説明

基板検査装置と基板検査方法と回収治具

基板検査装置を、基板を保持面で保持して回転させる基板回転機器と、ベースに回転自在に支持されたディスク本体と該ディスク本体の上側に固定され回転方向へ傾斜した傾斜面で構成されたカム面を形成する3個のリフトカムとを有するディスクと、基板を乗せる支持面を持ち上下方向に移動自在に案内されたリフタ本体と該リフター本本の下側へ突起して各々固定されたリフター従動節とを有するリフターと、を備え、前記リフ
ター従動節の下側が前記カム面に摺動自在に各々の接触点で当接し、前記接触点が前記傾斜面の上側に移動すると前記支持面が前記保持面よりも高くなる、ものとした。この構成により、測定精度をより向上させることのできる基板検査装置と基板検査方法、及び基板の外面に液滴を付着させて外面に沿って移動させるのに好適な基板検査装置と基板検査方法と回収治具とを提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、基板を検査するための基板検査装置と基板検査方法とに係る。特に、基板を検査するために基板の外面に液滴を付着させて外面に沿って移動させるのに好適な基板検査装置と基板検査方法と回収治具とに関する。
【背景技術】
半導体や液晶の製造設備や検査設備において、基板検査装置が使用される。
基板検査装置は、基板を検査する装置である。例えば、基板は、半導体ウエハー、液晶基板等の基板である。半導体ウエハーは、シリコン、ガリウム、炭化ケイ素等のウエハーである。
基板検査装置は、基板を位置決めする必要がある。通常、基板のコンタミネーションを防止するために、簡易で確実な位置決め機構が要求される。
また、一部の基板検査装置が、半導体ウエハーの表面に形成された酸化膜や窒化膜等の薄膜の中の、ナトリウム、カリウム、鉄等の不純物の量を正確に測定するのに用いられる。この基板検査装置では、基板を正確に位置決めすることが、不純物の量を正確に測定するために重要である。
半導体ウエハーの表面の不純物を正確に測定する目的とその方法を簡単に説明する。
半導体ウエハーの表面に形成された酸化膜や窒化膜等の薄膜中に、不純物が含まれていいると、その不純物の量が微量であっても、半導体素子の電気的特性に大きな影響を与える。
従って、半導体素子の製造設備において、ウエハー表面から不純物の混入をできる限り抑制することが要請されている。
そのために、半導体ウエハーの表面に存在する不純物の量を正確に測定することが行われている。
最近、ウエハー表面に存在する不純物の量を測定するのに用いられていた二次イオン質量分析法やオージェ分光分析法や中性子放射化分析法に代わって、ふっ化物溶液を持ちいて、不純物の量を測定する。例えば、ふっ化物溶液はHF(ふっ化水素)水溶液である。
シリコンウエハーの表面の酸化膜をHF(ふっ化水素)水溶液で溶解した後で、そのHF(ふっ化水素)水溶液を捕集して、HF(ふっ化水素)水溶液中の不純物を分析することが行われる。捕集したHF(ふっ化水素)水溶液の量が少なくすると、不純物の濃度が高くなり、測定精度が向上するという特徴を有する。
例えば、HF(ふっ化水素)水溶液の蒸気に基板を曝し、基板の酸化層を溶解した後で、基板の表面にHF(ふっ化水素)水溶液の液滴を滴下し、その液滴を基板の表面に付着したまま移動する。液滴に酸化膜の中の不純物が捕集される。その液滴中の不純物の量を計測することにより、基板表面の不純物の量を検査する。
測定精度を向上させるために、基板の位置決めを精度良くおこない、また、特定の測定領域のみの不純物の量を測定できる基板検査装置が求められている。特に、液滴を基板の表面に付着されたまま移動し、液滴に不純物を捕集するのに好適な基板検査装置と基板検査方法と回収治具が求められている。
本発明は以上に述べた問題点に鑑み案出されたもので、測定精度をより向上させることのできる基板検査装置と基板検査方法、及び基板の外面に液滴を付着させて外面に沿って移動させるのに好適な基板検査装置と基板検査方法と回収治具とを提供しようとする。
【発明の開示】
上記目的を達成するため、本発明に係る基板を検査するための基板検査装置を、水平になった基板の下面を下方から保持面で保持して垂直な回転中心軸まわりに回転させる基板回転機器と、基礎構造であるベースと、前記ベースに前記回転中心軸を中心として水平方向に回転自在に支持されたディスク本体と該ディスク本体の上側の円周上の3箇所に各々固定され前記回転中心軸を中心とする一方の回転方向へ下方に傾斜した傾斜面で構成されたカム面を形成する3個のリフトカムとを有するディスクと、上側に基板を乗せることのできる支持面を持ち前記ベースに上下方向に移動自在に案内され回転を拘束されたリフタ本体と該リフター本体の前記回転中心軸を中心とする円周上の3箇所に下側へ突起して各々固定された部材である3個のリフター従動節とを有するリフターと、を備え、3個の前記リフター従動節の下側が3個の前記カム面に摺動自在に各々の接触点で各々当接し、前記接触点が前記傾斜面の上側に移動すると前記支持面が前記保持面よりも高くなり、前記接触点が前記傾斜面の下側に移動すると前記支持面が前記保持面よりも低くなる、ものとした。
上記本発明の構成により、基板回転機器が水平になった基板の下面を下方から保持面で保持して垂直な回転中心軸まわりに回転させ、ベースが基礎構造であり、ディスクのディスク本体が前記ベースに前記回転中心軸を中心として水平方向に回転自在に支持され、ディスクの3個のリフトカムが該ディスク本体の上側の円周上の3箇所に各々固定され前記回転中心軸を中心とする一方の回転方向へ下方に傾斜した傾斜面で構成されたカム面を形成し、リフターのリフター本体が上側に基板を乗せることのできる支持面を持ち前記ベースに上下方向に移動自在に案内され回転を拘束され、リフターの3個のリフター従動節が該リフター本体の前記回転中心軸を中心とする円周上の3箇所に下側へ突起して各々固定された部材であり、3個の前記リフター従動節の下側が3個の前記カム面に摺動自在に各々の接触点で各々当接し、前記接触点が前記傾斜面の上側に移動ると前記支持面が前記保持面よりも高くなり、前記接触点が前記傾斜面の下側に移動すると前記支持面が前記保持面よりも低くなるので、ディスクをベースに対して円週方向の一方の回転方向に回転すると、前記接触点が前記傾斜面の下側に移動して、前記支持面が前記保持面よりも低くなり、ディスクをベースに対して円周方向の他方の回転方向に回転すると、前記接触点が前記傾斜面の上側に移動して、前記支持面が前記保持面よりも高くなり、ディスクを回転させる簡単な操作により基板を支持面と保持面との間で置き換えでき、また接触点での摩擦力がリフターのガタを一方に寄せて基板を保持面に精度良く位置決めでき、その後の検査の精度を向上させることができる。
以下に、本発明のいくつかの実施形態を説明する。本発明は、以下に記載の実施形態のいずれか、またはそれらの中の二つ以上が組み合わされた態様を含む。
さらに、本発明の実施形態に係る基板検査装置は、前記カム面が、前記傾斜面と該傾斜面の上側の端と繋がる水平面とで構成され、前記接触点が前記傾斜面の上側から水平面に移動可能である。
上記本発明の構成により、前記接触点が前記傾斜面の上側から水平面に移動可能であるので、水平面が保持面より高くなった状態で、基板を支持面へ乗せたり、支持面から降ろしたりする際に、リフターが安定して停止する。
