説明

実質的に円筒状の対象物の検査のための検査車両

【課題】検査車両による周面の移動の際に妨げとなるような障害物(特に環状のシールストリップ)が、当該周面に存在するようなローターの自動(探傷)検査に適した検査車両を提供すること。
【解決手段】検査すべき円筒状の対象物の外周面に存在し、当該円筒状対象物の表面から半径方向に突出して周面方向で複数延在している障害物を、特に半径方向に突出している複数のシールストリップを支障なく越えて走行するのに十分なシャーシクリアランス乃至ロードクリアランスを前記検査車両が備えるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転型機械における大型部材を検査する分野に関しており、詳細には請求項1の上位概念による検査車両に関する。
【背景技術】
【0002】
高速で回転する部材、特に蒸気タービンやその他のタービンのローターは、時折検査を実施する必要があり、特にタービンのローターにひび割れが生じていないかを検査する必要がある。この種のひび割れは、発生する遠心力に負けないようにタービンブレードを保持しなければならない周面方向のブレードスロットに頻繁に生じている。そのような検査は、大抵は超音波センサを用いて行われる。この超音波センサは、シングルチャネル型又はマルチチャネル型の超音波測定ヘッド(フェイズドアレイ)として構成され、いわゆるUT/PA/TOFD技法を用いて伝播時間の検出が行われる。そのような検査では、ローターの決定的に重要な領域を、具体的には周面の溝を探傷するために、1つ以上の高精度な超音波センサが、ローターに取り付けられているブレードの足部に沿って案内される。
【0003】
この検査の間に得られるデータの良好な品質と結果の良好な再現性とを達成するためには、当該検査を、対応する位置確定に結び付ける必要がある。電動式の検査には大きな利点がある。なぜなら、一方では、正確な維持と再現の可能な走行速度とそれに伴う測定結果の良好な再現性が得られるからあり、他方では、(ブレード列の間の)被検領域へのアクセスに難があるからである。
【0004】
そのようなブレード列の間の溝の検査においては、溝底部に存在する環状のシールストリップが事前に簡単に取り外せないために、自動検査に対する大きな障害となっている。
【0005】
そのためこれまでの従来技法では、この種の検査は通常は全て手動で行うか、若しくは検査前にシールストリップを外し、検査後に再びシールストリップを取り付けるという余分な作業を伴って行われていた。但しこの種の作業には時間が費やされ、限られた精度のデータ品質と、再現性の低い結果しか得ることができず、加えてアクセス性の悪さも障害となっていた。
【0006】
その他にも定置型のロボットアームが使用されている。このロボットアームの適用については広い汎用性はあるが、大がかりなロボット装置が前提とされ、設定のための時間にも十分な余裕が必要とされる。この場合特に欠点となるのは、被検体であるローターを回転させなければならないことである。そのためには、重くて高価な回転機構が必要となってくる。
【0007】
またローターの周面を移動してその際に所要の検査を実行することのできるモバイルスキャナーも公知である。しかしながらこのモバイルスキャナーは、大抵は幅広の磁気性ホイールを備えているため、ローターの周面に出現する障害物を、特に複数存在し得る環状のシールストリップを、場所によっては互いに9mmしか離れていないのでうまく乗り越えてゆくことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
それ故に本発明の課題は、検査車両による周面の移動の際に妨げとなるような障害物(特に環状のシールストリップ)が、当該周面に存在するようなローターの自動(探傷)検査に適した検査車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題は本発明により、検査すべき円筒状の対象物の外周面に存在し、当該円筒状対象物の表面から半径方向に突出して周面方向で複数延在している障害物を、特に半径方向に突出している複数のシールストリップを支障なく越えて走行するのに十分なシャーシクリアランス乃至ロードクリアランスを前記検査車両が備えるように構成されて解決される。
【0010】
本発明による検査車両は、シャーシと複数の車輪とを有しており、前記複数の車輪は、該車輪上のシャーシが、被検体としての円筒状の対象物の外周面に沿って移動できるように、前記シャーシに回転可能にかつ少なくとも一部が電動式に駆動できるように設けられており、さらに、前記シャーシには、前記検査車両を円筒状の対象物の表面に保持する磁気的手段が設けられており、この検査車両は、検査すべき円筒状の対象物の外周面に存在し、当該円筒状対象物の表面から半径方向に突出して周面方向で複数延在している障害物を、特に半径方向に突出している複数のシールストリップを、支障なく越えて走行するのに十分なシャーシクリアランス乃至ロードクリアランスを前記検査車両が備えるように構成されていることを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】対応するブレードシステムを備えた蒸気タービンローターの側面図
