説明

多方向入力装置

【課題】操作レバーの回転による入力切り換え機能を有しながら、操作レバーの回転に伴う押しボタンスイッチの摺動が防止された、新規な構成の多方向入力装置を提供することにある。
【解決手段】多方向入力装置(10)の傾動伝達機構及び回転伝達機構は、操作レバー(42)と傾動部材(32)との間に設けられたピボット軸受と、操作レバー(42)に一体に設けられ、ピボット軸受を囲む第1の周面(46a)と、傾動部材(32)に一体に設けられ、第1の周面(46a)と遊びをもって嵌合する第2の周面(34a)と、操作レバー(42)に一体に設けられたフランジ(48)と、絶縁基板(17)の第1の面(22)と対向する回転筒(50)の端壁の内面に形成され、フランジ(48)を傾動可能に受け容れる凹所(54)とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多方向入力装置に係わり、より詳しくは、操作レバーの回転角及び傾動方向に応じて入力を切り換え可能な多方向入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多方向入力装置には、操作レバーの回転角及び傾動方向に応じて、外部機器に入力する命令を切り換え可能な、傾動回転型のものがある。この種の入力装置は、例えば、車両のドアミラーやカーナビゲーションシステムの入力装置(操作装置)等として使用される。
具体的には、特許文献1が開示する多方向入力装置は、操作レバーの回転角に応じて開閉される、摺動子及び導電パターンからなる摺動接点と、操作レバーの傾動に応じて押される複数の押釦スイッチとを有する。
【0003】
導電パターン及び押釦スイッチは、操作レバーの回転軸を中心とする同心上にて絶縁基板に設けられ、複数の押釦スイッチは導電パターンの外側に配置されている。絶縁基板上には、導電パターンを覆うようにロータが配置され、ロータには、軸体が一体に設けられている。軸体の端部には支点部としての凹みが設けられ、操作レバーの軸体側の端部には、軸体の凹みに当接する円錐形状の係合突起が形成されている。
【0004】
一方、操作レバーは、上カバーの透孔を貫通しているが、上カバーの透孔周辺の内側には、半球状の凹みが形成されている。そして、操作レバーには、上カバーの凹みに摺接する半球部が一体に形成されている。
従って、操作レバーは、ロータ及び上カバーによって傾動及び回転可能に支持されている。そして操作レバーには皿形状の駆動部が一体に形成され、操作レバーの傾動に伴い、駆動部の周縁によって押釦スイッチが押される。
【0005】
また、操作レバー及び軸体は、相互に係合可能な係合突起を介し、ロータは、操作レバーとともに一体に回転可能である。摺動片は、絶縁基板と対向するロータの面に取り付けられ、操作レバーの回転角に応じて、導電パターンと接触する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−14475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1が開示する多方向入力装置にあっては、押釦スイッチを駆動する操作レバーの駆動部が、操作レバーの回転にともない、押釦スイッチのボタンと摺動する。駆動部とボタンとの摺動は、駆動部及びボタンの摩耗を招く虞がある。特にボタンが弾性部材からなる場合、ボタンで摩耗が生じる虞がある。このような摩耗は、多方向入力装置の動作上では特に問題はないが、なるべく抑制されるのが好ましい。
【0008】
本発明は上記した事情に鑑みてなされ、その目的とするところは、操作レバーの回転による入力切り換え機能を有しながら、操作レバーの回転に伴う押しボタンスイッチの摺動が防止された、新規な構成の多方向入力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明は以下の解決手段を採用する。
【0010】
解決手段1:本発明の一態様によれば、絶縁基板の第1の面及び第2の面とそれぞれ対向する第1の壁及び第2の壁を有するケースと、前記第2の壁から延び、前記絶縁基板を貫通する支柱と、前記第1の壁と対向する前記絶縁基板の第1の面に、前記支柱を中心として同心上に配置された複数の押しボタンスイッチと、前記絶縁基板の第1の面に、前記支柱を中心として同心上に且つ前記押しボタンスイッチよりも外側に配置された導電性の複数の摺動端子と、前記支柱と同軸にて回転可能に配置され、前記摺動端子と対向する開口縁及び前記第1の壁と対向する環状の端壁を有する回転筒と、前記回転筒の開口縁に固定され、前記摺動端子に摺接可能な導電性の摺動片と、前記第1の壁の透孔及び前記回転筒の環状の端壁を貫通する操作レバーと、前記操作レバーと前記支柱との間に配置され、前記支柱