妨害信号除去装置及び妨害信号除去方法
【課題】
入力信号が含む妨害信号を簡易に除去する。
【解決手段】
信号C1及びその直交信号S1、並びに制御部130Aが指定したシフト周波数を有する局部発振信号C2及びその直交信号S2に基づいて、制御部130Aが指定したシフト方向に信号C1,S1をシフト周波数だけシフトさせた信号C3,S3を生成する。引き続き、信号C3,S3における固定的な周波数帯域を固定的なフィルタで抽出して検出することにより、妨害信号の有無を検出する。そして、当該妨害信号の有無の検出結果に基づいて、信号C1,S1の対、及び、当該固定的な周波数帯域に対応する信号成分が除去された信号C6,S6の対のいずれかを、妨害信号除去装置の出力信号とする。
入力信号が含む妨害信号を簡易に除去する。
【解決手段】
信号C1及びその直交信号S1、並びに制御部130Aが指定したシフト周波数を有する局部発振信号C2及びその直交信号S2に基づいて、制御部130Aが指定したシフト方向に信号C1,S1をシフト周波数だけシフトさせた信号C3,S3を生成する。引き続き、信号C3,S3における固定的な周波数帯域を固定的なフィルタで抽出して検出することにより、妨害信号の有無を検出する。そして、当該妨害信号の有無の検出結果に基づいて、信号C1,S1の対、及び、当該固定的な周波数帯域に対応する信号成分が除去された信号C6,S6の対のいずれかを、妨害信号除去装置の出力信号とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、妨害信号除去装置及び妨害信号除去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ラジオ放送受信や携帯電話等の移動通信端末装置の多くで採用されている直接変換受信における隣接チャンネルによる妨害を除去する等のために様々な技術が提案されている。こうした技術では、まず、アンテナで受信された高周波信号を、当該受信高周波信号について検出対象となり得る周波数範囲から大きく離れた周波数範囲であって、希望チャンネルからの放送波の中心周波数が所定の周波数(直接変換受信においては周波数=0)となるように周波数変換を行う。かかる周波数変換は、一般的に、希望チャンネルの種類に応じて定まる周波数の局部発振信号と、受信高周波信号とのスーパーヘテロダイン混合によって行われる。
【0003】
この後、通過させる信号の周波数帯域を変化させることができる可変フィルタを利用して、妨害波の有無や妨害波が存在する周波数帯域を検出する。そして、その検出による結果に基づいて、妨害波の影響が除去又は低減された信号を抽出するようになっている。(特許文献1及び特許文献2参照:以下、「従来例」と呼ぶ)。
【0004】
【特許文献1】特許第3335414号公報
【特許文献2】特許第3568102号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来例の技術では、可変フィルタを利用して妨害波の有無や妨害波が存在する周波数帯域を検出している。しかしながら、可変フィルタを構成すると、回路規模が大きくなってしまったり、デジタル演算量が多くなってしまう。さらに、妨害波の周波数帯域が一定ではない場合には、妨害波検出用の可変フィルタを設計すること自体が困難となってしまう。こうした事態を解消することが、本発明が解決すべき課題の一つとして挙げられる。
【0006】
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、入力信号が含む妨害信号を簡易に除去することができる妨害信号除去装置及び妨害信号除去方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、第1同相信号及び前記第1同相信号の直交信号である第1直交信号に関する周波数のシフト量及び第1シフト方向に基づいて、前記第1同相信号の周波数成分の周波数が前記第1シフト方向に前記第1シフト周波数だけシフトされた第2同相信号、及び、前記第1直交信号の周波数成分の周波数が前記第1シフト方向に前記第1シフト周波数だけシフトされた第2直交信号を生成する第1周波数シフト手段と;前記第2同相信号及び前記第2直交信号に含まれる予め定められた第1周波数範囲の信号成分を検出する第1信号検出手段と;前記第1同相信号及び前記第1直交信号の対と、前記第2同相信号及び前記第2直交信号から前記第1周波数範囲の信号成分を除去した第3同相信号及び第3直交信号に対応する第4同相信号及び第4直交信号の対のいずれかを、第5同相信号及び第5直交信号として選択的に出力する第1信号選択手段と;前記第1信号検出手段による検出手段に基づいて、前記第2同相信号及び前記第2直交信号の少なくとも一方の前記第1周波数範囲における妨害信号の有無の判定である第1判定を行い、前記第1判定の結果が肯定的であった場合には、前記第4同相信号及び前記第4直交信号の対の選択出力を前記第1信号選択手段に対して指令するとともに、前記第1判定の結果が否定的であった場合には、前記第1同相信号及び前記第1直交信号の対の選択出力を前記第1信号選択手段に対して指令する制御手段と;を備えることを特徴とする妨害信号除去装置である。
【0008】
請求項14に記載の発明は、第1同相信号及び前記第1同相信号の直交信号である第1直交信号に関する周波数のシフト量であるシフト周波数及びシフト方向に基づいて、前記第1同相信号の周波数成分の周波数が前記シフト方向に前記シフト周波数だけシフトされた第2同相信号、及び、前記第1直交信号の周波数成分の周波数が前記シフト方向に前記シフト周波数だけシフトされた第2直交信号を生成する周波数シフト工程と;前記第2同相信号及び前記第2直交信号に含まれる予め定められた周波数範囲の信号成分を検出する信号検出工程と;前記信号検出工程による検出工程に基づいて、前記第2同相信号及び前記第2直交信号の少なくとも一方の前記周波数範囲における妨害信号の有無の判定を行い、前記判定の結果が肯定的であった場合に、前記第2同相信号及び前記第2直交信号から前記周波数範囲の信号成分を除去した第3同相信号及び第3直交信号に対応する第4同相信号及び第4直交信号の対の選択出力を行う第1信号選択工程と;前記判定の結果が否定的であった場合に、前記第1同相信号及び前記第1直交信号の対の選択出力を行う第2信号選択工程と;を備えることを特徴とする妨害信号除去方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下の説明においては、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0010】
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態を、図1〜図12を参照しつつ説明する。
【0011】
<構成>
図1には、本実施形態に係る妨害信号除去装置100Aの概略的な構成がブロック図にて示されている。この妨害信号除去装置100Aは、信号源910から出力された信号C0における妨害信号を除去する装置であり、図1に示されるように、妨害信号除去装置100Aは、信号生成手段としての直交信号生成部110と、信号検出部120Aと、制御手段としての制御部130Aと、信号選択手段としての信号選択部140とを備えている。
【0012】
なお、本実施形態においては、説明を簡略化するため、信号C0は、次の(1)式によって表されるものとする。
C0(t)∝F(t)・cos(ωC・t+φ) …(1)
【0013】
かかる(1)式で表される信号としては、例えば、一般的なラジオ受信機におけるチューナ部から出力される中間周波数信号等を挙げることができる。
【0014】
直交信号生成部110は、図2に示されるように、直交変調器111を備えている。この直交信号生成部110は、信号C0と同相の信号であり、下記の(2)式で表される信号C1と、信号C0が直交変調された信号であり、下記の(3)式で表される信号S1とを生成する。生成された信号C1,S1は、信号検出部120A及び信号選択部140へ出力される。
C1(t)=F(t)・cos(ωC・t+φ) …(2)
S1(t)=F(t)・sin(ωC・t+φ) …(3)
【0015】
信号検出部120Aは、制御部130Aによる制御のもとで、直交信号生成部110から出力された信号C1,S1における所望の周波数帯域の信号成分の検出を行うとともに、信号C1,S1における当該所望の周波数帯域以外の周波数帯域の信号成分を信号C6,S6として出力する。この信号検出部120Aについては、後述する。
【0016】
制御部130Aは、中央処理装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び周辺回路等を備えて構成される。この制御部130Aには、不図示のキーボード等の操作入力デバイス等が接続されるようになっている。
【0017】
制御部130Aは、操作入力デバイスに入力された妨害信号の有無を検出すべき信号の周波数帯域の指定に応じて、信号C1,S1に関する周波数シフトの量に対応するシフト角周波数ωSHをシフト周波数指定SFAとして信号検出部120Aへ送るとともに、後述するシフト算出部220A及び逆シフト算出部250Aへ指定するシフト方向をシフト方向指定SD1及びSD2として信号検出部120Aへ送る。また、制御部130Aは、信号検出部120Aからの検出結果D1,D2を受ける。そして、制御部130Aは、検出結果D1,D2に基づいて、妨害信号の有無を判定し、その判定の結果に基づいて、信号選択部140へ信号選択制御信号SLTにより、選択出力する信号を指定する。
【0018】
信号検出部120Aは、図3に示されるように、局部発振部210と、シフト算出部220Aと、フィルタ部230と、検出部240と、逆シフト算出部250Aとを備えている。ここで、局部発振部210と、シフト算出部220Aとから周波数シフト手段が構成される。また、フィルタ部230と、検出部240とから信号検出手段が構成される。また、局部発振部210と、逆シフト算出部250Aとから逆周波数シフト手段が構成される。
【0019】
局部発振部210は、図4に示されるように、発振器211と、90°移相器212とを備える。ここで、発振器211は電圧制御発振素子等を備えて構成され、制御部130Aからのシフト周波数指定SFAに従って、シフト周波数指定SFAに対応する角周波数ωSHを有する信号を発生する。また、90°移相器212は、発振器211によって発生された信号の位相を90°だけ移動させる。
【0020】
上記の発振器211と、90°移相器212とを利用して、局部発振部210は、次の(4)式で表される信号C2、及び、信号C2の直交信号であり、次の(5)式で表される信号S2を発生し、シフト算出部220Aへ出力する。
C2(t)=G・cosωSH・t …(4)
S2(t)=G・sinωSH・t …(5)
ここで、Gは定数である。
【0021】
シフト算出部220Aは、図5に示されるように、乗算器221〜224を備えている。また、シフト算出部220Aは、加減算器226,227とを備えている。
【0022】
乗算器221〜224のそれぞれは、端子Aで受けた信号と、端子Bで受けた信号との各時点における積を算出し、端子Cから算出結果を出力する。すなわち、乗算器221は、直交信号生成部110から出力された信号C1と、局部発振部210から出力された信号C2との各時点における積を算出して出力する。乗算器222は、直交信号生成部110から出力された信号S1と、局部発振部210から出力された信号S2との各時点における積を算出して出力する。乗算器223は、直交信号生成部110から出力された信号S1と、局部発振部210から出力された信号C2との各時点における積を算出して出力する。乗算器224は、直交信号生成部110から出力された信号C1と、局部発振部210から出力された信号S2との各時点における積を算出して出力する。
【0023】
加減算器226は、端子I1で乗算器221による算出結果を受けるとともに、端子I2で乗算器222による算出結果を受ける。そして、制御部130Aからのシフト方向指定SD1に従って、端子I1で受けた信号と、端子I2で受けた信号との各時点における差又は和を算出する。
【0024】
具体的には、制御部130Aからのシフト方向指定SD1によって+側への周波数シフトが指定されると、加減算器226は、端子I1で受けた信号の値から端子I2で受けた信号の値を減算する。この結果、次の(6)式で表される信号が、信号C3として生成される。
C3(t)=C1(t)・C2(t)−S1(t)・S2(t)
=G・F(t)・cos((ωC+ωSH)・t+φ) …(6)
【0025】
すなわち、上述した信号C1に関して角周波数ωSHだけ+側に周波数シフトした信号が、信号C3として生成される。こうして生成された信号C3は、加減算器226の端子Oからフィルタ部230へ出力される。
【0026】
また、制御部130Aからのシフト方向指定SD1によって−側への周波数シフトが指定されると、加減算器226は、端子I1で受けた信号の値に端子I2で受けた信号の値を加算する。この結果、次の(7)式で表される信号が、信号C3として生成される。
C3(t)=C1(t)・C2(t)+S1(t)・S2(t)
=G・F(t)・cos((ωC−ωSH)・t+φ) …(7)
【0027】
すなわち、上述した信号C1に関して角周波数ωSHだけ−側に周波数シフトした信号が、信号C3として生成される。こうして生成された信号C3は、加減算器226の端子Oからフィルタ部230へ出力される。
【0028】
加減算器227は、端子I1で乗算器223による算出結果を受けるとともに、端子I2で乗算器224による算出結果を受ける。そして、制御部130Aからのシフト方向指定SD1に従って、端子I1で受けた信号と、端子I2で受けた信号との各時点における和又は差を算出する。
【0029】
具体的には、制御部130Aからのシフト方向指定SD1によって+側への周波数シフトが指定されると、加減算器227は、端子I1で受けた信号の値に端子I2で受けた信号の値を加算する。この結果、次の(8)式で表される信号が、信号S3として生成される。
S3(t)=S1(t)・C2(t)+C1(t)・S2(t)
=G・F(t)・sin((ωC+ωSH)・t+φ) …(8)
【0030】
すなわち、上述した信号S1に関して角周波数ωSHだけ+側に周波数シフトした信号が、信号S3として生成される。こうして生成された信号S3は、加減算器227の端子Oからフィルタ部230へ出力される。
【0031】
また、制御部130Aからのシフト方向指定SD1によって−側への周波数シフトが指定されると、加減算器227は、端子I1で受けた信号の値から端子I2で受けた信号の値を減算する。この結果、次の(9)式で表される信号が、信号S3として生成される。
S3(t)=S1(t)・C2(t)−C1(t)・S2(t)
=G・F(t)・sin((ωC−ωSH)・t+φ) …(9)
【0032】
すなわち、上述した信号S1に関して角周波数ωSHだけ−側に周波数シフトした信号が、信号S3として生成される。こうして生成された信号S3は、加減算器227の端子Oからフィルタ部230へ出力される。
【0033】
