説明

天然花崗石の質感を有する人造チップ及びこれを含む人造大理石

【課題】本発明は、コア部80〜95重量部及びベース樹脂5〜20重量部を含む天然花崗石の質感を有する人造チップ及びこれを用いた人造大理石を提供する。
【解決手段】本発明によると、人造チップ中に異なる色相と大きさのコアが含有されており、一つのチップを通して多様な色相を同時に発現できるので、天然花崗石の質感を有する人造大理石を製造できるという効果がある。また、本発明にかかる人造チップは、コア部80〜95重量部及びベース樹脂スラリー5〜20重量部を混合し、前記混合が終了した混合物をプレスして板状の天然花崗石の質感を有する人造チップ板材を製造し、前記の製造された天然花崗石の質感を有する人造チップ板材を粉砕することを含む天然花崗石の質感を有する人造チップの製造方法により得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天然花崗石の質感を有する人造チップ及びこれを用いた人造大理石に関するもので、より詳細には、透明チップ、一般のチップなどのコア部をベース樹脂と混合し、天然花崗石の質感を有する人造チップを製造した後、これを再びベース樹脂と混合して人造大理石を製造するための、天然花崗石の質感を有する人造チップ及びこれを用いた人造大理石に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近は、建築内装材として人造大理石が多く使用されており、前記人造大理石は、優れた質感、美麗な外観、容易な加工性及び優れた耐候性などの性能を有するので、キッチンの上板、洗面台、家具、各種商品売場の壁材などの多様な用途に使用されている。
【0003】
このような人造大理石は、天然石粉や鉱物を樹脂成分やセメントと配合し、これに顔料及び添加剤などを添加することによって天然石の質感を具現した人造合成体を総称するもので、代表的には、アクリル系、不飽和ポリエステル系及びエンジニアドストーン(Engineered stone)系などに区分される。
【0004】
このうちアクリル系人造大理石は、樹脂自体の透明性と高級な質感などの長所のため多様な用途に使用されており、前記エンジニアドストーン系人造大理石は、天然石粉、石英、ガラス、水酸化アルミニウムなどを主材料とし、約10重量%以下の樹脂を使用して製造された人造大理石を意味し、天然石粉、石英、ガラス、水酸化アルミニウムなどを主材料として含む。
【0005】
最近、天然石に近い外観を発現する人造大理石に対する関心がより増加しており、既存の単色や小さいチップが適用された人造大理石では上述した天然石に対する需要者の欲求を満たすことができないので、徐々に大きいチップが適用された派手な色相へとトレンドが変わっている。
【0006】
特に、従来の人造大理石製品は、単色の製品であるか、いくつかの有色チップのみを使用した単純な外観を有しており、これを改善することに急いでいる実情にある。
【0007】
このような一例として、特許文献1には、ガラス板の一面に一色の塗料をスクリーン印刷して印刷層を形成し、その印刷層の硬化過程で塗料の色を変更し、これを複数回繰り返すことによって、天然大理石が持つ多色パターンを再現する人造大理石の製造方法が開示されており、特に、最後のスクリーン印刷で印刷層を形成した後、その最後の印刷層を150〜200℃の温度で15〜30分加熱して硬化させる人造大理石の製造方法が開示されている。
【0008】
また、特許文献2には、色相顔料を用いて透明ガラスの背面にシルクスクリーン印刷を行うことによって多様な色相のカラーパターン印刷層を形成し、特に、全体の組成物に対して結合剤であるアクリル系樹脂50〜60wt%、溶解剤であるシクロヘキサノン10〜15wt%、色相顔料15〜20wt%、硬化剤であるシラン系10〜20wt%、消泡剤0.01〜0.02wt%で全体の組成物を100wt%にし、これを用いて前記透明ガラスの背面にシルクスクリーン印刷を行い、乾燥器で130〜180℃で10〜20分間乾燥し、48〜72時間自然乾燥することを特徴とする人造大理石の製造方法が開示されている。
【0009】
しかし、前記各技術は、単にガラス板に大理石パターンを印刷したものであって、このような印刷のみでは天然大理石の外観を十分に得ることができない。
【0010】
