説明

外部電極を有する発光手段を具備する背面照明付きディスプレー

【課題】従来の技術の欠点を回避し、所望の要求を高い程度に満たす背面照明付きディスプレーを提供すること。
【解決手段】携帯電話、自動車、テレビ、コンピュータ、家庭およびカメラ用の背面照明付きディスプレー、特にフラット・ディスプレー(1)であって、ガラス中空体を有しかつ外部電極を持つ少なくとも1つの発光手段(3)を具備するディスプレーにおいて、発光手段(3)のガラス中空体のためのガラス組成は、損失角(tanδ)および誘電率(ε’)から算出される商に、tanδ/ε’<5×10−4が適用されるように、選択されることを特徴とするディスプレー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部電極を有する少なくとも1つの発光手段、例えば蛍光ランプ、特にEEFL(エクスターナル・エレクトロード・フルオロスセント・ランプ)を具備する、背面照明付きディスプレーに関する。
【背景技術】
【0002】
フラットなディスプレー表示装置は、益々大きな役割を果たす。通常は白色の背面照明によって、自己発光型のディスプレーが実現される。この背面照明がガス放電ランプによって実行されることが好ましい。
【0003】
ディスプレーにおける背面照明に関しては、ガラスへのおよびガラスの特性への全く特別な要求がなされる。例えば、使用される発光手段は、非常に小さな寸法、従って、極めて少ない厚みを有し、紫外線吸収特性を有するほうがよい。照射された高周波数エネルギは、ランプガラスによって、吸収されないか、ほんの僅かしか吸収されないほうがよい。その目的は、例えば、蛍光ランプに閉じ込められた発光ガスを発光させるためである。このことは、従来は、ガラスが、誘電率の極めて僅かな虚数部分、誘電率のできる限り高い実数部分および極めて僅かな誘電損失角tanδを有することを前提とした。この場合、誘電損失角は、励起された誘電性の交番磁界においてガラスによって吸収されかつ損失熱に変換されたエネルギの尺度として用いられる。
【0004】
従来の技術では、背面照明用の、外部電極を有する蛍光ランプ(EEFL)が、例えば特許文献1および特許文献2に記載されている。しかし、この場合、効率のよいガス放電を全然可能にしない誘電特性を有し、かつ、電圧および温度の発生の際に、余りにも僅かな耐絶縁破壊性(高電圧の際の絶縁破壊を意味するいわゆるピンホール・バーニング)を有するガラスが用いられる。
【0005】
特許文献3および特許文献4は、外部電極を有する蛍光ランプを製造するための容器を記載する。用いられたガラスは、40kHzおよび250℃で0.02を越えないtanδを有する比較的低い誘電電力損失(Verlustleistung)を有する。
【0006】
特許文献5および特許文献6は、高い誘電率および比較的低い誘電性のtanδを有するガラスであって、上記のアルカリ含有量が高く、LiO,NaOおよびKOからなる合計が4.5〜25重量%であるガラスを開示する。効率のよい蛍光ランプに関する誘電損失はまだ余りにも高い。
【0007】
従って、効率の高い発光ユニットを有するディスプレーを開発する必要がある。外部電極を有する従来ある蛍光ランプ(EEFL)は、特に交流電圧による作動の際に10kHzと100kHzの間の範囲で電流に関する重要な導電性を有する小型のガラス管を用いる。このことによって、このような蛍光ランプの全効率は著しく損なわれ、例えばCCFL(コールドカソード・フルオロレセント・ランプ)に対するEEFLの利点、すなわち、本来的に容易な起動性(Ansteuerbarkeit)およびより容易な製造は、大部分、効率損失によって相殺される。
【特許文献1】韓国特許公開第1020030080915A号
【特許文献2】韓国特許公開第1020020071685A号
【特許文献3】特開2005−093422号公報
【特許文献4】国際公開第2005/015606A1号
【特許文献5】特開2002−338296号公報
【特許文献6】国際公開第02/072492A1号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の課題は、従来の技術の欠点を回避し、所望の要求を高い程度に満たす背面照明付きディスプレーを提供することである。特に、この目的のためには、外部電極を有する発光手段、例えば蛍光ランプが使用されることが意図される。これらの発光手段は、外からの誘導によって発光され得、環状のランプガラスを通って延びている金属ワイヤまたは電極を必要とする。この場合、できる限り少なく入射された高周波数エネルギが吸収されるように、改質かつ最適化され得る特性を有するガラスが使用される。すなわち、発光手段のランプガラスの全電力損失は、最小程度に減少されるほうがよい。更に、ガラス組成物が、紫外線を吸収する良好な特性を有することが意図される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の課題は、本発明により、背面照明付きディスプレーによって解決される。背面照明は、外部電極を介して電気が供給される、外部電極を有する発光手段によって、特に、効率の高いガス放電管によって実現される。この場合、外部電極を有する少なくとも1つの発光手段のガラス中空体のためのガラス組成物が用いられ、ここで、損失角および誘電率から算出される商は、tanδ/ε’<5×10−4、好ましくは<4×10−4、および<3×10−4、全く特に好ましくは<2×10および<1.5×10−4である。全く特に好ましい態様はtanδ/ε’<1×10−4の商を有する。特に、商は、<0.7×10−4および<0.5×10−4に調整され得る。
【0010】
tanδの値は、10−4の値で記述することができる。このとき、このことから、商に対して、tanδ[10−4]/ε’<5が生じる。
【0011】
tanδに関する値は、絶対値としても記されていることができる。このとき、このことから、商について、tanδ/ε’<5×10−4が生じる。
【0012】
数の例としては、tanδ=0.001すなわちtanδ[10−4]=10およびε’=4であると仮定すると、
この場合、商はtanδ[10−4]/ε’=10:4=2.5すなわちtanδ/ε’=0.001:4=2.5×10−4となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
従って、本発明は、外部電極を有する発光手段のガラス中空体のためのガラスが、できる限り僅かな電力損失Ploss従ってまたできる限り高い効率が維持されるように、選択される背面照明付きディスプレーに関する。損失角tanδと誘電率ε’から算出される商は所定の上限に達してはならない。この場合、ガス放電は、外から発光され、ガラスは、コンデンサ内の誘電体として機能する。閉じられたガラス管の端面に平面状の電極を有する簡単な幾何学的形状に関して、電力損失(以下、PVerlustまたはPlossと呼ぶ)は、
【化2】