の先端によって傾動可能に支持された傾動部材と、前記操作レバーが傾動したときに前記傾動部材を傾動させ、前記操作レバーの傾動方向に応じて複数の押しボタンスイッチのうち一つを前記傾動部材に押させる傾動伝達機構と、前記操作レバーの回転に伴い前記回転筒を回転させる回転伝達機構とを備え、前記傾動伝達機構及び前記回転伝達機構は、前記操作レバーと前記傾動部材との間に設けられたピボット軸受と、前記操作レバーに一体に設けられ、前記ピボット軸受を囲む第1の周面と、前記傾動部材に一体に設けられ、前記第1の周面と遊びをもって嵌合する第2の周面と、前記操作レバーに一体に設けられたフランジと、前記絶縁基板の第1の面と対向する前記回転筒の端壁の内面に形成され、前記フランジを傾動可能に受け容れる凹所とを含むことを特徴とする多方向入力装置が提供される。
【0011】
第1の解決手段の多方向入力装置によれば、傾動伝達機構が、遊びを存して相互に嵌合する第1の周面及び第2の周面、並びに、ピボット軸受を含んでおり、第1の周面と第2の周面との間では、操作レバーの回転が傾動部材に伝達されない。このため、操作レバーの回転に伴い傾動部材が回転することはなく、傾動部材と押しボタンスイッチとが摺動することが防止される。
このため、この多方向入力装置は、長期に渡り安定に動作する。
【0012】
解決手段2:好ましくは、前記フランジは多角形の平板形状を有し、前記回転筒の内面の凹所は、平面でみて、前記フランジに対応する多角形形状を有する。
第2の解決手段の多方向入力装置では、フランジが多角形の平板形状を有するので、操作レバーを高い寸法精度にて製造することが容易である。このため、この多方向入力装置は、がたつきが少なく、優れた操作感を有しながら、安価にて提供される。
【0013】
解決手段3:好ましくは、前記ピボット軸受は、前記傾動部材に設けられた有底孔に往復動可能に嵌められたピボット部材と、前記ピボット部材を付勢し、前記ピボット部材の先端部を前記操作部材に設けられた凹所に押し付ける弾性部材とを含む。
第3の解決手段の多方向入力装置によれば、ピボット軸受が弾性部材を含んでおり、操作レバーの位置が安定するので、操作レバーのがたつきが防止される。また、この多方向入力装置では、傾動部材にピボット部材が嵌められており、組み立て時にピボット部材が抜け落ちることが防止される。このため、この多方向入力装置の組み立ては容易である。
【0014】
解決手段4:多方向入力装置は、好ましくは、前記操作レバーの回転角が特定の回転角であるときに、前記操作レバーの傾動を許容し、前記操作レバーの回転角が前記特定の回転角以外であるとき、前記操作レバーの傾動を規制する傾動規制機構を更に備える。
第4の解決手段の多方向入力装置によれば、操作レバーの傾動方向が規制されることで、操作レバーを傾動させたときに、傾動方向に対応する押しボタンスイッチが確実且つ的確に押される。このため、この多方向入力装置は、傾動させたときの操作感において優れている。
【0015】
解決手段5:好ましくは、前記傾動規制機構は、前記操作レバーから径方向にそれぞれ延びる複数の突起と、前記第1の壁の透孔を囲み、前記特定の回転角以外で前記操作レバーが傾動しようとしたときに、前記突起と当接する周壁と、前記周壁に設けられ、前記特定の回転角で前記操作レバーが傾動するときに前記突起を受け容れる凹みとを含む。
第5の解決手段の多方向入力装置によれば、簡単な構成にて、特定の回転角以外での操作レバーの傾動が確実に規制される。
【0016】
解決手段6:多方向入力装置は、好ましくは、前記操作レバーの回転角を前記特定の回転角に案内するガイド機構を更に備える。
第6の解決手段の多方向入力装置によれば、ガイド機構によって、操作レバーが傾動可能な特定の回転角に案内されるので、操作レバーが、操作する者によって的確に傾動させられる。
【0017】
解決手段7:好ましくは、前記ガイド機構は、前記第1の壁から前記絶縁基板に向けて延び、前記回転筒の第1の壁側を囲む固定筒と、前記固定筒の先端に設けられたカム面と、前記回転筒に設けられ、前記カム面に対し弾性部材によって押し付けられるボールとを含む。
第7の解決手段の多方向入力装置によれば、簡単な構成にて、操作レバーが、特定の回転角に的確に案内される。また、弾性部材の付勢力によって、操作レバーを回転させるトルクが変化する。この結果として、この多方向入力装置は、操作レバーを回転させるとき、優れた操作感を有する。
【0018】
解決手段8:多方向入力装置は、好ましくは、前記支柱の側面に設けられた凸部と、前記傾動部材に設けられ、前記凸部と係合して前記支柱に対する前記傾動部材の回転を規制する凹部とを更に備える。