一方、最近は、人造大理石に天然石の質感を提供するために従来の1〜5mmの大きさを有するチップよりも大きいチップを使用することもあるが、このような大きいチップの場合も天然石のパターンとは多くの差を示しており、特に、単色のチップのみを使用する場合、天然石の自然な色相を発現するのに限界がある。すなわち、ベース色相とチップとの異質的な色相により、天然石の質感を出すのに限界がある。
【0011】
従来の人造大理石の製造方法の他の一例として、アクリル系人造大理石の製造方法の場合、アクリルシロップを製造し、充填物と共に一定量の異なる色相の小型チップを混合・成形することによって天然石に近い質感を得ようとした。しかし、このように製造された人造大理石では天然大理石の質感を具現するのに限界があった。すなわち、天然大理石の多様な色相と各チップの種類を発現するのに限界があり、特に、各チップのパターン、色相、大きさなどの様々な面で天然石の外観とは大きな差を示すという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】大韓民国特許登録第505185号
【特許文献2】大韓民国特許公開第2005―81298号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上述した従来技術の問題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、コア部及びベース樹脂を用いて天然花崗石の質感を有する人造チップ板材を製造し、これを破砕した後、チップ中に異なる色相と大きさのチップが入っている天然花崗石の質感を有する人造チップを製造し、これを再びベース樹脂と混合して人造大理石を製造することによって一つのチップ中に多様な色相を同時に発現させ、天然花崗石の質感を有する人造大理石を提供することにある。
【0014】
また、本発明の他の目的は、従来の人造チップ製造時に使用されるベース樹脂の量である25重量部より少ない量のベース樹脂を使用し、従来の約40重量部の無機充填物を使用しないか、その使用量を最少化した人造チップ及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記課題を解決するために、本発明の一側面によると、コア部80〜95重量部及びベース樹脂5〜20重量部を含む天然花崗石の質感を有する人造チップ及びこれを含む人造大理石を提供する。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明に係る人造大理石は、一つのチップ中に異なる大きさのコア部が含有されており、一つのチップを通して多様な色相を同時に発現させることによって、天然花崗石の質感を有する人造大理石を製造することができる。
【0017】
また、本発明は、人造大理石を製造するために使用されるベース樹脂の使用量よりも天然花崗石の質感を有する人造チップの使用量を増加させることによって、ベース樹脂が顔料の役割をすると同時に、人造チップのクラックを防止できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施例に係る天然花崗石の質感を有する人造チップの構成図である。
【図2】本発明の一実施例に係る天然花崗石の質感を有する人造大理石の構成図である。
【図3】本発明の一実施例に係る天然花崗石の質感を有する人造大理石を表面処理した状態の構成図である。
【図4】本発明の実施例によって製造された人造大理石を示す写真である。
【図5】図4のA部分を拡大した写真である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
一つの観点で、本発明は、コア部80〜95重量部及びベース樹脂5〜20重量部を含む天然花崗石の質感を有する人造チップを提供する。
【0020】
他の観点で、本発明は、a)コア部80〜95重量部及びベース樹脂スラリー5〜20重量部を混合する混合段階と、b)前記混合段階が終了した混合物をプレス、望ましくは加熱プレスし、板状の天然花崗石の質感を有する人造チップ板材を製造する製造段階と、c)前記の製造された天然花崗石の質感を有する人造チップ板材を粉砕する粉砕段階とを含む天然花崗石の質感を有する人造チップの製造方法を提供する。
【0021】
また、他の観点で、本発明は、天然花崗石の質感を有する人造チップを含む人造大理石を提供する。
