説明

多重化データ記録装置、及び方法

【課題】
記録容量が小さい記録媒体を利用しても、ディジタル放送を長時間記録することができる多重化データ記録装置を提供する。
【解決手段】
記録指示手段102において、“音声データのみを抽出することを指示する”、または“音声データと代表画像データのみを記録することを指示する”を選択的に指定される。そして、音声データと代表画像データのみを記録することを指示された際に、多重化データ選別手段101では、多重化データに含まれる音声データを抽出する。抽出した音声データと代表画像データとを、多重化して記録媒体105に記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像データ、音声データ等の複数のデータが多重化されてなる多重化データの多重化データ記録装置に係わり、特に、ディジタルテレビ放送における映像データ、音声データ等を記録媒体に記録する記録装置及び方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、映像データや音声データ等をディジタル化して多重伝送するディジタル放送が普及している。このようなディジタル放送においては、高品質かつ高能率なデータ伝送が実現できるMPEG2(Moving Picture Expert Group Phase 2)方式が採用されており、複数の番組のデータがMPEG2トランスポートストリーム(TS:TransporTStream)と呼ばれるパケット(以下、TSパケットと称する)に分割され、多重伝送される。また、小型ディジタル機器、携帯電話等のモバイル向けのディジタル放送として、1セグメントを用いて簡易動画放送サービス(以下、1セグメント放送と称する)が開始されようとしている。
【0003】
このようにTSパケットのような多重化データを受信した多重化データ記録装置では、所望の映像データ、及び音声データ等を選択的に抽出するように構成され、所定の記録媒体に抽出された所望の映像データ、及び音声データ等が記録される。
【0004】
ここで、ディジタル放送の多重伝送される多重化データの映像データ、及び音声データ等を記録する為には、膨大な記録容量の記録媒体が必要となる。特に、小型ディジタル機器、携帯電話等のモバイル向けのディジタル機器においては、ハードディスクなどの磁気記録媒体のような大容量の記録媒体がなく、記録容量が小さい記録媒体でディジタル放送の多重化データを、長時間記録することができない。
【0005】
従来の多重化データ記録装置は、多重化データの中から映像データと音声データを選択し、映像データに対して、多重分離を行い、所定の映像符号化データを抽出している。そして、抽出した映像符号化データを映像データに再編成を行い、映像データと音声データを所定の記録媒体に記録している(例えば、特許文献1参照。)。このように、所定の映像符号化データを抽出することで、記録容量が小さい記録媒体を利用しても、ディジタル放送を長時間記録することができる技術が開示されている。
【特許文献1】特開2003−333532号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、報道番組、音楽番組等の映像データを記録する場合は、映像データを記録することは必ずしも必要ではなく、映像データを記録するか否かを、ユーザが任意で選択できることが望まれる。また、ユーザの好みのタイミング、または好みの代表画像データを映像データとして記録できることが望ましい。
【0007】
特許文献1の多重化データ記録装置でIピクチャだけを記録した場合において、Iピクチャは1画面のイントラ符号化データであり、通常0.5秒程度毎にIピクチャが存在する為、膨大な記録容量が必要となり、長時間記録するという課題を解決することはできない。
【0008】
本発明はこのような状況を鑑みてなされたものであり、記録容量が小さい記録媒体であっても、ディジタル放送を長時間記録することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の多重化データ記録装置は、多重化データの中から、“音声データのみを抽出することを指示する“、または“音声データと代表画像データのみを記録することを指示する”記録指示手段と、多重化データに含まれる音声データを抽出する多重化データ選別手段と、音声データと前記代表画像データとを多重化して、記録媒体に記録する多重化手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、音声データのみを抽出して記録する、または音声データと代表画像データのみを記録することが選択することができる。そして、記録指示に従って、多重化データに含まれる音声データのみを抽出し、記録媒体に記録することで、音声データと映像データの多重化データを記録媒体に記録するのに対し、記録媒体に記録するデータが音声データのみ、もしくは音声データと代表画像データとになるため、記録容量が小さい記録媒体でも長時間の記録が行える。
【0011】
請求項2に記載の多重化データ記録装置は、静止画データを撮像する撮像指示手段と、撮像された撮像静止画データ(以降、撮像静止画データと称する)を符号化する符号化手段と、符号化された撮像符号化データを入力とし、代表画像データに変換する代表画像データ変換手段を備えることを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、音声データと代表画像データのみ記録することを指示された際に、任意のタイミングで撮像された撮像静止画データを代表画像データとすることができ、例えば番組の初めに撮像した静止画データを代表画像データとして記録した場合に、記録された音声データが視覚的に何の番組であるかを、容易に判別することができる。
【0013】
請求項3に記載の多重化データ記録装置は、撮像指示手段により、撮像されたn枚(n>=1)の撮像静止画データから代表画像データを選択指示する撮像静止画データ選択指示手段と、撮像静止画データ選択指示がある場合に、記録媒体から撮像されたn枚から代表画像データを選択することが可能な代表画像データ選択手段を備えることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、撮像指示手段により、撮像されたn枚(n>=1)の撮像静止画データの中から所望の撮像静止画データを代表画像データとすることができる。
【0015】
請求項4に記載の多重化データ記録装置は、n枚(n>=1)の撮像静止画データが記録された多重化データの中から、選択された代表画像データ以外の撮像静止画データを削除する撮像静止画データ削除手段を備えることを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、n枚(n>=1)の代表画像データ以外の撮像静止画データが記録媒体に記録されている多重化データ記録装置において、当該記録媒体に記録された多重化データから不要な撮像静止画データを削除することができ、記録媒体を効率よく使用することができる。
【0017】
請求項5に記載の多重化データ記録装置は、システムタイムクロック情報(以降、STC情報と称する)を読み出すSTC読出し指示手段と、代表画像データ変換手段において、読み出したSTC情報を再生時刻情報であるPTS情報として、代表画像データに挿入するPTS情報挿入手段とを備えることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、撮像された際のSTC情報を読み出し、再生時刻情報であるPTS情報として、撮像静止画データに挿入する。そして、記録媒体に記録した多重化データの再生開始指示を受けた際に、撮像されたタイミングで撮像静止画データが順次、切り替わりながら、再生することができる。
【0019】
請求項6に記載の多重化データ記録装置は、記録媒体に記録されている静止画データ(以降、記録静止画データ)の中から代表画像データを選択する記録画像選択指示手段と、記録静止画データを符号化する符号化手段と、符号化された撮像静止画データを入力とし、代表画像データに変換する代表画像データ変換手段を備えることを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、記録媒体に記録されている記録静止画データの中から所望の記録静止画データを代表画像データとして、音声データと多重化して記録することができる。
【0021】
請求項7に記載の多重化データ記録装置は、外部記録媒体に記録するときに、内部記録媒体に記録されている音声データと代表画像データとを多重化する外部多重化手段を、備えることを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、内部記録媒体に記録されている音声データを外部記録媒体へ記録する際に、内部記録媒体に記録されている音声データに所望の代表画像データを付加して、外部記録媒体に記録することができる。
【0023】
請求項8に記載の多重化データ記録装置は、多重化データに含まれる付属情報データから番組名称、放送日時、字幕の文字情報を生成する文字情報生成手段と、文字情報と代表画像データから表示プレーンを生成する表示プレーン生成手段とを、さらに備えることを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、付属情報データを文字情報生成手段に入力し、生成された文字情報と、代表画像データをモニタに表示することができる。よって、番組情報、記録日時等の文字情報から、記録した多重化データの識別が容易になり、ユーザの視認性が向上する。
【0025】
