説明

実装基板およびリード付き電気素子

【課題】従来、扁平形電気素子では、プリント基板実装後に、不良実装素子をプリント基板から外して交換するため、はんだコテを用いて手作業で不良素子を外すことがあるが、従来の扁平形電気素子では、はんだが電気素子の影に隠れて、不良素子を外すことが困難となり、結果、リワークが困難であった。
【解決手段】リード付きコイン形電池20において、2つのリード22,23の各々を、コイン形電池21の主面21a,21bの縁よりも内側の領域に、当該主面21a,21bに交差する方向に折り曲げられてなる折曲部分22a,23aを備えさせた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実装基板およびこれに用いられるリード付き電気素子に関し、特にその実装構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、メモリ等を備えるプリント基板では、バックアップ用の電源としての電池が実装されている。当該電池は、リードを介し、はんだにより基板に接続されている。
近年、電気機器の小型化の要請に伴い、プリント基板に対しても小形化の要請がある。当該要請に対する方策として、基板における電池の占有面積の低減を図るべく、プリント基板への電池の様々な実装方法が試みられている。
【0003】
例えば、特許文献1に開示された技術では、扁平形電池の一方の主面(一方の電極)とプリント基板の導電ランドとを直接はんだで接合し、リードの数を減らして扁平形電池の実装面積を低減し、プリント基板の小形化を図っている。
【特許文献1】特開2002−298804号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1で開示された技術では、プリント基板に一旦実装された電池を取り外すのに非常に手間がかかる。
すなわち、プリント基板に対して電池などの部品を実装した後に各部品の検査が実施され、その結果、不良が発見された場合にその部品を新品と交換する必要が生じる(リワーク)。このときに、上記特許文献1で開示された技術では、はんだが扁平形電池の影に隠れてしまう。この状態ではんだコテを用いて電池を外そうとすると、不用意に電池を加熱することが無いように、はんだコテを操作する必要が生じ、不良部品を外すのに非常に手間がかかり、結果、リワークが困難になるという問題がある。かかる問題は扁平形コンデンサ等の他の部品でも起こりうる。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、実装基板の小形化に寄与すると共に、リワークの容易なリード付き電気素子およびこれを実装した実装基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る実装基板では、基板表面に孔が開けられ、当該孔の縁に至るまで基板表面に2つの導電ランドが設けられてなるプリント基板と、互いに平行な2つの電極面を有する電気素子とを備えた実装基板に対し、上記電気素子における各電極面にリードを接合し、上記リードの各々に、電極面の周縁よりも内側の領域に、上記電極面に交差する方向に折り曲げられてなる折曲部分を備えさせ、上記電気素子を、各リードの折曲部分を上記導電ランドに添着させた状態で、上記孔内に吊り下げ支持した。
また、本発明に係るリード付き電気素子では、平行した2つの電極面を有する電気素子と、上記2つの電極面の各々に接続されたリードとを備えたリード付き電気素子に対し、上記2つのリードの各々に、電極面の縁よりも内側の領域に、上記電極面に交差する方向に折り曲げられてなる折曲部分を備えさせた。
【0007】
上記2つのリードの前記折曲部分どうしを、同一仮想平面上に存在させた構成を採用することもできる。
上記電気素子を、コイン形電池、あるいはボタン形電池としても良い。
上記電気素子を、複数の単位素子を積層して、互いに電気接続した構成としても良い。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る実装基板では、上記リードの各々が、上記電極面に交差する方向に折り曲げられてなる折曲部分をもって上記導電ランドに添着されているので、電気素子の電極面とプリント基板の表面とを交差させることができる。よって、従来の場合と比べ、基板表面に垂直な方向から見たとき、上記折曲部分が見える状態となって、リワークが容易になる。