【0022】
また、他の観点で、本発明は、a)天然花崗石の質感を有する人造チップ80〜95重量部及びベース樹脂スラリー5〜20重量部を混合する混合段階と、b)前記混合段階が終了した混合物をプレス、望ましくは加熱プレスして板状の人造大理石を製造する製造段階とを含む人造大理石の製造方法を提供する。
【0023】
本発明に係る天然花崗石の質感を有する人造チップは、人造大理石に含まれて天然花崗石の質感を提供するためのものであって、このような目的のために使用されるものであれば特別に限定されないが、望ましくは、コア部80〜95重量部と、ベース樹脂5〜20重量部、望ましくは13〜18重量部とを含む。
【0024】
このとき、前記天然花崗石の質感を有する人造チップは、1.4〜1.8、望ましくは1.5〜1.7の比重を有する。
【0025】
本発明に係るコア部は、人造大理石を製造するために当業界で通常的に使用される多様な大きさ及び色相を有するチップで形成することができ、これに制限されないが、望ましくは、透明チップ、一般のチップ又はこれらの混合物を使用して形成することができる。
【0026】
ここで、透明チップは、少なくとも80%以上の全光線透過率を有する樹脂チップを意味し、一般のチップは、人造大理石などを製造するために使用される当業界の通常的な樹脂チップ、特定的に不透明な樹脂チップ、例えば、アクリル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、及びスチレン―メチルメタクリレート共重合体からなるグループから選択された一つ以上を含む樹脂チップを意味する。
【0027】
このとき、前記コア部の大きさは0.1〜5mmであることが望ましい。
【0028】
本発明に係る天然花崗石の質感を有する人造チップを構成するベース樹脂は、特別に限定されないが、望ましくは、アクリル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、及びスチレン―メチルメタクリレート共重合体からなるグループから選択された一つ以上を含むことができる。
【0029】
特定様態として、本発明の一実施例に係る人造チップを構成するベース樹脂は、パール、顔料、硬化剤及び添加剤からなるグループから選択された一つ以上の原料1〜15重量部をさらに含むことができる。
【0030】
ここで、前記パール、顔料、硬化剤及び添加剤は、人造大理石を製造するために当業界で通常的に使用されるものであれば特別に限定されない。
【0031】
このとき、望ましい添加剤としては、シリコン系又は非シリコン系消泡剤と、トリメトキシシランを主成分とするシラン系、又はチタネート系カップリング剤と、フェニルサリチラート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ニッケル誘導体系又はラジカル除去剤系紫外線吸収剤と、ハロゲン系、リン系又は無機金属系難燃剤と、ステアリン酸系又はシリコン系離型剤と、カテコール系又はハイドロキノン系重合抑制剤と、フェノール系、アミン系、キノン系、硫黄系又はリン系酸化防止剤と、ジアクリレート系の架橋剤と、メルカプタン系連鎖移動剤から選択される1種以上を使用することができる。
【0032】
他の特定様態として、本発明の一実施例に係る人造チップを構成するベース樹脂は、20重量部以下、望ましくは10重量部以下、より望ましくは5重量部以下の無機充填物をさらに含むことができる。
【0033】
ここで、前記無機充填物は、前記ベース樹脂に含まれなくてもよいので、最小限の範囲で使用することが望ましく、使用可能な無機充填物としては、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、アルミナ、硫酸バリウム、水酸化マグネシウムなどがあり、1〜100μmの大きさを有する無機粉末形態であることが望ましい。
【0034】
以下、上述した構成を有する本発明に係る天然花崗石の質感を有する人造チップの製造方法を説明する。
【0035】
まず、前記天然花崗石の質感を有する人造チップは、コア部及びベース樹脂スラリーを混合し、プレスして人造チップ板材を製造した後、これを粉砕する方法で製造され、より具体的には、a)コア部80〜95重量部及びベース樹脂スラリー5〜20重量部を混合する混合段階と、b)前記混合段階が終了した混合物をプレス、望ましくは加熱プレスして板状の天然花崗石の質感を有する人造チップ板材を製造する製造段階と、c)前記の製造された天然花崗石の質感を有する人造チップ板材を粉砕する粉砕段階とを含む。