第8の解決手段の多方向入力装置によれば、支柱及び傾動部材に設けられた凸部及び凹部によって、傾動部材の回転が確実に防止される。この結果として、この多方向入力装置では、傾動部材と押しボタンスイッチとの摺動がより確実に防止される。
【0019】
解決手段9:多方向入力装置は、好ましくは、前記傾動部材と前記絶縁基板との間に設けられ、前記傾動部材の傾動に対して反発する弾性部材を更に備える。
第9の解決手段の多方向入力装置によれば、傾動部材を傾動させるとき、操作レバーには、弾性部材からの反力が作用する。このため、弾性部材を設けることによって、操作レバーを傾動させるための操作力が調整される。この結果として、この多方向入力装置は、操作レバーを傾動させたときの操作感において優れている。
【0020】
解決手段10:好ましくは、前記傾動部材は、前記支柱の軸線を中心として径方向外側に向かって延び、前記傾動部材が傾動したときに前記押しボタンスイッチを押す腕部を有し、前記傾動部材が傾動していないとき、前記押しボタンスイッチと前記腕部との間には隙間が存在し、且つ、前記弾性部材が前記腕部に当接している。
第10の解決手段の多方向入力装置によれば、腕部と押しボタンスイッチとの間に隙間を設けることによって、押しボタンスイッチを押すときの押し込み量が調整される。つまり、この多方向入力装置によれば、腕部と押しボタンスイッチとの間の隙間を調整することで、操作レバーを傾動させるときの操作量が調整される。この結果として、この多方向入力装置は、操作レバーを傾動させたときの操作感において優れている。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、操作レバーの回転による入力切り換え機能を有しながら、操作レバーの回転に伴う押しボタンスイッチの摺動が防止された多方向入力装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態の多方向入力装置を概略的に示す斜視図である。
【図2】図1の多方向入力装置の使用方法を説明するための図である。
【図3】図1の多方向入力装置を分解して示す概略的な斜視図である。
【図4】図1の多方向入力装置を分解して示す、図3とは別の方向からみた概略的な斜視図である。
【図5】図1の多方向入力装置に適用されたハウジングを構成する第1ケースを拡大して示す斜視図である。
【図6】図2中のVI−VI線に沿う多方向入力装置の概略的な断面図であり、
【図7】図6中の領域VIIを拡大して示す概略的な部分断面図である。
【図8】図6中の領域VIIIを拡大して示す概略的な部分断面図である。
【図9】操作レバーを傾動させたときの、図6中の領域IXを拡大して示す概略的な部分断面図である。
【図10】変形例の多方向入力装置に適用される弾性部材を概略的に示す斜視図である。
【図11】図10の弾性部材が適用された変形例の多方向入力装置の図7に相当する図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、一実施形態の多方向入力装置10を概略的に示す斜視図であり、図2は、多方向入力装置10の使用方法を説明するための図である。
図1及び図2に示したように、多方向入力装置10は、例えば略箱形形状のハウジング12、及び、ハウジング12の外に配置された略円筒形状の操作ノブ14を有する。多方向入力装置10は、操作ノブ14を回転又は傾動させることによって、車両のドアミラーの操作装置やカーナビゲーションシステム等の外部機器に対して命令を入力する。
【0024】
本実施形態では、多方向入力装置10は、車両のドアミラーの操作に適用されるドアミラー操作スイッチである。この場合、多方向入力装置10は、車両のインストルメントパネルや、ドアの内側に、操作ノブ14が露出した状態で取り付けられる。
多方向入力装置10では、操作ノブ14の回転により、4つの命令を選択可能である。4つの命令は、ドアミラーを起動して使用可能な状態にする起動命令、ドアミラーを倒すフォールド命令、左側のドアミラーを調整するための調整回路に電源を投入する左側調整回路オン命令、右側のドアミラーを調整するための調整回路に電源を投入する右側調整回路オン命令である。
【0025】
図2中、操作ノブ14のマーカを上に位置付けると起動命令、下に位置づけるとフォールド命令、斜め左上に位置づけると左側調整回路オン命令、斜め右上に位置づけると右側調整回路オン命令を、多方向入力装置10は、ドアミラーの操作装置に出力する。
【0026】
そして、多方向入力装置10は、左側調整回路オン命令又は右側調整回路オン命令とともに、操作ノブ14の傾動により、使用状態のドアミラーにおける、鏡の上下左右の角度を調整するための命令をドアミラーの操作装置に出力する。具体的には、操作ノブ14は、相互に90度離間した4方向に傾動可能であり、図2では、上下左右の4方向に傾動可能である。そして、操作ノブ14の傾動方向に対応して、鏡の角度が上下左右に変化する。
