説明

壁を内張りし、膜を留めるツメを含む支材部品、および前記部品を含む壁の内張り装置

・その一方の末端が、内張りされるべき壁の構成要素にそれを取り付けるための手段(13、18)を備え、その他方の末端が、それを当該内張りスタッド構造(6、7)と組み立てるための手段(19、25)を備える、軸方向と考えられる方向に伸びる軸部(12)と、
・当該軸部(12)を取り囲む2つのツメ(19、34)と、
・これら2つのツメを互いに軸方向の締め付けによって固定するための手段(21、25、35)と
を具備する隔て部品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、遮断および審美的目的のための壁の内張りに関する。より詳細には、内張りを、内張りされるべき壁に近づけないために、当該内張りされるべき壁と乾燥性内張りとの間を横断して位置する隔て部品に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば垂直な壁、天井または建物の屋根などの壁は、改築または新築される間、内張りされることが多く、それにより、建築物または特定の部屋の防音または断熱を達成または改善する。これを行うために、乾燥性内張り(内部の仕切りまたは屋根形天井)はそれ自体、内張りされるべき壁の構成要素に取り付けられる内張りスタッド構造に、所定の間隔で取り付けられる。断熱および/または防音シート(多くの場合、遮断複合体として既知)は、当該内張りされるべき壁と当該乾燥性内張りとの間に差し込まれる。
【0003】
当該遮断シートは典型的に、一方では、繊維状の遮断材料、例えば、ミネラルウールなどの一以上の層を含み、他方では、少なくとも一つの空気よけまたは蒸気よけ膜を含む。この膜は通常、当該繊維状材料の膜と当該乾燥性内張りとの間に差し込まれ、典型的には当該内張りに直面し、もしかすると繊維状材料の2つの層の間に差し込まれるかもしれない。
【0004】
当該内張りスタッド構造は、均等に間隔をあけた隔て部品を用いて当該内張りされるべき壁の構成要素に取り付けられる。各隔て部品は、当該内張りされるべき壁および当該乾燥性内張りを横断して走る軸部の形態の本体を具備し、その一方の末端が、それを内張りされるべき壁の構成要素に、それが突出するように取り付けるための手段を具備し、その他方の末端が当該内張りスタッド構造とそれを組み立てる手段を具備する。隔て部品は、例えばWO2006/061538から既知である。
【0005】
取り付けている間、遮断シートは隔て部品の軸部に突き刺され、繊維状材料の層と、適宜、膜とに多数の穴を形成する。穴をあけることは、その後それらの持続的または選択的な密閉機能が損なわれるため、当該膜にとって好ましくない。膜に穴が開くことによって、張力が当該膜に加わる場合に広がる可能性のある裂け目が形成されることもある。
【0006】
この問題を埋め合わせるため、内張りスタッド構造の内側、内張りスタッド構造と乾燥性内張りとの間に、膜を配置することは既知の慣例である。したがって、当該隔て部品は、当該膜を貫通することはなく、故に少なくとも初めのうちは損傷を受けない。
【0007】
しかしながら、この解決策は部分的なものにすぎない。乾燥性内張りを内張りスタッド構造に取り付けることは、留め具(かすがい、ネジ、釘など)を用いて膜に穴を開けることを必然的に伴い、程度はより低いが、当該膜の密閉性を損なう。
【0008】
当該膜を内張りスタッド構造の前に配置することにより、新たな技術的問題:膜と乾燥性内張りとの間に空隙を残さないこと、を生じる。ここで、多くの場合、当該乾燥性内張りの後ろに、種々のケーブルまたはパイプ、例えば送水配管、通風配管、電気的または通信ネットワークなどを設置することが必要であることが示される。したがって、当該膜と当該乾燥性内張りとの間にケーブルや配線部品を走らせることを考えることは困難である。膜に開口部が形成される場合、ケーブルは実際、適切に取り付けられ得るだけである。部品を止めるかあるいは連結するケーブルまたはダクトにより、当該膜が損傷または変形するリスクもある。
【0009】
確かに、これらのケーブルは当該膜の後ろに位置し得るが、もはやその後、当該膜を除去するか、または穴を形成することなく、配線一式のメンテナンスまたは改良のためにそれらに到達できる可能性はない。さらに、ロジスティックな理由または必要な条件もしくは技術の変化のため、ケーブル接続または配線の作業は壁の内張り後に行われるかもしれず、その上、一般的に壁の内張りおよび設置のスペシャリストではない契約者に、膜に穴をあけること、または膜を除去することを余儀なくさせる。
【発明の概要】
【0010】