【0009】
また、電気素子の電極面とプリント基板の表面とが交差した状態となるので、電気素子がプリント基板の表面に対して平行な場合と比べて、実装面積を低減することができる。
そして、上記折曲部分を上記電極面の周縁よりも内側の領域に備えさせ、上記電気素子を上記孔内に吊り下げ支持したので、プリント基板の厚みおよびプリント基板の裏側も有効に活用して、実装面積を低減でき、すなわち、小型化に寄与できる。
【0010】
したがって、本発明に係る実装基板は、小型化に寄与すると共に、リワークを容易にすることができる。
本発明に係るリード付き電気素子は、上記実装基板に採用されることによって、上記効果を有効に発揮させることができる。
上記2つのリードのうち少なくとも一方を、上記電極面の縁よりも外側の領域まで延設させ、かつ当該延設されてなる部分の端部に延設方向と交差する方向に折り曲げられてなる天板部分を備えさせれば、当該電気素子をプリント基板に実装する場合に、自動制御された吸着ノズルで上記天板部分を吸着し、プリント基板へ自動で実装することができ、素子実装済みプリント基板のタクトタイムの短縮に寄与することができる。
【0011】
一般に、はんだ付け性、はんだ接合強度を向上させるために、はんだ付け予定の母材側面にまでめっきを施す。
平板の一部を切り起こして上記リードを形成する際、切り起こし後でなければ、上記リードの側面にめっきを施すことができないが、上記リードに上記孔を開ければ、切り起こし前に平板のリード相当部分にめっきすると同時に孔の側壁にめっきを施すことができる。これによって、リードの切り起こし作業を、リードを電気素子に接合する接合工程の直前まで遅らせることができ、短冊状平板の管理が容易となり、また、リードの形状管理も容易となる。したがって、上記孔を開けることによって、量産性の向上、歩留まり向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に係るリード付き電気素子およびこれを実装した実装基板を、コイン形電池実装基板を例にして説明する。ただし、以下に示す実施の形態では、本発明の技術思想を具体化したコイン形電池実装基板を例示しており、本発明は、以下のものに限定されない。
[実施の形態1]
図1(a)は、本実施の形態に係るコイン形電池実装基板の斜視図であり、(b)は、リード付きコイン形電池の分解斜視図であり、(c)は、このリード付きコイン形電池をプリント基板に実装してなるコイン形電池実装基板の部分断面図である。図1(c)では、リード付きコイン形電池を破断させずに示している。
【0013】
図1(a)に示すように、本実施の形態に係るコイン形電池実装基板1は、プリント基板10とリード付きコイン形電池20とを含む。プリント基板10は平板状である。その主面に孔11が開いている。
図1(b)に示すように、リード付きコイン形電池20は、コイン形電池21と2つのリード22,23とで構成される。
【0014】
本実施の形態では、周知のコイン形電池を採用するので、ここでは、その詳細な説明を省略する。本実施の形態では、たとえば、厚み1.0[mm]、直径4.8[mm]のコイン形リチウム二次電池を用いている。
図1(b)に示すように、各リード22,23は、コイン形電池21の主面21a,21bに接合される座部分22b,23bと当該座部分22b,23bに対して折り曲げられた折曲部分22a,23aとからなる。この折曲部分22a,23aが、コイン形電池21の主面21a,21bの縁よりも内側の領域に配され、かつ同一の仮想平面上に存在する。
【0015】
上記座部分22b,23bとコイン形電池21の主面21a,21bとを接合するには、抵抗溶接等の既知の接合方法を用いることができる。
図1(c)に示すように、孔11の縁まで、プリント基板側の電気接点となる2つの導電ランド12,13が敷設されている。コイン形電池21の両主面21a,21bのそれぞれにリード22,23が接続された状態で、コイン形電池21が孔11内に吊り下げ支持されている。孔11へのコイン形電池21の吊り下げ方向は、その主面21a,21bがプリント基板10主面に対して直交する方向である。そして、コイン形電池21では、主面21a,21bがそれぞれ電極となっており、各リード22,23は、それぞれの電極に接続されている。それら主面21a,21bの各々からプリント基板10の導電ランド12に沿う状態で各リード22,23が延び、各リード22,23が導電ランド12,13にはんだ14,15で接合されている。
