説明

塗装体及びその製造方法

【課題】自動車内装などで多用されているポリオレフィン系樹脂基材に、漆層を含む塗膜を工業的に迅速かつ安定的に形成した塗装体、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】ポリオレフィン系樹脂基材上に、塩素化ポリオレフィン系樹脂と配合剤(例えば充填剤)とからなる下塗り層と、漆層と、必要に応じて更に上塗り層とをこの順で設けた塗装体、及びその製造方法である。下塗り塗料は40〜80℃で10〜60分間乾燥させ、漆塗料は40〜60℃かつ70〜90%RHで3〜5時間乾燥させ、上塗り塗料は40〜100℃で10〜60分間乾燥させるのが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車内装などで多用されているポリオレフィン系樹脂基材に漆層を含む塗膜を工業的方法により設けた塗装体、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車内装などに漆を使用することは、その塗膜の高級感から、長年の希望である。しかし、その耐候性の低さ(光、水などによる変色、艶引け)、乾燥性の悪さ(漆室を使用して24時間以上)、漆かぶれなどの問題により、自動車内装用の諸物性を満たす事は困難であると考えられている。また、漆塗膜そのものも、プラスチックなどの自動車基材に付着しないことも問題である。
従来の技術では、プラスチックなどに下塗り層を塗装した後に漆塗料を塗装することで、付着性を確保するものがあるが、漆の耐候性、乾燥性、かぶれなどを改善することは依然としてできていない。また、漆に二液ポリウレタン塗料などを配合して乾燥性及び漆かぶれの改良をはかるものもあるが、塗膜外観・物性共に漆とは異なったものとなってしまう(特許文献1及び2参照。)。
【特許文献1】特開平3−127668号公報
【特許文献2】特開2002−59497号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、自動車内装などで多用されているポリオレフィン系樹脂基材に、漆層を含む塗膜を工業的に迅速かつ安定的に形成した塗装体、及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記目的を達成するため、本発明者は、鋭意検討した結果、ポリオレフィン系樹脂基材に塩素化ポリオレフィン系樹脂と配合剤とを含有する下塗り層を形成した後に、漆塗料を塗布し恒温恒湿で硬化させて漆層を形成し、必要に応じて更に上塗り層を施こすことにより、前記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、次の(1)〜(7)である。
(1) ポリオレフィン系樹脂基材上に、塩素化ポリオレフィン系樹脂と配合剤とからなる下塗り層と、漆層とをこの順で設けてなること、を特徴とする塗装体。
(2) ポリオレフィン系樹脂基材上に、塩素化ポリオレフィン系樹脂と充填剤とからなる下塗り層と、漆層と、上塗り層とをこの順で設けてなること、を特徴とする塗装体。
(3) 前記配合剤が、シリカ、タルク及び炭酸カルシウムからなる群から選ばれる1種又は2種以上の無機充填剤である、前記(1)又は(2)の塗装体。
(4) 前記漆層が、生漆、透漆及び黒漆からなる群から選ばれる1種又は2種以上の混合物から形成される漆層である、前記(1)〜(3)のいずれかの塗装体。
(5) 前記上塗り層が、アクリルウレタン樹脂からなる上塗り層である、前記(2)の塗装体。
(6) 前記(1)の塗装体の製造方法であって、ポリオレフィン系樹脂基材上に、塩素化ポリオレフィン系樹脂と配合剤とを含有する下塗り塗料を塗布し、40〜80℃で10〜60分間乾燥させて下塗り層を形成し、次いで該下塗り層上に漆塗料を塗布し、40〜60℃かつ70〜90%RHで3〜5時間乾燥させて漆層を形成すること、を特徴とする前記方法。