【0027】
以下、図3乃至図8を参照して説明する。なお、図3及び図4は、多方向入力装置10を分解して示す概略的な斜視図であり、図5は、ハウジング12を構成する第1ケース15を拡大して示す斜視図であり、図6は、図2中のV−V線に沿う多方向入力装置10の概略的な断面図であり、図7及び図8は、図6中の領域VII及び領域VIIIのそれぞれ拡大図である。
【0028】
ハウジング12は、例えばそれぞれ樹脂製の第1ケース15及び第2ケース16からなる。第1ケース15は、一端が開口した略箱形状を有し、第1ケース15の開口は、略角皿形状の第2ケース16によって閉塞されている。
【0029】
ハウジング12の内部には、略四角形状の絶縁基板(回路基板)17が配置され、絶縁基板17は、ハウジング12内を第1ケース15側と第2ケース16側とに仕切っている。絶縁基板17は、第1ケース15の壁(上壁)18及び第2ケース16の壁(下壁)20と平行に配置され、上壁18と対向する面(実装面)22及び下壁20と対向する面(半田面)24を有する。
【0030】
絶縁基板17の中央には、貫通孔が形成され、絶縁基板の実装面22には、貫通孔と同心上にて、4つの押しボタンスイッチ26が90度間隔にて配置されている。押しボタンスイッチ26は、好ましくは、金属製の皿ばねを含むタクトスイッチ(登録商標)である。
また、絶縁基板の実装面22は、貫通孔と同心上にて、且つ、押しボタンスイッチ26よりも外側に、相互に離間した複数の摺動端子28が配列されている。摺動端子28は、導電体パターンによってそれぞれ構成されている。押しボタンスイッチ26及び摺動端子28は、絶縁基板17に設けられた回路パターン等を介して、外部機器と電気的に接続される。
【0031】
下壁20の中央には支柱30が一体に形成され、支柱30は、下壁20から上壁18に向けて垂直に延び、絶縁基板17の貫通孔を貫通している。
略半球形状に形成された支柱30の先端部は、例えば樹脂製の傾動部材32に当接している。また、支柱30の外周には、支柱30の長手方向に沿ってそれぞれ延びる4つの突条31が、90度間隔で一体に設けられている。突条31の先端は、支柱30の先端近傍に位置している。
傾動部材32は、例えば、略円錐台形状の本体部34を有し、本体部34の支柱30側に、支柱30の先端部に対応する略半球形状の凹面が形成されている。支柱30の先端部は、本体部34の凹面に摺接している。
【0032】
また、傾動部材32は、本体部34と一体に形成され、平面でみて十字形状をなす4つの腕部36を有する。各腕部36は、本体部34から径方向外側に延びている。腕部36の先端には実装面22側に環状の膨出部が形成され、膨出部は、実装面22に向けて開口する凹み37を規定している。凹み37は、押しボタンスイッチ26のボタンの先端を受け容れている。なお、押しボタンスイッチ26におけるボタンの押し込み方向は、実装面22に垂直な方向である。
【0033】
更に、傾動部材32の支柱30側には、突条31の先端を受け容れる4つの溝38が90度間隔で形成されている。各溝38は、本体部34から腕部36に渡って延び、各溝38の長手方向は、腕部36の長手方向に一致している。
支柱30の突条31は、対応する溝38と係合可能であり、支柱30の軸線回りでの傾動部材32の回転を規制するが、溝38と一致する方向での傾動部材32の傾動を許容する。つまり、突条31及び溝38は、相互に係合する凸部及び凹部として機能し、傾動部材32の回転規制機構を構成している。
【0034】
また更に、傾動部材32の本体部34には、支柱30とは反対側に有底孔が同軸にて形成され、有底孔は、本体部34の先端に開口している。有底孔には、圧縮コイルばね39が配置されるとともに、例えば樹脂製のピボット部材40が往復動自在に嵌合されている。ピボット部材40は、有底孔の内周面に摺接する円筒部と、円筒部の一端に一体に形成された略半球形状の頭部とを有する。
【0035】
ピボット部材40の頭部は、例えば樹脂製の操作レバー42の支柱30側に当接している。
より詳しくは、操作レバー42は軸部44を有し、支柱30側の軸部44の端面には、ピボット部材40の頭部に摺接する略半球形状の凹面が形成されている。これらピボット部材40、圧縮コイルばね39及び軸部44の端面の凹面は、ピボット軸受を構成している。
また、支柱30側の軸部44の端部には、筒部46が同軸且つ一体に連なっている。筒部46の内周面の内径は、支柱30側に向かって徐々に広がっており、筒部46の内周面は、雌テーパ面によって構成されている。
【0036】