本発明の一つの目的は、当該膜の長期的な完全性を保存すること、および中に配線を設置する乾燥性内張りの後ろに容易に到達できる空間を残すことの両方を可能にする、別の技術的解決策を提供することである。
【0011】
この目的のため、本発明は、内張りされるべき壁の構成要素に内張りスタッド構造を取り付けるために設計される隔て部品を提案し、これは、軸方向に伸び、その一方の末端が内張りされるべき壁の構成要素にそれを取り付ける手段を具備し、その他方の末端がそれを内張りスタッド構造と組み立てるための手段を具備する軸部、軸部を取り囲む2つのツメ、およびこれら2つのツメを軸方向の締め付けによって互いに固定する手段とを具備する。
【0012】
したがって固定した後、当該2つのツメは、軸部に突き刺さる膜によって形成された開口部の周辺を捕捉し、したがって、この開口部を制限する一種の保護的な小穴を形成する。したがって、開口部の幅は制御され、これによって穴にあけられた開口部を通る空気または蒸気の循環を制限すること、または排除することさえ可能にする。さらに、当該ツメは力学的に膜を保持し、これは特に膜が破れ始めるのを回避する。
【0013】
本発明の別の対象は、
・一方の末端が、内張りされるべき壁にそれを取り付けるための手段を具備し、他方の末端が、乾燥性内張りとそれを組み立てる手段を備えた軸部を具備する、少なくとも一つの隔て部品と、
・当該隔て部品の軸部に突き刺さる、空気よけ(air barrier)、蒸気よけ(vapor barrier)、または蒸気阻止防止(vapor-check barrier)膜と
を具備する、壁を内張りするための装置である。
【0014】
前記特徴に従う隔て部品の少なくとも一つのその2つのツメは、固定後、それに突き刺さる関連した開口部の周囲でそれらの間の膜を捕捉する。
【0015】
有利には、当該膜は、内張りスタッド構造の後ろの隔て部品のツメによって、乾燥性内張りからいくらかの距離で保持される。したがって、空間が、当該乾燥性内張りと当該膜との間で確保され、この空間において膜を損傷することなく配線または機器を設置することができる。
【0016】
さらに、本発明に従う隔て部品の非限定的且つ有利な特徴は以下の通りである。
【0017】
・ツメのうち少なくとも一つと軸部との間の密閉を確保する手段を具備する;これは、パッキン箱(stuffing box)のように、隔て部品の軸部が通過する領域にある膜の密閉の連続性を保持することを可能にする;
・固定した後、ツメは、連続的且つ閉じた相互に接触する領域(線または帯状)を有する;従って膜は、膜における穴に外接するこの接触領域に沿って捕捉され、それにより突き刺された穴の周辺全体で、連続的な力学的保持および密閉が達成される;
・ツメを固定する手段は、軸方向に弾性的にツメを互いに回復する手段を具備する;弾性の回復手段は、ツメの少なくとも一つの固有の弾性からなり、固定手段は前記固有の弾性の応力の下で作動する;
・それは、ツメのうちの少なくとも一つを軸部へ力学的に連結する手段を具備し、これはツメを軸方向に固定する;この力学的連結手段は、有利には当該固定手段と一致し、一方では、軸部上に配置され、内張りされるべき壁に最も近いツメがこの壁にさらに押し付けられるのを妨げる軸方向の末端を具備し、他方では、他方のツメが弾性的な回復手段の応力の下で結合することができ、結合後、それが弾性的回復手段により適用されるこの他方のツメの収縮力に対抗する方法で軸部に配置される、反対の軸方向の末端を具備する;
・軸部を内張りスタッド構造に取り付ける手段は、当該ツメのうち少なくとも一つの上に少なくとも部分的に形成される。
【発明の詳細な説明】
【0018】
以下の非限定的な例による説明は、添付の図面に関連して、本発明と本発明がどのように達成されるかについて良好な理解を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
添付の図面において:
【図1】図1は、建物の屋根の空間の内部の一部を切り取った斜視図であり、その屋根は、本発明に従う内張り装置を用いて遮断される;
【図2】図2は、垂直面での断面図であり、屋根材の桁を横断し、本発明に従う隔て部品を区分する;
【図3】図3は、縦材(stringer)を横断する、垂直面での断面の分解組立図であり、本発明に従う隔て部品を区分する;
【図4】図4は、突刺部品の軸部の後端の詳細な平面図であり、複数のスナップオフ(snap-off)固定板を具備する。
【0020】
全体的な提案は、建物の壁のための遮断内張りを形成することである。図1で説明される例において、これはより詳細には、建物の屋根の空間を遮断することに関連し、この目的のため、この建物の外部の壁1および屋根材2を内張りすることに関連する。
