説明

多重周波数プラズマ・エッチング反応装置及び方法

【課題】プラズマの化学的性質、密度、イオン・エネルギー、及びそれらの2つ以上のパラメータを正確に制御する装置を提供することである。
【解決手段】3以上の周波数52,54,56でプラズマを励起し、それによって、その前記3以上の周波数によるプラズマの励起がプラズマ中でいくつかの異なる現象を同時に発生させることにより、加工物18が真空プラズマ処理チャンバ10内のプラズマで処理される。装置は、チャンバ10、RFて電力供給51、またはプラズマ励起周波数のうちの少なくとも1つを他の周波数を除外して通過させるフィルタ構成67、それに依って、て基準電位に接続される中央の頂部電極14および底部電極13ならびに周辺の頂部42および/または底部電極34、を含む構成である。前記装置で前記プラズマ処理を実施することで課題を解決する事が出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般には真空プラズマ処理チャンバ内でプラズマを用いて加工物を処理する方法および装置に関する。本発明の特定の一態様によれば、いくつかの(すなわち、多数ではないが3つ以上の)周波数の電気エネルギーをプラズマに印加することができる。本発明の別の態様によれば、チャンバは、RFによって電力が供給され、あるいはプラズマ励起周波数のうちの少なくとも1つを通過させ他の周波数を除外するフィルタによって基準電位に接続される中央の頂部電極および底部電極ならびに周辺の頂部および/または底部電極構成を含む。
【背景技術】
【0002】
加工物をプラズマ処理するために2つの異なる周波数のプラズマ励起場を真空チャンバの領域に印加することが知られている。その領域は、プラズマ励起場が処理プラズマに変換する気体と結合される。加工物は、通常は半導体ウェハまたは誘電体板であり、加工物上に集積回路フィーチャを形成する際にプラズマが使用される。通常、チャンバ内の1対の間隔を置いて配置された電極、またはチャンバ内の1つの電極とチャンバ外部に配置されたコイルの形態のリアクタンスとにより、その2つの異なる周波数のプラズマ励起場がその領域に供給される。励起されたプラズマは通常、加工物をドライ・エッチングするが、ある場合には、その結果として材料が加工物上に堆積する。(約10MHzを超える周波数を有する)高周波数RF出力は通常、プラズマの密度、すなわちプラズマ・フラックスを制御し、(100kHzから約10MHzの範囲の)低周波数から中間周波数を有するRF出力は通常、プラズマ中の、加工物に入射するイオンのエネルギーを制御する。
【0003】
フィーチャのサイズが縮小し続けるにつれて、加工物をプラズマ処理する様々なパラメータの厳密な制御に関する要件が増大する。厳密な制御を必要とするプラズマ・パラメータには、プラズマ化学(すなわちイオン種およびラジカル種のタイプ)、プラズマ・フラックス、および基板に入射するプラズマのイオン・エネルギーがある。フィーチャ・サイズが縮小し、集積回路の製造で新しい材料が使用されると、加工物を処理する際に使用されるウィンドウのサイズが縮小すると共に、現在入手可能なプラズマ・プロセッサ、具体的にはエッチング用のプロセッサに対して制限が課せられる。フィーチャ・サイズの縮小と、新しい材料に対する要件により、異なるエッチング応用例に対して同一の反応装置すなわち真空処理チャンバを使用することが制限される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、加工物をプラズマで処理する、新規かつ改良型の方法および装置を提供することである。
【0005】
本発明の別の目的は、加工物を処理するためにプラズマのいくつかのパラメータを正確に制御する、新規かつ改良型の方法および装置を提供することである。
【0006】
本発明の別の目的は、加工物を処理するためにプラズマの化学的性質、密度、およびイオン・エネルギーを正確に制御する、新規かつ改良型の方法および装置を提供することである。
【0007】
本発明の別の目的は、加工物を処理するためにプラズマの2つ以上のパラメータを正確に制御する、新規かつ改良型の非常に多用途のプラズマ・プロセッサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、いくつかの周波数の電気エネルギーでプラズマを励起し、それによってそのいくつかの周波数によるプラズマの励起がプラズマ中でいくつかの異なる現象を同時に発生させることにより、加工物が真空プラズマ処理チャンバ内のプラズマで処理される。
【0009】
好ましくは、この方法は、プラズマ密度、プラズマ中のイオンのエネルギー、およびプラズマの分子の微細化の程度の組合せ、すなわちプラズマ化学に影響を及ぼすように、こうした周波数の様々な組合せを選択することをさらに含む。好ましい実施形態では、第1周波数は100kHzから10MHzの範囲内であり、第2周波数は10MHzから150MHzの範囲内であり、第3周波数は27MHzから300MHzの範囲内である。低周波数、中間周波数、および高周波数がそれぞれ2MHz、27MHz、および60MHzであり、同一の有効電力を有し、特定のプラズマ・ミクスチャ(plasma mixture)に選択的に印加される1つの特定の構成では、ガス・ミクスチャに対する各周波数の相対的効果および得られるプラズマは表Iに従う。
【0010】
【表1】

【0011】
表Iでは、(v)および(−)はそれぞれ、特定の周波数がプラズマに印加されること、および印加されないことを示す。表Iから、27MHzおよび60MHzの印加により、ある分子の中程度の微細化と他の分子の高い微細化が引き起こされ、2MHzの印加により、高いイオン・エネルギーが引き起こされ、60MHzの印加の結果として高いプラズマ密度が得られ、周波数の様々な他の組合せの結果として3つのプラズマ現象の様々な組合せが得られる。
【0012】
本発明の別の態様は、加工物をプラズマで処理する装置に関する。この装置は、加工物をプラズマで処理する真空チャンバと、いくつかの周波数の電気エネルギーでプラズマを励起し、それによってそのいくつかの周波数によるプラズマの励起がプラズマ中でいくつかの異なる現象を同時に発生させる手段とを備える。
【0013】
本発明の別の態様は、電極を含み、リアクタンスと関連付けられる真空チャンバを備える真空プラズマ・プロセッサに関する。電極およびリアクタンスは、加工物を支持するように構成されたプラズマ励起場をチャンバ内の気体に結合するように構成される。プラズマ励起源構成は、電極およびリアクタンスがいくつかの周波数の電気エネルギーをプラズマに結合することを可能にし、それによってその周波数がいくつかの異なる現象をプラズマ中で同時に発生させることができる。
【0014】
本発明の別の態様は、加工物を処理するプラズマに変換される気体に反応するように適合されたチャンバの領域にプラズマ励起電場を供給する第1および第2電極を含む真空チャンバを備える、加工物のための真空プラズマ・プロセッサに関する。チャンバは加工物を支持するように構成される。プラズマ励起源構成は、いくつかの周波数の電気エネルギーを誘導し、いくつかの周波数を第1および第2電極に結合することを選択的に可能にする回路を含む。
【0015】
本発明のさらに別の態様は、加工物を処理するプラズマに変換されるように適合された気体に反応するように適合されたチャンバの領域にプラズマ励起場を供給する電極構成を含む真空チャンバを備える、加工物を処理する真空プラズマ・プロセッサに関し、電極構成は、領域の両側のそれぞれ第1の側および第2の側の第1および第2電極と、領域の第1の側の第3電極とを含む。第3電極は、第1電極の周辺にあり、第1電極から電気的に絶縁される。複数の周波数で電気エネルギーを誘導するプラズマ励起源構成は、複数の周波数のエネルギーを第1、第2、および第3電極に選択的に結合して、すべての周波数の電流が第3電極を通り抜けて流れることなく、その複数の周波数のうちの少なくとも1つの電流を第3電極に流入させるように構成される。
【0016】