フィルタ部230は、図6に示されるように、フィルタ231と、フィルタ232と、フィルタ233と、フィルタ234とを備えている。ここで、フィルタ231と、フィルタ232とは同一の周波数成分に対しては、同一の所定の透過特性を有している。フィルタ231は、シフト算出部220Aからの信号C3における所定の周波数成分を選択的に通過させ、信号C4として逆シフト算出部250Aへ出力する。また、フィルタ232は、シフト算出部220Aからの信号S3における所定の周波数成分を選択的に通過させ、信号S4として逆シフト算出部250Aへ出力する。
【0034】
これらの信号C4,S4は、シフト方向指定SD1によって+側への周波数シフトが指定された場合には、次の(10)及び(11)式のように表される。
C4(t)=G・F’(t)・cos((ωC+ωSH)・t+φ) …(10)
S4(t)=G・F’(t)・sin((ωC+ωSH)・t+φ) …(11)
【0035】
また、信号C4,S4は、シフト方向指定SD1によって−側への周波数シフトが指定された場合には、次の(12)及び(13)式のように表される。
C4(t)=G・F’(t)・cos((ωC−ωSH)・t+φ) …(12)
S4(t)=G・F’(t)・sin((ωC−ωSH)・t+φ) …(13)
【0036】
また、フィルタ233と、フィルタ234とは、フィルタ231,232が通過させる周波数帯域の信号を遮断し、フィルタ231,232が遮断する周波数帯域の信号を透過させる透過特性を有している。フィルタ233は、シフト算出部220Aからの信号C3における上記の所定の周波数成分以外の周波数成分を選択的に通過させ、信号C5として検出部240へ出力する。また、フィルタ234は、シフト算出部220Aからの信号S3における上記の所定の周波数成分以外の周波数成分を選択的に通過させ、信号S5として検出部240へ出力する。
【0037】
これらの信号C5,S5は、シフト方向指定SD1によって+側への周波数シフトが指定された場合には、次の(14)及び(15)式のように表される。
C5(t)=G・F”(t)・cos((ωC+ωSH)・t+φ) …(14)
S5(t)=G・F”(t)・sin((ωC+ωSH)・t+φ) …(15)
ここで、F”(t)=F(t)−F’(t)
【0038】
また、信号C5,S5は、シフト方向指定SD1によって−側への周波数シフトが指定された場合には、次の(16)及び(17)式のように表される。
C5(t)=G・F”(t)・cos((ωC−ωSH)・t+φ) …(16)
S5(t)=G・F”(t)・sin((ωC−ωSH)・t+φ) …(17)
【0039】
フィルタ231,232,233,234は、フィルタ231,232の透過特性と、フィルタ233,234の透過特性とが上述のように相反するとの条件を満たせば、ローパスフィルタ(LPF)、バンドパスフィルタ(BPF)及びハイパスフィルタ(HPF)、並びにこれらの組合せの内の任意のものとすることができる。なお、本実施形態では、フィルタ231及びフィルタ232として、図7に示されるような透過特性(カットオフ角周波数=ωHP)を有するローパスフィルタを採用するとともに、フィルタ233及びフィルタ234として、図8に示されるような透過特性(カットオフ角周波数=ωHP)を有するハイパスフィルタを採用している。ここで、ローパスフィルタ231,232とハイパスフィルタ233,234とを別途に設けるようにしているが、例えばフィルタとしてはローパスフィルタ231,232のみを用意し、信号C3(t)から信号C4(t)を減算して信号C5(t)を得るとともに、信号S3(t)から信号S4(t)を減算して信号S5(t)を得るようにすることもできる。また、フィルタとしてはハイパスフィルタ233,234のみを用意し、信号C3(t)から信号C5(t)を減算して信号C4(t)を得るとともに、信号S3(t)から信号S5(t)を減算して信号S4(t)を得るようにすることもできる。
【0040】
検出部240は、図9に示されるように、信号検出器241と、信号検出器242とを備えている。信号検出器241は、フィルタ部230からの信号C5を検出し、検出結果D1として制御部130Aへ出力する。また、信号検出器242は、フィルタ部230からの信号S5を検出し、検出結果D2として制御部130Aへ出力する。
【0041】
逆シフト算出部250Aは、図10に示されるように、シフト算出部220Aにおける乗算器221〜224と同様の乗算器251〜254と、シフト算出部220Aにおける加減算器226,227と同様の加減算器256,257とを備えている。そして、逆シフト算出部250Aは、シフト算出部220Aと同様に構成されている。なお、乗算器251〜254においては、上述した(4)及び(5)式における定数Gを考慮し、(1/G2)の係数が乗じられた結果が出力されるようになっている。
【0042】
この逆シフト算出部250Aに対しては、制御部130Aは、シフト方向指定SD2によって、上述したシフト方向指定SD1によって指定されるシフト方向とは逆方向のシフト方向が指定されるようになっている。すなわち、シフト方向指定SD1によって+方向へのシフトが指定される場合には、シフト方向指定SD2によって−方向へのシフトが指定されるようになっている。また、シフト方向指定SD1によって−方向へのシフトが指定される場合には、シフト方向指定SD2によって+方向へのシフトが指定されるようになっている。この結果、逆シフト算出部250Aは、フィルタ部230からの信号C4,S4に対して、上記のシフト算出部220Aが信号C1,S1に対して行った周波数シフトと逆の周波数シフトを行う。
【0043】
具体的には、制御部130Aからのシフト方向指定SD1によって+側への周波数シフトが指定されたことに伴い、シフト方向指定SD2によって−側への周波数シフトが指定されると、次の(18)及び(19)式で表される信号C6、S6として生成される。
C6(t)=(C4(t)・C2(t)+S4(t)・S2(t))/G2
=F’(t)・cos(ωC・t+φ) …(18)
S6(t)=(S4(t)・C2(t)−C4(t)・S2(t))/G2
=F’(t)・sin(ωC・t+φ) …(19)
【0044】
また、制御部130Aからのシフト方向指定SD1によって−側への周波数シフトが指定されたことに伴い、シフト方向指定SD2によって+側への周波数シフトが指定されると、次の(20)及び(21)式で表される信号C6、S6として生成される。
C6(t)=(C4(t)・C2(t)−S4(t)・S2(t))/G2
=F’(t)・cos(ωC・t+φ) …(20)
S6(t)=(S4(t)・C2(t)+C4(t)・S2(t))/G2
=F’(t)・sin(ωC・t+φ) …(21)
【0045】
すなわち、逆シフト算出部250Aにおいては、信号C4,S4における各周波数成分が、信号C1,S1(すなわち、信号C0)の時点で有していた周波数に戻された信号C6,S6が生成される。そして、信号C6,S6が、逆シフト算出部250Aから信号選択部140へ出力される。
【0046】
信号選択部140は、2入力1出力のセレクタ素子(不図示)を2つ備えて構成される。この信号選択部140は、制御部130Aからの信号選択制御信号SLTによる選択出力指定に従って、信号C1,S1の対及び信号C6,S6の対の一方を選択し、信号C7,S7として出力する。そして、信号C7、S7は、出力端子1501,1502から装置外部へ出力される。
【0047】
<動作>
次に、上記のように構成された妨害信号除去装置100Aにおける妨害信号除去動作について説明する。なお、以下の説明においては、信号源910からの信号C0には、図11(A)に示されるように、希望信号SGに加えて、妨害信号NZが含まれている場合に主に着目して説明する。
【0048】
まず、操作入力デバイス(不図示)からの周波数シフト量に対応するシフト角周波数ωSHの指令入力に従って、制御部130Aが、シフト周波数指定SFAにより、シフト角周波数ωSHを信号検出部120Aの局部発振部210へ通知する。この結果、局部発振部210は、角周波数ωSHを有する信号C2,S2を生成する(上述の(4)及び(5)式参照)。
【0049】
また、制御部130Aは、シフト方向指定SD1,SD2によりシフト算出部220A及び逆シフト算出部250Aにおける周波数シフト方向を指定する。なお、上述したように、シフト方向指定SD1により指定されるシフト方向と、シフト方向指定SD2により指定されるシフト方向とは、互いに逆方向となっている。
【0050】
一方、直交信号生成部110は、信号源910からの信号C0から、信号C1と、信号C1の直交信号S1を生成する(上述の(2)及び(3)式参照)。直交信号生成部110は、こうして生成された信号C1,S1をシフト算出部220Aへ送る。
【0051】
この結果、シフト算出部220Aにおいて、信号C1,S1に関して、シフト方向指定SD1により指定されるシフト方向に角周波数ωSHだけ周波数シフトされた信号C3,S3が生成される。こうして生成された信号C3,S3の例が、図11(B)に示されている。なお、図11(B)には、シフト方向指定SD1により指定されるシフト方向が−方向であった場合の例が示されている。
【0052】
こうして生成された信号C3,S3は、フィルタ部230において、検出部240へ向かう角周波数ωHPよりも大きな角周波数を有する信号C5,S5(図11(C)参照)と、逆シフト算出部250Aへ向かう角周波数ωHP以下の角周波数を有する信号C4,S4(図12(A)参照)とに分離される。そして、信号C4,S4は、逆シフト算出部250Aにおいて、上述したシフト算出部220Aで行われた周波数シフトとは逆の周波数シフトが行われて、信号C6,S6が生成される(図12(B)参照)。
【0053】
一方、信号C5,S5は、検出部240で受信されて検出される。この結果、シフト方向指定SD1により指定されるシフト方向が+方向であった場合には、信号源910からの入力信号C0における角周波数(ωHP−ωSH)よりも高い角周波数に対応する周波数帯域の信号成分に相当する信号の検出が検出部240において行われる。また、シフト方向指定SD1により指定されるシフト方向が−方向であった場合には、信号源910からの入力信号C0における角周波数(ωHP+ωSH)よりも高い角周波数に対応する周波数帯域の信号成分に相当する信号の検出が検出部240において行われる。検出部240における検出結果は、信号D1,D2として、制御部130Aへ送られる。
【0054】
制御部130Aは、信号D1,D2に基づいて、信号C5,S5に妨害信号が含まれているか否かを判定する。かかる判定は、例えば、信号D1,D2の少なくとも一方が所定値以上であるか否かを判定することによって行われる。
【0055】
当該妨害信号の有無の判定の結果、信号C5,S5に妨害信号が含まれていると判定された場合には、制御部130Aは、信号選択部140に対して、信号C6,S6を選択出力すべきことを、信号選択制御信号SLTにより指定する。この結果、信号選択部140からは信号C6,S6が選択された後、出力信号C7,S7として、出力端子1501,1502から出力される。
【0056】
一方、当該妨害信号の有無の判定の結果、信号C5,S5に妨害信号が含まれていないと判定された場合には、制御部130Aは、信号選択部140に対して、信号C1,S1を選択出力すべきことを、信号選択制御信号SLTにより指定する。この結果、信号選択部140からは信号C1,S1が選択された後、出力信号C7,S7として、出力端子1501,1502から出力される。
【0057】
以上説明したように、本実施形態では、信号源910からの信号C0の同相信号C1及びその直交信号S1、並びに制御部130Aが指定したシフト周波数を有する局部発振信号C2及びその直交信号S2に基づいて、制御部130Aが指定したシフト方向に信号C1,S1をシフト周波数だけシフトさせた信号C3,S3を生成する。引き続き、信号C3,S3における固定的な周波数帯域を固定的なフィルタで抽出して検出することにより、妨害信号の有無を検出する。そして、当該妨害信号の有無の検出結果に基づいて、信号C1,S1の対、及び、当該固定的な周波数帯域における信号成分が除去された信号C6,S6の対のいずれかを、妨害信号除去装置100Aの出力信号とする。したがって、信号源910からの信号C0における妨害信号を簡易に除去することができる。
【0058】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を、図13〜図16を主に参照しつつ説明する。
【0059】
<構成>
図13に示されるように、本実施形態の妨害信号除去装置100Bは、上述した第1実施形態の妨害信号除去装置100Aと比べて、信号検出部120Aに代えて信号検出部120Bを備える点、及び、制御部130Aに代えて制御部130Bを備える点のみが異なっている。ここで、制御部130Bは、制御部130Aが、シフト周波数指定SFAにより必ず正のシフト周波数を指定し、シフト方向指定SD1,SD2によりシフト方向を指定するのに対して、シフト周波数指定SFBにより符号付のシフト周波数を指定することにより、シフト周波数及びシフト方向を指定するようになっている。
【0060】
信号検出部120Bは、図14に示されるように、信号検出部120Aと比べて、シフト算出部220Aに変えてシフト算出部220Bを備える点、及び、逆シフト算出部250Aに代えて逆シフト算出部250Bを備える点のみが異なっている。ここで、シフト算出部220Bは、図15に示されるように、上述のシフト算出部220Aと比べて、加減算器226に代えて減算器228を備える点、及び、加減算器227に代えて加算器229を備える点のみが異なっている。また、逆シフト算出部250Bは、図16に示されるように、上述のシフト算出部250Aと比べて、加減算器256に代えて加算器258を備える点、及び、加減算器257に代えて減算器259を備える点のみが異なっている。
【0061】
<動作>
上記のように構成された妨害信号除去装置100Bでは、操作入力デバイス(不図示)からの周波数シフト量及びシフト方向の指令入力に従って、制御部130Bが、シフト周波数指定SFBにより、符号付のシフト角周波数ωSHを信号検出部120Bに送る。以後、上述の妨害信号除去装置100Aの場合と同様にして、妨害信号の除去動作を行う。
【0062】
このため、本実施形態では、第1実施形態の場合と同様に、信号源910からの信号C0の同相信号C1及びその直交信号S1を周波数シフトした後、固定的な周波数帯域を固定的なフィルタで抽出して検出することにより、妨害信号の有無を検出する。そして、当該妨害信号の有無の検出結果に基づいて、信号C1,S1の対、及び、当該固定的な周波数帯域における信号成分が除去された信号C6,S6の対のいずれかを、妨害信号除去装置100Bの出力信号とする。したがって、信号源910からの信号C0における妨害信号を簡易に除去することができる。
【0063】
また、シフト方向の切り換えのために上述の第1実施形態の場合のようにシフト方向指令を切り換える必要がないので、シフト方向を−方向から+方向へ、又は、+方向から−方向へ連続的に変化させることを容易に制御することができる。
【0064】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を、図17及び図18を主に参照しつつ説明する。
【0065】
<構成>
