基板ID読み取り機構及びそれを用いた基板搬送装置、並びに基板ID読み取り方法
【課題】基板位置や基板表面の状態によらず、基板IDを迅速かつ正確に読み取ることができるアライナ装置を提供する。
【解決手段】基板の表面に設けられた基板IDを読み取る基板ID読み取り装置と、基板搬送時における基板の偏心量を計測し基板のアライメントを行うアライナとを備え、基板の偏心量を計測しアライメントを行う際に、基板IDを読み取る基板ID読み取り機構において、基板ID読み取り装置は、基板の偏心量に基づいて基板IDの位置を算出し、その算出した基板IDの位置に基づいて予め設定された複数のID読み取り条件の中から基板IDを読み取り可能な条件を抽出し、その抽出した基板ID読み取り可能条件を用いて基板IDを読み取る構成とした。
【解決手段】基板の表面に設けられた基板IDを読み取る基板ID読み取り装置と、基板搬送時における基板の偏心量を計測し基板のアライメントを行うアライナとを備え、基板の偏心量を計測しアライメントを行う際に、基板IDを読み取る基板ID読み取り機構において、基板ID読み取り装置は、基板の偏心量に基づいて基板IDの位置を算出し、その算出した基板IDの位置に基づいて予め設定された複数のID読み取り条件の中から基板IDを読み取り可能な条件を抽出し、その抽出した基板ID読み取り可能条件を用いて基板IDを読み取る構成とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体プロセスの基板搬送時に、基板に形成されている識別情報(基板ID)を読み取る読み取り機構及びそれを備えた基板搬送装置、並びに基板ID読み取り方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程の製造対象である基板の表面または裏面には、基板を特定するための基板識別情報(以下、「基板ID」と称する)が書き込まれている。基板IDは、SEMI(国際半導体装置材料協会)規格によって、英数文字や2次元データマトリクスコードなどのIDマークの種類、IDマークの種類ごとの基板上でのIDの位置、IDマークの大きさが定められており、半導体製造工程における各種処理の内容などを識別するために使用されている。半導体製造装置に基板を搬入する際、基板搬送装置が具備する基板搬送ロボットやアライメント装置上で、基板IDの読み取りが行われる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
基板IDは、基板の製造過程によって表面状態などが異なるため、基板ID読み取り装置での基板ID読み取り条件も常に一定ではない。このため、基板読み取り装置に基板IDの読み取り条件を複数設定し、複数の読み取り条件を順次適用することで、様々な基板IDの読み取りを可能としている。
【0004】
複数の読み取り条件を順次適用する基板ID読み取り方法では、複数の読み取り条件をどの順番で適用するかによって、基板IDの読み取り時間が変わってくる。このため、複数の読み取り条件に予め優先順位を付けて設定しておくか、もしくは、直前に適用した読み取り条件を優先的に使用することによって、基板IDの読み取り時間を短縮する基板IDの読み取り方法がある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−300609号公報
【特許文献2】特開2004−214250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、予め設定された優先順位の条件もしくは直前の条件を用いた基板ID読み取り方法では、現在の基板の位置や基板表面の状態によっては、必ずしも優先順位の高い読み取り条件が当てはまるとは限らず、最も優先順位の低いものであった場合、基板IDの読み取り時間が長くなり、装置全体としてのスループットの低下が危惧される。
【0007】
本発明の目的は、上記課題を解決すべく、基板の位置や基板表面の状態によらず、基板IDを迅速にかつ正確に読み取ることができる基板ID読み取り機構及びそれを用いた基板搬送装置並びに基板ID読み取り方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成すべく本発明に係る基板IDの読み取り機構は、基板の表面に設けられた基板IDを読み取る基板ID読み取り装置と、基板搬送時における前記基板の偏心量を計測し、基板の位置や向きを補正するアライナとを備え、基板の偏心量を計測、補正する際に、前記基板IDを読み取る基板ID読み取り機構において、前記基板ID読み取り装置は、前記基板の偏心量に基づいて前記基板IDの位置を算出し、その算出した基板IDの位置に基づいて予め設定された複数のID読み取り条件の中から基板IDを読み取り可能な条件を抽出し、その抽出した基板ID読み取り可能条件を用いて前記基板IDを読み取る構成としたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る基板搬送装置は、基板の搬送先或いは搬送元に取り付けられる筐体と、その筐体に設けられ基板を収納する容器と、前記容器内の基板を搬送先に供給するまたは前記搬送元の基板を前記容器に回収する基板搬送ロボットと、搬送される基板の位置及び向きを補正するアライナを備えた基板搬送装置において、アライナには、基板に設けられた基板IDを読み取る基板ID読み取り装置が取り付けられ、アライナ及び基板ID読み取り装置は、上記の基板ID読み取り機構を構成することを特徴とする。
【0010】
本発明に係る基板IDの読み取り方法は、基板搬送時における基板の偏心量を計測し、基板の位置や向きを補正する際に、前記基板の表面に設けられた基板IDを読み取る基板ID読み取り方法において、前記基板の偏心量に基づいて前記基板IDの位置を算出し、その算出した基板IDの位置に基づいて予め設定した複数のID読み取り条件の中から基板IDを読み取り可能な条件を抽出し、その抽出した基板ID読み取り可能条件を用いて前記基板IDを読み取ることを特徴とする。
【0011】
特に、抽出した読み取り可能条件に優先順位を付し、優先順位の高い順番の条件でID読み取りを行う手法とする。また、複数の読み取り条件を一つの読み取り条件群として、レシピ情報ごとに読み取り条件を予め登録しておき、レシピ情報によって読み取り条件を切り替えてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、基板位置や基板表面の状態によらず、基板IDを迅速かつ正確に読み取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1A】アライナの構成を示す概略側面図である。
【図1B】図1Aの1B−1B線矢視図である。
【図2】基板搬送装置の構成を示す概略平面図である。
【図3】制御コントローラのハードウェア構成及び他の装置との接続関係を示すブロック図である。
【図4】基板ID読み取り装置の画面を示す図である。
【図5】基板ID読み取り装置の読み取り条件設定のフローチャートである。
【図6】第1の実施形態の基板ID読み取り装置を用いた基板IDの読み取り方法を説明するためのフローチャートである。
【図7】図6のフローチャートにおける基板IDの読み取り条件取得のステップを説明するためのフローチャートである。
【図8】基板の位置合わせ後の基板ID読み取り装置の画面の一例を示す図である。
【図9】基板の位置合わせ後の基板ID読み取り装置の画面の他の例を示す図である。
【図10】図6のフローチャートにおける基板IDの読み取り条件検索のステップを説明するためのフローチャートである。
【図11】図10のフローチャートにおける基板ID読み取り条件の優先順位付けのステップを説明するためのフローチャートである。
【図12】基板ID読み取り条件の優先順位付けを説明するための模式図である。
【図13】図6のフローチャートにおける基板IDの読み取り実施ステップの詳細を説明するためのフローチャートである。
【図14】上位装置の基板ID読み取り結果表示画面を示す図である。
【図15】レシピ情報毎にグループ化された複数の基板ID読み取り条件の概念図である。
【図16】第2の実施形態の基板ID読み取り方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0015】
[第1の実施形態]
本実施形態の基板ID読み取り機構は、半導体製造装置や半導体検査装置等の上位装置へ基板を搬送する基板搬送装置内に搭載される。まず、基板搬送装置について説明する。
【0016】