【0014】
(但し、ωは角周波数、tanδは損失角、ε’は誘電率、dはコンデンサの厚さ(ここでは、ガラスの厚さ)、Aは電極面積、lは電流の強さ、εは影響係数=8.8542 10−12As/(Vm))によって、ほぼ記述される。
【0015】
従って、所定の範囲で商tanδ/ε’を調整することによって、ガラス特性に適切に影響を及ぼし、このことによって、発光手段の全電力損失を最小限に減じることができる。驚くべきことには、本発明では、選択されたガラス組成物を極めて安価な方法でディスプレー用の背面照明として用いることによって、所望の要求に応じることができる。驚くべきことには、上記の式を満たすガラスが、蛍光ランプでの使用のために非常に良く適しており、この式では、損失角および誘電率から算出される商が5×10−4を下回ることが明らかになる。
【0016】
外部の電極を有する発光手段、例えばEEFL蛍光ランプを、背面照明のために用いるためには、商は、<5×10−4、好ましくは<4.5×10−4、特に好ましくは<4.0×10−4、特に<3×10−4、一層好ましくは<2.5×10−4である。良好な特性は、0.75×10−4〜2.5×10−4の範囲で達成される。更に、商が<1.0×10−4、特に<0.75×10−4であることは全く特に好ましい。
【0017】
上記商を、例えば、ガラス中空体のガラス組成物中に、特にケイ酸ガラスに、適切に調整することができるのは、高偏光性の複数の元素を、酸化物の形で、ガラスマトリックスに組み込むことによってである。これらは、例えば、Ba,Hf,Ta,W,Re,Os,Ir,Pt,Pb,Bi,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,YbおよびLuの酸化物である。
【0018】
本発明では、ディスプレーに設けられた発光手段のガラス中空体のために、比較的高い誘電率(比誘電率DZ)を有するガラスが用いられることが好ましい。この場合、比誘電率は、100kHzおよび25℃の温度では、好ましくは>3および>4であり、特に3.5〜4.5の範囲にあり、より好ましくは>5および>6であり、全く特に好ましくは>8である。本発明では、ガラス中空体のためには、高い分極率すなわち誘電率ε’>5を有するガラスを用いることが特に好ましい。
【0019】
誘電損失係数tanδは、最大限120であることが好ましく、100より少ないことが好ましい。損失係数は、80より下であることが特に好ましく、50より下のおよび30より下の値は特に適切である。15より下の値、特に、1〜15の範囲は全く特に好ましい。不純物の程度および製造方法に応じて、tanδ値は変化することがある。しかし、損失角tanδおよび比誘電率ε’の個別値を別々にできる限り低く調整することが重要ではなくて、2つの値を互いに関連付けることが重要である。実際、2つのパラメータから算出される商は臨界量である。この臨界量を用いて、ガラス材料特性の調整が可能である。
【0020】
外部電極を有する発光手段、例えばEEFLのガラス中空体のための、本発明に係わるディスプレーに、tanδ/ε’<5×10−4が適用されるガラスを選択することが好ましい。使用周波数は5〜200kHz、好ましくは10〜150kHz、特に好ましくは20〜100kHzの範囲にある。
【0021】
このような周波数を調整するために、本発明では、外部電極を有する発光手段、特にEEFLを交流電圧で起動するための手段を設けることが好ましい。但し、5〜200kHz、好ましくは10〜150kHz、特に好ましくは20〜100kHzの周波数範囲(すなわち、共鳴の際にシステム内で機械的な共振を励起するときに、耳に聞こえる周波数の範囲外である)における、0.5〜10kV、特に好ましくは0.8〜6kVの交流電圧を用いることが好ましい。発光手段を起動するための手段は、例えば、正弦形の信号のためにデザインされているが、矩形の信号も好ましい。この手段は、所望の電圧および信号の形を発生させる電子式の起動ユニットであることが特に好ましい。更に、電子式の起動ユニットは、電流制限器を有することが有利である。
【0022】
他の好ましい態様では、発光手段のガラス中空体のために、低い導電性を有するガラス、特に、tanδ<20×10−4、特に好ましくはtanδ<1×10−4を有するガラスが用いられる。ガラス組成物は、アルカリイオンの僅かな濃度しか含有しないことが全く特に好ましい。特に、LiO、NaOおよびKOの合計が4.5重量%より下にあり、好ましくは4.5重量%より著しく下にある。
【0023】
更に、ガラス中空体のためには、紫外線遮断が望ましく調整されたガラスが用いられる。例えば、ガラス内での紫外線遮断は、希土類イオンまたは遷移金属イオンをガラス組成物に含めることによって、調整され得る。このためには、例えば以下の元素が適切である。すなわち、Ti,Ce,W,Nb,Bi,Yb,Feおよび/またはNiである。
【0024】
しかしまた、紫外線遮断は、ガラス中空体の内層または外層の形で調整され得る。TiOからなる内層または外層は特に適切である。
【0025】
本発明に係わる他の変形態様は、希土類イオンがドープされた固体粉末からなる蛍光層を有し、紫外線光または青色光を全体的に白色の光に変換するための、ガラス中空体の可能な内層に関する。この固体粉末は、例としては、例えばCe,Eu,Tm,Tbおよび/またはGdがドープされたYAG粉末である。
【0026】
しかしまた、紫外線光または青色光を全体的に白色の光へ変換するために、蛍光性の希土類イオンおよび/または遷移金属イオンによるガラスへの不純物のドープがなされ得る。希土類イオンは、例えば、Ce,Eu,Tm,Tbおよび/またはGdから選択される。
【0027】
外部電極を有する、本発明で用いられる1つまたは複数の発光手段としては、この目的として当業者に知られたいずれの発光手段も用いることができる。外部電極を有する発光手段が、ガス放電ランプのような放電ランプ、特に低圧放電ランプであることが好ましい。低圧ランプの場合、離散的な紫外線が、蛍光層によって、部分的に可視に変換され得る。従って、発光手段は、蛍光ランプ、特にEEFLランプであり、全く特に好ましくは、小型化された蛍光ランプであってもよい。
【0028】
発光手段の横断面は任意であり、ディスプレーの立体的な実状に適合されている。丸い、卵形の、矩形のおよび/または平面状の、矩形の横断面は好ましい(例えばオスラム社のプラノン(登録商標))。発光手段は、すべて、同一の横断面を有してもよく、あるいは、異なった横断面形状が組み合わされてもよい。本発明に係わるディスプレーのための背面照明として、平らな矩形の横断面を有する、外部電極を持った1つまたは複数の発光手段、例えば、EEFLが設けられていることは全く特に好ましい。
【0029】
「ディスプレー」は、本発明では、あらゆる電子式の表示装置を意味する。全種類の受像面もディスプレーに当て嵌まる。
【0030】
本発明で用いられるディスプレーの大きさは、本発明の枠内に特に限定されない。50×50mm〜4×5mの範囲にあるディスプレーの大きさが用いられることが好ましい。
【0031】
どの当業者にも知られたディスプレーが本発明では用いられる。例えば、これは、好ましくは構造化されたガラス板、液晶層、偏光ユニットならびにディスプレー用の他のガラス板を有するディスプレーであってもよい。
【0032】
通常は、ディスプレーは配光ユニットを有する。配光ユニットは本発明の枠内に特に限定されない。例えば、ディフューザすなわちディフューザ・プレートまたはディフューザ・ディスクあるいは光ガイド型のまたは光伝送型のプレートまたはディスク、例えば、LGP(ライト・ガイド・プレート)を用いることができる。しかし、配光ユニットが、本発明では、散乱中心を有するポリマー、ガラス、相分離されたガラスまたはガラスセラミックを有することが好ましい。最適な均質な配光のための不均質に分配された散乱中心があることが特に好ましい。このように不均質に分配された散乱中心は、例えば、温度勾配において結晶化されたガラスセラミックによって、調整され得る。
【0033】
他の態様では、配光ユニットは、光の波長のオーダーのrms値を有する、構造化された表面または所定の表面の粗さを有し、但し、20nm<rms<100.000nmが好ましく、10nm<rms<10000nmが特に好ましい。rms値は、平均値からの表面の標準差を意味する。
【0034】
本発明に係わるディスプレーに設けられた配光ユニットは、中空体として形成されていてもよい。この中空体の壁部は反射によって光を導き、中空体からは、光が、表面の粗さによって分散される(auskoppeln)。
【0035】
ガラス中空体におけるコンタクトの材料は、特に限定されない。コンタクトが、a)例えば、Cu,Al,Ag等からなる、金属または薄板、b)金属または金属含有の導電性の物質からなる浸漬層、c)導電ラッカー、例えば銀含有の導電ラッカーまたはd)金属接着テープのような導電性の接着テープから選択される。
【0036】
更に、発光手段における温度管理のためには、特に、発光手段の受動冷却のために、冷却薄板を設けることができる。能動冷却のためには、通風機および/または液体冷却を設けることが一般である。
【0037】
発光手段および配光ユニットの構造および設置は、本発明に係わるディスプレーに特に限定されない。以下、本発明に係わる複数の変形態様を記述する。しかし、本発明に係わる教示は限定されない。
【0038】
第1の変形態様では、外部電極を有する少なくとも2つの発光手段が好ましくは互いに平行に設けられており、好ましくは、ベースプレートまたは支持プレートと、カバープレートまたはサブストレート・プレートあるいはカバーディスクまたはサブストレート・ディスクとの間にある。この場合、支持プレートには、1つまたは複数の窪みまたは中空空間が設けられていることは適切である。これらの窪みまたは中空空間には、1つまたは複数の発光手段が格納されている。1つの窪みが夫々1つの発光手段を有することが好ましい。1つまたは複数の発光手段の放射される光は、ディスプレーまたはスクリーンに反射される。
【0039】
