説明

外部磁気擾乱を最小化した△E測定装置

本発明は、外部磁気擾乱を最小化した△E測定装置に関し、より詳細には、地球磁場と磁性体機構物及び機器によるバイアス効果を除去し、磁気音響共鳴法を利用して磁場下でのヤング率の変化(△E)を測定する△E測定装置に関する。本発明によると、3軸ヘルムホルツコイルを用いて外部磁気擾乱を最小化する空間を提供し、これに複数のコイル構造を有する△E測定装置を挿入することにより、外部磁気擾乱を最小化することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部磁気擾乱(external magnetic disturbance)を最小化した△E測定装置に関し、より詳細には、地球磁場と磁性体器具及び機器によるバイアス効果を除去し、磁気音響共鳴法を利用して磁場下でのヤング率(弾性係数:elastic modulus)の変化(△E)を測定する△E測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、地球磁場の変化量を減少させて無磁場空間を形成するために、高透磁率の磁性材料を用いて磁気遮蔽(magnetic shielding)させる方法(以下、磁気遮蔽方法)と、外部磁場の変化量を測定して、大きさが同じで方向が反対である磁場を印加して磁場を相殺(magnetic field compensation)させる方法(以下、磁場相殺方法)などが提示されている。
【0003】
このうち後者の例として、図1に示すような装置が挙げられる。図1は地球磁場相殺装置において直流磁場相殺部の構造を示している。直流電流源を用いて、各方向のヘルムホルツコイルに地球磁場と大きさが同じで方向が反対である磁場を発生させて、直流地球磁場成分が相殺された空間を作る。
【0004】
そのために、非磁性棟10には、大型の3−軸ヘルムホルツコイル装置102、104、106がそれぞれ垂直、南北、東西方向に調整されて設けられ、この建物から南側に50m離れた地点にある観測室12には、小型のヘルムホルツコイル122、124、126がそれぞれの方向が一致するように調整されて直列に連結される。非磁性棟10から北側に50m離れた測定室14には、直流地球磁場を相殺させるための三つの電流源142、144、146が設けられている。
【0005】
また、垂直成分を相殺させる二つのヘルムホルツコイルの間のコイル定数を一致させるために、分流抵抗(RV)、南北方向(N−S)に連結された分流抵抗(RN)、東西方向(E−W)に連結された分流抵抗(RE)が用いられている。また、東西方向は精密磁場発生器であるソレノイドと同じ方向であるため、ヘルムホルツコイルの中心部空間で均一度を向上させ、二つの大型のヘルムホルツコイルの間のコイル定数を一致させるために、分流抵抗(RE1,RE2)が用いられている。
【0006】
それぞれのヘルムホルツコイルにおいて、直流成分と時間によって変わる成分を同時に相殺できるようにするために、直流コイルと、時間による変化分を相殺させるコイルとが同一のコイルボビンに巻取されている。
【0007】
互いの相互干渉を排除するために、二つのヘルムホルツコイルは30m以上離隔されて設けられなければならず、二つのコイルの大きさは異なるが、コイル定数(電流による磁場の大きさ)は同じであり、互いに直列に連結されて、二個所の地球磁場を同時に相殺させる。
【0008】
次に、時間によって変わる成分を除去するために、磁気共鳴測定器を用いて地球磁場の変化量に比例する磁気共鳴周波数を測定し、最初に設定した基準周波数と比較して、その周波数の差(磁場の差)に該当する電流(電圧)を位相比較部(phase comparator)を用いて発生させる。これをヘルムホルツコイルに印加して、地球磁場の大きさに比例する磁場を反対に発生させることにより、地球磁場を相殺させる。
【0009】
図1に示す装置については、韓国登録特許第10-0608110号(発明の名称:地球磁場相殺装置)に詳細に記述されているため、これ以上の説明は省略する。
【0010】
ところが、このような従来技術によると、非磁性棟に如何なる外部的な影響も及ばないようにするために、非磁性棟は鉄などの磁性物質を用いずに建てられる建物でなければならない。
【0011】
また、外部からの干渉を無くすために、非磁性棟は道路から一定距離以上離隔されていなければならないなどの空間的な制約がある。
【0012】
従って、非磁性棟でない場所では、外部磁場だけでなく、磁性を有する周囲環境(例えば、家電製品、鉄骨建物などが挙げられる)によって磁気擾乱が発生しやすいという欠点がある。
【0013】