【0036】
ここで、加熱プレスは、80〜150℃の温度、且つ20〜80Kgf/cmの圧力で加熱プレス及び加圧することを意味する。
【0037】
一方、前記c)の天然花崗石の質感を有する人造チップ板材を粉砕する段階を通して製造された天然花崗石の質感を有する人造チップの大きさは、1〜15mmであることが望ましい。前記天然花崗石の質感を有する人造チップの大きさが過度に大きい場合、最終的に製造する製品、すなわち、人造大理石を平板に製作するときに厚さが限定されるという問題があり、人造チップとベースとの間に亀裂が発生するおそれがあり、原料の流れ性にも影響を与えるようになる。
【0038】
ここで、前記人造チップの大きさが15mm以下である場合にも、大きいチップよりは小さいチップを使用することが望ましく、多様なパターン発現のために、前記人造チップを多様な大きさ別に製造した後、人造大理石の製造時にこれらを混合して使用することが望ましい。
【0039】
本発明に係る天然花崗石の質感を有する人造チップを構成するコア部は、人造大理石を製造するために使用される当業界で通常的なチップであれば特別に限定されないが、望ましくは、透明チップ、一般のチップ又はこれらの混合物で形成することができる。
【0040】
ここで、前記透明チップは、少なくとも80%以上の全光線透過率を有する樹脂チップを意味し、一般のチップは、人造大理石などを製造するために使用される当業界で通常的な樹脂チップ、特定的に不透明な樹脂チップ、例えば、アクリル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、及びスチレン―メチルメタクリレート共重合体からなるグループから選択された一つ以上を含む樹脂チップを意味する。
【0041】
このとき、前記コア部の大きさは0.1〜5mmであることが望ましい。
【0042】
本発明に係るベース樹脂スラリーは、天然花崗石の質感を有する人造チップを製造するためのベース樹脂の単量体及び/又は重合物などが含まれたスラリー形態の組成物を意味する。
【0043】
ここで、前記ベース樹脂は、特別に限定されないが、望ましくは、アクリル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、及びスチレン―メチルメタクリレート共重合体からなるグループから選択された一つ以上を含む。
【0044】
特定様態として、本発明に係るベース樹脂は、パール、顔料、硬化剤及び添加剤からなるグループから選択された一つ以上の原料1〜15重量部をさらに含むことができる。
【0045】
ここで、前記パール、顔料、硬化剤及び添加剤は、人造大理石を製造するために当業界で通常的に使用されるものであれば特別に限定されない。
【0046】
このとき、望ましい添加剤としては、シリコン系又は非シリコン系消泡剤と、トリメトキシシランを主成分とするシラン系、又はチタネート系カップリング剤と、フェニルサリチラート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ニッケル誘導体系又はラジカル除去剤系紫外線吸収剤と、ハロゲン系、リン系又は無機金属系難燃剤と、ステアリン酸系又はシリコン系離型剤と、カテコール系又はハイドロキノン系重合抑制剤と、フェノール系、アミン系、キノン系、硫黄系又はリン系酸化防止剤と、ジアクリレート系の架橋剤と、メルカプタン系連鎖移動剤から選択される1種以上を使用することができる。
【0047】
他の特定様態として、本発明に係るベース樹脂は、20重量部以下、望ましくは10重量部以下、より望ましくは5重量部以下の無機充填物を含むことができる。
【0048】
また、他の特定様態として、本発明に係るベース樹脂はスラリー形態で使用されるが、この場合、前記ベース樹脂スラリーは、ベース樹脂シロップ100重量部と、無機充填物0〜30重量部と、架橋剤0.2〜5重量部と、架橋促進剤0.2〜3.0重量部と、顔料0.1〜5重量部とを含むことができる。
【0049】
ここで、前記ベース樹脂スラリーを構成するベース樹脂、無機充填物、架橋剤、架橋促進剤及び顔料は、当業界で通常的に使用されるものであればいずれも使用可能である。