図2は、基板搬送装置の構成を示す概略平面図である。図2に示すように、基板搬送装置は、上位装置106に接続される筐体108と、筐体108内へ供給される基板Wをクリーンな状態で収納する基板収納容器(FOUP)105と、筐体108内に設けられ基板Wのプリアライメントを行うプリアライナ102と、筐体内108に移動可能に設けられ基板収納容器105、プリアライナ102及び上位装置106間で基板Wの搬送を行う基板搬送ロボット103とを備える。プリアライナ102には、基板Wに形成された基板IDを読み取る基板ID読み取り装置101が取り付けられる。プリアライナ102と基板ID読み取り装置101とで基板ID読み取り機構100を構成する。基板搬送装置は、基板搬送ロボット103、プリアライナ102、基板ID読み取り装置101の制御、及び上位装置106との通信を行う制御コントローラ104を備える。
【0017】
図1Aは、基板ID読み取り装置が取り付けられたプリアライナの構成を示す側面図であり、図1Bは、図1Aの1B−1B線矢視図(一部透明)である。
【0018】
図1A及び図1Bに示すように、プリアライナ102は、プリアライナ本体109と、基板Wを保持し回転させるチャック107と、回転する基板Wの端部に光を照射し、その光の検出結果から基板Wのノッチ位置(基板Wの向き)及び偏心量(基板Wの位置)を計測するラインセンサ108とを備える。プリアライナ本体109は、チャック107を回転させる回転機構や、回転機構やラインセンサ108の駆動回路等が設けられている。なお、本実施形態では、基板搬送装置内で、基板の向きや偏心量を計測し、位置や向きの補正を行うアライナを、上位装置106が備えるアライナ(図示せず)と区別するために、プリアライナと称している。
【0019】
プリアライナ本体109の側面には、基板ID読み取り装置101が設けられる。基板ID読み取り装置101は、基板Wの基板IDを撮像する撮像手段、撮像範囲を照射する照明、基板IDを識別する識別手段とを備える(いずれも図示せず)。本実施形態では、基板IDは基板の裏面(図1A下側)かつ基板Wの縁の近くに形成されており、基板ID読み取り装置101は、撮像手段が基板Wの裏面かつ縁近傍の基板IDを撮像できる位置に配置される。
【0020】
図3は、基板搬送装置の制御コントローラ104のハードウェア構成を示すブロック図である。図3に示すように、制御コントローラ104は、プロセッサ201、メモリ202、I/O203を搭載している。制御コントローラ104のI/O203は、上位装置106、ID読み取り装置101、プリアライナ102、搬送ロボット103と信号線を介してそれぞれ接続されている。プロセッサ201は、上位装置106からの動作指令を受け、搬送ロボット103、プリアライナ102、ID読み取り装置101を制御する。
【0021】
基板ID読み取り機構を用いた読み取り方法は、基板Wのプリアライメント時に、基板Wの偏心量に基づいて基板IDの位置を算出し、その算出した基板IDの位置に基づいて予め設定した複数の基板ID読み取り条件の中から基板IDを読み取り可能な条件を抽出し、その抽出した基板ID読み取り可能条件を用いて基板IDを読み取る。
【0022】
以下、本実施形態の基板IDの読み取り機構を用いた基板ID読み取り方法を図4〜図14に基づいて詳細に説明する。
【0023】
図4は、基板IDの位置と基板ID読み取り条件を示す基板ID読み取り装置の画面図である。ただし、基板ID読み取り装置101自体は、撮像手段の出力や操作案内等を表示する表示手段を具備しておらず、基板ID読み取り装置101をPC204に接続することで、PC204のディスプレイ上にID読み取り装置101の画面401が表示される。
【0024】
まず、基板ID読み取り条件について説明する。基板ID読み取り条件は、ID種別、読み取り範囲、読み取り位置、基板ID読み取り装置101の照明の光量で構成される。ID種別とは、読み取る基板ID(以下、「IDマーク」と称する)301の種類であり、英数文字、2次元データマトリクスコード、バーコード等がある。読み取り範囲とは、基板ID読み取り装置101がIDマーク301を読み取る範囲であり、1つの読み取り条件A1の場合、図では1つの方形枠(フレーム)404で示した範囲である。読み取り条件の位置とは、読み取り範囲の基準となる位置であり、読み取り条件A1の場合、図では方形枠404の左上の座標402である。照明の光量とは、基板ID読み取り装置101が備える照明の明るさの度合いである。基板ID読み取り装置101には、予め、ID種別、位置、範囲及び光量で構成された読み取り条件が複数保存される(図ではA1〜A5の5つ)。
【0025】
図4及び図5に基づいて、基板ID読み取り装置101のID読み取り条件設定フローを説明する。図5は、基板ID読み取り装置101の読み取り条件設定フローチャートである。
【0026】
基板ID読み取り条件の設定(S501)は、基板ID読み取り処理を行う前に人手で実施される。作業者は、基板ID読み取り装置101にPC204を接続し、PC204のディスプレイ上に基板ID読み取り装置101の画面401を表示させる(ステップS502)。画面401の表示後、基板Wを、偏芯無くかつIDマーク301の位置がID読み取り装置101の撮像可能な位置となるように、プリアライナ102のチャック107上に載置する(ステップS503)。基板Wの載置後、画面401でIDマーク301の種別を確認し、読み取り条件A1のID種別としてIDマーク301の種別を設定する(ステップS504)。IDマーク301の種別設定後、読み取り条件A1の読み取り範囲及び読み取り位置として、IDマーク301の中心位置403からX方向、Y方向がそれぞれ均等になるように、IDマーク301を読み取らせる位置と範囲を設定する(ステップS505)。読み取り条件A1の方形枠404の中心位置とIDマーク301の中心位置403とは同じになる。図4では、読み取り条件A1の読み取り範囲は、IDマーク301の中心位置403からX方向にそれぞれAX/2(ピクセル)、Y方向にそれぞれAY/2(ピクセル)の条件を読み取り範囲としている。読み取り範囲及び位置の設定後、基板ID読み取り装置101の光量を調整し、IDマーク301を読み取れる光量を読み取り条件A1に設定(ステップS506)し、IDマーク301の種別、範囲、位置、光量を設定した読み取り条件A1を基板ID読み取り装置へ保存する(ステップS507)。保存した読み取り条件A1を基準の読み取り条件として、ID種別、範囲及び光量を基準の読み取り条件A1と同じとし、読み取り位置のみ異なる読み取り条件を複数保存する(ステップS508)。本実施形態では、ID種別、範囲及び光量を基準の読み取り条件A1と同じく設定し、読み取り位置については、読み取り条件A1のY方向に隣接する読み取り条件A2と、読み取り条件A2のY方向に隣接する読み取り条件A3と、読み取り条件A1をX方向及びY方向にずらして読み取り条件A1及びA2に掛かる位置に配置した読み取り条件A5と、読み取り条件A5のY方向に隣接し読み取り条件A2及びA3に掛かる位置に配置した読み取り条件A4とを登録している。以上で、読み取り条件の設定は終了となる(ステップS509)。
【0027】
基板ID読み取り処理フローについて図6に基づいて説明する。図6は、基板搬送装置でのID読み取り処理フローチャートである。図6に示すように、制御コントローラ104は、まず、基板ID読み取り条件の取得を実施する(ステップS602)。
【0028】
読み取り条件の取得のステップS602について、図7のフローチャートに基づいて説明する。図7は、読み取り条件の取得フローチャートである。図7に示すように、制御コントローラ104は、1つ以上の読み取り条件A1〜A5を基板ID読み取り装置101から取得し(ステップS701)、制御コントローラ104のメモリ202に取得した読み取り条件を読み取り条件テーブルとして保存する(ステップS702)。読み取り条件を保存して、読み取り条件の取得は終了する(ステップS703)。
【0029】
図6に戻り、読み取り条件の取得後(ステップS602)、制御コントローラ104は、基板搬送ロボット103にて基板Wをプリアライナ102に置き(ステップS603)、基板Wのプリアライメントを実行させる(ステップS604)。
【0030】
