説明

導電性発熱材料及び導電性発熱材料を含む床と製造法

【課題】導電発熱材料に関連する。欠点は構造が複雑で、エネルギーの損失が大きく、熱の伝導の距離が長いため熱が床を通ってから室内に届くまでの熱が伝導するスピードが遅いことである。
【解決手段】導電発熱材料101は基材及び均一に基材につける導電発熱層を含んでいる。導電発熱層の表材料は天然石墨、人造石墨、導電カーボンブラックから選ばれる。粘着剤はアクリル酸樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレン等から選ばれる。熱伝導性の床は220Vの電圧の下で5分以内に表面は15−70℃の温度が長期、安定に保持できるこの熱伝導性の床は今運用している暖房システムに取って代わることができ、低コストで、安全で、エネルギーを節約でき、環境に良く、修理が簡便である利点を持っている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は導電性発熱材料に関連し、特に電源により発熱することができる導電性発熱紙に関連する。この導電性発熱紙は220V或いは110Vの電圧下で5分以内に表面温度が15−70℃に達することができる。この導電性発熱紙は熱伝導性の床の製造に用いられ、既存の床暖房システムに取って代わることができる。この導電性発熱紙は低コストで、安全性が高く、省エネルギーであり、環境にも優しく、修理も取替えも便利である。
【背景技術】
【0002】
既存の床の暖房システムの材料は電気を熱源として、一定のパワーヒーターケーブルと炭素熱赤外プラスチックフィルムを備えている。機能が単一であるにもかかわらず、一定のパワーヒーターケーブルの暖房の構造は複雑である。すなわち、コンクリートのフローリングの上に25mm厚さのポリスチレン泡沫板の断熱層を張って、スチールメッシュを張ってから、一定のパワーヒーターケーブルが蛇の型でスチールメッシュの上に縛って、それに、30−40mm厚さのコンクリートを注ぎ込んだ後、コンクリートが硬化してから、また床を張る。この床の暖房システムは厚くて、特に、パワーヒーターケーブルはコンクリートに埋められ、修理が困難であり、または、不可能である。
【0003】
それに、この暖房に用いられる炭素熱赤外プラスチックフィルムの構造も非常に複雑である。まず、コンクリートのフローリングの上に25mm厚さのポリスチレン泡沫板の断熱層を張る。そして、電源コードを持っている炭素熱赤外プラスチックフィルムを張る。最後に、炭素熱赤外プラスチックフィルムの上に通常の方法で床を張る。後者は前者より厚さが減少するが、全体的にはまだ厚いので炭素熱赤外プラスチックフィルムから出る熱線はフローリングを通ることができない。この二つの共通の欠点は構造が複雑で、厚さのために部屋の内空間の高さが低くなる。さらに熱の損失が大きいためエネルギーのロスが大きくなる。熱の伝導距離が長く、床を通ってから室内に届くから、熱を伝導するスピードが遅い。また、使用される材料の種類も多いのである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電源を熱源とする暖房の材料の欠点を克服するために、この発明は導電性発熱材料を提供する。この材料は構造が簡単で、省エネが可能で、熱伝導が速く、表面温度もコントロールしやすい。この導電性発熱材料は基材と付け加えた導電性発熱層を含む。導電性発熱層は導電性発熱の表材料と粘着剤を含む。基材は印刷に適応した任意の材料を指す。基材に多く選択されたのは紙質の材料であるが、印刷に適応したプラスチック或いは他の材料も採用できる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この導電性発熱の表材料は天然石墨、人造石墨、導電カーボンブラックから選ばれる。粘着剤は樹脂系粘着剤から選ばれる、例えば、アクリル酸樹脂粘着剤、エポキシ樹脂粘着剤、ポリウレタン粘着剤、クリアアンモニア三量体、ゼラチン粘着剤、カルボキシメチルセルロース粘着剤、ポリエチレン粘着剤等である。
【0006】