【0050】
特定的に、前記ベース樹脂スラリーを構成するベース樹脂シロップは、ベース樹脂を構成する樹脂の単量体とこれらの重合物が溶解されている樹脂シロップである。
【0051】
また、前記架橋剤としては、多官能性メタクリレートが使用され、具体的な例としては、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、グリセロールトリメタクリレート、トリメチルプロパノールトリメタクリレート、及びビスフェノールAジメタクリレートがある。
【0052】
一方、上述した方法によって製造された天然花崗石の質感を有する人造チップは、再びベース樹脂スラリーと混合した後、プレスして人造大理石に製造される。これをより具体的に説明すると、本発明の一実施例に係る人造大理石の製造方法は、a)天然花崗石の質感を有する人造チップ80〜95重量部と、ベース樹脂スラリー5〜20重量部、望ましくは13〜18重量部とを混合する混合段階と、b)前記混合段階が終了した混合物をプレス、望ましくは加熱プレスして板状の人造大理石を製造する製造段階とを含む。
【0053】
ここで、前記天然花崗石の質感を有する人造チップの大きさは0.5〜1.5mmであることが望ましく、加熱プレスは、80〜150℃の温度及び20〜80Kgf/cmの圧力で加熱及び加圧することを意味する。
【0054】
また、前記段階a)の混合段階では、必要に応じて、一般のチップ5〜15重量部をさらに混合することができる。このとき、前記一般のチップの大きさは0.1〜20mmであることが望ましい。
【0055】
ここで、前記一般のチップは、人造大理石などを製造するために使用される当業界で通常的な樹脂チップ、例えば、アクリル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、及びスチレン―メチルメタクリレート共重合体からなるグループから選択された一つ以上を含む樹脂チップを意味する。
【0056】
本発明に係るベース樹脂スラリーは、人造大理石を製造するためのベース樹脂の単量体及び/又は重合物などが含まれたスラリー形態の組成物を意味する。
【0057】
ここで、前記ベース樹脂は、特別に限定されないが、望ましくは、アクリル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、及びスチレン―メチルメタクリレート共重合体からなるグループから選択された一つ以上を含む。
【0058】
特定様態として、本発明に係るベース樹脂は、パール、顔料、硬化剤及び添加剤からなるグループから選択された一つ以上の原料1〜15重量部をさらに含むことができる。
【0059】
ここで、前記パール、顔料、硬化剤及び添加剤は、人造大理石を製造するために当業界で通常的に使用されるものであれば特別に限定されない。
【0060】
このとき、望ましい添加剤としては、シリコン系又は非シリコン系消泡剤と、トリメトキシシランを主成分とするシラン系、又はチタネート系カップリング剤と、フェニルサリチラート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ニッケル誘導体系又はラジカル除去剤系紫外線吸収剤と、ハロゲン系、リン系又は無機金属系難燃剤と、ステアリン酸系又はシリコン系離型剤と、カテコール系又はハイドロキノン系重合抑制剤と、フェノール系、アミン系、キノン系、硫黄系又はリン系酸化防止剤と、ジアクリレート系の架橋剤と、メルカプタン系連鎖移動剤から選択される1種以上を使用することができる。
【0061】
他の特定様態として、本発明に係るベース樹脂は、20重量部以下、望ましくは10重量部以下、より望ましくは5重量部以下の無機充填物を含むことができる。
【0062】
また、他の特定様態として、本発明に係るベース樹脂はスラリー形態で使用されるが、この場合、前記ベース樹脂スラリーは、ベース樹脂シロップ100重量部と、無機充填物0〜30重量部と、架橋剤0.2〜5重量部と、架橋促進剤0.2〜3.0重量部と、顔料0.1〜5重量部とを含むことができる。
【0063】
ここで、前記ベース樹脂スラリーを構成するベース樹脂、無機充填物、架橋剤、架橋促進剤及び顔料は、当業界で通常的に使用されるものであればいずれも使用可能である。
