説明

増幅回路の利得変化を補償するための方法および装置

本発明は、高周波部品および減衰エレメントを備えた増幅回路の利得変化を補償するための方法に関する。高周波部品は、第1の温度依存性の制御電圧UHF(T)により制御され、減衰エレメントは、第2の温度依存性の制御電圧UVG(T)により制御される。第1の温度依存性の制御電圧UHF(T)は、所定の温度依存性を制御電圧Uoptに適用することにより生成される。制御電圧Uoptは、高周波部品の別個のものであり、また制御電圧Uoptは、高周波部品の最適な動作点を調整するよう、予め定められた温度で予め決定されている。第2の温度依存性の制御電圧UVG(T)は、所定の温度依存性を、減衰エレメントのための予め定められた制御電圧UVG_Tに適用することにより生成される。制御電圧UVG_Tは、逐次近似法により制御電圧UVG_Tを設定することにより決定され、これによって、増幅回路の出力パワーが、一定の入力パワーでの予め定められたレベルに到達する。さらに、本発明は、高周波部品および減衰エレメントのための制御電圧を生成するための値を恒久的に保管する記憶装置と、印加される温度依存性の入力電圧UIST(T)を考慮して温度依存性の出力電圧を生成するための入力部および出力部を有する電気回路と、記憶装置に保管される所定の値と、を備えた装置に関する。ここで、保管される値は、高周波部品の最適な動作点を調整するための別個の制御電圧Uoptに対応している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、増幅回路の利得変化を補償するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
RF信号を処理するための回路、例えば位相制御されたアンテナのための送信/受信モジュールは、通常、単一に集積化されたモノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)の形態からなるガリウム砒素の高周波モジュール高周波モジュールを備えている。このような高周波部品の素子特性は、一般に温度に依存している。すなわち、高周波部品の電気的な特性は、温度の関数として変化する。高周波部品の温度依存性は、高周波部品が実装されているモジュールおよび回路の電気的な特性に不都合に影響する。ガリウム砒素の高周波モジュールはさらに、正確に言えばウェーハごとに、およびバッチごとに(Los zu Los)、最適な制御電圧(例えばゲート電圧)のばらつきを有している。必要条件は、約−1.0ボルトから0ボルトまで変化し得る。部品ごとの高周波特性において、ばらつきは残っているが、一つのウェーハにおける部品は、同一のゲート電圧で動かされ得る。
【0003】
回路またはモジュールにおける、手入力電圧動による個々の調整は、時間および費用のかかることであり、また、高い生産率という点で不合理なことである。従って、部品のばらつきが自動的に修正され(スプレッド補償(Spreadkompensation))、かつ、温度の影響が、単純な温度依存性の制御(温度補償)により大部分にわたって補償されるよう、モジュールまたは回路を設計することが望ましい。
【0004】
EP1293798B1は、安定な形態において出力パワーが調整され得る、外部からの作用に対してほとんど独立している送信/受信モジュールを開示している。この場合、送信/受信モジュールの出力パワーは、一連の送信における増幅器の利得を、高周波送信信号の利得に対して常に一定に維持する閉ループの制御システムを用いて、一連の送信における入力パワーを慎重に調整することにより制御される。増幅利得が一定となっている場合、出力パワーは、送信/受信モジュールにおける可変利得の増幅器とともに入力パワーが設定される場合に認識される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】EP1293798B1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一の目的は、高周波部品における部品のばらつきおよび温度の影響を補償するのを可能とする方法を特定することである。さらなる目的は、増幅回路の利得変化を補償するための装置を特定することである。
【0007】
これらの目的は、請求項1の特徴により主張される方法、および、請求項6において主張される装置により達成される。本発明の有利な形態は、従属請求項の内容からなっている。
【発明を解決するための手段】
【0008】