この変形態様に示す反射型の支持プレートに、すなわち、特に、1つまたは複数の窪みには、反射層が付着されていることは好都合である。この反射層は、発光手段によって支持プレートの方向に放射された光を、一種の反射器として均等に散乱させ、かくて、ディスプレーまたは受像スクリーンの均等な照射を引き起こす。
【0040】
サブストレート・プレートまたはカバープレートあるいはサブストレート・ディスクまたはカバーディスクとしては、任意の、この目的のために通常のプレートまたはディスクが用いられてもよい。プレートまたはディスクは、システムの構造および適用目的に従って、配光ユニットとしてまたは単にカバーとして機能する。従って、サブストレート・プレートまたはカバープレートあるいはサブストレート・ディスクまたはカバーディスクは、例えば、不透明なディフューザ・ディスクまたは清澄な透明なディスクであってもよい。
【0041】
本発明に係わる第1の変形態様に記載のこの装置が、例えばテレビ受像機の場合のように、かなり大きなディスプレーのために用いられることが好ましい。
【0042】
本発明の第2の変形態様では、発光手段は、本発明に係わるシステムに従って、例えば、配光ユニットの外側に設けられていてもよい。例えば、1つまたは複数の発光手段が、ディスプレーまたはスクリーンの外側に取着されることができ、このとき、光は、光ガイドとして用いられる光伝送型のプレート、いわゆるLPG(ライト・ガイド・プレート)によって、ディスプレーまたはスクリーンの上面に均等に分散される(auskoppeln)。このような光伝送型のプレートは、例えば、粗い表面を有する。この表面によって、光が分散される(auskoppeln)。
【0043】
本発明のシステムの第3の変形態様では、電極を有しないランプ装置、すなわち、いわゆるEEFL(エクスターナル・エレクトロード・フルオロスセント・ランプ)装置も用いられてもよい。EEFLランプに関しては、Cho G.他、J.Phys. D:Appl. Phys.第37巻(2004)、2863〜2867頁およびCho T.S.他、Jpn. J. Appl. Phys.第41巻(2002)、7518〜7521頁)を参照するよう指摘する。これらの文献の開示内容を全面的に本願に含める。
【0044】
本発明の、本発明に係わるこの第3の変形態様の、好ましい態様では、発光ユニットは、例えば、密閉された空間を有する。この空間は、上方では、好ましくは構造化されたディスクによって、下方では、支持ディスクによって、側面では、壁部によって区画される。例えば、蛍光ランプのような発光手段は、ユニットの側方にある。この密閉された空間は、例えば、更に、個々の放射空間に区分されていてよい。これらの放射空間は、例えば所定の厚みで支持ディスクに付着されている放電発光材料を有することができる。カバープレートまたはカバーディスクとして、再度、システムの構造に応じて、不透明なディフューザ・ディスクまたは清澄な透明なディスク等を用いることができる。
【0045】
この変形態様に基づく、本発明に係わるバックライト装置は、例えば、電極を有しないガス放電ランプである。すなわち、ブッシングはなくて、外部の電極のみがある。
【0046】
外部電極を有する発光手段のガラス中空体が、Hgガス、希ガス、特にXeガスまたはこれらのガスの混合物から選択されるガスの充填物を有することが好ましい。
【0047】
本発明係わるディスプレーに用いられる発光手段は高圧ランプであるとき、圧力を加えられた充填ガスは、連続的なスペクトルが発生するように、あるいは、Hgガスおよび/またはXeガスが充填ガスとして含まれているときに、Hg線スペクトルおよび/またはXe線スペクトルの、外部電極によって起動され得る追加の強い衝撃伝播が存するように、高温になる。
【0048】
発光手段のガラス中空体のガラスは、損失角tanδおよび比誘電率ε’から算出される商の上記前提を満たすガラス組成物を含み、あるいはそのガラス組成物からなる。これらのガラスを実質的に含みまたはこれらのガラスからなるガラス中空体を有する、1つのまたは複数の個々の特に小型化された発光手段を用いることが好ましい。
【0049】
本発明に係わるディスプレーでは、外部電極を有する発光手段、例えばEEFL放電ランプのための、ガラス中空体のガラスが、以下の組成物、すなわち、
SiO 55〜85重量%
>0〜35重量%
Al 0〜25重量%
好ましくは 0〜20重量%
LiO <1.0重量%
NaO <3.0重量%
O <5.0重量%、但し、
ΣLiO+NaO+KOは <5.0重量%であり、
MgO 0〜8重量%
CaO 0〜20重量%
SrO 0〜20重量%
BaO 0〜80重量%、特に
BaO 0〜60重量%、但し、
TiO 0〜10重量%
好ましくは >0.5〜10重量%であり、
ZrO 0〜3重量%
CeO 0〜10重量%
Fe 0〜3重量%
好ましくは 0〜1重量%
WO 0〜3重量%
Bi 0〜80重量%
MoO 0〜3重量%
SnO 0〜2重量%
ZnO 0〜15重量%
好ましくは 0〜5重量%
PbO 0〜70重量%、但し、
ΣAl+B+BaO+PbO+Biは10〜80重量%であり、Hf,Ta,W,Re,Os,Ir,Pt,La,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Ybおよび/またはLuは、酸化物の形で、0〜80重量%の含量で存在しており、
ならびに通常の濃度の清澄剤を有する組成物を含むことが好ましい。
【0050】
本発明に係わるガラス組成物の他の特に好ましい態様は、以下の通りである。
【0051】
SiO 55〜85重量%
>0〜35重量%
Al 0〜20重量%
LiO <0.5重量%
NaO <0.5重量%
O <0.5重量%、但し、
ΣLiO+NaO+KOは <1.0重量%であり、
MgO 0〜8重量%
CaO 0〜20重量%
SrO 0〜20重量%
BaO 15〜60重量%、特に
BaO 20〜35重量%、但し、
ΣMgO+CaO+SrO+BaOは 15〜70重量%、
特に、 20〜40重量%であり、
TiO 0〜10重量%
好ましくは >0.5〜10重量%であり、
ZrO 0〜3重量%
CeO 0〜10重量%
好ましくは 0〜1重量%
Fe 0〜1重量%
WO 0〜3重量%
Bi 0〜80重量%
MoO 0〜3重量%
SnO 0〜2重量%
ZnO 0〜10重量%
好ましくは 0〜5重量%
PbO 0〜70重量%、但し、
ΣAl+B+BaO+PbO+Biは15〜80重量%であり、
ならびに通常の濃度の清澄剤。
【0052】
ガラスが、不可避的不純物を除いて、アルカリを含まないことは特に好ましい。
【0053】
従って、発光手段のガラス中空体のためには、本発明に係わるディスプレーへは、ホウケイ酸塩ガラスを用いることが特に好ましい。ホウケイ酸塩ガラスは、第1の成分として、SiOおよびBを、他の成分として例えばCaO,MgO,SrOおよびBaOのようなアルカリ土類酸化物および最適には例えばLiO,NaOおよびKOのようなアルカリ酸化物を含む。
【0054】
の5〜15重量%の含有量を有するホウケイ酸塩ガラスは、高い化学的安定性を示す。Bの15〜25重量%の含有量を有するホウケイ酸塩ガラスは、良好な加工性を示す。Bの25〜35重量%の含有量を有するホウケイ酸塩ガラスは、ランプガラスとしての使用の際に、特に僅かな誘電損率tanδを示す。このことによって、ホウケイ酸塩ガラスは、特に、ランプ電球の外側に取着される電極を有するランプへの、例えば、電極を有しないガス放電ランプへの本発明に係わる使用のためには、好都合である。
【0055】
本発明の第1の態様では、基礎ガラスは通常は少なくとも30重量%または少なくとも40重量%のSiOを含有し、少なくとも50重量%および好ましくは少なくとも55重量%が特に好適である。SiOの全く好ましい最小量は57重量%である。SiOの最高量は85重量%であり、特に75重量%であり、73重量%および特に最大限70重量%のSiOが全く特に好適である。更に、50〜70重量%および55〜65重量%の範囲は全く特に好ましい。非常に高いSiOの含有量を有するガラスは、僅かな誘電損率tanδを特徴とし、従って、商tanδ/ε’の考慮の際には、本発明で用いられる、外部電極を有する発光手段、例えば電極を有しない蛍光ランプのために適切である。
【0056】
は、本発明では、0重量%より多い量で、好ましくは0.2重量%より多い量で、好ましくは2重量%または4重量%または5重量%よりも多い量でおよび特に少なくとも10重量%または少なくとも15重量%の量で含有されており、少なくとも16重量%が特に好適である。Bの最高量は最大限35重量%であるが、最大限32重量%が好ましい。最大限30重量%は特に好ましい。
【0057】
ガラス中空体に用いられるガラスが、個々の場合にAlを有しなくてもよいにも拘わらず、通常は、Alを、0.1の、特に0.2重量%の最小量で含む。0.3重量%の最小量は好ましい。0.7、特に少なくとも1.0重量%の最小量は特に好ましい。Alの最大量は通常25重量%であり、最大限20重量%、特に15重量%は好ましい。14〜17重量%の範囲は全く特に好ましい。幾つかの場合、8重量%、特に5重量%の最大量が十分であることが明らかになった。
【0058】
アルカリ酸化物の合計が好ましくは<5重量%、好ましくは<1重量%である。ガラス組成物が、不可避の不純物を除いて、アルカリを有しないことが特に好ましい。LiOは好ましくは0〜5、特に<1.0重量%の量で、NaOは好ましくは0〜3,特に<3.0重量%の量でおよびKOは好ましくは0〜9、特に<5.0重量%の量で用いられる。夫々≦0.1重量%または≦0.2重量%および特に≦0.5重量%の最小量が好ましい。
【0059】
アルカリ土類酸化物MgO,CaOおよびSrOは、本発明では、夫々、0〜20重量%の量でおよび特に0〜8重量%または0〜5重量%の量で含有されている。個々のアルカリ土類酸化物の含有量は、CaOに関しては、最大限20重量%であるが、個々の場合には、18、特に最大限15重量%の最大量で十分である。幾つかの場合には、12重量%の最大含有量が十分であることが明らかになった。本発明に係わるガラスがカルシウム成分を有しないのにも拘わらず、本発明に係わるガラスは通常は少なくとも1重量%のCaOを含む。少なくとも2重量%、特に少なくとも3重量%の含有量は好ましい。実際に、4重量%の最小量が適切であることが明らかになった。MgOに関する下限は個々の場合に0重量%である。しかし、少なくとも1重量%および好ましくは少なくとも2重量%が好適である。ガラス中のMgOの最大量は8重量%であり、最大限7および特に最大限6重量%が好適である。SrOはガラス中には省略されてもよい。しかし、1重量%、特に少なくとも2重量%の量が含有されていることが好ましい。
