説明

基板洗浄装置

【課題】 液晶用ガラス基板に代表されるガラス基板等の基板を洗浄する新たな基板洗浄装置を提供しようとする。
【解決手段】
従来の本発明に係る基板洗浄装置にかわって、基板を一方の表面を上方に向けて搬送する基板支持装置と、基板の下方に位置し前記一方の表面と距離Dを隔てて上方に向いた平面を形成する平板と前記平面と基板との間に液体を貯留可能な液体貯留空間を囲う側面を形成し上端部と前記他方の表面との間に隙間を設けられた側板とを有する貯留槽と、前記平面から上方に向けて超音波を発振する超音波発振装置と、前記液体貯留空間に第1液体を供給する下部液体供給装置と、基板の一方の表面に第2液体を供給する上部液体供給装置と、を備えるものとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を洗浄する基板洗浄装置に係る。特に、基板に付着した不純物を音波振動で除去する構造に特徴のある基板洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラス基板等の基板の表面を洗浄して、表面に付着した物質を除去したい場合がある。
例えば、液晶画面の製造過程において、液晶ガラス基板を洗浄する。
液晶画面の製造歩留まりを向上させるため、表面から不純物を除去するために、基板の表面を洗浄する。
例えば、750KHz程度の超音波を乗せた洗浄水を基板表面の上部に流す方法がある。
超音波とシャワー洗浄とにより基板の表面に付着した物質を除去しようとする。
【0003】
しかし、上記の方法には以下の不具合がある。
例えば、超音波の周波数が高くなるにつれ、洗浄液に溶解した気体が泡になって発生し易くなる。大量の微小な気泡が、超音波を発振する振動板の表面から発生し、超音波の振動エネルギーを減衰させる。また、微小な気泡が、振動板の表面にびっしり付着し、振動板の表面に反射面を形成するので、振動板が、空発振状態になって、圧電素子が破損する恐れがある。この対策として、洗浄液を強く当てるように給水したり、振動板の表面に流す。この様にすると圧電素子の損傷を防ぐことが出来るが、さらに多量の微量な気泡が流水の中に発生して、超音波のエネルギーをさらに減衰させる。
【0004】
例えば、周波数を上げると、振動による衝撃力が小さくなる。繊細な洗浄対象物の表面にダメージを与えないが、洗浄力が弱くなる。除去したい異物の大きさがミクロンオーダである場合、必要な単位面積当たりに大きな除去エネルギーが必要である。したがって、洗浄対象物の表面にダメージを与えることがなく、異物を除去できる超音波の周波数を選定する必要がある。
【0005】
例えば、MHzオーダの超音波を乗せた液体をスプレー状に搬送される基板に当てる場合には、スプレーの搬送方向の幅寸法は10mm程度であるので、基板の表面がスプレーに当たる時間が短いく、十分な洗浄効果を期待できない。例えば、5台のスプレー発生装置を並べても、スプレーを受ける面の搬送方向の幅寸法が50mm程度にしかならず、やはり十分な洗浄効果を期待できない。
【0006】
【特許文献1】特開2002−159922号
【特許文献2】特開2001−198538号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は以上に述べた問題点に鑑み案出されたもので、ますます大型化する液晶用ガラス基板に代表されるガラス基板等の基板を洗浄する新たな基板洗浄装置を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る基板を洗浄する基板洗浄装置を、基板を一方の表面を上方に向けた姿勢で支持し所定の搬送方向に搬送する基板支持装置と、基板の下方に位置し前記一方の表面と距離Dを隔てて平行になり上方に向いた平面を形成する平板と前記平面と基板の他方の表面との間に液体を貯留可能な液体貯留空間を囲う側面を形成し上端部と前記他方の表面との間に互いに接触させない様に僅かの寸法をもった隙間を設けられた側板とを有する貯留槽と、前記平面から上方に向けて超音波を発振する超音波発振装置と、前記液体貯留空間に第1液体を供給する下部液体供給装置と、基板の一方の表面に第2液体を供給する上部液体供給装置と、を備え、前記下部液体供給装置が、前記液体貯留空間に駐留した第1液体が常に基板の他方の表面に接触して前記隙間から溢れ出ており、雰囲気の気体が前記隙間から前記液体貯留空間に混入しない様に、第1液体を前記液体貯留空間に供給できる、ものとした。
【0009】
