容器の製造方法、容器の製造システム、および容器
【課題】容器に付された標記の一部が、容器の外面に貼付される貼付材や容器の外面に形成される画像によって隠れてしまうことを防止する。
【解決手段】4Aに示すように、容器20は、容器載置面31Aに対し左右方向における傾斜および前後方向における傾斜が付与されているため、左ガイド32によって案内されながら前方に向かって移動する。そしてこの際、第1領域R1が抵抗付与部33に接触する状態にあると、第1領域R1と抵抗付与部33との間における滑りが抑制され、容器20は時計回りの回転を行いながら前方へ移動する(4B参照)。そして4Cのように、第2領域R2が抵抗付与部33に接触する状態となると、第2領域R2と抵抗付与部33との間で滑りが生じ、容器20の回転は停止する。その後、容器20は抵抗付与部33により案内されながら貼付装置に向かって移動していく。
【解決手段】4Aに示すように、容器20は、容器載置面31Aに対し左右方向における傾斜および前後方向における傾斜が付与されているため、左ガイド32によって案内されながら前方に向かって移動する。そしてこの際、第1領域R1が抵抗付与部33に接触する状態にあると、第1領域R1と抵抗付与部33との間における滑りが抑制され、容器20は時計回りの回転を行いながら前方へ移動する(4B参照)。そして4Cのように、第2領域R2が抵抗付与部33に接触する状態となると、第2領域R2と抵抗付与部33との間で滑りが生じ、容器20の回転は停止する。その後、容器20は抵抗付与部33により案内されながら貼付装置に向かって移動していく。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の製造方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばコンビニエンスストアなどにおいては、飲料缶やペットボトルなど飲料が充填された容器が、例えば陳列ケースに収容された陳列装置に縦置きに載せられて販売される。そしてこのような陳列装置は、例えば、容器自身の自重により陳列ケースの前方に容器が移動するように傾斜した状態で配置される。そして、手前側(最前列)の1つの容器を抜き取ると、後続の容器が自重で手前側に移動する。
ここで陳列装置の容器が載せられる箇所には、容器の滑りの良さから例えばプラスチックの平板が設けられる。また、近年では回転可能なローラを多数配置した陳列装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、容器の補充は陳列装置の後方側から行うのが一般的であるが、手前側からの容器の投入を可能とするとともに、奥側に移動した容器が、再度手前側に移動し陳列される陳列装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。さらに、容器に関するものとして、缶底に形成された環状凸部の内周壁に、内側凹部と縦リブとが円周方向に交互に形成された缶が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−155701号公報
【特許文献2】米国特許第6502408号
【特許文献3】特開2000−211624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、図柄が印刷された容器の外面に対して製造年月日などに関する情報が別途印字等される場合がある。また、キャンペーンなどが実施される際などに容器の外面に対し円形のシールなどが貼付されることがある。ところで、容器の外面には商品名や商標名などの標記が設けられることが多いが、上記情報の印字位置や上記シールの貼付位置が容器の周方向においてコントロールされていないと、この印字やシールによって標記の一部が隠れてしまうおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明が適用される容器の製造方法は、内容物が充填された容器に付された標記が予め定められた特定の方向を向くように容器を回転させ、回転により標記が特定の方向を向いた容器に対し、貼付材を貼付しおよび/または画像を形成する容器の製造方法である。
【0006】
ここで、貼付材の貼付は、容器の側方から貼付材を貼付する貼付装置により行われ、貼付装置による貼付材の貼付位置に標記が位置しないように、容器の回転が行われることを特徴とすることができる。また、貼付材は、標記が付された側から容器を眺めた場合に見えるように容器のうちの標記が付された側に貼付されることを特徴とすることができる。また、画像の形成は、容器の側方から画像を形成する画像形成装置により行われ、画像形成装置による画像の形成位置に標記が位置しないように、容器の回転が行われることを特徴とすることができる。さらに、画像は、標記が付された側から容器を眺めた場合に見えるように容器のうちの標記が付された側に形成されることを特徴とすることができる。また、容器の回転は、容器を移動させるとともに容器の外周面に対し移動に対する抗力を付与することで行うことを特徴とすることができる。また、容器が移動する移動経路には、容器の側部に接触可能な側部接触部が設けられ、容器は、特定の方向以外の方向を標記が向いている場合に側部接触部に接触する容器側接触部を有し、容器側接触部が側部接触部に接触することで容器が周方向に回転し、標記が特定の方向を向くことを特徴とすることができる。
【0007】
本発明を容器の製造システムと捉えた場合、本発明が適用される容器の製造システムは、内容物が充填された容器に付された標記が予め定められた特定の方向を向くように容器を回転させる回転手段と、回転手段により標記が特定の方向を向いた容器に対し、貼付材を貼付しおよび/または画像を形成する処理手段と、を備える容器の製造システムである。
【0008】
本発明を容器と捉えた場合、本発明が適用される容器は、外周面に標記が付され内部に飲料が充填された容器本体と、容器本体の外周面に貼付された貼付材と、を備え、容器本体における貼付材の貼付位置についての制御がなされ、標記と貼付材とが予め定められた所定の位置関係を有した状態で標記と貼付材とが配置されていることを特徴とする容器である。ここで、貼付材は、標記と重ならないように標記が位置している箇所とは異なる箇所に貼付されていることを特徴とすることができる。
【0009】
他の観点から捉えると、本発明が適用される容器は、標記を含む図柄が外周面に形成され内部に飲料が充填された容器本体と、容器本体の図柄の上に形成され且つ図柄とは別に形成された画像と、を有し、容器本体における画像の形成位置についての制御がなされ、標記と画像とが予め定められた所定の位置関係を有した状態で標記と画像とが配置されていることを特徴とする容器である。ここで、画像は、標記と重ならないように標記が位置している箇所とは異なる箇所に形成されていることを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0010】
容器に付された標記の一部が、容器の外面に貼付される貼付材や容器の外面に形成される画像によって隠れてしまうことを防止可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係る容器の斜視図である。
【図2】容器の他の形態を示した図である。
【図3】シールが貼付される前の容器を示した図である。
【図4】飲料が充填された後における容器の製造ラインを説明するための図である。
【図5】搬送装置の上面図である。
【図6】図5のVI−VI線における断面図である。
【図7】搬送装置における容器の動作を説明するための図である。
【図8】貼付装置を説明するための図である。
【図9】容器に対して印刷を行う印刷機を示した図である。
【図10】容器の他の一形態を示した図である。
【図11】容器の製造ラインの他の一例を示した図である。
【図12】図10で示した容器の陳列時の状態を示した図である。
【図13】容器の他の一形態を示した図である。
【図14】陳列装置の構成を示した図である。
【図15】陳列装置における容器の動作を説明するための図である。
【図16】容器の他の一形態を示した図である。
【図17】容器の他の一形態を示した図である。
【図18】容器の詳細を説明するための図である。
【図19】容器の詳細を説明するための図である。
【図20】搬送装置の上面図および側面図を示している。
【図21】搬送装置における容器の動作を説明するための図である。
【図22】容器の他の動作例を示した図である。
【図23】容器の他の動作例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る容器20の斜視図である。
本実施形態に係る容器20は、いわゆる2ピース缶であり、飲料などの内容物が充填されている。また本容器20は、円筒状の容器本体21と、容器本体21の上部に取り付けられた蓋部材22とから構成されている。また容器20は、容器本体21の外周面に、商品名、商標名など他の商品と識別するための識別標記23を有している。また容器本体21の外周面には摩擦係数の異なる領域が2つ形成されている(後述)。さらに本実施形態では、容器本体21の外周面に円状のシールS(貼付材の一例)が貼付されている。なおこのようなシールSは、キャンペーンなどが実施される際に貼付されることが多い。
【0013】
ここでシールSは、識別標記23に重ならないように貼付されている。付言すると、図2(容器20の他の形態を示した図)の(A)、(B)のように識別標記23にシールSが重なっておらず、識別標記23とは異なる位置にシールSは貼付されている。さらにシールSは、識別標記23の周囲に位置する領域に貼付されている。さらに説明すると、シールSは、容器20を識別標記23が付された側から眺めた場合に(図1の矢印X方向から容器20を眺めた場合に)、視認可能な位置に貼付されている。またこのシールSは、識別標記23が設けられている側および識別標記23が設けられている側とは反対側のうち、識別標記23が設けられている側に貼付されている。
【0014】
次いで上記容器20の製造法について詳細に説明する。
図3は、シールSが貼付される前の容器20を示した図である。なお、同図(A)は容器20の斜視図である。また同図(B)は同図(A)のS部における断面を示し、同図(C)は同図(A)のT部における断面を示している。
【0015】
上記では詳細な説明を省略したが、本実施形態に係る容器20は、同図(A)に示すように、容器本体21の外周面に、第1領域R1(容器側接触部の一例)、第2領域R2を有している。ここで第2領域R2は、容器20の下部に形成されている。また第2領域R2は、容器20の周方向に沿うように且つ帯状に形成されている。また本実施形態における容器20では、容器本体21の外周面のうち第2領域R2以外の領域が第1領域R1となっている。また、第2領域R2と識別標記23との関係を説明すると、第2領域R2と識別標記23とは容器20の周方向において90°ずれた状態で配置されている。また本実施形態では、表面における摩擦係数は、第1領域R1>第2領域R2となっている。
【0016】
ここで同図(B)を参照し第2領域R2の表面状態についてまず説明する。
同図(B)に示すように、第2領域R2には、容器本体50の表面にインキ層51が設けられている。また、インキ層51の表面にクレーター状の凹凸を有したトップコート層(最外層)52が設けられている。
【0017】
ここでインキ層51に用いるインキには、例えば金属印刷用のものを用いることができる。ここでインキの顔料(色量)としては、各種の有機顔料や無機顔料が用いられる。また、インキのビヒクルは、熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂等の樹脂を主成分としている。ここで熱硬化性樹脂としては、アルキッド型又はポリエステル型の樹脂等が用いられる。また、紫外線硬化性樹脂としては、紫外線ラジカル重合型、紫外線カチオン重合型の樹脂等が用いられる。さらに、インキには添加剤が含有されていても良い。添加剤としては、艶消し剤、ワックス類(天然系、石油系、合成系)、乾燥剤、分散剤、湿潤剤、架橋剤、ゲル化剤、増粘剤、皮張り防止剤、安定剤、消泡剤、光重合開始剤等が用いられる。
【0018】
またインキ層51は、いわゆるはじきインキにより形成されている。即ち、インキ層51は、このインキ層51の表面にトップコート層52を形成する塗料が塗られた場合にこの塗料をはじくインキにより形成されている。ここでトップコート層52における上記凹凸は、トップコート層52を形成する塗料がこのインキ層51によりはじかれることにより形成されたものである。
【0019】
なおトップコート層52を形成する塗料をインキ層51によりはじくためには(上記凹凸を形成するためには)、インキ層51の形成に用いるインキの表面張力を、トップコート層52の形成に用いる塗料の表面張力よりも5mN/m以上低く設定することが望ましい。換言すると、インキの表面張力が塗料の表面張力よりも低く、且つ、インキと塗料との間の表面張力の差が5mN/m以上であることが望ましい。ここでインキの表面張力の低下は、例えば、通常のインキにシリコーンを添加することにより行うことができる。
【0020】
一方、トップコート層52に用いる塗料は、熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂等の樹脂を主成分とするものであり、必要に応じてワックス成分を含有している。熱硬化性樹脂としては、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、フラン−ホルムアルデヒド樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、ケトン−ホルムアルデヒド樹脂、アミノ樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂(例:ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスマレイミド樹脂、トリアリルシアヌレート樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、シリコーン樹脂、油性樹脂等が用いられる。
