説明

多層フォトレジスト系

【課題】新規多層フォトレジスト系の提供。
【解決手段】多層フォトレジスト系が提供されている。特別の局面においては、本発明は、オーバーコートされたフォトレジスト用の下層組成物、特に短い露光波長で像形成されるオーバーコートされたケイ素含有フォトレジストに関する。好ましい下層組成物は、耐エッチング性と反射防止性を付与する1つ以上の樹脂と他の構成成分、例えばフェニルあるいは他の耐エッチング性の基を含有する1つ以上の樹脂とアントラセンまたはフォトレジストの露光放射線に有効な反射防止性発色団部分である他の部位を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は全般的に多層フォトレジスト系に関する。好ましい観点においては、本発明は、オーバーコートされたフォトレジストと共に使用する下層組成物、特にオーバーコートされたケイ素含有フォトレジストに関する。
【背景技術】
【0002】
フォトレジストは像を基体に転写するのに使用される感光性フィルムである。フォトレジストのコーティング層を基体上に形成し、次にこのフォトレジスト層をフォトマスクから活性化放射線源に露光する。このフォトマスクは、活性化放射線に不透明である領域と活性化放射線に透明である他の領域を有する。活性化放射線への露光は、フォトレジストコーティングの光誘起的化学転換をもたらして、フォトレジストを被覆した基体にフォトマスクのパターンを転写する。露光に続いて、このフォトレジストを現像して、基体の選択的処理を可能にするレリーフ像が提供される。
【0003】
フォトレジストはポジ型あるいはネガ型のいずれかであることができる。大多数のネガ型フォトレジストに対しては、活性化放射線に露光されるこれらのコーティング層部分は、フォトレジスト組成物の光活性化合物と重合性化学物質の間の反応で重合または架橋する。結果として、この露光コーティング部分は非露光部分よりも現像液溶液中への溶解性が低下する。ポジ型フォトレジスト組成物に対しては、非露光の領域は現像液溶液溶解性が比較的低いままである一方で、露光部分は現像液溶液中への溶解性が向上する。一般に、フォトレジスト組成物は少なくとも樹脂バインダー構成成分と光活性剤を含む。
【0004】
更に最近には、化学増幅タイプのレジストの採用が特にサブミクロン像の形成と他の高性能用途に増加しつつある。このようなフォトレジストはネガ型またはポジ型であってもよく、光生成された酸の単位当り多数の架橋事象(ネガ型レジストの場合)または脱保護反応(ポジ型レジストの場合)を概ね包含する。ポジ型の化学増幅レジストの場合には、フォトレジストバインダーから懸垂しているある「ブロック」基ペンダントの開裂、またはフォトレジストバインダー骨格を含むある基の開裂を誘起ために、あるカチオン型光開始剤が使用されてきた。例えば、米国特許第5,075,199号;第4,968,581号;第4,810,613号;および第4,491,628号とカナダ特許出願2,001,384号を参照のこと。このようなレジストのコーティング層を露光することによりブロック基を開裂する時に、極性官能基、例えばカルボキシルまたはイミドが形成され、これが、結果としてレジストコーティング層の露光および非露光領域中での異なる溶解性特性を生じる。R.D.AllenらProceedings of SPIE,2724;334−343(1996);およびP.Trefonasら,Proceedings of the 11th International Conference on Photopolymers(Soc.of Plastics Engineers),pp44−58(October 6,1997)も参照のこと。
【0005】
集積回路の密度の増加によって、更に分解能のパターニング能を向上させる必要性が生じている。分解能を改善する一つの方法は、パターン形成時に短波長の光を使用することを包含する。適切なフィルター付きの水銀/キセノン(「Hg/Xe」)ランプなどのディープUV(「DUV」)光源を使用することにより、約200ないし280nmの短波長を得てもよい。加えて、KrF(248nm)またはArF(193nm)エキシマーレーザーを露光源として使用してもよい。しかしながら、短波長ではエキシマーステッパーまたはステップ・スキャンツールである露光ツールの焦点深度が悪影響を受けることもある。焦点深度(「DOF」)は、投射像が主観的に許容できる焦点中に存在する像焦点面からの範囲の表現であり、式:DOFαλ/2(NA)(ここで、λは露出光の波長であり、そしてNAはレンズの開口数である)により波長とレンズの開口数に関連付けられる。レジストフィルムの厚さまたは高さの変動に適応するためには、一般に1〜2μmの焦点深度が適当なリソグラフ法のウインドウに必要とされる。
【0006】
露光時に短波長を使用することに加えて、レジストの更に薄い層を使用することも望ましい。しかしながら、レジストの薄層を使用する主な難点は、パターン寸法が小さくなるのに従って、基体上の拡散段差におけるレジスト厚さとエッチングパターンの中のレジスト厚さの変動が増大するということである。この変動は、段差構造を横断するにつれて、レジスト中で像形成されるいかなるパターンの寸法も変動するということを意味する。それゆえ、単層レジスト系においては、ウエハー上での寸法制御の欠如は、レジスト中で異なる線幅を作り出す可能性があり、これが電子用パッケージの品質を低下させる。
【0007】
寸法制御を改善するためには、2層(または2レベルあるいは多レベルの)レジスト系をしばしば使用する。通常の2レベル系で、最初に最下層レジストを基体に塗布し、ウエハー凹凸構造を平坦化させる。最下層レジストを硬化し、そして次に第2の更に薄い像形成用最上層レジストをこの最下層レジストの上に塗布する。次に、この最上層レジストをソフトベークし、そして慣用のレジスト露光と現像を用いてパターン化し、続いてエッチングマスクとして最上層レジストパターンを用いて最上層パターンを最下層レジストにエッチング転写することにより、パターン化(あるいは像形成)する。2層用途ではポジレジストを普通使用し、そして、これは、通常、フェノールまたは置換フェノールとホルムアルデヒドの縮合ポリマーであるノボラック樹脂をベースとする。全般的には、Sugiyamaら「Positive Excimer Laser Resists Prepared with Aliphatic Diazoketones」,Soc.Plastics Eng.,Conference Proceedings,pages 51−60(Nov.1988)および米国特許第4,745,169号および第5,338,818号を参照のこと。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,075,199号明細書
【特許文献2】米国特許第4,968,581号明細書
【特許文献3】米国特許第4,810,613号明細書
【特許文献4】米国特許第4,491,628号明細書
【特許文献5】カナダ特許出願2,001,384号明細書
【特許文献6】米国特許第4,745,169号明細書
【特許文献7】米国特許第5,338,818号明細書
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】R.D.Allenら著、Proceedings of SPIE、2724;334−343ページ(1996年)
【非特許文献2】P.Trefonasら著、Proceedings of the 11th International Conference on Photopolymers(Soc.of Plastics Engineers)、pp44−58ページ(1997年10月6日)
【非特許文献3】Sugiyamaら著、「Positive Excimer Laser Resists Prepared with Aliphatic Diazoketones」、Soc.Plastics Eng.、Conference Proceedings、51−60ページ(1988年11月)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明者らは、一つの層が「下層」あるいは最下層組成物の上に被覆されるケイ素含有フォトレジスト組成物を含む新しい多層フォトレジスト系を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の下層組成物は、増進された耐エッチング性(特にプラズマエッチング剤への耐久性)並びにオーバーコートされたフォトレジストの露光放射線を吸収して、レジスト層の中への放射線の望ましくない反射を防止あるいは抑制することができる発色団部分を提供する部位を好ましくは含有する。
通常、この耐エッチング性部位と発色団部位は区別できる官能基である。この耐エッチング性部位と発色団部位は、好適には単一の(一体の)構成成分上に存在するか、あるいは下層組成物の区別できる(共有結合していない)構成成分の部分として存在してもよい。この耐エッチング性および発色団部位は、区別できる下層組成物構成成分上に存在することが概ね好ましい。
【0012】
好ましい耐エッチング性部位は、任意に置換されたフェニル(フェノールを含む)、任意に置換されたナフチル、任意に置換されたアダマンチル、任意に置換されたノルボルニル、およびこれらの類似物などの芳香族および脂環式の基を包含する。任意に置換されたフェノール系基が特に好ましい。
【0013】
好ましい発色団部位は、オーバーコートされたレジスト層の像形成に使用される露光放射線の波長と共に変わってもよい。例えば、300nm未満の特に約248nmのディープUV光源で像形成される本発明の好ましい多層フォトレジスト系に対しては、アントラセンが特に好適な発色団基である。他の芳香族基、特にナフチレン、フェナトラセニル、フルオルニル、アクリジニル、およびこれらの類似物などの多環式(縮合した、あるいは分離した環)などの芳香族基も発色団部位として使用してもよい。
【0014】
本発明の好ましい下層組成物は1つ以上の樹脂を含む。この耐エッチング性および発色団の基は、1つ以上のこのような樹脂の繰り返し単位の部分として存在してもよい。本発明の特に好ましい下層組成物は、耐エッチング性部位を含む第1の樹脂と発色団部分を含む第2の樹脂(区別できる、すなわち第1の樹脂に対して非共役結合した)を含む。すなわち、この下層組成物は区別できる樹脂のブレンドを含む。
【0015】
