説明

堅牢な迅速崩壊錠剤の処方

直接打錠可能バインダーとしてエチルセルロース(EC)を含む、迅速に崩壊する経口投与される錠剤又は圧縮剤形であって、前記エチルセルロースは、改良された強度、低摩損度、低吸湿性によって示されるように錠剤の堅牢性を増強し、さらに疎水性であるにもかかわらず、崩壊剤及び糖アルコールのようなその他の水溶性賦形剤と共処方された場合に、崩壊を遅延しないばかりか、崩壊時間を短くする又は崩壊時間を中立にする。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
関連出願
本願は、2007年5月8日出願の米国仮出願第60/928125号の利益を主張し、前記出願特許は引用によってその全体を本明細書に援用する。
【技術分野】
【0002】
迅速に崩壊する低摩損性の錠剤の処方を提供する。該錠剤処方は、エチルセルロースバインダーを含み、これを典型的な崩壊剤及びその他の一般的な錠剤用助剤、例えばフィラー及び錠剤滑沢剤及び流動助剤と共処方するものである。試験したところ、該処方から製造された錠剤は、約5%以下の摩損度を示し、約60秒未満で崩壊した。
【背景技術】
【0003】
迅速に崩壊し、有効成分を口腔に送達することを目的とした迅速崩壊又は速溶性の錠剤又は経口剤形は、栄養補助食品及び医薬品の有効成分を投与するためのビヒクルとして、特に小児及び高齢者集団において重要性を増している。一般的にそのような錠剤は口中で非常に短い滞留時間を有することが期待される。従って、それらは標準USP錠剤崩壊試験を用いて試験した場合に60秒未満、さらに理想的には30秒未満で崩壊すべきである。さらに、該錠剤は不快な口当たりを提供すべきでなく、噛んだ場合に固すぎてはならず、そしてまた不快な味も持つべきでない。製造の観点から言うと、該錠剤の処方は、低摩損性の機械的に堅牢な錠剤をもたらし、直接打錠可能で、それゆえ顆粒化工程、スプレー乾燥及び凍結乾燥のような時間のかかる共加工を不要にするものが望ましい。望ましい摩損度は、標準摩損度試験機での摩耗で1%未満、理想的には0.5%未満の重量減と定義できる。
【0004】
有効成分を可溶性の錠剤フィラー、特に糖アルコール(ポリオール)と組み合わせるのは一般的なことである。なぜならば、糖アルコールの多くは可溶性で圧縮可能というだけでなく、良い口当たりも提供し、さらにいくらかのノンカロリーの甘味効果も提供しうるからである。頻繁に使用されるポリオールは、マンニトール、キシリトール、ソルビトール及びラクチオール(lactiol)などである。その他の可溶性錠剤フィラーは、可溶性糖及びデンプン誘導体、例えばスクロース、ラクトース、デキストロース、マルトデキストリン、イソマルト及びポリデキストロースなどである。
【0005】
典型的には、糖アルコールのような可溶性フィラーはさらに、高レベル(5重量%以上)の親水性、高膨潤性崩壊剤、例えば架橋ポビドン(クロスポビドン)、架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース(クロスカルメロースナトリウム)、架橋ナトリウムカルボキシメチルデンプン(デンプングリコール酸ナトリウム)又は低置換ヒドロキシプロピルセルロースと組み合わされる。
【0006】
しかしながら、直接打錠可能な錠剤を製造するのにそのような処方手法を用いた場合、崩壊時間、摩損度及び吸湿性を同時に最小限にするのは難しい。例えば、クラスとしての崩壊剤は、一般的に圧縮しにくく、錠剤結合効率も低く、非常に吸湿性である。崩壊時間を短くするために崩壊剤の量を増加することにより、得られた錠剤は、増大された吸湿性及び低い圧縮性を示し、摩損度も増大する。さらに、直接打錠及びバインダーのような添加剤を使わない場合において、上で名を挙げたような適切な錠剤フィラーの大部分は、辛うじて堅牢という程度の錠剤しかもたらさない。ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)又はポビドン(PVP)のような一般的な水溶性の錠剤バインダーの添加は、バインダーが粘度を増大し、ゲル化し、湿潤錠剤の崩壊を遅らせるので、無効になりがち又はより長い崩壊時間を招く。
【0007】
要約すれば、上記処方の一般的不利益は、使用されている材料の性質のために、これらの処方は湿気やすく圧縮性も比較的不良なので、従来の直接打錠即時放出錠剤と比較した場合に、安定性の問題、高い摩損度及び比較的不良な機械的取扱い特性をもたらすことである。多くの薬物は直接打錠に向かないので、錠剤の性能は、錠剤中の薬物の割合が増加するに従って悪化する。従って、迅速崩壊錠剤の大量取扱い及び包装時には、これらの錠剤を過剰の大気中水分及び過剰の機械力から保護するために特別な予防措置を講じる必要がある。
【0008】
いくつかの処方戦略が開発されている。国際特許出願WO2006058250 A1には、非繊維状粒子を得るために共加工された二つの糖アルコールの組合せを含む迅速崩壊経口錠剤の処方が開示されている。この混合物は、第三の補助的糖アルコール、崩壊剤及び流動助剤のようなその他の成分と組み合わされる。該処方により、摩損度の低い迅速崩壊錠剤が製造される。
【0009】
米国特許第6,284,272号には、唾液と接触すると迅速な錠剤崩壊をもたらす発泡剤の使用が教示されている。しかしながら、発泡剤は一般的に、多くの有効成分を不安定化する酸と塩基の組合せである。
【0010】
米国特許第5,631,023号には、有効成分と賦形剤との凍結乾燥混合物から製造された迅速崩壊錠剤が教示されている。錠剤の処方成分を凍結乾燥することによって、製剤は非晶質及び高多孔性になるので、極めて水溶性になる。しかしながら、凍結乾燥は、特殊化された時間のかかるプロセスであり、得られた錠剤は極めて吸湿性なので、水分制御のため製造及び包装に追加の注意が必要となる。
【0011】
