説明

塗布装置、塗布方法、及び塗布製品の製造方法

【課題】支持体の厚み分布による影響を抑えることで、最終的に製造しようとする塗布層の所望の塗布厚み分布に制御できる塗布装置、塗布方法、及び塗布製品の製造方法を提供する。
【解決手段】搬送される帯状の支持体に塗布液を塗布する塗布装置であって、塗布液を塗布することによって塗布層を形成する塗布部と、塗布部よりも支持体の搬送方向の上流側に配された厚み調整部と、を備え、厚み調整部は、支持体に該支持体の幅方向の塗布厚み分布を調整するための厚み調整層を形成し、厚み調整層は、最終的に得ようとする塗布層の所望の塗布厚み分布に対して略反転した形状の塗布厚み分布である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布装置、塗布方法、及び塗布製品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から写真感光材料や磁気記録媒体などの製造工程において可撓性支持体表面上に所望の塗布液を塗布する工程がある。
【0003】
塗布液を支持体面に塗布する塗布装置としては、例えば、ロールコータ型、グラビアコート型、ロールコートプラスドクター型、エクストルージョン型、スライドコート型等がある。近年は磁性塗布液の塗布にはエクストルージョン型の塗布装置が多用されている。
【0004】
エクストルージョン型塗布装置のうち、塗布ヘッド先端部を支持体に押し付けるタイプの方法は、支持体により厚み分布に大きく影響を受ける為、特許文献1及び2のような厚み調整方法が提案されている。
【0005】
特許文献1には、塗布液を吐出するスリットのギャップ幅を調整することで支持体幅方向の塗布層の厚みを調整することが記載されている。
【0006】
特許文献2には、塗布ヘッドを構成するブロックの先端と支持体との長さを調整することで、支持体幅方向の塗布厚み分布を調整することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平5−293419号公報
【特許文献2】特開平11−314065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
支持体の厚み分布が大きい場合には、特許文献2のような弾性変形領域内での調整が困難な場合が生じる。また支持体の厚み分布が局所的に生じている場合には、特許文献1のようなスリットギャップ幅調整では十分に対応できない。
【0009】
また近年磁気テープは、コンピュータ用や放送用として急速に容量、記録密度が向上しており、膜厚が極薄になるため、塗布液を希釈し膜厚を薄くしている。その際、塗布液が低粘度となるため、塗布ヘッドの吐出口や支持体とのギャップに存在する圧力損失が小さくなり、塗布厚みを十分に制御できなくなる。
【0010】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、支持体の厚み分布による影響を抑えることで、最終的に製造しようとする塗布層の所望の塗布厚み分布に制御できる塗布装置、塗布方法、及び塗布製品の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)搬送される帯状の支持体に塗布液を塗布する塗布装置であって、
前記塗布液を塗布することによって塗布層を形成する塗布部と、
前記塗布部よりも前記支持体の搬送方向の上流側に配された厚み調整部と、を備え、
前記厚み調整部は、前記支持体に該支持体の幅方向の塗布厚み分布を調整するための厚み調整層を形成し、
前記厚み調整層は、最終的に得ようとする前記塗布層の所望の塗布厚み分布に対して略反転した形状の塗布厚み分布である塗布装置。
(2)搬送される帯状の支持体に塗布液を塗布する塗布方法であって、
前記塗布液を塗布することによって塗布層を形成する塗布工程と、
前記塗布工程の前に、前記支持体に該支持体の幅方向の塗布厚み分布を調整するための厚み調整層を形成する厚み調整工程と、を有し、
前記厚み調整工程は、最終的に得ようとする前記塗布層の所望の塗布厚み分布に対して略反転した形状の塗布厚み分布で前記厚み調整層を形成する塗布方法。
(3)搬送される帯状の支持体に塗布液を塗布する塗布製品の製造方法であって、