本発明の特に好ましい下層組成物は、耐エッチング性を付与するフェノール系樹脂とアントラセンまたは他の芳香族基などの発色団部位を含む第2の樹脂を含む。この明細書中でフェノール系樹脂と呼ぶのは、繰り返し単位の構成成分としてフェノール基を含むいかなる樹脂も包含し、そしてコポリマー、ターポリマーおよびアクリレート/フェノール系コポリマーとこれらの類似物などの他の高次のポリマーを包含する。下層組成物での使用に通常好ましいフェノール系樹脂は、ノボラック樹脂とポリ(ビニルフェノール)樹脂を包含する。
【0016】
発色団部位を包含する好適な樹脂は、アクリレート樹脂、例えばメチルアントラセンメタアクリレートまたはメチルアントラセンアクリレートと他の反応性モノマーとを重合させることにより提供される樹脂を包含する。
【0017】
好適には、下層組成物を硬化、架橋あるいは他の処理を行って、オーバーコートされたフォトレジスト層との相互混合を最少とする。この明細書中でこの下層組成物の架橋と呼ぶのは、組成物構成成分の間に共有結合が形成される反応並びに、共有結合が形成されたか、あるいは形成はされないが、オーバーコートされたフォトレジスト組成物層との下層組成物の相互混合が減少した組成物の硬化を包含する。
【0018】
好ましい架橋(硬化)下層組成物は、オーバーコートされるフォトレジスト層の塗布に先立って熱処理される。下層組成物を放射線(例えば、オーバーコートされたフォトレジストの像形成に引き続いて使用されるのと同一波長を有する)によって処理して、このような架橋/硬化を得てもよい。
【0019】
相対的に温和な条件(例えば、180℃未満の熱処理)下でキュア/架橋/硬化を促進するためには、下層組成物は、好ましくは酸あるいは熱酸発生化合物などの酸発生化合物と好ましくは例えばメラミンあるいはベンゾグアナミン樹脂などのアミンベースの材料などの別個の架橋体構成成分を含有する。このような架橋組成物に対しては、オーバーコートされたフォトイメージャブル組成物の塗布に先立って、例えば、140℃、150℃、160℃、180℃または200℃で0.5、1あるいは2分間など架橋に充分な時間加熱するなど好適な熱処理により、塗布された下層を架橋してもよい。この下地ポリマー組成物は、好適には非フォトイメージャブルであり、すなわちオーバーコートされたレジスト層とは異なり、下層組成物コーティング層の中に像を容易にパターン化することができない。
【0020】
好適な下層組成物は、また、別々の架橋体構成成分および/または酸あるいは酸発生化合物を実質的に含まない。このような組成物を相対的に過酷な条件下で熱処理し、例えば、180℃、190℃、または200℃で0.5、1あるいは2分間など硬化に充分な時間硬化/架橋を行う。
【0021】
本発明の下層組成物の上に塗布するのに好ましいフォトレジストは、Si原子を含むポリマーを含有する。本発明の多層レジスト系での使用に好ましいフォトレジストは、フェニル基、特にフェノール系基を含有する。
【0022】
本発明の多層系での使用に特に好ましいフォトレジストは、化学増幅ポジ型レジスト、すなわちフォト酸レイビル基を含む構成成分(例えば、樹脂)を含有するレジストである。好ましいフォト酸レイビル基は、フェノール−OH基上にグラフトされるようなフォト酸レイビルエステルあるいはアセタール基を包含する。例えば、ヒドロキシ基上にグラフトされるエステルは、好ましい酸レイビル基(脱エステル化が光生成する酸の存在下で起こって、現像剤可溶化性カルボキシ基を提供する)である。例えば、ハロアセテート化合物(例えば、t−ブチルクロロアセテート)とフェノール性ヒドロキシ基とを反応させることにより、このようなエステルを提供してもよい。アセタール基も好ましいフォト酸レイビル基であり;例えば、ビニルエーテル化合物をフェノール性ヒドロキシ部位上にグラフトさせて、フォト酸レイビルアセタール基を提供してもよい。フォト酸レイビルアセタール基を提供するのに好適なビニルエーテル化学物質は、エチルビニルエーテルとこの類似物などの少なくとも1つの−(CH=CH)−O−基を有する化合物を包含する。
【0023】
本発明の系のフォトレジストでの使用に特に好ましいコポリマーは、Si原子を包含し、繰り返し単位は、i)フェノール、ii)フォト酸レイビル部位を含むフェニル基、およびiii)非置換であるか、あるいはフォト酸レイビル基以外の基またはスルホニル酸エステル、ハロゲン、アルキルなどのアルカリ水溶液現像性基により置換されているフェニル基を含む。好ましくは、このようなポリマーについては、単位i)、ii)およびiii)のフェニル基はペンダント基であり、そしてこのポリマー骨格は連結されたSiあるいはSiO基を含む。
【0024】
本発明は、この明細書に記述されているように多層レジスト系により被覆されている基体も包含する。好ましい基体は、例えばマイクロエレクトロニクス用ウエハー基体(例えば、シリコンウエハー)、オプトエレクトロニクス用素子基体、およびこの類似物を包含する。
【0025】
フォトレジストレリーフ像を形成する方法と処理されたマイクロエレクトロニクス用基体も提供される。このような方法は、この基体の上の本発明の下層組成物のコーティング層(その上に前に塗布した1つ以上の他の無機あるいは有機層を有してもよい)を塗布し;この塗布した下層組成物コーティングを任意に処理して、たとえば熱処理によりこれを架橋(硬化)し;この下層組成物(1つ以上の無機あるいは有機層を介在させてもよい)の上にSiフォトレジスト層を塗布し;この塗布したフォトレジストコーティング層をパターン化した活性化放射線、特に248nm放射線などのサブ300nm放射線に露光し;そしてこのイメージ様に露光されたフォトレジストコーティング層を現像して、フォトレジストレリーフ像を提供することを好適には含んでもよい。次に、たとえば下層組成物コーティングも透過するプラズマガスにより、現像によりフォトレジストを剥離した領域を選択的に処理してもよい。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の他の態様が以下に開示される。
【0027】
上記に議論したように、本発明者らは、ケイ素含有フォトレジスト層の下にある有機コーティング層組成物を包含するレジスト系を提供する。この下層組成物は耐エッチング性で、かつ発色団の部位を含み、オーバーコートされるフォトレジスト層の塗布に先立ち、好適には熱処理により架橋されてもよい。
【0028】
特に好ましい下層組成物は、同一であるかあるいは異なる樹脂上にアントラセンとフェノール系部位を含む。
【0029】
好ましくは、本発明の下層組成物の樹脂は、約1,000〜約10,000,000ダルトンの、更に通常約5,000〜約1,000,000ダルトンの重量平均分子量(Mw)と約500〜約1,000,000ダルトンの数平均分子量(Mn)を有する。分子量(MwまたはMnのいずれか)は、好適には、ゲルパーミエーションクロマトグラフィにより求められる。
【0030】
下層組成物中の樹脂構成成分(単一樹脂または多数の樹脂のブレンドであってもよい)の濃度は、相対的に広い範囲内で変わってもよく、概ねこの樹脂は、この組成物の全乾燥構成成分(溶剤キャリアーを除くすべての構成成分)の約60〜100重量%の濃度で使用される。
【0031】
本発明の系の下層組成物は、任意に、しかし好ましくは架橋体構成成分を含んでもよい。架橋体はもう一つの組成物構成成分と一体となった(例えば、フェノール系樹脂に共有結合により結合した架橋体)であってもよく、あるいは区別できる組成物構成成分であってもよい。下層組成物での使用に好適な架橋体は、ネガレジスト組成物での使用について下記で議論されるものを包含する。下層組成物での使用に好ましい架橋体は、アミンベースの材料、特にアミンベースのモノマー、オリゴマーあるいはメラミン樹脂、ベンゾグアナミンあるいはグリコールウリル樹脂などの樹脂である。市販のCymel樹脂(メラミン、ベンゾグアナミンおよびグリコールウリル樹脂)が特に好適である。市販されているものに加えて、アクリルアミドあるいはメタアクリルアミドコポリマーとホルムアルデヒドとをアルコール含有溶液中で反応させるか、あるいは別法としてN−アルコキシメチルアクリルアミドあるいはメタアクリルアミドと他の好適なモノマーとを共重合させることにより、このようなアミンベースの樹脂を製造してもよい。
【0032】
本発明の下層組成物の架橋体構成成分は、好適には、概ね、この下層組成物の全固体(溶剤キャリアーを除くすべての構成成分)の約5と50重量%の間の量で、更に通常には約7〜25重量%の全固体の量で存在する。
【0033】
本発明の下層組成物は、任意に、しかし好ましくは、下層組成物コーティング層の硬化を触媒あるいは促進するための酸あるいは酸発生化合物を触媒するための酸あるいは酸発生剤も含む。例えば2,4,4,6−テトラブロモシクロヘキサジエノン、ベンゾイントシラート、2−ニトロベンジルトシラートおよび他の有機スルホン酸のアルキルエステルなどの熱酸発生化合物が好ましくは使用される。熱活性化時にスルホン酸を生成する化合物が概ね好ましい。通常、熱酸発生剤は、この組成物の全乾燥構成成分の約0.1〜5重量%の、更に好ましくは全乾燥構成成分の約2重量%の濃度で下層組成物中に存在する。
【0034】
また、上述のように、下層組成物の中に酸発生化合物でなく、酸を単純に配合してもよい。好適な酸は、例えば、トルエンスルホン酸などのスルホン酸、トリフル酸(triflic acid)、およびこれらの混合物などの強酸を包含する。
【0035】
下層組成物は、また、表面レベリング剤、例えばUnion Carbideから商品名Silwet7604で入手できるレベリング剤、または3M Companyから入手できる界面活性剤FC171あるいはFC431を包含する他の任意の添加剤も含んでもよい。
【0036】
本発明の下層組成物は、また、通常、酸または熱酸発生化合物などの別の酸源に加えて、1つ以上のフォト酸発生化合物も含有してもよい。フォト酸発生化合物(PAG)のこのような使用においては、フォト酸発生剤は架橋反応を促進するための酸源として使用されず、そしてこのように好ましくは、フォト酸発生剤はこの被覆組成物の架橋時に実質的に活性化されない(架橋被覆組成物の場合)。特に、熱架橋される下層組成物に関して、この被覆組成物PAGはオーバーコートされたレジスト層を引き続いて露光した時に活性化され、そして酸を生成することができるように、この架橋反応の条件に実質的に安定でなければならない。具体的には、好ましいPAGは、約140℃または150℃〜190℃の温度i5〜30分間以上暴露した時に実質的に分解あるいは他の機構で劣化しない。
【0037】
一般に、下層組成物でのこのような使用に好ましいフォト酸発生剤は、例えば、ジ(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムペルフルオロオクタンスルホネートなどのオニウム塩、1,1−ビス[p−クロロフェニル]2,2,2−トリクロロエタンなどのハロゲン化非イオン性フォト酸発生剤、およびフォトレジスト組成物での使用に開示された他のフォト酸発生剤を包含する。