導電性発熱層の実施法は以下のようである。まず、導電性発熱塗料を作り出す。そして、この塗料を印刷の方式で均一に基材の上に塗る。この塗料の主な材料は導電性発熱の表材料と粘着剤である。その中で、重量的には、導電性発熱の表材料の割合は主な材料の5−85wt%を占め、好ましくは20−80wt%である。粘着剤の割合は主な材料の15−95wt%を占め、好ましくは20−80wt%である。
【0007】
アクリル酸樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、クリアアンモニア三量体等で導電性発熱塗料を作る際には、無水アルコールとアセトンが溶剤として選択される。溶剤の使用量は上述の溶質の1−3倍の量が必要とされる。ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレン等で導電性発熱塗料を作る際には、水が溶剤として選択される。溶剤の使用量は上述の溶質の1−3倍の量が必要とされる。必要であれば、塗料にトリエタノールアシン、ヒドロキノン、カップリング剤、難燃剤、軟化剤などの化学薬剤を入れることもできる。
【0008】
また、導電性発熱層の厚さは5−200μmで、好ましくは20−180μmである。紙は印刷に適用される任意の紙である。望ましくは柔らかく丈夫で、破れにくく、圧力などに耐える紙である。主に、クラフト紙、印刷用紙、工業用濾紙、染み透りやすい未処理の原料紙を含むが、それ以外にも、工業用布、ガラス繊維布、不織布、普通の棉、人造繊維で作る布も採用できる。
【発明の効果】
【0009】
一つのよい実施例では、導電性発熱塗料はトリップの形のように紙の上に均一に印刷される。導電性発熱層の厚さは40−180μmである。もう一つのよい実施例では、導電性発熱塗料は網の目のように紙の上に均一に印刷される。導電性発熱層の厚さは40−180μmである。この導電性発熱紙は電源220Vあるいは110Vの電圧の下で使用できる。導電性発熱材料の上に取り付けられた電極を通して電力を供給する時、5分以内に、この発熱層の表面温度は15−70℃に達することができ、長時間にわたってこの温度を維持することができる。
【0010】
このような導電性発熱紙は熱伝導性の床に用いられる。この床は導電性発熱層の他に、また基材層、バランス層、熱拡散層、装飾層、耐摩耗性層に少なくとも一層を含んでいる。この床の剥脱強度と引っ張り強度を増やすために、導電性発熱紙に穴を開けて、或いは、工業用濾紙、工業用布、染み透りやすい未処理の原料紙を使うこともできる。絶縁樹脂系粘着剤がこれらの穴や材料を透って、導電性発熱材料が隣の部分とくっついて、丈夫になるからである。
【0011】
また、上述の熱伝導性の床の強度と変形に耐える能力を増やすために、この熱伝導性の床の表面層とその隣の層の間及び/又は一番下の層とその隣の層の間に繊維の層を入れることもできる。この繊維の層は切れることに耐え、伸びにくい材料が採用される。例えば、ガラス繊維ネットや炭素繊維ネットなどである。この発明には上述の熱伝導性床の専用電極と上述の導電性発熱紙、熱伝導性床の製造方法も含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の一つの導電性発熱紙の構造図
【図2】この発明のもう一つの導電性発熱紙の構造図
【図3】この発明のもう一つの導電性発熱紙の構造図
【図4】この発明のもう一つの導電性発熱紙の構造図
【図5】この発明のもう一つの導電性発熱紙の構造図
【図6】この発明のもう一つの導電性発熱紙の構造図
【図7】導電発熱紙を含む一つの熱伝導性の床の構造図
【図8】図7に示した熱伝導性の床の一例の電極のA-A断面図
【図9】熱伝導性の床のもう一種の電極の据え付ける断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
では、図に合わせて具体的に説明する。図に描いた実施法は本発明の説明だけに用いられ、この発明を限定するものではない。保護される発明の範囲は特許請求の範囲によって明確にされる。
【0014】