そして、筒部46の内周面46aは、傾動部材32の本体部34の外周面34aと遊びをもって嵌合している。傾動部材32の本体部34の外径は、操作レバー42に向かって徐々に縮小しており、本体部34の外周面34aは、筒部46の内周面46aに対応する雄テーパ面によって構成されている。なお、筒部46の内周面46aは、軸部44の端面の凹面に滑らかに繋がっている。
また、操作レバー42の軸部44には、支柱30側の端部近傍にフランジ48が一体に形成されている。フランジ48は、軸部44と直交するように広がり、平面形状が8角形の板形状を有する。
【0037】
ここで、第1ケース15内には、傾動部材32及び操作レバー42のフランジ48までを覆うように略円筒形状の回転筒50が配置されている。回転筒50の一端は開口し、他端には環状の端壁が一体に形成されている。回転筒50は、上壁18と実装面22との間に、支柱30と同軸にて回転可能に配置されている。
回転筒50の環状の端壁の内面には、フランジ48の形状に対応して、平面形状が8角形の一定深さの凹所52が形成されている。凹所52は、フランジ48を傾動可能に受け容れる。凹所52にフランジ48が嵌合することによって、操作レバー42と回転筒50は一体に回転可能である。
【0038】
そして、操作レバー42の軸部44は、回転筒50の環状の端壁及び上壁18の中央に形成された透孔を貫通し、ハウジング12の外部に突出している。操作レバー42の先端に、操作ノブ42が固定されている。
また、上壁18の透孔を通過する軸部44の部分には、径方向に突出する4つの突起54が90度間隔にて形成されている。4つの突起54の先端は、透孔を規定する周壁近傍に位置している。
【0039】
ただし、上壁18には、透孔の周壁に開口した一端を有する4つの溝56が、90度間隔で透孔から放射状に延びている。支柱30を中心としたとき、上壁18の溝56の周方向位置は、傾動部材32の溝38の周方向位置と合致する。また、各突起52は、平面でみたとき、8角形のフランジ48の1辺を2等分する方向に延びている。
【0040】
一方、絶縁基板17側に配置された回転筒50の開口縁には、90度の間隔を存して2つの収容部が形成され、各収容部には、金属製の摺動片58及び摺動片58を付勢する圧縮コイルばね60がそれぞれ収容されている。回転筒50の開口縁は摺動端子28と対向しており、従って、摺動片58は、圧縮コイルばね60に付勢されて摺動端子28と摺接可能である。
【0041】
また、上壁18には、回転筒50の上壁18側を同心上にて囲む円筒形状の固定筒62が一体に形成され、固定筒62の先端は、カム面64として形成されている。つまり、固定筒62は、立体カムの一種である端面カムを構成している。
回転筒50の外周面34aには、例えば鉄製のボール66及びボール66を付勢する圧縮コイルばね68を収容する収容部が一体に形成され、ボール66は、圧縮コイルばね68の付勢力によって、カム面64に当接する。なお、圧縮コイルばね60,68は、回転筒50の軸線方向にて、摺動片58及びボール66をそれぞれ付勢している。
【0042】
以下、上述した多方向入力装置10の動作について説明する。
まず、操作ノブ14を傾動させずに操作ノブ14を回転させた場合、操作レバー42が回転する。操作レバー42の回転は、凹所52に嵌合しているフランジ48を介して、回転筒50に伝達される。回転筒50が回転すると、摺動片58が、2つの摺動端子28に跨り、摺動端子28同士が接続される。
【0043】
このとき、相互に接続される摺動端子28は、操作ノブ14の回転角(周方向位置)によって異なるので、操作ノブ14を回転させることによって、多方向入力装置10から出力される命令を選択可能である。本実施形態では、起動命令、フォールド命令、左側調整回路オン命令、及び、右側調整回路オン命令のうちいずれか一つを択一的に選択可能である。
【0044】
ここで、カム面64には、4つの命令を出力するための操作ノブ14の回転角に対応して、凹みが形成されている。カム面64と上壁18との距離は、カム面64の凹みで徐々に変化し、凹みの中央で最も短くなっている。従って、ボール66による押圧力は、カム面64の凹みの中央で最も弱くなり、凹みの中央から離れるにつれて徐々に強くなる。
【0045】
このため、操作ノブ14の回転に必要なトルクは、ボール66がカム面64の凹みの中央に位置したときに最も小さくなり、操作ノブ14は、命令に対応する回転角にて安定する。つまり、カム面64及びボール66は、操作ノブ14の回転角を特定の回転角に導くガイド機構を構成している。
【0046】
次に、操作ノブ14を傾動させる場合について説明する。操作ノブ14を傾動させる場合、まず、操作ノブ14の回転角を、左側調整回路オン命令、又は、右側調整回路オン命令に対応する回転角に設定する。そして、操作ノブ14を、図2でみたときに上下左右の4方向のうち何れかの方向に傾動させる。
