説明

外断熱用外壁材取付金具および外断熱外壁構造

【課題】建物の躯体と外壁材取付金具との間に断熱材を配設したり、断熱材の前面に外壁材取付金具のための胴縁を配設したり、断熱材の層を柱等で分断したりする必要がないようにする。
【解決手段】外壁材取付金具1は、前方に突出する前方張り出し部2と、前方張り出し部2の後端部から立ち上がり、躯体側材(躯体自体または下地材)20に沿わされた状態で、間に断熱材21を介在させることなく躯体側材20に取り付けられる基部3と、少なくともその一部を前方張り出し部2の前端部付近に設けられている外壁材係合部5,6と、前方張り出し部2と外壁材15の裏面と躯体側材20の間となる部分に形成され、断熱材21の一端部を受け入れる断熱材受け入れ部24,25とを有するようにし、断熱材21が壁材15の裏面と躯体側材20との間に収容されるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の躯体外に断熱材を配設する所謂外断熱構造の建物において、前記躯体に外壁材(外装材等と称されることもある)を取り付けるための外壁材取付金具、およびこの外壁材取付金具を用いた外断熱外壁構造に関する。
【背景技術】
【0002】
「外断熱」とは、建物の躯体外に断熱材を配設する工法である。なお、木造あるいは鉄骨造等の、躯体に蓄熱効果のない建物の場合は、「外断熱」ではなく、「外張断熱」または「外側断熱」と称すべきであるとする考え方もあるが、本願ではこのような区別はせず、「外断熱」の語で総称するものとする。
【0003】
従来、建物の躯体外に断熱材を配設する外断熱構造の建物において、前記躯体に外壁材取付金具を介して外壁材を取り付ける工法として、次のようなものが知られている。
【0004】
(a)例えば、特許文献1の図12,13および16に示されているように、躯体または下地材の前面に断熱材を配設し、さらにこの断熱材の前面に外壁材取付金具の後背部を当接し(これにより、外壁取付金具が断熱材を介して躯体または下地材に当接されることになる)、外壁取付金具に挿通したビスを、断熱材を貫通させて、躯体または下地材にねじ込むことにより、外壁取付金具を躯体に取り付け、該取付金具を介して外壁材を躯体に取り付ける工法。
【0005】
(b)例えば、特許文献2の図1〜4に示されているように、躯体または下地材の前面に断熱材を配設するとともにこの断熱材の前面に胴縁を配設し、さらにこの胴縁の前面に取付金具をビス等で取り付け、該取付金具を介して外壁材を躯体に取り付ける工法。
【0006】
(c)例えば、特許文献1の図3に示されているように、躯体を構成する柱の前面に外壁材取付金具をビス等で取り付け、断熱材は前記柱間に配設する工法。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−129729号公報
【特許文献2】特開2005−2747号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、(a)の工法では、断熱材にビスを貫通させるため、長いビスを使用する必要があり、外壁材取付金具のビス留め作業の作業性が悪くなるとともに、ビスのねじ込み方向が不正になる等により、躯体に対する外壁材取付金具の取付強度が低下する虞があるという問題があった。そして、寒冷地向けの場合のように断熱材の厚さが厚くなる場合は、この欠点はより大きくなる。
【0009】
また、比較的に柔らかな断熱材の前面に外壁材取付金具が押圧されるので、断熱材が変形し、外壁材取付金具が傾斜してしまい、外壁材に不陸が生じたり、外壁材の取付強度が低下したりする虞がある。
【0010】
また、(b)の工法では、断熱材の前面に胴縁を配設することによって、断熱材と外壁材との間に通気層を確保できる(通気層がないと、吸水による外壁材や躯体の腐食・劣化が生じる虞がある)が、断熱材の前面に胴縁を配設する必要があるため、構成部材が多くなり、施工作業性が悪くなるとともに、コストの上昇を招くという問題があった。
【0011】
さらに、(c)の工法では、柱により断熱材層が分断されてしまうので、断熱性能が低下する虞があるという問題があった。
【0012】
本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたもので、本発明の目的の一つは、躯体または下地材と外壁材取付金具との間に断熱材を配設し、外壁取付金具用ビスや釘を、断熱材を貫通させて、躯体または下地材にねじ込んだり打ち込んだりする必要がない外断熱用外壁材取付金具および外断熱外壁構造を提供することにある。
【0013】
本発明の他の目的は、断熱材の前面に胴縁を配設することなく、断熱材と外壁材との間に通気層を確保することができる外断熱用外壁材取付金具および外断熱外壁構造を提供することにある。
【0014】
本発明の他の目的は、断熱材の層を、柱等により分断されることなく、連続させることができる外断熱用外壁材取付金具および外断熱外壁構造を提供することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、施工作業性がよい外断熱用外壁材取付金具および外断熱外壁構造を提供することにある。