上記本発明の構成により、基板支持装置が基板を一方の表面を上方に向けた姿勢で支持し所定の搬送方向に搬送し、貯留槽の平板が基板の下方に位置し前記一方の表面と距離Dを隔てて平行になり上方に向いた平面を形成し、貯留槽の側板が前記平面と基板の他方の表面との間に液体を貯留可能な液体貯留空間を囲う側面を形成し上端部と前記他方の表面との間に互いに接触させない様に僅かの寸法をもった隙間を設けられ、超音波発振装置が前記平面から上方に向けて超音波を発振し、上部液体供給装置が基板の一方の表面に第2液体を供給し、前記下部液体供給装置が、前記液体貯留空間に駐留した第1液体が常に基板の他方の表面に接触して前記隙間から溢れ出ており、雰囲気の気体が前記隙間から前記液体貯留空間に混入しない様に、第1液体を前記液体貯留空間に供給するので、前記平板から発振した超音波が、液体貯留空間に貯留された第1液体を媒体として基板の他方の表面に達し、基板を通過して基板の一方の表面に達し、基板の他方の表面と基板の一方の表面を振動させ、基板の一方の表面に付着した異物が剥がれて第2液体により流され、基板の他方の表面に付着した異物が剥がれて第1液体により流されて、基板の洗浄をすることができる。
【0010】
以下に、本発明に係る基板洗浄装置のいくつかの実施形態を説明する。本発明は、以下に記載の実施形態のいずれか、またはそれらの中の二つ以上が組合わされた態様を含む。
【0011】
さらに、本発明の実施形態に係る基板洗浄装置は、前記液体貯留空間が上下方向に沿って伸びた一定の断面形状を持った空間である。
上記実施形態の構成により、前記液体貯留空間の一定の断面が上下方向に沿って伸びるので、前記平板から発振した超音波が、側板の干渉を受けて減衰することを抑制されて、液体貯留空間に貯留された第1液体を媒体として基板に達し、基板の表面から効率良く異物を除去できる。
【0012】
さらに、本発明の実施形態に係る基板洗浄装置は、前記超音波の周波数に対応する前記第1液体の中での波長λの1/4の整数倍が前記距離Dに略一致する。
上記実施形態の構成により、前記超音波の周波数に対応する前記第1液体の中での波長λの1/4の整数倍が前記距離Dに略一致するので、前記平板から発振した超音波が、基板の一方の表面で反射した反射波と相互干渉し、より効率良く基板の一方の表面を振動させ、基板から効率良く異物を除去できる。
【0013】
さらに、本発明の実施形態に係る基板洗浄装置は、前記超音波の周波数に対応する前記第1液体の中での波長λの1/4と波長λの1/2の整数倍との和が前記距離Dに略一致する。
上記実施形態の構成により、前記超音波の周波数に対応する前記第1液体の中での波長λの1/4と波長λの1/2の整数倍との和が前記距離Dに略一致するので、前記平板から発振した超音波が、基板の一方の表面で反射した反射波と相互干渉し、より効率良く基板の一方の表面を振動させ、基板から効率良く異物を除去できる。
【0014】
さらに、本発明の実施形態に係る基板洗浄装置は、前記貯留槽が前記側板と前記平板とが接触しない様に前記側板の下端部と前記平板の平面との間に挟まれた弾性素材製の間隙部材を有する。
上記実施形態の構成により、前記側板の下端部と前記平板の平面との間に挟まれた弾性素材製の間隙部材が前記貯留槽が前記側板と前記平板とが接触しない様にするので、平板の振動が側板により拘束を受けず、所望の振動パターンを維持した超音波を前記平面から発振させることをでき、基板から効率良く異物を除去できる。
【0015】
さらに、本発明の実施形態に係る基板洗浄装置は、前記超音波発振装置が前記平板の下面に固定された振動子と該振動子を覆う気体層を囲って前記平板の縁を支持する振動子覆い構造と該振動子覆い構造を弾性体を介して支持する支持構造体とを有する。
上記実施形態の構成により、振動子が前記平板の下面に固定され、振動子覆い構造が該振動子を覆う気体層を囲って前記平板を支持し、支持構造体が該振動子覆い構造を弾性体を介して支持するので、振動エネルギーの減衰が少なく、前記振動子が所望の振動パターンを持った超音波を平面から発振させることができ、基板から効率良く異物を除去できる。
【0016】
さらに、本発明の実施形態に係る基板洗浄装置は、前記液体貯留空間が前記搬送方向に交差する方向に伸びて基板の両方の縁をはみ出た細長い形状をもち、前記側板が搬送方向に前記側面を向けて対面する前部側板と後部側板と前記搬送方向に交差する方向に側面を向けて対面する右側板と左側板とを有し、前記右側板の上端部が基板の他方の表面の位置よりも高く、前記左側板の上端部が基板の他方の表面の位置よりも高い。
上記実施形態の構成により、前記液体貯留空間が前記搬送方向に交差する方向に伸びて基板の両方の縁をはみ出た細長い形状をもち、前部側板と後部側板とが搬送方向に前記側面を向けて対面し、右側板と左側板とが前記搬送方向に交差する方向に側面を向けて対面し、前記右側板の上端部が基板の他方の表面の位置よりも高く、前記左側板の上端部が基板の他方の表面の位置よりも高いので、液体貯留空間に入った第1液体が、基板の他方の表面の両方の縁まで接触し、第1液体が隙間から搬送方向に溢れて、基板の縁を残すことなく洗浄できる。
【0017】
さらに、本発明の実施形態に係る基板洗浄装置は、前記上部液体供給装置が、基板の一方の縁から他方の縁まで連続して伸びた線状の液体または気体を上から見て基板の一方の表面の前記液体貯留空間よりも前記搬送方向の前方の位置に吹き付ける吹き付けノズルと、基板の一方の表面に第2液体を流す第2液体供給ノズルとを有する。