【図2】溝底部に検査車両に対する障害物として複数の環状のシールストリップが設けられている直径方向段部乃至溝領域のタービンローターの縦断面図
【図3】本発明の実施例による検査車両の側面図
【図4】図2による溝底部に図3による検査車両を配置した場合の周面方向で見た正面図
【図5】本発明による検査車両のための制御回路をブロック回路図で示した図
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明による検査車両の別の有利な構成によれば、前記磁気的手段には、マグネット装置が含まれており、このマグネット装置は前記シャーシ下方のロードクリアランス領域に設けられている。このような磁気的手段と車輪の分離によれば、車両の移動と保持ないし吸着が別個に最適化させることが可能になる。特に車輪は非常に狭幅に選択することができるので、それによって、狭い間隔で密に隣接する障害物乃至シールストリップの間であっても、車両を稼働させることができるようになる。
【0013】
別の有利な構成例によれば、前記マグネット装置は、1つ以上の永久磁石を含んでいる。これにより、エネルギーコストなしで高い吸着力が実現できる。
【0014】
また本発明のさらに別の有利な構成例によれば、前記マグネット装置は、1つ以上の有利にはオン/オフ可能な電磁石を含んでいる。これにより、前記吸着に対して、エネルギーは消費されるが、しかしながらこの吸着を制御することができるようになる。
【0015】
本発明の別の有利な構成例によれば、障害物を避けるために、前記マグネット装置の地上とのクリアランスが、及び/又は前記マグネット装置の地上からの位置が、走行方向と交差する方向で調整可能である。これにより車両は異なった使用条件に対してフレキシブルに対応できるようになる。
【0016】
本発明のさらに別の構成例によれば、前記マグネット装置は、乗り越えるべき障害物との干渉作用を低減するために、非磁性のカバーを備えている。これにより、障害物に衝突した際のダメージが低減されるか、完全に回避され、磁気を帯びている障害物への不所望な吸着も避けることができるようになる。
【0017】
本発明の別の実施例によれば、前記複数の車輪は、走行方向を横切る方向で調整可能である。この手段は、車両を投入する際の融通性も高めることにつながる。なぜなら、輪距を障害物の形態に合わせて設定調整できるからである。
【0018】
別の有利な実施例によれば、前記複数の車輪自体が磁気を帯びて、前記磁気的手段を形成している。このようなケースでは、別個のマグネット装置が省略され、障害物に対する許容誤差も高められることになる。
【0019】
本発明の別の実施例によれば、前記検査車両は、前記複数の車輪の少なくとも1つを制御可能に駆動する駆動ユニットを有している。これにより、当該車両の自動化された自律的作動モードが可能になる。
【0020】
本発明の別の実施例によれば、前記検査車両に、車両を側方から案内するための側方案内手段が設けられている。
【0021】
特に前記側方案内手段として、車両の少なくとも1つの長手側に、走行方向に延在するガイド構造部が設けられており、該ガイド構造部を用いて、円筒状対象物の直径方向の段部において前記検査車両が周面方向に案内される。ここではまた車両を周面方向のシールストリップに案内させることも考えられる。
【0022】
有利には、前記ガイド構造部は、縦長のガイドレールを含んでいる。
【0023】
前記ガイド構造部乃至ガイドレールが磁気を帯びている場合には、このレールの輪郭部分によって吸引される。それにより1つのレールだけで両側からの案内が可能になる。
【0024】
本発明の別の実施例によれば、前記側方案内手段は、側方間隔を測定するための複数のセンサを有し、該複数のセンサは、車両の走行方向を制御するための手段と協働している。制御ユニットを用いることにより、側方の間隔は、予め定められた一定の値若しくは時間的に変化する値に従って設定され得る。この場合車両は例えば付加的な操舵軸を介してアクティブに制御される。
【0025】
本発明の別の有利な実施例によれば、前記検査車両は、円筒状対象物の有利には支障の無い検査に適した1つ以上のセンサを有している。複数のセンサを用いることによって、この対象物は、幅広い範囲に亘って車両によって走査され変化が検査されるようになる。
【0026】