米国特許出願番号20030138369A1には、低い粒子アスペクト比及び高い油又は水吸収特性を有するあるグレードのメタケイ酸カルシウムが開示されている。製造文献によれば、これらのメタケイ酸カルシウム製品は、速溶性製剤に30%までの量で使用すると、他の公知の崩壊剤と協調して共同剤(co-agent)として機能する。しかしながら、メタケイ酸カルシウムの添加は、錠剤の堅牢性及び圧縮性の喪失をもたらしうる。同様の効果がメタケイ酸カルシウムを第二リン酸カルシウムと組み合わせた場合に見られることが、米国特許出願番号20050244343A1の実施例6に示されている。一般にケイ酸カルシウムはアルカリ性の表面pHを特徴としており、これはアルカリに不安定な薬物の安定性にとって有害でありうることも注意すべきである。崩壊剤及び糖アルコールと組み合わせたその他の無機添加剤、例えば二酸化チタン、シリカ又は炭酸カルシウムの同様の使用も国際特許出願WO2005110376 A3などに開示されている。
【0012】
米国特許第5747068号は、容易に溶解可能な錠剤に使用するための材料を教示している。例えば、速溶性錠剤用の特別加工デンプンなどである。さらに、特定薬物のための多数の迅速崩壊処方も文献に見つけることができる。例えば、米国特許第5747068号には、さらにフルオキセチン及び各種崩壊剤及び可溶性フィラーを含む分散性錠剤も開示されている。
【0013】
米国特許第6,592,901号には、49.6%のエトキシル範囲下限及び53cps未満の粘度を有するエチルセルロースで構成される医薬剤形組成物が教示されている。この医薬剤形は、高度に圧縮及び圧密可能なので、良好な放出遅延を有する固い錠剤又はペレットの形成が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】WO2006058250 A1
【特許文献2】米国特許第6,284,272号
【特許文献3】米国特許第5,631,023号
【特許文献4】米国特許公開20030138369A1
【特許文献5】米国特許公開20050244343A1
【特許文献6】WO2005110376 A3
【特許文献7】米国特許第5747068号
【特許文献8】米国特許第6,592,901号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
口腔内で有効成分を速く効果的に送達するための、迅速に崩壊する機械的に堅牢な低摩損性の錠剤処方が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、迅速に崩壊する錠剤のために、エチルセルロース(EC)を水不溶性の不活性錠剤バインダーとして約1〜約20重量%の量で使用することに関する。ECは、その薬物放出遅延特性及び非崩壊性の疎水性マトリックス錠剤における使用がよく知られている。しかしながら、本発明は、一般的に迅速崩壊及び高い水中溶解度を必要とすると理解されている剤形にECを、驚くべきことに、特に比較的高いバインダー使用量(例えば錠剤処方の15重量%)で使用することに関する。
【0017】
さらに詳しくは、本発明は、約1〜20重量%のエチルセルロースバインダー及び約2〜15重量%の崩壊剤を含む、迅速に崩壊する低摩損性の錠剤の処方に関する。エチルセルロースバインダーは、44〜54.9%の範囲のエトキシル含有量及び80:20のトルエン:エタノール溶媒ブレンド中約3〜200cpsの範囲の5%溶液粘度を有する。崩壊剤は、架橋ポビドン、ナトリウムクロスカルメロース(架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース)、デンプングリコール酸ナトリウム、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、及びグアーからなる群から選ばれる。
【0018】
本発明はまた、迅速に崩壊する低摩損性の錠剤の製造法にも関する。該方法は、混合物を製造するために、エチルセルロースバインダー、崩壊剤、及び所望によりフィラー及び流動助剤を入手及びブレンドする工程を含む。該混合物を共加工し、共加工した混合物を圧縮して迅速に崩壊する低摩損性の錠剤を形成する。共加工は、混合物の共粉砕、ローラー圧密又は湿式凝集のいずれかによって達成できる。錠剤形に圧縮する前に滑沢剤を混合物に加えてもよい。
【0019】
本発明の迅速に崩壊する低摩損性の錠剤は、少なくとも一つの有効医薬成分と組み合わせることもできる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ECは、水不溶性の疎水性セルロースエーテルで、バリアフィルムコーティングにおける薬物放出遅延剤又は疎水性の非崩壊性マトリックス錠剤としてよく使用されているが、迅速に崩壊する錠剤処方のための相乗的錠剤バインダーとしても作用できることが見出された。非吸湿性で非反応性の錠剤バインダーであるECは、他の処方成分と容易に乾燥ブレンド又は共加工されて(例えば共粉砕によって又はこれらに限定されないがローラー圧密及び湿式造粒を含む凝集技術の使用を通じて)、速崩壊(60秒未満、しばしば20秒未満)、相対的不活性、ほぼpH中性、従来の直接打錠技術による製造の容易性、及び低い錠剤摩損度(1重量%未満、しばしば0.5重量%未満の摩損)によって定義されるような高い錠剤堅牢性といった複合した特質を提供する。
【0021】
本発明は、錠剤への圧縮前に低い吸湿性を有する錠剤処方も提供し、錠剤も水に速く分散するにもかかわらず非常に低い吸湿性を有する。典型的な水分取込みは、相対湿度50%及び25℃で2%未満(乾燥重量ベースで)である。
【0022】
エチルセルロース(EC)は、多くの用途を有する万能のセルロースエーテルである。好適なECは米国特許第6592901号に記載されており、前記特許は引用によってその全体を本明細書に援用する。下記のグレードタイプのECがHercules Incorporated社から市販されている。
【0023】
【数1】