上記実施形態の構成により、吹き付けノズルが基板の一方の縁から他方の縁まで連続して伸びた線状の液体または気体を上から見て基板の一方の表面の前記液体貯留空間よりも前記搬送方向の前方の位置に吹き付け、第2液体供給ノズルが基板の一方の表面に第2液体を流すので、第2液体が、基板の一方の表面を搬送方向に流れて、一方の表面に吹き付けられた線状の液体または気体に遮られ、所定の厚みの液層を一方の表面に維持でき、効率よく基板を洗浄できる。
【0018】
さらに、本発明に係る基板洗浄装置は、前記第一液体が、脱気された液体である。
脱気された液体が前記液体貯留空間に満ちるので、前記第一液体に溶存した気体が泡になりにくく、前記平板から発振した超音波が少ない減衰で基板に到達するので、効率よく基板を洗浄できる。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように本発明に係る別の基板洗浄装置は、その構成により、以下の効果を有する。
基板を一方の面を上方に向けて搬送し、基板の下方に超音波を発振する平板を配置し、基板の他方の表面と平板との間を側板で囲って液体貯留空間を形成し、液体貯留空間に第1液体を供給して、第1液体を基板の他方の表面と側板の上端部との僅かな隙間からあふれ出させ、基板の一方の表面に第2液体を流す様にしたので、前記平板から発振した超音波が、液体貯留空間に貯留された第1液体を媒体として基板の他方の表面に達し、基板を通過して基板の一方の表面に達し、基板の他方の表面と基板の一方の表面を振動させ、基板の一方の表面に付着した異物が剥がれて第2液体により流され、基板の他方の表面に付着した異物が剥がれて第1液体により流されて、基板の洗浄をすることができる。
また、前記液体貯留空間の一定の断面が上下方向に沿って伸びるので、前記平板から発振した超音波が、側板の干渉を受けて減衰することを抑制されて、液体貯留空間に貯留された第1液体を媒体として基板に達し、基板の表面から効率良く異物を除去できる。
また、前記周波数に対応する前記第1液体の中での波長λの1/4の整数倍が前記距離Dに略一致するので、前記平板から発振した超音波が、基板の一方の表面で反射した反射波と相互干渉し、より効率良く基板の一方の表面を振動させ、基板から効率良く異物を除去できる。
また、前記周波数に対応する前記液体の中での波長λの1/4と波長λの1/2の整数倍の和が前記距離Dに略一致するので、前記平板から発振した超音波が、基板の一方の表面で反射した反射波と相互干渉し、より効率良く基板の一方の表面を振動させ、基板から効率良く異物を除去できる。
また、前記側板の下端部と前記平板の平面との間に挟まれた弾性素材製の間隙部材が前記貯留槽の前記側板と前記平板とを接触しない様にするので、平板の振動が側板により拘束を受けず、所望の振動パターンを維持した超音波を前記平面から発振させることをでき、基板から効率良く異物を除去できる。
また、振動子を前記平板の下面に固定し、振動子覆い構造が該振動子を覆う気体層を囲って前記平板の縁を支持し、支持構造体が該振動子覆い構造を弾性体を介して支持するので、前記振動子が所望の振動パターンを持った超音波を平面から発振させることができ、基板から効率良く異物を除去できる。
また、前記液体貯留空間が前記搬送方向に交差する方向に基板の両方の縁をはみ出て細長い形状をもち、前部側板と後部側板とが搬送方向に前記側面を向けて対面し、右側板と左側板とが前記搬送方向に交差する方向に側面を向けて対面し、前記右側板の上端部が基板の他方の表面の位置よりも高く、前記左側板の上端部が基板の他方の表面の位置よりも高いので、前記液体貯留空間に入った第1液体が、基板の他方の表面に両方の縁まで接触し、第1液体が隙間から搬送方向に溢れて、基板の縁を残すことなく洗浄できる。
また、基板の一方の縁から他方の縁まで連続して伸びた線状の液体または気体を上から見て基板の一方の表面の前記液体貯留空間よりも前記搬送方向の前方の位置に吹き付け、
基板の一方の表面に第2液体を流すので、第2液体が、基板の一方の表面を搬送方向に流れて、一方の表面に吹き付けられた線状の液体または気体に遮られ、所定の厚みの液層を一方の表面に維持でき、効率よく基板を洗浄できる。
第一液体に脱気した液体を用いるので、基板を効率良く洗浄できる。
従って、ガラス基板等の基板を洗浄する新たな基板洗浄装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施形態に係る基板洗浄ラインの全体図である。図2は、本発明の実施形態に係る基板洗浄装置の側面断面図である。図3は、本発明の実施形態に係る基板洗浄装置のライン系統図である。図4は、本発明の実施形態に係る基板洗浄装置の正面図である。図5は、本発明の実施形態に係る基板洗浄装置の平面図である。図6は、本発明の実施形態に係る基板洗浄装置の作用図である。
【0022】
基板洗浄装置104は、基板を洗浄する装置である。
最初に、基板洗浄装置104を組み込まれた基板洗浄ライン100の一例を説明する。
基板洗浄ライン100は、全体受け槽101とブラシ洗浄装置102と超音波シャワー装置103と基板洗浄装置104と純水シャワー装置105とで構成される。
