説明

少なくとも1のC−グリコシド誘導体の鎮静剤としての使用

【課題】皮膚の炎症に関する皮膚の病気を予防する及び/又は処置するための組成物の提供。
【解決手段】敏感な皮膚及び/又は頭皮の処置、たとえば、赤み、痒み、発熱感、火傷感、刺すこと、及びつっぱり感から選択された皮膚の反応を予防する及び/又は処置するために、下記一般式(1)に示された、少なくとも1のC−グリコシド誘導体を非治療的に使用する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1のC-グリコシド誘導体の鎮静剤としての非治療的使用に関し、また皮膚の炎症に関する皮膚の病気を予防する及び/又は処置するための組成物の製造のための、少なくとも1のC-グリコシド誘導体の使用にも関する。
【0002】
本発明はまた、皮膚の炎症を起こしやすい少なくとも1の化粧料化合物又は医薬化合物と少なくとも1のC-グリコシド誘導体との組合せを含む化粧料組成物又は皮膚科学組成物にも関する。
【0003】
最後に、本発明は、本発明に従う組成物を皮膚、粘膜、頭皮、及び/又は毛に施与することからなる少なくとも1の工程を含む化粧方法に関する。
【0004】
皮膚の反応は、ユーザーの皮膚上で経験される不快症状の形で明示されることができる。それらは、典型的には赤み、痒み、発熱感、火傷感、刺す様な感覚、又はつっぱり感であり得る。化粧的処置はこの不快症状が克服されることを許す。
【0005】
他の視認可能な皮膚の兆候も現われ得、有利にはこの場合には皮膚科学的処置を必要とする。これらの視認可能な皮膚の兆候の中で、特に掻痒症、乾燥斑点(dry patch)、炎症性紅班、浮腫、及び/又は斑点、又は皮膚の炎症反応(irritation reaction)が挙げられ得る。
【0006】
これらの皮膚の反応、特に皮膚の炎症は、化学的な起源、例えば生体異物、抗原、アレルゲン、化学物質、皮膚の炎症を起こしやすい化合物、又はピーリング処置の外因性のストレス、環境的な起源(温度、気候、UV照射、大気汚染、特に重金属、オゾン、タバコの煙等)の外因性ストレス、又は機械的な起源(摩擦又は毛剃り)の外因性ストレス、及び内因性起源、例えば、皮膚、粘膜、頭皮、及び/又は毛に影響を及ぼす炎症性及び/又はホルモンのメカニズムを含む病気の任意のストレスにより誘発され得る。
【0007】
内因性の生理学的ストレスは例えばプロ炎症性媒体(mediator)(神経媒体、サイトカイニン又はケモキン)の異常生産、又はアンドロゲン性脱毛症と関連している可能性がある。
【0008】
皮膚の炎症は、反応のカスケードを含み、該カスケードは、染み込む血液細胞(好中球、マクロファージ、及びランゲルハンス細胞)及びそれらが放出する物質(サイトカイニン、リンフォカイン、ケモキン等)の補充を介して、皮膚の炎症、又は毛球及びそれを取り囲むマトリックスの退化を主に特徴とする、持続性の炎症を起こす過程を生じさせる。
【0009】
局所的化合物であって、その使用が、特定の環境、例えば反応性の皮膚、酒さ(rosacea)をわずらっている皮膚、高濃度の該化合物等の下、皮膚反応の出現をもたらし得る局所的化合物は、明らかに他の効果のために化粧料組成物又は皮膚科学組成物において使用される。
【0010】
即ち、例えば角質溶解及び/又は落屑するための活性な剤、特に剥離性の活性剤及び/又は細胞の蘇生を促進する活性な剤、例えばα−ヒドロキシ酸(特に乳酸、グリコール酸、又はクエン酸)、β−ヒドロキシ酸(特にサリチル酸及び5−n−オクタノイルサリチル酸)及びレチノイド(特にオールトランス又は13−シス−レチノイン酸又はレチノール)含む化粧料組成物が老化と闘うために使用される。不幸なことに、もしこれらの活性な剤が過度に大量に使用されると、それらは皮膚の炎症を起こし得る。特に、過敏性(irritable)の及び/又はアレルギー性の皮膚及び/又は頭皮を有するユーザーによるこれらの化合物の使用は、従って制限されるべきである。
【0011】
その上、化粧料組成物又は皮膚科学組成物において不活性であると考えられるある種の化合物、例えば保存剤、界面活性剤、香料、溶媒又はプロペラントでさえ、敏感であり、過敏性の(irritable)及び/又はアレルギー性の皮膚を有する人のケラチン物質、特に頭皮を含む皮膚に施与されるとき刺激性を有し得、この炎症性は使用される化合物及びユーザーの皮膚及び固有の皮膚の微生物に依存する。
【0012】
皮膚の炎症を起こしやすい化合物は、一般的に低投与量で使用される。少量におけるこれらの化合物の使用は、より活性は低いが、より刺激性が低い又は非刺激性であり、従って大量に使用される他の化合物の使用と比較して、又は該化合物の意図された目的、例えばそれが乳化剤のことであるときは、組成物の安定性、又はそれが保存剤のことであるときは、組成物の良好な保存と比較して、ほとんど有利ではないことが分かり得る。
【0013】
ある種の皮膚の病気は、炎症性の、又は免疫アレルギータイプの皮膚反応と関連することが公知である。その中には炎症性の紅班,乾癬,皮膚アトピー,アトピー性皮膚炎,即時の過敏性のタイプのアレルギー反応,例えばじんましん,遅延された過敏性のタイプのアレルギー反応,例えば接触皮膚炎又は湿疹;脂漏性皮膚炎,ニキビ,炎症性の色素沈着過度,免疫性の皮膚炎,化学線の弾性線維症及び円形脱毛症(pelada)又は円形脱毛症(alopecia areata);白斑;全身性エリテマトーデス(systemic lupus erhythematosus);尋常性天疱瘡;栄養障害性の球根状の表皮剥離及び自己免疫起原のはげがある。
【0014】
従って、皮膚の炎症を起こし得る1以上の化合物を含む化粧料組成物又は医薬組成物の炎症を起こす効果を特に予防する及び/又は減少させることができ、かつ炎症性又は免疫アレルギータイプの皮膚の炎症と関連する皮膚の病気を予防する及び/又は処置することのできるる鎮静効果を有する化合物を見出す必要がある。
【0015】
驚いたことに発明者らは、ある種のC-グリコシド誘導体は鎮静効果を示し、その利点は皮膚の炎症を起こしやすい少なくとも1の化合物を含む組成物へそれらを取り込むことを特に正当化することである。
【0016】
糖及び糖誘導体は、スキンケア又はケラチン繊維をケアする及び/又は洗浄することのいずれかを意図された化粧料組成物の配合のための種々の目的のために既に使用されている製品である。
【背景技術】
【0017】
特にある種のC-グリコシド誘導体は、有利な生物学的性質、特に表皮の老化及び/又は皮膚の乾燥と闘うことですでに公知である。そのような化合物は特に書類国際公開第02/051828号に記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
すなわち、本発明は少なくとも1のC-グリコシド誘導体を鎮静剤として、特に局所的鎮静剤としての非治療的な使用に関する。
【0019】
即ち、本発明の一つの課題は、赤み、痒み、発熱感、火傷感、刺すこと、及びつっぱり感から選択された皮膚反応を予防する及び/又は処置するために本発明に従う少なくとも1のC-グリコシド誘導体の非治療的な使用である。
【0020】
本発明の課題は、生体異物,化学製品,皮膚の炎症を起こしやすい化合物,ピーリング処理,温度、気候、UV照射又は大気汚染の作用から選択された少なくとも1の条件により、又は摩擦により誘発される該皮膚反応を予防する及び/又は減少させることをC-グリコシド誘導体が意図されていることを特徴とする、本発明に従う使用でもある。
【0021】
C-グリコシド誘導体は、そうすると、炎症を起こしやすい1以上の化合物を含む化粧料組成物又は皮膚科学組成物の炎症効果を予防する及び/又は減少することを有利に意図される。
【0022】
本発明は、敏感な皮膚及び/又は頭皮の処置のための少なくとも1のC-グリコシド誘導体の非治療的な、特に化粧料的な使用にもまた関する。
【0023】
本発明は、敏感な皮膚及び/又は頭皮の処理のための少なくとも1のC-グリコシド誘導体の非治療的な、特に化粧料的な使用であって、それが、敏感な皮膚及び/又は頭皮の赤み及び/又は皮膚疾患(darter)及び/又は、刺すような感覚、ピン及び針、痒み、火傷、過熱、不快症状、つっぱり感から選択された皮膚知覚過敏感覚の処置を意図されているところの使用である。
【0024】
特定の実施態様に従うと、本発明は、非治療的な、特に上で定義された化粧料的な使用であって、C-グリコシド誘導体が以降に記載されたバラの抽出物と関連するところの使用に関する。
【0025】
本発明の課題は、例えば過敏性の(irritable)及び/又はアレルギー性の皮膚及び/又は粘膜及び/又は頭皮を有する人の場合に遭遇される皮膚の炎症と関連する皮膚の病気を予防する及び/又は処置するための皮膚科学的組成物の製造のための少なくとも1のC-グリコシド誘導体の使用である。
【0026】