【0024】
タイプK、N、及びTのECは食品及び食品接触用途に使用されている。さらに詳しくは、K及びTは食品及び食品と接触する紙又は板紙のような接触物に使用されている。Nタイプは医薬用途におけるバインダー又はコーティングとして使用されていた。タイプXはインク及びその他の工業用途に使用されている。どのグレードのECも本発明には有用であるが、高エトキシル、低粘度のEC(T10 EC Pharmグレード、Hercules Incorporated社の事業単位であるAqualon Divisionから入手可能)のような、最適化された直接打錠グレードの使用が特に好適である。このECタイプは、高い圧縮性と良好な粉末流動特性を兼ね備えている。低エトキシル及び低又は高粘度を有するその他の市販グレードのEC(例えば、N7、N10、N14、N22、N50及びN100 PharmグレードEC、すべてHercules Incorporated社の事業単位であるAqualon Divisionから入手可能)も、T10 EC Pharmグレードよりはおそらく低効果であろうが、本発明の錠剤処方に有用である。
【0025】
ECの製造法は当該技術分野で周知である。通常、化学グレードの綿くず又は木材パルプのいずれかがECの製造に使用される。化学反応の順序はセルロースのメチル化と同様である。商慣行では50%以上の水酸化ナトリウム濃度を用いてアルカリセルロースを製造する。反応中、副反応を削減するために固体水酸化ナトリウムの段階的添加を使用することができる。ニッケル被覆反応器中のアルカリセルロースに、90〜150℃及び828〜965kPa(120〜140psi)で6〜12時間、塩化エチルを加える。ベンゼン又はトルエンのような希釈剤を使用することもできる。反応終了時、塩化エチル、ジエチルエーテル、エタノール、及び希釈剤のような揮発物は回収及びリサイクルされる。溶液中のエチルセルロースを顆粒の形態で沈殿させ、担体溶媒の更なる回収を行う。水洗して加工が完了する。金属不純物の制御は貯蔵中の安定性を達成するために重要である。抗酸化剤を配合して粘性喪失を阻止することもできる。
【0026】
いずれのグレードのECも本発明には有用であるが、本発明における使用に好適なECは、高エトキシル含有量(49.6%より高い)及び同時に低粘度(53cps未満)を有し、平均粒径は50マイクロメートルより大である。
【0027】
本発明での使用に好適なECは、エトキシル含有量下限49.6%、好ましくは49.8%、さらに好ましくは50.0%を有する。ECのエトキシル含有量の上限は、54.88%、好ましくは53.0%、さらに好ましくは52.0%である。ECの粘度は53.0cps未満、好ましくは25cps未満、さらに好ましくは約17cps未満で、下限約3cpsである。
【0028】
ECバインダーは、典型的な崩壊剤及びその他の一般的な錠剤用助剤、例えばフィラー及び錠剤滑沢剤及び流動助剤と共処方される。典型的な崩壊剤は、架橋ポビドン、ナトリウムクロスカルメロース(架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース)、デンプングリコール酸ナトリウム、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、及びグアーを含み、そしてそれらからなる群から選ぶことができる。低置換ヒドロキシプロピルセルロースは、5.0〜16.0重量%の範囲のヒドロキシプロポキシル含有量及び350〜700の範囲の見かけ平均重合度を有すると定義できる。低置換ヒドロキシプロピルセルロースは米国特許第6380381号(引用によって本明細書に援用する)に開示されている。
【0029】
適切なフィラーは、スクロース、ラクトース、デキストロース、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、ラクチオール、マルトデキストリン、イソマルト、ポリデキストロース、デンプン及び微結晶性セルロースなどである。滑沢剤及び流動助剤は、ステアリン酸金属、例えばステアリン酸マグネシウム及びカルシウム、ステアリン酸、硬化植物油、ポリエチレングリコール、アミノ酸、フマル酸ステアリル、タルク及びコロイド状二酸化ケイ素などである。
【0030】
典型的には少量しか使用されないが、感覚刺激向上に重要なその他の添加剤は、甘味剤、フレーバー、味マスク剤及び着色剤などである。甘味剤の例は、スクラロース、ナトリウムサッカリン、アセスルファムK及びアスパルテームなどである。フレーバー及び味マスク剤の例は、ペパーミント、柑橘類及びバニラ抽出物、アミノ酸誘導体、例えばグルタミン酸ベース誘導体などである。上記は、可能性ある感覚刺激向上助剤の完全網羅的リストという意味ではない。
【0031】
適切なECの使用量は1〜20%、さらに好ましくは3〜18%、最も好ましくは5〜15%である。
適切な崩壊剤の使用量は2〜15%、さらに好ましくは3〜12%、最も好ましくは5〜10%である。
【0032】
適切な滑沢剤の量範囲は0.1%〜2.5%である。さらに好ましくは0.25〜2.0%、最も好ましくは0.5%〜1.5%である。
いずれのグレードのECも本発明には有用であるが、高エトキシル、低粘度のEC(T10 EC Pharmグレード、Hercules Incorporated社の事業単位であるAqualon Divisionから入手可能)のような、最適化された直接打錠グレードの使用が特に好適である。このECタイプは、高い圧縮性と良好な粉末流動特性を兼ね備えている。低エトキシル及び低又は高粘度を有するその他の市販グレードのEC(例えば、N7、N10、N14、N22、N50及びN100 PharmグレードEC、すべてHercules Incorporated社の事業単位であるAqualon Divisionから入手可能)も、T10 EC Pharmグレードよりはおそらく低効果であろうが、本発明の錠剤処方に有用である。