ブラシ洗浄装置102と超音波シャワー装置103と基板洗浄装置104と純水シャワー装置105とが、搬送方向に順に並ぶ。
基板10が、全体受け槽101の上方を搬送方向に搬送される。
基板10は、ブラシ洗浄装置102と超音波シャワー装置103と基板洗浄装置104と純水シャワー装置105とを順にくぐり、洗浄される。
ブラシ洗浄装置102は、ブラシにより基板の表面を洗浄する装置である。
超音波シャワー装置103は、MHzレベルの超音波を乗せた洗浄水で基板の表面を洗浄する装置である。
純水シャワー装置105は、純水を基板の表面にかけて、基板の表面を洗浄する装置である。
【0023】
基板洗浄装置104は、基板支持装置30と貯留槽40と超音波発振装置50と下部液体供給装置60と上部液体供給装置70とで構成される。
【0024】
基板支持装置30は、基板10を一方の表面11を上方に向けた姿勢を維持して支持し所定の搬送方向に搬送する装置である。
例えば、基板支持装置30は、搬送ローラ31と案内ローラ32と駆動機構(図示せず)で構成される。
搬送ローラ31は、水平にした回転軸をもち、円周の上部の位置を所定の水平位置に揃えた複数の円盤状部材である。搬送ローラ31は、駆動機構(図示せず)により回転する。基板10の他方の表面12が、搬送ローラの上部に接する。
案内ローラ32は、垂直にした回転軸をもち、搬送方向の直交する向きに所定の間隔を隔てて搬送方向に並んだ複数の円盤状部材である。所定の間隔は、基板10の幅寸法に一致している。案内ローラ32の円周部が、基板10の幅方向の側面に接する。
駆動機構が搬送ローラ31を回転させると、基板10の側部が案内ローラ32に案内され、基板10が搬送方向に移動する。
【0025】
貯留槽40は、第1液体21を基板10の他方の表面12に接する状態で貯留可能な槽であり、平板41と側板42と間隙部材45とで構成される。
平板41は、基板10の下方に位置し一方の表面11と距離Dを隔てて平行になり上方に向いた平面43を形成する部材でできている。
例えば、平板41は、搬送方向に交差する方向に長い四辺形の一定の厚みの金属製または樹脂製の板材である。
複数のスタッドボルト46が、平板41の下面の所定の位置に溶接されている。
例えば、複数のスタッドボルトが後述する振動子51の上部直径の数値よりも僅かに大きなピッチ距離で千鳥状に配置される。
【0026】
側板42は、平面43と基板10の他方の表面12との間に液体を貯留可能な液体貯留空間Hを囲う側面44を形成し、上端部と他方の表面12との間に互いに接触させない様に僅かの寸法をもった隙間Gを設けられた部材である。
例えば、僅かの寸法は、1〜2mmである。
間隔Gは、側板42の上端部と搬送ローラ31の円周の上部との垂直距離に一致する。
液体貯留空間Hは、上下方向に沿って伸びた一定の断面形状を持った空間であってもより。
例えば、側板42は、断面がL字状の金属製または樹脂製の長手部材である。L字状の上部の壁面が側面44を形成する。L字状の下部は取付のためのフランジを形成する。
液体貯留空間Hは、搬送方向に交差する方向に伸びて基板10の両方の縁をはみ出た細長い形状をもっていてもよい。
例えば、側板42が前部側板42aと後部側板42bと右側板42cと左側板42dとで構成される。
前部側板42aと後部側板42bとが、搬送方向に側面44を向けて対面するL字状の長手部材である。
右側板42cと左側板42dとが、搬送方向に交差する方向に側面44を向けて対面するL字状の長手部材である。
前部側板42aと後部側板42bと右側板42cと左側板42dとが、互いの端部を繋いで液体貯留空間Hを囲う。
右側板42cの上端部が基板の他方の表面の位置よりも高く、左側板42dの上端部が基板の他方の表面の位置よりも高くてもよい。
【0027】
間隙部材45は、側板42と平板41とが接触しない様に、側板42の下端部と平板42の周囲との間に挟まれた弾性素材製の部材であり。
例えば、間隙部材45は、所定の厚みを持った樹脂製の板材である。例えば、間隙部材45は、5mmの厚みをもったゴム板である。
ゴム板が、平板41の周囲とL字状の側板42の下部に挟まれる。
【0028】
超音波発振装置50は、平面43から上方に向けて超音波を発振する装置である。
例えば、超音波発振装置50は、振動子51と振動子覆い構造52と支持構造体53と弾性体54とで構成される。
振動子51は、平板41の下面に固定される。例えば、振動子51は、円板状のピエゾ素子をヘッドとバックアップリングとの間に挟みこんだ構造をしている。振動子51は、ピエゾ素子に電圧を印加できる端子を備える。
雌ねじがヘッドに設けられる。雌ねじが、平板41のスタッドボルト46にねじ込まれる。
例えば、端子に所定の周波数をもった交番電圧を印加すると、ヘッドと平板とが所定の周波数で振動する。
【0029】
振動子覆い構造52は、振動子51を覆う気体層を囲って平板41の縁を支持する構造体である。
例えば、振動子覆い構造52は、複数の振動子51の周囲を囲うように設けられた薄板と下部を覆う薄板でできた構造である。
