説明

射出成形装置及び射出成形方法

【課題】非酸化性ガスで置換された空間内で成形を行うことにより樹脂焼けによる品質劣化のない射出成形品を得る。
【解決手段】射出成形機12により成形品73を成形する射出成形装置10において、可動型26と固定型24の間の空間(置換室43)を気密に覆う隔壁42と、この隔壁42に設けられた給気管58及び排気管60と、給気管58から置換室43に窒素ガス(Nガス)を供給する非酸化性ガス発生装置14とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、射出成形機を用いて成形品を成形する射出成形装置及び射出成形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、射出成形機を用いて成形品を成形する場合、樹脂焼け対策として窒素ガス(N)等の非酸化性ガスをホッパから射出シリンダ内のスクリューに至る樹脂経路に供給し、酸素の混入に起因する樹脂焼けを防止する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
樹脂は石油製品であるため、熱を加えると劣化してやがては炭化する(例えば、射出シリンダ内に滞留した樹脂が熱劣化して炭化する)。また、高温の樹脂は空気に触れることによって酸化され、さらに劣化が進む。
【0004】
すなわち、樹脂を加熱しすぎると樹脂が酸化し、樹脂が酸化すると粘度が低下するとともに、樹脂の表面が茶色に変色する。
【特許文献1】特許第3282900号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、射出ユニット側での樹脂焼けは防止できても、金型側における酸化や成形装置の段取り時の残存酸素に起因する樹脂焼けには効果はなかった。
このため、金型側における酸化に起因する樹脂焼けを防止する技術が要望されていた。
【0006】
本発明は斯かる課題を解決するためになされたもので、非酸化性ガスで置換された空間内で成形を行うことにより樹脂焼けによる品質劣化のない射出成形品を得ることのできる射出成形装置及び射出成形方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、
射出成形機により成形品を成形する射出成形装置において、
少なくとも可動型と固定型の間の空間を気密に覆う隔壁と、
当該隔壁に設けられたガス導入孔及びガス排出孔と、
前記ガス導入孔から前記空間に非酸化性ガスを供給する非酸化性ガス供給手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の射出成形装置において、
前記空間は、可動側ブロック部材、固定側ブロック部材、及び前記隔壁で覆われていることを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の射出成形装置において、
前記隔壁には酸素除去ユニットを介して送風手段が取付けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項1又は2に記載の射出成形装置において、
前記空間の酸素濃度を計測する酸素濃度計測手段と、
当該酸素濃度計測手段の出力に基づき非酸化性ガスを前記空間に供給又は前記空間から排出する量を制御する制御手段と、を備えていることを特徴とする。
【0011】
請求項5に係る発明は、
射出成形機により成形品を成形する射出成形方法において、
可動型と固定型の間の空間を隔壁で気密に覆い非酸化性ガスで充満させる工程と、
前記空間を非酸化性ガスで充満させてから成形品を成形する工程と、を有することを特徴とする。
【0012】
請求項6に係る発明は、請求項5に記載の射出成形方法において、
前記空間は、可動側ブロック部材、固定側ブロック部材、及び前記隔壁で覆われていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、射出成形機の可動型と固定型の間の空間を気密に覆って非酸化性ガスで置換し、その置換した空間内で成形を行うことにより、樹脂焼けによる品質劣化のない射出成形品を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態の射出成形装置10−1の断面正面図である。
【0015】