図17に示されるように、本実施形態の妨害信号除去装置100Cは、上述した第1実施形態の妨害信号除去装置100Aと比べて、制御部130Aに代えて制御部130Cを備える点のみが異なっている。この制御部130Cは、検出部240による検出結果を考慮して、シフト角周波数ωSHを自動的に変更するようになっている。
【0066】
本実施形態では、信号源910からの信号C0のスペクトル分布において、角周波数ωCよりも角周波数が高い周波数帯域に、妨害信号のピークが存在する場合に、当該ピークに対応する信号成分の殆ど全てがフィルタ部を通過するようになるまで、−方向において、十分に大きなシフト角周波数から徐々にシフト角周波数を小さくしていくように変化させるようになっている。
【0067】
<動作>
上記のように構成された妨害信号除去装置100Cの動作について、上述した妨害信号除去装置100Aの動作と相違点である妨害信号除去装置100Cにおける妨害信号のピークの探索動作に主に着目して説明する。
【0068】
まず、制御部130Cが、シフト周波数指定SFAにより、シフト角周波数ωSHが十分に大きな角周波数ωSH1である旨を局部発振部210へ通知するとともに、シフト方向指定SD1により、シフト方向が−方向である旨をシフト算出部220Aへ通知する。この結果、局部発振部210は、角周波数ωSH1の信号C2,S2が生成され、シフト算出部220Aへ送られる。
【0069】
一方、シフト算出部220Aへは、上述のように、直交信号生成部110から信号C1,S1が送られているので、シフト算出部220Aでは、信号C1,S1に対して−方向へ角周波数ωSH1だけ周波数シフトが行われたものが、信号C3,S3として出力される(図18(A)参照)。そして、信号C3,S3における角周波数ωHPよりも高い角周波数に対応する周波数帯域の信号成分が、フィルタ部230を介して検出部240において検出される。この結果、信号源910からの入力信号C0における角周波数(ωHP+ωSH1)よりも高い角周波数に対応する周波数帯域の信号成分に相当する信号の検出が検出部240において行われる。こうして得られた検出結果は、制御部130Cに報告される。
【0070】
以後、制御部130Cは、シフト方向として−方向を維持して、シフト角周波数ωSHを徐々に小さくしていきつつ、フィルタ部230によって抽出された信号成分が検出部240により検出されて、制御部130Cに報告される。こうして得られた検出結果の変化に基づいて、制御部130Cは、信号C0のスペクトル分布において角周波数ωCよりも角周波数が高い周波数帯域に妨害信号のピークが存在し、かつ、当該ピークに対応する信号成分の殆ど全てがフィルタ部を通過するようになったかを判定する。そして、図18(B)に示されるように、シフト角周波数ωSHがωSH2となり、当該判定が肯定的となると、制御部130Cは、シフト角周波数ωSHの変更を中止する。
【0071】
以上のような妨害信号のピークの探索を行いつつ、妨害信号除去装置100Cは、妨害信号除去装置100Aにおけると同様に妨害信号の除去を行う。
【0072】
なお、検出結果を考慮したシフト角周波数ωSHの変更の態様は、上記に限定されるものではなく、任意の態様とすることができる。
【0073】
以上説明したように、本実施形態では、第1及び第2実施形態の場合と同様に、信号源910からの信号C0の同相信号C1及びその直交信号S1を周波数シフトした後、固定的な周波数帯域を固定的なフィルタで抽出して検出することにより、妨害信号の有無を検出する。そして、当該妨害信号の有無の検出結果に基づいて、信号C1,S1の対、及び、当該固定的な周波数帯域における信号成分が除去された信号C6,S6の対のいずれかを、妨害信号除去装置100Cの出力信号とする。したがって、信号源910からの信号C0における妨害信号を簡易に除去することができる。
【0074】
また、制御部130Cが、検出部240における検出結果を考慮して、シフト角周波数ωSHを自動的に変更する。このため、信号源910からの信号C0における妨害信号が存在する周波数帯域の信号成分を自動的に特定することができる。
【0075】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態を、図19〜図24を主に参照しつつ説明する。
【0076】
<構成>
図19に示されるように、本実施形態の妨害信号除去装置100Dは、直交信号生成部110と、信号検出部120A1と、信号選択部1401と、信号検出部120A2と、信号選択部1402と、制御部130Dとを備えている。ここで、信号選択部1401及び信号選択部1402は、上述した第1及び第3実施形態における信号検出部140と全く同様に構成されている。
【0077】
信号検出部120A1は、上述した第1及び第3実施形態における信号検出部120Aと全く同様に構成されている。また、信号検出部120A2は、信号検出部120A1と比べて、フィルタ部の特性が異なっている点のみが相違している。なお、以下の説明においては、信号検出部120A1の構成要素及び内部信号については添字「1」を付すとともに、信号検出部120A2の構成要素及び内部信号については添字「2」を付すものとする。
【0078】
本実施形態では、信号検出部120A2のフィルタ部2302におけるフィルタ2312,2322は、図20に示されるような透過特性(カットオフ角周波数=ωLP)を有するハイパスフィルタを採用するとともに、フィルタ2332及びフィルタ2342として、図21に示されるような透過特性(カットオフ角周波数=ωLP)を有するローパスフィルタを採用している。
【0079】
図19に戻り、信号検出部120A2は、制御部130Dによる制御のもとで、信号選択部1401から出力された信号C7,S7に対して、信号C1,S1に対して信号検出部120A1において行われる処理(すなわち、上述の信号検出部120Aにおいて行われる処理)と同様の処理を行う。この処理の結果として、信号検出部120A2は、信号C8,S8を信号選択部1402へ出力するとともに、検出部2402による検出結果を信号D12,D22として、制御部130Dへ出力する。
【0080】
信号選択部1402は、制御部130Dによる制御のもとで、信号C7,S7の対及び信号C8,S8の対の一方を選択し、信号C9,S9として出力する。そして、信号C9、S9は、出力端子1501,1502から装置外部へ出力される。
【0081】
制御部130Dは、第1実施形態における制御部130Aと同様に、中央処理装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び周辺回路等を備えて構成される。この制御部130Dは、操作入力デバイスに入力された妨害信号の有無を検出すべき信号の周波数帯域の指定に応じて、信号C1,S1に関する周波数シフトの量に対応するシフト角周波数ωSHをシフト周波数指定SFA1として信号検出部120A1における局部発振部2101へ送る。また、制御部130Dは、信号C7,S7に関する周波数シフトの量に対応するシフト角周波数ωSLをシフト周波数指定SFA2として信号検出部120A2における局部発振部2102へ送る。
【0082】
制御部130Dは、信号検出部120A1におけるシフト算出部220A1及び逆シフト算出部250A1へ、シフト方向をシフト方向指定SD11及びSD21として送る。また、制御部130Dは、信号検出部120A2におけるシフト算出部220A2及び逆シフト算出部250A2へ、シフト方向をシフト方向指定SD12及びSD22として送る。
【0083】
制御部130Dは、信号検出部120A1における検出部2401からの検出結果D11,D21、及び、信号検出部120A2における検出部2402からの検出結果D12,D22を受ける。そして、制御部130Dは、これらの検出結果D11,D21,D12,D22に基づいて、妨害信号の有無を判定し、その判定の結果に基づいて、信号選択部1401に対して信号選択制御信号SLT1により選択出力する信号を指定するとともに、信号選択部1402に対して信号選択制御信号SLT2により選択出力する信号を指定する。
【0084】
<動作>
上記のように構成された妨害信号除去装置100Dでは、以下のようにして妨害信号の除去を行う。なお、以下の説明においては、信号源910からの信号C0には、図22(A)に示されるように、希望信号SGに加えて、高周波側に妨害信号NZHが含まれるとともに、低周波側に妨害信号NZLが存在している場合に主に着目して説明する。
【0085】
まず、制御部130Dが、操作入力デバイスからの周波数帯域指定に従って、信号検出部120A1へシフト角周波数ωSH及びシフト方向を、シフト周波数指定SFA1及びシフト方向指定SD11,SD21として送るとともに、信号検出部120A2へシフト角周波数ωSL及びシフト方向を、シフト周波数指定SFA2及びシフト方向指定SD12,SD22として送る。
【0086】
この結果、信号検出部120A1においては、上述した第1実施形態の信号検出部120Aの場合と同様の処理が行われる。すなわち、シフト算出部220A1において、信号C1,S1に関して、シフト方向指定SD11により指定されるシフト方向に角周波数ωSHだけ周波数シフトされた信号C31,S31が生成される(図22(B)参照)。こうして生成された信号C31,S31は、フィルタ部2301において、検出部2401へ向かう角周波数ωHPよりも大きな角周波数を有する信号C51,S51(図22(C)参照)と、逆シフト算出部250A1へ向かう角周波数ωHP以下の角周波数を有する信号C41,S41(図23(A)参照)とに分離される。そして、信号C41,S41は、逆シフト算出部250A1において、上述したシフト算出部220A1で行われた周波数シフトとは逆の周波数シフトが行われて、信号C6,S6が生成される(図23(B)参照)。
【0087】
一方、信号C51,S51は、検出部2401で受信されて検出される。そして、検出部2401における検出結果は、信号D11,D21として、制御部130Dへ送られる。制御部130Dは、信号D11,D21に加えて、信号検出部120A2から送られてきた後述する信号D12,D22を更に考慮して、信号C51,S51に妨害信号が含まれているか否かを判定する。
【0088】
当該信号C51,S51における妨害信号の有無の判定の結果、上述の図22(C)に示されるように、信号C51,S51に妨害信号が含まれていると判定された場合には、制御部130Dは、信号選択部1401に対して、信号C6,S6を選択出力すべきことを、信号選択制御信号SLT1により指定する。一方、信号C51,S51に妨害信号が含まれていないと判定された場合には、制御部130Dは、信号選択部1401に対して、信号C1,S1を選択出力すべきことを、信号選択制御信号SLT1により指定する。なお、図23(B)〜図24(C)には、信号C51,S51に妨害信号が含まれていると判定され、信号C6,S6が、信号選択部1401から信号C7,S7として選択出力された場合が示されている。
【0089】
こうして信号選択部1401から出力された信号C7,S7は、シフト算出部220A2において、信号C7,S7に関して、シフト方向指定SD12により指定されるシフト方向に角周波数ωSLだけ周波数シフトされた信号C32,S32が生成される(図23(C)参照)。なお、図23(C)には、シフト方向指定SD12により指定されるシフト方向が+方向であった場合の例が示されている。
【0090】
引き続き、信号C32,S32は、フィルタ部2302において、検出部2402へ向かう角周波数ωLPよりも小さな角周波数を有する信号C52,S52(図24(A)参照)と、逆シフト算出部250A2へ向かう角周波数ωLP以上の角周波数を有する信号C42,S42(図24(B)参照)とに分離される。そして、信号C42,S42は、逆シフト算出部250A2において、上述したシフト算出部220A2で行われた周波数シフトとは逆の周波数シフトが行われて、信号C8,S8が生成される(図24(C)参照)。
【0091】
一方、信号C52,S52は、検出部2402で受信されて検出される。そして、上述したように、検出部2402における検出結果は、信号D12,D22として、制御部130Dへ送られる。制御部130Dは、信号D11,D21,D12,D22に基づいて、上述した信号C51,S51に妨害信号が含まれているか否かを判定と同時に、信号C52,S52に妨害信号が含まれているか否かを判定する。かかる判定は、例えば、信号D12,D22の少なくとも一方が所定値以上であるか否か、信号D11,D21と信号D12,D22との関係等を考慮して行われる。なお、上述した信号C51,S51に妨害信号が含まれているか否かの判定についても、例えば、信号D11,D21の少なくとも一方が所定値以上であるか否か、信号D11,D21と信号D12,D22との関係等を考慮して行われる。
【0092】
当該信号C52,S52における妨害信号の有無の判定の結果、信号C52,S52に妨害信号が含まれていると判定された場合には、制御部130Dは、信号選択部1402に対して、信号C8,S8を選択出力すべきことを、信号選択制御信号SLT2により指定する。この結果、信号選択部1402からは信号C8,S8が選択された後、出力信号C9,S9として、出力端子1501,1502から出力される。
【0093】
一方、当該妨害信号の有無の判定の結果、信号C52,S52に妨害信号が含まれていないと判定された場合には、制御部130Dは、信号選択部1402に対して、信号C7,S7を選択出力すべきことを、信号選択制御信号SLT2により指定する。この結果、信号選択部1402からは信号C7,S7が選択された後、出力信号C9,S9として、出力端子1501,1502から出力される。
【0094】
以上説明したように、本実施形態では、第1〜第3実施形態の場合と同様に、信号源910からの信号C0の同相信号C1及びその直交信号S1を周波数シフトした後、固定的な周波数帯域を固定的なフィルタで抽出して検出することにより、妨害信号の有無を検出する。そして、当該妨害信号の有無の検出結果に基づいて、出力する信号を選択する。したがって、信号源910からの信号C0における妨害信号を簡易に除去することができる。
【0095】
また、2つの信号検出部120A1及び信号検出部120A2により、2つの周波数帯域について直列的に妨害信号の除去を行うので、信号源910からの信号C0における所望の2つの異なる周波数帯の信号成分を同時に除去することができる。例えば、希望局からの放送波の周辺における隣接局から放送波に由来する隣接妨害信号等を精度良く除去することができる。
【0096】
[実施形態の変形]
本発明は、上記の第1〜第4実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0097】
例えば、上記の第1〜第4実施形態では、信号源910の信号C0が上述の(1)式で表されるものとしたが、より一般的な次の(22)式で表される場合であっても、上記の上記の第1〜第4実施形態の場合と同様に、所望の周波数帯域の信号成分を検出することができる。
C0(t)=F1・cos(ω1・t+φ1)+F2・cos(ω2・t+φ2)+・・・
…(22)
【0098】
この場合には、直交信号生成部110は、90°移相器又はヒルベルト変換器等を備え、信号C0の同相信号C1と、信号C1の直交信号S1を生成するようにすればよい。
