説明

基板処理装置

【課題】乾燥気体を効率的に使用できる基板処理装置を提供する。
【解決手段】供給配管33と排出配管39との間で連通接続され、かつ排出配管39に流れたドライエアを供給配管33側へ戻す循環配管45を設ける。基板Wの乾燥処理前に、第1の露点計及び第2の露点計41が、所定の条件を満たせば、開閉弁43を開から閉の状態、開閉弁47を閉から開の状態にするとともに、ドライエアの循環配管45への循環を開始し、ファン49により循環配管45内に十分なドライエアが送り込まれると、開閉弁を開から閉の状態、開閉弁51を閉から開の状態にするとともに、ファンを停止させて、ドライエアの循環配管45への循環を完了する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハや液晶表示装置用のガラス基板(以下、単に基板と称する)に対して乾燥処理等の所定の処理を施す基板処理装置に係り、特に、純水等の処理液から基板を引き上げつつ基板に対して乾燥処理を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の基板処理装置として、純水等の処理液を貯留する処理槽と、複数枚のウエハ等の基板を支持し、処理槽の内部と処理槽の上方とにわたって昇降可能に構成されたリフタと、処理槽の液面近傍に備えられ、水平方向に一方側から他方側へドライエア(乾燥用気体)を供給するためのノズルとを有する基板処理装置が挙げられる(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
このように構成された基板処理装置では、例えば、純水を貯留している処理槽にリフタを下降させて基板を純水に浸漬させ、次いで、処理槽にフッ化水素酸(HF)を混合してエッチング用の処理液を生成する。そして、所定時間のフッ化水素酸による処理の後に、処理槽に純水を供給してフッ化水素酸を含む処理液を純水で置換する。純水によるリンス処理を所定時間行った後、ノズルからドライエアを供給させつつリフタを上昇させる。これにより、リフタにより処理液の液面から引き上げられる基板をドライエアにより乾燥させる。なお、ドライエア供給装置は、低露点のドライエアを生成するのに長時間を要するので、常時作動されているのが一般的である。その関係上、エッチング用の処理液による処理が行われている際にもドライエアが供給されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−205360号公報
【特許文献2】特開2008−78190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような構成を有する従来の基板処理装置には、次のような問題がある。すなわち、従来の基板処理装置では、低露点のドライエアを使用することで、基板に対する迅速な乾燥処理を実現しているが、従来の基板処理装置の構成では、ドライエア発生装置で発生されたドライエアは供給配管を介して供給部からチャンバ内へ供給され、チャンバ内で基板に対する乾燥処理が終了すると、排出部を介して基板処理装置から完全に排気している。ドライエア乾燥装置そのものがすでにCOOのパフォーマンスを発揮しているとはいえ、使用したドライエアは排出部からそのまま廃棄されているので、ドライエアが無駄になるという問題があった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、乾燥気体を効率的に使用できる基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、基板に対して、洗浄処理および乾燥処理を行う基板処理装置において、基板を浸漬させる処理液を貯留する処理槽と、基板を保持した状態で、前記処理槽内における処理位置と前記処理槽の上方位置に移動する保持機構と、前記処理槽の一端側の上方位置に配置され、前記処理槽の上方位置に乾燥気体を供給する供給部と、前記処理槽の他端側の上方位置であって、前記供給部と対向する位置に配置され、前記処理槽の上方位置に供給された乾燥気体を排出する排出部と、前記供給部へ乾燥気体を供給させる供給経路と、前記排出部から乾燥気体を排出させる排出経路と、前記供給経路と前記排出経路との間で連通接続され、かつ前記排出経路に流れた乾燥気体を前記供給経路へ戻す循環経路と、前記排出経路からの乾燥気体の排出と前記循環経路への乾燥気体の循環とを切り替える切替機構と、を備えることを特徴とするものである。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の基板処理装置において、前記循環経路に設けられたファンと、乾燥気体の露点を測定する露点計と、前記露点計で測定された露点が、所定の温度以下になったとき、前記切替機構を制御して乾燥気体の排出から前記循環経路への乾燥気体の循環へ切り替え、前記ファンにより前記循環経路に乾燥気体を供給させる制御手段とをさらに備えることを特徴とするものである。