本発明の別の有利な実施例によれば、前記センサは、検査車両のシャーシから走行方向に延在しているセンサアームの端部に調整可能に及び/又は弾性的に固定されている。それにより、センサヘッドは対象物の幾何学形態に適応化できると共に少なくとも車両側から制御できるようになる。
【0027】
本発明によれば有利には、前記センサは、超音波センサ(UTセンサ)として、特にフェイズドアレイセンサとして構成されている。これにより、センサの走査方式に応じて多数の検査が確かな技術で実施できるようになる。ファイズドアレイセンサを用いた場合には、検査すべき対象物の比較的広い範囲が電子的な走査でカバーできるようになる。
【0028】
本発明の別の実施例によれば、前記検査車両がモーションセンサを備えており、該モーションセンサは、前記検査車両の走行した距離及び/又は瞬時の走行速度を記録している。モーションセンサを用いることによって、車両の移動だけが監視されて制御されるのではなく、検査データをそのつどの車両位置に対応させることも可能になる。これにより、対象物において検出されたエラーの確かな局在化も保証される。
【0029】
本発明の別の有利な実施例によれば、前記モーションセンサとして、前記複数の車輪の少なくとも1つの回転運動を記録するエンコーダが設けられている。これによって特に簡単に、車両の位置と速度が検出され、監視されるようになる。
【0030】
別の実施例によれば、さらに付加的に外的モーションセンサが設けられ、この外的センサが車両の接地面に対する動きを記録する。これにより、外的モーションセンサを用いて接地面上の車輪のスリップを中和させる。
【0031】
本発明のさらに別の有利な実施例によれば、前記円筒状対象物の表面を走行する検査車両の移動を制御するための制御システムが設けられており、該制御システムは、前記円筒状対象物の表面上の検査車両のそのつどのポジションを検査結果に関連付ける。
【実施例】
【0032】
次に本発明を図面に基づき以下の明細書で詳細に説明する。
【0033】
図1には、蒸気タービンのローター10を撮影した写真が示されており、該ローター10はローターブレード13を備えた複数のブレード列12を有しており、該ブレード列12は中央のローターシャフト11を取り囲むように配置されている。ローターブレード13のブレード足部は、環状に取り囲むブレード溝に保持されており、さらにそれらの間を循環するブレード介在空間14が形成されている。図2にはこれらのうちの1つが断面図で示されている。図2のブレード介在空間14は、ローターブレード13を含み、ローターブレード13は、ローターシャフト11の循環するブレード溝に載置されている。ここではこのローターブレード13によって側方が制限されている。このローターブレードは、車両がブレード介在空間14を走行する場合に、側方の基準面として用いられる。
【0034】
図2には、ローターシャフト11の外面15において、例示的に3つの隣接して存在するシールストリップ16が示されており、これらのシールストリップ16は、外面15内に挿入されている。但しこの外面15からは一部が半径方向に突出している。とりわけこのような形態の障害物に、従来方式の車両を投入することは不可能であった。図3及び図4に実施例の形態で描写されている、この新規な検査車両は、この種の障害物が走行移動を損なわないように設計されている。図3は、本発明による例示的な検査車両20の側面図であり、それに対して図4は、同じ車両を前方から見た正面図で示したものである。
【0035】
この検査車両20は、実質的に矩形状のフレームからなる小型のシャーシ21を有し、このシャーシには、走行方向で見て前方側と後方側にそれぞれ1対の車輪22が回転可能に設けられている。それらのうちの少なくとも1つが、シャーシ21に設けられた駆動ユニット(42;図5)によって駆動可能である。図4の正面図から識別できるように、複数の車輪22は、相互に狭幅に隣接しているシールストリップ16の間を縫って何の問題も引き起こすことなく外面15上を転がることができる。さらにこれらの車輪22は、当該検査車両20に必要な地上高を与えるべく比較的大きな外径を有している。それにより、当該車両は、外面15から突出しているシールストリップ16を越えて確実に走行することが可能になる(図4)。
【0036】
