説明

変位量測定装置及び同測定方法

【課題】変位量測定装置の精度を向上する。
【解決手段】測定対象物に標識Dを取り付けて撮影する。最初に撮影した初期画面を基準画面として、基準画像を構成する画素に当該画素の輝度情報の重みを付けて、基準画像の中心位置座標を算出してその値と、画素数で表した面積とを記憶しておく、所定時間経過後に同様に測定対象物に標識Dを取り付けて撮影し、上記と同様の処理を得てその中心位置座標を算出し、その値と記憶した上記基準画像の中心位置座標を比較してその差(変位量)を求める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影画像を用いる変位量測定装置及び同測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、特定の測定対象の動き或いは変位を測定するために画像を用いる方式が知られている。この画像方式は、他の方式と比べて一度に広範囲の(複数の)対象の変位を測定することができるという利点がある。
ところで、画像を用いる動き或いは変位の計測において、1台の固定カメラで撮影した画像を用いて2次元的に変位量を求める場合と、複数の固定カメラで撮影した画像を用いて3次元的に変位量を求める場合(特許文献1参照)とがあるが、1台の固定カメラで測定する場合は、測定対象の画像上における変位量を実際の3次元空間の変位量に換算することになるため、実際の変位量の精度は画像上の変位量の精度によって左右される。
つまり、この画像式変位量測定装置では、画像における変位量の精度を上げることによって実際に変位量の精度を上げることができるが、その測定分解能は撮影画像を構成する画素以下、つまり1画素以下にすることはできないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−77377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記従来の問題を解決すべくなされたものであって、その目的は、カメラ(撮影装置)で撮影した複数枚の撮影画像を用いて変位を測定する場合に、その測定分解能を従来のように1画素以上に限定されることなく、高精度に対象物の移動を検知できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、測定対象を撮影した撮影画像に基づき測定対象の変位量を測定する変位量測定装置であって、前記撮影画像を処理する画像処理装置及び表示部を備え、前記画像処理装置は、撮影した測定対象画像を構成する画素の輝度を測定する輝度測定部と、前記測定対象画像の画素の位置座標に前記輝度測定部で得た当該画素の輝度情報の重みを付けて前記測定対象画像の位置座標上での中心位置を算出する座標算出部と、予め蓄積した前記測定対象の基準画像の前記位置座標上での中心位置と算出された前記中心位置との変位量を比較判定し、判定した変位量を前記表示部に表示する比較判定部と、を有することを特徴とする変位量測定装置である。
請求項2の発明は、請求項1に記載された変位量測定装置において、前記座標算出部は、測定対象を対称となる方向で撮影した対を成す複数枚の画像についてそれぞれ算出した前記測定対象の中心位置を、平均化処理して算出することを特徴とする変位量測定装置である。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載された変位量測定装置において、前記測定対象は変位量を測定すべき対象物に描いた所定の形状又は前記対象物に固定した所定の形状の標識であることを特徴とする変位量測定装置である。
請求項4の発明は、測定対象を撮影した撮影画像に基づき測定対象の変位量を測定する変位量測定方法であって、測定対象を撮影した撮影画像を取得する工程と、取得した測定対象画像を構成する画素の輝度を測定する輝度測定工程と、測定対象画像の画素の位置座標に前記輝度測定工程で得た当該画素の輝度情報の重みを付けて前記測定対象画像の位置座標上での中心位置を算出する位置座標算出工程と、予め蓄積した前記測定対象の基準画像の前記位置座標上での中心位置と算出された前記中心位置との変位量を判定する比較判定工程と、判定した変位量を前記表示部に表示する表示制御工程と、を有することを特徴とする変位量測定方法である。