周囲を囲うように設けられた薄板は、上から見て、貯留槽40の側板42の輪郭形状と同寸法の輪郭形状をもっていてもよい。
【0030】
支持構造体53は、振動子覆い構造52を弾性体54を介して支持する構造体である。
例えば、支持構造袋53は、振動子覆い構造52を上下方向に支持する支持棒と搬送方向に支持する支持棒と搬送方向に交差する方向に支持する支持棒とで構成される。
各支持棒は、後述する液体受け槽80の内壁に弾性体54を介して接触する。
例えば、弾性体54は、ゴム製のブロックである。
この様にすると、端子にKHzオーダの交番電圧を印加すると、振動子がKHzオーダの周波数で振動し、その振動エネルギーのほとんどが音波となる。その音波は、平板41を通して液体貯留空間Hに貯留した第2液体を通過して上方へ放射される。
【0031】
下部液体供給装置60は、液体貯留空間Hに第1液体21を供給する装置である。
下部液体供給装置60は、液体貯留空間Hに駐留した第1液体21が常に基板10の他方の表面12に接触して隙間Gから溢れ出ており、雰囲気の気体が隙間Gから液体貯留空間Hに混入しない様に、第1液体を液体貯留空間Hに供給できる。
例えば、下部液体供給装置60は、第1液体供給ノズル61と第1液体ライン62と開閉弁63と電磁開閉弁64とで構成される。
第1液体供給ノズル61は、貯留槽40に設けられ、外部から液体貯留空間Hへ第1液体を供給できるノズルである。
例えば、第1液体供給ノズル61は、側板42の下部に空けられた複数の貫通穴である。複数の貫通穴が、前部側板または後部側板であるL字状の長手部材の角部に長手方向に沿って所定のピッチで設けられる。
第1液体ライン62は、第1液体供給ノズル61と後述する脱気ライン91とを連通する配管である。
開閉弁63は、第1液体ライン62の途中に設けられた開度を調製できる弁である。
電磁開閉弁64は、第1液体ライン62の途中に設けられた電気信号で開閉動作をする弁である。
予め開閉弁63の開度を所望の程度に調節しておき、電磁開閉弁64を開くと、脱気ライン91の液体が、第1液体ライン62を通り、第1液体供給ノズル61から液体貯留空間Hに流れ込む。
【0032】
上部液体供給装置70は、基板の一方の表面に第2液体を供給する装置である。
例えば、上部液体供給装置70は、吹き付けノズル71と第2液体供給ノズル72と気体ライン73と開閉弁74とエアーバルブ75と第2液体ライン76と開閉弁77と電磁開閉弁78とで構成される。
吹き付けノズル71は、前部吹き付けノズル71fと後部吹き付けノズル71rとで構成される。
前部吹き付けノズル71fは、基板10の一方の縁から他方の縁まで連続して伸びた線状の液体または気体を上から見て基板10の一方の表面11の液体貯留空間Hよりも搬送方向の前方の位置に吹き付けるノズルである。
液体は、第2液体であっても純水であってもよい。
前部吹き付けノズル71fは、搬送方向の直交するラインに対して所定の角度をもった線状の液体または気体を吹き付けるノズルであってもよい。
【0033】
後部吹き付けノズル71rは、基板10の一方の縁から他方の縁まで連続して伸びた線状の第2液体または気体を上から見て基板10の一方の表面11の液体貯留空間Hよりも搬送方向の後方の位置に吹き付けるノズルである。
ここでは、吹き付けノズル71は、清浄気体を吹き付けるものであるとして、説明する。
【0034】
気体ライン73は、清浄気体源と前部吹き付けノズル71fとを連通する前部気体ラインと清浄気体源と後部吹き付けノズル71rとを連通する後部気体ラインとで構成される。
開閉弁74は、気体ライン73の途中に設けられた開度を調製できる弁である。
エアーバルブ75は、気体ライン73の途中に設けられた電気信号で開閉動作をする弁である。
予め開閉弁74の開度を所望の程度に調節しておき、エアーバルブ75を開くと、清浄気体が、気体ライン73を通り、前部吹き付けノズル71fと後部吹き付けノズル71rから基板10の一方の表面11に吹きつけられる。
【0035】
第2液体供給ノズル72は、基板10の一方の表面11に第2液体22を流すノズルである。第2液体供給ノズル72は、上からみて基板10の一方の表面11の液体貯留空間Hのある位置に第2液体22を供給する。
第2液体ライン76は、後述する脱気装置90の脱気ライン91と第2液体供給ノズル72とを連通する配管である。
開閉弁77は、第2液体ライン76の途中の設けられた開度を調製できる弁である。
電磁開閉弁78は、第2液体ライン76の途中に設けられた電気信号で開閉動作をする弁である。
予め開閉弁77の開度を所望の程度に調節しておき、電磁開閉弁78を開くと、脱気ライン91の液体が、第2液体ライン76を通り、第2液体供給ノズル72から基板10の一方の表面11に流れる。
第2液体22は、第2液体供給ノズル72から基板10の一方の表面11に流れ、前部吹き付けノズル71fの吹き付ける気体と後部吹き付けノズル71rの吹き付ける気体とに挟まれる。
【0036】
液体受け槽80は、貯留槽40と基板10の他方の表面12との隙間Gから溢れ出た第1液体21を受ける槽である。