【0016】
本発明の他の目的は、寒冷地向け等のために断熱材の厚さを特に厚くすることも可能な外断熱用外壁材取付金具および外断熱外壁構造を提供することにある。
【0017】
本発明のさらに他の目的は、以下の説明から明らかになろう。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の請求項1に係る外断熱用外壁材取付金具は、
建物の躯体外に断熱材を配設する外断熱構造の建物において、前記躯体に外壁材を取り付けるための外断熱用外壁材取付金具であって、
前記躯体側から前方に突出することとなるように配設された前方張り出し部と、
前記前方張り出し部の後端部に設けられており、前記躯体自体または前記躯体に取り付けられた下地材に沿わされた状態で、間に前記断熱材を介在させることなく前記躯体または前記下地材に取り付けられる基部と、
少なくともその一部を前記前方張り出し部の前端部付近に設けられており、前記外壁材の一端部を係合される外壁材係合部と、
前記前方張り出し部と前記外壁材の裏面と前記躯体または前記下地材との間となる部分に形成され、前記断熱材の一端部を受け入れる断熱材受け入れ部とを有してなるものである。
【0019】
本発明の請求項2に係る外断熱用外壁材取付金具は、
建物の躯体外に断熱材を配設する外断熱構造の建物において、前記躯体に外壁材を取り付けるための外断熱用外壁材取付金具であって、
前記躯体側から前方に突出することとなるように配設された前方張り出し部と、
前記前方張り出し部の後端部から立ち上がっており、前記躯体自体または前記躯体に取り付けられた下地材に沿わされた状態で、間に前記断熱材を介在させることなく前記躯体または前記下地材に取り付けられる基部と、
前記前方張り出し部の前端部から立ち上がっている前面部と、
前記前面部に設けられており、前記外壁材の一端部を係合される外壁材係合部とを有してなり、
前記前方張り出し部と前記外壁材の裏面と前記躯体または前記下地材との間となる部分に形成され、前記断熱材の一端部を受け入れる断熱材受け入れ部とを有してなるものである。
【0020】
本発明の請求項13に係る外断熱外壁構造は、
建物の躯体外に断熱材を配設する外断熱構造の建物において、前記躯体に外壁材取付金具1を介して外壁材を取り付けた外断熱外壁構造であって、
前記外壁材取付金具は、前記躯体側から前方に突出することとなるように配設された前方張り出し部と、前記前方張り出し部の後端部に設けられており、建物の躯体自体または前記躯体に取り付けられた下地材に沿わされた状態で、間に前記断熱材を介在させることなく前記躯体または前記下地材に取り付けられた基部と、少なくともその一部を前記前方張り出し部の前端部付近に設けられている外壁材係合部とを有してなり、
前記外壁材は、前記外壁材取付金具の前記外壁材係合部に一端部を係合されることにより、前記外壁材取付金具を介して前記躯体に取り付けられており、
前記断熱材は、前記外壁材の裏面と前記躯体または前記下地材との間に収容されているものである。
【0021】
本発明の請求項14に係る外断熱外壁構造は、
建物の躯体外に断熱材を配設する外断熱構造の建物において、前記躯体に外壁材取付金具を介して外壁材を取り付けた外断熱外壁構造であって、
前記外壁材取付金具は、前記躯体側から前方に突出する前方張り出し部と、前記前方張り出し部の後端部から立ち上がっており、前記躯体自体または前記躯体に取り付けられた下地材に沿わされた状態で、間に前記断熱材を介在させることなく前記躯体または前記下地材に取り付けられた基部と、前記前方張り出し部の前端部から立ち上がっている前面部と、前記前面部に設けられており、前記外壁材の一端部を係合された外壁材係合部とを有してなり、
前記断熱材は、前記外壁材の裏面と前記躯体または前記下地材との間に収容されているものである。
【0022】
本発明においては、外壁材取付金具は躯体に断熱材を介することなく取り付けられ、外壁材の裏面と躯体または下地材との間に断熱材が収容されるので、前記従来の工法(a)のように、躯体または下地材と外壁材取付金具との間に断熱材を配設し、外壁取付金具用ビスや釘を、断熱材を貫通させて、躯体または下地材にねじ込んだり、打ち込んだりする必要がないし、前記従来の工法(b)のように、断熱材の前面に胴縁を配設することなく、断熱材と外壁材との間に通気層を確保することができる。
【0023】
したがって、施工作業性がよく、また寒冷地向け等のために断熱材の厚さを特に厚くすることも可能である。
【0024】
また、前記従来の(c)の工法と異なり、断熱材の層を、柱等により分断されることなく、連続させることができ、断熱性能を高めることができる。
【0025】
本発明の請求項2に係る外断熱用外壁材取付金具および請求項14に係る外断熱外壁構造の一つの態様においては、前記外壁材取付金具の前方張り出し部は、平面状をなす前方張り出し部平面状部と、この前方張り出し部平面状部の両側端部から立ち上がる前方張り出し部立ち上がり縁部とを有し、外壁材取付金具の基部は、平面状をなす基部平面状部と、この基部平面状部の両側端部から立ち上がる基部立ち上がり縁部とを有し、外壁材取付金具の前面部は、平面状をなす前面部平面状部と、この前面部平面状部の両側端部から立ち上がる前面部立ち上がり縁部とを有する。