また、軟磁性体(soft magnetic material)の場合、周囲のこのような磁性を有する電子製品、鉄骨構造などの影響を受けやすいため、高精度の測定が困難であるという欠点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上記のような従来技術の問題点を解消するために、本発明は、地球磁場によるバイアス効果を除去するだけでなく、家電製品、鉄骨建物などの磁性による外部磁気擾乱を最小化することができる装置を提供することをその目的とする。
【0015】
また、本発明は、外部磁気擾乱を最小化して、磁性材料(特に、軟磁性体)の磁場下でのヤング率の変化量を高精度に測定することができる装置を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の課題を解決するために、本発明によると、外部磁気擾乱を最小化した△E測定装置が提供される。この△E測定装置は、x、y、z軸方向に配列され、地球磁場を除去する3軸ヘルムホルツコイルと、前記ヘルムホルツコイル内の一軸に設けられ、前記3軸ヘルムホルツコイルに形成された磁場を測定する3軸磁気センサと、測定された磁場に応じて、前記3軸ヘルムホルツコイルに前記測定された磁場を相殺させる相殺電流を供給する第2電源供給部と、前記3軸ヘルムホルツコイル内に挿入及び設置された3次コイルと、前記3次コイル内に挿入及び設置された2次コイルと、前記2次コイル内に挿入及び設置され、被試験体である試験片が挿入及び設置される1次コイルと、前記2次コイルに交流電流信号を印加する信号発生器と、前記3次コイルに直流電流信号を印加する第1電源供給部と、前記1次コイルで発生する磁気音響共鳴周波数を測定する信号測定部と、前記磁気音響共鳴周波数を用いてヤング率を計算し、前記第2電源供給部に前記相殺電流を供給するように命令する計算手段と、を含む。
【0017】
ここで、前記2次コイルに交流電流信号を信号発生器を用いて印加し、信号の周波数を増加させながら磁気音響共鳴信号を測定する前記1次コイルでの出力信号を、信号発生器の信号を参照信号として測定すると、特定周波数で図7のような磁気音響共鳴信号を測定してヤング率を計算することができる。
【0018】
この際、前記ヤング率は、下記の数式により算出されることができる。
【0019】
E=4lfrρ
(ここで、E:磁気音響共鳴周波数(f)に依存したヤング率、l:試験片の長さ、f:磁気音響共鳴周波数、ρ:密度)
【0020】
第1電源供給部は、前記3次コイルに印加される電流を段階的に増加させて前記試験片に加えられる磁場を変化させ、前記第2電源供給部は、直流及び交流電流信号の両方を供給することができる。
【0021】
また、前記計算手段は、前記3軸磁気センサ、第1電源供給部、第2電源供給部、信号発生器、信号測定部のうち少なくとも何れか一つと信号を送受するためのアナログ-デジタル変換手段を含むことができる。
【0022】
ここで、前記3軸ヘルムホルツコイルの各軸のコイルは二つの同軸コイルで構成され、前記二つの同軸コイルは前記同軸コイルの半径だけ離隔されて位置することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によると、3軸ヘルムホルツコイルを用いて外部磁気擾乱を最小化する空間を提供し、磁気音響共鳴(megneto-acoustic resonance)方式を用いてヤング率を測定して、磁場下でのヤング率の変化を測定することができる複数のコイル構造を有するヤング率及び△E測定装置を前記空間に挿入することにより、外部磁気擾乱を最小化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】従来技術による地球磁場相殺装置の構成図である。
【図2】本発明の一実施例による△E効果測定装置の構成図である。
【図3】図2に図示された信号測定部の構成図である。
【図4】図2の△E効果測定装置において、ヘルムホルツコイル内に磁場がほぼ一定に維持されることを示すグラフである。
【図5】磁性材料が磁場に露出される場合に大きさが変化する状態を示す状態図である。
【図6】磁性材料と非磁性材料の応力-歪みの曲線を比較して示すグラフである。
【図7】本発明の一実施例による磁気音響効果を用いて発生した磁気音響共鳴周波数のグラフである。
【図8】本発明の一実施例による磁場の変化によるヤング率の変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面を参照して本発明の一実施例を詳細に説明する。
【0026】
韓国の場合、地表面で地球磁場の大きさは約0.5G(Gauss)である。低い保磁力及び高い透磁率を有する磁性材料(例えば、非晶質材料)は、このような地球磁場によっても相当な磁化がなされる。その他にも、磁性材料(特に軟磁性体(soft magnetic material))は、磁性のある外部環境の影響も受ける。
