説明

増殖を抑えるピリミジル、縮合ピリミジル、ピリジルヒドラゾン

本発明は、新規な一連のピリミジルまたは縮合ピリミジルヒドラゾンに関する。一般式(I)の化合物(ただしAの選択は、一般式(A1)、(A2)、(A3)、(A4)、(A5)からなるグループの中からなされる)は、増殖性疾患の治療および/または予防に有用である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピリミジルおよび縮合ピリミジルヒドラゾンと、そのような化合物のうちの1つ以上を利用する治療法と、そのような化合物のうちの1つ以上を含む医薬組成物に関する。本発明の化合物は、増殖性疾患の治療および/または予防に役立つ。
【背景技術】
【0002】
所定のタンパク質と特異的に相互作用したり、シグナル伝達経路を妨げたりする生物学的に活性な分子は、遺伝子の機能分析のためだけでなく、薬の開発にも非常に大きな価値がある。薬の開発は、生物学的に活性な分子を見つけ出すための新しいスクリーニング法にますます影響されるようになっている。前向き化学遺伝学的スクリーニング法では、標的はアプリオリには特定されていない。しかし経路全体に対するスクリーニングにより、そのスクリーニングにおいて記録される可能性のあるあらゆるバイアスが除かれる。前向き化学遺伝学的スクリーニングでは、単離された標的ではなくて複雑な生物学的プロセスの変化が調べられる(Schreiber他、2003年と、De Palma他、2004年)。前向き化学遺伝学的スクリーニングは、細胞の所定の生物学的機能(例えばがん細胞の増殖)を抑制することのできる化合物の同定に利用できる。がんは、異常な細胞分裂と制御できない細胞分裂によって起こるあらゆる悪性増殖または腫瘍として定義される。したがって異常な細胞分裂と制御できない細胞分裂を抑制する化合物は、治療化合物として有用である可能性がある。この方法を利用することにより、細胞の生死(例えばがん細胞の増殖)に関わる機能を抑制し、がんの治療に適した強力かつ選択的な阻害剤を見いだすことができる。
【0003】
化学遺伝学的スクリーニングでは、小分子ライブラリを用い、細胞の所定の生物学的機能を阻止する興味深い化合物を高スループット・スクリーニングで同定する。一般に、このスクリーニングで用いられるライブラリは、薬に似た特性を有することが予想されるさまざまな化合物のコレクションからなる。
【0004】
例えば血管新生阻害剤や細胞増殖阻害剤に対する新規な標的が発見され、その生物学的妥当性が化学的遺伝学に基づいて評価されると、所定の標的の生物学的な役割に関する見通しと、新しい活性な化合物を開発するための貴重な情報がさらに得られる。
【0005】
前向き化学遺伝学的スクリーニングが、がん細胞の増殖を抑制することのできる化合物のスクリーニングに適用されてきた。この方法により、増殖性疾患の治療および/または予防に役立つ新規な一連の化合物が得られている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの目的は、一般式(I)の新規な化合物:
【化1】

(ただし、A、X、L、R1、R2、R9、nは、以下の詳細な説明に記載してあるように定義される)を提供することである。この化合物は、増殖性疾患の治療に役立つ。
【0007】
本発明によりさらに、一般式(I)の化合物と、薬理学的に許容可能な賦形剤または基剤とを含む医薬組成物が提供される。
【0008】
本発明の別の特徴は、一般式(I)の化合物を用いて増殖性疾患を治療するための薬を調製する方法に関する。
【0009】
本発明の別の特徴は、増殖性疾患を患っているか、増殖性疾患になりやすい哺乳動物を治療する方法であって、一般式(I)の化合物の有効量をその哺乳動物に投与する操作を含む方法に関する。
【0010】
本発明のさらに別の特徴は、がん細胞の増殖を抑制する方法であって、がん細胞を、そのがん細胞の増殖を抑制するのに有効な量の一般式(I)の化合物と接触させる操作を含む方法に関する。
【0011】
本発明の別の特徴は、血管新生を抑制する方法であって、内皮細胞を、その内皮細胞の血管新生を抑制するのに有効な量の一般式(I)の化合物と接触させる操作を含む方法に関する。
【0012】
本発明はさらに、一般式(I)の化合物の合成法にも関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下の段落に、本発明の化合物を構成するさまざまな化学的部分の定義を示す。これらの定義は、より広い定義を明示してある場合を除き、この明細書と請求項の全体を通じて適用される。
【0014】
“C1〜C6-アルキル”は、炭素原子を1〜6個含む1価のアルキル基を意味する。この用語の例として、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、n-ヘキシルなどの基がある。
【0015】
“アリール”は、6〜14個の炭素原子からなる不飽和芳香族炭素環基であって、単環を有するもの(例えばフェニル)または複数の縮合環を有するもの(例えばナフチル)を意味する。好ましいアリールとして、フェニル、ナフチル、フェナントレニルなどがある。アリール環はヘテロシクロアルキル基と縮合していてもよい。そのような縮合したアリールとして、ジヒドロベンゾイミダゾル-2-オン、ベンゾ[1,3]ジオキソールなどがある。
【0016】
“C1〜C6-アルキルアリール”は、アリール置換基を有するC1〜C6-アルキル基を意味し、例えばベンジル、フェネチルなどがある。
【0017】
“ヘテロアリール”は、単環の複素芳香族基か、二環または三環の縮合環複素芳香族基を意味する。複素芳香族基の具体例として、場合によっては置換されたピリジル、ピロリル、ピリミジニル、フリル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,2,5-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,3,4-トリアジニル、1,2,3-トリアジニル、1,3,4-チアジアゾリル、ベンゾフリル、イソベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾトリアゾリル、イソベンゾチエニル、インドリル、イソインドリル、3H-インドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キノリジニル、キナゾリニル、フタラジニル、キノキサリニル、シンノリニル、ナフチリジニル、ピリダジニル、ピリド[3,4-b]ピリジル、ピリド[3,2-b]ピリジル、ピリド[4,3-b]ピリジル、ピリド[2,3-d]ピリミジニル、ピリド[4,3-d]ピリミジニル、ピリド[3,4-d]ピリミジニル、ピリド[3,2-d]ピリミジニル、ピリミド[5,4-d]ピリミジン、ピリミド[4,5-d]ピリミジン、7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジニル、5H-ピロロ[3,4-d]ピリミジニル、5H-ピロロ[2,3-d]ピリミジニル、7H-プリニル、1H[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジニル、キノリル、イソキノリル、テトラゾリル、5,6,7,8-テトラヒドロキノリル、5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、キサンテニル、ベンゾキノリルなどが挙げられる。
【0018】
“C1〜C6-アルキルヘテロアリール”は、ヘテロアリール置換基を有するC1〜C6アルキル基を意味し、例えば2-フリルメチル、2-チエニルメチル、2-(1H-インドル-3-イル)エチルなどがある。
【0019】
“C3〜C8-シクロアルキル”は、3〜8個の炭素原子からなる飽和炭素環基であって、単環を有するもの(例えばシクロヘキシル)または縮合した複数の環を有するもの(例えばノルボルニル)を意味する。好ましいシクロアルキルとして、シクロペンチル、シクロヘキシル、ノルボルニルなどがある。
【0020】
“C3〜C8-ヘテロシクロアルキル”は、上記の定義によるC3〜C8-シクロアルキル基において、3個までの炭素原子が、O、S、NR(Rは水素またはメチルである)からなるグループの中から選択されたヘテロ原子で置換されたものを意味する。好ましいヘテロシクロアルキルとして、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、1-メチルピペラジン、モルホリン、1,4-ジオキサンなどがある。
【0021】
“C1〜C6-アルキルシクロアルキル”は、シクロアルキル置換基を有するC1〜C6-アルキル基を意味し、シクロヘキシルメチル、シクロペンチルプロピルなどがある。
【0022】
“C1〜C6-アルキルヘテロシクロアルキル”は、ヘテロシクロアルキル置換基を有するC1〜C6-アルキル基を意味し、2-(1-ピロリジニル)エチル、4-モルホリニルメチル、(1-メチル-4-ピペリジニル)メチルなどがある。
【0023】
“C2〜C6-アルケニル”は、2〜6個の炭素原子と1つ以上のアルケニル不飽和部位とを備えることが好ましいアルケニル基を意味する。好ましいアルケニル基として、エテニル(-CH=CH2)、n-2-プロペニル(アリル、-CH2CH=CH2)などがある。
【0024】
“C2〜C6-アルキニル”は、2〜6個の炭素原子と1つ以上のアルキニル不飽和部位とを備えることが好ましいアルキニル基を意味する。好ましいアルキニル基として、エチニル(-C≡CH)、プロピニル(-CH2C≡CH)などがある。
【0025】
“カルボキシ”は、-C(O)OR基を意味する。ただしRは、水素または“C1〜C6-アルキル”などである。
【0026】
“アシル”は、-C(O)R基を意味する。ただしRは、“C1〜C6-アルキル”、“アリール”、“ヘテロアリール”、“C3〜C8-シクロアルキル”、“C3〜C8-ヘテロシクロアルキル”、“C1〜C6-アルキルアリール”、“C1〜C6-アルキルヘテロアリール”などである。
【0027】
“アシルオキシ”は、-OC(O)R基を意味する。ただしRは、“C1〜C6-アルキル”、“アリール”、“ヘテロアリール”、“C1〜C6-アルキルアリール”、“C1〜C6-アルキルヘテロアリール”などである。
【0028】
“アリールアシル”は、アシル置換基を有するアリール基を意味し、2-アセチルフェニルなどがある。
【0029】
“ヘテロアリールアシル”は、アシル置換基を有するヘテロアリール基を意味し、2-アセチルピリジルなどがある。
【0030】
“アルコキシ”は、-O-R基を意味する。ただしRは、“C1〜C6-アルキル”、“C2〜C6-アルケニル”、“C2〜C6-アルキニル”、“C3〜C8-シクロアルキル”、“ヘテロシクロアルキル”、“アリール”、“ヘテロアリール”、“C1〜C6-アルキルアリール”、“C1〜C6-アルキルヘテロアリール”、“C2〜C6-アルケニルアリール”、“C2〜C6-アルケニルヘテロアリール”、“C2〜C6-アルキニルアリール”、“C2〜C6-アルキニルヘテロアリール”、“C1〜C6-アルキルシクロアルキル”、“C1〜C6-アルキルヘテロシクロアルキル”などである。好ましいアルコキシ基として、メトキシ、エトキシ、フェノキシなどがある。
【0031】
“C1〜C6-アルキルアルコキシ”は、アルコキシ置換基を有するC1〜C6-アルキル基を意味し、2-エトキシエチルなどがある。
【0032】
“アルコキシカルボニル”は-C(O)OR基を意味する。ただしRは、“C1〜C6-アルキル”、“アリール”、“ヘテロアリール”、“C1〜C6-アルキルアリール”、“C1〜C6-アルキルヘテロアリール”などである。
【0033】
“アミノカルボニル”は、-C(O)NRR'を意味する。ただしそれぞれのR、R'は、独立に、水素、C1〜C6-アルキル、アリール、ヘテロアリール、“C1〜C6-アルキルアリール”、“C1〜C6-アルキルヘテロアリール”などである。
【0034】
“アシルアミノ”または“アシルアミン”は、-NR(CO)R'基を意味する。ただしそれぞれのR、R'は、独立に、水素、“C1〜C6-アルキル”、“アリール”、“ヘテロアリール”、“C1〜C6-アルキルアリール”、“C1〜C6-アルキルヘテロアリール”などである。
【0035】
“ハロゲン”は、フルオロ置換基、クロロ置換基、ブロモ置換基、ヨード置換基を意味する。
【0036】
“ハロ-C1〜C6-アルキル”は、1個以上のハロゲン置換基を有するC1〜C6-アルキル基を意味する。好ましいハロ-C1〜C6-アルキル基の例として、トリフルオロメチル、ジフルオロメチルなどがある。
【0037】
“ハロ-C1〜C6-アルコキシ”は、1個以上のハロゲン置換基を有するC1〜C6-アルコキシ基を意味する。好ましいハロ-C1〜C6-アルコキシ基の例として、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシなどがある。
【0038】
“ヒドロキシ-C1〜C6-アルキル”は、1個以上のヒドロキシル置換基を有するC1〜C6-アルキル基を意味する。好ましいヒドロキシ-C1〜C6-アルキル基の例として、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチルなどがある。
【0039】
“チオウレア”は、-NRC(S)NR’R”基を意味する。ただし、それぞれのR、R’、R”は、独立に、水素、“C1〜C6-アルキル”、“C2〜C6-アルケニル”、“C2〜C6-アルキニル”、“C3〜C8-シクロアルキル”、“ヘテロシクロアルキル”、“アリール”、“ヘテロアリール”、“C1〜C6-アルキルアリール”、“C1〜C6-アルキルヘテロアリール”、“C2〜C6-アルケニルアリール”、“C2〜C6-アルケニルヘテロアリール”、“C2〜C6-アルキニルアリール”、“C2〜C6-アルキニルヘテロアリール”、“C1〜C6-アルキルシクロアルキル”、“C1〜C6-アルキルヘテロシクロアルキル”である。
【0040】
“スルホニルオキシ”は、-OSO2-Rを意味する。ただしRの選択は、H、“C1〜C6-アルキル”、ハロゲンで置換された“C1〜C6アルキル”(例えば-OSO2-CF3基)、“C2〜C6-アルケニル”、“C2〜C6-アルキニル”、“C3〜C8-シクロアルキル”、“ヘテロシクロアルキル”、“アリール”、“ヘテロアリール”、“C1〜C6-アルキルアリール”、“C1〜C6-アルキルヘテロアリール”、“C2〜C6-アルケニルアリール”、“C2〜C6-アルケニルヘテロアリール”、“C2〜C6-アルキニルアリール”、“C2〜C6-アルキニルヘテロアリール”、“C1〜C6-アルキルシクロアルキル”、“C1〜C6-アルキルヘテロシクロアルキル”の中からなされる。
【0041】
“スルホニル”は、“-SO2-R”基を意味する。ただしRの選択は、H、“アリール”、“ヘテロアリール”、“C1〜C6-アルキル”、ハロゲンで置換された“C1〜C6-アルキル”(例えば-SO2-CF3基)、“C2〜C6-アルケニル”、“C2〜C6-アルキニル”、“C3〜C8-シクロアルキル”、“ヘテロシクロアルキル”、“アリール”、“ヘテロアリール”、“C1〜C6-アルキルアリール”、“C1〜C6-アルキルヘテロアリール”、“C2〜C6-アルケニルアリール”、“C2〜C6-アルケニルヘテロアリール”、“C2〜C6-アルキニルアリール”、“C2〜C6-アルキニルヘテロアリール”、“C1〜C6-アルキルシクロアルキル”、“C1〜C6-アルキルヘテロシクロアルキル”の中からなされる。
【0042】
“スルフィニル”は、“-S(O)-R”基を意味する。ただしRの選択は、H、“C1〜C6-アルキル”、ハロゲンで置換された“C1〜C6-アルキル”(例えば-SO-CF3基)、“C2〜C6-アルケニル”、“C2〜C6-アルキニル”、“C3〜C8-シクロアルキル”、“ヘテロシクロアルキル”、“アリール”、“ヘテロアリール”、“C1〜C6-アルキルアリール”、“C1〜C6-アルキルヘテロアリール”、“C2〜C6-アルケニルアリール”、“C2〜C6-アルケニルヘテロアリール”、“C2〜C6-アルキニルアリール”、“C2〜C6-アルキニルヘテロアリール”、“C1〜C6-アルキルシクロアルキル”、“C1〜C6-アルキルヘテロシクロアルキル”の中からなされる。
【0043】
“スルファニル”は、-S-Rを意味する。ただしRは、H、“C1〜C6-アルキル”、場合によってはハロゲンで置換された“C1〜C6-アルキル”(例えば-S-CF3基)、“C2〜C6-アルケニル”、“C2〜C6-アルキニル”、“C3〜C8-シクロアルキル”、“ヘテロシクロアルキル”、“アリール”、“ヘテロアリール”、“C1〜C6-アルキルアリール”、“C1〜C6-アルキルヘテロアリール”、“C2〜C6-アルケニルアリール”、“C2〜C6-アルケニルヘテロアリール”、“C2〜C6-アルキニルアリール”、“C2〜C6-アルキニルヘテロアリール”、“C1〜C6-アルキルシクロアルキル”、“C1〜C6-アルキルヘテロシクロアルキル”などである。好ましいスルファニル基として、メチルスルファニル、エチルスルファニルなどがある。
【0044】
“スルホニルアミノ”は、-NRSO2-R'を意味する。ただしそれぞれのR、R'は、独立に、水素、“C1〜C6-アルキル”、“C2〜C6-アルケニル”、“C2〜C6-アルキニル”、“C3〜C8-シクロアルキル”、“ヘテロシクロアルキル”、“アリール”、“ヘテロアリール”、“C1〜C6-アルキルアリール”、“C1〜C6-アルキルヘテロアリール”、“C2〜C6-アルケニルアリール”、“C2〜C6-アルケニルヘテロアリール”、“C2〜C6-アルキニルアリール”、“C2〜C6-アルキニルヘテロアリール”、“C1〜C6-アルキルシクロアルキル”、“C1〜C6-アルキルヘテロシクロアルキル”などである。
【0045】
“アミノスルホニル”は、-SO2-NRR'を意味する。ただしそれぞれのR、R'は、独立に、水素、“C1〜C6-アルキル”、“C2〜C6-アルケニル”、“C2〜C6-アルキニル”、“C3〜C8-シクロアルキル”、“ヘテロシクロアルキル”、“アリール”、“ヘテロアリール”、“C1〜C6-アルキルアリール”、“C1〜C6-アルキルヘテロアリール”、“C2〜C6-アルケニルアリール”、“C2〜C6-アルケニルヘテロアリール”、“C2〜C6-アルキニルアリール”、“C2〜C6-アルキニルヘテロアリール”、“C1〜C6-アルキルシクロアルキル”、“C1〜C6-アルキルヘテロシクロアルキル”などである。
【0046】
“アミノ”または“アミン”は、-NRR'を意味する。ただしそれぞれのR、R'は、独立に、水素、“C1〜C6-アルキル”、“C2〜C6-アルケニル”、“C2〜C6-アルキニル”、“C3〜C8-シクロアルキル”、“ヘテロシクロアルキル”、“アリール”、“ヘテロアリール”、“C1〜C6-アルキルアリール”、“C1〜C6-アルキルヘテロアリール”、“C2〜C6-アルケニルアリール”、“C2〜C6-アルケニルヘテロアリール”、“C2〜C6-アルキニルアリール”、“C2〜C6-アルキニルヘテロアリール”、“C1〜C6-アルキルシクロアルキル”、“C1〜C6-アルキルヘテロシクロアルキル”であり、RとR'は、場合によってはこれらの基が結合している窒素原子と合わさって3〜8員のヘテロシクロアルキル環を形成することもできる。
【0047】
“置換されたまたは置換されていない”:個々の置換基の定義に特に記載されていない限り、上に示した基(“アルキル”、“アルケニル”、“アルキニル”、“アルコキシ”、“アリール”、“ヘテロアリール”などの基)は、場合によっては1〜5個の置換基で置換されていてもよく、その置換基の選択は、“C1〜C6-アルキル”、“C1〜C6-アルキルアリール”、“C1〜C6-アルキルヘテロアリール”、“C2〜C6-アルケニル”、“C2〜C6-アルキニル”、第一級アミノ基、第二級アミノ基、第三級アミノ基、第四級アンモニウム部分、“アシル”、“アシルオキシ”、“アシルアミノ”、“アミノカルボニル”、“アルコキシカルボニル”、“アリール”、“アリールオキシ”、“ヘテロアリール”、“ヘテロアリールオキシ”、カルボキシル、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、スルファニル、スルホキシ、スルホニル、スルホンアミド、アルコキシ、チオアルコキシ、トリハロメチルなどからなるグループの中からなされる。本発明の範囲では、“置換”に、近隣の置換基(特に、互いに隣接する官能置換基が含まれる場合)が閉じた環を形成して例えばラクタム、ラクトン、環式無水物を形成する場合だけでなく、例えば保護基を得る目的で環を閉じることによってアセタール、チオアセタール、アミナールを形成する場合も含まれる。
【0048】
“薬理学的に許容可能なカチオン塩または錯体”は、アルカリ金属塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えばカルシウム塩、マグネシウム塩)、アルミニウム塩、アンモニウム塩、有機アミン(例えばメチルアミン、2-N-モルホリノエタノール、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、トリエチルアミン、モルホリン、N-Me-D-グルカミン、N,N'-ビス(フェニルメチル)-1,2-エタンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、N-メチルモルホリン、ピペリジン、ベンザチン(N,N'-ジベンジルエチレンジアミン)、コリン、メグルミン(N-メチルグルカミン)、ベネタミン(N-ベンジルフェネチルアミン)、ジエチルアミン、ピペラジン、トロメタミン(2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール)、プロカインのほか、一般式-NR,R',R"のアミン(ただしR、R'、R"は、独立に、水素、アルキル、ベンジルのいずれかである))との塩を意味する。
【0049】
“薬理学的に許容可能な塩または錯体”は、以下に示す一般式(I)の化合物の塩または錯体のうちで望ましい生物活性を持つものを意味する。そのような塩の例として、無機酸(例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸など)とで形成された酸添加塩、有機酸(例えば酢酸、シュウ酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、フマル酸、マレイン酸、アスコルビン酸、安息香酸、タンニン酸、パモ酸、アルギン酸、ポリグルタミン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、ポリ-ガラクツロン酸など)とで形成された酸添加塩などがある。このような化合物は、当業者に知られている薬理学的に許容可能な第四級塩(特に、一般式-NR,R',R"+Z-の第四級アンモニウム塩(ただしR、R'、R"は、独立に、水素、アルキル、ベンジルのいずれかであり、Zは、対イオンであり、塩化物、臭化物、ヨウ化物、-O-アルキル、トルエンスルホン酸塩、メチルスルホン酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩、カルボン酸塩(安息香酸塩、コハク酸塩、酢酸塩、グリコール酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、アスコルビン酸塩、桂皮酸塩、マンデル酸塩、ジフェニル酢酸塩など)が挙げられる))として投与することもできる。
【0050】
“薬理学的に活性な誘導体”は、レシピエントに投与したとき、直接または間接にこの明細書に開示した活性を示すことのできるあらゆる化合物を意味する。
【0051】
本発明の第1の特徴により、増殖性疾患の治療および/または予防に役立つ一般式(I)の化合物が提供される。
【0052】
本発明の一実施態様により、一般式(I)の化合物:
【化2】