本発明のさらに別の態様は、加工物を処理するプラズマに変換される気体に反応してチャンバの領域にプラズマ励起場を供給する電極構成を含む真空チャンバを含む真空プラズマ・プロセッサで加工物を処理する方法に関し、電極構成は、領域の両側のそれぞれ第1の側および第2の側の第1および第2電極と、領域の第1の側の第3電極とを含む。第3電極は、第1電極の周辺にあり、第1電極から電気的に絶縁される。この方法は、複数の周波数のエネルギーを第1、第2、および第3電極に結合し、それによってすべての周波数の電流が第3電極を通り抜けて流れることなく、その複数の周波数のうちの少なくとも1つの電流が第3電極に流入するように構成する。
【0017】
好ましくは、電極構成は、領域の第2の側に第4電極を含む。第4電極は、第2電極の周辺にあり、第2電極から電気的に絶縁される。エネルギーが第4電極に選択的に結合され、したがってすべての周波数の電流が第4電極に流れることなく、その複数の周波数のうちの少なくとも1つの電流が第4電極に流れる。
【0018】
ある実施形態では、周波数のうちの少なくとも1つを有する電源構成を第3電極および/または第4電極に接続することにより、エネルギーが、第3電極および/または第4電極に選択的に結合される。別の実施形態では、周波数のうちの少なくとも1つを通過させ、周波数のうちの少なくとも1つをブロックするフィルタ構成を、第3電極および/または第4電極と基準電位の間に接続することにより、エネルギーが、第3電極および/または第4電極に選択的に結合される。
【0019】
好ましい実施形態では、このいくつかの周波数が同時にプラズマに印加される。しかし、このいくつかの周波数のうちの少なくとも1つがパルスオンおよびパルスオフされる場合、いくつかの異なる現象がプラズマ中で同時に発生できることを理解されたい。
【0020】
一実施形態では、プラズマ励起源構成が、複数の周波数を第1電極に印加し、周波数のうちの少なくとも1つを第2電極に印加するように構成される。
【0021】
第2の実施形態では、プラズマ励起源構成が、周波数のうちのいくつかを第1電極に印加するように構成される。この実施形態では、好ましくは、第2電極が基準電位、例えばRFおよびDCグランドに接続される。
【0022】
好ましくは、プラズマ励起源構成は、(a)周波数源とプラズマ源の間のインピーダンス整合を提供し、(b)複数の異なる周波数源に関連する周波数を他の各周波数源から減結合する回路を含む。
【0023】
プラズマ励起源構成は、少なくとも1つの可変周波数RF源、少なくとも1つの固定周波数RF源、および少なくとも1つの可変出力RF源を含むことができる。
【0024】
好ましくは、この回路およびチャンバ構成は、実質的な電流が複数の周波数のうちの少なくとも1つで第2電極に流れるのを防止するように構成される。この目的で、この回路およびチャンバでは、複数の周波数のうちの少なくとも1つで電流を第1電極から表面に流れさせるようにチャンバ内の表面が基準電位であり、回路は、(a)複数の周波数のうちの少なくとも1つで電流が第2電極と基準電位との間で実質上流れることを防止し、かつ/または(b)複数の周波数のうちの少なくとも1つで電流が電極と基準電位との間で実質上流れることを可能にする、第2電極に接続されたフィルタ構成を含む。
【0025】
所望の汎用性を提供するのを助けるために、この回路は、第1のタイプのプラズマ処理が行われている間の第1時間枠中に第2電極を基準電位に選択的に接続し、第2のタイプのプラズマ処理が行われている間の第2時間枠中に第1および第2電極に同一の周波数を選択的に供給する制御構成を含む。さらに、この制御構成は、第1電極を選択的に接続して第1時間枠中にいくつかの周波数のそれぞれに応答し、より高い汎用性を得るように構成される。
【0026】
小さい体積内にプラズマを維持し、それによって高速かつ能動的な圧力制御を提供するために、好ましくは、プラズマが、チャンバの側壁から除去され、両側の第1および第2電極によって境界を画された領域に閉じ込められる。結果としてプラズマ体積が小さくなることにより、チャンバ内の消耗材料のコストが低くなり、チャンバすなわち反応装置の洗浄が容易になる。領域内のプラズマを制御するのを助けるために、好ましくは、領域内のプラズマの圧力がフィードバック構成によって設定値に維持される。
【0027】
チャンバ内の1対の対向するプラズマ励起電極間の間隔を変更して、異なるプラズマ励起周波数でのプロセス最適化を提供することができる。
【0028】
好ましくは、プロセス最適化のためのより広いウィンドウを提供し、適切なプラズマ化学、イオン・フラックス、およびイオン・エネルギー分布を生成するために、いくつかの周波数のうちの少なくとも1つの出力が変更される。
【0029】
好ましくは、1対の対向する電極によってプラズマが励起され、いくつかの周波数のうちの少なくとも1つでの出力が電極のうちの少なくとも1つに結合される。いくつかの周波数のうちの1つで電極のうちの少なくとも1つに結合された出力がRFグランドに結合され、各電極上のイオン・エネルギーとプラズマ密度の独立した制御を提供する。
【0030】
加工物の処理中に、対向する電極の温度を制御することは、特にプラズマでエッチングされるフォトレジストまたは他のフィルム中のポリマーの堆積を調整することにより、結果を最適化することが可能となる。
【0031】
本発明の上記およびさらに別の目的、特徴、および利点は、以下の本発明のいくつかの特定の実施形態の詳細な説明を考慮する際に、特に添付の図面と共に行う際に明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の好ましい実施形態による真空プラズマ・プロセッサの部分概略図である。
【図2】図1に示す真空プロセッサ・チャンバの電気部品の略図表現に関連する、図1のコントローラに含まれる電子回路のブロック図である。
【図3】本発明の別の実施形態による真空プラズマ・プロセッサの部分概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
ここで図面の図1を参照すると、縦軸(すなわち中心線)11を有するプラズマ・プロセッサ真空チャンバ10が、導電性金属壁12、底部電極アセンブリ13、および頂部電極アセンブリ14を含むように示されている。壁12は、軸11と同軸の円形内周を有する。壁12は接地され、すなわちDCおよびRF基準電位で接地される。真空ポンプ9は、処理の間、チャンバ10の内部を0.001から500トル程度の真空に維持する。チャンバ10の内部は、底部電極アセンブリ13の頂面に近い底部境界と、頂部電極アセンブリ14の底面に近い頂部境界との間の閉じ込めプラズマ領域8を含み、閉じ込めプラズマ領域8の側部境界が壁12から離間される。
【0034】
しばしば底部電極とも呼ぶ底部電極アセンブリ13は、軸11と同軸であり、電気絶縁リング17に固定され、電気絶縁リング17もまた、チャンバ10の金属の接地された基部19に固定される。電極アセンブリ13は、軸11と同軸である円形の中央金属電極16を含み、通常は金属電極16の直径にほぼ等しい直径を有する半導体ウェハである円形の加工物18を受けるための上面を有する。加工物18が適切に定位置にあるとき、その中心は軸11と一致する。電極16は、静電力を使用して加工物18を電極16に留めるDCチャッキング電圧源(図示せず)に接続することができる。電極16および加工物18の温度は、(1)設定値源25によってコントローラに供給される温度設定値、ならびに(2)電極16に埋め込まれた温度モニタ26によって得られる信号で示される電極中の温度の尺度に応答してコントローラ24が得る電気信号に応答して、コンジット21および弁22によってヘリウム源20を電極16中の領域(図示せず)に接続することにより、当業者に周知の方式で制御される。
【0035】
