塗布装置および塗布方法
【課題】スリットコートにおいて用いるノズルのスリット部などに異物が挟まっているか否かを、実際に塗布作業をしなくても検出することができるようにする。
【解決手段】塗布装置1は、基板2を保持するための基板保持部としてのステージ3と、前記基板保持部に保持された基板2に向けて所定の処理液を吐出するための開口部としての線状開口部5を有するノズルヘッドとしてのスリットノズルヘッド4と、このスリットノズルヘッド4を基板2の表面に対向させた状態で、線状開口部5の長手方向に垂直な方向に、スリットノズルヘッド4を基板2に対して相対的に移動させるための移動機構6と、線状開口部5内に異物が挟まっているか否かを検出するための異物検出装置7と、この異物検出装置7が前記異物を検出したときに、その検出情報を外部に出力する出力装置8とを備える。
【解決手段】塗布装置1は、基板2を保持するための基板保持部としてのステージ3と、前記基板保持部に保持された基板2に向けて所定の処理液を吐出するための開口部としての線状開口部5を有するノズルヘッドとしてのスリットノズルヘッド4と、このスリットノズルヘッド4を基板2の表面に対向させた状態で、線状開口部5の長手方向に垂直な方向に、スリットノズルヘッド4を基板2に対して相対的に移動させるための移動機構6と、線状開口部5内に異物が挟まっているか否かを検出するための異物検出装置7と、この異物検出装置7が前記異物を検出したときに、その検出情報を外部に出力する出力装置8とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布装置および塗布方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体装置、表示パネルなどの製造現場においては、基板の表面に処理液を塗布する工程がしばしば行なわれる。処理液としては、たとえばエッチングのレジスト材などがありうる。塗布の際には所望の表面に均一に確実に塗布することが求められる。
【0003】
一般的に、基板の表面に処理液を塗布する方式としては、基板を回転させることによって遠心力を利用して処理液を拡散させる「スピンコート」という方式が知られている。基板を回転させにくい場合には、スピンコートに代わって「スリットコート」という方式が用いられる場合がある。特に基板が大型化しつつある表示パネルなどの製造現場においては、スピンコートを行なうことは物理的に困難であるので、スリットコートがしばしば採用されている。スリットコートは、スピンコートと異なり、スリット状の開口部を有するバー状のノズルを用いる方式であり、基板表面に向けられたこの開口部から処理液を吐出しながらノズルを基板表面に沿って走行させるものである。このようにして基板表面をスキャンすることによって、処理液を基板表面の所定領域に塗布することができる。
【0004】
スリットコートにおいては、基板は平坦な上面を有するステージに載せられた状態でノズルが基板表面に近接して走行することとなるが、基板とステージとの間に異物が挟まっている場合、その部分だけ基板が盛り上がることとなるので、ノズルが基板に衝突してしまい、ノズルまたは基板の破損の原因となる。また、基板の表面に異物が付着している場合、この異物が基板とノズルとの間に噛み込まれてノズルや基板が破損したり、破損にまで至らなくても塗布不良の原因になったりする。これらの問題を回避するために、たとえば特開2002−1195号公報(特許文献1)に記載されているような技術が提案されている。さらに、特許文献1に記載の技術の欠点を補うものとして、特開2007−173387号公報(特許文献2)、特開2007−173531号公報(特許文献3)に記載されているような技術も提案されている。
【特許文献1】特開2002−1195号公報
【特許文献2】特開2007−173387号公報
【特許文献3】特開2007−173531号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1〜3に記載の技術を以ってすれば、基板とステージとの間に異物が挟まっている場合や基板の表面に異物が付着している場合には対処することができるが、図15に示すようにノズル91のスリット開口部92またはスリット開口部92に連通するスリット空間93に異物94が挟まっている場合には対処することができない。このような場所に異物が挟まっている場合、ノズルの走行によって塗布された基板表面に、異物に妨害されて処理液が塗布されなかった部分が筋状に現れる。このようになった場合、その基板は塗布不良となってしまう。
【0006】
しかも、ノズルのスリット開口部またはスリット空間(以下「スリット部」という。)に異物が挟まっているかどうかは、実際に塗布作業を行なってみなければ確認できず、基板を何枚も塗布作業ラインに流して塗布作業をしてみて、得られた基板における筋の出現の有無を確認して初めて異物の存在がわかるという状況であった。その場合、流し始めてから異状の発見までにタイムラグがあるため、その間に塗布作業が行なわれた複数枚の基板が塗布不良となってしまう。
【0007】
この類の塗布不良は、点状ではなく線状に現れるので、損失が大きい。たとえば図16に示すように、1枚の大判基板151から切断線154に沿って切断することで多数の表示パネルに相当する小基板を切り出そうとする場合、その大判基板151において処理液が塗布されない筋152が1本でも現れた場合、その列153に属する小基板は全て廃棄せざるを得なくなる。なお、図16に示す大判基板151を側方から見たところを図17に示す。
【0008】
そこで、本発明は、スリットコートにおいて用いるノズルのスリット部に異物が挟まっているか否かを、実際に塗布作業をしなくても検出することができる塗布装置および、スリット部に挟まった異物に起因する筋の出現を防止することができる塗布方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に基づく塗布装置は、基板を保持するための基板保持部と、前記基板保持部に保持された前記基板に向けて所定の処理液を吐出するための開口部を有するノズルヘッドと、前記ノズルヘッドを前記基板の表面に対向させた状態で、前記ノズルヘッドを前記基板に対して相対的に移動させるための移動機構と、前記開口部内に異物が挟まっているか否かを検出するための異物検出装置と、前記異物検出装置が前記異物を検出したときに、その検出情報を外部に出力する出力装置とを備える。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に基づく塗布方法の第1の局面は、基板を保持し、開口部に連通する空間を有するノズルヘッドを前記基板の表面に対向させた状態で、前記ノズルヘッドを前記基板に対して相対的に移動させながら前記基板に向けて所定の処理液を吐出する第1工程と、前記空間内に異物が挟まっているか否かを検査する第2工程とを含み、前記第2工程は、もし異物を検出したときにはその検出情報を外部に出力するように検出装置を運用しながら行なうものであり、前記第2工程は、前記第1工程と並行して行なわれる。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に基づく塗布方法の第2の局面は、基板を保持し、開口部に連通する空間を有するノズルヘッドを前記基板の表面に対向させた状態で、前記ノズルヘッドを前記基板に対して相対的に移動させながら前記基板に向けて所定の処理液を吐出する第1工程と、前記空間内に異物が挟まっているか否かを検出するための検出装置を備え、前記ノズルヘッドを収容するためのヘッド収容ユニットに、前記ノズルヘッドを退避させる第2工程と、前記ヘッド収容ユニットに退避させた状態で、前記異物検出装置により前記空間内に異物が挟まっているか否かの検査を行なう第3工程と、前記ヘッド収容ユニットから前記第1工程の作業場所へ前記ノズルヘッドを移動させる第4工程とを含み、前記第1工程を一定回数繰り返すごとに、前記第2、第3、第4工程をこの順序に行なうことを繰り返す。
【発明の効果】
【0012】