即ち、本発明は、例えば過敏性の(irritable)及び/又はアレルギー性の皮膚及び/又は粘膜及び/又は頭皮を有する人の場合に遭遇される皮膚の炎症と関連する皮膚の病気を処置することにおける使用のためのC-グリコシド誘導体に関する。
【0027】
本発明の課題は、より特に、皮膚の炎症を予防する及び/又は処置するための皮膚科学的組成物の製造のための該使用であって、皮膚の炎症が、生体異物,化学製品,皮膚の炎症を起こしやすい化合物,ピーリング処理,温度、気候、UV照射、又は大気汚染の作用から選択される少なくとも1の状況により、又は摩擦により誘発されることを特徴とする使用である。
【0028】
本発明は、皮膚科学的組成物の製造のための少なくとも1のC-グリコシド誘導体の使用であって、該C-グリコシド誘導体が皮膚の炎症を起こしやすい1以上の化合物を含む化粧料組成物又は皮膚科学組成物の炎症効果を予防する及び/又は減少させることを意図されていることを特徴とする使用により特に関する。
【0029】
本発明の課題はまた、例えば炎症性の又は免疫アレルギータイプの皮膚反応と関連する皮膚の病気を予防する及び/又は処置するための皮膚科学的組成物の製造のための少なくとも1のC-グリコシド誘導体の使用でもある。
【0030】
即ち、本発明はまた、例えば炎症性の又は免疫アレルギータイプの皮膚反応と関連する皮膚の病気を処置することにおけるそれらの使用のためのC-グリコシド誘導体にも関する。
【0031】
即ち、C-グリコシド誘導体は、ドライパッチ、浮腫、及び/又は斑点、炎症性の紅班;掻痒症;乾癬,皮膚アトピー,アトピー性皮膚炎;じんましん;接触皮膚炎,湿疹;脂漏性皮膚炎;ニキビ;炎症性の色素沈着過度;免疫性の皮膚炎;水疱性の免疫性の病気;硬皮症;化学線の弾性線維症;円形脱毛症(pelada)即ち円形脱毛症(alopecia areata);白斑;全身性エリテマトーデス;尋常性天疱瘡;栄養障害性の球根状の表皮剥離及び自己免疫性の起原のはげから選択された皮膚の病気と闘うためにより特に有用である。
【0032】
それが化粧料目的であるか、又は治療目的であるかに関わらず、本発明に従う使用は特に敏感な、過敏性の(irritable)及び/又はアレルギー性の皮膚及び/又は粘膜及び/又は頭皮を処置することを特に意図されている。
【0033】
本発明の課題は、皮膚及び/又は粘膜及び/又は頭皮への局所的施与のための組成物であって、生理学的に許容される媒体中に、
落屑剤,レチノイド,尿素及びこの誘導体,ビタミンD及びその誘導体,ビタミンB9及びその誘導体,過酸化物,抗毛喪失剤,毛染め剤及び毛の着色剤,制汗剤,デオドラント,除毛剤及び/又はパーマネントウェーブ活性剤,チオグリコレート及びそれらの塩,フェノキシエタノール,1,2-ペンタンジオール,アントラリン,アントラノイド,リチウム塩,脱色素剤,発熱効果を有するある種の痩身剤,ニコチネート類及びそれらの誘導体,カプサイシン,抗シラミ活性剤,抗増殖剤,抗ウィルス剤,抗寄生虫剤,抗菌剤,抗痒疹剤,抗脂漏性剤,ある種のサンスクリーン,プロ着色剤,アルキルサルフェート及びアルキルエーテルサルフェート,カチオン性又は両性界面活性剤から選択される、皮膚の炎症を起こしやすい少なくとも1の化粧料組成物又は医薬品組成物,及び
少なくとも1のC-グリコシド誘導体
を含む組成物でもある。
【0034】
本発明の一つの変形において、皮膚の炎症を起こしやすい化粧料化合物又は医薬品化合物は、角質溶解剤でも、落屑剤でもない。
【0035】
本発明の課題はまた、皮膚及び/又は粘膜及び/又は頭皮への局所的施与のための組成物であって、
0.00001%〜95重量%の少なくとも1の抗炎症性化合物及び/又は鎮静剤化合物、及び
少なくとも1のC-グリコシド誘導体
を含む組成物でもある。
【0036】
本発明の課題はまた、皮膚、毛、及び/又は頭皮の非治療的ケアのための化粧方法であって、皮膚、毛、及び/又は頭皮に本発明に従う化粧料組成物を施与することからなる少なくとも1の工程を含むことを特徴とする方法でもある。
【0037】
最後に、本発明の課題は、本発明に従う少なくとも1の化粧料組成物を使用する皮膚、毛、及び/又は頭皮の非治療的ケアのための化粧方法であって、敏感な及び/又は過敏性の(irritable)及び/又はアレルギー性の皮膚及び/又は粘膜及び/又は頭皮を処理するのに特に適する方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
本発明に従うこの化粧方法は、皮膚の老化の兆候を予防する及び/又は処置すること及び/又は皮膚を明るくすること、及び/又は肌の色の輝きを回復すること、及び/又は毛の成長を刺激する、又は毛の喪失を予防することを特に意図される。
【0039】
本発明の一つの変形に従うと、本化粧方法は、皮膚を静めること、特に赤み、痒み、発熱感、火傷感、刺すこと、及びつっぱり感から選択される皮膚の兆候を予防する及び/又は処置することを意図される。
【0040】
より特に、本発明に従う方法は、皮膚の炎症を起こしやすい製品が投与、特に局所的に施与された人の皮膚を静めることを意図される。
【0041】
別に明記されない限り、用語「処置する」は、人の快適さ又は良い状態を改善することに向けられるすべての動作を意味し、すなわち、この用語は、予防すること、弱めること、及び軽減することだけでなく、治癒させる(curing)ことを含む。
【0042】
即ち、少なくとも1のC-グリコシド誘導体の使用は、なかんずく、炎症を起こさせる副作用を有する化合物が起こし得る皮膚の炎症を除去するという利点、及びこれらの化合物の増加された効率の目的のために通常使用される量に比較して化粧料組成物又は皮膚科学組成物中の該化合物の量の増加を許すという利点を有する。
【0043】
即ち、敏感な及び/又は過敏性の(irritable)及び/又はアレルギー性の皮膚及び/又は粘膜及び/又は頭皮を意図された組成物に含めて、皮膚の炎症を起こしやすい剤、例えば化粧料的に活性な剤(例えば角質溶解剤及び/又は落屑剤)、皮膚科学活性剤(例えばレチノイド)、ある種の界面活性剤、保存剤、香料、溶媒、及びプロペラント、及びそれらの混合物を使用することが可能である、但し、該組成物が少なくとも1のC-グリコシド誘導体を含むならばである。
【0044】
本発明の目的のために、用語「皮膚」は、皮膚を含み、頭皮、及び粘膜、及び半粘膜質膜にまで広げられた体の皮膚の任意の領域を意味する。
【0045】
サブスタンスPが、敏感な皮膚を特徴づける皮膚の兆候の原因であることが示されている。
【0046】
一般的に、敏感な皮膚は、皮膚の特別な反応性により定義される。
【0047】
この皮膚の反応性は、種々の原因を有し得る引き金となる要素と接触するようになった人に反応して不快症状の兆候の発現により慣用的に反映される。それは、敏感な皮膚の表面への化粧料製品の施与、食品の摂取、突然の温度変化、大気汚染及び/又は紫外線又は赤外線への暴露であり得る。関連のある因子例えば年齢、肌のタイプもまた存在する。即ち、敏感な皮膚は、正常な皮膚におけるより、乾燥した、又は油っぽい皮膚においてより一般的である。
【0048】
その人が、引き金となる要素と接触するようになることに続いて数分内に現われるところの、不快症状のこれらの兆候の出現は、敏感な皮膚の本質的な特徴の一つである。それらは主に皮膚感覚過敏感を含む。用語「皮膚感覚過敏感」は、皮膚の領域で感じられる多かれ少なかれ痛い感覚、例えば、刺すこと、ピン及び針、痒み、火傷、過熱、不快症状、つっぱり感等を意味することが意図される。これらの主観的な兆候は、視認可能な臨床的な兆候、例えば赤み及び落屑の不存在において最も一般的に存在する。これらの皮膚の過敏性及び炎症反応は特に表皮、及び真皮の神経末端による神経ペプチドの放出に関連することが今日、公知である。
【0049】
アレルギーと記載される皮膚と対照的に、敏感な皮膚の反応性は、免疫学的方法の結果ではない。その反応メカニズムは、「非特異的」と呼ばれる。この点において、皮膚病,湿疹及び/又は掻痒状態のタイプの炎症性及びアレルギー性の反応を示す皮膚から識別されるべきであり、この点に関してある数の処置が既に提案されている。
【0050】
明らかな理由から、視認可能な兆候の不存在は、敏感な皮膚を診断することを困難にする。最も一般的には、この診断は、患者に質問をすることに基づく。この兆候学は、接触炎症又はアレルギーであって、そのために他方で視認可能な炎症の兆候が存在するものから敏感な皮膚を区別することを可能にするという利点をもまた有する。
【0051】
その結果、「敏感な皮膚」製品の開発は、皮膚の感覚反応を評価するためのツールの供給を要求してきた。第一のツールのためのインスピレーションは、その設計から始まり、敏感な皮膚の本質的な特徴、即ち局所的な施与により誘発される不快症状の兆候の存在から来た。
【0052】