と、その幾何異性体(光学活性な形態である鏡像異性体や、ジアステレオマー)、その互変異性体、そのラセミ化合物の形態、ならびにこれらの薬理学的に許容可能な塩またはプロドラッグが提供される。ただし一般式(I)において、
Aは、
【化3】

からなるグループの中から選択され(*はヒドラゾン骨格に結合する点であり、点線は二重結合が可能な位置を示す);
それぞれのXの選択は、CR6、N、NR6からなるグループの中から独立になされ;それぞれのYの選択は、CR6、N、NR6、S、Oからなるグループの中から独立になされ;
Lは、結合またはNR6であり;
R1、R6、R9は、独立に、水素またはC1〜C6-アルキルであり;
それぞれのR2の選択は、水素、ハロゲン、シアノ、チオアミド、アシル、C1〜C6-アルキル、C2〜C6-アルケニル、C2〜C6-アルキニル、スルホニルアミン、ハロ-C1〜C6-アルキル、C1〜C6-アルコキシ、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシル、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールからなるグループの中から独立になされ;
nは、1、2、3、4、5の中から選択された整数であり;
R3とR7の選択は、水素、ハロゲン、シアノ、チオウレア、アシルアミン、カルボキシ、C1〜C6-アルキル、C2〜C6-アルケニル、C2〜C6-アルキニル、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-ヘテロシクロアルキル、スルホニルアミン、ハロ-C1〜C6-アルキル、C1〜C6-アルコキシ、ハロ-C1〜C6-アルコキシ、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシル、アリール、ヘテロアリールからなるグループの中から独立になされるが、そのうちのC1〜C6-アルキル、C2〜C6-アルケニル、C2〜C6-アルキニル、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-ヘテロシクロアルキル、スルホニルアミン、ハロ-C1〜C6-アルキル、C1〜C6-アルコキシ、ハロ-C1〜C6-アルコキシ、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシル、アリール、ヘテロアリールのそれぞれは、場合によっては1個以上の置換基で置換されており、その置換基の選択は、ハロゲン、アミン、シアノ、C1〜C6-アルキル、C2〜C6-アルケニル、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-ヘテロシクロアルキル、スルホニルアミン、ハロ-C1〜C6-アルキル、C1〜C6-アルコキシ、ハロ-C1〜C6-アルコキシ、ヒドロキシル、アシルアミン、ヒドロキシ-C1〜C6-アルキル、アリール、ヘテロアリールからなるグループの中からなされ;
R5の選択は、水素、ハロゲン、シアノ、チオウレア、アミノ、アシルアミン、カルボキシ、C1〜C6-アルキル、C2〜C6-アルケニル、C2〜C6-アルキニル、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-ヘテロシクロアルキル、スルホニルアミン、ハロ-C1〜C6-アルキル、C1〜C6-アルコキシ、ハロ-C1〜C6-アルコキシ、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシル、アリール、ヘテロアリールからなるグループの中からなされ、そのうちのC1〜C6-アルキル、C2〜C6-アルケニル、C2〜C6-アルキニル、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-ヘテロシクロアルキル、スルホニルアミン、ハロ-C1〜C6-アルキル、C1〜C6-アルコキシ、ハロ-C1〜C6-アルコキシ、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシル、アリール、ヘテロアリールのそれぞれは、場合によっては1個以上の置換基で置換されており、その置換基の選択は、ハロゲン、アミン、シアノ、C1〜C6-アルキル、C2〜C6-アルケニル、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-ヘテロシクロアルキル、スルホニルアミン、ハロ-C1〜C6-アルキル、C1〜C6-アルコキシ、ハロ-C1〜C6-アルコキシ、ヒドロキシル、アシルアミン、ヒドロキシ-C1〜C6-アルキル、アリール、ヘテロアリールからなるグループの中からなされ;
R4の選択は、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-ヘテロシクロアルキル、アリール、環の1つの炭素を通じて結合したヘテロアリールからなるグループの中からなされ、そのC3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-ヘテロシクロアルキル、アリール、環の1つの炭素を通じて結合したヘテロアリールのそれぞれは、場合によっては1個以上の置換基で置換されており、その置換基の選択は、ハロゲン、アミン、シアノ、C1〜C6-アルキル、C2〜C6-アルケニル、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-ヘテロシクロアルキル、スルホニルアミン、ハロ-C1〜C6-アルキル、C1〜C6-アルコキシ、ハロ-C1〜C6-アルコキシ、ヒドロキシル、アミノカルボニル、アシルアミン、ヒドロキシ-C1〜C6-アルキル、アリール、ヘテロアリールからなるグループの中からなされる。
【0053】
好ましい一実施態様では、上記の変数は以下の意味を有する。
【0054】
それぞれのXは、CR6またはNである。一実施態様では、少なくとも1つのXがNである。好ましい一実施態様では、Xは CR6である。
【0055】
Lは結合またはCR6である。一実施態様では、Lは結合である。別の一実施態様では、LはNHである。
【0056】
R1の選択は、水素またはC1〜C6-アルキルである。R1は、水素、メチル、エチルからなるグループの中からなされることが好ましい。
【0057】
それぞれのR2の選択は、水素、ハロゲン、シアノ、チオアミド、アシル、チオウレア、アシルアミン、カルボキシ、C1〜C6-アルキル、スルホニルアミン、ハロ-C1〜C6-アルキル、C1〜C6-アルコキシ、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシルからなるグループの中から独立になされる。R2の選択は、水素、メチル、エチル、アシル、チオアミド、クロロ、メトキシ、ブロモ、フルオロからなるグループの中から独立になされることが好ましい。
【0058】
nは、1、2、3の中から選択された整数である。nは1または2であることが好ましい。
【0059】
R3の選択は、水素、ハロゲン、シアノ、チオウレア、アシルアミン、カルボキシ、C1〜C6-アルキル、ハロ-C1〜C6-アルキル、C1〜C6-アルコキシからなるグループの中からなされる。R3の選択は、水素、メチル、エチル、メトキシ、エトキシからなるグループの中からなされることが好ましい。
【0060】
別の一実施態様では、R3の選択は、ハロゲン、シアノ、チオウレア、アシルアミン、カルボキシ、C1〜C6-アルキル、ハロ-C1〜C6-アルキル、C1〜C6-アルコキシからなるグループの中からなされる。
【0061】
R4は、アリール、または環の1つの炭素を通じて結合したヘテロアリールであり、そのアリール、または環の1つの炭素を通じて結合したヘテロアリールは、場合によっては1個以上の置換基で置換されており、その置換基の選択は、ハロゲン、アミン、シアノ、C1〜C6-アルキル、C2〜C6-アルケニル、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-ヘテロシクロアルキル、スルホニルアミン、ハロ-C1〜C6-アルキル、C1〜C6-アルコキシ、ハロ-C1〜C6-アルコキシ、ヒドロキシル、アシルアミン、ヒドロキシ-C1〜C6-アルキル、アリール、ヘテロアリールからなるグループの中からなされる。
【0062】
好ましいヘテロアリールは、
【化4】

からなるグループの中から選択される。
【0063】
そのそれぞれのヘテロアリールは、環の1つの炭素を通じてピリミジル骨格に結合しており、場合によっては1個以上の置換基で置換されている。その置換基の選択は、ハロゲン、アミン、シアノ、C1〜C6-アルキル、C2〜C6-アルケニル、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-ヘテロシクロアルキル、スルホニルアミン、ハロ-C1〜C6-アルキル、C1〜C6-アルコキシ、ハロ-C1〜C6-アルコキシ、ヒドロキシル、アシルアミン、ヒドロキシ-C1〜C6-アルキル、アリール、ヘテロアリールからなるグループの中からなされる。
【0064】
R4の選択は、フェニル、ピリジル、イソオキサゾリルからなるグループの中からなされることが好ましく、そのフェニル、ピリジル、イソオキサゾリルのそれぞれは、場合によっては1個以上の置換基で置換されている。その置換基の選択は、ハロゲン、アミン、シアノ、C1〜C6-アルキル、C2〜C6-アルケニル、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-ヘテロシクロアルキル、スルホニルアミン、ハロ-C1〜C6-アルキル、C1〜C6-アルコキシ、ハロ-C1〜C6-アルコキシ、ヒドロキシル、アシルアミン、ヒドロキシ-C1〜C6-アルキル、アリール、ヘテロアリールからなるグループの中からなされる。
【0065】
R5の選択は、水素、ハロゲン、シアノ、C1〜C6-アルキル、スルホニルアミン、チオウレア、アミノ、アシルアミン、カルボキシ、ハロ-C1〜C6-アルキル、C1〜C6-アルコキシ、ハロ-C1〜C6-アルコキシ、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシルからなるグループの中からなされる。
【0066】
R6は、水素またはC1〜C6-アルキルである。R6は水素であることが好ましい。
【0067】
R7の選択は、アリール、ヘテロアリール、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-ヘテロシクロアルキルからなるグループの中からなされるが、そのアリール、ヘテロアリール、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-ヘテロシクロアルキルのそれぞれは、場合によっては1個以上の置換基で置換されている。その置換基の選択は、ハロゲン、アミン、シアノ、C1〜C6-アルキル、C2〜C6-アルケニル、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-ヘテロシクロアルキル、スルホニルアミン、ハロ-C1〜C6-アルキル、C1〜C6-アルコキシ、ハロ-C1〜C6-アルコキシ、ヒドロキシル、アシルアミン、ヒドロキシ-C1〜C6-アルキル、アリール、ヘテロアリールからなるグループの中からなされる。
【0068】
R9は、水素またはC1〜C6-アルキルである。R9の選択は、水素、メチル、エチルからなるグループの中からなされることが好ましい。
【0069】
別の一実施態様では、本発明の化合物は、一般式(I)の特別な部分集合である一般式(II):
【化5】

によってさらに定義される。ただし、X、L、R1、R2、R3、R4、R5、R9、nは上に定義した通りである。
【0070】
一実施態様では、XはCR6であり、Lは CR6である。ただしR6は、独立に、水素またはC1〜C6-アルキルである。R6の選択は、水素、メチル、エチルからなるグループの中からなされることが好ましい。
【0071】
別の一実施態様では、本発明の化合物は、一般式(I)の特別な部分集合である一般式(III):
【化6】

によってさらに定義される。ただし、X、L、R1、R2、R3、R9、nは上に定義した通りであり、R8の選択は、水素、ハロゲン、シアノ、C1〜C6-アルキル、スルホニルアミン、チオウレア、アシルアミン、カルボキシ、ハロ-C1〜C6-アルキル、C1〜C6-アルコキシ、ハロ-C1〜C6-アルコキシ、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシルからなるグループの中から独立になされ;
mは1、2、3、4の中から選択された整数である。mは1または2であることが好ましい。
【0072】
一実施態様では、XはCR6であり、Lは結合である。ただしR6は、
水素またはC1〜C6-アルキルである。R6の選択は、水素、メチル、エチルからなるグループの中からなされることが好ましい。
【0073】
一実施態様では、R3の選択は、ハロゲン、シアノ、チオウレア、アシルアミン、カルボキシ、C1〜C6-アルキル、ハロ-C1〜C6-アルキル、C1〜C6-アルコキシからなるグループの中からなされる。R3の選択は、メチル、エチル、メトキシ、エトキシからなるグループの中からなされることが好ましい。
【0074】
一般式(I)、(II)、(III)の化合物は、一般式(I)の化合物に関して一般例を示した幾何異性体として存在する。これら化合物の純粋な異性体とラセミ混合物は本発明の範囲に含まれる。
【0075】
【化7】

【0076】
上に示した構造の互変異性体も、本発明の範囲に含まれる。
【0077】
一般式(I)の化合物と、その部分集合である一般式(II)および(III)の化合物の好ましい薬理学的に許容可能な塩または錯体も、本発明の範囲に含まれる。
【0078】
増殖性疾患の治療および/または予防に特に適している本発明の化合物として、以下に示す化合物からなるグループの中から選択したものが挙げられる。
【0079】
【表1】