【0099】
また、上記の第1〜第4実施形態では、信号C0から同相信号C1及びその直交信号S1の生成に際して、直交信号生成部110が周波数帯域を変化させないようにした。これに対して、信号C0から同相信号C1及びその直交信号S1の生成に際しては、信号C0の周波数帯域をシフトさせつつ、同相信号C1及びその直交信号S1を生成するようにすることもできる。なお、この場合には、例えば、信号C0が上記の(1)式で表される場合には、信号C0の中心周波数と信号C1,C2の中心周波数とは異なることになるが、(1)式におけるF(t)に関する情報は、信号C1,C2においてもそのまま維持される。
【0100】
また、上記の第1〜第4実施形態では、信号源910の信号C0から信号C0の同相信号C1及びその直交信号S1を生成するようにしたが、信号源から同相信号及びその直交信号が出力される場合には、直交信号生成部110を省略することができる。
【0101】
また、上記の第1〜第4実施形態におけるフィルタ部の透過特性は一例であり、他の透過特性と設定することができる。
【0102】
また、第1実施形態に対する第2実施形態への変形、すなわち、符号付のシフト周波数の指定の採用を、第3及び第4実施形態に適用することもできる。
【0103】
また、第1実施形態に対する第3実施形態への変形、すなわち、検出結果を考慮したシフト周波数量の自動的な変更の採用を、第2及び第4実施形態に適用することもできる。
【0104】
また、上記の第4実施形態では、信号検出部120A1及び信号検出部120A2を直列的に配置したが、図25に示される妨害信号除去装置100Eのように、信号検出部120A1及び信号検出部120A2を並列的に配列することもできる。なお、この妨害信号除去装置100Eでは、制御部130Eが、信号検出部120A1からの信号D11,D21及び信号検出部120A2からの信号D12,D22に基づいて信号選択部145を制御して、直交信号生成部110で生成された信号C1,S1、信号検出部120A1で生成された信号C6,S6、及び、信号検出部120A2で生成された信号C10,S10のいずれか1つを出力するようになっている。この妨害信号除去装置100Eによれば、信号源910からの信号C0において、特定の2つの周波数領域のいずれかに妨害信号が存在する場合に、当該妨害妨害信号を除去することができる。
【0105】
また、上記の第1〜第4実施形態では、信号検出部120A(120B)が逆シフト算出部250A(250B)を有するようにしたが、例えばFM変調信号のように周波数の相対的な変化に情報が化体しているような場合には、逆シフト算出部250A(250B)を省略することもできる。
【0106】
また、上記の第1〜第4実施形態では、信号源910の信号C0を直交変調した信号S1を上述の(3)式で表される信号としたが、下記(23)式で表される場合であっても、シフト算出部220A(220B)における乗算又は加減算等を変更することにより、上記の第1〜第4実施形態の場合と同様に、所望の周波数帯域の信号成分を検出することができる。
S1(t)=F(t)・(−sin(ωC・t+φ)) …(23)
【0107】
また、上記の第1〜第3実施形態では1つの信号検出部120A(120B)を備え、上記の第4実施形態では2つの信号検出部120A1,120A2を備えるようにしたが、信号検出部120A(120B)と同等な信号検出部を3つ以上備えるようにし、除去したい妨害信号の性質に応じて、これらを直列的又は並列的に配置して、妨害信号除去装置を構成するようにしてもよい。
【0108】
また、第1〜第4実施形態における直交信号生成部、信号検出部及び信号選択部の機能は、信号源910からデジタル形式で信号C0が出力される場合には、DSP(Digital Signal Processor)におけるプログラムの実行によっても実現することができる。かかる場合には、上記の局部発振部210の機能は、位相又は角周波数を指定に従って、sin及びcosのテーブル参照をすることによって、上記C2,S2信号を発生させるようにすることができる。なお、こうしたプログラムは、CD−ROM、DVD等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配送の形態で取得されるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】本発明の第1実施形態に係る妨害信号除去装置の概略的な構成を示すブロック図である。
【図2】図1の装置における直交信号部の構成を示すブロック図である。
【図3】図1の装置における信号検出部の構成を示すブロック図である。
【図4】図3における局部発振部の構成を示すブロック図である。
【図5】図3におけるシフト算出部の構成を示すブロック図である。
【図6】図3におけるフィルタ部の構成を示すブロック図である。
【図7】図6におけるフィルタの特性の例を説明するための図(その1)である。
【図8】図6におけるフィルタの特性の例を説明するための図(その2)である。
【図9】図3における検出部の構成を示すブロック図である。
【図10】図3における逆シフト算出部の構成を示すブロック図である。
【図11】図1の装置による妨害信号の除去動作を説明するための図(その1)である。
【図12】図1の装置による妨害信号の除去動作を説明するための図(その2)である。
【図13】本発明の第2実施形態に係る妨害信号除去装置の概略的な構成を示すブロック図である。
【図14】図13の装置における信号検出部の構成を示すブロック図である。
【図15】図14におけるシフト算出部の構成を示すブロック図である。
【図16】図14における逆シフト算出部の構成を示すブロック図である。
【図17】本発明の第3実施形態に係る妨害信号除去装置の概略的な構成を示すブロック図である。
【図18】図17の装置による妨害信号探索動作を説明するための図である。
【図19】本発明の第4実施形態に係る妨害信号除去装置の概略的な構成を示すブロック図である。
【図20】図19におけるフィルタの特性の例を説明するための図(その1)である。
【図21】図19におけるフィルタの特性の例を説明するための図(その2)である。
【図22】図19の装置による妨害信号の除去動作を説明するための図(その1)である。
【図23】図19の装置による妨害信号の除去動作を説明するための図(その2)である。
【図24】図19の装置による妨害信号の除去動作を説明するための図(その3)である。
【図25】変形例の妨害信号除去装置の概略的な構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0110】
100A〜100E … 妨害信号除去装置
110 … 直交信号生成部(信号生成手段)
130A〜130E … 制御部(制御手段)
140,145 … 信号選択部(信号選択手段)
210 … 局部発振部(周波数シフト手段及び逆周波数シフト手段の一
部)
220A … シフト算出部(周波数シフト手段の一部)
230 … フィルタ部(信号検出手段の一部)
240 … 検出部(信号検出手段の一部)
250A … 逆シフト算出部(逆周波数シフト手段の一部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、妨害信号除去装置及び妨害信号除去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ラジオ放送受信や携帯電話等の移動通信端末装置の多くで採用されている直接変換受信における隣接チャンネルによる妨害を除去する等のために様々な技術が提案されている。こうした技術では、まず、アンテナで受信された高周波信号を、当該受信高周波信号について検出対象となり得る周波数範囲から大きく離れた周波数範囲であって、希望チャンネルからの放送波の中心周波数が所定の周波数(直接変換受信においては周波数=0)となるように周波数変換を行う。かかる周波数変換は、一般的に、希望チャンネルの種類に応じて定まる周波数の局部発振信号と、受信高周波信号とのスーパーヘテロダイン混合によって行われる。
【0003】
この後、通過させる信号の周波数帯域を変化させることができる可変フィルタを利用して、妨害波の有無や妨害波が存在する周波数帯域を検出する。そして、その検出による結果に基づいて、妨害波の影響が除去又は低減された信号を抽出するようになっている。(特許文献1及び特許文献2参照:以下、「従来例」と呼ぶ)。
【0004】
【特許文献1】特許第3335414号公報
【特許文献2】特許第3568102号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来例の技術では、可変フィルタを利用して妨害波の有無や妨害波が存在する周波数帯域を検出している。しかしながら、可変フィルタを構成すると、回路規模が大きくなってしまったり、デジタル演算量が多くなってしまう。さらに、妨害波の周波数帯域が一定ではない場合には、妨害波検出用の可変フィルタを設計すること自体が困難となってしまう。こうした事態を解消することが、本発明が解決すべき課題の一つとして挙げられる。
【0006】
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、入力信号が含む妨害信号を簡易に除去することができる妨害信号除去装置及び妨害信号除去方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、第1同相信号及び前記第1同相信号の直交信号である第1直交信号に関する周波数のシフト量及び第1シフト方向に基づいて、前記第1同相信号の周波数成分の周波数が前記第1シフト方向に前記第1シフト周波数だけシフトされた第2同相信号、及び、前記第1直交信号の周波数成分の周波数が前記第1シフト方向に前記第1シフト周波数だけシフトされた第2直交信号を生成する第1周波数シフト手段と;前記第2同相信号及び前記第2直交信号に含まれる予め定められた第1周波数範囲の信号成分を検出する第1信号検出手段と;前記第1同相信号及び前記第1直交信号の対と、前記第2同相信号及び前記第2直交信号から前記第1周波数範囲の信号成分を除去した第3同相信号及び第3直交信号に対応する第4同相信号及び第4直交信号の対のいずれかを、第5同相信号及び第5直交信号として選択的に出力する第1信号選択手段と;前記第1信号検出手段による検出手段に基づいて、前記第2同相信号及び前記第2直交信号の少なくとも一方の前記第1周波数範囲における妨害信号の有無の判定である第1判定を行い、前記第1判定の結果が肯定的であった場合には、前記第4同相信号及び前記第4直交信号の対の選択出力を前記第1信号選択手段に対して指令するとともに、前記第1判定の結果が否定的であった場合には、前記第1同相信号及び前記第1直交信号の対の選択出力を前記第1信号選択手段に対して指令する制御手段と;を備えることを特徴とする妨害信号除去装置である。
【0008】
請求項14に記載の発明は、第1同相信号及び前記第1同相信号の直交信号である第1直交信号に関する周波数のシフト量であるシフト周波数及びシフト方向に基づいて、前記第1同相信号の周波数成分の周波数が前記シフト方向に前記シフト周波数だけシフトされた第2同相信号、及び、前記第1直交信号の周波数成分の周波数が前記シフト方向に前記シフト周波数だけシフトされた第2直交信号を生成する周波数シフト工程と;前記第2同相信号及び前記第2直交信号に含まれる予め定められた周波数範囲の信号成分を検出する信号検出工程と;前記信号検出工程による検出工程に基づいて、前記第2同相信号及び前記第2直交信号の少なくとも一方の前記周波数範囲における妨害信号の有無の判定を行い、前記判定の結果が肯定的であった場合に、前記第2同相信号及び前記第2直交信号から前記周波数範囲の信号成分を除去した第3同相信号及び第3直交信号に対応する第4同相信号及び第4直交信号の対の選択出力を行う第1信号選択工程と;前記判定の結果が否定的であった場合に、前記第1同相信号及び前記第1直交信号の対の選択出力を行う第2信号選択工程と;を備えることを特徴とする妨害信号除去方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下の説明においては、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0010】
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態を、図1〜図12を参照しつつ説明する。
【0011】
<構成>
図1には、本実施形態に係る妨害信号除去装置100Aの概略的な構成がブロック図にて示されている。この妨害信号除去装置100Aは、信号源910から出力された信号C0における妨害信号を除去する装置であり、図1に示されるように、妨害信号除去装置100Aは、信号生成手段としての直交信号生成部110と、信号検出部120Aと、制御手段としての制御部130Aと、信号選択手段としての信号選択部140とを備えている。
【0012】
なお、本実施形態においては、説明を簡略化するため、信号C0は、次の(1)式によって表されるものとする。
C0(t)∝F(t)・cos(ωC・t+φ) …(1)
【0013】
かかる(1)式で表される信号としては、例えば、一般的なラジオ受信機におけるチューナ部から出力される中間周波数信号等を挙げることができる。
【0014】
直交信号生成部110は、図2に示されるように、直交変調器111を備えている。この直交信号生成部110は、信号C0と同相の信号であり、下記の(2)式で表される信号C1と、信号C0が直交変調された信号であり、下記の(3)式で表される信号S1とを生成する。生成された信号C1,S1は、信号検出部120A及び信号選択部140へ出力される。
C1(t)=F(t)・cos(ωC・t+φ) …(2)
S1(t)=F(t)・sin(ωC・t+φ) …(3)
【0015】
信号検出部120Aは、制御部130Aによる制御のもとで、直交信号生成部110から出力された信号C1,S1における所望の周波数帯域の信号成分の検出を行うとともに、信号C1,S1における当該所望の周波数帯域以外の周波数帯域の信号成分を信号C6,S6として出力する。この信号検出部120Aについては、後述する。
【0016】
制御部130Aは、中央処理装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び周辺回路等を備えて構成される。この制御部130Aには、不図示のキーボード等の操作入力デバイス等が接続されるようになっている。
【0017】
制御部130Aは、操作入力デバイスに入力された妨害信号の有無を検出すべき信号の周波数帯域の指定に応じて、信号C1,S1に関する周波数シフトの量に対応するシフト角周波数ωSHをシフト周波数指定SFAとして信号検出部120Aへ送るとともに、後述するシフト算出部220A及び逆シフト算出部250Aへ指定するシフト方向をシフト方向指定SD1及びSD2として信号検出部120Aへ送る。また、制御部130Aは、信号検出部120Aからの検出結果D1,D2を受ける。そして、制御部130Aは、検出結果D1,D2に基づいて、妨害信号の有無を判定し、その判定の結果に基づいて、信号選択部140へ信号選択制御信号SLTにより、選択出力する信号を指定する。
【0018】
