説明

基板検査装置および基板検査方法

【課題】装置の小型化を図れるのは勿論、それに加えて、検査に要する走査距離を短くするにより、検査時間を短縮する。
【解決手段】被検査対象である基板Aを支持するステージ1と、ステージ上に支持された基板を跨ぐように基板の搬送方向に互いに間隔をあけて設けられた複数の門型アーム3A、3Bと、複数の門型アームにそれぞれ設けられて基板を検査する検査部5とを備える。基板Aは、離間して配置された門型アームに対して相対移動される。このとき、装置の全長は基板Aの長さの1.5倍でよい。また、走査距離は、基板Aの全長の約1/2で足り、検査時間を短縮できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等で用いられるガラス基板等の検査に用いられる基板検査装置および基板検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶ディスプレイ等で用いられるガラス基板等の検査では、基板表面に照明光を照射し、その反射光もしくは透過光の光学的変化に応じた表面の画像を取り込み、これを画像処理することによって、表面に塗布されたレジストの膜むら、ピンホールなどの欠陥や、塵埃付着の有無などを確認している。
また、必要に応じて、基板表面に欠陥や塵埃付着など(欠陥)が認められる場合には、顕微鏡などを用いて拡大画像による詳細観察(2次検査)が行われる。
【0003】
この種の基板検査装置として、例えば、図6に示すものが知られている。
この基板検査装置について説明すると、図6において符号100はステージを示す。ステージ100上には検査対象である基板101が支持されていて、この基板101は、ステージの側部に設けられた搬送手段102によって把持された状態で、搬送方向(図中X方向)およびその逆方向へ搬送される。また、符号103はステージ100上の基板101を跨ぐように設けられた門型アームである。門型アーム103には、基板101の搬送方向と直交する方向(図中Y方向)へ移動する移動台104が設けられ、この移動台104には基板101の一部を撮像する撮像部105が移動台104の長手方向(Y方向)に沿って複数設けられている。
【0004】
そして、この基板検査装置によれば、ステージ100上に支持された基板101の側端部を搬送手段102で把持し、この搬送手段102により基板101をY方向に搬送しながら、撮像部105によって基板101を検査する。
なお、1回の走査によって基板101の全幅を検査できない場合には、撮像部105を移動台104ごとY方向へずらし、搬送手段102によって基板101を搬送方向とは逆方向へ移動させる、あるいは、基板101を予めスタート位置まで戻して再度基板101を搬送方向へ移動させる等によって、撮像部105による検査を繰り返す。
【0005】
ところで、前述した基板検査装置にあっては、撮像部105を基板101の搬送方向と直交する方向へ複数配置しているため、基板101に対する撮像部105の走査回数を減じることはできるものの、装置の長さLとして基板101の長さの2枚分必要になり、装置が大型化する問題があった。また、基板101に対する撮像部105の走査距離が長くなり、結果として検査時間が長くなる問題もあった。
これらの問題は、近年、基板101がますます大型化しているため、より大きなものになっている。
【0006】
このような問題に対処する基板検査装置として、特許文献1には、基板101を固定しておき、逆に、撮像部105が取り付けられている門型アーム103を基板101の搬送方向へ移動させるものが提案されている。
【特許文献1】特開2003−139721号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記特許文献1に記載された基板検査装置にあっては、装置の大型をある程度回避できるものの、検査に要する走査距離を短くすることはできず、結果的に検査時間を短くすることはできなかった。
また、特許文献1に記載された基板検査装置にあっては、移動可能な1つの門型アームに撮影部を支持する検査ヘッドを2つ設けて検査時間の短縮を図っているが、大型の基板を検査する場合において、検査ヘッドを片持ち状に張り出して支持して門型アームを移動させるのは、ヘッドの張り出し量、門型アームの大きさ・重さがすべて大きくかつ重くなるため、位置精度を保つ上で不利になる。
【0008】