例えば、液体受け槽80は、貯留槽40の下方に位置する開口をもち下方にすぼまった薄板構造の容器81である。液体受け槽80に溜まった第2液体は、下部に設けられた液体出口82から排出できる。
【0037】
脱気装置90は、液体を脱気し清浄化する装置である。
例えば、脱気装置90は、脱気ライン91と電磁開閉弁92と開閉弁93と真空脱気筒94とストレーナ95とポンプ96と逆止弁97と圧力警報器98とフィルタ99とで構成される。
脱気ライン91は、液体出口82と第1液体ライン62および第2液体ライン76とを連通する配管である。
電磁開閉弁92と開閉弁93と真空脱気筒94とストレーナ95とポンプ96と逆止弁97と圧力警報器98とフィルタ99とが、脱気ライン91の途中に設けられる。
電磁開閉弁92は、電気信号で開閉動作をする弁である。
開閉弁93は、開度を調製できる弁である。
真空脱気筒94は、液体を内部に溜めて上部を真空ラインに連通する筒状体である。
ストレーナ95は、液体の異物を除去する配管要素である。
ポンプ96は、真空脱気筒94の液体を昇圧して脱気ライン91に流す機械要素である。
逆止弁97は、脱気ライン91の液体の逆流を防止する配管要素である。
圧力警報器98は、脱気ライン91の圧力を検知し、設定された圧力になると警報信号を出力する機器である。
フィルタ99は、脱気ライン91を通る液体の異物を濾す配管要素である。
【0038】
液体受け槽80に溜まった液体は、液体出口82からでて所定の流量に調節され、真空脱気筒94に入る、液体は、真空脱気筒84のなかで負圧になるので、液体に溶けた気体が泡状になり取り除かれる。
脱気された液体は、ポンプ96により昇圧され、フィルタ99を通過した後、下部液体供給装置60と上部液体供給装置70とへ送られる。
【0039】
次に、本発明の実施形態に係る基板洗浄装置104の作用を、図を基に、説明する。
図6は、本発明の実施形態に係る基板洗浄装置の作用図であり、基板10が基板洗浄装置104を通過する状態を示している。
下部液体供給装置60が、貯留槽40の液体貯留空間Hに第1液体21を供給する。
第1液体21が、液体貯留空間Hに溜まり、側板42の上端部から搬送方向に沿って前後方向に溢れ出る。
基板10が、基板支持装置30に支持されて搬送方向に移動する。
基板10は、側部を案内ローラ32に案内されて、搬送ローラ31により搬送方向に移動する。
基板10の他方の表面12が、貯留槽40の上に位置する。
液体貯留空間Hに溜まった第1液体21が、基板10の他方の表面12に接触し、他方の表面12と側板42の上端部との隙間Gから溢れ出る。
下部液体供給装置60が、第1液体を液体貯留空間Hに連続的に供給するので、雰囲気の気体が液体貯留空間Hに混入することなく、液体貯留空間Hは第1液体21で充満される。
【0040】
振動子51の端子に所定の周波数の交番電圧を印加する。
振動子51が所定の周波数で振動して、平板41が所定の周波数で振動する。
所定の周波数の音波が液体貯留空間Hに放射され、第1液体21を媒体として基板10を所定の周波数で揺する。
基板10の一方の表面11と他方の表面12に付着した異物が除去される。
所定の周波数が5KHz以上で500KHz以下であってもよい。
この様な周波数であると、第一液体21に溶存した気体が気泡になりにくい。従って、第一液体21を媒体とする超音波の減衰が少なく、平板から基板に効率良く伝搬する。
所定の周波数が20KHzであってもよい。
この様な周波数であると、特に第一液体21に溶存した気体が気泡になりにくい。従って、特に第一液体21を媒体とする超音波の減衰が少なく、平板から基板に効率良く伝搬する。
この周波数に対応する第1液体の中での波長λの1/4の整数倍が前記距離Dに略一致する様にしてもよい。
式に表すと、以下の様になる。
D=1/4λ×n
この様にすると、基板10の一方の表面11で振動の振幅が大きくなり、一方の表面11に付着した異物の除去が容易になる。
また、超音波の周波数が5KHz以上で500KHz以下であり、この周波数に対応する第1液体の中での波長λの1/4と波長λの1/2の整数倍の和が前記距離Dに略一致する様にしてもよい。
式に表すと、以下の様になる。
D=1/4λ+1/4λ×n
この様にすると、基板10の一方の表面11で特に振動の振幅が大きくなり、一方の表面11に付着した異物の除去がさらに容易になる。
【0041】
上部液体供給装置70が、基板10の一方の表面11に第2液体22を供給する。
基板10の一方の表面11から浮いた異物が第2液体22に流される。
第2液体22が、2液体供給ノズル72から基板の10の一方の表面11に流される。第2液体22が、前部吹き付けノズル71fと後部吹き付けノズル71rとの吹き付ける気体23に押されて、基板10の一方の表面11の上に所定の厚みで溜まり、搬送方向に移動する。
第2液体22は、前部吹き付けノズル71fの吹き付ける気体23に案内されて、基板10の縁へ移動する。第2液体22は、基板10の一方の表面11から落ちて、全体受け槽101へ受けられる。
【0042】
第1液体21と一部の第2液体22は、液体受け槽80に溜まる。