操作ノブ14の傾動によって、操作レバー42が傾動させられるが、このとき、図9に示したように、操作レバー42は、凹所52の壁面に当接するフランジ48の一辺を支点として傾動する。
【0047】
そして、フランジ48の一辺を支点として傾動する筒部46の内周面46aは、傾動部材32の本体部34の外周面34aに当接し、傾動部材32を操作レバー42とは180度逆方向に傾動させる。そして、傾動部材32が傾動することによって、傾動方向に延びる腕部36が傾動して押しボタンスイッチ26を押す。これにより、ドアミラーの鏡が、上下左右の何れか一つの方向に傾動させられる。
【0048】
なお、操作ノブ14の回転角が、4つの命令に対応する回転角以外であるとき、操作ノブ14を傾動させようとすると、操作レバー42の突起54が、上壁18の透孔の周壁に当接し、操作ノブ14の傾動が規制される。
つまり、透孔の周壁に開口する溝56は、特定の回転角のときのみ突起54を受け入れる凹みとして機能し、突起54及び溝56は、操作ノブ14の傾動を特定の回転角のときのみ許容する傾動規制機構を構成している。
【0049】
上述した一実施形態の多方向入力装置10によれば、操作レバー42の傾動によって傾動部材32を傾動させる傾動伝達機構が、遊びを存して相互に嵌合する筒部46の内周面46a及び傾動部材32の本体部34の外周面34a、並びに、ピボット軸受を含んでおり、筒部46の内周面46aと本体部34の外周面34aとの間では、操作レバー42の回転が傾動部材32に伝達されない。
このため、操作レバー42の回転に伴い傾動部材32が回転することはなく、傾動部材32と押しボタンスイッチ26とが摺動することが防止される。
このため、この多方向入力装置10は、長期に渡り安定に動作する。
【0050】
上述した一実施形態の多方向入力装置10では、フランジ48が多角形の平板形状を有するので、操作レバー42を高い寸法精度にて製造することが容易である。このため、この多方向入力装置10は、がたつきが少なく、優れた操作感を有しながら、安価にて提供される。
【0051】
上述した一実施形態の多方向入力装置10によれば、ピボット軸受が弾性部材としての圧縮コイルばね39を含んでおり、操作レバー42の位置が安定するので、操作レバー42のがたつきが防止される。また、この多方向入力装置10では、傾動部材32にピボット部材40が嵌められており、組み立て時にピボット部材40が抜け落ちることが防止される。このため、この多方向入力装置10の組み立ては容易である。
【0052】
上述した一実施形態の多方向入力装置10によれば、操作レバー42の傾動方向が規制されることで、操作レバー42を傾動させたときに、傾動方向に対応する押しボタンスイッチ26が確実且つ的確に押される。このため、この多方向入力装置10は、傾動させたときの操作感において優れている。
【0053】
上述した一実施形態の多方向入力装置10によれば、簡単な構成にて、特定の回転角以外での操作レバー42の傾動が確実に規制される。
上述した一実施形態の多方向入力装置10によれば、ガイド機構によって、操作レバー42が傾動可能な特定の回転角に案内されるので、操作レバー42が、操作する者によって的確に傾動させられる。
【0054】
上述した一実施形態の多方向入力装置10によれば、ガイド機構がボール66及びカム面64を含み、簡単な構成にて、操作レバー42が、特定の回転角に的確に案内される。また、弾性部材としての圧縮コイルばね60の付勢力によって、操作レバー42を回転させるトルクが変化する。この結果として、この多方向入力装置10は、操作レバー42を回転させるとき、優れた操作感を有する。
【0055】
上述した一実施形態の多方向入力装置10によれば、支柱30及び傾動部材32に設けられた凸部及び凹部によって、傾動部材32の回転が確実に防止される。この結果として、この多方向入力装置10では、傾動部材32と押しボタンスイッチ26との摺動がより確実に防止される。
【0056】
本発明は、上述した第一実施形態に限定されることはなく、一実施形態に変更を加えた形態も含む。
上述した一実施家形態では、多方向入力装置10は、4つの押しボタンスイッチ26を有していたが、押しボタンスイッチ26の数は4つに限定されることはない。また、摺動端子28のパターンや、摺動片58の数及び形状も特に限定されることはない。
【0057】
上述した一実施形態では、操作レバー42の筒部46の内周面46aが、傾動部材32の本体部34の外周面34aを囲んでいたが、円筒部を傾動部材32に設け、円筒部の内周面によって、軸部44の端部の外周面を囲むようにしてもよい。あるいは、筒部46を囲む円筒部を傾動部材32に更に設け、筒部46の外周面を傾動部材32の円筒部の内周面で囲んでもよい。つまり、傾動伝達機構は、相互に遊びをもって嵌合する、2つの周面を含んでいればよい。