図8は、プリアライメント後の基板ID読み取り装置101の画面図の一例であり、図9は、プリアライメント後のID読み取り装置101の画面図の他の例である。図8の例と図9の例とでは、IDマークの位置が異なっており、図8の例では、IDマーク308が読み取り条件A4にのみ収まっているのに対し、図9の例では、IDマーク309が読み取り条件A3及びA4の両方に収まっている。図8及び図9に示すように、プリアライメントでは、プリアライナ102が基板Wのノッチ302位置と偏芯量ΔX1(mm)とΔY1(mm)を検出する。制御コントローラ104は、基板WのIDマーク301の位置がID読み取り装置101の位置にくるように(図1B参照)、プリアライナ102のチャック107を回転させる(ステップS605)。基板WのIDマーク308の位置合わせにより、基板WのIDマーク301bが基板ID読み取り装置101の視野(画面401)に収まる。
【0031】
制御コントローラ104は、プリアライナ102から基板Wの偏芯量ΔX1(mm)とΔY1(mm)を取得(ステップS606)し、基板ID読み取り装置101の画面401上での偏芯量ΔX2(ピクセル)、ΔY2(ピクセル)を算出する(ステップS607)。図8および図9は、基板Wの偏芯が無い場合のIDマーク301が、基板WがΔX1(mm)、ΔY1(mm)だけ偏芯したことで、IDマーク308の位置となったことを示し、基板Wの偏芯量ΔX1(mm)、ΔY1(mm)は、基板ID読み取り装置101の画面401上では、ΔX2(ピクセル)、ΔY2(ピクセル)に等しいことを示している。
【0032】
基板ID読み取り装置101の画面401上でのIDマーク308の位置が明らかとなったので、制御コンロトーラ104は、IDマーク301bの位置に一致する読み取り条件の検索を実施する(ステップS608)。
【0033】
読み取り条件の検索の詳細について、図10のフローチャートに基づいて説明する。
【0034】
図10は、読み取り条件の検索フローチャートである。図10に示すように、制御コンロトーラ104は、読み取り条件の取得(ステップS602)の処理で制御コントローラ104のメモリ202に保存した読み取り条件テーブル(ステップS702)上の基準の読み取り条件A1のID種別からIDマーク301の大きさを特定する(ステップS1001)。SEMI(国際半導体装置材料協会)規格によって、ID種別ごとのIDマークの大きさは規定されている。基準のIDマーク301の大きさを特定した後、基準の読み取り条件A1の位置と範囲から基準のIDマーク301の中心位置403を算出する(ステップS1002)。ステップS505の処理によって、読み取り条件A1の中心位置とIDマーク301の中心位置403は同じ位置に設定したので、読み取り条件A1の中心位置を読み取り条件A1の位置と範囲から算出すれば、IDマーク308の中心位置408が求められる。基準のIDマーク301の中心位置403から偏芯量ΔX2(ピクセル)、ΔY2(ピクセル)分オフセットしたIDマーク308の中心位置408を算出する(ステップS1003)。読み取り条件の取得(ステップS602)の処理で制御コントローラ104のメモリ202に保存した読み取り条件テーブル(ステップS702)から、読み取り条件の範囲条件に、IDマーク308の中心位置408が含まれる読み取り条件を全て抽出する(ステップS1004)。図8および図9の例では、両方とも、IDマーク308,309の中心位置408,409が読み取り条件のA3及びA4内に位置するので、読み取り条件A3およびA4が抽出される。
【0035】
ステップS1004で抽出した読み取り条件が無い場合(ステップS1005)は、処理終了(ステップS1009)する。ステップS1004で抽出した読み取り条件が有る場合(ステップS1005)は、抽出した読み取り条件のうち、IDマーク308の大きさが読み取り範囲内に含まれる条件を全て、基板ID読み取り可能条件(以下、単に「読み取り可能条件」)として抽出する(ステップS1006)。図8の例では、読み取り条件A4のみが読み取り可能条件として抽出され、図9に示す例では、読み取り条件A3およびA4が読み取り可能条件として抽出される。ステップS1006で抽出できる読み取り条件が無い場合(ステップS1007)は、処理終了(ステップS1009)する。抽出できる読み取り条件が無い場合のフローについては後述する。
【0036】
ステップS1006で抽出した読み取り可能条件が有る場合(ステップS1007)、読み取り可能条件に、優先順位を付けて(ステップS1008)終了(ステップS1009)する。
【0037】
優先順位付け(ステップS1008)について、図11及び図12に基づいて説明する。図11は、読み取り可能条件の優先順位付けフローチャートである。図12は、図9の2つの読み取り可能条件A3,A4を抽出した場合の優先順位付けを説明する図である。
【0038】
図11に示すように、まず、IDマーク309の中心位置409を算出する(ステップS1101)。算出方法は、図10で説明したステップS1001〜S1003と同じである。IDマーク308の中心位置を算出後、図10のステップS1006で抽出した全ての読み取り条件の中心位置を算出する(ステップS1102)。読み取り可能条件A3の中心位置A3Cと読み取り可能条件A4の中心位置A4Cを算出する。IDマーク309の中心位置409と抽出した全ての読み取り可能条件A3,A4の中心位置A3C,A4Cとの距離を算出する(ステップS1103)。図12ではIDマーク309の中心位置409と読み取り可能条件A3の中心位置A3Cの距離は、ΔD2(ピクセル)となり、IDマーク309の中心位置409と読み取り可能条件A4の中心位置A4Cの距離は、ΔD1(ピクセル)となる。IDマーク309の中心位置409と読み取り可能条件A3CおよびA4Cとの距離が近い順番に読み取り可能条件の優先順位を高く設定する。図12では、ΔD2(ピクセル)>ΔD1(ピクセル)であるため、読み取り可能条件A4の中心位置A4Cの方が読み取り可能条件A3の中心位置A3Cより、IDマーク309の中心位置409の位置に近いことになり、読み取り可能条件A4が第1優先条件、読み取り可能条件A3が第2優先条件となる。以上で、優先順位付け(ステップS1007)は終了(ステップS1105)となる。
【0039】
図6に戻り、制御コンロトーラ104は、読み取り条件の検索(ステップS608)結果について判定を行い(ステップS609)、一致する読み取り条件が有る場合は、一致する読み取り条件で基板IDの読み取りを実施する(ステップS610)。
【0040】
基板IDの読み取りの実施について、図13に基づいて説明する。図13は、基板ID読み取りフローチャートである。図13に示すように、制御コントローラ104は、まず、優先順位の最も高い第1優先の読み取り可能条件A4を取得し(ステップS1301)、その読み取り可能条件A4を用いて基板ID読み取り装置101に基板IDの読み取りを実行させる(ステップS1302)。基板IDの読み取りが成功した場合(ステップS1303→YES)、読み取ったIDを制御コントローラ104のメモリ202に保存し(ステップS1306)、終了となる(ステップS1308)。他方、基板IDの読み取りが失敗した場合(ステップS1303→NO)、次に優先順位の高い第2優先の読み取り条件を取得する(ステップS1304)。読み取り条件の有無判定(ステップS1305)を行い、図9の例ように、第2優先条件として読み取り可能条件A3が有る場合は、読み取り条件A3を指定して基板IDの読み取りを実施する(ステップS1302)。図8の例ように、次の読み取り可能条件が無い場合は、基板IDの読み取り異常と判定し(ステップS1307)、処理は終了となる(ステップS1308)。
【0041】
図6に戻り、制御コントローラ104は、基板IDの読み取り実施(ステップS610)による読み取り結果を上位装置へ通知(ステップS611)する。基板IDの読み取りが成功した場合は、ステップS1306で制御コントローラ104のメモリ202に保存したIDを上位装置106へ通知し、基板IDの読み取りが失敗した場合は、ID読み取り異常を上位装置106へ通知する。
【0042】
図14は、上位装置のメッセージ表示画面図である。図14に示すように、ステップS611の基板ID読み取り結果の通知を受け取った上位装置106では、例として、画面1401のメッセージ1402へ基板ID読み取り結果の通知内容を表示する。
【0043】
図6で説明した基板ID読み取り処理フローにおいて、読み取り可能条件がなかった場合について、S609以降の処理フローを引用して説明する。まず、制御コントローラ104は、上位装置106へ一致する読み取り条件が無いことを通知する(ステップS613)。次に、ステップS606で基板Wの偏芯量が分かっているため、基板搬送ロボット103は、基板Wの偏芯量分だけプリアライナ102からの基板Wの取り出し位置をオフセットさせて(ステップS614)、プリアライナ102上の基板Wを取り出す(ステップS615)。ステップS614及びステップS615によって、基板搬送ロボット103は基板Wを偏芯無く把持できているため、再度、ステップS603の基板搬送ロボット103にて基板Wをプリアライナ102へ置く処理以降を実行することで、基板ID読み取り装置101の画面401は、図4に示した基板Wの偏芯が無い場合と同じになるので、読み取り条件A1で確実にIDマーク301を読み取ることができる。