(7) 前記(2)の塗装体の製造方法であって、ポリオレフィン系樹脂基材上に、塩素化ポリオレフィン系樹脂と配合剤とを含有する下塗り塗料を塗布し、40〜80℃で10〜60分間乾燥させて下塗り層を形成し、次いで該下塗り層上に漆塗料を塗布し、40〜60℃かつ70〜90%RHで3〜5時間乾燥させて漆層を形成し、更に該漆層上に上塗り塗料を塗布し、40〜100℃で10〜60分間乾燥させて上塗り層を形成すること、を特徴とする前記方法。
【発明の効果】
【0005】
本発明により初めて、漆の付着しないポリオレフィン系樹脂基材に漆塗装可能で、漆のかぶれを防ぎつつ短時間で安定的に乾燥させて形成した漆層を保護することのできる塗装体、及びその製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明における下塗り層を形成するための塩素化ポリオレフィン系樹脂は、変性した或いは変性していないポリオレフィンを主骨格とする塩素化された高分子の樹脂である。主骨格のポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの(変性していない)ポリオレフィンの他に、無水マレイン酸等の不飽和二塩基酸によって変性された変性ポリオレフィン系樹脂や、水酸基、カルボキシル基、メタクリロイル基、アクリロイル基、エポキシ基等を分子末端もしくは分子鎖中に有する(変性した)ポリオレフィン系の高分子が挙げられる。
アクリル変性塩素化ポリオレフィン系樹脂は、塩素化ポリオレフィン部分と、この塩素化ポリオレフィン部分にグラフトしたアクリル系重合鎖部分とを含む変性ポリオレフィンである。
変性塩素化ポリオレフィン系樹脂は、前記塩素化ポリオレフィン樹脂の存在下にラジカル重合性単量体をグラフト重合或いはラジカル重合性単量体を共重合して得られる。このラジカル重合性単量体としては、ラジカル重合性のエチレン性不飽和結合(−C=C−)を有する限り、特に制約がなく、従来から公知のアクリル酸又はメタクリル酸のエステル(例えば(メタ)アクリル酸のメチル、エチル、プロピル、ブチルエステルなど)、不飽和カルボン酸(例えば(メタ)アクリル酸など)、水酸基含有単量体(ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレートなど)、グリシジル基含有単量体(グリシジル(メタ)アクリレートなど)などが用いられる。
これらのうち、不飽和二塩基酸によって変性された変性ポリオレフィン系樹脂、更に無水マレイン酸によって変性された変性ポリオレフィン系樹脂が好ましい。
塩素化ポリオレフィン系樹脂の塩素化率は、10〜40質量%、更に20〜30質量%であることが好ましい。
塩素化率が50質量%を超える場合はポリオレフィン系樹脂基材との付着性が悪くなり、また、塩素化率が10質量%未満である場合には、溶剤への溶解性が低下するため貯蔵安定性に問題が生じる。
また、塩素化ポリオレフィン系樹脂の重量平均分子量が20,000〜40,000であることが好ましい。重量平均分子量が20,000未満の場合は耐溶剤性が悪くなり、40,000を超える場合は、溶剤との溶解性が低下するため貯蔵安定性に問題が生じる。
該塩素化ポリオレフィン系樹脂は市販されており、具体的には例えば、スーパークロン773H、スーパークロン822、スーパークロン892L、スーパークロン832L、スーパークロンE(以上、日本製紙ケミカル(株)製)、ハードレン14LLB、ハードレンCY9122、ハードレンHM−21、ハードレン13−MLJ(以上、東洋化成工業(株)製)等が挙げられる。
これらはいずれも単独で或いは2種以上を混合して使用することができる。
【0007】
本発明における下塗り層を形成するための配合剤としては、例えば、シリカ、タルク、炭酸カルシウムなどの無機充填剤や、アクリル樹脂、ケトン樹脂、ポリエステル樹脂などの有機充填剤、更にポリエチレンワックスなどの可塑剤が挙げられる。これらはいずれも単独で或いは2種以上を混合して使用することができる。