【0060】
tanδおよびε’から算出される商を本発明に基づきできる限り小さく調整するために、ガラス中空体のガラス組成物は、高偏光性元素を、酸化物の形で、ガラスマトリックスに含む。酸化物の形の、このような高偏光性元素は、Ba,Cs,Hf,Ta,W,Re,Os,Ir,Pt,Pb,Bi,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Ybおよび/またはLuの酸化物からなる群から選択され得る。
【0061】
これらの酸化物の少なくとも1がガラス組成物に含有されていることが好ましい。これらの酸化物のうちの2つまたはそれより多い酸化物の混合物も存在することができる。従って、これらの酸化物の少なくとも1が、>0〜80重量%、好ましくは5〜75重量%、特に好ましくは10〜70重量%、特に15〜65重量%の量で含有されている。更に、15〜60重量%、20〜55または20〜50重量%は好適である。20〜45重量%、特に20〜40重量%または20〜35重量%が更に好適である。酸化物の少なくとも1が、15、特に18、好ましくは20重量%を下回らないことは特に好都合である。
【0062】
CsO,BaO,PbO,Biおよび酸化ランタン、酸化ガドリニウム、酸化イッテルビウムのような希土類金属酸化物が、ガラス中空体のガラス組成物にあることは特に好適である。
【0063】
少なくとも15重量%、更に好ましくは18重量%、特に20重量%、全く特に好ましくは25重量%よりも多い、1つまたは複数の高偏光性元素が、酸化物の形で、ガラス組成物に含有されていることは特に好適である。
【0064】
CeOの含有量は0〜5重量%であることが好ましい。0〜1および特に0〜0.5重量%は好適である。Ndの含有量が0〜5重量%であることが好ましい。0〜2、特に0〜1重量%の量は特に好適である。Biが0〜80重量%、好ましくは5〜75重量%、特に好ましくは10〜70重量%、特に15〜65重量%の量で存在することは特に好適である。更に、15〜60重量%、20〜55重量%または20〜50重量%は好適である。20〜45重量%、特に20〜40重量%または20〜35重量%は更に好適である。
【0065】
従って、これらの偏光可能な酸化物の少なくとも1を上記の驚異的に高い含有量で添加することによって、ガラス特性に適切に影響を及ぼすことができる。それ故に、全電力損失は、ディスプレー用の発光手段に通常用いられるガラスと比較して、著しく減じられ、最小程度に引き下げられ得る。
【0066】
従って、すべてのアルカリ土類酸化物の合計は、本発明では、好ましくは0〜80重量%、特に5〜75重量%、好ましくは10〜70重量%、特に好ましくは20〜60重量%、全く特に好ましくは20〜55重量%である。更に、20〜40重量%が好適である。
【0067】
ガラス中空体のガラスはZnOを有しなくてもよいが、好ましくは、0.1重量%の最小量および高々15重量%の最大量を有する。6重量%または3重量%の最高量は全く適切であり得る。ZrOは、0〜5重量%、特に0〜3重量%の量で含有されている。3重量%の最高含有量は、多くの場合、十分であることが明らかになった。更に、WOおよびMoOは、互いに別々に、夫々0〜5重量%または0〜3重量%、特に0.1〜3重量%の量で含有されていることができる。
【0068】
ガラスは、合計Al+B+BaO+PbO+Biが15〜80重量%、好ましくは15〜75重量%、特に20〜70重量%の範囲にあるとき、本発明では、特に好適であることが明らかになった。Bが通常35重量%の最大量で用いられるので、残りの45重量%は、BaO,Bi,CsOおよびPbOのような偏光可能な酸化物のうちの1または複数に分配される。
【0069】
好ましい態様では、PbOの含有量が、0〜70重量%、好ましくは10〜65重量%、より好ましくは15〜60重量%に調整される。20〜58重量%、25〜58重量%、25〜55重量%、特に35〜50重量%が含有されていることは特に好適である。
【0070】
特別な態様では、PbOの含有量は50重量%を上回るとき、特に、この含有量が60重量%を上回るとき、ガラスには、アルカリが、3重量%よりも多い、特に4重量%よりも多いまたは5重量%よりも多い含有量で添加され得る。但し、10重量%より多い量は含有されないほうがよい。しかし、商tanδ/ε’<5×10−4への要求がなお満たされる。本発明に係わるガラスがPbOを含まないとき、本発明では、これらのガラスがアルカリを含有しないことが好適である。
【0071】
これらのガラスは、これらのガラスが基本的にはTiOを有しなくても、「紫外線の遮断」(紫外線光の吸収)を調整するために、TiOを含有することもできる。TiOの最大含有量は、好ましくは10重量%、特に高々8重量%であり、高々5重量%は好適である。TiOの好ましい最小含有量は、1重量%である。含有されるTiOの少なくとも80%〜99重量%、特に99.9または99.99%がTi4+として存在することが好ましい。幾つかの場合、99.999%のTi4+の含量が有意義であることが明らかになった。熔融物は好ましくは酸化条件下で製造される。酸化条件は、特に、チタンがTi4+として前記の量で存在するか、この段階で酸化されてなる条件を意味しなければならない。このような酸化条件は、熔融物では、例えば、硝酸塩、特にアルカリ硝酸塩および/またはアルカリ土類硝酸塩の添加によって、容易に達成される。酸素および/または乾燥空気の注入によっても、酸化熔融物が得られる。更に、酸化熔融物を、例えば、混合物の熔融の際に、酸化するためのバーナー調整手段を用いて発生させることは可能である。
【0072】
ガラス組成物のTiOの含有量が>2重量%であり、>5ppmのFeの総含量を有する混合物が用いられるとき、この混合物がAsで清澄され、かつ硝酸塩と共に熔融されることが好ましい。硝酸塩の添加が、>1重量%の含量を有するアルカリ硝酸塩として、なされることが好ましい。その目的は、ガラスの着色(イルメナイト(FeTiO)混合酸化物の形成)を可視の範囲に抑えるためである。更に、Sbおよび硝酸塩での清澄が可能である。
【0073】
熔融の際にガラスに硝酸塩が、好ましくはアルカリ硝酸塩および/またはアルカリ土類硝酸塩が加えられるにも拘わらず、硝酸塩の濃度は、完成したガラスで、清澄後に、最大限0.01重量%および多くの場合高々0.001重量%に過ぎない。
【0074】
Feの含有量は好ましくは0〜5重量%であり、0〜1および特に0〜0.5重量%の量は好ましい。MnOの含有量は0〜5重量%であり、0〜2、特に0〜1重量%の量は好ましい。成分MoOは、0〜5重量%、好ましくは0〜4重量%の量で含まれており、Asはおよび/またはSbは、夫々別々に、本発明に係わるガラスの中に、0〜1重量%で含まれており、最小含有量の量は好ましくは0.1、特に0.2重量%である。本発明に係わるガラスは、好ましい態様では、場合によっては、0〜2重量%の僅かな量のSO2−ならびにClおよび/またはFを同様に0〜2重量%の量で含有する。
【0075】
Feは、ガラスに、最大限1重量%の量で添加され得る。含有量がその数値を下回ることが好ましい。鉄が含まれている限り、鉄は、例えば硝酸塩含有の原料の投入による、熔融中の酸化条件によって、酸化段階3に移行される。このことによって、退色は可視の波長範囲に最小にされる。Feは、ガラス中に、好ましくは<500ppmの含量で含まれている。Feは、一般的には、不純物として存在する。
【0076】
特に、TiOを>1重量%の含有量で添加する際に、特に、可視の波長範囲のガラスの退色が、ガラス熔融物が実質的に塩化物を含まず、特に塩化物および/またはSbが、ガラス熔融物における清澄のためには添加されないことによって、少なくとも部分的に防止される。つまり、特にTiOの使用の際に生じる、ガラスの青着色が回避されるのは、清澄剤としての塩化物が省かれる場合であることが見出された。塩化物およびフッ化物の最大含量は、本発明では、2重量%、特に1重量%である。最大限0.1重量%の含量は好ましい。
【0077】
更に、例えば清澄剤として使用される硫酸塩も、前記薬剤と同様に、可視の波長範囲のガラスの退色をもたらすことが明らかになった。従って、硫酸塩を省くことも好ましい。硫酸塩の最大含量は、本発明では2重量%、特に1重量%である。最大限0.1重量%の含量は好ましい。この保護権では、可視の波長範囲は、380nm〜780nmの波長範囲を意味する。
【0078】
更に、ガラスに関しては、清澄がAsによりおよび酸化条件下で実行されるとき、前記欠点が一層防止されることが見出された。ガラスが0.01〜1重量%のAsを含むことが好ましい。
【0079】
ガラスが紫外線放射の際のソラリゼーションに対して非常に安定的であるのに、ソラリゼーション安定度が、PdO,PtO,PtO,PtO,RhO,Rh,IrOおよび/またはIrの僅かな含有によって、更に増大され得ることが明らかになった。このような物質の通常の最大含量は、最大限0.1重量%、好ましくは最大限0.01重量%である。この場合、最大限0.001重量は特に好ましい。最小含量は、これらの目的のためには、通常0.01ppmである。少なくとも0.05ppmおよび特に少なくとも0.1ppmは好ましい。
【0080】
上記ガラス組成物は、外電極ブッシングとのガラスの熔融がなされない、外部電極を有する発光手段、例えば電極ブッシングを有しないEEFL発光手段のために、デザインされている。電極を有しないEEFLバックライトの場合に、電界による光の集束(Einkopplung)がなされるので、本発明の範囲での損失角および誘電率から算出される適切な商を特徴とする以下に記載のガラス組成物が同様に特に適切である。
【0081】
SiO 35〜65重量%
0〜15重量%
Al 0〜20重量%