【0044】
本実施形態の基板ID読み取り方法によれば、ノッチ等の位置合わせの後、基板IDの位置に基づいて予め設定された複数のID読み取り条件の中から基板IDを読み取り可能な条件を抽出し、その抽出した基板ID読み取り可能条件を用いて基板IDを読み取ることにより、基板位置や基板表面の状態によらず、基板IDを迅速かつ正確に読み取ることができる。
【0045】
特に、基板ID読み取り処理によって、読み取り条件A1〜A5を常に同じ優先順位として基板ID読み取りを行う場合に比べ、最初の第1優先の読み取り可能条件A4を用いることで、基板IDの読み取りがほぼ可能であるため、基板ID読み取り時間を最短にすることができる。
【0046】
また、第1優先条件でIDマーク309の読み取りに失敗しても、第2優先条件、さらに次の優先順位の条件で読み取りを行うようにすることで、より確実なID読み取りを行うことができ、高い信頼性を得ることができる。
【0047】
一般に、図2に示した基板搬送装置を用いた半導体製品の製造や検査では、製造対象或いは検査対象である基板は、複数枚ごと(FOUPごと)に管理されている。それに対して、本実施形態の装置或いは基板ID読み取り方法は、一枚の基板ごとに製造或いは検査の管理をする方法に適用すると効果が顕著である。
【0048】
[第2の実施形態]
次に、本発明の好適な第2の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0049】
本実施形態の基板ID読み取り機構の基本的な構成部分は、上述した図1の基板ID読み取り機構とほぼ同様であるが、複数の読み取り条件からなる読み取り条件群を複数群予め設定し、基板の種類や状態に応じて読み取り条件ID群を決定し、その決定した読み取り条件群の中から読み取り可能条件を抽出するよう設定した点において異なる。以下、具体的に説明する。
【0050】
IDマークの種別および表面状態は、基板の製造過程によって異なる場合があり、読み取り条件における基板IDの種別や光量は常に一定ではない。そこで、本実施形態では、読み取り条件群として、基板の製造情報を含むレシピ情報ごとに読み取り条件を登録しておく。基板読み取り条件の登録は、図5のID読み取り装置の読み取り条件設定(ステップS501)のフローに沿って行い、ステップS507およびS508で基板ID読み取り装置に読み取り条件を保存する際に、レシピ情報ごとにグループ分けしておく。
【0051】
図15は、レシピ情報ごとの読み取り条件分けの説明図である。基板ID読み取り装置101に保存された読み取り条件は、レシピAでの読み取り条件A1〜A5と、レシピBでの読み取り条件B1〜B10というように、レシピ情報ごとに読み取り条件をグループ1501、1502のように分けることができる。レシピA、レシピB以外の新しいレシピCができた場合は、レシピC用の読み取り条件グループを作成し、そのグループ内に読み取り条件C1、C2、C3・・・のように追加登録して行くことができる。
【0052】
本実施形態では、図6で説明した基板ID読み取り処理フローの読み取り条件取得(ステップ602)において、レシピ情報ごとに分けられた読み取り条件グループの特定し、その条件クループ内から読み取り条件の取得を行う。レシピ情報による読み取り条件の取得について、図15のレシピB用の読み取り条件グループ1502を特定した場合を例として、図16に基づいて説明する。
【0053】
図16は、レシピ情報による読み取り条件の取得フローチャートである。制御コントローラ104は、上位装置106からレシピB情報を取得する(ステップS1601)。レシピB情報をキーに読み取り条件グループとして、レシピB用の読み取り条件グループ1502を特定する(ステップS1602)。特定した読み取り条件グループ1502の読み取り条件B1〜B10を基板ID読み取り装置101から取得する(ステップS1603)。取得した読み取り条件B1〜B10を制御コンロトーラ104のメモリ202に読み取り条件テーブルとして保存(ステップS1604)し、レシピ情報による読み取り条件の取得処理を終了(ステップS1605)する。図6のステップS603以降の処理は第1の実施形態と同じである。
【0054】
本実施形態の基板ID読み取り方法によれば、基板の製造過程によってIDマークの種別および表面状態が異なった場合でも、ID読み取り条件を特定できるためID読み取りが可能である。
【0055】
以上、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他にも種々のものが想定される。
【符号の説明】
【0056】
101 ID読み取り装置
102 プリアライナ
103 搬送ロボット
104 制御コントローラ
105 基板収納容器
106 上位装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体プロセスの基板搬送時に、基板に形成されている識別情報(基板ID)を読み取る読み取り機構及びそれを備えた基板搬送装置、並びに基板ID読み取り方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程の製造対象である基板の表面または裏面には、基板を特定するための基板識別情報(以下、「基板ID」と称する)が書き込まれている。基板IDは、SEMI(国際半導体装置材料協会)規格によって、英数文字や2次元データマトリクスコードなどのIDマークの種類、IDマークの種類ごとの基板上でのIDの位置、IDマークの大きさが定められており、半導体製造工程における各種処理の内容などを識別するために使用されている。半導体製造装置に基板を搬入する際、基板搬送装置が具備する基板搬送ロボットやアライメント装置上で、基板IDの読み取りが行われる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
基板IDは、基板の製造過程によって表面状態などが異なるため、基板ID読み取り装置での基板ID読み取り条件も常に一定ではない。このため、基板読み取り装置に基板IDの読み取り条件を複数設定し、複数の読み取り条件を順次適用することで、様々な基板IDの読み取りを可能としている。
【0004】
複数の読み取り条件を順次適用する基板ID読み取り方法では、複数の読み取り条件をどの順番で適用するかによって、基板IDの読み取り時間が変わってくる。このため、複数の読み取り条件に予め優先順位を付けて設定しておくか、もしくは、直前に適用した読み取り条件を優先的に使用することによって、基板IDの読み取り時間を短縮する基板IDの読み取り方法がある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−300609号公報
【特許文献2】特開2004−214250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、予め設定された優先順位の条件もしくは直前の条件を用いた基板ID読み取り方法では、現在の基板の位置や基板表面の状態によっては、必ずしも優先順位の高い読み取り条件が当てはまるとは限らず、最も優先順位の低いものであった場合、基板IDの読み取り時間が長くなり、装置全体としてのスループットの低下が危惧される。
【0007】
本発明の目的は、上記課題を解決すべく、基板の位置や基板表面の状態によらず、基板IDを迅速にかつ正確に読み取ることができる基板ID読み取り機構及びそれを用いた基板搬送装置並びに基板ID読み取り方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成すべく本発明に係る基板IDの読み取り機構は、基板の表面に設けられた基板IDを読み取る基板ID読み取り装置と、基板搬送時における前記基板の偏心量を計測し、基板の位置や向きを補正するアライナとを備え、基板の偏心量を計測、補正する際に、前記基板IDを読み取る基板ID読み取り機構において、前記基板ID読み取り装置は、前記基板の偏心量に基づいて前記基板IDの位置を算出し、その算出した基板IDの位置に基づいて予め設定された複数のID読み取り条件の中から基板IDを読み取り可能な条件を抽出し、その抽出した基板ID読み取り可能条件を用いて前記基板IDを読み取る構成としたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る基板搬送装置は、基板の搬送先或いは搬送元に取り付けられる筐体と、その筐体に設けられ基板を収納する容器と、前記容器内の基板を搬送先に供給するまたは前記搬送元の基板を前記容器に回収する基板搬送ロボットと、搬送される基板の位置及び向きを補正するアライナを備えた基板搬送装置において、アライナには、基板に設けられた基板IDを読み取る基板ID読み取り装置が取り付けられ、アライナ及び基板ID読み取り装置は、上記の基板ID読み取り機構を構成することを特徴とする。