信号検出部120Aは、図3に示されるように、局部発振部210と、シフト算出部220Aと、フィルタ部230と、検出部240と、逆シフト算出部250Aとを備えている。ここで、局部発振部210と、シフト算出部220Aとから周波数シフト手段が構成される。また、フィルタ部230と、検出部240とから信号検出手段が構成される。また、局部発振部210と、逆シフト算出部250Aとから逆周波数シフト手段が構成される。
【0019】
局部発振部210は、図4に示されるように、発振器211と、90°移相器212とを備える。ここで、発振器211は電圧制御発振素子等を備えて構成され、制御部130Aからのシフト周波数指定SFAに従って、シフト周波数指定SFAに対応する角周波数ωSHを有する信号を発生する。また、90°移相器212は、発振器211によって発生された信号の位相を90°だけ移動させる。
【0020】
上記の発振器211と、90°移相器212とを利用して、局部発振部210は、次の(4)式で表される信号C2、及び、信号C2の直交信号であり、次の(5)式で表される信号S2を発生し、シフト算出部220Aへ出力する。
C2(t)=G・cosωSH・t …(4)
S2(t)=G・sinωSH・t …(5)
ここで、Gは定数である。
【0021】
シフト算出部220Aは、図5に示されるように、乗算器221〜224を備えている。また、シフト算出部220Aは、加減算器226,227とを備えている。
【0022】
乗算器221〜224のそれぞれは、端子Aで受けた信号と、端子Bで受けた信号との各時点における積を算出し、端子Cから算出結果を出力する。すなわち、乗算器221は、直交信号生成部110から出力された信号C1と、局部発振部210から出力された信号C2との各時点における積を算出して出力する。乗算器222は、直交信号生成部110から出力された信号S1と、局部発振部210から出力された信号S2との各時点における積を算出して出力する。乗算器223は、直交信号生成部110から出力された信号S1と、局部発振部210から出力された信号C2との各時点における積を算出して出力する。乗算器224は、直交信号生成部110から出力された信号C1と、局部発振部210から出力された信号S2との各時点における積を算出して出力する。
【0023】
加減算器226は、端子I1で乗算器221による算出結果を受けるとともに、端子I2で乗算器222による算出結果を受ける。そして、制御部130Aからのシフト方向指定SD1に従って、端子I1で受けた信号と、端子I2で受けた信号との各時点における差又は和を算出する。
【0024】
具体的には、制御部130Aからのシフト方向指定SD1によって+側への周波数シフトが指定されると、加減算器226は、端子I1で受けた信号の値から端子I2で受けた信号の値を減算する。この結果、次の(6)式で表される信号が、信号C3として生成される。
C3(t)=C1(t)・C2(t)−S1(t)・S2(t)
=G・F(t)・cos((ωC+ωSH)・t+φ) …(6)
【0025】
すなわち、上述した信号C1に関して角周波数ωSHだけ+側に周波数シフトした信号が、信号C3として生成される。こうして生成された信号C3は、加減算器226の端子Oからフィルタ部230へ出力される。
【0026】
また、制御部130Aからのシフト方向指定SD1によって−側への周波数シフトが指定されると、加減算器226は、端子I1で受けた信号の値に端子I2で受けた信号の値を加算する。この結果、次の(7)式で表される信号が、信号C3として生成される。
C3(t)=C1(t)・C2(t)+S1(t)・S2(t)
=G・F(t)・cos((ωC−ωSH)・t+φ) …(7)
【0027】
すなわち、上述した信号C1に関して角周波数ωSHだけ−側に周波数シフトした信号が、信号C3として生成される。こうして生成された信号C3は、加減算器226の端子Oからフィルタ部230へ出力される。
【0028】
加減算器227は、端子I1で乗算器223による算出結果を受けるとともに、端子I2で乗算器224による算出結果を受ける。そして、制御部130Aからのシフト方向指定SD1に従って、端子I1で受けた信号と、端子I2で受けた信号との各時点における和又は差を算出する。
【0029】
具体的には、制御部130Aからのシフト方向指定SD1によって+側への周波数シフトが指定されると、加減算器227は、端子I1で受けた信号の値に端子I2で受けた信号の値を加算する。この結果、次の(8)式で表される信号が、信号S3として生成される。
S3(t)=S1(t)・C2(t)+C1(t)・S2(t)
=G・F(t)・sin((ωC+ωSH)・t+φ) …(8)
【0030】
すなわち、上述した信号S1に関して角周波数ωSHだけ+側に周波数シフトした信号が、信号S3として生成される。こうして生成された信号S3は、加減算器227の端子Oからフィルタ部230へ出力される。
【0031】
また、制御部130Aからのシフト方向指定SD1によって−側への周波数シフトが指定されると、加減算器227は、端子I1で受けた信号の値から端子I2で受けた信号の値を減算する。この結果、次の(9)式で表される信号が、信号S3として生成される。
S3(t)=S1(t)・C2(t)−C1(t)・S2(t)
=G・F(t)・sin((ωC−ωSH)・t+φ) …(9)
【0032】
すなわち、上述した信号S1に関して角周波数ωSHだけ−側に周波数シフトした信号が、信号S3として生成される。こうして生成された信号S3は、加減算器227の端子Oからフィルタ部230へ出力される。
【0033】
フィルタ部230は、図6に示されるように、フィルタ231と、フィルタ232と、フィルタ233と、フィルタ234とを備えている。ここで、フィルタ231と、フィルタ232とは同一の周波数成分に対しては、同一の所定の透過特性を有している。フィルタ231は、シフト算出部220Aからの信号C3における所定の周波数成分を選択的に通過させ、信号C4として逆シフト算出部250Aへ出力する。また、フィルタ232は、シフト算出部220Aからの信号S3における所定の周波数成分を選択的に通過させ、信号S4として逆シフト算出部250Aへ出力する。
【0034】
これらの信号C4,S4は、シフト方向指定SD1によって+側への周波数シフトが指定された場合には、次の(10)及び(11)式のように表される。
C4(t)=G・F’(t)・cos((ωC+ωSH)・t+φ) …(10)
S4(t)=G・F’(t)・sin((ωC+ωSH)・t+φ) …(11)
【0035】
また、信号C4,S4は、シフト方向指定SD1によって−側への周波数シフトが指定された場合には、次の(12)及び(13)式のように表される。
C4(t)=G・F’(t)・cos((ωC−ωSH)・t+φ) …(12)
S4(t)=G・F’(t)・sin((ωC−ωSH)・t+φ) …(13)
【0036】
また、フィルタ233と、フィルタ234とは、フィルタ231,232が通過させる周波数帯域の信号を遮断し、フィルタ231,232が遮断する周波数帯域の信号を透過させる透過特性を有している。フィルタ233は、シフト算出部220Aからの信号C3における上記の所定の周波数成分以外の周波数成分を選択的に通過させ、信号C5として検出部240へ出力する。また、フィルタ234は、シフト算出部220Aからの信号S3における上記の所定の周波数成分以外の周波数成分を選択的に通過させ、信号S5として検出部240へ出力する。
【0037】
これらの信号C5,S5は、シフト方向指定SD1によって+側への周波数シフトが指定された場合には、次の(14)及び(15)式のように表される。
C5(t)=G・F”(t)・cos((ωC+ωSH)・t+φ) …(14)
S5(t)=G・F”(t)・sin((ωC+ωSH)・t+φ) …(15)
ここで、F”(t)=F(t)−F’(t)
【0038】
また、信号C5,S5は、シフト方向指定SD1によって−側への周波数シフトが指定された場合には、次の(16)及び(17)式のように表される。
C5(t)=G・F”(t)・cos((ωC−ωSH)・t+φ) …(16)
S5(t)=G・F”(t)・sin((ωC−ωSH)・t+φ) …(17)
【0039】
フィルタ231,232,233,234は、フィルタ231,232の透過特性と、フィルタ233,234の透過特性とが上述のように相反するとの条件を満たせば、ローパスフィルタ(LPF)、バンドパスフィルタ(BPF)及びハイパスフィルタ(HPF)、並びにこれらの組合せの内の任意のものとすることができる。なお、本実施形態では、フィルタ231及びフィルタ232として、図7に示されるような透過特性(カットオフ角周波数=ωHP)を有するローパスフィルタを採用するとともに、フィルタ233及びフィルタ234として、図8に示されるような透過特性(カットオフ角周波数=ωHP)を有するハイパスフィルタを採用している。ここで、ローパスフィルタ231,232とハイパスフィルタ233,234とを別途に設けるようにしているが、例えばフィルタとしてはローパスフィルタ231,232のみを用意し、信号C3(t)から信号C4(t)を減算して信号C5(t)を得るとともに、信号S3(t)から信号S4(t)を減算して信号S5(t)を得るようにすることもできる。また、フィルタとしてはハイパスフィルタ233,234のみを用意し、信号C3(t)から信号C5(t)を減算して信号C4(t)を得るとともに、信号S3(t)から信号S5(t)を減算して信号S4(t)を得るようにすることもできる。
【0040】
検出部240は、図9に示されるように、信号検出器241と、信号検出器242とを備えている。信号検出器241は、フィルタ部230からの信号C5を検出し、検出結果D1として制御部130Aへ出力する。また、信号検出器242は、フィルタ部230からの信号S5を検出し、検出結果D2として制御部130Aへ出力する。
【0041】
逆シフト算出部250Aは、図10に示されるように、シフト算出部220Aにおける乗算器221〜224と同様の乗算器251〜254と、シフト算出部220Aにおける加減算器226,227と同様の加減算器256,257とを備えている。そして、逆シフト算出部250Aは、シフト算出部220Aと同様に構成されている。なお、乗算器251〜254においては、上述した(4)及び(5)式における定数Gを考慮し、(1/G2)の係数が乗じられた結果が出力されるようになっている。
【0042】
この逆シフト算出部250Aに対しては、制御部130Aは、シフト方向指定SD2によって、上述したシフト方向指定SD1によって指定されるシフト方向とは逆方向のシフト方向が指定されるようになっている。すなわち、シフト方向指定SD1によって+方向へのシフトが指定される場合には、シフト方向指定SD2によって−方向へのシフトが指定されるようになっている。また、シフト方向指定SD1によって−方向へのシフトが指定される場合には、シフト方向指定SD2によって+方向へのシフトが指定されるようになっている。この結果、逆シフト算出部250Aは、フィルタ部230からの信号C4,S4に対して、上記のシフト算出部220Aが信号C1,S1に対して行った周波数シフトと逆の周波数シフトを行う。
【0043】
具体的には、制御部130Aからのシフト方向指定SD1によって+側への周波数シフトが指定されたことに伴い、シフト方向指定SD2によって−側への周波数シフトが指定されると、次の(18)及び(19)式で表される信号C6、S6として生成される。
C6(t)=(C4(t)・C2(t)+S4(t)・S2(t))/G2
=F’(t)・cos(ωC・t+φ) …(18)
S6(t)=(S4(t)・C2(t)−C4(t)・S2(t))/G2
=F’(t)・sin(ωC・t+φ) …(19)
【0044】
また、制御部130Aからのシフト方向指定SD1によって−側への周波数シフトが指定されたことに伴い、シフト方向指定SD2によって+側への周波数シフトが指定されると、次の(20)及び(21)式で表される信号C6、S6として生成される。
C6(t)=(C4(t)・C2(t)−S4(t)・S2(t))/G2
=F’(t)・cos(ωC・t+φ) …(20)
S6(t)=(S4(t)・C2(t)+C4(t)・S2(t))/G2
=F’(t)・sin(ωC・t+φ) …(21)
【0045】
すなわち、逆シフト算出部250Aにおいては、信号C4,S4における各周波数成分が、信号C1,S1(すなわち、信号C0)の時点で有していた周波数に戻された信号C6,S6が生成される。そして、信号C6,S6が、逆シフト算出部250Aから信号選択部140へ出力される。
【0046】
信号選択部140は、2入力1出力のセレクタ素子(不図示)を2つ備えて構成される。この信号選択部140は、制御部130Aからの信号選択制御信号SLTによる選択出力指定に従って、信号C1,S1の対及び信号C6,S6の対の一方を選択し、信号C7,S7として出力する。そして、信号C7、S7は、出力端子1501,1502から装置外部へ出力される。
【0047】
<動作>
次に、上記のように構成された妨害信号除去装置100Aにおける妨害信号除去動作について説明する。なお、以下の説明においては、信号源910からの信号C0には、図11(A)に示されるように、希望信号SGに加えて、妨害信号NZが含まれている場合に主に着目して説明する。
【0048】
まず、操作入力デバイス(不図示)からの周波数シフト量に対応するシフト角周波数ωSHの指令入力に従って、制御部130Aが、シフト周波数指定SFAにより、シフト角周波数ωSHを信号検出部120Aの局部発振部210へ通知する。この結果、局部発振部210は、角周波数ωSHを有する信号C2,S2を生成する(上述の(4)及び(5)式参照)。
【0049】
また、制御部130Aは、シフト方向指定SD1,SD2によりシフト算出部220A及び逆シフト算出部250Aにおける周波数シフト方向を指定する。なお、上述したように、シフト方向指定SD1により指定されるシフト方向と、シフト方向指定SD2により指定されるシフト方向とは、互いに逆方向となっている。
【0050】
一方、直交信号生成部110は、信号源910からの信号C0から、信号C1と、信号C1の直交信号S1を生成する(上述の(2)及び(3)式参照)。直交信号生成部110は、こうして生成された信号C1,S1をシフト算出部220Aへ送る。
【0051】
この結果、シフト算出部220Aにおいて、信号C1,S1に関して、シフト方向指定SD1により指定されるシフト方向に角周波数ωSHだけ周波数シフトされた信号C3,S3が生成される。こうして生成された信号C3,S3の例が、図11(B)に示されている。なお、図11(B)には、シフト方向指定SD1により指定されるシフト方向が−方向であった場合の例が示されている。
【0052】
こうして生成された信号C3,S3は、フィルタ部230において、検出部240へ向かう角周波数ωHPよりも大きな角周波数を有する信号C5,S5(図11(C)参照)と、逆シフト算出部250Aへ向かう角周波数ωHP以下の角周波数を有する信号C4,S4(図12(A)参照)とに分離される。そして、信号C4,S4は、逆シフト算出部250Aにおいて、上述したシフト算出部220Aで行われた周波数シフトとは逆の周波数シフトが行われて、信号C6,S6が生成される(図12(B)参照)。