本発明に基づく塗布装置では、スリット部などの異物有無を検査するための異物検出装置が備わっているので、実際に塗布作業をしなくてもスリット部などに挟まった異物の存在を検出することができる。
【0013】
また、本発明に基づく塗布方法によれば、スリット部などに挟まった異物に起因する筋の出現を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(実施の形態1)
(構成)
図1〜図5を参照して、本発明に基づく実施の形態1における塗布装置について説明する。本実施の形態における塗布装置1の全体を図1に示す。この塗布装置1は、基板2を保持するための基板保持部としてのステージ3と、ステージ3に保持された基板2に向けて所定の処理液を吐出するための開口部としての線状開口部5を有するノズルヘッドとしてのスリットノズルヘッド4と、スリットノズルヘッド4を基板1の表面に対向させた状態で、線状開口部5の長手方向に垂直な方向に、スリットノズルヘッド4を基板1に対して相対的に移動させるための移動機構6と、線状開口部5内に異物が挟まっているか否かを検出するための異物検出装置7と、この異物検出装置7が前記異物を検出したときに、その検出情報を外部に出力する出力装置8とを備える。
【0015】
これらの各部は基台20の上に設置されている。移動機構6はスリットノズルヘッド4をスライドさせるレールを含んでいる。塗布装置1は、スリットノズルヘッド4が塗布作業を行なわないときに退避させておくための退避ユニット14やスリットノズルヘッド4を洗浄するための洗浄ユニット15をも備えている。この例では、退避ユニット14および洗浄ユニット15は、一体的な基台20の上において、移動機構6によるスリットノズルヘッド4の移動経路の延長上にされている。退避ユニット14は、スリットノズルヘッド4のスリットが乾燥することを防止するための構造を備えている。たとえばいわゆるシンナー置換を行なえるようになっている。「シンナー置換」とは、スリットノズルヘッド4のスリット内部に残存する処理液をシンナーで置き換えることをいう。スリット内部をシンナーで満たし、その状態を維持することによってスリットが乾燥することを防止することができる。
【0016】
この例では、開口部は線状開口部であるものとしたが、線状以外の開口部、たとえば点状の開口部や網目状の開口部であっても本発明は適用できる。この例では、ノズルヘッドはスリットノズルヘッドであるものとしたが、スリット状以外のノズルヘッドであっても本発明は適用できる。
【0017】
この例では、ステージが静止していて移動機構がノズルヘッドを移動させる構造としたが、逆にノズルヘッドが静止していて移動機構がステージを移動させる構造であってもよい。あるいは、両方が移動する構造であってもよい。移動機構は、ステージ上の所望領域に対してノズルヘッドが相対的にスキャンできるように構成されていればよい。
【0018】
本実施の形態では好ましいことに、開口部は線状開口部であり、ノズルヘッドはスリットノズルヘッドであり、異物検出装置7は、スリットノズルヘッドの長手方向の一方の端に設けられた光源7aと、他方の端に設けられた光検出装置7bとを含む。
【0019】
この塗布装置における異物検出装置7と出力装置8との関係を模式的に図2に示す。異物検出装置7と出力装置8とは接続されている。この例では出力装置8は制御装置を兼ねており、異物検出装置7の光源7a、光検出装置7bの双方と接続されている。この例では図1に示したように出力装置8が基台20の上面に設置されているものとしたが、出力装置8の大きさや設置態様はこれに限らない。
【0020】
異物検出装置を設ける位置は図1、図2に示したものに限らない。本実施の形態では、あくまで一例として、異物検出装置がスリットノズルヘッド4の両端に配置されており、スリットノズルヘッド4とともに一体となって基板に対して相対的に移動するようになっているが、後述するように異物検出装置は別の位置に設けてもよい。
【0021】
本実施の形態における塗布装置1において、スリットノズルヘッド4を単独で取り出したところを図3に示す。スリットノズルヘッド4の分解図を図4に示す。スリットノズルヘッド4は、部材4a,4bとシム板10とを含んでいる。シム板10はほぼコの字形をした板材であり、部材4a,4bはシム板10を挟み込むようにして組み立てられる。したがって、シム板10の厚みによって線状開口部5のギャップの大きさが決められる。シム板10の両端には光源7aと光検出装置7bとが配置されている。実際には部材4a,4bの内側に向く面のうち少なくとも一方には処理液を導くための凹部が設けられているが、図示省略している。
【0022】
スリットノズルヘッド4の概念図を図5に示す。部材4a,4bの間には、シム板10の厚みによってスリット空間11が形成されている。スリット空間の下端は、線状開口部5である。このスリット空間11内に異物が挟まっていると上述のような問題が生じるのである。異物検出装置7はこのスリット空間11内の異物を検出するためのものである。
【0023】
図5に示すように光源7aからはスリット空間11に向けて光12が発せられる。光検出装置7bはスリット空間11を通ってきた光12を受けるように配置されている。
【0024】
(動作)
本実施の形態における塗布装置の動作について説明する。スリット部内の異物の検査のためには、処理液がスリット空間11に入っていない状態で、異物検出装置7の光源7aからスリット空間11に向けて光を発し、この光を光検出装置7bによって受ける。スリット空間11内に異物がない場合に比べて、異物がある場合には、異物によって光が遮られることにより光検出装置7bで受ける光の量が小さくなる。この光の量の変化によって線状開口部5内またはスリット空間11内すなわちスリット部内に異物が存在することを検出することができる。
【0025】
(作用・効果)
本実施の形態における塗布装置では、異物検出装置が備わっているので、実際に塗布作業をしなくてもスリット空間を通した光の授受によってスリット部に挟まった異物の存在を検出することができる。もし異物を検出した場合には、スリットノズルヘッドのクリーニング作業を行なった後に再び異物検出装置による検査作業を行なえばよい。異物検出装置7による検査を行なっても異物の存在が検出されなくなるまでクリーニング作業は繰り返すべきである。このようにすることで、不良品を生産することなく、確実にスリット部の異物を排除することができる。
【0026】
図5に示した例では、光源7a,光検出装置7bの各々の一部がシム板10の途中に割り込んだ構成となっていたが、図6に示すように光源7a,光検出装置7bはシム板10の下端に取り付けることとしてもよい。
【0027】
(実施の形態2)
(構成)
図7、図8を参照して、本発明に基づく実施の形態2における塗布装置について説明する。本実施の形態における塗布装置は基本的には実施の形態1で説明したものと同様であるが、異物検出装置が異なる。図7に示すように、本実施の形態における塗布装置1hは異物検出装置7iを備える。この異物検出装置7iは、スリットノズルヘッド4の長手方向の一方の端に設けられた音波発振源7cと、他方の端に設けられた音波検出装置7dとを含む。図8に示すように、音波発振源7cはスリット空間11に向けて音波13を発することができ、音波検出装置7dはスリット空間11を通ってきた音波13を受けるように配置されている。
【0028】
(作用・効果)
本実施の形態における塗布装置では、異物検出装置が備わっているので、実際に塗布作業をしなくてもスリット空間を通した音波の授受によってスリット間の異物の存在を検出することができる。もし異物を検出した場合の対処方法および効果は実施の形態1で述べたのと同様である。
【0029】
本実施の形態では、光ではなく音波によって異物の検出を行なうので、異物検出装置をスリット空間11に直接露出させない構成とすることもできる。たとえば図8に示すように、音波発振源7cおよび音波検出装置7dはシム板10の外側に配置してもよい。このようにしても音波はシム板10を通して伝わることができるので、異物の検出をすることができる。本実施の形態によれば、シム板に加工を施さなくても異物検出装置を取り付けられるので好都合である。