前記塗布液を塗布することによって塗布層を形成する塗布工程と、
前記塗布工程の前に、前記支持体に該支持体の幅方向の塗布厚み分布を調整するための厚み調整層を形成する厚み調整工程と、を有し、
前記厚み調整工程は、最終的に得ようとする前記塗布層の所望の塗布厚み分布に対して略反転した形状の塗布厚み分布で前記厚み調整層を形成する塗布製品の製造方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、支持体の厚み分布による影響を抑えることで、最終的に製造しようとする塗布層の所望の塗布厚み分布に制御できる塗布装置、塗布方法、及び塗布製品の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】塗布装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】図1の塗布装置の塗布部と支持体の状態を示す図である。
【図3】厚み調整層及び塗布層の厚み分布の関係を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
【0015】
図1は、塗布装置の構成を概略的に示す図である。
【0016】
塗布装置10は、連続して搬送される帯状の支持体Wに塗布層を塗布によって形成する装置である。塗布装置10は、支持体Wの搬送方向の上流側から、順に、厚み調整液塗布部4と、乾燥部8と、塗布部6を備える。また、塗布装置10は、支持体Wの搬送経路に沿って複数のパスローラ2を備える。複数のパスローラ2は、搬送される支持体Wを搬送経路に沿って案内する。
【0017】
厚み調整液塗布部4は、支持体Wの塗布面に厚み調整液を塗布し、厚み調整層C1を形成する。厚み調整液塗布部4は、エクストルージョン方式の構成である。なお、厚み調整液塗布部4は、ローラコート方式、グラビアコート方式、ローラコートプラスドクターブレード方式、スライドコート方式などを採用することができ、いずれでもかまわない。
【0018】
乾燥部8は、厚み調整液塗布部4によって塗布された厚み調整液からなる厚み調整層C1を乾燥する。乾燥部8は、厚み調整層C1を完全には乾燥させずに、支持体Wの幅方向(支持体W面上において搬送方向に対して垂直な方向)に対して、該厚み調整層C1の乾燥具合に所定の分布(以下、乾燥分布という。)をもたせて乾燥させる。
【0019】
また、乾燥部8は、支持体Wの幅方向に平行に並べられ、乾燥風の吹き出す複数の吹き出し口を備える。これら複数の吹き出し口から吹き出される乾燥風の風量を制御することで、厚み調整層C1に乾燥分布を持たせて乾燥させる。ここで、乾燥分布は、乾燥風の風速を支持体Wの幅方向に変えてもよく、乾燥風の温度を支持体Wの幅方向に変えてもよい。
【0020】
さらに、乾燥部8は、厚み調整液を完全には乾燥させていない状態(つまり、厚み調整液がウェットな状態)で、後述するように、厚み調整層C1に塗布厚み分布を形成する。厚み調整層C1の塗布厚み分布については後述する。
【0021】
塗布部6は、支持体W上の厚み調整層C1に重ねて、最終的に得ようとする所望の塗布厚みに応じて塗布液を塗布し、塗布層C2を形成する。塗布部6は、エクストルージョン方式の構成である。支持体Wは、塗布液が塗布される側の面の反対側が、バックアップロール9によって支持される。バックアップロール9によって支持された支持体Wが塗布部6の塗布ヘッド側に所定の圧力で押し付けられる。なお、塗布ヘッドを支持体W側に押し付ける構成とすることで、バックアップロール9を省略した構成としてもよい。
【0022】
また、塗布装置10は、塗布部6の下流側に、図示しない乾燥部を備え、この乾燥部によって厚み調整液を完全に乾燥させることにより、揮発させる。
【0023】
次に、支持体、塗布液、厚み調整液の材料について説明する。
【0024】