【0026】
本発明においては、外壁材取付金具の前方張り出し部の直上・直下(縦貼りの場合、真横)に断熱材が収容されるので、前方張り出し部が前方に張り出す寸法が不可避的に大きくなるが、上述の態様とすることにより、比較的に薄い板厚で十分な強度を得ることができる。
【0027】
さらに、前記外壁材取付金具の前方張り出し部平面状部、前方張り出し部立ち上がり縁部、基部平面状部、基部立ち上がり縁部、前面部平面状部および前面部立ち上がり縁部を、一枚の金属板をプレス絞り加工することにより形成し、前方張り出し部立ち上がり縁部と基部立ち上がり縁部、および前方張り出し部立ち上がり縁部と前面部立ち上がり縁部とがそれぞれ互いに連続するようにすれば、比較的に薄い板厚で、より大きな強度を得ることができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の外断熱用外壁材取付金具および外断熱外壁構造は、
(イ)躯体または下地材と外壁材取付金具との間に断熱材を配設し、外壁取付金具用ビスや釘を、断熱材を貫通させて、躯体または下地材にねじ込んだり打ち込んだりする必要がない、
(ロ)断熱材の前面に胴縁を配設することなく、断熱材と外壁材との間に通気層を確保することができる、
(ハ)施工作業性がよく、また寒冷地向け等のために断熱材の厚さを特に厚くすることも可能である、
(ニ)断熱材の層を、柱等により分断されることなく、連続させることができ、断熱性能を高めることができる、
等の優れた効果を得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施例1における外断熱用外壁材取付金具を示す斜視図である。
【図2】前記実施例1における外断熱用外壁材取付金具を示す正面図である。
【図3】前記実施例1における外断熱用外壁材取付金具を示す平面図である。
【図4】前記実施例1における外断熱用外壁材取付金具を示す側面図である。
【図5】前記実施例1における外断熱用外壁材取付金具を示す底面図である。
【図6】図2のVI−VI線における断面図である。
【図7】図3のVII−VII線における断面図である。
【図8】図3のVIII−VIII線における断面図である。
【図9】実施例1における外断熱外壁構造を示す断面図である。
【図10】外壁材を所謂横貼りする様子を示す正面図である。
【図11】外壁材を所謂縦貼りする様子を示す正面図である。
【図12】所謂縦貼りをする場合の前記外壁材取付金具の取付方向を示す正面図である。
【図13】本発明の実施例2における外断熱用外壁材取付金具を示す断面図である。
【図14】実施例2における外断熱外壁構造を示す断面図である。
【図15】本発明の実施例3における外断熱用外壁材取付金具を示す斜視図である。
【図16】実施例3における外断熱用外壁材取付金具を示す正面図である。
【図17】実施例3における外断熱用外壁材取付金具を示す平面図である。
【図18】実施例3における外断熱用外壁材取付金具を示す側面図である。
【図19】図16のXIX−XIX線における断面図である。
【図20】図16のXX−XX線における断面図である。
【図21】図17のXXI−XXI線における断面図である。
【図22】実施例3における外断熱外壁構造を示す断面図である。
【図23】実施例4における外断熱外壁構造を示す断面図である。
【図24】前記実施例4における外断熱用外壁材取付金具を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。
【実施例1】
【0031】
図1〜8は本発明の実施例1における外断熱用外壁材取付金具1を示している。この外壁材取付金具1は、鋼鉄、ステンレス鋼、アルミニウム合金等からなる1枚の金属板をプレス加工により成形してなり、前方張り出し部2、基部3、前面部4、第一および第二の外壁材係合部5,6、転倒防止片7並びに第一および第二の断熱材対接部8,9を一体的に有している。
【0032】
前記前方張り出し部2は、全体として矩形状かつ平面状をなす前方張り出し部平面状部2aと、この前方張り出し部平面状部2aの両側端部から立ち上がる前方張り出し部立ち上がり縁部2bと、これらの前方張り出し部立ち上がり縁部2bの先端縁から外側かつ前方張り出し部平面状部2aと平行方向に折れ曲がる前方張り出し部フランジ部2cとを有している。
【0033】
前記基部3は、前方張り出し部2の後端部から直角方向に立ち上がっており、全体として矩形状かつ平面状をなす基部平面状部3aと、この基部平面状部3aの両側端部から前方直角方向に立ち上がる基部立ち上がり縁部3bと、これらの基部立ち上がり縁部3bの先端縁から外側かつ基部平面状部3aと平行方向に折れ曲がる基部フランジ部3cとを有している。
【0034】
前記前面部4は、前方張り出し部2の前端部から基部3と同じ向きに直角方向に立ち上がっており、全体として矩形状かつ平面状をなす前面部平面状部4aと、この前面部平面状部4aの両側端部から後方直角方向に立ち上がる前面部立ち上がり縁部4bと、これらの前面部立ち上がり縁部4bの先端縁から外側かつ前面部平面状部4aと平行方向に折れ曲がる前面部フランジ部4cとを有している。