【0009】
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の基板処理装置において、前記露点計が、前記供給部から供給される前の乾燥気体の露点を測定する第1の露点計と、前記排出部から排出された後の乾燥気体の露点を測定する第2の露点計とを備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明に記載の基板処理装置によれば、基板に対して乾燥処理を行う前に、切替機構により排出経路からの乾燥気体の排出から循環経路への乾燥気体の循環へと切り替えているので、乾燥気体を循環させながら使用することができ、その結果、乾燥気体を効率的に使用できるという顕著な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係る基板処理装置の概略構成を示す図である。
【図2】ドライエア供給装置のブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る基板処理装置の電気系のブロック図である。
【図4】基板処理装置の処理動作の前半部分を示すフローチャートである。
【図5】基板処理装置の処理動作の後半部分を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の基板処理装置の実施形態を説明する。図1は、本発明の実施形態に係る基板処理装置の概略構成を示す図である。
【0013】
この基板処理装置は、薬液、純水等の処理液を貯留する処理槽1を備えている。この処理槽1は、処理液を貯留し、起立姿勢とされた複数枚の基板Wを収容可能である。処理槽1の底部には、複数枚の基板Wが整列されている方向(紙面方向)に沿って長軸を有し、処理液を処理槽1内に供給するための一対の噴出管7が配設されている。右側の噴出管7には、供給管8の一端側が接続され、供給管8の他端側は、図示しない処理液供給源に連通接続されている。左側の噴出管7には、供給管9の一端側が接続され、供給管9の他端側は、図示しない処理液供給源に連通接続されている。一対の噴出管7には、処理液を処理槽1内へ供給するために、長軸方向に沿って複数の噴出孔(図示せず)が形成されている。供給管8,9は、フッ化水素酸(HF)や、硫酸・過酸化水素水(HSO/H)の混合液(SPM)などの薬液や、純水等を処理液として処理槽1内へ供給する。供給管8,9には、それぞれ流量制御弁10,11が取り付けられており、これらによって一対の噴出管7から処理槽1に供給される処理液の流量が調整される。
【0014】
処理槽1は、その周囲がチャンバ12で囲われている。チャンバ12は、上部に開閉自在の上部カバー13を備えている。起立姿勢で複数枚の基板Wを支持するリフタ15は、チャンバ12の上方にあたる「待機位置」と、処理槽1の内部にあたる「処理位置」と、処理槽1の上方であってチャンバ12の内部にあたる「乾燥位置」とにわたって移動可能である。リフタ15は、複数枚の基板Wを当接支持する3つの支持部材16を下部に備えている。
【0015】
チャンバ12の上方にあたる「待機位置」には、複数枚の基板Wを支持したリフタ15の通過を検知する検出センサ14が設けられている。この検出センサ14は、チャンバ12へ搬入される前のリフタ15を検知する。
【0016】
処理槽1の底部には、排出口17が形成されている。この排出口17には、QDR弁19が取り付けられている。この排出口17を介して処理槽1内の処理液を排出すると、処理液がチャンバ12内の底部に一旦排出される。チャンバ12の底部には排液弁21が取り付けられており、排液弁21が開放されると、チャンバ12内に一旦貯留された処理液がチャンバの外部へ排出される。また、噴出管7から供給されて処理槽1から溢れ、チャンバ12内に排出された処理液も同様にして排液弁21を介して外部に排出される。
【0017】
チャンバ12のうち、処理槽1の上縁側方には、リフタ15に支持された複数枚の基板Wの側方から乾燥気体であるドライエアを供給するための供給部23が配設されている。また、処理槽1を挟んで供給部23と対向する位置には、チャンバ12からドライエアを排出するための排出部25が配設されている。供給部23は、処理槽1に貯留している処理液の液面近傍に開口するように、ドライエアを噴出する噴射口27を備え、排出部25は、ドライエアをチャンバ12外へ排出するための排出口29を処理槽1側に備えている。
【0018】
供給部23には、一端側がドライエア供給装置31に連通接続された供給配管33の他端側が連通接続されている。ドライエア供給装置31の詳細な説明については、後述する。