請求項9に記載の多重化データ記録装置は、前記文字情報生成手段で生成された文字情報と前記代表画像データを1枚の静止画データとして、前記符号化手段に入力することで符号化し、前記代表画像データ変換手段に入力とすることを特徴とする
この発明によれば、文字情報生成手段で生成された文字情報と、静止画データを1枚の静止画データとして、代表画像データ変換手段に入力することにより、記録された多重化データに含まれる文字情報を生成する処理が不要となり、文字情報を含む代表画像データの復号化処理を行うだけで、番組情報、記録日時等を明示的に示すことができ、記録した多重化データの識別が容易になり、ユーザの視認性が向上する。
【0026】
請求項10に記載の多重化データ記録方法は、多重化データを入力とし、音声データのみを抽出することを指示する、または音声データと代表画像データのみを記録することを指示する記録指示工程と、多重化データに含まれる音声データを抽出する多重化データ選別工程と、前記音声データと前記代表画像データを多重化して、記録媒体に記録する多重化工程とを含むことを特徴とする。
【0027】
この発明によれば、音声データのみを抽出して記録する、または音声データと代表画像データのみを記録することが選択することができ、記録指示に従って、多重化データに含まれる音声データのみを抽出し、記録媒体に記録する。よって、記録容量が小さい記録媒体でも長時間の記録が行える。
【0028】
請求項11に記載の多重化データ記録方法は、請求項10に記載の多重化データ記録方法において、静止画データを撮像する撮像指示工程と、撮像された撮像静止画データを符号化する符号化工程と、符号化された撮像符号化データを入力とし、代表画像データに変換する代表画像データ変換工程を、さらに含むことを特徴とする。
【0029】
この発明によれば、音声データと代表画像データのみ記録することを指示された際に、任意のタイミングで撮像された撮像静止画データを代表画像データとすることができる。よって、記録された音声データが視覚的に何の番組であるかを、所望のタイミングで撮像した代表画像データから、容易に判別することができる。
【0030】
請求項12に記載の多重化データ記録方法は、請求項11に記載の多重化データ記録方法において、前記撮像指示工程により、撮像されたn枚(n>=1)の前記撮像静止画データから代表画像データを選択指示する撮像静止画データ選択指示工程と、撮像静止画データ選択指示がある場合に、記録媒体から撮像されたn枚から代表画像データを選択することが可能な代表画像データ選択工程を、さらに含むことを特徴とする。
【0031】
この発明によれば、撮像指示工程により、撮像されたn枚(n>=1)の撮像静止画データの中から所望の撮像静止画データを代表画像データとすることができる。
【0032】
請求項13に記載の多重化データ記録方法は、請求項12に記載の多重化データ記録方法において、記録された多重化データの中から選択された前記代表画像データ以外の撮像静止画データを削除する撮像静止画データ削除工程を、さらに含むことを特徴とする。
【0033】
この発明によれば、n枚(n>=1)の代表画像データ以外の撮像静止画データが記録媒体に記録されており、当該記録媒体に記録された多重化データから不要な撮像静止画データを削除することができる。よって、記録媒体に記録する記録容量を減らすことができる。
【0034】
請求項14に記載の多重化データ記録方法は、請求項10に記載の多重化データ記録方法において、システムタイムクロックを読み出すSTC読出し指示工程と、前記代表画像データ変換工程において、読み出したSTCを再生時刻情報であるPTS情報として、代表画像データに挿入するPTS情報挿入工程とを、さらに含むことを特徴とする。
【0035】
この発明によれば、撮像された際のSTC情報を読み出し、再生時刻情報であるPTS情報として、撮像静止画データに挿入する。よって、記録媒体に記録した多重化データの再生開始指示を受けた際に、撮像されたタイミングで撮像静止画データが順次、切り替わりながら、再生することができる。
【0036】
請求項15の記載の多重化データ記録方法は、請求項10に記載の多重化データ記録方法において、記録媒体に記録されている静止画データの中から代表画像データを選択する記録画像選択指示工程と、記録静止画データを符号化する符号化工程と、符号化された撮像静止画データを入力とし、代表画像データに変換する代表画像データ変換工程を、さらに含むことを特徴とする。
【0037】
この発明によれば、記録媒体に記録されている記録静止画データの中から所望の記録静止画データを代表画像データとして、音声データと多重化して記録することができる。
【0038】
請求項16に記載の多重化データ記録方法は、請求項15に記載の多重化データ記録方法において、外部記録媒体に記録する際に、内部記録媒体に記録されている音声データと代表画像データとを多重化する外部多重化工程を、さらに含むことを特徴とする。
【0039】
この発明によれば、外部記録媒体へ記録するのに際し、音声データのみが記録された多重化データに、記録媒体に記録されている記録静止画データを、代表画像データを付加して、外部記録媒体に記録することができる。
【0040】
請求項17に記載の多重化データ記録方法は、請求項10に記載の多重化データ記録方法において、多重化データに含まれる付属情報データから番組名称、放送日時、字幕の文字情報を生成する文字情報生成工程と、文字情報と静止画データから表示プレーンを生成する表示プレーン生成工程とを、さらに含むことを特徴とする。
【0041】
この発明によれば、付属情報データを文字情報生成工程に入力し、生成された文字情報と、代表画像データをモニタに表示することができる。よって、番組情報、記録日時等の文字情報から、記録した多重化データの識別が容易になり、ユーザの視認性が向上する。
【0042】
請求項18に記載の多重化データ記録方法は、請求項17に記載の多重化データ記録方法において、前記文字情報生成工程で生成された文字情報と前記代表画像データを1枚の静止画データとして、前記符号化工程に入力することで符号化し、前記代表画像データ変換工程に入力とすることを特徴とする。
【0043】
この発明によれば、記録された多重化データに含まれる文字情報を生成する処理が不要となり、文字情報を含む代表画像データの復号化処理を行うだけで、記録した多重化データの識別が容易になり、ユーザの視認性が向上する。
【発明の効果】
【0044】
以上説明したように、本発明によれば、多重化データを入力とし、音声データのみを抽出することを指示する、または音声データと代表画像データのみを記録することを指示する記録指示が可能である。そして、撮像静止画データ、または記録静止画データを代表画像データとして、多重化して記録することで、記録容量が小さい記録媒体でも、ディジタル放送を長時間記録することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。
【0046】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る多重化データ記録装置について説明する。なお、第1の実施形態は、請求項1,2,10,11の多重化データ記録装置及び多重化データ記録方法に相当し、記録指示手段は記録指示部102、多重化データ選別手段は多重化データ選別部101、多重化手段は多重化部104、撮像指示手段は撮像指示部109、符号化手段は符号化部110、代表画像データ変換手段は代表画像データ変換部103にそれぞれ対応している。
【0047】
図1は、本実施形態に係る多重化データ記録装置の全体構成図である。なお、本実施形態に直接関係しない他の構成部位、例えば、表示出力される画像の表示手段としてのモニタ、音声出力手段としてのスピーカ、チューナ、復調部、誤り訂正部等は図示していないが、勿論設けられている。
【0048】
図1に示すように、多重化データ記録装置は、多重化データ選別部101と、記録指示部102と、代表画像データ変換部103と、多重化部104と、記録媒体105と、デマルチプレクサ106と、映像デコーダ107と、音声デコーダ108と、撮像指示部109と、符号化部110とを含んで構成される。
【0049】
多重化データ選別部101は、複数の番組のデータが多重化されてなる多重化データから、記録指示部102において、ユーザが選択した所望のプログラム番号の映像データ、音声データ、番組情報、記録モード等の記録指示に従って、多重化データを抽出し、抽出したPID(Pack Identifier)に基づいて、所望のプログラム番号のTSパケットを抽出し、指示された記録モードに応じて、所望のTSパケットを出力する。
【0050】
記録指示部102は、ユーザが操作手段(不図示)に対する所定の操作を行って、選択的に所望のプログラム番号の映像データ、音声データ、番組情報、記録モードの指示を行う。記録モードは、“音声データのみを記録するモード”と、“音声データと代表画像データのみを記録するモード”と、“音声データと映像データを記録するモード”のいずれかを選択的に切り替えることができる。
【0051】
代表画像データ変換部103は、ユーザが所定の操作(例えば、ボタンを押下する等)により、符号化部110から入力される撮像符号化データを所定のフォーマットに従ったTSパケットに変換し、出力を行う。
【0052】
多重化部104は、音声データと代表画像データのみを記録するモードの際に、多重化データ選別部101から出力される音声データのTSパケットと、ユーザが所定の操作により、代表画像データ変換部103から出力される代表画像データのTSパケットとを多重化し、記録媒体105に記録される。
【0053】