【0035】
前記前方張り出し部平面状部2a、前方張り出し部立ち上がり縁部2b、前方張り出し部フランジ部2c、基部平面状部3a、基部立ち上がり縁部3b、基部フランジ部3c、前面部平面状部4a、前面部立ち上がり縁部4bおよび前面部フランジ部4cは、前記1枚の金属板をプレス絞り加工することにより形成されており、前方張り出し部立ち上がり縁部2bと基部立ち上がり縁部3b、前方張り出し部立ち上がり縁部2bと前面部立ち上がり縁部4b、前方張り出し部フランジ部2cと基部フランジ部3c、および前方張り出し部フランジ部2cと前面部フランジ部4cとは、それぞれ互いに連続している。
【0036】
前記前方張り出し部2のうちの前面部4寄りの部分には、前方張り出し部平面状部2aの一部を切り起こすことにより、前記第一および第二の断熱材対接部8,9が設けられている。図1,6,8によく示されるように、前記第一の断熱材対接部8は前方張り出し部平面状部2aから前面部4と反対側に立ち上がっている一方、前記第二の断熱材対接部9は前方張り出し部平面状部2aから前面部4側に立ち上がっている。そして、前方張り出し部2と第一の断熱材対接部8と後述する図9に示される躯体側材20(建物の躯体自体または躯体に取り付けられた胴縁あるいは間柱等の下地材)との間となる部分に断熱材受け入れ部24が形成され、前方張り出し部2と第二の断熱材対接部9と躯体側材20との間となる部分に断熱材受け入れ部25が形成されている。
【0037】
図1および8によく示されるように、前記基部3の前方張り出し部2側の端部には、前方張り出し部平面状部2aの一部を切り起こすことにより、前記転倒防止片7が設けられている。これらの転倒防止片7は、基部平面状部3aと同一平面上に広がる状態で、基部平面状部3aの端部から突出している
図1,6および8によく示されるように、前記基部3には、前方に隆起するビス留め部10が一体的に設けられており、このビス留め部10には基部平面状部3aに対し傾斜した平面状のビス受け面10aが設けられている。このビス受け面10aには、ビス穴11が設けられている。
【0038】
前記前面部平面状部4aの一部を切り起こすことにより、前方に突出する前方突出片12と、この前方突出片12の先端部の中央側部分から前面張り出し部2側に折り曲げられた第一の折り曲げ片13と、前方突出片12の先端部の両端部から前面張り出し部2と反対側に折り曲げられた一対の第二の折り曲げ片14とが形成されている。前記第一の外壁材係合部5は、前方突出片12と第一の折り曲げ片13と前面部平面状部4aのうちの前方突出片12より図上下方の部分とにより構成される一方、前記第二の外壁材係合部6は、前方突出片12と第二の折り曲げ片14と前面部平面状部4aのうちの前方突出片12より図上上方の部分とにより構成されている(したがって、前方突出片12は、第一の外壁材係合部5と第二の外壁材係合部6との両方において共通の部分である)。
【0039】
図9は、本実施例における外断熱外壁構造を示している。なお、外壁材15を建物躯体に取り付ける際には、一般に、図10のように外壁材15を横長とし、各外壁材15の上端部と下端部とを突き合わせて、順次下段側から上段側へと外壁材15を取り付けて行く場合(所謂横貼り)と、図11のように外壁材15を縦長とし、各外壁材15の右端部と左端部とを突き合わせて、順次左から右または右から左側に外壁材15を取り付けて行く場合(所謂縦貼り)とがある。図9は、図10のように所謂横貼りを行う場合の外壁構造を示している。
【0040】
外壁材15は従来の外壁材と全く同様のものであり、各外壁材15の上端部には、その外面側を切り欠くことにより第一の実部16が形成されている一方、外壁材15の下端部には、その内面側を切り欠くことにより第二の実部17が形成されている。また、各外壁材15の下端部には、第二の実部17の内面に接するようにして係合溝18が形成されている。
【0041】
外壁材取付金具1は、ビス穴11に挿通したビス19を躯体側材20(建物の躯体自体または躯体に取り付けられた胴縁あるいは間柱等の下地材)にねじ込み、ビス留めすることにより、基部3が躯体側材20に沿わされた状態で、躯体側材20に取り付けられる。したがって、前記従来の工法(a)のように、躯体側材20と外壁材取付金具1との間に断熱材が介在されることはない。
【0042】
なお、本実施例では、ビス受け面10a、ひいてはビス穴11が傾けて設けられているため、ビス19の頭部が基部3と前面部4との間に存在することになるにもかかわらず、上記ビス留め第一の係合部作業を容易に行うことができる。
【0043】
そして、第一の外壁材係合部5に下段側の外壁材15(先に取り付けられる外壁材)の第一の実部16が挿入されることにより、下段側の外壁材15の上端部が外壁材取付金具1の第一の外壁材係合部5に係合される。他方、上段側の外壁材15(後に取り付けられる外壁材)の下端部の係合溝18内に第二の折り曲げ片14が侵入するようにすることにより、上段側の外壁材15の下端部が第二の外壁材係合部6に係合される。これにより、下段側の外壁材15の上端部に上段側の外壁材15の下端部が相じゃくり方式で突き合わされた状態で、各外壁材15が外壁材取付金具1を介して躯体側材20に取り付けられる。