本発明による装置は、高周波モジュールおよび減衰エレメントのための制御電圧を生成するための値を恒久的に保管する記憶装置と、温度依存性の入力電圧UACT(T)を考慮して温度依存性の出力電圧を生成するための入力部および出力部を有する電気回路であって、電気回路に印加される温度依存性の入力電圧UACT(T)と記憶装置に保管されている値とを考慮して、前記温度依存性の出力電圧が生成される、電気回路と、を備えている。ここで、保管されている値は、高周波モジュールの最適な動作点を設定するための個々の制御電圧Uoptに対応している。
【0009】
基本的に、以下の文における"減衰エレメント"という用語は、可変の利得を有する所定の増幅器を意味している。また、"高周波モジュール"という用語は、単一に集積化されたマイクロ波回路(MMIC)を意味している。
【0010】
本発明の方法によれば、高周波モジュールが、第1の温度依存性の制御電圧UHF(T)を用いて制御され、減衰エレメントが、第2の温度依存性の制御電圧UVG(T)を用いて制御される。この場合、第1の温度依存性の制御電圧UHF(T)が生成されており、ここで、第1の温度依存性の制御電圧UHF(T)は、所定の温度依存性を所定の個々の制御電圧Uoptに適用することにより生成される。制御電圧Uoptは、高周波モジュールの最適な動作点を設定するよう、高周波モジュールのために予め定められた温度のために予め決定されている。第2の温度依存性の制御電圧UVG(T)は、所定の温度依存性を、減衰エレメントのための予め定められた制御電圧UVG_Tに適用することにより生成される。この場合、制御電圧UVG_Tは、逐次近似法により制御電圧UVG_Tを設定することにより決定される。これによって、増幅回路の出力パワーが、一定の入力パワーでの予め定められたレベルに到達する。
【0011】
第1の温度依存性の制御電圧UHF(T)は、高周波部品の製造者により指定される所定の電圧に基づいている。この電圧は、製造されるウェーハごとに別個のものとなっており、またこの電圧は、このウェーハにおける最適な動作点を設定するため、別個の制御電圧Uoptを必要としている。
【0012】
別個の制御電圧Uoptとして参照される電圧に対応する所定のデータワードが、高周波モジュールに関連する第1記憶装置に適切に読み込まれる。このデータワードは、適切に読み込まれ、また、いったん保管される。そして、方法がはじめて実行されるとき、恒久的に保管される。
【0013】
高周波部品の特性のばらつきは、高周波の測定により決定される。また高周波部品の特性のばらつきは、電圧制御された減衰エレメントを用いて、逐次近似法において減衰エレメントの電圧UVG_Tを変化させ、これによって所望の利得が増幅回路の入力部と出力部との間で実現されるよう利得を設定することにより補償される。この測定は、一定の温度、例えば25度で適切に実行される。この決定された制御電圧UVG_Tに対応するデータワードが、減衰エレメントに関連する第2記憶装置に適切に読み込まれる。第2記憶装置における値の読み込みおよび保管は、いったん、および恒久的に、方法がはじめて実行されるときに実行される。
【0014】
増幅回路は、一連の高周波モジュールおよび/または減衰エレメントの連鎖を含んでいてもよい。この場合、別個の制御電圧Uoptのためのデータワードが、各高周波モジュールのために保管される。また決定された制御電圧UVG_Tのデータワードが、各減衰エレメントのために保管される。保管プロセスは、この場合、記憶装置において実行される。ここで、各高周波モジュールおよび各減衰エレメントは、各々の場合において、それぞれ、関連する記憶装置を有している。
【0015】
本発明によれば、高周波モジュールが、所定の温度依存性の制御電圧UHF(T)を用いて制御される。この場合、制御電圧Uoptのために保管されたデータワードを考慮して、所定の温度依存性の電圧が生成される。高周波モジュールと同様に、減衰エレメント、適切には可変利得の増幅器であってもよいが、この減衰エレメントもまた、所定の温度依存性の制御電圧UVG(T)により制御される。この場合、所定の温度依存性の制御電圧が、逐次近似法により決定された制御電圧UVG_Tのために保管されたデータワードを考慮して生成される。
【0016】
1つの入力部と1つの出力部とを有する電気回路が、各々の場合において、各高周波モジュールおよび各減衰エレメントのために設けられている。温度依存性の入力信号UACT(T)が、この電気回路の入力部に印加される。入力信号UACT(T)は、温度センサーとしてのダイオードと、ダイオードの後段に接続されたオペアンプとにより適切に生成される。出力部において、電気回路は、温度依存性の制御電圧を生成する。ここで、温度依存性の電圧は、入力信号UACT(T)の関数として電圧に応用される。この場合、この電圧は、各々の場合において、1つの高周波モジュールまたは減衰エレメントのために保管された値に対応している。この温度依存性は、例えば、線形の、二乗の、指数の、または多項式のグラフであってもよい。