底部電極アセンブリ13はまた、水晶製の電気絶縁体リング28も含む。リング28は、絶縁体リング17の頂面に固定され、軸11と同軸であり、加工物18の直径にほぼ等しい内径を有し、それによって加工物18の外周が、加工物が適切に定位置にあるときにリング28の内周とほぼ当接する。リング28の外側のリング17の頂面の部分と、リング17の側壁は、それぞれ絶縁体リング33および金属リング32によって覆われる。絶縁リング33の上に金属電極リング34が重ねられ、金属電極リング34を誘電体または導電性材料の層(図示せず)で覆い、または被覆することができる。導電性リング34と、それを覆い、または被覆する層とは、領域8中のプラズマの化学的性質を汚染しない材料で作成される。そのような材料は、適切な比較的高い伝導率の半導体、例えば真性シリコンである。あるいは、リング34は、適切な非汚染材料によって覆われた金属である。リング34は、一の環境下では、誘電体の絶縁リング33によって、接地された金属リング32から電気的に絶縁され、他の環境下では、接地されたリング32に電気的に接続される。リング33および34は、軸11と同軸であり、底部電極アセンブリ13の外縁とリング28の間で水平方向に延びる。
【0036】
頂部電極アセンブリ14は、軸11と同軸であり、領域8中のプラズマの化学的性質を汚染しない導電性真性シリコンで作成された底面36aを有する中央電極36を含む。電極36は、加工物18を処理するプラズマに気体が変換される領域8にシャワーヘッド開口を通じて流れる処理気体の適切な源37に流体の流れの関係で共に接続される内部通路(図示せず)および多数のシャワーヘッド開口(図示せず)を含む。電極36は、設定値源25によってコントローラに供給される設定値信号に応答してコントローラ24がリード35を介して構成45に供給する電気信号、ならびにアセンブリ14に埋め込まれた温度計39によって導出される電極36の温度を示す信号に応答する加熱および/または冷却構成45を含む。
【0037】
アセンブリ14はまた、絶縁体リング38および金属リング40も含み、リング38は、軸11と同軸であり、好ましくは、水晶で作成され、リング28とほぼ位置合せされる。リング38は、中央電極36の外周と当接する内周を有する。軸11と同軸の金属リング40は、リング40がRFおよびDCグランド電位となるように絶縁体リング38の外周と側壁12の内周にそれぞれ当接する内周および外周を有する。金属リング40の下部の内面は、導電性電極リング42を支持する電気絶縁リング41によって覆われる。電極リング42は、領域8のプラズマの化学的性質を汚染しない導電性材料または絶縁材料の層(図示せず)で被覆され、または覆われる。リング42は、一の環境下では、リング41およびリング41の下方依存フランジ(downwardly depending flange)(図示せず)によってリング40および壁12から電気的に絶縁され、他の環境下では、リング40および壁12に電気的に接続される。
【0038】
上記から、閉じ込めプラズマ領域8は、(1)電極36の底面36a、(2)絶縁体リング38の底面、および(3)電極リング42の底面によって決定される頂部境界と、(1)加工物18の頂面(加工物が定位置にあるとき)、(2)絶縁体リング28の頂面、および(3)電極リング34の頂面によって決定される底部境界とを有する。モータ43は、頂部電極アセンブリ14の底面を底部電極アセンブリ13の頂面に対して上方および下方に移動することにより、領域8の頂部境界と底部境界の間の間隔を制御する。モータ43は、コントローラ24からの信号に応答して、電極アセンブリ13と14の面の間の間隔を、設定値源50から得られた、加工物18のプラズマ処理を励起する特定の周波数に対して実験的に求めた最適値に設定する。
【0039】
閉じ込めプラズマ領域8の側面は、領域8内のプラズマの化学的性質を汚染しない材料で作成され、間隔を置いて配置され、垂直方向に積み重ねたルーバ44によって境界を画される。ルーバ44は、ルーバに電源が供給され、またはルーバが電気的に浮遊し、または電気的に接地されるように、電気絶縁性(好ましくは水晶などの誘電体)または幾分導電性(例えば炭化ケイ素)の材料で作成される。ルーバ44は、ルーバ44間のスロットを通り抜けるプラズマ流量が実質的に存在しないようにされる。しかし、領域8内の非イオン化ガスが、ルーバ44間のスロットを通じて壁12とリング32の間のチャンバ10内の領域46に逃げ、ポンプ9により、チャンバ10の内部から基部19内の適切な開口を通じて汲み上げられる。
【0040】
ルーバ44は、適切な間隔構成(図示せず)により、互いに垂直方向に固定的に間隔を置いて配置され、モータ47によって互いに対して、および底部アセンブリ13に対して上方および下方に駆動され、閉じ込めプラズマ領域8内の圧力を制御する。領域8内の圧力は、設定値源25がコントローラ24に供給する圧力設定値と、領域8内の圧力計48の出力信号とによって制御される。コントローラ24は、圧力設定値および圧力計48の出力信号に応答してモータ47を制御し、それによって最低のルーバ44の底面と電極アセンブリ13の頂面との間隔を変更する。したがって、領域8内の圧力が圧力設定値に維持される。ルーバ44は、モータ43の活動化に応答して移動しないように構成され、それによって、閉じ込めプラズマ領域8内の圧力が電極アセンブリ13と14の間の間隔とは独立して制御される。
【0041】
コントローラ24は、設定値源50に応答して、周波数源構成51からのいくつかの異なるRF周波数の様々な組合せの、電極16,34,36および42に対する結合を制御する。電極16,34,36および42に印加される異なるRF周波数は、異なる出力を有することができ、閉じ込め領域8内のプラズマの異なる現象を制御することができる。図1の実施形態では、コントローラ24は、周波数源構成51からの最大3つの周波数を電極16,34,36および42に印加することができる。周波数源構成51は、3つの別々の周波数源52,54および56を含むように示されている。周波数源52,54および56は固定周波数源でよいが、好ましくは低出力可変周波数発振器である。あるいは、周波数源構成51は、選択した3つの周波数を誘導することができる単一低出力シンセサイザを含む。低出力源は、特定の増幅器に関連する周波数源の周波数が変化するときに変化する可変周波数通過帯域を有する、関連する可変電力利得RF電力増幅器を駆動する。この目的で、周波数源52,54および56のそれぞれは、関連する周波数および出力設定58および59を有する。通常、周波数源52の周波数は、100kHzから10MHzの間の比較的低い範囲であり、周波数源54の周波数は、10MHzから150MHzの間のミッドレンジであり、周波数源56の周波数は、27MHzから300MHzの間の比較的高い範囲である。実際に試験したある構成では、周波源52,54および56の周波数は、それぞれ2MHz、27MHz、および60MHzに設定された。領域8に印加されるRFエネルギーの周波数および出力の様々な組合せは、プラズマの密度の分布、閉じ込め領域8内のプラズマのイオン・エネルギーおよびDCバイアス電圧、ならびに領域8内のプラズマの化学的性質に影響を及ぼす。
【0042】
すべての他の重要なプラズマ励起パラメータが一定のままである場合、プラズマ励起周波数が増加するときにプラズマの解離が大きくなるので、周波数源54および56の周波数はプラズマの化学的性質を制御する。具体的には、周波数が増加するとき、プラズマ中の軽いエッチング液分子の割合が高くなる。高い周波数がプラズマに印加される結果、分子の微細化が大きくなる。
【0043】
周波数源52,54および56からの周波数および出力の様々な組合せで駆動電極16,34,36および42を駆動することにより、様々な目的に対してプラズマを調整することが可能となり、例えば一様または非一様なプラズマ密度、イオン・エネルギー、および分子微細化が得られる。
【0044】