これらのうち、無機充填剤、更にシリカ、タルク及び炭酸カルシウムからなる群から選ばれる1種又は2種以上の無機充填剤が好ましく、特に平均粒子径0.01〜50μmのものが好ましい。
【0008】
本発明における下塗り層において、塩素化ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、配合剤は1〜100質量部、更に5〜50質量部の範囲で使用することが好ましい。
【0009】
本発明における下塗り層は、塩素化ポリオレフィン系樹脂と配合剤とを(必要に応じて)有機溶剤に溶解、分散させた塗料を、乾燥膜厚が1〜100μm、更に10〜40μmとなるように、ポリオレフィン系樹脂基材上に塗布し、40〜80℃、特に50〜70℃で、10〜60分間、特に20〜40分間乾燥(或いは硬化)させて好適に形成することができる。
なお、必要に応じて使用することのできる有機溶剤としては、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤、n−プロパノール、n−ブタノールなどのアルコール系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、ケトン系溶剤、アセテート系溶剤、これらの2種以上の混合溶剤を例示することができる。
【0010】
本発明における漆層を形成するための漆としては、例えば、上摺漆、下地漆、拭漆などの生漆や、素黒目漆、木地呂色漆、朱合漆、梨地漆、春慶漆、溜漆、透中塗漆、透箔下漆などの透漆や、呂色漆、黒艶漆、黒艶消漆、黒中塗漆、黒箔下漆などの黒漆が挙げられる。
これらは単独で或いは2種以上を混合して使用することができる。
【0011】
本発明における漆層は、漆を(必要に応じて)有機溶剤に溶解、分散させた漆塗料を、乾燥膜厚が10〜50μm、更に20〜40μmとなるように、前記下塗り層上に塗布し、40〜60℃、70〜90%RHで2〜5時間、特に45〜55℃、75〜85%RHで3〜5時間乾燥(或いは硬化)させて好適に形成することができる。乾燥膜厚が10μm未満の場合は塗膜強度や塗膜外観が劣り、50μmを超える場合は縮みや硬化不良が起こる。通常、漆は漆室と呼ばれる高湿度の乾燥室にて1日以上乾燥させることが必要だが、温度と湿度を適切に調節することで、従来よりも短時間で硬化させることができる。湿度が低すぎると硬化時間が遅れ、高すぎると塗膜の縮み(しわ)や艶引けが起こる。温度が低すぎると硬化時間が遅れ、高すぎると塗膜の縮み(しわ)、変色が起こり、硬化時間も逆に遅くなる。
なお、必要に応じて使用することのできる有機溶剤としては、前記下塗り層の形成において使用されるものと同様のものが挙げられる。
【0012】
本発明においては漆層上に更に上塗り層を設けることができ、この上塗り層により漆によるかぶれを防ぎ、漆層を保護することができる。
本発明における上塗り層を形成するための樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリエーテル樹脂が挙げられ、これらは単独で或いは2種以上を混合して使用することができる。これらのうち、ポリウレタン樹脂、更にアクリル系ポリオール樹脂とポリイソシアネート硬化剤とからなる二液型のアクリルウレタン樹脂が好ましい。
このアクリル系ポリオール樹脂は、数平均分子量が1,000〜5,000、特に2,000〜3,000、水酸基が20〜70mgKOH/g、特に30〜50mgKOH/g、かつ酸価が1〜5mgKOH/g、特に2〜4mgKOH/gであるものが好ましい。ポリイソシアネート硬化剤は、固形分に対するNCO%が10〜30質量%、特に15〜25質量%であるヘキサメチレンジイソシアネートのビュレット或いはイソシアヌレート或いはアダクト変性体が好ましい。アクリル系ポリオール樹脂とポリイソシアネート硬化剤とは、NCO/OH(mol比)が0.7〜1.2、更に0.9〜1.1の割合で混合して使用するのが好ましい。
【0013】