【0017】
高周波モジュールの特性における温度依存性の変化は、制御電圧UHF(T)の温度依存性によって補償される。
【0018】
一例として、高周波部品は、ゲート電圧またはベース電圧により制御される高周波増幅ステージであってもよい。物理的な理由のため、増幅ステージの利得は、約0.01dB/Kで変化する。一例として、例えば5ステージおよび100Kの温度変化において、このことは、約5dBの利得変化を意味している(線形,ファクター3)。この値の約1/10またはこれよりも小さい値が望ましい。この課題は、とりわけ、高周波部品の温度依存性の利得変化を補償するよう電圧制御された減衰エレメントにおける温度依存性の減衰により解決される。
【0019】
本発明の1つの有利な改良において、記憶装置および電気回路は、デジタルポテンショメータ内で集積化されている。デジタルポテンショメータは、1つの入力部と、各高周波モジュールおよび各減衰エレメントのための1つの出力部とを有している。温度依存性の入力電圧UACT(T)は、入力部に印加される。また、各出力部に接続されている高周波部品または減衰エレメントのための適切な制御電圧が、出力部で生成される。高周波部品のための制御電圧Uopt、および減衰エレメントのための制御電圧UVG_Tを導く電圧分岐器の値(分岐比)は、デジタルポテンショメータの記憶装置にデジタル的に適切に保管される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、送信/受信モジュールの受信経路のための、本発明による装置を示している。
【図2】図2は、送信/受信モジュールの送信経路のための、本発明による装置を示している。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、図1および図2において、送信/受信モジュールの送信および受信経路を参照してより詳細に説明される。
【0022】
図1および図2は、それぞれ、入力部1および出力部2を有する増幅回路を示している。入力部1は、高周波部品4に接続されている。この高周波部品4は、通常、増幅ステージとなっている。高周波部品4は、減衰エレメント5を介して出力部2に接続されている。高周波部品4は入力部4aを有している。入力部4aには、温度依存性の制御電圧UHF(T)が供給されている。可変の減衰エレメント5は入力部5aを有している。入力部5aには、温度依存性の制御電圧UVG(T)が供給されている。
【0023】
増幅回路VSは、適切に集積化されたデータメモリー16a,16bを含むデジタルポテンショメータ6を有している。デジタルポテンショメータ6は、温度依存性の入力電圧UACT(T)が印加される入力部10を有している。値が、デジタルポテンショメータ6に読み込まれ、また、さらなる入力部11を介してデータメモリー16a,16bに記録され得る。
【0024】
増幅回路VSは、温度センサーとしてのダイオード12と、ダイオード電圧の増幅のための制御増幅器7、例えばオペアンプと、を適切に有している。この構成が、制御アンプ7の出力部で生成される温度依存性の電圧UACT(T)を生じさせる。電圧UACT(T)は、デジタルポテンショメータ6の入力部10に供給される。
【0025】
デジタルポテンショメータ6は、複数の出力部8,9を有している。各高周波部品4および各減衰エレメント5は、それぞれ出力部8,9の1つのみに接続されている。デジタルポテンショメータ6の出力部8は、減衰エレメントの入力部5aに接続されている。デジタルポテンショメータ6の出力部9は、高周波部品4の入力部4aに接続されている。
【0026】
本発明の1つの特定の形態において、図2は、送信/受信モジュールの送信経路を示している。図1に示される増幅回路VSは、この場合、それに追加された、出力部2(図1)に接続されたパワーアンプ13を有している。増幅回路VSの出力部2は、従って、パワーアンプ13の出力部13bに接続されている。出力部13bにおいて、このパワーアンプ13は、入力部13aに印加される送信信号を増幅する。パワーアンプ13は、さらなる入力部13cを介して、パルス状の温度依存性の制御電圧ULV(T)に提供される。
【0027】
増幅回路VSは、出力部用のパワーアンプ13のための温度依存性の制御電圧ULV(T)を生成するための抵抗ネットワーク14をさらに有している。抵抗ネットワーク14は、負の温度係数の抵抗器15と、ツェナーダイオードとを適切に備えている。
【0028】