【0010】
本発明に係る基板IDの読み取り方法は、基板搬送時における基板の偏心量を計測し、基板の位置や向きを補正する際に、前記基板の表面に設けられた基板IDを読み取る基板ID読み取り方法において、前記基板の偏心量に基づいて前記基板IDの位置を算出し、その算出した基板IDの位置に基づいて予め設定した複数のID読み取り条件の中から基板IDを読み取り可能な条件を抽出し、その抽出した基板ID読み取り可能条件を用いて前記基板IDを読み取ることを特徴とする。
【0011】
特に、抽出した読み取り可能条件に優先順位を付し、優先順位の高い順番の条件でID読み取りを行う手法とする。また、複数の読み取り条件を一つの読み取り条件群として、レシピ情報ごとに読み取り条件を予め登録しておき、レシピ情報によって読み取り条件を切り替えてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、基板位置や基板表面の状態によらず、基板IDを迅速かつ正確に読み取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1A】アライナの構成を示す概略側面図である。
【図1B】図1Aの1B−1B線矢視図である。
【図2】基板搬送装置の構成を示す概略平面図である。
【図3】制御コントローラのハードウェア構成及び他の装置との接続関係を示すブロック図である。
【図4】基板ID読み取り装置の画面を示す図である。
【図5】基板ID読み取り装置の読み取り条件設定のフローチャートである。
【図6】第1の実施形態の基板ID読み取り装置を用いた基板IDの読み取り方法を説明するためのフローチャートである。
【図7】図6のフローチャートにおける基板IDの読み取り条件取得のステップを説明するためのフローチャートである。
【図8】基板の位置合わせ後の基板ID読み取り装置の画面の一例を示す図である。
【図9】基板の位置合わせ後の基板ID読み取り装置の画面の他の例を示す図である。
【図10】図6のフローチャートにおける基板IDの読み取り条件検索のステップを説明するためのフローチャートである。
【図11】図10のフローチャートにおける基板ID読み取り条件の優先順位付けのステップを説明するためのフローチャートである。
【図12】基板ID読み取り条件の優先順位付けを説明するための模式図である。
【図13】図6のフローチャートにおける基板IDの読み取り実施ステップの詳細を説明するためのフローチャートである。
【図14】上位装置の基板ID読み取り結果表示画面を示す図である。
【図15】レシピ情報毎にグループ化された複数の基板ID読み取り条件の概念図である。
【図16】第2の実施形態の基板ID読み取り方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0015】
[第1の実施形態]
本実施形態の基板ID読み取り機構は、半導体製造装置や半導体検査装置等の上位装置へ基板を搬送する基板搬送装置内に搭載される。まず、基板搬送装置について説明する。
【0016】
図2は、基板搬送装置の構成を示す概略平面図である。図2に示すように、基板搬送装置は、上位装置106に接続される筐体108と、筐体108内へ供給される基板Wをクリーンな状態で収納する基板収納容器(FOUP)105と、筐体108内に設けられ基板Wのプリアライメントを行うプリアライナ102と、筐体内108に移動可能に設けられ基板収納容器105、プリアライナ102及び上位装置106間で基板Wの搬送を行う基板搬送ロボット103とを備える。プリアライナ102には、基板Wに形成された基板IDを読み取る基板ID読み取り装置101が取り付けられる。プリアライナ102と基板ID読み取り装置101とで基板ID読み取り機構100を構成する。基板搬送装置は、基板搬送ロボット103、プリアライナ102、基板ID読み取り装置101の制御、及び上位装置106との通信を行う制御コントローラ104を備える。
【0017】
図1Aは、基板ID読み取り装置が取り付けられたプリアライナの構成を示す側面図であり、図1Bは、図1Aの1B−1B線矢視図(一部透明)である。
【0018】
図1A及び図1Bに示すように、プリアライナ102は、プリアライナ本体109と、基板Wを保持し回転させるチャック107と、回転する基板Wの端部に光を照射し、その光の検出結果から基板Wのノッチ位置(基板Wの向き)及び偏心量(基板Wの位置)を計測するラインセンサ108とを備える。プリアライナ本体109は、チャック107を回転させる回転機構や、回転機構やラインセンサ108の駆動回路等が設けられている。なお、本実施形態では、基板搬送装置内で、基板の向きや偏心量を計測し、位置や向きの補正を行うアライナを、上位装置106が備えるアライナ(図示せず)と区別するために、プリアライナと称している。
【0019】
プリアライナ本体109の側面には、基板ID読み取り装置101が設けられる。基板ID読み取り装置101は、基板Wの基板IDを撮像する撮像手段、撮像範囲を照射する照明、基板IDを識別する識別手段とを備える(いずれも図示せず)。本実施形態では、基板IDは基板の裏面(図1A下側)かつ基板Wの縁の近くに形成されており、基板ID読み取り装置101は、撮像手段が基板Wの裏面かつ縁近傍の基板IDを撮像できる位置に配置される。
【0020】
図3は、基板搬送装置の制御コントローラ104のハードウェア構成を示すブロック図である。図3に示すように、制御コントローラ104は、プロセッサ201、メモリ202、I/O203を搭載している。制御コントローラ104のI/O203は、上位装置106、ID読み取り装置101、プリアライナ102、搬送ロボット103と信号線を介してそれぞれ接続されている。プロセッサ201は、上位装置106からの動作指令を受け、搬送ロボット103、プリアライナ102、ID読み取り装置101を制御する。
【0021】
基板ID読み取り機構を用いた読み取り方法は、基板Wのプリアライメント時に、基板Wの偏心量に基づいて基板IDの位置を算出し、その算出した基板IDの位置に基づいて予め設定した複数の基板ID読み取り条件の中から基板IDを読み取り可能な条件を抽出し、その抽出した基板ID読み取り可能条件を用いて基板IDを読み取る。
【0022】
以下、本実施形態の基板IDの読み取り機構を用いた基板ID読み取り方法を図4〜図14に基づいて詳細に説明する。
【0023】
図4は、基板IDの位置と基板ID読み取り条件を示す基板ID読み取り装置の画面図である。ただし、基板ID読み取り装置101自体は、撮像手段の出力や操作案内等を表示する表示手段を具備しておらず、基板ID読み取り装置101をPC204に接続することで、PC204のディスプレイ上にID読み取り装置101の画面401が表示される。
【0024】
まず、基板ID読み取り条件について説明する。基板ID読み取り条件は、ID種別、読み取り範囲、読み取り位置、基板ID読み取り装置101の照明の光量で構成される。ID種別とは、読み取る基板ID(以下、「IDマーク」と称する)301の種類であり、英数文字、2次元データマトリクスコード、バーコード等がある。読み取り範囲とは、基板ID読み取り装置101がIDマーク301を読み取る範囲であり、1つの読み取り条件A1の場合、図では1つの方形枠(フレーム)404で示した範囲である。読み取り条件の位置とは、読み取り範囲の基準となる位置であり、読み取り条件A1の場合、図では方形枠404の左上の座標402である。照明の光量とは、基板ID読み取り装置101が備える照明の明るさの度合いである。基板ID読み取り装置101には、予め、ID種別、位置、範囲及び光量で構成された読み取り条件が複数保存される(図ではA1〜A5の5つ)。
【0025】
図4及び図5に基づいて、基板ID読み取り装置101のID読み取り条件設定フローを説明する。図5は、基板ID読み取り装置101の読み取り条件設定フローチャートである。
【0026】