さらに、本発明の実施形態に係る基板検査装置は、前記ベースが、板状部材であって上面を水平にしたベース板状部材と、垂直な中心軸を持つ円筒状部材であるベース円筒状部材と、該ベース円筒状部材の中心軸を前記回転中心軸に一致させることのできるベース位置決め機構と、を有し、前記ディスク本体が、板状部材であって下側の前記回転中心軸を中心とする円周上の3箇所を前記ベース板状部材の上面に水平方向に移動自在に支持されるディスク板状部材と、該ディスク板状部材に固定され前記ベース円筒状部の外周面の円周上の3箇所に摺動自在に各々当接した部材である3個の円周ガイドと、を持つ。
上記本発明の構成により、前記ベースのベース板状部材が上面を水平にした板状部材であって、前記ベースの前記ベース円筒状部材が垂直な中心軸を持ち、前記ベースのベース位置決め機構が該ベース円筒状部材の中心軸を前記回転中心軸に一致させ、前記ディスク本体のディスク板状部材が板状部材であって下側の前記回転中心軸を中心とする円周上の3箇所を前記ベース板状部材の上面に水平方向に移動自在に支持され、前記ディスク本体の3個の円周ガイドが該ディスク板状部材に固定され前記ベース円筒状部の外周面の円周上の3箇所に摺動自在に各々当接するので、ディスクが前記回転中心軸を回転中心として精度良く回転し、接触点での摩擦力がリフターを前記回転中心軸を回転中心として回転させ、リフターのガタを一方に寄せることができ、基板を保持面に精度良く位置決めでき、その後の検査の精度を向上させることができる。
さらに、本発明の実施形態に係る基板検査装置は、前記基板回転機器が、水平になった基板の下面を下方から前記保持面で保持する基板保持部材と該基板保持部材を前記回転中心軸の回りに回転自在に支持する基板保持基台とを有し、ベース位置決め機構が、前記基板保持基台の側面と前記ベース円筒状部材の内周面とのすき間の寸法を調整する押しねじを持つ。
上記本発明の構成により、前記基板回転機器の基板保持部材が水平になった基板の下面を下方から保持面で保持し、前記基板回転機器の基板保持基台が該基板保持部材を前記回転中心軸の回りに回転自在に支持し、ベース位置決め機構の押しねじが、前記基板保持基台の側面と前記ベース円筒状部材の内周面とのすき間の寸法を調整するので、ベースに支持されるリフタの位置を前記回転中心軸を基準として簡易に精度良く調整できる。
さらに、本発明の実施形態に係る基板検査装置は、前記リフター本体が、板状部材であって上側に基板を乗せることのできる支持面を持つリフター板状部材と、該リフター板状部材の支持面の前記回転中心軸を中心とする円周上の3箇所に各々配されて固定される3個のウエハーホルダと、を持ち、前記支持面に置かれた基板の縁が周囲から3個の前記ウェハーホルダに当接される。
上記本発明の構成により、前記リフター本体のリフター板状部材が板状部材であって上側に基板を乗せることのできる支持面を持ち、前記リフター本体の3個のウエハーホルダが該リフター板状部材の支持面の前記回転中心軸を中心とする円周上の3箇所に各々配されて固定され、前記支持面に置かれた基板の縁が周囲から3個の前記ウェハーホルダに当接されるので、基板を支持面に精度良く位置決めし、基板を保持面に乗せた際の基板の位置の精度を向上できる。
さらに、本発明の実施形態に係る基板検査装置は、前記ベースが、板状部材であって上面を水平にしたベース板状部材と、前記ベース板状部材の上側の前記回転中心軸を中心とする円周上の3箇所に各々固定され垂直な中心軸を持つ円柱部材である3個のベース垂直ガイドと、を有し、前記リフター本体が、板状部材であって上側に基板を乗せることのできる支持面を持つリフター板状部材と、該リフター板状部材の3箇所に各々固定された垂直な中心軸を持つ円柱部材である3個のリフター垂直ガイドと、を持ち、前記ベース垂直ガイドと前記リフター垂直ガイドとの一方が中空部をもち、他方が該中空部に嵌合し、前記リフターが前記ベースに上下方向に移動自在に案内され回転を拘束される。
上記本発明の構成により、前記ベースのベース板状部材が板状部材であって上面を水平にし、前記ベースの3個のベース垂直ガイドが前記ベース板状部材の上側の前記回転中心軸を中心とする円周上の3箇所に各々固定され垂直な中心軸を持つ円柱部材であり、前記リフター本体のリフター板状部材が上側に基板を乗せることのできる支持面を持つ板状部材であって、前記リフター本体の3個のリフター垂直ガイドが該リフター板状部材の3箇所に各々固定された垂直な中心軸を持つ円柱部材であり、前記ベース垂直ガイドと前記リフター垂直ガイドとの一方が中空部をもち、他方が該中空部に嵌合し、前記リフターが前記ベースに上下方向に移動自在に案内され回転を拘束されるので、接触点の摩擦力がリフターを回転中心軸の回りに回転させると、ベース垂直ガイドと前記リフター垂直ガイドとの中空部でのガタが一方に寄せられて、基板を保持面に精度良く位置決めでき、その後の検査の精度を向上させることができる。
また、上記目的を達成するため、本発明に係る基板を検査するために基板に液滴を付着して移動させる基板検査装置を、水平になった基板を保持して垂直な回転中心軸まわりに回転させる基板回転機器と、液滴を貯留可能な内部空間を持ち軸心が上下に向いた筒状部を有する回収治具と、前記回収治具を水平方向に移動可能な1駆動機器と、を備え、前記筒状部が、水平に延びて前記内部空間と雰囲気の空間とを連通する溝を側部に設けられ、前記内部空間に液滴を貯留して基板を回転する際に、前記駆動機構が前記溝に露出した液滴を基板の縁に接触する様に前記回収治具を保持可能である、ものとした。
上記本発明の構成により、基板回転機器が水平になった基板を保持して垂直な回転中心軸まわりに回転させ、回収治具が液滴を貯留可能な内部空間を持ち軸心が上下に向いた筒状部を有し、駆動機器が前記回収治具を水平方向に移動可能であり、前記筒状部が、水平に延びて前記内部空間と雰囲気の空間とを連通する溝を側部に設けられ、前記内部空間に液滴を貯留して基板を回転する際に、前記駆動機構が前記溝に露出した液滴を基板の縁に接触する様に前記回収治具を保持可能であるので、液滴を基板の縁に付着させて縁に沿って移動させることができる。
また、上記目的を達成するため、本発明に係る基板を検査するために基板に液滴を付着して移動させる基板検査装置を、水平になった基板を保持して垂直な回転中心軸まわりに回転させる基板回転機器と、液滴を貯留可能な内部空間を持ち軸心が上下に向いた筒状部を有する回収治具と、前記回収治具を水平方向に移動可能な駆動機構と、前記内部空間に液を貯留した際に内部空間の圧力を雰囲気の圧力よりも負圧に維持できる負圧維持手段と、を備え、前記筒状部が前記内部空間と雰囲気の空間とを連通する第一貫通孔を下端に設けられ、前記内部空間に液滴を貯留して基板を回転する際に、前記駆動機構が基板の面と前記筒状部の下端との間隔を一定に保つ様に前記回収治具を保持可能である、ものとした。
上記本発明の構成により、基板回転機器が水平になった基板を保持して垂直な回転中心軸まわりに回転させ、前記回収治具が液滴を貯留可能な内部空間を持ち軸心が上下に向いた筒状部を有し、前記駆動機構が前記回収治具を水平方向に移動可能であり、負圧維持手段が前記内部空間に液を貯留した際に内部空間の圧力を雰囲気の圧力よりも負圧に維持でき、前記筒状部が前記内部空間と雰囲気の空間とを連通する第一貫通孔を下端に設けられ、前記内部空間に液滴を貯留して基板を回転する際に、前記駆動機構が基板の面と前記筒状部の下端との間隔を一定に保つ様に前記回収治具を保持可能であるので、負圧により上方に引っ張る力を内部空間に貯留した液滴に作用させ、液滴が回収治具の第一貫通孔から下側へ漏れ出るのを抑制できる。
以下に、本発明のいくつかの実施形態を説明する。本発明は、以下に記載の実施形態のいずれか、またはそれらの中の二つ以上が組み合わされた態様を含む。
さらに、本発明の実施形態に係る基板検査装置は、前記筒状部の下端の第一貫通孔の縁の周囲が環状の水平面となっている。