本発明における上塗り層は、前記上塗り層形成用樹脂と場合により更に添加剤を(必要に応じて)有機溶剤に溶解、分散させた塗料を、乾燥膜厚が1〜100μm、特に10〜60μmとなるように、漆層上に塗布し、40〜100℃、特に60〜80℃で、10〜60分間、20〜40分間乾燥(或いは硬化)させて好適に形成することができる。
前記上塗り層の形成に併用することができる添加剤としては、顔料の他に、水酸基含有カルボン酸エステル、アルキロールアミノアミド、不飽和ポリカルボン酸ポリアミノアマイドなどの湿潤剤や、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン等のレベリング剤や、紫外線吸収剤を例示することができる。顔料としては、アゾレーキ系、フタロシアニン系、インジゴ系、ペリレン系、キノフタロン系、ジオキサジン系、キナクリドン系、イソインドリノン系、金属錯体系などの有機顔料や、黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、二酸化チタン、カーボンブラックなどの無機顔料を例示することができる。
添加剤は、樹脂層(乾燥塗膜)中に50質量%以下、更に0.1〜10質量%含有するように配合するのが好ましい。
なお、必要に応じて使用される有機溶剤としては、前記下塗り層の形成において使用されるものと同様のものが挙げられる。
【0014】
本発明において、ポリオレフィン樹脂系基材とは、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの(変性していない)ポリオレフィンの他に、無水マレイン酸等の不飽和二塩基酸によって変性された変性ポリオレフィン樹脂や、水酸基、カルボキシル基、メタクリロイル基、アクリロイル基、エポキシ基等を分子末端もしくは分子鎖中に有する(変性した)ポリオレフィン系の高分子、或いはこれらの変性、未変性のポリオレフィンにグラフトしたアクリル系重合鎖部分とを含むポリオレフィンからなる基材であり、これらのうちポリプロピレン樹脂や変性ポリプロピレン樹脂などのポリプロピレン系樹脂からなる基材が好ましい。
【実施例】
【0015】
以下、本発明について実施例等により更に詳細に説明する。
なお、製造例、実施例及び比較例において、「%」は全て「質量%」を意味する。
〔塗料の調製〕
製造例1(下塗り用塗料の調製)
(1)ビヒクルの調製
無水マレイン酸変性塩素化ポリプロピレン系樹脂(固形分20%)とシリカとタルクとトルエンとを75/2/8/15(質量比)で配合して溶解し、ビヒクルを調製した。
(2)下塗り用塗料の調製
前記ビヒクルと有機溶剤(トルエン/キシレン=80/20(質量比))とを100/120(質量比)で配合して混合し、所望の粘度の下塗り用塗料を調製した。
【0016】
製造例2(漆塗料の調製)
純蝋色黒漆とトルエンとを40/60(質量比)で配合して混合し、所望の粘度の漆塗料を調製した。
【0017】
製造例3(上塗り塗料の調製)
(1)主剤の調製
アクリル系ポリオール樹脂(ヒンダーアミンを骨格に含むスチレン/メチルメタクリレートの共重合体、固形分60%)と有機溶剤(メチルイソブチルケトン/アセチルアセトン=66/34(質量比))と添加剤(レベリング剤と紫外線吸収剤)を78/15/7(質量比)で配合した上塗り用塗料用主剤を調製した。
(2)硬化剤の調製
イソシアネート樹脂(イソシアヌレート変性ヘキサメチレンジイソシアネート、固形分100%)と有機溶剤(キシレン/酢酸ブチル=22/78(質量比))を55/45(質量比)で配合した上塗り用塗料用ポリイソシアネート用硬化剤を調製した。
(3)上塗り用塗料の調製
前記主剤/硬化剤/有機溶剤(トルエン/キシレン/酢酸ブチル/メトアセテート=25/25/25/25(質量比))を100/25/75(質量比)で配合して混合し、上塗り用塗料を調製した。
【0018】
〔塗膜層の形成〕
実施例1
(1)下塗り層の形成