出力部用のパワーアンプ13は、前段の駆動アンプ(図示せず)を有するパワーアンプを適切に備えている。抵抗ネットワークの温度依存性の電圧ULV(T)は、一方では、パワーアンプ13の前段に接続された駆動アンプ(図示せず)の利得に影響を及ぼし、他方では、パワーアンプ13それ自体の利得に影響を及ぼす。この目的のため、駆動アンプおよびパワーアンプ13の制御電圧は、最大の制御電圧が最大の動作温度で生成され、また同様に温度が低下するにつれて制御電圧が低下するよう、温度に伴って変化する。温度依存性は、抵抗ネットワーク14においてNTCs(負の温度係数の抵抗器)および抵抗器を介して制御される。このことが、温度が低下するにつれての利得の自然な増加を和らげる。従って、出力部2における出力電圧が、広域な温度範囲にわたって一定に維持され得る。
【0029】
以下の記述は、減衰エレメントのための制御電圧UVG_Tがどのように決定されるかを説明している。
【0030】
制御電圧UVG_Tの決定された値は、予め定められ得る、増幅回路VSの入力部1での入力パワーに対する減衰エレメント5の出力部での出力パワーの比に対応している。
【0031】
この値は、回路が設定されるときに、試験機の構成(Testeranordnung)16によって決定される。回路は、一定の温度、例えば25度で適切に設定される。
【0032】
この場合、第1の工程において、デジタルワード(分岐比)がデジタルポテンショメータ6の入力部11に供給される。デジタルワードは、ポテンショメータ6により制御され各々使用される高周波部品4のために個別的なものとなっている電圧Uoptに対応している。この個別的な電圧Uoptは、約−1.0ボルト〜0ボルトの範囲内となっているが、高周波部品のための製造工程によって決定される。このことは、当業者にとって周知のことである。
【0033】
電圧Uoptのための分岐比は、ポテンショメータ6内に集積化されたメモリーモジュール16aに保管される。メモリーモジュール16aは、当然ながら、ポテンショメータ6と別体で構成されていてもよい。この場合、ポテンショメータ6への電気的な接続部が設けられている。
【0034】
保管された分岐比および入力部10での温度依存性の電圧UACT(T)に基づいて、デジタルポテンショメータ6が、アナログの温度依存性の電圧UHF(T)を生成する。また、この電圧UHF(T)が、制御電圧として高周波部品に供給される。
【0035】
その後、試験機構成16によって、試験信号が、増幅回路VSの入力部1に供給される。また、減衰エレメント5の出力部において所望の利得が達成されるまで出力部8に関連する分岐比を変化させることによって、減衰エレメント5における制御電圧UVG_T、従ってその減衰量が変えられる。この結果として生じる分岐比が、デジタルポテンショメータ6の不揮発性のメモリー16bに適切に記録される。メモリーモジュール16bは、当然ながら、ポテンショメータ6と別体で構成されていてもよい。この場合、ポテンショメータ6への電気的な接続部が設けられている。
【0036】
本発明は、各増幅回路における最適な電圧Uoptが、電気工学的な方法によって、抵抗ネットワークの所定の設定を半田付けまたは結合することにより達成されているという従来の方法を置き換える。これは、自動化された製造における自動化された工程である。従来、これは手動の活動であった。
【0037】
高周波部品における、不可避のパラメータのばらつきおよび温度依存性のための補償は、手動の調整または複雑な閉ループの制御のどちらによっても達成され得る。本発明は、高周波部品のための電圧Uopt、および、減衰エレメントのための電圧UVG_Tが、単一の工程により画定され、そして、温度に対応して自動的に変えられえる、ということを意味している。このことは、高周波部品が非常に厳格な許容範囲で特定される必要がなく、従って、製造者(ガリウム砒素の鋳造所)のための歩留まりを増加させる、ということを生じさせる。同時に、高周波部品の価格が低減され得る。さらに、増幅回路VSにおけるばらつきが、約10のファクターで低減され得る。このことは、増幅回路VSの製造の歩留まりを増加させる。
【0038】
記憶装置、電気的な制御回路およびデジタルポテンショメータは、特定用途向けIC、いわゆるASICに適切に集積化される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波モジュール(4)および減衰エレメント(5)を備えた増幅回路の利得変化を補償するための方法において、
高周波モジュール(4)は、第1の温度依存性の制御電圧UHF(T)を用いて制御され、減衰エレメント(5)は、第2の温度依存性の制御電圧UVG(T)を用いて制御され、
第1の温度依存性の制御電圧UHF(T)は、所定の温度依存性を所定の個々の制御電圧Uoptに適用することにより生成され、制御電圧Uoptは、高周波モジュール(4)の最適な動作点を設定するよう、高周波モジュール(4)のために予め定められた温度のために予め決定されており、