【0021】
さらに、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との組成物を用いても良い。この場合、熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル−マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、アクリル重合体、飽和ポリエステル樹脂等が用いられる。これらの樹脂は、単独でも2種以上を組み合わせても使用できる。また、これらの樹脂組成物には、必要に応じて、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の公知の酸触媒が添加されていても良い。酸触媒を用いる場合は、酸触媒は樹脂に対して0.5〜1質量%添加するのが望ましい。また、これらの樹脂のうち、特に、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂と飽和ポリエステル樹脂との組成物や、熱硬化性アクリル樹脂とメラミン−ホルムアルデヒド樹脂との組成物を用いることが塗膜性能面で望ましい。
【0022】
一方、紫外線硬化性樹脂としては、例えば、カチオン硬化型樹脂、ラジカル硬化型樹脂等が用いられる。カチオン硬化型樹脂としては、紫外線硬化型エポキシ樹脂と光カチオン重合触媒との組成物等が用いられる。
【0023】
また、トップコート層52に用いる塗料において、上記の樹脂に架橋剤や増感剤を必要に応じて添加しても良い。架橋剤としては、種々のポリオール類(例:ε−カプロラクトントリオール)等が用いられる。増感剤としては、チオキサントン誘導体等が用いられる。さらに、トップコート層52に用いる塗料に、滑りを補うために、ワックス成分として天然系、石油系、合成系のワックス剤を単独で又は複合して添加しても良い。さらに、トップコート層52の表面のレベリング剤として、あるいは/更に、塗料状態での安定性を高めるためや初期滑り性をトップコート層52に付与するために、各種のシリコーンオイルを添加しても良い。
【0024】
なお、インキ層51およびトップコート層52の組成等の一例を挙げると以下のようになる。
[トップコート層52]
樹脂成分:ポリエステル30%、アクリル13%、アミノ55%、エポキシ2%
ワックス:石油系0.3%、天然系1%、合成系0.2%(樹脂成分に対し)
シリコーンオイル(混合):0.15%(樹脂成分に対し)
表面張力:33mN/m
厚さ:5μm
[インキ層51](はじきインキ)
主樹脂:アルキッド樹脂
顔料:TiO2
表面張力:28mN/m
厚さ:2μm
【0025】
なお上記は、第2領域R2の形成方法の一例を説明したものであり、例えば特開2002−361172号公報に開示されている技術を用いて第2領域R2を形成してもよい。即ち、トップコート層52を形成する塗料をインキ層51の表面で斑状に凝集させることで凹凸を形成し第2領域R2を形成してもよい。また第2領域R2のクレーター状の凹凸は、発泡剤を含有したいわゆる発泡インキを用いてインキ層51を形成することにより形成することができる。なおこの発泡剤としては、例えば、発泡性マイクロカプセルを用いることができる。この発泡性マイクロカプセルは、樹脂からなる球形の外殻の中に低沸点の炭化水素(ブタン、プロパン等)を封入したものであり、焼付け処理時の加熱によって粒径が数倍に膨張する。なお、第2領域R2の凹凸は、最大深さで3〜10μm程度のオーダーであり、通常のコーティング塗料では、深さ1μm程度或いはそれ未満の程度の平滑面を第1領域R1と言っている。
【0026】
次いで、図3(C)を参照し第1領域R1の表面状態について説明する。
同図(C)に示すように第1領域R1には、上記と同様、容器本体50の表面にインキ層51が設けられている。また、インキ層51の表面に、上記第2領域R2におけるトップコート層52よりも表面が平滑に形成されたトップコート層(最外層)52が設けられている。
【0027】
ここで第1領域R1におけるインキ層51は、トップコート層52を形成する塗料をはじかないインキ(通常インキ)を用いて形成している。付言すれば、インキ層51を形成するインキは、表面張力がトップコート層52を形成する塗料の表面張力と等しいか又はそれよりも高いインキが用いられている。このため第1領域R1では、トップコート層52を形成する塗料がはじかれず、トップコート層52の表面は、第2領域R2におけるトップコート層52に比べ平滑となる。なお、インキ層51を形成するインキの基本的な組成等は上記と同様である。トップコート層52を形成する塗料の基本的な組成等は上記と同様である。
【0028】
なお、第2領域R2におけるインキ層51を、上記発泡インキを用いて形成する場合には、第1領域R1におけるインキ層51は、発泡インキではないインキ(通常インキ)を用いて形成する。また、第2領域R2におけるインキ層51を、トップコート層52を形成する塗料を凝集させるインキを用いて形成する場合には、第1領域R1におけるインキ層51は、トップコート層52を形成する塗料を凝集させないインキ(通常インキ)を用いて形成する。
【0029】
次いで上記容器20の製造に用いられる製造ラインについて説明する。付言すると、容器20に対し飲料が充填された後における容器20の製造ラインについて説明する。
図4は、飲料が充填された後における容器20の製造ラインを説明するための図である。本実施形態の容器20の製造ラインには、図4に示すように、容器20を搬送する搬送装置30、搬送装置30により搬送されてきた容器20に対し上記シールSを貼付する貼付装置70が設けられている。
【0030】
図5は、搬送装置30の上面図である。本図を用いて搬送装置30についてまず説明する。本実施形態における搬送装置30は、容器20が載せられるとともにこの容器20を移動させる載置部31と、容器20の移動経路を形成するとともに容器20の移動を案内するガイド32とを備えている。
【0031】
ここでガイド32は、容器20の移動経路に沿って配置されている。またガイド32は、容器20の移動経路の両側に設けられている。ここでガイド32は、例えばアルミニウムなどの金属材料や樹脂材料などにより形成される。なお2つ設けられたガイド32のうち容器20の移動経路の右側(図中右側)に位置するガイド32は省略することができる。ここで本明細書では、以下、図中右側のガイド32を右ガイド32と称する場合があり、図中左側のガイド32を左ガイド32と称する場合がある。
【0032】
ここで載置部31は、容器20が載置される容器載置面31Aを有している。そしてこの容器載置面31Aは、図中下側が上側よりも下方に位置するように傾斜して配置されている。付言すると、容器載置面31Aと前後方向の水平面とが角度θV(以下、「前後方向傾斜角度θV」と称する場合がある)をなすように、容器載置面31Aは傾斜して配置されている。
【0033】
また容器載置面31Aは、左ガイド32の方が右ガイド32よりも下方に位置するように傾斜して配置されている。付言すると、容器載置面31Aと左右方向(幅方向)の水平面とが角度θH(以下、「左右方向傾斜角度θH」と称する場合がある)をなすように、容器載置面31Aは傾斜して配置されている。さらに説明すると、本実施形態では、容器20の移動経路の一方の側方側および他方の側方側のうちの一方の側方側に、後述する抵抗付与部33が設けられている。そして本実施形態における容器載置面31Aには、この他方の側方側からこの一方の側方側に向かうに従い下る傾斜が付与されている。なお図5における符号3A,3Bは容器載置面31Aにおける傾斜の状態を示している。
【0034】
さらに載置部31は、容器20が置かれる側の面である容器載置面31Aに、載置部31の幅方向に並列配置された第1ローラ列311、第2ローラ列312を有している。ここで、第1ローラ列311は上記一方の側方側に設けられ、第2ローラ列312は上記他方の側方側に設けられている。また各ローラ列は、複数のロール状部材314を有している。なお、第1ローラ列311に含まれるロール状部材314は、容器20の移動方向に沿った回転が可能であり容器20を円滑に移動させる。一方で、第2ローラ列312に含まれるロール状部材314は、回転ができないように固定されている。このため、第2ローラ列312に含まれるロール状部材314は、載置部31を移動する容器20に対し移動に対する抗力を付与する。
【0035】
ここで第2ローラ列312に含まれるロール状部材314は、容器20のうちの上記他方の側方側(抵抗付与部33が設けられている側とは反対側)に位置する部位に接触し容器20に対して抗力を付与する。なお本実施形態では、第2ローラ列312に含まれる全てのロール状部材314を回転できないように固定したが、一個おきにロール状部材314を固定するなど、一部のロール状部材314を固定してもよい。なお、第2ローラ列312に含まれるロール状部材314の固定は、接着剤等により行うことができる。またテープ等を貼付して固定することもできる。また第2ローラ列312に含まれるロール状部材314を設けず、このロール状部材314に対応する凸部を載置部31の表面に設けることもできる。
【0036】
さらに本実施形態では、左ガイド32に、接触する容器20の外周面(側部)に対して摺動抵抗(摩擦抵抗、抗力)を付与する抵抗付与部33(側部接触部の一例)が設けられている。回転手段としても機能するこの抵抗付与部33は、容器20の移動経路に沿って設けられている。また抵抗付与部33は、移動経路の一方の側方側および他方の側方側のうちの一方の側方側に設けられている。また抵抗付与部33は、図6(図5のVI−VI線における断面図)に示すように、容器20の移動経路に沿って設けられるとともに左ガイド32に形成された溝に嵌め込まれた基材33Aと、この基材33Aの外表面に貼付された貼付部材33Bとから構成されている。
【0037】
ここで、図6に示すように、基材33Aの外表面のうち容器20の移動経路側に位置する部位は、この移動経路に向かって突出するように湾曲して形成されている。付言すると、基材33Aの外表面のうち容器20の移動経路側に位置する面は、高さ方向における中央部から上方に向かうに従いおよび下方に向かうに従い容器20の移動経路から離れるように曲率を有した状態で形成されている。なお本実施形態では、基材33Aを円柱状に形成したが、半円状に形成された基材33Aを左ガイド32に貼付するようにしてもよい。
【0038】
ここで上記のように、基材33Aの外表面のうち容器20の移動経路側に位置する部位を湾曲して形成した場合、載置部31の上を移動する容器20が上下方向や左右方向に傾いたとしても、抵抗付与部33と容器20との接触面積が一定となりやすい。なお基材33Aは、例えばアルミニウムなどの硬質の材料により形成することができる。また貼付部材33Bは、例えば、塩化ビニルにより構成されたビニールテープにより構成することができる。付言すると、貼付部材33Bは、基材33Aよりも柔軟性を有し基材33Aよりも軟質の材料により構成することができる。
【0039】
なお抵抗付与部33は、貼付部材33Bを設けず硬質の基材33Aのみにより形成することができる。また、抵抗付与部33を基材33Aのみにより構成する場合、この基材33Aに対し粗面化処理の一例としてのサンドブラスト処理を行い基材33Aの表面を荒らすことも可能である。また、貼付部材33Bを設ける場合、この貼付部材33Bは、例えば、EPDM(エチレン−プロピレンゴム)などのゴム部材を用いることもできる。
【0040】
次いで搬送装置30における容器20の動作を説明する。
図7は、搬送装置30における容器20の動作を説明するための図である。なお本図では第1ローラ列311、第2ローラ列312(図5参照)の図示を省略している。
【0041】
図7の符号4Aに示すように、載置部31の後方に置かれた容器20は、容器載置面31Aに対し左右方向(幅方向)における傾斜および前後方向における傾斜が付与されているため、左ガイド32によって案内されながら前方に向かって移動する。そしてこの際、第1領域R1が抵抗付与部33に接触する状態にあると、第1領域R1と抵抗付与部33との間における滑りが抑制され(第1領域R1に抗力が付与され)、容器20は、時計回りの回転を行いながら前方へ移動する(符号4B参照)。
【0042】
そして符号4Cのように、第2領域R2が抵抗付与部33に接触する状態となると、第2領域R2と抵抗付与部33との間で滑りが生じ、容器20の回転は停止する。ここで、第2領域R2が抵抗付与部33に接触した場合、第2領域R2と抵抗付与部33とは点接触に近い状態で接触する。付言すれば、第2領域R2と抵抗付与部33とは接触面積が低下する状態となる。このため、第2領域R2と抵抗付与部33との間で上記滑りが生じるものと考えられる。
【0043】
その後、容器20は抵抗付与部33により案内されながら貼付装置70(図4参照)に向かって移動していく。本実施形態では、貼付装置70に容器20が達する際に識別標記23が前方を向いた状態となる。付言すると、本実施形態では、第2領域R2と識別標記23は、予め定められた所定の位置関係を有して配置されている。具体的には、第2領域R2が左方側(一方向)を向いている場合に識別標記23が前方(一方向と交差する方向、一方向と直交する方向)を向くように、第2領域R2および識別標記23は配置されている。このため、第2領域R2が抵抗付与部33に接触した状態となると、識別標記23が前方(進行方向)を向く。
【0044】