上記本発明の構成により、前記筒状部の下端の第一貫通孔の縁の周囲が環状の水平面となっているので、第一貫通孔から下に出た液滴が水平面の付着力により引っ張られ、液滴が回収治具の第一貫通孔から下側へ漏れ出るのを抑制できる。
さらに、本発明の実施形態に係る基板検査装置は、前記筒状部が半径方向に対し同一方向に交差した軸心を持つ複数の第二貫通孔を側部に各々設けられ、第二貫通孔が前記内部空間と側部の外側の空間とを連通する。
上記本発明の構成により、前記筒状部の側部に設けられた複数の第二貫通孔が、半径方向に対し同一方向に交差する軸心をもち、前記内部空間と側部の外側の空間とを連通するので、気体が足部の外側の空間から第二貫通孔を通って内部空間に入り、内部空間に貯留する液滴を渦巻かせて、上方へ負圧に引っ張る。
さらに、本発明の実施形態に係る基板検査装置は、前記負圧維持手段が、前記内部空間に連通した負圧配管を有する。
上記本発明の構成により、前記負圧維持手段の負圧配管が前記内部空間に連通するので、内部空間の気体を上方へ引っ張る。
また、上記目的を達成するため、本発明に係る基板を検査するために基板に液滴を付着して移動させる回収治具を、液滴を貯留可能な内部空間を持ち軸心が上下に向いた筒状部を、備え、前記筒状部が水平に延びて前記内部空間と雰囲気の空間とを連通する溝を側部に設けられる、ものとした。
上記本発明の構成により、前記回収治具が液滴を貯留可能な内部空間を持ち軸心が上下に向いた筒状部を有し、前記筒状部が水平に延びて前記内部空間と雰囲気の空間とを連通する溝を側部に設けられるので、前記内部空間に液滴を貯留して、前記溝に露出した液滴を基板の縁に接触する様に前記回収治具を保持して縁に沿って移動させると、液滴を基板の縁に付着させて縁に沿って移動させることができる。
また、上記目的を達成するため、本発明に係る基板を検査するために基板に液滴を付着して移動させる回収治具を、液滴を貯留可能な内部空間を持ち軸心が上下に向いた筒状部と、前記内部空間に液を貯留した際に内部空間の圧力を雰囲気の圧力よりも負圧に維持できる負圧維持手段と、を備え、前記筒状部が、前記内部空間と雰囲気の空間とを連通する第一貫通孔を下端に設けられる、ものとした。
上記本発明の構成により、前記回収治具が液滴を貯留可能な内部空間を持ち軸心が上下に向いた筒状部を有し、負圧維持手段が前記内部空間に液を貯留した際に内部空間の圧力を雰囲気の圧力よりも負圧に維持でき、前記筒状部が前記内部空間と雰囲気の空間とを連通する第一貫通孔を下端に設けられるので、前記内部空間に液滴を貯留して、基板の面と前記筒状部の下端との間隔を一定に保つ様に前記回収治具を保持して基板の表面にそって移動させると、負圧により上方に引っ張る力が内部空間に貯留した液滴に作用し、液滴が回収治具の第一貫通孔から下側へ漏れ出るのを抑制できる。
以下に、本発明のいくつかの実施形態を説明する。本発明は、以下に記載の実施形態のいずれか、またはそれらの中の二つ以上が組み合わされた態様を含む。
さらに、本発明の実施形態に係る回収治具は、前記筒状部の下端の第一貫通孔の縁の周囲が環状の水平面となっている。
上記本発明の構成により、前記筒状部の下端の第一貫通孔の縁の周囲が環状の水平面となっているので、第一貫通孔から下に出た液滴が水平面の付着力により引っ張られ、液滴が回収治具の第一貫通孔から下側へ漏れ出るのを抑制できる。
さらに、本発明の実施形態に係る回収治具は、前記筒状部が半径方向に対し同一方向に交差した軸心を持つ複数の第二貫通孔を側部に各々設けられ、第二貫通孔が前記内部空間と側部の外側の空間とを連通する。
上記本発明の構成により、前記筒状部の側部に設けられた複数の第二貫通孔が、半径方向に同一方向に交差する同じ向き交差した軸心をもち、前記内部空間と側部の外側の空間とを連通するので、気体が側部の外側の空間とから第二貫通孔を通って内部空間に入り、内部空間に貯留する液滴を渦巻かせて、上方へ負圧に引っ張る。
さらに、本発明の実施形態に係る回収治具は、前記負圧維持手段が、前記内部空間に連通した負圧配管を有する。
上記本発明の構成により、前記負圧維持手段の負圧配管をが前記内部空間に連通するので、内部空間の気体を上方へ引っ張る。
また、上記目的を達成するため、本発明に係る基板を検査するために基板に液滴を付着して移動させる基板検査方法を、上記に記載の前記基板検査装置を準備する基板検査装置準備工程と、基板を前記基板回転機器にセットする基板セット工程と、前記内部空間に溶液を滴下する溶液滴下工程と、前記負圧維持手段が前記内部空間の圧力を雰囲気の圧力よりも負圧に維持する負圧維持工程と、基板が回転する際に、前記駆動機器が基板の前記表面と前記筒状部の下端との間隔を一定に保つ基板走査工程と、を備えたものとした。
上記本発明の構成により、基板検査装置準備工程で上記に記載の前記基板検査装置を準備し、基板セット工程で基板を前記基板回転機器にセットし、溶液滴下工程で前記回収治具の内部空間に溶液を滴下し、負圧維持工程で前記負圧維持手段が前記内部空間の圧力を雰囲気の圧力よりも負圧に維持し、基板走査工程で、基板が回転する際に、駆動機器が、前記駆動機構が基板の前記表面と前記筒状部の下端との間隔を一定に保つので、内部空間に貯留した液滴が基板の表面に流れ出すのを抑制しつつ、液滴を基板の表面に付着させたまま、基板の表面を移動できる。
さらに、本発明に係る実施形態の基板検査方法を、前記基板セット工程が溶液に対して親水性の性質を有する表面を持つ基板を前記基板回転機器にセットする。
上記本発明の構成により、基板の表面が溶液に対して親水性の性質を持っていても、内部空間に貯留した液滴が基板の表面に流れ出すのを抑制しつつ、液滴を基板の表面に付着させたまま、基板の表面を移動できる。
以上説明したように本発明に係る 基板検査装置は、その手順と構成により、以下の効果を有する。
基板を乗せる支持面を持つリフターの回転を拘束し、リフトカムを傾斜面の傾きが基板の回転中心軸の回りの円周方向に向く様にディスクに配し、リフターと傾斜面との接触点を傾斜に沿って移動させると、保持面が検査をする際に基板を乗せる面であって、支持面が保持面の高さの上側と下側との間で移動する様にしたので、ディスクをベースに対して円周方向の一方の回転方向に回転すると、記接触点が前記傾斜面の下側に移動して、前記支持面が前記保持面よりも低くなり、ディスクをベースに対して円周方向の他方の回転方向に回転すると、前記接触点が前記傾斜面の上側に移動して、前記支持面が前記保持面よりも高くなり、ディスクを回転させる簡単な操作により基板を支持面と保持面との間で置き換えでき、また接触点での摩擦力がリフターのガタを一方に寄せて基板を保持面に精度良く位置決めでき、その後の検査の精度を向上させることができる。
また、前記接触点が前記傾斜面の上側から水平面に移動する様にしたので、水平面が保持面より高くなった状態で、基板を支持面へ乗せたり、支持面から降ろしたりする際に、リフターが安定して停止する。
また、ベースに板状部材と円筒部材とを設け、ディスクを板状部材と円筒部材とのそれぞれ3箇所で接触して回転移動する様にしたので、ディスクが前記回転中心軸を中心として精度良く回転し、接触点での摩擦力がリフターを前記回転中心軸を中心として回転させて、リフターのガタを一方に寄せることができ、基板を保持面に精度良く位置決めでき、その後の検査の精度を向上させることができる。
また、ベースの水平位置を基板回転機器の基台を押しねじでおして調整する様にしたので、ベースに支持されるリフタの位置を前記回転中心軸を基準として簡易に精度良く調整できる。