【表2】

【0080】
本発明の第2の特徴により、一般式(I)、(II)、(III)いずれかで表わされる少なくとも1種類の化合物と、薬理学的に許容可能な賦形剤または基剤とを含む医薬組成物が提供される。
【0081】
本発明の第3の特徴により、一般式(I)、(II)、(III)いずれかの化合物を利用して増殖性疾患を治療するための薬を調製する方法が提供される。一実施態様では、増殖性疾患はがんである。
【0082】
本発明の第4の特徴により、一般式(I)、(II)、(III)いずれかの化合物を利用して増殖性疾患を治療および/または予防する方法が提供される。一実施態様では、増殖性疾患はがんである。
【0083】
本発明の第5の特徴により、増殖性疾患を患っているか、増殖性疾患になりやすい哺乳動物を治療する方法であって、一般式(I)の化合物の有効量をその哺乳動物に投与する操作を含む方法が提供される。
【0084】
一実施態様では、増殖性疾患はがんである。
【0085】
本発明の化合物は、一般に使用されているアジュバント、基剤、希釈剤、賦形剤と合わせて医薬組成物の形態やその単位用量の形態にすることができ、その形態で、固体(例えば錠剤や装填されたカプセル)として、または液体(例えば溶液、懸濁液、エマルジョン、エリキシル、これらの液体が装填されたカプセルなどであり、これらはすべて経口投与用である)として、または非経口投与用(皮下での使用も含む)の無菌注射溶液として使用することができる。このような医薬組成物とその単位用量形態は、一般的な割合の諸成分を含むことができ、追加の活性化合物または活性成分が含まれていてもいなくてもよい。このような単位用量形態は、想定される一日の投与量の範囲に合致した活性成分を適切な任意の有効量含むことができる。
【0086】
本発明による一般式(I)、(II)、(III)の化合物は、一般に医薬組成物の形態で投与される。このような組成物は、薬剤の分野でよく知られた方法で調製することができ、少なくとも1種類の活性化合物を含んでいる。一般に、本発明の化合物は薬理学的に有効な量が投与される。実際に投与される化合物の量は、一般に、医師が、関係する状況(例えば治療する症状、選択した投与経路、投与する実際の化合物、個々の患者の年齢、体重、応答、患者の症状の重篤度など)を考慮して決定することになろう。
【0087】
本発明の医薬組成物は、さまざまな経路で投与することができる。例えば経口、直腸、経皮、皮下、静脈内、筋肉内、鼻腔内などの経路がある。経口投与用の組成物は、バルクの溶液および懸濁液の形態や、バルクの粉末の形態を取ることができる。しかしより一般的には、正確な投与が容易になるように組成物は単位用量の形態で提供される。“単位用量形態”という用語は、ヒトや他の哺乳動物のための単位投与量として適した物理的に分離したユニットを意味する。それぞれのユニットには、望む治療効果が生じるように計算した所定量の活性材料が、適切な医薬用賦形剤と組み合わされて含まれている。典型的な単位用量形態は、あらかじめ計量された液体組成物が装填されたアンプルや注射器であり、固体組成物の場合にはピル、錠剤、カプセルなどである。このような組成物では、本発明の化合物は通常は少量成分(約0.1〜約50重量%であり、約1〜約40重量%であることが好ましい)であり、残りはさまざまなビヒクルまたは基剤と、望む投与形態を形成するのに役立つ処理助剤である。
【0088】
経口投与に適した液体形態は、適切な水性または非水性のビヒクルを、緩衝液、懸濁剤、分散剤、着色剤、香味剤などとともに含むことができる。固体形態は、例えば、同様の性質の成分または化合物のうちの任意のものを含むことができる:結合剤(微結晶セルロース、トラガカント・ゴム、ゼラチンなど);賦形剤(デンプン、ラクトースなど)、崩壊剤(アルギン酸、プリモゲル、コーン・スターチなど);潤滑剤(ステアリン酸マグネシウムなど);流動促進剤(コロイド状二酸化ケイ素など);甘味剤(スクロース、サッカリンなど);香味剤(ペパーミント、サリチル酸メチル、オレンジ・フレーバーなど)。
【0089】
注射用組成物は、一般に、注射可能な無菌生理食塩水、またはリン酸緩衝化生理食塩水、または従来技術で知られている他の注射可能な基剤をベースとしている。上記のように、このような組成物に含まれる一般式(I)の化合物は一般に少量成分であって0.05〜10重量%の範囲であることがしばしばあり、残りは注射可能な基剤などである。
【0090】
経口投与用の上記成分または注射可能な組成物は単なる代表例の例示である。さらに別の材料と処理方法などは、『レミントンの薬理科学』、第20版の第5章、2000年、マーク出版社、イーストン、ペンシルヴェニア州に記載されている(その内容は、参考としてこの明細書に組み込まれているものとする)。
【0091】
本発明の化合物は、持続放出形態で投与すること、すなわち持続放出ドラッグ・デリバリー・システムから投与することもできる。代表的な持続放出材料の説明は、『レミントンの薬理科学』に記載されている材料にも見いだすことができる。
【0092】
本発明の化合物は、抗がん剤と組み合わせて投与することもできる。そのような抗がん剤の例として、アルキル化剤、抗有糸分裂剤、トポI阻害剤、トポII阻害剤、RNA/DNA抗代謝剤、EGFR阻害剤、血管新生阻害剤、チューブリン阻害剤(例えばビンブラスチン、パクリタキセル、ならびにこれらの類似体)、プロテオソーム阻害剤などがある。化合物の例として、メルファラン、クロラムブシル、シクロホスアミド、イフォスファミド、ビンクリスチン、ミトグアゾン、エピルビシン、アクラルビシン、ブレオマイシン、ミトキサントロン、エリプチニウム、フルダラビン、オクトレオチド、レチノイン酸、タモキシフェン、グリーベック(イマチニブメシラート)、アラノシンなどが挙げられる。
【0093】
本発明の第6の特徴は、がん細胞の増殖を抑制する方法であって、がん細胞を、そのがん細胞の増殖を抑制するのに有効な量の一般式(I)、(II)、(III)いずれかの化合物と接触させる操作を含む方法に関する。
【0094】
本発明の第7の特徴は、血管新生を抑制する方法であって、内皮細胞を、その細胞の内皮管の形成(血管新生)を抑制するのに有効な量の一般式(I)、(II)、(III)いずれかの化合物と接触させる操作を含む方法に関する。
【0095】
一実施態様では、一般式(I)、(II)、(III)の化合物は、以下に示す化合物からなるグループの中から選択される。
【0096】
【表3】

【表4】

【表5】

【0097】
本発明の第8の特徴により、一般式(I)の化合物の合成法が提供される。
【0098】
本発明で例示した化合物は、以下の一般的な方法と手続きを利用して容易に入手できる出発材料から調製することができる。典型的な実験条件または好ましい実験条件(すなわち反応温度、時間、試薬のモル数、溶媒など)が与えられている場合、特に断わらない限り他の実験条件も利用できることがわかるであろう。最適な反応条件は、使用する個々の反応物質または溶媒に応じて変化するが、そのような条件は、当業者であれば定型的な最適化手続きを利用して決定することができよう。
【0099】
一般式(I)の化合物を得るための一般的な合成法をスキーム1に示してある。ヒドラジン1をカルボニル誘導体2と縮合させて一般式(I)の化合物を生成させる。R1、R2、R9、X、L、nは、上に定義した通りである。
【0100】
一般式(I)の化合物の調製
【0101】
【化8】

【0102】
本発明のさらに別の目的は、一般式(I)の部分集合、すなわち一般式(II)と(III)に従うヒドラゾン誘導体を調製する方法である。
【0103】
一般式(II)のヒドラゾン化合物の調製
【0104】
1つの合成法によれば、標準的な合成法を利用してピリミジン-4-イル誘導体(ただし、置換基R1、R2、R3、R4、R9、L、nは、上に定義した通りである)をピリミジン3から調製する。この標準的な合成法はスキーム2aと2bに示してあり、以下の実施例で説明する。
【0105】
【化9】

【0106】
a)一般式(III)の化合物の調製
【0107】
標準的な合成法を利用してキナゾリン-4-イルヒドラゾン(ただし、置換基R1、R2、R3、R8、R9、L、m、nは、上に定義した通りである)をキナゾリノン4から調製する。この標準的な合成法はスキーム3に示してあり、以下の実施例で説明する。
【0108】
【化10】

【0109】
一般式(I)の化合物および/または一般式(I)の化合物の合成に必要な中間体を得るのに上記の一般的な合成法を適用できない場合には、当業者に知られている適切な調製法を利用すべきである。一般に、一般式(I)、(II)、(III)で表わされる個々の任意の化合物の合成経路は、各分子の具体的な置換基と、必要な中間体が容易に入手できるかとに依存するであろう。そのような因子はやはり当業者に知られている。あらゆる保護法と脱保護法に関しては、Philip J. Kocienskiの『Protecting Groups』、ゲオルク・ティーメ社、シュツッツガルト、ニューヨーク、1994年と、Theodora W. GreeneとPeter G.M. Wutsの『Protective Groups in Organic Synthesis』、ワイリー-インターサイエンス社、1991を参照のこと。
【0110】
本発明の化合物は、適切な溶媒を蒸発させる結晶化によって溶媒分子とともに分離することができる。一般式(I)の化合物の薬理学的に許容可能な酸添加塩(塩基中心を含む)は、従来からある方法で調製することができる。例えば遊離塩基の溶液を適切な酸(純粋なもの、または適切な溶液になったもの)で処理し、得られた塩を、反応溶媒の濾過または真空下での蒸発によって分離する。一般式(I)の化合物の薬理学的に許容可能な塩基添加塩(酸中心を含む)は、同様な方法で一般式(I)の化合物の溶液を適切な塩基で処理することによって得られる。両方のタイプの塩は、イオン交換樹脂法を利用して形成すること、または相互変換することができる。
【0111】
以下の略号の定義はそれぞれ以下の通りである:
min(分)、hr(時間)、g(グラム)、NHz(メガヘルツ)、ml(ミリリットル)、mmol(ミリモル)、mM(ミリモル)、RT(室温)、ATP(アデノシド三リン酸)、BSA(ウシ血清アルブミン)、DCM(ジクロロメタン)、DIPEA(ジ-イソプロピルエチルアミン)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、DMF(N,N-ジメチルホルムアミド)、CsCO3(炭酸セシウム)、cHex(シクロヘキサン)、Et3N(トリエチルアミン)、EtOAc(酢酸エチル)、EtOH(エタノール)、K2CO3(炭酸カリウム)、NaI(ヨウ化ナトリウム)、KCN(シアン化カリウム)、NaH(水素化ナトリウム)、NaHCO3(炭酸水素ナトリウム)、NH4Cl(塩化アンモニウム)、TEA(トリエチルアミン)、TFA(トリフルオロ酢酸)、THF(テトラヒドロフラン)、HCl(塩化水素)、tBuOK(カリウムt-ブトキシド)、MeOH(メタノール)、MgSO4(硫酸マグネシウム)、PetEther(石油エーテル)、rt(室温)、HPLC(高性能液体クロマトグラフィ)、FC(シリカゲル上のフラッシュ・クロマトグラフィ)、MS(質量分析)、NMR(核磁気共鳴)、PBS(リン酸緩衝化生理食塩水)、SPA(シンチレーション近接アッセイ)、TLC(薄層クロマトグラフィ)、UV(紫外)。
【0112】
実験パート
【0113】
以下の実施例に示したHPLC、NMR、MSのデータは以下のようにして得られる:Agilent 1100 HPLC:カラムはウォーターズ・シンメトリーC8 50×4.6mm、条件:A.0.1%のギ酸を含むH2O、B.0.1%のギ酸を含むMeOH。Aを15〜85%(8分);LC/MS:Agilent 1100 HPLC/LCQ Duo(ESI);1H-NMR:Jeol ECP-400MHz、ブルーカー300MHzとブルーカー400MHz。TCL分析は、メルクのあらかじめコーティングされた60 F254プレート上で実施する。フラッシュ・クロマトグラフィによる精製は、SiO2支持体上で実施する。
【0114】
実施例
本発明を以下の実施例によって説明する。しかし本発明の範囲がこれら実施例に限定されると考えてはならない。
【実施例1】
【0115】
N-メチル-N'-(1-m-トリル-エチリデン)-N-(2-トリフルオロメチルキナゾリン-4-イル)-ヒドラジン
【0116】
ステップ1:2-(トリフルオロメチル)キナゾリン-4(3H)-オン
【0117】
【化11】

【0118】
ナトリウムエトキシドをエタノールに溶かした作りたての溶液(8.5gの金属ナトリウムを300mlのエタノールに溶かした)にアントラニルアミド(25g、0.183モル)を少量ずつ添加し、得られた混合物を窒素雰囲気下で60℃にて1時間にわたって混合した。これにトリフルオロ酢酸エチル(26g、0.183モル)を添加し、得られた混合物を撹拌しながら20時間にわたってこの温度を維持した。この反応混合物を冷却し、溶媒を真空下で除去した。1.5NのHClを用いて残留物を酸性化し、沈澱した固形物を濾過によって回収すると、表題の化合物が灰白色の固形物として12g(31%)得られた。
【0119】
融点:243〜246℃、LCMS:質量の測定値(M-1, 212.8)、1H NMR (CD3OD, 300MHz)δ7.69〜7.74 (1H, m)、7.86〜7.89 (1H, m)、7.93〜7.98 (1H, m)、8.30〜8.33 (1H, m)。
【0120】
ステップ2:4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)キナゾリン
【0121】
【化12】

【0122】
2-(トリフルオロメチル)キナゾリン-4(3H)-オン(12g)とオキシ塩化リン(100ml)の混合物にDMF(0.5ml)を添加し、この混合物を窒素雰囲気下で16時間にわたって還流させた。過剰なオキシ塩化リンを蒸溜によって除去し、残留物を酢酸エチル(200ml)で希釈した。酢酸エチル層を10%炭酸水素ナトリウム溶液と水とブラインで洗浄した。溶媒を乾燥させ、蒸発させた。溶離液として石油エーテル/酢酸エチル(9/1)を用いたクロマトグラフィ(シリカゲル:60〜120メッシュ)によって残留物を精製すると、表題の化合物が淡い黄色の固形物として8g(61%)得られた。
【0123】
融点:62〜63.5℃、LCMS:質量の測定値(M+1, 233)、1H NMR (CDCl3, 300MHz)δ7.88〜7.93 (1H, m)、8.09〜8.14 (1H, m)、8.23〜8.26 (1H, m)、8.37〜8.40 (1H, m)。
【0124】
ステップ3:4-(1-メチルヒドラジノ)-2-(トリフルオロメチル)キナゾリン
【0125】
【化13】

【0126】
4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)キナゾリン(8g、0.0344モル)を窒素雰囲気下で乾燥ジクロロメタン(100ml)に溶かした溶液にメチルヒドラジン(1.74g、0.037モル)を添加し、得られた混合物を室温にて5時間にわたって撹拌した。この反応混合物を水(2×100ml)とブラインで洗浄した後、乾燥させた。溶媒を真空下で除去すると、表題の化合物が黄色の固形物として8g(96%)得られた。
【0127】
融点:130〜132℃、LCMS:質量の測定値(M+1, 243)、1H NMR (DMSO-d6, 300MHz)δ3.49 (3H, s)、5.53 (2H, bs)、7.50〜7.55 (1H, m)、7.75〜7.84 (2H, m)、9.67〜9.70 (1H, d)。
【0128】
ステップ4:N-メチル-N'-(1-m-トリル-エチリデン)-N-(2-トリフルオロメチルキナゾリン-4-イル)-ヒドラジン
【0129】
【化14】

【0130】
4-(1-メチルヒドラジノ)-2-(トリフルオロメチル)キナゾリン(250mg、1.03ミリモル)と3'-メチルアセトフェノン(0.14ml、1.03ミリモル)をエタノールに溶かした溶液を試験管に入れて密封し、110℃の油浴の中で加熱した。約48時間後、この反応混合物を真空中で濃縮した。最初にヘキサン:酢酸エチル(19:2)を用いたシリカゲル・クロマトグラフィによる精製を実施した。その後酢酸エチルとヘキサンから結晶化させると、表題の化合物が淡い黄色の固形物として128.9mg(35%)得られた。HPLCによる純度:98%。
【0131】
LCMS:質量の測定値(M+1, 360)、1H NMR (DMSO-d6, 400MHz)δ8.28 (d, J=8.79Hz, 1H)、7.81〜7.92 (m、 4H)、7.53 (t, J=7.5Hz, 1H)、7.41〜7.46 (m, 2H)、3.54 (s, 3H)、2.56 (s, 3H)、2.40 (s, 3H)。
【実施例2】
【0132】
N-メチル-N'-(1-p-トリル-エチリデン)-N-(2-トリフルオロメチルキナゾリン-4-イル)-ヒドラジン
【0133】
【化15】

【0134】
実施例1のステップ4と同様の手続きにより、4-(1-メチルヒドラジノ)-2-(トリフルオロメチル)キナゾリン(250mg、1.03ミリモル)と4'-メチルアセトフェノン(0.30ml、2.06ミリモル)から表題の化合物を調製すると、結晶性の黄色い固形物が32.4mg(9%)得られた。HPLCによる純度:98%。
【0135】
LCMS:質量の測定値(M+1, 360)、1H NMR (DMSO-d6, 400MHz)δ8.29 (d, J=8.42Hz, 1H)、7.83〜7.93 (m、 4H)、7.50 (m, 1H)、7.36 (d, J=8.06Hz, 2H)、3.54 (s, 3H)、2.54 (s, 3H)、2.40 (s, 3H)。
【実施例3】
【0136】
N-(1-p-トリル-エチリデン)-N'-(2-トリフルオロメチル-キナゾリン-4-イル)-ヒドラジン
【0137】
ステップ1:(2-トリフルオロメチル-キナゾリン-4-イル)-ヒドラジン
【0138】
【化16】

【0139】
4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)キナゾリン(2.0g、8.6ミリモル)とヒドラジン(0.27ml、8.6ミリモル)を20mlのテトラヒドロフランに溶かした溶液に1.8g(13ミリモル)の炭酸カリウムを添加した。得られた懸濁液を周囲温度で2時間にわたって撹拌した。この反応混合物は酢酸エチルと水に分かれた。水層を酢酸エチルで抽出し、1つにまとめた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させた。濾過後、有機層を真空中で濃縮すると、黄色の固形物が得られたため、それを酢酸エチル:ヘキサンの中で再結晶させた。1.1g(56%)の黄色い針状の結晶が分離された。
【0140】
LCMS:質量の測定値(M+1, 229)、1H NMR (DMSO-d6, 400MHz)δ10.2 (bs, 1H)、8.28 (d, J=8.06Hz, 1H)、7.81〜7.89 (m, 2H)、4.96 (bs, 2H)。
【0141】
ステップ2:N-(1-p-トリル-エチリデン)-N'-(2-トリフルオロメチル-キナゾリン-4-イル)-ヒドラジン
【0142】
【化17】

【0143】
実施例1のステップ4と同様の手続きにより、(2-トリフルオロメチル-キナゾリン-4-イル)-ヒドラジン(250mg、1.1ミリモル)と4'-メチルアセトフェノン(0.22ml、1.6ミリモル)から表題の化合物を調製すると、黄色い固形物が225mg(60%)得られた。HPLCによる純度:95%。
【0144】
LCMS:質量の測定値(M+1, 345)、1H NMR (CD3OD, 400MHz)δ7.94 (m, 3H)、7.81 (d, J=8.24Hz, 2H)、7.67 (m, 1H)、7.28 (d, J=8.24Hz, 2H)、2.48 (s, 3H)、2.39 (s, 3H)。
【実施例4】
【0145】
N-[1-(4-メトキシ-フェニル)-エチリデン]-N'-(2-メチル-キナゾリン-4-イル)-ヒドラジン
【0146】
ステップ1:2-メチルキナゾリン-4(3H)-オン
【0147】
【化18】

【0148】
2-アミノベンズアミド(20g、0.147モル)とアセトアミド(43g、0.735モル)の混合物を20時間にわたって180℃に加熱した。この濃い茶色の反応混合物を冷却し、エタノール(200ml)の中に懸濁させた。2時間にわたって撹拌した後、濾過し、減圧下で乾燥させると、表題の化合物が茶色の固形物として11g(47%)得られた。
【0149】
LCMS:質量の測定値(M+1, 161.5)、1H NMR (DMSO-d6, 300MHz)δ2.33 (3H, s)、7.41〜7.46 (1H, m)、7.54〜7.57 (1H, m)、7.73〜7.78 (1H, m)、8.04〜8.07 (1H, m)、12.02 (1H, bs)。
【0150】
ステップ2:4-クロロ-2-メチル-キナゾリン
【0151】
【化19】

【0152】
2-メチルキナゾリン-4(3H)-オン(9.2g、0.0574モル)とオキシ塩化リン(5.8g、0.037モル)の混合物を含む乾燥トルエン(250ml)にN,N-ジメチルアニリン(13.9g、0.14モル)を添加し、得られた混合物を3時間にわたって還流させた。この反応混合物を冷却し、水とブラインで洗浄した後、乾燥させた。溶媒を真空下で除去し、溶離液として石油エーテル/酢酸エチル(9/1)を用いたクロマトグラフィによって残留物を精製すると、表題の化合物が固形物として4g(39%)得られた。
【0153】
LCMS:質量の測定値(M+1, 178.9)、1H NMR (CDCl3, 300MHz)δ2.86 (3H, s)、7.63〜7.68 (1H, m)、7.89〜7.98 (2H, m)、8.21〜8.24 (1H, m)。
【0154】
ステップ3:4-ヒドラジノ-2-メチルキナゾリンジヒドロクロリド
【0155】
【化20】