なお本実施形態における搬送装置30では、上述のとおり、第2ローラ列312に含まれるロール状部材314は、回転ができないように固定されている。このため、第2ローラ列312に含まれるロール状部材314は、移動してくる容器20に対し移動に対する抗力を付与することとなる。ここで本実施形態における構成にて、第2ローラ列312から容器20に対し抗力を付与しない場合、第2領域R2と抵抗付与部33とが接触しているにも関わらず容器20が回転してしまう可能性がある。即ち、第2領域R2に対し抵抗付与部33から付与される抗力によって容器20の意図しない回転が起こる可能性がある。このため本実施形態では、第2ローラ列312に含まれるロール状部材314を用いて容器20に対し抗力を与え上記意図しない回転を抑えている。付言すると、容器20のうち抵抗付与部33と接触する部位とは反対側に位置する部位に対し抗力を与え、容器20の過度の回転を抑えている。
【0045】
図8は、貼付装置70を説明するための図である。なお同図(A)は容器20の搬送方向下流側から貼付装置70等を眺めた場合の状態を示し、同図(B)は上方から貼付装置70等を眺めた場合の状態を示している。
処理手段の一例としての貼付装置70は、容器20の移動経路の側方に配置され容器20の側方からシールSを貼付する。詳細に説明すると、貼付装置70は、図8(A)に示すように、複数のシールSが列状に貼付された帯状のベース材BAと、このベース材BAを巻き取った状態で保持する第1リール71と、ベース材BAを巻き取る第2リール72と、くさび状に形成され第1リール71と第2リール72との間に位置するベース材BAを屈曲させる屈曲部材73とを備えている。また、シールSを吸引して保持するとともに保持したこのシールSを容器20に貼付する貼付部材74とを備えている。本実施形態ではこの貼付部材74によって容器20に対してシールSが貼付され、図1に示した容器20が完成する。
【0046】
なお本実施形態では、ベース材BAのうち屈曲部材73により屈曲された箇所に、一部がベース材BAから剥がれた状態のシールSが位置するようになる。そして本実施形態では、このシールSを貼付部材74を用いて容器20まで搬送し、容器20の外周面にシールSを貼付する。付言すると本実施形態では、貼付装置70によるシールSの貼付位置に識別標記23が位置しないように容器20の回転(制御)が行われている。このためシールSは、識別標記23が位置している箇所とは異なる箇所に貼付される。なお、シールSは、図1に示したように、識別標記23に対し約45°ずれた関係で配置されている。このため、図8(B)に示すように、貼付部材74も、45°の回転を伴って容器20まで移動する。
【0047】
ここで、上記第1領域R1、第2領域R2の形成方法について説明する。なおこの第1領域R1、第2領域R2の形成は、容器20に対し飲料が充填される前に行われる。より具体的には、第1領域R1、第2領域R2は、例えば、2ピース缶である容器20の製造工程に含まれる印刷工程にて形成することができる。より詳細には、印刷工程に設置された印刷機を用いて形成することができる。
【0048】
ここで図9は、容器20に対して印刷を行う印刷機を示した図である。
同図に示す印刷機500は、いわゆるオフセット印刷を行う印刷機である。この印刷機500は、ブランケットシリンダ510、画像に対応した印刷版を有し上記インキ層51を形成するインキをブランケットシリンダ510に塗布するインキ塗布装置520、支持ロール530、上記トップコート層52を形成する塗料を塗布する塗料塗布装置540を備える。
【0049】
ブランケットシリンダ510は、円盤状に形成されるとともに一方向に回転する。また、ブランケットシリンダ510は、外周面に複数のブランケット(被転写部)511を有している。また、ブランケットシリンダ510は、インキ塗布装置520における上記印刷版からブランケット511に転写されたインキを、転写部Teにて2ピース缶の基体となる素缶体に対して転写しこの素缶体に画像を形成する。
【0050】
インキ塗布装置520は、ブランケットシリンダ510の周方向に沿って色毎に複数設けられている。各インキ塗布装置520は、ブランケットシリンダ510のブランケット511に接触する印刷用シリンダ529、印刷用シリンダ529の外周面にインキを供給するインキ供給装置528を備えている。ここで印刷用シリンダ529は、外周面に上記印刷版を有しインキ供給装置528により供給されたインキをブランケット511に転写する。これにより、各ブランケット511の表面にインキが載せられる。詳細には、各ブランケット511の表面であって印刷用シリンダ529毎に割り当てられた各領域に、印刷用シリンダ529の各々からインキが順次載せられる。この結果、各ブランケット511の表面には、画像に対応したインキ像が形成される。そして、このインキ像は、ブランケットシリンダ510の回転に伴い、転写部Teまで移動し、周方向に回転している素缶体の外周面に転写される。これによって上記インキ層51が形成される。
【0051】
支持ロール530は、ブランケットシリンダ510の対向位置に配置されるとともに一方向に回転し、不図示のウォッシャー工程から移動してきた素缶体を上記転写部Teまで搬送する。また支持ロール530は、ウォッシャー工程から移動してきた素缶体を回転させた状態で上記転写部Teまで搬送する。塗料塗布装置540は、上記インキ像が転写された素缶体(インキ層51が形成された素缶体)の外周面に対して塗料を塗布する。これによって上記トップコート層52が形成される。
【0052】
ここでこのような印刷機500を用いる場合、上記第2領域R2におけるインキ層51を担当する印刷用シリンダ529から塗料をはじく機能を有したインキをブランケット511に載せることにより、第2領域R2と第1領域R1との間に表面の違いを形成することができる。なお、上述した発泡インキを用いての第2領域R2の形成は、第2領域R2におけるインキ層51を担当する印刷用シリンダ529から発泡インキをブランケット511に載せることにより行うことができる。さらに、上述の塗料を凝集させるインキを用いての第2領域R2の形成は、第2領域R2におけるインキ層51を担当する印刷用シリンダ529から、この塗料を凝集させるインキをブランケット511に載せることにより行うことができる。
【0053】
なお上記では、容器20にシールSを貼付した場合を説明したが、図10(容器20の他の一形態を示した図)に示すように、二次元バーコードなどのコード画像CD(画像の一例)を、オフセット印刷機やインクジェットプリンタなどを利用して容器20の外周面に形成(印字、印刷)することもできる。付言すると、識別標記23を含む図柄が外周面に形成された容器20のこの図柄の上に且つこの図柄とは別に、二次元バーコードなどのコード画像CDを形成することができる。なお、このコード画像CDには、容器20の内容物に関する情報(例えば、容量に関する情報、カロリーに関する情報、アルコール飲料であるか否かの情報)を含ませることができる。また、容器20の製造者、製造場所、製造年月日などに関する情報を含ませることができる。
【0054】
なお本容器20を製造する際には、上記と同様、搬送装置30による容器20の移動経路上に(移動経路の側方に)、オフセット印刷機やインクジェットプリンタなどの画像形成装置を設けておく。そして容器20の側方からこの容器20に対し、画像形成装置を用いて画像の形成(上記コード画像CDの形成)を行う。なお、図10に示すように、識別標記23の下部にコード画像CDを形成する場合(識別標記23が向く方向と同じ方向を向いたコード画像CDを形成する場合)は、図11(容器20の製造ラインの他の一例を示した図)に示すように、容器20の搬送ラインを直角方向に曲げておく。そして、識別標記23が正面を向いて搬送されてくる箇所(搬送ラインが屈曲する箇所、図中の破線で示す箇所)に、上記画像形成装置を設置し、識別標記23の下部に上記コード画像CDを形成する。
【0055】
図12は、図10で示した容器20の陳列時の状態を示した図である。図10にて示した容器20は、コンビニエンスストアなどにて販売される際に、図12に示すように、コード画像CDが前方に向いた方が好ましい。付言すると、容器20の購入者側にコード画像CDが向いた状態で販売されることが好ましい。このような場合、例えば、ユーザが有する携帯電話Hによる情報(コード画像CDに含まれる情報)の取得がより容易となる。
【0056】
ところで、コード画像CDを前方に向けるためには、コンビニエンスストア等に設置されている陳列装置などにおいて容器20を周方向に回転させる必要が生じる。ここで容器20を図3と同様に構成し、且つ、陳列装置を図14(陳列装置の構成を示した図)に示すように構成することで、周方向に容器20を回転させることができる。
【0057】
より具体的に説明すると、容器20を図13(容器20の他の一形態を示した図)に示すように構成することで、周方向に容器20を回転させることができる。ここで図13に示す容器20では、上記と同様、第1領域R1、第2領域R2が設けられている。また、上記と同様、識別標記23が容器20の外周面に付されている。さらに識別標記23の下部にコード画像CDが形成されている。ここで、第2領域R2とコード画像CDとは、容器20の周方向において90°ずれた状態で配置されている。
【0058】
一方で、図14に示す陳列装置700は、停止板34が設けられている点を除き、図5に示した搬送装置30と同様の構成を有している。即ち、本陳列装置700は、容器載置面31Aを有し容器20を移動させる載置部31、容器20の移動を案内するガイド32を備えている。容器載置面31Aには、上記と同様、幅方向および前後方向における傾斜が付与されている。また本陳列装置700は、回転可能なロール状部材314を有した第1ローラ列311、ロール状部材314が固定された第2ローラ列312を有している。また本陳列装置700は、左ガイド32に、接触する容器20の外周面に対して摺動抵抗を付与する抵抗付与部33を有している。この抵抗付与部33は、上記と同様に、基材(本図では不図示)と、この基材の外表面に貼付された貼付部材33Bとから構成されている。
【0059】
次に、陳列装置700における容器20の動作を説明する。
図15は、陳列装置700における容器20の動作を説明するための図である。なお本図では第1ローラ列311、第2ローラ列312(図14参照)の図示を省略している。また本図では、識別標記23(図13参照)の図示を省略している。
【0060】
図15の符号15Aに示すように、載置部31の後方に置かれた容器20は、容器載置面31Aに対し左右方向(幅方向)における傾斜および前後方向における傾斜が付与されているため、左ガイド32によって案内されながら前方に向かって移動する。そしてこの際、第1領域R1が抵抗付与部33に接触する状態にあると、第1領域R1と抵抗付与部33との間における滑りが抑制され(第1領域R1に抗力が付与され)、容器20は、時計回りの回転を行いながら前方へ移動する(符号15B参照)。そして符号15Cのように、第2領域R2が抵抗付与部33に接触する状態となると、第2領域R2と抵抗付与部33との間で滑りが生じ、容器20の回転は停止する。
【0061】
その後、容器20は抵抗付与部33により案内されながら前方に向かって移動していく。これにより、陳列装置700の前方に容器20が達する際には、コード画像CDが前方を向いた状態となる。付言すると、本実施形態では、第2領域R2とコード画像CDは、予め定められた所定の位置関係を有して配置されている。具体的には、第2領域R2が左方側(一方向)を向いている場合にコード画像CDが前方(一方向と交差する方向、一方向と直交する方向)を向くように、第2領域R2およびコード画像CDは配置されている。このため、第2領域R2が抵抗付与部33に接触した状態となると、コード画像CDが前方(進行方向)を向く。
【0062】
なお上記では、コード画像CDを形成した場合を一例に説明したが、図16(容器20の他の一形態を示した図)に示すように、製造年月日などの情報を直接印字するようにしてもよい。また、図17(容器20の他の一形態を示した図)に示すように、缶体に限られずペットボトルとして構成された容器20の外周面に対しシールSを貼付することもできる。なお図17に示す容器20の製造ラインでは、円筒形のペットボトルの場合は上述した第1領域R1、第2領域R2を利用することもできるが、ペットボトルの場合は容器20に形成された複数の面を利用して容器20の回転を行うこともできる。なお容器20の回転については、その他の方法も存在する。このその他の方法については後述する。
【0063】
以下、図17に示した容器20の詳細を説明する。
図18、図19は、容器20の詳細を説明するための図である。なお、図18(A)は容器20の正面図を示し、同図(B)は容器20の左側面図を示している。また、図19(A)は容器20の背面図を示し、同図(B)は容器20の右側面図を示している。また、図18(A)、(B)、図19(A)、(B)の各々の上部に表示した図は、A−A線における断面図を示している。
【0064】
本実施形態における容器20は、PET(ポリエチレンテレフタレート)などの樹脂材料により形成された容器を例示している。例えば、このような容器20は、樹脂材料を用いた射出成形(ブロー成形)法、樹脂材料を用いてプリフォームを成形後、これをブロー成形する方法により製造することができる。図18(A)に示すように本実施形態における容器20は、上部に開口(飲み口)を有し且つ筒状に形成され内部に飲料が充填された容器本体21と、容器本体21の開口を塞ぐキャップ22とを備えている。また容器本体21の外周面には、フィルムFが装着されている。
【0065】
ここでフィルムFには、同図(A)に示すように、識別標記23が印刷されている。また容器20は、容器本体21の上部に(キャップ22の下部に)、容器本体21の外周面から容器本体21の径方向に環状に突出した第1突出部24を備えている。ここで、この第1突出部24は、容器本体21と一体に形成されている。さらに容器20は、第1突出部24の下部に、第2突出部25を備えている。ここで、この第2突出部25の突出量は、第1突出部24の突出量よりも小さくなっている。この場合、第2突出部25が第1突出部24よりも突出している場合に比べ、キャップ22を操作をする際のユーザの手指が第2突出部25に引っ掛かりにくくなる。
【0066】