【0044】
断熱材21は板状ないしはシート状をなしており、外装材15の裏面と躯体側材20との間に収容される。より詳しく言うと、下段側の断熱材21の上端部は外壁材取付金具1の第一の断熱材対接部8より後方に存在する断熱材受け入れ部24に受け入れられる一方、上段側の断熱材21の下端部は外壁材取付金具1の第二の断熱材対接部9より後方に存在する断熱材受け入れ部25に受け入れられ、下段の断熱材21と上段の断熱材21とが前方張り出し部2を介して端部同士を突き合わされた状態となり、外壁材15の裏面と断熱材21の層の前面との間には通気層22が形成される。
【0045】
なお、作業手順としては、下段側の断熱材21は下段側外壁材15の取り付け前に、上段側の断熱材21は上段側外壁材15の取り付け前にそれぞれ挿入される。また、各外壁材15は傘釘23等の手段を併用して躯体側材20に固定してもよい。
【0046】
また、躯体側材20に対する外壁材取付金具1、下段側外壁材15および上段側の外壁材15の取り付け手順については詳しく説明しなかったが、上述のように断熱材21の挿入作業が途中に入る点を除くと、躯体側材20に対する外壁材取付金具1、下段側および上段側の外壁材15の取り付け手順自体は、従来と同様に行うことができる。
【0047】
この外断熱用外壁材取付金具1および外断熱外壁構造は、所謂横張りを行う場合のみならず、図11のように所謂縦貼りを行う場合にも使用でき、この場合、外壁材取付金具1の取付方向は図12のように躯体と平行な面内において90度回転した方向になる(図12は外壁材15を順次左から右側に取り付けて行く場合を示している)。
【0048】
この外断熱用外壁材取付金具1および外断熱外壁構造においては、外壁材取付金具1の前面部4と躯体側材20との間に断熱材21が収容されるので、前記従来の工法(a)のように、躯体または下地材と外壁材取付金具との間に断熱材を配設し、外壁取付金具用ビスを、断熱材を貫通させて、躯体または下地材にねじ込む必要がないし、前記従来の工法(b)のように、断熱材の前面に胴縁を配設することなく、断熱材21と外壁材15との間に通気層22を確保することができる。
【0049】
したがって、前記「発明が解決しようとする課題」の項で述べたような、前記従来の工法(a),(b)のような欠点を生じることがない。そして、施工作業性がよく、また寒冷地向け等のために断熱材21の厚さを特に厚くすることも可能である。
【0050】
また、前記従来の(c)の工法と異なり、断熱材21の層を、柱等により分断されることなく、連続させることができ、断熱性能を高めることができる。
【0051】
また、本発明の外壁材取付金具1においては、外壁材取付金具1の前方張り出し部2の直上、直下(縦貼りの場合、真横)に断熱材21が収容されるので、前方張り出し部2が前方に張り出す寸法が不可避的に大きくなる。しかしながら、本実施例では、外壁材取付金具1の前方張り出し部2は、平面状をなす前方張り出し部平面状部2aと、この前方張り出し部平面状部2aの両側端部から立ち上がる前方張り出し部立ち上がり縁部2bとを有し、外壁材取付金具1の基部3は、平面状をなす基部平面状部3aと、この基部平面状部3aの両側端部から立ち上がる基部立ち上がり縁部3bとを有し、外壁材取付金具1の前面部4は、平面状をなす前面部平面状部4aと、この前面部平面状部4aの両側端部から立ち上がる前面部立ち上がり縁部4bとを有するので、比較的に薄い板厚で十分な強度を得ることができる。
【0052】
しかも、本実施例では、外壁材取付金具1の前方張り出し部平面状部2a、前方張り出し部立ち上がり縁部2b、基部平面状部3a、基部立ち上がり縁部3b、前面部平面状部4aおよび前面部立ち上がり縁部4bを、一枚の金属板をプレス絞り加工することにより形成し、前方張り出し部立ち上がり縁部2bと基部立ち上がり縁部3b、および前方張り出し部立ち上がり縁部2bと前面部立ち上がり縁部4bとをそれぞれ互いに連続させているので、比較的に薄い板厚で、より大きな強度を得ることができる。
【0053】
さらに、本実施例では、前方張り出し部2は前方張り出し部立ち上がり縁部2bの先端縁から外側に折れ曲がる前方張り出し部フランジ部2c、基部3は基部立ち上がり縁部3bの先端縁から外側に折れ曲がる基部フランジ部3c、前面部4は前面部立ち上がり縁部4bの先端縁から外側に折れ曲がる前面部フランジ部4cをそれぞれ有し、前方張り出し部フランジ部2c、基部フランジ部3cおよび前面部フランジ部4cも前記プレス絞り加工で一緒に加工し、前方張り出し部フランジ部2cと基部フランジ部3cと、および前方張り出し部フランジ部2cと前面部フランジ部4cとを、それぞれ互いに連続させているので、比較的に薄い板厚で、より一層大きな強度を得ることができる。
【0054】
また、本実施例では、転倒防止片7が設けられているので、外壁材取付金具1が上段側の外壁材の15から作用される荷重により躯体側材20に対して図14上で反時計方向に転倒してしまう虞も防止できる。