【0156】
4-クロロ-2-メチルキナゾリン(2g、0.0111モル)を乾燥THF(50ml)に溶かした溶液に炭酸カリウム(2.3g、0.016モル)を添加した後、無水ヒドラジン(0.43g、0.013モル)を添加した。この反応混合物を室温にて2時間にわたって撹拌した後、濾過した。濾液を減圧下で蒸発させ、HClを含むジオキサン(2N、50ml)で残留物を処理した。沈澱した固形物を濾過し、真空下で乾燥させると、表題の化合物が黄色の固形物として2g(74%)得られた。
【0157】
融点:297.3〜305.8℃、LCMS:質量の測定値(M+1, 174.9)、1H NMR (CD3OD, 300MHz)δ3.35 (3H, s)、7.84〜7.90 (2H, m)、8.12〜8.15 (1H, m)、8.37〜8.40 (1H, m)。
【0158】
ステップ4:N-[1-(4-メトキシ-フェニル)-エチリデン]-N'-(2-メチル-キナゾリン-4-イル)-ヒドラジン
【0159】
【化21】

【0160】
4-ヒドラジノ-2-メチルキナゾリンジヒドロクロリド(100mg、0.40ミリモル)とトリエチルアミン(0.14ml、0.81ミリモル)をエタノール(3ml)に溶かした溶液に61mg(0.4ミリモル)の4-メトキシアセトフェノンを添加した。得られた溶液を一晩にわたって還流させ、得られた反応混合物を直接シリカゲルに吸収させた。フラッシュマスターIIでの自動化シリカゲル・クロマトグラフィ(勾配は100%ヘキサンから100%酢酸エチルへ)によって精製すると、表題の化合物が明るい黄色の固形物として50mg(36%)得られた。HPLCによる純度:91%。
【0161】
LCMS:質量の測定値(M+1, 307)、1H NMR (CD3OD, 400MHz)δ8.24 (d, J=8.04Hz, 1H)、7.97 (d, J=9.06Hz, 2H)、7.59 (t, J=7.34Hz, 1H)、7.37 (m, 2H)、6.74 (d, J=9.06Hz, 2H)、4.85 (s, 3H)、2.51 (s, 3H)、2.40 (s, 3H)。
【実施例5】
【0162】
N-(2-メチル-キナゾリン-4-イル)-N-(1-p-トリル-エチリデン)-ヒドラジン
【0163】
【化22】

【0164】
実施例4のステップ4と同様の手続きにより、4-ヒドラジノ-2-メチルキナゾリンジヒドロクロリド(150mg、0.61ミリモル)と、トリエチルアミン(0.17ml、1.22ミリモル)と、4-メチルアセトフェノン(0.11ml、1.36ミリモル)とを含むエタノール(1.2ml)から表題の化合物を調製すると、黄色の固形物が82mg(47%)得られた。HPLCによる純度:98%。
【0165】
LCMS:質量の測定値(M+1, 291)、1H NMR (CD3OD, 400MHz)δ8.25 (d, J=7.69Hz, 1H)、7.88 (d, J=8.43Hz, 2H)、7.59 (t, J=7.52Hz, 1H)、7.37 (m, 2H)、7.23 (d, J=8.43Hz, 2H)、2.54 (s, 3H)、2.40 (s, 3H)、2.38 (s, 3H)。
【実施例6】
【0166】
N-(2-メチル-キナゾリン-4-イル)-N'-(1-m-トリル-エチリデン)-ヒドラジン
【0167】
【化23】

【0168】
実施例4のステップ4と同様の手続きにより、4-ヒドラジノ-2-メチルキナゾリンジヒドロクロリド(250mg、1.01ミリモル)と、トリエチルアミン(0.35ml、2.02ミリモル)と、3-メチルアセトフェノン(0.35ml、2.63ミリモル)とを含むエタノール(5ml)から表題の化合物を調製すると、黄色の固形物が11mg(4%)得られた。HPLCによる純度:95%。
【0169】
LCMS:質量の測定値(M+1, 291)、1H NMR (CDCl3, 400MHz)δ8.3 (m, 1H)、7.55〜7.65 (m, 4H)、7.25〜7.40 (m, 3H)、2.6 (s, 3H)、2.4 (2S, 6H)。
【実施例7】
【0170】
N-メチル-N-(2-メチル-キナゾリン-4-イル)-N-(1-p-トリル-エチリデン)-ヒドラジン
【0171】
ステップ1:N-メチル-N-(2-メチル-キナゾリン-4-イル)-ヒドラジン
【0172】
【化24】

【0173】
実施例1のステップ3と同様の手続きにより、4-クロロ-2-メチルキナゾリン(1.0g、5.6ミリモル)と、N-メチルヒドラジン(0.89ml、16.8ミリモル)と、炭酸カリウム(1.3g、22.4ミリモル)とを含む乾燥THF(20ml)から表題の化合物を調製すると、ベージュ色の固形物が380mg(36%)得られた。
【0174】
1H NMR (CD3OD, 400MHz)δ9.44 (d, J=9.52Hz, 1H)、7.59〜7.64 (m, 2H)、7.31 (t, J=6.48Hz, 1H)、3.54 (s, 3H)、2.50 (s, 3H)。
【0175】
ステップ2:N-メチル-N-(2-メチル-キナゾリン-4-イル)-N-(1-p-トリル-エチリデン)-ヒドラジン
【0176】
【化25】

【0177】
実施例1のステップ4と同様の手続きにより、N-メチル-N-(2-メチル-キナゾリン-4-イル)-ヒドラジン(380mg、2.0ミリモル)と4-メチルアセトフェノン(0.30ml、2.2ミリモル)とを含むエタノール(20ml)から表題の化合物を調製すると、黄色の固形物が15mg(2.4%)得られた。
【0178】
1H NMR (CD3OD, 400MHz)δ8.16 (d, J=8.42Hz, 1H)、7.90 (d, J=8.24Hz, 2H)、7.68 (d, J=3.30Hz, 2H)、7.31 (d, J=8.24Hz, 2H)、7.26 (m, 1H)、3.52 (s, 3H)、2.62 (s, 3H)、2.52 (s, 3H)、2.41 (s, 3H)。
【実施例8】
【0179】
ジメチル-(4-{1-[(2-メチル-6-フェニル-ピリミジン-4-イル)-ヒドラゾノ]エチル}-フェニル)アミン
【0180】
ステップ1:2-メチル-6-フェニルピリミジン-4(3H)-オン
【0181】
【化26】

【0182】
ナトリウムエトキシドをエタノールに溶かした作りたての溶液(18gの金属ナトリウムを1リットルのエタノールに溶かした)にベンゾイル酢酸エチル(75g、0.39モル)を添加し、得られた混合物を室温にて30分間にわたって混合した。これにアセトアミジンヒドロクロリド(37g、0.39モル)を少量ずつ添加し、得られた混合物を窒素雰囲気下で24時間にわたって還流させた。この反応混合物を冷却し、過剰なエタノールを真空下で除去した。1.5NのHClを用いて残留物を酸性化してpH=4にし、沈澱物を濾過して減圧下で乾燥させると、表題の化合物が白色の固形物として15g(21%)得られた。
【0183】
融点:238.5〜240℃、MS:質量の測定値(M+1, 186.9)、1H NMR (CD3OD, 300MHz)δ2.51 (3H, s)、6.73 (1H, s)、7.52 (3H, m)、8.01〜8.02 (2H, m)。
【0184】
ステップ2:4-クロロ-2-メチル-6-フェニルピリミジン
【0185】
【化27】

【0186】
2-メチル-6-フェニルピリミジン-4(3H)-オン(15g)とPOCl3(150ml)の混合物を窒素雰囲気下で20時間いわたって還流させた。過剰なPOCl3を蒸溜によって除去し、残留物を酢酸エチル(500ml)で希釈し、炭酸水素ナトリウムの10%溶液(100ml)、水、ブラインで洗浄した。溶媒を減圧下で除去し、溶離液として石油エーテル/酢酸エチル(9/1)を用いたクロマトグラフィ(シリカ、60〜120メッシュ)によって残留物を精製すると、表題の化合物が淡い黄色の固形物として11g(67%)得られた。
【0187】
融点57〜59℃、MS:質量の測定値(M+1, 204.9)、1H NMR (DMSO-d6, 400MHz)δ2.50 (3H, s)、7.52〜7.58 (3H, m)、8.08 (1H, s)、8.20〜8.22 (2H, m)。
【0188】
ステップ3:4-ヒドラジノ-2-メチル-6-フェニルピリミジントリヒドロクロリド
【0189】
【化28】

【0190】
4-クロロ-2-メチル-6-フェニルピリミジン(11g、0.0537モル)をジオキサン(100ml)に溶かした溶液に無水ヒドラジン(2g、0.0625モル)を添加した後、炭酸カリウム(11g、0.080モル)を添加し、得られた反応混合物を室温にて6時間にわたって撹拌した。この反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で蒸発させた。2MのHClを含むジオキサン(100ml)で残留物を処理し、沈澱した固形物を濾過し、メタノール(100ml)で洗浄し、減圧下で乾燥させると、表題の化合物が固形物として10g(60%)得られた。
【0191】
融点:225〜229.6℃、MS:質量の測定値(M+1, 200.9)、1H NMR (DMSO-d6, 300MHz)δ2.72 (3H, s)、7.25 (1H, s)、7.61〜7.67 (3H, m)、7.95〜7.97 (2H, m)、8.79 (4H, vbs)。
【0192】
ステップ4:ジメチル-(4-{1-[(2-メチル-6-フェニル-ピリミジン-4-イル)-ヒドラゾノ]エチル}-フェニル)アミン
【0193】
【化29】

【0194】
4-ヒドラジノ-2-メチル-6-フェニルピリミジントリヒドロクロリド(300mg、0.97ミリモル)とジイソプロピルエチルアミン(0.17ml、0.97ミリモル)をエタノール(10ml)に溶かした溶液に4-ジメチルアミノアセトフェノン(158mg、0.97ミリモル)を添加した。得られた反応混合物を一晩にわたって還流温度に加熱した。この反応混合物をdIH2Oで希釈し、pHを1〜2に調節し、酢酸エチルで洗浄した。水層のpHを9〜10に調節し、酢酸エチルで抽出した。1つにまとめた抽出液を真空中で濃縮し、残留物を酢酸エチル:ヘキサンから結晶化させた。表題の化合物が黄色の固形物として60mg(18%)分離された。HPLCによる純度:98%。
【0195】
LCMS:質量の測定値(M+1, 346)、1H NMR (CD3OD, 400MHz)δ7.95 (m, 2H)、7.75 (d, J=8.97Hz, 2H)、7.49〜7.51 (m, 3H)、7.40 (brs, 1H)、6.77 (d, J=8.97Hz, 2H)、2.99 (s, 6H)、2.55 (s, 3H)、2.30 (s, 3H)。
【実施例9】
【0196】
[4-(1-{[6-(2-メトキシ-フェニル)-2-メチル-ピリミジン-4-イル]-ヒドラゾノ}-エチル)-フェニル]-ジメチルアミン
【0197】
ステップ1:4-クロロ-6-ヒドラジノ-2-メチルピリミジン
【0198】
【化30】

【0199】
4,6-ジクロロ-2-メチルピリミジン(10g、0.061モル)を乾燥THF(500ml)に溶かした溶液に無水ヒドラジン(0.96g、0.061モル)を添加した後、炭酸カリウム(12.7g、0.092モル)を添加した。この反応混合物を室温にて13時間にわたって撹拌した後、濾過した。濾液を減圧下で蒸発させると、表題の化合物が固形物として9.3g(45%)得られた。
【0200】
融点:164〜172℃、MS:質量の測定値(M+1, 158.9)、1H NMR (CDCl3, 300MHz)δ2.49 (3H, s)、3.05 (2H, bs)、6.59 (1H, bs)、6.67 (1H, s)。
【0201】
ステップ2:(1)-1-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]エタノン(6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)ヒドラゾン
【0202】
【化31】

【0203】
4-クロロ-6-ヒドラジノ-2-メチルピリミジン(5g、0.0315モル)を乾燥トルエン(100ml)に溶かした溶液に4-N,N-ジメチルアミノアセトフェノン(5.1g、0.0315モル)を添加し、得られた混合物を窒素雰囲気下で40時間にわたって共沸状態で還流させた。この反応混合物を冷却し、溶媒を減圧下で除去した。残留物を石油エーテル/酢酸エチルから結晶化させると、表題の化合物が固形物として3.3g(38%)得られた。
【0204】
融点:163〜164.6℃、MS:質量の測定値(m/z, M+304)、1H NMR (CDCl3, 400MHz)δ2.30 (3H, s)、2.52 (3H, s)、3.07 (6H, s)、6.72〜6.75 (2H, d)、7.14 (1H, s)、7.70〜7.72 (1H, d)、8.34 (1H, bs)。
【0205】
ステップ3:[4-(1-{[6-(2-メトキシ-フェニル)-2-メチル-ピリミジン-4-イル]-ヒドラゾノ}-エチル)-フェニル]-ジメチルアミン
【0206】
【化32】

【0207】
密封した試験管内で(1)-1-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]エタノン(6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)ヒドラゾン(250mg、0.82ミリモル)を無水1,4-ジオキサン(8ml)に溶かした溶液に2-メトキシフェニルボロン酸(625mg、4.1ミリモル)と、1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾリウムクロリド(39mg、0.12ミリモル)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(53mg、0.06ミリモル)と、炭酸セシウム(1.61g、4.9ミリモル)を添加した。この反応混合物を100℃の油浴の中で一晩にわたって加熱した。この反応混合物をシリカゲルに直接吸収させた後、フラッシュマスターII(勾配は100%ヘキサンから100%酢酸エチルへ)を用いてクロマトグラフィを実施すると、表題の化合物が茶色の固形物として260mg(84%)得られた。HPLCによる純度:96%。
【0208】
LCMS:質量の測定値(M+1, 376)、1H NMR (CDCl3, 400MHz)δ8.16 (brs, 1H)、7.84 (dd, J=1.48, 7.32Hz, 1H)、7.70 (d, J=9.16Hz, 2H)、7.64 (s, 1H)、7.38 (m, 1H)、7.07 (t, J=7.5Hz, 1H)、7.00 (d, J=8.4Hz, 1H)、6.68 (d, J=9.16Hz, 2H)、3.89 (s, 3H)、2.98 (s, 6H)、2.62 (s, 3H)、2.21 (s, 3H)。
【実施例10】
【0209】
[4-(1-{[6-(3,5-ジメチル-イソオキサゾル-4-イル)-2-メチル-ピリミジン-4-イル]-ヒドラゾノ}-エチル)-フェニル]-ジメチルアミン
【0210】
【化33】

【0211】
実施例9のステップ3と同様の手続きにより、(1)-1-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]エタノン(6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)ヒドラゾン(100mg、0.33ミリモル)と、3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-ボロン酸(139mg、0.99ミリモル)と、1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾリウムクロリド(16mg、0.05ミリモル)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(21mg、0.02ミリモル)と、炭酸セシウム(386mg、1.2ミリモル)とを含む1,4-ジオキサン(4ml)から表題の化合物を調製すると、明るい灰茶色の固形物が23mg(19%)得られた。HPLCによる純度:98%。
【0212】
LCMS:質量の測定値(M+1, 356)、1H NMR (CDCl3, 400MHz)δ7.67 (d, J=8.98Hz, 2H)、7.25 (s, 1H)、7.15 (s, 1H)、6.71 (d, J=8.98Hz, 2H)、3.00 (s, 6H)、2.66 (s, 3H)、2.57 (s, 3H)、2.48 (s, 3H)、2.25 (s, 3H)。
【実施例11】
【0213】
ジメチル-[4-(1-{[2-メチル-6-(2-トリフルオロメトキシ-フェニル)-ピリミジン-4-イル]-ヒドラゾノ}-エチル)-フェニル]-アミン
【0214】
【化34】

【0215】
実施例9のステップ3と同様の手続きにより、(1)-1-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]エタノン(6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)ヒドラゾン(100mg、0.33ミリモル)と、2-トリフルオロメトキシフェニルボロン酸(203mg、0.99ミリモル)と、1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾリウムクロリド(16mg、0.05ミリモル)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(21mg、0.02ミリモル)と、炭酸セシウム(386mg、1.2ミリモル)とを含む1,4-ジオキサン(4ml)から表題の化合物を調製すると、茶色の固形物が103mg(73%)得られた。HPLCによる純度:91%。
【0216】
LCMS:質量の測定値(M+1, 430)、1H NMR (CDCl3, 400MHz)δ7.90 (m, 1H)、7.69 (d, J=9.16Hz, 2H)、7.51 (s, 1H)、7.34〜7.48 (m, 2H)、6.71 (d, J=9.16Hz, 2H)、3.00 (s, 6H)、2.62 (s, 3H)、2.34 (s, 3H)。
【実施例12】
【0217】
[4-(1-{[6-(2-イソプロポキシ-フェニル)-2-メチル-ピリミジン-4-イル]-ヒドラゾノ}-エチル)-フェニル]-ジメチルアミン
【0218】
【化35】

【0219】
実施例9のステップ3と同様の手続きにより、(1)-1-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]エタノン(6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)ヒドラゾン(100mg、0.33ミリモル)と、2-イソプロポキシフェニルボロン酸(178mg、0.99ミリモル)と、1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾリウムクロリド(16mg、0.05ミリモル)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(21mg、0.02ミリモル)と、炭酸セシウム(386mg、1.2ミリモル)とを含む1,4-ジオキサン(4ml)から表題の化合物を調製すると、茶色の固形物が73mg(55%)得られた。HPLCによる純度:95%。
【0220】
LCMS:質量の測定値(M+1, 404;M+Na, 426)、1H NMR (CDCl3, 400MHz)δ8.18 (brs, 1H)、7.98 (d, J=7.69Hz, 1H)、7.86 (s, 1H)、7.72 (d, J=8.97Hz, 2H)、7.34 (m, 1H)、7.05 (t, J=7.32Hz, 1H)、7.01 (d, J=8.08Hz, 1H)、6.67 (d, J=8.97Hz, 2H)、4.60 (m, 1H)、2.97 (s, 6H)、2.62 (s, 3H)、2.21 (s, 3H)、1.37 (d, J=5.86Hz, 6H)。
【実施例13】
【0221】
[4-(1-{[6-(2-フルオロ-フェニル)-2-メチル-ピリミジン-4-イル]-ヒドラゾノ}-エチル)-フェニル]-ジメチルアミン
【0222】
【化36】