【0038】
エチルラクテートまたは2−メトキシエチルエーテル(ジグライム)、エチレングリコールモノメチルエーテル、およびプロピレングリコールモノメチルエーテルなどの1つ以上のグリコールエーテル;メトキシブタノール、エトキシブタノール、メトキシプロパノール、およびエトキシプロパノールなどのエーテルおよびヒドロキシ部位の両方を有する溶剤;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル;および二塩基性エステル、プロピレンカーボネートおよびガンマ−ブチロラクトンなどの他の溶剤などの好適な溶剤に溶解させる。この溶剤中の乾燥構成成分の濃度は、塗布方法などのいくつかの要素に依存する。一般に、下層組成物の固体含量は、この下層被覆組成物の全重量の約0.5から20重量%まで変わり、好ましくは、この固体含量はこの下層被覆組成物の約2から10重量まで変わる。
【0039】
好ましい本発明のフォトレジストは、フェニル基を含むSi樹脂を含み、そして1)フォト酸レイビル基を含有する単位;2)フォト酸レイビルおよび水性現像性の基を含まない単位;および3)このポリマーを含有するフォトレジストのアルカリ性水溶液現像性に寄与する単位の少なくとも3つの繰り返し単位を好ましくは包含する。このようなポリマーは、化学増幅ポジ型フォトレジストで特に有用である(レジシストは酸レイビル基を有し、リソグラフ処理時にフォト酸の存在下で開裂あるいは脱ブロック反応を受ける)。このようなフォトレジストは、Shipley Companyの国際出願PCT/US02/14732に開示されている。
【0040】
このポリマーを含有するフォトレジストの水性現像性に寄与することができる好ましい繰り返し単位は、ヒドロキシ、カルボキシおよび他の極性基、好ましくは酸基、たとえばスルホン酸とこの類似物などの他の極性酸基を包含する。例えば、このタイプの好ましい繰り返し単位は、フェノール単位または他のヒドロキシ含有単位である。
【0041】
このようなコポリマーにおいては、フォト酸レイビルおよびアルカリ性水溶液現像性基を含まない単位は、上記で議論したような部位、すなわちフォト酸レイビルエステルあるいはアセタール部位、またはヒドロキシ、カルボキシあるいはスルホン酸部位を含まない。このタイプの好ましい繰り返し単位は、このようなフォト酸レイビルあるいはアルカリ水溶液現像性部位により置換されていないフェニルあるいはアルキル基、例えば非置換であるか、あるいはハロ、非置換アルキル、非フォト酸レイビルアルコキシ、メシル基または式C1−8アルキルSOおよびこの類似物などの他のスルホン酸エステルの1つ以上により置換されているフェニルあるいはアルキル基を包含する。
【0042】
このようなコポリマーにおいては、フォト酸レイビルおよびアルカリ性水溶液現像性基を含まない単位は、上記で議論したような部位、すなわちフォト酸レイビルエステルあるいはアセタール部位、またはヒドロキシ、カルボキシあるいはスルホン酸部位を含まない。このタイプの好ましい繰り返し単位は、このようなフォト酸レイビルあるいはアルカリ性水溶液現像性部位により置換されていないフェニルあるいはアルキル基を包含し;例えば、このタイプの好ましい繰り返し単位は、非置換であるか、あるいはハロ、非置換アルキル、非フォト酸レイビルアルコキシ、スルホニル酸エステル、およびこれらの類似物の1つ以上により置換されているアルキルあるいはフェニル基である。このような置換基は、通常のリソグラフ条件(例えば、140℃までの1〜2分間のプレ露光熱処理;160℃までの1〜2分間のポスト露光熱処理;および/またはアルカリ性水溶液現像剤溶液による現像)下で実質的に安定(すなわち、脱ブロック反応を受けない)でなければならない。非フォト酸レイビルであり、そしてこのタイプの繰り返し単位に有用な水性現像性を実質的に促進しない好ましい置換基は、米国特許第5,736,536号および第5,541,263号(両方ともThackerayら、Shipley Companyへのもの)に不活性なブロック基として開示されている。これらの特許に開示されているように、リソグラフ処理に実質的に不活性であり、このポリマーを含有するレジストのアルカリ水溶液現像性を実質的に増大させない好適な置換基は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシなどのアルコキシ基;RCOO−(ここで、Rは、好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルなどの1〜6個の炭素原子を有するアルキル基である)により表されるアルキルエステル;メタンスルホニル、エタンスルホニル、プロパンスルホニル、ベンゼンスルホニル、およびトルエンスルホニルエステルなどのアルキル(例えば、C1−6アルキル)と炭素環状アリールエステルの両方を包含するスルホニル酸エステルを包含する。例えば、アルキルクロリドなどのアルキルハライドの反応によりアルコキシ基を形成するか、あるいは酸クロリドなどの酸ハライドによりアルキルエステルを形成することにより、これらの基をすべて上記に議論したようにヒドロキシ基上にグラフトして、スルホニルエステルを形成することができる。
【0043】
このような好ましいSiポリマーにおいては、フェニル基は、連結されたSi基、更に好ましくは連結されたSiO基を含むポリマー骨格に好ましくは懸垂している。
【0044】
フォト酸レイビル基を含む好適なSiポリマー単位は上記で議論したものであり、そしてフェノール性−OH基上にグラフトされたフォト酸レイビルエステルあるいはアセタール基を包含する。例えば、t−ブチルクロロアセテート(ClCHCOC(CH)などのハロアセテート化学物質をフェノール系ヒドロキシなどのヒドロキシ部位と反応させてもよい。また、カーボネート化学物質をヒドロキシ部位と反応させて、ペンダントフォト酸レイビルエステルを提供してもよく、例えば、ジ−t−ブチルジカーボネート(O[COC(CH)をフェノール基またはポリマーヒドロキシ基と反応させて、ペンダント酸レイビルエステル基を提供してもよい。好適には、このようなハロアセテートあるいはジカーボネート化学物質の反応を、たとえばカリウムt−ブトキシドまたはN,N−ジメチルアミノピリジンの存在下など酸性あるいは塩基性のいずれかの条件下で行ってもよい。塩基性反応条件が概ね好ましい。
【0045】
好適には、ビニルエーテル化合物をフェノールヒドロキシ部位上にグラフトして、フォト酸レイビルアセタール基、例えばエチルビニルエーテル、t−アミルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ビニルイソブチルビニルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニル−2−エチルヘキシルエーテル、ビニルオクタデシルエーテル、およびこれらの類似物などの少なくとも1つの−(CH=CH)−O−基を有する化合物、並びにヒドロキシブチルビニルエーテル、ブタンジオール−1,4−ジビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテルおよびこれらの類似物などの少なくとも2つのビニル基を有する化合物、並びにトリエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、およびこれらの類似物などの3つのビニル基を有する化合物、並びに1,4−シクロヘキサノールジメタノールジビニルエーテル、プロピレンカーボネートのプロペニルエーテル、1,1,1−トリス(ビニルオキシメチル)エタン、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、およびこれらの類似物などの4つ以上のビニル基を有する化合物を提供してもよい。
【0046】
好適には、アセタールフォト酸レイビル基を提供するためには、好ましくはアセトン、テトラヒドロフラン、ジグリムおよびジオキサンなどの1つ以上の好適な溶剤にこのヒドロキシ含有化合物とこのビニルエーテル化学物質を溶解した後、酸性条件下にこのようなビニルエーテル化合物をヒドロキシ基(例えば、フェノール系基またはC1−12ヒドロキシアルキルなどのアルコール基)上にグラフトしてもよい。酸性条件を提供する好適な酸触媒は、塩酸、硫酸、マロン酸および/またはスルホン酸を包含する。好ましくは、遊離ヒドロキシル基対ビニルエーテル化合物のモル比は、1対1を超えず、更に好ましくはヒドロキシル基は、ビニルエーテル化合物に対してモル過剰(例えば、2:1)で存在する。特に、好ましい合成は、ヒドロキシ基、特に基を有する予め形成したSiポリマー上にビニルエーテルをグラフトすることを包含し、この場合にはフェノール性ヒドロキシ基の一部のみがフォト酸レイビル基によりブロックされ、フェノール性ヒドロキシ基の一部がアルカリ性水溶液現像性基として非ブロック状態で残る。
【0047】
フェニル基とこの3つの区別される繰り返しを含有するこのような好ましいSiポリマーは容易に製造可能である。例えば、Siフェニル化学物質は、重合された、好ましくはヒドロキシルベンジルシリル化学物質であることができる。形成されるポリ(ヒドロキシベンジルシルセスキオキサン)を官能基化して、3つの区別できる繰り返し単位を提供することができ、例えばペンダントフェノールヒドロキシ基を反応させて、フォト酸レイビル基(上記に議論したようにジカーボネートまたはハロアセテートエステルの反応によるなどの)およびスルホニル酸あるいは酸クロリドまたはこれらの類似物との反応により提供されるものなどの非フォト酸レイビル基の両方を持たせることができる。単一の反応シーケンスで予め形成されたヒドロキシシルセスキオキサンポリマーへの両方の付加を行うことが可能であるが、好ましくは、これらの区別できる基を予め形成されたヒドロキシシルセスキオキサンポリマーと順次反応させる。好ましくは、このヒドロキシ部位の一部を未反応状態にとどめて(すなわち、非置換)、アルカリ性水溶液現像性を増進するOH基を提供する。特に好ましい反応スキーム、条件およびポリマーについては次の実施例を参照のこと。
【0048】