本発明は、上記事情を鑑みなされたもので、装置の小型化を図れるのは勿論、それに加えて、検査に要する走査距離を短くするにより、検査時間を短縮することができる、基板検査装置および基板検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明の基板検査装置は、被検査対象である基板を支持するステージと、該ステージ上に支持された前記基板を跨ぐように該基板の搬送方向に互いに間隔をあけて設けられた複数の門型アームと、該複数の門型アームにそれぞれ設けられて前記基板を検査する検査部とを備え、前記門型アームと前記基板とが前記基板の搬送方向へ相対移動可能に配置されていることを特徴とする。
本発明の基板検査装置によれば、門型アームと基板とを相対移動させ、門型アームに設けた検査部によって基板に欠陥があるか否か検査する。このとき、門型アームを複数備えているので、例えば、門型アームをn個等間隔で備えるとき、検査のための走査距離は、基板全長の1/nで足りることとなり、その分、検査時間が短縮する。
また、門型アームを複数設けて、それぞれに検査部を支持させているため、検査部を支持するにあたり門型アームからステーを長く突き出す必要がなく、門型アームを含め検査部を支持する部分の剛性が向上し、このため、検査精度を確保できる。
【0010】
本発明では、前記複数の門型アームが固定され、前記ステージ上に支持された前記基板が搬送手段によって前記搬送方向へ移動されることが好ましい。
検査部が設けられた門型アーム側を固定するので、検査部によって基板を検査のとき、例えば検査画像がぶれにくくなり、高精度の検査が望めるからである。
本発明では、前記複数の門型アームの間隔を調整する調整手段が設けられていることが好ましい。
大きさの異なる基板を検査する際に、調整手段によって門型アームの間隔を基板に対して最適に設定することができるからである。
【0011】
本発明では、前記ステージ上に支持された前記基板が固定され、前記複数の門型アームが移動機構によって前記搬送方向へ移動されることが好ましい。
門型アーム側を移動するので、基板側を移動させる場合に比べて、装置の全長をより短くできるからである。
【0012】
本発明では、前記複数の門型アームが前記移動機構によって、それぞれ独立して前記基板の搬送方向へ移動されることが好ましい。
検査対象となる基板の長さが異なる場合でも、それに対応して複数の門型アーム間の離間距離を調整することができ、長さが異なる基板に対しても検査に要する走査時間を短くし得て、検査時間を短縮できるからである。
【0013】
本発明では、前記門型アームに2次検査用の2次検査部が組み付けられていることが好ましい。
検査後、基板を移し替えることなく、そのままの状態で、連続して顕微鏡等を用いた2次検査が行えるからである。
【0014】
本発明では、前記各門型アームには、前記検査部を構成する撮像部が基板の搬送方向と直交する方向に複数配設されていることが好ましい。
基板の幅寸法が長い場合には、基板あるいは門型アームを複数回往復動させて、検査部によって基板全域を走査する必要があるが、撮像部を基板の搬送方向と直交する方向に複数配設することにより、基板あるいは門型アームの移動回数を減少させることができるからである。
【0015】
本発明では、前記各門型アームに対応してそれぞれ設けられ、該門型アームに配設された前記複数の撮像部から出力される単位画像を取り込んでそれら単位画像を結合させて中間画像を出力する複数の中間画像結合部と、該複数の中間画像結合部から出力される中間画像同士を結合させて最終画像を出力する最終画像結合部と、該最終画像結合部から出力される最終画像を基に前記基板の欠陥を検出する欠陥検出部と、前記欠陥検出部から検出される欠陥結果を表示する結果表示部とを備えることが好ましい。
画像処理に基づき、基板に生じるレジストの膜むら、ピンホール、塵埃の付着等の欠陥を検出できるからである。
【0016】
本発明の基板検査方法は、被検査対象である基板を支持するステージと、該ステージ上に支持された前記基板を跨ぐように前記基板の搬送方向に互いに間隔をあけて設けられた複数の門型アームと、該複数の門型アームにそれぞれ設けられて前記基板を検査する検査部とを備えた基板検査装置により前記基板を検査する基板検査方法であって、前記ステージに前記基板をセットする工程と、前記基板と前記複数の門型アームのいずれかを前記基板の搬送方向へ移動させながら、前記複数の門型アームに対応するように分けられる前記基板の複数の検査エリアごとに、該検査エリアに対応する門型アームに設けられた前記検査部によって検査する工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の基板検査方法によれば、複数の門型アームに対応するように分けられる基板の複数の検査エリアごとに、それに対応する門型アームに設けられた検査部によって検査するので、1つの門型アームに対応する検査エリアは小さくなり、その分走査距離の短縮化に伴う、検査時間を短縮を図ることができる。