好ましくは 5〜15重量%
LiO 0〜0.5重量%
NaO 0〜0.5重量%
O 0〜0.5重量%、但し、
ΣLiO+NaO+KOは 0〜1重量%であり、
MgO 0〜6重量%
CaO 0〜15重量%
SrO 0〜8重量%
BaO 1〜20重量%、特に
BaO 1〜10重量%、
TiO 0〜10重量%
好ましくは >0.5〜10重量%であり、
ZrO 0〜1重量%
CeO 0〜0.5重量%
Fe 0〜0.5重量%
WO 0〜2重量%
Bi 0〜20重量%
MoO 0〜5重量%
SnO 0〜2重量%
ZnO 0〜5重量%
好ましくは 0〜3重量%
PbO 0〜70重量%、但し、
ΣAl+B+BaO+PbO+Biは8〜65重量%であり、Hf,Ta,W,Re,Os,Ir,Pt,La,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Ybおよび/またはLuは、酸化物の形で、0〜80重量%の含量で存在しており、
ならびに通常の濃度の清澄剤。
【0082】
更に、以下のガラス組成物も好ましい。
【0083】
SiO 50〜65重量%
0〜15重量%
Al 1〜17重量%
LiO 0〜0.5重量%
NaO 0〜0.5重量%
O 0〜0.5重量%、但し、
ΣLiO+NaO+KOは 0〜1重量%であり、
MgO 0〜5重量%
CaO 0〜15重量%
SrO 0〜5重量%
BaO 20〜60重量%、特に
BaO 20〜40重量%、
TiO 0〜1重量%
ZrO 0〜1重量%
CeO 0〜0.5重量%
Fe 0〜0.5重量%
好ましくは 0〜1重量%
WO 0〜2重量%
Bi 0〜40重量%
MoO 0〜5重量%
ZnO 0〜3重量%
SnO 0〜2重量%
PbO 0〜30重量%、特に、
PbO 10〜20重量%、但し、
ΣAl+B+BaO+PbO+Biは10〜80重量%であり、
Hf,Ta,W,Re,Os,Ir,Pt,La,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Ybおよび/またはLuは、酸化物の形で、0〜80重量%の含量で存在しており、
ならびに通常の濃度の清澄剤。
【0084】
前記すべてのガラス組成物は、好ましくは前記量のFeを有し、全く特に好ましくは実質的にFeを有しない。
【0085】
更に好ましい態様では、本発明に係わるガラス組成物は、ドープする物を含むかまたは含まないSiOから形成されている。ドープする物は、本発明の枠内では、ドープ用酸化物、特に、各々の量で個々に挙げられた酸化物を意味する。
【0086】
この態様のガラス中空体のためのガラス組成物の、好ましい組成物範囲は、以下の通りである。
【0087】
SiO 90〜100重量%
TiO 0〜10重量%
CeO 0〜5重量%。
【0088】
この場合、SiOの含有量の上限は、100重量%で生じる。前記ドープ用酸化物の下限、すなわち、すべての下限の合計は引かれる。例えばTiOの含有量が5〜10重量%でありかつCeOの含有量が2〜5重量%であるとき、SiOに関する上限は、100−(5+2)=93重量%で算出される。ドープする物を含まない純粋のSiOが存することは全く特に好ましい。
【0089】
特にガラスによる紫外線遮断のための、TiOの最高含有量は、10重量%であり、好ましくは高々8重量%、特に高々5重量%が存在し、1と4重量%の間の含有量も可能である。CeOの含有量は高々5重量%であり、0〜4重量%、特に0〜3重量%、更に好ましくは1重量%よりも下の量も調整され得る。既述の他の酸化物は、同様に、含有され得る。
【0090】
SiOのガラス、特に非晶質のSiO(石英ガラス、クウォーツガラス)を製造するための方法は、例えば、気相分離、ホウケイ酸塩ガラスの浸出(Auslaugung)およびガラス熔融物の続きの焼成および製造である。
【0091】
本発明前記ガラスは、上記のSiOのガラスを除いて、特にフロート法による、フラットガラスの製造、特にその製造のために適している。更に、これらのガラスは管ガラスの製造のために適しており、ダンナー法が特に好ましい。しかし、ベロー引き上げ法またはエー引き上げ法によるガラス管の製造も可能である。少なくとも0.5mmの、特に少なくとも1mmの直径および高々2cmの、特に高々1cmの上限を有する管の製造に適している。特に好ましい管径は2mmと5mmの間である。このような管が少なくとも0.05mm、特に少なくとも0.1mmの肉厚を有し、少なくとも0.2mmが特に好ましいことが明らかになった。最大限の肉厚は、高々1mmであり、高々<0.8mmまたは<0.7mmの肉厚は好ましい。
【0092】
外部電極を有する発光手段のガラスはガラス組成物を有し、あるいは、更に紫外線遮断効果を望みの程度に有するガラス組成物からなる。
【0093】
前記のガラス、特にホウケイ酸塩ガラスあるいは、純粋のまたは不純物がドープされたSiOは、ディスプレー用の、外部電極を有する発光手段のための、ランプ用ガラスの製造に特によく適している。何故ならば、これらのガラスが、損失角tanδおよび比誘電率ε’から算出される商への要求を適えるからである。前記ガラスは、本発明のディスプレーの背面照明のために、例えば、LCDディスプレーまたはLCD受像スクリーンに、ならびに、光源としての、背面を照明されたディスプレー(パッシブ・ディスプレー、バックライトユニットを有するいわゆるディスプレー)、例えば、コンピュータモニタで、特にTFT装置で、ならびに、スキャナ、広告スクリーン、医療器具、および飛行および宇宙飛行用の装置ならびにナビゲーション技術、携帯電話およびPDA(パーソナル・ディジタル・アシスタント)で使用される。この使用のために、このような蛍光発光体は非常に小さい寸法を有し、従って、ランプガラスは極めて薄い厚さのみを有する。
【0094】
好ましいディスプレーおよび受像スクリーンは、いわゆるフラット・ディスプレーであり、ラップトップで、特にフラットなバックライト装置を用いる。
【0095】
以下、図面を参照して本発明を詳述する。図1〜3には、本発明に係わるディスプレーでのバックライトランプの使用が例示されている。バックライトランプのガラス中空体は適切なガラス組成物を含み、あるいはこのガラス組成物からなる。
【0096】
図1には、このような適用のための特殊な使用が示されている。これらの適用の場合、適切なガラスからなる個々の小型化された蛍光管110が、互いに平行に用いられ、複数の窪み150を有するプレート130に設けられている。これらの窪みは、放射される光を、本発明に係わるディスプレーに反射する。反射型のプレート130の上方には、反射層160が被覆されている。この反射層は、蛍光管110からプレート130の方向に放射された光を、一種の反射器として、均等に散乱させ、従って、ディスプレーの均等な照明をもたらす。この装置が、例えばテレビ受像機の場合のように、かなり大きなディスプレーのために用いられることが好ましい。
【0097】
図2の態様では、蛍光管210が外側でディスプレー202に取着され得る。その場合、光は、光ガイドとして用いられる光ガイド型のプレート250、いわゆるLGP(ライト・ガイド・プレート)によって、ディスプレーの上面に均等に分散される(auskoppeln)。
【0098】
更に、発光型のユニット310が、構造化されたディスク315に直に位置している、このようなバックライト装置を使用することも可能である。このことは図3に示されている。この場合、構造は、所定の幅(Wrib)を有する平行な複数の隆起、いわゆるバリヤ380によって、ディスクに、所定の深さおよび所定の幅(dchannelおよびWchannel)を有するチャネルが発生され、これらのチャネルに放電蛍光材料350があるように、なっている。この場合、チャネルは燐光層370を有するディスクと共に、複数の放射中空空間360を形成する。図3に示したバックライト装置は、電極を有しないガス放電ランプである。すなわち、ブッシングはなくて、外部電極330a,330bのみがある。図3に示したカバーディスク410は、システムの構造に従って、不透明なディフューザ・ディスクまたは透明なディスクであってもよい。電極を有しない、図3に示したランプ装置は、いわゆるEEFL(エクスターナル・エレクトロード・フルオロスセント・ランプ)装置である。前記の装置は大きな平らなバックライトを形成するので、フラット・バックライトとも呼ばれる。
【0099】
図4は、外部電極を有する発光手段、例えばEEFLを具備する、本発明に係わるディスプレーの略図を示す。上側および下側に例えば各々のガラスカバーを有する、ディスプレー、例えばLCDディスプレー1が示されている。更に、複数の偏光子2を有する液晶層が示されている。図4では、中空形体に複数の蛍光ガス放電ランプ3が設けられており、このランプは、特殊ガラス6によって囲まれている丸い管である。当然ながら、他の横断面も用いられることができる。ディスプレーの下面5を介して、熱が放出される。配光ユニットは参照符号4を有する。
【0100】
図5は発光手段の典型的な横断面の略図を示す。例えば、丸い、卵形の、丸形の、または矩形の横断面を有する形状が示されている。
【0101】
図6では、概略的な形で、ランプの、特にEEFLガラス管の一部が示されている。このガラス管には、以下の例で測定が実行され、測定結果が表9に纏められた。図6は、概略的な形で、ガラス管1000の端部を示す。ガラス管1000は厚さdのガラスを有し、ガラス管の直径は2rである。電極は参照符号1010を有し、長さlに亘って、管1000の外面に沿って延びている。
【0102】
図7には、図6に示すランプ構造体の電気的な等価回路図(RC部材)が示されている。
【0103】
EEFLガラス管のコンタクトは、ここでは、シリンダによって形成される。このシリンダは、半径r(典型的には0.3mm<r<10mm)と、ガラス管の厚みd(0.1mm<d<0.5mmの大きさにある)と、全コンタクトの高さl(0.5cm<l<5cmの大きさにある)とを有する。この場合、全容量は、半径rおよび高さlを有するシリンダ状のコンデンサと共に、厚さdおよび半径rの平板コンデンサによって、近づけられる。このジオメトリは図7に示されている。このジオメトリの全幾何容量は以下の通りである。
【数1】