【0030】
(実施の形態3)
(構成)
図9〜図12を参照して、本発明に基づく実施の形態3における塗布装置について説明する。本実施の形態における塗布装置は基本的には実施の形態1で説明したものと同様であるが、異物検出装置が異なる。図9に示すように、本実施の形態における塗布装置1jは、基台20上に検査ユニット16を備える。検査ユニット16はスリットノズルヘッドを収容するためのヘッド収容ユニットの一種である。「ヘッド収容ユニット」とは、スリットノズルヘッドを完全に包み隠して収容することまでは必要でなく、スリットノズルヘッド4の先端部分すなわち線状開口部5が設けられている部分を受け入れる程度の構造のものであればよい。退避ユニット14もヘッド収容ユニットの一種である。検査ユニット16は、退避ユニット14と兼用するものとしてもよいが、ここでは別のものとして設置した例を示している。
【0031】
図9に示すように、本実施の形態における塗布装置1jは、基板2に対する処理液の塗布作業を行なわないときにスリットノズルヘッド4を収容するためのヘッド収容ユニットとしての検査ユニット16を備え、異物検出装置7jは、このヘッド収容ユニットに設置されている。
【0032】
スリットノズルヘッド4が検査ユニット16に収容され、線状開口部5と異物検出装置7jとが対向する様子を図10に横断面図で示す。スリットノズルヘッド4と異物検出装置7jとだけを取り出して位置関係を図11に示す。異物検出装置7jおよび光源移動機構17だけを取り出して図12に概念的に示す。
【0033】
異物検出装置7jは、線状開口部5の内部に向けて光12を照射する光源7jaと、線状開口部5の内部から反射して返ってくる光を検出するための光検出装置7jbとを含む。異物検出装置7jは、検査ユニット16内においてスリットノズルヘッド4に対向して配置されており、スリットノズルヘッド4の長手方向に沿って走行することができる。本実施の形態における塗布装置では、線状開口部5の内部に向けて光源7jaから光12を照射し、線状開口部5の内部から反射して返ってくる光を光検出装置7jbを受けてその光量の変化を監視することによってスリット部内の異物の有無を検査することができる。
【0034】
本実施の形態における塗布装置1jは、異物検出装置を備えるヘッド収容ユニットにおいて光源7jaを線状開口部5に沿って走査させるための光源移動機構17(図12参照)を備えることが好ましい。光源移動機構は光源のみを移動させるためのものではなく、図12に示した例のように光検出装置も含めた異物検出装置を移動させるためのものであることが好ましい。図12に示した例では、光源移動機構17はレール状のものとなっているが、光源移動機構は他の形態のものであってもよい。光源7jaによる照射および光検出装置7jbによる受光を行ないながら異物検出装置7jをスリットノズルヘッド4の長手方向に沿って走行させれば、細長く延在するスリット部の全体にわたって異物の有無を検出することができる。
【0035】
(作用・効果)
本実施の形態における塗布装置では、検査ユニット16に異物検出装置7jが備わっているので、実際に塗布作業をしなくても、スリットノズルヘッド4を検査ユニット16へと移動させ、異物検出装置7jによる検査を行なうことによってスリット部の異物の存在を検出することができる。もし異物を検出した場合の対処方法および効果は実施の形態1で述べたのと同様である。
【0036】
本実施の形態では、異物検出装置7jは小型の装置がスリットノズルヘッド4の長手方向に沿って走行するものとしたが、異物検出装置をスリットノズルヘッド4と同様の長い装置として、走行しなくてもスリットノズルヘッド4の全体に向けて一括して光を照射することができるようにしてもよい。その場合、異物検出装置を走行させなくても迅速に異物の有無の検査を行なうことができる。
【0037】
なお、本実施の形態の塗布装置において、異物検出装置は、ノズルヘッドに向けて音波を発する音波発振源と、ノズルヘッドから反射して返ってくる音波を検出するための音波検出装置とを含むものであってもよい。この場合、光の照射および受光の代わりに音波の発振および受信によって異物の有無を検査することができる。異物の探査に光を用いた場合、光は正確に線状開口部5の内部に照射する必要があり、線状開口部5の中に入ることなく縁の部分に当たって反射して戻ってくる光はノイズの原因となる。しかし、スリット部の異物の探査に音波を使用した場合、音波は、直接的に線状開口部5の内部に入らなくてもスリットノズルヘッドの部材を通じてスリット空間内にまで到達することができるので、音波を使用した方が好都合である場合がある。この場合も、異物検出装置は小型の装置がスリットノズルヘッドの長手方向に沿って走行するものとしたが、異物検出装置をスリットノズルヘッドと同様の長い装置として、走行しなくてもスリットノズルヘッド4の全体に向けて音波を発することができるようにしてもよい。
【0038】
上述したように、検査ユニット16は、退避ユニット14と兼用するものとしてもよい。すなわち、異物検出装置を設置するヘッド収容ユニットは退避ユニットであってもよい。
【0039】
(実施の形態4)
(方法)
図13を参照して、本発明に基づく実施の形態4における塗布方法について説明する。本実施の形態における塗布方法で用いる塗布装置は実施の形態1〜3のいずれかで説明したものであってよい。
【0040】
本実施の形態における塗布方法は、基板を保持し、開口部に連通する空間を有するノズルヘッドを前記基板の表面に対向させた状態で、前記ノズルヘッドを前記基板に対して相対的に移動させながら前記基板に向けて所定の処理液を吐出する第1工程S1と、前記空間内に異物が挟まっているか否かを検査する第2工程S2とを含み、第2工程S2は、もし異物を検出したときにはその検出情報を外部に出力するように検出装置を運用しながら行なうものであり、第2工程S2は、第1工程S1と並行して行なわれる。
【0041】
前記開口部は線状開口部であってよく、ノズルヘッドはスリットノズルヘッドであってよく、前記異物検出装置は、前記スリットノズルヘッドの長手方向の一方の端に設けられた光源と、他方の端に設けられた光検出装置とを含むものであってもよい。
【0042】
あるいは、前記開口部は線状開口部であってよく、ノズルヘッドはスリットノズルヘッドであってよく、前記異物検出装置は、前記スリットノズルヘッドの長手方向の一方の端に設けられた音波発振源と、他方の端に設けられた音波検出装置とを含むものであってもよい。
【0043】
(作用・効果)
本実施の形態における塗布方法によれば、基板に向けて処理液を吐出する第1工程を行いながら並行して、スリット部などの異物有無を検査する第2工程を行なうことができるので、スリット部などに異物が挟まったとしても迅速に発見することができ、スリット部などに挟まった異物に起因する筋の出現を防止することができる。
【0044】
(実施の形態5)
(方法)
図14を参照して、本発明に基づく実施の形態5における塗布方法について説明する。本実施の形態における塗布方法で用いる塗布装置は実施の形態1〜3のいずれかで説明したものであってよい。
【0045】
本実施の形態における塗布方法は、基板を保持し、開口部に連通する空間を有するノズルヘッドを前記基板の表面に対向させた状態で、前記ノズルヘッドを前記基板に対して相対的に移動させながら前記基板に向けて所定の処理液を吐出する第1工程S1と、前記空間内に異物が挟まっているか否かを検出するための検出装置を備え、前記ノズルヘッドを収容するためのヘッド収容ユニットに、前記ノズルヘッドを前記ヘッド収容ユニットに退避させる第2工程S11と、前記ヘッド収容ユニットに退避させた状態で、前記異物検出装置により前記空間内に異物が挟まっているか否かの検査を行なう第3工程S2と、前記ヘッド収容ユニットから前記第1工程の作業場所へ前記ノズルヘッドを移動させる第4工程S12とを含み、第1工程S1を一定回数繰り返すごとに、前記第2工程S11、前記第3工程S2、前記第4工程S12をこの順序に行なうことを繰り返す。
【0046】