【0053】
一方、信号C5,S5は、検出部240で受信されて検出される。この結果、シフト方向指定SD1により指定されるシフト方向が+方向であった場合には、信号源910からの入力信号C0における角周波数(ωHP−ωSH)よりも高い角周波数に対応する周波数帯域の信号成分に相当する信号の検出が検出部240において行われる。また、シフト方向指定SD1により指定されるシフト方向が−方向であった場合には、信号源910からの入力信号C0における角周波数(ωHP+ωSH)よりも高い角周波数に対応する周波数帯域の信号成分に相当する信号の検出が検出部240において行われる。検出部240における検出結果は、信号D1,D2として、制御部130Aへ送られる。
【0054】
制御部130Aは、信号D1,D2に基づいて、信号C5,S5に妨害信号が含まれているか否かを判定する。かかる判定は、例えば、信号D1,D2の少なくとも一方が所定値以上であるか否かを判定することによって行われる。
【0055】
当該妨害信号の有無の判定の結果、信号C5,S5に妨害信号が含まれていると判定された場合には、制御部130Aは、信号選択部140に対して、信号C6,S6を選択出力すべきことを、信号選択制御信号SLTにより指定する。この結果、信号選択部140からは信号C6,S6が選択された後、出力信号C7,S7として、出力端子1501,1502から出力される。
【0056】
一方、当該妨害信号の有無の判定の結果、信号C5,S5に妨害信号が含まれていないと判定された場合には、制御部130Aは、信号選択部140に対して、信号C1,S1を選択出力すべきことを、信号選択制御信号SLTにより指定する。この結果、信号選択部140からは信号C1,S1が選択された後、出力信号C7,S7として、出力端子1501,1502から出力される。
【0057】
以上説明したように、本実施形態では、信号源910からの信号C0の同相信号C1及びその直交信号S1、並びに制御部130Aが指定したシフト周波数を有する局部発振信号C2及びその直交信号S2に基づいて、制御部130Aが指定したシフト方向に信号C1,S1をシフト周波数だけシフトさせた信号C3,S3を生成する。引き続き、信号C3,S3における固定的な周波数帯域を固定的なフィルタで抽出して検出することにより、妨害信号の有無を検出する。そして、当該妨害信号の有無の検出結果に基づいて、信号C1,S1の対、及び、当該固定的な周波数帯域における信号成分が除去された信号C6,S6の対のいずれかを、妨害信号除去装置100Aの出力信号とする。したがって、信号源910からの信号C0における妨害信号を簡易に除去することができる。
【0058】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を、図13〜図16を主に参照しつつ説明する。
【0059】
<構成>
図13に示されるように、本実施形態の妨害信号除去装置100Bは、上述した第1実施形態の妨害信号除去装置100Aと比べて、信号検出部120Aに代えて信号検出部120Bを備える点、及び、制御部130Aに代えて制御部130Bを備える点のみが異なっている。ここで、制御部130Bは、制御部130Aが、シフト周波数指定SFAにより必ず正のシフト周波数を指定し、シフト方向指定SD1,SD2によりシフト方向を指定するのに対して、シフト周波数指定SFBにより符号付のシフト周波数を指定することにより、シフト周波数及びシフト方向を指定するようになっている。
【0060】
信号検出部120Bは、図14に示されるように、信号検出部120Aと比べて、シフト算出部220Aに変えてシフト算出部220Bを備える点、及び、逆シフト算出部250Aに代えて逆シフト算出部250Bを備える点のみが異なっている。ここで、シフト算出部220Bは、図15に示されるように、上述のシフト算出部220Aと比べて、加減算器226に代えて減算器228を備える点、及び、加減算器227に代えて加算器229を備える点のみが異なっている。また、逆シフト算出部250Bは、図16に示されるように、上述のシフト算出部250Aと比べて、加減算器256に代えて加算器258を備える点、及び、加減算器257に代えて減算器259を備える点のみが異なっている。
【0061】
<動作>
上記のように構成された妨害信号除去装置100Bでは、操作入力デバイス(不図示)からの周波数シフト量及びシフト方向の指令入力に従って、制御部130Bが、シフト周波数指定SFBにより、符号付のシフト角周波数ωSHを信号検出部120Bに送る。以後、上述の妨害信号除去装置100Aの場合と同様にして、妨害信号の除去動作を行う。
【0062】
このため、本実施形態では、第1実施形態の場合と同様に、信号源910からの信号C0の同相信号C1及びその直交信号S1を周波数シフトした後、固定的な周波数帯域を固定的なフィルタで抽出して検出することにより、妨害信号の有無を検出する。そして、当該妨害信号の有無の検出結果に基づいて、信号C1,S1の対、及び、当該固定的な周波数帯域における信号成分が除去された信号C6,S6の対のいずれかを、妨害信号除去装置100Bの出力信号とする。したがって、信号源910からの信号C0における妨害信号を簡易に除去することができる。
【0063】
また、シフト方向の切り換えのために上述の第1実施形態の場合のようにシフト方向指令を切り換える必要がないので、シフト方向を−方向から+方向へ、又は、+方向から−方向へ連続的に変化させることを容易に制御することができる。
【0064】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を、図17及び図18を主に参照しつつ説明する。
【0065】
<構成>
図17に示されるように、本実施形態の妨害信号除去装置100Cは、上述した第1実施形態の妨害信号除去装置100Aと比べて、制御部130Aに代えて制御部130Cを備える点のみが異なっている。この制御部130Cは、検出部240による検出結果を考慮して、シフト角周波数ωSHを自動的に変更するようになっている。
【0066】
本実施形態では、信号源910からの信号C0のスペクトル分布において、角周波数ωCよりも角周波数が高い周波数帯域に、妨害信号のピークが存在する場合に、当該ピークに対応する信号成分の殆ど全てがフィルタ部を通過するようになるまで、−方向において、十分に大きなシフト角周波数から徐々にシフト角周波数を小さくしていくように変化させるようになっている。
【0067】
<動作>
上記のように構成された妨害信号除去装置100Cの動作について、上述した妨害信号除去装置100Aの動作と相違点である妨害信号除去装置100Cにおける妨害信号のピークの探索動作に主に着目して説明する。
【0068】
まず、制御部130Cが、シフト周波数指定SFAにより、シフト角周波数ωSHが十分に大きな角周波数ωSH1である旨を局部発振部210へ通知するとともに、シフト方向指定SD1により、シフト方向が−方向である旨をシフト算出部220Aへ通知する。この結果、局部発振部210は、角周波数ωSH1の信号C2,S2が生成され、シフト算出部220Aへ送られる。
【0069】
一方、シフト算出部220Aへは、上述のように、直交信号生成部110から信号C1,S1が送られているので、シフト算出部220Aでは、信号C1,S1に対して−方向へ角周波数ωSH1だけ周波数シフトが行われたものが、信号C3,S3として出力される(図18(A)参照)。そして、信号C3,S3における角周波数ωHPよりも高い角周波数に対応する周波数帯域の信号成分が、フィルタ部230を介して検出部240において検出される。この結果、信号源910からの入力信号C0における角周波数(ωHP+ωSH1)よりも高い角周波数に対応する周波数帯域の信号成分に相当する信号の検出が検出部240において行われる。こうして得られた検出結果は、制御部130Cに報告される。
【0070】
以後、制御部130Cは、シフト方向として−方向を維持して、シフト角周波数ωSHを徐々に小さくしていきつつ、フィルタ部230によって抽出された信号成分が検出部240により検出されて、制御部130Cに報告される。こうして得られた検出結果の変化に基づいて、制御部130Cは、信号C0のスペクトル分布において角周波数ωCよりも角周波数が高い周波数帯域に妨害信号のピークが存在し、かつ、当該ピークに対応する信号成分の殆ど全てがフィルタ部を通過するようになったかを判定する。そして、図18(B)に示されるように、シフト角周波数ωSHがωSH2となり、当該判定が肯定的となると、制御部130Cは、シフト角周波数ωSHの変更を中止する。
【0071】
以上のような妨害信号のピークの探索を行いつつ、妨害信号除去装置100Cは、妨害信号除去装置100Aにおけると同様に妨害信号の除去を行う。
【0072】
なお、検出結果を考慮したシフト角周波数ωSHの変更の態様は、上記に限定されるものではなく、任意の態様とすることができる。
【0073】
以上説明したように、本実施形態では、第1及び第2実施形態の場合と同様に、信号源910からの信号C0の同相信号C1及びその直交信号S1を周波数シフトした後、固定的な周波数帯域を固定的なフィルタで抽出して検出することにより、妨害信号の有無を検出する。そして、当該妨害信号の有無の検出結果に基づいて、信号C1,S1の対、及び、当該固定的な周波数帯域における信号成分が除去された信号C6,S6の対のいずれかを、妨害信号除去装置100Cの出力信号とする。したがって、信号源910からの信号C0における妨害信号を簡易に除去することができる。
【0074】
また、制御部130Cが、検出部240における検出結果を考慮して、シフト角周波数ωSHを自動的に変更する。このため、信号源910からの信号C0における妨害信号が存在する周波数帯域の信号成分を自動的に特定することができる。
【0075】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態を、図19〜図24を主に参照しつつ説明する。
【0076】
<構成>
図19に示されるように、本実施形態の妨害信号除去装置100Dは、直交信号生成部110と、信号検出部120A1と、信号選択部1401と、信号検出部120A2と、信号選択部1402と、制御部130Dとを備えている。ここで、信号選択部1401及び信号選択部1402は、上述した第1及び第3実施形態における信号検出部140と全く同様に構成されている。
【0077】
信号検出部120A1は、上述した第1及び第3実施形態における信号検出部120Aと全く同様に構成されている。また、信号検出部120A2は、信号検出部120A1と比べて、フィルタ部の特性が異なっている点のみが相違している。なお、以下の説明においては、信号検出部120A1の構成要素及び内部信号については添字「1」を付すとともに、信号検出部120A2の構成要素及び内部信号については添字「2」を付すものとする。
【0078】
本実施形態では、信号検出部120A2のフィルタ部2302におけるフィルタ2312,2322は、図20に示されるような透過特性(カットオフ角周波数=ωLP)を有するハイパスフィルタを採用するとともに、フィルタ2332及びフィルタ2342として、図21に示されるような透過特性(カットオフ角周波数=ωLP)を有するローパスフィルタを採用している。
【0079】
図19に戻り、信号検出部120A2は、制御部130Dによる制御のもとで、信号選択部1401から出力された信号C7,S7に対して、信号C1,S1に対して信号検出部120A1において行われる処理(すなわち、上述の信号検出部120Aにおいて行われる処理)と同様の処理を行う。この処理の結果として、信号検出部120A2は、信号C8,S8を信号選択部1402へ出力するとともに、検出部2402による検出結果を信号D12,D22として、制御部130Dへ出力する。
【0080】
信号選択部1402は、制御部130Dによる制御のもとで、信号C7,S7の対及び信号C8,S8の対の一方を選択し、信号C9,S9として出力する。そして、信号C9、S9は、出力端子1501,1502から装置外部へ出力される。
【0081】
制御部130Dは、第1実施形態における制御部130Aと同様に、中央処理装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び周辺回路等を備えて構成される。この制御部130Dは、操作入力デバイスに入力された妨害信号の有無を検出すべき信号の周波数帯域の指定に応じて、信号C1,S1に関する周波数シフトの量に対応するシフト角周波数ωSHをシフト周波数指定SFA1として信号検出部120A1における局部発振部2101へ送る。また、制御部130Dは、信号C7,S7に関する周波数シフトの量に対応するシフト角周波数ωSLをシフト周波数指定SFA2として信号検出部120A2における局部発振部2102へ送る。
【0082】
制御部130Dは、信号検出部120A1におけるシフト算出部220A1及び逆シフト算出部250A1へ、シフト方向をシフト方向指定SD11及びSD21として送る。また、制御部130Dは、信号検出部120A2におけるシフト算出部220A2及び逆シフト算出部250A2へ、シフト方向をシフト方向指定SD12及びSD22として送る。
【0083】
制御部130Dは、信号検出部120A1における検出部2401からの検出結果D11,D21、及び、信号検出部120A2における検出部2402からの検出結果D12,D22を受ける。そして、制御部130Dは、これらの検出結果D11,D21,D12,D22に基づいて、妨害信号の有無を判定し、その判定の結果に基づいて、信号選択部1401に対して信号選択制御信号SLT1により選択出力する信号を指定するとともに、信号選択部1402に対して信号選択制御信号SLT2により選択出力する信号を指定する。
【0084】
<動作>
上記のように構成された妨害信号除去装置100Dでは、以下のようにして妨害信号の除去を行う。なお、以下の説明においては、信号源910からの信号C0には、図22(A)に示されるように、希望信号SGに加えて、高周波側に妨害信号NZHが含まれるとともに、低周波側に妨害信号NZLが存在している場合に主に着目して説明する。
【0085】
まず、制御部130Dが、操作入力デバイスからの周波数帯域指定に従って、信号検出部120A1へシフト角周波数ωSH及びシフト方向を、シフト周波数指定SFA1及びシフト方向指定SD11,SD21として送るとともに、信号検出部120A2へシフト角周波数ωSL及びシフト方向を、シフト周波数指定SFA2及びシフト方向指定SD12,SD22として送る。
【0086】
この結果、信号検出部120A1においては、上述した第1実施形態の信号検出部120Aの場合と同様の処理が行われる。すなわち、シフト算出部220A1において、信号C1,S1に関して、シフト方向指定SD11により指定されるシフト方向に角周波数ωSHだけ周波数シフトされた信号C31,S31が生成される(図22(B)参照)。こうして生成された信号C31,S31は、フィルタ部2301において、検出部2401へ向かう角周波数ωHPよりも大きな角周波数を有する信号C51,S51(図22(C)参照)と、逆シフト算出部250A1へ向かう角周波数ωHP以下の角周波数を有する信号C41,S41(図23(A)参照)とに分離される。そして、信号C41,S41は、逆シフト算出部250A1において、上述したシフト算出部220A1で行われた周波数シフトとは逆の周波数シフトが行われて、信号C6,S6が生成される(図23(B)参照)。