コントローラ24は、設定値源50からの出力信号と、周波数源構成51のRF出力とに応答し、様々な組合せおよび順列での、周波数源構成51からのいくつかの周波数の、電極16,34,36および42への印加を制御する。特定の実施形態では、設定値源50はコントローラ24を活動化し、したがって(1)周波数源52,54および56からの周波数のうちの少なくとも1つ、最大で3つの周波数のすべてが電極16を駆動すると共に、電極34,36および42が接地され、(2)周波数源52,54および56からの周波数のうちの少なくとも2つが電極16および36を駆動すると共に、電極34および42が接地され、(3)周波数源54または56の一方だけが電極16または36を駆動し、あるいは周波数源52だけが電極16を駆動すると共に、電極34および42が接地され、(4)電極34が周波数源52および/または周波数源54によって駆動され、あるいは周波数源52および/または周波数源54の周波数(すなわち周波数F2およびF3)に対する通過帯域を有するフィルタを介してグランドに接続されると共に、残りの電極16,36および42が周波数源52,54、および56への様々な接続を有し、(5)電極42が周波数源52および/または周波数源54によって駆動され、あるいは周波数源52および/または周波数源54の周波数(すなわちF2およびF3)に対する通過帯域を有するフィルタを介してグランドに接続されると共に、残りの電極16,34および36が周波数源52,54および56への様々な接続を有する。
【0045】
次に図面の図2を参照すると、周波数源52,54および56の出力を電極16,34,36および42に選択的に結合するコントローラ24の回路のブロック図である。
【0046】
周波数F1を有する低周波数源52は、底部電極アセンブリ13の中心電極16のみを駆動する。この目的で、周波数源52の出力が、電圧電流および位相角センサ60ならびにスイッチ62および64を介して整合/可同調グランド・ネットワーク58に結合される。ネットワーク58は、周波数源52の出力インピーダンスと、周波数源52の周波数に関する領域8内のプラズマの予想インピーダンスとの間の近似的整合を提供するようにプリセットされる値を有する可変リアクタンスを含む。センサ60は、周波数源52と整合/可同調グランド・ネットワーク58との間を流れる電流、周波数源52の出力とグランド58の間の電圧、ならびに感知した電圧と電流の間の位相角を示す出力信号を得る。センサ60はこうした電流信号、電圧信号、および位相角信号をコントローラ66に供給し、コントローラ66は、それらに応答して、当業者に周知の方式で、周波数源52の周波数を制御し、周波数源52の出力インピーダンスと周波数源52の周波数でのプラズマのインピーダンスとの間のほぼ厳密なインピーダンス整合を維持する。さらに、周波数源52の周波数が固定される場合、センサ60は、こうした電流信号、電圧信号、および位相角信号をコントローラ66に供給し、コントローラ66は、それらに応答して、当業者に周知の方式で、整合ネットワーク58の可変リアクタンスを制御し、周波数源52の出力インピーダンスと周波数源52の周波数でのプラズマのインピーダンスとの間のほぼ厳密なインピーダンス整合を維持する。ネットワーク58の可変リアクタンスは、整合されたとき、周波数源52の周波数にほぼ同調され、両方向での周波数源52の周波数に関する低インピーダンス経路と、周波数源54および56の周波数に関する高インピーダンス経路とを提供し、その結果、ネットワーク58によって周波数源54および56の周波数がほぼ減衰され、すなわち拒絶される。オペレータによる周波数源52の設定値の変更に応答して周波数源52の周波数が変化するとき、コントローラ66は、それに対応してネットワーク58のリアクタンスを変更して、周波数源52の周波数に関する低インピーダンス経路、ならびに周波数源出力インピーダンスと周波数源52の周波数に関するプラズマのインピーダンスとの間の近似的整合を維持する。
【0047】
周波数源52が電極16を駆動するとき、周波数源52の周波数の電場が電極16と36の間に存在することが通常は望ましい。この目的で、スイッチ65と、オペレータによって設定される周波数源52の公称周波数に等しい中心周波数を有する帯域フィルタ67とを通じて、電極36が選択的にグランドに接続される。したがって、周波数源52の周波数の電流が、電極36からフィルタ67を通じてグランドに流れ、フィルタ67は、周波数源54および56の周波数に対して高いインピーダンスを有し、したがって周波数源54および56の周波数の電流をほぼブロックする。この環境下では、電極34および42をDCおよびRFグランドに接続することがしばしば望ましく、これは、電極34および42とグランドとの間にそれぞれ接続されたスイッチ69および71をコントローラ24が閉じることによって達成される。他の目的では、コントローラ24は、電極16とグランドの間に接続されたスイッチ72を閉じることによって電極16をRFおよびDCについて接地する。
【0048】
周波数源52が電極16を駆動している間の通常の動作では、スイッチ62および64は図示するように接続される。しかし、他の環境下では、周波数源52が電極16から減結合される間、スイッチ62および64がコントローラ24によって活動化され、その結果スイッチ62および64は、周波数源52の出力インピーダンスと等しい値を共に有する抵抗器68および70の第1端子とそれぞれ係合する。抵抗器68および70の第2端子はグランドに接続され、その結果、周波数源52が電極16から減結合されたとき、周波数源52の出力は、周波数源52の出力インピーダンスに整合された負荷を駆動する。こうした条件下では、ネットワーク58の入力端子が抵抗器70の両端間に接続され、したがって電極16からネットワーク58の出力端子に戻るインピーダンスは、周波数源52が電極16に結合されるときと同じである。さらに、ネットワーク58が周波数源58の周波数に近似的に同調されるので、ネットワーク58は、周波数源52の周波数では、電極16からネットワーク58の同調回路を通じて抵抗器70を通るグランドまで低インピーダンスを与え、周波数源54および56の周波数では、電極16からネットワーク58の同調回路を通じて抵抗器70を通るグランドまで高インピーダンスを与える。
【0049】
周波数F2を有する中間周波数周波数源54は、(1)電極16のみ、(2)電極36のみ、(3)電極16と36の両方を同時に、(4)電極34のみ、(5)電極42のみ、(6)電極34と36の両方を同時に、(7)電極34と42の両方を同時に、(8)電極36と42の両方を同時に駆動することができる。
【0050】
こうした目的で、周波数源54の出力が、整合/可同調グランド・ネットワーク76および78を別々の時に駆動するように選択的に接続される第1および第2出力端子を有する3位置同軸RFスイッチ74に結合される。ネットワーク76および78は互いに等しく、ネットワーク76および78が周波数源54の周波数に対して整合および可同調グランドを提供することを除いてネットワーク66と同様である。したがって、ネットワーク76および78は、周波数源54の周波数で電流および電圧を通過させるが、周波数源52および56の周波数で電流および電圧をブロックする。スイッチ74は、周波数源54の周波数で逆位相出力が誘導される第1および第2出力ポートを有するパワー・スプリッタ80の入力ポートに接続された第3端子を含む。スプリッタ80の出力ポートでの出力は、スプリッタの設計および設定に応じて、同一でよく、または異なっていてよい。スプリッタ80の設定は、オペレータが手動で設定することができ、またはコントローラのメモリが格納する処方プログラムに応答してコントローラ24が自動的に設定することができる。スプリッタ80の第1および第2出力ポートでの出力が、それぞれネットワーク76および78に同時に供給される。出力が、スイッチ74の第1出力端子またはスプリッタ80の第1出力端子からネットワーク76の入力端子に、電圧、電流および位相角センサ82、ならびに抵抗器88および90を通じてグランドにそれぞれ選択的に接続されるスイッチ84および86を介して供給される。出力が、スイッチ74の第2出力端子またはスプリッタ80の第2出力端子から、ネットワーク78の入力端子に、電圧、電流および位相角センサ92、ならびに抵抗器98および100を通じてそれぞれグランドに接続されるスイッチ94および96を介して供給される。コントローラ102および104は、それぞれネットワーク76および78ならびにセンサ82および92と関連付けられる。コントローラ102および104は、センサ82および92の出力およびオペレータ入力に応答して、コントローラ66に関して上述したのと同様に、ネットワーク76および78のリアクタンスの値および周波数源54の周波数を制御する。