液体は、液体出口82から電磁開閉弁92と開閉弁93とを通過して真空脱気筒94に入る。液体中に溶けた気体が泡になり真空配管に引っ張られる。
脱気した液体は、開閉弁93とストレーナ95を通過してポンプ96に入る。
液体は、ポンプ96で昇圧されて、逆止弁97を通ってフィルタ99へ入り、異物を濾される。
その後、液体は下部液体供給装置60または上部液体供給装置70へ送られる。
【0043】
上述の実施形態に係る基板処理装置と基板処理方法とを用いれば、以下の効果を発揮する。
基板10を一方の表面11を上に向けた姿勢を維持して搬送し、平板41で下部を閉じた貯留槽40に溜めた液体21を基板の他方の表面12に接触させ、液体21を連続的に貯留槽40に供給して、他方の表面12と貯留槽40との隙間から溢れる様にしたので、雰囲気の気体が駐留槽40に混入することがなく、平板41の表面43から超音波を放射したので、基板10が振動して、基板10の表面に付着した異物を除去できる。
また、基板10の表面と平板41の平面43とを距離Dだけ隔てて平行にしたので、平面43から照射された振動が効率良く基板10に伝わり、基板10を揺することができる。
また、基板10の一方の表面11に液体22を流したので、一方の表面11から除去された異物を流すことが出来る。
また、液体駐留空間Hに溜まった第2液体が隙間Gから溢れる様にしたので、他方の表面から除去された異物も流すことが出来る。
また、超音波の周波数を5KHz以上で500KHz以下としたので、液体を伝搬する哉の減衰が少なく、効率良く基板10を振動させることができる。
また、周波数に対応する液体の中での波長λの1/4の整数倍が距離Dに略一致する様にしたので、基板10の一方の表面での振動の振幅が大きく、異物の除去を効率良くおこなうことができる。
また、周波数に対応する液体の中での波長λの1/4と波長λの1/2の整数倍の和が距離Dに略一致する様にしたので、基板10の一方の表面での振動の振幅が大きく、異物の除去を効率良くおこなうことができる。
また、貯留槽40を液体貯留空間Hを囲う側板42と間隙部材45と液体貯留空間の底面となる平板41とで構成し、所定の厚みをもった弾性素材製の間隙部材45を側板42と平板41との間に挟んんだので、側板42が振動せず、液体駐留空間Hにたまった液体を媒体として伝搬する超音波の振動エネルギーが減衰しにくくなる。
また、振動子覆い構造52で平板41に固定された振動子51を覆う空気層を囲ったので、振動子51の発生する振動の振動エネルギーの大部分が平板41の平面43から貯留層40にい溜まった液体の中に放射され、基板10を効率良く振動させることができる。
また、振動子覆い構造52を弾性体54を介して支持する様にしたので、振動子51の発生する振動の振動エネルギーが支持構造53を伝って外部へ流れず、振動子51の発生した振動エネルギーのほとんどを平板41を振動させることに消費することが出来る。
また、液体駐留空間Hを基板10の搬送方向に交差する方向の長さよりも広くし、液体駐留空間Hを囲う側面のうち搬送方向に交差する方向に向く側面44を形成する側板42の高さを基板10の他方の表面12よりも高くしたので、駐留槽40に溜まった液体が基板10の一方の縁から他方の縁まで接触し、搬送方向に沿って前後方向に溢れて、搬送される基板10の表面を全てを洗浄できる。
また、基板10の一方の表面11の搬送方向の前方の位置と後方の位置とに基板10の一方の縁から他方の縁までのびる線状の気体を吹き付け、その間に液体を流すので、上から見て基板10の一方の表面11の液体駐留空間の上方の位置を集中的に洗浄できる。
【0044】
本発明は以上に述べた実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。
基板の一方の縁から他方の縁まで連続して伸びた線状の気体を基板の一方の表面の上から見て液体貯留空間よりも搬送方向の前方の位置に吹き付ける吹き付けノズルを設ける例で説明したがこれに限定されず、例えば線状の液体を吹き付ける吹き付けノズルを設けてもよい。
また、吹き付けノズルを前部吹き付けノズルと後部吹き付けノズルとで構成される例で説明したが、これに減退されず、例えエが、前部吹き付けノズルのみを設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施形態に係る基板洗浄ラインの全体図である。
【図2】本発明の実施形態に係る基板洗浄装置の側面断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る基板洗浄装置のライン系統図である。
【図4】本発明の実施形態に係る基板洗浄装置の正面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る基板洗浄装置の平面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る基板洗浄装置の作用図である。
【符号の説明】
【0046】
10 基板
11 一方の表面