【0087】
一方、信号C51,S51は、検出部2401で受信されて検出される。そして、検出部2401における検出結果は、信号D11,D21として、制御部130Dへ送られる。制御部130Dは、信号D11,D21に加えて、信号検出部120A2から送られてきた後述する信号D12,D22を更に考慮して、信号C51,S51に妨害信号が含まれているか否かを判定する。
【0088】
当該信号C51,S51における妨害信号の有無の判定の結果、上述の図22(C)に示されるように、信号C51,S51に妨害信号が含まれていると判定された場合には、制御部130Dは、信号選択部1401に対して、信号C6,S6を選択出力すべきことを、信号選択制御信号SLT1により指定する。一方、信号C51,S51に妨害信号が含まれていないと判定された場合には、制御部130Dは、信号選択部1401に対して、信号C1,S1を選択出力すべきことを、信号選択制御信号SLT1により指定する。なお、図23(B)〜図24(C)には、信号C51,S51に妨害信号が含まれていると判定され、信号C6,S6が、信号選択部1401から信号C7,S7として選択出力された場合が示されている。
【0089】
こうして信号選択部1401から出力された信号C7,S7は、シフト算出部220A2において、信号C7,S7に関して、シフト方向指定SD12により指定されるシフト方向に角周波数ωSLだけ周波数シフトされた信号C32,S32が生成される(図23(C)参照)。なお、図23(C)には、シフト方向指定SD12により指定されるシフト方向が+方向であった場合の例が示されている。
【0090】
引き続き、信号C32,S32は、フィルタ部2302において、検出部2402へ向かう角周波数ωLPよりも小さな角周波数を有する信号C52,S52(図24(A)参照)と、逆シフト算出部250A2へ向かう角周波数ωLP以上の角周波数を有する信号C42,S42(図24(B)参照)とに分離される。そして、信号C42,S42は、逆シフト算出部250A2において、上述したシフト算出部220A2で行われた周波数シフトとは逆の周波数シフトが行われて、信号C8,S8が生成される(図24(C)参照)。
【0091】
一方、信号C52,S52は、検出部2402で受信されて検出される。そして、上述したように、検出部2402における検出結果は、信号D12,D22として、制御部130Dへ送られる。制御部130Dは、信号D11,D21,D12,D22に基づいて、上述した信号C51,S51に妨害信号が含まれているか否かを判定と同時に、信号C52,S52に妨害信号が含まれているか否かを判定する。かかる判定は、例えば、信号D12,D22の少なくとも一方が所定値以上であるか否か、信号D11,D21と信号D12,D22との関係等を考慮して行われる。なお、上述した信号C51,S51に妨害信号が含まれているか否かの判定についても、例えば、信号D11,D21の少なくとも一方が所定値以上であるか否か、信号D11,D21と信号D12,D22との関係等を考慮して行われる。
【0092】
当該信号C52,S52における妨害信号の有無の判定の結果、信号C52,S52に妨害信号が含まれていると判定された場合には、制御部130Dは、信号選択部1402に対して、信号C8,S8を選択出力すべきことを、信号選択制御信号SLT2により指定する。この結果、信号選択部1402からは信号C8,S8が選択された後、出力信号C9,S9として、出力端子1501,1502から出力される。
【0093】
一方、当該妨害信号の有無の判定の結果、信号C52,S52に妨害信号が含まれていないと判定された場合には、制御部130Dは、信号選択部1402に対して、信号C7,S7を選択出力すべきことを、信号選択制御信号SLT2により指定する。この結果、信号選択部1402からは信号C7,S7が選択された後、出力信号C9,S9として、出力端子1501,1502から出力される。
【0094】
以上説明したように、本実施形態では、第1〜第3実施形態の場合と同様に、信号源910からの信号C0の同相信号C1及びその直交信号S1を周波数シフトした後、固定的な周波数帯域を固定的なフィルタで抽出して検出することにより、妨害信号の有無を検出する。そして、当該妨害信号の有無の検出結果に基づいて、出力する信号を選択する。したがって、信号源910からの信号C0における妨害信号を簡易に除去することができる。
【0095】
また、2つの信号検出部120A1及び信号検出部120A2により、2つの周波数帯域について直列的に妨害信号の除去を行うので、信号源910からの信号C0における所望の2つの異なる周波数帯の信号成分を同時に除去することができる。例えば、希望局からの放送波の周辺における隣接局から放送波に由来する隣接妨害信号等を精度良く除去することができる。
【0096】
[実施形態の変形]
本発明は、上記の第1〜第4実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0097】
例えば、上記の第1〜第4実施形態では、信号源910の信号C0が上述の(1)式で表されるものとしたが、より一般的な次の(22)式で表される場合であっても、上記の上記の第1〜第4実施形態の場合と同様に、所望の周波数帯域の信号成分を検出することができる。
C0(t)=F1・cos(ω1・t+φ1)+F2・cos(ω2・t+φ2)+・・・
…(22)
【0098】
この場合には、直交信号生成部110は、90°移相器又はヒルベルト変換器等を備え、信号C0の同相信号C1と、信号C1の直交信号S1を生成するようにすればよい。
【0099】
また、上記の第1〜第4実施形態では、信号C0から同相信号C1及びその直交信号S1の生成に際して、直交信号生成部110が周波数帯域を変化させないようにした。これに対して、信号C0から同相信号C1及びその直交信号S1の生成に際しては、信号C0の周波数帯域をシフトさせつつ、同相信号C1及びその直交信号S1を生成するようにすることもできる。なお、この場合には、例えば、信号C0が上記の(1)式で表される場合には、信号C0の中心周波数と信号C1,C2の中心周波数とは異なることになるが、(1)式におけるF(t)に関する情報は、信号C1,C2においてもそのまま維持される。
【0100】
また、上記の第1〜第4実施形態では、信号源910の信号C0から信号C0の同相信号C1及びその直交信号S1を生成するようにしたが、信号源から同相信号及びその直交信号が出力される場合には、直交信号生成部110を省略することができる。
【0101】
また、上記の第1〜第4実施形態におけるフィルタ部の透過特性は一例であり、他の透過特性と設定することができる。
【0102】
また、第1実施形態に対する第2実施形態への変形、すなわち、符号付のシフト周波数の指定の採用を、第3及び第4実施形態に適用することもできる。
【0103】
また、第1実施形態に対する第3実施形態への変形、すなわち、検出結果を考慮したシフト周波数量の自動的な変更の採用を、第2及び第4実施形態に適用することもできる。
【0104】
また、上記の第4実施形態では、信号検出部120A1及び信号検出部120A2を直列的に配置したが、図25に示される妨害信号除去装置100Eのように、信号検出部120A1及び信号検出部120A2を並列的に配列することもできる。なお、この妨害信号除去装置100Eでは、制御部130Eが、信号検出部120A1からの信号D11,D21及び信号検出部120A2からの信号D12,D22に基づいて信号選択部145を制御して、直交信号生成部110で生成された信号C1,S1、信号検出部120A1で生成された信号C6,S6、及び、信号検出部120A2で生成された信号C10,S10のいずれか1つを出力するようになっている。この妨害信号除去装置100Eによれば、信号源910からの信号C0において、特定の2つの周波数領域のいずれかに妨害信号が存在する場合に、当該妨害妨害信号を除去することができる。
【0105】
また、上記の第1〜第4実施形態では、信号検出部120A(120B)が逆シフト算出部250A(250B)を有するようにしたが、例えばFM変調信号のように周波数の相対的な変化に情報が化体しているような場合には、逆シフト算出部250A(250B)を省略することもできる。
【0106】
また、上記の第1〜第4実施形態では、信号源910の信号C0を直交変調した信号S1を上述の(3)式で表される信号としたが、下記(23)式で表される場合であっても、シフト算出部220A(220B)における乗算又は加減算等を変更することにより、上記の第1〜第4実施形態の場合と同様に、所望の周波数帯域の信号成分を検出することができる。
S1(t)=F(t)・(−sin(ωC・t+φ)) …(23)
【0107】
また、上記の第1〜第3実施形態では1つの信号検出部120A(120B)を備え、上記の第4実施形態では2つの信号検出部120A1,120A2を備えるようにしたが、信号検出部120A(120B)と同等な信号検出部を3つ以上備えるようにし、除去したい妨害信号の性質に応じて、これらを直列的又は並列的に配置して、妨害信号除去装置を構成するようにしてもよい。
【0108】
また、第1〜第4実施形態における直交信号生成部、信号検出部及び信号選択部の機能は、信号源910からデジタル形式で信号C0が出力される場合には、DSP(Digital Signal Processor)におけるプログラムの実行によっても実現することができる。かかる場合には、上記の局部発振部210の機能は、位相又は角周波数を指定に従って、sin及びcosのテーブル参照をすることによって、上記C2,S2信号を発生させるようにすることができる。なお、こうしたプログラムは、CD−ROM、DVD等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配送の形態で取得されるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】本発明の第1実施形態に係る妨害信号除去装置の概略的な構成を示すブロック図である。
【図2】図1の装置における直交信号部の構成を示すブロック図である。
【図3】図1の装置における信号検出部の構成を示すブロック図である。
【図4】図3における局部発振部の構成を示すブロック図である。
【図5】図3におけるシフト算出部の構成を示すブロック図である。
【図6】図3におけるフィルタ部の構成を示すブロック図である。
【図7】図6におけるフィルタの特性の例を説明するための図(その1)である。
【図8】図6におけるフィルタの特性の例を説明するための図(その2)である。
【図9】図3における検出部の構成を示すブロック図である。
【図10】図3における逆シフト算出部の構成を示すブロック図である。
【図11】図1の装置による妨害信号の除去動作を説明するための図(その1)である。
【図12】図1の装置による妨害信号の除去動作を説明するための図(その2)である。
【図13】本発明の第2実施形態に係る妨害信号除去装置の概略的な構成を示すブロック図である。
【図14】図13の装置における信号検出部の構成を示すブロック図である。
【図15】図14におけるシフト算出部の構成を示すブロック図である。
【図16】図14における逆シフト算出部の構成を示すブロック図である。
【図17】本発明の第3実施形態に係る妨害信号除去装置の概略的な構成を示すブロック図である。
【図18】図17の装置による妨害信号探索動作を説明するための図である。
【図19】本発明の第4実施形態に係る妨害信号除去装置の概略的な構成を示すブロック図である。
【図20】図19におけるフィルタの特性の例を説明するための図(その1)である。
【図21】図19におけるフィルタの特性の例を説明するための図(その2)である。
【図22】図19の装置による妨害信号の除去動作を説明するための図(その1)である。
【図23】図19の装置による妨害信号の除去動作を説明するための図(その2)である。
【図24】図19の装置による妨害信号の除去動作を説明するための図(その3)である。
【図25】変形例の妨害信号除去装置の概略的な構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0110】
100A〜100E … 妨害信号除去装置
110 … 直交信号生成部(信号生成手段)
130A〜130E … 制御部(制御手段)
140,145 … 信号選択部(信号選択手段)
210 … 局部発振部(周波数シフト手段及び逆周波数シフト手段の一
部)
220A … シフト算出部(周波数シフト手段の一部)
230 … フィルタ部(信号検出手段の一部)
240 … 検出部(信号検出手段の一部)
250A … 逆シフト算出部(逆周波数シフト手段の一部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1同相信号及び前記第1同相信号の直交信号である第1直交信号に関する周波数のシフト量である第1シフト周波数及び第1シフト方向に基づいて、前記第1同相信号の周波数成分の周波数が前記第1シフト方向に前記第1シフト周波数だけシフトされた第2同相信号、及び、前記第1直交信号の周波数成分の周波数が前記第1シフト方向に前記第1シフト周波数だけシフトされた第2直交信号を生成する第1周波数シフト手段と;
前記第2同相信号及び前記第2直交信号に含まれる予め定められた第1周波数範囲の信号成分を検出する第1信号検出手段と;
前記第1同相信号及び前記第1直交信号の対と、前記第2同相信号及び前記第2直交信号から前記第1周波数範囲の信号成分を除去した第3同相信号及び第3直交信号に対応する第4同相信号及び第4直交信号の対のいずれかを、第5同相信号及び第5直交信号として選択的に出力する第1信号選択手段と;
前記第1信号検出手段による検出手段に基づいて、前記第2同相信号及び前記第2直交信号の少なくとも一方の前記第1周波数範囲における妨害信号の有無の判定である第1判定を行い、前記第1判定の結果が肯定的であった場合には、前記第4同相信号及び前記第4直交信号の対の選択出力を前記第1信号選択手段に対して指令するとともに、前記第1判定の結果が否定的であった場合には、前記第1同相信号及び前記第1直交信号の対の選択出力を前記第1信号選択手段に対して指令する制御手段と;を備えることを特徴とする妨害信号除去装置。
【請求項2】
前記第4同相信号及び前記第4直交信号は、前記第3同相信号及び前記第3直交信号そのものである、ことを特徴とする請求項1に記載の妨害信号除去装置。
【請求項3】
前記第3同相信号の周波数成分の周波数を前記第1シフト方向の反対方向に前記第1シフト周波数だけシフトさせて前記第4同相信号を生成するとともに、前記第3直交信号の周波数成分の周波数を前記第1シフト方向の反対方向に前記第1シフト周波数だけシフトさせて前記4直交信号を生成する第1逆周波数シフト手段を更に備える、ことを特徴とする請求項1に記載の妨害信号除去装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記第1周波数シフト手段に対して前記第1シフト周波数及び前記第1シフト方向を指定する、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の妨害信号除去装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記第1信号検出手段による検出結果を考慮して、前記第1シフト周波数及び前記第1シフト方向を決定する、ことを特徴とする請求項4に記載の妨害信号除去装置。
