32bにより上から押え込み、そして、前記搬送ローラ30の回転に同期して回転することにより、基板Wの搬送を許容しながらその浮き上がりを抑制する。
【0032】
各搬送ローラ30および各押えローラ32は、処理槽10から外部に突出することなく当該処理槽10の内部に支持されている。具体的には、処理槽10の内部に支持板34が支持されると共に当該支持板34に軸受部材36,38が固定され、これら軸受部材36,38により前記各ローラ30,32のローラ軸30a,32aが支持されている。
【0033】
各ローラ30,32は、上記のように処理槽10が傾斜姿勢で支持台11に支持されている結果、図3に示すように、基板Wの搬送方向と直交する方向にその一方側から他方側に向かって傾斜しており、従って、各ローラ30,32は、基板Wをその搬送方向と直交する方向に傾斜させた状態で前記搬入口12から搬出口14に向かって搬送する。
【0034】
なお、各搬送ローラ30はさらに磁気連結板30cを備えている。具体的には、各搬送ローラ30は、ローラ軸30aの上位側(図3の右側)の端部が前記軸受部材36を貫通して処理槽10の上位側の側壁103の近傍に位置しており、ここに磁気連結板30cが固定されている。
【0035】
磁気連結板30cは、前記駆動系40からローラ軸30aに回転駆動力を伝達するためのものである。この磁気連結板30cは、詳しく図示していないが、樹脂等の非磁性体からなる円盤状の母材に、その中心軸回りに並ぶように複数の永久磁石が固定されたもので、磁石の固定面側が側壁103に対向するようにローラ軸30aの端部に固定されている。
【0036】
前記駆動系40は、前記搬送ローラ30を処理槽10の外側から非接触で駆動するもので、処理槽10の上位側の側壁103の外側に設けられている。
【0037】
駆動系40は、駆動源であるモータ42と、前記各搬送ローラ30にそれぞれ対応する複数の駆動軸50と、モータ42の出力する駆動力を各駆動軸50に伝達するための駆動伝達機構等とを含む。なお、当実施形態では、モータ42および駆動伝達機構が本発明にかかる駆動手段に相当する。
【0038】
各駆動軸50はそれぞれ、図2および図3に示すように、前記側壁103を挟んで各搬送ローラ30のローラ軸30a(回転中心軸)と同一軸線上に並ぶように配置されている。
【0039】
各駆動軸50は、軸本体50aと、その一端側に固定される磁気連結板51とを備えたものであり、磁気連結板51は、搬送ローラ30に固定される前記磁気連結板30cと同一構成のものである。
【0040】
各駆動軸50は、その磁気連結板51が処理槽10の側壁103を挟んで前記搬送ローラ30の磁気連結板30cと対向するように配列された状態で、支持台11の上記支持枠20に固定される軸支持部材60によって支持されている。
【0041】
詳しく説明すると、支持枠20は、処理槽10の側方に位置しかつ基板搬送方向に延びる横桟24(桟部)を含んでおり、この横桟24上に、前記軸支持部材60が立設されている。この軸支持部材60は、基板搬送方向に延びる中空かつ細長の軸支持部62とこの軸支持部62を支える一対の脚部64とを備えている。前記軸支持部62には軸受部材61a,61bが固定されており、駆動軸50の前記軸本体50aが軸支持部62を貫通した状態でこれら軸受部材61a,61bにより支持されている。つまり、搬送ローラ30の磁気連結板30cに駆動軸50の磁気連結板51が対向するように配置されることにより、磁気連結板30c,51間に磁気的吸引力が生じて駆動軸50の軸本体50aと搬送ローラ30のローラ軸30aとが側壁103を隔てた非接触の状態で駆動伝達可能に連結されており、モータ42の駆動力が駆動伝達機構により各駆動軸50に伝達されることにより各搬送ローラ30が回転するようになっている。
【0042】
なお、当実施形態では、処理槽10の側壁103に沿って基板搬送方向に並ぶ3つの軸支持部材60が並設されており、前記複数の駆動軸50は、各軸支持部材60の軸支持部62にそれぞれ数本ずつ(4本又は5本)分割されて支持されている。
【0043】
駆動伝達機構は、モータ42の出力軸に固定されるプーリ44と、各駆動軸50に固定されるプーリ52と、各軸支持部材60に支持されるアイドルプーリ53(本発明の案内部材に相当する)及びテンションプーリ54,56(本発明の調整部材に相当する)と、これらプーリ44等に巻き掛けられる駆動伝達ベルト48とで構成され、モータ42の回転駆動力を、駆動伝達ベルト48等を介して各駆動軸50に伝達する。
