説明

対数圧縮型アナログ−ディジタル変換回路及び半導体光センサ装置

【課題】広範囲のアナログ入力電流をディジタル出力電圧に変換する温度特性の改善された対数圧縮型アナログ−ディジタル変換回路及び半導体光センサ装置を提供する。
【解決手段】pn接合の順方向特性を利用して入力電流を電圧に対数変換して出力する対数増幅器と、前記対数増幅器の出力電圧に基づくディジタル信号を出力する変換器と、を備え、前記変換器は、温度依存性を有する基準電圧源を用いて発生させた電圧と前記対数増幅器の前記出力電圧とを逐次比較することにより前記対数増幅器が有する温度依存性を抑制しつつ前記対数増幅器の出力電圧に基づくディジタル信号を出力することを特徴とする対数圧縮型アナログ−ディジタル変換回路が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アナログ−ディジタル変換回路及び半導体光センサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体受光素子を用いた光センサ装置の種類は多いが、その一例として照度センサがある。この照度センサは周囲の照度(明るさ)に応じた電気的信号を出力することができるので、携帯電話をはじめとする携帯電子機器などに広く用いられる。
【0003】
例えば、周囲が暗い場合には液晶ディスプレイ用のバックライトや操作キー部のLED(Light Emitting Diode)を輝度調整しながら点灯する。一方、周囲が明るい場合にはバックライトやLEDを消灯する。このように、周囲の照度に応じて、消灯や輝度調整を行うことにより高い視認性を維持しつつ消費電力の低減が可能となる。
【0004】
携帯電話を例に取ると、一般にキー部のLEDのオン/オフは、数ルクス乃至100ルクスの低照度範囲内に制御される。従来の照度センサは、キー部のオン/オフ制御に使用されることが多かったため、数ルクス乃至100ルクスの照度範囲内においてリニアな出力が得られるように設計されていた。
【0005】
しかしながら、携帯電話において高速大容量情報伝送への要求が高まり、これに応じて高品位表示が可能なフルカラー化液晶ディスプレイが必要となった。フルカラー化液晶ディスプレイを用いて高品位表示をするには、周囲の照度に合わせた液晶バックライトの輝度の調整や色度調整(ガンマ補正)が必要となる。この場合、輝度調整や色度調整(ガンマ補正)は、数万ルクスまでの照度範囲内において行うことが望ましい。もちろんキー部のLEDのオン/オフのための低照度制御機能をも備える必要がある。
【0006】
低照度範囲において高感度であるキー部制御用の照度センサにおいては、数万ルクスの高照度では出力が飽和して照度の正確な検出ができない。逆に数万ルクスの高照度を検出するために感度を低下させた照度センサを用いると、キー部を制御すべき低照度における出力が、暗電流などと区別できなくなり、照度の検出が困難となる。
【0007】
上記のようなダイナミックレンジの広い照度を検出するには、pn接合の順方向電流−電圧特性を利用して出力電圧を対数圧縮する対数増幅器を用いるのが良い。しかしながら、pn接合の温度特性により対数変換電圧出力が変動する。従って分圧抵抗などによる比較電圧と対数変換電圧出力とを比較器に入力し逐次比較することにより得られるディジタル出力は温度に依存して変化する。この結果、得られる検出照度の精度が不十分となる。
【特許文献1】特開平8−330621号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、広範囲のアナログ入力電流をディジタル出力電圧に変換する温度特性の改善された対数圧縮型アナログ−ディジタル変換回路及び半導体光センサ装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、pn接合の順方向特性を利用して入力電流を電圧に対数変換して出力する対数増幅器と、前記対数増幅器の出力電圧に基づくディジタル信号を出力する変換器と、を備え、前記変換器は、温度依存性を有する基準電圧源を用いて発生させた電圧と前記対数増幅器の前記出力電圧とを逐次比較することにより前記対数増幅器が有する温度依存性を抑制しつつ前記対数増幅器の出力電圧に基づくディジタル信号を出力することを特徴とする対数圧縮型アナログ−ディジタル変換回路が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、広範囲のアナログ入力電流をディジタル出力電圧に変換する温度特性の改善された対数圧縮型アナログ−ディジタル変換回路及び半導体光センサ装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態につき説明する。