【0223】
実施例9のステップ3と同様の手続きにより、(1)-1-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]エタノン(6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)ヒドラゾン(250mg、0.82ミリモル)と、2-フルオロフェニルボロン酸(576mg、4.1ミリモル)と、1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾリウムクロリド(39mg、0.12ミリモル)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(53mg、0.06ミリモル)と、炭酸セシウム(1.6g、4.9ミリモル)とを含む1,4-ジオキサン(8ml)から表題の化合物を調製すると、濃い茶色の固形物が225mg(75%)得られた。HPLCによる純度:98%。
【0224】
LCMS:質量の測定値(M+1, 364)、1H NMR (CDCl3, 400MHz)δ8.25 (brs, 1H)、8.04 (m, 1H)、7.70 (d, J=8.79Hz, 2H)、7.59 (s, 1H)、7.39 (m, 1H)、7.26 (m, 1H)、7.16 (m, 1H)、6.69 (d, J=8.79Hz, 2H)、2.98 (s, 6H)、2.62 (s, 3H)、2.18 (s, 3H)。
【実施例14】
【0225】
[4-(1-{[6-(2-アミノ-フェニル)-2-メチル-ピリミジン-4-イル]-ヒドラゾノ}-エチル)-フェニル]-ジメチルアミン
【0226】
【化37】

【0227】
実施例9のステップ3と同様の手続きにより、(1)-1-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]エタノン(6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)ヒドラゾン(250mg、0.82ミリモル)と、2-t-ブトキシカルボニルアミノ-フェニルボロン酸(975mg、4.1ミリモル)と、1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾリウムクロリド(39mg、0.12ミリモル)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(53mg、0.06ミリモル)と、炭酸セシウム(1.6g、4.9ミリモル)とを含む1,4-ジオキサン(8ml)から[2-(6-{N'-[1-(4-ジメチルアミノ-フェニル)-エチリデン]-ヒドラジノ}-2-メチル-ピリミジン-4-イル)-フェニル]カルバミン酸t-ブチルエステルを調製すると、304mg(80%)得られた。
【0228】
[2-(6-{N'-[1-(4-ジメチルアミノ-フェニル)-エチリデン]-ヒドラジノ}-2-メチル-ピリミジン-4-イル)-フェニル]カルバミン酸t-ブチルエステルを、5%のトリフルオロ酢酸を含む10mlのジクロロメタンに溶かした。得られた反応混合物を室温にて2時間にわたって撹拌した後、真空中で濃縮した。残留物をメタノールに溶かし、炭酸水素ナトリウムを用いてpHを7に調節した。濾過後、メタノールを真空中で濃縮し、残留物をシリカゲル・クロマトグラフィ(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)によって精製すると、表題の化合物が茶色の固形物として140mg(60%)得られた。HPLCによる純度:95%。
【0229】
LCMS:質量の測定値(M+1, 361)、1H NMR (CD3OD, 400MHz)δ7.66 (d, J=8.79Hz, 2H)、7.50 (dd, J=1.46, 7.69Hz, 1H)、7.26 (s, 1H)、7.15 (m, 1H)、6.66〜6.80 (m, 4H)、2.96 (s, 6H)、2.49 (s, 3H)、2.21 (s, 3H)。
【実施例15】
【0230】
(4-{1-[(2-メトキシ-6-フェニル-ピリミジン-4-イル)-ヒドラゾノ]-エチル}-フェニル)-ジメチルアミン
【0231】
ステップ1:2-メトキシ-ピリミジン-4,6-ジオール
【0232】
【化38】

【0233】
密封した試験管の中で、O-メチルイソウレアヒドロクロリド(3.0g、27ミリモル)とマロン酸ジメチル(3.1ml、27ミリモル)を、ナトリウムメトキシドをメタノールに溶かした30%w/v溶液に溶かした。この反応混合物を4時間にわたって還流させた後、一晩放置して周囲温度まで冷却した。得られた白色の沈澱物を濾過し、真空中で乾燥させると、表題の化合物が4.2g(かなりの収率)得られた。
【0234】
1H NMR (DMSO-d6, 400MHz)δ10.21 (brs, 1H)、4.09 (s, 1H)、3.65 (s, 3H)。
【0235】
ステップ2:4,6-ジクロロ-2-メトキシ-ピリミジン
【0236】
【化39】

【0237】
2-メトキシ-ピリミジン-4,6-ジオールをオキシ塩化リンに溶かし、得られた反応混合物を4時間にわたって還流させた。塩基性の氷水を用いて反応を停止させた後、得られた水性混合物を酢酸エチルで抽出し、1つにまとめた抽出液を硫酸マグネシウム上で乾燥させた。有機層を真空中で濃縮すると、表題の化合物が1.1g(44%、粗収率)得られた。
【0238】
LCMS:質量の測定値(M+1, 179)。
【0239】
ステップ3:(6-クロロ-2-メトキシ-ピリミジン-4-イル)ヒドラジン
【0240】
【化40】

【0241】
4,6-ジクロロ-2-メトキシ-ピリミジン(1.1g、6.2ミリモル)を100mlの無水テトラヒドロフランに溶かした。得られた反応溶液にヒドラジン(0.19ml、6.2ミリモル)と炭酸カリウム(2.6g、18ミリモル)を添加し、得られた反応混合物を3日間にわたって撹拌した。炭酸カリウムを濾過によって除去し、濾液を真空中で濃縮した。酢酸エチル:ヘキサンから残留物を結晶化させると、表題の化合物が414mg(39%)得られた。
【0242】
1H NMR (DMSO-d6, 400MHz)δ8.80 (s, 1H)、6.49 (brs, 1H)、4.50 (brs, 2H)、3.77 (s, 3H)。
【0243】
ステップ4:(4-{1-[(6-クロロ-2-メトキシ-ピリミジン-4-イル)ヒドラゾノ]-エチル}-フェニル)-ジメチルアミン
【0244】
【化41】

【0245】
実施例1のステップ4と同様の手続きにより、(6-クロロ-2-メトキシ-ピリミジン-4-イル)ヒドラジン(414mg、2.4ミリモル)と4-ジメチルアミノアセトフェノン(387mg、2.4ミリモル)とを含むエタノール(10ml)から表題の化合物を調製すると、305mg(40%)得られた。
【0246】
LCMS:質量の測定値(M+1, 320)、1H NMR (CDCl3, 400MHz)δ8.23 (brs, 1H)、7.70 (d, J=8.79Hz, 2H)、6.96 (s, 1H)、6.76 (brs, 1H)、3.96 (s, 3H)、3.02 (s, 6H)、2.23 (s, 3H)。
【0247】
ステップ5:(4-{1-[(2-メトキシ-6-フェニル-ピリミジン-4-イル)-ヒドラゾノ]-エチル}-フェニル)-ジメチルアミン
【0248】
【化42】

【0249】
実施例9のステップ3と同様の手続きにより、(4-{1-[(6-クロロ-2-メトキシ-ピリミジン-4-イル)ヒドラゾノ]-エチル}-フェニル)-ジメチルアミン(100mg、0.31ミリモル)と、フェニルボロン酸(190mg、1.6ミリモル)と、1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾリウムクロリド(15mg、0.04ミリモル)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(20mg、0.02ミリモル)と、炭酸セシウム(611mg、1.9ミリモル)とを含む1,4-ジオキサン(3ml)から表題の化合物を調製すると、黄色の固形物が61mg(54%)が得られた。HPLCによる純度:92%。
【0250】
LCMS:質量の測定値(M+1, 362;M+Na, 384)、1H NMR (CD3OD, 400MHz)δ11.09 (s, 1H)、8.91 (m, 1H)、8.53 (d, J=8.97Hz, 2H)、8.32 (m, 3H)、8.11 (s, 1H)、7.54 (d, J=8.97Hz, 2H)、4.13 (s, 3H)、3.75 (s, 6H)、3.08 (s, 3H)。
【実施例16】
【0251】
[4-(1-{[2-エチル-6-(2-メトキシ-フェニル)-ピリミジン-4-イル]-ヒドラゾノ}-エチル)-フェニル]-ジメチルアミン
【0252】
ステップ1:2-エチル-6-(2-メトキシ-フェニル)-3H-ピリミジン-4-オン
【0253】
【化43】

【0254】
エタノールをアンモニア(3ml)で飽和させた飽和水酸化アンモニウム(3ml)を還流させている中に、2-メトキシベンゾイル酢酸エチル(4.4ml、23ミリモル)とオルトプロピオン酸トリエチル(9.0ml、45ミリモル)を10mlのエタノールに溶かした溶液を一滴ずつ添加した。得られた反応混合物に、反応の全期間を通じてアンモニア・ガスを吹き込んだ。この反応混合物を一晩にわたって還流させた。この反応物を放置して室温まで冷却し、真空中で濃縮して元の反応体積の約1/3にした。この濃縮液を冷やし、アセトンを添加し、得られた白色の固形物を真空濾過によって回収すると、表題の化合物が1.1g(22%)得られた。
【0255】
1H NMR (CD3OD, 400MHz)δ7.87 (brs, 1H)、7.43 (m, 1H)、7.11 (d, J=8.06Hz, 1H)、7.03 (t, J=8.06Hz, 1H)、6.87 (brs, 1H)、3.89 (s, 3H)、2.68 (q, J=7.50Hz, 2H)、1.33 (t, J=7.50Hz, 3H)。
【0256】
ステップ2:4-クロロ-2-エチル-6-(2-メトキシ-フェニル)ピリミジン
【0257】
【化44】

【0258】
2-エチル-6-(2-メトキシ-フェニル)-3H-ピリミジン-4-オン(1.1g、4.9ミリモル)とオキシ塩化リン(3.0ml、32ミリモル)の溶液を4時間にわたって還流させた。この反応混合物を周囲温度まで冷却した後、真空中で濃縮し、得られた残留物をジクロロメタンで希釈した。有機層を氷水で洗浄した。水層をジクロロメタンで抽出した後、1つにまとめた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。シリカゲル・クロマトグラフィ(酢酸エチル:ヘキサン=1:5)を行なうと、表題の化合物が淡い黄色の油として0.91g(74%)分離された。
【0259】
1H NMR (CDCl3, 400MHz)δ8.07 (dd, J=1.84, 7.69Hz, 1H)、7.83 (s, 1H)、7.45 (m, 1H)、7.09 (m, 1H)、7.00 (d, J=8.42Hz, 1H)、3.91 (s, 3H)、3.00 (q, J=7.69Hz, 2H)、1.40 (t, J=7.69Hz, 3H)。
【0260】
ステップ3:[4-(1-{[2-エチル-6-(2-メトキシ-フェニル)-ピリミジン-4-イル]-ヒドラゾノ}-エチル)-フェニル]-ジメチルアミン
【0261】
【化45】

【0262】
実施例3のステップ1と同様の手続きにより、4-クロロ-2-エチル-6-(2-メトキシ-フェニル)ピリミジン(0.91g、3.7ミリモル)と、ヒドラジン(0.69ml、22ミリモル)と、炭酸ナトリウム(0.76g、7.1ミリモル)と、炭酸カリウム(0.79g、5.5ミリモル)とを含むジオキサン(10ml)から[2-エチル-6-(2-メトキシ-フェニル)-ピリミジン-4-イル]-ヒドラジンを調製すると、白色の固形物が0.77g(86%)得られた。
【0263】
[2-エチル-6-(2-メトキシ-フェニル)-ピリミジン-4-イル]-ヒドラジン(100mg、0.41ミリモル)と4-ジメチルアミノアセトフェノン(67mg、0.41ミリモル)をエタノール(10ml)に溶かした溶液をマイクロ波(CEMディスカバー、150℃、クイックテスト法)で6時間にわたって加熱した。最初にシリカゲル・クロマトグラフィ(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)を行なった後、酢酸エチル:ヘキサンから結晶化させると、表題の化合物が黄色の固形物として20mg(13%)得られた。
【0264】
LCMS:質量の測定値(M+1, 390)、1H NMR (CDCl3, 400MHz)δ7.92 (m, 1H)、7.72 (d, J=9.15Hz, 2H)、7.40 (m, 1H)、7.07 (t, J=7.32Hz, 1H)、7.01 (d, J=8.42Hz, 1H)、6.71 (d, J=9.15Hz, 2H)、3.92 (s, 3H)、3.00 (s, 6H)、2.86 (q, J=6.78Hz, 2H)、3.18 (t, J=6.78Hz, 3H)。
【実施例17】
【0265】
[4-(1-{[6-(2-メトキシ-フェニル)-ピリミジン-4-イル]-ヒドラゾノ}-エチル)-フェニル]-ジメチルアミン
【0266】
ステップ1:4-クロロ-6-(2-メトキシ-フェニル)ピリミジン
【0267】
【化46】

【0268】
4,6-ジクロロピリミジン(2.0g、13ミリモル)と、2-メトキシフェニルボロン酸(2.0g、13ミリモル)と、炭酸ナトリウム(4.4g、42ミリモル、最少量の水に溶かした)の溶液をアルゴンで脱ガスした。この脱ガスした溶液にPd(Ph3)4を添加し、得られた反応混合物を18時間にわたって還流させた。この反応混合物を室温まで冷却し、ジクロロメタンで希釈した。有機層を水で洗浄し、水層を追加のジクロロメタンで抽出した。1つにまとめた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。濾過後、有機層を真空中で乾燥させ、残留物をシリカゲル・クロマトグラフィ(酢酸エチル:ヘキサン=1:10)で精製すると、表題の化合物が2.4g(80%)得られた。
【0269】
1H NMR (CDCl3, 400MHz)δ9.02 (s, 1H)、8.05 (m, 2H)、7.47 (m, 2H)、7.10 (m, 1H)、7.02 (d, J=8.44Hz, 1H)、3.93 (s, 3H)。
【0270】
ステップ2:[4-(1-{[6-(2-メトキシ-フェニル)-ピリミジン-4-イル]-ヒドラゾノ}-エチル)-フェニル]-ジメチルアミン
【0271】
【化47】

【0272】
実施例3のステップ1と同様の手続きにより、4-クロロ-6-(2-メトキシ-フェニル)ピリミジン(2.4g、11ミリモル)と、ヒドラジン(1.3ml、43ミリモル)と、炭酸カリウム(2.2g、16ミリモル)とを含む25mlのジオキサンから[6-(2-メトキシ-フェニル)-ピリミジン-4-イル]-ヒドラジンを調製すると、白色の固形物が2.0g(86%)得られた。
【0273】
[6-(2-メトキシ-フェニル)-ピリミジン-4-イル]-ヒドラジン(500mg、2.3ミリモル)と4-ジメチルアミノアセトフェノン(380mg、2.3ミリモル)を4mlのエタノールに溶かした。得られた反応混合物をマイクロ波(CEMディスカバー、135℃、クイックテスト法)で3時間にわたって加熱した。この反応混合物を室温まで冷却し、3日間にわたって放置すると、黄色の結晶が形成された。この結晶性固形物を濾過によって分離し、真空中で乾燥させると、表題の化合物が580mg(70%)得られた。HPLCによる純度:93%。
【0274】
LCMS:(M+1, 362)、1H NMR (CDCl3, 400MHz)δ8.71 (s, 1H)、8.33 (s, 1H)、7.86〜7.90 (m, 2H)、7.71 (d, J=8.97Hz, 2H)、7.42 (m, 1H)、7.01〜7.10 (m, 2H)、6.70 (d, J=8.97Hz, 2H)、3.93 (s, 3H)、3.01 (s, 6H)、2.27 (s, 3H)。
【実施例18】
【0275】
メチル-(4-{1-[(2-メチル-6-フェニル-ピリミジン-4-イル)-ヒドラゾノ]-エチル}-フェニル)-アミン
【0276】
ステップ1:4-メチルアミノアセトフェノン
【0277】
【化48】

【0278】
4-アミノアセトフェノン(1g、7.4ミリモル)とヨウ化メチル(460μl、7.4ミリモル)の溶液にカリウムt-ブトキシド(1.7g、15ミリモル)を添加し、得られた反応混合物を室温にて一晩にわたって撹拌した。次にこの反応混合物をジクロロメタンで希釈し、有機層を水とブラインで洗浄した。有機層を真空中で濃縮した後、シリカゲル・クロマトグラフィを行なうと、表題の化合物が400mg(36%)分離された。
【0279】
1H NMR (CDCl3, 400MHz)δ7.83 (d, J=8.79Hz, 2H)、6.59 (d, J=8.79Hz, 2H)、2.90 (s, 3H)、2.50 (s, 3H)。
【0280】
ステップ2:メチル-(4-{1-[(2-メチル-6-フェニル-ピリミジン-4-イル)-ヒドラゾノ]-エチル}-フェニル)-アミン
【0281】
【化49】

【0282】
実施例1のステップ4と同様の手続きにより、4-ヒドラジノ-2-メチル-6-フェニルピリミジントリヒドロクロリド(300mg、0.97ミリモル)と4-メチルアミノアセトフェノン(145mg、0.97ミリモル)とを含むエタノール(4.0ml)から表題の化合物を調製すると、オレンジ色の固形物が62mg(19%)得られた。HPLCによる純度:91%。
【0283】
LCMS:質量の測定値(M+1, 332)、1H NMR (DMSO-d6, 400MHz)δ8.04 (brs, 2H)、7.85 (m, 2H)、7.67 (m, 3H)、7.42 (brs, 1H)、6.90 (brs, 2H)、2.74 (重なった2つの一重項, 6H)、2.40 (s, 3H)。
【実施例19】
【0284】
4-{1-[(2-メチル-6-フェニル-ピリミジン-4-イル)-ヒドラゾノ]-エチル-フェニル}-チオウレア
【0285】
【化50】

【0286】
実施例1のステップ4と同様の手続きにより、4-ヒドラジノ-2-メチル-6-フェニルピリミジントリヒドロクロリド(300mg、0.97ミリモル)と(4-アセチル-フェニル)-チオウレア(188mg、0.97ミリモル)とを含むエタノール(4.0ml)から表題の化合物を調製すると、黄色の固形物が21mg(6%)得られた。HPLCによる純度:92%。
【0287】
LCMS:質量の測定値(M+1, 378)、1H NMR (CDCl3, 400MHz)δ8.42 (brs, 1H)、8.08 (m, 2H)、7.78 (d, J=8.60Hz, 2H)、7.49 (m, 5H)、4.65 (brs, 2H)、2.63 (s, 3H)、2.27 (s, 3H)。
【実施例20】
【0288】
N-(4-{1-[(2-メチル-6-フェニル-ピリミジン-4-イル)-ヒドラゾノ]-エチル}-フェニル)アセトアミド
【0289】
【化51】

【0290】
実施例1のステップ4と同様の手続きにより、4-ヒドラジノ-2-メチル-6-フェニルピリミジントリヒドロクロリド(300mg、0.97ミリモル)とN-(4-アセチル-フェニル)アセトアミド(515mg、2.91ミリモル)とを含むエタノール(10.0ml)から表題の化合物を調製すると、茶色の固形物が43mg(12%)得られた。HPLCによる純度:95%。
【0291】
LCMS:質量の測定値(M+1, 360)、1H NMR (DMSO-d6, 400MHz)δ10.42 (s, 1H)、7.4〜8.1 (m, 10H)、2.71 (s, 3H)、2.44 (s, 3H)。
【実施例21】
【0292】
2-メチル-4-{N'-[1-(4-メチルアミノ-フェニル)-エチリデン]-ヒドラジノ}-6-フェニル-ピリミジン-5-イルアミン
【0293】
ステップ1:4-クロロ-2-メチル-6-フェニル-ピリミジン-5-イルアミン
【0294】
【化52】