図1はこの発明の中の一つである導電性発熱紙の構造図である。図1で示すように、この導電性発熱紙10は紙の層1とその上に付着している導電性発熱層2を含んでいる。紙の層1の紙は40−120g/m2クラフト紙を採用する;導電性発熱層2は導電性発熱の表材料と粘着剤を含んでいる。導電性発熱層は導電性発熱塗料を作成してから、この塗料をスクリーン印刷方式により均一に基材上に塗布することにより生成される。
【0015】
導電性発熱層2は220Vの直流電流や交流電流の電圧の時、導電性発熱層に速く、均一に発熱させるが、過度に温度上昇することはない(70℃以下)。この目的に達するために、天然石墨、人造石墨、導電カーボンブラックなどが選択され、アクリル酸樹脂粘着剤、エポキシ樹脂粘着剤、ポリウレタン粘着剤、クリアアンモニア三量体、ゼラチン粘着剤、カルボキシメチルセルロース粘着剤、ポリエチレン粘着剤等の樹脂粘着剤が粘着剤として選択されるが、粘着剤はこれらに限られない。上述の導電性発熱の表材料の使用量は導電性発熱塗料の主体の部分の重量の5−58%を占め、導電性発熱塗料の主体の部分は導電性発熱の表材料と粘着剤である。
【0016】
導電性発熱材料を粘着するための粘着剤はアクリル酸樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、クリアアンモニア三量体、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレン等である。使用量は導電性発熱塗料の主体の部分の15−95wt%を占める。上述の導電発熱材料の導電発熱の性能を調節するために、必要であれば、導電発熱塗料の主体部分に金剛砂粉や焼成コークスなどを入れることもできる。使用量は導電発熱塗料の主体の部分の0−20wt%を占める。
【0017】
導電性発熱層塗料の性能を改善するために、別の導電性発熱の表素材と粘着剤に適量のトリエタノールアシン、ヒドロキノン、カップリング剤、難燃剤、軟化剤などの化学薬剤を入れることもできる。カップリング剤は市場で買うことができる。例えば、山東省曲阜市華栄化学工業公司産のカップリング剤「規格:HK-550」である。難燃剤は山東省済南湘蒙難燃材料公司産の三酸化アンチモン及びそれらの類似品がある。軟化剤は例えば斎魯可塑剤公司から買ったドッブ及びそれらの類似品である。必要であれば、適量のカップリング剤の使用量は導電発熱塗料の主体の部分の重さの約0.5-0.1%を占め、適量の難燃剤の使用量は導電発熱塗料の主体の部分の重さの約2-5%を占め、適量の軟化剤の使用量は導電発熱塗料の主体の部分の重さの約2-5%に占め、適量のトリエタノールアシンの使用量は導電発熱塗料の主体の部分の重さの約3-7%を占め、適量のヒドロキノンの使用量は導電発熱塗料の主体の部分の重さの約2-5%を占めるのが望ましい。
【0018】
導電性発熱層を得るために、まず、導電発熱塗料を作る必要がある。アクリル酸樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、クリアアンモニア三量体等の粘着剤を使う時、樹脂と無水のアルコール或いはアセトンの溶剤を良く混ぜて、溶剤の使用量は樹脂の使用量の1−3倍にする。そして、導電性発熱材料を入れ、或いは、必要であれば適量のトリエタノールアシン、ヒドロキノン、カップリング剤、難燃剤、軟化剤などの化学薬剤及び金剛砂粉や焼成コークスなどを入れて混合する。最後に、混合された塗料をスクリーン印刷方式で均一に基材(例えば紙)の上に塗布する。
【0019】
ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレン等の水溶性粘着剤を使う時、これらの粘着剤を水に入れ、十分に溶かす。水の使用量は上述の粘着剤の1−3倍にする。そして、導電発熱材料を入れて、或いは、必要であれば適量のトリエタノールアシン、ヒドロキノン、カップリング剤、難燃剤、軟化剤などの化学薬剤及び金剛砂粉や焼成コークスなどを入れ混合する。最後に、混合された塗料をスクリーン印刷方式で均一に紙の上に塗っていく。図1示されたように、導電性発熱材料を均一に発熱させるために、導電性発熱塗料はグリッドの形で均一に強度と柔軟性が十分ある紙に印刷される。