即ち、乳酸の「刺す試験」は、最初に提案された試験であった。鼻の横への10%の乳酸溶液の施与後、被験者により報告される刺すような感覚を記録することにより行われる。中程度の又は強い刺すような感覚を報告する人は「刺す人」と呼ばれ、敏感な皮膚を有すると考えられる。製品の局所的施与に対する皮膚のこの敏感性のために、これらの人は「敏感な皮膚」製品を試験するために選ばれる。
【0053】
より最近、不快症状に関与する周辺の神経末端であって、敏感な皮膚に含まれることが最近確認された侵害受容器(nociceptor)と呼ばれるものを特異的に活性化するために、不快症状の他の誘発体、例えばカプサイシンを実際には使用する新しい試験が提案された。
【0054】
欧州特許出願公開第1374 913号に記載されたこの第二のタイプの試験もまた、敏感な皮膚の診断のための別の特に有用な手段を構成する。
【0055】
本発明の目的のために、敏感な皮膚は、過敏性の(irritable)及び/又はアレルギー性の皮膚及び耐性の低い皮膚(intolerant skin)を含むことができる。
【0056】
耐性の低い皮膚は、過熱、つっぱり感、ピン及び針及び/又は赤みの感覚を通して、種々の因子、例えば化粧料製品又は皮膚科学製品又は石鹸の施与と反応する皮膚である。一般的に、これらの兆候は、紅班、過脂漏性又はニキビの皮膚又は痛みあり又はなしの酒さを示す皮膚さえと関連する。
【0057】
過敏性の皮膚は、掻痒症を通して、即ち種々の因子、例えば環境、感情、食品、風、摩擦、毛剃り、高カルシウム濃度を有する硬水、温度変化、湿度、又はウールに対する痒み又は刺すことを通して反応する皮膚である。
【0058】
「敏感な」頭皮は、よりあいまいではない臨床的な症候学を有する:痒み感及び/又は刺す感覚及び/又は過熱感は、局所的な因子、例えば摩擦、石鹸、界面活性剤、高カルシウム濃度を有する硬水、シャンプー又はローションが基本的には引き金となる。これらの感覚は、因子、例えば環境、感情及び/又は食品が引き金となることもある。頭皮の紅班及び過脂漏症及びふけもまたしばしば上記の兆候と関連がある。
【0059】
出願人は、あるC-グリコシド誘導体のサブスタンスPのアンタゴニストの特徴を示した。従って、これらの化合物は、敏感な皮膚の兆候を処置するための剤としての化粧料における使用にとって興味深い。
【0060】
本発明に従う組成物は、生理学的に許容される媒体、即ち任意のケラチン物質例えば皮膚、頭皮、爪、粘膜、目、及び毛、又は体の皮膚の任意の他の領域と両立する媒体を含む。この組成物は、化粧料組成物又は皮膚科学組成物であってもよく、即ち化粧料的又は皮膚科学的に許容される媒体を含んでいてもよい。
【0061】
特許請求にかかる課題に関して、それが化粧方法又は組成物の非治療的な使用又は治療目的のための使用であるかに関わらず、投与の好ましい態様は局所的ルート、即ち皮膚への施与である。
【0062】
皮膚の炎症を起こしやすい化粧料成分又は医薬品成分
本発明に従う非治療的な使用は、皮膚の炎症を起こしやすい1以上の化合物を含む化粧料組成物又は皮膚科学組成物の炎症を起こす効果を予防する及び/又は減少させることに特に向けられる。
【0063】
本発明に従う組成物は、皮膚の炎症を起こしやすい化粧料化合物又は医薬品化合物の少なくとも1を含む。
【0064】
これらの化合物の中で、化粧料化合物又は活性剤、皮膚科学化合物又は活性剤、界面活性剤、特にアニオン性界面活性剤、保存剤、洗剤、香料及び特に芳香性のアルコール溶液、溶媒、プロペラント、及びそれらの混合物が挙げられ得る。
【0065】
より特に挙げられ得る皮膚科学又は化粧料の活性な剤は、ある種の落屑剤(ピーリング剤でもあり得る)を含む。
【0066】
特にピーリングのための剤の中には、鉱物、有機起原、天然起原又は合成起原の研磨性/剥離性の粒子が挙げられ得る。軽石の粒子、シリカ、ポリエチレン又はナイロンビーズ、及びフルーツ核粉末がより特に挙げられ得る。
【0067】
これらの落屑剤の中では、以下、飽和のモノカルボン酸(酢酸)及び不飽和のモノカルボン酸,飽和又は不飽和のジカルボン酸,飽和又は不飽和のトリカルボン酸;モノカルボン酸のα-ヒドロキシ酸及びβ-ヒドロキシ酸;ジカルボン酸のα-ヒドロキシ酸及びβ-ヒドロキシ酸;トリカルボン酸のα-ヒドロキシ酸及びβ-ヒドロキシ酸,ケト酸,ポリカルボン酸、ポリヒドロキシモノカルボン酸,ポリヒドロキシジカルボン酸及びポリヒドロキシトリカルボン酸のα-ケト酸又はβ-ケト酸が皮膚の炎症を起こしやすい。
【0068】
α-ヒドロキシ酸又はそれらのエステルの中では、グリコール酸、ジオン酸、例えばオクタデセンジオン酸又はユニケマ社により販売されているアルラトンジオン(Arlatone dioc DCA)、クエン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸又はマンデリン酸及びそれらのエステル、又は酒石酸ジアルキル(C12/C13)又はCosmacol ETI、及びクエン酸の分岐状C12〜13トリアルコールエステル、又はSasol社により販売されているCosmacol ECIが特に挙げられ得る。
【0069】
β-ヒドロキシ酸の中では、サリチル酸及び及びそれらの誘導体(5-n-オクタノイルサリチル酸を含む)が挙げられ得る。
【0070】
α-ケト酸の中では、アスコルビン酸及びそれらの誘導体が挙げられ得る。
【0071】
他の落屑剤の中では,ピルビン酸,グルコン酸,グルクロン酸,シュウ酸、マロン酸、コハク酸、酢酸、ゲンチジン酸、桂皮酸、アゼライン酸、フェノール;レゾルシノール;尿素及びこれの誘導体,ヒドロキシエチルウレア即ちNational Starch製Hydrovance(商標);オリゴフコース類;ジャスモン酸及びこれの誘導体;アスコルビン酸及びこれの誘導体,トリクロロ酢酸;Saphora japonicaの抽出物及びレスベラトールが挙げられ得る。
【0072】
落屑剤の中で、落屑又は角質デスモソーム(corneodesmosome)分解に含まれる酵素に作用することのできるものもまた、皮膚の炎症を起こしやすい可能性がある。
【0073】
これらの中で,特に鉱物塩のキレート化剤、例えばEDTA;N-アシル-N,N’,N’-エチレンジアミン三酢酸;アミノスルホニック化合物、特に(N-2-ヒドロキシエチルピペラジン-N-2-エタン)スルホン酸(HEPES);2-オキソチアゾリジン-4-カルボン酸(プロシステイン)誘導体;グリシンタイプのα−アミノ酸の誘導体(欧州特許出願公開第0 852 949号に記載されているもの,及びTrilon M(商標)の商標名でBASFにより販売されているグリシン二酢酸メチルナトリウム);蜂蜜;糖誘導体、例えばO-オクタノイル-6-D-マルトース,O-リノレイル-6-D-グルコース及びN-アセチルグルコサミンが挙げられ得る。
【0074】
レチノイドもまた皮膚の炎症を起こしやすい化合物である。挙げられ得るこれの例は、レチノール及びそのエステル,レチナール,レチノイン酸及びそれらの誘導体、例えば書類仏国特許出願公開第2 570 377号,欧州特許出願公開第199 636号,欧州特許出願公開第325 540号及び欧州特許出願公開第402 072号,及びアダパレンを含む。
【0075】
上述された化合物の塩及び誘導体、例えばシス又はトランス型、ラセミ混合物、及び右旋性又は左旋性型もまた皮膚の炎症を起こしやすい化合物と考えられる。
【0076】
皮膚の炎症を起こしやすい他の皮膚科学的又は化粧料的に活性な剤は、下にもまた挙げられる。
尿素及びこれの誘導体,例えばヒドロキシエチルウレア又はNational Starch製のHydrovance(商標)
ある種のビタミン、例えばビタミンD及びその誘導体、例えばビタミンD3及びビタミンD2,カルシトリオール,カルシポトリオール,タカルシトール,24,25-ジOHビタミンD3,1-OHビタミンD2及び1,24-ジOHビタミンD2;ビタミンB9及びその誘導体,
過酸化物,例えばベンゾイル過酸化物及び過酸化水素,
抗毛喪失剤、例えばミノキシジル及びこれの誘導体、例えばアミネキシル,
毛染め及び毛の着色剤,例えばアミノフェノール及びそれらの誘導体例えばパラ-フェニレンジアミン(p-PDA),N-フェニルp-PDA,2,5-トルエンジアミンサルフェート,メタ-フェニレンジアミン(m-PDA),3,4-トルエンジアミン及びオルト-フェニレンジアミン(o-PDA),
制汗剤,例えばアルミニウム塩、例えばアルミニウムヒドロキシクロリド,
デオドラント,
除毛剤及び/又はパーマネントウェーブ活性剤例えばチオグリコレート又は水性アンモニア、
チオグリコレート及びこれの塩,
フェノキシエタノール,
1,2-ペンタンジオール,
芳香性のアルコール溶液(香料、オードトワレ,アフターシェーブ又はデオドラント),
アントラリン(ジオキシアントラノール),
アントラノイド(例えば欧州特許出願公開第319 028号に記載されたもの),
リチウム塩,