デマルチプレクサ106は、複数の番組が多重化されている多重データのうち、特定のプログラム番号が設定された番組のデータを抽出したり、あるいは、それぞれの番組が構成する映像データや音声データなどの各コンポーネント毎に分離して、映像符号化データや音声符号化データを出力する。
【0054】
本実施形態では、データ圧縮符号化方式として、MPEG4−AVC方式が用いられているので、デマルチプレクサ106から出力された映像符号化データに対し、映像デコーダ107においてMPEG4−AVC方式による伸張処理が施される。そして、映像デコーダ107から出力された伸張後のデータは、外部接続されるモニタに表示出力されて表示画像を構成する。また、デマルチプレクサ106から出力された音声符号化データに対し、音声デコーダ108において伸張処理が施される。そして、音声デコーダ108から出力された伸張後のデータは、外部接続されるスピーカに出力される。
【0055】
次に、図2〜図5を参照して、上記多重化データ記録装置の具体的な構成を説明する。図2が多重化データ選別部101の構成を示すブロック図であり、図3が多重化部104の構成を示すブロック図であり、図4が代表画像データ変換部103の構成を示すブロック図であり、図5がデマルチプレクサ106の構成を示すブロック図である。
【0056】
図2に示すように、多重化データ選別部101は、番組情報解析処理部201と選別制御処理部202とを備えて構成される。
【0057】
以上の構成において、番組情報解析処理部201は、入力される多重化データからPAT(Program Association Table)やPMT(Program Map Table)等を抽出し、番組構成を解析し、所望のプログラム番号のTSパケットの識別情報として付与されたPIDを抽出する。抽出したPIDに基づいて、多重化データに含まれる番組を構成する各コンポーネントを選別することができ、選別された多重化データが出力される。
【0058】
選別制御処理部202は、番組情報解析処理部201で抽出された多重化データから、番組情報解析処理部201で抽出したPIDに基づいて、所望のプログラム番号のTSパケットを抽出する。視聴中の場合は所望のプログラム番号のPIDのTSパケットを出力する。このとき、記録中であれば、記録指示部102で設定された記録モードに応じて、所望のTSパケットを出力する。記録モードが音声・映像データ記録の場合は、記録多重化データとして音声データ、映像データを出力する。例えば、記録モードが音声データのみを抽出することを指示された場合は、音声データを出力する。
【0059】
図3に示すように、多重化部104は、記録用バッファ301と記録制御処理302とを備えて構成される。
【0060】
記録用バッファ301は、入力された記録多重化データをバッファリングするための記録手段であり、所定のタイミングで記録用バッファ301から記録多重化データが読み出され、記録媒体105に記録される。
【0061】
記録制御処理部302は、代表画像データ変換部103から代表画像データの多重化要求を受け、記録用バッファ301から記録媒体105への転送を停止し、代表画像データ変換部103からの代表画像データを記録媒体105へと転送する。記録媒体105への転送制御は、TSパケット単位で転送制御されるため、容易に多重化して記録媒体105に記録される。
【0062】
図4に示すように、代表画像データ変換部103は、符号化データ格納用バッファ401とTSパケット化部402とを備えて構成される。
【0063】
符号化データ格納用バッファ401は、符号化部110から出力された撮像符号化データをバッファリングするための記録手段である。
【0064】
TSパケット化部402は、MPEG2トランスポートストリームを構成すべく、TSヘッダ情報等を付加しながら、188byteのデータ長の所定のフォーマットに従ったデータ構造のTSパケットを形成する。このとき、TSパケットのPIDは、番組情報解析処理部201で抽出した映像データのPIDを用いる。
【0065】
図5に示すように、デマルチプレクサ106は、記録モード判定処理部501と、多重分離処理部502とを備えて構成される。
【0066】
記録モード判定処理部501は、記録媒体105に記録されている記録多重化データを再生するときには、先頭がNULLパケットであるかの判定を行い、音声データのみ記録か、通常記録かを判定を行う。音声データのみ記録の場合は、NULLパケットの解析を行い、代表画像データである映像データの位置情報とパケット数を取得する。
【0067】
多重分離処理部502は、複数の番組が多重化されている多重データのうち、特定のプログラム番号が設定された番組のデータを抽出したり、あるいは、それぞれの番組が構成する映像データや音声データなどの各コンポーネント毎に分離して、映像符号化データや音声符号化データを出力する。
【0068】
次に図6〜図8を参照して、多重化データ記録装置において行われる記録処理、及び再生処理について説明をする。図6は、受信された所定の番組の多重化データを記録媒体105に記録する場合の記録処理を示すフローチャートであり、図7は記録された所定の記録多重化データを再生する場合の再生処理を示すフローチャートであり、また、図8は本実施形態における記録媒体105に記録される記録多重化データの様式の一例を示した図である。
【0069】
図6の処理において、特定の番組、記録モードに対する記録指示が入力されたとき(S101)、それ以降の記録処理が開始される。例えば、ユーザの操作によって番組、及び記録モードを選択的に指定するとともに録画開始ボタン等が押下されたとき等が考えられる。なお、記録指示の監視は継続的に行われる。
【0070】
記録指示の入力後は、設定されたプログラム番号の番組に対応する多重化データを記録するために必要な初期設定を行う(S102)。例えば、記録媒体における記録領域の確保、制御情報の初期化等の準備を行う。
【0071】
次に、記録すべきプログラム番号を番組情報解析処理部201に設定する(S103)。これにより、番組情報解析処理部201において、記録対象の番組が特定され、そのデータ構成が解析可能となる。
【0072】
次に、番組情報解析処理部201で解析された多重化データのうち、記録すべき多重化データに対するPIDを選別制御処理部202に設定する(S104)。番組情報解析処理部201に設定すべきPIDは、多重化データに含まれるPSI(Program Specific Information)を参照することにより判別が可能となる。これにより、選別制御処理部202では、PIDに基づいて、音声データのみを抽出し、記録することが可能となる。
【0073】
次に、記録モードの判定を行う(S105)。記録モードが音声データと代表画像データのみ記録の場合(S105:YES)は、NULLパケットを挿入する(S106)。このNULLパケットには、後述する撮像画像データのパケットまでのオフセット値及びパケット数が挿入される。なお、S105でNOの場合は、S107以降の処理を行う。
【0074】
次に、記録対象の番組に対応する多重化データの記録媒体105への記録動作を開始する(S107)。多重化データは記録用バッファ301から出力されて記録媒体105に書き込まれる。
【0075】
そして、時間の進行に伴い記録媒体105への記録動作が順次行われ(S108)、音声データのみ記録中に、撮像要求が入力された際に、記録制御処理部302に対して、撮像記録要求が入力された場合(S109:YES)は代表画像データの記録動作が行われる(S110)。撮像記録要求は、継続して監視される(S109:NO)。そして、記録動作が終了した場合(S111:YES)、図6の記録処理を終え、記録動作が未終了の場合(S111:NO)、S108に戻って記録動作を継続する。
【0076】
次に、記録動作終了後、挿入したNULLパケットのトランスポート・プライベート・データ領域に、NULLパケット以降から初回の撮像記録要求時における記録位置までのオフセット値及び代表画像データのパケット数を書込むことにより(S112)、記録動作を終了する。
【0077】
図7の処理において、記録媒体105に記録されている特定のファイルに対する再生指示が入力されたとき(S201)、それ以降の再生処理が開始される。例えば、ユーザの操作によって再生開始ボタン等が押下されたとき等が考えられる。なお、再生指示の監視は継続的に行われる。
【0078】
次に、ファイルの先頭のパケットがNULLパケットである場合(S202:YES)は、音声データのみ記録されたファイルと判別できる。そして、NULLパケットの解析を行い、トランスポート・プライベート・データ領域のオフセット値及びパケット数を抽出する(S203)。
【0079】
次に、S203で抽出したオフセット値から撮像画像データの先頭位置が判別できるため、以降の同一PIDの復号化処理を行うことにより、代表画像である撮像画像データがモニタに表示される(S204)。
【0080】
次に、既知の技術を用いて再生処理が開始され(S205)、音声デコーダ108に多重分離されたデータを供給し、復号化処理が行い、スピーカに出力される(S206)。そして、再生動作が終了した場合(S207:YES)、図7の再生処理を終了する。再生動作が未終了の場合(S207:NO)、S206の処理に戻って再生動作を継続する。
【0081】
なお、ファイルの先頭のパケットがNULLパケットでない場合(S202:NO)は、S205以降の処理を行う。
【0082】
図8は、音声データのみの記録動作における記録媒体105に記録されるデータの一例を示した図である。記録媒体105には、188byteのデータ形式で格納され、始めにNULLパケットが挿入され、順次記録される。撮像要求を受け、記録制御処理部302に撮像画像記録要求を受け、代表画像データが撮像記録要求ごとに多重化される。図7におけるオフセット値は、初回の撮像画像記録要求時における記録位置までのパケット数を示している。