【0016】
以下、プリント基板10にリード付きコイン形電池20を実装する工程について説明する。
その主面に孔11を備え、その孔11の縁部に至る2つの導電ランド12,13を備えたプリント基板10を準備する。
プリント基板10の導電ランド12、13主面にはんだ14,15を付着させる。具体的には、クリームはんだを導電ランド12,13主面に平面的にかつ所望の厚みに塗布する。
【0017】
本実施の形態では、既述のリード付きコイン形電池20を手でプリント基板10に実装する。具体的には、リード22,23の折曲部分22a,23aの一方の主面とはんだ14,15の主面とが対向した状態で、コイン形電池21をプリント基板10の孔11に挿入する。すると、コイン形電池21の両主面21a,21bがプリント基板10主面に対して直交する状態で、各リード22,23の上記折曲部分22a,23aがはんだ14,15に当接される。
【0018】
そのあと、当該プリント基板10をリフロー炉の中に投入し、所定の温度で加熱して、はんだ14,15を熔融させ、はんだ付けを完了する。
以上のように、本実施の形態に係るコイン形電池実装基板1では、上記構成を採用したので、プリント基板10にリードがはんだ接合された状態でプリント基板10主面に垂直な方向から見たときに、上記折曲部分22a,23aが見え、コイン形電池10の影に隠れることがない。したがって、リワークを容易に実施できる。
【0019】
また、本実施の形態に係るリードつきコイン形電池が上記構成を有することにより、プリント基板10の主面、具体的には導電ランド12,13にリード22,23の折曲部分22a,23aを接続するとともに、プリント基板10主面に予め開けられた孔11にコイン形電池21を挿入でき、実装基板の小形化に貢献できる。
そして、本実施の形態では、上記折曲部分22a,23aをプリント基板10の一方の主面側に存在させているので、プリント基板10に実装する際、はんだコテを用いたはんだ付けのみならず、リフローはんだ法を採用してもはんだ接合を確実に実施でき、実装方法選択の幅を広げることができる。
【0020】
各リード22,23が線材であっても良い。ただし、リード22,23が板状であると、はんだ接合面積が線材に比べて増加し、はんだ接合強度が向上して、好ましい。
[実施の形態2]
本実施の形態では、実施の形態1の場合と比べて、リードの上記折曲部分が短冊状平板の一部を切り起こして形成され、かつ上記折曲部分に孔の開いている点およびその短冊状平板がコイン形電池主面の外周縁の外側まで延設されていて、当該延設端部に天板部分が設けられている点が異なるのみであり、その他の構成は実施の形態1と同様であるので、ここでは、その他の構成の説明を省略する。
【0021】
図2(a)は、本実施の形態に係るリード付きコイン形電池の分解斜視図であり、(b)は、このリード付きコイン形電池をプリント基板に実装してなるコイン形電池実装基板の部分断面図である。図2(b)では、リード付きコイン形電池を破断させずに示している。
図2(a)に示すように、本実施の形態では、コイン形電池21の主面21bに接合されたリード33の座部分33bが電池21の主面25に沿って当該主面25の外周縁よりも外側にまで延設されている。その延設された部分の端部が延設方向と交差する方向に折り曲げられて、天板部分33cが形成されている。
【0022】
また、本実施の形態では、実施の形態1の場合と比べて、天板部分33cを備えたリード33の折曲部分33aに孔33dが開いており、当該孔33dの側面もはんだ面となる。
図2(b)に示すように、リード33の天板部分33cは上記座部分33bの延設方向と直交する方向に形成されており、したがって、リード32,33の双方において、天板部分33cが折曲部分32a,33aと並行する。
【0023】
また、リード33の折曲部分33aの主面および孔33dの側面にはんだ15が付着し、当該折曲部分33aの側面には、はんだ15が付着しない。その理由は以下の通りである。
図3は、本実施の形態に係る天板部分を備えたリードの要部工程図である。
図3(a)に示すように、本実施の形態の天板部分33cを備えたリード33は、短冊状平板31の端部を折曲させ、かつ短冊状平板31の一部に予めめっき層320を形成し、当該一部を切り起こして、図3(b)に示すように、上記天板部分33cおよび上記折曲部分33aを形成している。