【0295】
実施例17のステップ1と同様の手続きにより、4,6-ジクロロ-2-メチル-ピリミジン-5-イルアミン(500mg、2.8ミリモル)と、フェニルボロン酸(340mg、2.8ミリモル)と、炭酸ナトリウム(920mg、8.7ミリモル、最少量の水に溶かした)と、Pd(PPh3)4(160mg、0.14ミリモル)とを含む30mlのグリムから表題の化合物を調製すると、固形物が380mg(61%)得られた。
【0296】
LCMS:質量の測定値(M+1, 220.2)、1H NMR (CDCl3, 400MHz)δ7.6〜7.7 (m, 2H)、7.43〜7.45 (m, 3H)、4.14 (brs, 2H)、2.59 (s, 3H)。
【0297】
ステップ2:2-メチル-4-{N'-[1-(4-メチルアミノ-フェニル)-エチリデン]-ヒドラジノ}-6-フェニル-ピリミジン-5-イルアミン
【0298】
【化53】

【0299】
実施例3のステップ1と同様の手続きにより、4-クロロ-2-メチル-6-ピリミジン-5-イルアミン(300mg、1.4ミリモル)と、ヒドラジン(400μl、13ミリモル)と、炭酸カリウム(580mg、4.2ミリモル)とを含む3mlのジオキサンから4-ヒドラジノ-2-メチル-6-フェニル-ピリミジン-5-イルアミンを調製すると、そのヒドラジンが130mg(44%、粗収率)得られ、それを続く縮合反応で直接使用した。
【0300】
実施例1のステップ4と同様の手続きにより、4-ヒドラジノ-2-メチル-6-フェニル-ピリミジン-5-イルアミン(130mg、0.60ミリモル)と、4-メチルアミンアセトフェノン(135mg、0.91ミリモル)とを含む3.0mlのエタノールから表題の化合物を調製すると、オレンジ色の固形物が92mg(44%)得られた。
【0301】
LCMS:質量の測定値(M+1, 347)、1H NMR (DMSO-d6, 400MHz)δ7.2〜8.0 (m, 7H)、6.56 (m, 2H)、6.03 (brs, 1H)、5.41 (brs, 1H)、1.21 (brs, 1H)、2.72 (s, 3H)、2.32 (m, 6H)。
【実施例22】
【0302】
N-(2-メチル-6-フェニル-ピリミジン-4-イル)-N'-[1-p-トリル-プロピリデン]-ヒドラジン
【0303】
【化54】

【0304】
実施例1のステップ4と同様の手続きにより、4-ヒドラジノ-2-メチル-6-フェニルピリミジン(300mg、1.5ミリモル)と1-p-トリル-プロパン-1-オン(174μl、1.05ミリモル)とを含む3.0mlのエタノールから表題の化合物を調製すると、白色の固形物が110mg(22%)得られた。HPLCによる純度:96%。
【0305】
LCMS:質量の測定値(M+1, 331.1)、1H NMR (CDCl3, 400MHz)δ8.16 (brs, 1H)、8.06 (m, 2H)、7.42〜7.52 (m, 4H)、7.28 (d, 2H)、7.13 (d, 2H)、2.62 (q, 2H)、2.54 (s, 3H)、2.39 (s, 3H)。
【実施例23】
【0306】
N-[1-(4-クロロ-フェニル)エチリデン]-N'-(2-メチル-6-フェニル-ピリミジン-4-イル)-ヒドラジン
【0307】
【化55】

【0308】
実施例1のステップ4と同様の手続きにより、4-ヒドラジノ-2-メチル-6-フェニルピリミジン(300mg、1.5ミリモル)と1-(4-クロロ-フェニル)-エタノン(136μl、1.05ミリモル)とを含む8.0mlのエタノールから表題の化合物を調製すると、灰白色の固形物が190mg(38%)得られた。HPLCによる純度:98%。
【0309】
LCMS:質量の測定値(M+1, 339.2, 337.1)。
【実施例24】
【0310】
N-[1-(4-メトキシ-フェニル)エチリデン]-N'-(2-メチル-6-フェニル-ピリミジン-4-イル)-ヒドラジン
【0311】
【化56】

【0312】
実施例1のステップ4と同様の手続きにより、4-ヒドラジノ-2-メチル-6-フェニルピリミジン(200mg、1.0ミリモル)と1-(4-メトキシ-フェニル)-エタノン(150mg、1.00ミリモル)とを含む10mlのエタノールから表題の化合物を調製すると、クリーム色の固形物が35mg(11%)得られた。HPLCによる純度:98%。
【0313】
LCMS:質量の測定値(M+1, 332.8)、1H NMR (CD3OD, 400MHz)δ7.97 (m, 2H)、7.82 (d, 2H)、7.50 (m, 3H)、7.43 (s, 1H)、6.96 (d, 2H)、3.83 (s, 3H)、2.57 (s, 3H)、2.33 (s, 3H)。
【実施例25】
【0314】
N-[6-(2-メトキシ-フェニル)-ピリミジン-4-イル]-N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジン
【0315】
【化57】

【0316】
実施例1のステップ4と同様の手続きにより、[6-(2-メトキシ-フェニル)-ピリミジン-4-イル]-ヒドラジン(500mg、2.3ミリモル)と4-メチルアセトフェノン(310μl、2.3ミリモル)とを含む10mlのエタノールから表題の化合物を調製すると、淡い色の固形物が302mg(39%)得られた。HPLCによる純度:91%。
【0317】
LCMS:質量の測定値(M+1, 333.5)、1H NMR (CDCl3, 400MHz)δ8.76 (s, 1H)、8.46〜8.56 (brs, 1H)、7.93 (m, 2H)、7.70 (d, 2H)、7.44 (t, 1H)、7.20 (d, 2H)、7.09 (t, 1H)、7.03 (d, 1H)、3.94 (s, 3H)、2.38 (s, 3H)、2.30 (s, 2H)。
【実施例26】
【0318】
N-[2-エチル-6-(2-メトキシ-フェニル)-ピリミジン-4-イル]-N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジン
【0319】
【化58】

【0320】
実施例1のステップ4と同様の手続きにより、[2-エチル6-(2-メトキシ-フェニル)-ピリミジン-4-イル]-ヒドラジン(100mg、0.41ミリモル)と4-メチルアセトフェノン(55μl、0.41ミリモル)とを含む1.0mlのエタノールから表題の化合物を調製すると、黄色の固形物が117mg(79%)得られた。HPLCによる純度:95%。
【0321】
LCMS:質量の測定値(M+1, 361.3)、1H NMR (CDCl3, 400MHz)δ7.95 (m, 1H)、7.76 (s, 1H)、7.70 (d, 2H)、7.41 (m, 1H)、7.19 (d, 2H)、7.08 (m, 1H)、7.01 (d, 1H)、3.91 (s, 3H)、2.87 (q, 2H)、2.37 (s, 3H)、2.29 (s, 3H)、1.39 (t, 3H)。
【実施例27】
【0322】
N-[6-(2-フルオロ-フェニル)-2-メチル-ピリミジン-4-イル]-N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジン
【0323】
ステップ1:4-クロロ-6-ヒドラジノ-2-メチルピリミジン
【0324】
【化59】

【0325】
4,6-ジクロロ-2-メチルピリミジン(10g、0.061モル)を乾燥THF(500ml)に溶かした溶液に無水ヒドラジン(1.96g、0.061モル)を添加した後、炭酸カリウム(12.7g、0.092モル)を添加した。この反応混合物を室温にて13時間にわたって撹拌した後、濾過した。濾液を減圧下で蒸発させると、表題の化合物が固形物として9.3g(45%)得られた。
【0326】
LCMS:質量の測定値(M+1, 158.9)、融点:146℃で融け始め、220℃で分解、1H NMR (CDCl3, 300MHz)δ2.49 (3H, s)、3.05 (2H, bs)、6.59 (1H, bs)、6.67 (1H, s)。
【0327】
ステップ2:(1)-1-(4-メチルフェニル)エタノン(6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)ヒドラゾン
【0328】
【化60】

【0329】
4-クロロ-6-ヒドラジノ-2-メチルピリミジン(9g、0.0567モル)を乾燥トルエン(200ml)に溶かした溶液に4-メチルアセトフェノン(7.6g、0.056モル)を添加し、得られた混合物を窒素雰囲気下で16時間にわたって共沸状態で還流させた。この反応混合物を冷却し、溶媒を減圧下で除去した。残留物を石油エーテル/酢酸エチルから結晶化させると、表題の化合物が固形物として9.8g(63%)得られた。
【0330】
融点:146〜151℃、LCMS:質量の測定値(M+1, 275)、1H NMR (DMSO-d6, 300MHz)δ2.30 (3H, s)、2.32 (3H, s)、2.43 (3H, s)、7.02 (1H, s)、7.21〜7.24 (1H, d, J=7.8Hz)、7.71〜7.74 (1H, d, J=7.8Hz)、10.75 (1H, s)。
【0331】
ステップ3:N-[6-(2-フルオロ-フェニル)-2-メチル-ピリミジン-4-イル]-N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジン
【0332】
【化61】

【0333】
実施例9のステップ3と同様の手続きにより、(1)-1-(4-メチルフェニル)エタノン(6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)ヒドラゾン(100mg、0.36ミリモル)と、2-フルオロフェニルボロン酸(255mg、1.82ミリモル)と、1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾリウムクロリド(17mg、0.05ミリモル)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(23mg、0.03ミリモル)と、炭酸セシウム(711mg、2.2ミリモル)とを含む1,4-ジオキサン(3ml)から表題の化合物を調製すると、黄色の固形物が81mg(66%)得られた。HPLCによる純度:93%。
【0334】
LCMS:質量の測定値(M+1, 335.3)、1H NMR (CDCl3, 400MHz)δ8.25 (brs, 1H)、8.02 (m, 1H)、7.67 (d, 2H)、7.60 (brs, 1H)、7.41 (m, 1H)、7.1〜7.3 (m, 4H)、2.63 (s, 3H)、2.37 (s, 3H)、2.26 (s, 3H)。
【実施例28】
【0335】
N-[6-(3-メトキシ-フェニル)-2-メチル-ピリミジン-4-イル]-N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジン
【0336】
【化62】

【0337】
実施例9のステップ3と同様の手続きにより、(1)-1-(4-メチルフェニル)エタノン(6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)ヒドラゾン(100mg、0.36ミリモル)と、3-メトキシフェニルボロン酸(276mg、1.82ミリモル)と、1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾリウムクロリド(17mg、0.05ミリモル)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(23mg、0.03ミリモル)と、炭酸セシウム(711mg、2.2ミリモル)とを含む1,4-ジオキサン(3ml)から表題の化合物を調製すると、淡い黄色の固形物が61mg(48%)得られた。HPLCによる純度:96%。
【0338】
LCMS:質量の測定値(M+1, 347.2)、1H NMR (CDCl3, 400MHz)δ8.25 (brs, 1H)、7.62〜7.72 (m, 4H)、7.49 (s, 1H)、7.39 (m, 1H)、7.23 (m, 2H)、7.02 (m, 1H)、3.90 (s, 3H)、2.63 (s, 3H)、2.38 (s, 3H)、2.26 (s, 3H)。
【実施例29】
【0339】
N-[6-(2-メトキシ-フェニル)-2-メチル-ピリミジン-4-イル]-N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジン
【0340】
【化63】

【0341】
実施例9のステップ3と同様の手続きにより、(1)-1-(4-メチルフェニル)エタノン(6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)ヒドラゾン(100mg、0.36ミリモル)と、2-メトキシフェニルボロン酸(276mg、1.82ミリモル)と、1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾリウムクロリド(17mg、0.05ミリモル)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(23mg、0.03ミリモル)と、炭酸セシウム(711mg、2.2ミリモル)とを含む1,4-ジオキサン(3ml)から表題の化合物を調製すると、白色の固形物が89mg(70%)得られた。HPLCによる純度:91%。
【0342】
LCMS:質量の測定値(M+1, 347.3)、1H NMR (CDCl3, 400MHz)δ8.23 (brs, 1H)、7.87 (d, 1H)、7.70 (m, 3H)、7.39 (m, 1H)、7.18 (d, 2H)、7.07 (t, 1H)、7.00 (d, 1H)、3.89 (s, 3H)、2.63 (s, 3H)、2.36 (s, 3H)、2.24 (s, 3H)。
【実施例30】
【0343】
N-[6-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-ピリミジン-4-イル]-N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジン
【0344】
【化64】

【0345】
実施例9のステップ3と同様の手続きにより、(1)-1-(4-メチルフェニル)エタノン(6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)ヒドラゾン(84mg、0.31ミリモル)と、4-メトキシフェニルボロン酸(232mg、1.53ミリモル)と、1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾリウムクロリド(15mg、0.04ミリモル)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(20mg、0.02ミリモル)と、炭酸セシウム(598mg、1.83ミリモル)とを含む1,4-ジオキサン(3ml)から表題の化合物を調製すると、白色の固形物が70mg(66%)得られた。HPLCによる純度:94%。
【0346】
LCMS:質量の測定値(M+1, 347.3)。
【実施例31】
【0347】
2-(2-メチル-6-{N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジノ}-ピリミジン-4-イル)-ベンゾニトリル
【0348】
【化65】

【0349】
実施例9のステップ3と同様の手続きにより、(1)-1-(4-メチルフェニル)エタノン(6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)ヒドラゾン(100mg、0.36ミリモル)と、2-シアノフェニルボロン酸(267mg、1.82ミリモル)と、1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾリウムクロリド(17mg、0.05ミリモル)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(23mg、0.03ミリモル)と、炭酸セシウム(711mg、2.2ミリモル)とを含む1,4-ジオキサン(3ml)から表題の化合物を調製すると、淡い黄色の固形物が37mg(30%)得られた。HPLCによる純度:91%。
【0350】
LCMS:質量の測定値(M+1, 342.2)、1H NMR (CDCl3, 400MHz)δ8.32 (brs, 1H)、7.89 (d, 1H)、7.70 (m, 3H)、7.52〜7.56 (m, 2H)、7.20 (d, 2H)、2.65 (s, 3H)、2.36 (s, 3H)、2.28 (s, 3H)。
【実施例32】
【0351】
N-[6-(2-メチル-フェニル)-2-メチル-ピリミジン-4-イル]-N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジン
【0352】
【化66】

【0353】
実施例9のステップ3と同様の手続きにより、(1)-1-(4-メチルフェニル)エタノン(6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)ヒドラゾン(100mg、0.36ミリモル)と、2-メチルフェニルボロン酸(247mg、1.82ミリモル)と、1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾリウムクロリド(17mg、0.05ミリモル)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(23mg、0.03ミリモル)と、炭酸セシウム(711mg、2.2ミリモル)とを含む1,4-ジオキサン(3ml)から表題の化合物を調製すると、黄色の固形物が62mg(52%)得られた。HPLCによる純度:91%。
【0354】
LCMS:質量の測定値(M+1, 331.1)、1H NMR (CDCl3, 400MHz)δ8.25 (brs, 1H)、7.65 (d, 2H)、7.42 (m, 1H)、7.24〜7.32 (m, 4H)、7.17 (d, 2H)、2.63 (s, 3H)、2.41 (s, 3H)、2.36 (s, 3H)、2.27 (s, 3H)。
【実施例33】
【0355】
N-[2-メチル-6-(2-モルホリン-4-イル-フェニル)-ピリミジン-4-イル]-N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジン
【0356】
【化67】

【0357】
実施例9のステップ3と同様の手続きにより、(1)-1-(4-メチルフェニル)エタノン(6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)ヒドラゾン(100mg、0.36ミリモル)と、2-モルホリノフェニルボロン酸(376mg、1.82ミリモル)と、1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾリウムクロリド(17mg、0.05ミリモル)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(23mg、0.03ミリモル)と、炭酸セシウム(711mg、2.2ミリモル)とを含む1,4-ジオキサン(3ml)から表題の化合物を調製すると、明るい茶色の固形物が103mg(70%)得られた。HPLCによる純度:95%。
【0358】
LCMS:質量の測定値(M+1, 402.2)。
【実施例34】
【0359】
N-[2-(2-メチル-6-{N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジノ}-ピリミジン-4-イル)-フェニル)アセトアミド
【0360】
【化68】

【0361】
実施例9のステップ3と同様の手続きにより、(1)-1-(4-メチルフェニル)エタノン(6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)ヒドラゾン(60mg、0.22ミリモル)と、(2-アセチルアミノフェニル)ボロン酸(195mg、1.09ミリモル)と、1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾリウムクロリド(10mg、0.03ミリモル)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(14mg、0.02ミリモル)と、炭酸セシウム(430mg、1.3ミリモル)とを含む1,4-ジオキサン(2ml)から表題の化合物を調製すると、濃いピンク色の固形物が53mg(65%)得られた。HPLCによる純度:92%。
【0362】
LCMS:質量の測定値(M+1, 374.2)、1H NMR (CDCl3, 400MHz)δ8.58 (d, 1H)、8.32 (brs, 1H)、7.80 (d, 1H)、7.69 (d, 2H)、7.40〜7.49 (m, 3H)、7.1〜7.3 (m, 4H)、2.64 (s, 3H)、2.39 (s, 3H)、2.30 (s, 3H)、2.20 (s, 3H)。
【実施例35】
【0363】
[2-(2-メチル-6-{N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジノ}-ピリミジン-4-イル)-フェニル]-メタノール
【0364】
【化69】

【0365】
実施例9のステップ3と同様の手続きにより、(1)-1-(4-メチルフェニル)エタノン(6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)ヒドラゾン(60mg、0.22ミリモル)と、(ヒドロキシメチルフェニル)ボロン酸(166mg、1.09ミリモル)と、1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾリウムクロリド(10mg、0.03ミリモル)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(14mg、0.02ミリモル)と、炭酸セシウム(430mg、1.3ミリモル)とを含む1,4-ジオキサン(2ml)から表題の化合物を調製すると、明るいピンク色の固形物が55mg(73%)得られた。HPLCによる純度:92%。
【0366】
LCMS:質量の測定値(M+1, 347.2)、1H NMR (CDCl3, 400MHz)δ8.35 (brs, 1H)、7.67 (m, 3H)、7.42〜7.50 (m, 4H)、7.37 (s, 1H)、7.21 (d, 2H)、4.50 (s, 2H)、2.61 (s, 3H)、2.37 (s, 3H)、2.29 (s, 3H)。
【実施例36】
【0367】
N-[6-(3,5-ジメチル-イソオキサゾル-4-イル)-2-メチル-ピリミジン-4-イル]-N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジン
【0368】
【化70】