また、リフターの支持面に乗せた基板の縁を3個の部材で当接する様にしたので、基板を支持面に精度良く位置決めし、基板の保持面に乗せた際の基板の位置の精度を向上できる。
また、ベースとリフタとに互いに上下方向に移動自在に案内する垂直ガイドを設け、前記ベース垂直ガイドと前記リフター垂直ガイドとの一方が中空部をもち、他方が該中空部に嵌合し、前記リフターが前記ベースに上下方向に移動自在に案内され回転を拘束される。
また、水平になった基板を回転させ、液滴を貯留できる内部空間を持つ回収治具の側面に水平に延びた溝を設け、前記駆動機構が前記溝に露出した液滴を基板の縁に接触する様に前記回収治具を保持可能である様にしたので、液滴を基板の縁に付着させて縁に沿って移動させることができる。
また、水平になった基板を回転させ、液滴を貯留できる内部空間を持つ回収治具の下端に貫通孔を設け、内部空間を負圧にできる様にしたので、負圧により上方に引っ張る力を内部空間に貯留した液滴に作用させ、液滴が回収治具の第一貫通孔から下側へ漏れ出るのを抑制できる。
また、前記筒状部の下端の第一貫通孔の縁の周囲が環状の水平面となっているので、第一貫通孔から下に出た液滴が水平面の付着力により引っ張られ、液滴が回収治具の第一貫通孔から下側へ漏れ出るのを抑制できる。
また、第二貫通孔が、前記筒状部の側部に半径方向に交差する同じ向きに各々設けられ、前記内部空間と側部の外側の空間を連通するので、気体が側部の外側の空間から第二貫通孔を通って内部空間に入り、内部空間に貯留する液滴を渦巻かせて、竜巻状に上方へ負圧に引っ張られる。
また、前記負圧維持手段の負圧配管が、前記内部空間の密閉した上部に連通する様にしたので、内部空間の気体を上方へ引っ張る。
また、負圧維持手段をもつ回収治具を備えた基板検査装置を用意し、内部空間の圧力を負圧に維持したまま、回収治具の液滴を基板の表面に付着させて基板の表面を移動するので、内部空間に貯留した液滴が基板の表面に流れ出すのを抑制しつつ、液滴を基板の表面に付着させたまま、基板の表面を移動できる。
また、基板の表面が溶液に対して親水性の性質を持っていても、内部空間に貯留した液滴が基板の表面に流れ出すのを抑制しつつ、液滴を基板の表面に付着させたまま、基板の表面を移動できる。
従って、測定精度をより向上させることのできる基板検査装置と基板に存在する不純物を測定するのに好適な基板検査装置と基板検査方法と回収治具とを提供できる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の本発明の実施形態に係る基板検査装置の平面図である。
図2は、本発明の本発明の実施形態に係る基板検査装置の正面図である。
図3は、本発明の本発明の実施形態に係る基板検査装置の側面図である。
図4は、本発明の本発明の実施形態に係る基板検査装置のB−B断面図である。
図5は、本発明の本発明の実施形態に係る基板検査装置のC−C断面図である。
図6は、本発明の本発明の実施形態に係る基板検査装置のC−C断面図である。
図7は、本発明の本発明の実施形態に係る基板検査装置のA−A断面図である。
図8は、本発明の本発明の実施形態に係る回収治具の断面図である。
図9は、本発明の本発明の実施形態に係る回収治具の断面図である。
図10は、本発明の本発明の実施形態に係る回収治具のD−D断面図である。
図11は、本発明の本発明の実施形態に係る回収治具の断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る基板検査装置の平面図である。図2は、本発明の実施形態に係る基板検査装置の正面図である。図3は、本発明の実施形態に係る基板検査装置の側面図である。
基板検査装置2は、基板1を検査するための装置である。
以下では、基板1に存在する不純物の量を検査する場合を例に、基板検査装置2を説明する。
基板がシリコンウェハーである場合に、基板1に存在する不純物の量を検査するには、第一の方法では、基板の表面を液体蒸気(例えば、HF(ふっ化水素)水溶液の蒸気)に晒して、液体により基板1の表面の酸化膜を溶かす。その後、基板検査装置を用いて、基板1を検査するために基板1に液滴を付着して移動させる。第二の方法では、基板の表面に液体(例えば、HF(ふっ化水素)水溶液の蒸気)を滴下する。液体により基板1の表面の酸化膜を溶かす。その後、基板検査装置を用いて、基板1を検査するために基板1に液滴を付着して移動させる。
基板検査装置は、基板1の表面に液滴(例えば、HF(ふっ化水素)水溶液)を滴下し、液滴を基板の表面を所定の領域をなぞる様に移動させ、その液滴を回収する。その液滴に混ざった不純物の量を測定すると、基板の表面の所定の領域に存在した不純物の量を特定できる。
基板検査装置は、下部構造体3と基板回転機器10と駆動機器20と回収治具30と回収治具セット機器40とベース50とディスク60とリフター70とで構成される。
下部構造体3は、基板回転機器10と駆動機器20と回収治具30と回収治具セット機器40とベース50とディスク60とリフター70を上面に乗せ、これらの機器を制御するためのコントローラや制御盤面を備えた構造体である。
基板回転機器10は、水平になった基板の下面を下方から保持面Mで保持して垂直な回転中心軸まわりに回転させる機器であり、基板保持部材11と基板保持基台12とで構成される。
基板保持部材11は、水平になった基板1の下面を下方から保持面Mで保持する部材である。真空チャック機構が、保持面Mに設けられる。真空チャック機構は、負圧により保持面Mに保持された基板1を固定する。
基板保持基台12は、基板保持部材11を回転中心軸の回りに回転自在に支持する機器である。
回収治具30は、液滴を貯留可能な内部空間Hを持つ治具である。
構造の異なる3種類の回収治具30を、以下に、図を基に、説明する。回収治具を、それぞれ、第一乃至第三の形式の回収治具30a、30b、30cと呼ぶ。
最初に、本発明の実施形態に係る第一の形式の回収治具の構造を説明する。
図8は、本発明の実施形態に係る第一の形式の回収治具の断面図である。
第一の形式の回収治具30aは、基板の縁に液滴を接触させるための治具であり、筒状部31aとフランジ部33aとで構成される。
筒状部31aは、液滴を貯留可能な内部空間Hを持ち軸心が上下に向いた部分である。筒状部31aが、基板の厚さよりも大きな幅をもち水平に延びて内部空間Hと雰囲気の空間とを連通する溝32aを側部に設けられる。筒上部31aの下端は閉じている。
後述する駆動機構は、溝32aに露出した液滴を基板の縁に接触する様に回収治具30aを保持可能である。
フランジ部33aは、回収治具30aの上部構造である。フランジ部33aの下面は、下に凸のテーパ形状が形成される。テーパ形状は、後述する回収治具フォルダー24の下に凹のテーパ部に嵌合する。容器41の口に嵌合する溝部が、テーパ形状の下側に形成される。
液滴を内部空間Hに貯留すると、液滴の一部が溝32aに露出する。溝32aの寸法と位置を適切に選定することで、液滴が溝32aから漏れるのを防止できる。液滴に生ずる表面張力と液滴の溝32aから漏れようとする圧力とがつり合うためであると考えられる。
次に、本発明の実施形態に係る第二の形式の回収治具の構造を説明する。
図9、10は、本発明の実施形態に係る第二の形式の回収治具の断面図である。
第二の形式の回収治具30bは、基板の表面に液滴を接触させるために治具であり、筒状部31bとフランジ部34bと負圧維持手段35bとで構成される。
回収治具30bは、液滴を親水性の基板表面に接触させるのに好適な治具である。例えば、液滴がHF(ふっ化水素)水溶液であり、基板の表面に酸化膜が生成されている場合に、回収治具30bを用いると、顕著な効果を奏する。