【0020】
硬化した後、導電性発熱層2に電極を取り付ける。導電性発熱層2は電極と外の電源と繋がると、すぐ発熱ができる。当然、本技術分野におけるいわゆる当業者が知っている他の方式で導電性発熱層2を外部の電源に連結して発熱することもできる。外部の電源は直流電流や交流電流とし、電圧は220Vあるいは110Vである。導電性発熱層2の厚さは5−200μmで、好ましくは20−180μmである。
【0021】
図2はこの発明による別の導電性発熱紙の構造図である。図2の導電性発熱層2は図1を基に改善されたものである。導電性発熱層の各部分がより均一な抵抗値を得るために、導電性発熱層は網の目のような構造を採用して、導電性発熱層2をスクリーン印刷の方式で均一に紙に塗布したものである。
【0022】
図3はこの発明によるさらに別の導電性発熱紙の構造図で、図2の導電性発熱紙とは異なるものである。図3の紙は工業濾紙を採用した。熱伝導性の床を作る際、樹脂系粘着剤は濾紙に浸透することができて、導電性発熱紙と隣の層を粘着して固くする。
【0023】
図4はこの発明によるさらに別の導電性発熱紙の構造図である。図4で示すように、導電性発熱紙1の上に多くの穴3があって、導電性発熱紙から放熱する各部分はより均一な抵抗値が得られるだけではなく、熱伝導性の床を作る際、樹脂系粘着剤は穴3を浸透して、導電性発熱1と隣の層を粘着して、固くさせる。
【0024】
図5はこの発明によるさらに別の導電性発熱紙の構造図である。図2の導電性発熱紙と違うのは電極のところにも、伝導性の良い導体4が貼られている。例えば、アルミ箔や銅等である。この導体4は電極と導電発熱の塗料層の接触する面積を広め、抵抗を減少し、電極と導電発熱塗料層との接触するところにおける過熱や黒焦げを避けることができる。
【0025】
図6はこの発明によるさらに別の導電性発熱紙の構造案内図である。図2の導電性発熱紙と違うのは電極のところにまた伝導性の良い金属製のインク6が印刷されている。例えば、導電バルブ、液体のアルミ等である。この金属製のインクは抵抗を減少させ、電極と導電発熱の塗料層と接触するところの局部過熱や黒焦げを避ける。この発明での導電性発熱紙は工場で大量生産されやすく、コストが安い利点を持っている。それだけでなく、単独に商品として売ることもできる。
【0026】
図7はこの導電発熱紙を含む一つの熱伝導性の床の構造分解図である。図から見ると、熱伝導性の床は図1、2、3、4、5、或いは図6に述べられた導電性発熱紙101、基材層102、電極109とバランス層103、熱拡散層104、装飾層105、耐摩耗性層106に少なくとも一層を含んでいる。
【0027】
図7の熱伝導性の床を作る時、導電性発熱紙101は両面に樹脂系粘着剤を均一に塗布してから、電極の穴108を開けた基材層102と熱拡散層104とを接合した。そして、バランス層103、導電性発熱紙101と基板層102と熱拡散層104の複合体、装飾層105、耐摩耗性層106を順序良く並んで接合した。その後、スライスして、トラフして、点検して、包装して、入庫する。上述の樹脂系粘着剤は変更された尿素樹脂、変更されたフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、クリアアンモニア三量体から選び出された。基材層102と熱拡散層104は適切する材料が中密度と高密度の木材の繊維板であるが、この分野における他の常用木材も使用できる。バランス層103、装飾層105、耐摩耗性層106はクリアアンモニア三量体に浸された紙が一番良いが、この分野で他に常用される材料でも可能である。
【0028】
図7に、電極109はこの発明のため、専用に設計された穿刺式電極である。この電極は現場で据え付けられる。このような電極109の構成は電極プラスチックの部品と電極針である。電極針は電極プラスチックの部品に挿し込んでいて、プラスチックの部品は前もって木製フローリングの穴に挿し込んでいて、電極針の針先は導電性発熱紙に挿し込んで、導電性発熱層と繋がっていて、電極針の他の一端の針先は電極プラスチックの部品の導線の穴にある絶縁層を指し込んで金属製導線110と繋がっている。