【0019】
排出部25には、排出配管39の一端側が連通接続されている。この排出配管39の他端側にはブロア(図示省略)が接続されている。この排出配管39の途中には、上流側から第2の露点計41、開閉弁43が順番に設けられている。この開閉弁43を開閉制御することにより、チャンバ12からのドライエアの排出・停止(循環)を切り替える。開閉弁43が開の状態でブロアが作動すると、チャンバ12内にあるドライエアが排出部25の排出口29、排出配管39を介して基板処理装置の外部へ排出される。
【0020】
この基板処理装置には、ドライエア供給装置31に一端側が接続され、排出配管39における第2の露点計41と開閉弁43との間の位置に他端側が接続されている循環配管45が設けられている。循環配管45の途中には、上流側から上流側開閉弁47、ファン49、下流側開閉弁51が順に設けられている。上流側開閉弁47及び下流側開閉弁51を開閉制御することにより、循環配管45へのドライエアの供給・停止を切り替える。なお、開閉弁43及び上流側開閉弁47が、本発明における切替機構に相当する。
【0021】
次に、ドライエア供給装置について説明する。図2は、ドライエア供給装置のブロック図である。
【0022】
このドライエア供給装置31には、供給配管33の一端側に接続された供給配管53が設けられている。この供給配管53の上流側にはエア供給源(図示省略)が接続されている。この供給配管53には、エア供給源から供給されてきたエアを下流側のチャンバ12へ流すためのファン55、開閉弁57、ドライエア生成機構70、第1の露点計59が上流側から順に設けられている。
【0023】
供給配管53の開閉弁57とドライエア生成機構70との間の位置には、循環配管45の他端側が接続されている。循環配管45から供給されてきたドライエアは、開閉弁57が閉状態で供給配管53へ供給されると、ドライエア生成機構70、第1の露点計59側へ流れていく。
【0024】
供給配管53のファン55が設けられている位置より上流側の位置に、排出配管60の一端側が接続されている。この排出配管60には、エア供給源から供給されてきたエアをドライエア供給装置31から排気させるファン62、エアを加熱するヒータ64、ドライエア生成機構70が上流側から順に設けられている。
【0025】
次に、ドライエア生成機構70について説明する。
【0026】
このドライエア生成機構70は、円筒状のゼオライト71と、軸芯部材72と、モーター73とを備えている。モーター73の回転軸(図示省略)に軸芯部材72の一端側が連結されている。軸芯部材72の他端側には、ゼオライト71が取り付けられている。
【0027】
このゼオライト71は、複数の微細孔を有した構造で、水分子を吸着するものであり、上流側の供給配管53と下流側の供給配管53の間の位置及び上流側の排出配管60と下流側の排出配管60の間の位置に配置されている。開閉弁57が開の状態で、エア供給源から上流側の供給配管53へ供給されてきた除湿前のエア(温度25℃、湿度45%)はゼオライト71へ供給される。エアがゼオライト71を通過するとドライエアが生成され、エアに含まれていた水分がゼオライト71に吸収される。
【0028】
このとき、モーター73が駆動しているので、ゼオライト71が一方向に回転している。このゼオライト71の回転にともなって、上流側の供給配管53と下流側の供給配管53の間の位置にあるゼオライト71の水分を含んだ部分は、上流側の排出配管60と下流側の排出配管60の間の位置に移動する。
【0029】
一方、供給配管53から排出配管60へ流れてきたエアは、ヒータ64で加熱されて高温のエアとなり、上流側の排出配管60と下流側の排出配管60の間の位置にあるゼオライト71の水分を含んだ部分へ供給される。この高温のエアによりゼオライト71の水分を含んだ部分が乾燥される。これにより、ゼオライト71は、再度ドライエア生成用として利用することが可能となる。
【0030】
図3は、この基板処理装置の電気系のブロック図である。図3に示すように、上述したリフタ15の上下移動の昇降動作や、QDR弁19及び排液弁21の開閉、流量制御弁10,11、開閉弁43,47,51,57、検出センサ14、第1の露点計59、第2の露点計41、ファン49,55,62、ヒータ64、モーター73は、本発明における制御手段に相当する制御部47によって統括的に制御される。特に、流量制御弁10,11、検出センサ14及び開閉弁43,47,51,57等については、制御部47によって、以下に説明するように、特徴的な操作が行われる。
【0031】
次に、上述した構成の基板処理装置の動作について、図4及び図5に基づいて説明する。図4は、基板処理装置の処理動作の前半部分を示すフローチャートであり、図5は、基板処理装置の処理動作の後半部分を示すフローチャートである。