【0021】
ここで屋根材2は、慣習的な方法により、屋根部品5を置く垂木4を支える桁3からでできた木製の枠組みを具備する。
【0022】
本発明に従う内張り装置が、屋根のフレームワークおよび外部の壁に取り付けられる。この内張り装置は、一方では屋根材を内張りするための水平方向の押え材(batten)6、他方では壁1を内張りするための垂直な押え材7でできた内張りスタッド構造を具備する。これらの押え材は、一般にかいもの(furring)として既知である。
【0023】
内張り押え材6および7はそれぞれ、複数の隔て部品10、11によって、屋根材2および内張りされるべき壁1の構成要素に取り付けられる。
【0024】
図1〜3を参照して、各隔て部品10および11は、軸部12を具備し、後端として知られるその一方の末端は、屋根材2または壁1に対して突き出したようにそれを取り付ける手段を具備し、前端として知られる他方の末端は、それを押え材6と組み立てるための手段を具備する。取り付けに際して、軸部12は屋根材2または壁1に対して実質的に直交する方向に伸びる方法で配置される。
【0025】
つり金具としても既知の隔て部品10は、屋根材を内張りする役割を果たし、垂木4に取り付けられる。この目的のため、それらはそれぞれ、軸部12の後端に適合し、適切な垂木4の側面にネジ留めされる縦方向の固定板13を具備する。隔て部品11は、軸部の後端に取り付けられ、且つ壁1にネジ留めされる、横断する固定板18によって取り付けられる。
【0026】
図4により説明される有利な特徴に従うと、取り付け前の隔て部品10は、その連続において軸部12の軸方向に走る、連続する一連の固定板を具備する。この特定の例において、板13および他の2つの板14、15の3つの板を作成することが可能である。とりわけ12〜15個の穴を有する3つ以上の板、またはそれと同等の手段を具備するいずれかの装置が考えられる。
【0027】
折れやすい領域16、17は板間に形成される。これらの領域は、押え材6の方向に対する、より低い力学的曲げ強度を有し、手でそれらを曲げることによって、または側刃カッターを用いることによって板14または15を取り外すことができ、それによって所望の長さを調節することができる。この適合性は特に、製造され、流通するべき部品のモデル数を減少させることができ、現場に遅れて通知された場合に作業の進行を遅延させる注文間違いまたは配達間違いを回避することができる。
【0028】
従って、各隔て部品は、その固定板のすべてを具備する場合は、典型的には200〜350ミリメートル(その長手方向のその最も遠い地点間の距離に相当する)、最後の固定板だけが残っている場合は80〜150ミリメートルの全長を有する。
【0029】
別の方法として、隔て部品は、単一の板、例えばつまみの形態であり、長手方向の多数の印を具備し、好ましくは、部品が垂木に取り付けられるべき場所を特定することを意図するネジ穴からなる。もろさを促進する、脆弱性の線または他の印によって、折れやすい領域が有利に示されてよい。
【0030】
図2および3により説明される通り、軸部12の前端は、屋根材を内張りするための相当する押え材、この場合は水平方向の押え材6であるが、これにそれを組み立てる手段を具備する。これらの組み立て手段は、ここではくさび(key)として既知である、軸部12の前端に取り付けられるキャップ19を具備する。
【0031】
結合後、このキャップを力学的に軸部12に連結する手段は、それが前方へ引き出されることを妨害するが、軸部12に対して少なくとも部分的に旋回することを可能にする。
【0032】
この特定の例において、これらの力学的な連結手段は、クリップのように作動する。環状の溝25は軸部12の前端に形成され、軸方向の末端止め(end stop)を形成する後側面26と前側面27とを有する。キャップ19は、それを経由して軸部12の前端に押し込まれ得る中心の開口部20を有する。くびれ21は、この中心の開口部に形成され、クリップのように一旦難所(hard point)を過ぎると、それによって強制的に溝25と結合し得る。この難所は、溝25の前に形成される円錐形のつば(collar)28により具体化され、クリップ留めの傾斜面(ramp)を形成する。
【0033】
当該組み立て手段は最後に、当該キャップ19のクリップ留めを押え材6、7にスライドさせる手段を具備する。
【0034】