【0029】
図8は図7に熱伝導性の床の一種の電極のA-A断面図である。この断面では電極109はもう取り付けられたのである。図8に以下のものを示す。電極109の仕組みは電極プラスチックの部品1091と導電金属針1092である。電極プラスチックの部品1091は導電金属針1092の挿し穴を持っている。挿し穴の両側に粘着剤を導入するトラフ(図示されない)を持っていて、床を取り付ける時、絶縁のりを電極穴に絶縁のりを垂らし込んで、このトラフに従って電極針と導線と接触するところに流れ込む。余ったのりは導線の穴の部分から溢れる。そのため、防水の目的を達成することができる。導電金属針の挿し穴に挿しこんでいる金属針1092が両端に先があって、取り付けられた電極の金属針1092は導電発熱紙101を指し込んで、導電発熱層と繋がっていた。それと同時に、金属針の下の端の先も導線110の絶縁層を挿しこんで、金属線と繋がっていた。また、この際、絶縁のり1093はもう電極プラスチックの部品の中の空間を埋めていて、導線を挿しこんでいた時、形成した隙間にも埋めている。また、図8では、導電金属針の上の先の根元のところに段階がある。この段階と先の間の距離は導電発熱層の厚さによって設定される。段階を設置する目的は金属針1092と導電発熱層103の接触面積を広めることだけではなく、導電発熱層を挿し通った導電金属針1092が熱拡散層104も挿し通って、熱伝導性の床を破壊することを防ぐためである。図8の熱伝導性の床は図5或いは図6の方法で作った導電発熱紙を採用できる。この導電発熱紙は導電金属針1092と金属箔や金属インク層6と直接に接触させ、電極と導電性発熱層の接触面積を広め、抵抗を減少し、局部過熱の可能性を避ける。
【0030】
図9は熱伝導性の床のもう一種の電極の据え付ける断面図である。穿刺式電極と導電発熱層と繋がる安全性をより高めるために、図9の導電金属針1094は図8の金属針1092の元に改善してきたものである。この導電金属針1094の一端が針先である。この先は導線110の絶縁層を挿し込んで、金属線としっかり繋がっている。もう一端は平面である。この平面と導電発熱紙との間に柔軟、難燃、耐老化の導電ゴム1095が設置される。この設置は電極と導電発熱紙との接触面積を広めて、電極と導電発熱層と繋がる安全性を増やして、図8の熱拡散層104が薄くて金属針1092に挿し通られた事故を避けることができる。上述の導電ゴムは珪素ゴムに限らなく、他の柔軟な導電材料も採用できる。上述の穿刺式電極の利点は以下のようである。1、現場で取り付けて、非常に便利である。2、熱伝導性の床の絶縁の性能を保障できる。3、繋がることが安全である。当然、導電発熱紙の上の導電発熱層に電気を提供すれば、図5に示された熱伝導性の床は他の電極も採用できる。
【0031】
図7に示された熱伝導性の床は通常の方法で取り付けられる。床を取り付く時、ルームのすべての地面にこの床を張ることができ、或いは、応接間にソファーの近くや寝室にベッドの近く等の局部にもこの床を取り付いて局部を暖めることもできる。この床はまた温度のリモコンも配置されることができる。このようなリモコンは床の温度と室内の空気の温度への設定を通して、温度を自動制御する。
【0032】
図7に示された熱伝導性の床は短い時間「5分間以内」で表面温度が15−70℃に達して、5分、10分、30分、60分、120分以後、床の表面温度が15−70℃の範囲に維持され、特に、スクリーン印刷の方式で網の目の形で作られた導電発熱層の床は表面では違うところに温度差が小さくて、均一で、局部過熱の現象が発生しにくいのが分かった。図7の熱伝導性の床はエアコンと暖房より35%以上の電気が節約でき、効果が著しいである。特に、この床は暖房と装飾を融合して、家庭、ホテル、料理店などの公共の場で広く用いられる。
【実施例1】
【0033】
導電発熱紙の紙は80g/m2のクラフト紙を採用した。導電発熱塗料の具体的な配合量は以下のようである。
【表1】

