説明

密閉型圧縮機

【課題】吸入リードの摩耗を防止し、かつ吸入リードと吸入孔のシール部をほぼ均一に接触させることで、効率の高い圧縮機を提供する。
【解決手段】バルブプレート121に形成した吸入孔115をオーバル形状とし、そのオーバル形状を、長辺131aの半径をRa、シリンダ111の内径半径をRとした場合、長辺131aを、Ra<Rの関係で、かつシリンダ111の内周に沿う円弧とし、オーバル形状131の短辺131bを、その半径Rbを長辺131aの半径Ra以下として長辺131aの両端を接続する円弧とし、長辺131aと短辺131bの接続部を、長辺131aの接線Sと短辺131bの接線Sが一致するようにした形状とすることにより、吸入リード122と吸入孔115のシール部をほぼ均一に接触させることができ、吸入リード122と吸入孔115のシール部間のシール性を向上させ、効率の高い圧縮機を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は冷凍冷蔵装置等に用いられる密閉型圧縮機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
圧縮機構にレシプロ式を採用した密閉型圧縮機では、円筒形の圧縮室を形成するシリンダと、シリンダの端部を封止するとともに吸入孔を形成したバルブプレートと、吸入孔を開閉する吸入リードと、消音空間を形成し連通管を備えたサクションマフラーと、シリンダヘッドと、このシリンダ内を往復運動する外径が円筒形のピストンと、このピストンに、ピストンピンを介して、シャフトの偏心軸部を連結するコンロッドとを備え、電動機部の回転子の軸心にシャフトを固定し、回転子の回転により圧縮機構を作動させる構成となっている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
以下、図面を参照しながら上記従来の密閉型圧縮機を説明する。
【0004】
図6は、特許文献1に記載された圧縮機の縦断面図、図7は、同圧縮機におけるシリンダと吸入リードと吸入孔の位置関係を表す説明図、図8は、同圧縮機におけるバルブプレートの正面図である。図9は特許文献2に記載された従来の圧縮機におけるバルブプレートの正面図である。
【0005】
図6から図8において、密閉容器1にオイル2を収納するとともに、密閉容器1内には電動モータ4によって駆動される圧縮要素5が収容されている。圧縮要素5は、コンロッド11を介してシャフト12に連結されたピストン13が往復動するシリンダ14を備えている。
【0006】
さらに、シリンダ14の開口端に配設され、シリンダ14内と連通する吸入孔15を有するバルブプレート16と、吸入孔15を開閉する吸入リード21と、消音空間を有するサクションマフラー22を有している。
【0007】
以上のように構成された圧縮機について、以下その動作を説明する。
【0008】
電動モータ4の駆動により、シリンダ14内をピストン13が往復運動することで、外部冷却回路(図示せず)から流れてきた冷媒ガスは、サクションマフラー22内に吸入され、吸入孔15を通って吸入リード21の開閉に伴い、シリンダ14内に間欠的に吸入される。
【0009】
シリンダ14内へ吸入された冷媒ガスは、ピストン13で圧縮され、再び外部冷却回路へ吐出される。
【0010】
かかる構成には、冷媒ガスがシリンダ14内に円滑に吸入されるように、吸入孔15の面積を大きくする工夫がされ、円形以外の形状が採用されている。その結果、冷媒ガスの単位時間当たりの吸入質量(冷媒循環量)は大きくなり、単位時間当たりの仕事量が増えることから圧縮機の効率が向上する。
【0011】
また、より吸入孔15を大きくするために、一例として図9に示す形状の吸入孔31をバルブプレート16に設けた構成が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特表2004−503715号公報
【特許文献2】特開平2−275073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、図8の構成では、吸入孔15が凹形状のため、圧縮時に吸入リード21に圧力かかった際、吸入リード21が吸入孔15の孔内部側の凸部15aに部分的に接触する構成である。そのため、吸入リード21に局部的な摩耗が発生し、吸入リード21と吸入孔15のシール部間のシール性が低下し、圧縮機の効率が低下する可能性があった。