【実施例2】
【0055】
図13は本発明の実施例2における外壁材取付金具1、図14は本実施例における外断熱外壁構造を示している。本実施例においては、第二の断熱材対接部9は設けず、前面部立ち上がり縁部4bの立ち上がり幅を基部立ち上がり縁部3bの立ち上がり幅より大きくし、前面部フランジ部4cに実施例1における第二の断熱材対接部9の機能を果たさせている。他の構成は実施例1と同様である。
【0056】
本実施例においても、実施例1の場合同様の作用効果を得ることができる。
【実施例3】
【0057】
図15〜21は本発明の実施例3における外断熱用外壁材取付金具1を示している。実施例1の外壁材取付金具1との相違は、次に述べる点である。
【0058】
基部3と前面部4は、前面部4から互いに反対の向きに立ち上がっている。すなわち、所謂横張りを行う場合で言えば、基部3は前方張り出し部2から上方に立ち上がっているのに対し、前面部4は前方張り出し部2から下方に立ち上がっている。基部3には、転倒防止片7が設けられていない。基部3のビス受け面10aおよびビス穴11は、傾けられておらず、基部平面状部3aと平行となっている。
【0059】
他の構成は、実施例1の場合と同様であり、前方張り出し部平面状部2a、前方張り出し部立ち上がり縁部2b、前方張り出し部フランジ部2c、基部平面状部3a、基部立ち上がり縁部3b、基部フランジ部3c、前面部平面状部4a、前面部立ち上がり縁部4bおよび前面部フランジ部4cは、金属板をプレス絞り加工することにより形成されており、前方張り出し部立ち上がり縁部2bと基部立ち上がり縁部3b、前方張り出し部立ち上がり縁部2bと前面部立ち上がり縁部4b、前方張り出し部フランジ部2cと基部フランジ部3c、および前方張り出し部フランジ部2cと前面部フランジ部4cとは、それぞれ互いに連続している点も同様である。
【0060】
図22は、本実施例における外断熱外壁構造を示している(所謂横貼りを行う場合の外壁構造を示している)。
【0061】
本実施例においても、実施例1,2の場合と同様にして、外壁材15を外壁材取付金具1を介して躯体に取り付けることができる。また、下段側の断熱材21の上端部は外壁材取付金具1の第一の断熱材対接部8より後方に存在する断熱材受け入れ部24に受け入れられる一方、上段側の断熱材21の下端部は外壁材取付金具1の第二の断熱材対接部9より後方に存在する断熱材受け入れ部25に受け入れられる。この結果、断熱材21は、外装材15の裏面と躯体側材20との間に収容され、外壁材15の裏面と断熱材21の層の前面との間には通気層22が形成される。
【0062】
これにより、本実施例においても、実施例1,2の場合と同様の作用効果を得ることができる。
【実施例4】
【0063】
図23は本発明の実施例4における外断熱外壁構造、図24は本実施例における外壁材取付金具1を示している。
【0064】
本実施例においては、外壁材取付金具1に前面部4は設けられておらず、前方張り出し部2の前端部に直接、第一および第2の折り曲げ片13,14が設けられている。また、図24によく示されるように、基部3の両側端から前方に折れ曲がる側壁部26と、これらの側壁部26の前端部から外側に直角方向に折れ曲がる折り曲げ片27とが設けられている。そして、第一の外壁材係合部5は、前方張り出し部2の前端部付近と第一の折り曲げ片13と側壁部26の折り曲げ片27のうちの前方張り出し部2より図上下方の部分とにより構成される一方、第二の外壁材係合部6は、前方張り出し部2の前端部付近と第二の折り曲げ片14と側壁部26の折り曲げ片27のうちの前方張り出し部2より図上上方の部分とにより構成されている。前方張り出し部2、基部3および側壁部26は絞り加工では形成されおらず、前方張り出し部2に対する基部3の加工、基部3に対する側壁部27の加工は、それぞれ単純なプレス曲げ加工である。ビス穴11は基部3の隆起されていない部分に設けられている。
【0065】
他の構成は、実施例1の場合と同様である。本実施例においては、前方張り出し部2、基部3および側壁部26が単純なプレス曲げ加工により形成されているので、前記実施例1〜3のように外壁材取付金具1の強度を高めることはできないが、その他の点については実施例1〜3と同様の作用効果を得ることができる。
【0066】
なお、前記実施例では、外壁材15の裏面と前記断熱材21の層の前面との間に通気層22が形成されるようになっているが、通気層を設ける必要がない場合は、外壁材の裏面と断熱材の前面との間に通気層が形成されないようにしてもよい。したがって、外壁材取付金具の断熱材受け入れ部は、最大、外壁材の裏面と躯体または下地材との間となる部分に形成される。
【0067】
また、本発明においては、基部には、ビス穴の代わりに、躯体または下地材に打ち込まれる釘を挿通するための釘穴を設けてもよいし、ビス穴および釘穴の両方を設けてもよい。さらに、基部をビスや釘以外の手段により躯体または下地材に取り付けるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0068】