各押え材6、7はここで、金属製の側面部分またはかいもの(furring)の形態で製造され、これは互いに向き合う凹角の縁8を有するC断面を有し、キャップ19に属する結合ノッチ22でクリップの様式で結合する。押え材の縁8をノッチ22にクリップ留めすることを容易にするため、キャップ19は傾斜面のように作動する凸型の前面を有し、押え材の分枝を弾性的に隔離する。
【0035】
各隔て部品10、11の軸部12は、固定板13、14、15および溝25の一体化した部品として形成されるプラスチックでできている。キャップ19も同様である。典型的には、ポリマーまたはコポリマー、例えばポリアミドが、軸部12およびキャップ19に使用されてよい。
【0036】
BA13プラスターボード型の内張り材料のシートで構成される乾燥性内張り30は、押え材6、7により形成される内張りスタッド構造に取り付けられ、ネジまたはビョウによって留められる。
【0037】
断熱および/または防音シートは、内張りされるべき壁(壁1および屋根材2)と乾燥性内張り30との間に差し込まれる。このシートは、動物または植物由来の繊維状の遮断材料、例えば、金属ウールなどの厚い層31を含む。この層31は、隔て部品10、11の軸部12に突き刺される、一連の遮断フェルトパネルまたは幅からなる。これらの遮断フェルトまたはパネルは通常、65、75、85、100、200または240ミリメートルの厚さで入手可能である。
【0038】
前記内張り装置の遮断シートはさらに、それと押え材との間で厚い遮断層30に対して広がる、空気よけ膜、蒸気よけ膜、または蒸気阻止防止膜32を含み、従って隔て部品10、11の軸部に突き刺される。例えばこの層は、湿度を調節するタイプであり、周囲湿度によって変化する水蒸気透過性を有し、例えばFR2884843およびWO/9633321などに記載されるものである。この種の膜の厚さは、典型的には5〜100マイクロメートルの範囲である。
【0039】
繊維状材料の層と膜とを有する遮断シート全体は、通常、遮断複合体として既知である。あるいは、それは繊維状材料の数枚の層と数枚の膜とを具備してよい。
【0040】
軸部12に突き刺されているため、膜32は各隔て部品周辺で貫通し、この膜の空気よけ機能、蒸気よけ機能、または蒸気阻止防止機能の完全性を回復し、且つ耐久的にする手段が本発明に従って提供される。
【0041】
この目的のため、各隔て部品は、軸部を囲む2つの環状のツメとこれら2つのツメを軸方向の締め付けによって互いに固定する手段とを具備し、その2つのツメは、固定した後、それに突き刺さる関連する開口部の周辺で、それらの間にある膜32を捕捉する。
【0042】
この捕捉は、連続的且つそれ自体の上で閉じた相互の接触領域に亘って見られてよい。この例において、この接触領域はツメのように環状である。しかしながら、相互に接触する領域において、別の手段による円形以外のいずれかの形状、例えば、多角形、楕円形などの完全な環を形成する、ツメの他の形状が想定されてよい。
【0043】
この特定の例において、これら2つのツメのうちの一つは、軸部12の前端に留められるキャップ19からなる。したがってキャップ19は、2つの機能:押え材6、7を隔て部品10、11と組み立てて、内張りスタッド構造を取り付ける機能、および膜32を捕捉または“サンドイッチ”し、閉じ込めてそれに突き刺さる開口部を塞ぐ緩和的な機能を果たす。
【0044】
もう一方のツメは、その縁が軸部12の固定溝(locking groove)25にクリップ留めされる中央の開口部35を有する座金34からなる。この座金34は円錐形であり、弾性的に変形し、平板化し得る。座金34のこの固有の弾性は、キャップ19の裏面23に対抗してこの座金を回復させる。この特定の例において、金属、例えば、柔らかいステンレススチール製であるが、キャップ19のように、同様にプラスチックでできていてもよく、または異なるプラスチックからできていてもよい。
【0045】
取り付けに際して、座金34は、厚い遮断層31を軸部12に突き刺した後、隔て部品10、11の軸部12に押し付けられる。座金34は強制的に押し付けられ、軸部のつば(collar)28を通過し、次に層31の前に配置され、その中心の開口部35の縁は固定溝25の後側面26に支えられる。
【0046】
次に、膜32が軸部12の末端に突き刺され、座金34および層31にしっかりと押し付けられる。
【0047】
次にキャップ19が強制的に軸部12の末端に押し付けられ、膜32を座金34に対してしっかりと押し付ける。この押し込みは、強制的に行われ、キャップ19のくびれ21は、つば28によって具体化される難所を通過する。初めは円錐形であり、その周囲が当該キャップ19の平らな裏面23に押し返されている座金14は、その固有の弾性効果に対抗して変形し、平板化し、それに突き刺さる開口部の周りの膜32をキャップ19とともに捕捉する。キャップ19が軸部12の末端に緩くクリップ留めされている場合、膜32は、一定且つ所定の捕捉圧力とそれを補う間隙とを有する座金34とキャップ19によって捕捉される。