【0034】
まず、ゼラチンを水に十分に溶かし、天然石墨を入れて十分に混ぜて、導電発熱塗料を作成した。そして、導電発熱塗料をスクリーン印刷の方式でストリップの形で81cm × 12.5cmのクラフト紙の表面に印刷した。印刷の面積は79cm × 10.5cmで、導電発熱層の厚さは約40μmである。導電発熱層の表面に絶縁のりを塗って、70−90℃の環境で固体化させた。十分に固体化してから、導電発熱層を持つ導電発熱紙に電極を固定した。0−5℃の環境で220Vの電源を入れて、2、5、10、30、60、120分間後、導電発熱紙の表面温度を測った。表面温度が以下のようである。
【表2】

【実施例2】
【0035】
導電発熱紙の紙は80g/m2のクラフト紙を採用した。導電発熱塗料の具体的な配合量は以下のようである。
【表3】

【0036】
まず、ゼラチンを水に十分に溶かし、天然石墨を入れて十分に混ぜて、導電発熱塗料を作成した。そして、導電発熱塗料をスクリーン印刷の方式でストリップの形で81cm × 12.5cmのクラフト紙の表面に印刷した。印刷の面積は79cm × 10.5cmで、導電発熱層の厚さは約80μmである。導電発熱層の表面に絶縁のりを塗って、70−90℃の環境で固体化した。十分に固体化してから、導電発熱層を持つ導電発熱紙に電極を固定した。0−5℃の環境で220Vの電源を入れて、2、5、10、30、60、120分間後、導電発熱紙の表面温度を測った。表面温度は以下のようである。
【表4】

【実施例3】
【0037】
導電発熱紙の紙は80g/m2のクラフト紙を採用した。導電発熱塗料の具体的な配合量は以下のようである。
【表5】

【0038】
まず、ゼラチンを水に十分に溶かし、天然石墨を入れて十分に混ぜて、導電発熱塗料を作成した。そして、導電発熱塗料をスクリーン印刷の方式でストリップの形で81cm × 12.5cmのクラフト紙の表面に印刷した。印刷の面積は79cm × 10.5cmで、導電発熱層の厚さは約120μmである。導電発熱層の表面に絶縁のりを塗って、70−90℃の環境で固体化した。十分に固体化してから、導電発熱層を持つ導電発熱紙に電極を固定した。0−5℃の環境で220Vの電源を入れて、2、5、10、30、60、120分間後、導電発熱紙の表面温度を測った。表面温度は以下のようである。
【表6】

【実施例4】
【0039】
導電発熱紙の紙は工業用濾紙を採用した。導電発熱塗料の具体的な配合量は以下のようである。
【表7】

【0040】
まず、ゼラチンを水に十分に溶かし、人造石墨と天然石墨を入れて十分に混ぜて、導電発熱塗料を作成した。そして、導電発熱塗料をスクリーン印刷方式で網の目の形で81cm × 12.5cmの工業用濾紙の表面に印刷した。印刷の面積は79cm × 10.5cmで、導電発熱層の厚さは約40μmである。導電発熱層の表面に絶縁のりを塗って、70−90℃の環境で固体化した。十分に固体化してから、導電発熱層を持つ導電発熱紙に電極を固定した。0−5℃の環境で220Vの電源を入れて、2、5、10、30、60、120分間後、導電発熱紙の表面温度を測った。表面温度は以下のようである。
【表8】

【実施例5】
【0041】
導電発熱紙の紙は工業用濾紙を採用した。導電発熱塗料の具体的な配合量は以下のようである。
【表9】

【0042】
まず、ゼラチンを水に十分に溶かし、人造石墨と天然石墨を入れて十分に混ぜて、導電発熱塗料を作成した。そして、導電発熱塗料をスクリーン印刷の方式で網の目の形で81cm × 12.5cmの工業用濾紙の表面に印刷した。印刷の面積は79cm × 10.5cmで、導電発熱層の厚さは約80μmである。導電発熱層の表面に絶縁のりを塗って、70−90℃の環境で固体化した。十分に固体化してから、導電発熱層を持つ導電発熱紙に電極を固定した。0−5℃の環境で220Vの電源を入れて、2、5、10、30、60、120分間後、導電発熱紙の表面温度を測った。表面温度は以下のようである。
【表10】