この射出成形装置10−1は、ベース11に支持された射出成形機12と、射出成形機12の一部を覆う隔壁42内に非酸化性ガス(例えば窒素ガス)を供給する非酸化性ガス供給手段としての非酸化性ガス発生装置14と、射出成形機12に隣接して配置された成形品の取出し装置15(図2参照)とを有している。
【0016】
射出成形機12は、射出成形用金型16と、射出ユニット18と、型締めユニット20とを備えている。射出成形用金型16は、射出充填された溶融樹脂を所望の形状に成形するものであり、型締めユニット20によって型開閉方向(X−X方向)に開閉される。射出ユニット18は、樹脂を可塑化して移送、混練、溶融等を行って所定量を射出成形用金型16に射出するものである。
【0017】
以上において、射出成形用金型16は、パーティングライン(PL)を挟んで対向配置された固定型24及び可動型26、固定型24を支持する固定側ブロック部材28、可動型26を支持する可動ブロック30、この可動ブロック30を型開閉方向(X−X方向)に移動可能に支持する可動側ブロック部材32を有している。そして、型締め状態において、固定型24と可動型26との間にはキャビティ74が形成されている。
【0018】
固定側ブロック部材28と可動側ブロック部材32は、タイバー34により所定間隔を隔てて一体的に連結固定されている。
可動ブロック30は、スライドガイド36に沿って型開閉方向(X−X方向)に移動可能となっている。この可動ブロック30は、可動型26の支持側と反対側をボールネジ(型締め機構)38を介して可動側ブロック部材32に連結されている。このボールネジ38は外周側をベローズ40によって覆われている。
【0019】
また、本実施形態では、固定側ブロック部材28と可動側ブロック部材32との間の空間(置換室43)を、隔壁42によって外部空間に対して気密に覆っている。これにより、固定型24及び可動型26は、型締めから製品取出しまでの全工程において外部空間に対して気密に保持されることになる。
【0020】
射出ユニット18は、樹脂供給ユニットとしてのホッパ44と、混錬・射出駆動ユニット46と、溶融・混錬ユニット48とを有している。ホッパ44内には粒状(ペレット状)の成形材料50(例えばポリカーボネート)が混練された状態で収容されている。溶融・混錬ユニット48には、スクリュー52が内蔵されている。射出時には、このスクリュー52が前進してキャビティ74内に樹脂が充填される。また、スクリュー52の外周側には成形材料50を加熱するヒータ54が内蔵されている。
【0021】
非酸化性ガス発生装置14は、例えばガスボンベ等であり、非酸化性ガス(例えば窒素ガス)を置換室43内に供給する役目をなす。隔壁42には、ガス導入孔としての給気管58、及びガス排出孔としての排気管60が設けられている。給気管58には給気バルブ59が設けられ、また排気管60には排気バルブ61が設けられている。
【0022】
成形時には、非酸化性ガス発生装置14からの窒素ガス(Nガス)の供給により、隔壁42内の置換室43を窒素ガスで充満させてから成形品の成形を行う。この場合、置換室43の酸素濃度を2%以下の状態で成形を行うのが好ましい。発明者の実験によれば、酸素濃度が2%以上の場合は、加熱された成形材料50が酸化して着色が発生するおそれがあるためである。
【0023】
なお、隔壁42内の酸素濃度を測定し、その測定濃度に基づき、不図示の制御部により隔壁42内の酸素濃度を自動的に2%以下に制御するようにしてもよい。
また、本実施形態では、固定側ブロック部材28と可動側ブロック部材32との間の空間を、隔壁42によって覆った場合を例として説明したが、これに限らない。例えば、固定型24と可動型26との間の空間を隔壁42によって覆ってもよい。この場合は、離型時においても置換室43内を非酸化性ガスで充満した状態を維持できるようにするのが好ましい。
【0024】
図2は、図1のII−II線に沿う断面図であり、射出成形用金型16とこの射出成形用金型16から成形品73を取出す取出し装置15の構成を示している。
射出成形用金型16に隣接して隔壁62が取付けられている。そして、この隔壁62内に形成された置換室65内に取出し装置15が配置されている。この置換室65内も窒素ガス等で置換されている。このため、例えば射出成形用金型16の置換室43と、取出し装置15の置換室65とを連通させるようにしてもよい。
【0025】
取出し装置15は、型開閉方向(X−X方向)及びこれと直交方向(Y−Y方向)に移動自在なXYロボット63と、このXYロボット63に取付けられたアームベース64と、このアームベース64に取付けられた取出しアーム66と、この取出しアーム66に取付けられ90°回転位置決め可能なロータリアクチュエータ68と、このロータリアクチュエータ68に取付けられたチャック70とを有している。