前記異物検出装置は、前記開口部の内部に向けて光を照射する光源と、前記開口部の内部から反射して返ってくる光を検出するための光検出装置とを含むものであってもよい。
【0047】
あるいは、前記異物検出装置は、前記ノズルヘッドに向けて音波を発する音波発振源と、前記ノズルヘッドから反射して返ってくる音波を検出するための音波検出装置とを含むものであってもよい。
【0048】
(作用・効果)
本実施の形態における塗布方法によれば、基板に向けて処理液を吐出する第1工程S1を一定回数繰り返すごとに、ヘッド収容ユニットにおいてスリット部などの異物有無を検査する第3工程S2を行なうことができるので、スリット部などに異物が挟まったとしても迅速に発見することができ、スリット部などに挟まった異物に起因する筋の出現を防止することができる。特に、本実施の形態における塗布方法の場合、スリット部などの異物有無の検査を行なう場所は作業場所ではなくヘッド収容ユニットであるので、作業場所に新たに検査装置を組み込む必要がない。既存の装置においてノズルヘッド内部に改造を施す必要もない。本実施の形態における塗布方法の場合、異物検査のためのヘッド収容ユニットを追加するだけで適用することができる。既存の装置があって、大規模な改造をしにくい場合であっても、本実施の形態における塗布方法は簡便に適用することができるので好都合である。
【0049】
ノズルヘッドはスリットノズルヘッドであってもよく、他の形状のノズルヘッドであっても本発明は適用可能である。開口部は線状開口部であってもよく、点状、網目状などの他の形状の開口部であっても本発明は適用可能である。
【0050】
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に基づく実施の形態1における塗布装置の全体の斜視図である。
【図2】本発明に基づく実施の形態1における塗布装置の異物検出装置と出力装置との関係の説明図である。
【図3】本発明に基づく実施の形態1における塗布装置のスリットノズルヘッドの斜視図である。
【図4】本発明に基づく実施の形態1における塗布装置のスリットノズルヘッドの分解図である。
【図5】本発明に基づく実施の形態1における塗布装置のスリットノズルヘッドの内部構造の概念図である。
【図6】本発明に基づく実施の形態1における塗布装置のスリットノズルヘッドの内部構造の変形例の概念図である。
【図7】本発明に基づく実施の形態2における塗布装置の全体の斜視図である。
【図8】本発明に基づく実施の形態2における塗布装置のスリットノズルヘッドの内部構造の概念図である。
【図9】本発明に基づく実施の形態3における塗布装置の全体の斜視図である。
【図10】本発明に基づく実施の形態3における塗布装置の異物検出装置近傍の説明図である。
【図11】本発明に基づく実施の形態3における塗布装置の異物検出装置の移動の様子の説明図である。
【図12】本発明に基づく実施の形態3における塗布装置の異物検出装置および光源移動機構の説明図である。
【図13】本発明に基づく実施の形態4における塗布方法のフローチャートである。
【図14】本発明に基づく実施の形態5における塗布方法のフローチャートである。
【図15】従来技術に基づく塗布装置においてスリット部に異物が挟まっている状態の説明図である。
【図16】従来技術に基づく塗布装置において大判基板に処理液が塗布されない筋が現れた例の平面図である。
【図17】従来技術に基づく塗布装置において大判基板に処理液が塗布されない筋が現れた例の断面図である。
【符号の説明】
【0052】
1,1i,1j 塗布装置、2 基板、3 ステージ、4 スリットノズルヘッド、4a,4b 部材、5 線状開口部、6 移動機構、7,7i,7j 異物検出装置、7a,7ja 光源、7b,7jb 光検出装置、7c 音波発振源、7d 音波検出装置、8 出力装置、10 シム板、11 スリット空間、12 光、13 音波、14 退避ユニット、15 洗浄ユニット、16 検査ユニット、17 光源移動機構、20 基台、91 ノズル、92 スリット開口部、93 スリット空間、94 異物、151 大判基板、152 筋、153 列、154 切断線。
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布装置および塗布方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体装置、表示パネルなどの製造現場においては、基板の表面に処理液を塗布する工程がしばしば行なわれる。処理液としては、たとえばエッチングのレジスト材などがありうる。塗布の際には所望の表面に均一に確実に塗布することが求められる。
【0003】
一般的に、基板の表面に処理液を塗布する方式としては、基板を回転させることによって遠心力を利用して処理液を拡散させる「スピンコート」という方式が知られている。基板を回転させにくい場合には、スピンコートに代わって「スリットコート」という方式が用いられる場合がある。特に基板が大型化しつつある表示パネルなどの製造現場においては、スピンコートを行なうことは物理的に困難であるので、スリットコートがしばしば採用されている。スリットコートは、スピンコートと異なり、スリット状の開口部を有するバー状のノズルを用いる方式であり、基板表面に向けられたこの開口部から処理液を吐出しながらノズルを基板表面に沿って走行させるものである。このようにして基板表面をスキャンすることによって、処理液を基板表面の所定領域に塗布することができる。
【0004】
スリットコートにおいては、基板は平坦な上面を有するステージに載せられた状態でノズルが基板表面に近接して走行することとなるが、基板とステージとの間に異物が挟まっている場合、その部分だけ基板が盛り上がることとなるので、ノズルが基板に衝突してしまい、ノズルまたは基板の破損の原因となる。また、基板の表面に異物が付着している場合、この異物が基板とノズルとの間に噛み込まれてノズルや基板が破損したり、破損にまで至らなくても塗布不良の原因になったりする。これらの問題を回避するために、たとえば特開2002−1195号公報(特許文献1)に記載されているような技術が提案されている。さらに、特許文献1に記載の技術の欠点を補うものとして、特開2007−173387号公報(特許文献2)、特開2007−173531号公報(特許文献3)に記載されているような技術も提案されている。
【特許文献1】特開2002−1195号公報
【特許文献2】特開2007−173387号公報
【特許文献3】特開2007−173531号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1〜3に記載の技術を以ってすれば、基板とステージとの間に異物が挟まっている場合や基板の表面に異物が付着している場合には対処することができるが、図15に示すようにノズル91のスリット開口部92またはスリット開口部92に連通するスリット空間93に異物94が挟まっている場合には対処することができない。このような場所に異物が挟まっている場合、ノズルの走行によって塗布された基板表面に、異物に妨害されて処理液が塗布されなかった部分が筋状に現れる。このようになった場合、その基板は塗布不良となってしまう。
【0006】
しかも、ノズルのスリット開口部またはスリット空間(以下「スリット部」という。)に異物が挟まっているかどうかは、実際に塗布作業を行なってみなければ確認できず、基板を何枚も塗布作業ラインに流して塗布作業をしてみて、得られた基板における筋の出現の有無を確認して初めて異物の存在がわかるという状況であった。その場合、流し始めてから異状の発見までにタイムラグがあるため、その間に塗布作業が行なわれた複数枚の基板が塗布不良となってしまう。
【0007】
この類の塗布不良は、点状ではなく線状に現れるので、損失が大きい。たとえば図16に示すように、1枚の大判基板151から切断線154に沿って切断することで多数の表示パネルに相当する小基板を切り出そうとする場合、その大判基板151において処理液が塗布されない筋152が1本でも現れた場合、その列153に属する小基板は全て廃棄せざるを得なくなる。なお、図16に示す大判基板151を側方から見たところを図17に示す。