図1は、本発明の具体例にかかる対数圧縮型アナログ−ディジタル変換回路を表すブロック図である。
この変換回路は、対数増幅器(Logarithmic Amplifier)30と、A/Dコンバータ60と、を備える。対数増幅器30は、pn接合の非線形性を利用して対数圧縮を行う。すなわち、pn接合における電圧Vと電流Iとの関係は(1)式で表すことができる。
【0012】
【数1】

ここで、Iはpn接合の逆方向電流、kはボルツマン定数、Tは絶対温度、qは電子の電荷である。この関係を利用して電流値が電圧値へ対数変換される。pn接合にはダイオードあるいはバイポーラトランジスタのエミッタ−ベース接合を用いることができる。
【0013】
図1に例示した対数増幅器30においては、トランジスタのエミッターベース接合を利用している。すなわち、入力電流IINはトランジスタ12により対数変換され出力電圧VOUTが得られる。ところが、(1)式におけるIの温度依存性は大きいので、Vの温度依存性も大きい。すなわち、トランジスタのベース−エミッタ接合の温度依存性は大きい。これを打ち消すためにもうひとつのトランジスタ18が配置されている。トランジスタ12及びトランジスタ18の温度特性を揃えることによりIの影響を低減することができ、出力電圧VOUTの温度変動が低減される。
【0014】
図1に表した変換回路において、対数増幅器30の入力端子Aからは入力電流IINが流入する。入力端子Aは、オペアンプ(Operational Amplifier)10のプラス入力端子とトランジスタ12のコレクタとに接続されている。一方、基準電流源24は、トランジスタ18のコレクタと他のオペアンプ22のマイナス入力端子とに接続されている。オペアンプ10のマイナス入力端子と、基準電圧源26と、抵抗Rとはオペアンプ22のプラス入力端子へ接続されている。
【0015】
オペアンプ22の出力は抵抗Rを介して2個のトランジスタ12及び18のエミッタと接続されている。オペアンプ10の出力端子は抵抗Rと接続されて対数増幅器30の出力端子Bを構成する。この出力端子Bからは対数変換された出力電圧VOUTが取り出される。なお、抵抗Rは抵抗R及びトランジスタ18のベース端子に接続されている。
【0016】
このような対数増幅器30を用いても、電流−電圧の変換係数の温度変動を打ち消すのにはまだ不十分である。ここで、例えばサーミスタなどを用いて抵抗Rの温度係数を約0.3%/℃とできれば、この温度変動を低減することができる。しかし、シリコン集積回路上でこのような抵抗を実現するには、特別な材料を使用すること、材料の温度係数の安定性、抵抗精度、プロセス複雑化などの問題があり実用的ではなく他の手段が好ましい。
【0017】
図1に例示された本具体例にかかる対数圧縮型アナログ−ディジタル変換回路は、抵抗Rの温度係数を特別に設定することなく温度変動を低減できる構成を有する。すなわち、本具体例は対数増幅器30と,基準電流源24と、基準電圧源26,261,262と、A/Dコンバータ60とを備えている。A/Dコンバータ60は、分圧抵抗40により温度依存基準電圧源261,262からの基準電圧を分圧し、分圧された比較電圧と対数変換された出力電圧VOUTとを比較器(Comparator)42へ入力する。さらに比較器42からのディジタル出力が論理回路44に入力され、論理回路により適宜分圧抵抗の分圧ノードに比較電圧がスイッチ45によって切り替えられ逐次比較され論理演算されて温度変動による誤差が低減されたディジタル出力電圧が得られる。
【0018】
次に、温度依存基準電圧源を用いて対数増幅器30の対数変換された出力電圧VOUTの温度変動を打ち消す作用についてより詳細に説明する。
図2は、対数増幅器30において設定される基準電流値Irefが、対数増幅器30における入力電流IINの最小値と最大値との中間範囲に設定された場合を説明するためのシミュレーション結果を表すグラフ図である。
ここで、図2(a)は、対数増幅器30の出力電圧VOUTの入力電流IIN(対数軸)依存性を表すグラフ図である。パラメータは周囲温度Taである。図2(b)は、温度依存基準電圧源261、262における出力電圧の周囲温度依存性を表すグラフ図である。なお、基準電流値Irefは対数増幅器30へ接続されている基準電流源24により所定値に設定される。