基板ID読み取り条件の設定(S501)は、基板ID読み取り処理を行う前に人手で実施される。作業者は、基板ID読み取り装置101にPC204を接続し、PC204のディスプレイ上に基板ID読み取り装置101の画面401を表示させる(ステップS502)。画面401の表示後、基板Wを、偏芯無くかつIDマーク301の位置がID読み取り装置101の撮像可能な位置となるように、プリアライナ102のチャック107上に載置する(ステップS503)。基板Wの載置後、画面401でIDマーク301の種別を確認し、読み取り条件A1のID種別としてIDマーク301の種別を設定する(ステップS504)。IDマーク301の種別設定後、読み取り条件A1の読み取り範囲及び読み取り位置として、IDマーク301の中心位置403からX方向、Y方向がそれぞれ均等になるように、IDマーク301を読み取らせる位置と範囲を設定する(ステップS505)。読み取り条件A1の方形枠404の中心位置とIDマーク301の中心位置403とは同じになる。図4では、読み取り条件A1の読み取り範囲は、IDマーク301の中心位置403からX方向にそれぞれAX/2(ピクセル)、Y方向にそれぞれAY/2(ピクセル)の条件を読み取り範囲としている。読み取り範囲及び位置の設定後、基板ID読み取り装置101の光量を調整し、IDマーク301を読み取れる光量を読み取り条件A1に設定(ステップS506)し、IDマーク301の種別、範囲、位置、光量を設定した読み取り条件A1を基板ID読み取り装置へ保存する(ステップS507)。保存した読み取り条件A1を基準の読み取り条件として、ID種別、範囲及び光量を基準の読み取り条件A1と同じとし、読み取り位置のみ異なる読み取り条件を複数保存する(ステップS508)。本実施形態では、ID種別、範囲及び光量を基準の読み取り条件A1と同じく設定し、読み取り位置については、読み取り条件A1のY方向に隣接する読み取り条件A2と、読み取り条件A2のY方向に隣接する読み取り条件A3と、読み取り条件A1をX方向及びY方向にずらして読み取り条件A1及びA2に掛かる位置に配置した読み取り条件A5と、読み取り条件A5のY方向に隣接し読み取り条件A2及びA3に掛かる位置に配置した読み取り条件A4とを登録している。以上で、読み取り条件の設定は終了となる(ステップS509)。
【0027】
基板ID読み取り処理フローについて図6に基づいて説明する。図6は、基板搬送装置でのID読み取り処理フローチャートである。図6に示すように、制御コントローラ104は、まず、基板ID読み取り条件の取得を実施する(ステップS602)。
【0028】
読み取り条件の取得のステップS602について、図7のフローチャートに基づいて説明する。図7は、読み取り条件の取得フローチャートである。図7に示すように、制御コントローラ104は、1つ以上の読み取り条件A1〜A5を基板ID読み取り装置101から取得し(ステップS701)、制御コントローラ104のメモリ202に取得した読み取り条件を読み取り条件テーブルとして保存する(ステップS702)。読み取り条件を保存して、読み取り条件の取得は終了する(ステップS703)。
【0029】
図6に戻り、読み取り条件の取得後(ステップS602)、制御コントローラ104は、基板搬送ロボット103にて基板Wをプリアライナ102に置き(ステップS603)、基板Wのプリアライメントを実行させる(ステップS604)。
【0030】
図8は、プリアライメント後の基板ID読み取り装置101の画面図の一例であり、図9は、プリアライメント後のID読み取り装置101の画面図の他の例である。図8の例と図9の例とでは、IDマークの位置が異なっており、図8の例では、IDマーク308が読み取り条件A4にのみ収まっているのに対し、図9の例では、IDマーク309が読み取り条件A3及びA4の両方に収まっている。図8及び図9に示すように、プリアライメントでは、プリアライナ102が基板Wのノッチ302位置と偏芯量ΔX1(mm)とΔY1(mm)を検出する。制御コントローラ104は、基板WのIDマーク301の位置がID読み取り装置101の位置にくるように(図1B参照)、プリアライナ102のチャック107を回転させる(ステップS605)。基板WのIDマーク308の位置合わせにより、基板WのIDマーク301bが基板ID読み取り装置101の視野(画面401)に収まる。
【0031】
制御コントローラ104は、プリアライナ102から基板Wの偏芯量ΔX1(mm)とΔY1(mm)を取得(ステップS606)し、基板ID読み取り装置101の画面401上での偏芯量ΔX2(ピクセル)、ΔY2(ピクセル)を算出する(ステップS607)。図8および図9は、基板Wの偏芯が無い場合のIDマーク301が、基板WがΔX1(mm)、ΔY1(mm)だけ偏芯したことで、IDマーク308の位置となったことを示し、基板Wの偏芯量ΔX1(mm)、ΔY1(mm)は、基板ID読み取り装置101の画面401上では、ΔX2(ピクセル)、ΔY2(ピクセル)に等しいことを示している。
【0032】
基板ID読み取り装置101の画面401上でのIDマーク308の位置が明らかとなったので、制御コンロトーラ104は、IDマーク301bの位置に一致する読み取り条件の検索を実施する(ステップS608)。
【0033】
読み取り条件の検索の詳細について、図10のフローチャートに基づいて説明する。
【0034】
図10は、読み取り条件の検索フローチャートである。図10に示すように、制御コンロトーラ104は、読み取り条件の取得(ステップS602)の処理で制御コントローラ104のメモリ202に保存した読み取り条件テーブル(ステップS702)上の基準の読み取り条件A1のID種別からIDマーク301の大きさを特定する(ステップS1001)。SEMI(国際半導体装置材料協会)規格によって、ID種別ごとのIDマークの大きさは規定されている。基準のIDマーク301の大きさを特定した後、基準の読み取り条件A1の位置と範囲から基準のIDマーク301の中心位置403を算出する(ステップS1002)。ステップS505の処理によって、読み取り条件A1の中心位置とIDマーク301の中心位置403は同じ位置に設定したので、読み取り条件A1の中心位置を読み取り条件A1の位置と範囲から算出すれば、IDマーク308の中心位置408が求められる。基準のIDマーク301の中心位置403から偏芯量ΔX2(ピクセル)、ΔY2(ピクセル)分オフセットしたIDマーク308の中心位置408を算出する(ステップS1003)。読み取り条件の取得(ステップS602)の処理で制御コントローラ104のメモリ202に保存した読み取り条件テーブル(ステップS702)から、読み取り条件の範囲条件に、IDマーク308の中心位置408が含まれる読み取り条件を全て抽出する(ステップS1004)。図8および図9の例では、両方とも、IDマーク308,309の中心位置408,409が読み取り条件のA3及びA4内に位置するので、読み取り条件A3およびA4が抽出される。
【0035】
ステップS1004で抽出した読み取り条件が無い場合(ステップS1005)は、処理終了(ステップS1009)する。ステップS1004で抽出した読み取り条件が有る場合(ステップS1005)は、抽出した読み取り条件のうち、IDマーク308の大きさが読み取り範囲内に含まれる条件を全て、基板ID読み取り可能条件(以下、単に「読み取り可能条件」)として抽出する(ステップS1006)。図8の例では、読み取り条件A4のみが読み取り可能条件として抽出され、図9に示す例では、読み取り条件A3およびA4が読み取り可能条件として抽出される。ステップS1006で抽出できる読み取り条件が無い場合(ステップS1007)は、処理終了(ステップS1009)する。抽出できる読み取り条件が無い場合のフローについては後述する。
【0036】
ステップS1006で抽出した読み取り可能条件が有る場合(ステップS1007)、読み取り可能条件に、優先順位を付けて(ステップS1008)終了(ステップS1009)する。
【0037】
優先順位付け(ステップS1008)について、図11及び図12に基づいて説明する。図11は、読み取り可能条件の優先順位付けフローチャートである。図12は、図9の2つの読み取り可能条件A3,A4を抽出した場合の優先順位付けを説明する図である。
【0038】