【0064】
特定的に、前記ベース樹脂スラリーを構成するベース樹脂シロップは、ベース樹脂を構成する樹脂の単量体とこれらの重合物が溶解されている樹脂シロップである。
【0065】
また、前記架橋剤としては、多官能性メタクリレートが使用され、具体的な例としては、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、グリセロールトリメタクリレート、トリメチルプロパノールトリメタクリレート、及びビスフェノールAジメタクリレートがある。
【0066】
以下では、実施例を通して本発明を具体的に説明することにする。しかし、下記の実施例は、本発明を具体的に説明するためのものに過ぎなく、これら実施例によって本発明の範囲を限定することはない。
【0067】
<実施例1>
【0068】
コア部としてエポキシ樹脂(YDB400、国都化学社製、韓国)とアミン系硬化剤(D―230、IPDA、国都化学社製、韓国)との混合物を硬化させた透明な粉砕物であるハロゲン化エポキシ硬化物からなるチップ(比重1.64)800重量部、ベース樹脂を含有した原料組成物としてアクリル樹脂150重量部、パール6重量部、硬化剤であるテトラブチルパーベンゾエート(TBPB、Luperox P、ATOFINA)1重量部、及びジアクリレート類の架橋剤(SR―231、Satomer)とメルカプタン類の連鎖移動剤(n―ドデシルメルカプタン、Chemos、ドイツ)とが混合された添加剤5重量部を混合した。
【0069】
その次に、前記混合物を100℃の温度及び約70Kgf/mの圧力で加熱プレスし、天然花崗石の質感を有する板状の人造チップ板材を製造した。
【0070】
その次に、前記人造チップ板材をハンマーミルタイプの破砕機を用いて0.5〜15mmの直径になるように破砕し、天然花崗石の質感を有する人造チップを製造した。
【0071】
<実施例2>
【0072】
実施例1によって製造された天然花崗石の質感を有する人造チップ800重量部、ベース樹脂を含有した原料組成物としてアクリル樹脂150重量部、パール6重量部、硬化剤1重量部及び添加剤5重量部を互いに混合した。
【0073】
その次に、前記混合物を100℃の温度及び約50Kgf/mの圧力で加熱プレスし、板状の人造大理石を製造した。
【0074】
その結果を図4と図5に示した。
【0075】
以上説明したように、本発明の属する技術分野の当業者であれば、本発明がその技術的思想や必須的特徴を変更せずとも他の具体的な形態で実施可能であることを理解できるだろう。したがって、以上説明した実施例は、いずれも例示的なものであって、限定的なものではないことを理解しなければならない。本発明の範囲には、上述した詳細な説明よりは、後述する特許請求の範囲の意味、範囲及びその等価概念から導出される全ての変更又は変形形態が含まれると解釈しなければならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コア部80〜95重量部と、
ベース樹脂5〜20重量部と、を含む天然花崗石の質感を有する人造チップ。
【請求項2】
前記ベース樹脂は、パール、顔料、硬化剤及び添加剤からなるグループから選択された一つ以上の原料1〜15重量部をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の天然花崗石の質感を有する人造チップ。
【請求項3】
前記人造チップは1.4〜1.8の比重を有することを特徴とする、請求項1に記載の天然花崗石の質感を有する人造チップ。
【請求項4】
前記コア部は透明チップ、一般のチップ又はこれらの混合物であることを特徴とする、請求項1に記載の天然花崗石の質感を有する人造チップ。
【請求項5】
前記ベース樹脂は、アクリル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、及びスチレン―メチルメタクリレート共重合体からなるグループから選択された一つ以上を含むことを特徴とする、請求項1に記載の天然花崗石の質感を有する人造チップ。
【請求項6】
前記ベース樹脂は20重量部以下の無機充填物をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の天然花崗石の質感を有する人造チップ。
【請求項7】