筒状部31bは、液滴を貯留可能な内部空間Hを持ち軸心が上下に向いた部分である。筒状部31bが、内部空間Hと雰囲気の空間とを連通する第一貫通孔32bを下端に設けられる。筒状部31bの下端の第一貫通孔32bの縁の周囲が環状の水平面となっているのが好ましい。
特に、複数の第二貫通孔33bが、筒状部31bの側部に設けられ、半径方向に対して同一方向に交差した軸を持ち、内部空間Hと側部の外側の空間とを連通するのが好ましい。
後述する駆動機構は、基板が回転する際に、基板1の面と筒状部31bの下端との間隔を一定に保つ様に、回収治具を保持できる。
この様にすると、負圧が内部空間Hに貯留した液滴を上方に引っ張り、また、液滴と回収治具との付着力が、基板1の面と筒状部31bの下端との間隔に挟まれた液滴を筒状部31bの水平になった下端に付着させることができる。従って、液滴が基板の表面の材質に対して親水性である場合であっても、液滴が基板の表面に流れ出てしまうことを抑制できる。例えば、基板の表面に酸化膜があり、液滴が酸化膜を溶解する溶液(例えば、HF(ふっ化水素)水溶液)である場合に、HF(ふっ化水素)水溶液の液滴は酸化膜に対して親水性であるが、HF(ふっ化水素)水溶液が内部空間Hから流れ出てしまうことながない。所定の時間が経過すると、酸化膜が溶解し基板の母材が露出する。HF(ふっ化水素)水溶液は、基板の母材に対して疎水性であるので、表面張力により基板の表面からはじかれる様になる。
次に、本発明の実施形態に係る第三の形式の回収治具の構造を説明する。
図11は、本発明の実施形態に係る第三の形式の回収治具の断面図である。
第三の形式の回収治具30cは、基板の表面に液滴を接触させるために治具であり、筒状部31cとフランジ部33cとで構成される。
筒状部31cは、内部の中心に内部空間Hを持ち、軸心が上下に向いている、第一貫通孔32Cが、筒状部31cの下端に設けられる。第一貫通孔32cは、内部空間Hと雰囲気の空間とを連通する。筒状部の下端の第一貫通孔の縁の周囲が、上に凹の窪みとなっているのが好ましい。
後述する駆動機構は、基板が回転する際に、基板1の面と筒状部31cの下端との間隔を一定に保つことをできる。
フランジ部33cの下部には、下に凸のテーパ形状が設けられる。テーパ形状は、後述する回収治具フォルダー24の下に凹のテーパ部に嵌合する。容器41の口に嵌合する溝部が、テーパ形状の下側に形成される。
駆動機器20は、回収治具30を水平方向に移動させる機器であり、水平アー厶21とアーム回転軸22とアーム回転基台23と回収治具フォルダー24とで構成される。
水平アーム21は、先端部に回収治具フォルダー24を固定し、後端部をアーム回転軸22に固定した梁構造である。
アーム回転軸22は、水平アームの後端部を固定し、垂直な回転軸の回りに回転する構造体である。
アーム回転基台23は、アーム回転軸22を回転自在に保持する構造体であり、下部構造3に取り付けられる。図1は、アーム回転基台23の側面が円形の外周面であるのを示す。
回収治具フォルダー24は、回収治具を保持する構造体である。回収治具フォルダー24の先端部は、回収治具30の下に凸のテーパ部に下から嵌合する下に凹のテーパ部を持ち、一部に切り欠き部をもつ環状構造をしている。
回収治具30を、横方向に引っ張ると、切り欠き部を通過して回収治具フォルダー24から外れる。
回収治具セット機器40は、駆動機器20に回収治具を受け渡すための機器であり、下部構造体3の上面に設けられる。回収治具セット機器40は、容器41を回収治具30の下からあてがい、回収治具30の円筒部31a、31b、31cを覆うことができる。操作員は、回収治具セット機器40を操作して、容器41と回収治具30とを上下させることができる。
回収治具30を基板検査装置2にセットする場合は、以下の手順による。
操作員は、回収治具30と容器41とを一体にして、取り扱う。操作員は、回収治具30と容器41とを回収治具セット機器40にセットする。
回収治具セット機器40により、回収治具30と容器41とを持ち上げる。駆動機器20を動かして、回収治具フォルダー24を回収治具30の下にいれる。回収治具セット機器40により、回収治具30と容器41とを下げる。回収治具30が回収治具フォルダー24に嵌合する。駆動機器20を動かして基板の検査をおこなう。
回収治具30を基板検査装2からはずす場合は、上記の反対の手順に従う。
図5は、ベース50と基板回転機器10との関係を示す。
ベース50は、基板の位置決めを行うための基礎構造であり、ベース板状部材51とベース円筒状部材52とベース垂直ガイド53とベース位置決め機構54とで構成される。
ベース板状部材51は、上面を水平にした板状部材であって、下部構造体3の上部に据付けられる。
ベース円筒状部材52は、垂直な中心軸を持つ円筒状部材であり、下部をベース板状部材51に結合する。
ベース垂直ガイド53は、ベース板状部材の上側の円周上の3箇所に各々固定され垂直な中心軸を持つ円柱部材である。
図5は、ベース垂直ガイド53がベース板状部材51の円周上の3箇所に固定された、3個の中空円柱であるのを示している。
ベース位置決め機構54は、ベース円筒状部材の中心軸を前記回転中心軸に一致させることのできる機構である。ベース位置決め機構54は、基板保持基台12の側面とベース円筒状部材42の内周面とのすき間の寸法を調整する押しねじを持つのが好ましい。
図5は、ベース位置決め機構54は、ベース円筒状部材53の円周上の3箇所にねじ込まれえた3個の押しねじとナットを持つのを示している。ナットは、押しねじにねじ込まれ、押しねじをロックしている。
図4、図6は、ベース50とディスク60と基板回転機器10との関係を示す。
ディスク60は、後述するリフター70を上下させるための機構であり、ディスク本体と3個のリフトカム63とで構成される。
ディスク本体は、回転中心軸を中心として水平方向に回転自在に支持された構造であり、ディスク板状部材61と3個の円周ガイド62と1つの受け64と3個の滑り受け65とハンドル66とで構成される。
ディスク板状部材61は、板状部材であり下側の回転中心軸Oを中心とする円周上の3箇所を前記ベース板状部材の上面に水平方向に移動自在に支持される。
図4、6は、ディスク板状部材61が環状で一箇所が外に拡がった板部材であるのが示されている。
円周ガイド62は、ディスク板状部材61に固定されベース円筒状部52の外周面の円周上の3箇所に摺動自在に各々当接した部材である。
リフトカム63は、ディスク本体の上側の円周上の3箇所に各々固定された部材である。リフトカム63の上面は、カム面を形成する。カム面は、回転中心軸Oを中心とする円周方向の一方の回転方向へ下方に傾斜した傾斜面Kと傾斜面Kの上側の端とすき間なく繋がる水平面Lとで構成される。
受け64は、ディスク板状部材の一箇所に設けられた円柱部材である。受け64の高さはリフトカム63の水平面Lの高さと同一の寸法をしている。
滑り受け65は、ディスク板状部材61の下面に固定された円柱部材である。滑り受け65の下面が、ベース板状部材51の上面を摺動する。
ハンドル66は、ディスク板状部材61に固定された円柱部材であり、側面が握り部となっている。
操作員が、ハンドル66を動かすと、ディスク60が回転中心軸Oを中心としてベース50の上面を摺動する。
リフター70は、上側に基板を乗せることのできる支持面Nを持ちディスク60の回転に従って上下する構造体であり、リフタ本体と3個のリフター従動節74とで構成される。