【0104】
但し、最後の係数Gはジオメトリの効果のみを有し、ε=(μ−1=8.85418710−12AsV−1−1は影響係数であり、ε’は誘電率の実数部分である。このようなコンデンサの、周波数に依存する仮想インピーダンスは、
【数2】

【0105】
によって与えられている。但し、ω=2πvは角周波数を表わし、i=√−1である。誘電媒体がガラスによって形成されるので、ガラスの抵抗損は、放電ランプ全体の損失にとっての主要な原因である。コンタクト領域の全抵抗は
【数3】

【0106】
である。但し、ε”は、一般的には周波数に依存する、誘電関数の虚数部分である。電圧がコンタクト領域で印加されるとき、電気抵抗は、図7に示すように、コンデンサに平行に設けられている。このことは、以下のように、インピーダンスZをもたらす。
【数4】

【0107】
このようなRC部材のすべての電気損(但し、オーム抵抗Rは、使用する周波数の場合、コンデンサのリアクタンスよりも遥かに大きい。R>>|X|)は、以下のような結果になる。
【0108】
全電流ltotは、主として、放電ランプによって定められる。コンタクトキャップの傍で低下する電圧は、キャパシタンスによって以下のように導き出される。
【数5】

【0109】
抵抗の中を通る電流の一部は、
【数6】

【0110】
によって定められている。
【0111】
このようなコンタクトのすべての誘電損失は以下の通りである。
【数7】

【0112】
EEFLランプがこのような2つのコンタクトを有するので、結果に係数2が掛けられ、幾何学的係数が挿入される。誘電関数の一般的に力学的な特質という理由から、ε’(ω)およびε”(ω)が書き込まれる。
【数8】

【0113】
このことは、誘電正接に関する式tanδ=ε”/ε’を用いて、
【数9】

【0114】
をもたらす。
【0115】
この場合、誘電損失が、キャップの幾何学的寸法形状に関係なく、材料に従う大きさtanδ(ω)/ε’(ω)に比例している、という重要な結果が得られる。
【数10】

【0116】
抵抗およびコンデンサを通る電流を用いての正確な計算が、以下の結果をもたらすことが書き留められねばならない。
【数11】

【0117】
tanδが、大方のガラスでは、10−4のオーダーにあるので、分母のtanδ(ω)が、大抵のガラスでは、実際に無視され得る。
【0118】
以下、本発明の例を説明する。これらの例は本発明に係わる教示を明示するが、発明を限定することは意図されない。
【0119】
以下、外部電極を有する発光手段のガラス本体のためのガラス組成物を示し、夫々、商tanδ/DZを示す。DZは誘電率である。本発明に係わるすべてのガラス組成物の商は、tanδが10−4の単位で示されているとき、5を著しく下回り、tanδが絶対単位で示されているとき、5×10−4を著しく下回るので、定められた要求を満たす。
【表1】

【表2】

【0120】
以下、本発明に関する他のガラス組成物および例を記載する。
【0121】
以下の表3〜8には、他のガラス組成物が示されている。表3〜7には、本発明に係わるガラスが示されており、表8には比較例が挙げられている。本発明に係わるガラスがアルカリを有しないことが好ましい。
【0122】
表9.1および9.2には、表3および4の例15,16および17ならびに表8の比較例のガラス組成物に関して、EEFLランプの誘電損失が示されている。
【0123】
25℃,150℃および250℃の温度ならびに10kHz,35kHzおよび75kHzの励起周波数に関する誘電損失tanδ/ε’が詳細に記載された。ランプの電力損失は商tanδ/ε’に比例している。EEFLランプの誘電損失は、図6および7との関連で前述したように、ランプの両端にはシリンダ状のコンデンサが設けられているという仮定の下で、導き出された。
【0124】
更に、表9には、測定の際に用いられた個々のパラメータ、例えば、ランプの管の半径、ランプのガラスの厚さ、コンタクトの長さ、幾何学的係数および係数(Vorfaktor)等がリストアップされている。
【0125】
tanδが10−4の単位で示されているとき、本発明に係わるガラス組成物の商に関する数値はすべて上限5よりも下にあり、tanδが絶対単位で示されているとき、上限5×10−4よりも下にあり、従って、商が臨界上限を上回る比較例よりも著しく少ない誘電損失を示す。
【0126】
従って、測定は、損失角tanδおよび比誘電率の個別の数値(Einzelwerte)が、別々にできる限り低く調整することが重要ではないことを裏付ける。2つの値は互いに関連されねばならない。驚くべきことには、所定の値に基づいて、2つのパラメータから算出される商が、ガラス材料の特性の調整を行なうために用いる臨界値を表わすのであって、tanδのみまたはε’のみを表わさないことが裏付けられた。従って、本発明により、外部電極を有する発光手段の全電力損失が、適切に、ガラスの特性によって減じられることができる。
【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【0127】
以下の表9.1は、算出された商tanδ/ε’(測定された値tanδおよびε’から計算される)を示す。
【表9.1】

表9.1のすべての値に該当する数の例:
tanδ/ε’(但し10−4のオーダーのtanδ)=6.9(25℃の場合)、あるいは、tanδが絶対値であって、tanδ/ε’=0.00069。
【0128】
上の表9.1からは、本発明に係わるガラスが、250℃の際に、比較例よりも20倍を上回って少ない商を示すことが、直接分かる。
【0129】
これらの商を前提として、発光手段に関する各々の電力損失が、以下に挙げたパラメータで計算された。
【化3】

【0130】
この場合、
【数12】

【0131】
が成り立つ。
【0132】
但し、
l(単位mA) 7
管の半径 r(mm) 2
ガラスの厚さ d(mm) 0.3
コンタクトの長さ(mm) l(mm) 18
周波数(kHz) 10
周波数(kHz) 35
周波数(kHz) 70
幾何学係数 G(1/m) 1.17
係数2/(2π)|/e0(J) 2069740.52
正確な計算は、前に由来される式(11)によってなされる。但し、Gは上記式(12)の代わりをすることができる。その場合、
【化4】

【0133】
が成り立つ。但し、
π=3.141592654
ε=8.8542 10−12As/(Vm)。
【0134】
前記パラメータによって、異なった周波数10Hz,35Hzおよび70Hzに関する以下の表9.2に纏められた電力損失が生じる。
【表9.2】