また、第2突出部25は、図18(A)の断面図に示すように、識別標記23が設けられた側から識別標記23が設けられた側とは反対側にかけて、容器本体21に巻き付くように設けられている。付言すれば、識別標記23が設けられた側から反対側に向かって時計回り方向に沿って設けられている。さらに説明すると、第2突出部25は、容器本体21の周方向における所定範囲内に設けられている。
【0067】
さらに説明すると、容器20は、容器20を識別標記23が設けられた側から眺めた場合に(図18(A)参照)、容器20の右側面側に、第2突出部25が設けられていない構成となっている。付言すると、第2突出部25が設けられている高さ方向の位置において、容器20の右側面側は(第2突出部25に隣接する領域は)、容器本体21が露出する状態となっている。さらに説明すると、容器本体21の右側面に対する接線且つ容器20の正面側から背面側に向かう接線であって上記第2突出部25が設けられた高さ位置を通る接線(図18(A)の断面図参照)よりも容器20の右方側には、第2突出部25が設けられていない構成となっている。
【0068】
また、第2突出部25は、その下面が階段状に形成されており、複数の段部を備えて構成となっている。詳細に説明すると、第2突出部25は、時計回り方向に進むに従い高さが減少するように、その下面が階段状に形成されている。このため、本実施形態における第2突出部25は、その下部に、高さ方向における位置が互いに異なる第1平坦面251〜第6平坦面256を備えた構成となっている。付言すると、第2突出部25は、高さ方向における位置が互いに異なりまた容器本体21の周方向における位置が互いに異なる複数の端面を有している。
【0069】
ここで、第1平坦面251〜第6平坦面256の各々は、図18(A)に示すように、容器本体21の外周面に対して交差する関係(略直交する関係)で配置されている。また、第1平坦面251は、図18(A)に示すように、識別標記23が設けられた側に位置している。また、第6平坦面256は、図18(A)に示すように、識別標記23が設けられた側とは反対側に位置している。また、第2平坦面252〜第5平坦面255は、第1平坦面251から第6平坦面256に向かって、第2平坦面252、第3平坦面253、第4平坦面254、第5平坦面255の順に設けられている。さらに、容器20の周方向において、第1平坦面251〜第6平坦面256は所定の角度毎に設けられている。また、第1平坦面251が最も下部に位置し、第6平坦面256が最も上部に位置している。
【0070】
次に、製造ラインに設置される搬送装置30(図4参照)の構成を説明する。
図20は、搬送装置30の上面図および側面図を示している。詳細には、同図(A)は上面図を示し、同図(B)は右側面図を示している。なお、上記にて説明した実施形態と同様の機能については同様の符号を用いここではその説明を省略する。
【0071】
本搬送装置30では、図20(A)に示すように、載置部31に、複数のロール状部材811が設けられている。詳細に説明すると、複数のロール状部材811が前後方向に沿って並べられた第1ローラ列812と、同じく複数のロール状部材811が前後方向に沿って並べられた第2ローラ列813とが、載置部31に設けられている。各々のロール状部材811は、容器20の移動経路に沿った回転が可能なように設けられており、容器20を前方へ円滑に移動させる。なお本搬送装置30では、載置部31に対し、前後方向の傾斜は付与されているが左右方向の傾斜は付与されていない。
【0072】
また搬送装置30は、容器20を回転させ容器20に付された識別標記23を前方に向ける回転機構600を備えている。ここで回転機構600は、図20(A)に示すように、容器20の移動経路に沿って設けられ且つ載置部31の上方に設けられた棒状部材61と、この棒状部材61に取り付けられ容器20の移動経路に突出した第1ピン521〜第6ピン526を備えている。ここで本実施形態では、容器20の移動方向最上流側に第1ピン521が配置され、移動方向最下流側に第6ピン526が配置されている。また、第1ピン521〜第6ピン526の各々は、一定の間隙をおいて配置されている。また、回転機構600は、棒状部材61を右ガイド32に固定する固定部材53を備えている。
【0073】
また、同図(B)に示すように、棒状部材61には、前方に向かうに従い載置部31から離れるような傾斜が付与されている。このため、本実施形態では、第1ピン521が載置部31の最も近くに配置され、第6ピン526が載置部31から最も離れた箇所に位置している。付言すれば第1ピン521〜第6ピン526は、高さ方向における位置が互いにずらされて配置されている。なお、本図では、理解を容易にするため、棒状部材61の傾斜を実際の傾斜よりも大きく表示している。
【0074】
次に、搬送装置30における容器20の動作を説明する。
図21は、搬送装置30における容器20の動作を説明するための図である。なお、本図では、第1ローラ列812、第2ローラ列813、および固定部材53の図示を省略している。
【0075】
同図の符号21Aに示すように、識別標記23が右斜め前方を向いた状態で容器20が搬送装置30に投入された場合、第1ピン521に対し第1平坦面251が突き当たるようになる。これによって容器20には回転力が付与され、容器20は反時計回りに回転を行うようになる。次いで容器20の前方への移動に伴い、第2ピン522に対し第2平坦面252が突き当たり(符号21B参照)、容器20は同様に反時計回りの回転を行う。
【0076】
その後、容器20は、第3ピン523に第3平坦面253が突き当たり、第4ピン524に第4平坦面254が突き当たり、第5ピン525に第5平坦面255が突き当たることで、周方向の回転を順次行っておく。そして最終的に、第6平坦面256が第6ピン526に突き当たることで(符号21C参照)、識別標記23が前方を向くようになる。その後、容器20は、載置部31上をスライドし貼付装置70(図4参照)に到達する。そして上記と同様、この貼付装置70によりシールSが貼付される。
【0077】
本実施形態では、識別標記23と第2突出部25(第1平坦面251〜第6平坦面256)が設けられた領域とが予め定められた位置関係を有して配置されている。また、識別標記23と第2突出部25が設けられていない領域も予め定められた位置関係を有して配置されている。具体的には、識別標記23が一方向を向いている場合に、第2突出部25が設けられていない領域がこの一方向と直交する方向を向くようになっている。
【0078】
このため本実施形態では、識別標記23が前方以外の方向を向いている場合には容器20が回転し、識別標記23が前方を向いている場合には容器20は回転を行わない。付言すると、識別標記23が前方に向いていない状態で容器20の投入を行ったとしても、容器20が移動する過程において識別標記23を前方に向いた状態となる。
【0079】
なお上記説明を省略したが、第1ピン521〜第6ピン526の各々は、高さ方向における位置が予め調整されている。即ち、第1ピン521と第1平坦面251とが突き当たるように、第2ピン522と第2平坦面252とが突き当たるように、第3ピン523と第3平坦面253とが突き当たるように、第1ピン521〜第3ピン523の各々は、高さ方向における位置が予め調整されている。また、第4ピン524と第4平坦面254とが突き当たるように、第5ピン525と第5平坦面255とが突き当たるように、第6ピン526と第6平坦面256とが突き当たるように、第4ピン524〜第6ピン526の各々は、高さ方向における位置が予め調整されている。
【0080】
次いで容器20の他の動作例を説明する。
図22、図23は、容器20の他の動作例を示した図である。
図22(A)に示すように、識別標記23が搬送装置30の後方側を向いた状態で容器20が投入された場合、第3平坦面253が搬送装置30の前方を向いた状態となる。そして容器20は前方へ移動することとなるが、この第3平坦面253は、第1ピン521、第2ピン522(図20(B)も参照)の上方を通過するようになる。このため、容器20は、回転せずに第3ピン523まで到達する。そして、容器20はこの第3ピン523から回転力を受け上記と同様に回転を行う。そして容器20は、上記と同様に、識別標記23が前方を向いた状態で前方に移動していく。
【0081】
また例えば図22(B)に示すように、識別標記23が左斜め前方を向いた状態で容器20が投入された場合、第6平坦面256が搬送装置30の前方を向いた状態となる。そして容器20は前方へ移動することとなるが、この第6平坦面256は、第1ピン521〜第5ピン525(図20(B)も参照)の上方を通過するようになる。このため、容器20は、回転せずに第6ピン526まで到達する。そして、容器20はこの第6ピン526から回転力を受け上記と同様に回転を行う。そして容器20は、上記と同様に、識別標記23が前方を向いた状態で前方に移動していく。
【0082】
さらに例えば図23に示すように、識別標記23が前方を向いた状態で容器20が投入される場合もある。この場合、容器20の側面であって第1ピン521〜第6ピン526が配置された側と対向する側面には、第2突出部25が存在しない状態となる。付言すれば、第2突出部25が存在しない領域(面)と、第1ピン521〜第6ピン526が配置された側とが対峙するようになる。さらに付言すれば、第1ピン521〜第6ピン526に突き当たる第1平坦面251〜第6平坦面256が、容器20の図中右側面側に位置しない状態となる。このため、容器20は、回転を行うことなく搬送装置30を移動していく。即ち、識別標記23が前方を向いた状態を維持したまま上記貼付装置70まで移動していく。
【0083】
なお上記では、第2突出部25に形成された階段状の部位を利用して第1平坦面251〜第6平坦面256を形成したが、容器本体21の外周面から突出するリブ状の突起を容器本体21の周囲に複数設けることで、第1平坦面251〜第6平坦面256に相当する面を形成することもできる。また、第1突出部24から下方に向かって突出し且つ突出量が互いに異なる複数の突起を形成することでも、第1平坦面251〜第6平坦面256に相当する面を形成することができる。また上記実施形態では、載置部31の傾斜を利用して容器20を移動させたが、載置部31に設けられたロール状部材をモータ等により駆動させ、駆動するこのロール状部材により容器20の移動を行うこともできる。
また上述したその他の方法としては、例えば、第1突出部24を長円形として吊り金具から落下させる方法(特願2009−289401)、本願の図18のような第2突出部25をキャップに設ける方法(特願2009−100518)、第1突出部24をガイドで持ち上げておき、第1突出部24に設けられた面削ぎ状の部分でガイドからの支持が解除される方法(特願2009−131377)等がある。
【符号の説明】
【0084】
20…容器、21…容器本体、23…識別標記、33…抵抗付与部、70…貼付装置、CD…コード画像、R1…第1領域、S…シール
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の製造方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばコンビニエンスストアなどにおいては、飲料缶やペットボトルなど飲料が充填された容器が、例えば陳列ケースに収容された陳列装置に縦置きに載せられて販売される。そしてこのような陳列装置は、例えば、容器自身の自重により陳列ケースの前方に容器が移動するように傾斜した状態で配置される。そして、手前側(最前列)の1つの容器を抜き取ると、後続の容器が自重で手前側に移動する。
ここで陳列装置の容器が載せられる箇所には、容器の滑りの良さから例えばプラスチックの平板が設けられる。また、近年では回転可能なローラを多数配置した陳列装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、容器の補充は陳列装置の後方側から行うのが一般的であるが、手前側からの容器の投入を可能とするとともに、奥側に移動した容器が、再度手前側に移動し陳列される陳列装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。さらに、容器に関するものとして、缶底に形成された環状凸部の内周壁に、内側凹部と縦リブとが円周方向に交互に形成された缶が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−155701号公報
【特許文献2】米国特許第6502408号
【特許文献3】特開2000−211624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、図柄が印刷された容器の外面に対して製造年月日などに関する情報が別途印字等される場合がある。また、キャンペーンなどが実施される際などに容器の外面に対し円形のシールなどが貼付されることがある。ところで、容器の外面には商品名や商標名などの標記が設けられることが多いが、上記情報の印字位置や上記シールの貼付位置が容器の周方向においてコントロールされていないと、この印字やシールによって標記の一部が隠れてしまうおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明が適用される容器の製造方法は、内容物が充填された容器に付された標記が予め定められた特定の方向を向くように容器を回転させ、回転により標記が特定の方向を向いた容器に対し、貼付材を貼付しおよび/または画像を形成する容器の製造方法である。
【0006】