請求項5の発明は、請求項4に記載された変位量測定方法において、前記位置座標算出工程は、測定対象を対称となる方向で撮影した対を成す複数枚の画像についてそれぞれ算出した前記測定対象の中心位置を、平均化処理して算出する工程であることを特徴とする変位量測定方法である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、測定対象の画像上における大きさや位置を、画像を構成する画素の大きさの制約を受けず、つまりサブピクセル精度で測定することができるため変位量の検出精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施形態の画像式変位計の基本原理を説明するための図である。
【図2】図1のカメラ及び標識Dの配置における撮影画像を示す図である。
【図3】標識Dの初期画像と所定時間経過後の画像とを対比して示した図であって、図3Aは画素を表す升目と共にその初期値を示し、図3Bは所定時間経過後の同じ標識Dの同様の画像を示す図である。
【図4】図3と同様に標識Dの初期画像と所定時間経過後の画像とを対比して示した図であって、図4Aはその初期画像、図4Bは所定時間経過後の画像をそれぞれ画素を示す升目とともに示した図である。
【図5】図4Bに示す画像と、同じ画像について実際に取得した画像とを対比して示したものであって、それぞれ画素を示す升目とともに示した図である。
【図6】図5Bに示す画像を閾値を変えて2値化したときの各画像を示す。即ち、図6Aは閾値を80%にしたときの画像、図6Bは閾値を50%にしたときの画像、及び図6Cは閾値を20%にしたときの画像を示す図である。
【図7】図7Aは、画素の輝度情報を利用する場合における、対象画素の座標系の定義を説明する画像であり、図7Bは本実施形態に係るサブピクセル処理の原理を説明する図である。図7Cは、Y軸(高→低)に沿った図7Aについて、横軸をY座標、縦軸を輝度値としたグラフである。
【図8】図8A、Bは、それぞれカメラを上及び下にパンして撮影した画像であって、図7の画像から0.3画素下方、及び上方に変位した画像を示す。
【図9】本発明の実施形態に係る測定対象の変位を測定するための装置の機能ブロック図である。
【図10】本発明の測定対象の変位量測定手順を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。
本実施形態は、1台のカメラで撮影した複数枚の測定対象(標識D)の画像を基に、これに当該画像を構成する輝度情報を加味して、最初に撮影した初期画像(基準画像)と、所定時間後に撮影された画像とを比較して、標識Dの変位を画素単位未満で測定できるようにするものであるが、その説明を行う前に、まず、本発明の基本原理について説明する。
【0009】
図1は、本発明の実施形態の変位量測定装置の基本原理を説明するための図である。
図1は、変位の測定対象となる、構造物例えば橋Bと変位量測定に用いるカメラCとの配置関係を示す図である。ここでは、橋Bの両側部に予め用意しておいた測定対象となる標識Dを、カメラCの方向に向けて等間隔で例えば貼り付けなどの適宜の手段で設置し、カメラCは変位量を測定したいエリアが撮影範囲に収まるように設置されている。
【0010】
図2は、図1の配置における撮影画像を示す図である。
最初に撮影した標識Dの位置を初期値とし、所定時間(期間)後に、各標識Dがその位置からどれだけ動いたのかを画像上で測定する(この時点での測定単位は画素である)。ここで、標識Dの大きさは既知なので、撮影画像から、その標識Dが写っている場所(距離)では1画素がどれ位の大きさで写っているのかを知ることができる。この原理を利用して、その標識Dが実空間ではどれ位変位したのかを算出することができる。
【0011】
即ち、図3は、ある標識Dが変位した画像を示す図であり、図3Aは画素を表す升目と共にその初期値を示し、図3Bは所定時間経過後の同じ標識Dの同様の画像を示す図である。
即ち、図3Aと図3Bとを対比すれば明らかなように、ある時間が経過したとき、標識Dは初期値から2画素分下へ変位している。
ここで、この標識Dが例えば1辺が5cmの正方形であるとすると、画素から見た寸法は、5cm÷10画素=0.5cm/画素、つまり、この標識Dの1画素当たりの寸法は0.5cmということになる。
したがって、図3Bで2画素分下がったとうことは、
0.5cm/画素×2画素=1cmとなり、これにより標識Dの実空間での変位量は1cm、つまり標識Dは所定時間経過後に1cm下がったということが分かる。