前記添加剤は、消泡剤、カップリング剤、紫外線吸収剤、難燃剤、離型剤、重合抑制剤、酸化防止剤、架橋剤及び連鎖移動剤から選択される1種以上であることを特徴とする、請求項2に記載の天然花崗石の質感を有する人造チップ。
【請求項8】
コア部80〜95重量部及びベース樹脂スラリー5〜20重量部を混合し、
前記混合が終了した混合物をプレスして板状の天然花崗石の質感を有する人造チップ板材を製造し、
前記の製造された天然花崗石の質感を有する人造チップ板材を粉砕することを含む天然花崗石の質感を有する人造チップの製造方法。
【請求項9】
前記ベース樹脂スラリーは、パール、顔料、硬化剤及び添加剤からなるグループから選択された一つ以上の原料1〜15重量部をさらに含むことを特徴とする、請求項8に記載の天然花崗石の質感を有する人造チップの製造方法。
【請求項10】
前記人造チップは1.4〜1.8の比重を有することを特徴とする、請求項8に記載の天然花崗石の質感を有する人造チップの製造方法。
【請求項11】
前記コア部は透明チップ、一般のチップ又はこれらの混合物であることを特徴とする、請求項8に記載の天然花崗石の質感を有する人造チップの製造方法。
【請求項12】
前記ベース樹脂スラリーは、アクリル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、及びスチレン―メチルメタクリレート共重合体からなるグループから選択された一つ以上を含むことを特徴とする、請求項8に記載の天然花崗石の質感を有する人造チップの製造方法。
【請求項13】
前記ベース樹脂スラリーは20重量部以下の無機充填物をさらに含むことを特徴とする、請求項8に記載の天然花崗石の質感を有する人造チップの製造方法。
【請求項14】
請求項1から7のうちいずれか1項による天然花崗石の質感を有する人造チップを含む人造大理石。
【請求項15】
前記人造大理石は5〜15重量部の一般のチップをさらに含むことを特徴とする、請求項14に記載の人造大理石。
【請求項16】
請求項1から7のうちいずれか1項による天然花崗石の質感を有する人造チップ80〜95重量部及びベース樹脂スラリー5〜20重量部を混合し、
前記混合が終了した混合物をプレスして板状の人造大理石を製造することを含む人造大理石の製造方法。
【請求項17】
前記混合時には、一般のチップ5〜15重量部をさらに混合することを特徴とする、請求項16に記載の人造大理石の製造方法。
【請求項18】
前記ベース樹脂スラリーは、パール、顔料、硬化剤及び添加剤からなるグループから選択された一つ以上の原料1〜15重量部をさらに含むことを特徴とする、請求項16に記載の天然花崗石の質感を有する人造大理石の製造方法。
【請求項19】
前記ベース樹脂スラリーは、
ベース樹脂シロップ100重量部と、
無機充填物0〜30重量部と、
架橋剤0.2〜5重量部と、
架橋促進剤0.2〜3.0重量部と、
顔料0.1〜5重量部と、を含むことを特徴とする、請求項16に記載の人造大理石の製造方法。
【請求項20】
前記ベース樹脂スラリーは、アクリル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、及びスチレン―メチルメタクリレート共重合体からなるグループから選択された一つ以上を含むことを特徴とする、請求項18又は19に記載の人造大理石の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−515136(P2012−515136A)
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546210(P2011−546210)
【出願日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際出願番号】PCT/KR2010/000227
【国際公開番号】WO2010/082767
【国際公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(509286787)エルジー・ハウシス・リミテッド (49)
【氏名又は名称原語表記】LG HAUSYS,LTD.
【住所又は居所原語表記】20,Yoido−dong,youngdungpo−gu,Seoul150−721,Republic of Korea
【Fターム(参考)】