【0051】
3位置同軸RFスイッチ106は、コントローラ24からの制御信号に応答して、ネットワーク76の出力を電極16または電極34に選択的に接続し、もしくはネットワーク76の出力を開放する。3位置同軸RFスイッチ108は、コントローラ24からの制御信号に応答してネットワーク78の出力を電極36または電極42に選択的に接続し、またはネットワーク78の出力を開放することによってスイッチ106と共に動作する。コントローラ24がスイッチ74を活動化して周波数源54の出力をネットワーク76に結合する間、コントローラは、スイッチ106を活動化してネットワーク76の出力を電極16または電極34に接続する。コントローラ24が、スイッチ74をスイッチ74の第1出力端子と係合させることによってネットワーク76の出力を電極16に結合させる場合、コントローラは、(1)スイッチ72を開いて電極16が接地されるのを防止し、(2)スイッチ69を開き、または閉じて、それぞれグランドから電極34を減結合し、または電極34を接地する。コントローラ24が、スイッチ74をスイッチ74の第1出力端子と係合させることによってネットワーク76の出力を電極34に結合させる場合、コントローラは、(1)スイッチ69を開いて電極34が接地されるのを防止し、(2)スイッチ72を開き、または閉じて、それぞれグランドから電極16を減結合し、または電極16を接地する。コントローラ24が、スイッチ74をスイッチ74の第2出力端子と係合させることによってネットワーク78の出力を電極36に結合させる場合、コントローラは、(1)RFおよびDCが電極36を接地するスイッチ110が閉じているときに開き、(2)スイッチ71を開き、または閉じて、それぞれ電極42をグランドから減結合し、または電極42を接地する。コントローラ24が、スイッチ74をスイッチ74の第2出力端子に係合させることによってネットワーク78の出力を電極42に結合させる場合、コントローラは、(1)スイッチ71を開いて電極42からグランドを減結合し、(2)スイッチ110を開き、または閉じて、それぞれグランドから電極36を減結合し、または電極36を接地する。スプリッタ80が出力をネットワーク76および78に同時に供給するようにコントローラ24がスイッチ74を活動化する場合、コントローラ24は、スイッチ69,71,72および110を活動化して、ネットワーク76および/または78の出力端子に接続される電極16,34,36または42のいずれかが接地されるのを防止する。
【0052】
周波数F3を有する高周波数源56は、(1)電極16のみ、(2)電極36のみ、(3)電極16と36の両方を同時に、(4)電極34のみ、(5)電極42のみ、(6)電極34と36の両方を同時に、(7)電極34と42の両方を同時に、(8)電極36と42の両方を同時に駆動することができる。
【0053】
こうした目的で、周波数源54の出力は、周波数源56に関連する整合/可同調グランド・ネットワーク112および114が周波数源56の公称周波数に同調されるようにプリセットされ、したがってネットワーク112および114が周波数源56からの電流および電圧を通過させるが周波数源52および54の電流および電圧をブロックすることを除いて、周波数源54が駆動する回路と同一の回路を駆動する。したがって、周波数源56の出力は、ネットワーク112および114と、ネットワーク112および114の入力端子を駆動するように接続される第1および第2出力端子を有するスプリッタ118とを駆動するようにそれぞれ接続された第1、第2、および第3出力端子を有する3位置同軸RFスイッチ116に結合される。スイッチ116およびスプリッタ118の第1出力端子は、電圧、電流および位相角センサ120ならびにスイッチ122および124を介して整合ネットワーク112の入力端子に選択的に接続されると共に、スイッチ116およびスプリッタ118の第2出力端子は、電圧、電流および位相角センサ126ならびにスイッチ128および130を介して整合ネットワーク114の入力端子に選択的に接続される。スイッチ122,124,128,および130はそれぞれ、周波数源56の出力インピーダンスに等しい値をそれぞれ有する抵抗器131〜134によってグランドに選択的に接続される。コントローラ136および138は、それぞれネットワーク112および114ならびにセンサ120および126に関連付けられ、ネットワーク112および114ならびに周波数源56の周波数を制御する。
【0054】
コントローラ24は、(1)ネットワーク112の出力を電極16または電極34に選択的に接続し、あるいは電極16と電極34のどちらにも接続しない3位置同軸スイッチ140を活動化し、(2)整合ネットワーク114の出力を電極36または電極42に選択的に接続し、あるいは電極36と電極42のどちらにも接続しない3位置同軸スイッチ142を活動化する。周波数源54に関連する回路に関して上述したのと同様に、コントローラ24は、スイッチ116および142の活動化と共に、スイッチ69,72および110を活動化して、ネットワーク112および114の出力端子に接続される電極16,34,36または42が接地されるのを防止する。
【0055】
コントローラ24は、図2の様々なスイッチを活動化して、電極16,34,36および42に印加することのできるいくつかの周波数の様々な組合せおよび順列に対する高い汎用性を提供する。例えば、スイッチ69,71および110が閉じられ、電極34,36および42が接地される間、周波数源52,54および56の低周波数、中間周波数、および高周波数を同時に電極16に印加することができる。こうした環境下では、電極16から電極34,36および42のグランド電位への電場結合の結果として、周波数源52,54および56の各周波数のエネルギーの異なる部分がプラズマ閉込め領域8内のグランドに分流する。電極16から電極34,36および42のグランド電位に結合される各周波数F1、F2、およびF3のエネルギー量は、(1)3つの各周波数に関連する波長、(2)電極16と36の間の距離、(3)電極16と34の間の距離、および(4)電極36と42の間の距離の関数である。チャンバ10内の電極の様々な組合せの間の距離は、特に電極の幾何形状とモータ47によって制御される。
【0056】
第2の例示的状況は、頂部電極36に高周波数を印加し、電極34および42を接地してスイッチ65を閉じる間、底部電極16に低周波数および中間周波数を印加し、したがって、低周波数のみに関して電極36から帯域フィルタ67を通じてグランドまで低インピーダンス経路が提供されるものである。さらに、スイッチ96および142が活動化され、電極36がネットワーク78の出力端子およびネットワーク78の入力端子に接続されて、抵抗器100を通じて接地され、その結果、周波数源54の中間周波数に関して、電極36からネットワーク78を通じて接地する低インピーダンス経路が得られる。周波数源56が高周波数であり、電極36および42の間の間隔が比較的狭いため、高周波数での電場は、領域8の主に上部に留まる傾向があり、気体源37から領域8に流れる気体を解離させる目的で比較的高い電場密度を提供する。高周波数では電極16からグランドへの低インピーダンス経路が存在しないので、高周波数の電場は、電極16に結合される傾向はない。ネットワーク58および76は実質上、高周波数の電流を拒絶する低周波数および中間周波数用の帯域フィルタである。ネットワーク58および76は、高周波数に対して高インピーダンスを有するので、ネットワーク58および76は高周波数を電極16から減結合する。
【0057】
高周波数F3に関連する電場とは対照的に、周波数源52の低周波数F1に関連する電場は、電極16から(1)電極34、(2)電極36、および(3)電極42に延びる。電極36で得られる周波数F1の電流は、フィルタ67の低インピーダンス経路を通じてグランドに流れる。したがって、周波数F1に関連する電場は、領域8全体にわたってイオン・エネルギーに影響を及ぼす。