【0014】
これは、図9に示す吸入孔31においても同様に、直線に近い湾曲辺31a側において局所的な摩耗が発生する。
【0015】
その理由は、孔形状が上下、左右に対称でないため、吸入リード21が均等に吸入孔31の縁に接触することがないためと考えられる。そのため、吸入リード21と吸入孔15のシール部間のシール性が低下し、圧縮機の効率が低下するという課題を有していた。
【0016】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、吸入リードの摩耗を防止し、かつ吸入リードと吸入孔のシール部をほぼ均一に接触させ、さらに吸入孔の面積を大きく確保することで、効率の高い圧縮機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記従来の課題を解決するために本発明の密閉型圧縮機は、バルブプレートに設けた吸入孔をオーバル形状とし、そのオーバル形状の長辺(長径)を形成する半径をRaとし、シリンダの内径半径をRとした場合、前記一対の長辺を、半径Ra<半径Rの条件で、前記シリンダ内径の中心と略同位置を中心にして描かれた円弧とし、さらに、オーバル形状の短辺(短径)を形成する半径Rbを、前記長辺の半径Raより小さく設定し、前記長辺と短辺を、前記長辺の接線と前記短辺の接線が一致するように接続することにより、前記吸入孔のオーバル形状を形成したものである。
【0018】
これにより、吸入リードを吸入孔へ略一様に接触させることができ、吸入リードの偏った接触による偏摩耗を低減し、かつ吸入リードと吸入孔のシール部間のシール性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の密閉型圧縮機は、バルブプレートに形成した吸入孔をオーバル形状とし、そのオーバル形状の長辺(長径)を形成する半径Raを、シリンダの半径R以下で、かつシリンダ内周に沿うように設定し、また、オーバル形状の短辺(短径)を形成する半径Rbを、前記長辺の半径Raより小さく設定し、前記長辺と短辺を、前記長辺の接線と前記短辺の接線が一致するように結ぶ曲線としたことにより、吸入孔を、上下、左右対称の形状とすることができ、吸入リードと吸入孔を略均一に接触させて吸入リードと吸入孔のシール部間のシール性を向上させることができる。また、シリンダの内周に沿う長辺を基調とするオーバル形状であるため、吸入孔(オーバル形状)の面積を、限られた空間内で最大限に確保することができ、前述のシール性の効果と併せて圧縮機の効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の縦断面図
【図2】同実施の形態1における密閉型圧縮機のシリンダと吸入リードと吸入孔の位置関係を表す説明図
【図3】同実施の形態1における密閉型圧縮機のバルブプレートの正面図
【図4】同実施の形態1における密閉型圧縮機のシリンダと吸入孔の位置関係を表す説明図
【図5】同実施の形態1における密閉型圧縮機の吸入孔と一般的な楕円形状の吸入孔との比較説明図
【図6】従来例を示す密閉型圧縮機の縦断面図
【図7】同圧縮機におけるシリンダと吸入リードと吸入孔の位置関係を表す説明図
【図8】同圧縮機におけるバルブプレートの正面図
【図9】異なる従来例を示す密閉型圧縮機のバルブプレートの正面図
【発明を実施するための形態】
【0021】
請求項1に記載の発明は、潤滑油を貯留した密閉容器内に、電動モータと、前記電動モータによって駆動され、かつ冷媒ガスを圧縮する圧縮要素を収容し、前記圧縮要素を、圧縮室を形成するシリンダと、前記シリンダの端部を封止するとともに吸入孔を形成したバルブプレートと、前記吸入孔を開閉する吸入リードと、前記バルブプレートとの間に吸入空間を形成するシリンダヘッドを具備する構成とし、前記吸入孔をオーバル形状とし、前記オーバル形状を、前記シリンダ内径の直径上に対称点がある対称位置にあり、かつ円弧で形成される一対の長辺(長径)と、対称位置にあり、かつ前記一対の長辺のそれぞれの端部を接続する円弧の短辺(短径)で描かれる環状とし、さらに、前記シリンダの内径半径をRとし、前記一対の長辺(長径)の半径をRaとした場合、前記一対の長辺を、半径Ra<半径Rの条件で、前記シリンダ内径の中心と略同位置を中心にして描かれた円弧とし、前記一対の短辺を、前記長辺の半径Raより小さい半径Rbで描かれる円弧とし、さらに、前記長辺と短辺の接続部を、前記長辺の接線と前記短辺の接線が一致するようにしたものである。