脱色素剤(例えば:ハイドロキノン,高濃度のビタミンC又はコージ酸),
発熱効果を有するある種の痩身剤,
ニコチネート類及びそれらの誘導体,
カプサイシン,
抗シラミ活性剤(ピレトリン),
抗増殖剤例えば5-フルオロウラシル又はメトトレキサート,
抗ウィルス剤,
抗寄生虫剤,
抗菌剤,
抗痒疹剤,
抗脂漏剤,
ある種のサンスクリーン,
プロ着色剤例えばソラレン及びメチルアンゲシリン(methylangecilines)及び
それらの混合物。
【0077】
挙げられ得る保存剤は、フェノキシエタノール、クロロヘキシジン、及びベンズアルコニウムクロリドを含む。
【0078】
挙げられ得る界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、及び両親媒性界面活性剤、より特にアニオン性界面活性剤、例えば,アルキルサルフェート及びアルキルエーテルサルフェート,例えばラウリルサルフェート及びラウリルエーテルサルフェート,及びそれらの塩、特にナトリウム塩を含む。
【0079】
本発明の一つの好ましい実施態様に従うと皮膚の炎症を起こしやすい化合物は、レチノイド,α-ヒドロキシ酸,β-ヒドロキシ酸,飽和又は不飽和のジカルボン酸例えばオクタデセンジオン酸又はユニケマ社により販売されているアルラトンDIOC DCA,アニオン性,カチオン性又は両親媒性界面活性剤,5-n-オクタノイルサリチル酸,制汗活性剤、例えばアルミニウム塩、(N-2-ヒドロキシエチルピペラジン-N-2-エタン)スルホン酸(HEPES)及び桂皮酸及びそれらの混合物から選択される。
【0080】
皮膚の炎症を起こしやすい化合物は本発明に従う組成物中に皮膚炎症反応を起こすのに十分である量で存在し得る。例えば組成物の合計重量に対して0.0001%〜70重量%,好ましくは0.01%〜50重量%、よりよくは0.1%〜30重量%の範囲の含有量で存在し得る。
【0081】
C-グリコシド誘導体
本発明における使用に適切であるC-グリコシド誘導体は、下記一般式(I)の化合物、及びそれらの化粧料的に許容される塩、それらの溶媒和物、例えば水和物、及びそれらの異性体であり得る。
【0082】

【0083】
ここで
Rは以下:
飽和のC1〜C20特にC1〜C10又は不飽和のC2〜C20特にC2〜C10の直鎖のアルキル基,又は飽和又は不飽和の,分岐状又は環状のC3〜C20、特にC3〜C10のアルキル基;
飽和のC1〜C20特にC1〜C10又は不飽和のC2〜C20特にC2〜C10,又は飽和又は不飽和の,分岐状又は環状のC3〜C20、特にC3〜C10の直鎖のヒドロフルオロアルキル又はパーフルオロアルキル基;
を表す。上記の基を構成する炭化水素をベースとする鎖は、適切であれば、以下:
酸素,
硫黄,
窒素、及び
ケイ素
から選択される1,2,3又はより多いヘテロ原子で中断されていてもよく、かつ以下
-OR4
-SR4
-NR4R5
-COOR4
-CONHR4
-CN,
ハロゲン原子,
C1〜C6のヒドロフルオロアルキル又はパーフルオロアルキル基,及び/又は
C3〜C8のシクロアルキル基,
(ここでR4及びR5は、互いに独立して水素原子、又は飽和のC1〜C30、特にC1〜C12、又は不飽和のC2〜C30、特にC2〜C12,又は飽和又は不飽和の,分岐状又は環状のC3〜C30、特にC3〜C12の直鎖のアルキル,パーフルオロアルキル又はヒドロフルオロアルキル基;又はC6〜C10のアリール基を表していてもよい)から選択された少なくとも一の基で置換されていてもよい。
Xは以下の基から選択された基を表す。
【0084】

【0085】
ここでR1,R2及びR3は、互いに独立して,水素原子又は基R(Rは上で定義された通りである)を表し、R1’は水素原子,-OH基又は上で定義された基Rを表し、R1はC6〜C10のアリール基を表してもよい;
Sは、L及び/又はDシリーズのピラノース及び/又はフラノースの形の単糖類又は20糖単位まで、特に6糖単位までを含む多糖類を表し、該単糖類又は多糖類は、必ず遊離であるヒドロキシル基で、及び任意的に保護されていてもよい1以上のアミン官能基で任意的に置換されていてもよく、
結合S-CH2-Xは、α又はβであってよいC-アノマー性の結合を表す。
【0086】
本発明の文脈において、用語「ハロゲン」は、塩素、弗素、臭素、又はヨウ素を意味する。
【0087】
用語「アリール」は芳香族環、1以上のC1〜C4のアルキル基で任意的に置換されていてもよいフェニルを例えば意味する。
【0088】
用語「C3〜C8のシクロアルキル」は、シクロプロピル,シクロペンチル及びシクロヘキシルを例えば含む、3〜8の炭素原子を含む脂肪族環を意味する。
【0089】
本発明における使用のために適切であるアルキル基の中では、特にメチル,エチル,イソプロピル,n-プロピル,n-ブチル,t-ブチル,イソブチル,sec-ブチル,ペンチル,n-ヘキシル,シクロプロピル,シクロペンチル,シクロヘキシル及びアリル基が挙げられ得る。
【0090】
本発明の一つの実施態様に従うと、式(I)に対応するC-グリコシド誘導体であって、Sは、L及び/又はDシリーズのピラノース及び/又はフラノースの形の単糖類又は6糖単位までを含む多糖類を表し得、該単糖類又は多糖類は、必ず遊離である少なくとも一のヒドロキシル官能基を含み、及び/又は必ず保護されている1以上のアミン官能基を任意的に含んでいてもよく、X及びRは、他に明記されなければ、上で与えられたすべての定義を保有するところのC-グリコシド誘導体を使用することが可能である。
【0091】
有利に本発明の単糖類は、D-グルコース,D-ガラクトース,D-マンノース,D-キシロース,D-リキソース,L-フコース,L-アラビノース,L-ラムノース,D-グルクロン酸,D-ガラクツロン酸,D-イズロン酸,N-アセチル-D-グルコサミン及びN-アセチル-D-ガラクトサミンから選択され得,有利にD-グルコース,D-キシロース,N-アセチル-D-グルコサミン又はL-フコース、特にD-キシロースを表す。
【0092】
より特に、6糖単位までを含む本発明の多糖類は、D-マルトース,D-ラクトース,D-セロビオース,D-マルトトリオース、D-イズロン酸とD-グルクロン酸とから選択されたウロン酸をD-ガラクトサミン,D-グルコサミン,N-アセチル-D-ガラクトサミン及びN-アセチル-D-グルコサミンから選択されたヘキソサミンと組み合わせる二糖類,キシロビオース,メチル-β-キシロビオシド,キシロトリオース,キシロテトラオース,キシロペンタオース及びキシロヘキサオース、及び特にキシロビオース(1-4結合を介して連結された2つのキシロース分子からなる)から有利に選択された少なくとも一のキシロースを含むオリゴ糖から選択され得る。
【0093】
より特に,Sは、D-グルコース,D-キシロース,L-フコース,D-ガラクトース及びD-マルトースから選択された単糖類,特にD-キシロースを表し得る。
【0094】
本発明の別の実施態様に従うと、式(I)に対応するC-グリコシド誘導体であって、Xが-CO-,-CH(OH)-,-CH(NR1R2)-及び-CH(R)-、特に-CO-,-CH(OH)-,-CH(NH2)-,-CH(NHCH2CH2CH2OH)-,-CH(NHPh)-及び-CH(CH3)、より特に-CO-,-CH(OH)-又は-CH(NH2)-基、及び優先的に-CH(OH)-基から選択された基を表し、S及びRは、他に明記されければ、上に与えられた定義のすべてを保存するC-グリコシド誘導体を使用することが可能である。
【0095】
本発明の別の実施態様に従うと、式(I)に対応するC-グリコシドであって、Rが飽和のC1〜C20、特にC1〜C10又は不飽和のC2〜C20、特にC2〜C10の直鎖状のアルキル基,又は飽和又は不飽和の,分岐状又は環状のC3〜C20、特にC3〜C10のアルキル基を表し(任意的に上で記載されたように置換されていてもよい),S及びXは他に明記されなければ上で与えられた定義のすべてを保存するC-グリコシドを使用することが可能である。好ましくはRは、-OH,-COOH又は-COOR”2で任意的に置換されていてもよい直鎖のC1〜C4の基、特にC1〜C3の基,(R”2は飽和のC1〜C4のアルキル基,特にエチルである)を表す。
【0096】
優先的に,Rは無置換の直鎖のC1〜C4、特にC1〜C2のアルキル基,特にエチルを表す。
【0097】
好ましく使用される式(I)のC-グリコシド誘導体の中には、
Rは、飽和のC1〜C20、特にC1〜C10の、又は不飽和のC2〜C20、特にC2〜C10の直鎖状のアルキル基,又は飽和又は不飽和の,分岐状又は環状のC3〜C20、特にC3〜C10のアルキル基(任意的に上で記載されたように置換されていてもよい)を表す;
Sは上で記載された単糖類を表す;
Xは上で記載されたように-CO-,-CH(OH)-,-CH(NR1R2)-又は-CH(R)-を表す
ものがある。
【0098】