リフタ本体は、ベースに上下方向に移動自在に案内され回転を拘束された構造体であり、リフター板状部材71と3個のウエハーホルダー72と3個のリフター垂直ガイド73とで構成される。
リフター板状部材71は、上側に基板1を乗せることのできる支持面Nを持つ板状部材である。リフター板状部材71は、円周上の3箇所に、所定の間隔で半径方向に並んで複数の孔が設けられる。
ウエハーホルダー72は、リフター板状部材71の支持面Nの円周上の3箇所に各々配されて脱着可能に固定される部材である。支持面に置かれた基板の縁が周囲から3個の前記ウェハーホルダー72に当接され、基板1がリフター70に位置決めされる。ウエハーホルダー72は、リフター板状部材71に設けられた孔に嵌合する。ウエハーホルダー72が嵌合する孔を選択する事により、各種の直径のウエハーに対応することができる。
リフター垂直ガイド73は、リフター板状部材71の3箇所に各々固定された垂直な中心軸を持つ円柱部材である。ベース垂直ガイド53とリフター垂直ガイド73との一方が中空部をもち、他方がその中空部に嵌合し、リフター70がベース50に上下方向に移動自在に案内され回転を拘束される。
リフター従動節74は、リフター板状部材71の円周上の3箇所に下側へ突起して各々固定された部材である。3個の前記リフター従動節の下側が3個の前記カム面に摺動自在に各々の接触点Xで各々当接する。
図7は、リフター従動節74がリフター板状部材71にねじ込まれナットでロックされた押しねじであり、下端が半球状になり、接触点Xが点になってるのを示している。
接触点Xが傾斜面Kの上側に移動すると、支持面Nが保持面Mよりも高くなる。さらに接触点Xが傾斜面Kの上側に移動すると、接触点Xが水平面Lに乗る。
接触点Xが傾斜面Kの下側に移動すると、支持面NがMよりも低くなる。さらに、接触点Xが傾斜面Kの下側に移動すると、リフター板状部材71の下面が水平面Lにあたり、リフター従動節74の下端が、カム面から離れる。
以下に、本発明の実施形態に係る基板検査装置の作用を説明する。
以下、基板が半導体ウェハーであって、液滴がHF(ふっ化水素)水溶液であるとして、説明する。
最初に、第一の形式の回収治具30aを用いる場合を説明する。
(基板検査装置準備工程)
基板検査装置を準備する。
回収治具フォルダー24を第一の形式の回収治具30aに対応したものとする。
回収治具30aと容器41とを一体として、回収治具セット機器40にセットする。回収治具セット機器40を操作して、回収治具30aを回収治具フォルダー24に嵌合する。
図8(A)は、回収治具フォルダー24に嵌合した第一の形式の回収治具30aの構造を示す。
リフター70を上方に位置させておく。リフター従動節74の下端がリフトカムの水平面に支持される。
(基板セット工程)
予めHF(ふっ化水素)水溶液の蒸気の雰囲気に晒した基板をリフター70の支持面Nに乗せる。HF(ふっ化水素)水溶液の液滴が基板1の表面に付着している。
3個のウエハーホルダー72の縁を押さえられるので、基板1が位置決めされる。
ハンドル66を移動させて、ディスク60を回転させる。図1で、時計回り方向に回転する。
ディスク60が、ベース50に案内されて、回転中心軸の回りに回転する。リフター従動節74の下端がリフトカム63のカム面に沿って水平面Lから傾斜面Kに移動する。
接触点での摩擦力が、リフター70を回転中心軸の回りに回転させ、ベース垂直ガイド53とリフター垂直ガイド73とのガタを一方に寄せる。
基板1が、保持面Mに乗る。
リフター70が、2個のリフトカム63の水平面Lと受け64の上面とに乗る。
(液滴滴下工程)
回収治具30aの内部空間HにHF(ふっ化水素)水溶液の液滴を滴下する。
液滴4が、内部空間Hに貯留する。液滴4の一部が、溝32aにはみ出る。
(基板走査工程)
駆動機器20が、溝32aに露出した液滴を基板1の縁に接触する様に回収治具30aを保持する。
図8(B)が、駆動機器20に駆動される回収治具30aを示す。
基板回転機器10が、保持面Mに保持した基板1を回転中心軸の回りに回転させる。
回収治具30aに貯留した液滴が、基板1の縁に付着したまま、基板1が回転する。
(液滴回収工程)
駆動機構20が、回収治具30aを回収治具セット機器40の上方に移動する。
容器41を上方に移動すると、容器41の上端が回収治具30aの下部に溝に嵌まる。
容器41と回収治具30aとが一体となって、上に上がる。
操作員が、容器41と回収治具30aとを一体にして、基板検査装置から外す。
図8(C)が、一体となった容器41と回収治具30aとを示す。
(不純物計測工程)
液滴4を容器41に移し、液滴に含まれる不純物の量を測定する。
次に、第二の形式の回収治具30bを用いる場合を説明する。
(基板検査装置準備工程)
基板検査装置を準備する。
回収治具フォルダー24を第二の形式の回収治具30bに対応したものとする。
回収治具30bと容器41とを一体として、回収治具セット機器40にセットする。回収治具セット機器40を操作して、回収治具30bを回収治具フォルダー24に嵌合する。
図9(A)は、回収治具フォルダー24に嵌合した第二の形式の回収治具30bの構造を示す。
リフター70を上方に位置させておく。リフター従動節74の下端がリフトカムの水平面に支持される。
(基板セット工程)
表面に酸化膜のある基板をリフター70の支持面Nに乗せる。
例えば、基板はシリコンウエハーである。シリコンウエハーの表面の酸化膜は、HF(ふっ化水素)水溶液に対して親水性の性質を持つ。
3個のウエハーホルダー72の縁を押さえられるので、基板1が位置決めされる。
ハンドル66を移動させて、ディスク60を回転させる。図1で、時計回り方向に回転する。
ディスク60が、ベース50に案内されて、回転中心軸の回りに回転する。リフター従動節74の下端がリフトカム63のカム面に沿って水平面Lから傾斜面Kに移動する。
接触点での摩擦力が、リフター70を回転中心軸の回りに回転させ、ベース垂直ガイド53とリフター垂直ガイド73とのガタを一方に寄せる。
基板1が、保持面Mに乗る。
リフター70が、2個のリフトカム63の水平面Lと受け64の上面とに乗る。
(液滴滴下工程)
回収治具30bの内部空間HにHF(ふっ化水素)水溶液の液滴を滴下する。
液滴4が、内部空間Hに貯留する。液滴4の一部が、第一貫通孔32bにはみ出る。
(負圧維持工程)
負圧維持手段を作動させ、内部空間Hの圧力を雰囲気の圧力よりも負圧に維持する。
負圧が内部空間Hに貯留する液滴を上方へ引っ張る。
気体が、側部の外側の空間から第二貫通孔33bを通過して内部空間Hに入り、渦をまく。
(基板走査工程)
駆動機器20が、基板1の表面と筒状部の下端との間隔を一定に保ちつつ、所定の速度で、水平移動させる。
図9(B)が、駆動機器20に駆動される回収治具30bを示す。
基板回転機器10が、保持面Mに保持した基板1を回転中心軸の回りに回転させる。
回収治具30bに貯留した液滴が、基板1の表面に付着したまま、基板1が回転する。
HF(ふっ化水素)水溶液の液滴が、基板の表面の酸化膜を溶解しつつ移動する。酸化膜に含まれる不純物が液滴に吸収される。酸化膜が基板の表面から除去されると基板の表面に母材が露出する。
基板回転機器10の回転移動の位置と駆動機器20の水平移動の位置を連動させると、基板の表面の特定の領域の酸化膜だけを溶解することができる。
(液滴回収工程)
駆動機構20が、回収治具30bを回収治具セット機器40の上方に移動する。
容器41を上方に移動すると、容器41の上端が回収治具30bの下部に溝に嵌まる。
容器41と回収治具30bとが一体となって、上に上がる。