【0026】
また、隔壁62の底部に敷設されたレール71には、成形品73を載置するパレット72が配置されている。
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0027】
図1において、射出成形に先立ち、固定型24と可動型26とをパーティングライン(PL)を挟んで離間した型開き状態とする。この状態で、隔壁42で囲まれた置換室43内を窒素ガス(Nガス)などの非酸化性ガスで置換する。そのために、給気バルブ59と排気バルブ61を開放し、非酸化性ガス発生装置14から窒素ガスを置換室43内に送り込む。こうして、置換室43内の空気が窒素ガスで置換された後に給気バルブ59と排気バルブ61を閉める。
【0028】
次に、型締めユニット20を駆動して、固定型24と可動型26とをパーティングライン(PL)を挟んで密接させて型締めを行う。このとき、固定型24と可動型26とで形成されるキャビティ74内は窒素ガスで置換された状態になっている。こうして、溶融・混錬ユニット48内のスクリュー52を前進させて、スプルー75からキャビティ74内に成形材料50を射出する。
【0029】
この場合、キャビティ74内は窒素ガスで置換されているため、射出された成形材料50が射出された瞬間においても酸化することはない。こうして、成形材料50の樹脂焼けが防止される。
【0030】
その後、射出された樹脂を所定の圧力で保圧し、その後、冷却して所定温度に冷却される。さらに、固定型24と可動型26を開いて成形品73が離型される。
次に、図2に示した取出し装置15により離型された成形品73を取り出す。
【0031】
なお、隔壁62で囲まれた置換室65内も予め窒素ガスで置換されているものとする。このため、射出成形用金型16の置換室43内に、取出し装置15の取出しアーム66等が進入して、置換室43と置換室65とが連通したとしても両室内の雰囲気は変わらないようになっている。
【0032】
また、成形品73は、型開きで離型したときに可動型26に残っている。
そこで、取出しアーム66を固定型24と可動型26との間に移動し、成形品73をチャック70でつかむ。そして、可動型26から成形品73を引き抜いてパレット72に載置する。さらに、パレット72をレール71に沿って搬送することで成形品73を取出すことができる。
【0033】
なお、成形装置の段取り時には、射出成形用金型16側の隔壁42を開放して型交換や温調管の段取り、取出し装置15のメンテナンス等を実施することができる。また、サーボモータ等を有する射出ユニット18、型締めユニット20、溶融・混錬ユニット48の駆動装置は、置換室43の外部に設置されているので、これらから発生するパーティクル(粒子)による置換室43内の雰囲気に影響を及ぼすことはない。
【0034】
本実施形態によれば、非酸化性ガス発生装置14を備えたことにより、置換室43内を窒素ガスで充満させた状態で成形を行うことができるので、キャビティ74内に酸素が残留しないため、成形材料50である樹脂が酸化されるのを防止することができる。これにより、クリーンで樹脂焼けのない成形品73を得ることができる。
【0035】
また、射出成形用金型16の置換室43から成形品73を取出すときに、取出し装置15を収容した隔壁62内を窒素ガスで充満させた状態で取出しアーム66等を置換室43内に進入させて取出すので、置換室43内に空気(酸素)が入り込むことはない。すなわち、置換室43内のクリーン度を維持したまま成形品73を取り出すことができる。
[第2の実施の形態]
図3は、第2の実施の形態の射出成形装置10−2の断面正面図である。なお、第1の実施の形態と同一又は相当する部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0036】
本実施形態では、固定側ブロック部材28と可動側ブロック部材32との間の空間を覆う隔壁42の一部に開口部76が形成されている。そして、この開口部76を塞ぐようにファンユニット78が配置されている。
【0037】
また、非酸化性ガスの排気管60にガス循環用配管79を接続し、このガス循環用配管79にファンユニット78を接続している。さらに、ガス循環用配管79の中途部に酸素除去ユニット80を配設している。なお、その他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0038】