【0019】
図2(a)から分かるように、入力電流IINが基準電流値Irefと一致している点においては、周囲温度Taが変動しても対数増幅器30からの出力電圧VOUTは殆ど変動しない。入力電流IINが基準電流値Irefより小なる入力電流範囲において、入力電流IINが減少するのに伴い出力電圧VOUTが増大する。そして、周囲温度Taが高くなるほど電圧増大率が大となる。一方、入力電流IINが基準電流値Irefより大なる入力電流範囲において、入力電流IINが増大するのに伴い出力電圧VOUTは減少する。そして、周囲温度Taが高くなるほど電圧減少率が大となる。
【0020】
すなわち、入力電流IINが最小値の点で、周囲温度Taが最低のTMINの時の対数増幅器30からの出力電圧VOUTをVLLで表し、最高周囲温度TaMAXの時のVOUTをVLHで表すと、VLL<VLHとなる。一方、入力電流IINが最大値の点で、最低周囲温度TaMINの時のVOUTをVHLで表し、最高周囲温度TaMAXの時のVOUTをVHHで表すと、VHL>VHHとなる。このように、対数変換において温度変動低減手段を講じていない集積回路の対数増幅器における出力電圧は基準電流値Irefから離れるほど温度変動が大となる。
【0021】
アナログ出力電圧を抵抗分割逐次比較型A/Dコンバータ60によりディジタル変換する場合、高電圧側の基準電圧端子301と低電圧側の基準電圧端子302とを介してR11,R12,・・・、R1j、・・・、R1N(1≦j≦N)からなる分圧抵抗40に分圧電圧を発生させる。対数増幅器30の出力電圧VOUTとこの分圧電圧とを比較器42に入力し逐次比較することにより、ディジタル出力の各ビットの値が決定される。対数ディジタル変換の前提として、信号電流の最小値と最大値に対してディジタル出力のカウント値を設定することが必要である。図2(a)において、入力電流IINの最小値に対してカウント0を、入力電流IINの最大値に対して最大カウントを設定することとする。
【0022】
この場合、IIN最小値に対応する基準電圧端子301には、TaMAX時にはVLHが、TaMIN時にはVLLが供給されるようにすると、IIN最小値すなわちカウント0に対応する電圧を高温時に高く低温時に低く設定できる。一方、IIN最大値に対応する基準電圧端子302には、TaMAX時にはVHHが、TaMIN時にはVHHが供給されるようにすると、IIN最大値、すなわち最大カウントに対応する電圧を高温時に低く低温時に高く設定できる。
【0023】
図2(b)は、このような電圧設定を行うための温度依存基準電圧源261及び262の出力電圧と周囲温度依存性を表すグラフ図である。温度依存基準電圧源261の出力電圧は周囲温度Taの増大と共に増大するように設定する。すなわち、TaMIN時においてVLL、TaMAX時においてVLHが出力されるように設定されることが好ましい。一方、温度依存基準電圧源262の出力電圧は周囲温度Taの増大と共に減少するように設定する。すなわち、TaMIN時においてVHL、TaMAX時においてVHHが出力されるように設定されることが好ましい。このような温度依存基準電圧源261及び262を用いることにより、周囲温度変動に対しても入力電流IINに対するA/Dコンバータ60からの出力カウント数を同じ数値とできる。
【0024】
次に、基準電流値Irefの設定の第1変形例について説明する。
図3は、基準電流値IrefをIIN最大値と一致させた場合を説明するシミュレーション結果を表すグラフ図である。すなわち、図3(a)は、対数増幅器30の出力電圧VOUTの入力電流依存性を表すグラフ図であり、図3(b)は温度依存基準電圧源261、262における出力電圧の周囲温度依存性を表すグラフ図である。
この場合、(a)に例示したように、IIN最大値において温度変動を殆ど生じない。一方、基準電流値Irefより小なる入力電流範囲において、周囲温度Taの増大に伴い出力電圧VOUTが増大し、TaMIN時にVLLであった出力電圧VOUTはTaMAX時にVLHまで増大する。
【0025】