10Hz,35Hzおよび70Hzの、用いられた周波数が選択された。何故ならば、重要なランプ、特に、外部電極を有する特にEEFLが、通常は、約70kHzの周波数で作動されるからである。このことは、既に引用された文献(Cho G.他、J.Phys. D:Appl. Phys.第37巻(2004)、2863〜2867頁およびCho T.S.他、Jpn. J. Appl. Phys.第41巻(2002)、7518〜7521頁)からも明らかになる。すなわち、本発明に係わるガラスを有するランプは、作動条件下でテストされた。
【0135】
測定の際に、500V〜6kV、特に2kV、好ましくは1kVの範囲の電圧が印加され、中間値の間で、例えば、+2kVと−2kVとの間で往復式に接続された。この交流電圧は、例えば正弦形、鋸歯形、三角形または矩形であってよい。他の形状も同様に可能である。
【0136】
図8には、+2kVと−2kVの中間値を有する正弦形のおよび矩形の電圧が例示されている。現存の線間電圧から高電圧を発生させるために、この場合では、インバータが用いられた。このインバータは、500V〜6kVの間の範囲にある電圧を、時の周期的な経過で用いる電子部材である。このインバータはランプの手前で電気的に接続される。
【0137】
表9.1からは、本発明に係わるディスプレーで用いられるガラスが、比較例のガラスよりも最大36倍少ない電力損失を示すことが見て取れる。かくて、これらのガラス組成物が、実際に、極めて僅かな誘電損失を示し、従ってまた、ガラス内に、比較のガラスよりも遥かに少ない熱の発生があり、このことから、発光装置のより良好な効率従ってまたより長い寿命が結果として生じることが裏付けられる。
【0138】
EEFLの他の問題は、電圧が高いときの絶縁破壊を意味するいわゆるピンホール・バーニングである。このような絶縁破壊が発生するとき、このことによって、ガラスの漏れが引き起こされる。このことは、Cho他の上記文献に詳述されている。驚くべきことには、用いられたガラス組成物、好ましくは、表に挙げられたガラス組成物、特に、アルカリを含まないガラスである、例15,16および17のガラス組成物が、ピンホール・バーニングを全然示さないことが明らかになった。望ましくない絶縁破壊は、最大6kVの電圧に関しても、検査したガラスで生じなかった。このことは、特にEEFlランプの場合、ランプの分野での使用のための適合性を裏付ける。
【0139】
従って、本発明に基づいて、背面照明付きディスプレーが記載される。発光手段のガラス中空体はガラス組成物を含む。このガラス組成物では、損失角tanδおよび比誘電率ε’から算出される商の調整によって、ガラス特性に適切に影響を及ぼすことができる。商に関して5×10−4の本発明に係わる上限を注意することによって、まず、本発明の教示によって、ガラス組成物の全電力損失を最小程度に減じ、従ってまた外部電極を有する発光手段において、最適な効率を保つことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】小型化されたバックライト装置を有する本発明に係わるディスプレーの略図を示す。
【図2】外部電極を持ったバックライト装置を有する本発明に係わるディスプレーの略図を示す。
【図3】側方に取着された蛍光発光体を有する本発明に係わるディスプレーの略図を示す。
【図4】EEFLランプを有する本発明に係わるディスプレーの略図を示す。
【図5】本発明に基づいて用いられる発光手段の典型的な横断面領域の略図を示す。
【図6】以下の例における測定のために基礎にされたランプ構造体の略図を示す。
【図7】図4に示したランプの例の電気的等価回路図(RC部材)を示す。
【図8】正弦形のおよび矩形の周期的な電圧の例を示す。
【符号の説明】
【0141】
1…LCDディスプレー
2…偏光子
3…蛍光ガス放電ランプ
4…配光ユニット
5…ディスプレーの下面
6…特殊ガラス
310…発光ユニット
315…構造化されたディスク
330a…外部電極
330b…外部電極
350…放電蛍光材料
360…放射中空空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話、自動車、テレビ、コンピュータ、家庭およびカメラ用の背面照明付きディスプレー、特にフラット・ディスプレーであって、ガラス中空体を有しかつ外部電極を持つ少なくとも1つの発光手段を具備するディスプレーにおいて、
前記発光手段の前記ガラス中空体のためのガラス組成は、損失角(tanδ)および誘電率(ε’)から算出される商に、tanδ/ε’<5×10−4が適用されるように、選択されることを特徴とするディスプレー。
【請求項2】
前記商が、tanδ/ε’<4×10−4、特にtanδ/ε’<3.5×10−4であることを特徴とする請求項1に記載のディスプレー。
【請求項3】
前記商が、tanδ/ε’<3×10−4、特にtanδ/ε’<2.5×10−4であることを特徴とする請求項1または2に記載のディスプレー。
【請求項4】
前記商tanδ/ε’<5×10−4の調整により、前記発光手段の高い効率が、僅かな電力損失(Ploss)により、
【化1】