図11に示すように、まず、IDマーク309の中心位置409を算出する(ステップS1101)。算出方法は、図10で説明したステップS1001〜S1003と同じである。IDマーク308の中心位置を算出後、図10のステップS1006で抽出した全ての読み取り条件の中心位置を算出する(ステップS1102)。読み取り可能条件A3の中心位置A3Cと読み取り可能条件A4の中心位置A4Cを算出する。IDマーク309の中心位置409と抽出した全ての読み取り可能条件A3,A4の中心位置A3C,A4Cとの距離を算出する(ステップS1103)。図12ではIDマーク309の中心位置409と読み取り可能条件A3の中心位置A3Cの距離は、ΔD2(ピクセル)となり、IDマーク309の中心位置409と読み取り可能条件A4の中心位置A4Cの距離は、ΔD1(ピクセル)となる。IDマーク309の中心位置409と読み取り可能条件A3CおよびA4Cとの距離が近い順番に読み取り可能条件の優先順位を高く設定する。図12では、ΔD2(ピクセル)>ΔD1(ピクセル)であるため、読み取り可能条件A4の中心位置A4Cの方が読み取り可能条件A3の中心位置A3Cより、IDマーク309の中心位置409の位置に近いことになり、読み取り可能条件A4が第1優先条件、読み取り可能条件A3が第2優先条件となる。以上で、優先順位付け(ステップS1007)は終了(ステップS1105)となる。
【0039】
図6に戻り、制御コンロトーラ104は、読み取り条件の検索(ステップS608)結果について判定を行い(ステップS609)、一致する読み取り条件が有る場合は、一致する読み取り条件で基板IDの読み取りを実施する(ステップS610)。
【0040】
基板IDの読み取りの実施について、図13に基づいて説明する。図13は、基板ID読み取りフローチャートである。図13に示すように、制御コントローラ104は、まず、優先順位の最も高い第1優先の読み取り可能条件A4を取得し(ステップS1301)、その読み取り可能条件A4を用いて基板ID読み取り装置101に基板IDの読み取りを実行させる(ステップS1302)。基板IDの読み取りが成功した場合(ステップS1303→YES)、読み取ったIDを制御コントローラ104のメモリ202に保存し(ステップS1306)、終了となる(ステップS1308)。他方、基板IDの読み取りが失敗した場合(ステップS1303→NO)、次に優先順位の高い第2優先の読み取り条件を取得する(ステップS1304)。読み取り条件の有無判定(ステップS1305)を行い、図9の例ように、第2優先条件として読み取り可能条件A3が有る場合は、読み取り条件A3を指定して基板IDの読み取りを実施する(ステップS1302)。図8の例ように、次の読み取り可能条件が無い場合は、基板IDの読み取り異常と判定し(ステップS1307)、処理は終了となる(ステップS1308)。
【0041】
図6に戻り、制御コントローラ104は、基板IDの読み取り実施(ステップS610)による読み取り結果を上位装置へ通知(ステップS611)する。基板IDの読み取りが成功した場合は、ステップS1306で制御コントローラ104のメモリ202に保存したIDを上位装置106へ通知し、基板IDの読み取りが失敗した場合は、ID読み取り異常を上位装置106へ通知する。
【0042】
図14は、上位装置のメッセージ表示画面図である。図14に示すように、ステップS611の基板ID読み取り結果の通知を受け取った上位装置106では、例として、画面1401のメッセージ1402へ基板ID読み取り結果の通知内容を表示する。
【0043】
図6で説明した基板ID読み取り処理フローにおいて、読み取り可能条件がなかった場合について、S609以降の処理フローを引用して説明する。まず、制御コントローラ104は、上位装置106へ一致する読み取り条件が無いことを通知する(ステップS613)。次に、ステップS606で基板Wの偏芯量が分かっているため、基板搬送ロボット103は、基板Wの偏芯量分だけプリアライナ102からの基板Wの取り出し位置をオフセットさせて(ステップS614)、プリアライナ102上の基板Wを取り出す(ステップS615)。ステップS614及びステップS615によって、基板搬送ロボット103は基板Wを偏芯無く把持できているため、再度、ステップS603の基板搬送ロボット103にて基板Wをプリアライナ102へ置く処理以降を実行することで、基板ID読み取り装置101の画面401は、図4に示した基板Wの偏芯が無い場合と同じになるので、読み取り条件A1で確実にIDマーク301を読み取ることができる。
【0044】
本実施形態の基板ID読み取り方法によれば、ノッチ等の位置合わせの後、基板IDの位置に基づいて予め設定された複数のID読み取り条件の中から基板IDを読み取り可能な条件を抽出し、その抽出した基板ID読み取り可能条件を用いて基板IDを読み取ることにより、基板位置や基板表面の状態によらず、基板IDを迅速かつ正確に読み取ることができる。
【0045】
特に、基板ID読み取り処理によって、読み取り条件A1〜A5を常に同じ優先順位として基板ID読み取りを行う場合に比べ、最初の第1優先の読み取り可能条件A4を用いることで、基板IDの読み取りがほぼ可能であるため、基板ID読み取り時間を最短にすることができる。
【0046】
また、第1優先条件でIDマーク309の読み取りに失敗しても、第2優先条件、さらに次の優先順位の条件で読み取りを行うようにすることで、より確実なID読み取りを行うことができ、高い信頼性を得ることができる。
【0047】
一般に、図2に示した基板搬送装置を用いた半導体製品の製造や検査では、製造対象或いは検査対象である基板は、複数枚ごと(FOUPごと)に管理されている。それに対して、本実施形態の装置或いは基板ID読み取り方法は、一枚の基板ごとに製造或いは検査の管理をする方法に適用すると効果が顕著である。
【0048】
[第2の実施形態]
次に、本発明の好適な第2の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0049】
本実施形態の基板ID読み取り機構の基本的な構成部分は、上述した図1の基板ID読み取り機構とほぼ同様であるが、複数の読み取り条件からなる読み取り条件群を複数群予め設定し、基板の種類や状態に応じて読み取り条件ID群を決定し、その決定した読み取り条件群の中から読み取り可能条件を抽出するよう設定した点において異なる。以下、具体的に説明する。
【0050】
IDマークの種別および表面状態は、基板の製造過程によって異なる場合があり、読み取り条件における基板IDの種別や光量は常に一定ではない。そこで、本実施形態では、読み取り条件群として、基板の製造情報を含むレシピ情報ごとに読み取り条件を登録しておく。基板読み取り条件の登録は、図5のID読み取り装置の読み取り条件設定(ステップS501)のフローに沿って行い、ステップS507およびS508で基板ID読み取り装置に読み取り条件を保存する際に、レシピ情報ごとにグループ分けしておく。
【0051】
図15は、レシピ情報ごとの読み取り条件分けの説明図である。基板ID読み取り装置101に保存された読み取り条件は、レシピAでの読み取り条件A1〜A5と、レシピBでの読み取り条件B1〜B10というように、レシピ情報ごとに読み取り条件をグループ1501、1502のように分けることができる。レシピA、レシピB以外の新しいレシピCができた場合は、レシピC用の読み取り条件グループを作成し、そのグループ内に読み取り条件C1、C2、C3・・・のように追加登録して行くことができる。
【0052】
本実施形態では、図6で説明した基板ID読み取り処理フローの読み取り条件取得(ステップ602)において、レシピ情報ごとに分けられた読み取り条件グループの特定し、その条件クループ内から読み取り条件の取得を行う。レシピ情報による読み取り条件の取得について、図15のレシピB用の読み取り条件グループ1502を特定した場合を例として、図16に基づいて説明する。
【0053】
図16は、レシピ情報による読み取り条件の取得フローチャートである。制御コントローラ104は、上位装置106からレシピB情報を取得する(ステップS1601)。レシピB情報をキーに読み取り条件グループとして、レシピB用の読み取り条件グループ1502を特定する(ステップS1602)。特定した読み取り条件グループ1502の読み取り条件B1〜B10を基板ID読み取り装置101から取得する(ステップS1603)。取得した読み取り条件B1〜B10を制御コンロトーラ104のメモリ202に読み取り条件テーブルとして保存(ステップS1604)し、レシピ情報による読み取り条件の取得処理を終了(ステップS1605)する。図6のステップS603以降の処理は第1の実施形態と同じである。
【0054】
本実施形態の基板ID読み取り方法によれば、基板の製造過程によってIDマークの種別および表面状態が異なった場合でも、ID読み取り条件を特定できるためID読み取りが可能である。