【0012】
しかし、実際の変位は連続量であり、1画素分づつステップ状に変位するわけではない。
図4は、図3と同様に、ある標識Dの初期画像と所定時間経過後の画像とを対比して示した図であって、図4Aはその初期画像、図4Bは所定時間経過後の画像をそれぞれ画素を示す升目とともに示した図である。
図4Bでは、標識Dの上下の輪郭部分が画像を示す升目の上に懸かり、升目から変位した状態で結像している。この場合、標識Dの輪郭部分は写るか写らないか、つまり画像が存在するか否かの二者択一の状態ではなく、白と黒の間の色(グレー)となって現れる(図5B)。
【0013】
図5は、図4Bに示す画像と、同じ画像について実際に取得した画像とを対比して示したものであって、それぞれ画素を示す升目とともに示した図である。
この例では、ほぼ0.3画素だけ下に変位した状態を示している。ここで、一般的な解析手法として取得画像を2値化すると、当然のことながら、2値化の際に用いる閾値によりその形状が変化する。
【0014】
図6は、図5Bに示す画像を、閾値を変えて2値化したときの各画像を示す。即ち、図6Aは閾値を80%にしたときの画像、図6Bは閾値を50%にしたときの画像、及び図6Cは閾値を20%にしたときの画像を示す図である。
これを例えば図4Aの初期画像と対比すると、閾値80%の画像への変位をみると変位量は0.5画素であり、閾値50%の画像への変位量は0画素、つまり変化なしであり、閾値20%の画像への変位量は0.5画素となる。
これから明らかなように、どの画像によっても正しい変位量を表すことはできない。
【0015】
そこで、本実施形態では、図示しない任意の輝度測定部で測定した各画素毎の輝度情報を利用して画像の変位量をより正確に表すこととした。
次に、その原理を説明する。
図7Aは、画素の輝度情報を利用する場合における、対象画素の座標系の定義を説明する図であり、図7Bは本実施形態に係るサブピクセル処理の原理を説明する図である。図7Cは、Y軸(高→低)に沿った図7Aについて、横軸をY座標、縦軸を輝度値としたグラフである。
図7Aにおいて、縦にY軸、横にX軸をとった場合、標識Dの中心(+)として白画素の中心をとる。これは外側の黒部分と背景が同色の黒であった場合には境界が分からない、つまり境界が背景に溶け込んでしまうため、外側黒部分がどこにあるのか分からなくなるためである。
ここで、中心座標を求めると、
【0016】
【数1】

図7Aの場合、標識Dの中心座標は(0.5,0.5)になる。
図7Bは、図7Aの画像から0.3画素下方に変位した画像である。
この画像について標識Dの中心座標を求めると、
【0017】
【数2】

【0018】
中心(+)の初期値が(0.5,0.5)、変位後の位置が(0.5,0.2)なので、変位量はY軸方向に−0.3画素(つまり、下方へ0.3画素)となり、正しい結果が得られている。
【0019】
また、本方式においては標識Dの変位量を画素ベースから換算する時点で、標識Dが写る大きさを基に計算するため、面積を求める時点においてもこの原理は有効である。
この原理によらないと、(画像内の標識Dの)面積を間違う ⇒ 換算量が違ってくる ⇒ 変位量も違ってくるとなるが、本実施形態では、このような誤りは生じない。
【0020】
なお、輝度情報を利用する際、例えば、図7Aの標識画像のY軸に沿った各画素について輝度値を算出する。
即ち、図7Aの標識画像の上半分の画像の上から黒、グレー、白の部分として表されたとして、Y軸(高→低)に沿った標識画像の上半分の画素毎に、横軸をY座標、縦軸を輝度値とすると、図7Cに示すグラフを得る。ここでは標識の黒い部分の輝度値をL、白い部分をL、黒と白の境界のグレーをLとすると、先ず図7Aの標識の上半分をみると、先ず、黒い部分(輝度値:L)がY座標のYからYまで続き、続いてYからYまではグレー部分(輝度値:L)、YからYまでは白い部分(輝度値:L)となる。図7Cの縦線間の幅は画素の幅に等しい。実際の撮像画面では、標識画像は撮像装置の画素配列に対してずれるため、その輝度値を計算するには、ずれた幅(1画素の幅未満)を考慮して実際の輝度値を算出する。特定の画素の重みは次の計算式で求めることができる。
W(L)=(L−L)/(L−L
各画素に付加する重みは、Lを0、Lを1に正規化することで得られる。
【0021】
次に、カメラのパン・チルトによるサブピクセル演算の精度向上のための原理について説明する。