【0008】
そこで、本発明は、スリットコートにおいて用いるノズルのスリット部に異物が挟まっているか否かを、実際に塗布作業をしなくても検出することができる塗布装置および、スリット部に挟まった異物に起因する筋の出現を防止することができる塗布方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に基づく塗布装置は、基板を保持するための基板保持部と、前記基板保持部に保持された前記基板に向けて所定の処理液を吐出するための開口部を有するノズルヘッドと、前記ノズルヘッドを前記基板の表面に対向させた状態で、前記ノズルヘッドを前記基板に対して相対的に移動させるための移動機構と、前記開口部内に異物が挟まっているか否かを検出するための異物検出装置と、前記異物検出装置が前記異物を検出したときに、その検出情報を外部に出力する出力装置とを備える。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に基づく塗布方法の第1の局面は、基板を保持し、開口部に連通する空間を有するノズルヘッドを前記基板の表面に対向させた状態で、前記ノズルヘッドを前記基板に対して相対的に移動させながら前記基板に向けて所定の処理液を吐出する第1工程と、前記空間内に異物が挟まっているか否かを検査する第2工程とを含み、前記第2工程は、もし異物を検出したときにはその検出情報を外部に出力するように検出装置を運用しながら行なうものであり、前記第2工程は、前記第1工程と並行して行なわれる。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に基づく塗布方法の第2の局面は、基板を保持し、開口部に連通する空間を有するノズルヘッドを前記基板の表面に対向させた状態で、前記ノズルヘッドを前記基板に対して相対的に移動させながら前記基板に向けて所定の処理液を吐出する第1工程と、前記空間内に異物が挟まっているか否かを検出するための検出装置を備え、前記ノズルヘッドを収容するためのヘッド収容ユニットに、前記ノズルヘッドを退避させる第2工程と、前記ヘッド収容ユニットに退避させた状態で、前記異物検出装置により前記空間内に異物が挟まっているか否かの検査を行なう第3工程と、前記ヘッド収容ユニットから前記第1工程の作業場所へ前記ノズルヘッドを移動させる第4工程とを含み、前記第1工程を一定回数繰り返すごとに、前記第2、第3、第4工程をこの順序に行なうことを繰り返す。
【発明の効果】
【0012】
本発明に基づく塗布装置では、スリット部などの異物有無を検査するための異物検出装置が備わっているので、実際に塗布作業をしなくてもスリット部などに挟まった異物の存在を検出することができる。
【0013】
また、本発明に基づく塗布方法によれば、スリット部などに挟まった異物に起因する筋の出現を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(実施の形態1)
(構成)
図1〜図5を参照して、本発明に基づく実施の形態1における塗布装置について説明する。本実施の形態における塗布装置1の全体を図1に示す。この塗布装置1は、基板2を保持するための基板保持部としてのステージ3と、ステージ3に保持された基板2に向けて所定の処理液を吐出するための開口部としての線状開口部5を有するノズルヘッドとしてのスリットノズルヘッド4と、スリットノズルヘッド4を基板1の表面に対向させた状態で、線状開口部5の長手方向に垂直な方向に、スリットノズルヘッド4を基板1に対して相対的に移動させるための移動機構6と、線状開口部5内に異物が挟まっているか否かを検出するための異物検出装置7と、この異物検出装置7が前記異物を検出したときに、その検出情報を外部に出力する出力装置8とを備える。
【0015】
これらの各部は基台20の上に設置されている。移動機構6はスリットノズルヘッド4をスライドさせるレールを含んでいる。塗布装置1は、スリットノズルヘッド4が塗布作業を行なわないときに退避させておくための退避ユニット14やスリットノズルヘッド4を洗浄するための洗浄ユニット15をも備えている。この例では、退避ユニット14および洗浄ユニット15は、一体的な基台20の上において、移動機構6によるスリットノズルヘッド4の移動経路の延長上にされている。退避ユニット14は、スリットノズルヘッド4のスリットが乾燥することを防止するための構造を備えている。たとえばいわゆるシンナー置換を行なえるようになっている。「シンナー置換」とは、スリットノズルヘッド4のスリット内部に残存する処理液をシンナーで置き換えることをいう。スリット内部をシンナーで満たし、その状態を維持することによってスリットが乾燥することを防止することができる。
【0016】
この例では、開口部は線状開口部であるものとしたが、線状以外の開口部、たとえば点状の開口部や網目状の開口部であっても本発明は適用できる。この例では、ノズルヘッドはスリットノズルヘッドであるものとしたが、スリット状以外のノズルヘッドであっても本発明は適用できる。
【0017】
この例では、ステージが静止していて移動機構がノズルヘッドを移動させる構造としたが、逆にノズルヘッドが静止していて移動機構がステージを移動させる構造であってもよい。あるいは、両方が移動する構造であってもよい。移動機構は、ステージ上の所望領域に対してノズルヘッドが相対的にスキャンできるように構成されていればよい。
【0018】
本実施の形態では好ましいことに、開口部は線状開口部であり、ノズルヘッドはスリットノズルヘッドであり、異物検出装置7は、スリットノズルヘッドの長手方向の一方の端に設けられた光源7aと、他方の端に設けられた光検出装置7bとを含む。
【0019】
この塗布装置における異物検出装置7と出力装置8との関係を模式的に図2に示す。異物検出装置7と出力装置8とは接続されている。この例では出力装置8は制御装置を兼ねており、異物検出装置7の光源7a、光検出装置7bの双方と接続されている。この例では図1に示したように出力装置8が基台20の上面に設置されているものとしたが、出力装置8の大きさや設置態様はこれに限らない。
【0020】
異物検出装置を設ける位置は図1、図2に示したものに限らない。本実施の形態では、あくまで一例として、異物検出装置がスリットノズルヘッド4の両端に配置されており、スリットノズルヘッド4とともに一体となって基板に対して相対的に移動するようになっているが、後述するように異物検出装置は別の位置に設けてもよい。
【0021】
本実施の形態における塗布装置1において、スリットノズルヘッド4を単独で取り出したところを図3に示す。スリットノズルヘッド4の分解図を図4に示す。スリットノズルヘッド4は、部材4a,4bとシム板10とを含んでいる。シム板10はほぼコの字形をした板材であり、部材4a,4bはシム板10を挟み込むようにして組み立てられる。したがって、シム板10の厚みによって線状開口部5のギャップの大きさが決められる。シム板10の両端には光源7aと光検出装置7bとが配置されている。実際には部材4a,4bの内側に向く面のうち少なくとも一方には処理液を導くための凹部が設けられているが、図示省略している。
【0022】
スリットノズルヘッド4の概念図を図5に示す。部材4a,4bの間には、シム板10の厚みによってスリット空間11が形成されている。スリット空間の下端は、線状開口部5である。このスリット空間11内に異物が挟まっていると上述のような問題が生じるのである。異物検出装置7はこのスリット空間11内の異物を検出するためのものである。
【0023】
図5に示すように光源7aからはスリット空間11に向けて光12が発せられる。光検出装置7bはスリット空間11を通ってきた光12を受けるように配置されている。
【0024】
(動作)
本実施の形態における塗布装置の動作について説明する。スリット部内の異物の検査のためには、処理液がスリット空間11に入っていない状態で、異物検出装置7の光源7aからスリット空間11に向けて光を発し、この光を光検出装置7bによって受ける。スリット空間11内に異物がない場合に比べて、異物がある場合には、異物によって光が遮られることにより光検出装置7bで受ける光の量が小さくなる。この光の量の変化によって線状開口部5内またはスリット空間11内すなわちスリット部内に異物が存在することを検出することができる。