操作員が、容器41と回収治具30bとを一体にして、基板検査装置から外す。
図9(C)が、一体となった容器41と回収治具30bとを示す。
(不純物計測工程)
液滴4を容器41に移し、液滴に含まれる不純物の量を測定する。
次に、第三の形式の回収治具30cを用いる場合を説明する。
(基板検査装置準備工程)
基板検査装置を準備する。
回収治具フォルダー24を第三の形式の回収治具30cに対応したものとする。
回収治具30cと容器41とを一体として、回収治具セット機器40にセットする。回収治具セット機器40を操作して、回収治具30cを回収治具フォルダー24に嵌合する。
図11(A)は、回収治具フォルダー24に嵌合した第三の形式の回収治具30cの構造を示す。
リフター70を上方に位置させておく。リフター従動節74の下端がリフトカムの水平面に支持される。
(基板セット工程)
予めHF(ふっ化水素)水溶液の蒸気の雰囲気に晒した基板をリフター70の支持面Nに乗せる。HF(ふっ化水素)水溶液の液滴が基板1の表面に付着している。
3個のウエハーホルダー72の縁を押さえられるので、基板1が位置決めされる。
ハンドル66を移動させて、ディスク60を回転させる。図1で、時計回り方向に回転する。
ディスク60が、ベース50に案内されて、回転中心軸の回りに回転する。リフター従動節74の下端がリフトカム63のカム面に沿って水平面Lから傾斜面Kに移動する。
接触点での摩擦力が、リフター70を回転中心軸の回りに回転させ、ベース垂直ガイド53とリフター垂直ガイド73とのガタを一方に寄せる。
基板1が、保持面Mに乗る。
リフター70が、2個のリフトカム63の水平面Lと受け64の上面とに乗る。
(液滴滴下工程)
回収治具30cの内部空間HにHF(ふっ化水素)水溶液の液滴を滴下する。
液滴4が、内部空間Hに貯留する。液滴4の一部が、第一貫通孔32cにはみ出る。
(基板走査工程)
駆動機器20が、基板1の表面と筒状部の下端との間隔を一定に保ちつつ、所定の速度で、水平移動させる。
図11(B)が、駆動機器20に駆動される回収治具30cを示す。
基板回転機器10が、保持面Mに保持した基板1を回転中心軸の回りに回転させる。
回収治具30cに貯留した液滴が、基板1の表面に付着したまま、基板1が回転する。
HF(ふっ化水素)水溶液の液滴が、基板の表面のに付着つつ移動する。不純物を含む溶液が液滴に吸収される。
基板回転機器10の回転移動の位置と駆動機器20の水平移動の位置を連動させると、基板の表面の特定の領域の溶液を回収できる。
(液滴回収工程)
駆動機構20が、回収治具30cを回収治具セット機器40の上方に移動する。
容器41を上方に移動すると、容器41の上端が回収治具30cの下部の溝に嵌まる。
容器41と回収治具30cとが一体となって、上に上がる。
操作員が、容器41と回収治具30cとを一体にして、基板検査装置から外す。
図11(C)が、一体となった容器41と回収治具30cとを示す。
(不純物計測工程)
液滴4を容器41に移し、液滴に含まれる不純物の量を測定する。
上述の実施形態に係る基板検査装置を用いれば、以下の効果を発揮する。
回収治具が、筒状部とフランジ部とで構成され、フランジ部の下面が下に凸のテーパ部を形成し、テーパ部が駆動機器の回収治具フォルダーのテーパ部に嵌合するので、回収治具を簡単な構造で駆動機器に結合できる。
また、回収治具のフランジ部の下側に、容器の上端が嵌まる段を設けたので、容器と回収治具を一体として取り使うことができる。
また、第一の形式の回収治具の円筒部に水平に延びた溝を設け、溝が内部空間と雰囲気を連通する様にしたので、駆動機構が、溝からはみ出た内部空間に貯留した液滴の一部に基板の縁が接触するようにしたので、液滴を基板の縁に付着させて縁に沿って移動させることができる。
また、第二の形式の回収治具に内部空間を負圧に維持できる負圧維持手段を設けたので、負圧により内部空間の液滴を上に引っ張って支えることができる。
また、筒状部の下端の第一貫通孔の回りを環状の水平面としたので、液滴が付着力により、下端部と基板の表面との間に収まり、外部へ流れ出にくい。
また、筒状部に半径方向に交差した第二貫通孔を設けたので、負圧により雰囲気の気体が第二貫通孔を通って、内部空間に入り、渦を巻いて吸いだされるので、内部空間の液滴が上に引き込まれる。
また、リフターが、ベースに回転を拘束され上下方向に移動自在に案内され、ディスクの円周方向の3箇所に配されたカムリフトの傾斜面に支持されるので、ディスクを回転させると、リフターが上下移動するので、基板を上方の位置にあるリフターの支持面に乗せ、リフターを下げると、基板が基板回転機器の保持面に写すことが出来、摩擦力がリフターを回転中心軸を中心として一方の回転方向の押すので、ディスクとリフターとの案内ガタが一方に寄せられ、基板の位置決め精度が向上する。
また、リフトカムのカム面を水平面と傾斜面とで構成し、リフターを上方に移動した際に水平面にリフターを乗せるので、リフターが上方の位置で安定して停止する。
また、リフトカムのカム面を水平面と傾斜面とで構成し、リフターを下方に移動した際に水平面にリフターを乗せるので、リフターが下方の位置で安定して停止する。
また、ベースに円筒状部材を設け、円筒状部材の外周面の3箇所に接する円周ガイドをディスクに固定するので、ディスクが、ベースに円筒状部材の中心点の回りに精度良く安定して回転する。
また、ベースに円筒状部材を設け、円筒状部材の押しねじでできたベール位置決め機構をもうけ、円筒状部材と基板回転機器の基台との間のすき間を調整できる様にしたので、簡単な構造により高い精度でベースを位置決めできる。
また、リフターの支持面に3個のウエハーホルダを設け、基板の縁を3個のウエハーホルダで押さえるので、基板をリフターに位置決めできる。
また、リフタのリフタ垂直ガイドとベースのベース垂直ガイドとを嵌合し、上下に案内自在に嵌合させるので、リフタがベースに上下方向に移動自在に案内されるので、リフターがディスクの回転により上下すると、リフターが接触点の摩擦力により一方の回転方向に押され、リフタ垂直ガイドとベース垂直ガイドとの嵌合部のガタが一方の側へ寄せられるので、リフター上の基板が基板回転機器に乗せ換えられ材の、基板の位置だしの繰り返し精度が向上する。
また、第二の形式の回収治具を用いて基板の検査を行なうと、酸化膜のついた基板の検査が容易にでき、また、基板の表面の特定の領域のみを液滴で付着したまま走査できる。
本発明は以上に述べた実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を検査するための基板検査装置であって、
水平になった基板の下面を下方から保持面で保持して垂直な回転中心軸まわりに回転させる基板回転機器と、
基礎構造であるベースと、
前記ベースに前記回転中心軸を中心として水平方向に回転自在に支持されたディスク本体と該ディスク本体の上側の円周上の3箇所に各々固定され前記回転中心軸を中心とする一方の回転方向へ下方に傾斜した傾斜面で構成されたカム面を形成する3個のリフトカムとを有するディスクと、
上側に基板を乗せることのできる支持面を持ち前記ベースに上下方向に移動自在に案内され回転を拘束されたリフタ本体と該リフター本体の前記回転中心軸を中心とする円周上の3箇所に下側へ突起して各々固定された部材である3個のリフター従動節とを有するリフターと、
を備え、
3個の前記リフター従動節の下側が3個の前記カム面に摺動自在に各々の接触点で各々当接し、
前記接触点が前記傾斜面の上側に移動すると前記支持面が前記保持面よりも高くなり、