【0058】
周波数源54の中間周波数F2に関連する電場は、主に電極16から電極34ならびに電極36に延び、より小さい範囲で電極42に延びる。電極36で得られる周波数F2の電流は、ネットワーク78の低インピーダンス経路を通じて、スイッチ108および96および抵抗器100を介してグランドに流れる。
【0059】
第3の例示的状況は、電極34および42を接地し、スイッチ65を閉じる間、低周波数および中間周波数を底部電極16に印加し、中間周波数を頂部電極36に印加し、したがって低周波数だけに関して電極36から帯域フィルタ67を通じてグランドまで低インピーダンス経路が提供されるものである。それによって、第2の例示的状況に関して上述したのと同様に、周波数源52の低周波数が領域8内のプラズマに結合される。周波数源56の高周波数は、この第3の例示的状況に関する因子ではない。コントローラ24は、スイッチ140および142にその開回路端子を係合させるからである。周波数源54の中間周波数は、その第3出力端子を係合するスイッチ74の効力によって電極16および36に結合され、その結果スプリッタ80は、周波数源54からの出力に応答する。コントローラ24はスイッチ106および108を活動化し、その結果、ネットワーク76および78の出力がそれぞれ電極16および36を駆動する。したがって、中間周波数の電場が(1)電極16と36、(2)電極16と34、ならびに(3)電極36と42の間で結合される。その結果、中間周波数の電場が、領域8全体にわたってイオン・エネルギー、プラズマ密度、および分子解離に影響を及ぼす。
【0060】
第4の例示的状況は、電極34および42が接地される間、低周波数を電極16に印加し、中間周波数および高周波数を電極36に印加するものである。この状況では、コントローラ24は、(1)スイッチ74および116をその第2位置に活動化し、(2)スイッチ108および142を活動化し、したがってネットワーク78および114の出力端子が電極36に接続され、(3)スイッチ94および96を活動化し、したがってネットワーク78の入力端子がセンサ92に接続され、(4)スイッチ128および130を活動化し、したがってネットワーク114の入力端子がセンサ126に接続され、(5)スイッチ106および140を活動化し、したがってネットワーク76および112の出力端子がそれぞれ、電極16および開回路に接続され、(6)スイッチ86および124を活動化し、したがってネットワーク76および112の入力端子がそれぞれ抵抗器90および132を通じてグランドに接続される。したがって、周波数源52の低周波数は、電極36から帯域フィルタ67を通じてグランドまでの低インピーダンス経路を有するが、周波数源54および56の周波数は電極36からグランドまでのそのような低インピーダンス経路を有さない。その結果、第2の例示的状況に関して上述したのと同様に、周波数源52の低周波数が領域8内のプラズマに結合される。低インピーダンス経路は、ネットワーク78の出力端子からスイッチ108を通じて電極36に存在し、そこから、領域8内のプラズマを通じて(1)電極16へ、ネットワーク76、スイッチ86、および抵抗器98を通じてグランドへと流れ、(2)電極42からグランドに流れる。したがって、中間周波数のかなりの電場が、領域8内の電極36と42の間ならびに電極16と36の間にある。その結果、領域8の上部、ならびに電極16と36の間の領域8の中心部分にわたってイオン分布の主な制御が存在する。この状況では周波数源56の高周波数に関して低インピーダンス経路のみが電極36と42の間にある。周波数源56の高周波数に関する電極16と36の間の低インピーダンス経路は存在しない。電極16が、開回路であるスイッチ140の効力によってネットワーク112の出力端子から減結合されるからである。周波数源56の高周波数に関する電極36と34の間の間隔は、電極34と36の間のプラズマを通る高周波数に関するインピーダンスが電極36と42の間のインピーダンスよりもかなり大きくなるようにされる。したがって、周波数源56の高周波数は、第2の例示的状況に関して上述したのと同様に、領域8内のプラズマに影響を及ぼす。
【0061】
第5の例示的状況では、電極34,36および42のそれぞれが接地されると共に、周波数源52および54の低周波数および中間周波数が底部電極16に印加される。この目的で、スイッチ69、71、および110のそれぞれを閉じると共に、コントローラ24は、スイッチ106を活動化してネットワーク76の出力を電極16に接続する。それによって領域8内のプラズマは、第1の例示的状況に関する低周波数および中間周波数に関して説明したのと同様に、周波数源52および54の低周波数および中間周波数によって影響を受ける。領域8内のプラズマは、第3の例示的状況で説明したのと同じ理由で、周波数源56の高周波数によって影響を受けない。
【0062】
他の例示的状況では、コントローラ24は、図2の様々なスイッチを制御することができ、したがって周波数源52の低周波数のみが電極16に接続され、周波数源54と周波数源56はどちらもいずれの電極にも接続されない。そのような状況では、コントローラ24はスイッチ110を閉じ、チャンバ10は、幾分原始的に加工物を処理する。あるいは、コントローラ24は、周波数源54と56の一方または両方の出力を電極16,34,36または42のいずれかに接続することができる。例えば、電極36と34の間の周波数源54の中間周波数を結合すると共に、電極16と36の間で周波数源56の高周波数を結合することが望ましいことがある。そのような状況では、コントローラ24は、(1)スイッチ69,71,72および110を開き、(2)スイッチ74,94および96ならびにスイッチ116,128および130を活動化し、したがって周波数源54および56の出力がそれぞれネットワーク78および114の入力端子に印加され、(3)スイッチ108および142を活動化し、したがってネットワーク78および114の出力が電極36に接続され、(4)スイッチ106および86を活動化し、したがって周波数源54の中間周波数に関して電極34からネットワーク76および抵抗器94を通じてグランドまでの低インピーダンス経路が存在し、(5)スイッチ140および124を活動化し、したがって周波数源56の高周波数に関して電極16からネットワーク112および抵抗器132を通じてグランドまで低インピーダンス経路が存在する。したがって、(1)電極16と36の間で周波数源56の高周波数、および(2)電極34と36の間で周波数源54の中間周波数だけに関して、電場が領域8内に確立される。周波数源54の中間周波数に関して電極16からグランドまでの低インピーダンス経路が存在しないので、中間周波数に関して領域8内で電極16と36の間で実質的な電場が確立されない。周波数源56の高周波数に関して電極34からグランドまでの低インピーダンス経路が存在しないので、領域8内で電極34と36の間で高周波数に関する実質的な電場が確立されない。説明し、図示したのと同様の適切な帯域フィルタ回路を利用して、周波数源56の高周波数だけに関して電極36と42の間の低インピーダンス経路を提供できることも理解されたい。
【0063】
次に図面の図3を参照すると、チャンバ10の第2実施形態の概略図である。図3の実施形態は、図1の実施形態と同様であるが、図3の実施形態は、チャンバの壁12および基部19まで延びるずっと大きな体積のプラズマ閉じ込め領域を有する。したがって、図3の実施形態はルーバ44を含まず、加工物18を処理するプラズマの圧力が真空ポンプ9に関する圧力制御を使用することによって排他的に制御される。金属リング40の底面全体、リング32の側壁、および側壁12の内面はすべて接地され、図3の実施形態でのプラズマ閉じ込め領域の境界の各部を画定する。金属リング40の底面、リング32の側壁、または側壁12の内面のいずれかのプラズマによる化学汚染を防止するために、これらの表面のすべてが、領域8内のプラズマの化学的性質を汚染しない導電性材料または真性シリコンなどの誘電体材料で作成されたプレート100で覆われる。側壁12は図3の実施形態でのプラズマ閉じ込め領域の一部であるので、側壁の温度は、図1の実施形態で電極アセンブリ14の制御について説明したのと同様に制御される。