【0083】
本実施形態に係る多重化データ記録装置は、以上のように構成され、動作するので、結果的に、ユーザが所望の記録モードが設定でき、記録モードが“音声データと代表画像データのみを記録する“の際に、ユーザの好みのタイミングで撮像した撮像静止画データを代表画像データとして記録することが可能となり、記録媒体の使用効率が上がり、記録容量が小さい記録媒体でも、ディジタル放送を長時間記録することができる。
【0084】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る多重化データ記録装置について説明する。なお、第2の実施形態は、請求項3,13の多重化データ記録装置及び多重化データ記録方法に相当し、撮像指示手段は撮像指示部1009、撮像静止画データ選択指示手段は撮像静止画データ選択指示部1010、代表画像データ選択手段は代表画像データ選択部1011にそれぞれ対応している。
【0085】
図9は、第2の実施形態に係わる多重化データ記録装置の全体構成図である。
【0086】
図9に示す多重化データ記録装置は、多重化データ選別部1001と、記録指示部1002と、代表画像データ変換部1003と、多重化部1004と、記録媒体1005と、デマルチプレクサ部1006と、映像デコーダ1007と、音声デコーダ1008と、撮像指示部1009と、撮像静止画データ選択指示部1010と、代表画像データ選択部1011と、符号化部1012を備えて構成される。
【0087】
図9に示す第2の実施形態に係る多重化データ記録装置は、第1の実施形態の構成に撮像静止画データ選択指示部1010と、代表画像データ選択部1011が具備されており、構成が異なる。また、記録処理における動作はn枚の撮像静止画データからユーザが所望の撮像静止画データを代表画像データとして記録することが可能である。
【0088】
以下、代表画像データ選択部1011、多重化部1004の動作について、第1の実施形態と異なる部分を説明する。なお、それ以外は、第1の実施形態と同様である。
【0089】
図10〜図12は、第2の実施形態の多重化データ記録装置における多重化部1004、代表画像データ選択部1011の構成を示すブロック図である。図9の多重化データ記録装置に含まれる構成要素のうち、図10は多重化部1004の構成を示すブロック図であり、図11は撮像画像情報格納テーブルの様式を示した図であり、図12は代表画像データ選択部1011の構成を示すブロック図である。
【0090】
図10に示すように、多重化部1004は、記録用バッファ1101と、記録制御処理部1102と、位置情報保持部1103とを備えて構成される。
【0091】
記録用バッファ1101は、入力された記録多重化データをバッファリングするための記録手段であり、所定のタイミングで記録用バッファ1101から記録多重化データが読み出され、記録媒体1005に記録される。
【0092】
記録制御処理部1102は、記録媒体1005へ転送したTSパケット数をカウントし、代表画像データ変換部1003から撮像静止画データの撮像記録要求を受けた際に、撮像静止画データ番号と、記録媒体1005に記録したTSパケット数を記録位置情報保持部1103へ記録する。そして、記録用バッファ1101から記録媒体1005への転送を停止し、代表画像データ変換部1003からの撮像静止画データを記録媒体1005へと転送する。その際も、記録媒体1005へ転送したTSパケット数のカウントは継続する。
【0093】
図11は、記録位置情報保持部1103で保持された記録位置情報テーブルの様式を示したものである。撮像静止画データ番号、撮像画像位置のオフセット値であるTSパケット数が格納される。撮像静止画データ番号は、撮像した撮像画像数に対応しており、撮像画像位置情報は記録ファイルの先頭アドレスからのTSパケットの数であるオフセット値が格納される。
【0094】
図12に示すように、代表画像データ選択部1011は、記録位置情報処理部1201と、撮像静止画データ表示処理部1202と、選択終了処理部1203とを具備して構成される。
【0095】
記録位置情報処理部1201は、多重化部1004の記録位置情報保持部1103から記録位置情報テーブルを参照し、ユーザが所定の操作(例えば、ボタンを押下する等)により、選択された撮像番号の撮像静止画データが選択される。
【0096】
撮像静止画データ表示処理部1202は、記録位置情報処理部1201で選択された撮像静止画データ番号に対応する撮像静止画データを、記録位置情報を用いてデマルチプレクサ1006、及び映像デコーダ1007で復号化処理を行い、モニタに出力する。ここで、撮像画像をモニタに出力するのは1枚撮像画像のみとは限らず、撮像画像を縮小し、複数枚並べてモニタに出力するようにしてもよい。
【0097】
選択終了処理部1203は、ユーザが所定の操作(例えば、ボタンを押下する等)により、選択された撮像静止画データ番号の撮像静止画データが選択された場合、選択された撮像静止画データに対応する記録位置情報をオフセット値として、NULLパケットのトランスポート・プライベート・データ領域を書き換えることで、選択された撮像静止画データが代表画像データとして記録される。
【0098】
次に、図13を参照して、第2の実施形態の多重化データ記録装置において、第1の実施形態の多重化データ記録装置と異なる記録処理について説明をする。図13は、受信された所定の番組の多重化データを記録媒体1005に記録する場合の記録処理を示すフローチャートである。
【0099】
図13の処理において、第1の実施形態における記録処理の動作と異なる記録動作の開始(S307)以降の処理について説明する。なお、S301〜S306は、図6のS101〜S106と同様である。
【0100】
時間の進行に伴い記録媒体1005への記録動作が順次行われ(S308)、撮像指示部1009から撮像指示要求が入力された際に、映像デコーダ1007から符号化1012へ撮像データが入力され、符号化処理された撮像符号化データが代表画像データ変換部1003に入力される。そして、TSパケットに変換し、記録制御処理部1102に対して、撮像記録要求が入力された場合(S309:YES)は、そのときに記録された撮像静止画データ番号と、TSパケット数を記録位置情報保持部1103へ格納し、撮像画像データの記録動作が行われる(S310)。撮像記録要求は、継続して監視される(S309:NO)。そして、記録動作が終了した場合(S311:YES)、図6の記録処理を終え、記録動作が未終了の場合(S311:NO)、S308に戻って記録動作を継続する。
【0101】
次に、記録動作終了後、撮像静止画データ選択指示がある場合(S312:YES)は、記録位置情報保持部1103から記録位置情報テーブルを取得する。次に、記録位置情報処理部1201において、記録位置情報テーブルを参照し、記録された多重化データから所定の撮像静止画データ番号に対応する撮像静止画データの復号化処理が行われ、モニタに出力される(S313)。例えば、ユーザの操作によって撮像静止画データ番号に対応する撮像静止画データを指定するとともに決定ボタン等が押下されたとき等が考えられる。選択された撮像静止画データを代表画像データに選択された場合(S314:YES)は、挿入したNULLパケットのトランスポート・プライベート・データ領域に、撮像静止画データ番号のTSパケット数をオフセット値として書き込んで(S315)、記録動作を終了する。なお、選択が終了していない場合(S314:NO)は、S313に戻って選択処理を継続する。
【0102】
撮像静止画データ選択指示がない場合(S312:NO)は、挿入したNULLパケットのトランスポート・プライベート・データ領域に、NULLパケット以降から撮像静止画データ番号1の撮像静止画データ記録要求時における記録位置までのオフセット値を書込む(S315)。そして、記録動作を終了する。
【0103】
本実施形態に係る多重化データ記録装置によれば、撮像指示部1009により、撮像されたn枚(n>=1)の撮像静止画データの中から所望の撮像静止画データを代表画像データとすることができる。
【0104】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る多重化データ記録装置について説明する。なお、第3の実施形態は、請求項4,13の多重化データ記録装置及び多重化データ記録方法に相当し、撮像静止画データ削除手段は撮像静止画データ削除部2012に対応している。
【0105】
図14は、本発明の第3の実施形態に係る多重化データ記録装置の全体構成図である。
【0106】
図14に示す多重化データ記録装置は、多重化データ選別部2001と、記録指示部2002と、代表画像データ変換部2003と、多重化部2004と、記録媒体2005と、デマルチプレクサ2006と、映像デコーダ2007と、音声デコーダ2008と、撮像指示部2009と、撮像静止画データ選択指示部2010と、代表画像データ選択部2011と、撮像静止画データ削除部2012と、符号化部2013を備えて構成される。
【0107】
図14に示す第3の実施形態に係る多重化データ記録装置は、第2の実施形態の構成に殆ど同じ構成、及び動作を有するが、撮像静止画データ削除部2012を具備しており、構成が異なる。
【0108】
図15に示すように、撮像静止画データ削除部2012は、削除対象検索部2101と、削除処理部2102とを具備して構成される。
【0109】
削除対象検索部2101は、代表画像データ選択部2011で選択された代表画像データ以外の撮像静止画データを検索する。その際、記録位置情報テーブルから削除対象の撮像静止画データ番号のオフセット値を参照し、削除する撮像静止画データを検索する。