【0024】
かかる工程を経てリード33の折曲部分33aが形成されているので、当該折曲部分33aの側面にはんだ15が付着しない。
しかしながら、短冊状平板31の折曲部分33aの主面相当位置に孔33dを開けることによって、当該折曲部分33aの側面にめっき層を形成しなくても、当該孔33dの側面にめっき層を形成できる。したがって、短冊状平板31の一部を切り起こす前に、はんだ15を立体的に付着させるためのめっき処理ができる。これによって、当該切り起こし作業をコイン形電池21に接合する直前にすることもでき、短冊状平板31の管理、上記折曲部分33aの管理が容易となる。
【0025】
図4は、本実施の形態に係るリード付きコイン形電池30をプリント基板10に実装する工程の一部を示した要部工程図である。以下、図4を用いて、プリント基板10にリード付きコイン形電池30を実装する方法について説明する。
プリント基板10準備工程、プリント基板10にはんだ14,15を付着させる工程は、実施の形態1と同様であるので、ここでは、説明を省略する。
【0026】
本実施の形態では、実施の形態1と比べて、実装機を用いて自動でプリント基板10にリード付きコイン形電池30を実装する点が異なるのみである。したがって、ここではその他の工程についての説明を省略する。
リード付きコイン形電池30を収納した不図示のトレイと、実装予定のプリント基板10とを不図示の実装機に供給する。この実装機に備えられた吸着ノズル60が上記トレイに向かって下がり、トレイ上のリード付きコイン形電池30の天板部分33cを吸着する。吸着ノズル60が当該天板部分33cを吸着した状態で上昇し、リード付きコイン形電池30を吊り上げる。吸着ノズル60がリード付きコイン形電池30を吊り上げた状態で、プリント基板10上に、具体的には、プリント基板10の孔11上に移動する。吸着ノズル60が孔11に向かって下がる。当該動作により、各リード32,33の折曲部分32a,33aの主面とはんだ14,15の主面とが対向した状態で、コイン形電池21がプリント基板10の孔11に挿入される。
【0027】
図5,6は、それぞれ本実施の形態にかかるリード付きコイン形電池の第1、第2のバリエーションを示す正面図である。本実施の形態のリード33における天板部分33cの吸着面から上記折曲部分33aのうちはんだ15の付いていない主面までのコイン形電池21主面25の沿面方向距離H1と比べて、第1、第2のバリエーションでは、図5,6に示すように、当該沿面方向距離H2,H3を長くすることもできる。
【0028】
以上のように、本実施の形態では、実施の形態1と比べて、リード付きコイン形電池30をプリント基板10に実装する際、自動制御された吸着ノズル60でリード33の天板部分33cを吸着し、プリント基板10へ自動で実装することができ、タクトタイムを短縮できる。
本実施の形態に係るリード付きコイン形電池30が上記構成を有することにより、既述のように折曲部分33aを形成しても、はんだ15を立体的に付着させることができ、また、既述した管理上の利点により、量産性の向上、歩留まり向上を図ることができる。
[実施の形態3]
本実施の形態では、実施の形態1と比べて、プリント基板主面に対するコイン形電池主面の角度と、コイン形電池主面に対する、リードの上記折曲部分の角度とが異なるのみであり、その他の構成は実施の形態1と同様であるので、その他の構成についてはここでの説明を省略する。
【0029】
図7は、本実施の形態に係るリード付きコイン形電池実装基板の部分断面図であり、リード付きコイン形電池を破断させずに示している。
図7に示すように、本実施の形態では、コイン形電池21の両主面21a,21bがプリント基板10主面に対して直角でなく、傾斜して交差している。
本実施の形態では、2つのリード62,63の折曲部分62a,63aがコイン形電池21の各主面21a,21bに対し傾斜した状態で交差している。上記折曲部分62a,63aのそれぞれがプリント基板10主面に沿っている。
【0030】
以下、プリント基板10にリード付きコイン形電池30を実装する方法について説明する。本実施の形態では、実施の形態1と比べて、リード62,63の折曲部分62a,63aの角度が異なるのみであり、実装工程以外の他の工程は実施の形態1と同様であるので、ここではその他の工程についての説明を省略する。