【0027】
図5は、磁気歪の例を示しており、i)は温度がキュリー温度より高い場合(T>Tc)であり、磁区(magnetic domain)が任意(random)の方向に配列されることを示す。
【0028】
図5のii)は、磁性体の温度がキュリー温度(Tc)より低く、外部に磁場がない場合、磁性体の自発磁化によって磁区(magnetic domain)が理想的に配列されることを示す。
【0029】
図5のiii)は、磁性体の温度がキュリー温度(Tc)より低く、磁性体が自発磁化された方向に垂直に外部から磁場が印加された場合、印加された外部磁場方向に磁区が配列されて磁気歪(△L2)が生じることを示す。これは、磁性体に外部からの物理的な応力(stress)が加えられなくても、歪み(strain)が生じるということを意味する。
【0030】
図6は磁性材料(磁性体ともいう)と非磁性材料(非磁性体ともいう)の磁場下での応力−歪みの曲線を比較して示すグラフである。
【0031】
図6には、非磁性材料或いは磁気的に飽和された(saturated)磁性体に対する曲線600と、消磁された(demagnetized)磁性材料に対する曲線611が図示されている。消磁された磁性体の場合が、非磁性体或いは飽和された磁性体の場合より、同じ応力でより多くの歪みが誘導されることが分かる。これは、磁性体の場合、上述のように磁気歪が追加されたためである。磁性材料の曲線610、611は次のように区分されることができる。
【0032】
(a)強い異方性の磁性材料611
(b)弱い異方性の磁性材料610
【0033】
即ち、勾配が(a)>(b)となるが、これは、強い異方性の磁性材料により強い異方性が作用するためである。
【0034】
上記の図6に図示されたグラフに基づいてヤング率Eとヤング率の変化△Eを計算すると、下記の式で表することができる。
【0035】
[数1]

【0036】
ここで、Eは消磁された状態でのヤング率であり、εelは磁性に関わらず如何なる材料でも発生する弾性変形率であり、εmeは印加応力による磁区ベクトル(magnetic domain vector)の再配列に起因した値を示す磁気弾性歪であり、σは応力である。
【0037】
[数2]

【0038】
ここで、Eは飽和された状態でのヤング率、或いは非磁性体のヤング率である。
【0039】
数式1と数式2から、下記の式が導き出される。
【0040】
[数3]

【0041】
△E/Eeffの値の例として、ニッケル(Ni)の場合は約6%であり、鉄の場合は1%より小さい。
【0042】
従って、図6と上記の数式1〜数式3を参照すると、△Eは、消磁された磁性材料と飽和された磁性材料の応力−歪みの曲線において初期勾配の差である。
【0043】
上述したように、磁性材料を高精度に測定するためには、地球磁場と外部磁場を除去して△E効果を測定しなければならない。
【0044】
このような△E効果測定装置の構成を図2に図示する。
【0045】
即ち、図2は本発明の一実施例による△E効果測定装置の構成図である。図面を参照すると、△E効果測定装置には、3軸ヘルムホルツコイル271、272、273、この3軸ヘルムホルツコイルに挿入される△E測定コイル280、ヘルムホルツコイルの内部の3軸磁気センサから出力される信号を測定するための3軸磁気センサ230、△E測定コイルに挿入される測定材料である試験片290からの信号を測定する信号測定部240、△E測定コイルに信号を提供する信号発生器250及び第1電源供給部260、3軸ヘルムホルツコイルに信号を提供する第2電源供給部270、測定部から出力される信号を受信し、供給部に信号を伝達するための多機能DAQボード(Multi-functional DAQ board)210が内蔵されたコンピュータ200などが含まれる。これら構成要素について説明すると、次のとおりである。
【0046】
3軸ヘルムホルツコイル271、272、273は、x軸コイル271−271´、y軸コイル273−273´、z軸コイル272−272´などで構成される。ここで、y軸コイル273´は図示されていない。ヘルムホルツコイルの場合、二つの同軸コイルをその半径だけ互いに離隔して位置させることにより、その間の磁場をほぼ一定にする。これを図4に図示する。
【0047】
また、3軸ヘルムホルツコイル271、272、273の内部での磁場を測定するためには、3軸磁気センサ230が3軸ヘルムホルツコイル271、272、273の中央に備えられる。3軸磁気センサ230は、3軸(x, y, z)ヘルムホルツコイル271、272、273の内部の磁場を測定する機能をする。この3軸磁気センサ230は、磁場の強度を測定して、これをDAQボード210を介してコンピュータ200に伝送する。