【0033】
本発明の迅速に崩壊する低摩損性の錠剤処方は、有効医薬成分又は薬剤と組み合わせて錠剤化又はペレット化に適切な処方を用意することもできる。一つ又は複数の有効医薬成分を単一剤形に組み合わせることができるが、その場合、組み合わせた有効成分の化学的適合性及び各有効成分の剤形からの所望放出速度を得る能力に応じて組み合わせる。用量単位あたりの薬剤の有効量の決定は、熟練臨床医によって容易に決定される。
【0034】
有効医薬成分の代表的種類は、制酸薬、抗炎症物質、抗感染薬、向精神薬、抗躁薬、抗パーキンソン薬、抗アルツハイマー薬、抗パーキンソン薬、抗アルツハイマー薬、興奮剤、抗ヒスタミン、下剤、充血除去剤、栄養補給剤、胃腸鎮痛剤、止瀉薬、抗狭心症薬、抗不整脈薬、降圧薬、血管収縮薬及び片頭痛治療薬、抗凝血剤及び抗血栓薬、鎮痛剤、解熱剤、睡眠薬、鎮静剤、制吐薬、制悪心薬、抗けいれん薬、神経筋薬、血糖上昇及び血糖降下剤、甲状腺及び抗甲状腺製剤、利尿薬、鎮痙剤、子宮弛緩剤、ミネラル及び栄養添加剤、抗肥満薬、同化薬、赤血球産生薬、抗喘息薬、去痰薬、鎮咳薬、粘液溶解薬、抗尿酸血薬、局所鎮痛薬、局所麻酔薬、ポリペプチド薬、抗HIV薬、抗糖尿病薬、化学療法薬及び抗新生物薬などである。
【0035】
具体的な有効医薬成分の例は、水酸化アルミニウム、プレドニゾロン、デキサメタゾン、アスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、硝酸イソソルビド、ニコチン酸、テトラサイクリン、アンピシリン、デクスブロムフェニラミン、クロルフェニラミン、アルブテロールプソイドエフェドリン、ロラタジン、テオフィリン、アスコルビン酸、トコフェロール、ピリドキシン、メトクロプラミド、水酸化マグネシウム、ベラパミル、塩酸プロカインアミド、プロプラノロール、カプトプリル、エルゴタミン、フラゼパム、ジアゼパム、炭酸リチウム、インスリン、フロセミド、ヒドロクロロチアジド、グアイフェネシン、デキストロメトルファン、ベンゾカイン、オンダンセトロン、セトリジン、ジメンヒドリナート、ジフェンヒドラミン、ビタミンB12、ファモチジン、ラニチジン、オメプラゾール、ラベプラゾール、エソメプラゾール、シルデナフィル、タダラフィル、アトルバスタチン、シンバスタチン、バルサルタン、ロサルタン、ドネペジル、ガランタミン、リバスティグミン、カルビドパ、レボドパ、セルトラリン、プラミペキソール及びロピニロールなどである。本発明のEC及びその他の剤形成分と物理的及び化学的に適合性のあるあらゆる有効医薬成分が本発明に使用できると理解されるべきである。
【0036】
以下に記載の実施例において、全製剤の5重量%という架橋CMC量が速い崩壊及び低い摩損度をもたらし、非常に有効であることが分かった。しかしながら、製剤の要件、例えば薬物溶解性、負荷及び所望の崩壊時間に応じて、崩壊剤の量は製剤の2〜15重量%の間で変動しうることが予想される。しかしながら、本発明の際立った利点は、たとえ製剤が25%の疎水性薬物、ジメンヒドリナートを含有していても、該錠剤は、5重量%の崩壊剤しか必要としないにもかかわらず約15秒で崩壊するということである。従って、非吸湿性ECと組み合わせた低量の崩壊剤は、製剤全体の吸湿性を低下させる。
【0037】
同様に、5〜10重量%というT10 ECの量も、錠剤の摩損度の低減及び低い崩壊時間の維持に非常に有効であることが分かった。しかしながら、当然のことながら、製剤の特徴、特に圧密特性及び機械的性質及び薬物の用量に応じて、ECバインダーの量は全製剤の1〜20重量%で変動しうる。
【0038】
以下の実施例は本発明を例示するのに役立つであろう。部及びパーセンテージは、別途記載のない限り、重量による。
【実施例】
【0039】
性質決定のための標準法
エトキシル含有量
ASTM D4794に従って、エトキシル含有量をZeisel(密封)管法により、ECをヨウ化水素酸と反応させて、セルロース鎖上のエトキシル置換の各モルにつき1モルのヨウ化エチルを遊離させることによって決定した。次に、そのヨウ化エチルをo−キシレンで抽出して、ガスクロマトグラフィーによりトルエンを内部標準として用いて定量した。この試験の典型的な装置セット、試薬及び手順のリストを以下に示す。
装置
1.ガスクロマトグラフ、Perkin−Elmer 900、又は熱伝導度検出器、チャート記録計、及び積分器を備えた同等品。
2.カラム6フィート×1/8インチのステンレススチール、100/120のSupelcoportに10%のSP−2100を充填(Supelco,Inc.,ペンシルバニア州ベルフォンテ)、カラムは受け取り次第、一晩200℃でコンディショニング。
3.ミニナートバルブを備えたReacti−バイアル、5ml(Pierce Chemical Co.,13223番及び10135番)。
4.Silli−Therm Heating Module、110v、19791,Pierce Chemical Co.,イリノイ州ロックフォード。
5 Reacti−Bar 21(6)19785,Pierce Chemical Co.,イリノイ州ロックフォード。
6 カバー、ステンレススチール、Silli−Therm Heating Module上の六つ(6)のReacti−Bar 21装置をカバーするように製作されている。
7 ディスペンサー 0−5ml、Labindustries Repipet、又は同等品。シリンジ、100.mu.l、Hamilton 710 N 又は同等品。
8 シリンジ、1.0.mu.l注入送達用のHamiltonアジャスタブルセット。
9 2.0ml送達用に調整されたマイクロ−セットピペット(Lancer製品番号8885−890007)。
10 天秤:可読0.0001g;精度0.0002g。
試薬
1 ヨードメタン、試薬級(ヨウ化エチル)
2 トルエン、試薬級
3 o−キシレン、試薬級
4 ヨウ化水素酸、水中57%溶液。
【0040】
【数2】