【実施例6】
【0043】
導電発熱紙の紙は工業用濾紙を採用した。導電発熱塗料の具体的な配合量は以下のようである。
【表11】

【0044】
まず、ゼラチンを水に十分に溶かし、人造石墨と天然石墨を入れて十分に混ぜて、導電発熱塗料を作成した。そして、導電発熱塗料をスクリーン印刷の方式でス網の目の形で81cm × 12.5cmの工業用濾紙の表面に印刷した。印刷の面積は79cm × 10.5cmで、導電発熱層の厚さは約120μmである。導電発熱層の表面に絶縁のりを塗って、70−90℃の環境で固体化した。十分に固体化してから、導電発熱層を持つ導電発熱紙に電極を固定した。0−5℃の環境で220Vの電源を入れて、2、5、10、30、60、120分間後、導電発熱紙の表面温度を測った。表面温度は以下のようである。
【表12】

【実施例7】
【0045】
導電発熱紙の紙は80g/m2クラフト紙を採用した。導電発熱塗料の具体的な配合量は以下のようである。
【表13】

【0046】
まず、ポリウレタンをアセトンに十分に溶かし、天然石墨を入れて十分に混ぜて、導電発熱塗料を作成した。そして、導電発熱塗料をスクリーン印刷の方式でストリップの形で81cm × 12.5cmのクラフト紙の表面に印刷した。印刷の面積は79cm × 10.5cmで、導電発熱層の厚さは約80μmである。導電発熱層の表面に絶縁のりを塗って、70−90℃の環境で固体化した。十分に固体化してから、導電発熱層を持つ導電発熱紙に電極を固定した。0−5℃の環境で220Vの電源を入れて、2、5、10、30、60、120分間後、導電発熱層の表面温度を測った。表面温度が以下のようである。
【表14】

【実施例8】
【0047】
導電発熱紙の紙は80g/m2クラフト紙を採用した。導電発熱塗料の具体的な配合量は以下のようである。
【表15】

【0048】
まず、ポリウレタンをアセトンに十分に溶かし、天然石墨と金剛砂粉を入れて十分に混ぜて、導電発熱塗料を作成した。そして、導電発熱塗料をスクリーン印刷の方式でストリップの形で81cm × 12.5cmのクラフト紙の表面に印刷した。印刷の面積は79cm × 10.5cmで、導電発熱層の厚さは約160μmである。導電発熱層の表面に絶縁のりを塗って、70−90℃の環境で固体化した。十分に固体化してから、導電発熱層を持つ導電発熱紙に電極を固定した。0−5℃の環境で220Vの電源を入れて、2、5、10、30、60、120分間後、導電発熱紙の表面温度を測った。表面温度は以下のようである。
【表16】

【実施例9】
【0049】
導電発熱紙の紙は80g/m2クラフト紙を採用した。導電発熱塗料の具体的な配合量は以下のようである。
【表17】

【0050】
まず、ポリウレタンをアセトンに十分に溶かし、天然石墨、金剛砂粉、KH-550、三酸化アンチモン、ドッブを入れて十分に混ぜて、導電発熱塗料を作成した。そして、導電発熱塗料をスクリーン印刷の方式でストリップの形で81cm × 12.5cmのクラフト紙の表面に印刷した。印刷の面積は79cm × 10.5cmで、印刷の厚さは約160μmである。導電発熱層の表面に絶縁のりを塗って、70−90℃の環境で固体化した。十分に固体化してから、導電発熱層を持つ導電発熱紙に電極を固定した。0−5℃の環境で220Vの電源を入れて、2、5、10、30、60、120分間後、導電発熱紙の表面温度を測った。表面温度が以下のようである。
【表18】

【実施例10】
【0051】
実施例10と実施例9との違いは導電発熱塗料がスクリーン印刷の方式で網の目の形で均一にクラフト紙の表面に印刷されたことである。絶縁のりの表面温度を測った結果は以下のようである。
【表19】

【0052】
さらに、導電発熱紙の表面の五箇所で温度を測ったが、温度差無しという結果が出た。
【実施例11】
【0053】
実施例10の導電発熱紙を使って、前に述べた製造方法によって熱伝導性の床を作りだして、図9の中に述べた穿刺式電極を据え付けた。0−5℃の環境で220Vの電源を入れて、2、5、10、30、60、120分間後、床の表面温度を測った。表面温度は以下のようである。
【表20】