本実施形態では、上記の原理に基づき変位量測定の精度を向上させるが、輝度情報を元にしているためノイズ等による誤差が含まれてくる虞がある。
そこで、カメラを微小角度分(1画素未満が妥当)だけパン・チルトさせることで撮影画像中の標識Dのぼやける境界を変えつつ複数の画像を撮影し、それらから求められた座標の平均をとることで誤差の影響を緩和させることができる。そのため、左にパンした画像を使用したときは、必ず右にパンした画像も使用するというように、カメラの方向が必ず対称になるようなペアで撮影する必要がある。これは、どちらかに偏ると中心の位置も同様に偏る結果になるからである。
【0022】
図8は、カメラの方向を上下にパンして撮影した対称の画像であり、図8Aはカメラを標識Dに向けて上にパンして撮影した画像であり、図8Bは同様に下にパンして撮影した画像である。
本実施形態によれば、カメラの方向を対称の方向に変えることによりノイズを相殺し、かつそれぞれの画像において算出した二次元座標上の中心位置座標の平均をとることで検出精度を一層高めることができる。
【0023】
図9は、以上で説明した測定対象物である標識D、したがって、ここでは橋Bの変位を測定するための装置の機能ブロック図である。
即ち、本実施形態の変位量測定装置は、測定対象物の画像を撮像するための例えば電子カメラ1と、画像処理装置4と、画像処理装置4の操作や設定値やその他の入力等を行うための入力装置2と、画像などの表示を行う表示部3とから成っている。なお、表示部3は液晶などによる可視的表示手段にかぎらず、音声や光により表示を行うものでもよい。
【0024】
画像処理装置4は、画像処理装置4とカメラ1、入力装置2、表示部3とを接続するためのインタフェース10と、画像処理装置4全体を制御するCPU12、RAM14、輝度測定部16と、図示しないROM等とから成っている。
ここで、CPU12は、ROMに格納されたプログラムを実施することにより得られる機能実現手段として、カメラ制御部120,標識探索部122と、比較判定部124を有する。
カメラ制御部120は、外部からの指示により或いはタイマーに基づき定期的に測定対象物を撮影する。その場合、カメラのパン制御を行うため図示しないカメラ駆動部を制御する信号を生成してインタフェース10を介してカメラ1に伝える。
【0025】
標識探索部122は、前処理部122aと標識Dの位置座標を算出する座標算出部122bを有する。前処理部122aは撮影画像の解析を行う前に撮影画像の処理を行い、かつ座標算出部122bは、輝度測定部16で得た画素毎の輝度情報を加味して算出した標識Dの変位を判断するために標識Dの中心の位置座標値を既に述べた方法で算出する。
比較判定部124は、初期画像と所定時間後に撮影した画像(現画像)とを例えばそれぞれの中心位置座標で比較して変位が生じたか、その変位量が閾値を越えるものか否か判断し、閾値を越えたとき表示部3に変位量を表示する制御を行う。
【0026】
RAM14には取得画像を格納するための取得画像領域140と、標識D探査部122の処理の途中結果を格納する領域142と、基準データを格納する基準データ領域144と各種の設定値を格納する領域146が設けられている。
当該領域142には、標識Dの平均座標を収容する平均座標領域142aが設けられており、基準データ領域144には、基準画像(当初画像)144a、基準画像の基準座標144b、既に説明した各種の閾値144cが格納されている。
【0027】
図10は、以上で説明した対象物の変位量測定手順を説明するためのフロー図である。
対象物の変位を測定する場合、先ず、カメラ例えば電子カメラにより画像を取得する(S101)なお、この取得した画像をRAM14に格納する前に輝度測定部16(図9)による撮影画像の画素の輝度測定を行い、画像と共にRAM14に保存する。続いて、カメラで撮像した画像について行う例えば画質の修正などの画像処理を前処理として行う(S102)。続いて画像中の標識位置検索を行い(S103)、位置検索された標識Dについて上記サブピクセル処理を行い当該標識Dの初期値、例えばその中心のX−Y座標値を算出し(S104)、算出した標識Dの初期値とその面積を算出して記憶装置に記憶する。以上の処理を全ての標識Dについて行う(S106)。