【0044】
モータ42は、前記軸支持部材60のうち中間に位置する軸支持部材60を挟んで処理槽10とは反対側に配置されている。具体的には、前記支持枠20の縦桟22上にモータ支持部材46が固定され、このモータ支持部材46に対して出力軸(プーリ44)の先端が軸支持部材60側に位置するようにモータ42が組付けられている。また、駆動軸50のプーリ52は、軸本体50aのうち磁気連結板51とは反対側の端部に固定されることにより軸支持部材60を挟んで処理槽10とは反対側に配置されており、また、アイドルプーリ53及びテンションプーリ54,56も同様に、軸支持部材60のうち処理槽10とは反対側の面に組付けられている。これにより軸支持部材60を挟んで処理槽10とは反対側の位置で各プーリ44等に対して駆動伝達ベルト48が巻き掛けられている。
【0045】
軸支持部材60の脚部64は、それぞれ断面コ字型の形状を有し、かつ図4に示すように入れ子状に構成される外側部材64a及び内側部材64bからなる。
【0046】
外側部材64aは溶接等により軸支持部62の下面に固定されており、他方、内側部材64bはボルト70により支持枠20の前記横桟24に固定されている。外側部材64aと内側部材64bとは図外の連結ボルトにより互いに締結されると共にこのボルトを緩めることにより内側部材64bに対して外側部材64aを軸支持部62と一体に上下方向にスライドできる構造となっている。
【0047】
外側部材64aの下端部には折曲部65が形成され、当該折曲部65に対してここを上下方向に貫通するように高さ調整用のボルト72が設けられている。また、前記軸支持部62には、図4に示すように、処理槽10との間隔調整用のボルト74が設けられている。つまり、前記ボルト70を緩め、横桟24に対して軸支持部材60をずらすことで、処理槽10と各軸支持部材60との間隔、すなわち搬送ローラ30と駆動軸50との間隔を変更できるようになっており、その際、間隔調整用のボルト74の突出寸法を所定長さに調整した上で、同図に示すようにボルト74の先端を処理槽10の側壁103に突当てて前記ボルト70を締め込むことにより処理槽10と各軸支持部材60との間隔を所定間隔に揃えることができる。また、外側部材64aと内側部材64bとを締結する前記連結ボルトを緩めた状態で、高さ調整用のボルト72を回転させて外側部材64aを内側部材64bに対してスライドさせることにより、搬送ローラ30に対する駆動軸50の高さ位置を調整できる。
【0048】
なお、テンションプーリ54は、図4に示すように、支持軸66を一体に具備するテンションプレート68の前記支持軸66に装着されており、このテンションプレート68が前記脚部64にボルト固定されることにより軸支持部材60に組付けられると共に、前記ボルトを緩めた状態でテンションプレート68を脚部64に沿って移動させることにより前記駆動伝達ベルト48の張力調整が可能となっている。テンションプーリ56についても同様の構成となっている。
【0049】
以上説明した基板処理装置によれば、処理槽10内に設けられた各搬送ローラ30を処理槽10の外側から非接触で駆動するが、上記の通りこの装置では、モータ42や駆動軸50を含む駆動系40の全体が支持台11側に支持されており、処理槽10から完全に切り離された構造となっているため、従来のこの種の装置、つまり、処理槽の側壁に駆動軸やその駆動手段を固定している装置のように、処理槽の側壁の形状や変形に起因して駆動軸50間の動力伝達に支承が生じるといった不都合を未然に回避することができる。従って、従来装置に比べると、各搬送ローラ30に対して処理槽10の外部からより確実に、かつ安定的に駆動力を伝達できるようになる。
【0050】
特に、この基板処理装置では、支持台11の支持枠20に処理槽10の側方に位置しかつ基板搬送方向に延びる横桟24(桟部)を設けておき、この横桟24上に軸支持部材60を立設して、当該軸支持部材60により各駆動軸50を支持する構成であるため、軸支持部材60として十分に強度を有するものを設けることができ、従って、駆動軸50を含む駆動系40の全体を高い安定性をもって支持することができる。