12 他方の表面
21 第1液体
22 第2液体
23 気体
30 基板支持装置
31 搬送ローラ
32 案内ローラ
40 貯留槽
41 平板
42 側板
42a 前部側板
42b 後部側板
42c 右側板
42d 左側板
43 平面
44 側面
45 間隙部材
46 スタッドボルト
50 超音波発振装置
51 振動子
52 振動子覆い構造
53 支持構造体
54 弾性体
60 下部液体供給装置
61 第1液体供給ノズル
62 第1液体ライン
63 開閉弁
64 電磁開閉弁
70 上部液体供給装置
71 吹き付けノズル
71f 前部吹き付けノズル
71f 後部吹き付けノズル
72 第2液体供給ノズル
73 気体ライン
74 開閉弁
75 エアーバルブ
76 第2液体ライン
77 開閉弁
78 電磁開閉弁
80 液体受け槽
81 容器
82 液体出口
90 脱気装置
91 脱気ライン
92 電磁開閉弁
93 開閉弁
94 真空脱気筒
95 ストレーナ
96 ポンプ
97 逆止弁
98 圧力警報器
99 フィルタ
100 基板洗浄ライン
101 全体受け槽
102 ブラシ洗浄装置
103 超音波シャワー装置
104 基板洗浄装置
105 純水シャワー装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を洗浄する基板洗浄装置であって、
基板を一方の表面を上方に向けた姿勢で支持し所定の搬送方向に搬送する基板支持装置と、
基板の下方に位置し前記一方の表面と距離Dを隔てて平行になり上方に向いた平面を形成する平板と前記平面と基板の他方の表面との間に液体を貯留可能な液体貯留空間を囲う側面を形成し上端部と前記他方の表面との間に互いに接触させない様に僅かの寸法をもった隙間を設けられた側板とを有する貯留槽と、
前記平面から上方に向けて超音波を発振する超音波発振装置と、
前記液体貯留空間に第1液体を供給する下部液体供給装置と、
基板の一方の表面に第2液体を供給する上部液体供給装置と、
を備え、
前記下部液体供給装置が、前記液体貯留空間に駐留した第1液体が常に基板の他方の表面に接触して前記隙間から溢れ出ており、雰囲気の気体が前記隙間から前記液体貯留空間に混入しない様に、第1液体を前記液体貯留空間に供給できる、
ことを特徴とする基板洗浄装置。
【請求項2】
前記液体貯留空間が上下方向に沿って伸びた一定の断面形状を持った空間である、
ことを特徴とする請求項1に記載の基板洗浄装置。
【請求項3】
前記超音波の周波数に対応する前記第1液体の中での波長λの1/4の整数倍が前記距離Dに略一致する、
ことを特徴とする請求項1に記載の基板洗浄装置。
【請求項4】
前記超音波の周波数に対応する前記第1液体の中での波長λの1/4と波長λの1/2の整数倍との和が前記距離Dに略一致する、
ことを特徴とする請求項1に記載の基板洗浄装置。
【請求項5】
前記貯留槽が前記側板と前記平板とが接触しない様に前記側板の下端部と前記平板の平面との間に挟まれた弾性素材製の間隙部材を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の基板洗浄装置。
【請求項6】
前記超音波発振装置が前記平板の下面に固定された振動子と該振動子を覆う気体層を囲って前記平板の縁を支持する振動子覆い構造と該振動子覆い構造を弾性体を介して支持する支持構造体とを有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の基板洗浄装置。
【請求項7】
前記液体貯留空間が前記搬送方向に交差する方向に伸びて基板の両方の縁をはみ出た細長い形状をもち、
前記側板が搬送方向に前記側面を向けて対面する前部側板と後部側板と前記搬送方向に交差する方向に側面を向けて対面する右側板と左側板とを有し、
前記右側板の上端部が基板の他方の表面の位置よりも高く、
前記左側板の上端部が基板の他方の表面の位置よりも高い、
ことを特徴とする請求項1に記載の基板洗浄装置。
【請求項8】
前記上部液体供給装置が、基板の一方の縁から他方の縁まで連続して伸びた線状の液体または気体を上から見て基板の一方の表面の前記液体貯留空間よりも前記搬送方向の前方の位置に吹き付ける吹き付けノズルと、基板の一方の表面に第2液体を流す第2液体供給ノズルとを有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の基板洗浄装置。
【請求項9】
前記第一液体が、脱気された液体である、
ことを特徴とする請求項1に記載の基板洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−198525(P2006−198525A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−13011(P2005−13011)
【出願日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(598071334)株式会社スター・クラスター (5)
【Fターム(参考)】