製造例1(2)で調製した下塗り用塗料を乾燥膜厚15〜25μmとなるように、ポリプロピレン樹脂基材上にスプレー塗布し、60℃で30分間乾燥して、下塗り層を形成した。
(2)漆層の形成
上記工程にて形成した下塗り層の表面に、製造例2で調製した漆塗料を表1〜3の乾燥膜厚となるように塗布し、50℃、80%RHで4時間乾燥した。
これらの結果をまとめて表1〜3に示す。
【0019】
【表1】

【0020】
【表2】

【0021】
【表3】

【0022】
実施例2
(1)下塗り層の形成
製造例1(2)で調製した下塗り用塗料を乾燥膜厚15〜25μmとなるように、ポリプロピレン樹脂基材上にスプレー塗布し、60℃で30分間乾燥して、下塗り層を形成した。
(2)漆層の形成
上記工程にて形成した下塗り層の表面に、製造例2で調製した漆塗料を乾燥膜厚35〜45μmとなるように塗布し、50℃、80%RHで4時間乾燥した。
(3)上塗り層の形成
上記工程にて形成した漆層の表面に、製造例3で調製した上塗り用塗料を乾燥膜厚15〜25μmとなるように塗布し、80℃で30分間乾燥した。
この結果をまとめて表4に示す。
【0023】
比較例1
ポリプロピレン樹脂基材上に、製造例2で調製した漆塗料を乾燥膜厚35〜45μmとなるように塗布し、50℃、80%RHで4時間乾燥した。
この結果をまとめて表4に示す。
【0024】
【表4】

【0025】
表4から、漆の付着しないポリプロピレン樹脂基材に漆層を短時間で安定的に形成することができた。また、得られた漆塗装物は耐水性、耐アルカリ性、耐酸性、耐候性に優れ、従来の漆塗装物にない耐久性を持っている。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオレフィン系樹脂基材上に、塩素化ポリオレフィン系樹脂と配合剤とからなる下塗り層と、漆層とをこの順で設けてなること、を特徴とする塗装体。
【請求項2】
ポリオレフィン系樹脂基材上に、塩素化ポリオレフィン系樹脂と充填剤とからなる下塗り層と、漆層と、上塗り層とをこの順で設けてなること、を特徴とする塗装体。
【請求項3】
前記配合剤が、シリカ、タルク及び炭酸カルシウムからなる群から選ばれる1種又は2種以上の無機充填剤である、請求項1又は2に記載の塗装体。
【請求項4】
前記漆層が、生漆、透漆及び黒漆からなる群から選ばれる1種又は2種以上の混合物から形成される漆層である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の塗装体。
【請求項5】
前記上塗り層が、アクリルウレタン樹脂からなる上塗り層である、請求項2に記載の塗装体。
【請求項6】
請求項1に記載の塗装体の製造方法であって、
ポリオレフィン系樹脂基材上に、塩素化ポリオレフィン系樹脂と配合剤とを含有する下塗り塗料を塗布し、40〜80℃で10〜60分間乾燥させて下塗り層を形成し、次いで該下塗り層上に漆塗料を塗布し、40〜60℃かつ70〜90%RHで3〜5時間乾燥させて漆層を形成すること、を特徴とする前記方法。
【請求項7】
請求項2に記載の塗装体の製造方法であって、
ポリオレフィン系樹脂基材上に、塩素化ポリオレフィン系樹脂と配合剤とを含有する下塗り塗料を塗布し、40〜80℃で10〜60分間乾燥させて下塗り層を形成し、次いで該下塗り層上に漆塗料を塗布し、40〜60℃かつ70〜90%RHで3〜5時間乾燥させて漆層を形成し、更に該漆層上に上塗り塗料を塗布し、40〜100℃で10〜60分間乾燥させて上塗り層を形成すること、を特徴とする前記方法。


【公開番号】特開2007−204541(P2007−204541A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−22704(P2006−22704)
【出願日】平成18年1月31日(2006.1.31)
【出願人】(000104135)カシュー株式会社 (4)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】