ここで、貼付材の貼付は、容器の側方から貼付材を貼付する貼付装置により行われ、貼付装置による貼付材の貼付位置に標記が位置しないように、容器の回転が行われることを特徴とすることができる。また、貼付材は、標記が付された側から容器を眺めた場合に見えるように容器のうちの標記が付された側に貼付されることを特徴とすることができる。また、画像の形成は、容器の側方から画像を形成する画像形成装置により行われ、画像形成装置による画像の形成位置に標記が位置しないように、容器の回転が行われることを特徴とすることができる。さらに、画像は、標記が付された側から容器を眺めた場合に見えるように容器のうちの標記が付された側に形成されることを特徴とすることができる。また、容器の回転は、容器を移動させるとともに容器の外周面に対し移動に対する抗力を付与することで行うことを特徴とすることができる。また、容器が移動する移動経路には、容器の側部に接触可能な側部接触部が設けられ、容器は、特定の方向以外の方向を標記が向いている場合に側部接触部に接触する容器側接触部を有し、容器側接触部が側部接触部に接触することで容器が周方向に回転し、標記が特定の方向を向くことを特徴とすることができる。
【0007】
本発明を容器の製造システムと捉えた場合、本発明が適用される容器の製造システムは、内容物が充填された容器に付された標記が予め定められた特定の方向を向くように容器を回転させる回転手段と、回転手段により標記が特定の方向を向いた容器に対し、貼付材を貼付しおよび/または画像を形成する処理手段と、を備える容器の製造システムである。
【0008】
本発明を容器と捉えた場合、本発明が適用される容器は、外周面に標記が付され内部に飲料が充填された容器本体と、容器本体の外周面に貼付された貼付材と、を備え、容器本体における貼付材の貼付位置についての制御がなされ、標記と貼付材とが予め定められた所定の位置関係を有した状態で標記と貼付材とが配置されていることを特徴とする容器である。ここで、貼付材は、標記と重ならないように標記が位置している箇所とは異なる箇所に貼付されていることを特徴とすることができる。
【0009】
他の観点から捉えると、本発明が適用される容器は、標記を含む図柄が外周面に形成され内部に飲料が充填された容器本体と、容器本体の図柄の上に形成され且つ図柄とは別に形成された画像と、を有し、容器本体における画像の形成位置についての制御がなされ、標記と画像とが予め定められた所定の位置関係を有した状態で標記と画像とが配置されていることを特徴とする容器である。ここで、画像は、標記と重ならないように標記が位置している箇所とは異なる箇所に形成されていることを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0010】
容器に付された標記の一部が、容器の外面に貼付される貼付材や容器の外面に形成される画像によって隠れてしまうことを防止可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係る容器の斜視図である。
【図2】容器の他の形態を示した図である。
【図3】シールが貼付される前の容器を示した図である。
【図4】飲料が充填された後における容器の製造ラインを説明するための図である。
【図5】搬送装置の上面図である。
【図6】図5のVI−VI線における断面図である。
【図7】搬送装置における容器の動作を説明するための図である。
【図8】貼付装置を説明するための図である。
【図9】容器に対して印刷を行う印刷機を示した図である。
【図10】容器の他の一形態を示した図である。
【図11】容器の製造ラインの他の一例を示した図である。
【図12】図10で示した容器の陳列時の状態を示した図である。
【図13】容器の他の一形態を示した図である。
【図14】陳列装置の構成を示した図である。
【図15】陳列装置における容器の動作を説明するための図である。
【図16】容器の他の一形態を示した図である。
【図17】容器の他の一形態を示した図である。
【図18】容器の詳細を説明するための図である。
【図19】容器の詳細を説明するための図である。
【図20】搬送装置の上面図および側面図を示している。
【図21】搬送装置における容器の動作を説明するための図である。
【図22】容器の他の動作例を示した図である。
【図23】容器の他の動作例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る容器20の斜視図である。
本実施形態に係る容器20は、いわゆる2ピース缶であり、飲料などの内容物が充填されている。また本容器20は、円筒状の容器本体21と、容器本体21の上部に取り付けられた蓋部材22とから構成されている。また容器20は、容器本体21の外周面に、商品名、商標名など他の商品と識別するための識別標記23を有している。また容器本体21の外周面には摩擦係数の異なる領域が2つ形成されている(後述)。さらに本実施形態では、容器本体21の外周面に円状のシールS(貼付材の一例)が貼付されている。なおこのようなシールSは、キャンペーンなどが実施される際に貼付されることが多い。
【0013】
ここでシールSは、識別標記23に重ならないように貼付されている。付言すると、図2(容器20の他の形態を示した図)の(A)、(B)のように識別標記23にシールSが重なっておらず、識別標記23とは異なる位置にシールSは貼付されている。さらにシールSは、識別標記23の周囲に位置する領域に貼付されている。さらに説明すると、シールSは、容器20を識別標記23が付された側から眺めた場合に(図1の矢印X方向から容器20を眺めた場合に)、視認可能な位置に貼付されている。またこのシールSは、識別標記23が設けられている側および識別標記23が設けられている側とは反対側のうち、識別標記23が設けられている側に貼付されている。
【0014】
次いで上記容器20の製造法について詳細に説明する。
図3は、シールSが貼付される前の容器20を示した図である。なお、同図(A)は容器20の斜視図である。また同図(B)は同図(A)のS部における断面を示し、同図(C)は同図(A)のT部における断面を示している。
【0015】
上記では詳細な説明を省略したが、本実施形態に係る容器20は、同図(A)に示すように、容器本体21の外周面に、第1領域R1(容器側接触部の一例)、第2領域R2を有している。ここで第2領域R2は、容器20の下部に形成されている。また第2領域R2は、容器20の周方向に沿うように且つ帯状に形成されている。また本実施形態における容器20では、容器本体21の外周面のうち第2領域R2以外の領域が第1領域R1となっている。また、第2領域R2と識別標記23との関係を説明すると、第2領域R2と識別標記23とは容器20の周方向において90°ずれた状態で配置されている。また本実施形態では、表面における摩擦係数は、第1領域R1>第2領域R2となっている。
【0016】
ここで同図(B)を参照し第2領域R2の表面状態についてまず説明する。
同図(B)に示すように、第2領域R2には、容器本体50の表面にインキ層51が設けられている。また、インキ層51の表面にクレーター状の凹凸を有したトップコート層(最外層)52が設けられている。
【0017】
ここでインキ層51に用いるインキには、例えば金属印刷用のものを用いることができる。ここでインキの顔料(色量)としては、各種の有機顔料や無機顔料が用いられる。また、インキのビヒクルは、熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂等の樹脂を主成分としている。ここで熱硬化性樹脂としては、アルキッド型又はポリエステル型の樹脂等が用いられる。また、紫外線硬化性樹脂としては、紫外線ラジカル重合型、紫外線カチオン重合型の樹脂等が用いられる。さらに、インキには添加剤が含有されていても良い。添加剤としては、艶消し剤、ワックス類(天然系、石油系、合成系)、乾燥剤、分散剤、湿潤剤、架橋剤、ゲル化剤、増粘剤、皮張り防止剤、安定剤、消泡剤、光重合開始剤等が用いられる。
【0018】
またインキ層51は、いわゆるはじきインキにより形成されている。即ち、インキ層51は、このインキ層51の表面にトップコート層52を形成する塗料が塗られた場合にこの塗料をはじくインキにより形成されている。ここでトップコート層52における上記凹凸は、トップコート層52を形成する塗料がこのインキ層51によりはじかれることにより形成されたものである。
【0019】
なおトップコート層52を形成する塗料をインキ層51によりはじくためには(上記凹凸を形成するためには)、インキ層51の形成に用いるインキの表面張力を、トップコート層52の形成に用いる塗料の表面張力よりも5mN/m以上低く設定することが望ましい。換言すると、インキの表面張力が塗料の表面張力よりも低く、且つ、インキと塗料との間の表面張力の差が5mN/m以上であることが望ましい。ここでインキの表面張力の低下は、例えば、通常のインキにシリコーンを添加することにより行うことができる。
【0020】
一方、トップコート層52に用いる塗料は、熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂等の樹脂を主成分とするものであり、必要に応じてワックス成分を含有している。熱硬化性樹脂としては、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、フラン−ホルムアルデヒド樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、ケトン−ホルムアルデヒド樹脂、アミノ樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂(例:ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスマレイミド樹脂、トリアリルシアヌレート樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、シリコーン樹脂、油性樹脂等が用いられる。
【0021】
さらに、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との組成物を用いても良い。この場合、熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル−マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、アクリル重合体、飽和ポリエステル樹脂等が用いられる。これらの樹脂は、単独でも2種以上を組み合わせても使用できる。また、これらの樹脂組成物には、必要に応じて、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の公知の酸触媒が添加されていても良い。酸触媒を用いる場合は、酸触媒は樹脂に対して0.5〜1質量%添加するのが望ましい。また、これらの樹脂のうち、特に、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂と飽和ポリエステル樹脂との組成物や、熱硬化性アクリル樹脂とメラミン−ホルムアルデヒド樹脂との組成物を用いることが塗膜性能面で望ましい。
【0022】
一方、紫外線硬化性樹脂としては、例えば、カチオン硬化型樹脂、ラジカル硬化型樹脂等が用いられる。カチオン硬化型樹脂としては、紫外線硬化型エポキシ樹脂と光カチオン重合触媒との組成物等が用いられる。
【0023】
また、トップコート層52に用いる塗料において、上記の樹脂に架橋剤や増感剤を必要に応じて添加しても良い。架橋剤としては、種々のポリオール類(例:ε−カプロラクトントリオール)等が用いられる。増感剤としては、チオキサントン誘導体等が用いられる。さらに、トップコート層52に用いる塗料に、滑りを補うために、ワックス成分として天然系、石油系、合成系のワックス剤を単独で又は複合して添加しても良い。さらに、トップコート層52の表面のレベリング剤として、あるいは/更に、塗料状態での安定性を高めるためや初期滑り性をトップコート層52に付与するために、各種のシリコーンオイルを添加しても良い。
【0024】
なお、インキ層51およびトップコート層52の組成等の一例を挙げると以下のようになる。
[トップコート層52]
樹脂成分:ポリエステル30%、アクリル13%、アミノ55%、エポキシ2%
ワックス:石油系0.3%、天然系1%、合成系0.2%(樹脂成分に対し)
シリコーンオイル(混合):0.15%(樹脂成分に対し)
表面張力:33mN/m
厚さ:5μm
[インキ層51](はじきインキ)
主樹脂:アルキッド樹脂
顔料:TiO2
表面張力:28mN/m
厚さ:2μm
【0025】
なお上記は、第2領域R2の形成方法の一例を説明したものであり、例えば特開2002−361172号公報に開示されている技術を用いて第2領域R2を形成してもよい。即ち、トップコート層52を形成する塗料をインキ層51の表面で斑状に凝集させることで凹凸を形成し第2領域R2を形成してもよい。また第2領域R2のクレーター状の凹凸は、発泡剤を含有したいわゆる発泡インキを用いてインキ層51を形成することにより形成することができる。なおこの発泡剤としては、例えば、発泡性マイクロカプセルを用いることができる。この発泡性マイクロカプセルは、樹脂からなる球形の外殻の中に低沸点の炭化水素(ブタン、プロパン等)を封入したものであり、焼付け処理時の加熱によって粒径が数倍に膨張する。なお、第2領域R2の凹凸は、最大深さで3〜10μm程度のオーダーであり、通常のコーティング塗料では、深さ1μm程度或いはそれ未満の程度の平滑面を第1領域R1と言っている。
【0026】
次いで、図3(C)を参照し第1領域R1の表面状態について説明する。
同図(C)に示すように第1領域R1には、上記と同様、容器本体50の表面にインキ層51が設けられている。また、インキ層51の表面に、上記第2領域R2におけるトップコート層52よりも表面が平滑に形成されたトップコート層(最外層)52が設けられている。
【0027】
ここで第1領域R1におけるインキ層51は、トップコート層52を形成する塗料をはじかないインキ(通常インキ)を用いて形成している。付言すれば、インキ層51を形成するインキは、表面張力がトップコート層52を形成する塗料の表面張力と等しいか又はそれよりも高いインキが用いられている。このため第1領域R1では、トップコート層52を形成する塗料がはじかれず、トップコート層52の表面は、第2領域R2におけるトップコート層52に比べ平滑となる。なお、インキ層51を形成するインキの基本的な組成等は上記と同様である。トップコート層52を形成する塗料の基本的な組成等は上記と同様である。