【0048】
従って、ヘルムホルツコイルの中央の磁場強度を3軸磁気センサ230で測定した後、ヘルムホルツコイルの中央の磁場と大きさが同じで方向が反対である磁場が生成されるように、多機能DAQボード210から第2電源供給部270に信号を伝送し、第2電源供給部はこの信号を電流に変換して3軸ヘルムホルツコイルに印加する。これにより、ヘルムホルツコイルの内部では外部磁気擾乱が相殺され、磁場値が「0」となる。より容易な理解のために、x軸コイルのみを例として説明する。
【0049】
(1)まず、x軸コイル271、271´のコイル内の磁場を測定する。
【0050】
(2)もし、測定された磁場が「0」でないと、第2電源供給部270はx軸コイル271、271´に電流を印加する。この際、電流は、上記の(1)で測定された磁場と大きさが同じで方向が反対となるように、方向と強度が調節される。勿論、これら調節値はコンピュータ200により計算され、DAQ(Data Acquisition)ボード210を介して第2電源供給部270に伝送される。第2電源供給部270は、これを電流に変換してx軸コイル271、271´に流す。
【0051】
(3)さらに、x軸コイル271、271´のコイル内の磁場を測定する。
【0052】
(4)測定された磁場が「0」となると、これは外部磁気擾乱が相殺されたことを意味する。
【0053】
上記の(1)〜(4)の過程を、残りのy、z軸コイル272、273にも同様に適用すると、3軸空間の磁気擾乱が相殺される。
【0054】
図2について引き続き説明すると、この3軸ヘルムホルツコイル271、272、273内に△E測定コイル280が挿入及び設置される。この△E測定コイル280は、三つのコイル280a、280b、280c、即ち、磁気音響共鳴信号検出コイル280a、周波数可変交流磁場印加コイル280b及び可変直流磁場印加コイル280cで構成される。
【0055】
△E測定コイル280内の磁気音響共鳴信号検出コイル280a内に、被試験体である試験片290が挿入及び設置される。この試験片290は磁性材料であり、ワイヤ、厚膜などであることができる。
【0056】
第1電源供給部260は、可変直流磁場印加コイル280cにDC電流を印加する。
【0057】
信号発生器250は、周波数可変交流磁場印加コイル280bにAC電流信号を印加する役割をする。即ち、信号発生器250は、50Hz〜3MHzの周波数を有するサイン波信号を発生させることができる。また、微細な磁場のみを発生させればよいため、電力増幅器は用いなかった。
【0058】
信号測定部240は、磁気音響共鳴信号検出コイル280aで検出された磁気音響共鳴信号を測定する役割をする。この信号測定部240は、ロックイン増幅器(Lock-In Amplifier)であり、磁気音響共鳴信号検出コイル280aで発生した信号と基準信号(ref)の周波数を互いに比較することによりノイズを除去し、所望の信号のみを測定する。この信号測定部240の構成図を図3に図示する。これについての説明は、本発明の明確な理解のために後述する。
【0059】
周波数可変交流磁場印加コイル280bは信号発生器250に連結され、交流信号を受信するため、コイル280a内に交流磁場が生成される。これにより、試験片290も磁気弾性効果(magneto elastic effect)によって長さが伸び縮みを微細に繰り返すようになり、特定周波数で共鳴する。このような共鳴は、磁気音響共鳴信号検出コイル280aで磁気音響共鳴信号として測定される。これを図7に図示する。
【0060】
磁気音響共鳴信号検出コイル280aで測定された磁気音響共鳴周波数700と信号を、信号測定部240を用いて多機能DAQボード210で受信できる信号に調節した後、多機能DAQボード210に伝送する。前記多機能DAQボード210は、受信された信号をデジタルに処理して、処理された信号をコンピュータ200に伝送する。
【0061】
この際、この磁気音響共鳴周波数700を用いてヤング率を計算することができ、下記の式で表することができる。
【0062】
[数4]
E=4lfrρ
【0063】
ここで、Eは磁気音響共鳴周波数(f)に依存したヤング率、lは試験片の長さ、fは磁気音響共鳴周波数、ρは密度である。
【0064】
ヤング率Eが算出されると、△Eを測定することができる。△Eは、上述したように、可変直流磁場印加コイル280cに印加されるDC電流信号を調節して測定することができる。即ち、より詳細に説明すると、図3において第1電源供給部260が可変直流磁場印加コイル280cにDC信号を段階的に増加させると、磁気歪が発生して歪みが増加し、結果的に磁気音響共鳴信号検出コイル280aで測定される磁気音響共鳴周波数が変わり、数式4によって計算されるヤング率も変化する。従って、数式4によって最初に計算されたヤング率Eと現在のヤング率Eとの差を計算すると、△Eが算出される。