好ましくは,式(I)のC-グリコシド誘導体であって、
Rは、直鎖のC1〜C4、特にC1〜C3の基(任意的に-OH,-COOH又は-COOR”2で置換されていてもよく、R”2は飽和のC1〜C4のアルキル基,特にエチルである)を意味する;
Sは、上で記載された単糖類を表す、
Xは、-CO-,-CH(OH)-,-CH(NH2)-,-CH(NHCH2CH2CH2OH)-,-CH(NHPh)-及び-CH(CH3)-,より特に-CO-,-CH(OH)-又は-CH(NH2)-基,優先的に-CH(OH)-基から選択された基を表す
ところのC-グリコシド誘導体が使用される。
【0099】
優先的に,式(I)のC-グリコシド誘導体であって、
Rは、無置換の直鎖のC1〜C4、特にC1〜Cのアルキル基、特にエチルを意味する;
Sは、上で記載された単糖類;特にD-グルコース、D-キシロース、N-アセチル-D-グルコサミン又はL-フコース、特にD-キシロースを表す、
Xは、-CO-,-CH(OH)-及び-CH(NH2)-から選択された基,優先的に-CH(OH)-基を表す
ところのC-グリコシド誘導体が使用される。
【0100】
本発明に記載された化合物の非治療的な使用のために許容される塩は、該化合物の慣用の非毒性の塩、例えば有機又は無機酸から形成されたものを含む。挙げられ得る例は、鉱酸、例えば硫酸、塩酸、臭酸、ヨウ化水素酸、リン酸、又はホウ酸の塩を含む。1以上のカルボキシル基、スルホニック基、又はホスホニック基を含み得る有機酸の塩が挙げられ得る。それらは直鎖の,分岐状又は環状の脂肪族酸、又は芳香族酸であり得る。これらの酸はO及びNから選択された1以上のヘテロ原子をもまた、例えばヒドロキシル基の形で含み得る。プロピオン酸、酢酸、テレフタル酸、クエン酸、及び酒石酸が特に挙げられ得る。
【0101】
式(I)の化合物が酸基を含むとき,酸基の中和は、鉱物の塩基,例えばLiOH,NaOH,KOH,Ca(OH)2,NH4OH,Mg(OH)2又はZn(OH)2で;又は有機塩基、例えば一級、二級、又は三級のアルキルアミン,例えばトリエチルアミン又はブチルアミンで行われ得る。この一級、二級、又は三級のアルキルアミンは、1以上の窒素及び/又は酸素原子を含み得、即ち例えば1以上のアルコール官能基を含み得る;特にアミノ-2-メチル-2-プロパノール,トリエタノールアミン,ジメチルアミノ-2-プロパノール又は2-アミノ-2-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオールが挙げられ得る。リシン又は3-(ジメチルアミノ)プロピルアミンもまた挙げられ得る。
【0102】
本発明に記載された化合物に許容される溶媒和物は、慣用の溶媒和物、例えば溶媒の存在のために該化合物の製造の最終工程の間に形成されるものを含む。挙げられ得る例は、水、又は直鎖又は分岐状のアルコール、例えばエタノール又はイソプロパノールの存在による溶媒和物を含む。
【0103】
本発明に従って使用される式(I)のC-グリコシド誘導体の中で、最も特に考慮されるのは以下のものである。
1. C-β-D-キシロピラノシド-n-プロパン-2-オン;
2. C-α-D-キシロピラノシド-n-プロパン-2-オン;
3. 1-[2-(3-ヒドロキシプロピルアミノ)プロピル]-C-β-D-キシロピラノース;
4. 1-[2-(3-ヒドロキシプロピルアミノ)プロピル]-C-α-D-キシロピラノース;
5. C-β-D-キシロピラノシド-2-ヒドロキシプロパン;
6. C-α-D-キシロピラノシド-2-ヒドロキシプロパン;
7. C-β-D-キシロピラノシド-2-アミノプロパン;
8. C-α-D-キシロピラノシド-2-アミノプロパン;
9. C-β-D-キシロピラノシド-2-フェニルアミノプロパン;
10. C-α-D-キシロピラノシド-2-フェニルアミノプロパン;
11. エチル3-メチル-4-(C-β-D-キシロピラノシド)ブチレート;
12. エチル3-メチル-4-(C-α-D-キシロピラノシド)ブチレート;
13. 6-(C-β-D-キシロピラノシド)-5-ケトヘキサン酸;
14. 6-(C-α-D-キシロピラノシド)-5-ケトヘキサン酸;
15. 6-(C-β-D-キシロピラノシド)-5-ヒドロキシヘキサン酸;
16. 6-(C-α-D-キシロピラノシド)-5-ヒドロキシヘキサン酸;
17. 6-(C-β-D-キシロピラノシド)-5-アミノヘキサン酸;
18. 6-(C-α-D-キシロピラノシド)-5-アミノヘキサン酸;
19. 6-(C-β-D-キシロピラノシド)-5-フェニルアミノヘキサン酸;
20. 6-(C-α-D-キシロピラノシド)-5-フェニルアミノヘキサン酸;
21. 1-(C-β-D-キシロピラノシド)ヘキサン-2,6-ジオール;
22. 1-(C-α-D-キシロピラノシド)ヘキサン-2,6-ジオール;
23. 5-(C-β-D-キシロピラノシド)-4-ケトペンタン酸;
24. 5-(C-α-D-キシロピラノシド)-4-ケトペンタン酸;
25. 5-(C-β-D-キシロピラノシド)-4-ヒドロキシペンタン酸;
26. 5-(C-α-D-キシロピラノシド)-4-ヒドロキシペンタン酸;
27. 5-(C-β-D-キシロピラノシド)-4-アミノペンタン酸;
28. 5-(C-α-D-キシロピラノシド)-4-アミノペンタン酸;
29. 5-(C-β-D-キシロピラノシド)-4-フェニルアミノペンタン酸;
30. 5-(C-α-D-キシロピラノシド)-4-フェニルアミノペンタン酸;
31. 1-(C-β-D-キシロピラノシド)ペンタン-2,5-ジオール;
32. 1-(C-α-D-キシロピラノシド)ペンタン-2,5-ジオール;
33. 1-(C-β-D-フコピラノシド)プロパン-2-オン;
34. 1-(C-α-D-フコピラノシド)プロパン-2-オン;
35. 1-(C-β-L-フコピラノシド)プロパン-2-オン;
36. 1-(C-α-L-フコピラノシド)プロパン-2-オン;
37. 1-(C-β-D-フコピラノシド)-2-ヒドロキシプロパン;
38. 1-(C-α-D-フコピラノシド)-2-ヒドロキシプロパン;
39. 1-(C-β-L-フコピラノシド)-2-ヒドロキシプロパン;
40. 1-(C-α-L-フコピラノシド)-2-ヒドロキシプロパン;
41. 1-(C-β-D-フコピラノシド)-2-アミノプロパン;
42. 1-(C-α-D-フコピラノシド)-2-アミノプロパン;
43. 1-(C-β-L-フコピラノシド)-2-アミノプロパン;
44. 1-(C-α-L-フコピラノシド)-2-アミノプロパン;
45. 1-(C-β-D-フコピラノシド)-2-フェニルアミノプロパン;
46. 1-(C-α-D-フコピラノシド)-2-フェニルアミノプロパン;
47. 1-(C-β-L-フコピラノシド)-2-フェニルアミノプロパン;
48. 1-(C-α-L-フコピラノシド)-2-フェニルアミノプロパン;
49. エチル3-メチル-4-(C-β-D-フコピラノシド)ブチレート;
50. エチル3-メチル-4-(C-α-D-フコピラノシド)ブチレート;
51. エチル3-メチル-4-(C-β-L-フコピラノシド)ブチレート;
52. エチル3-メチル-4-(C-α-L-フコピラノシド)ブチレート;
53. 6-(C-β-D-フコピラノシド)-5-ケトヘキサン酸;
54. 6-(C-α-D-フコピラノシド)-5-ケトヘキサン酸;
55. 6-(C-β-L-フコピラノシド)-5-ケトヘキサン酸;
56. 6-(C-α-L-フコピラノシド)-5-ケトヘキサン酸;
57. 6-(C-β-D-フコピラノシド)-5-ヒドロキシヘキサン酸;
58. 6-(C-α-D-フコピラノシド)-5-ヒドロキシヘキサン酸;
59. 6-(C-β-L-フコピラノシド)-5-ヒドロキシヘキサン酸;
60. 6-(C-α-L-フコピラノシド)-5-ヒドロキシヘキサン酸;
61. 6-(C-β-D-フコピラノシド)-5-アミノヘキサン酸;
62. 6-(C-α-D-フコピラノシド)-5-アミノヘキサン酸;
63. 6-(C-β-L-フコピラノシド)-5-アミノヘキサン酸;
64. 6-(C-α-L-フコピラノシド)-5-アミノヘキサン酸;
65. 1-(C-β-D-フコピラノシド)ヘキサン-2,6-ジオール;
66. 1-(C-α-D-フコピラノシド)ヘキサン-2,6-ジオール;
67. 1-(C-β-L-フコピラノシド)ヘキサン-2,6-ジオール;
68. 1-(C-α-L-フコピラノシド)ヘキサン-2,6-ジオール;
69. 5-(C-β-D-フコピラノシド)-4-ケトペンタン酸;
70. 5-(C-α-D-フコピラノシド)-4-ケトペンタン酸;
71. 5-(C-β-L-フコピラノシド) -4-ケトペンタン酸;
72. 5-(C-α-L-フコピラノシド) -4-ケトペンタン酸;