本実施の形態では、コイン形電池21をプリント基板10主面の孔11に挿入する際に、コイン形電池21を、その両主面21a,21bがプリント基板10主面に対して傾斜する状態で、挿入する。
【0031】
以上のように、本実施の形態では、実施の形態1と比べて、プリント基板10主面に対してコイン形電池21を傾斜させた状態で、コイン形電池21を孔11に挿入できる。これによって、実施の形態1と比べて、コイン形電池21の径が大きくなっても、適宜、プリント基板10主面に対する電池21の主面21a,21bの角度を調節し、プリント基板10主面からの電池21の突出量を同じに保つことができる。したがって、実装後のプリント基板10の小形化、具体的には薄形化に貢献できる。
[実施の形態4]
本実施の形態では、実施の形態2の場合と比べ、プリント基板主面に対するコイン形電池主面の角度、リードにおける折曲部分および天板部分の、コイン形電池主面に対する角度が異なるのみであり、その他の構成は実施の形態2と同様であるので、ここではその他の構成の説明を省略する。
【0032】
図8は、本実施の形態に係るリード付きコイン形電池実装基板の部分断面図であり、リード付きコイン形電池を破断させずに示している。
図8に示すように、コイン形電池21の主面21a,21bが、プリント基板10主面に対して直角でなく、傾斜した状態で、基板10主面と交差している。
本実施の形態では、2つのリード72,73の折曲部分72a,73aの主面が、コイン形電池21の主面21a,21bに対して傾斜した状態で、当該主面21a,21bと交差しており、上記折曲部分72a,73aの主面がプリント基板10主面に沿う。
【0033】
また、リード73の天板部分73cが、電池21主面に対して傾斜し、かつプリント基板10主面と沿う。
以下、プリント基板10にリード付きコイン形電池70を実装する工程について説明する。本実施の形態では、実施の形態2と比べて、リード72,73における、折曲部分72a,73aの角度および天板部分73cの、コイン形電池主面21a,21bに対する角度が異なるのみであり、実装工程以外の他の工程は実施の形態2と同様であるので、ここではその他の工程についての説明を省略する。
【0034】
本実施の形態では、吸着ノズルをプリント基板10の孔11に向けて下げ、コイン形電池21を当該孔11に挿入する際に、プリント基板10主面に対して挿入角度が傾斜する状態で、かつ上記折曲部分72a,73aの主面と基板10主面とが平行な状態で、吸着ノズルを下げる。
以上のように、本実施の形態では、実施の形態2と比べて、プリント基板10主面に対してコイン形電池21を傾斜させた状態で孔11に挿入できる。これによって、実施の形態2と比べて、コイン形電池21の径が大きくなっても、適宜、プリント基板10主面に対するコイン形電池21の主面21a,21bの角度を調節し、プリント基板10主面からのコイン形電池21の突出量を同じに保つことができる。したがって、実装後のプリント基板10の小形化、具体的には薄形化に貢献できる。
【0035】
なお、上記各実施の形態は、特許請求の範囲に記載されている部材を、本実施の形態に記載された部材に限定するものではない。各図面が示す部材の大きさや位置関係は、理解を促進するために誇張している場合がある。
上記実施の形態2,4では、リード33,73に孔33d,73dが開いていたが、当該構成に限定されない。図9は、天板部分を備えたリードの他のバリエーションの要部工程図である。図9に示すように、予め、短冊状平板81の折曲予定部分の縁を形成するように、当該縁の輪郭と同様に、すなわちU字状に孔83dを開けても良い。当該構成を採用することによって、上記折曲予定部分を起こす作業が容易になり、また、実施の形態1,3の場合と同等に折曲部分83aの面積を維持でき、はんだ接合強度を同等に維持できる。
【0036】
上記各実施の形態では、コイン形電池21が一つの場合について説明したが、さらに薄いコイン形電池を積層して電気的に接続し、その積層体の両端に存在するコイン形電池の露出電極から2つのリードの各々を取り付けても良い。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、特に小型化の要求の強いプリント基板の分野に広く適用することができ、その産業上の利用可能性は極めて高い。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】(a)は、実施の形態1に係るリード付きコイン形電池実装基板の斜視図であり、(b)は、実施の形態1に係るリード付きコイン形電池の分解斜視図であり、(c)は、リード付きコイン形電池をプリント基板に実装してなるコイン系電池実装基板の部分断面図である。