【0041】
積分器のパラメーターは、Hewlett Packard Reporting Integrator Model 3390A用に与えられている。
手順
1 約0.5グラムのサンプルを105℃のオーブンで1時間乾燥した。
2 加熱ブロックの温度を150℃に設定した。
3 風袋秤量された5mlのリアクティ−バイアルに0.05〜0.08グラムの冷却サンプルを量り入れた。重量を(四捨五入して)0.0001グラムの位まで記録し、サンプルは二重又は三重に試験した。
4 2mlのヨウ化水素酸をトランスファーピペットを用いて加える。サンプルにキャップをした。
5 2mlの内部標準溶液をリピペット・ディスペンサー(repipet dispenser)又は同等品を用いて加えた。
6 ミニナートバルブトップを用いて直ちにバイアルに再キャップをし、バイアルを振盪した。ブロック温度を温度計で180±5℃でモニターした。
7 ブロックにバイアルを入れ、金属カバーを元に戻した。加熱中はサンプルを安全シールドの中に保持した。
8 ブロック温度を150±5℃に2時間維持した。
9 バイアルを取り出し、室温まで放冷した。
10 各サンプルを激しく振盪し、約20分間放置した。
11 各サンプルの上部溶媒層1.0.mu.lをガスクロマトグラフでクロマトグラフ分析した。
粘度
粘度は、ECのトルエン:エタノール(80:20)溶媒混合物中5%溶液を調製することによって決定した。溶液の粘度をHercules Horizontal Capillary Viscometerを用いて測定した(ASTM D914−00,33.1に準拠)。装置、試薬及び手順のリストを以下に記載する。
装置
1.天秤、精度0.1g。
2.111.8mlを送達可能なビュレット(所望による)。
3.25℃に維持された恒温槽。
4.8オンス、広口、キャップ付きねじ蓋ボトル。
5.セロハン又はその他の適切なボトルキャップライナー。
6.粘度計、Hercules Horizontal Capillary Viscometer−−粘度の読みがセンチポイズで与えられるように較正されている。
7.温度計、0.1℃の細分目盛付き。
8.シェーカー。
試薬
1.エチルアルコール、SDA 2B−3グレード。
2.トルエン、ASTM D362の規格に適合。
3.トルエン:アルコール溶媒、重量比80:20。
手順
1.使用される80:20溶媒の温度を決定した。この決定に111.8mlのビュレットを使用するならば、溶媒の温度は20〜30℃でなければならない。
2.5.0gのサンプルを(四捨五入して)0.1gの位まで秤量した。
3.111.8mlの80:20溶媒をビュレットから8オンスのボトルに量り入れた(95.0グラムの溶媒に相当)。サンプルを溶媒に加え、サンプルが分散し、塊状にならないようにした。ボトルの首を1枚のセロハンでカバーし、ねじ蓋を嵌めた。
4.サンプルをシェーカーに入れ、溶解が完了するまで振盪した。
5.ボトルを25℃の槽に30分間入れ、溶液から気泡を除去した。
6.粘度計を上げた位置に置き(液溜め、垂直)、刻まれたマークまで液溜めを満たした。サンプル中にトラップされたままの空気がないことを確認した。キャピラリー端を指で塞いだ。留め具を解除し、粘度計を注意深く水平まで下げた。(指でキャピラリー端を塞ぎ、それを水平にまで下げる前に、液体を平衡レベルにさせることが必須であった。)
7.指を放し、液体がキャピラリー管の第一から第二のマークに流れる時間を測定した。時間tとして報告した。
8.粘度を次のように計算した。N=td/D 式中、N=粘度、cps.t=サンプルのフロー時間 d=25℃におけるサンプル溶液の密度(0.86) D=粘度計の較正に使用したオイルの密度。
【0042】
摩損度は、正確に秤量した20個の錠剤サンプルを標準Rocheタイプ摩損度試験機のドラムに入れ、ドラムを250回回転させることによって測定する。次に%摩損度を、回転後ダストを払った錠剤の、摩損度試験機で回転前の同じ錠剤サンプルと比較した%重量減として計算する。
【0043】
崩壊時間は、6個の錠剤を標準USP崩壊装置(円板挿入なし)に入れることによって測定する。次に、錠剤をpH6.8のリン酸緩衝溶液に浸漬して往復運動させ(USPの規定通り)、注意深く観察し、時間を計る。崩壊時間は、目に見える錠剤の核が無くなり、崩壊した錠剤の全破片が崩壊セルのメッシュスクリーンを通って下に落ちた時間として記録される。試験溶液の温度は37±1℃である。
錠剤の処方及び製造
全実施例とも、様々な処方成分は、ステアリン酸マグネシウム及びステアリン酸を除いて、最初にPatterson−Kelly V型ブレンダーで15分間乾燥ブレンドされた。次に、ステアリン酸マグネシウム及びステアリン酸を20メッシュスクリーンを通して混合物に加え、全体をさらに3分間ブレンドした。次に、機器を備えたManesty Betaプレス{1/4インチの標準凹型工具を備えている(より大きい工具が指示されている場合以外)}上で37rpmで錠剤を直接打錠した。標的重量100mgをセットした(異なる重量が指示されている場合以外)。錠剤を、例えば1/4インチの標準凹型工具を用いて、5kN及びおよそ8kNの圧縮力で圧縮した。より大きい工具の場合、15、20及び25kNの圧縮力を使用した。錠剤の破砕強度は、Key Pharmatest HT500S硬度試験機を用い、錠剤を直径方向に圧縮することによって決定した。
比較例1.
ECを含まない乾燥ブレンド粉末の500gバッチを調製し、対照製剤として100mgの錠剤に錠剤化した。
【0044】
【数3】