73. 5-(C-β-D-フコピラノシド)-4-ヒドロキシペンタン酸;
74. 5-(C-α-D-フコピラノシド)-4-ヒドロキシペンタン酸;
75. 5-(C-β-L-フコピラノシド)-4-ヒドロキシペンタン酸;
76. 5-(C-α-L-フコピラノシド)-4-ヒドロキシペンタン酸;
77. 5-(C-β-D-フコピラノシド)-4-アミノペンタン酸;
78. 5-(C-α-D-フコピラノシド)-4-アミノペンタン酸
79. 5-(C-β-L-フコピラノシド)-4-アミノペンタン酸;
80. 5-(C-α-L-フコピラノシド)-4-アミノペンタン酸;
81. 1-(C-β-D-フコピラノシド)ペンタン-2,5-ジオール;
82. 1-(C-α-D-フコピラノシド)ペンタン-2,5-ジオール;
83. 1-(C-β-L-フコピラノシド)ペンタン-2,5-ジオール;
84. 1-(C-α-L-フコピラノシド)ペンタン-2,5-ジオール;
85. 1-(C-β-D-グルコピラノシル)-2-ヒドロキシプロパン;
86. 1-(C-α-D-グルコピラノシル)-2-ヒドロキシプロパン;
87. 1-(C-β-D-グルコピラノシル)-2-アミノプロパン;
88. 1-(C-α-D-グルコピラノシル)-2-アミノプロパン;
89. 1-(C-β-D-グルコピラノシル)-2-フェニルアミノプロパン;
90. 1-(C-α-D-グルコピラノシル)-2-フェニルアミノプロパン;
91. エチル3-メチル-4-(C-β-D-グルコピラノシル)ブチレート;
92. エチル3-メチル-4-(C-α-D-グルコピラノシル)ブチレート;
93. 6-(C-β-D-グルコピラノシル)-5-ケトヘキサン酸;
94. 6-(C-α-D-グルコピラノシル)-5-ケトヘキサン酸;
95. 6-(C-β-D-グルコピラノシル)-5-ヒドロキシヘキサン酸;
96. 6-(C-α-D-グルコピラノシル)-5-ヒドロキシヘキサン酸;
97. 6-(C-β-D-グルコピラノシル)-5-アミノヘキサン酸;
98. 6-(C-α-D-グルコピラノシル)-5-アミノヘキサン酸;
99. 6-(C-β-D-グルコピラノシル)-5-フェニルアミノヘキサン酸;
100. 6-(C-α-D-グルコピラノシル)-5-フェニルアミノヘキサン酸;
101. 1-(C-β-D-グルコピラノシル)ヘキサン-2,6-ジオール;
102. 1-(C-α-D-グルコピラノシル)ヘキサン-2,6-ジオール;
103. 6-(C-β-D-グルコピラノシル)-5-ケトペンタン酸;
104. 6-(C-α-D-グルコピラノシル)-5-ケトペンタン酸;
105. 6-(C-β-D-グルコピラノシル)-5-ヒドロキシペンタン酸;
106. 6-(C-α-D-グルコピラノシル)-5-ヒドロキシペンタン酸;
107. 6-(C-β-D-グルコピラノシル)-5-アミノペンタン酸;
108. 6-(C-α-D-グルコピラノシル)-5-ヒドロキシペンタン酸;
109. 6-(C-β-D-グルコピラノシル)-5-フェニルアミノペンタン酸;
110. 6-(C-α-D-グルコピラノシル)-5-フェニルアミノペンタン酸;
111. 1-(C-β-D-グルコピラノシル)ペンタン-2,5-ジオール;
112. 1-(C-α-D-グルコピラノシル)ペンタン-2,5-ジオール;
113. 1-(C-β-D-ガラクトピラノシル)-2-ヒドロキシプロパン;
114. 1-(C-α-D-ガラクトピラノシル)-2-ヒドロキシプロパン;
115. 1-(C-β-D-ガラクトピラノシル)-2-アミノプロパン;
116. 1-(C-α-D-ガラクトピラノシル)-2-アミノプロパン;
117. 1-(C-β-D-ガラクトピラノシル)-2-フェニルアミノプロパン;
118. 1-(C-α-D-ガラクトピラノシル)-2-フェニルアミノプロパン;
119. エチル3-メチル-4-(β-D-ガラクトピラノシル)ブチレート;
120. エチル3-メチル-4-(α-D-ガラクトピラノシル)ブチレート;
121. 6-(C-β-D-ガラクトピラノシル)-5-ケトヘキサン酸;
122. 6-(C-α-D-ガラクトピラノシル)-5-ケトヘキサン酸;
123. 6-(C-β-D-ガラクトピラノシル)-5-ヒドロキシヘキサン酸;
124. 6-(C-α-D-ガラクトピラノシル)-5-ヒドロキシヘキサン酸;
125. 6-(C-β-D-ガラクトピラノシル)-5-アミノヘキサン酸;
126. 6-(C-α-D-ガラクトピラノシル)-5-アミノヘキサン酸;
127. 6-(C-β-D-ガラクトピラノシル)-5-フェニルアミノヘキサン酸;
128. 6-(C-α-D-ガラクトピラノシル)-5-フェニルアミノヘキサン酸;
129. 1-(C-β-D-ガラクトピラノシル)ヘキサン-2,6-ジオール;
130. 1-(C-α-D-ガラクトピラノシル)ヘキサン-2,6-ジオール;
131. 6-(C-β-D-ガラクトピラノシル)-5-ケトペンタン酸;
132. 6-(C-α-D-ガラクトピラノシル)-5-ケトペンタン酸;
133. 6-(C-β-D-ガラクトピラノシル)-5-ヒドロキシペンタン酸;
134. 6-(C-α-D-ガラクトピラノシル)-5-ヒドロキシペンタン酸;
135. 6-(C-β-D-ガラクトピラノシル)-5-アミノペンタン酸;
136. 6-(C-α-D-ガラクトピラノシル)-5-アミノペンタン酸;
137. 6-(C-β-D-ガラクトピラノシル)-5-フェニルアミノペンタン酸;
138. 6-(C-α-D-ガラクトピラノシル)-5-フェニルアミノペンタン酸;
139. 1-(C-β-D-ガラクトピラノシル)ペンタン-2,6-ジオール;
140. 1-(C-α-D-ガラクトピラノシル)ペンタン-2,6-ジオール;
141. 1-(C-β-D-フコフラノシル)プロパン-2-オン;
142. 1-(C-α-D-フコフラノシル)プロパン-2-オン;
143. 1-(C-β-L-フコフラノシル)プロパン-2-オン;
144. 1-(C-α-L-フコフラノシル)プロパン-2-オン;
145. 3’-(アセトアミド-C-β-D-グルコピラノシル)プロパン−2’−オン;
146. 3’-(アセトアミド-C-α-D-グルコピラノシル)プロパン−2’−オン;
147. 1-(アセトアミド-C-β-D-グルコピラノシル)-2-ヒドロキシルプロパン;
148. 1-(アセトアミド-C-β-D-グルコピラノシル)-2-アミノプロパン;
149. 1-(アセトアミド-C-β-D-グルコピラノシル)-2-フェニルアミノプロパン;
150. 1-(アセトアミド-C-α-D-グルコピラノシル)-2-フェニルアミノプロパン;
151. エチル3-メチル-4-(アセトアミド-C-β-D-グルコピラノシル)ブチレート;
152. エチル3-メチル-4-(アセトアミド-C-α-D-グルコピラノシル)ブチレート;
153. 6-(アセトアミド-C-β-D-グルコピラノシル)-5-ケトヘキサン酸;
154. 6-(アセトアミド-C-α-D-グルコピラノシル)-5-ケトヘキサン酸;
155. 6-(アセトアミド-C-β-D-グルコピラノシル)-5-ヒドロキシヘキサン酸;
156. 6-(アセトアミド-C-α-D-グルコピラノシル)-5-ヒドロキシヘキサン酸;
157. 6-(アセトアミド-C-β-D-グルコピラノシル)-5-アミノヘキサン酸;
158. 6-(アセトアミド-C-α-D-グルコピラノシル)-5-アミノヘキサン酸;
159. 6-(アセトアミド-C-β-D-グルコピラノシル)-5-フェニルアミノヘキサン酸;
160. 6-(アセトアミド-C-α-D-グルコピラノシル)-5-フェニルアミノヘキサン酸;
161. 1-(アセトアミド-C-β-D-グルコピラノシル)ヘキサン-2,6-ジオール;
162. 1-(アセトアミド-C-α-D-グルコピラノシル)ヘキサン-2,6-ジオール;
163. 6-(アセトアミド-C-β-D-グルコピラノシル)-5-ケトペンタン酸;
164. 6-(アセトアミド-C-α-D-グルコピラノシル)-5-ケトペンタン酸;
165. 6-(アセトアミド-C-β-D-グルコピラノシル)-5-ヒドロキシペンタン酸;
166. 6-(アセトアミド-C-α-D-グルコピラノシル)-5-ヒドロキシペンタン酸;
167. 6-(アセトアミド-C-β-D-グルコピラノシル)-5-アミノペンタン酸;
168. 6-(アセトアミド-C-α-D-グルコピラノシル)-5-アミノペンタン酸;
169. 6-(アセトアミド-C-β-D-グルコピラノシル)-5-フェニルアミノペンタン酸;
170. 6-(アセトアミド-C-α-D-グルコピラノシル)-5-フェニルアミノペンタン酸;
171. 1-(アセトアミド-C-β-D-グルコピラノシル)ペンタン-2,5-ジオール;
172. 1-(アセトアミド-C-α-D-グルコピラノシル)ペンタン-2,5-ジオール.