【0058】
上述した一実施家形態では、好ましい態様として、ピボット部材40及び圧縮コイルばね39が傾動部材32側に設けられていたが、操作レバー42側に設けられていてもよい。
上述した一実施形態では、好ましい態様として、フランジ48が8角形の平板形状を有していたが、8角形以外の多角形でもよい。また、フランジ48は、平板形状を有するのが好ましいが、略半球形状を有していてもよい。
【0059】
上述した一実施形態では、好ましい態様として、押しボタンスイッチ26のボタンの先端を受け入れる凹み37が傾動部材32に設けられていたが、凹み37を省略してもよい。
上述した一実施形態では、操作ノブ14を傾動させるときに必要な操作力が、押しボタンスイッチ26の構成に依存して変化するが、操作力を調整するために、図10に示したような、弾性部材70を更に設けてもよい。
【0060】
弾性部材70は、例えば金属製又は樹脂製であり、円筒部72と、円筒部72の外周面に一体に形成された外向き鍔部74と、円筒部72の一端から一体にそれぞれ延びる、湾曲した4つの板ばね部76とからなる。板ばね部76は、円筒部72の周方向にて90度間隔で設けられ、円筒部72の一端から、径方向及び軸方向外側に向けてそれぞれ延びる。従って、板ばね部76の先端は、径方向及び軸方向でみて、円筒部72の一端から最も遠くに位置している。
【0061】
図11は、弾性部材70を適用した変形例に係る多方向入力装置の図7に相当する図である。弾性部材70の円筒部72の他端は、絶縁基板17の貫通孔に嵌められ、外向き鍔部72が、実装面22に当接している。板ばね部76の周方向位置は、傾動部材32の腕部36の周方向位置に合致しており、板ばね部76の先端は傾動部材32の腕部36に当接している。
【0062】
従って、この変形例の多方向入力装置では、傾動部材32を傾動させるとき、操作ノブ14には、板ばね部76からの反力が作用する。このため、板ばね部76のばね定数を適当に選択することによって、操作ノブ14を傾動させるための操作力を調整することができる。
【0063】
弾性部材70を設けた場合、傾動部材32が傾動していないとき、4つの板ばね部76を4つの腕部36に当接させることができる。この場合、図11に示したように、凹み37を省略し、腕部36と押しボタンスイッチ26との間に隙間を設けてもよい。腕部36と押しボタンスイッチ26との間に隙間を設けることによって、押しボタンスイッチ26を押すときの押し込み量を調整することができる。つまり、傾動時の操作力のみならず、操作量も調整可能である。
なお、弾性部材70の形状は、図10に示したものが好ましいが、これに限定されることはなく、弾性部材として圧縮コイルばね等を使用してもよい。
【0064】
上述した一実施形態では、好ましい態様として、傾動規制機構及び回転規制機構が設けられていたが、傾動規制機構及び回転規制機構を省略してもよい。
上述した一実施形態では、好ましい態様として、ガイド機構が端面カムを含んでいたが、ガイド機構はこれに限定されることはない。
その他、図示とともに説明した各部材の形状や配置は、いずれも好ましい例であり、本発明の実施に際してこれらを適宜変更可能である。
【0065】
最後に、本発明はドアミラーの操作装置のための入力装置に好適であるが、これ以外の外部機器にも適用可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0066】
10 多方向入力装置(ドアミラー操作スイッチ)
12 ハウジング
14 操作ノブ
15 第1ケース
16 第2ケース
17 絶縁基板
18 上壁(第1の壁)
20 下壁(第2の壁)
22 実装面(第1の面)
24 半田面(第2の面)
26 押しボタンスイッチ
28 摺動端子
30 支柱
31 突条
32 傾動部材
34 本体部
34a 外周面(第2の周面)
36 腕部
37 凹み
38 溝
39 圧縮コイルばね(ピボット軸受)
40 ピボット部材(ピボット軸受)
42 操作レバー
44 軸部
46 筒部
46a 内周面(第1の周面)
48 フランジ
50 回転筒
52 凹所
54 突起
56 溝
58 摺動片
60 圧縮コイルばね
62 固定筒
64 カム面
66 ボール
68 圧縮コイルばね
70 弾性部材
76 板ばね部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁基板の第1の面及び第2の面とそれぞれ対向する第1の壁及び第2の壁を有するケースと、
前記第2の壁から延び、前記絶縁基板を貫通する支柱と、
前記第1の壁と対向する前記絶縁基板の第1の面に、前記支柱を中心として同心上に配置された複数の押しボタンスイッチと、