【0051】
また、このように駆動系40を支持台11側で支持している結果、処理槽10側の強度負担を軽減することができるという利点もある。
【0052】
また、この基板処理装置では、複数の軸支持部材60を設けることにより、各搬送ローラ30に対応する複数の駆動軸50を分割して支持する構成であるため、軸支持部材60単位で組立、分解、脱着が可能となり、組立性およびメンテナンス性が良いという利点もある。
【0053】
また、各軸支持部材60は、搬送ローラ30と駆動軸50との間隔および処理槽10の側壁103に沿った上下方向の駆動軸50の位置が変更可能となるように構成されているので、上記のように駆動系40を処理槽10から切り離して設けるようにしながらも、搬送ローラ30と駆動軸50との位置関係を最適に保つことが可能となるという利点もある。
【0054】
なお、上述した実施形態の基板処理装置は、本発明にかかる基板処理装置の好ましい実施形態の一例であって、その具体的な構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施の形態に係る基板処理装置を示す側面図である。
【図2】図1のII矢視図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】図2のIV−IV線断面図である。
【符号の説明】
【0056】
10 処理槽
11 支持台
20 支持枠
30 搬送ローラ
30c,51 磁気連結板
40 駆動系
42 モータ
50 駆動軸
60 軸支持部材
W 基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板搬送用の回転可能な複数の搬送ローラを内部に備えた処理槽と、前記搬送ローラの回転中心軸と同一軸線上に並ぶように処理槽の側壁を隔ててその外側に配置されると共に磁気的作用により前記搬送ローラと一体に回転する駆動軸と、当該駆動軸を駆動することにより前記処理槽の外側から非接触で前記搬送ローラを回転駆動する駆動手段と、を備えた基板処理装置において、
前記処理槽を支持するための支持部材が設けられ、この支持部材に前記駆動軸および駆動手段が支持されていることを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理装置において、
前記支持部材は、前記処理槽の側方に位置しかつ当該処理槽の前記側壁に沿って前記搬送ローラの配列方向に延びる桟部を含み、この桟部に立設される軸支持部材に前記駆動軸が支持されていることを特徴とする基板処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の基板処理装置において、
前記搬送ローラの配列方向に並ぶように複数の前記軸支持部材が設けられ、前記複数の搬送ローラに対応する駆動軸が複数本ずつ前記各軸支持部材に分割して支持されていることを特徴とする基板処理装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の基板処理装置において、
前記軸支持部材は、前記搬送ローラと前記駆動軸との間隔又は前記処理槽の側壁に沿った方向の前記駆動軸の位置が変更可能となるように前記桟部に対して設けられていることを特徴とする基板処理装置。
【請求項5】
請求項2乃至4の何れか一項に記載の基板処理装置において、
前記駆動手段は、駆動源としてのモータとその駆動力を前記各駆動軸に伝達するベルト伝動機構とを含み、このベルト伝動機構は、前記駆動軸にそれぞれ掛け渡される駆動伝達ベルトと、この駆動伝達ベルトを案内する案内部材と、前記駆動伝達ベルトの張力を調整する調整部材とを含み、前記案内部材および調整部材が前記軸支持部材に組付けられていることを特徴とする基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−105784(P2010−105784A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−279892(P2008−279892)
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】