【0022】
かかる構成とすることにより、前記吸入孔のオーバル形状を、前記長辺の半径Raと短辺の半径Rからなる二つの円弧で上下、左右においてそれぞれ対称となる形状に形成することができる。その結果、前記吸入リードが、前記吸入孔側に大きな圧力で加圧された場合においても、吸入孔の周縁へ一様に当接するため、吸入リードが部分的に吸入孔の一部と干渉することを抑制することができる。したがって、吸入リードと吸入孔の部分的な接触、および摩耗に伴う吸入リードの偏った変形を抑制することができ、前記吸入リードと前記吸入孔のシール部(周縁)との接触を安定させ、前記吸入リードと吸入孔のシール部間のシール性を向上させて、信頼性および効率の高い圧縮機を提供することができる。
【0023】
また、前記長辺を、前記シリンダの内径に略平行状態で沿う円弧を基調とし、その長辺と前記短辺の接続部を、前記長辺の接線と前記短辺の接線が一致するようにしたことに伴い、緩やかな円弧で接続した構成と比較して外側に張り出す面積を確保することができる。その結果、吸入孔の面積を大きく形成することができ、圧縮機の吸入効率を高めることができる。
【0024】
さらに、前記吸入孔を、上下、左右において対称となるように形成したことにより、吸入孔の形成加工の容易化をはかることができる。
【0025】
以下、本発明による密閉型圧縮機の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
【0026】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の縦断面図、図2は、同実施の形態1における密閉型圧縮機のシリンダと吸入リードと吸入孔の位置関係を表す説明図、図
3は、同実施の形態1における密閉型圧縮機のバルブプレートの正面図、図4は、同実施の形態1における密閉型圧縮機のシリンダと吸入孔の位置関係を表す説明図、図5は同実施の形態1における密閉型圧縮機の吸入孔と一般的な楕円形状の吸入孔との比較説明図である。
【0027】
図1から図3において、密閉容器101には、潤滑油102が貯留され、また、電動モータ103によって駆動される圧縮要素104が収容されている。
【0028】
圧縮要素104は、圧縮室105を形成するシリンダ111と、ピストン112と、シャフト113と、コンロッド114と、シリンダ111の端部を封止し、かつ吸入孔115と吐出孔116(図2、図3)を形成したバルブプレート121と、吸入孔115を開閉する吸入リード122と、サクションマフラー123と、吐出空間(図示せず)と吸入空間128(図2)を形成するシリンダヘッド124を備えている。
【0029】
ピストン112は、シリンダ111内に往復摺動自在に挿入されるとともに、シャフト113との間をコンロッド114によって連結されている。
【0030】
シャフト113は、下端が潤滑油102に浸漬しており、圧縮要素104の各摺動部へ潤滑油102を供給するための給油機構(図示せず)を備えている。
【0031】
次に、サクションマフラー123の構成について説明する。
【0032】
サクションマフラー123は、PBT等の樹脂で形成され、消音空間125と、連通管126を有している。連通管126は、吸入孔115に連通する吸入空間128と連通している。
【0033】
次に、吸入孔115について図4、図5を参照しながら説明する。
【0034】
吸入孔115は、オーバル形状であり、オーバル形状の長辺(長径)131aは、シリンダ111の半径R以下に設定された半径Raで、かつシリンダ111の内径の中心Oと略同位置を中心にして描かれる円弧であり、シリンダ111の内周と略平行に沿って延びている。この長辺131aは、シリンダ111の内径の中心O寄りにも形成され、一対の長辺131aは、軸線xを軸にして図中上下対称となる位置に形成されている。換言すると、この一対の長辺は、シリンダ111の直径上にある対称点T(図5)を中心とする点対称となるように形成されている。
【0035】
また、吸入孔115のオーバル形状を形成する短辺(短径)131bは、一対の長辺131aを接続するように、長辺131aの両端に位置し、軸線yを軸にして、図中左右対称となる位置に形成されている。さらに詳述すると、短辺131bは、軸線x上にその中心O1が位置し、長辺131aの半径Raよりも短い寸法の半径Rbで描かれる円弧である。