好適なレジストコポリマーにおいては、好適には、3つの区別できる繰り返し単位は種々の相対的な量で存在してもよい。例えば、フォト酸レイビル基を有する繰り返し単位は、好適には、このポリマーの全繰り返し単位基準で約1、2あるいは3〜約60あるいは70モル%で、更に好ましくは、このポリマーの全単位基準で約5、10あるいは20〜約30、40あるいは50モル%でポリマー中に存在してもよい。フォト酸レイビル基を含有せず、そしてアルカリ性水溶液現像性を実質的に増大させない繰り返し単位(例えば、メシル置換されたフェニル)は、好適には、このポリマーの全繰り返し単位基準で約1、2あるいは3〜約50あるいは60モル%で、更に好ましくは、このポリマーの全単位基準で約5、10あるいは20〜約30、40あるいは50モル%でポリマー中に存在してもよい。好適には、アルカリ性水溶液現像性を増大させる繰り返し単位(フェノール単位などの)は、このポリマーの全繰り返し単位基準で約5〜約60あるいは70モル%で、更に好ましくはこのポリマーの全単位基準で約10、20あるいは25〜約30、40あるいは50モル%でポリマー中に存在してもよい。
【0049】
本発明の下層と共に使用されるフォトレジストはネガ型としてもよい。通常のネガ型組成物は、活性化放射線に露光されたコーティング層領域を架橋する。本発明の系での使用に好ましいネガ型レジスト組成物は、好適には、1つ以上の架橋剤を含む。
【0050】
好適には、シリコン含有ポリマーあるいはオリゴマーと反応する多様な芳香族あるいは脂肪族の架橋剤をネガレジストの別な架橋構成成分として使用してもよい。架橋構成成分も、また、レジストのSiポリマーの一体の(共有結合した)部分であってもよい。このような有機架橋剤は硬化して、ケイ素含有ポリマーあるいはオリゴマーと重合網目を形成し、そして選択された溶剤中の溶解性を低下させる。このような有機架橋剤はモノマーまたはポリマーであってもよい。
【0051】
本発明の系のレジストで有用な好適な有機架橋剤は、限定ではないが、アミン含有化合物、エポキシ含有材料、少なくとも2つのビニルエーテル基を含有する化合物、アリル置換芳香族化合物、およびこれらの組み合わせ物を包含する。好ましい架橋剤は、アミン含有化合物とエポキシ含有材料を包含する。
【0052】
本発明の系のレジスト中の架橋剤として有用なアミン含有化合物は、限定ではないが、メラミンモノマー、メラミンポリマー、アルキロールメチルメラミン、ベンゾグアナミン樹脂、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、グリコウリル−ホルムアルデヒド樹脂、およびこれらの組み合わせを包含する。アクリルアミドあるいはメタアクリルアミドコポリマーとホルムアルデヒドとをアルコール含有溶液中で反応させることにより、あるいは別法としてN−アルコキシメチルアクリルアミドまたはメタアクリルアミドと他の好適なモノマーとを共重合させることにより、これらの樹脂を製造してもよい。特に好適なアミンベースの架橋体は、CYMEL(登録商標)300、301、303、350、370、380、1116および1130などのCytec(West Paterson,New Jersey)により製造されるメラミン;CYMEL(登録商標)1123および1125などのベンゾグアナミン樹脂;グリコールウリル樹脂CYMEL(登録商標)1170、1171および1172;およびこれもCytec(West Paterson,New Jersey)により入手できる尿素ベースの樹脂BEETLE(登録商標)60、65および80を包含する。極めて多数の類似のアミンベースの化合物が種々の供給者から市販されている。
【0053】
メラミンは好ましいアミンベースの架橋体である。アルキロールメチルメラミン樹脂が特に好ましい。これらの樹脂は、通常、トリアルキロールメチルメラミンとヘキサアルキロールメチルメラミンなどのエーテルである。このアルキル基は1〜8個以上の炭素原子を有してもよいが、好ましくはメチルである。反応条件とホルムアルデヒドの濃度に依存して、このメチルエーテルは相互に反応して、複雑な単位を形成することもある。
【0054】
特に好適なアミンベースの架橋剤は式
【0055】
【化1】

【0056】
のものを包含する。ここで、R11とR12はH、(C−C)アルキルおよびフェニルから独立に選択される。R11とR12に好ましいアルキル基はメチルとプロピルである。
【0057】
本発明の系のレジスト中で架橋体として有用なエポキシ含有材料は、開環により重合し得る1つ以上のオキシラン環を有する広範で多様な有機化合物を包含する。このような材料は、広くエポキシドと呼ばれ、限定ではないが脂肪族、シクロ脂肪族、芳香族あるいはヘテロ環状であってもよいモノマー形エポキシ化合物とポリマー形エポキシドを包含する。好ましいエポキシ架橋材料は、概ね、平均して分子当り少なくとも2個の重合性エポキシ基を有する。このポリマー形エポキシドは、末端エポキシ基(例えば、ポリオキシアルキレングリコールのジグリシジルエーテル)を有する線状ポリマー、オキシラン骨格単位を有するポリマー(例えば、ポリブタジエンポリエポキシド)、およびペンダントエポキシ基を有するポリマー(例えば、コポリマーのグリシジルメタアクリレートポリマー)を包含する。このエポキシドは高純度化合物であってもよいが、概ね分子当り1個、2個以上のエポキシ基を含有する混合物である。
【0058】
有用なエポキシ含有材料は、低分子量のモノマー材料およびオリゴマーから相対的に高い分子量ポリマーまで変わってもよく、そしてこれらの骨格と置換基の性状の点で大きく変わってもよい。例えば、この骨格はいかなるタイプでもよく、そして置換基は室温でオキシラン環と反応性であるいかなる置換基も含まないいかなる基であってもよい。好適な置換基は、限定ではないが、ハロゲン、エステル基、エーテル、スルホネート基、シロキサン基、ニトロ基、ホスフェート基、およびこれらの類似物を包含する。
【0059】
本発明の系のレジストに特に有用なエポキシ含有材料は、グリシジルエーテルを包含する。例は、多価フェノールとエピクロロヒドリンなどの過剰のクロロヒドリンとを反応させることにより得られる多価フェノールのグリシジルエーテルである(例えば、2,2−ビス−(2,3−エポキシプロポキシフェノール)プロパンのジグリシジルエーテル)。このようなグリシジルエーテルは、ビスフェノールAエトキシル化ジエポキシドなどのビスフェノールAエポキシドを包含する。このタイプのエポキシドの更なる例は、引用によりこの明細書に組み込まれている、米国特許第3,018,262号に記述され、このようなエポキシドの製造が教示されている。
【0060】
本発明の系のレジストで有用な好適なエポキシドは、限定ではないが、エピクロロヒドリン、グリシドール、グリシジルメタアクリレート、p−t−ブチルフェノールのグリシジルエーテル(例えば、Celaneseから商品名EPI−REZ5014で入手できるもの);ビスフェノールAのジグリシジルエーテル(例えば、Shell Chemical Co.から商品名EPON828、EPON1004およびEPON1010で入手できるもの;およびDow Chemical CoのDER331、DER332およびDER334)、ビニルシクロヘキセンジオキシド(例えば、Union Carbide Corp.のERL−4206)、3,4−エポキシ−6−メチル−シクロヘキシルメチル−3,4エポキシ−6−メチルシクロヘキセンカルボキシレート(例えば、Union Carbide Corp.のERL−4201)、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペ−ト(例えば、Union Carbide Corp.のERL−4289)、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル(例えば、Union Carbide Corp.のERL−0400)、ポリプロピレングリコール変成の脂肪族エポキシ(例えば、Union Carbide Corp.のERL−4050とERL−4269)、ジペンテンジオキシド(例えば、UnionCarbideCorp.のERL−4269)、難燃性エポキシ樹脂(例えば、Dow Chemical Co.のDER−580、ブロム化ビスフェノールタイプエポキシ樹脂)、フェノールホルムアルデヒドノボラックの1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル(例えば、Dow Chemical Co.のDEN−431とDEN−438)、およびレゾルシノールジグリシジルエーテル(例えば、Koppers Company Inc.のKOPOXITE)を包含する。
【0061】
少なくとも2つのビニルエーテル基を含有する化合物は、限定ではないが、脂肪族、シクロ脂肪族、芳香族あるいは芳香脂肪族のジオールのジビニルエーテルを包含する。このような材料の例は、1〜12個の炭素原子を有する脂肪族ジオール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ジメチルシクロヘキサン、およびこれらの類似物のジビニルエーテルを包含する。少なくとも2つのビニルエーテル基を有する特に有用な化合物は、エチレングリコール、トリメチレン−1,3−ジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、レゾルシノール、ビスフェノールA、およびこれらの類似物のジビニルエーテルを包含する。
【0062】
本発明で架橋体として有用な好適なアリル置換芳香族化合物は、1つ以上のアリル置換基を含有するものであり、すなわち、この芳香族化合物はアルキレン基のアリル炭素により1つ以上の環位置で置換されている。好適なアリル芳香族は、アリルフェノールなどのアリルフェニル化合物を包含する。アリルフェノール架橋体は、フェノール単位がアルキレン基のアリル炭素により1つ以上の環位置で置換されている1つ以上のフェノール単位を含有するモノマーまたはポリマーであることができる。通常、このアルキレン置換基はプロペニルであり、すなわちこのフェノールは1つ以上のプロペニル置換基を有する。好ましいアリルフェノールは、フェノールとヒドロキシベンズアルデヒドとアリルクロリドなどのアリルハライドとの重縮合物を包含する。多数の好適なアリルフェノールが市販されていて、例えばこのアリルフェノールはKennedy and Klim,Inc.(Little Silver,N.J.)によりTHERMAX SH−150ARの商品名で販売されている。アリルフェノールを包含するアリルフェニル化合物も引用によりこの明細書に組み込まれている、米国特許第4,987,264号に記述され、このような化合物の製造が教示されている。
【0063】