【0064】
図3の実施形態での電極はいくつのRF周波数に応答し、図1および2に関連して上述したのと同様に制御される。図3の実施形態でのプラズマ閉じ込め領域の体積が大きく、形状が複雑であるので、図3のチャンバ内の電場は、図1のチャンバ内の電場とはかなり異なる。しかし、図3の実施形態でのプラズマに関する電場の効果は、図1および2の実施形態に関連して述べたのと幾分類似する。
【0065】
本発明の特定の実施形態を説明し図示したが、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、具体的に図示し説明した実施形態の細部の変形形態を作成できることは明らかであろう。例えば、図2の回路は、加工物の処理中に周波数源52,54、および56の出力が電極16および/または36に同時かつ継続的に供給されることを示すが、周波数源52,54、および/または56のうちの少なくとも1つをパルスオンおよびパルスオフできることを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークピースの下側に底部電極を有する真空プラズマ処理チャンバ内で加工物をプラズマで処理する方法であって、底部電極に3つ以上の周波数の電気エネルギーを供給することによる該3つ以上の周波数の電気エネルギーで前記プラズマを励起するステップと、前記プラズマがその間で励起される前記チャンバ内の1対の電極間の間隔を変更するステップとを有し、該3つ以上の周波数によるプラズマの励起がプラズマ内にいくつかの異なる現象を同時に発生させ、該いくつかの現象はプラズマイオンエネルギー、プラズマイオン密度、及びプラズマ化学に影響を及ぼすものである。
【請求項2】
前記周波数の数が3つである請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記3つ以上の周波数が前記プラズマを同時に励起する請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記各周波数のうち第1番目が100kHzから10MHzの範囲内であり、前記各周波数のうち2番目が10MHzから150MHzの範囲内であり、前記各周波数のうち3番目が27MHzから300MHzの範囲内であり、3番目の周波数が2番目の周波数よりも大きく、2番目の周波数が1番目の周波数よりも大きい請求項1、2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記チャンバの側壁から離れたチャンバ内の領域に前記プラズマを閉じ込めることをさらに含む請求項1、2、3または4に記載の方法。
【請求項6】
前記領域内の前記プラズマの圧力を制御することをさらに含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記3つ以上の周波数の少なくとも1つの出力を変更することをさらに含む請求項1乃至6の何れかに記載の方法。
【請求項8】
真空プラズマ処理チャンバ内で加工物をプラズマで処理する方法であって、3つ以上の周波数の電気エネルギーで前記プラズマを励起するステップと、前記プラズマがその間で励起される前記チャンバ内の1対の電極間の間隔を変更するステップとを有し、該3つ以上の周波数によるプラズマの励起がプラズマ内にいくつかの異なる現象を同時に発生させ、前記プラズマは1対の対向する電極で励起され、前記3つ以上の周波数のうちの少なくとも3つの出力が前記電極のうちの1つに結合され、および前記電極のうちの1つからの少なくとも3つの周波数のうちの1つの出力がRFグランドに選択的に結合される。
【請求項9】
真空プラズマ処理チャンバ内で加工物をプラズマで処理する方法であって、3つ以上の周波数の電気エネルギーで前記プラズマを励起するステップと、前記プラズマがその間で励起される前記チャンバ内の1対の電極間の間隔を変更するステップとを有し、該3つ以上の周波数によるプラズマの励起がプラズマ内にいくつかの異なる現象を同時に発生させ、前記プラズマは対向する頂部及び底部電極で励起され、および前記加工物を処理する間、前記対向する電極の温度が制御される。
【請求項10】
プラズマで加工物を処理する真空チャンバを備え、前記チャンバは、前記プラズマに電気エネルギーを結合する底部電極と、前記底部電極に3つ以上の周波数を供給するための電気エネルギー源構成と、前記プラズマがその間で励起される前記チャンバ内の1対の電極間の間隔を変更する構成とを有し、該3つ以上の周波数によるプラズマの励起がプラズマ内にいくつかの異なる現象を同時に発生させ、該いくつかの現象はプラズマイオンエネルギー、プラズマイオン密度、及びプラズマ化学に影響を及ぼすものである、プラズマで加工物を処理する装置。
【請求項11】
前記プラズマ励起源構成が、前記3つ以上の周波数を前記プラズマに同時に印加させるように構成される請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記底部電極を第1電極とするとともに、前記第1電極との間でプラズマが形成される空間を有するように前記第1電極と対向する頂部電極即ち第2電極をさらに含み、前記プラズマ励起源構成が、前記第2電極を基準電位にし、前記プラズマ励起源構成に、前記第1電極に前記3つ以上の周波数を同時に印加させるように構成される請求項10又は11に記載の装置。
【請求項13】
前記プラズマ励起源構成が、少なくとも1つの可変周波数RF源を含む請求項10乃至13の何れかに記載の装置。
【請求項14】
前記プラズマ励起源構成が、(a)前記各周波数のための前記各源と前記プラズマとの間のインピーダンス整合を提供し、(b)異なる周波数源に関連する周波数を、他の周波数源のそれぞれから減結合する回路を含む請求項10乃至13の何れかに記載の装置。
【請求項15】
前記周波数源のうちの少なくとも1つが固定周波数を有する請求項10乃至14の何れかに記載の装置。
【請求項16】
前記周波数源のうちの少なくとも1つが可変出力電力を有する請求項10乃至15の何れかに記載の装置。
【請求項17】
前記底部電極を第1電極とするとともに、(a)前記電気エネルギー源構成に接続された回路および(b)前記チャンバが、前記3つ以上の周波数のうちの少なくとも1つで実質的な電流が、前記第1電極との間でプラズマが形成される空間を有するように前記第1電極と対向する頂部電極即ち第2電極に流れるのを防止するように構成される請求項10乃至16の何れかに記載の装置。
【請求項18】
前記3つ以上の周波数のうちの少なくとも1つで実質的な電流が前記第2電極に流れるのを防止する前記回路および前記チャンバ構成が、(a)前記3つ以上の周波数のうちの少なくとも1つで前記第1電極から前記表面に電流を流れさせる基準電位の前記チャンバ内の表面と、(b)前記回路のフィルタ構成であって、前記3つ以上の周波数のうちの少なくとも1つで実質的な電流が前記第2電極と前記基準電位との間で流れるのを防止するために前記第2電極に接続されるフィルタ構成とを含む請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記底部電極を第1電極とするとともに、前記第1電極との間でプラズマが形成される空間を有するように前記第1電極と対向する頂部電極即ち第2電極をさらに含み、前記電気エネルギー源構成が、前記第1および第2電極に同一の周波数を供給するように構成される請求項10に記載の装置。
【請求項20】
前記底部電極を第1電極とするとともに、前記第1電極との間でプラズマが形成される空間を有するように前記第1電極と対向する頂部電極即ち第2電極をさらに含み、前記電気エネルギー源構成が、第1加工物処理時間枠中に前記第2電極を基準電位に選択的に接続し、第2加工物処理時間枠中に前記第1および第2電極に同一の周波数を選択的に供給するコントローラを含む請求項10に記載の装置。
【請求項21】