【0025】
(作用・効果)
本実施の形態における塗布装置では、異物検出装置が備わっているので、実際に塗布作業をしなくてもスリット空間を通した光の授受によってスリット部に挟まった異物の存在を検出することができる。もし異物を検出した場合には、スリットノズルヘッドのクリーニング作業を行なった後に再び異物検出装置による検査作業を行なえばよい。異物検出装置7による検査を行なっても異物の存在が検出されなくなるまでクリーニング作業は繰り返すべきである。このようにすることで、不良品を生産することなく、確実にスリット部の異物を排除することができる。
【0026】
図5に示した例では、光源7a,光検出装置7bの各々の一部がシム板10の途中に割り込んだ構成となっていたが、図6に示すように光源7a,光検出装置7bはシム板10の下端に取り付けることとしてもよい。
【0027】
(実施の形態2)
(構成)
図7、図8を参照して、本発明に基づく実施の形態2における塗布装置について説明する。本実施の形態における塗布装置は基本的には実施の形態1で説明したものと同様であるが、異物検出装置が異なる。図7に示すように、本実施の形態における塗布装置1hは異物検出装置7iを備える。この異物検出装置7iは、スリットノズルヘッド4の長手方向の一方の端に設けられた音波発振源7cと、他方の端に設けられた音波検出装置7dとを含む。図8に示すように、音波発振源7cはスリット空間11に向けて音波13を発することができ、音波検出装置7dはスリット空間11を通ってきた音波13を受けるように配置されている。
【0028】
(作用・効果)
本実施の形態における塗布装置では、異物検出装置が備わっているので、実際に塗布作業をしなくてもスリット空間を通した音波の授受によってスリット間の異物の存在を検出することができる。もし異物を検出した場合の対処方法および効果は実施の形態1で述べたのと同様である。
【0029】
本実施の形態では、光ではなく音波によって異物の検出を行なうので、異物検出装置をスリット空間11に直接露出させない構成とすることもできる。たとえば図8に示すように、音波発振源7cおよび音波検出装置7dはシム板10の外側に配置してもよい。このようにしても音波はシム板10を通して伝わることができるので、異物の検出をすることができる。本実施の形態によれば、シム板に加工を施さなくても異物検出装置を取り付けられるので好都合である。
【0030】
(実施の形態3)
(構成)
図9〜図12を参照して、本発明に基づく実施の形態3における塗布装置について説明する。本実施の形態における塗布装置は基本的には実施の形態1で説明したものと同様であるが、異物検出装置が異なる。図9に示すように、本実施の形態における塗布装置1jは、基台20上に検査ユニット16を備える。検査ユニット16はスリットノズルヘッドを収容するためのヘッド収容ユニットの一種である。「ヘッド収容ユニット」とは、スリットノズルヘッドを完全に包み隠して収容することまでは必要でなく、スリットノズルヘッド4の先端部分すなわち線状開口部5が設けられている部分を受け入れる程度の構造のものであればよい。退避ユニット14もヘッド収容ユニットの一種である。検査ユニット16は、退避ユニット14と兼用するものとしてもよいが、ここでは別のものとして設置した例を示している。
【0031】
図9に示すように、本実施の形態における塗布装置1jは、基板2に対する処理液の塗布作業を行なわないときにスリットノズルヘッド4を収容するためのヘッド収容ユニットとしての検査ユニット16を備え、異物検出装置7jは、このヘッド収容ユニットに設置されている。
【0032】
スリットノズルヘッド4が検査ユニット16に収容され、線状開口部5と異物検出装置7jとが対向する様子を図10に横断面図で示す。スリットノズルヘッド4と異物検出装置7jとだけを取り出して位置関係を図11に示す。異物検出装置7jおよび光源移動機構17だけを取り出して図12に概念的に示す。
【0033】
異物検出装置7jは、線状開口部5の内部に向けて光12を照射する光源7jaと、線状開口部5の内部から反射して返ってくる光を検出するための光検出装置7jbとを含む。異物検出装置7jは、検査ユニット16内においてスリットノズルヘッド4に対向して配置されており、スリットノズルヘッド4の長手方向に沿って走行することができる。本実施の形態における塗布装置では、線状開口部5の内部に向けて光源7jaから光12を照射し、線状開口部5の内部から反射して返ってくる光を光検出装置7jbを受けてその光量の変化を監視することによってスリット部内の異物の有無を検査することができる。
【0034】
本実施の形態における塗布装置1jは、異物検出装置を備えるヘッド収容ユニットにおいて光源7jaを線状開口部5に沿って走査させるための光源移動機構17(図12参照)を備えることが好ましい。光源移動機構は光源のみを移動させるためのものではなく、図12に示した例のように光検出装置も含めた異物検出装置を移動させるためのものであることが好ましい。図12に示した例では、光源移動機構17はレール状のものとなっているが、光源移動機構は他の形態のものであってもよい。光源7jaによる照射および光検出装置7jbによる受光を行ないながら異物検出装置7jをスリットノズルヘッド4の長手方向に沿って走行させれば、細長く延在するスリット部の全体にわたって異物の有無を検出することができる。
【0035】
(作用・効果)
本実施の形態における塗布装置では、検査ユニット16に異物検出装置7jが備わっているので、実際に塗布作業をしなくても、スリットノズルヘッド4を検査ユニット16へと移動させ、異物検出装置7jによる検査を行なうことによってスリット部の異物の存在を検出することができる。もし異物を検出した場合の対処方法および効果は実施の形態1で述べたのと同様である。
【0036】
本実施の形態では、異物検出装置7jは小型の装置がスリットノズルヘッド4の長手方向に沿って走行するものとしたが、異物検出装置をスリットノズルヘッド4と同様の長い装置として、走行しなくてもスリットノズルヘッド4の全体に向けて一括して光を照射することができるようにしてもよい。その場合、異物検出装置を走行させなくても迅速に異物の有無の検査を行なうことができる。
【0037】
なお、本実施の形態の塗布装置において、異物検出装置は、ノズルヘッドに向けて音波を発する音波発振源と、ノズルヘッドから反射して返ってくる音波を検出するための音波検出装置とを含むものであってもよい。この場合、光の照射および受光の代わりに音波の発振および受信によって異物の有無を検査することができる。異物の探査に光を用いた場合、光は正確に線状開口部5の内部に照射する必要があり、線状開口部5の中に入ることなく縁の部分に当たって反射して戻ってくる光はノイズの原因となる。しかし、スリット部の異物の探査に音波を使用した場合、音波は、直接的に線状開口部5の内部に入らなくてもスリットノズルヘッドの部材を通じてスリット空間内にまで到達することができるので、音波を使用した方が好都合である場合がある。この場合も、異物検出装置は小型の装置がスリットノズルヘッドの長手方向に沿って走行するものとしたが、異物検出装置をスリットノズルヘッドと同様の長い装置として、走行しなくてもスリットノズルヘッド4の全体に向けて音波を発することができるようにしてもよい。
【0038】
上述したように、検査ユニット16は、退避ユニット14と兼用するものとしてもよい。すなわち、異物検出装置を設置するヘッド収容ユニットは退避ユニットであってもよい。
【0039】
(実施の形態4)
(方法)
図13を参照して、本発明に基づく実施の形態4における塗布方法について説明する。本実施の形態における塗布方法で用いる塗布装置は実施の形態1〜3のいずれかで説明したものであってよい。
【0040】