第2の温度依存性の制御電圧UVG(T)は、所定の温度依存性を、減衰エレメント(5)のための予め定められた制御電圧UVG_Tに適用することにより生成され、制御電圧UVG_Tは、逐次近似法により制御電圧UVG_Tを設定することにより決定され、これによって、増幅回路(VS)の出力パワーが、一定の入力パワーでの予め定められたレベルに到達することを特徴とする方法。
【請求項2】
制御電圧Uoptの値は、所定の分岐比に変換されるとともに、第1記憶装置(16a)に読み込まれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
増幅回路における入力パワーに対する出力パワーの比に対応する、決定された制御電圧UVG_Tの値は、所定の分岐比に変換され、第2記憶装置(16b)に読み込まれることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
パワーアンプ(13)が、温度依存性の制御電圧ULV(T)を用いて制御されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
パワーアンプ(13)が、パルス状の制御電圧ULV(T)を用いて制御されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
高周波モジュール(4)および減衰エレメント(5)を備えた増幅回路の利得変化を補償するための装置において、
記憶装置(16a,16b)が、高周波モジュール(4)および減衰エレメント(5)のための制御電圧を生成するための値を恒久的に保管するために設けられており、
温度依存性の入力電圧UACT(T)および記憶装置(16a,16b)に保管されている値を考慮して温度依存性の出力電圧を生成するための、入力部(10,11)および出力部(8,9)を有する電気回路(6)が設けられており、入力電圧UACT(T)は電気回路(6)に印加されており、
保管されている値は、高周波モジュール(4)の最適な動作点を設定するための個々の制御電圧Uoptに対応していることを特徴とする装置。
【請求項7】
各高周波モジュール(4)および各減衰エレメント(5)が、関連する記憶装置(16a,16b)を有していることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
電気的な制御回路(7)が設けられており、
温度センサー(12)、例えばダイオード、トランジスタまたは集積回路(IC)と、温度依存性の電圧UACT(T)を生成するため温度センサー(12)の後段に接続されたオペアンプと、を備えたことを特徴とする請求項6または7に記載の装置。
【請求項9】
出力用のパワーアンプ(13)と、出力用のパワーアンプのための制御電圧を生成するための抵抗ネットワーク(14)と、を備えたことを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
抵抗ネットワーク(14)が、負の温度係数の抵抗器を備えたことを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
記憶装置(16a,16b)および電気回路(6)は、デジタルポテンショメータ内に集積化されており、
デジタルポテンショメータは、温度依存性の入力信号UACT(T)を供給するための入力部(10)、並びに、高周波モジュール(4)および減衰エレメント(5)にそれぞれ関連する出力部(8,9)を有することを特徴とする請求項6乃至10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
記憶装置(16a,16b)、電気的な制御回路(7)およびデジタルポテンショメータ(6)は、特定用途向けIC内に集積化されていることを特徴とする請求項11に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−515973(P2011−515973A)
【公表日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−501098(P2011−501098)
【出願日】平成21年3月14日(2009.3.14)
【国際出願番号】PCT/DE2009/000355
【国際公開番号】WO2009/117982
【国際公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【出願人】(501477864)イーエイーディーエス、ドイチュラント、ゲゼルシャフト、ミット、ベシュレンクテル、ハフツング (10)
【氏名又は名称原語表記】EADS DEUTSCHLAND GMBH
【Fターム(参考)】