酸素除去ユニット80は、中空部材の周囲に酸素分離特性を付与した高分子樹脂膜が形成された気体分離膜を有する装置である。そして、この中空部材内にガスを通過させることにより、酸素濃度1%以下のガスを得ることができる。
【0039】
これにより、置換室43から排気管60で排出されたガスは、酸素除去ユニット80を介してファンユニット78から置換室43内に還流される。この循環経路により、置換室43内はクリーンな低酸素濃度雰囲気に保たれる。
【0040】
一般に、置換室43内は射出成形用金型16が成形工程を繰り返すことで、わずかながら内部で発生したパーティクル(粒子)や外部から酸素が混入することが想定される。この場合、排気バルブ61を開きファンユニット78を駆動することで、酸素除去ユニット80により置換室43内の酸素が分離され、酸素濃度1%以下のガスを置換室43内に送り込むことができる。
【0041】
なお、前述したように、酸素濃度2%以下であれば樹脂焼けは生じないと考えられているので、酸素濃度1%以下なら樹脂焼けによる品質劣化は生じない。
本実施形態によれば、非酸化性ガス発生装置14から置換室43内に窒素ガスを送り込んだ後は、給気バルブ59を閉じ、排気バルブ61を開いておけば、置換室43内は常時酸素濃度1%以下のガスで充満された状態を維持することができる。
【0042】
これにより、射出ユニット18から射出された樹脂が酸素に触れることがなくなるため、樹脂焼けを防止することができ、クリーンで樹脂焼けによる品質劣化のない成形品73を得ることができる。
[第3の実施の形態]
図4は、第3の実施の形態の射出成形装置10−3の断面正面図である。なお、第1の実施の形態と同一又は相当する部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0043】
本実施形態では、排気管60に分岐管81を取り付け、この分岐管81の端部に酸素濃度計測手段としての酸素濃度計82を取付けている。また、この酸素濃度計82と給気バルブ59との間に、制御手段としての制御部84を設けている。なお、その他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0044】
この制御部84は、酸素濃度計82の出力に基づき非酸化性ガスを置換室43内に供給する量、又は置換室43から排出する量を制御するものである。この制御部84により、酸素濃度計82によって検出された酸素濃度に基づき給気バルブ59の絞りを自動的に調整することができる。
【0045】
これにより、置換室43内の酸素濃度を所定値以下に制御することができる。このような低酸素濃度雰囲気下で成形することで、加熱された樹脂に酸素が接触することはなくなり、樹脂焼けの発生を防止することができる。
【0046】
なお、本実施形態において、窒素濃度計ではなく酸素濃度計82を用いたのは、空気中の窒素濃度を直接検出するよりも酸素濃度を検出する方が簡単だからである。従って、酸素濃度計82の代わりに窒素濃度計を用いてもよい。
【0047】
本実施形態によれば、酸素濃度計82で検出された酸素濃度に基づき、制御部84により給気バルブ59の絞りを自動的に調整することで、置換室43内の酸素濃度を所定値以下に制御することができる。
【0048】
これにより、射出ユニット18から射出された樹脂が酸素に触れることがなく、樹脂焼けによる品質劣化を防止してクリーンで樹脂焼けのない成形品73を得ることができる。
[第4の実施の形態]
図5は、第4の実施の形態の射出成形装置10−4の断面正面図である。なお、第1の実施の形態と同一又は相当する部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0049】
本実施形態では、3つの射出成形装置10−4〜10−4が、共通の非酸化性ガス発生装置14を有し、また、各射出成形装置10の夫々の排気管60が共通のセレクタバルブ88に接続されている。
【0050】
さらに、セレクタバルブ88には酸素濃度計90が接続されている。また、これらセレクタバルブ88及び酸素濃度計90と各射出成形装置10−4〜10−4の給気バルブ59との間には、制御手段としての制御部92が接続されている。
【0051】