本実施の形態における塗布方法は、基板を保持し、開口部に連通する空間を有するノズルヘッドを前記基板の表面に対向させた状態で、前記ノズルヘッドを前記基板に対して相対的に移動させながら前記基板に向けて所定の処理液を吐出する第1工程S1と、前記空間内に異物が挟まっているか否かを検査する第2工程S2とを含み、第2工程S2は、もし異物を検出したときにはその検出情報を外部に出力するように検出装置を運用しながら行なうものであり、第2工程S2は、第1工程S1と並行して行なわれる。
【0041】
前記開口部は線状開口部であってよく、ノズルヘッドはスリットノズルヘッドであってよく、前記異物検出装置は、前記スリットノズルヘッドの長手方向の一方の端に設けられた光源と、他方の端に設けられた光検出装置とを含むものであってもよい。
【0042】
あるいは、前記開口部は線状開口部であってよく、ノズルヘッドはスリットノズルヘッドであってよく、前記異物検出装置は、前記スリットノズルヘッドの長手方向の一方の端に設けられた音波発振源と、他方の端に設けられた音波検出装置とを含むものであってもよい。
【0043】
(作用・効果)
本実施の形態における塗布方法によれば、基板に向けて処理液を吐出する第1工程を行いながら並行して、スリット部などの異物有無を検査する第2工程を行なうことができるので、スリット部などに異物が挟まったとしても迅速に発見することができ、スリット部などに挟まった異物に起因する筋の出現を防止することができる。
【0044】
(実施の形態5)
(方法)
図14を参照して、本発明に基づく実施の形態5における塗布方法について説明する。本実施の形態における塗布方法で用いる塗布装置は実施の形態1〜3のいずれかで説明したものであってよい。
【0045】
本実施の形態における塗布方法は、基板を保持し、開口部に連通する空間を有するノズルヘッドを前記基板の表面に対向させた状態で、前記ノズルヘッドを前記基板に対して相対的に移動させながら前記基板に向けて所定の処理液を吐出する第1工程S1と、前記空間内に異物が挟まっているか否かを検出するための検出装置を備え、前記ノズルヘッドを収容するためのヘッド収容ユニットに、前記ノズルヘッドを前記ヘッド収容ユニットに退避させる第2工程S11と、前記ヘッド収容ユニットに退避させた状態で、前記異物検出装置により前記空間内に異物が挟まっているか否かの検査を行なう第3工程S2と、前記ヘッド収容ユニットから前記第1工程の作業場所へ前記ノズルヘッドを移動させる第4工程S12とを含み、第1工程S1を一定回数繰り返すごとに、前記第2工程S11、前記第3工程S2、前記第4工程S12をこの順序に行なうことを繰り返す。
【0046】
前記異物検出装置は、前記開口部の内部に向けて光を照射する光源と、前記開口部の内部から反射して返ってくる光を検出するための光検出装置とを含むものであってもよい。
【0047】
あるいは、前記異物検出装置は、前記ノズルヘッドに向けて音波を発する音波発振源と、前記ノズルヘッドから反射して返ってくる音波を検出するための音波検出装置とを含むものであってもよい。
【0048】
(作用・効果)
本実施の形態における塗布方法によれば、基板に向けて処理液を吐出する第1工程S1を一定回数繰り返すごとに、ヘッド収容ユニットにおいてスリット部などの異物有無を検査する第3工程S2を行なうことができるので、スリット部などに異物が挟まったとしても迅速に発見することができ、スリット部などに挟まった異物に起因する筋の出現を防止することができる。特に、本実施の形態における塗布方法の場合、スリット部などの異物有無の検査を行なう場所は作業場所ではなくヘッド収容ユニットであるので、作業場所に新たに検査装置を組み込む必要がない。既存の装置においてノズルヘッド内部に改造を施す必要もない。本実施の形態における塗布方法の場合、異物検査のためのヘッド収容ユニットを追加するだけで適用することができる。既存の装置があって、大規模な改造をしにくい場合であっても、本実施の形態における塗布方法は簡便に適用することができるので好都合である。
【0049】
ノズルヘッドはスリットノズルヘッドであってもよく、他の形状のノズルヘッドであっても本発明は適用可能である。開口部は線状開口部であってもよく、点状、網目状などの他の形状の開口部であっても本発明は適用可能である。
【0050】
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に基づく実施の形態1における塗布装置の全体の斜視図である。
【図2】本発明に基づく実施の形態1における塗布装置の異物検出装置と出力装置との関係の説明図である。
【図3】本発明に基づく実施の形態1における塗布装置のスリットノズルヘッドの斜視図である。
【図4】本発明に基づく実施の形態1における塗布装置のスリットノズルヘッドの分解図である。
【図5】本発明に基づく実施の形態1における塗布装置のスリットノズルヘッドの内部構造の概念図である。
【図6】本発明に基づく実施の形態1における塗布装置のスリットノズルヘッドの内部構造の変形例の概念図である。
【図7】本発明に基づく実施の形態2における塗布装置の全体の斜視図である。
【図8】本発明に基づく実施の形態2における塗布装置のスリットノズルヘッドの内部構造の概念図である。
【図9】本発明に基づく実施の形態3における塗布装置の全体の斜視図である。
【図10】本発明に基づく実施の形態3における塗布装置の異物検出装置近傍の説明図である。
【図11】本発明に基づく実施の形態3における塗布装置の異物検出装置の移動の様子の説明図である。
【図12】本発明に基づく実施の形態3における塗布装置の異物検出装置および光源移動機構の説明図である。
【図13】本発明に基づく実施の形態4における塗布方法のフローチャートである。
【図14】本発明に基づく実施の形態5における塗布方法のフローチャートである。
【図15】従来技術に基づく塗布装置においてスリット部に異物が挟まっている状態の説明図である。
【図16】従来技術に基づく塗布装置において大判基板に処理液が塗布されない筋が現れた例の平面図である。
【図17】従来技術に基づく塗布装置において大判基板に処理液が塗布されない筋が現れた例の断面図である。
【符号の説明】
【0052】
1,1i,1j 塗布装置、2 基板、3 ステージ、4 スリットノズルヘッド、4a,4b 部材、5 線状開口部、6 移動機構、7,7i,7j 異物検出装置、7a,7ja 光源、7b,7jb 光検出装置、7c 音波発振源、7d 音波検出装置、8 出力装置、10 シム板、11 スリット空間、12 光、13 音波、14 退避ユニット、15 洗浄ユニット、16 検査ユニット、17 光源移動機構、20 基台、91 ノズル、92 スリット開口部、93 スリット空間、94 異物、151 大判基板、152 筋、153 列、154 切断線。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を保持するための基板保持部と、
前記基板保持部に保持された前記基板に向けて所定の処理液を吐出するための開口部を有するノズルヘッドと、
前記ノズルヘッドを前記基板の表面に対向させた状態で、前記ノズルヘッドを前記基板に対して相対的に移動させるための移動機構と、
前記開口部内に異物が挟まっているか否かを検出するための異物検出装置と、
前記異物検出装置が前記異物を検出したときに、その検出情報を外部に出力する出力装置とを備える、塗布装置。
【請求項2】
前記開口部は線状開口部であり、前記ノズルヘッドはスリットノズルヘッドであり、前記異物検出装置は、前記スリットノズルヘッドの長手方向の一方の端に設けられた光源と、他方の端に設けられた光検出装置とを含む、請求項1に記載の塗布装置。
【請求項3】
前記開口部は線状開口部であり、前記ノズルヘッドはスリットノズルヘッドであり、前記異物検出装置は、前記スリットノズルヘッドの長手方向の一方の端に設けられた音波発振源と、他方の端に設けられた音波検出装置とを含む、請求項1に記載の塗布装置。
【請求項4】
前記基板に対する前記処理液の塗布作業を行なわないときに前記ノズルヘッドを収容するためのヘッド収容ユニットを備え、
前記異物検出装置は、前記ヘッド収容ユニットに設置されている、請求項1に記載の塗布装置。