以上のように本発明による外断熱用外壁材取付金具および外断熱外壁構造は、建物の躯体外に断熱材を配設する所謂外断熱構造の建物において、前記躯体に外壁材を取り付けるための外壁材取付金具、およびこの外壁材取付金具を用いた外断熱外壁構造として有用である。
【符号の説明】
【0069】
1 外断熱用外壁材取付金具
2 前方張り出し部
2a 前方張り出し部平面状部
2b 前方張り出し部立ち上がり縁部
2c 前方張り出し部フランジ部
3 基部
3a 基部平面状部
3b 基部立ち上がり縁部
3c 基部フランジ部
4 前面部
4a 前面部平面状部
4b 前面部立ち上がり縁部
4c 前面部フランジ部
5 第一の外壁材係合部
6 第二の外壁材係合部
8 第一の断熱材対接部
9 第二の断熱材対接部
12 前方突出片
13 第一の折り曲げ片
14 第二の折り曲げ片
15 外壁材
19 ビス
20 躯体側材(建物の躯体自体または下地材)
21 断熱材
22 通気層
24,25 断熱材受け入れ部
27 折り曲げ片


【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の躯体外に断熱材を配設する外断熱構造の建物において、前記躯体に外壁材を取り付けるための外断熱用外壁材取付金具であって、
前記躯体側から前方に突出することとなるように配設された前方張り出し部と、
前記前方張り出し部の後端部に設けられており、前記躯体自体または前記躯体に取り付けられた下地材に沿わされた状態で、間に前記断熱材を介在させることなく前記躯体または前記下地材に取り付けられる基部と、
少なくともその一部を前記前方張り出し部の前端部付近に設けられており、前記外壁材の一端部を係合される外壁材係合部と、
前記前方張り出し部と前記外壁材の裏面と前記躯体または前記下地材との間となる部分に形成され、前記断熱材の一端部を受け入れる断熱材受け入れ部とを有してなる外断熱用外壁材取付金具。
【請求項2】
建物の躯体外に断熱材を配設する外断熱構造の建物において、前記躯体に外壁材を取り付けるための外断熱用外壁材取付金具であって、
前記躯体側から前方に突出することとなるように配設された前方張り出し部と、
前記前方張り出し部の後端部から立ち上がっており、前記躯体自体または前記躯体に取り付けられた下地材に沿わされた状態で、間に前記断熱材を介在させることなく前記躯体または前記下地材に取り付けられる基部と、
前記前方張り出し部の前端部から立ち上がっている前面部と、
前記前面部に設けられており、前記外壁材の一端部を係合される外壁材係合部とを有してなり、
前記前方張り出し部と前記外壁材の裏面と前記躯体または前記下地材との間となる部分に形成され、前記断熱材の一端部を受け入れる断熱材受け入れ部とを有してなる外断熱用外壁材取付金具。
【請求項3】
前記前方張り出し部は、平面状をなす前方張り出し部平面状部と、この前方張り出し部平面状部の両側端部から立ち上がる前方張り出し部立ち上がり縁部とを有し、
前記基部は、平面状をなす基部平面状部と、この基部平面状部の両側端部から立ち上がる基部立ち上がり縁部とを有し、
前記前面部は、平面状をなす前面部平面状部と、この前面部平面状部の両側端部から立ち上がる前面部立ち上がり縁部とを有する請求項2記載の外断熱用外壁材取付金具。
【請求項4】
前記前方張り出し部平面状部、前記前方張り出し部立ち上がり縁部、前記基部平面状部、前記基部立ち上がり縁部、前記前面部平面状部および前記前面部立ち上がり縁部は、一枚の金属板をプレス絞り加工することにより形成されており、
前記前方張り出し部立ち上がり縁部と前記基部立ち上がり縁部、および前記前方張り出し部立ち上がり縁部と前記前面部立ち上がり縁部とは、それぞれ互いに連続している請求項3記載の外断熱用外壁材取付金具。
【請求項5】
前記前方張り出し部は前記前方張り出し部立ち上がり縁部の先端縁から外側に折れ曲がる前方張り出し部フランジ部、前記基部は前記基部立ち上がり縁部の先端縁から外側に折れ曲がる基部フランジ部、前記前面部は前記前面部立ち上がり縁部の先端縁から外側に折れ曲がる前面部フランジ部をそれぞれさらに有し、
前記前方張り出し部フランジ部と前記基部フランジ部、および前記前方張り出し部フランジ部と前記前面部フランジ部とは、それぞれ互いに連続している請求項4記載の外断熱用外壁材取付金具。
【請求項6】
前記基部と前記前面部は、前記前面部から同じ向きに立ち上がっている請求項2乃至5のいずれか1項に記載の外断熱用外壁材取付金具。
【請求項7】
前記基部と前記前面部は、前記前面部から互いに反対の向きに立ち上がっている請求項2乃至5のいずれか1項に記載の外断熱用外壁材取付金具。
【請求項8】
前記断熱材の前面に対接される断熱材対接部を有し、前記断熱材受け入れ部は前記前方張り出し部と前記断熱材対接部と前記躯体または前記下地材との間となる部分に形成され、前記外壁材の裏面と前記断熱材の前面との間に通気層が形成されるようになっている請求項1乃至7のいずれか1項に記載の外断熱用外壁材取付金具。
【請求項9】
前記基部には、前記躯体または前記下地材に螺入されるビスを挿通するためのビス穴または(および)前記躯体または前記下地材に打ち込まれる釘を挿通するための釘穴が設けられている請求項1乃至8のいずれか1項に記載の外断熱用外壁材取付金具。