特に好適な有機架橋剤は、上記の式IVのものなどのメトキシメチル置換メラミンとメトキシメチル置換グリコウリルなどの1つ以上のメトキシメチル基を含有するものを包含する。ヘキサメトキシメチルメラミンは、好ましいメトキシメチル置換メラミンである。この有機架橋剤の1つ以上の水素、更に好ましくはこのメトキシメチル置換基中の1つ以上のメチル水素は、ハロゲン、好ましくはフッ素により置換されていることが更に好ましい。このように、好ましい架橋体は、メトキシフルオロメチルおよび/またはメトキシジフルオロメチル置換基の1つ以上を含有するものを包含する。例示の好ましいフッ素化された架橋剤は、ヘキサメトキシフルオロメチルメラミンとヘキサメトキシジフルオロメチルメラミンなどのメトキシフルオロメチル−およびメトキシジフルオロメチル置換メラミンおよびグリコウリルを包含する。フッ素化されたエポキシ架橋剤も好適である。ある用途に対しては、この架橋剤はフッ素化されていることが好ましい。
【0064】
本発明の組成物は、好適なこととしては単一タイプの有機架橋体、例えばアミン含有架橋体のみを含むか、あるいは2つ以上の異なる架橋体を含有してもよい。レジスト中で有機架橋体の組み合わせを使用する場合には、この組み合わせ物は、アミン含有化合物とエポキシ含有化合物を包含することが好ましい。本発明の組成物中の有機架橋剤の濃度は、相対的に広い範囲内で変わってもよい。当業者ならば、好適な有機架橋体濃度は、架橋体反応性と組成物の特定の用途などの要素と共に変わることを認識するであろう。通常、この架橋剤は、この組成物の全重量基準で0.1〜80重量%の範囲の、好ましくは0.5〜50%の範囲の、そして更に好ましくは1〜25%の範囲の量で存在する。
【0065】
限定ではないが、フォト酸発生剤と光塩基発生剤を包含する広範で多様な光活性構成成分を本発明の系のレジストで使用してもよい。フォト酸発生剤が好ましい。当業者ならば、有利なこととして1つ以上の光活性構成成分を本発明のフォトイメージャブル組成物で使用してもよいことを認識するであろう。
【0066】
本発明で有用な光塩基発生剤は、サブ300nm放射線、特に248nm放射線などの放射線に露光した時に酸を遊離する任意の化合物である。好適なフォト塩基発生剤は、限定ではないが、ベンジルカーバメート、ベンゾインカーバメート、O−カルバモイルヒドロキシアミン、O−カルバモイルオキシム、芳香族スルホンアミド、アルファ−ラクタム、N−(2−アリルエテニル)アミド、アリールアジド化合物、N−アリールホルムアミド、および4−(オルト−ニトロフェニル)ジヒドロピリジンを包含する。
【0067】
本発明で有用なフォト酸発生剤は、サブ300nm放射線、特に248nm放射線などの放射線に露光した時に酸を遊離する任意の化合物である。好適なフォト酸発生剤は、例えばハロゲン化トリアジン、オニウム塩、スルホン酸化エステルおよびハロゲン化スルホニルオキシジカルボキシイミドを包含する。
【0068】
特に有用なハロゲン化トリアジンはハロメチル−s−トリアジンを包含する。好適なハロゲン化トリアジンは、例えば、2−(1−(3,4−ベンゾジオキソリル))−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,2,5−トリアジン、2−(1−(2,3−ベンゾジオキソリル))−4、6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(1−(3,4−ベンゾジオキソリル))−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(1(2,3−ベンゾジオキソリル))−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−フリルエチリデン)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−(5−メチルフリル)エチリデン)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−(4−メチルフリル)エチリデン)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−(3−メチルフリル)エチリデン)−4,6−ビス−(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−(4,5−ジメチルフリル)エチリデン)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−(5−メトキシフリル)エチリデン)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−(4−メトキシフリル)エチリデン)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−(3−メトキシフリル)エチリデン)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−(4,5−ジメトキシ−フリル)エチリデン)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−フリルエチリデン)−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−(5−メチルフリル)エチリデン)−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−(4−メチルフリル)−エチリデン)−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−(3−メチルフリル)エチリデン)−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−(4,5−ジメトキシフリル)エチリデン)−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−(5−メトキシフリル)エチリデン)−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−(4−メトキシフリル)エチリデン)−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−(3−メトキシフリル)エチリデン)−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−(4,5ジメトキシフリル)エチリデン)−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス−(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス−(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(1−ナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(1−ナフチル)−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシ−l−ナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシ−l−ナフチル)−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1、3、5−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(3,4,5−トリメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(3,4,5−トリメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(3−クロロ−l−フェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(3−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジンおよびこれらの類似物を包含する。本発明で有用な他のトリアジンタイプのフォト酸発生剤は、引用によりこの明細書に組み込まれている、米国特許第5,366,846号に開示されている。
【0069】
このs−トリアジン化合物は、ある種のメチル−ハロメチル−s−トリアジンとある種のアルデヒドまたはアルデヒド誘導体との縮合反応生成物である。このようなs−リアジン化合物を米国特許第3,954,475号とWakabayashiら、Bulletin of the Chemical Society of Japan,42,2924−30(1969)に開示されている方法により製造してもよい。
【0070】
弱い親核性アニオンを持つオニウム塩が本発明でのフォト酸発生剤としての使用に特に好適である。このようなアニオンの例は、2価ないし7価の金属または非金属、例えば、アンチモン、スズ、鉄、ビスマス、アルミニウム、ガリウム、インジウム、チタン、ジルコニウム、スカンジウム、クロム、ハフニウム、銅、ホウ素、リンおよびヒ素のハロゲン錯アニオンである。好適なオニウム塩の例は、限定ではないが周期律表の族VAおよびB、IIAおよびBおよびIのジアリールジアゾニウム塩とオニウム塩、例えば、ハロニウム塩、4級アンモニウム、ホスホニウムおよびアルソニウム塩、芳香族スルホニウム塩およびスルホキソオニウム塩またはセレン塩を包含する。好適なオニウムの例は、引用により本明細書に組み込まれている、米国特許第4,442,197号、第4,603,101号、および第4,624,912号に開示されている。トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェートなどのスルホニウム塩が好ましい。
【0071】
本発明でのフォト酸発生剤として有用なスルホン酸化されたエステルはスルホニルオキシケトンを包含する。好適なスルホン酸化されたエステルは、限定ではないが、ベンゾイントシラート、t−ブチルフェニルアルファ−(p−トルエンスルホニルオキシ)−アセテート、およびt−ブチルアルファ(p−トルエンスルホニルオキシ)−アセテートを包含する。このようなスルホン酸化されたエステルは、引用により本明細書に組み込まれている、Journal of Photopolymer Science and Technolgy,vol.4,No.3,337−340(1991)に開示されている。
【0072】