【0032】
<洗浄処理前>
まず、初期状態として、複数枚の基板Wを支持したリフタ15がチャンバ12内へ搬入される前には、制御部47からの制御により、開閉弁43,47,51,57が閉の状態である。検出センサ14が、「待機位置」複数枚の基板Wを保持したリフタ15を検知する(ステップS1)。検出センサ14がリフタ15を検知すると、上部カバー13が開き、チャンバ12内への基板Wの搬入が可能となる(ステップS2)。
【0033】
次に、複数枚の基板Wを支持したリフタ15がチャンバ12内へ搬入される(ステップS3)。複数枚の基板Wを支持したリフタ15は、「待機位置」から「乾燥位置」、「乾燥位置」から「処理位置」に移動し、複数枚の基板Wは、処理槽1に貯留された処理液に浸漬され、リフタ15の搬入は完了する(ステップS4)。リフタ15の処理槽1への搬入が完了すると、上部カバー13が閉じられる(ステップS5)。
【0034】
<洗浄処理時>
次に、制御部80は、流量制御弁10,11を同じ流量に設定して開放し、一対の噴出管7から同じ流量で処理液として薬液を処理槽1内へ供給させる。すると、薬液は、処理槽1の底部両端部の一対の噴出管7から供給され、底部中央にて上方へ向かい、液面付近で左右に分かれて処理槽1から溢れ出る。この状態を所定時間だけ維持させることにより、基板Wに対して薬液による処理が行われる(ステップS6)。
【0035】
次に、制御部80は、一対の噴出管7から同じ流量で処理液として純水を処理槽1内へ供給させる。すると、純水は、処理槽1の底部両端部の一対の噴出管7から供給され、底部中央にて上方へ向かい、液面付近で左右に分かれて処理槽1から溢れ出る。この状態を所定時間だけ維持させることにより、基板Wに対してリンス処理が行われる(ステップS7)。
【0036】
このリンス処理の途中に、制御部80によりファン55の駆動を開始するとともに開閉弁57,43を閉から開の状態にすると、処理槽1の上部は、供給部23の噴射口27からドライエアが供給され、排出部25の排出口29から排出された状態となる(ステップS8)。リンス処理が開始されてから所定時間経過したか否かを判断する(ステップS9)。所定時間経過していれば、リンス処理が終了し、リンス処理から乾燥処理へ移行する。
【0037】
<乾燥処理時>
制御部47は、流量制御弁11の流量をゼロに設定する(ステップS10)。これにより、左側の噴出管7からは純水の供給が停止され、右側の噴出管7のみから純水が供給される。したがって、純水は、処理槽1の底部右側から底部に沿って左側の噴出管7側へ向かった後、処理槽1の側壁に沿って上昇し、液面付近を排出部25側へ向かって流れた後に処理槽1の上縁から溢れて排出される。
【0038】
このとき、供給部23の噴射口27から供給されるドライエアの露点を確認する。すなわち、供給部23から供給される前のドライエアの露点については第1の露点計59が−95℃以下、排出部25から排出された後の露点については第2の露点計41が−30℃以下であるか否かを判断する(ステップS11)。第1の露点計59及び第2の露点計41が、ステップS11の条件を満たせば、開閉弁43を開から閉の状態、開閉弁47を閉から開の状態にするとともに、ファン49の駆動を開始して、ドライエアの循環配管45への循環を開始する(ステップS12)。
【0039】
ファン49により循環配管45内に十分なドライエアが送り込まれると、開閉弁55を開から閉の状態、開閉弁51を閉から開の状態にするとともに、ファン55を停止させて、ドライエアの循環配管45への循環を完了する(ステップS13)。
【0040】
次に、リンス処理の終了した複数枚の基板Wを支持したリフタ15の純水からの引き上げを開始する(ステップS14)。リフタ15の引き上げにともなって、純水の液面から順次に露出する基板Wにドライエアが供給され、基板Wに対する乾燥処理が行われる(ステップS15)。このとき、リフタ15を処理槽1からの引き上げ時、複数枚の基板Wを当接支持している3つの支持部材16を、供給部23と排出部25との間に形成される送風路に対して位置合わせを行い、一旦リフタ15を停止させる(ステップS16)。
【0041】
このようにして基板Wの乾燥処理が行われるが、ドライエアの供給方向と液面付近における純水の流れとが一致するので、純水の流れに澱みが生じにくく、洗浄時に基板Wから剥離されて純水中に漂うパーティクルや処理槽1内の純水中に元々存在するパーティクルが効率的に排出される。その結果、引き上げられる基板Wにパーティクルが付着するのを防止することができ、基板Wを清浄度高く処理することができる。また、液面の中央部が盛り上がることがなく、ドライエアにより液面中央に波立ちが生じるのを防止することができるので、引き上げ中の基板Wに飛沫が付着することを防止でき、基板Wの乾燥不良を防止することができる。