(ここで、ωは角周波数、tanδは損失角、ε’は誘電率、dはコンデンサの厚さ(ここでは、ガラスの厚さ)、Aは電極面積、lは電流の強さ、εは影響係数=8.8542 10−12As/(Vm))によって、生じることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のディスプレー。
【請求項5】
前記ディスプレーの寸法が、50×50mm〜4×5mの範囲内にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載のディスプレー。
【請求項6】
前記ディスプレーが、ガラス板、特に、構造化されたガラス板、液晶層、偏光ユニットならびに前記ディスプレー用の他のガラス板を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のディスプレー。
【請求項7】
前記ディスプレーが、散乱中心を有するポリマー、ガラス、相分離されたガラスまたはガラスセラミックを含む配光ユニットを有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のディスプレー。
【請求項8】
前記配光ユニットは、最適な均質な配光のための不均質に分配された散乱中心を有することを特徴とする請求項7に記載のディスプレー。
【請求項9】
前記配光ユニットは、光の波長のオーダーのrms値を有する構造化された表面または所定の表面の粗さを有し、好ましくは20nm<rms<100.000nm、特に好ましくは10nm<rms<10000nmであることを特徴とする請求項7または8に記載のディスプレー。
【請求項10】
前記配光ユニットが、中空体として形成されており、この中空体の壁部は反射によって光を導き、前記中空体からは、光が、表面の粗さによって分散される(auskoppeln)ことを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載のディスプレー。
【請求項11】
前記発光手段が、放電ランプ、特に蛍光ランプ、特に好ましくはEEFLランプであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のディスプレー。
【請求項12】
前記発光手段が、円形の、卵形の、矩形のおよび/または平面状の、矩形の横断面を有することを特徴とする請求項11に記載のディスプレー。
【請求項13】
前記外部電極を有する発光手段のガラス中空体のガラスには、tanδ/ε’<5×10−4が適用され、使用周波数は、5〜200kHz、好ましくは10〜150kHz、特に好ましくは20〜100kHzの範囲にあることを特徴とする請求項11または12に記載のディスプレー。
【請求項14】
前記ガラス中空体のために前記使用されるガラスが、分極率の高い(誘電率ε’>5)ガラスから選択されることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載のディスプレー。
【請求項15】
前記ガラス中空体のために使用されるガラスが、低い導電率(特にtanδ<20×10−4であり、特に好ましくはtanδ<1×10−4である)を有するガラスから選択されることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載のディスプレー。
【請求項16】
前記ガラス中空体のためのガラスが、紫外線遮断を有するガラスから選択されることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載のディスプレー。
【請求項17】
前記ガラス内での前記紫外線遮断は、特に、Ti,Ce,W,Nb,Bi,Yb,Fe,Niから選択される希土類または遷移金属のイオンを、ガラスマトリックスに含めることによって、調整されていることを特徴とする請求項16に記載のディスプレー。
【請求項18】
前記紫外線遮断が、前記発光手段のガラス中空体の内層または外層を設けることによって、調整されていることを特徴とする請求項16に記載のディスプレー。
【請求項19】
前記ガラス中空体は、Hgガス、希ガス、特にXeガスまたはこれらのガスの混合物から選択されるガスの充填物を有することを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載のディスプレー。
【請求項20】
前記ガラス中空体の内層が、紫外線光または青色光を全体的に白色の光へ変換のために、希土類イオンがドープされた固体粉末からなる蛍光層を有することを特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載のディスプレー。
【請求項21】
紫外線光または青色光を全体的に白色の光へ変換するために、蛍光性の希土類イオンおよび/または遷移金属イオンによって前記ガラス中空体のガラスへの不純物のドープがなされることを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に記載のディスプレー。
【請求項22】
前記希土類イオンが、Ce,Eu,Tm,Tb,Dyおよび/またはGdから選択されることを特徴とする請求項20または21に記載のディスプレー。
【請求項23】
前記発光手段の前記ガラス中空体とのコンタクトは、a)金属または金属薄板、b)金属または金属含有導電性物質からなる浸漬層(Tauchbeschichtungen)、c)導電ラッカーまたはd)導電性の接着テープから選択されることを特徴とする請求項1〜22のいずれか1項に記載のディスプレー。
【請求項24】
前記発光手段における温度管理のために、受動冷却のために冷却薄板または能動冷却のために1つまたは複数の通風機および/または液体冷却が設けられていることを特徴する請求項1〜23のいずれか1項に記載のディスプレー。
【請求項25】
5〜200kHzの、好ましくは10〜150kHzの、特に好ましくは20〜100kHzの周波数における、0.5〜10kV、特に好ましくは0.8〜6kVの交流電圧で外部電極を有する前記発光手段を起動するための手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜24のいずれか1項に記載のディスプレー。
【請求項26】
外部電極を有する前記発光手段を起動するための前記手段は、正弦形の信号、好ましくは矩形の信号を用いることを特徴とする請求項25に記載のディスプレー。
【請求項27】
前記手段は、電圧および信号の形を発生する電子式の起動ユニットであることを特徴とする請求項25または26に記載のディスプレー。
【請求項28】
前記電子式の起動ユニットは電流制限器を有することを特徴とする請求項27に記載のディスプレー。
【請求項29】
前記発光手段が、高圧ランプであり、この高圧ランプでは、圧力を加えられた充填ガスは、連続的なスペクトルが発生するように、あるいは、Hgガスおよび/またはXeガスが充填ガスとして含まれているときに、Hg線スペクトルおよび/またはXe線スペクトルの、外部電極によって起動され得る追加の強い衝撃伝播が存するように、高温になることを特徴とする請求項1〜28のいずれか1項に記載のディスプレー。
【請求項30】
前記ガラス中空体は、Ba,Cs,Hf,Ta,W,Re,Os,Ir,Pt,Pb,Bi,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Ybおよび/またはLuの酸化物からなる群から選択される少なくとも1つの高偏光性元素を、酸化物の形で、ガラスマトリックスに含むガラス組成物を有することを特徴とする請求項1〜29のいずれか1項に記載のディスプレー。
【請求項31】
前記1種またはそれ以上の高偏光性元素は、酸化物の形で、少なくとも8重量%、好ましくは12重量%、特に好ましくは15重量%、特に20重量%、またはそれ以上で存在していることを特徴とする請求項30に記載のディスプレー。
【請求項32】
前記1種またはそれ以上の高偏光性元素は、酸化物の形で、少なくとも20重量%、好ましくは25重量%、特に好ましくは35重量%、特に40重量%、またはそれ以上で存在していることを特徴とする請求項30に記載のディスプレー。
【請求項33】
前記ガラス中空体は、以下のガラス組成物、すなわち、
SiO 55〜85重量%
>0〜35重量%
Al 0〜25重量%
好ましくは 0〜20重量%
LiO <1.0重量%
NaO <3.0重量%
O <5.0重量%、但し、
ΣLiO+NaO+KOは <5.0重量%であり、
MgO 0〜8重量%
CaO 0〜20重量%
SrO 0〜20重量%
BaO 0〜80重量%、特に
BaO 0〜60重量%、但し、
TiO 0〜10重量%
好ましくは >0.5〜10重量%であり、
ZrO 0〜3重量%
CeO 0〜10重量%
Fe 0〜3重量%
好ましくは 0〜1重量%
WO 0〜3重量%
Bi 0〜80重量%
MoO 0〜3重量%
SnO 0〜2重量%
ZnO 0〜15重量%
好ましくは 0〜5重量%
PbO 0〜70重量%、但し、
ΣAl+B+BaO+PbO+Biは10〜80重量%であり、Hf,Ta,W,Re,Os,Ir,Pt,La,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Ybおよび/またはLuは、酸化物の形で、0〜80重量%の含量で存在しており、
ならびに通常の濃度の清澄剤を有するガラス組成物を含むことを特徴とする請求項1〜32のいずれか1に記載のディスプレー。
【請求項34】
前記ガラス中空体は、以下のガラス組成物、すなわち、
SiO 55〜85重量%
>0〜35重量%
Al 0〜20重量%
LiO <0.5重量%
NaO <0.5重量%
O <0.5重量%、但し、
ΣLiO+NaO+KOは <1.0重量%であり、
MgO 0〜8重量%
CaO 0〜20重量%
SrO 0〜20重量%
BaO 15〜60重量%、特に
BaO 20〜35重量%、但し、
ΣMgO+CaO+SrO+BaOは 15〜70重量%、
特に、 20〜40重量%であり、
TiO 0〜10重量%
好ましくは >0.5〜10重量%であり、
ZrO 0〜3重量%
CeO 0〜10重量%
好ましくは 0〜1重量%
Fe 0〜1重量%
WO 0〜3重量%
Bi 0〜80重量%
MoO 0〜3重量%
SnO 0〜2重量%
ZnO 0〜10重量%
好ましくは 0〜5重量%
PbO 0〜70重量%、但し、
ΣAl+B+BaO+PbO+Biは15〜80重量%であり、
ならびに通常の濃度の清澄剤を有するガラス組成物を含むことを特徴とする請求項1〜32のいずれか1に記載のディスプレー。
【請求項35】
前記ガラス中空体は、以下のガラス組成物、すなわち、
SiO 35〜65重量%
0〜15重量%
Al 0〜20重量%
好ましくは 5〜15重量%
LiO 0〜0.5重量%
NaO 0〜0.5重量%
O 0〜0.5重量%、但し、
ΣLiO+NaO+KOは 0〜1重量%であり、
MgO 0〜6重量%
CaO 0〜15重量%
SrO 0〜8重量%
BaO 1〜20重量%、特に
BaO 1〜10重量%、
TiO 0〜10重量%
好ましくは >0.5〜10重量%であり、
ZrO 0〜1重量%
CeO 0〜0.5重量%
Fe 0〜0.5重量%
WO 0〜2重量%
Bi 0〜20重量%
MoO 0〜5重量%
SnO 0〜2重量%
ZnO 0〜5重量%
好ましくは 0〜3重量%
PbO 0〜70重量%、但し、
ΣAl+B+BaO+PbO+Biは8〜65重量%であり、Hf,Ta,W,Re,Os,Ir,Pt,La,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Ybおよび/またはLuは、酸化物の形で、0〜80重量%の含量で存在しており、
ならびに通常の濃度の清澄剤を有するガラス組成物を含むことを特徴とする請求項1〜32のいずれか1に記載のディスプレー。
【請求項36】
前記ガラス中空体は、以下のガラス組成物、すなわち、
SiO 50〜65重量%
0〜15重量%
Al 1〜17重量%
LiO 0〜0.5重量%
NaO 0〜0.5重量%
O 0〜0.5重量%、但し、
ΣLiO+NaO+KOは 0〜1重量%であり、
MgO 0〜5重量%
CaO 0〜15重量%
SrO 0〜5重量%
BaO 20〜60重量%、特に
BaO 20〜40重量%、
TiO 0〜1重量%
ZrO 0〜1重量%
CeO 0〜0.5重量%
Fe 0〜0.5重量%
好ましくは 0〜1重量%
WO 0〜2重量%
Bi 0〜40重量%
MoO 0〜5重量%
ZnO 0〜3重量%
SnO 0〜2重量%
PbO 0〜30重量%、特に、
PbO 10〜20重量%、但し、
ΣAl+B+BaO+PbO+Biは10〜80重量%であり、
Hf,Ta,W,Re,Os,Ir,Pt,La,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Ybおよび/またはLuは、酸化物の形で、0〜80重量%の含量で存在しており、
ならびに通常の濃度の清澄剤を有するガラス組成物を含むことを特徴とする請求項1〜32のいずれか1に記載のディスプレー。
【請求項37】
前記ガラス中空体の前記ガラス組成物中のアルカリの含有量は<1.0重量%であることを特徴とする請求項1〜36のいずれか1項に記載のディスプレー。
【請求項38】
前記ガラス中空体の前記ガラスはアルカリを有しないことを特徴とする請求項1〜37のいずれか1項に記載のディスプレー。
【請求項39】
前記ガラス中空体の前記ガラス組成物中のBaOの含有量は、15重量%よりも多く、好ましくは18重量%よりも多いことを特徴とする請求項1〜38のいずれか1項に記載のディスプレー。
【請求項40】
前記ガラス中空体の前記ガラス組成物中のBaOの含有量は、20重量%よりも多いことを特徴とする請求項1〜38のいずれか1項に記載のディスプレー。
【請求項41】
前記ガラス中空体の前記ガラス組成物中のBaOの含有量は、20重量%と80重量%の間、好ましくは20と60重量%の間にあることを特徴とする請求項1〜38のいずれか1項に記載のディスプレー。
【請求項42】
前記ガラス中空体の前記ガラス組成物中のPbOの含有量は、50重量%よりも多く、特に60重量%よりも多く、アルカリ含有量は3重量%よりも多く、好ましくは4重量%よりも多く、全く特に好ましくは5重量%よりも多いことを特徴とする請求項1〜41のいずれか1項に記載のディスプレー。
【請求項43】
前記ガラス中空体の前記ガラス組成物がPbOを含まないとき、アルカリの含有量は<1.0重量%であり、好ましくはアルカリが含有されていないことを特徴とする請求項1〜41のいずれか1項に記載のディスプレー。
【請求項44】
前記ガラス中空体の前記ガラス組成物がPbOを含むとき、BaOの含有量は<10重量%、好ましくは<5重量%、特に好ましくはBaOが含まれないことを特徴とする請求項1〜42のいずれか1項に記載のディスプレー。
【請求項45】
前記ガラス中空体のガラスが、ドープ用酸化物を含むかまたは含まないSiOを含有するか、あるいはこの物質からなることを特徴とする1〜32のいずれか1項に記載のディスプレー。
【請求項46】
前記ガラス中空体の前記ガラスは、以下の組成、すなわち、
SiO 90〜100重量%
TiO 0〜10重量%
CeO 0〜5重量%
を有し、SiOの含有量の上限は、100重量%で生じ、SiOを除いて、ここに記載の酸化物のすべての下限が引かれていることを特徴とする請求項45に記載のディスプレー。
【請求項47】
前記ガラス中空体のガラスはSiOからなることを特徴とする請求項45または46に記載のディスプレー。
【請求項48】
請求項1〜47のいずれか1に記載のディスプレーの、特に受像スクリーンおよび表示装置の使用のためにはLCD表示装置のような電子装置での、TFT装置のようなコンピュータモニタでの、携帯電話のような電話ディスプレーでの、スキャナ、広告スクリーン、医療器具、および飛行および宇宙飛行用の装置ならびにナビゲーション技術およびPDA(パーソナル・ディジタル・アシスタント)での使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−269428(P2006−269428A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−77328(P2006−77328)
【出願日】平成18年3月20日(2006.3.20)
【出願人】(505458670)ショット・アーゲー (32)
【Fターム(参考)】