【0045】
表1.比較例1の対照製剤の破砕強度、摩損度及び崩壊時間の結果。錠剤は、回転錠剤プレスを用いて5kN及び8kNの圧縮力で製造した。
【0046】
【表1】

【0047】
マンニトールとクロスカルメロースの組合せは、25%の低溶性薬物、ジメンヒドリナートを含む錠剤の比較的速い崩壊を提供することができた。しかしながら、錠剤の摩損度は9%の重量減で、容認し難いほど高かった。
比較例2.
乾燥ブレンド粉末の500gバッチを上記のようにして調製したが、低粘度の水溶性バインダーKlucel(登録商標)EXF Pharmヒドロキシプロピルセルロース(Hercules Incorporated社の事業単位であるAqualon Divisionから入手可能)を加え、100mgの錠剤に錠剤化した。
【0048】
【数4】

【0049】
表2.比較例2の対照製剤の破砕強度、摩損度及び崩壊時間の結果。錠剤は、回転錠剤プレスを用いて5kN及び8kNの圧縮力で製造した。
【0050】
【表2】

【0051】
ヒドロキシプロピルセルロースの添加は摩損度の低下及び錠剤強度の増強に非常に効果的であったが、崩壊時間は180秒を超える結果となった。
実施例1.
上記比較例2のようにして乾燥ブレンド粉末の500gバッチを調製したが、ヒドロキシプロピルセルロースの代わりに水不溶性のT10 Pharm EC(Hercules Incorporated社の事業単位であるAqualon Divisionから入手可能)を組成物に使用して、100mgの錠剤に錠剤化した。
【0052】
【数5】

【0053】
表3.実施例1の対照製剤の破砕強度、摩損度及び崩壊時間の結果。錠剤は、回転錠剤プレスを用いて5kN及び8kNの圧縮力で製造した。
【0054】
【表3】

【0055】
ヒドロキシプロピルセルロースをT10 Pharm ECで置換すると、対照と比べて低摩損度の維持及び改良された錠剤強度に有効であり、また30秒未満という迅速崩壊時間の維持にも有効であった。
実施例2.
上記実施例1のようにして乾燥ブレンド粉末の500gバッチを調製したが、15%の水不溶性T10 Pharm ECの代わりにわずか10%のT10 Pharm ECを入れて、100mgの錠剤に錠剤化した。
【0056】
【数6】

【0057】
表4.実施例2の対照製剤の破砕強度、摩損度及び崩壊時間の結果。錠剤は、回転錠剤プレスを用いて5及び8kNの圧縮力で製造した。
【0058】
【表4】

【0059】
EC成分を15%から10%に削減しても低い錠剤の摩損度は損なわれなかった一方、対照のそれと類似した迅速崩壊時間を提供した。
実施例3.
上記実施例2のようにして乾燥ブレンド粉末の500gバッチを調製したが、10%の水不溶性T10 Pharm ECの代わりにわずか5%のT10 Pharm ECを入れて、100mgの錠剤に錠剤化した。
【0060】
【数7】

【0061】
表5.実施例3の対照製剤の破砕強度、摩損度及び崩壊時間の結果。錠剤は、回転錠剤プレスを用いて5kN及び8kNの圧縮力で製造した。
【0062】
【表5】