シャーシ21の下側には、永久磁石を備えたマグネット装置17が配設されている。このマグネット装置は、走行の際に、当該検査車両20をローター10の周面に確実に保持する。このマグネット装置17は僅かに湾曲した構成であってもよい。それにより、当該マグネット装置は、湾曲した構造のローター周面にも良好にマッチングするようになる。シャーシ21の下方側のマグネット装置17は、マグネット支持体18によって支持されている。このマグネット支持体18もシャーシ21に固定されており、調整装置19を用いて高さの調整が可能である。それによって、当該マグネット装置17を接地面の上でそれぞれの高さに手動で設定することができるようになり、これによって障害物が確実に乗り越えられると同時に車両のために必要となる吸着力も構築することが可能にある。その他にも検査対象物上に車両を配置する際と検査対象物から車両を離脱させる際に、磁気的な吸着力を簡単なやり方で低減させることができる。マグネット支持体18は、そこに設けられるマグネット装置17と共に、狭幅に設計されたマグネット装置17を、隣接するシールストリップ16の間の間隙に設置できるようにするために、有利には走行方向に対して横方向にシフトさせることも可能である(図4参照)。
【0037】
シャーシ21にはさらに走行方向に延在するセンサアーム23が設けられており、このセンサアーム23はシャーシ21を十分に越えて前方に突出しており、その前方側の自由端部には、1つ(又は複数)の相応するセンサ30が支持されている。この構成により、ローター10における様々な条件に対する当該検査車両20のフレキシブルな適応性が可能となる。図4の描写からも明らかなように、複数のシールストリップ16を障害物として乗り越える必要があったとしても、検査車両20はこのようにして何の問題も起すことなくローター10のブレード介在空間14における走行が可能となる。
【0038】
検査車両20の側方においては、走行方向に延在するガイドレール31が車輪22の外側に設けられており、このガイドレールの支援によって、検査車両20の走行方向が時間基準面に合わせられ、それに平行させることが可能になる。
【0039】
車両の反対側端部のセンサヘッド28には、別個のポジション測定装置32がシャーシ21に固定されており、そこから地面に載置される。このポジション測定装置32を用いることによって、車輪22のスリップに依存することなく、検査車両20の進んだ距離を記録したり、検査車両20の速度を求めることができるようになる。
【0040】
自動化された検査に必要な制御回路は図5に概略的に示されている。検査車両20の駆動部42は、電源ユニット45に接続されている。ポジション測定装置43は、ポジション信号をスキャンソフトウエア44に供給している。このソフトウエアには、センサ41からの結果もひび割れ検査のために供給される。コンピュータ46で実行されるスキャンソフトウエア44は、ポジションデータと検査データを結合し、それらを評価する。
【0041】
前述してきた本発明による検査車両によれば、総体的に以下に述べるような利点が得られる。すなわち、
・検査の信頼性が高い。
・検査を事項するにあたって予備的な準備が全くか若しくはほとんど必要ない
・検査のために必ずしもローターを回転させる必要はない。そのため、他のサービスタスクとの衝突は起きず、大抵は入手の困難なローターを回転させるための重い補助手段も必要ない
・検査自体が非常に早い
・検査車両自体が小型で軽く、所属の備品も携帯が容易である。
【符号の説明】
【0042】
10 ローター(例えば蒸気タービンの)
11 ローターシャフト
12 ブレード列
13 ローターブレード
14 ブレード介在空間(周面上の)
15 外面(ローターシャフトの)
16 シールストリップ
17 マグネット装置
18 マグネット支持体
19 調整装置
20 検査車両
21 シャーシ
22 車輪
23 センサアーム
30 センサ(例えば超音波センサ)
31 ガイドレール(側方)
32 ポジション測定装置(外部)
34 アーム
36 センサ(例えば超音波センサ)
40 制御回路
41 センサ
42 駆動部
43 エンコーダ(ポジション測定装置)
44 スキャンソフトウエア
45 電源ユニット
46 コンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁化可能な材料からなる実質的に円筒状の対象物を、特に蒸気タービン又はその他のタービンのローターを、検査するための検査車両(20)であって、
前記検査車両(20)は、シャーシ(21)と複数の車輪(22)とを有し、
前記複数の車輪(22)は、該車輪(22)上のシャーシ(21)が、被検体としての円筒状の対象物(10)の外周面に沿って移動できるように、前記シャーシ(21)に回転可能にかつ少なくとも一部が電動式に駆動できるように設けられており、さらに、
前記シャーシ(21)には、前記検査車両(20)を円筒状の対象物(10)の表面に保持する磁気的手段(17〜19)が設けられている、検査車両(20)において、
検査すべき円筒状の対象物(10)の外周面に存在し、当該円筒状対象物の表面から半径方向に突出して周面方向で複数延在している障害物を、特に半径方向に突出している複数のシールストリップ(16)を、支障なく越えて走行するのに十分なシャーシクリアランス乃至ロードクリアランスを前記検査車両(20)が備えるように構成されていることを特徴とする検査車両。