前記接触点が前記傾斜面の下側に移動すると前記支持面が前記保持面よりも低くなる、
ことを特徴とする基板検査装置。
【請求項2】
前記カム面が、前記傾斜面と該傾斜面の上側の端と繋がる水平面とで構成され、
前記接触点が前記傾斜面の上側から水平面に移動可能である、
ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の基板検査装置。
【請求項3】
前記ベースが、板状部材であって上面を水平にしたベース板状部材と、垂直な中心軸を持つ円筒状部材であるベース円筒状部材と、該ベース円筒状部材の中心軸を前記回転中心軸に一致させることのできるベース位置決め機構と、を有し、
前記ディスク本体が、板状部材であって下側の前記回転中心軸を中心とする円周上の3箇所を前記ベース板状部材の上面に水平方向に移動自在に支持されるディスク板状部材と、該ディスク板状部材に固定され前記ベース円筒状部の外周面の円周上の3箇所に摺動自在に各々当接した部材である3個の円周ガイドと、を持つ、
ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の基板検査装置。
【請求項4】
前記基板回転機器が、水平になった基板の下面を下方から前記保持面で保持する基板保持部材と該基板保持部材を前記回転中心軸の回りに回転自在に支持する基板保持基台とを有し、
ベース位置決め機構が、前記基板保持基台の側面と前記ベース円筒状部材の内周面とのすき間の寸法を調整する押しねじを持つ、
ことを特徴とする請求の範囲第3項に記載の基板検査装置。
【請求項5】
前記リフター本体が、板状部材であって上側に基板を乗せることのできる支持面を持つリフター板状部材と、該リフター板状部材の支持面の前記回転中心軸を中心とする円周上の3箇所に各々配されて固定される3個のウエハーホルダと、を持ち、
前記支持面に置かれた基板の縁が周囲から3個の前記ウェハーホルダに当接される、
ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の基板検査装置。
【請求項6】
前記ベースが、板状部材であって上面を水平にしたベース板状部材と、前記ベース板状部材の上側の前記回転中心軸を中心とする円周上の3箇所に各々固定され垂直な中心軸を持つ円柱部材である3個のベース垂直ガイドと、を有し、
前記リフター本体が、板状部材であって上側に基板を乗せることのできる支持面を持つリフター板状部材と、該リフター板状部材の3箇所に各々固定された垂直な中心軸を持つ円柱部材である3個のリフター垂直ガイドと、を持ち、
前記ベース垂直ガイドと前記リフター垂直ガイドとの一方が中空部をもち、他方が該中空部に嵌合し、前記リフターが前記ベースに上下方向に移動自在に案内され回転を拘束される、
ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の基板検査装置。
【請求項7】
基板を検査するために基板に液滴を付着して移動させる基板検査装置であって、
水平になった基板を保持して垂直な回転中心軸まわりに回転させる基板回転機器と、
液滴を貯留可能な内部空間を持ち軸心が上下に向いた筒状部を有する回収治具と、
前記回収治具を水平方向に移動可能な駆動機器と、
を備え、
前記筒状部が、水平に延びて前記内部空間と雰囲気の空間とを連通する溝を側部に設けられ、
前記内部空間に液滴を貯留して基板を回転する際に、前記駆動機構が前記溝に露出した液滴を基板の縁に接触する様に前記回収治具を保持可能である、
ことを特徴とする基板検査装置。
【請求項8】
基板を検査するために基板に液滴を付着して移動させる基板検査装置であって、
水平になった基板を保持して垂直な回転中心軸まわりに回転させる基板回転機器と、
液滴を貯留可能な内部空間を持ち軸心が上下に向いた筒状部を有する回収治具と、
前記回収治具を水平方向に移動可能な駆動機構と、
前記内部空間に液を貯留した際に内部空間の圧力を雰囲気の圧力よりも負圧に維持できる負圧維持手段と、
を備え、
前記筒状部が前記内部空間と雰囲気の空間とを連通する第一貫通孔を下端に設けられ、
前記内部空間に液滴を貯留して基板を回転する際に、前記駆動機構が基板の面と前記筒状部の下端との間隔を一定に保つ様に前記回収治具を保持可能である、
ことを特徴とする基板検査装置。
【請求項9】
前記筒状部の下端の第一貫通孔の縁の周囲が環状の水平面となっている、
ことを特徴とする請求の範囲第8項に記載の基板検査装置。
【請求項10】
前記筒状部が半径方向に対し同一方向に交差した軸心を持つ複数の第二貫通孔を側部に各々設けられ、
第二貫通孔が前記内部空間と側部の外側の空間とを連通する、
ことを特徴とする請求の範囲第8項に記載の基板検査装置。
【請求項11】
前記負圧維持手段が前記内部空間に連通した負圧配管を有する、
ことを特徴とする請求の範囲第8項に記載の基板検査装置。
【請求項12】
基板を検査するために基板に液滴を付着して移動させる回収治具であって、
液滴を貯留可能な内部空間を持ち軸心が上下に向いた筒状部を、
備え、
前記筒状部が水平に延びて前記内部空間と雰囲気の空間とを連通する溝を側部に設けられる、
ことを特徴とする回収治具。
【請求項13】
基板を検査するために基板に液滴を付着して移動させる回収治具であって、
液滴を貯留可能な内部空間を持ち軸心が上下に向いた筒状部と、
前記内部空間に液を貯留した際に内部空間の圧力を雰囲気の圧力よりも負圧に維持できる負圧維持手段と、
を備え、
前記筒状部が前記内部空間と雰囲気の空間とを連通する第一貫通孔を下端に設けられる、
ことを特徴とする回収治具。
【請求項14】
前記筒状部の下端の第一貫通孔の縁の周囲が環状の水平面となっている、
ことを特徴とする請求の範囲第13項に記載の回収治具。
【請求項15】
前記筒状部が半径方向に対し同一方向に交差した軸心を持つ複数の第二貫通孔を側部に各々設けられ、
第二貫通孔が前記内部空間と側部の外側の空間とを連通する、
ことを特徴とする請求の範囲第13項に記載の回収治具。
【請求項16】
前記負圧維持手段が前記内部空間に連通した負圧配管を有する、
ことを特徴とする請求の範囲第13項に記載の回収治具。
【請求項17】
基板を検査するために基板に液滴を付着して移動させる基板検査方法であって、
請求の範囲第8項に記載の前記基板検査装置を準備する基板検査装置準備工程と、
基板を前記基板回転機器にセットする基板セット工程と、
前記内部空間に溶液を滴下する溶液滴下工程と、
前記負圧維持手段が前記内部空間の圧力を雰囲気の圧力よりも負圧に維持する負圧維持工程と、
基板が回転する際に、前記駆動機器が基板の前記表面と前記筒状部の下端との間隔を一定に保つ様に前記回収治具を保持する基板走査工程と、
を備えたことを特徴とする基板検査方法。
【請求項18】
前記基板セット工程が溶液に対して親水性の性質を有する表面を持つ基板を前記基板回転機器にセットする、
ことを特徴とする請求の範囲第17項に記載の基板検査方法。

【国際公開番号】WO2005/073692
【国際公開日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【発行日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−517572(P2005−517572)
【国際出願番号】PCT/JP2005/001562
【国際出願日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【出願人】(304000412)有限会社NAS技研 (10)
【Fターム(参考)】