【0063】
EC成分を10%から5%に再度削減しても、比較例1の対照と比較して錠剤摩損度に著しい改良が可能であった一方、30秒未満という迅速崩壊時間も維持した。
実施例4.
上記実施例2のようにして乾燥ブレンド粉末の500gバッチを調製したが、ジメンヒドリナートの代わりに25%の直接打錠可能(予備顆粒化)アセトアミノフェン顆粒を入れた。錠剤の重量は、比較例1〜2及び実施例1〜3で使用された100mgから120mgに増やした。
【0064】
【数8】

【0065】
表6.実施例2の対照製剤の破砕強度、摩損度及び崩壊時間の結果。錠剤は、回転錠剤プレスを用いて5kN、8kN及び15kNの圧縮力で製造した。
【0066】
【表6】

【0067】
アセトアミノフェンは圧縮しにくい薬物として一般に知られている。データは、この製剤系が、低摩損度及び迅速崩壊を維持しつつ、一連の異なる物理化学的薬物特性にも対応可能であることを示している。
実施例5.
上記実施例4のようにして乾燥ブレンド粉末の500gバッチを調製したが、粒状マンニトールに加えて10%の液体ソルビトールも、最初の薬物、エチルセルロース、マンニトール、クロスカルメロースの乾燥ブレンド後に追加した。液体ソルビトール(30%水中70%ソルビトール)は、混合しながら徐々に加え、均一な「乾燥した手触り」の自由流動性粉末を形成させた。エチルセルロース及びクロスカルメロースの量も増やした。滑沢剤の添加後、120mgの錠剤を実施例4のように圧縮した。
【0068】
【数9】

【0069】
【表7】

【0070】
実施例6.
上記実施例5のようにして乾燥ブレンド粉末の500gバッチを調製したが、液体ソルビトールの代わりに10%のスプレー乾燥ソルビトールを使用した。錠剤は、5/8インチの円形トローチ工具を用いて圧縮した。該工具は、錠剤の中心部が錠剤の周囲部より薄くなるようにパンチ面の中心部が円形に隆起している。錠剤の標的重量は900mgで、錠剤は15、20及び25kNで圧縮された。
【0071】
【数10】

