説明

対抗適応を誘発することにより神経伝達物質系を調節する方法

【課題】対抗適応反応の誘発により神経伝達物質系を調節して、望ましくない精神状態および神経学的状態に対処する。
【解決手段】本発明は対抗適応反応の誘発により内因性エンドルフィン神経伝達物質系を調節する薬剤の調製のためのナロキソンなどのミューおよび/またはデルタオピエート受容体アンタゴニストの使用に関する。患者に薬剤を反復投与することにより、薬剤中のミューおよび/またはデルタオピエート受容体アンタゴニストがミューおよび/またはデルタオピエート受容体に結合し、その結果、対抗適応は誘発される。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者において対抗適応を誘発することにより内因性エンドルフィン神経伝達物質系を調節する薬剤の調製のためのミューおよび/またはデルタオピエート受容体に対する非特異的なミューおよび/またはデルタオピエート受容体アンタゴニストの使用であって、前記神経伝達物質系は望ましくない精神状態または神経学的状態に否定的に関係しているミューおよび/またはデルタオピエート受容体を含み、前記アンタゴニストはナロキソン、ナルトレキソン、ナルメフェンおよびナルブフィン、ならびにそれらの医薬として許容され得る塩および誘導体のうちから選択され、前記使用は、
前記薬剤を患者に反復投与することを含み、各投与は投与半減期を有し、各投与に関連する第1期間において前記薬剤中の前記アンタゴニストを前記ミューおよび/またはデルタオピエート受容体に結合させ、それにより対抗適応を誘発し、
(i)前記対抗適応は前記神経伝達物質系のアップレギュレーションを引き起こし、
(ii)投与間の期間に対する前記投与半減期の比率は1/2以下であり、
(iii)各投与に関連する第2期間においては前記ミューおよび/またはデルタオピエート受容体に対する前記アンタゴニストの結合が解け、
(iv)前記第2期間において前記精神状態または神経学的状態に関して治療効果が現れる、使用。
【請求項2】
患者において内因性エンドルフィン神経伝達物質系の調節を誘発する薬剤の調製のためのミューおよび/またはデルタオピエート受容体に対する非特異的なミューおよび/またはデルタオピエート受容体アンタゴニストの使用であって、前記神経伝達物質系は、望ましくない精神状態または神経学的状態に否定的に関係しているミューおよび/またはデルタオピエート受容体を含み、前記アンタゴニストはナロキソン、ナルトレキソン、ナルメフェンおよびナルブフィン、ならびにそれらの医薬として許容され得る塩および誘導体のうちから選択され、前記使用は、
前記薬剤を患者に与えることにより対抗適応を誘発し、次いで、前記薬剤を患者に反復投与することを含み、各投与は投与半減期を有し、各投与に関連する第1期間において前記薬剤中の前記アンタゴニストをミューおよび/またはデルタオピエート受容体に結合させ、それにより対抗適応を維持または向上し、
(i)前記対抗適応は前記神経伝達物質系のアップレギュレーションを引き起こし、
(ii)投与間の期間に対する前記投与半減期の比率は1/2以下であり、
(iii)各投与に関連する第2期間においては前記ミューおよび/またはデルタオピエート受容体に対する前記アンタゴニストの結合が解け、
(iv)前記第2期間において前記精神状態または神経学的状態に関して治療効果が現れる、使用。
【請求項3】
前記ミューおよび/またはデルタオピエート受容体のうちの相当数の受容体は、各第1期間において前記アンタゴニストによって結合される請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
各第1期間において、前記ミューおよび/またはデルタオピエート受容体の少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、または少なくとも約90%は前記アンタゴニストによって結合される請求項3に記載の使用。
【請求項5】
各投与はその投与に関連する第2期間を有し、第2期間はその投与に関連する第1期間に後続し、前記ミューおよび/またはデルタオピエート受容体のちの相当数は、各第2期間において前記アンタゴニストに結合されないままである請求項1乃至4のいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
各第2期間において、前記ミューおよび/またはデルタオピエート受容体の約50%以