本発明でのフォト酸発生剤として有用な好適なハロゲン化スルホニルオキシジカルボキシイミドは、限定ではないが、1−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)−1H−ピロール−2,5−ジオン;N−((ペルフルオロオクタンスルホニル)オキシ)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド;N−((トリフルオロメチルスルホニル)オキシ)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド;1−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)−2,5−ピロリジンジオン;3a,4,7,7a−テトラヒドロ−2−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)−4,7−メタノ−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン;2−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)−1H−ベンズ(f)イソインドール−1,3(2H)−ジオン;3,4−ジメチル−l(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)−1H−ピロール−2,5−ジオン;2−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン;2−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)−1H−ベンズ(de)イソキノリン−1,3(2H)−ジオン;4,5,6,7−テトラヒドロ−2−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン;3a,4,7,7a−テトラヒドロ−2−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)−4,7−エポキシ−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン;2,6−ビス−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)−ベンゾ(1,2−c:4,5−c')ジピロール−1,3,5,7(2H,6H)−テトロン;ヘキサヒドロ−2,6−ビス−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)−4,9−メタノ−1H−ピロロ(4,4g)イソキノリン−1,3,5,7(2H、3aH、6H)−テトロン;1,8,8−トリメチル−3−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)−3−アザビシクロ(3.2.1)オクタン−2,4−ジオン;4,7−ジヒドロ−2−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)−4,7−エポキシ−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン;3−(1−ナフタレニル)−4−フェニル−1−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)−1H−ピロール−2,5−ジオン;3,4−ジフェニル−1−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)−1H−ピロール−2,5−ジオン;5,5'−(2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチリデン)ビス(2−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン;テトラヒドロ−4−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)−2,6−メタノ−2H−オキシレノ(f)イソインドール−3,5(1aH,4H)−ジオン;5,5'−オキシビス−2−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン;4−メチル−2−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン;3,3,4,4−テトラメチル−l−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)−2,5−ピロリジンジオンおよびこれらの混合物を包含する。このハロゲン化スルホニルオキシジカルボキシイミドは、1つ以上の1−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)−1H−ピロール−2,5−ジオン;N−((ペルフルオロオクタンスルホニル)オキシ)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド;N−((トリフルオロメチルスルホニル)オキシ)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドおよび1−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)−2,5−ピロリジンジオン、更に好ましくはN−((ペルフルオロオクタンスルホニル)オキシ)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドまたはN((トリフルオロメチルスルホニル)オキシ)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドを含むことが好ましい。
【0073】
本発明のポジ型系においては、この光活性構成成分は、通常、活性化放射線に露光した時にレジスト材料のコーティング層中に潜像を生じさせるのに充分な量でフォトイメージャブル組成物に添加される。この光活性構成成分がフォト酸発生剤である場合には、この量は、通常、この樹脂の重量基準で0.1〜10重量%の、好ましくは1〜8重量%の範囲内である。
【0074】
本発明のネガ型系においては、有用な光活性構成成分の量は、このケイ素含有ポリマーあるいはオリゴマーの架橋を触媒するのに充分な任意な量である。この光活性構成成分は、通常、この組成物の重量基準で0.1〜25重量%の範囲で使用される。この光活性構成成分は、0.1〜15重量%の範囲の、更に好ましくは0.l〜12重量%の範囲の量、そしてなお更に好ましくは5重量%未満あるいは等しい量で存在することが好ましい。特に好適な範囲は0.1〜5重量%である。
【0075】
本発明のレジスト系で使用されるフォトレジストは、限定ではないが、溶剤、耐光条剤、可塑剤、界面活性剤、塩基添加物、反応速度増進剤、充填剤、染料およびこの類似物などの1つ以上の更なる構成成分を任意に更に包含してもよい。ポジ型系においては、塩基添加物は、通常、組成物の感光速度を調整するのに使用される。このような任意の添加物は、相対的に高い濃度で、例えば組成物の乾燥成分の全重量基準で約5〜30重量%の量で使用される充填剤と染料を除いて、相対的に低い濃度でフォトレジスト組成物中に存在する。
【0076】
当業者ならば本発明のフォトイメージャブル組成物を容易に製造することができる。例えば、このフォトレジスト成分、すなわち、ポリマーバインダーと光活性成分を好適な溶剤中に溶解することにより、本発明のフォトレジスト組成物を製造することができる。このような好適な溶剤は、限定ではないが、エチルラクテート、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエチルエーテルアセテート、3−エトキシエチルプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、およびこれらの混合物を包含する。
【0077】
通常、このフォトレジスト組成物の固体含量は、この組成物の全重量基準で約5から約35重量%まで変わる。この樹脂バインダーと光活性成分は、膜コーティング層と良好な品質の潜像とレリーフ像の形成をもたらすのに充分な量で存在しなければならない。
【0078】
スピンコーティング、ディップコーティング、ローラーコーティングおよびこの類似物などの任意の既知の方法によりこのようなフォトレジスト組成物を基体に塗布してもよい。この組成物をスピンコーティングにより塗布する場合は、使用される特定のスピンコーティング装置、溶液粘度、スピンナー速度およびスピンコーティングに許容される時間を基準として、コーティング溶液の固形含量を調整して、所望の膜厚さを付与することができる。
【0079】
上述のように、Si含有フォトレジストは、多層(2層)フォトレジスト系の最上層として使用される。下層組成物は、通常、上述の方法のいずれかを用いて、特にスピン−コーティングにより基体に塗布あるいは被覆される。次に、好適には、この組成物の構成成分に依存して種々な条件下でこの最下層を熱処理する。特に、この下層組成物が酸あるいは酸発生化合物および/または架橋体構成成分を含有しない場合には、好適には、この下層組成物コーティング層を相対的に過酷な条件下で、例えば180℃以上で0.5、1あるいは2分間熱処理する。下層がこのような硬化剤を含有する場合には、好適には180℃未満、例えば約170℃、160℃、150℃または140℃以下で0.5、1あるいは2分間の熱処理などの更に温和な条件を使用してもよい。
【0080】
好ましい下層組成物コーティングは、硬化後0.4〜1μmの厚さを有する。本発明の系の最上層レジスト層は、好適には0.05〜1μm、好ましくは0.1〜0.5μm、そして更に好ましくは0.1〜0.3μm厚である。
【0081】
最下層の上に被覆した後、好適には、樹脂組成物上層を加熱(ベーク)により乾燥して、いかなる溶剤も除去する。好ましくはタックフリーになるまでコーティングを乾燥する。その後、これを慣用の方法でマスクにより像形成する。露光は、フォトレジストの光活性成分を有効に活性化して、レジストコーティング層中にパターン化された像を生じるのに充分なものであり、更に具体的には、この露光エネルギーは、露光装置とフォトレジスト組成物の成分に依存して、通常、約1〜100mJ/cmの範囲である。
【0082】
本発明のフォトイメージャブル組成物を248、193、157nmおよび11〜15nmなどの種々の露光波長により活性化してもよい。しかしながら、本発明のフォトイメージャブル組成物を限定ではないが、可視光、電子線、イオンビームおよびX線などの他の照射光源と共に使用してもよい。
【0083】