【0048】
キャップ19と座金34は、軸方向に環状の溝25に固定され、従って、膜32が押え材6、7の後ろで、隔て部品10、11のキャップ19および座金34によって乾燥性内張り30からいくらかの距離で保持される。故に、空間が乾燥性内張りと膜との間に形成され、したがって、膜を損傷することなく、配線、パイプ、または機器をこの空間に設置することが可能である。
【0049】
図に示されていない別の形態において、クリップ組立て方式の代わりに、キャップ19がネジ締めまたは代替の差込み留め具方式によって軸部12の前端と共同して働くことが提供されてよい。
【0050】
差込み留め具タイプの4分の1回転のネジ締め方式の場合、キャップ19は、座金34により適用される弾性的回復の応力の下で軸方向の移動を享受する。回転防止止めは、軸部12上に形成され、4分の1回転の固定方式の望ましくない離脱を阻止し、これは前述の軸方向の弾性的な移動によってのみ克服され得る。
【0051】
最後に、前記隔て部品の前記ツメの少なくとも一つとその軸部との間の密閉を確実にする手段もまた提供されてよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
・その一方の末端が内張りされるべき壁(1、2)の構成要素にそれを取り付けるための手段(13−15、18)を備え、その他方の末端がそれを乾燥性内張り(30)と組み立てるための手段を備える軸部(12)を具備する、少なくとも一つの隔て部品(10、11)と、
・当該隔て部品(10、11)の当該軸部(12)に突き刺される、空気よけ(air barrier)、蒸気よけ(vapor barrier)、または蒸気阻止防止(vapor-check barrier)膜と
を具備する、壁(1、2)の内張り装置であって、
当該隔て部品(10、11)のうちの少なくとも一つが、当該軸部(12)を取り囲む2つのツメ(19、34)とこれらの2つのツメを軸方向の締め付けによって互いに固定する手段(21、25、35)とを具備し、これら2つのツメ(19、34)が、それらが固定された後、それを経て膜が突き刺される開口部の周囲で、間にある膜(32)を留めることを特徴とする、内張り装置。
【請求項2】
請求項1に記載の内張り装置であって、固定した後、前記隔て部品(10、11)の当該ツメ(19、34)が、連続的且つそれ自体の上で閉じた、相互に接触する領域を有する、内張り装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の内張り装置であって、前記隔て部品(10、11)の当該ツメ(19、34)を固定する手段が、軸方向に当該ツメ(19、34)を互いに弾性的に回復させる手段を含む、内張り装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の内張り装置であって、当該弾性的に回復させる手段が、前記隔て部品(10、11)の当該ツメのうちの少なくとも一つの固有の弾性からなり、当該固定する手段(25、21)が前記固有の弾性の応力の下で作動する、内張り装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の内張り装置であって、前記隔て部品(10、11)の当該ツメ(19、34)のうちの少なくとも一つを、当該ツメを軸方向に固定するその当該軸部12に力学的に連結する手段を具備する、内張り装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の内張り装置であって、前記力学的連結手段が前記隔て部品(10、11)の当該ツメを固定する手段と一致する、内張り装置。
【請求項7】
請求項3および6のいずれかに記載の内張り装置であって、当該力学的連結手段および前記隔て部品(10、11)の当該ツメを固定する手段が、一方では、当該軸部(12)上に配置され、内張りされるべき当該壁(1、2)に最も近い当該ツメ(34)がこの壁にさらに押し込まれるのを防止する軸方向の末端止め(26)を具備し、他方では、それによって他方のツメ(19)が当該弾性的な回復手段(34)の応力の下で結合可能であり、結合後、当該弾性的回復手段によって適用されるこの他方のツメ(19)の後退力に対抗する方法で当該軸部(12)上に配置される、軸方向の対向する末端止め(27)を具備する、内張り装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の内張り装置であって、当該対向する末端止め(27)が当該軸部(12)に取り付けられるか、恒常的に固定されるか、または当該軸部の一体化している部分として形成され、前記隔て部品(10、11)の他方のツメ(19)が難所を通過することによって強制的にこの対向する末端止めと結合する、内張り装置。