【0369】
実施例9のステップ3と同様の手続きにより、(1)-1-(4-メチルフェニル)エタノン(6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)ヒドラゾン(100mg、0.36ミリモル)と、3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-ボロン酸(154mg、1.09ミリモル)と、1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾリウムクロリド(17mg、0.05ミリモル)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(23mg、0.03ミリモル)と、炭酸セシウム(427mg、1.3ミリモル)とを含む1,4-ジオキサン(4ml)から表題の化合物を調製すると、白色の固形物が30mg(24%)得られた。HPLCによる純度:98%。
【0370】
LCMS:質量の測定値(M+1, 336.2)、1H NMR (CDCl3, 400MHz)δ8.30 (brs, 1H)、7.65 (d, 2H)、7.21 (d, 2H)、7.16 (s, 1H)、2.66 (s, 3H)、2.58 (s, 3H)、2.49 (s, 3H)、2.38 (s, 3H)、2.27 (s, 3H)。
【実施例37】
【0371】
N-(2-メチル-6-ピリジン-3-イル-ピリミジン-4-イル)-N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジン
【0372】
【化71】

【0373】
実施例9のステップ3と同様の手続きにより、(1)-1-(4-メチルフェニル)エタノン(6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)ヒドラゾン(100mg、0.36ミリモル)と、ピリジン-3-ボロン酸(134mg、1.09ミリモル)と、1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾリウムクロリド(17mg、0.05ミリモル)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(23mg、0.03ミリモル)と、炭酸セシウム(427mg、1.3ミリモル)とを含む1,4-ジオキサン(3ml)から表題の化合物を調製すると、明るい茶色の固形物が16mg(14%)得られた。HPLCによる純度:91%。
【0374】
LCMS:質量の測定値(M+1, 318.0)、1H NMR (CDCl3, 400MHz)δ9.27 (m, 1H)、8.70 (m, 1H)、8.38 (m, 1H)、8.28 (brs, 1H)、7.69 (m, 2H)、7.54 (s, 1H)、7.41(m, 1H)、7.21 (m, 2H)、2.63 (s, 3H)、2.39 (s, 3H)、2.29 (s, 3H)。
【実施例38】
【0375】
2-(2-メチル-6-{N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジノ}-ピリミジン-4-イル)-フェニルアミン
【0376】
【化72】

【0377】
実施例9のステップ3と同様の手続きにより、(1)-1-(4-メチルフェニル)エタノン(6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)ヒドラゾン(130mg、0.47ミリモル)と、(2-BOC-アミノフェニル)ボロン酸(560mg、2.37ミリモル)と、1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾリウムクロリド(23mg、0.07ミリモル)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(23mg、0.03ミリモル)と、炭酸セシウム(925mg、2.8ミリモル)とを含む1,4-ジオキサン(4ml)から表題の化合物を調製すると、白色の固形物が16mg(10%)得られた。HPLCによる純度:95%。(反応により、106mg(52%)の[2-(2-メチル-6-{N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジノ}-ピリミジン-4-イル)-フェニル]-カルバミン酸t-ブチルエステルも得られた)
【0378】
LCMS:質量の測定値(M+1, 332.2)、1H NMR (CDCl3, 400MHz)δ8.19 (brs, 1H)、7.69 (d, 2H)、7.66 (d, 1H)、7.42 (s, 1H)、7.16〜7.24 (m, 3H)、6.78 (t, 1H)、6.72 (d, 1H)、5.92 (brs, 2H)、2.59 (s, 3H)、2.38 (s, 3H)、2.27 (s, 3H)。
【実施例39】
【0379】
N-メチル-N-(2-メチル-6-フェニル-ピリミジン-4-イル)-N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジン
【0380】
【化73】

【0381】
実施例3のステップ1と同様の手続きにより、4-クロロ-2-メチル-6-フェニルピリミジン(500mg、2.4ミリモル)と、メチルヒドラジン(0.52ml、9.8ミリモル)と、炭酸カリウム(506mg、3.7ミリモル)とを含む5mlの1,4-ジオキサンからN-メチル-N-(2-メチル-6-フェニル-ピリミジン-4-イル)-ヒドラジンを調製すると、淡い黄色の固形物が392mg(75%)得られた。
【0382】
実施例8のステップ4と同様の手続きにより、N-メチル-N-(2-メチル-6-フェニル-ピリミジン-4-イル)-ヒドラジン(196mg、0.91ミリモル)と、4-メチルアセトフェノン(122μl、0.91ミリモル)とを含む10mlのエタノールから表題の化合物を調製すると、クリーム色の固形物が180mg(60%)得られた。HPLCによる純度:97%。
【0383】
LCMS:質量の測定値(M+1, 331.4)、1H NMR (CDCl3, 400MHz)δ7.94 (m, 2H)、7.86 (d, 2H)、7.41 (m, 3H)、7.27 (d, 2H)、6.84 (s, 1H)、3.43 (s, 3H)、2.68 (s, 3H)、2.42 (s, 3H)、2.38 (s, 3H)。
【実施例40】
【0384】
N-[6-(2,6-ジメトキシ-フェニル)-2-メチル-ピリミジン-4-イル]-N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジン
【0385】
【化74】

【0386】
実施例9のステップ3と同様の手続きにより、(1)-1-(4-メチルフェニル)エタノン(6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)ヒドラゾン(100mg、0.36ミリモル)と、2,6-ジメトキシフェニル-ボロン酸(331mg、1.82ミリモル)と、1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾリウムクロリド(17mg、0.05ミリモル)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(23mg、0.03ミリモル)と、炭酸セシウム(711mg、2.18ミリモル)とを含む1,4-ジオキサン(3ml)から表題の化合物を調製すると、明るい黄色の固形物が54mg(39%)得られた。HPLCによる純度:98%。
【0387】
LCMS:質量の測定値(M+1, 377.2)、1H NMR (CDCl3, 400MHz)δ8.21 (brs, 1H)、7.65 (d, 2H)、7.16〜7.12 (m, 3H)、3.73 (s, 6H)、2.62 (s, 3H)、2.34 (s, 3H)、2.24 (s, 3H)。
【実施例41】
【0388】
医薬製剤の調製
【0389】
以下の製剤の実施例は本発明による代表的な医薬組成物を示しているが、これだけに限られるわけではない。
【0390】
製剤1 - 錠剤
【0391】
一般式(I)の化合物を乾燥粉末として乾燥したゼラチン結合剤と約1:2の重量比で混合する。少量のステアリン酸マグネシウムを潤滑剤として添加する。この混合物を錠剤プレスの中で240〜270mgの錠剤にする(1錠につき活性化合物が80〜90mg)。
【0392】
製剤2 - カプセル
【0393】
一般式(I)の化合物を乾燥粉末としてデンプン希釈剤と約1:1の重量比で混合する。この混合物を充填することにより250mgのカプセルにする(カプセル1つにつき活性化合物が125mg)。
【0394】
製剤3 - 液体
【0395】
一般式(I)の化合物(1250mg)と、スクロース(1.75g)と、キサンタン・ゴム(4mg)を混合し、第10番メッシュのUS篩を通過させた後、あらかじめ調製しておいた微結晶セルロースとカルボキシメチルセルロースナトリウム(11:89、50mg)の水溶液と混合する。安息香酸ナトリウム(10mg)と、香味剤と、着色剤とを水で希釈し、撹拌しながら添加する。次に十分な量の水を添加して合計体積を5mlにする。
【0396】
製剤4 - 錠剤
【0397】
一般式(I)の化合物を乾燥粉末として乾燥したゼラチン結合剤と約1:2の重量比で混合する。少量のステアリン酸マグネシウムを潤滑剤として添加する。この混合物を錠剤プレスの中で450〜900mgの錠剤にする(1錠につき活性化合物が150〜300mg)。
【0398】
製剤5 - 注射液
【0399】
一般式(I)の化合物を緩衝化無菌生理食塩水からなる注射用水性媒体に溶かし、濃度を約5mg/mlにする。
【0400】
生物学的アッセイ
【0401】
アッセイ1:腫瘍細胞増殖アッセイ
【0402】
大腸がん細胞(C26、囓歯類)と膵臓ガン細胞(MiaPaCa-2、ヒト)を96ウエルの白色プレート(カタログ番号3917、コーニング社)に2.5×103細胞/ウエルの割合で入れ、10%のFCSを含むDMEMの中で、5%CO2かつ 37℃にて一晩にわたって培養した。細胞を入れたプレートを37℃、5%CO2のもとでさらに4日間にわたってインキュベートし、ATP-ライト細胞増殖キット(カタログ番号6016943、パーキン・エルマー社)を用いて細胞の増殖を定量化した。
【0403】
ATP-ライト・キットにより、溶解させた細胞から放出されるATPを、放出されたATPがキットに含まれているルシフェラーゼおよびD-ルシフェリンと反応することによって起こる光の発生から定量化する。インキュベーションの開始から4日が過ぎた後、培地を細胞プレートから除去して100μlのPBSと置き換えた後、50μlの溶解溶液を添加する。次にプレートをオービタル・シェイカーの上で5分間にわたって振盪した後、50μlの基質溶液を添加する。プレートをさらに5分間にわたって振盪した後、10分間にわたって暗所適応を行ない、最後にヴィクター3Vプレート読取装置(1秒/ウエル、カタログ番号1420-041、パーキン・エルマー社)で読み取る。
【0404】
細胞増殖の抑制を表1に示す。第2列〜第3列は、腫瘍細胞の増殖を50%抑制するのに必要な化合物の濃度(IC50、単位はμM)を示している。“+”は1μM<IC50≦15μMを意味し、“++”はIC50≦1μMを意味し、“n.d.”は測定できなかったことを意味する。
【0405】
【表6】

【表7】

【0406】
アッセイ2:内皮管形成アッセイ
【0407】
BDマトリゲル基底膜マトリックス(BDバイオサイエンシーズ社、#354234)を50μl/ウエルの割合で含む96ウエルの黒くて底が透明なマイクロプレート(カタログ番号第3603、コーニング社)の中に、ヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC)(カスケード・バイオロジーズ社、#C-003-5C)を7.5×103細胞/ウエルの割合で入れた。阻害剤を100%DMSOの中に順次希釈した後、細胞に添加して最終濃度を0.5%DMSOにし、EGM(登録商標)-2 MV(カンブレックス社、#CC-3202)の中でプレートを37℃かつ5%CO2にて一晩にわたって培養する。インキュベーションの後、アッセイ媒体を取り出し、細胞プレートをハンクスの平衡塩類溶液(HBSS)(インヴィトロジェン社、#24020-117)で1回洗浄した後、8μg/mlのカルセインAM(モレキュラー・プローブズ社、#C1430)を含むHBSSを各ウエルに50μl添加する。細胞プレートを暗所で37℃かつ5%CO2にて10分間にわたってインキュベートした後、直ちに画像を取得し、ディスカバリー-1自動式顕微鏡(モレキュラー・デバイシーズ社)上で定量化して内皮管の全長を明らかにする。内皮管の全長は、メタモルフ・ソフトウエア・パッケージ(モレキュラー・デバイシーズ社)に付属している血管新生画像アルゴリズムを用いて計算する。手短に説明すると、所定のウエルを488nmの励起光を用いて励起した後、530nmの発光帯域通過フィルタを用いて蛍光画像を回収することによってそのウエルの蛍光画像を取得する。次に、蛍光性内皮管を同定するため、その画像の閾値を決め、閾値を超える画素には値1を与え、閾値よりも下の画素には値0を与えることによって二値画像にする。次に、この二値画像を分析して内皮管網の一部ではない物体(例えば細胞の塊やゴミ)を除去する。最後に、この補正した二値画像を処理して内皮管を単一の画素の幅にすることにより、内皮管の全長を計算する。次に、所定のサンプルに関する内皮管の全長のデータを抑制率に変換する。そのためには、そのデータからDMSOで処理した対照ウエルの内皮管の全長から差し引いた後、DMSOで処理した対照ウエルの内皮管の全長で割る。IC50は、内皮管の全長が50%縮小する濃度に等しい。
【0408】
“++”はIC50≦1μMを意味する。
【0409】
【表8】

【0410】
アッセイ3:腫瘍抑制
【0411】
年齢が5週間のオスの複数のCD2F1マウス(それぞれ22〜24g、チャールズ・リヴァー・ラボラトリーズ社)の背中に150万個の大腸がん細胞(C26、囓歯類)を皮下注射する。腫瘍をマウスの体内で7日間にわたって増殖させ、サイズを200mm3にする。その時点でマウスを分類し、7匹ずつのマウスからなる4つの群に分ける。その各群には、以下の処理を行なう。すなわち1)ビヒクルであるゴマ油を1日に2回経口投与する、2)一般式(I)の化合物が10mg/kgの割合で含まれたゴマ油を1日に2回経口投与する、3)一般式(I)の化合物が30mg/kgの割合で含まれたゴマ油を1日に2回経口投与する、4)一般式(I)の化合物が100mg/kgの割合で含まれたゴマ油を1日に2回経口投与する。マウスに対して強制栄養補給によるそれぞれの治療を8日目に開始し、14日間にわたって続ける、または腫瘍が2000mm3を超えるまで続ける、またはマウスが瀕死の状態になるまで続ける。2日目、5日目、7日目、9日目、12日目、14日目に腫瘍を皮膚を通じてノギスで測定し、腫瘍の体積を明らかにするとともに、マウスの体重を測定して体重変化を明らかにする。14日目、マウスを安楽死させて腫瘍を取り出し、重量を測定し、組織学的検査のために瞬間凍結させる。
【0412】
参考文献のリスト
【0413】
Schreiber, S.L.、Chemical and Engineering News、第81巻、2003年、51〜61ページ
DePalma, A.、Drug Discovery and Development、第7巻、2004年、51ページ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)の化合物:
【化1】

と、その幾何異性体、光学活性な形態である鏡像異性体、ジアステレオマー、その互変異性体、そのラセミ化合物の形態、ならびにこれらの薬理学的に許容可能な塩
(ただし一般式(I)において、
Aの選択は、
【化2】

からなるグループの中からなされ、
それぞれのXの選択は、CR6、N、NR6からなるグループの中から独立になされ;それぞれのYの選択は、CR6、N、NR6、S、Oからなるグループの中から独立になされ;
Lは、結合またはNR6であり;
R1、R6、R9は、独立に、水素またはC1〜C6-アルキルであり;
それぞれのR2の選択は、水素、ハロゲン、シアノ、チオアミド、アシル、C1〜C6-アルキル、C2〜C6-アルケニル、C2〜C6-アルキニル、スルホニルアミン、ハロ-C1〜C6-アルキル、C1〜C6-アルコキシ、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシル、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールからなるグループの中から独立になされ;
nは、1、2、3、4、5の中から選択された整数であり;
R3とR7の選択は、水素、ハロゲン、シアノ、チオウレア、アシルアミン、カルボキシ、C1〜C6-アルキル、C2〜C6-アルケニル、C2〜C6-アルキニル、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-ヘテロシクロアルキル、スルホニルアミン、ハロ-C1〜C6-アルキル、C1〜C6-アルコキシ、ハロ-C1〜C6-アルコキシ、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシル、アリール、ヘテロアリールからなるグループの中から独立になされるが、そのうちのC1〜C6-アルキル、C2〜C6-アルケニル、C2〜C6-アルキニル、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-ヘテロシクロアルキル、スルホニルアミン、ハロ-C1〜C6-アルキル、C1〜C6-アルコキシ、ハロ-C1〜C6-アルコキシ、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシル、アリール、ヘテロアリールのそれぞれは、場合によっては1又は数個の置換基で置換されており、その置換基の選択は、ハロゲン、アミン、シアノ、C1〜C6-アルキル、C2〜C6-アルケニル、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-ヘテロシクロアルキル、スルホニルアミン、ハロ-C1〜C6-アルキル、C1〜C6-アルコキシ、ハロ-C1〜C6-アルコキシ、ヒドロキシル、アシルアミン、ヒドロキシ-C1〜C6-アルキル、アリール、ヘテロアリールからなるグループの中からなされ;
R5の選択は、水素、ハロゲン、シアノ、チオウレア、アミノ、アシルアミン、カルボキシ、C1〜C6-アルキル、C2〜C6-アルケニル、C2〜C6-アルキニル、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-ヘテロシクロアルキル、スルホニルアミン、ハロ-C1〜C6-アルキル、C1〜C6-アルコキシ、ハロ-C1〜C6-アルコキシ、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシル、アリール、ヘテロアリールからなるグループの中からなされ、そのうちのC1〜C6-アルキル、C2〜C6-アルケニル、C2〜C6-アルキニル、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-ヘテロシクロアルキル、スルホニルアミン、ハロ-C1〜C6-アルキル、C1〜C6-アルコキシ、ハロ-C1〜C6-アルコキシ、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシル、アリール、ヘテロアリールのそれぞれは、場合によっては1又は数個の置換基で置換されており、その置換基の選択は、ハロゲン、アミン、シアノ、C1〜C6-アルキル、C2〜C6-アルケニル、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-ヘテロシクロアルキル、スルホニルアミン、ハロ-C1〜C6-アルキル、C1〜C6-アルコキシ、ハロ-C1〜C6-アルコキシ、ヒドロキシル、アシルアミン、ヒドロキシ-C1〜C6-アルキル、アリール、ヘテロアリールからなるグループの中からなされ;
R4の選択は、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-ヘテロシクロアルキル、アリール、環の1つの炭素を通じて結合したヘテロアリールからなるグループの中からなされ、そのC3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-ヘテロシクロアルキル、アリール、環の1つの炭素を通じて結合したヘテロアリールのそれぞれは、場合によっては1個以上の置換基で置換されており、その置換基の選択は、ハロゲン、アミン、シアノ、C1〜C6-アルキル、C2〜C6-アルケニル、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-ヘテロシクロアルキル、スルホニルアミン、ハロ-C1〜C6-アルキル、C1〜C6-アルコキシ、ハロ-C1〜C6-アルコキシ、ヒドロキシル、アミノカルボニル、アシルアミン、ヒドロキシ-C1〜C6-アルキル、アリール、ヘテロアリールからなるグループの中からなされる)。
【請求項2】
それぞれのXの選択が、CR6、N、NR6からなるグループの中から独立になされ;
それぞれのYの選択が、CR6、N、NR6、S、Oからなるグループの中から独立になされ;
Lが、結合またはNR6であり;
R1が、水素またはC1〜C6-アルキルであり;
それぞれのR2の選択が、水素、ハロゲン、シアノ、チオアミド、アシル、チオウレア、アシルアミン、カルボキシ、C1〜C6-アルキル、スルホニルアミン、ハロ-C1〜C6-アルキル、C1〜C6-アルコキシ、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシルからなるグループの中から独立になされ;
nが、1、2、3の中から選択された整数であり;
R3の選択が、水素、ハロゲン、シアノ、チオウレア、アシルアミン、カルボキシ、C1〜C6-アルキル、ハロ-C1〜C6-アルキル、C1〜C6-アルコキシからなるグループの中からなされ;
R4が、アリールまたは環の1つの炭素を通じて結合したヘテロアリールであり、そのアリールまたは環の1つの炭素を通じて結合したヘテロアリールは、場合によっては1又は数個の置換基で置換されており、その置換基の選択は、ハロゲン、アミン、シアノ、C1〜C6-アルキル、C2〜C6-アルケニル、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-ヘテロシクロアルキル、スルホニルアミン、ハロ-C1〜C6-アルキル、C1〜C6-アルコキシ、ハロ-C1〜C6-アルコキシ、ヒドロキシル、アシルアミン、ヒドロキシ-C1〜C6-アルキル、アリール、ヘテロアリールからなるグループの中からなされ;
R5の選択が、水素、ハロゲン、シアノ、C1〜C6-アルキル、スルホニルアミン、チオウレア、アミノ、アシルアミン、カルボキシ、ハロ-C1〜C6-アルキル、C1〜C6-アルコキシ、ハロ-C1〜C6-アルコキシ、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシルからなるグループの中からなされ;
R6が、水素またはC1〜C6-アルキルであり;
R7の選択が、アリール、ヘテロアリール、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-ヘテロシクロアルキルからなるグループの中からなされ、そのアリール、ヘテロアリール、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-ヘテロシクロアルキルのそれぞれは、場合によっては1又は数個の置換基で置換されており、その置換基の選択は、ハロゲン、アミン、シアノ、C1〜C6-アルキル、C2〜C6-アルケニル、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-ヘテロシクロアルキル、スルホニルアミン、ハロ-C1〜C6-アルキル、C1〜C6-アルコキシ、ハロ-C1〜C6-アルコキシ、ヒドロキシル、アシルアミン、ヒドロキシ-C1〜C6-アルキル、アリール、ヘテロアリールからなるグループの中からなされ;
R9が、水素またはC1〜C6-アルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
それぞれのXがCR6であり;
それぞれのYの選択が、CR6、N、NR6からなるグループの中から独立になされ;
LがNHであり;
R1の選択が、水素、メチル、エチルからなるグループの中からなされ;
それぞれのR2の選択が、水素、メチル、エチル、アシル、チオアミド、クロロ、メトキシ、ブロモ、フルオロからなるグループの中から独立になされ;
nが1または2であり;
R3の選択が、水素、メチル、エチル、メトキシ、エトキシからなるグループの中からなされ;
R4の選択が、
【化3】