支持体は、種類に制限はなく、紙、プラスチックフィルム、金属シート等を用いることができる。紙としては、例えばレジンコート紙、合成紙等が挙げられる。また、プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、ポリプロピレンのごときポリオレフィン、三酢酸セルローズや二酢酸セルローズのごときセルローズ誘導体、ポリ塩化ビニルのごときビニル系樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド樹脂、ポリスルホンなどのプラスチックのフィルム等が挙げられる。また、金属シートではアルミニウム板が代表的である。これらに表面処理、下引き加工等がなされていても使用可能であり、他の液が事前に塗布された支持体上への塗布においても適用可能である。また、支持体の厚さについては特に制限はない。
【0025】
塗布液の材料は、特に制限はなく、例えば写真感光材料、熱現像記録材料、アブレーション記録材料、磁気記録媒体、綱板表面処理、等の塗布液(下引き処理液、上塗り液、裏面層液等を含む)を用いることができる。
【0026】
厚み調整液の材料としては、塗布液に使用している同種の溶媒である事が好ましいが、種類に制限は無く、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸ブチル及びシクロヘキサノン等の有機溶剤などを用いる事ができる。
【0027】
次に、塗布部において塗布厚みを調整する原理を説明する。
【0028】
図2は、図1の塗布装置の塗布部と支持体の状態を示す図である。図2に示すようい、塗布部6において塗布液を吐出する塗布ヘッド先端と支持体w表面との距離をHとする。厚み調整層の厚みをT1とし、塗布液によって形成される塗布層の厚みをT2とする。ここで、距離H=厚みT1+厚みT2と表すことができる。
【0029】
距離Hは、一定であるため、厚み調整層の厚みをT1を厚くすると、塗布層の厚みをT2は薄くなる。また、厚み調整層の厚みをT1を薄くすると、塗布層の厚みをT2は厚くなる。
【0030】
本発明の塗布装置は、厚み調整層の厚みT1を調整することによって、塗布層の厚みT2を調整するものである。
【0031】
厚み調整層は、塗布層を形成した後で、揮発によりその全て又は一部が揮発により失われる層であり、最終的な製品において機能を有する層ではないことから、ダミー層ともいうことができる。
【0032】
なお、上述の塗布厚みの調整の原理は、バックアップロールを設けずに、塗布ヘッドを支持体に押し付けるタイプの塗布方法においても同様である。
【0033】
次に、塗布装置の作用を説明する。図1及び図2で説明した塗布装置の構成を適宜参照するものとする。
【0034】
先ず、連続して搬送される支持体Wの塗布面に、厚み調整液塗布部4によって厚み調整液を均一な厚みで塗布し、厚み調整層C1を形成する。乾燥部8は、厚み調整層C1に乾燥分布を持たせつつ、厚み調整液を乾燥させる。このとき、厚み調整液は、ウェットな状態である。
【0035】
図3は、支持体Wの幅方向に対する塗布厚みの関係を模式的に示す図である。図3Aから図3Cはいずれも、横軸が支持体Wの幅方向の位置を示し、縦軸が塗布厚みを示している。
【0036】
図3Aは、乾燥部8によって乾燥された後の、厚み調整層(ダミー層)の塗布厚み分布を示す図である。乾燥部8は、支持体Wの幅方向の中央の乾燥を両端側より強めることによって、中央の厚み調整層の揮発が端部よりも促される。この結果、厚み調整層の中央の厚みが、両端側より薄く形成される。
【0037】
塗布部6は、上述の塗布厚み分布を有する厚み調整層C1に重ねて塗布液を塗布し、塗布層C2を形成する。
【0038】
図3Bは、塗布層C2を形成した後の、塗布厚み分布を示している。図3Bに示すように、厚み調整層C1の厚みT1が薄い中央では、塗布層C2の厚みT2が厚い。また、厚み調整層C1の厚みT1が厚み両端側では、塗布層C2の厚みT2が薄い。ここで、塗布ヘッドと支持体との距離Hは一定であるため、支持体Wの幅方向において、厚み調整層C1と塗布層C2の厚みの和T1+T2は同じである。
【0039】
塗布部6により塗布層C2を形成した後、厚み調整層C1を乾燥させることで、厚み調整液を揮発させる。このとき、厚み調整液の一部が支持体表面に一部残存してもかまわない。
【0040】
図3Cは、厚み調整層C1を揮発させた後の塗布厚み分布を示している。この塗布厚み分布は、最終的に得ようとする塗布層の所望の塗布厚み分布に相当する。言い換えると、図3Cの塗布厚み分布を目標として、厚み調整層の塗布厚み分布を決定する。具体的には、厚み調整層の塗布厚み分布は、最終的に得ようとする所望の塗布厚み分布に対して略反転した形状である。