【0054】
以上の実施例によって、より理解が深まることとなる。後に添付する特許請求の範囲で明確にされた本発明は明細書に記述した特定の細部に限定されない。本発明の意図するところ等を離脱しない範囲の発明であっても、同様に本発明の目的に達することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、
この基材に付着された導電性発熱層と、
を含んでおり、前記導電性発熱層は導電性発熱塗料を用いて形成され、前記導電性発熱塗料は導電性発熱物質および粘着剤を含むことを特徴とする導電性発熱材料。
【請求項2】
前記基材はプラスチック、クラフト紙、筆記用紙、印刷用紙、工業用濾紙、高透過性の原紙、工業用布、ガラス繊維布、不織布、普通の綿布、または化学繊維布であり、
前記導電性発熱塗料はスクリーン印刷の方式で基材の上に印刷され、導電性発熱層を形成することを特徴とする請求項1記載の導電性発熱材料。
【請求項3】
前記導電性発熱層は枠形または網の目形であることを特徴とする請求項2記載の導電性発熱材料。
【請求項4】
前記導電性発熱材料は天然石墨、人工石墨、導電性カーボンブラック、またはこれらの組み合わせから選択され、粘着剤はアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、またはポリビニルアルコールから選択されることを特徴とする請求項3記載の導電性発熱材料。
【請求項5】
導電性発熱塗料の主要な成分は前記導電性発熱材料および前記粘着剤であって、前記導電性発熱材料の量は前記主要な成分中15〜95重量%であって、前記粘着剤は主要な成分中5〜85重量%であることを特徴とする請求項4記載の導電性発熱材料
【請求項6】
導電性発熱層の厚さは5−200μmであることを特徴とする請求項5記載の導電性発熱材料
【請求項7】
前記基材はクラフト紙であり、このクラフト紙には複数の穴が開けられていることを特徴とする請求項2記載の導電性発熱材料
【請求項8】
基材層、バランス層、熱拡散層、装飾層、および耐摩耗性層の少なくとも一層と、
請求項1〜7のいずれかに記載の導電性発熱材料からなる層と、
を含む
熱伝導性の床。
【請求項9】
導電性発熱材料を形成する工程と、
基材層を形成し、電極のための穴を開ける工程と
バランス層、熱拡散層、装飾層、および/または耐摩耗性層を形成する工程と、
導電性発熱材料の両面に絶縁のりを塗ってから、前記導電性発熱材料を前記基材層と前記熱拡散層の間に配置し、粘着して一体にさせる工程と、
前記基材層、導電性発熱材料および熱拡散層の複合体はバランス層、装飾層ならびに/または耐摩耗性層と粘着して一体にさせる工程と、
を有することを特徴とする
請求項8に記載の熱伝導性の床の製造方法。
【請求項10】
電極プラスチックの部品と電極針とからなる穿刺式電極を更に含んでおり、前記電極針は前記電極プラスチックの部品に挿し込まれており、前記プラスチックの部品は前もって基材層の開口部に嵌め込まれており、前記電極針の一端の針先は導電性発熱層としっかり繋がっており、他端の針先は電極プラスチックの部品内に配置された金属製導線の絶縁層を貫通し、前記金属製導線と固定されていることを特徴とする請求項9に記載された製造方法によって作られた熱伝導性の床。
【請求項11】
前記電極針の一端は針先を持っていて、針先は導電性発熱層を貫通しており、前記導電性発熱層としっかり繋がっていることを特徴とする請求項10記載の熱伝導の床。
【請求項12】
前記電極針の一端は導電ゴムを通して導電性発熱層としっかり繋がっていることを特徴とする請求項10記載の熱伝導性の床。
【請求項13】
前記導電発熱材料と穿刺式電極と接触するところに導電金属箔が設置されることを特徴とする請求項11記載の熱伝導の床。
【請求項14】
金属箔は銅箔またはアルミ箔であることを特徴とする請求項13記載の熱伝導性の床。
【請求項15】
導電性発熱材料が穿刺式電極と接触するところに導電金属インク層が印刷されることを特徴とする請求項11記載の熱伝導性の床。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−118341(P2010−118341A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−254947(P2009−254947)
【出願日】平成21年11月6日(2009.11.6)
【出願人】(509308252)
【Fターム(参考)】