【0028】
なお、第2領域R2におけるインキ層51を、上記発泡インキを用いて形成する場合には、第1領域R1におけるインキ層51は、発泡インキではないインキ(通常インキ)を用いて形成する。また、第2領域R2におけるインキ層51を、トップコート層52を形成する塗料を凝集させるインキを用いて形成する場合には、第1領域R1におけるインキ層51は、トップコート層52を形成する塗料を凝集させないインキ(通常インキ)を用いて形成する。
【0029】
次いで上記容器20の製造に用いられる製造ラインについて説明する。付言すると、容器20に対し飲料が充填された後における容器20の製造ラインについて説明する。
図4は、飲料が充填された後における容器20の製造ラインを説明するための図である。本実施形態の容器20の製造ラインには、図4に示すように、容器20を搬送する搬送装置30、搬送装置30により搬送されてきた容器20に対し上記シールSを貼付する貼付装置70が設けられている。
【0030】
図5は、搬送装置30の上面図である。本図を用いて搬送装置30についてまず説明する。本実施形態における搬送装置30は、容器20が載せられるとともにこの容器20を移動させる載置部31と、容器20の移動経路を形成するとともに容器20の移動を案内するガイド32とを備えている。
【0031】
ここでガイド32は、容器20の移動経路に沿って配置されている。またガイド32は、容器20の移動経路の両側に設けられている。ここでガイド32は、例えばアルミニウムなどの金属材料や樹脂材料などにより形成される。なお2つ設けられたガイド32のうち容器20の移動経路の右側(図中右側)に位置するガイド32は省略することができる。ここで本明細書では、以下、図中右側のガイド32を右ガイド32と称する場合があり、図中左側のガイド32を左ガイド32と称する場合がある。
【0032】
ここで載置部31は、容器20が載置される容器載置面31Aを有している。そしてこの容器載置面31Aは、図中下側が上側よりも下方に位置するように傾斜して配置されている。付言すると、容器載置面31Aと前後方向の水平面とが角度θV(以下、「前後方向傾斜角度θV」と称する場合がある)をなすように、容器載置面31Aは傾斜して配置されている。
【0033】
また容器載置面31Aは、左ガイド32の方が右ガイド32よりも下方に位置するように傾斜して配置されている。付言すると、容器載置面31Aと左右方向(幅方向)の水平面とが角度θH(以下、「左右方向傾斜角度θH」と称する場合がある)をなすように、容器載置面31Aは傾斜して配置されている。さらに説明すると、本実施形態では、容器20の移動経路の一方の側方側および他方の側方側のうちの一方の側方側に、後述する抵抗付与部33が設けられている。そして本実施形態における容器載置面31Aには、この他方の側方側からこの一方の側方側に向かうに従い下る傾斜が付与されている。なお図5における符号3A,3Bは容器載置面31Aにおける傾斜の状態を示している。
【0034】
さらに載置部31は、容器20が置かれる側の面である容器載置面31Aに、載置部31の幅方向に並列配置された第1ローラ列311、第2ローラ列312を有している。ここで、第1ローラ列311は上記一方の側方側に設けられ、第2ローラ列312は上記他方の側方側に設けられている。また各ローラ列は、複数のロール状部材314を有している。なお、第1ローラ列311に含まれるロール状部材314は、容器20の移動方向に沿った回転が可能であり容器20を円滑に移動させる。一方で、第2ローラ列312に含まれるロール状部材314は、回転ができないように固定されている。このため、第2ローラ列312に含まれるロール状部材314は、載置部31を移動する容器20に対し移動に対する抗力を付与する。
【0035】
ここで第2ローラ列312に含まれるロール状部材314は、容器20のうちの上記他方の側方側(抵抗付与部33が設けられている側とは反対側)に位置する部位に接触し容器20に対して抗力を付与する。なお本実施形態では、第2ローラ列312に含まれる全てのロール状部材314を回転できないように固定したが、一個おきにロール状部材314を固定するなど、一部のロール状部材314を固定してもよい。なお、第2ローラ列312に含まれるロール状部材314の固定は、接着剤等により行うことができる。またテープ等を貼付して固定することもできる。また第2ローラ列312に含まれるロール状部材314を設けず、このロール状部材314に対応する凸部を載置部31の表面に設けることもできる。
【0036】
さらに本実施形態では、左ガイド32に、接触する容器20の外周面(側部)に対して摺動抵抗(摩擦抵抗、抗力)を付与する抵抗付与部33(側部接触部の一例)が設けられている。回転手段としても機能するこの抵抗付与部33は、容器20の移動経路に沿って設けられている。また抵抗付与部33は、移動経路の一方の側方側および他方の側方側のうちの一方の側方側に設けられている。また抵抗付与部33は、図6(図5のVI−VI線における断面図)に示すように、容器20の移動経路に沿って設けられるとともに左ガイド32に形成された溝に嵌め込まれた基材33Aと、この基材33Aの外表面に貼付された貼付部材33Bとから構成されている。
【0037】
ここで、図6に示すように、基材33Aの外表面のうち容器20の移動経路側に位置する部位は、この移動経路に向かって突出するように湾曲して形成されている。付言すると、基材33Aの外表面のうち容器20の移動経路側に位置する面は、高さ方向における中央部から上方に向かうに従いおよび下方に向かうに従い容器20の移動経路から離れるように曲率を有した状態で形成されている。なお本実施形態では、基材33Aを円柱状に形成したが、半円状に形成された基材33Aを左ガイド32に貼付するようにしてもよい。
【0038】
ここで上記のように、基材33Aの外表面のうち容器20の移動経路側に位置する部位を湾曲して形成した場合、載置部31の上を移動する容器20が上下方向や左右方向に傾いたとしても、抵抗付与部33と容器20との接触面積が一定となりやすい。なお基材33Aは、例えばアルミニウムなどの硬質の材料により形成することができる。また貼付部材33Bは、例えば、塩化ビニルにより構成されたビニールテープにより構成することができる。付言すると、貼付部材33Bは、基材33Aよりも柔軟性を有し基材33Aよりも軟質の材料により構成することができる。
【0039】
なお抵抗付与部33は、貼付部材33Bを設けず硬質の基材33Aのみにより形成することができる。また、抵抗付与部33を基材33Aのみにより構成する場合、この基材33Aに対し粗面化処理の一例としてのサンドブラスト処理を行い基材33Aの表面を荒らすことも可能である。また、貼付部材33Bを設ける場合、この貼付部材33Bは、例えば、EPDM(エチレン−プロピレンゴム)などのゴム部材を用いることもできる。
【0040】
次いで搬送装置30における容器20の動作を説明する。
図7は、搬送装置30における容器20の動作を説明するための図である。なお本図では第1ローラ列311、第2ローラ列312(図5参照)の図示を省略している。
【0041】
図7の符号4Aに示すように、載置部31の後方に置かれた容器20は、容器載置面31Aに対し左右方向(幅方向)における傾斜および前後方向における傾斜が付与されているため、左ガイド32によって案内されながら前方に向かって移動する。そしてこの際、第1領域R1が抵抗付与部33に接触する状態にあると、第1領域R1と抵抗付与部33との間における滑りが抑制され(第1領域R1に抗力が付与され)、容器20は、時計回りの回転を行いながら前方へ移動する(符号4B参照)。
【0042】
そして符号4Cのように、第2領域R2が抵抗付与部33に接触する状態となると、第2領域R2と抵抗付与部33との間で滑りが生じ、容器20の回転は停止する。ここで、第2領域R2が抵抗付与部33に接触した場合、第2領域R2と抵抗付与部33とは点接触に近い状態で接触する。付言すれば、第2領域R2と抵抗付与部33とは接触面積が低下する状態となる。このため、第2領域R2と抵抗付与部33との間で上記滑りが生じるものと考えられる。
【0043】
その後、容器20は抵抗付与部33により案内されながら貼付装置70(図4参照)に向かって移動していく。本実施形態では、貼付装置70に容器20が達する際に識別標記23が前方を向いた状態となる。付言すると、本実施形態では、第2領域R2と識別標記23は、予め定められた所定の位置関係を有して配置されている。具体的には、第2領域R2が左方側(一方向)を向いている場合に識別標記23が前方(一方向と交差する方向、一方向と直交する方向)を向くように、第2領域R2および識別標記23は配置されている。このため、第2領域R2が抵抗付与部33に接触した状態となると、識別標記23が前方(進行方向)を向く。
【0044】
なお本実施形態における搬送装置30では、上述のとおり、第2ローラ列312に含まれるロール状部材314は、回転ができないように固定されている。このため、第2ローラ列312に含まれるロール状部材314は、移動してくる容器20に対し移動に対する抗力を付与することとなる。ここで本実施形態における構成にて、第2ローラ列312から容器20に対し抗力を付与しない場合、第2領域R2と抵抗付与部33とが接触しているにも関わらず容器20が回転してしまう可能性がある。即ち、第2領域R2に対し抵抗付与部33から付与される抗力によって容器20の意図しない回転が起こる可能性がある。このため本実施形態では、第2ローラ列312に含まれるロール状部材314を用いて容器20に対し抗力を与え上記意図しない回転を抑えている。付言すると、容器20のうち抵抗付与部33と接触する部位とは反対側に位置する部位に対し抗力を与え、容器20の過度の回転を抑えている。
【0045】
図8は、貼付装置70を説明するための図である。なお同図(A)は容器20の搬送方向下流側から貼付装置70等を眺めた場合の状態を示し、同図(B)は上方から貼付装置70等を眺めた場合の状態を示している。
処理手段の一例としての貼付装置70は、容器20の移動経路の側方に配置され容器20の側方からシールSを貼付する。詳細に説明すると、貼付装置70は、図8(A)に示すように、複数のシールSが列状に貼付された帯状のベース材BAと、このベース材BAを巻き取った状態で保持する第1リール71と、ベース材BAを巻き取る第2リール72と、くさび状に形成され第1リール71と第2リール72との間に位置するベース材BAを屈曲させる屈曲部材73とを備えている。また、シールSを吸引して保持するとともに保持したこのシールSを容器20に貼付する貼付部材74とを備えている。本実施形態ではこの貼付部材74によって容器20に対してシールSが貼付され、図1に示した容器20が完成する。
【0046】
なお本実施形態では、ベース材BAのうち屈曲部材73により屈曲された箇所に、一部がベース材BAから剥がれた状態のシールSが位置するようになる。そして本実施形態では、このシールSを貼付部材74を用いて容器20まで搬送し、容器20の外周面にシールSを貼付する。付言すると本実施形態では、貼付装置70によるシールSの貼付位置に識別標記23が位置しないように容器20の回転(制御)が行われている。このためシールSは、識別標記23が位置している箇所とは異なる箇所に貼付される。なお、シールSは、図1に示したように、識別標記23に対し約45°ずれた関係で配置されている。このため、図8(B)に示すように、貼付部材74も、45°の回転を伴って容器20まで移動する。
【0047】
ここで、上記第1領域R1、第2領域R2の形成方法について説明する。なおこの第1領域R1、第2領域R2の形成は、容器20に対し飲料が充填される前に行われる。より具体的には、第1領域R1、第2領域R2は、例えば、2ピース缶である容器20の製造工程に含まれる印刷工程にて形成することができる。より詳細には、印刷工程に設置された印刷機を用いて形成することができる。
【0048】
ここで図9は、容器20に対して印刷を行う印刷機を示した図である。
同図に示す印刷機500は、いわゆるオフセット印刷を行う印刷機である。この印刷機500は、ブランケットシリンダ510、画像に対応した印刷版を有し上記インキ層51を形成するインキをブランケットシリンダ510に塗布するインキ塗布装置520、支持ロール530、上記トップコート層52を形成する塗料を塗布する塗料塗布装置540を備える。
【0049】
ブランケットシリンダ510は、円盤状に形成されるとともに一方向に回転する。また、ブランケットシリンダ510は、外周面に複数のブランケット(被転写部)511を有している。また、ブランケットシリンダ510は、インキ塗布装置520における上記印刷版からブランケット511に転写されたインキを、転写部Teにて2ピース缶の基体となる素缶体に対して転写しこの素缶体に画像を形成する。
【0050】
インキ塗布装置520は、ブランケットシリンダ510の周方向に沿って色毎に複数設けられている。各インキ塗布装置520は、ブランケットシリンダ510のブランケット511に接触する印刷用シリンダ529、印刷用シリンダ529の外周面にインキを供給するインキ供給装置528を備えている。ここで印刷用シリンダ529は、外周面に上記印刷版を有しインキ供給装置528により供給されたインキをブランケット511に転写する。これにより、各ブランケット511の表面にインキが載せられる。詳細には、各ブランケット511の表面であって印刷用シリンダ529毎に割り当てられた各領域に、印刷用シリンダ529の各々からインキが順次載せられる。この結果、各ブランケット511の表面には、画像に対応したインキ像が形成される。そして、このインキ像は、ブランケットシリンダ510の回転に伴い、転写部Teまで移動し、周方向に回転している素缶体の外周面に転写される。これによって上記インキ層51が形成される。
【0051】