【0041】
このように、本発明の塗布装置は、最終的に得ようとする塗布層の塗布厚み分布を調整するため、塗布部の上流側に配された厚み調整液塗布部と乾燥部によって、厚み調整層の塗布厚み分布を制御するものである。
【0042】
また、塗布装置は、厚み調整層の上に塗布層を形成することで、支持体自身の厚み分布が塗布層の塗布厚み分布に影響することを抑えることができる。
【0043】
さらに、塗布装置10は、塗布部6において低粘度の塗布液を塗布する場合に特に有効である。塗布部6の塗布ヘッドと支持体とのギャップは、厚み調整層の分だけ狭くなり、圧力損失の低下を抑えることができる。
【0044】
次に、塗布装置の効果を実証するため、以下のような試験を行った。
【0045】
支持体は、厚み15μmのPETフィルムを使用した。支持体の搬送速度は、300m/minとした。
【0046】
厚み調整液1は、次に示す処方で作成した。
【0047】
(厚み調整液1の処方)
メチルエチルケトン 80質量部
シクロヘキサノン 20質量部
【0048】
塗布層を形成するための塗布液の処方は、次の表に示すものを使用した。
【0049】
【表1】

【0050】
本試験の実施例1−5で使用する塗布装置の構成は、後述する厚み調整方法をのぞき、図1に示す構成と基本的に同じものを使用した。厚み調整液塗布部はエクストルージョン方式を採用した。
【0051】
実施例1−5は、図1に示す塗布装置と同様に、乾燥部によって厚み調整層の塗布厚み分布を調整した。ここで、支持体の幅方向を部分的(支持体中央部)に乾燥状態を変化させ、厚み調整層の塗布厚み分布を調整した。具体的には、支持体によっては滑らかな厚み分布とならずに部分的に厚い部分又は薄い部分が存在するため、そのような部分ごとに塗布厚み分布を調整するため、部分ごとに乾燥状態を変化させた。こうして、厚み調整層は、最終的に得ようとする塗布層の所望の塗布厚み分布に対して略反転した形状の塗布厚み分布となるように形成された。その後、厚み調整層上に塗布層を形成し、乾燥させることで、厚み調整層を構成する厚み調整液のみを揮発させた。
【0052】
比較例1−4は、厚み調整液塗布部及び乾燥部を備えていない塗布装置であり、その他の構成は、実施例1−5の塗布装置と基本的に同じ構成である。比較例1−4は、塗布液を塗布する塗布部の塗布ヘッドにおいて、塗布液を吐出するスリットの長さ(スリット長ともいう。)を調整することで、支持体の幅方向に塗布層の塗布厚み分布を形成する。なお、スリット長によって塗布厚み分布を調整する方法としては、特開2005−125218の方式を採用した。
【0053】
実施例1−5、及び比較例1−4の厚み調整層、塗布層、厚み調整方法、及び塗布厚み分布評価を、次の表にまとめる。
【表2】

【0054】
塗布厚み分布評価の評価基準としては、目標とする塗布厚み分布と得られた分布との差が2%以下のとき「○」とし、若干不良(部分的に目標の塗布厚み分布と合致しない)とき「△」とし、2%より大きいとき「×」とした。
【0055】
この結果、実施例1−5では、厚み調整液によって厚み調整層を形成し、この厚み調整層の塗布厚み分布を調整することによって、所望の塗布厚み分布で塗布層を形成することができることがわかった。
【0056】
本発明の変形例を説明する。
【0057】
図1及び図2は、ここで、厚み調整液塗布部と乾燥部とが厚み調整部として機能することにより、塗布層の塗布厚み分布を制御するものであったが、これに限定されない。
【0058】
例えば、厚み調整液塗布部は、厚み調整層が最終的に得ようとする所望の塗布厚み分布に対して略反転した形状の塗布厚み分布となるように、厚み調整液を塗布してもよい。この場合、図1に示す乾燥部8を設けずに省略することができる。
【0059】
厚み調整層の塗布厚み分布を制御する厚み調整液塗布部としては、スリット幅又はスリット長を制御すればよい。
【0060】
スリット幅を制御する場合には、支持体の幅方向の中央のスリット幅を狭くし、両端側のスリット幅を広くすることで、図3Aに示す塗布厚み分布で厚み調整層を形成することができる。
【0061】
塗布量を制御する場合には、支持体の幅方向の中央のスリット長を長くし、両端側のスリット長を短くすることで、図3Aに示す塗布厚み分布で厚み調整層を形成することができる。