【0110】
削除処理部2102は、削除する撮像静止画データのTSパケットを順次削除し、異なるPIDのTSパケットを削除した領域につめていくことで、不要な撮像静止画データを削除する。
【0111】
上記の操作を、不要な撮像静止画データに相当する分行い、代表画像データ以外の撮像静止画データを削除することができる。
【0112】
本実施形態に係る多重化データ記録装置によれば、n枚(n>=1)の代表画像データ以外の撮像静止画データが記録媒体2005に記録されている多重化データ記録装置において、当該記録媒体2005に記録された多重化データから不要な撮像静止画データを削除することができ、記録媒体2005を効率よく使用することができる。
【0113】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係る多重化データ記録装置について説明する。なお、第4の実施形態は、請求項5,14の多重化データ記録装置及び多重化データ記録方法に相当し、STC読出し指示手段はSTC読出し指示部3010、PTS情報挿入手段はPTS情報挿入部3011にそれぞれ対応している。
【0114】
図16は、本発明の第4の実施形態に係る多重化データ記録装置の全体構成図である。
【0115】
図16に示す多重化データ記録装置は、多重化データ選別部3001と、記録指示部3002と、代表画像データ変換部3003と、多重化部3004と、記録媒体3005と、デマルチプレクサ3006と、映像デコーダ3007と、音声デコーダ3008と、撮像指示部3009と、STC読出し指示部3010と、PTS情報挿入部3011と、符号化部3012を備えて構成される。
【0116】
図16に示す第4の実施形態に係る多重化データ記録装置は、第1の実施形態の構成に殆ど同じ構成、及び動作を有するが、STC読出し指示部3010と、PTS情報挿入部3011とを具備されており、構成が異なる。
【0117】
また、記録処理における動作は、撮像した際にSTC値を読出し、読出したSTC値を再生時刻情報であるPTS値として、代表画像データのTSパケット化する前の段階であるPESパケット化する際に、PESパケットのヘッダ情報にPTS情報を挿入して代表画像データに変換して、記録する点が異なる。
【0118】
以下、代表画像データ変換部3003の動作について、第1の実施形態と異なる部分を説明する。なお、それ以外は、第1の実施形態と同様である。
【0119】
図17は、第4の実施形態の多重化データ記録装置のおける代表画像データ変換部3003の構成を示すブロック図である。
【0120】
図17に示すように、代表画像データ変換部3003は、符号化データ格納用バッファ3101と、PTS情報処理部3102と、TSパケット化部3103とを備えて構成される。
【0121】
符号化データ格納用バッファ3101は、符号化部3012から出力された撮像符号化データをバッファリングするための記録手段である。
【0122】
PTS情報処理部3102は、PTS情報挿入部3011を実行することで、PESパケットのヘッダ情報に所定のフォーマットに従って、PTS情報を挿入する。PTS情報は、ユーザが所定の操作(例えば、ボタンを押下する等)により、撮像指示部3009から映像デコーダ3007に撮像要求を発行した際に、STC読出し指示部3010において、STC情報を読み出し、STC情報をPTS情報として、PTS情報挿入部3011が保持している。
【0123】
TSパケット化部3103は、MPEG2トランスポートストリームを構成すべく、TSヘッダ情報等を付加しながら、188byteのデータ長の所定のフォーマットに従ったデータ構造のTSパケットを形成する。
【0124】
図18は、受信された所定の番組の多重化データを記録媒体3005に記録する場合の記録処理を示すフローチャートである。
【0125】
図18の処理において、第1の実施形態における記録処理と異なる記録動作の開始(S407)以降について説明する。なお、S401〜S406は、図6のS101〜S106と同様である。
【0126】
記録対象の番組に対応する多重化データの記録媒体3005への記録動作を開始する(S407)。多重化データは多重化部3004の記録用バッファ301(図3参照)から出力されて記録媒体3005に書き込まれる。
【0127】
そして、時間の進行に伴い記録媒体への記録動作が順次行われ(S408)、音声データのみ記録中に、撮像指示部3009からの撮像記録要求が入力された際に(S409:YES)、STC読出し指示部3010でSTC情報を読み出し(S410)、PTS情報挿入部3011でSTC情報を代表画像データのPTS情報として保持する(S411)。撮像記録要求は、継続して監視される(S409:NO)。そして、撮像静止画データの記録動作が行われる(S412)。そして、記録動作が終了した場合(S413:YES)、図18の記録処理を終え、記録動作が未終了の場合(S413:NO)、S408に戻って記録動作を継続する。
【0128】
記録媒体3005に記録されている特定のファイルに対する再生指示が入力されたとき、それ以降の再生処理が開始される。例えば、ユーザの操作によって再生開始ボタン等が押下されたとき等が考えられる。なお、再生指示の監視は継続的に行われる。
【0129】
次に、第1の実施形態と同様に、ファイルの先頭のパケットがNULLパケットである場合は、音声データのみ記録されたファイルと判別できる。そして、NULLパケットの解析を行い、トランスポート・プライベート・データ領域のオフセット値を抽出する。
【0130】
次に、抽出したオフセット値から代表画像データの先頭位置が判別できるため、以降の同一PIDの復号化処理を行うことにより、代表画像である撮像画像データがモニタに表示される。
【0131】
記録された多重化データを再生する際には、既知の技術を用いて再生処理が開始され、音声デコーダ3008に多重分離されたデータを供給し、復号化処理を行い、スピーカに出力される。デマルチプレクサ3006でPMTに示された映像データのPIDと同一のPIDが検出された場合は、同期クロックとPTS情報挿入部3011で挿入された代表画像データに付随するPTSとの同期制御を行い、モニタに出力する。
【0132】
本実施形態に係る多重化データ記録装置によれば、撮像された際のSTC情報を読み出し、再生時刻情報であるPTS情報として、撮像静止画データに挿入する。そして、記録媒体3005に記録した多重化データの再生開始指示を受けた際に、撮像されたタイミングで撮像静止画データが順次、切り替わりながら、再生することができる。
【0133】
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態に係る多重化データ記録装置について説明する。なお、第5の実施形態は、請求項6,15の多重化データ記録装置及び多重化データ記録方法に相当し、記録画像選択指示手段は記録画像選択指示部4009、符号化手段は符号化部4012、代表画像データ変換手段は代表画像データ変換部4003にそれぞれ対応している。
【0134】
図19は、本発明の第5の実施形態に係る多重化データ記録装置の全体構成図である。
【0135】
第5の実施形態は、記録媒体4005に記録されている記録静止画データを代表画像データとして記録することを特徴とする。記録静止画データとしては、ユーザが所定の操作により、カメラデバイスから撮影した画像データ、ネットワーク等を用いて記録した画像データ等が挙げられる。
【0136】
図19に示す多重化データ記録装置は、多重化データ選別部4001と、記録指示部4002と、代表画像データ変換部4003と、多重化部4004と、記録媒体4005と、デマルチプレクサ4006と、映像デコーダ4007と、音声デコーダ4008と、記録画像選択指示部4009と、記録画像選択部4010と、記録画像復号化部4011と、符号化部4012を備えて構成される。
【0137】
図19に示す第5の実施形態に係る多重化データ記録装置は、第1の実施形態の構成に殆ど同じ構成、及び動作を有するが、記録画像選択指示部4009と、記録画像選択部4010と、記録画像復号化部4011を具備しており、構成が異なる。
【0138】
また、第1に実施形態では、撮像静止画データを代表画像データとして、記録していたが、本実施形態では、記録媒体4005に記録されている記録静止画データを代表画像データとして、記録するという点が異なる。
【0139】
以下に、記録画像選択指示部4009、記録画像選択部4010、記録画像復号化部4011の構成、および動作を説明する。
【0140】
記録画像選択指示部4009は、記録媒体4005に記録されている記録静止画データの中から、ユーザの所望の記録静止画データを代表画像データに選択する指示を記録画像選択部4010に対して行う。
【0141】
記録画像選択部4010は、記録媒体4005に記録されている記録静止画データを読み出し、記録画像復号化部4011に入力する。
【0142】
記録画像復号化部4011は、記録画像選択部4010から入力された記録静止画データの復号化処理を行い、モニタに出力する。そして、ユーザが所定の操作(例えば、ボタンを押下する等)により、モニタに表示された記録静止画データが選択された場合は、符号化部4012に復号化処理された記録静止画データが入力される。
【0143】
図20を用いて、第5の実施形態における記録処理について説明する。特定の番組、記録モードに対する記録指示が入力されたとき(S501)、それ以降の記録処理が開始される。例えば、ユーザの操作によって番組、及び記録モードを選択的に指定するとともに録画開始ボタン等が押下されたとき等が考えられる。なお、記録指示の監視は継続的に行われる。