【0042】
乾燥処理が終了すると、上部カバー13が開き、チャンバ12内から基板Wの搬出が可能となる(ステップS17)。このとき、循環配管45のファン49を停止し、開閉弁47及び開閉弁51を開から閉の状態にして、ドライエアの循環配管45への循環を終了する(ステップS18)。その後、リフタ15がチャンバ12から搬出される(ステップS19)。
【0043】
以上により、ウエハWに対する薬液処理、リンス処理および乾燥処理を含む基板処理装置の一連の処理動作が終了する。
【0044】
上述した実施形態によると、基板Wの乾燥処理前に、第1の露点計59及び第2の露点計41が、ステップS11の条件を満たせば、開閉弁43を開から閉の状態、開閉弁47を閉から開の状態にするとともに、ドライエアの循環配管45への循環を開始し、ファン49により循環配管45内に十分なドライエアが送り込まれると、開閉弁57を開から閉の状態、開閉弁51を閉から開の状態にするとともに、ファン55を停止させて、ドライエアの循環配管45への循環を完了している。その結果、ドライエアを循環配管45に循環させながら使用することができ、その結果、ドライエアを効率的に使用できるという顕著な効果がある。
【0045】
また、上述した実施形態によると、第1の露点計59及び第2の露点計41という2つの露点計により、ドライエアの循環配管45への循環を制御しているので、正確で正しい時期に循環を開始することができる。
【0046】
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0047】
例えば、上述した実施形態では、処理槽1が単槽で構成されているが、内槽と、内槽から溢れた処理液を回収する外槽とを備えた複槽式の処理槽であってもよい。
【0048】
また、上述した実施形態では、供給部23からドライエアを供給しているが、これに代えてドライ窒素(N)や他の乾燥気体を供給する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0049】
1 処理槽
12 チャンバ
15 リフタ
23 供給部
25 排出部
27 噴射口
29 排出口
31 ドライエア供給装置
33 供給配管
39 排出配管
41 第2の露点計
42 開閉弁
45 循環配管
47 開閉弁
49 ファン
51 開閉弁
57 開閉弁
59 第1の露点計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に対して、洗浄処理および乾燥処理を行う基板処理装置において、
基板を浸漬させる処理液を貯留する処理槽と、
基板を保持した状態で、前記処理槽内における処理位置と前記処理槽の上方位置に移動する保持機構と、
前記処理槽の一端側の上方位置に配置され、前記処理槽の上方位置に乾燥気体を供給する供給部と、
前記処理槽の他端側の上方位置であって、前記供給部と対向する位置に配置され、前記処理槽の上方位置に供給された乾燥気体を排出する排出部と、
前記供給部へ乾燥気体を供給させる供給経路と、
前記排出部から乾燥気体を排出させる排出経路と、
前記供給経路と前記排出経路との間で連通接続され、かつ前記排出経路に流れた乾燥気体を前記供給経路へ戻す循環経路と、
前記排出経路からの乾燥気体の排出と前記循環経路への乾燥気体の循環とを切り替える切替機構と、
を備えることを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理装置において、
前記循環経路に設けられたファンと、
乾燥気体の露点を測定する露点計と、
前記露点計で測定された露点が、所定の温度以下になったとき、前記切替機構を制御して乾燥気体の排出から前記循環経路への乾燥気体の循環へ切り替え、前記ファンにより前記循環経路に乾燥気体を供給させる制御手段とをさらに備えることを特徴とする基板処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の基板処理装置において、
前記露点計は、前記供給部から供給される前の乾燥気体の露点を測定する第1の露点計と、前記排出部から排出された後の乾燥気体の露点を測定する第2の露点計とを備えることを特徴とする基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−187851(P2011−187851A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−53916(P2010−53916)
【出願日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】