【0104】
本発明における使用に、より特に適するC-グリコシド誘導体の非制限的な例として、特に以下の誘導体が挙げられ得る。
C-β-D-キシロピラノシド-n-プロパン-2-オン,
C-α-D-キシロピラノシド-n-プロパン-2-オン,
C-β-D-キシロピラノシド-2-ヒドロキシプロパン,
C-α-D-キシロピラノシド-2-ヒドロキシプロパン,
1-(C-β-D-フコピラノシド)プロパン-2-オン,
1-(C-α-D-フコピラノシド)プロパン-2-オン,
1-(C-β-L-フコピラノシド)プロパン-2-オン,
1-(C-α-L-フコピラノシド)プロパン-2-オン,
1-(C-β-D-フコピラノシド)-2-ヒドロキシプロパン,
1-(C-α-D-フコピラノシド)-2-ヒドロキシプロパン,
1-(C-β-L-フコピラノシド)-2-ヒドロキシプロパン,
1-(C-α-L-フコピラノシド)-2-ヒドロキシプロパン,
1-(C-β-D-グルコピラノシル)-2-ヒドロキシルプロパン,
1-(C-α-D-グルコピラノシル)-2-ヒドロキシルプロパン,
1-(C-β-D-ガラクトピラノシル)-2-ヒドロキシルプロパン,
1-(C-α-D-ガラクトピラノシル)-2-ヒドロキシルプロパン
1-(C-β-D-フコフラノシル)プロパン-2-オン,
1-(C-α-D-フコフラノシル)プロパン-2-オン
1-(C-β-L-フコフラノシル)プロパン-2-オン,
1-(C-α-L-フコフラノシル)プロパン-2-オン,
C-β-D-マルトピラノシド-n-プロパン-2-オン,
C-α-D-マルトピラノシド-n-プロパン-2-オン
C-β-D-マルトピラノシド-2-ヒドロキシプロパン,
C-α-D-マルトピラノシド-2-ヒドロキシプロパン,それらの異性体及びそれらの混合物。
【0105】
一つの実施態様に従うと,C-β-D-キシロピラノシド-2-ヒドロキシプロパン又はC-α-D-キシロピラノシド-2-ヒドロキシプロパン,よりよくはC-β-D-キシロピラノシド-2-ヒドロキシプロパンは、本発明に従う組成物の製造のために有利に使用され得る。
【0106】
一つの特定の実施態様に従うと、C-グリコシド誘導体は、水/プロピレングリコール混合物(60重量%/40重量%)中に30重量%の活性物質を含む溶液の形におけるC-β-D-キシロピラノシド-2-ヒドロキシプロパン、例えばMexoryl SBB(商標)の商標名でCHIMEXにより製造されている製品である。
【0107】
言うまでも無く、本発明に従うと、式(I)に対応するC-グリコシド誘導体は、単独で又は他のC-グリコシド誘導体との混合物として、そしてすべての割合で使用され得る。
【0108】
本発明における使用に適するC-グリコシド誘導体は、国際公開第02/051828号に記載された合成方法により特に得られ得る。
【0109】
本発明に従う組成物において使用されるべきC-グリコシド誘導体の量は、所望される化粧的又は治療効果に依存し、広い範囲内で変化し得る。
当業者は、彼の常識に基づいて適切な量を容易に決定することができる。
【0110】
本発明に従う組成物は、組成物の合計重量に対して約0.0001重量%〜約25重量%の割合でC-グリコシド誘導体を、特に約0.001重量%〜約10重量%の活性物質、より特に組成物の合計重量に対して約0.05%〜約5重量%のC-グリコシド誘導体活性物質を含み得る。
【0111】
皮膚の炎症を起こしやすい化粧料又は医薬品化合物とC-グリコシド誘導体との質量比は、0.000004〜70 000,又は0.001〜5000さえ、好ましくは0.002〜2000の範囲であり得る。
【0112】
追加の活性剤
本発明に従って使用されるC-グリコシド誘導体は、少なくとも0.00001%〜95重量%の抗炎症剤又は他の鎮静剤、又はそれらの混合物ともまた混合され得る。
【0113】
挙げられ得る抗炎症性剤の例は以下を含む:
炎症性のサイトカイニンアンタゴニスト;
ステロイドの抗炎症性剤(ヒドロコルチゾン,ベタメタゾン,デキサメタゾン等);
非ステロイドの抗炎症性剤,例えばアスピリン又はパラセタモール;
及びそれらの混合物。
【0114】
本発明に従うと、用語「炎症性のサイトカイニンアンタゴニスト」は、1以上の炎症性のサイトカイニンの合成及び/又は放出を阻害することのできる化合物を意味する。炎症性のサイトカイニンアンタゴニストの定義には、これらのサイトカイニンのその受容器への結合を阻害する又はブロックする化合物も含まれる。
【0115】
挙げられ得る例は、IL-1,IL-8,TNFα及びTNFβのアンタゴニスト,トリペプチドLys-Pro-Val(KPV),及びすべてのαMSH誘導体及び受容器に結合することによる、又はIL1,IL8又はTNFαの放出の制御によるαMSHタイプの活性を特徴とする関連するペプチドメチック(peptidometic),サイトカイニン放出のすべての阻害剤(CSAID(サイトカイニン抑制抗炎症薬品)の治療クラス),置換されたピリミジンN-オキシドのファミリー(欧州特許出願公開第99401719.2号(優先権仏国特許出願公開第9809509号)及び欧州特許出願公開第99402771.2号(優先権仏国特許出願公開第9814211号)、リポキシンA4誘発剤,ケラチン生成細胞によるサイトカイニンの生産を調節することのできる藻の抽出物、例えばCodif社により販売されているPhycosaccharide(商標),藻Laminaria saccharinaの水−グリコール抽出物,特にSECMA社により販売されているPhlorogine(商標),Aloevera又はGingko bilobaの抽出物、IL-1(IL-1RA)の天然のアンタゴニスト及びTerminalia sericeaの樹皮及び根の抽出物又はIndena社により販売されているSericoside3058500を含む。
【0116】
本発明の一つの特定の実施態様に従うと、抗炎症剤は、ケラチン生成細胞によるサイトカイニンの生産を調節することのできる藻の抽出物、例えばCodif社により販売されているPhycosaccharide(商標)、藻Laminaria saccharinaの水−グリコール抽出物、特にSECMA社により販売されているPhlorogine(商標)、アロエベラの抽出物、Terminalia sericeaの樹皮及び根の抽出物又はIndena社により販売されているSericoside 3058500から選択される。
【0117】
抗炎症剤は、本発明に従う組成物中に、組成物の合計重量に対して0.00001%〜10重量%の範囲であり得る濃度で好ましくは存在する。さらにより優先的に、抗炎症性化合物の濃度は組成物の合計重量に対して0.0005%〜2重量%の範囲であり得る。
【0118】
本発明の組成物において使用され得る鎮静剤の例として、以下のものが挙げられ得る。
アラントイン;
ベーター-グリシルレチン酸,それを含む抽出物,例えばGlycyrrhizaglabra(カンゾウ)の抽出物、及びそれを含む複合体,例えばアラントイン/グリチルリチン酸の複合体;
凍結乾燥された、又は非凍結乾燥されたプランクトン、それらの抽出物およびそれらの複合体;
エスシン及びそれを含む抽出物、例えば一般的なセイヨウトチノキの抽出物;
キサンチン誘導体例えばジエチルアミノエチルテオフィリンヒドロクロリド;
水と、花及び植物の抽出物(例えば水性、水性−アルコールの又は水−グリコールの抽出物)、例えばコーンフラワー水、カモミール水、ミント水、ライム水、ローズウォーター、バラ科(Rosacea)植物(例えばローザ・ガリカ)の抽出物、ボタンの抽出物、サンザシの抽出物、セイヨウノコギリソウの抽出物、アオイの抽出物、マリーゴールドの抽出物、スイートクローバーの抽出物、セージの抽出物、エルダーベリー水、イチョウ抽出物、アルニカの抽出物、オレガノの抽出物、緑茶の抽出物、スイレンの花の抽出物、アイリスの抽出物、カバノキの樹皮の抽出物、及びアロエベラの抽出物;
アシアチン酸及びそれを含む植物抽出物、例えばCentella asiatica;
ビサボロール;
果実の抽出物,例えばパイナップルの抽出物,パパイヤの抽出物、グアバの抽出物;
藻、特にLaminariaタイプのもの(例えば赤又は褐色藻)例えば、褐色の藻Padina pavonicaの抽出物、例えばAlban Muller社により販売されているHPS 3 Padina Pavonica;
ピロリドンカルボキシレート及び特に亜鉛(Zn-PCA)又は銅(Cu-PCA)のもの;
植物起原のオイル、例えばカノーラ油及びシアバターオイル;
精油、例えばコリアンダー、バーム、ラベンダー、ミント、又はカモミール、及びそれらの混合物;
アセキサミック酸(acexamic acid)及びトランスキサミック酸(transexamic acid)(4-トランス-アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸);
ウルソール酸及びそれを含む抽出物、例えばローズマリーの葉の抽出物;
フコースを含む多糖類、例えばSolabiaにより販売されるFucogel 1000(フコース、ガラクトース、及びガラクツロン酸を含む多糖類の乾燥物質1%を含む水性溶液);
電解質、特に30%〜35%の塩化マグネシウム、20%〜28%の塩化カリウム,3%〜10%の塩化ナトリウム,0.2%〜1%の塩化カルシウム,0.1%〜0.6%の臭化マグネシウム、及び0.1%〜0.5%の不溶性物質を含む水性混合物、該混合物は本明細書において死海バスソルトと呼ばれる、なぜならそれは死海に含まれる主要な塩に対応するからである;
ガラクト脂質、例えば大麦から誘導されたもの、例えばジガラクトシルジグリセリド又はモノガラクトシルジグリセリド;
アミノ酸、それらの誘導体又はそれらの塩、例えばココイル鎖にグラフトされたアミノ酸のナトリウム塩(SEPPIC社によりSepicalm Sの名前で混合物の形で販売されている)、カプリロイルグリシン(SEPPIC社によりLipacide C8Gの名前で販売されている)、及びカプリロイルグリシン、シナモン及びサルコシンの混合物(SEPPIC社によりSepicontrol A5の名前で販売されている);
TNFαアンタゴニスト、例えばリソフィリン、A802715,サルファサラジン、CDP-571(抗TNFα抗体)及びMDL-201112;
サブスタンスPアンタゴニスト、例えばセンダイド、スパンタイドII及び欧州特許出願公開第680 749号に記載されたペプチド、及び欧州特許出願公開第761 204号に記載された糸状菌(filamentous bacteria)の抽出物;
CGRPアンタゴニスト,例えばCGRP 8-37,抗CGRP抗体,又はCGRP-抗体活性を有する植物(例えばIris pallida)の抽出物;
二価のストロンチウム、亜鉛、マンガン、マグネシウム、又はカルシウム塩、例えば書類国際公開第96/19184号、国際公開第96/19182号及び国際公開第96/19228号に記載されたもの、及びそれらの混合物。