【請求項2】
前記磁気的手段(17〜19)には、前記シャーシ(21)下方のロードクリアランス領域に設けられるマグネット装置(17)が含まれている、請求項1記載の検査車両。
【請求項3】
前記マグネット装置(17)は、1つ以上の永久磁石を含んでいる、請求項2記載の検査車両。
【請求項4】
前記マグネット装置(17)は、1つ以上の有利にはオン/オフ可能な電磁石を含んでいる、請求項2記載の検査車両。
【請求項5】
障害物を避けるために、前記マグネット装置(17)の地上とのクリアランスが、及び/又は前記マグネット装置(17)の地上からの位置が、走行方向と交差する方向で調整可能である、請求項2から4いずれか1項記載の検査車両。
【請求項6】
前記マグネット装置(17)は、乗り越えるべき障害物との干渉作用を低減するために、非磁性のカバーを備えている、請求項2から5いずれか1項記載の検査車両。
【請求項7】
前記複数の車輪(22)は、走行方向と交差する方向で調整可能である、請求項1から6いずれか1項記載の検査車両。
【請求項8】
前記複数の車輪(22)自体が磁気を帯び、前記磁気的手段を形成している、請求項1記載の検査車両。
【請求項9】
前記検査車両(20)は、前記複数の車輪(22)の少なくとも1つを制御可能に駆動する駆動ユニット(42)を有している、請求項1から8いずれか1項記載の検査車両。
【請求項10】
前記検査車両(20)に、車両を側方から案内するための側方案内手段(31)が設けられている、請求項1から9いずれか1項記載の検査車両。
【請求項11】
前記側方案内手段(31)として、車両の少なくとも1つの長手側に、走行方向に延在するガイド構造部(31)が設けられており、該ガイド構造部(31)を用いて、円筒状対象物の直径方向の段部において前記検査車両が周面方向に案内される、請求項10記載の検査車両。
【請求項12】
前記ガイド構造部(31)は、縦長のガイドレール(31)を含んでいる、請求項11記載の検査車両。
【請求項13】
前記ガイド構造部乃至ガイドレール(31)は、磁気を帯びている、請求項11または12記載の検査車両。
【請求項14】
前記側方案内手段(31)は、側方間隔を測定するための複数のセンサを有し、該複数のセンサは、車両の走行方向を制御するための手段と協働している、請求項10記載の検査車両。
【請求項15】
前記検査車両(20)は、円筒状対象物の有利には支障の無い検査に適した1つ以上のセンサ(30)を有している、請求項1から14いずれか1項記載の検査車両。
【請求項16】
前記センサ(30)は、検査車両(20)のシャーシ(21)から走行方向に延在しているセンサアーム(23)の端部に調整可能に及び/又は弾性的に固定されている、請求項15記載の検査車両。
【請求項17】
前記センサ(30)は、超音波センサとして、特にフェイズドアレイセンサとして構成されている、請求項15または16記載の検査車両。
【請求項18】
前記検査車両(20)はモーションセンサ(43)を備えており、該モーションセンサは、前記検査車両(20)の走行した距離及び/又は瞬時の走行速度を記録している、請求項1から17いずれか1項記載の検査車両。
【請求項19】
前記モーションセンサ(43)として、前記複数の車輪(22)の少なくとも1つの回転運動を記録するエンコーダ(43)が設けられている、請求項18記載の検査車両。
【請求項20】
車両の接地面に対する動きを記録する、外的モーションセンサが付加的に設けられている、請求項19記載の検査車両。
【請求項21】
前記円筒状対象物の表面を走行する検査車両(20)の移動を制御するための制御システム(41〜46)が設けられており、該制御システム(41〜46)は、前記円筒状対象物の表面上の検査車両(20)のそのつどのポジションを検査結果に関連付ける、請求項1から20いずれか1項記載の検査車両。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図1】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−58246(P2012−58246A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−195676(P2011−195676)
【出願日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【出願人】(503416353)アルストム テクノロジー リミテッド (394)
【氏名又は名称原語表記】ALSTOM Technology Ltd
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 7, CH−5401 Baden, Switzerland
【Fターム(参考)】