【請求項10】
前記外壁材係合部は、少なくとも、前記前面部の一部を切り起こして形成された部分と前記前面部とで構成されている請求項2乃至9のいずれか1項に記載の外断熱用外壁材取付金具。
【請求項11】
複数の外壁材をこれらの外壁材の端部を互いに突き合わせた状態で前記躯体自体または前記下地材に取り付けるための外断熱用外壁材取付金具であって、
前記外壁材係合部は、第一の外壁材係合部および第二の外壁材係合部を有し、前記第一の外壁材係合部は一の外壁材の一端部に係合される一方、前記第二の外壁材係合部は前記一の外壁材に突き合わされる他の外壁材の一端部に係合される請求項1乃至10のいずれか1項に記載の外断熱用外壁材取付金具。
【請求項12】
複数の外壁材をこれらの外壁材の端部を互いに突き合わせた状態で前記躯体自体または前記下地材に取り付けるための外断熱用外壁材取付金具であって、
前記外壁材係合部は、第一の外壁材係合部および第二の外壁材係合部を有し、
前記第一の外壁材係合部は一の外壁材の一端部に係合される一方、前記第二の外壁材係合部は前記一の外壁材に突き合わされる他の外壁材の一端部に係合されるようになっており、
前記前面部の一部を切り起こして形成された部分は、前方に突出する前方突出片と、この前方突出片の先端部から折り曲げられた第一の折り曲げ片と、前記前方突出片の先端部から前記第一の折り曲げ片とは反対方向に折り曲げられた第二の折り曲げ片とを有してなり、
前記前方突出片および前記第一の折り曲げ片は前記第一の外壁材係合部の一部を構成し、前記前方突出片および前記第二の折り曲げ片は前記第二の外壁材係合部の一部を構成する請求項10記載の外断熱用外壁材取付金具。
【請求項13】
建物の躯体外に断熱材を配設する外断熱構造の建物において、前記躯体に外壁材取付金具を介して外壁材を取り付けた外断熱外壁構造であって、
前記外壁材取付金具は、前記躯体側から前方に突出することとなるように配設された前方張り出し部と、前記前方張り出し部の後端部に設けられており、建物の躯体自体または前記躯体に取り付けられた下地材に沿わされた状態で、間に前記断熱材を介在させることなく前記躯体または前記下地材に取り付けられた基部と、少なくともその一部を前記前方張り出し部の前端部付近に設けられている外壁材係合部とを有してなり、
前記外壁材は、前記外壁材取付金具の前記外壁材係合部に一端部を係合されることにより、前記外壁材取付金具を介して前記躯体に取り付けられており、
前記断熱材は、前記外壁材の裏面と前記躯体または前記下地材との間に収容されている外断熱外壁構造。
【請求項14】
建物の躯体外に断熱材を配設する外断熱構造の建物において、前記躯体に外壁材取付金具を介して外壁材を取り付けた外断熱外壁構造であって、
前記外壁材取付金具は、前記躯体側から前方に突出する前方張り出し部と、前記前方張り出し部の後端部から立ち上がっており、前記躯体自体または前記躯体に取り付けられた下地材に沿わされた状態で、間に前記断熱材を介在させることなく前記躯体または前記下地材に取り付けられた基部と、前記前方張り出し部の前端部から立ち上がっている前面部と、前記前面部に設けられており、前記外壁材の一端部を係合された外壁材係合部とを有してなり、
前記断熱材は、前記外壁材の裏面と前記躯体または前記下地材との間に収容されている外断熱外壁構造。
【請求項15】
前記外壁材取付金具の前記前方張り出し部は、平面状をなす前方張り出し部平面状部と、この前方張り出し部平面状部の両側端部から立ち上がる前方張り出し部立ち上がり縁部とを有し、
前記外壁材取付金具の前記基部は、平面状をなす基部平面状部と、この基部平面状部の両側端部から立ち上がる基部立ち上がり縁部とを有し、
前記外壁材取付金具の前記前面部は、平面状をなす前面部平面状部と、この前面部平面状部の両側端部から立ち上がる前面部立ち上がり縁部とを有する請求項14記載の外断熱外壁構造。
【請求項16】
前記外壁材取付金具の前記前方張り出し部平面状部、前記前方張り出し部立ち上がり縁部、前記基部平面状部、前記基部立ち上がり縁部、前記前面部平面状部および前記前面部立ち上がり縁部は、一枚の金属板をプレス絞り加工することにより形成されており、
前記前方張り出し部立ち上がり縁部と前記基部立ち上がり縁部、および前記前方張り出し部立ち上がり縁部と前記前面部立ち上がり縁部とは、それぞれ互いに連続している請求項15記載の外断熱外壁構造。
【請求項17】
前記外壁材の裏面と前記断熱材の前面との間に通気層が形成されている請求項13乃至16のいずれか1項に記載の外断熱外壁構造。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2012−21351(P2012−21351A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−161227(P2010−161227)
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【出願人】(595042944)有限会社ユース北浦 (14)
【Fターム(参考)】