【0072】
【表8】

【0073】
実施例5及び6は、異なる錠剤のサイズ及び形状のほか、様々な範囲及び物理的形態の糖アルコール及び成分の包含に関して、この系の汎用性を示している。
ここに提示した実施例は発明を制限すると解釈されるべきものではない。むしろ本発明のいくつかの具体的態様を例示するために提示されたものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
迅速に崩壊する低摩損性の錠剤の処方であって、
a)約1〜20重量%のエチルセルロースバインダー、
b)約2〜15重量%の崩壊剤
を含み、前記エチルセルロースバインダーは、44〜54.9%の範囲のエトキシル含有量及び80:20のトルエン:エタノール溶媒ブレンド中約3〜200cpsの範囲の5%溶液粘度を有し、前記崩壊剤は、架橋ポビドン、ナトリウムクロスカルメロース(架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース)、デンプングリコール酸ナトリウム、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、及びグアーからなる群から選ばれる、迅速に崩壊する低摩損性の錠剤の処方。
【請求項2】
エチルセルロースバインダーが錠剤処方の約3〜18重量%を含む、請求項1に記載の迅速に崩壊する低摩損性の錠剤の処方。
【請求項3】
エチルセルロースバインダーが錠剤処方の約5〜15重量%を含む、請求項2に記載の迅速に崩壊する低摩損性の錠剤の処方。
【請求項4】
エチルセルロースバインダーが49.6%のエトキシル含有量下限を有する、請求項1に記載の迅速に崩壊する低摩損性の錠剤の処方。
【請求項5】
エチルセルロースバインダーが49.8%のエトキシル含有量下限を有する、請求項1に記載の迅速に崩壊する低摩損性の錠剤の処方。
【請求項6】
エチルセルロースバインダーが50.0%のエトキシル含有量下限を有する、請求項1に記載の迅速に崩壊する低摩損性の錠剤の処方。
【請求項7】
エチルセルロースバインダーが53.0%のエトキシル含有量上限を有する、請求項1に記載の迅速に崩壊する低摩損性の錠剤の処方。
【請求項8】
エチルセルロースバインダーが52.0%のエトキシル含有量上限を有する、請求項1に記載の迅速に崩壊する低摩損性の錠剤の処方。
【請求項9】
エチルセルロースバインダーが51.0%のエトキシル含有量上限を有する、請求項1に記載の迅速に崩壊する低摩損性の錠剤の処方。
【請求項10】
エチルセルロースバインダーが80:20のトルエン:エタノール溶媒ブレンド中53.0cps未満の5%溶液粘度を有する、請求項1に記載の迅速に崩壊する低摩損性の錠剤の処方。
【請求項11】
エチルセルロースバインダーが80:20のトルエン:エタノール溶媒ブレンド中25cps未満の5%溶液粘度を有する、請求項1に記載の迅速に崩壊する低摩損性の錠剤の処方。
【請求項12】
エチルセルロースバインダーが80:20のトルエン:エタノール溶媒ブレンド中17cps未満の5%溶液粘度を有する、請求項1に記載の迅速に崩壊する低摩損性の錠剤の処方。
【請求項13】
崩壊剤が錠剤処方の約3〜12重量%を含む、請求項1に記載の迅速に崩壊する低摩損性の錠剤の処方。
【請求項14】
崩壊剤が錠剤処方の約5〜10重量%を含む、請求項1に記載の迅速に崩壊する低摩損性の錠剤の処方。
【請求項15】
迅速に崩壊する低摩損性の錠剤の処方がさらにフィラーを含み、前記フィラーは、スクロース、ラクトース、デキストロース、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、ラクチオール、マルトデキストリン、イソマルト、ポリデキストロース、デンプン及び微結晶性セルロースからなる群から選ばれる、請求項1に記載の迅速に崩壊する低摩損性の錠剤の処方。
【請求項16】
迅速に崩壊する低摩損性の錠剤の処方がさらに滑沢剤を含み、前記滑沢剤は錠剤処方の約0.1〜2.5重量%を含む、請求項1に記載の迅速に崩壊する低摩損性の錠剤の処方。
【請求項17】
滑沢剤が錠剤処方の約0.25〜2.0重量%を含む、請求項16に記載の迅速に崩壊する低摩損性の錠剤の処方。
【請求項18】
滑沢剤が錠剤処方の約0.5〜1.5重量%を含む、請求項17に記載の迅速に崩壊する低摩損性の錠剤の処方。
【請求項19】
滑沢剤が、ステアリン酸金属、例えばステアリン酸マグネシウム及びカルシウム、ステアリン酸、硬化植物油、ポリエチレングリコール、アミノ酸及びフマル酸ステアリルからなる群から選ばれる、請求項16に記載の迅速に崩壊する低摩損性の錠剤の処方。
【請求項20】
迅速に崩壊する低摩損性の錠剤の処方がさらに流動助剤を含み、前記流動助剤が、タルク及びコロイド状二酸化ケイ素からなる群から選ばれる、請求項1に記載の迅速に崩壊する低摩損性の錠剤の処方。
【請求項21】
迅速に崩壊する低摩損性の錠剤の処方がさらに有効医薬成分を含む、請求項1に記載の迅速に崩壊する低摩損性の錠剤の処方。
【請求項22】
有効医薬成分が、制酸薬、抗炎症物質、抗感染薬、向精神薬、抗躁薬、抗パーキンソン薬、抗アルツハイマー薬、興奮剤、抗ヒスタミン、下剤、充血除去剤、栄養補給剤、胃腸鎮痛剤、止瀉薬、抗狭心症薬、抗不整脈薬、降圧薬、血管収縮薬及び片頭痛治療薬、抗凝血剤及び抗血栓薬、鎮痛剤、解熱剤、睡眠薬、鎮静剤、制吐薬、制悪心薬、抗けいれん薬、神経筋薬、血糖上昇及び血糖降下剤、甲状腺及び抗甲状腺製剤、利尿薬、鎮痙剤、子宮弛緩剤、ミネラル及び栄養添加剤、抗肥満薬、同化薬、赤血球産生薬、抗喘息薬、去痰薬、鎮咳薬、粘液溶解薬、抗尿酸血薬、局所鎮痛薬、局所麻酔薬、ポリペプチド薬、抗HIV薬、抗糖尿病薬、化学療法薬及び抗新生物薬からなる群から選ばれる、請求項1に記載の迅速に崩壊する低摩損性の錠剤の処方。
【請求項23】
有効医薬成分が、水酸化アルミニウム、プレドニゾロン、デキサメタゾン、アスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、硝酸イソソルビド、ニコチン酸、テトラサイクリン、アンピシリン、デクスブロムフェニラミン、クロルフェニラミン、アルブテロールプソイドエフェドリン、ロラタジン、テオフィリン、アスコルビン酸、トコフェロール、ピリドキシン、メトクロプラミド、水酸化マグネシウム、ベラパミル、塩酸プロカインアミド、プロプラノロール、カプトプリル、エルゴタミン、フラゼパム、ジアゼパム、炭酸リチウム、インスリン、フロセミド、ヒドロクロロチアジド、グアイフェネシン、デキストロメトルファン、ベンゾカイン、オンダンセトロン、セトリジン、ジメンヒドリナート、ジフェンヒドラミン、ビタミンB12、ファモチジン、ラニチジン、オメプラゾール、ラベプラゾール、エソメプラゾール、シルデナフィル、タダラフィル、アトルバスタチン、シンバスタチン、バルサルタン、ロサルタン、ドネペジル、ガランタミン、リバスティグミン、カルビドパ、レボドパ、セルトラリン、プラミペキソール及びロピニロールを含む、請求項22に記載の迅速に崩壊する低摩損性の錠剤の処方。
【請求項24】
迅速に崩壊する低摩損性の錠剤の製造法であって、
a)エチルセルロースバインダー、崩壊剤、及び所望によりフィラー及び流動助剤を入手及びブレンドして混合物を製造し、
b)前記混合物を圧縮して、迅速に崩壊する低摩損性の錠剤を形成する
工程を含む製造法。
【請求項25】
混合物を圧縮して迅速に崩壊する低摩損性の錠剤を形成する前に混合物を共加工する工程をさらに含み、前記共加工工程は、共粉砕、ローラー圧密又は湿式凝集からなる群から選ばれる、請求項24に記載の製造法。
【請求項26】
共加工混合物に滑沢剤を加える工程をさらに含む、請求項25に記載の製造法。
【請求項27】
混合物に滑沢剤を加える工程をさらに含む、請求項24に記載の製造法。

【公表番号】特表2010−526811(P2010−526811A)
【公表日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−507472(P2010−507472)
【出願日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際出願番号】PCT/US2008/005978
【国際公開番号】WO2008/140772
【国際公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(591020249)ハーキュリーズ・インコーポレーテッド (75)
【氏名又は名称原語表記】HERCULES INCORPORATED
【Fターム(参考)】