支持ロール530は、ブランケットシリンダ510の対向位置に配置されるとともに一方向に回転し、不図示のウォッシャー工程から移動してきた素缶体を上記転写部Teまで搬送する。また支持ロール530は、ウォッシャー工程から移動してきた素缶体を回転させた状態で上記転写部Teまで搬送する。塗料塗布装置540は、上記インキ像が転写された素缶体(インキ層51が形成された素缶体)の外周面に対して塗料を塗布する。これによって上記トップコート層52が形成される。
【0052】
ここでこのような印刷機500を用いる場合、上記第2領域R2におけるインキ層51を担当する印刷用シリンダ529から塗料をはじく機能を有したインキをブランケット511に載せることにより、第2領域R2と第1領域R1との間に表面の違いを形成することができる。なお、上述した発泡インキを用いての第2領域R2の形成は、第2領域R2におけるインキ層51を担当する印刷用シリンダ529から発泡インキをブランケット511に載せることにより行うことができる。さらに、上述の塗料を凝集させるインキを用いての第2領域R2の形成は、第2領域R2におけるインキ層51を担当する印刷用シリンダ529から、この塗料を凝集させるインキをブランケット511に載せることにより行うことができる。
【0053】
なお上記では、容器20にシールSを貼付した場合を説明したが、図10(容器20の他の一形態を示した図)に示すように、二次元バーコードなどのコード画像CD(画像の一例)を、オフセット印刷機やインクジェットプリンタなどを利用して容器20の外周面に形成(印字、印刷)することもできる。付言すると、識別標記23を含む図柄が外周面に形成された容器20のこの図柄の上に且つこの図柄とは別に、二次元バーコードなどのコード画像CDを形成することができる。なお、このコード画像CDには、容器20の内容物に関する情報(例えば、容量に関する情報、カロリーに関する情報、アルコール飲料であるか否かの情報)を含ませることができる。また、容器20の製造者、製造場所、製造年月日などに関する情報を含ませることができる。
【0054】
なお本容器20を製造する際には、上記と同様、搬送装置30による容器20の移動経路上に(移動経路の側方に)、オフセット印刷機やインクジェットプリンタなどの画像形成装置を設けておく。そして容器20の側方からこの容器20に対し、画像形成装置を用いて画像の形成(上記コード画像CDの形成)を行う。なお、図10に示すように、識別標記23の下部にコード画像CDを形成する場合(識別標記23が向く方向と同じ方向を向いたコード画像CDを形成する場合)は、図11(容器20の製造ラインの他の一例を示した図)に示すように、容器20の搬送ラインを直角方向に曲げておく。そして、識別標記23が正面を向いて搬送されてくる箇所(搬送ラインが屈曲する箇所、図中の破線で示す箇所)に、上記画像形成装置を設置し、識別標記23の下部に上記コード画像CDを形成する。
【0055】
図12は、図10で示した容器20の陳列時の状態を示した図である。図10にて示した容器20は、コンビニエンスストアなどにて販売される際に、図12に示すように、コード画像CDが前方に向いた方が好ましい。付言すると、容器20の購入者側にコード画像CDが向いた状態で販売されることが好ましい。このような場合、例えば、ユーザが有する携帯電話Hによる情報(コード画像CDに含まれる情報)の取得がより容易となる。
【0056】
ところで、コード画像CDを前方に向けるためには、コンビニエンスストア等に設置されている陳列装置などにおいて容器20を周方向に回転させる必要が生じる。ここで容器20を図3と同様に構成し、且つ、陳列装置を図14(陳列装置の構成を示した図)に示すように構成することで、周方向に容器20を回転させることができる。
【0057】
より具体的に説明すると、容器20を図13(容器20の他の一形態を示した図)に示すように構成することで、周方向に容器20を回転させることができる。ここで図13に示す容器20では、上記と同様、第1領域R1、第2領域R2が設けられている。また、上記と同様、識別標記23が容器20の外周面に付されている。さらに識別標記23の下部にコード画像CDが形成されている。ここで、第2領域R2とコード画像CDとは、容器20の周方向において90°ずれた状態で配置されている。
【0058】
一方で、図14に示す陳列装置700は、停止板34が設けられている点を除き、図5に示した搬送装置30と同様の構成を有している。即ち、本陳列装置700は、容器載置面31Aを有し容器20を移動させる載置部31、容器20の移動を案内するガイド32を備えている。容器載置面31Aには、上記と同様、幅方向および前後方向における傾斜が付与されている。また本陳列装置700は、回転可能なロール状部材314を有した第1ローラ列311、ロール状部材314が固定された第2ローラ列312を有している。また本陳列装置700は、左ガイド32に、接触する容器20の外周面に対して摺動抵抗を付与する抵抗付与部33を有している。この抵抗付与部33は、上記と同様に、基材(本図では不図示)と、この基材の外表面に貼付された貼付部材33Bとから構成されている。
【0059】
次に、陳列装置700における容器20の動作を説明する。
図15は、陳列装置700における容器20の動作を説明するための図である。なお本図では第1ローラ列311、第2ローラ列312(図14参照)の図示を省略している。また本図では、識別標記23(図13参照)の図示を省略している。
【0060】
図15の符号15Aに示すように、載置部31の後方に置かれた容器20は、容器載置面31Aに対し左右方向(幅方向)における傾斜および前後方向における傾斜が付与されているため、左ガイド32によって案内されながら前方に向かって移動する。そしてこの際、第1領域R1が抵抗付与部33に接触する状態にあると、第1領域R1と抵抗付与部33との間における滑りが抑制され(第1領域R1に抗力が付与され)、容器20は、時計回りの回転を行いながら前方へ移動する(符号15B参照)。そして符号15Cのように、第2領域R2が抵抗付与部33に接触する状態となると、第2領域R2と抵抗付与部33との間で滑りが生じ、容器20の回転は停止する。
【0061】
その後、容器20は抵抗付与部33により案内されながら前方に向かって移動していく。これにより、陳列装置700の前方に容器20が達する際には、コード画像CDが前方を向いた状態となる。付言すると、本実施形態では、第2領域R2とコード画像CDは、予め定められた所定の位置関係を有して配置されている。具体的には、第2領域R2が左方側(一方向)を向いている場合にコード画像CDが前方(一方向と交差する方向、一方向と直交する方向)を向くように、第2領域R2およびコード画像CDは配置されている。このため、第2領域R2が抵抗付与部33に接触した状態となると、コード画像CDが前方(進行方向)を向く。
【0062】
なお上記では、コード画像CDを形成した場合を一例に説明したが、図16(容器20の他の一形態を示した図)に示すように、製造年月日などの情報を直接印字するようにしてもよい。また、図17(容器20の他の一形態を示した図)に示すように、缶体に限られずペットボトルとして構成された容器20の外周面に対しシールSを貼付することもできる。なお図17に示す容器20の製造ラインでは、円筒形のペットボトルの場合は上述した第1領域R1、第2領域R2を利用することもできるが、ペットボトルの場合は容器20に形成された複数の面を利用して容器20の回転を行うこともできる。なお容器20の回転については、その他の方法も存在する。このその他の方法については後述する。
【0063】
以下、図17に示した容器20の詳細を説明する。
図18、図19は、容器20の詳細を説明するための図である。なお、図18(A)は容器20の正面図を示し、同図(B)は容器20の左側面図を示している。また、図19(A)は容器20の背面図を示し、同図(B)は容器20の右側面図を示している。また、図18(A)、(B)、図19(A)、(B)の各々の上部に表示した図は、A−A線における断面図を示している。
【0064】
本実施形態における容器20は、PET(ポリエチレンテレフタレート)などの樹脂材料により形成された容器を例示している。例えば、このような容器20は、樹脂材料を用いた射出成形(ブロー成形)法、樹脂材料を用いてプリフォームを成形後、これをブロー成形する方法により製造することができる。図18(A)に示すように本実施形態における容器20は、上部に開口(飲み口)を有し且つ筒状に形成され内部に飲料が充填された容器本体21と、容器本体21の開口を塞ぐキャップ22とを備えている。また容器本体21の外周面には、フィルムFが装着されている。
【0065】
ここでフィルムFには、同図(A)に示すように、識別標記23が印刷されている。また容器20は、容器本体21の上部に(キャップ22の下部に)、容器本体21の外周面から容器本体21の径方向に環状に突出した第1突出部24を備えている。ここで、この第1突出部24は、容器本体21と一体に形成されている。さらに容器20は、第1突出部24の下部に、第2突出部25を備えている。ここで、この第2突出部25の突出量は、第1突出部24の突出量よりも小さくなっている。この場合、第2突出部25が第1突出部24よりも突出している場合に比べ、キャップ22を操作をする際のユーザの手指が第2突出部25に引っ掛かりにくくなる。
【0066】
また、第2突出部25は、図18(A)の断面図に示すように、識別標記23が設けられた側から識別標記23が設けられた側とは反対側にかけて、容器本体21に巻き付くように設けられている。付言すれば、識別標記23が設けられた側から反対側に向かって時計回り方向に沿って設けられている。さらに説明すると、第2突出部25は、容器本体21の周方向における所定範囲内に設けられている。
【0067】
さらに説明すると、容器20は、容器20を識別標記23が設けられた側から眺めた場合に(図18(A)参照)、容器20の右側面側に、第2突出部25が設けられていない構成となっている。付言すると、第2突出部25が設けられている高さ方向の位置において、容器20の右側面側は(第2突出部25に隣接する領域は)、容器本体21が露出する状態となっている。さらに説明すると、容器本体21の右側面に対する接線且つ容器20の正面側から背面側に向かう接線であって上記第2突出部25が設けられた高さ位置を通る接線(図18(A)の断面図参照)よりも容器20の右方側には、第2突出部25が設けられていない構成となっている。
【0068】
また、第2突出部25は、その下面が階段状に形成されており、複数の段部を備えて構成となっている。詳細に説明すると、第2突出部25は、時計回り方向に進むに従い高さが減少するように、その下面が階段状に形成されている。このため、本実施形態における第2突出部25は、その下部に、高さ方向における位置が互いに異なる第1平坦面251〜第6平坦面256を備えた構成となっている。付言すると、第2突出部25は、高さ方向における位置が互いに異なりまた容器本体21の周方向における位置が互いに異なる複数の端面を有している。
【0069】
ここで、第1平坦面251〜第6平坦面256の各々は、図18(A)に示すように、容器本体21の外周面に対して交差する関係(略直交する関係)で配置されている。また、第1平坦面251は、図18(A)に示すように、識別標記23が設けられた側に位置している。また、第6平坦面256は、図18(A)に示すように、識別標記23が設けられた側とは反対側に位置している。また、第2平坦面252〜第5平坦面255は、第1平坦面251から第6平坦面256に向かって、第2平坦面252、第3平坦面253、第4平坦面254、第5平坦面255の順に設けられている。さらに、容器20の周方向において、第1平坦面251〜第6平坦面256は所定の角度毎に設けられている。また、第1平坦面251が最も下部に位置し、第6平坦面256が最も上部に位置している。
【0070】
次に、製造ラインに設置される搬送装置30(図4参照)の構成を説明する。
図20は、搬送装置30の上面図および側面図を示している。詳細には、同図(A)は上面図を示し、同図(B)は右側面図を示している。なお、上記にて説明した実施形態と同様の機能については同様の符号を用いここではその説明を省略する。
【0071】
本搬送装置30では、図20(A)に示すように、載置部31に、複数のロール状部材811が設けられている。詳細に説明すると、複数のロール状部材811が前後方向に沿って並べられた第1ローラ列812と、同じく複数のロール状部材811が前後方向に沿って並べられた第2ローラ列813とが、載置部31に設けられている。各々のロール状部材811は、容器20の移動経路に沿った回転が可能なように設けられており、容器20を前方へ円滑に移動させる。なお本搬送装置30では、載置部31に対し、前後方向の傾斜は付与されているが左右方向の傾斜は付与されていない。
【0072】
また搬送装置30は、容器20を回転させ容器20に付された識別標記23を前方に向ける回転機構600を備えている。ここで回転機構600は、図20(A)に示すように、容器20の移動経路に沿って設けられ且つ載置部31の上方に設けられた棒状部材61と、この棒状部材61に取り付けられ容器20の移動経路に突出した第1ピン521〜第6ピン526を備えている。ここで本実施形態では、容器20の移動方向最上流側に第1ピン521が配置され、移動方向最下流側に第6ピン526が配置されている。また、第1ピン521〜第6ピン526の各々は、一定の間隙をおいて配置されている。また、回転機構600は、棒状部材61を右ガイド32に固定する固定部材53を備えている。
【0073】
また、同図(B)に示すように、棒状部材61には、前方に向かうに従い載置部31から離れるような傾斜が付与されている。このため、本実施形態では、第1ピン521が載置部31の最も近くに配置され、第6ピン526が載置部31から最も離れた箇所に位置している。付言すれば第1ピン521〜第6ピン526は、高さ方向における位置が互いにずらされて配置されている。なお、本図では、理解を容易にするため、棒状部材61の傾斜を実際の傾斜よりも大きく表示している。
【0074】