【0036】
そして、長辺131aと短辺131bは、その接続部を、図5に示すように、長辺131aの接線Sと、短辺131bの接線Sが一致するように連続しており、吸入孔115として最大の面積を確保している。
【0037】
ここで、吸入孔115は、図2に示すように、シリンダヘッド124に設けられた吸入空間(二点鎖線で示す)124a内に収まる面積でなければならず、そして、最適な圧縮量の冷媒ガスを取り入れることができ、さらに、冷媒ガスの圧縮時における圧力により逆流して吸入孔115から漏れでない面積でなければならない。
【0038】
本実施の形態1においては、長辺131aの半径Raに対し、短辺131bの半径Rbを、長辺131aの半径Raの約1/4に設定し、オーバル形状の短辺131bが極端に小さな曲率にならないようにしている。
【0039】
上述の如く、シリンダ111の内径に沿う外側の長辺131aを基調とするオーバル形状は、限られた吸入空間128内において、吸入孔115の面積を大きく確保することができ、また、吸入リード122の局所的な摩擦(摩耗)を抑制することができる形状でもある。
【0040】
すなわち、図5に示すように、シリンダ111の内径の中心Oと異なる位置を中心O2とする半径Rcの長辺とこれらの長辺を接続する半径Rdの短辺を備えた楕円形状は、吸入空間128の寸法(面積)の関係から、図5中の軸線x方向の寸法が規制されたもの(本実施の形態1と同一寸法)とすると、図5の破線で示すように、実線で示す本実施の形態1のオーバル形状と異なり、4箇所の張り出し部a、b、c、d分の面積が少ない形状となる。
【0041】
換言すると、本実施の形態1におけるオーバル形状は、シリンダ111の半径Rよりも小さく設定され、かつシリンダ111の内径中心Oと(略)同位置を中心として描かれた半径Raの長辺と、長辺131aの半径Raよりも小さい半径Rbの短辺からなる二つの曲線(円弧)を接続した形状であり、かつ長辺131aの接線Sと、短辺131bの接線Sが一致するように接続しているため、その接続部の半径Rbを最大にして、各接続部に張り出し部a、b、c、dを形成することができ、限られた吸入空間128の領域内において、吸入孔115の面積を大きく確保することができる。
【0042】
なお、吸入孔115のオーバル形状は、上述の如く長辺131aの円弧と短辺131bの円弧が連続する形状に限るものではなく、必要に応じて長辺131aの円弧と短辺131bの円弧の間に、両円弧に共通する接線Sが短く介在する形状であってもよい。
【0043】
また、接線Sは、直線に限るものではなく、直線に近い曲率の曲線であってもよい。
【0044】
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下その動作、作用を説明する。
【0045】
電動モータ103が通電されると、シャフト113が回転し、シャフト113の回転運動がコンロッド114によって往復運動に変換され、ピストン112を往復運動させる。これにより、圧縮室105にて冷媒の吸入と圧縮の動作が行われる。
【0046】
この吸入と圧縮の動作に伴い、冷却回路(図示せず)から流れてきた冷媒ガスは、一旦密閉容器101内に開放され、その後、サクションマフラー123内に吸入される。
【0047】
サクションマフラー123内に吸入された冷媒ガスは、消音空間125に開放された後、連通管126、吸入空間128、吸入孔115を順次通ってシリンダ111内に吸入される。シリンダ111内に吸入された冷媒は、ピストン112で圧縮され、シリンダヘッド124の吐出空間を経て、再び外部冷却回路(図示せず)へと吐出される。
【0048】
上述の動作において、吸入孔115を、2種の円弧を用い、上下、左右において対称なオーバル形状とすることにより、吸入リード122と吸入孔115のシール部をほぼ均一に接触させることができる。
【0049】
その結果、吸入リード122の局部的な摩耗を防止し、吸入リード122と吸入孔11
5のシール部のシール性を向上させて冷媒ガスの漏れを低減することができる。したがって、単位時間当たりの仕事量を増加させることができ、効率の高い圧縮機を提供することができる。
【0050】