【0055】
以上、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他にも種々のものが想定される。
【符号の説明】
【0056】
101 ID読み取り装置
102 プリアライナ
103 搬送ロボット
104 制御コントローラ
105 基板収納容器
106 上位装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の表面に設けられた基板IDを読み取る基板ID読み取り装置と、基板搬送時における前記基板の偏心量を計測し前記基板のアライメントを行うアライナとを備え、基板の偏心量を計測しアライメントを行う際に、前記基板IDを読み取る基板ID読み取り機構において、
前記基板ID読み取り装置は、前記基板の偏心量に基づいて前記基板IDの位置を算出し、その算出した基板IDの位置に基づいて予め設定された複数のID読み取り条件の中から基板IDを読み取り可能な条件を抽出し、その抽出した基板ID読み取り可能条件を用いて前記基板IDを読み取る構成としたことを特徴とする基板ID読み取り機構。
【請求項2】
請求項1記載の基板ID読み取り機構において、前記基板ID読み取り条件は、基板IDの種類、基板IDの読み取り範囲、前記基板IDの読み取り範囲の基準位置、読み取り時の光量の少なくとも1つ以上であることを特徴とする基板ID読み取り機構。
【請求項3】
請求項2記載の基板ID読み取り機構において、前記基板ID読み取り可能条件の抽出は、前記基板IDの種類に基づいて前記基板IDの大きさを特定し、その基板IDが前記基板IDを読み取る範囲内に収まるものを基板ID読み取り可能条件とすることを特徴とする基板ID読み取り機構。
【請求項4】
請求項3記載の基板ID読み取り機構において、基板ID読み取り可能条件の中心位置が基板IDの中心位置に近い順に優先順位を付し、その優先順位に基づいて基板IDを読み取ることを特徴とする基板ID読み取り機構。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項記載の基板ID読み取り機構において、前記予め設定された複数の基板ID読み取り条件の中に前記基板ID読み取り可能条件がなかった場合、前記アライナで基板の偏心を補正し、再度、基板のID位置を算出し、前記複数のID読み取り条件の中から算出した位置で前記基板ID読み取り可能条件を抽出し、その抽出した基板ID読み取り可能条件を用いて前記基板IDを読み取ることを特徴とする基板ID読み取り機構。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項記載の基板ID読み取り機構において、複数の基板ID読み取り条件からなる基板ID読み取り条件群が複数群予め設定され、使用する前記基板ID読み取り条件ID群を基板の種類或いは状態に応じて決定し、その決定した基板ID読み取り条件群の中から前記読み取り可能条件を抽出するよう設定したことを特徴とする基板ID読み取り機構。
【請求項7】
基板の搬送先或いは搬送元に取り付けられる筐体と、その筐体に設けられ基板を収納する容器と、前記容器内の基板を搬送先に供給するまたは前記搬送元の基板を前記容器に回収する基板搬送ロボットと、搬送される基板の位置及び向きを補正するアライナを備えた基板搬送装置において、
前記アライナには、基板に設けられた基板IDを読み取る基板ID読み取り装置が取り付けられ、前記アライナ及び前記基板ID読み取り装置は、請求項1乃至6のいずれか1項記載の基板ID読み取り機構を構成することを特徴とする基板搬送装置。
【請求項8】
基板搬送時における基板の偏心量を計測し基板のアライメントを行う際に前記基板の表面に設けられた基板IDを読み取る基板ID読み取り方法において、
前記基板の偏心量に基づいて前記基板IDの位置を算出し、その算出した基板IDの位置に基づいて予め設定した複数のID読み取り条件の中から基板IDを読み取り可能な条件を抽出し、その抽出した基板ID読み取り可能条件を用いて前記基板IDを読み取ることを特徴とする基板ID読み取り方法。
【請求項1】
基板の表面に設けられた基板IDを読み取る基板ID読み取り装置と、基板搬送時における前記基板の偏心量を計測し前記基板のアライメントを行うアライナとを備え、基板の偏心量を計測しアライメントを行う際に、前記基板IDを読み取る基板ID読み取り機構において、
前記基板ID読み取り装置は、前記基板の偏心量に基づいて前記基板IDの位置を算出し、その算出した基板IDの位置に基づいて予め設定された複数のID読み取り条件の中から基板IDを読み取り可能な条件を抽出し、その抽出した基板ID読み取り可能条件を用いて前記基板IDを読み取る構成としたことを特徴とする基板ID読み取り機構。
【請求項2】
請求項1記載の基板ID読み取り機構において、前記基板ID読み取り条件は、基板IDの種類、基板IDの読み取り範囲、前記基板IDの読み取り範囲の基準位置、読み取り時の光量の少なくとも1つ以上であることを特徴とする基板ID読み取り機構。
【請求項3】
請求項2記載の基板ID読み取り機構において、前記基板ID読み取り可能条件の抽出は、前記基板IDの種類に基づいて前記基板IDの大きさを特定し、その基板IDが前記基板IDを読み取る範囲内に収まるものを基板ID読み取り可能条件とすることを特徴とする基板ID読み取り機構。
【請求項4】
請求項3記載の基板ID読み取り機構において、基板ID読み取り可能条件の中心位置が基板IDの中心位置に近い順に優先順位を付し、その優先順位に基づいて基板IDを読み取ることを特徴とする基板ID読み取り機構。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項記載の基板ID読み取り機構において、前記予め設定された複数の基板ID読み取り条件の中に前記基板ID読み取り可能条件がなかった場合、前記アライナで基板の偏心を補正し、再度、基板のID位置を算出し、前記複数のID読み取り条件の中から算出した位置で前記基板ID読み取り可能条件を抽出し、その抽出した基板ID読み取り可能条件を用いて前記基板IDを読み取ることを特徴とする基板ID読み取り機構。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項記載の基板ID読み取り機構において、複数の基板ID読み取り条件からなる基板ID読み取り条件群が複数群予め設定され、使用する前記基板ID読み取り条件ID群を基板の種類或いは状態に応じて決定し、その決定した基板ID読み取り条件群の中から前記読み取り可能条件を抽出するよう設定したことを特徴とする基板ID読み取り機構。
【請求項7】
基板の搬送先或いは搬送元に取り付けられる筐体と、その筐体に設けられ基板を収納する容器と、前記容器内の基板を搬送先に供給するまたは前記搬送元の基板を前記容器に回収する基板搬送ロボットと、搬送される基板の位置及び向きを補正するアライナを備えた基板搬送装置において、
前記アライナには、基板に設けられた基板IDを読み取る基板ID読み取り装置が取り付けられ、前記アライナ及び前記基板ID読み取り装置は、請求項1乃至6のいずれか1項記載の基板ID読み取り機構を構成することを特徴とする基板搬送装置。
【請求項8】
基板搬送時における基板の偏心量を計測し基板のアライメントを行う際に前記基板の表面に設けられた基板IDを読み取る基板ID読み取り方法において、
前記基板の偏心量に基づいて前記基板IDの位置を算出し、その算出した基板IDの位置に基づいて予め設定した複数のID読み取り条件の中から基板IDを読み取り可能な条件を抽出し、その抽出した基板ID読み取り可能条件を用いて前記基板IDを読み取ることを特徴とする基板ID読み取り方法。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−23562(P2011−23562A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−167515(P2009−167515)
【出願日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(000233549)株式会社日立ハイテクコントロールシステムズ (130)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(000233549)株式会社日立ハイテクコントロールシステムズ (130)
【Fターム(参考)】
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