【0017】
本発明の基板検査方法は、被検査対象である基板を支持するステージと、該ステージ上に支持された前記基板を跨ぐように前記基板の搬送方向に互いに間隔をあけて設けられ、かつ、各々独立して前記基板の搬送方向へ移動する複数の門型アームと、該複数の門型アームにそれぞれ設けられて前記基板を1次検査する1次検査部と、前記複数の門型アームにそれぞれ設けられて前記基板を2次検査する2次検査部と、を備えた基板検査装置により基板を検査する基板検査方法であって、前記ステージに基板をセットする工程と、前記複数の門型アームを前記基板の搬送方向へ移動させながら、複数の門型アームに対応するように分けられた前記基板の複数の検査エリアごとに、該検査エリアに対応する前記門型アームに設けられた前記検査部によって1次検査する1次検査工程と、前記複数の門型アームを前記基板の搬送方向またはその逆方向へそれぞれ独立的に移動させながら、1次検査工程で検出された欠陥を、前記検査エリアごとに前記2次検査部によって2次検査する2次検査工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の基板検査方法によれば、1次検査後、続けて、複数の門型アームを基板の搬送方向またはその逆方向へそれぞれ独立的に移動させながら、2次検査部による2次検査を行うことができ、1次検査と2次検査を含めたトータル的な検査時間を短縮することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、門型アームと基板とを相対移動させ、門型アームに設けた検査部によって基板に欠陥があるか否か検査する。このとき、門型アームを複数備えているので、例えば、門型アームをn個等間隔で備えるとき、検査のための走査距離は、基板全長の1/nで足りることとなり、その分、検査時間を短縮することができる。また、走査距離が短くなる分、装置の全長を短縮することができ、もって装置を小型化することができる。
また、門型アームを複数設けて、それぞれに検査部を支持させているため、門型アームを含め検査部を支持する部分の剛性を向上させることができ、このため、検査精度を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態に係る基板検査装置及び基板検査方法について説明する。
<第1実施形態>
図1〜図3は本発明の第1実施形態を示し、図1は装置全体の概略構成を示す斜視図、図2は検査部の側面図、図3は検査対象となる基板の正面図である。図1において符号1はステージを示す。ステージ1上には検査対象である基板Aが略水平面に沿うように支持される。基板Aを水平面に沿うように支持する具体的な手段としては、非接触式としては高圧エアによるエア浮上方式があり、また、接触式としては複数のコロによって支持する方法がある。
なお、ステージの後述する撮像部6の撮像位置には、裏面反射防止のための溝が設けられている。
【0020】
ステージ1の一側部には搬送手段2が配置されている。この搬送手段2は、基板Aを把持する把持機構を有し(図示略)、この把持機構によってステージ1上の基板Aの側端部を把持し、この状態で、基板Aを搬送方向(図1においてX方向)に沿って搬送させる構成になっている。
また、3A、3Bはステージ1上に支持される前記基板Aを跨ぐように、基板Aの搬送方向と直交する方向に延びて設けられた門型アームである。門型アームは、基板Aの搬送方向に沿いながら互いに平行となるように間隔をあけて2個設けられている。これら門型アーム3A、3B同士の離間距離は、基板Aの搬送方向の長さLの略1/2に設定されている。
【0021】
両門型アーム3A、3Bは同じ構成であり、ここでは一方の門型アーム3Aについてのみ説明し、他方の門型アーム3Bの構成要素は、門型アーム3Aの構成要素と同一符号を付してその説明を省略する。
門型アーム3Aには、基板Aの搬送方向と直交する方向(図1中Y方向)に移動する移動台4が設けられている。移動台4には基板Aの欠陥の有無を検査する検査部5が設けられている。検査部5は、基板Aの一部を撮像するよう移動台4の長手方向(Y方向)に沿って複数個取り付けられた撮像部6、…からなっている。撮像部6は、基板Aの一部をエリア状またはライン状に撮像することが可能なレンズ群とCCD素子からなっている。これら撮像部6同士の相互間隔は、図2に示すように、それら撮像部6の撮像範囲6Aが一部重複するように設定されている。
【0022】
また、この基板検査装置には、前記撮像部6…によって取得される画像を処理し、この処理された画像を基に基板Aの欠陥を検出して表示する画像処理・表示部7が設けられている。