【0144】
次に、設定されたプログラム番号の番組に対応する多重化データを記録するために必要な初期設定を行う(S502)。例えば、記録媒体における記録領域の確保、制御情報の初期化等の準備を行う。
【0145】
記録指示の入力後は、記録画像データを代表画像データとして多重化するか否かを、ユーザが所定の操作(例えば、ボタンを押下する等)に従って選択する。記録画像データを代表画像データとして記録する場合(S503:YES)は、記録媒体4005に記録されている記録静止画データを読み出し、記録画像復号化部4011に記録静止画データが入力され、復号化処理を行い(S504)、モニタに表示される。ユーザが所定の操作により、この記録静止画データを指定するか否かが決定される。記録画像復号化部4011で復号化した記録静止画データを代表画像として指定した場合(S505:YES)は、記録動作が開始される。復号化した記録静止画データが代表画像データ指定されない場合(S505:NO)は、次の記録静止画データが読み出され、記録画像復号化部4011に入力される。なお、S503にてNOの場合、S506以降の処理を行う。
【0146】
次に、記録すべきプログラム番号を多重化データ選別部4001の番組情報解析処理部201(図2参照)に設定する(S506)。これにより、番組情報解析処理部201において、記録対象の番組が特定され、そのデータ構成が解析可能となる。
【0147】
次に、番組情報解析処理部201で解析された多重化データのうち、記録すべき多重化データに対するPIDを多重化データ選別部4001の選別制御処理部202(図2参照)に設定する(S507)。選別制御処理部202に設定すべきPIDは、多重化データに含まれるPSIを参照することにより判別が可能となる。これにより、選別制御処理部202では、PIDに基づいて、音声データのみを抽出し、記録することが可能となる。
【0148】
次に、記録モードの判定を行う(S508)。記録モードが音声データと代表画像データのみ記録の場合(S508:YES)は、NULLパケットを挿入する(S509)。このNULLパケットには、後述する撮像画像データのパケットまでのオフセット値及びパケット数が挿入される。音声データのみ記録でない場合(S508:NO)は、S510以降の処理を行う。
【0149】
次に、記録対象の番組に対応する多重化データの記録媒体4005への記録動作を開始し(S510)、時間の進行に伴い記録媒体4005への記録動作が順次行われる(S511)。
【0150】
次に、記録動作終了後(S512:YES)、挿入したNULLパケットのトランスポート・プライベート・データ領域に、NULLパケット以降から初回の映像データ記録要求時における記録位置までのオフセット値及び映像データのパケット数を書き込むことにより(S513)、記録動作を終了する。動作が未終了の場合(S512:NO)、S511に戻って、記録動作を継続する。
【0151】
本実施形態に係る多重化データ記録装置によれば、記録媒体4005に記録されている記録静止画データの中から所望の記録静止画データを代表画像データとして、音声データと多重化して記録することができる。
【0152】
(第6の実施形態)
本発明の第6の実施形態に係る多重化データ記録装置について説明する。なお、第6の実施形態は、請求項7,16の多重化データ記録装置及び多重化データ記録方法に相当し、外部記録媒体は外部記録媒体5013、内部記録媒体は記録媒体5005、外部多重化手段は多重化部5004にそれぞれ対応している。
【0153】
図21は、本発明の第6の実施形態に係る多重化データ記録装置の全体構成図である。
【0154】
第6の実施形態は、外部記録媒体5013に記録を行う際に、記録媒体5005に記録されている音声記録多重化データと、記録されている記録静止画データを代表画像データとして、音声記録多重化データに、多重化して記録することを特徴とする。記録静止画データとしては、ユーザが所定の操作により、カメラデバイスから撮影した画像データ、ネットワーク等を用いて記録した画像データ等が挙げられる。
【0155】
図21に示す多重化データ記録装置は、多重化データ選別部5001と、記録指示部5002と、代表画像データ変換部5003と、多重化部5004と、記録媒体5005と、デマルチプレクサ5006と、映像デコーダ5007と、音声デコーダ5008と、記録画像選択指示部5009と、記録画像選択部5010と、記録画像復号化部5011と、符号化部5012と、外部記録媒体5013とを備えて構成される。
【0156】
図21に示す多重化データ記録装置は、第5の実施形態と同じ構成、動作する部分を有するが、外部記録媒体5013が具備されており、多重化部5004、記録画像選択指示部5009の動作が異なる。
【0157】
以下、多重化部5004、記録画像選択指示部5009の異なる構成、動作を有する部分を説明する。なお、それ以外は、第5の実施形態と同様である。
【0158】
多重化部5004は、多重化データ選別部5001から出力される音声データのTSパケットと、ユーザが所定の操作により、代表画像データ変換部5003から出力される代表画像データのTSパケットとを多重化し、外部記録媒体5013に記録される。
【0159】
記録画像選択指示部5009は、外部記録媒体5013に記録を行う際に、記録媒体5005に記録されている記録静止画データを選択的に指定できる。
【0160】
次に、図21を参照して、上記多重化データ記録装置の具体的な構成を説明する。図22は、多重化部5004の構成を示すブロック図である。
【0161】
図22に示すように、多重化部5004は、記録用バッファ5101と記録制御処理部5102とで構成され、記録媒体5005への出力と、外部記録媒体5013への出力が可能である。
【0162】
以上の構成において、記録用バッファ5101は、入力された記録多重化データをバッファリングするための記録手段であり、所定のタイミングで記録用バッファ5101から記録データが読み出され、記録媒体5005、もしくは外部記録媒体5013に記録される。
【0163】
記録制御処理部5102は、代表画像データ変換部5003から記録画像データ多重化要求を受け、記録用バッファ5101から記録媒体5005、または外部記録媒体5013への転送を停止し、代表画像データ変換部5003からの代表画像データを記録媒体5005、または外部記録媒体5013へと転送する。
【0164】
次に図23を参照して、多重化データ記録装置において行われる記録処理について説明をする。図23は、記録媒体5005に記録された音声記録多重化データを外部記録媒体5013に記録する際の記録処理を示すフローチャートである。
【0165】
図23の処理において、外部記録媒体5013への記録指示が入力されたとき(S601)、それ以降の記録処理が開始される。例えば、ユーザの操作によって、記録媒体5005に記録されている音声記録多重化データを外部記録媒体5013へ記録する記録開始ボタン等が押下されたとき等が考えられる。
【0166】
記録動作開始後、指定された音声記録多重化データを外部記録媒体5013に記録するために必要な初期設定を行う(S602)。例えば、外部記録媒体5013における記録領域の確保、制御情報の初期化等の準備を行う。
【0167】
記録静止画データを代表画像データとして多重化するか否かを、ユーザが所定の操作(例えば、ボタンを押下する等)に従って選択する。記録画像データを代表画像データとして記録する場合(S603:YES)は、記録媒体5005に記録されている記録静止画データを読み出し、記録画像復号化部5011に記録静止画データが入力され、復号化処理を行い(S604)、モニタに表示される。ユーザが所定の操作により、この記録静止画データを指定するか否かが決定される。記録画像復号化部5011で復号化した記録静止画データを代表画像として指定した場合(S605:YES)は、記録動作が開始される。復号化した記録静止画データが代表画像データ指定されない場合(S605:NO)は、次の記録静止画データが読み出され、記録画像復号化部5011に入力される。なお、S603にてNOの場合、S606以降の処理が行われる。
【0168】
次に、NULLパケットを挿入する(S606)。このNULLパケットには、後述する撮像画像データのパケットまでのオフセット値及びパケット数が挿入される。音声データのみ記録でない場合は、以降の処理を行う。
【0169】
次に、外部記録媒体5013に記録する音声記録多重化データを、外部記録媒体5013への記録動作を開始する(S607)。音声記録多重化データは、記録媒体5005から順次読み出され、記録用バッファ5101に出力され、所定のタイミングで外部記録媒体5013に書き込まれる。また、代表画像データに選択された記録静止画データは、符号化部5012に入力され、所定のフォーマットであるMPEG4−AVCのフォーマットに符号化される。そして、符号化された記録静止画符号化データは、代表画像データ変換部5003に入力され、MPEG2トランスポートストリームを構成すべく、TSヘッダ情報等を付加しながら、188byteのデータ長の所定のフォーマットに従ったデータ構造のTSパケットを形成する。TSパケット生成後に、記録制御処理5102に対して、記録要求が行われる。
【0170】
次に、音声記録多重化データの外部記録媒体5013への記録動作が順次行われ(S608)、記録制御処理部5102に対して、記録要求が入力された際(S609:YES)に、代表画像データの記録動作が行われる(S610)。記録要求は、継続して監視される(S609:NO)。
【0171】