前記コントローラが、前記第1時間枠の間に前記3つ以上の周波数のそれぞれに応答して前記第1電極を選択的に接続するように構成される請求項20に記載の装置。
【請求項22】
加工物を処理する真空プラズマ・プロセッサであって、前記加工物を処理するプラズマに変換されるように適合された気体に応答するように適合されたチャンバの領域にプラズマ励起場を供給する電極構成を含む真空チャンバであって、前記電極構成が、前記領域の両側のそれぞれ第1および第2の側の第1および第2電極と、前記領域の前記第1の側の第3電極とを含み、前記第3電極が、前記第1電極の周辺にあり、前記第1電極から電気的に絶縁される真空チャンバと、複数の周波数で電気エネルギーを誘導するプラズマ励起源構成であって、前記複数の周波数のエネルギーを前記第1、第2、および第3電極に選択的に結合して、すべての前記周波数の電流が前記第3電極を通り抜けて流れることなく、前記複数の周波数のうちの少なくとも1つの電流を前記第3電極に流入させるように構成されたプラズマ励起源構成と、前記プラズマがその間で励起される前記チャンバ内の1対の電極間の間隔を変更する構成とを備え、前記電極構成が、前記領域の前記第2の側に第4電極を含み、前記第4電極が、前記第2電極の周辺にあり、前記第2電極から電気的に絶縁され、前記プラズマ励起源構成が、エネルギーを前記第4電極に選択的に結合し、すべての前記周波数の電流が前記第4電極を通り抜けて流れることなく、複数の周波数のうちの少なくとも1つの電流を前記第4電極に流入させるように構成される真空プラズマ・プロセッサ。
【請求項23】
前記プラズマ励起源構成が、前記周波数のうちの少なくとも1つでエネルギーを前記第3電極に印加するように構成される請求項22に記載のプロセッサ。
【請求項24】
前記プラズマ励起源構成が、前記周波数のうちの少なくとも1つでエネルギーを前記第4電極に印加するように構成される請求項22又は23に記載のプロセッサ。
【請求項25】
前記プラズマ励起源構成が、前記周波数のうちの少なくとも1つが前記第3電極と基準電位の間で流れるのを防止すると共に、前記周波数のうちの少なくとも1つの電流が前記第3電極と基準電位の間で流れることを可能にするフィルタ構成を含む請求項22に記載のプロセッサ。
【請求項26】
前記プラズマ励起源構成が、前記周波数のうちの少なくとも1つが前記第4電極と基準電位の間で流れるのを防止すると共に、前記周波数のうちの少なくとも1つの電流が前記第4電極と基準電位の間で流れることを可能にするフィルタ構成を含む請求項22乃至25の何れかに記載のプロセッサ。
【請求項27】
真空プラズマ・プロセッサで加工物を処理する方法であって、加工物を処理するプラズマに変換される気体に応答してチャンバの領域にプラズマ励起場を供給する電極構成と、前記プラズマがその間で励起される前記チャンバ内の1対の電極間の間隔を変更する構成とを含む真空チャンバであって、前記電極構成が、前記領域の両側のそれぞれ第1および第2の側の第1および第2電極と、前記領域の前記第1の側の第3電極とを含み、前記第3電極が、前記第1電極の周辺にあり、前記第1電極から電気的に絶縁される真空チャンバを含み、複数の周波数のエネルギーを前記第1、第2、および第3電極に結合して、その結果すべての前記周波数の電流が前記第3電極を通り抜けて流れることなく、前記複数の周波数のうちの少なくとも1つの電流を前記第3電極に流入させることを含み、前記電極構成が、前記領域の前記第2の側に第4電極を含み、前記第4電極が、前記第2電極の周辺にあり、前記第2電極から電気的に絶縁され、エネルギーを前記第4電極に選択的に結合し、すべての前記周波数の電流が前記第4電極を通り抜けて流れることなく、複数の周波数のうちの少なくとも1つの電流を前記第4電極に流入させることをさらに含む方法。
【請求項28】
前記エネルギーが、前記周波数のうちの少なくとも1つを有する電源構成を前記第3電極に接続することによって前記第3電極に結合される請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記エネルギーが、前記周波数のうちの少なくとも1つを有する電源構成を前記第4電極に接続することによって前記第4電極に結合される請求項27又は28に記載の方法。
【請求項30】
前記エネルギーが、前記周波数のうちの少なくとも1つを通過させ、前記周波数のうちの少なくとも1つをブロックするフィルタ構成を前記第3電極と基準電位の間に接続することによって前記第3電極に結合される請求項27乃至29の何れかに記載の方法。
【請求項31】
前記エネルギーが、前記周波数のうちの少なくとも1つを通過させ、前記周波数のうちの少なくとも1つをブロックするフィルタ構成を前記第4電極と基準電位の間に接続することによって前記第4電極に結合される請求項27乃至30の何れかに記載の方法。
【請求項32】
加工物を処理する真空プラズマ・プロセッサであって、前記加工物を処理するプラズマに変換されるように適合された気体に応答するように適合されたチャンバの領域にプラズマ励起場を供給する電極構成と、前記プラズマがその間で励起される前記チャンバ内の1対の電極間の間隔を変更する構成とを含む真空チャンバであって、前記電極構成が、前記領域の両側のそれぞれ第1および第2の側の第1および第2電極と、前記領域の前記第1の側の第3電極とを含み、前記第3電極が、前記第1電極の周辺にあり、前記第1電極から電気的に絶縁される真空チャンバと、3つ以上の周波数で電気エネルギーを誘導するプラズマ励起源構成であって、前記3つ以上の周波数のエネルギーを、第1の期間内と第2の期間内に、前記第1、第2、および第3電極に選択的に結合して、すべての前記周波数の電流が前記第3電極を通り抜けて流れることなく、前記3つ以上の周波数のうちの少なくとも1つの電流を前記第3電極に流入させるように構成されたプラズマ励起源構成とを備える真空プラズマ・プロセッサ。
【請求項33】
真空プラズマ・プロセッサで加工物を処理する方法であって、加工物を処理するプラズマに変換される気体に応答してチャンバの領域にプラズマ励起場を供給する電極構成と、前記プラズマがその間で励起される前記チャンバ内の1対の電極間の間隔を変更する構成とを含む真空チャンバであって、前記電極構成が、前記領域の両側のそれぞれ第1および第2の側の第1および第2電極と、前記領域の前記第1の側の第3電極とを含み、前記第3電極が、前記第1電極の周辺にあり、前記第1電極から電気的に絶縁される真空チャンバを含み、3つ以上の周波数のエネルギーを、第1の期間内と第2の期間内に、前記第1、第2、および第3電極に結合して、その結果すべての前記周波数の電流が前記第3電極を通り抜けて流れることなく、前記3つ以上の周波数のうちの少なくとも1つの電流を前記第3電極に流入させることを含む方法。
【請求項34】
周波数が近い同士の各対の周波数は互いに少なくとも1オクターブ離れている請求項10乃至21の何れかに記載の装置。
【請求項35】
周波数が近い同士の各対の周波数は互いに少なくとも1オクターブ離れている請求項22,23,24,25,26又は32に記載のプロセッサ。
【請求項36】
周波数が近い同士の各対の周波数は互いに少なくとも1オクターブ離れている請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,27,28,29,30,31又は33に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2012−15534(P2012−15534A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−178401(P2011−178401)
【出願日】平成23年8月17日(2011.8.17)
【分割の表示】特願2006−524748(P2006−524748)の分割
【原出願日】平成16年8月20日(2004.8.20)
【出願人】(592010081)ラム リサーチ コーポレーション (467)
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
【Fターム(参考)】