セレクタバルブ88は、3つの射出成形装置10−4〜10−4から送られてくる窒素ガスを一定時間で切り替えて酸素濃度計90に送る。制御部92では、酸素濃度計90からの情報に基づき各射出成形装置10−4〜10−4の夫々の給気バルブ59を制御する。こうして、各射出成形装置10−4〜10−4の夫々の置換室43の酸素濃度が制御されるようになっている。
【0052】
本実施形態によれば、セレクタバルブ88を備えたことで、高価な酸素濃度計90を各射出成形装置10−4〜10−4ごとに具備する必要がなくなる。こうして、設備コストを抑制することができる。
【0053】
また、本実施形態によれば、各射出成形装置10−4〜10−4における各置換室43内の酸素濃度を所定値以下に抑制することができる。
これにより、射出ユニット18から射出された樹脂が酸素に触れることがなくなり、樹脂焼けを防止することができる。こうして、クリーンで樹脂焼けによる品質劣化のない成形品73を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】第1の実施の形態の射出成形装置の断面正面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】第2の実施の形態の射出成形装置の断面正面図である。
【図4】第3の実施の形態の射出成形装置の断面正面図である。
【図5】第4の実施の形態の射出成形装置の断面正面図である。
【符号の説明】
【0055】
10−1〜10−4 射出成形装置
11 ベース
12 射出成形機
14 非酸化性ガス発生装置
15 取出し装置
16 射出成形用金型
18 射出ユニット
20 型締めユニット
24 固定型
26 可動型
28 固定側ブロック部材
30 可動ブロック
32 可動側ブロック部材
34 タイバー
36 スライドガイド
38 ボールネジ
40 ベローズ
42 隔壁
43 置換室
44 ホッパ
46 混錬・射出駆動ユニット
48 溶融・混錬ユニット
50 成形材料
52 スクリュー
54 ヒータ
58 給気管
59 給気バルブ
60 排気管
61 排気バルブ
62 隔壁
63 XYロボット
64 アームベース
65 置換室
66 取出しアーム
68 ロータリアクチュエータ
70 チャック
71 レール
72 パレット
73 成形品
74 キャビティ
75 スプルー
76 開口部
78 ファンユニット
79 ガス循環用配管
80 酸素除去ユニット
81 分岐管
82 酸素濃度計
84 制御部
86 分岐管
88 セレクタバルブ
90 酸素濃度計
92 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出成形機により成形品を成形する射出成形装置において、
少なくとも可動型と固定型の間の空間を気密に覆う隔壁と、
当該隔壁に設けられたガス導入孔及びガス排出孔と、
前記ガス導入孔から前記空間に非酸化性ガスを供給する非酸化性ガス供給手段と、を備える
ことを特徴とする射出成形装置。
【請求項2】
前記空間は、可動側ブロック部材、固定側ブロック部材、及び前記隔壁で覆われている
ことを特徴とする請求項1に記載の射出成形装置。
【請求項3】
前記隔壁には酸素除去ユニットを介して送風手段が取付けられている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の射出成形装置。
【請求項4】
前記空間の酸素濃度を計測する酸素濃度計測手段と、
当該酸素濃度計測手段の出力に基づき非酸化性ガスを前記空間に供給又は前記空間から排出する量を制御する制御手段と、を備えている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の射出成形装置。
【請求項5】
射出成形機により成形品を成形する射出成形方法において、
可動型と固定型の間の空間を隔壁で気密に覆い非酸化性ガスで充満させる工程と、
前記空間を非酸化性ガスで充満させてから成形品を成形する工程と、を有する
ことを特徴とする射出成形方法。
【請求項6】
前記空間は、可動側ブロック部材、固定側ブロック部材、及び前記隔壁で覆われている
ことを特徴とする請求項5に記載の射出成形方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−64370(P2010−64370A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−232970(P2008−232970)
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】