画像処理・表示部7は、各門型アーム3A、3Bに対応してそれぞれ設けられ、該門型アームに配設された複数の撮像部6、…から出力される単位画像を取り込んでそれら単位画像を結合させて中間画像を出力する複数の中間画像結合部8A、8Bと、これら複数の中間画像結合部8A、8Bから出力される中間画像同士を結合させて最終画像を出力する最終画像結合部9と、最終画像結合部9から出力される最終画像を基に前記基板の欠陥を検出する欠陥検出部10と、欠陥検出部10から検出される欠陥結果を表示する結果表示部11とを備える。
【0023】
次に、上記構成の基板検査装置の作用について説明する。
まず、基板Aをステージ上の正規の位置にセットする。次いで、セットされた基板Aの一側端部を搬送手段2の図示せぬ把持機構によって把持し、基板Aを走査開始位置まで搬送する。そして、検査を開始する。
すなわち、搬送手段2は把持機構によって把持したまま基板Aを所定の速度で搬送方向(図1中X方向)へ搬送する(1回目の走査)。このとき、両門型アーム3A、3Bに設けられたそれぞれの撮像部6によって基板Aに対する画像を連続して撮像する。複数の撮像部6によるY方向の撮像範囲が、基板Aの幅に満たさない場合は、移動台4をY方向へ移動させることにより撮像部6を未撮像範囲にまで移動させ、前述した1回目の走査と同様に2回目の走査を行う。この2回目の走査は、例えば、1回目の走査の終了位置から前記搬送方向とは反対方向へ搬送手段2及び基板Aを搬送させて行ってもよく、基板Aを再度走査開始位置まで戻し、基板A等を搬送方向へ搬送させて行ってもよい。
これら走査を、基板Aの全幅が撮像されるまで繰り返す。
このような撮像方法では、基板Aの搬送方向の略後側半分は、一方の門型アーム3Aに設けられた撮像部6…によって撮像し、基板の搬送方向略前側半分は、他方の門型アーム3Bに設けられた撮像部6…によって撮像する。
つまり、複数の門型アーム3A、3Bに対応するように分けられる基板の複数の検査エリアごとに、それに対応する門型アームに設けられた検査部5によって検査する。
【0024】
上記の走査が終わった後、一方の門型アーム3Aに設けられた撮像部6…によって撮像された単位画像はそれぞれ中間画像結合部8Aに送られ、ここで結合されて一の中間画像Gaが作製される。また、他方の門型アーム3Bに設けられた撮像部6…によって撮像された単位画像はそれぞれ中間画像結合部8Bに送られ、ここで結合されて他の中間画像Gbが作製される(図3参照)。これら中間画像Ga、Gbは最終画像結合部9に送られ、ここで結合されて基板A全体としての最終画像Gcが作製される。
なお、中間画像Gaと中間画像Gbとの画像同士の結合処理をスムーズに行なうため、それら画像範囲の一部が互いに重複するように、撮像部6による走査範囲が予め設定されている。
なお、上述した画像の結合は、撮像部6による走査中に逐次行っても良い。
そして、欠陥検出部10では、作製された最終画像Gcを基に前記基板Aの欠陥を検出し、検出された欠陥は、CRT等の結果表示部11によって表示される。
【0025】
上述した基板検出装置では、門型アームを2つ備えており、それら門型アームに設けられた撮像部6が基板Aの搬送方向前側半分および後側半分をそれぞれ受け持ちながら撮像するので、撮像を行う際の走査距離としては基板Aの全長の半分の距離で足りることとなり、その結果、基板検出装置の全長としては、基板の全長の1,5倍の長さがあれば足りる。すなわち、図6に示す従来の基板検査装置に比べて小型化を図ることができる。
【0026】
また、上述した基板検査方法であると、前述したように撮像を行う際の走査距離として、基板Aの全長の略半分の距離で足りることとなり、その分走査時間の短縮化を図ることができ、ひいては、検査時間の短縮化を図ることができる。
なお、前記第1実施形態では、2つの門型アーム3A、3Bを固定しているが、これに限られることなく、そのうちの一方、例えば門型アーム3Bを、例えば移動基台を介してX方向および反X方向へ移動可能に支持することで、両門型アーム3A、3Bの間隔を調整する調整手段を設ける構成にしても良い。これにより、大きさの異なる基板Aを検査する際に、調整手段によって門型アーム3Bを移動させることで、両門型アーム3A、3Bの間隔を基板Aに対して最適値に設定することができる。
<第2実施形態>
【0027】
図4は、本発明の第2実施形態を示す。
なお、説明の便宜上、この第2実施形態の構成要素のうち、前記第1実施形態の構成要素と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。これは、後述する第3実施形態についても同様である。