露光に続いて、この組成物の膜最上層を好ましくは約70℃〜160℃の範囲の温度でベークする。その後、テトラアルキル水酸化アンモニウム、好ましくは0.15〜0.26Nのテトラメチル水酸化アンモニウムなどの4級水酸化アンモニウム溶液;エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンまたはメチルジエチルアミンなどの種々のアミン溶液;ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルコールアミン;ピロール、ピリジン、およびこの類似物などの環状アミンなどの水性ベースの現像液による処理により、この最上層膜を現像して、エッチングパターンを形成する。
【0084】
次に、酸素反応性イオンエッチング法などのエッチングによりこのパターンを下層または最下層に次に転写する。このような処理の後、当業界で既知の任意の剥離法を用いて、上部および最下層のレジストの両方を処理基体から除去してもよい。
【0085】
本発明のフォトレジスト系は、フォトレジストが通常使用されるすべての用途で有用である。例えば、マイクロプロセッサーと他の集積回路構成成分の製造のために、この組成物をシリコンウエハーまたは二酸化ケイ素により被覆されたシリコンウエハーに塗布してもよい。アルミニウム−酸化アルミニウム、ガリウムヒ素、セラミック、石英、銅、ガラス、スピンコート有機誘電体、スピンコートあるいは化学蒸着された無機誘電体、またはこの類似物も本発明のフォトレジスト組成物の基体として好適に使用される。キャップ層、エッチストップ層またはこの類似物などの他の化学蒸着層も基体として使用してもよい。
【0086】
別法として、本発明の組成物を光導波路の製造などのオプトエレクトロニクス用途でも使用してもよい。「光導波路」は、二次元基体表面を横切って光を伝達するいかなる素子も意味する。好適な光導波路は、限定ではないが、スプリッター、カップラー、分光フィルター、偏光器、アイソレーター、波長分割多重構造体(wavelength division multiplexing structures)、およびこの類似物を包含する。このような導波路は、電気−光学、熱−光学あるいは音響−光学素子によるなどの増幅およびスイッチングなどの能動的な機能も含んでもよい。増幅器として有用であるためには、本発明の導波路は、通常、1つ以上のドーパントを含有する。エルビウムは例示のドーパントである。このようなドーパントは当業界でよく知られている。このように、増幅器としての使用に好適な本発明の導波路は、1つ以上のドーパントを含有する。
【0087】
本発明の導波路を個別の導波路として、あるいは導波路のアレイとして製造してもよい。このような導波路をアレイとして製造するか否かは特定の使用に依存し、当業者の能力内にある。
【0088】
一つの態様においては、限定ではないが、スクリーンコーティング(またはスクリーン印刷)、カーテンコーティング、ローラーコーティング、スロットコーティング、スピンコーティング、フラッドコーティング、静電スプレー、スプレーコーティング、ディップコーティングを包含する任意の手段により、あるいはドライフィルムとして、最初に本発明の組成物の層を基体上に設けることにより、光導波路を製造してもよい。本発明の組成物をスプレーコーティングする場合、加熱したスプレーガンを任意に使用してもよい。粘度変成剤、チクソトロピー剤、充填剤およびこの類似物によりこの組成物の粘度を調整して、各塗布方法の要求に合わせてもよい。導波路の支持に好適ないかなる基体も本発明の組成物と共に使用してもよい。好適な基体は、限定ではないが、プリント配線基板と集積回路などのエレクトロニクス素子の製造に使用される基体を包含する。特に好適な基体は、銅クラッド基板、プリント配線基板内層および外層、集積回路の製造で使用されるウエハー、液晶表示(「LCD」)ガラス基板およびこの類似物の積層表面と銅表面を包含する。
【0089】
次に、通常、この被覆された基体をベークなどにより硬化して、いかなる溶剤も除去する。このような硬化は、選択される特定の溶剤に依存して多様な温度であってもよい。好適な温度は、存在するいかなる溶剤も実質的に除去するのに充分ないかなる温度でもよい。通常、この硬化は室温(すなわち25℃)〜170℃のいかなる温度におけるものでもよい。このような硬化は、通常、5秒〜30分の時間で起こる。基体をオーブン中あるいはホットプレート上で加熱することにより、このような硬化を行ってもよい。
【0090】
硬化後、次に、適当なアートワークまたはマスクを通して活性放射線に露光することにより、この基体上に設けた本発明の系のレジストの層を像形成する。露光に続いて、次にこのレジスト組成物を40°〜170℃の温度で硬化し、続いて現像する。
【0091】
現像に続いて、本発明の導波路を最終の硬化段階またはリフロー段階にかける。このような最終の硬化段階においては、導波路を空気または窒素またはアルゴンなどの不活性雰囲気中約130°〜225℃の温度で加熱してもよい。このような最終の硬化段階は、残存溶剤の除去、架橋度の増大などによるシルセスキオキサンポリマーからのヒドロキシル基の除去を助け、表面粗さの低減など導波路プロファイルを変え、そして材料の光学透過性を改善する。
【0092】
光導波路は、通常、コアとクラッドを有し、クラッドはコアに比較して低屈折率を有する。特に有用な導波路は1.4〜1.55の屈折率を持つコアを有する。通常、好適なクラッドは1.3〜1.54の屈折率を有する。
【0093】
最初にクラッド層を基体上に堆積することが好ましい。このクラッド層が光キュア性あるいは熱キュア性である場合には、最初の段階としてこれを雰囲気キュアしてもよい。次に、このフォトデファイナブル(photodefinable)コア材料をクラッド層上に堆積し、像形成し、そして非露光領域を任意に除去する。次に、第2のクラッド層を像形成された導波路上に堆積する。第2のクラッド層は第1のクラッド層と同一であるか、あるいは異なってもよい。しかしながら、第1および第2のクラッド層の屈折率は同一でなければならない。次に、第2のクラッド層をキュア、あるいは光硬化性クラッド組成物の場合には像形成して、導波路構造を設ける。
【0094】
本発明の更なる局面を例示するために、次の実施例を提示するが、これは、いずれの局面においても本発明の範囲を限定する意図するものでない。本明細書で挙げたすべての文献は引用により本明細書に組み込まれている。
【実施例】
【0095】
実施例1:本発明の下層組成物
次の材料を規定の量で混和することにより、本発明の下層(最下層)組成物を製造する。
樹脂
メシル置換を有するポリ(ビニルフェノール)
メチルメチルアクリレート/アントラセンアクリレート/エチルヒドロキシアクリレートの重合単位を含有するターポリマー
架橋体
3−メチル−6−プロピル−テトラメトキシグリコールウリル(樹脂構成成分の4.5重量%の量で)
ヘキサメトキシメチルメラミン(商品名Cymel)(樹脂構成成分の5重量%の量で)
酸発生剤
ドデシルベンゼンスルホン酸(商品名Nacure5225)(樹脂構成成分の0.5重量%の量で)
界面活性剤
シロキサン界面活性剤(樹脂構成成分の0.3重量%の量で)
溶剤
90重量%の流体配合物を提供するプロピレングリコールモノメチルエーテル:エチルラクテートの90:10のv:vのブレンド
【0096】
実施例2:フォトレジストの製造
A部.ケイ素含有ポリマーの製造
パート1
ポリ(4−ヒドロキシベンジルシルセスキオキサン)(254.7g)を乾燥した3Lフラスコ(反応器)中窒素雰囲気下で1000mLの乾燥アセトン中に溶解させる。メタンスルホニルクロリド(23.8g)を添加し、そしてこの反応器を15℃まで冷却する。蒸留したトリエチルアミン(21.9g)とアセトン(22g)の溶液を20〜30分かけて徐々に滴加し、30℃未満の反応温度を維持する。攪拌を3時間継続し、そこでこの溶液を32Lの水に2時間かけて滴加し、ポリマーを沈澱させる。次に、このポリマーを吸引濾過により捕集し、室温で18時間攪拌しながら、8Lの水中に懸濁させる。次に、この固体を吸引濾過により捕集し、流出液のpHが中性となるまで水により洗浄し、48時間風乾し、そして真空中70℃で24時間乾燥して、95モル%ヒドロキシベンジルシルセスキオキサン/5モル%メシル化ベンジルシルセスキオキサンの式を有するオフホワイトのポリマーを得る。収率:246g(理論の85%)。GPCデータ(RI検出):Mw=6,362;Mn=3,448;分子量多分散性=1.84。Tg=90℃。溶解速度(0.26N TMAH)=5,591Å/秒。得られた単離ポリマーは、H NMRにより求めると5〜7%のメタンスルホネーションを含有する。
【0097】
【化2】

【0098】
パート2
パート1からの5%メシル化ポリ(4−ヒドロキシベンジルシルセスキオキサン)(163.1g)を乾燥した2Lフラスコ(反応器)中窒素雰囲気下で750mLの乾燥アセトン中に溶解させる。ジ−t−ブチルジカーボネート(65.5g)を300mLのアセトンに溶解し、この反応器に添加し、続いて2mLのアセトンに溶解したN,N−ジメチルアミノピリジン(「DMAP」,0.25g)を添加し、そして得られる淡黄橙色溶液を25℃で25時間攪拌する。ポリマーのアセトン溶液を24Lの水に2時間かけて滴加し、ポリマーを沈澱させる。次に、このポリマーを吸引濾過により捕集し、水により洗浄し、そして真空中20℃で恒量まで(約、72時間)乾燥して、x=0.65、y=0.05およびz=0.3の次の一般式により示されるような65モル%ヒドロキシベンジルシルセスキオキサン/5モル%メシル化ベンジルシルセスキオキサン/30モル%t−ブトキシカルボナトベンジルシルセスキオキサンの式を有するオフホワイトのポリマーを得る。収率:174g(理論の90%)。GPCデータ(RI検出):Mw=6,216;Mn=3,636、分子量多分散性=1.70。溶解速度(0.26NTMAH)=0.95Å/秒。
【0099】
【化3】

【0100】
パートB.フォトレジストの製造
この実施例2のパートAのポリマーを用いて、像形成層を調合する。9.09%w/wの実施例2のパートAのポリマー、フォト酸発生剤として0.85%w/wのメタノインデンジイミドトリフラート、0.051%w/wの水酸化テトラブチルアンモニウム、0.02%w/wの界面活性剤、および89.983%w/wの2つのエステル溶剤の9:1w/wブレンドを合体することにより、試料を作製する。
【0101】
実施例3:多層フォトレジスト系
上記の実施例1で製造した下層組成物を8インチのシリコンウエハー上にスピンコートし、175℃で60秒間ベークして、溶剤を除去し、架橋コーティング層を提供する。
【0102】