からなるグループの中からなされ;
R5の選択が、水素、ハロゲン、シアノ、C1〜C6-アルキル、スルホニルアミン、チオウレア、アミノ、アシルアミン、カルボキシ、ハロ-C1〜C6-アルキル、C1〜C6-アルコキシ、ハロ-C1〜C6-アルコキシ、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシルからなるグループの中からなされ;
R6が水素であり;
R7の選択が、アリール、ヘテロアリール、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-ヘテロシクロアルキルからなるグループの中からなされ、そのアリール、ヘテロアリール、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-ヘテロシクロアルキルのそれぞれは、場合によっては1又は数個の置換基で置換されており、その置換基の選択は、ハロゲン、アミン、シアノ、C1〜C6-アルキル、C2〜C6-アルケニル、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-ヘテロシクロアルキル、スルホニルアミン、ハロ-C1〜C6-アルキル、C1〜C6-アルコキシ、ハロ-C1〜C6-アルコキシ、ヒドロキシル、アシルアミン、ヒドロキシ-C1〜C6-アルキル、アリール、ヘテロアリールからなるグループの中からなされ;
R9の選択が、水素、メチル、エチルからなるグループの中からなされる、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
一般式(II)の化合物:
【化4】

と、その幾何異性体(光学活性な形態である鏡像異性体や、ジアステレオマー)、その互変異性体、そのラセミ化合物の形態、ならびにこれらの薬理学的に許容可能な塩
(ただし一般式(II)において、R1、R2、R3、R4、R5、R9、L、X、nは、請求項1で定義した通りである)。
【請求項5】
一般式(III)の化合物:
【化5】

と、その幾何異性体(光学活性な形態である鏡像異性体や、ジアステレオマー)、その互変異性体、そのラセミ化合物の形態、ならびにこれらの薬理学的に許容可能な塩
(ただし一般式(III)において、R1、R2、R3、R9、L、X、nは、請求項1で定義した通りであり;
それぞれのR8の選択は、水素、ハロゲン、シアノ、C1〜C6-アルキル、スルホニルアミン、チオウレア、アシルアミン、カルボキシ、ハロ-C1〜C6-アルキル、C1〜C6-アルコキシ、ハロ-C1〜C6-アルコキシ、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシルからなるグループの中から独立になされ;
mは、1、2、3、4の中から選択された整数である)。
【請求項6】
N-メチル-N'-(1-m-トリル-エチリデン)-N-(2-トリフルオロメチルキナゾリン-4-イル)-ヒドラジン;
N-メチル-N'-(1-p-トリル-エチリデン)-N-(2-トリフルオロメチルキナゾリン-4-イル)-ヒドラジン;
N-(1-p-トリル-エチリデン)-N'-(2-トリフルオロメチル-キナゾリン-4-イル)-ヒドラジン;
N-[1-(4-メトキシ-フェニル)-エチリデン]-N'-(2-メチル-キナゾリン-4-イル)-ヒドラジン;
N-(2-メチル-キナゾリン-4-イル)-N-(1-p-トリル-エチリデン)-ヒドラジン;
N-(2-メチル-キナゾリン-4-イル)-N'-(1-m-トリル-エチリデン)-ヒドラジン;
N-メチル-N-(2-メチル-キナゾリン-4-イル)-N-(1-p-トリル-エチリデン)-ヒドラジン;
ジメチル-(4-{1-[(2-メチル-6-フェニル-ピリミジン-4-イル)-ヒドラゾノ]エチル}-フェニル)アミン;
[4-(1-{[6-(2-メトキシ-フェニル)-2-メチル-ピリミジン-4-イル]-ヒドラゾノ}-エチル)-フェニル]-ジメチルアミン;
[4-(1-{[6-(3,5-ジメチル-イソオキサゾル-4-イル)-2-メチル-ピリミジン-4-イル]-ヒドラゾノ}-エチル)-フェニル]-ジメチルアミン;
ジメチル-[4-(1-{[2-メチル-6-(2-トリフルオロメトキシ-フェニル)-ピリミジン-4-イル]-ヒドラゾノ}-エチル)-フェニル]-アミン;
[4-(1-{[6-(2-イソプロポキシ-フェニル)-2-メチル-ピリミジン-4-イル]-ヒドラゾノ}-エチル)-フェニル]-ジメチルアミン;
[4-(1-{[6-(2-フルオロ-フェニル)-2-メチル-ピリミジン-4-イル]-ヒドラゾノ}-エチル)-フェニル]-ジメチルアミン;
[4-(1-{[6-(2-アミノ-フェニル)-2-メチル-ピリミジン-4-イル]-ヒドラゾノ}-エチル)-フェニル]-ジメチルアミン;
(4-{1-[(2-メトキシ-6-フェニル-ピリミジン-4-イル)-ヒドラゾノ]-エチル}-フェニル)-ジメチルアミン;
[4-(1-{[2-エチル-6-(2-メトキシ-フェニル)-ピリミジン-4-イル]-ヒドラゾノ}-エチル)-フェニル]-ジメチルアミン;
[4-(1-{[6-(2-メトキシ-フェニル)-ピリミジン-4-イル]-ヒドラゾノ}-エチル)-フェニル]-ジメチルアミン;
メチル-(4-{1-[(2-メチル-6-フェニル-ピリミジン-4-イル)-ヒドラゾノ]-エチル}-フェニル)-アミン;
4-{1-[(2-メチル-6-フェニル-ピリミジン-4-イル)-ヒドラゾノ]-エチル-フェニル}-チオウレア;
N-(4-{1-[(2-メチル-6-フェニル-ピリミジン-4-イル)-ヒドラゾノ]-エチル}-フェニル)アセトアミド;
2-メチル-4-{N'-[1-(4-メチルアミノ-フェニル)-エチリデン]-ヒドラジノ}-6-フェニル-ピリミジン-5-イルアミン;
N-(2-メチル-6-フェニル-ピリミジン-4-イル)-N'-[1-p-トリル-プロピリデン]-ヒドラジン;
N-[1-(4-クロロ-フェニル)エチリデン]-N'-(2-メチル-6-フェニル-ピリミジン-4-イル)-ヒドラジン;
N-[1-(4-メトキシ-フェニル)エチリデン]-N'-(2-メチル-6-フェニル-ピリミジン-4-イル)-ヒドラジン;
N-[6-(2-メトキシ-フェニル)-ピリミジン-4-イル]-N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジン;
N-[2-エチル-6-(2-メトキシ-フェニル)-ピリミジン-4-イル]-N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジン;
N-[6-(2-フルオロ-フェニル)-2-メチル-ピリミジン-4-イル]-N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジン;
N-[6-(3-メトキシ-フェニル)-2-メチル-ピリミジン-4-イル]-N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジン;
N-[6-(2-メトキシ-フェニル)-2-メチル-ピリミジン-4-イル]-N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジン;
N-[6-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-ピリミジン-4-イル]-N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジン;
2-(2-メチル-6-{N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジノ}-ピリミジン-4-イル)-ベンゾニトリル;
N-[6-(2-メチル-フェニル)-2-メチル-ピリミジン-4-イル]-N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジン;
N-[2-メチル-6-(2-モルホリン-4-イル-フェニル)-ピリミジン-4-イル]-N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジン;
N-[2-(2-メチル-6-{N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジノ}-ピリミジン-4-イル)-フェニル)アセトアミド;
[2-(2-メチル-6-{N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジノ}-ピリミジン-4-イル)-フェニル]-メタノール;
N-[6-(3,5-ジメチル-イソオキサゾル-4-イル)-2-メチル-ピリミジン-4-イル]-N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジン;
N-(2-メチル-6-ピリジン-3-イル-ピリミジン-4-イル)-N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジン;
2-(2-メチル-6-{N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジノ}-ピリミジン-4-イル)-フェニルアミン;
N-メチル-N-(2-メチル-6-フェニル-ピリミジン-4-イル)-N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジン;
N-[6-(2,6-ジメトキシ-フェニル)-2-メチル-ピリミジン-4-イル]-N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジン
からなるグループの中から選択された、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
薬として使用するための、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の少なくとも1種類の化合物と、その化合物の薬理学的に許容可能な基剤、希釈剤、賦形剤とを含む医薬組成物。
【請求項9】
増殖性疾患を患っているか、増殖性疾患になりやすい哺乳動物を治療する方法であって、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物の有効量をその哺乳動物に投与する操作を含む方法。
【請求項10】
上記増殖性疾患ががんである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
上記化合物の選択を、
N-メチル-N'-(1-m-トリル-エチリデン)-N-(2-トリフルオロメチルキナゾリン-4-イル)-ヒドラジン;
N-メチル-N'-(1-p-トリル-エチリデン)-N-(2-トリフルオロメチルキナゾリン-4-イル)-ヒドラジン;
N-(1-p-トリル-エチリデン)-N'-(2-トリフルオロメチル-キナゾリン-4-イル)-ヒドラジン;
N-[1-(4-メトキシ-フェニル)-エチリデン]-N'-(2-メチル-キナゾリン-4-イル)-ヒドラジン;
N-(2-メチルキナゾリン-4-イル)-N-(1-p-トリル-エチリデン)-ヒドラジン;
N-(2-メチルキナゾリン-4-イル)-N'-(1-m-トリル-エチリデン)-ヒドラジン;
N-メチル-N-(2-メチルキナゾリン-4-イル)-N-(1-p-トリル-エチリデン)-ヒドラジン;
ジメチル-(4-{1-[(2-メチル-6-フェニル-ピリミジン-4-イル)-ヒドラゾノ]エチル}-フェニル)アミン;
[4-(1-{[6-(2-メトキシ-フェニル)-2-メチル-ピリミジン-4-イル]-ヒドラゾノ}-エチル)-フェニル]-ジメチルアミン;
[4-(1-{[6-(3,5-ジメチル-イソオキサゾル-4-イル)-2-メチル-ピリミジン-4-イル]-ヒドラゾノ}-エチル)-フェニル]-ジメチルアミン;
ジメチル-[4-(1-{[2-メチル-6-(2-トリフルオロメトキシ-フェニル)-ピリミジン-4-イル]-ヒドラゾノ}-エチル)-フェニル]-アミン;
[4-(1-{[6-(2-イソプロポキシ-フェニル)-2-メチル-ピリミジン-4-イル]-ヒドラゾノ}-エチル)-フェニル]-ジメチルアミン;
[4-(1-{[6-(2-フルオロ-フェニル)-2-メチル-ピリミジン-4-イル]-ヒドラゾノ}-エチル)-フェニル]-ジメチルアミン;
[4-(1-{[6-(2-アミノ-フェニル)-2-メチル-ピリミジン-4-イル]-ヒドラゾノ}-エチル)-フェニル]-ジメチルアミン;
(4-{1-[(2-メトキシ-6-フェニル-ピリミジン-4-イル)-ヒドラゾノ]-エチル}-フェニル)-ジメチルアミン;
[4-(1-{[2-エチル-6-(2-メトキシ-フェニル)-ピリミジン-4-イル]-ヒドラゾノ}-エチル)-フェニル]-ジメチルアミン;
[4-(1-{[6-(2-メトキシ-フェニル)-ピリミジン-4-イル]-ヒドラゾノ}-エチル)-フェニル]-ジメチルアミン;
メチル-(4-{1-[(2-メチル-6-フェニル-ピリミジン-4-イル)-ヒドラゾノ]-エチル}-フェニル)-アミン;
4-{1-[(2-メチル-6-フェニル-ピリミジン-4-イル)-ヒドラゾノ]-エチル-フェニル}-チオウレア;
N-(4-{1-[(2-メチル-6-フェニル-ピリミジン-4-イル)-ヒドラゾノ]-エチル}-フェニル)アセトアミド;
2-メチル-4-{N'-[1-(4-メチルアミノ-フェニル)-エチリデン]-ヒドラジノ}-6-フェニル-ピリミジン-5-イルアミン;
N-(2-メチル-6-フェニル-ピリミジン-4-イル)-N'-[1-p-トリル-プロピリデン]-ヒドラジン;
N-[1-(4-クロロ-フェニル)エチリデン]-N'-(2-メチル-6-フェニル-ピリミジン-4-イル)-ヒドラジン;
N-[1-(4-メトキシ-フェニル)エチリデン]-N'-(2-メチル-6-フェニル-ピリミジン-4-イル)-ヒドラジン;
N-[6-(2-メトキシ-フェニル)-ピリミジン-4-イル]-N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジン;
N-[2-エチル-6-(2-メトキシ-フェニル)-ピリミジン-4-イル]-N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジン;
N-[6-(2-フルオロ-フェニル)-2-メチル-ピリミジン-4-イル]-N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジン;
N-[6-(3-メトキシ-フェニル)-2-メチル-ピリミジン-4-イル]-N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジン;
N-[6-(2-メトキシ-フェニル)-2-メチル-ピリミジン-4-イル]-N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジン;
N-[6-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-ピリミジン-4-イル]-N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジン;
2-(2-メチル-6-{N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジノ}-ピリミジン-4-イル)-ベンゾニトリル;
N-[6-(2-メチル-フェニル)-2-メチル-ピリミジン-4-イル]-N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジン;
N-[2-メチル-6-(2-モルホリン-4-イル-フェニル)-ピリミジン-4-イル]-N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジン;
N-[2-(2-メチル-6-{N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジノ}-ピリミジン-4-イル)-フェニル)アセトアミド;
[2-(2-メチル-6-{N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジノ}-ピリミジン-4-イル)-フェニル]-メタノール;
N-[6-(3,5-ジメチル-イソオキサゾル-4-イル)-2-メチル-ピリミジン-4-イル]-N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジン;
N-(2-メチル-6-ピリジン-3-イル-ピリミジン-4-イル)-N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジン;
2-(2-メチル-6-{N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジノ}-ピリミジン-4-イル)-フェニルアミン;
N-メチル-N-(2-メチル-6-フェニル-ピリミジン-4-イル)-N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジン;
N-[6-(2,6-ジメトキシ-フェニル)-2-メチル-ピリミジン-4-イル]-N'-[1-p-トリル-エチリデン]-ヒドラジン;
N-(2-メチル-6-フェニル-ピリミジン-4-イル)-N'-(1-p-トリル-エチリデン)-ヒドラジン;
4-{1-[(2-メチル-6-フェニル-ピリミジン-4-イル)-ヒドラゾノ]-エチル}-フェニルアミン;
N-[1-(4-エチル-フェニル)-エチリデン]-N'-(2-メチル-6-フェニル-ピリミジン-4-イル)-ヒドラジン;
N-[1-(4-ブロモ-フェニル)-エチリデン]-N'-(2-メチル-6-フェニル-ピリミジン-4-イル)-ヒドラジン;
N-[1-(4-ヨード-フェニル)-エチリデン]-N'-(2-メチル-6-フェニル-ピリミジン-4-イル)-ヒドラジン;
3-{1-[(2-メチル-6-フェニル-ピリミジン-4-イル)-ヒドラゾノ]-エチル}-フェニルアミン;
N-[1-(3,4-ジクロロ-フェニル)-エチリデン]-N'-(2-メチル-6-フェニル-ピリミジン-4-イル)-ヒドラジン;
4-{1-[(2-メチル-6-フェニル-ピリミジン-4-イル)-ヒドラゾノ]-エチル}-フェノール
からなるグループの中から行なう、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
がん細胞の増殖を抑制する方法であって、がん細胞を、そのがん細胞の増殖を抑制するのに有効な量の請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物と接触させる操作を含む方法。
【請求項13】
血管新生を抑制する方法であって、内皮細胞を、その内皮細胞の血管新生を抑制するのに有効な量の請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物と接触させる操作を含む方法。
【請求項14】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物を調製するため、縮合ステップ:
【化6】

(ただし、A、R1、R2、R9、X、L、nは請求項1で定義した通りである)を含む方法。

【公表番号】特表2009−518364(P2009−518364A)
【公表日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−543840(P2008−543840)
【出願日】平成18年12月8日(2006.12.8)
【国際出願番号】PCT/EP2006/069460
【国際公開番号】WO2007/065940
【国際公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(507348713)ラボラトワール セローノ ソシエテ アノニム (29)
【Fターム(参考)】