【0028】
この第2実施形態が前記第1実施形態と異なるところは、ステージ上の基板Aを固定する一方、門型アーム3A、3B側を移動可能にした点である。
すなわち、ステージ1の左右両外側にはそれぞれレール等の案内部21、21が基板Aの搬送方向と平行に設けられ、これらの案内部21、21によって互いに対をなす左右の基台22,22がそれぞれ移動可能に案内される。また、左右の基台22,22は、リニアモータやボールねじ機構等の図示せぬ駆動手段によって、共に同期した状態で駆動される。そして、それら左右の基台22,22の、基板Aの搬送方向を基準にした前後端には、門型アーム3A、3Bの脚部がそれぞれ固定される。
【0029】
この第2実施形態の基板検査装置では、ステージ1上の基板Aを固定し、逆に、門型アーム3A、3B側を移動させることにより、基板A上を門型アームに取り付けた撮像部6によって走査させて検査する。
このような基板検査装置でも、前述した第1実施形態のものと同様に基板Aの検査を行うことができる。
また、第2実施形態の基板検査装置は、走査距離が短い分前述の第1実施形態と同様に検査時間の短縮化を図ることができるのに加えて、装置の全長として基板Aの全長と同程度あれば足りることから、前述の第1実施形態の基板検査装置に比べて、さらなる小型化を図ることができる。
<第3実施形態>
【0030】
図5は本発明の第3実施形態を示す。
この第3実施形態が前記第2実施形態と異なるところは、2つの門型アーム3A、3Bがそれぞれ独立して、基板Aの搬送方向およびその逆方向へ移動可能になっている点、並びに門型アーム3A、3Bに、前記撮像部6により基板Aに検出された欠陥に対して2次検査を行うための2次検査部31を備える点である。
【0031】
すなわち、左右の案内部21,21には、互い対をなしかつ図示せぬ駆動手段によって同期した状態で駆動される左右の基台32、32が、案内部21の長手方向に沿って2対設けられている。これら案内部21の長手方向に沿って離間配置される基台32、32は互いに独立して駆動される。そして、これら左右の基台32,32に前記門型アーム3A、3Bの脚部が固定される。
【0032】
2次検査部31は顕微鏡および照明手段からなっていて、門型アーム3A、3Bの前記検査部(1次検査部)5とは逆側に設けられている。つまり、図5に示すように、複数の撮像部6からなる検査部5が門型アーム3A、3Bの基板搬送方向前側に設けられる場合には、門型アーム3A、3Bの基板搬送方向後側に設けられる。また、これら2次検査部31は、前記移動台4からステーを延ばし、このステーに取り付けられていてもよく、また、前記移動台4とは別に専用の移動台を設け、この専用の移動台に2次検査部31を取り付けても良い。
【0033】
この第3実施形態では、前述したように、撮像部6からなる検査部5によって一次検査し、そのとき、検出される欠陥について、基板Aを移動させることなく、そのままの状態で連続して、顕微鏡等を用いた2次検査を行うことができる。
このとき、基板の搬送方向前後に分けた検査エリアごとに、それぞれ独立して2次検査を行うことができ、前述した1検査に連続して2次検査が行えることと相俟って、従来の基板検査方法に比べ、2次検査に要する時間をはるかに短縮することができる。
【0034】
なお、第3実施形態では、門型アーム3A、3Bに前記2次検査部31を設けるのに加えて、2次検査後の補修を行うためのレーザリペア等の補修手段を設けても良い。
【0035】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、前記各実施形態では、門型アームを2個設けたが、門型アームの数は、2個に限られることなく、3個でもあるいは4個以上であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の第1実施形態の基板搬送装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】同基板搬送装置の検査部の詳細を示す側面図である。
【図3】最終画像結合部によって画像処理を行うときの状態を示す図である。
【図4】本発明の第2実施形態の基板搬送装置の概略構成を示す斜視図である。
【図5】本発明の第3実施形態の基板検査装置の概略構成を示す斜視図である。
【図6】従来の基板検査装置の一例を示す側面図である。
【符号の説明】
【0037】
A 基板
1 ステージ
2 搬送手段、
3A、3B 門型アーム
4 移動台
5 検査部(1次検査部)
6 撮像部
8A、8B 画像結合部
9 最終画像結合部
10 欠陥検出部
11 結果表示部
21 案内部
22、32 基台(移動機構)