図3(b)は、この場合の電圧設定を行うための基準電圧源の出力電圧の周囲温度依存性を表すグラフ図である。温度依存基準電圧源261の出力電圧は周囲温度Taの増大と共に増大するように設定する。すなわち、TaMIN時においてVLL、TaMAX時においてVLHが出力されるように設定されることが好ましい。一方、温度依存基準電圧源262の出力電圧は周囲温度変動に対しても一定値(VHL=VHH)で良い。このような基準電圧源を用いることにより、周囲温度変動に対しても入力電流IINに対するA/Dコンバータ60からの出力カウント数を同じ数値とできる。
【0026】
次に、基準電流値Irefの設定の第2変形例について説明する。
図4は、基準電流値IrefをIIN最小値と一致させた場合を説明するシミュレーション結果を表すグラフ図である。すなわち、図4(a)は、対数増幅器30の出力電圧VOUTの入力電流依存性を表し、図4(b)は温度依存基準電圧源261、262における出力電圧の周囲温度依存性を表す。
この場合,(a)に例示されるように、IIN最小値において温度変動を殆ど生じない。一方、基準電流値Irefより大なる入力電流範囲において、周囲温度Taの増大に伴い出力電圧VOUTが減少し、TaMIN時にVHLであった出力電圧VOUTはTaMAX時にVHHまで減少する。
【0027】
図4(b)は、この場合の電圧設定を行うための基準電圧源の出力電圧の周囲温度依存性を表すグラフ図である。温度依存基準電圧源262の出力電圧は周囲温度Taの増大と共に減少するように設定する。すなわち、TaMIN時においてVHL、TaMAX時においてVHHが出力されるように設定されることが好ましい。一方、温度依存基準電圧源261の出力電圧は周囲温度変動に対しても一定値(VLH=VLL)で良い。このような基準電圧源を用いることにより、周囲温度変動に対しても入力電流IINに対するA/Dコンバータ60からの出力カウント数を同じ数値とできる。図3及び図4に例示された基準電流値Irefの設定方法によれば、基準電圧源を一方のみとできるので構成をより簡素とできる。
【0028】
なお、図1におけるA/Dコンバータ60において分圧抵抗40は標準的な集積回路プロセスを用いて形成できる。結果として低価格とできる。さらにA/Dコンバータ60と、対数増幅器30とをそれぞれ集積回路化することが好ましく、両者を1チップ化することがより好ましい。
【0029】
以上説明した本具体例において、広範囲のアナログ入力電流をディジタル出力電圧に変換することができ、かつ周囲温度変動範囲に対してもA/Dコンバータ60からの出力カウント数を同じ値とできる対数圧縮型アナログ−ディジタル変換回路が可能となる。
【0030】
次に、本具体例の対数圧縮型アナログ−ディジタル変換回路を用いたディジタル出力を有する半導体光センサ装置について説明する。
図5は、そのブロック図である。第1フォトダイオード52は可視光及び赤外光を検出する。また第2フォトダイオード50は、受光素子の上に可視光阻止フィルタが設けられているので赤外光のみを検出する。第1フォトダイオード52と第2フォトダイオード50とからの電流とは等倍のカレントミラー53へ入力されることにより両方のフォトダイオードの電流が減算されて、ほぼ可視光に対応する電流IINのみが対数増幅器30へ入力される。すなわち入力電流IINはほぼ視感度に近い分光特性を有しているので精度の高い照度測定が可能となっている。2個のフォトダイオード50及び52、カレントミラー回路53、その他の増幅回路などはシリコン集積回路化することが好ましい。
【0031】
対数増幅器30の出力電圧VOUTはA/Dコンバータ60へ入力される。対数増幅器30へは基準電流源24及び基準電圧源26が接続される。またA/Dコンバータ60へは、基準電圧源26から温度依存性を有する基準電圧が供給され対数変換係数の温度変動を低減させる作用を持たせている。温度特性が改善された対数圧縮型アナログ−ディジタル変換回路からのディジタル出力は、平均化のための加算器(Adder)56へ入力される。また、クロック発生器(Clock Generator)54からのクロック信号がA/Dコンバータ60及び加算器56へ入力される。加算器56と12Cインターフェース58との間でディジタル信号の送受信がなされる。なお、第1フォトダイオード52、第2フォトダイオード50、カレントミラー回路53、対数増幅器30、及びA/Dコンバータ60を1チップ化して集積回路70とすることがより好ましい。
【0032】
このように構成されたディジタル出力半導体光センサ装置においては、数ルクスの低照度から数万ルクスの高照度にわたる範囲において、入射光に対応した広いダイナミックレンジの電流を対数圧縮したディジタル出力電圧に変換することができる。しかも、温度依存基準電圧源を用いることによって対数圧縮における温度変動の影響を低減できている。