上記の実施例2のケイ素含有フォトレジストをこのように熱処理された下層の上にスピンコーティングにより塗布する。この試料をウエハー上にスピンコーティングし、90℃で90秒間ベークし、そして次にGlobal5ラインのレチクルと環状照明(外側0.85、内側0.55)を用いて、ASML0.63NADUVステッパーにより像形成する。
【0103】
本発明の前出の記述はそれを単に例示するものであり、そして請求項で示すように変形と仲介を行うことができることが理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)基体上の有機の下層組成物コーティング層であって、前記下層組成物が芳香族および/または脂環式基を含む構成成分と1つ以上の発色団基を含む構成成分を含むコーティング層、および
b)前記下層組成物コーティング層の上のフォトレジスト組成物コーティング層であって、前記フォトレジストが光活性構成成分とSi含有構成成分を含むコーティング層
を含む被覆された基体。
【請求項2】
前記下層組成物がi)芳香族および/または脂環式基とii)発色団基の両方を含む一体の構成成分を含む請求項1記載の被覆された基体。
【請求項3】
前記下層組成物が芳香族および/または脂環式基を含む第1の構成成分と、発色団基を含む第1の構成成分から区別できる第2の構成成分を含む請求項1記載の被覆された基体。
【請求項4】
前記発色団基がアントラセン基を含む請求項1から3のいずれか1項記載の被覆された基体。
【請求項5】
芳香族および/または脂環式基を含む前記下層組成物構成成分が任意に置換されたフェニル基、任意に置換されたナフチル基、任意に置換されたアダマンチル基、任意に置換されたノルボルニル基、または任意に置換されたイソボルニル基を含む請求項1から4のいずれか1項記載の被覆された基体。
【請求項6】
前記下層組成物が少なくとも2つの区別できる樹脂の混合物を含む請求項1から5のいずれか1項記載の被覆された基体。
【請求項7】
前記下層組成物の1つの樹脂が芳香族および/または脂環式の基を含み、そして前記下層組成物の第2の樹脂が1つ以上の発色団基を含む請求項6記載の被覆された基体。
【請求項8】
前記下層組成物がi)フェニル基を含む単位を含む第1の樹脂とii)アントラセン基を含む単位を含む第2の樹脂とを含む請求項1から7のいずれか1項記載の被覆された基体。
【請求項9】
前記下層組成物がフェノール系樹脂を含む請求項1から7のいずれか1項記載の被覆された基体。
【請求項10】
前記下層組成物がノボラックあるいはポリ(ビニルフェノール)樹脂を含む請求項1から7のいずれか1項記載の被覆された基体。
【請求項11】
前記下層組成物がアクリレート樹脂を含む請求項1から10のいずれか1項記載の被覆された基体。
【請求項12】
前記下層組成物がアントラセン部位を含むアクリレート樹脂を含む請求項1から11のいずれか1項記載の被覆された基体。
【請求項13】
前記下層組成物が酸または酸発生化合物を含む請求項1から12のいずれか1項記載の被覆された基体。
【請求項14】
前記下層組成物が熱酸発生化合物を含む請求項1から13のいずれか1項記載の被覆された基体。
【請求項15】
前記下層組成物がフォトイメージャブルでない請求項1から14のいずれか1項記載の被覆された基体。
【請求項16】
前記下層組成物が架橋体構成成分を含む請求項1から15のいずれか1項記載の被覆された基体。
【請求項17】
前記下層組成物が架橋している請求項1から16のいずれか1項記載の被覆された基体。
【請求項18】
フォトレジスト組成物がSi基を持つ樹脂を含む請求項1から17のいずれか1項記載の被覆された基体。
【請求項19】
フォトレジスト組成物樹脂がフェノール基を含む請求項1から18のいずれか1項記載の被覆された基体。
【請求項20】
フォトレジスト組成物樹脂がフォト酸レイビル基を含む請求項1から19のいずれか1項記載の被覆された基体。
【請求項21】
前記基体がマイクロエレクトロニクス用ウエハー基体である請求項1から20のいずれか1項記載の被覆された基体。
【請求項22】
a)有機の下層組成物コーティング層を基体上に塗布し、前記下層組成物が芳香族および/または脂環式基を含む構成成分と1つ以上の発色団基を含む構成成分を含むこと;および
b)前記下層組成物の上にフォトレジスト組成物コーティング層を塗布し、前記フォトレジスト組成物が光活性構成成分とSi含有構成成分を含むこと
を含むフォトレジストレリーフ像を形成する方法。
【請求項23】
前記フォトレジスト層を300nm未満の波長を有する放射線に露光する請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記フォトレジスト層を約248nmの波長を有する放射線に露光する請求項22記載の方法。
【請求項25】
前記フォトレジスト組成物を塗布するのに先立ち前記下層組成物を熱処理する請求項22から24のいずれか1項記載の方法。
【請求項26】
前記フォトレジスト組成物を塗布するのに先立ち前記下層組成物を架橋する請求項22から25のいずれか1項記載の方法。
【請求項27】
前記下層組成物がi)芳香族および/または脂環式基とii)発色団基の両方を含む一体の構成成分を含む請求項22から26のいずれか1項記載の方法。
【請求項28】
前記下層組成物が芳香族および/または脂環式基を含む第1の構成成分と、発色団基を含む第1の構成成分から区別できる第2の構成成分を含む請求項22から26のいずれか1項記載の方法。
【請求項29】
前記発色団基がアントラセン基を含む請求項22から28のいずれか1項記載の方法。
【請求項30】
芳香族および/または脂環式基を含む前記下層組成物構成成分が任意に置換されたフェニル基、任意に置換されたナフチル基、任意に置換されたアダマンチル基、任意に置換されたノルボルニル基、または任意に置換されたイソボルニル基を含む請求項22から29のいずれか1項記載の方法。
【請求項31】
前記下層組成物が少なくとも2つの区別できる樹脂の混合物を含む請求項22から29のいずれか1項記載の方法。
【請求項32】
前記下層組成物の第1の樹脂が芳香族および/または脂環式基を含み、そして前記下層組成物の第2の樹脂が1つ以上の発色団基を含む請求項31記載の方法。
【請求項33】
前記下層組成物がi)フェニル基を含む単位を含む第1の樹脂とii)アントラセン基を含む単位を含む第2の樹脂とを含む請求項22から32のいずれか1項記載の方法。
【請求項34】
前記下層組成物がフェノール系樹脂を含む請求項22から33のいずれか1項記載の方法。
【請求項35】
前記下層組成物がノボラックあるいはポリ(ビニルフェノール)樹脂を含む請求項22から34のいずれか1項記載の方法。
【請求項36】
前記下層組成物がアクリレート樹脂を含む請求項22から35のいずれか1項記載の方法。
【請求項37】
前記下層組成物がアントラセン部位を含むアクリレート樹脂を含む請求項22から36のいずれか1項記載の方法。
【請求項38】
前記下層組成物が酸または酸発生化合物を含む請求項22から37のいずれか1項記載の方法。
【請求項39】
前記下層組成物が熱酸発生化合物を含む請求項22から38のいずれか1項記載の方法。
【請求項40】
前記下層組成物がフォトイメージャブルでない請求項22から39のいずれか1項記載の方法。
【請求項41】
前記下層組成物が架橋体構成成分を含む請求項22から40のいずれか1項記載の方法。
【請求項42】
前記下層組成物が架橋している請求項22から41のいずれか1項記載の方法。
【請求項43】
フォトレジスト組成物がSi基を持つ樹脂を含む請求項22から42のいずれか1項記載の方法。
【請求項44】
フォトレジスト組成物樹脂がフェノール系基を含む請求項22から43のいずれか1項記載の方法。
【請求項45】
フォトレジスト組成物樹脂がフォト酸レイビル基を含む請求項22から44のいずれか1項記載の方法。
【請求項46】
前記フォトレジスト組成物を活性化放射線により像形成し、そして前記像形成されたフォトレジスト組成物を現像剤により処理して、フォトレジストレリーフ像を提供する請求項22から45のいずれか1項記載の方法。
【請求項47】
現像剤による処理時にフォトレジストを剥離した領域をエッチングする請求項46記載の方法。
【請求項48】
現像剤による処理時にフォトレジストを剥離した領域をプラズマガスに暴露する請求項47記載の方法。
【請求項49】
前記プラズマガスが前記下層組成物を透過する請求項48記載の方法。
【請求項50】
前記基体がマイクロエレクトロニクス用ウエハーである請求項22から49のいずれか1項記載の方法。
【請求項51】
その上に被覆された多層フォトレジスト系を有する基体を含む製造物品であって、前記系が
a)基体上の有機の下層組成物コーティング層であって、前記下層組成物が芳香族および/または脂環式基を含む構成成分と、1つ以上の発色団基を含む構成成分を含むコーティング層および、
b)下層組成物コーティング層の上のフォトレジスト組成物コーティング層であって、前記フォトレジストが光活性構成成分とSi含有構成成分を含むコーティング層
を含む製造物品。
【請求項52】
前記基体がマイクロエレクトロニクス用ウエハー基体、オプトエレクトロニクス用素子基体または導波路である請求項51記載の物品。
【請求項53】
オーバーコートされたケイ素含有フォトレジストと共に使用する下層組成物であって、フェノール系基を含む第1の樹脂とアントラセン基を含む第2の樹脂を含む下層組成物。
【請求項54】
前記第1の樹脂がノボラック樹脂またはポリ(ビニルフェノール)樹脂である請求項53記載の下層組成物。
【請求項55】
前記第2の樹脂がアクリレート基を含む請求項53あるいは54に記載の下層組成物。
【請求項56】
架橋体構成成分を更に含む請求項53から55のいずれか1項記載の下層組成物。
【請求項57】
酸または酸発生化合物を更に含む請求項53から56のいずれか1項記載の下層組成物。
【請求項58】
前記組成物が熱酸発生化合物を含む請求項53から57のいずれか1項記載の下層組成物。
【請求項59】
前記組成物がフォトイメージャブルでない請求項53から58のいずれか1項記載の下層組成物。

【公開番号】特開2010−256933(P2010−256933A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−173753(P2010−173753)
【出願日】平成22年8月2日(2010.8.2)
【分割の表示】特願2003−389094(P2003−389094)の分割
【原出願日】平成15年11月19日(2003.11.19)
【出願人】(591016862)ローム・アンド・ハース・エレクトロニック・マテリアルズ,エル.エル.シー. (270)
【Fターム(参考)】