また、吸入孔115のオーバル形状を形成する長辺131aの半径Raは、シリンダ111の内径の半径R以下で、かつその中心点Oを、シリンダ111の中心Oと略同一としているため、外側の長辺131aをシリンダ111の内径に沿って(略)平行に形成することができる。その結果、吸入孔115の外側の長辺131aは、シリンダ111の内径と相似形となり、吸入孔115の長辺131aを長く形成することができる。
【0051】
そして、この外側の長辺131aと所定間隔を介して点(線)対称となる位置で、かつシリンダ111の中心O寄りに他方の長辺131aを形成し、この一対の長辺131aのそれぞれの端部を、長辺131aの半径Raより小さい半径Rbで、かつ接線Sが長辺131aの接線Sと一致する短辺131bで接続することにより、接続部の半径Rbを最大にして、各接続部に張り出し部a、b、c、dを形成することができ、限られた吸入空間128の領域内において、吸入孔115の面積を大きく確保することができる。
【0052】
その結果、圧縮機の吸入効率を高めることができ、上述の冷媒ガスの漏れ低減と併せて圧縮機の効率をさらに高めることができる。
【0053】
また、上述の吸入孔115の面積は、長辺131aの間隔に委ねて設定することができるため、吸入孔115の面積を、設計条件に応じて適切、かつ最大限に確保することができる。
【0054】
さらに、吸入孔115を、上述の如くオーバル形状とすることにより、従来の円形の吸入孔に対して、圧縮の動作時において、吸入リード122の吸入孔115と接する部分に発生する引張応力(吸入孔115の円周に沿って発生する応力)が高くなることを防ぐことができる。その結果、吸入リード122の欠け等の折損を防止し、長期に亘り圧縮機の信頼性を高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
以上のように、本発明にかかる圧縮機は、さらなる高効率化と、信頼性の向上が可能となるもので、空調用、業務用大型冷凍冷蔵機器等の用途にも適用できる。
【符号の説明】
【0056】
101 密閉容器
102 潤滑油
103 電動モータ
104 圧縮要素
105 圧縮室
111 シリンダ
115 吸入孔
121 バルブプレート
122 吸入リード
124 シリンダヘッド
128 吸入空間
131a 長辺
131b 短辺
R 半径
Ra 半径
Rb 半径
S 接線
T 対称点
a 張り出し部
b 張り出し部
c 張り出し部
d 張り出し部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
潤滑油を貯留した密閉容器内に、電動モータと、前記電動モータによって駆動され、かつ冷媒ガスを圧縮する圧縮要素を収容し、前記圧縮要素を、圧縮室を形成するシリンダと、前記シリンダの端部を封止するとともに吸入孔を形成したバルブプレートと、前記吸入孔を開閉する吸入リードと、前記バルブプレートとの間に吸入空間を形成するシリンダヘッドを具備する構成とし、前記吸入孔をオーバル形状とし、前記オーバル形状を、前記シリンダ内径の直径上に対称点がある対称位置にあり、かつ円弧で形成される一対の長辺(長径)と、対称位置にあり、かつ前記一対の長辺のそれぞれの端部を接続する円弧の短辺(短径)で描かれる環状とし、さらに、前記シリンダの内径半径をRとし、前記一対の長辺(長径)の半径をRaとした場合、前記一対の長辺を、半径Ra<半径Rの条件で、前記シリンダ内径の中心と略同位置を中心にして描かれた円弧とし、前記一対の短辺を、前記長辺の半径Raより小さい半径Rbで描かれる円弧とし、さらに、前記長辺と短辺の接続部を、前記長辺の接線と前記短辺の接線が一致するようにした密閉型圧縮機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図8】
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【図9】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−107575(P2012−107575A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−257585(P2010−257585)
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】