【0033】
この結果、5桁以上のダイナミックレンジを有する照度センサが実現できる。すなわち、低照度範囲においてはキー部のLEDをオン/オフ制御することにより消費電力を低減することができて、高照度範囲においてはフルカラー化液晶ディスプレイのバックライト輝度調整を行うことにより高品位画像表示ができる。
【0034】
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態につき説明した。しかし、本発明はこれら具体例に限定されない。例えば、オペアンプ、対数増幅器、基準電流源、基準電圧源、分圧抵抗、比較器、論理回路、A/Dコンバータ、フォトダイオード、加算器など対数圧縮型アナログ−ディジタル変換回路および半導体光センサ装置の構成要素に関して、当業者が各種の設計変更を行ったものであっても本発明の主旨を逸脱しない限り本発明の範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の具体例にかかる対数圧縮型アナログ−ディジタル変換回路のブロック図である。
【図2】本具体例において、対数変換された出力電圧の温度変動を打ち消す作用を説明するグラフ図であり、(a)は出力電圧の入力電流依存性、(b)は基準電圧源出力電圧の周囲温度依存性である。
【図3】基準電流値の変形例における作用を説明するグラフ図である。
【図4】基準電流値の他の変形例における作用を説明するグラフ図である。
【図5】本発明の具体例にかかる半導体光センサ装置のブロック図である。
【符号の説明】
【0036】
10・・・オペアンプ、12・・・トランジスタ、20・・・抵抗、24・・・基準電流源、26・・・基準電圧源、30・・・対数増幅器、40・・・分圧抵抗、42・・・比較器、44・・・論理回路、54・・・クロック発生器、56・・・加算器、60・・・A/Dコンバータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
pn接合の順方向特性を利用して入力電流を電圧に対数変換して出力する対数増幅器と、
前記対数増幅器の出力電圧に基づくディジタル信号を出力する変換器と、
を備え、
前記変換器は、温度依存性を有する基準電圧源を用いて発生させた電圧と前記対数増幅器の前記出力電圧とを逐次比較することにより前記対数増幅器が有する温度依存性を抑制しつつ前記対数増幅器の出力電圧に基づくディジタル信号を出力することを特徴とする対数圧縮型アナログ−ディジタル変換回路。
【請求項2】
前記変換器は、比較電圧を生成するための分圧抵抗を有し、
前記分圧抵抗の上限電圧は、前記基準電圧源から供給される正の温度係数を有する電圧であり、下限電圧は前記基準電圧源から供給される負の温度係数を有する電圧であり、
前記対数増幅器に設定される基準電流は、前記入力電流の最小値と最大値との中間であることを特徴とする請求項1記載の対数圧縮型アナログ−ディジタル変換回路。
【請求項3】
前記変換器は、比較電圧を生成するための分圧抵抗を有し、
前記分圧抵抗の上限電圧は、前記基準電圧源から供給される正の温度係数を有する電圧であり、
前記対数増幅器に設定される基準電流は、前記入力電流の最大値であることを特徴とする請求項1記載の対数圧縮型アナログ−ディジタル変換回路。
【請求項4】
前記変換器は、比較電圧を生成するための分圧抵抗を有し、
前記分圧抵抗の下限電圧は、前記基準電圧源から供給される負の温度係数を有する電圧であり、
前記対数増幅器に設定される基準電流は、前記入力電流の最小値であることを特徴とする請求項1記載の対数圧縮型アナログ−ディジタル変換回路。
【請求項5】
光電変換素子と、
請求項1〜4のいずれか1つに記載の対数圧縮型アナログ−ディジタル変換回路と、
を備えたことを特徴とする半導体光センサ装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−54077(P2008−54077A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−228677(P2006−228677)
【出願日】平成18年8月25日(2006.8.25)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】