【請求項9】
請求項7に記載の内張り装置であって、前記隔て部品(10、11)の当該他方のツメが当該対向する末端止めと共同して働き、結合後、当該対向する末端止めが当該弾性的回復手段の応力の下、軸方向の移動を享受し、当該4分の1回転組立て方式の離脱に対抗する回転耐性の末端止めを有し、前記軸方向の移動のみによって通過し得る、4分の1回転の組み立て方式によってそれと結合する、内張り装置。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれか1項に記載の内張り装置であって、前記隔て部品(10、11)の軸部を当該内張りスタッド構造に取付ける手段が、その当該ツメのうち少なくとも一つに少なくとも部分的に形成される、内張り装置。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれか1項に記載の内張り装置であって、当該膜(32)が、当該乾燥性内張り(30)からいくらかの距離にある当該内張りスタッド構造(6、7)の後ろの当該隔て部品(10、11)の当該ツメ(19、34)によって保持される、内張り装置。
【請求項12】
内張りスタッド構造(6、7)を内張りされるべき壁(1、2)の構成要素に取付けるために設計される隔て部品であって、その一方の末端が当該内張りされるべき壁(1、2)の構成要素にそれを取り付けるための手段(13−15、18)を備え、その他方の末端が、当該内張りスタッド構造(6、7)とそれを組み立てる手段(19、25)を備える、軸方向と考えられる方向に伸びる軸部(12)を具備し、当該軸部(12)を取り囲む2つのツメ(19、34)とこれら2つのツメを互いに軸方向の締め付けによって固定する手段(21、25、35)とを具備し、当該ツメ(19、34)を固定する手段が、軸方向に当該ツメ(19、34)を互いに弾性的に回復させる手段を具備することを特徴とする、隔て部品。
【請求項13】
請求項12に記載の隔て部品であって、固定した後、当該ツメ(19、34)が、連続的且つそれ自体の上で閉じた相互に接触する領域を有する、隔て部品。
【請求項14】
請求項12または13に記載の隔て部品であって、当該弾性的に回復させる手段が、当該ツメ(19、34)のうち少なくとも一つの固有の弾性からなり、当該固定する手段(25、21)が前記固有の弾性の応力の下で作動する、隔て部品。
【請求項15】
請求項12ないし14のいずれか1項に記載の隔て部品であって、当該ツメ(19、34)のうちの少なくとも一つを、当該ツメを軸方向に固定する当該軸部(12)に力学的に連結する手段を具備する、隔て部品。
【請求項16】
請求項12ないし15のいずれか1項に記載の隔て部品であって、力学的に連結する手段および固定する手段が、一方では、当該軸部(12)の上に配置され、当該内張りされるべき壁(1、2)に最も近いツメがこの壁にさらに押し込まれるのを妨げる、軸方向の末端止め(26)を具備し、他方では、それによって他方のツメ(19)が当該弾性的回復手段(34)の応力の下で結合可能であり、結合後、当該弾性的回復手段(34)によって適用されるこの他方のツメ(19)の後退力に対抗する方法で当該軸部(12)の上に配置される、対向する軸方向の末端止め(27)を具備する、隔て部品。
【請求項17】
請求項12ないし16のいずれか1項に記載の部品であって、当該軸部を当該内張りスタッド構造に取り付ける手段が、当該ツメのうちの少なくとも一つの上に、少なくとも部分的に形成される部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−508123(P2011−508123A)
【公表日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−540160(P2010−540160)
【出願日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【国際出願番号】PCT/FR2008/001825
【国際公開番号】WO2009/103911
【国際公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(501085706)サン−ゴバン・イソベール (46)
【Fターム(参考)】