下、約25%以下、または10%以下は前記アンタゴニストに結合される請求項5に記載の使用。
【請求項7】
前記アンタゴニストと組み合わせて抗不安薬を投与することをさらに含む請求項1乃至6のいずれか1項に記載の使用。
【請求項8】
前記抗不安薬はGABA経路に影響を与える請求項7に記載の使用。
【請求項9】
前記抗不安薬はベンゾジアゼピンである請求項7に記載の使用。
【請求項10】
前記アンタゴニストと組み合わせて催眠剤を投与することをさらに含む請求項1乃至9のいずれか1項に記載の使用。
【請求項11】
前記アンタゴニストと組み合わせて、TCA、MAOI、SSRI、NRI、SNRI、CRF修飾薬、セロトニンシナプス前自己受容体アンタゴニスト、5HTアゴニスト、ダイノルフィンアンタゴニスト、GABA−A修飾薬、セロトニン5H2C修飾薬およびセロトニン5H2B修飾薬の少なくともいずれか、ベータ−3アドレナリン受容体アゴニスト、NMDAアンタゴニスト、V1Bアンタゴニスト、GPCR修飾薬、およびサブスタンスPアンタゴニストのいずれかを投与することをさらに含む請求項1乃至10のいずれか1項に記載の使用。
【請求項12】
前記望ましくない精神状態または神経学的状態は受容体に否定的に関係しており、
前記対抗適応は内因性エンドルフィン系のアップレギュレーションを引き起こす請求項1乃至11のいずれか1項に記載の使用。
【請求項13】
前記対抗適応は、
受容体末端におけるか、脳下垂体によるかの少なくともいずれかのエンドルフィンの生合成または放出の増加、
前記受容体の数および前記受容体上におけるエンドルフィン結合部位の数の少なくともいずれかの増加、並びに、
ミューおよび/またはデルタオピエートアゴニストおよびエンドルフィンの少なくともいずれかによる結合に対する前記受容体の感受性の増大
のうちの少なくとも1つである請求項12の使用。
【請求項14】
前記非特異的なミューおよび/またはデルタオピエート受容体アンタゴニストはナロキソンである請求項1乃至13のいずれか1項に記載の使用。
【請求項15】
ナロキソンの最大投与量は3000mg/投与以下である請求項14に記載の使用。
【請求項16】
ナロキソンの初期投与量は5〜500mg/投与である請求項15に記載の使用。
【請求項17】
ナロキソンの初期投与量は10〜50mg/投与である請求項16に記載の使用。
【請求項18】
前記ミューおよび/またはデルタオピエート受容体アンタゴニストは、時限放出性および除放性のいずれかの製剤形態を用いて投与される請求項1乃至17のいずれか1項に記載の使用。
【請求項19】
前記ミューおよび/またはデルタオピエート受容体アンタゴニストは、経口投与、経皮投与、髄腔内投与、脊髄くも膜下腔内投与、吸入投与、皮下投与、静脈内投与、筋肉内投与、および経粘膜投与のいずれかで投与されるか、浸透ポンプ、マイクロカプセル、イン
プラント、および懸濁液のいずれかによって投与される請求項1乃至18のいずれか1項に記載の使用。
【請求項20】
前記ミューおよび/またはデルタオピエート受容体アンタゴニストは経皮投与される請求項19に記載の使用。
【請求項21】
前記ミューおよび/またはデルタオピエート受容体アンタゴニストは、2〜12時間、2〜6時間、または6〜12時間の継続期間にわたって放出される請求項1乃至20のいずれか1項に記載の使用。
【請求項22】
前記ミューおよび/またはデルタオピエート受容体アンタゴニストは、急速に吸収される負荷投与として投与される請求項1乃至20のいずれか1項に記載の使用。
【請求項23】
前記ミューおよび/またはデルタオピエート受容体アンタゴニストは、急速に吸収される負荷投与と、経皮投与または時限放出性もしくは除放性の製剤形態との双方を用いて投与される請求項1乃至22のいずれか1項に記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−137038(P2011−137038A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−75964(P2011−75964)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【分割の表示】特願2007−533610(P2007−533610)の分割
【原出願日】平成17年9月23日(2005.9.23)
【出願人】(507091978)
【氏名又は名称原語表記】MICHALOW,Alexander
【Fターム(参考)】