次に、搬送装置30における容器20の動作を説明する。
図21は、搬送装置30における容器20の動作を説明するための図である。なお、本図では、第1ローラ列812、第2ローラ列813、および固定部材53の図示を省略している。
【0075】
同図の符号21Aに示すように、識別標記23が右斜め前方を向いた状態で容器20が搬送装置30に投入された場合、第1ピン521に対し第1平坦面251が突き当たるようになる。これによって容器20には回転力が付与され、容器20は反時計回りに回転を行うようになる。次いで容器20の前方への移動に伴い、第2ピン522に対し第2平坦面252が突き当たり(符号21B参照)、容器20は同様に反時計回りの回転を行う。
【0076】
その後、容器20は、第3ピン523に第3平坦面253が突き当たり、第4ピン524に第4平坦面254が突き当たり、第5ピン525に第5平坦面255が突き当たることで、周方向の回転を順次行っておく。そして最終的に、第6平坦面256が第6ピン526に突き当たることで(符号21C参照)、識別標記23が前方を向くようになる。その後、容器20は、載置部31上をスライドし貼付装置70(図4参照)に到達する。そして上記と同様、この貼付装置70によりシールSが貼付される。
【0077】
本実施形態では、識別標記23と第2突出部25(第1平坦面251〜第6平坦面256)が設けられた領域とが予め定められた位置関係を有して配置されている。また、識別標記23と第2突出部25が設けられていない領域も予め定められた位置関係を有して配置されている。具体的には、識別標記23が一方向を向いている場合に、第2突出部25が設けられていない領域がこの一方向と直交する方向を向くようになっている。
【0078】
このため本実施形態では、識別標記23が前方以外の方向を向いている場合には容器20が回転し、識別標記23が前方を向いている場合には容器20は回転を行わない。付言すると、識別標記23が前方に向いていない状態で容器20の投入を行ったとしても、容器20が移動する過程において識別標記23を前方に向いた状態となる。
【0079】
なお上記説明を省略したが、第1ピン521〜第6ピン526の各々は、高さ方向における位置が予め調整されている。即ち、第1ピン521と第1平坦面251とが突き当たるように、第2ピン522と第2平坦面252とが突き当たるように、第3ピン523と第3平坦面253とが突き当たるように、第1ピン521〜第3ピン523の各々は、高さ方向における位置が予め調整されている。また、第4ピン524と第4平坦面254とが突き当たるように、第5ピン525と第5平坦面255とが突き当たるように、第6ピン526と第6平坦面256とが突き当たるように、第4ピン524〜第6ピン526の各々は、高さ方向における位置が予め調整されている。
【0080】
次いで容器20の他の動作例を説明する。
図22、図23は、容器20の他の動作例を示した図である。
図22(A)に示すように、識別標記23が搬送装置30の後方側を向いた状態で容器20が投入された場合、第3平坦面253が搬送装置30の前方を向いた状態となる。そして容器20は前方へ移動することとなるが、この第3平坦面253は、第1ピン521、第2ピン522(図20(B)も参照)の上方を通過するようになる。このため、容器20は、回転せずに第3ピン523まで到達する。そして、容器20はこの第3ピン523から回転力を受け上記と同様に回転を行う。そして容器20は、上記と同様に、識別標記23が前方を向いた状態で前方に移動していく。
【0081】
また例えば図22(B)に示すように、識別標記23が左斜め前方を向いた状態で容器20が投入された場合、第6平坦面256が搬送装置30の前方を向いた状態となる。そして容器20は前方へ移動することとなるが、この第6平坦面256は、第1ピン521〜第5ピン525(図20(B)も参照)の上方を通過するようになる。このため、容器20は、回転せずに第6ピン526まで到達する。そして、容器20はこの第6ピン526から回転力を受け上記と同様に回転を行う。そして容器20は、上記と同様に、識別標記23が前方を向いた状態で前方に移動していく。
【0082】
さらに例えば図23に示すように、識別標記23が前方を向いた状態で容器20が投入される場合もある。この場合、容器20の側面であって第1ピン521〜第6ピン526が配置された側と対向する側面には、第2突出部25が存在しない状態となる。付言すれば、第2突出部25が存在しない領域(面)と、第1ピン521〜第6ピン526が配置された側とが対峙するようになる。さらに付言すれば、第1ピン521〜第6ピン526に突き当たる第1平坦面251〜第6平坦面256が、容器20の図中右側面側に位置しない状態となる。このため、容器20は、回転を行うことなく搬送装置30を移動していく。即ち、識別標記23が前方を向いた状態を維持したまま上記貼付装置70まで移動していく。
【0083】
なお上記では、第2突出部25に形成された階段状の部位を利用して第1平坦面251〜第6平坦面256を形成したが、容器本体21の外周面から突出するリブ状の突起を容器本体21の周囲に複数設けることで、第1平坦面251〜第6平坦面256に相当する面を形成することもできる。また、第1突出部24から下方に向かって突出し且つ突出量が互いに異なる複数の突起を形成することでも、第1平坦面251〜第6平坦面256に相当する面を形成することができる。また上記実施形態では、載置部31の傾斜を利用して容器20を移動させたが、載置部31に設けられたロール状部材をモータ等により駆動させ、駆動するこのロール状部材により容器20の移動を行うこともできる。
また上述したその他の方法としては、例えば、第1突出部24を長円形として吊り金具から落下させる方法(特願2009−289401)、本願の図18のような第2突出部25をキャップに設ける方法(特願2009−100518)、第1突出部24をガイドで持ち上げておき、第1突出部24に設けられた面削ぎ状の部分でガイドからの支持が解除される方法(特願2009−131377)等がある。
【符号の説明】
【0084】
20…容器、21…容器本体、23…識別標記、33…抵抗付与部、70…貼付装置、CD…コード画像、R1…第1領域、S…シール
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が充填された容器に付された標記が予め定められた特定の方向を向くように当該容器を回転させ、
前記回転により前記標記が前記特定の方向を向いた前記容器に対し、貼付材を貼付しおよび/または画像を形成する容器の製造方法。
【請求項2】
前記貼付材の貼付は、前記容器の側方から当該貼付材を貼付する貼付装置により行われ、
前記貼付装置による前記貼付材の貼付位置に前記標記が位置しないように、前記容器の前記回転が行われることを特徴とする請求項1記載の容器の製造方法。
【請求項3】
前記貼付材は、前記標記が付された側から前記容器を眺めた場合に見えるように当該容器のうちの当該標記が付された側に貼付されることを特徴とする請求項1又は2に記載の容器の製造方法。
【請求項4】
前記画像の形成は、前記容器の側方から当該画像を形成する画像形成装置により行われ、
前記画像形成装置による前記画像の形成位置に前記標記が位置しないように、前記容器の前記回転が行われることを特徴とする請求項1記載の容器の製造方法。
【請求項5】
前記画像は、前記標記が付された側から前記容器を眺めた場合に見えるように当該容器のうちの当該標記が付された側に形成されることを特徴とする請求項4記載の容器の製造方法。
【請求項6】
前記容器の前記回転は、当該容器を移動させるとともに当該容器の外周面に対し当該移動に対する抗力を付与することで行うことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の容器の製造方法。
【請求項7】
前記容器が移動する移動経路には、当該容器の側部に接触可能な側部接触部が設けられ、
前記容器は、前記特定の方向以外の方向を前記標記が向いている場合に前記側部接触部に接触する容器側接触部を有し、
前記容器側接触部が前記側部接触部に接触することで前記容器が周方向に回転し、前記標記が前記特定の方向を向くことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の容器の製造方法。
【請求項8】
内容物が充填された容器に付された標記が予め定められた特定の方向を向くように当該容器を回転させる回転手段と、
前記回転手段により前記標記が前記特定の方向を向いた前記容器に対し、貼付材を貼付しおよび/または画像を形成する処理手段と、
を備える容器の製造システム。
【請求項9】
外周面に標記が付され内部に飲料が充填された容器本体と、
前記容器本体の前記外周面に貼付された貼付材と、を備え、
前記容器本体における前記貼付材の貼付位置についての制御がなされ、前記標記と当該貼付材とが予め定められた所定の位置関係を有した状態で当該標記と当該貼付材とが配置されていることを特徴とする容器。
【請求項10】
前記貼付材は、前記標記と重ならないように当該標記が位置している箇所とは異なる箇所に貼付されていることを特徴とする請求項9記載の容器。
【請求項11】
標記を含む図柄が外周面に形成され内部に飲料が充填された容器本体と、
前記容器本体の前記図柄の上に形成され且つ当該図柄とは別に形成された画像と、を有し、
前記容器本体における前記画像の形成位置についての制御がなされ、前記標記と当該画像とが予め定められた所定の位置関係を有した状態で当該標記と当該画像とが配置されていることを特徴とする容器。
【請求項12】
前記画像は、前記標記と重ならないように当該標記が位置している箇所とは異なる箇所に形成されていることを特徴とする請求項11記載の容器。
【請求項1】
内容物が充填された容器に付された標記が予め定められた特定の方向を向くように当該容器を回転させ、
前記回転により前記標記が前記特定の方向を向いた前記容器に対し、貼付材を貼付しおよび/または画像を形成する容器の製造方法。
【請求項2】
前記貼付材の貼付は、前記容器の側方から当該貼付材を貼付する貼付装置により行われ、
前記貼付装置による前記貼付材の貼付位置に前記標記が位置しないように、前記容器の前記回転が行われることを特徴とする請求項1記載の容器の製造方法。
【請求項3】
前記貼付材は、前記標記が付された側から前記容器を眺めた場合に見えるように当該容器のうちの当該標記が付された側に貼付されることを特徴とする請求項1又は2に記載の容器の製造方法。
【請求項4】
前記画像の形成は、前記容器の側方から当該画像を形成する画像形成装置により行われ、
前記画像形成装置による前記画像の形成位置に前記標記が位置しないように、前記容器の前記回転が行われることを特徴とする請求項1記載の容器の製造方法。
【請求項5】
前記画像は、前記標記が付された側から前記容器を眺めた場合に見えるように当該容器のうちの当該標記が付された側に形成されることを特徴とする請求項4記載の容器の製造方法。
【請求項6】
前記容器の前記回転は、当該容器を移動させるとともに当該容器の外周面に対し当該移動に対する抗力を付与することで行うことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の容器の製造方法。
【請求項7】
前記容器が移動する移動経路には、当該容器の側部に接触可能な側部接触部が設けられ、
前記容器は、前記特定の方向以外の方向を前記標記が向いている場合に前記側部接触部に接触する容器側接触部を有し、
前記容器側接触部が前記側部接触部に接触することで前記容器が周方向に回転し、前記標記が前記特定の方向を向くことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の容器の製造方法。
【請求項8】
内容物が充填された容器に付された標記が予め定められた特定の方向を向くように当該容器を回転させる回転手段と、
前記回転手段により前記標記が前記特定の方向を向いた前記容器に対し、貼付材を貼付しおよび/または画像を形成する処理手段と、
を備える容器の製造システム。
【請求項9】
外周面に標記が付され内部に飲料が充填された容器本体と、
前記容器本体の前記外周面に貼付された貼付材と、を備え、
前記容器本体における前記貼付材の貼付位置についての制御がなされ、前記標記と当該貼付材とが予め定められた所定の位置関係を有した状態で当該標記と当該貼付材とが配置されていることを特徴とする容器。
【請求項10】
前記貼付材は、前記標記と重ならないように当該標記が位置している箇所とは異なる箇所に貼付されていることを特徴とする請求項9記載の容器。
【請求項11】
標記を含む図柄が外周面に形成され内部に飲料が充填された容器本体と、
前記容器本体の前記図柄の上に形成され且つ当該図柄とは別に形成された画像と、を有し、
前記容器本体における前記画像の形成位置についての制御がなされ、前記標記と当該画像とが予め定められた所定の位置関係を有した状態で当該標記と当該画像とが配置されていることを特徴とする容器。
【請求項12】
前記画像は、前記標記と重ならないように当該標記が位置している箇所とは異なる箇所に形成されていることを特徴とする請求項11記載の容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2011−230797(P2011−230797A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−102728(P2010−102728)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【出願人】(000186854)昭和アルミニウム缶株式会社 (155)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【出願人】(000186854)昭和アルミニウム缶株式会社 (155)
【Fターム(参考)】
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