そして、記録動作が終了した場合(S611:YES)、図6の記録処理を終え、記録動作が未終了の場合(S611:NO)、S108に戻って記録動作を継続する。
【0172】
次に、記録動作終了後、挿入したNULLパケットのトランスポート・プライベート・データ領域に、NULLパケット以降から初回の映像データ記録要求時における記録位置までのオフセット値及び映像データのパケット数を書込むことにより、記録動作を終了する(S612)。
【0173】
本実施形態に係る多重化データ記録装置によれば、記録媒体5005に記録されている音声データを外部記録媒体5013へ記録する際に、記録媒体5005に記録されている音声データに所望の代表画像データを付加して、外部記録媒体5013に記録することができる。
【0174】
(第7の実施形態)
本発明の第7の実施形態に係る多重化データ記録装置について説明する。なお、第7の実施形態は、請求項8,9,17,18の多重化データ記録装置及び多重化データ記録方法に相当し、文字情報生成手段は文字情報生成部6010、表示プレーン生成手段は表示プレーン生成部6012、符号化手段は符号化部6011、代表画像データ変換手段は代表画像データ変換部6003にそれぞれ対応している。
【0175】
図24は、本発明の第7の実施形態に係る多重化データ記録装置の全体構成図である。第7の実施形態における多重化データ記録装置は、第1の実施形態の構成に殆ど同じ構成及び動作を有するが、文字情報生成部6010と、表示プレーン生成部6012を具備しており、構成が異なる。
【0176】
以下、第1の実施形態と動作が異なる記録指示部6002と、多重化データ選択部6001と、デマルチプレクサ6006と、新たに備えた文字情報生成部6010と、表示プレーン生成部6012について説明する。なお、それ以外は、第1の実施形態と同様である。
【0177】
記録指示部6002は、第1の実施形態の記録指示部102に、“音声データと付属情報データのみを記録するモード”と、“音声データ、代表画像データ、付属情報データのみを記録するモード”が新たに付加されており、いずれかを選択的に切り替えることができる。
【0178】
多重化データ選別部6001は、複数の番組のデータが多重化されてなる多重化データから、記録モードに応じた多重化データを選別し、多重化部6004に入力する。ここで、記録モードは、記録指示部6002からユーザが選択され、多重化データ選別部6001に指定される。指定された記録モードが、音声データ、付属情報データのみ抽出することを指示された場合、所望のプログラム番号の音声データ、および番組情報の多重化データを抽出し、抽出したPIDに基づいて、所望のプログラム番号のTSパケットを抽出し、指示された記録モードに応じて、所望のTSパケットを出力する。
【0179】
デマルチプレクサ6006は、複数の番組が多重化されている多重データのうち、特定のプログラム番号が設定された番組のデータを抽出したり、あるいは、それぞれの番組が構成する映像データや音声データなどの各コンポーネント毎に分離して、映像符号化データ、音声符号化データ、および付属情報データを出力する。出力された付属情報データは、文字情報生成部6010に入力される。
【0180】
文字情報生成部6010は、デマルチプレクサ6006から入力された付属情報データを既知の技術を用いて、付属情報データから文字情報を生成する。
【0181】
表示プレーン生成部6012は、既知の技術を用いて、映像デコーダ6007から出力される映像復号化データと、文字情報生成部6010から出力される文字情報とを、表示する表示プレーンを生成し、モニタに表示させる。
【0182】
ここで、表示プレーンの生成する際に、映像復号化データのみを表示プレーンとして、モニタに表示してもよく、また代表画像データを表示してもよい。
【0183】
また、文字情報生成部6010で生成された文字情報と、所定の静止画データを表示プレーン生成部6012に入力することにより、文字情報だけの代表画像データを作成することも考えられる。
【0184】
図25は、受信された所定の番組の多重化データを記録媒体6005に記録する場合の記録処理を示すフローチャートである。
【0185】
図25の処理において、特定の番組、記録モードに対する記録指示が入力されたとき(S701)、それ以降の記録処理が開始される。本実施形態では、記録指示における記録モードは、音声データと付属情報データのみを記録する指示を行う。例えば、ユーザの操作によって番組、及び記録モードを選択的に指定するとともに録画開始ボタン等が押下されたとき等が考えられる。なお、記録指示の監視は継続的に行われる。
【0186】
記録指示の入力後は、設定されたプログラム番号の番組に対応する多重化データを記録するために必要な初期設定を行う(S702)。例えば、記録媒体6005における記録領域の確保、制御情報の初期化等の準備を行う。
【0187】
次に、記録すべきプログラム番号を多重化データ選択部6001の番組情報解析処理部201(図2参照)に設定する(S703)。これにより、番組情報解析処理部201において、記録対象の番組が特定され、そのデータ構成が解析可能となる。
【0188】
次に、番組情報解析処理部201で解析された多重化データのうち、記録すべき多重化データに対するPIDを多重化データ選択部6001の選別制御処理部202(図2参照)に設定する(S704)。番組情報解析処理部201に設定すべきPIDは、多重化データに含まれるPSIを参照することにより判別が可能となる。これにより、選別制御処理部202では、PIDに基づいて、音声データと付属情報データのみを抽出し、記録することが可能となる。
【0189】
次に、記録モードの判定を行う(S705)。記録モードが音声データと付属情報データのみ記録の場合(S705:YES)は、NULLパケットを挿入する(S706)。このNULLパケットには、後述する撮像画像データのパケットまでのオフセット値及びパケット数が挿入される。音声データのみ記録でない場合(S705:NO)は、S707以降の処理を行う。
【0190】
次に、記録対象の番組に対応する多重化データの記録媒体6005への記録動作を開始する(S707)。多重化データは、多重化部6004の記録用バッファ301(図3参照)から出力されて記録媒体6005に書き込まれる。
【0191】
そして、時間の進行に伴い記録媒体6005への記録動作が順次行われ(S708)、音声データのみ記録中に、撮像要求が入力された際に、多重化部6004の記録制御処理部302(図3参照)に対して、表示プレーン記録要求が入力された場合(S709:YES)は撮像表示プレーンデータの記録動作が行われる(S710)。表示プレーン記録要求は、継続して監視される(S709:NO)。そして、記録動作が終了した場合(S711:YES)、図6の記録処理を終え、記録動作が未終了の場合(S711:NO)、S708に戻って記録動作を継続する。
【0192】
次に、記録動作終了後、挿入したNULLパケットのトランスポート・プライベート・データ領域に、NULLパケット以降から初回の映像データ記録要求時における記録位置までのオフセット値及び映像データのパケット数を書込むことにより(S712)、記録動作を終了する。
【0193】
本実施形態に係るデータ記録装置は、以上のような構成され、動作するので、結果的に、生成された文字情報と、代表画像データをモニタに表示することができ、番組情報、記録日時等の文字情報から、記録した多重化データの識別が容易になり、ユーザの視認性が向上する。また、記録された多重化データに含まれる文字情報を生成する処理が不要となり、代表画像データの復号化処理を行うだけで、番組情報、記録日時等を明示的に示すことができ、記録した多重化データの識別が容易になり、ユーザの視認性が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0194】
本発明によれば、多重化データの中に含まれる映像データと音声データ、または音声データのみ、音声データと代表画像データ、音声データと番組情報を記録することを選択的に設定することが可能であり、ユーザの所望のタイミングで撮像された撮像画像データ、または記録画像データを代表画像データとして、多重化データに含める映像データとして記録することができるので、小型ディジタル機器、携帯電話等のモバイル向けディジタル機器のような記録容量の小さい記録媒体にディジタル放送を長時間記録するのに有用である。また、DVDレコーダのような大容量の記録媒体に記録した多重化データを、SDカード等の記録するときに映像データと音声データ、または音声データのみ、または音声データと番組情報を記録することを選択的に設定し、代表画像データを含めて記録し、モバイル向けのディジタル機器において記録メディアを読み出し、再生する等の用途にも応用できる。
【図面の簡単な説明】
【0195】
【図1】第1の実施形態に適用した多重化データ記録装置の構成を表すブロック図である。
【図2】第1の実施形態における多重化データ選別部の主な機能を示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態における多重化部の主な機能を示すブロック図である。
【図4】第1の実施形態における代表画像データ変換部の主な機能を示すブロック図である。
【図5】第1の実施形態におけるデマルチプレクサの主な機能を示すブロック図である。
【図6】第1の実施形態における記録処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】第1の実施形態における再生処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】第1の実施形態における記録媒体に記録される記録多重化データの様式の一例を示した図である。