【図2】(a)は、実施の形態2に係るリード付きコイン形電池の分解斜視図であり、(b)は、実施の形態2に係るリード付きコイン形電池実装基板の部分断面図である。
【図3】実施の形態2に係る天板部分を備えたリードの要部工程図である。
【図4】実施の形態2に係るリード付きコイン形電池をプリント基板に実装する工程の一部を示した要部工程図である。
【図5】実施の形態2に係るリード付きコイン形電池の他のバリエーションを示す正面図である。
【図6】実施の形態2に係るリード付きコイン形電池の他のバリエーションを示す正面図である。
【図7】実施の形態3に係るリード付きコイン形電池実装基板の部分断面図である。
【図8】実施の形態4に係るリード付きコイン形電池を実装したプリント基板の部分断面図である。
【図9】天板部分を備えたリードの他のバリエーションの要部工程図である。
【符号の説明】
【0039】
10:プリント基板
11:孔
12a,12b:導電ランド
13a,13b:はんだ
20,30,40,50,60,70:リード付きコイン形電池
21:コイン形電池
21a,21b:電池主面
22,23,32,33,42,43,52,53,62,63,72,73,83:リード
22a,23a,32a,33a,42a,43a,52a,53a,62a,63a,72a,73a,83a:折曲部分
22b,23b,32b,33b,42b,43b,52b,53b,62b,63b,72b,73b,83b:座部分
31,81:短冊状平板
33c,43c,53c,73c,83c:天板部分
33d,83d:孔
320:めっき層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板表面に孔が開けられ、当該孔の縁に至るまで前記基板表面に2つの導電ランドが敷設されてなるプリント基板と、互いに平行な2つの電極面を有する電気素子とを備えた実装基板であって、
前記電気素子における各電極面には、リードが接合されており、
前記リードの各々は、前記電極面の周縁よりも内側の領域に、前記電極面に対し交差する方向に折り曲げられてなる折曲部分を有し、
前記電気素子は、各リードの折曲部分を前記導電ランドに添着させた状態で、前記孔内に吊り下げ支持されていることを特徴とする実装基板。
【請求項2】
前記2つのリードの前記折曲部分どうしが、同一仮想平面上に存在する
ことを特徴とする請求項1に記載の実装基板。
【請求項3】
前記2つのリードのうち少なくとも一方が、前記電極面の周縁よりも外側の領域まで延設され、かつ当該延設されてなる部分の端部が延設方向と交差する方向に折り曲げられてなる天板部分を備える
ことを特徴とする請求項1または2に記載の実装基板。
【請求項4】
前記2つのリードのうち少なくとも一方は、短冊状平板の一部を切り起こすことによって前記折曲部分が形成されており、
前記折曲部分に孔が開いていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の実装基板。
【請求項5】
前記電気素子が、コイン形電池、あるいはボタン形電池であることを特徴とする
請求項1から4のいずれかに記載の実装基板。
【請求項6】
平行した2つの電極面を有する電気素子と、
前記2つの電極面の各々に接続されたリードとを備えたリード付き電気素子であって、
前記2つのリードの各々は、電極面の縁よりも内側の領域に、前記電極面に交差する方向に折り曲げられてなる折曲部分を有する
ことを特徴とするリード付き電気素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−244234(P2008−244234A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−84112(P2007−84112)
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000177081)三洋エナジー鳥取株式会社 (28)
【Fターム(参考)】