【0062】
なお、厚み調整層の塗布厚み分布を制御する厚み調整液塗布部としては、特開平5−293419や特開平11−314065に記載の調整方法を採用してもよい。
【0063】
図1及び図2に示す塗布装置10において、乾燥部8は、乾燥風を吹き出す構成に限定されず、支持体Wの幅方向に対して厚み調整液に乾燥分布を持たせることができる範囲で変形が可能である。例えば、乾燥部8は、支持体Wの幅方向に対して加熱温度を制御可能なヒータを備えていてもよい。
【0064】
上述した塗布装置を磁気テープなどの塗布製品の製造方法に適用することができる。磁気テープの製造する際には、搬送される帯状の支持体に塗布装置によって磁性層又は非磁性層を構成する塗布液を塗布し、塗布層を形成する。また、塗布工程の前に、支持体に該支持体の幅方向の塗布厚み分布を調整するための厚み調整層を形成する厚み調整工程と、を行えばよい。
【0065】
本明細書は次の事項を開示する。
(1)搬送される帯状の支持体に塗布液を塗布する塗布装置であって、
前記塗布液を塗布することによって塗布層を形成する塗布部と、
前記塗布部よりも前記支持体の搬送方向の上流側に配された厚み調整部と、を備え、
前記厚み調整部は、前記支持体に該支持体の幅方向の塗布厚み分布を調整するための厚み調整層を形成し、
前記厚み調整層は、最終的に得ようとする前記塗布層の所望の塗布厚み分布に対して略反転した形状の塗布厚み分布である塗布装置。
(2)(1)に記載の塗布装置であって、
前記厚み調整部は、前記厚み調整層を構成する厚み調整液を塗布する厚み調整液塗布部と、前記塗布部の上流側に配され、前記厚み調整液を乾燥する乾燥部とを備え、
前記乾燥部は、前記支持体の幅方向において厚み分布をもたせて前記厚み調整液を乾燥する塗布装置。
(3)(1)に記載の塗布装置であって、
前記厚み調整部は、前記塗布部の上流側に配され、前記厚み調整層を構成する厚み調整液を塗布する厚み調整液塗布部を備え、
前記厚み調整液塗布部は、前記支持体の幅方向において厚み分布をもたせて前記厚み調整液を塗布する塗布装置。
(4)搬送される帯状の支持体に塗布液を塗布する塗布方法であって、
前記塗布液を塗布することによって塗布層を形成する塗布工程と、
前記塗布工程の前に、前記支持体に該支持体の幅方向の塗布厚み分布を調整するための厚み調整層を形成する厚み調整工程と、を有し、
前記厚み調整工程は、最終的に得ようとする前記塗布層の所望の塗布厚み分布に対して略反転した形状の塗布厚み分布で前記厚み調整層を形成する塗布方法。
(5)(4)に記載の塗布方法であって、
前記厚み調整工程は、前記厚み調整層を構成する厚み調整液を塗布する厚み調整液塗布工程と、
前記塗布工程の前に前記厚み調整液を乾燥する乾燥工程とを備え、
前記乾燥工程は、前記支持体の幅方向において厚み分布をもたせて前記厚み調整液を乾燥する塗布方法。
(6)(4)に記載の塗布方法であって、
前記厚み調整工程は、前記塗布工程の前に前記厚み調整層を構成する厚み調整液を塗布する厚み調整液塗布工程を有し、
前記厚み調整液塗布工程は、前記支持体の幅方向において厚み分布をもたせて前記厚み調整液を塗布する塗布方法。
(7)搬送される帯状の支持体に塗布液を塗布する塗布製品の製造方法であって、
前記塗布液を塗布することによって塗布層を形成する塗布工程と、
前記塗布工程の前に、前記支持体に該支持体の幅方向の塗布厚み分布を調整するための厚み調整層を形成する厚み調整工程と、を有し、
前記厚み調整工程は、最終的に得ようとする前記塗布層の所望の塗布厚み分布に対して略反転した形状の塗布厚み分布で前記厚み調整層を形成する塗布製品の製造方法。
(8)(7)に記載の塗布製品の製造方法であって、
前記厚み調整工程は、前記厚み調整層を構成する厚み調整液を塗布する厚み調整液塗布工程と、
前記塗布工程の前に前記厚み調整液を乾燥する乾燥工程とを備え、
前記乾燥工程は、前記支持体の幅方向において厚み分布をもたせて前記厚み調整液を乾燥する塗布製品の製造方法。
(9)(7)に記載の塗布製品の製造方法であって、
前記厚み調整工程は、前記塗布工程の前に前記厚み調整層を構成する厚み調整液を塗布する厚み調整液塗布工程を有し、