【図9】第2の実施形態に適用した多重化データ記録装置の構成を表すブロック図である。
【図10】第2の実施形態における多重化部の主な機能を示すブロック図である。
【図11】第2の実施形態における撮像画像情報格納テーブルの様式の一例を示した図である。
【図12】第2の実施形態における代表画像データ選択部の主な機能を示すブロック図である。
【図13】第2の実施形態における記録処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図14】第3の実施形態に適用した多重化データ記録装置の構成を表すブロック図である。
【図15】第3の実施形態における撮像静止画データ削除部の主な機能を示すブロック図である。
【図16】第4の実施形態に適用した多重化データ記録装置の構成を表すブロック図である。
【図17】第4の実施形態における代表画像データ変換部の主な機能を示すブロック図である。
【図18】第4の実施形態における記録処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図19】第5の実施形態に適用した多重化データ記録装置の構成を表すブロック図である。
【図20】第5の実施形態における記録処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図21】第6の実施形態に適用した多重化データ記録装置の構成を表すブロック図である。
【図22】第6の実施形態における多重化部の主な機能を示すブロック図である。
【図23】第6の実施形態における記録処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図24】第7の実施形態に適用した多重化データ記録装置の構成を表すブロック図である。
【図25】第7の実施形態における記録処理の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0196】
101 多重化データ選別部
102 記録指示部
103 代表画像データ変換部
104 多重化部
105 記録媒体
106 デマルチプレクサ
107 映像デコーダ
108 音声デコーダ
109 撮像指示部
110 符号化部
1010 撮像静止画データ選択指示部
1011 代表画像データ選択部
2012 撮像静止画データ削除部
3010 STC読出し指示部
3011 PTS情報挿入部
4009 記録画像選択指示部
4010 記録画像選択部
4011 記録画像復号化部
5013 外部記録媒体
6010 文字情報生成部
6012 表示プレーン生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多重化データの記録を行う多重化データ記録装置であって、多重化データを入力とし、音声データのみを記録することを指示する、または音声データと代表画像データのみを抽出することを指示する記録指示手段と、多重化データに含まれる音声データを抽出する多重化データ選別手段と、前記音声データと代表画像データを多重化して、記録媒体に記録する多重化手段とを備えることを特徴とする多重化データ記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載の多重化データ記録装置において、静止画データを撮像する撮像指示手段と、撮像された静止画データ(以降、撮像静止画データ)を符号化する符号化手段と、符号化された撮像符号化データを入力とし、代表画像データに変換する代表画像データ変換手段を、さらに備えることを特徴とする多重化データ記録装置。
【請求項3】
請求項2に記載の多重化データ記録装置において、前記撮像指示手段により、撮像されたn枚(n>=1)の前記撮像静止画データから代表画像データを選択指示する撮像静止画データ選択指示手段と、撮像静止画データ選択指示がある場合に、記録媒体から撮像されたn枚から代表画像データを選択することが可能な代表画像データ選択手段を、さらに備えることを特徴とする多重化データ記録装置。
【請求項4】
請求項3に記載の多重化データ記録装置において、記録された多重化データの中から選択された前記代表画像データ以外の撮像静止画データを削除する撮像静止画データ削除手段を、さらに備えることを特徴とする多重化データ記録装置。
【請求項5】
請求項1に記載の多重化データ記録装置において、システムタイムクロックを読み出すSTC読出し指示手段と、前記代表画像データ変換手段において、読み出したSTCを再生時刻情報であるPTS情報として、代表画像データに挿入するPTS情報挿入手段とを、さらに備えることを特徴とする多重化データ記録装置。
【請求項6】
請求項1に記載の多重化データ記録装置において、記録媒体に記録されている静止画データ(以降、記録静止画データ)の中から代表画像データを選択する記録画像選択指示手段と、記録静止画データを符号化する符号化手段と、符号化された撮像静止画データを入力とし、代表画像データに変換する代表画像データ変換手段を、さらに備えることを特徴とする多重化データ記録装置。
【請求項7】
請求項6に記載の多重化データ記録装置において、外部記録媒体に記録する際に、内部記録媒体に記録されている音声データと代表画像データとを多重化する外部多重化手段を、さらに備えることを特徴とする多重化データ記録装置。
【請求項8】
請求項1に記載の多重化データ記録装置において、多重化データに含まれる付属情報データから番組名称、放送日時、字幕の文字情報を生成する文字情報生成手段と、文字情報と代表画像データから表示プレーンを生成する表示プレーン生成手段とを、さらに備えることを特徴とする多重化データ記録装置。
【請求項9】
請求項8に記載の多重化データ記録装置において、前記文字情報生成手段で生成された文字情報と前記代表画像データを1枚の静止画データとして、前記符号化手段に入力することで符号化し、前記代表画像データ変換手段に入力とすることを特徴とする多重化データ記録装置。
【請求項10】
多重化データの記録を行う多重化データ記録方法であって、多重化データを入力とし、音声データのみを抽出することを指示する、または音声データと代表画像データのみを記録することを指示する記録指示工程と、多重化データに含まれる音声データを抽出する多重化データ選別工程と、前記音声データと前記代表画像データを多重化して、記録媒体に記録する多重化工程とを含むことを特徴とする多重化データ記録方法。
【請求項11】
請求項10に記載の多重化データ記録方法において、静止画データを撮像する撮像指示工程と、撮像された静止画データ(以降、撮像静止画データ)を符号化する符号化工程と、符号化された撮像符号化データを入力とし、代表画像データに変換する代表画像データ変換工程を、さらに含むことを特徴とする多重化データ記録方法。
【請求項12】
請求項11に記載の多重化データ記録方法において、前記撮像指示工程により、撮像されたn枚(n>=1)の前記撮像静止画データから代表画像データを選択指示する撮像静止画データ選択指示工程と、撮像静止画データ選択指示がある場合に、記録媒体から撮像されたn枚から代表画像データを選択することが可能な代表画像データ選択工程を、さらに含むことを特徴とする多重化データ記録方法。
【請求項13】
請求項12に記載の多重化データ記録方法において、記録された多重化データの中から選択された前記代表画像データ以外の撮像静止画データを削除する撮像静止画データ削除工程を、さらに含むことを特徴とする多重化データ記録方法。
【請求項14】
請求項10に記載の多重化データ記録方法において、システムタイムクロックを読み出すSTC読出し指示工程と、前記代表画像データ変換工程において、読み出したSTCを再生時刻情報であるPTS情報として、代表画像データに挿入するPTS情報挿入工程とを、さらに含むことを特徴とする多重化データ記録方法。
【請求項15】
請求項10に記載の多重化データ記録方法において、記録媒体に記録されている静止画データの中から代表画像データを選択する記録画像選択指示工程と、記録静止画データを符号化する符号化工程と、符号化された撮像静止画データを入力とし、代表画像データに変換する代表画像データ変換工程を、さらに含むことを特徴とする多重化データ記録方法。
【請求項16】
請求項15に記載の多重化データ記録方法において、外部記録媒体に記録する際に、内部記録媒体に記録されている音声データと代表画像データとを多重化する外部多重化工程を、さらに含むことを特徴とする多重化データ記録方法。
【請求項17】
請求項10に記載の多重化データ記録方法において、多重化データに含まれる付属情報データから番組名称、放送日時、字幕の文字情報を生成する文字情報生成工程と、文字情報と静止画データから表示プレーンを生成する表示プレーン生成工程とを、さらに含むことを特徴とする多重化データ記録方法。
【請求項18】
請求項17に記載の多重化データ記録方法において、前記文字情報生成工程で生成された文字情報と前記代表画像データを1枚の静止画データとして、前記符号化工程に入力することで符号化し、前記代表画像データ変換工程に入力とすることを特徴とする多重化データ記録方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate


【公開番号】特開2007−74528(P2007−74528A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−260949(P2005−260949)
【出願日】平成17年9月8日(2005.9.8)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】