【0065】
即ち、磁場が変わるとヤング率も変化する。これをグラフで示した例が図8である。
【0066】
図8のグラフにおいて、力率(弾性係数E)の単位はGPa(ギガパスカル)またはkg/mmである。1Pa=9.87*e−6atm=1.02*e−5kgf/cmである。磁場の単位はOeである。1Oe=79.58A/mである。
【0067】
次に、図3に図示された信号測定部240について説明する。この信号測定部240は、信号チャンネル部400、PSD部410、基準チャンネル部420で構成される。信号チャンネル部400は、磁気音響共鳴信号検出コイル280aからの信号入力である磁気音響共鳴周波数信号をフィルタリングしてノイズを除去する。基準チャンネル部420は、PLL(Phase-Locked Loop)と位相シフタを備え、入力された基準信号(ref)を変更させる。
【0068】
PSD(Phase Sensitive Detector)部410は、フィルタリングされた磁気音響共鳴周波数信号と位相変位された基準信号の位相差によって出力信号を生成し、これをDAQ(図2の210)を介してコンピュータ200に伝送する。
【0069】
以上、添付図面を参照して本発明の好ましい一実施例について説明したが、本発明の権利範囲はこのような実施例に限定されず、様々な変形例がありえるということは、当業者であれば理解するであろう。従って、本発明の範囲は添付の請求範囲とその均等物によって決まるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
x、y、z軸方向に配列され、地球磁場を除去する3軸ヘルムホルツコイルと、
前記ヘルムホルツコイル内の中央に設けられ、前記3軸ヘルムホルツコイル内に形成された磁場を測定する3軸磁気センサと、
測定された磁場に応じて、前記3軸ヘルムホルツコイルに前記測定された磁場を相殺させる相殺電流を供給する第2電源供給部と、
前記3軸ヘルムホルツコイル内に挿入及び設置された可変直流磁場印加コイルと、
前記可変直流磁場印加コイル内に挿入及び設置された周波数可変交流磁場印加コイルと、
前記周波数可変交流磁場印加コイル内に挿入及び設置され、被試験体である試験片が挿入及び設置される磁気音響共鳴信号検出コイルと、
前記周波数可変交流磁場印加コイルに交流電流信号を印加する信号発生器と、
前記可変直流磁場印加コイルに直流電流信号を印加する第1電源供給部と、
前記磁気音響共鳴信号検出コイルで検出される磁気音響共鳴周波数を測定する信号測定部と、
前記磁気音響共鳴周波数を用いてヤング率を計算し、前記第2電源供給部に前記相殺電流を供給するように命令する計算手段と、を含む外部磁気擾乱を最小化した△E測定装置。
【請求項2】
前記第1電源供給部は、前記可変直流磁場印加コイルに直流電流を段階的に増加させて前記試験片に加えられる磁場を変化させ、
前記第2電源供給部は、直流及び交流電流信号の両方を供給する、請求項1に記載の外部磁気擾乱を最小化した△E測定装置。
【請求項3】
前記ヤング率を下記の数式により算出する、請求項1または2に記載の外部磁気擾乱を最小化した△E測定装置。
E=4lfrρ
(ここで、E:磁気音響共鳴周波数(f)に依存したヤング率、l:試験片の長さ、f:磁気音響共鳴周波数、ρ:密度)
【請求項4】
前記計算手段は、前記3軸磁気センサ、第1電源供給部、第2電源供給部、信号発生器、信号測定部のうち少なくとも何れか一つと信号を送受するためのアナログ-デジタル変換手段を含む、請求項1または2に記載の外部磁気擾乱を最小化した△E測定装置。
【請求項5】
前記3軸ヘルムホルツコイルの各軸のコイルは二つの同軸コイルで構成され、前記二つの同軸コイルは前記同軸コイルの半径だけ離隔されて位置される、請求項1または2に記載の外部磁気擾乱を最小化した△E測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−513121(P2013−513121A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543008(P2012−543008)
【出願日】平成22年11月3日(2010.11.3)
【国際出願番号】PCT/KR2010/007708
【国際公開番号】WO2011/071244
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(595027240)コリア リサーチ インスティチュート オブ スタンダーズ アンド サイエンス (19)
【Fターム(参考)】