前記厚み調整液塗布工程は、前記支持体の幅方向において厚み分布をもたせて前記厚み調整液を塗布する塗布製品の製造方法。
【符号の説明】
【0066】
10 塗布装置
4 厚み調整液塗布部
6 塗布部
8 乾燥部
9 バックアップロール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送される帯状の支持体に塗布液を塗布する塗布装置であって、
前記塗布液を塗布することによって塗布層を形成する塗布部と、
前記塗布部よりも前記支持体の搬送方向の上流側に配された厚み調整部と、を備え、
前記厚み調整部は、前記支持体に該支持体の幅方向の塗布厚み分布を調整するための厚み調整層を形成し、
前記厚み調整層は、最終的に得ようとする前記塗布層の所望の塗布厚み分布に対して略反転した形状の塗布厚み分布である塗布装置。
【請求項2】
請求項1に記載の塗布装置であって、
前記厚み調整部は、前記厚み調整層を構成する厚み調整液を塗布する厚み調整液塗布部と、前記塗布部の上流側に配され、前記厚み調整液を乾燥する乾燥部とを備え、
前記乾燥部は、前記支持体の幅方向において厚み分布をもたせて前記厚み調整液を乾燥する塗布装置。
【請求項3】
請求項1に記載の塗布装置であって、
前記厚み調整部は、前記塗布部の上流側に配され、前記厚み調整層を構成する厚み調整液を塗布する厚み調整液塗布部を備え、
前記厚み調整液塗布部は、前記支持体の幅方向において厚み分布をもたせて前記厚み調整液を塗布する塗布装置。
【請求項4】
搬送される帯状の支持体に塗布液を塗布する塗布方法であって、
前記塗布液を塗布することによって塗布層を形成する塗布工程と、
前記塗布工程の前に、前記支持体に該支持体の幅方向の塗布厚み分布を調整するための厚み調整層を形成する厚み調整工程と、を有し、
前記厚み調整工程は、最終的に得ようとする前記塗布層の所望の塗布厚み分布に対して略反転した形状の塗布厚み分布で前記厚み調整層を形成する塗布方法。
【請求項5】
請求項4に記載の塗布方法であって、
前記厚み調整工程は、前記厚み調整層を構成する厚み調整液を塗布する厚み調整液塗布工程と、
前記塗布工程の前に前記厚み調整液を乾燥する乾燥工程とを備え、
前記乾燥工程は、前記支持体の幅方向において厚み分布をもたせて前記厚み調整液を乾燥する塗布方法。
【請求項6】
請求項4に記載の塗布方法であって、
前記厚み調整工程は、前記塗布工程の前に前記厚み調整層を構成する厚み調整液を塗布する厚み調整液塗布工程を有し、
前記厚み調整液塗布工程は、前記支持体の幅方向において厚み分布をもたせて前記厚み調整液を塗布する塗布方法。
【請求項7】
搬送される帯状の支持体に塗布液を塗布する塗布製品の製造方法であって、
前記塗布液を塗布することによって塗布層を形成する塗布工程と、
前記塗布工程の前に、前記支持体に該支持体の幅方向の塗布厚み分布を調整するための厚み調整層を形成する厚み調整工程と、を有し、
前記厚み調整工程は、最終的に得ようとする前記塗布層の所望の塗布厚み分布に対して略反転した形状の塗布厚み分布で前記厚み調整層を形成する塗布製品の製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載の塗布製品の製造方法であって、
前記厚み調整工程は、前記厚み調整層を構成する厚み調整液を塗布する厚み調整液塗布工程と、
前記塗布工程の前に前記厚み調整液を乾燥する乾燥工程とを備え、
前記乾燥工程は、前記支持体の幅方向において厚み分布をもたせて前記厚み調整液を乾燥する塗布製品の製造方法。
【請求項9】
請求項7に記載の塗布製品の製造方法であって、
前記厚み調整工程は、前記塗布工程の前に前記厚み調整層を構成する厚み調整液を塗布する厚み調整液塗布工程を有し、
前記厚み調整液塗布工程は、前記支持体の幅方向において厚み分布をもたせて前記厚み調整液を塗布する塗布製品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−200659(P2012−200659A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−66817(P2011−66817)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】