【請求項5】
前記異物検出装置は、前記開口部の内部に向けて光を照射する光源と、前記開口部の内部から反射して返ってくる光を検出するための光検出装置とを含む、請求項4に記載の塗布装置。
【請求項6】
前記異物検出装置は、前記ノズルヘッドに向けて音波を発する音波発振源と、前記ノズルヘッドから反射して返ってくる音波を検出するための音波検出装置とを含む、請求項4に記載の塗布装置。
【請求項7】
前記ヘッド収容ユニットは退避ユニットである、請求項4から6のいずれかに記載の塗布装置。
【請求項8】
前記開口部は線状開口部であり、前記ヘッド収容ユニットにおいて前記光源を前記線状開口部に沿って走査させるための光源移動機構を備える、請求項5に記載の塗布装置。
【請求項9】
基板を保持し、開口部に連通する空間を有するノズルヘッドを前記基板の表面に対向させた状態で、前記ノズルヘッドを前記基板に対して相対的に移動させながら前記基板に向けて所定の処理液を吐出する第1工程と、
前記空間内に異物が挟まっているか否かを検査する第2工程とを含み、
前記第2工程は、もし異物を検出したときにはその検出情報を外部に出力するように検出装置を運用しながら行なうものであり、
前記第2工程は、前記第1工程と並行して行なわれる、塗布方法。
【請求項10】
前記開口部は線状開口部であり、前記ノズルヘッドはスリットノズルヘッドであり、前記異物検出装置は、前記スリットノズルヘッドの長手方向の一方の端に設けられた光源と、他方の端に設けられた光検出装置とを含む、請求項9に記載の塗布方法。
【請求項11】
前記開口部は線状開口部であり、前記ノズルヘッドはスリットノズルヘッドであり、前記異物検出装置は、前記スリットノズルヘッドの長手方向の一方の端に設けられた音波発振源と、他方の端に設けられた音波検出装置とを含む、請求項9に記載の塗布方法。
【請求項12】
基板を保持し、開口部に連通する空間を有するノズルヘッドを前記基板の表面に対向させた状態で、前記ノズルヘッドを前記基板に対して相対的に移動させながら前記基板に向けて所定の処理液を吐出する第1工程と、
前記空間内に異物が挟まっているか否かを検出するための検出装置を備え、前記ノズルヘッドを収容するためのヘッド収容ユニットに、前記ノズルヘッドを退避させる第2工程と、
前記ヘッド収容ユニットに退避させた状態で、前記異物検出装置により前記空間内に異物が挟まっているか否かの検査を行なう第3工程と、
前記ヘッド収容ユニットから前記第1工程の作業場所へ前記ノズルヘッドを移動させる第4工程とを含み、
前記第1工程を一定回数繰り返すごとに、前記第2、第3、第4工程をこの順序に行なうことを繰り返す、塗布方法。
【請求項13】
前記異物検出装置は、前記開口部の内部に向けて光を照射する光源と、前記開口部の内部から反射して返ってくる光を検出するための光検出装置とを含む、請求項12に記載の塗布方法。
【請求項14】
前記異物検出装置は、前記ノズルヘッドに向けて音波を発する音波発振源と、前記ノズルヘッドから反射して返ってくる音波を検出するための音波検出装置とを含む、請求項12に記載の塗布方法。
【請求項1】
基板を保持するための基板保持部と、
前記基板保持部に保持された前記基板に向けて所定の処理液を吐出するための開口部を有するノズルヘッドと、
前記ノズルヘッドを前記基板の表面に対向させた状態で、前記ノズルヘッドを前記基板に対して相対的に移動させるための移動機構と、
前記開口部内に異物が挟まっているか否かを検出するための異物検出装置と、
前記異物検出装置が前記異物を検出したときに、その検出情報を外部に出力する出力装置とを備える、塗布装置。
【請求項2】
前記開口部は線状開口部であり、前記ノズルヘッドはスリットノズルヘッドであり、前記異物検出装置は、前記スリットノズルヘッドの長手方向の一方の端に設けられた光源と、他方の端に設けられた光検出装置とを含む、請求項1に記載の塗布装置。
【請求項3】
前記開口部は線状開口部であり、前記ノズルヘッドはスリットノズルヘッドであり、前記異物検出装置は、前記スリットノズルヘッドの長手方向の一方の端に設けられた音波発振源と、他方の端に設けられた音波検出装置とを含む、請求項1に記載の塗布装置。
【請求項4】
前記基板に対する前記処理液の塗布作業を行なわないときに前記ノズルヘッドを収容するためのヘッド収容ユニットを備え、
前記異物検出装置は、前記ヘッド収容ユニットに設置されている、請求項1に記載の塗布装置。
【請求項5】
前記異物検出装置は、前記開口部の内部に向けて光を照射する光源と、前記開口部の内部から反射して返ってくる光を検出するための光検出装置とを含む、請求項4に記載の塗布装置。
【請求項6】
前記異物検出装置は、前記ノズルヘッドに向けて音波を発する音波発振源と、前記ノズルヘッドから反射して返ってくる音波を検出するための音波検出装置とを含む、請求項4に記載の塗布装置。
【請求項7】
前記ヘッド収容ユニットは退避ユニットである、請求項4から6のいずれかに記載の塗布装置。
【請求項8】
前記開口部は線状開口部であり、前記ヘッド収容ユニットにおいて前記光源を前記線状開口部に沿って走査させるための光源移動機構を備える、請求項5に記載の塗布装置。
【請求項9】
基板を保持し、開口部に連通する空間を有するノズルヘッドを前記基板の表面に対向させた状態で、前記ノズルヘッドを前記基板に対して相対的に移動させながら前記基板に向けて所定の処理液を吐出する第1工程と、
前記空間内に異物が挟まっているか否かを検査する第2工程とを含み、
前記第2工程は、もし異物を検出したときにはその検出情報を外部に出力するように検出装置を運用しながら行なうものであり、
前記第2工程は、前記第1工程と並行して行なわれる、塗布方法。
【請求項10】
前記開口部は線状開口部であり、前記ノズルヘッドはスリットノズルヘッドであり、前記異物検出装置は、前記スリットノズルヘッドの長手方向の一方の端に設けられた光源と、他方の端に設けられた光検出装置とを含む、請求項9に記載の塗布方法。
【請求項11】
前記開口部は線状開口部であり、前記ノズルヘッドはスリットノズルヘッドであり、前記異物検出装置は、前記スリットノズルヘッドの長手方向の一方の端に設けられた音波発振源と、他方の端に設けられた音波検出装置とを含む、請求項9に記載の塗布方法。
【請求項12】
基板を保持し、開口部に連通する空間を有するノズルヘッドを前記基板の表面に対向させた状態で、前記ノズルヘッドを前記基板に対して相対的に移動させながら前記基板に向けて所定の処理液を吐出する第1工程と、
前記空間内に異物が挟まっているか否かを検出するための検出装置を備え、前記ノズルヘッドを収容するためのヘッド収容ユニットに、前記ノズルヘッドを退避させる第2工程と、
前記ヘッド収容ユニットに退避させた状態で、前記異物検出装置により前記空間内に異物が挟まっているか否かの検査を行なう第3工程と、
前記ヘッド収容ユニットから前記第1工程の作業場所へ前記ノズルヘッドを移動させる第4工程とを含み、
前記第1工程を一定回数繰り返すごとに、前記第2、第3、第4工程をこの順序に行なうことを繰り返す、塗布方法。
【請求項13】
前記異物検出装置は、前記開口部の内部に向けて光を照射する光源と、前記開口部の内部から反射して返ってくる光を検出するための光検出装置とを含む、請求項12に記載の塗布方法。
【請求項14】
前記異物検出装置は、前記ノズルヘッドに向けて音波を発する音波発振源と、前記ノズルヘッドから反射して返ってくる音波を検出するための音波検出装置とを含む、請求項12に記載の塗布方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−139963(P2011−139963A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−118401(P2008−118401)
【出願日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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