31 2次検査部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査対象である基板を支持するステージと、
該ステージ上に支持された前記基板を跨ぐように該基板の搬送方向に互いに間隔をあけて設けられた複数の門型アームと、
該複数の門型アームにそれぞれ設けられて前記基板を検査する検査部とを備え、
前記門型アームと前記基板とが前記基板の搬送方向へ相対移動可能に配置されていることを特徴とする基板検査装置。
【請求項2】
請求項1記載の基板検査装置において、
前記複数の門型アームが固定され、
前記ステージ上に支持された前記基板が搬送手段によって前記搬送方向へ移動されることを特徴とする基板検査装置。
【請求項3】
請求項2記載の基板検査装置において、
前記複数の門型アームの間隔を調整する調整手段が設けられていることを特徴とする基板検査装置。
【請求項4】
請求項1記載の基板検査装置において、
前記ステージ上に支持された前記基板が固定され、
前記複数の門型アームが移動機構によって前記搬送方向へ移動されることを特徴とする基板検査装置。
【請求項5】
請求項4記載の基板検査装置において、
前記複数の門型アームが前記移動機構によって、それぞれ独立して前記基板の搬送方向へ移動されることを特徴とする基板検査装置。
【請求項6】
請求項5に記載の基板検査装置において、
前記門型アームに2次検査用の2次検査部が組み付けられていることを特徴とする基板検査装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項記載の基板検査装置において、
前記各門型アームには、前記検査部を構成する撮像部が基板の搬送方向と直交する方向に複数配設されていることを特徴とする基板検査装置。
【請求項8】
請求項7記載の基板検査装置において、
前記各門型アームに対応してそれぞれ設けられ、該門型アームに配設された前記複数の撮像部から出力される単位画像を取り込んでそれら単位画像を結合させて中間画像を出力する複数の中間画像結合部と、
該複数の中間画像結合部から出力される中間画像同士を結合させて最終画像を出力する最終画像結合部と、
該最終画像結合部から出力される最終画像を基に前記基板の欠陥を検出する欠陥検出部と、
前記欠陥検出部から検出される欠陥結果を表示する結果表示部とを備えることを特徴とする基板検査装置。
【請求項9】
被検査対象である基板を支持するステージと、
該ステージ上に支持された前記基板を跨ぐように前記基板の搬送方向に互いに間隔をあけて設けられた複数の門型アームと、
該複数の門型アームにそれぞれ設けられて前記基板を検査する検査部とを備えた基板検査装置により前記基板を検査する基板検査方法であって、
前記ステージに前記基板をセットする工程と、
前記基板と前記複数の門型アームのいずれかを前記基板の搬送方向へ移動させながら、前記複数の門型アームに対応するように分けられる前記基板の複数の検査エリアごとに、該検査エリアに対応する前記門型アームに設けられた前記検査部によって検査する工程と、
を備えることを特徴とする基板検査方法。
【請求項10】
被検査対象である基板を支持するステージと、
該ステージ上に支持された前記基板を跨ぐように前記基板の搬送方向に互いに間隔をあけて設けられ、かつ、各々独立して前記基板の搬送方向へ移動する複数の門型アームと、
該複数の門型アームにそれぞれ設けられて前記基板を1次検査する1次検査部と、
前記複数の門型アームにそれぞれ設けられて前記基板を2次検査する2次検査部と、
を備えた基板検査装置により基板を検査する基板検査方法であって、
前記ステージに基板をセットする工程と、
前記複数の門型アームを前記基板の搬送方向へ移動させながら、複数の門型アームに対応するように分けられた前記基板の複数の検査エリアごとに、該検査エリアに対応する前記門型アームに設けられた前記検査部によって1次検査する1次検査工程と、
前記複数の門型アームを前記基板の搬送方向またはその逆方向へそれぞれ独立的に移動させながら、1次検査工程で検出された欠陥を、前記検査エリアごとに前記2次検査部によって2次検査する2次検査工程と、
を備えることを特徴とする基板検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−82704(P2008−82704A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−259534(P2006−259534)
【出願日】平成18年9月25日(2006.9.25)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】