【請求項6】
前記第5同相信号及び前記第5直交信号に関する周波数のシフト量である第2シフト周波数及び第2シフト方向に基づいて、前記第5同相信号の周波数成分の周波数が前記第2シフト方向に前記第2シフト周波数だけシフトされた第6同相信号、及び、前記第5直交信号の周波数成分の周波数が前記第2シフト方向に前記第2シフト周波数だけシフトされた第6直交信号を生成する第2周波数シフト手段と;
前記第6同相信号及び前記第6直交信号に含まれる予め定められた第2周波数範囲の信号成分を検出する第2信号検出手段と;
前記第5同相信号及び前記第5直交信号の対と、前記第6同相信号及び前記第6直交信号から前記第2周波数範囲の信号成分を除去した第7同相信号及び第7直交信号に対応する第8同相信号及び第8直交信号の対のいずれかを選択的に出力する第2信号選択手段と;を更に備え、
前記制御手段は、前記第1信号検出手段による検出結果に加えて、前記第2信号検出手段による検出結果を考慮して、前記第2同相信号及び前記第2直交信号の少なくとも一方の前記第1周波数範囲、並びに、前記第6同相信号及び前記第6直交信号の少なくとも一方の前記第2周波数範囲における妨害信号の有無の判定である第2判定を行い、前記第2判定の結果に基づいて、前記第1信号選択手段及び前記第2信号選択手段に対して選択出力指令を発行する、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の妨害信号除去装置。
【請求項7】
前記第1同相信号及び前記第1直交信号に関する周波数のシフト量である第2シフト周波数及び第2シフト方向に基づいて、前記第1同相信号の周波数成分の周波数が前記第2シフト方向に前記第2シフト周波数だけシフトされた第6同相信号、及び、前記第1直交信号の周波数成分の周波数が前記第2シフト方向に前記第2シフト周波数だけシフトされた第6直交信号を生成する第2周波数シフト手段と;
前記第6同相信号及び前記第6直交信号に含まれる予め定められた第2周波数範囲の信号成分を検出する第2信号検出手段と;を更に備え、
前記第1信号選択手段は、前記第1同相信号及び前記第1直交信号の対と、前記5同相信号及び前記第5直交信号の対とに、前記第6同相信号及び前記第6直交信号から前記第2周波数範囲の信号成分を除去した第7同相信号及び第7直交信号に対応する第8同相信号及び第8直交信号の対を加えた3つの信号対におけるいずれか1つの信号対を選択的に出力し、
前記制御手段は、前記第1信号検出手段による検出結果に加えて、前記第2信号検出手段による検出結果を考慮して、前記第2同相信号及び前記第2直交信号の少なくとも一方の前記第1周波数範囲、並びに、前記第6同相信号及び前記第6直交信号の少なくとも一方の前記第2周波数範囲における妨害信号の有無の判定である第2判定を行い、前記第2判定の結果に基づいて、前記第1信号選択手段に対して選択出力指令を発行する、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の妨害信号除去装置。
【請求項8】
前記第8同相信号及び前記第8直交信号は、前記第7同相信号及び前記第7直交信号そのものである、ことを特徴とする請求項6又は7に記載の妨害信号除去装置。
【請求項9】
前記第7同相信号の周波数成分の周波数を前記第2シフト方向の反対方向に前記第2シフト周波数だけシフトさせて前記第8同相信号を生成するとともに、前記第7直交信号の周波数成分の周波数を前記第2シフト方向の反対方向に前記第2シフト周波数だけシフトさせて前記8直交信号を生成する第2逆周波数シフト手段を更に備える、ことを特徴とする請求項6又は7に記載の妨害信号除去装置。
【請求項10】
前記制御手段は、前記第2周波数シフト手段に対して前記第2シフト周波数及び前記第2シフト方向を指定する、ことを特徴とする請求項6〜9のいずれか一項に記載の妨害信号除去装置。
【請求項11】
前記制御手段は、前記第2信号検出手段による検出結果を考慮して、前記第2シフト周波数及び前記第2シフト方向を決定する、ことを特徴とする請求項10に記載の妨害信号除去装置。
【請求項12】
外部からの入力信号から、前記第1同相信号及び前記第1直交信号を生成する信号生成手段を更に備える、ことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の妨害信号除去装置。
【請求項13】
前記信号生成手段は、前記第1同相信号を前記入力信号の同相信号として生成するとともに、前記第1直交信号を前記入力信号の直交信号として生成する、ことを特徴とする請求項12に記載の妨害信号除去装置。
【請求項14】
第1同相信号及び前記第1同相信号の直交信号である第1直交信号に関する周波数のシフト量であるシフト周波数及びシフト方向に基づいて、前記第1同相信号の周波数成分の周波数が前記シフト方向に前記シフト周波数だけシフトされた第2同相信号、及び、前記第1直交信号の周波数成分の周波数が前記シフト方向に前記シフト周波数だけシフトされた第2直交信号を生成する周波数シフト工程と;
前記第2同相信号及び前記第2直交信号に含まれる予め定められた周波数範囲の信号成分を検出する信号検出工程と;
前記信号検出工程による検出工程に基づいて、前記第2同相信号及び前記第2直交信号の少なくとも一方の前記周波数範囲における妨害信号の有無の判定を行い、前記判定の結果が肯定的であった場合に、前記第2同相信号及び前記第2直交信号から前記周波数範囲の信号成分を除去した第3同相信号及び第3直交信号に対応する第4同相信号及び第4直交信号の対の選択出力を行う第1信号選択工程と;
前記判定の結果が否定的であった場合に、前記第1同相信号及び前記第1直交信号の対の選択出力を行う第2信号選択工程と;を備えることを特徴とする妨害信号除去方法。
【請求項1】
第1同相信号及び前記第1同相信号の直交信号である第1直交信号に関する周波数のシフト量である第1シフト周波数及び第1シフト方向に基づいて、前記第1同相信号の周波数成分の周波数が前記第1シフト方向に前記第1シフト周波数だけシフトされた第2同相信号、及び、前記第1直交信号の周波数成分の周波数が前記第1シフト方向に前記第1シフト周波数だけシフトされた第2直交信号を生成する第1周波数シフト手段と;
前記第2同相信号及び前記第2直交信号に含まれる予め定められた第1周波数範囲の信号成分を検出する第1信号検出手段と;
前記第1同相信号及び前記第1直交信号の対と、前記第2同相信号及び前記第2直交信号から前記第1周波数範囲の信号成分を除去した第3同相信号及び第3直交信号に対応する第4同相信号及び第4直交信号の対のいずれかを、第5同相信号及び第5直交信号として選択的に出力する第1信号選択手段と;
前記第1信号検出手段による検出手段に基づいて、前記第2同相信号及び前記第2直交信号の少なくとも一方の前記第1周波数範囲における妨害信号の有無の判定である第1判定を行い、前記第1判定の結果が肯定的であった場合には、前記第4同相信号及び前記第4直交信号の対の選択出力を前記第1信号選択手段に対して指令するとともに、前記第1判定の結果が否定的であった場合には、前記第1同相信号及び前記第1直交信号の対の選択出力を前記第1信号選択手段に対して指令する制御手段と;を備えることを特徴とする妨害信号除去装置。
【請求項2】
前記第4同相信号及び前記第4直交信号は、前記第3同相信号及び前記第3直交信号そのものである、ことを特徴とする請求項1に記載の妨害信号除去装置。
【請求項3】
前記第3同相信号の周波数成分の周波数を前記第1シフト方向の反対方向に前記第1シフト周波数だけシフトさせて前記第4同相信号を生成するとともに、前記第3直交信号の周波数成分の周波数を前記第1シフト方向の反対方向に前記第1シフト周波数だけシフトさせて前記4直交信号を生成する第1逆周波数シフト手段を更に備える、ことを特徴とする請求項1に記載の妨害信号除去装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記第1周波数シフト手段に対して前記第1シフト周波数及び前記第1シフト方向を指定する、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の妨害信号除去装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記第1信号検出手段による検出結果を考慮して、前記第1シフト周波数及び前記第1シフト方向を決定する、ことを特徴とする請求項4に記載の妨害信号除去装置。
【請求項6】
前記第5同相信号及び前記第5直交信号に関する周波数のシフト量である第2シフト周波数及び第2シフト方向に基づいて、前記第5同相信号の周波数成分の周波数が前記第2シフト方向に前記第2シフト周波数だけシフトされた第6同相信号、及び、前記第5直交信号の周波数成分の周波数が前記第2シフト方向に前記第2シフト周波数だけシフトされた第6直交信号を生成する第2周波数シフト手段と;
前記第6同相信号及び前記第6直交信号に含まれる予め定められた第2周波数範囲の信号成分を検出する第2信号検出手段と;
前記第5同相信号及び前記第5直交信号の対と、前記第6同相信号及び前記第6直交信号から前記第2周波数範囲の信号成分を除去した第7同相信号及び第7直交信号に対応する第8同相信号及び第8直交信号の対のいずれかを選択的に出力する第2信号選択手段と;を更に備え、
前記制御手段は、前記第1信号検出手段による検出結果に加えて、前記第2信号検出手段による検出結果を考慮して、前記第2同相信号及び前記第2直交信号の少なくとも一方の前記第1周波数範囲、並びに、前記第6同相信号及び前記第6直交信号の少なくとも一方の前記第2周波数範囲における妨害信号の有無の判定である第2判定を行い、前記第2判定の結果に基づいて、前記第1信号選択手段及び前記第2信号選択手段に対して選択出力指令を発行する、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の妨害信号除去装置。
【請求項7】
前記第1同相信号及び前記第1直交信号に関する周波数のシフト量である第2シフト周波数及び第2シフト方向に基づいて、前記第1同相信号の周波数成分の周波数が前記第2シフト方向に前記第2シフト周波数だけシフトされた第6同相信号、及び、前記第1直交信号の周波数成分の周波数が前記第2シフト方向に前記第2シフト周波数だけシフトされた第6直交信号を生成する第2周波数シフト手段と;
前記第6同相信号及び前記第6直交信号に含まれる予め定められた第2周波数範囲の信号成分を検出する第2信号検出手段と;を更に備え、
前記第1信号選択手段は、前記第1同相信号及び前記第1直交信号の対と、前記5同相信号及び前記第5直交信号の対とに、前記第6同相信号及び前記第6直交信号から前記第2周波数範囲の信号成分を除去した第7同相信号及び第7直交信号に対応する第8同相信号及び第8直交信号の対を加えた3つの信号対におけるいずれか1つの信号対を選択的に出力し、
前記制御手段は、前記第1信号検出手段による検出結果に加えて、前記第2信号検出手段による検出結果を考慮して、前記第2同相信号及び前記第2直交信号の少なくとも一方の前記第1周波数範囲、並びに、前記第6同相信号及び前記第6直交信号の少なくとも一方の前記第2周波数範囲における妨害信号の有無の判定である第2判定を行い、前記第2判定の結果に基づいて、前記第1信号選択手段に対して選択出力指令を発行する、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の妨害信号除去装置。
【請求項8】
前記第8同相信号及び前記第8直交信号は、前記第7同相信号及び前記第7直交信号そのものである、ことを特徴とする請求項6又は7に記載の妨害信号除去装置。
【請求項9】
前記第7同相信号の周波数成分の周波数を前記第2シフト方向の反対方向に前記第2シフト周波数だけシフトさせて前記第8同相信号を生成するとともに、前記第7直交信号の周波数成分の周波数を前記第2シフト方向の反対方向に前記第2シフト周波数だけシフトさせて前記8直交信号を生成する第2逆周波数シフト手段を更に備える、ことを特徴とする請求項6又は7に記載の妨害信号除去装置。
【請求項10】
前記制御手段は、前記第2周波数シフト手段に対して前記第2シフト周波数及び前記第2シフト方向を指定する、ことを特徴とする請求項6〜9のいずれか一項に記載の妨害信号除去装置。
【請求項11】
前記制御手段は、前記第2信号検出手段による検出結果を考慮して、前記第2シフト周波数及び前記第2シフト方向を決定する、ことを特徴とする請求項10に記載の妨害信号除去装置。
【請求項12】
外部からの入力信号から、前記第1同相信号及び前記第1直交信号を生成する信号生成手段を更に備える、ことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の妨害信号除去装置。
【請求項13】
前記信号生成手段は、前記第1同相信号を前記入力信号の同相信号として生成するとともに、前記第1直交信号を前記入力信号の直交信号として生成する、ことを特徴とする請求項12に記載の妨害信号除去装置。
【請求項14】
第1同相信号及び前記第1同相信号の直交信号である第1直交信号に関する周波数のシフト量であるシフト周波数及びシフト方向に基づいて、前記第1同相信号の周波数成分の周波数が前記シフト方向に前記シフト周波数だけシフトされた第2同相信号、及び、前記第1直交信号の周波数成分の周波数が前記シフト方向に前記シフト周波数だけシフトされた第2直交信号を生成する周波数シフト工程と;
前記第2同相信号及び前記第2直交信号に含まれる予め定められた周波数範囲の信号成分を検出する信号検出工程と;
前記信号検出工程による検出工程に基づいて、前記第2同相信号及び前記第2直交信号の少なくとも一方の前記周波数範囲における妨害信号の有無の判定を行い、前記判定の結果が肯定的であった場合に、前記第2同相信号及び前記第2直交信号から前記周波数範囲の信号成分を除去した第3同相信号及び第3直交信号に対応する第4同相信号及び第4直交信号の対の選択出力を行う第1信号選択工程と;
前記判定の結果が否定的であった場合に、前記第1同相信号及び前記第1直交信号の対の選択出力を行う第2信号選択工程と;を備えることを特徴とする妨害信号除去方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2008−42554(P2008−42554A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−214746(P2006−214746)
【出願日】平成18年8月7日(2006.8.7)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月7日(2006.8.7)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】
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