上記処理から所定時間後に、同じ標識Dについて上記と同様に画像を取得し(S107)、この場合も、この取得した画像をRAM14に格納する前に輝度測定部16(図9)による撮影画像の画素の輝度測定を行い、画像と共にRAM14に保存する。続いて、上記と同様の前処理として行い(S108)、続いて画像中の標識位置検索を行い(S109)、位置検索された標識DについてステップS104と同様のサブピクセル処理を行い(S110)、その移動量を算出する(S111)。続いて、その移動量と予め定めた閾値とを比較し(S112)、その移動量が閾値を越えるか否かチェックして(S113)、越えたときは、例えば移動対象物を管理する管理センタなど予め定めた部署等に通知する(S114)。全ての標識Dについて上記処理を終了したときは(S115)、再度、ステップS107以降の処理を続行するか否か判断し、処理を続行しないときは(S116、NO)、処理を終了する。
【0028】
以上、本実施形態によれば、測定対象画像の輝度情報を用いたことにより、従来のような画素単位での変位検知では不可能であった、より詳細な変位、つまり測定対象画像の1画素に満たない変位も正確に測定できる。また、カメラの方向を一対の対称となる撮影位置で撮影した複数画像を用いることにより、輝度情報におけるノイズを除去でき、また、それぞれの画像において算出した中心位置の位置座標を平均化処理することにより、中心の座標位置をより高い精度で算出することができる。
【符号の説明】
【0029】
1・・・電子カメラ、2・・・入力装置、3・・・表示部、4・・・画像処理装置、10・・・インタフェース、12・・・CPU、14・・・RAM、16・・・輝度測定部、120・・・カメラ制御部、122・・・標識探索部、124・・・比較判定部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象を撮影した撮影画像に基づき測定対象の変位量を測定する変位量測定装置であって、
前記撮影画像を処理する画像処理装置及び表示部を備え、
前記画像処理装置は、撮影した測定対象画像を構成する画素の輝度を測定する輝度測定部と、前記測定対象画像の画素の位置座標に前記輝度測定部で得た当該画素の輝度情報の重みを付けて前記測定対象画像の位置座標上での中心位置を算出する座標算出部と、予め蓄積した前記測定対象の基準画像の前記位置座標上での中心位置と算出された前記中心位置との変位量を比較判定し、判定した変位量を前記表示部に表示する比較判定部と、
を有することを特徴とする変位量測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載された変位量測定装置において、
前記座標算出部は、測定対象を対称となる方向で撮影した対を成す複数枚の画像についてそれぞれ算出した前記測定対象の中心位置を、平均化処理して算出することを特徴とする変位量測定装置。
【請求項3】
請求項1又は2のいずれかに記載された変位量測定装置において、
前記測定対象は変位量を測定すべき対象物に描いた所定の形状又は前記対象物に固定した所定の形状の標識であることを特徴とする変位量測定装置。
【請求項4】
測定対象を撮影した撮影画像に基づき測定対象の変位量を測定する変位量測定方法であって、
測定対象を撮影した撮影画像を取得する工程と、取得した測定対象画像を構成する画素の輝度を測定する輝度測定工程と、測定対象画像の画素の位置座標に前記輝度測定工程で得た当該画素の輝度情報の重みを付けて前記測定対象画像の位置座標上での中心位置を算出する位置座標算出工程と、予め蓄積した前記測定対象の基準画像の前記位置座標上での中心位置と算出された前記中心位置との変位量を判定する比較判定工程と、判定した変位量を前記表示部に表示する表示制御工程と、
を有することを特徴とする変位量測定方法。
【請求項5】
請求項4に記載された変位量測定方法において、
前記位置座標算出工程は、測定対象を対称となる方向で撮影した対を成す複数枚の画像についてそれぞれ算出した前記測定対象の中心位置を、平均化処理して算出する工程であることを特徴とする変位量測定方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2010−230423(P2010−230423A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−77060(P2009−77060)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(304020498)サクサ株式会社 (678)
【Fターム(参考)】