前記絶縁基板の第1の面に、前記支柱を中心として同心上に且つ前記押しボタンスイッチよりも外側に配置された導電性の複数の摺動端子と、
前記支柱と同軸にて回転可能に配置され、前記摺動端子と対向する開口縁及び前記第1の壁と対向する環状の端壁を有する回転筒と、
前記回転筒の開口縁に固定され、前記摺動端子に摺接可能な導電性の摺動片と、
前記第1の壁の透孔及び前記回転筒の環状の端壁を貫通する操作レバーと、
前記操作レバーと前記支柱との間に配置され、前記支柱の先端によって傾動可能に支持された傾動部材と、
前記操作レバーが傾動したときに前記傾動部材を傾動させ、前記操作レバーの傾動方向に応じて複数の押しボタンスイッチのうち一つを前記傾動部材に押させる傾動伝達機構と、
前記操作レバーの回転に伴い前記回転筒を回転させる回転伝達機構と
を備え、
前記傾動伝達機構及び前記回転伝達機構は、
前記操作レバーと前記傾動部材との間に設けられたピボット軸受と、
前記操作レバーに一体に設けられ、前記ピボット軸受を囲む第1の周面と、
前記傾動部材に一体に設けられ、前記第1の周面と遊びをもって嵌合する第2の周面と、
前記操作レバーに一体に設けられたフランジと、
前記絶縁基板の第1の面と対向する前記回転筒の端壁の内面に形成され、前記フランジを傾動可能に受け容れる凹所と
を含む
ことを特徴とする多方向入力装置。
【請求項2】
前記フランジは多角形の平板形状を有し、
前記回転筒の内面の凹所は、平面でみて、前記フランジに対応する多角形形状を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の多方向入力装置。
【請求項3】
前記ピボット軸受は、
前記傾動部材に設けられた有底孔に往復動可能に嵌められたピボット部材と、
前記ピボット部材を付勢し、前記ピボット部材の先端部を前記操作部材に設けられた凹所に押し付ける弾性部材とを含む
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の多方向入力装置。
【請求項4】
前記操作レバーの回転角が特定の回転角であるときに、前記操作レバーの傾動を許容し、前記操作レバーの回転角が前記特定の回転角以外であるとき、前記操作レバーの傾動を規制する傾動規制機構を更に備える
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の多方向入力装置。
【請求項5】
前記傾動規制機構は、
前記操作レバーから径方向にそれぞれ延びる複数の突起と、
前記第1の壁の透孔を囲み、前記特定の回転角以外で前記操作レバーが傾動しようとしたときに、前記突起と当接する周壁と、
前記周壁に設けられ、前記特定の回転角で前記操作レバーが傾動するときに前記突起を受け容れる凹みとを含む
ことを特徴とする請求項4に記載の多方向入力装置。
【請求項6】
前記操作レバーの回転角を前記特定の回転角に案内するガイド機構を更に備えることを特徴とする請求項4又は5に記載の多方向入力装置。
【請求項7】
前記ガイド機構は、
前記第1の壁から前記絶縁基板に向けて延び、前記回転筒の第1の壁側を囲む固定筒と、
前記固定筒の先端に設けられたカム面と、
前記回転筒に設けられ、前記カム面に対し弾性部材によって押し付けられるボールとを含む
ことを特徴とする請求項6に記載の多方向入力装置。
【請求項8】
前記支柱の側面に設けられた凸部と、
前記傾動部材に設けられ、前記凸部と係合して前記支柱に対する前記傾動部材の回転を規制する凹部と
を更に備えることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の多方向入力装置。
【請求項9】
前記傾動部材と前記絶縁基板との間に設けられ、前記傾動部材の傾動に対して反発する弾性部材を更に備える
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の多方向入力装置。
【請求項10】
前記傾動部材は、前記支柱の軸線を中心として径方向外側に向かって延び、前記傾動部材が傾動したときに前記押しボタンスイッチを押す腕部を有し、
前記傾動部材が傾動していないとき、前記押しボタンスイッチと前記腕部との間には隙間が存在し、且つ、前記弾性部材が前記腕部に当接している
ことを特徴とする請求項9に記載の多方向入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−175930(P2011−175930A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−40570(P2010−40570)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】