【0119】
特に、他の鎮静剤は、アラントイン、β-グリシルレチン酸、それを含む抽出物、例えばGlycyrrhiza glabra(カンゾウ)の抽出物、及びそれを含む複合体、例えばアラントイン/グリシルレチン酸複合体、凍結された又は非凍結乾燥されたプランクトン、それらの抽出物及びそれらの複合体、水と、花及び植物の抽出物、すなわちカモミール水、ライム水、ローズ水、カバノキの抽出物:ビサボロール、精油、例えばコリアンダー、藻、特にLaminariaタイプのもの(例えば赤又は褐色の藻)例えば褐色の藻Padinapavonicaの抽出物、例えばAlban Muller社により販売されているHPS 3パディナ・パヴォニカ(Padina Pavonica);アセキサミック酸、及びトランスエキサミック酸(4-トランス-アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸);ウルソール酸及びそれを含む抽出物、例えばローズマリーの葉の抽出物、フコースを含む多糖類、例えばSolabia社により販売されているFucogel 1000;電解質、特に水性混合物、例えば死海バスソルト、アミノ酸、例えばSEPPIC製のSepicalm S及びVG及び二価のマグネシウム塩、例えばグルコン酸マグネシウムから有利に選択される。
【0120】
本発明の課題は、皮膚及び/又は粘膜及び/又は頭皮への局所施与のための組成物であって、生理学的に許容される媒体中に
0.00001%〜95%重量%の少なくとも1の抗炎症化合物、及び/又は鎮静化合物、及び
少なくとも1のC-グリコシド誘導体
を含む組成物である。
【0121】
抗炎症性化合物及び/又は鎮静化合物は上に記載されている通りである。
特定の実施態様に従うと、本発明は、皮膚及び/又は粘膜及び/又は頭皮における局所的施与のための組成物であって、生理学的に許容される媒体中に少なくともC-グリコシド誘導体及びバラ、特にバラ(Rosa)属のバラの抽出物を含む組成物に関する。
【0122】
特定の実施態様に従うと、C-グリコシド誘導体は上で定義された通りであり、より特別の定義に含まれ、特に水/プロピレングリコール混合物中(60重量%/40重量%)に30重量%の活性物質を含む溶液の形におけるC-β-D-キシロピラノシド-2-ヒドロキシプロパン、例えばCHIMEXによりMexoryl SBB(商標)の商標名で製造されている製品である。
【0123】
バラ科は、1000種超を含み、その中ではローザ・アルバ(Rosa alba),ローザ・アルピナ(Rosa alpina),ローザ・カニーナ(Rosa canina),ローザ・シナモニア(Rosa cinnamonea),ローザ・ガリカ(Rosa gallica)、ローザ・リペンス(Rosa repens),ローザ・ルブリフォリア(Rosa rubrifolia),ローザ・ルビギノーサ(Rosa rubiginosa),ローザ・センパヴィレンス(Rosa sempervirens)ローザ・スピノシッシマ(Rosa spinosissima),ローザ・スチロサ(Rosa stylosa),ローザ・トメントサ(Rosa tomentosa)又はローザ・ヴィロサ(Rosa villosa)が挙げられ得る。
【0124】
本発明に従って使用されるバラ科の植物の抽出物は、ローザ・アルバ(Rosa alba)L,ローザ・アルピナ(Rosa alpina),ローザ・カニーナ(Rosa canina)L,ローザ・センチフォーリア(Rosa centifolia)L,ローザ・シナモニア(Rosa cinnamonea),ローザ・ダマシナミル(Rosa damascena Mill),ローザ・ガリカ(Rosa gallica)L,ローザ・リペンス(Rosa repens),ローザ・ルブリフォリア(Rosa rubrifolia),ローザ・ルビギノーサ(Rosa rubiginosa),ローザ・センパヴィレンス(Rosa sempervirens)ローザ・スピノシッシマ(Rosa spinosissima),ローザ・スチロサ(Rosa stylosa),ローザ・トメントサ(Rosa tomentosa),ローザ・ヴィロサ(Rosa villosa)の中から選択された種に関する少なくとも1の植物から得られる物質から出発して製造された抽出物であることができる。
【0125】
本発明に従うと好ましくは、植物はローザ・ガリカL種に属する。
【0126】
本発明に従って使用されるローザ種の少なくとも1の植物の抽出物は、植物全体又は植物の一部、例えばシート、茎、花、花びら、根、又は分化していない細胞から得られる植物性の物質から出発して得られることができる。
【0127】
本発明に従うと、組成物において使用されるローザ種の植物の抽出物の量は、もちろん要求される効果の関数であり、即ち全体的に変動することができる。
【0128】
当業者の公知の抽出の任意の方法が、本発明に従う組成物において得られる抽出物を製造するために使用されることができる。
【0129】
特に、水性、アルコール性の、又は有機溶媒を使用する抽出物を挙げることができる。
【0130】
水性溶媒により、完全に又は部分的に水から構成された任意の溶媒を理解する。即ち、水自身、任意の割合におけるアルコール性溶媒、又は任意の割合における水及びプロピレングリコールのような化合物から構成された溶媒を挙げることができる。アルコール性の溶媒の中で、特にエタノールを挙げることができる。本発明に従って使用される製造方法が何であれ、保存及び/又は安定化を支持することを目的とする次の工程が、抽出物の性質を変化させる工程なしに、追加されることができる。即ち、例えば得られた抽出物は慣用の凍結乾燥のすべての方法により凍結乾燥されることができる。すなわち、直接使用されることができる、又は使用前に適切な溶媒に混合されることができる粉末を得ることができる。
【0131】
本発明に従って使用される、前に記載されたローザ種の植物抽出物は、組成物中に、組成物の合計重量に対して0.001〜50重量%、好ましくは0.01%〜30重量%,優先的には0.1〜15重量%の含有量で存在することができる。
【0132】
特定の実施態様に従うと、本発明は少なくとも1のC-グリコシド誘導体及びバラ科ローザ・ガリカの抽出物を含む組成物に関する。
【0133】
組成物
本発明の組成物は、化粧料組成物又は皮膚科学組成物であり得る。
【0134】
本発明に従うC-グリコシド誘導体は、皮膚の炎症を起こしやすい化合物を含む化粧料組成物又は皮膚科学組成物に取り込まれ得るか、又は代替に従うと、別の鎮静剤組成物に取り込まれ得る。該鎮静剤組成物は、炎症性の相を開始することを所望される(ある種の用途(血管拡張、除毛、等)に有用であり得る)か、又は反対にそれを予防することを所望されるかに依存して、皮膚の炎症を起こしやすい化合物を含む組成物の前又は後に施与される。
【0135】
ある種の落屑剤即ちピーリング剤の場合、例えば、皮膚の非細胞性のプロ炎症性の変化(血管拡張)を改めること又は毛を表皮から除去することを誘起することを意図されたピーリング剤を含む組成物を第一段階において施与し、そして次に第二段階において、非細胞性のプロ炎症性の事象が細胞の移動の工程及び走化(chemoattraction)(急性の炎症性の反応及び体に襲い掛かるとき、有害であり得る免疫学的メカニズムを含む,所望されない慢性化の相をもたらし得る)により伝達されることを予防することを意図されたC-グリコシド誘導体を含む鎮静剤組成物を施与することが実際には有利であり得る。
【0136】
生理学的に許容される媒体は、水、有機溶媒、例えばC1〜C8のアルコール、特にエタノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、又はn−ブタノール;ポリオール、例えばグリセロール;グリコール、例えばブチレングリコール、イソプレングリコール、プロピレングリコール又はポリエチレングリコール、例えばPEG-8;ポリオールエーテル、アセトン及び酢酸エチルを含み得る。
【0137】
本発明の組成物は、即ち、皮膚(頭皮を含む)、ケラチン繊維(毛、睫、又は眉毛)、爪、又は口唇を処置する又はケアするための組成物、又はアンチサン組成物又は人工日焼け組成物、又は皮膚、毛、眉毛をクレンジングするための製品又は皮膚、毛、眉毛又は睫からメイクアップを除去するための製品、デオドラント製品又は芳香性化合物を構成し得る。そうすると、本発明の組成物は、一般的には着色されておらず、又は弱く着色されており、任意的に化粧料又は皮膚科学の活性剤を含み得る。そうすると、本発明の組成物は、皮膚又は口唇のためのケアベースとして(寒さ及び/又は日光及び/又は風に対して口唇を保護するためのリップバーム)、顔及び/又は体の皮膚のためのデイケアクリーム又はナイトケアクリームとして使用され得る。それは着色するための又は非着色するための薬剤を添加された、又は薬剤を添加されていないシャンプー、及びヘアコンディショニング化合物の形態であってもよい。
【0138】
本発明に従う組成物は、着色された化粧料組成物、特に皮膚、ケラチン繊維(毛又は睫)及び/又は粘膜のためのメイクアップ組成物、特にファンデーション、頬紅、メイクアップルージュ、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、スティックの形態のコンシーラー化合物、爪のマニュキア、口紅若しくはリップグロス(任意的にケア又はトリートメントの性質を有していてもよい)又は体のタトゥーをも構成し得る。
【0139】
即ち、本発明の課題は、ケラチン物質(頭皮を含む皮膚、ケラチン繊維、及び粘膜)をケアする、処置する、クレンジングする、及び/又はメイクアップするために、上で定義された組成物の化粧的使用でもある。
【0140】
本発明に従う組成物は、局所的施与のために慣用的に使用される剤型(galenical form)、特にローション又は美容液タイプの分散物、ミルクタイプの液体又は半液体の粘度のエマルジョン(脂肪相を水性相に(O/W)又は逆に(W/O)に分散させることにより得られる)の分散物、又はクリーム又はゲルタイプの柔軟な、半柔軟な又は固体の粘度の懸濁物又はエマルジョン、又はマルチエマルジョン(W/O/W又はO/W/O)、マイクロエマルジョン、ナノエマルジョン、イオン性及び/又はノニオンタイプのベシクルの分散物、又はワックス/水性相の分散物の形態である。これらの組成物は通常の方法に従って製造される。
【0141】
それは、活性剤、例えばパッチタイプ又はパッチゲルタイプ(ハイドロゲル)の積極的な又は受動的な皮膚を通しての放出を許す皮膚を通しての系の形態であってもよい。
【0142】
組成物がエマルジョンの形態であるとき、エマルジョンの油性相の割合は、組成物の合計重量に対して例えば5%〜80重量%、好ましくは5%〜50重量%の範囲であり得る。エマルジョンの形態の組成物において使用される油、乳化剤、及び共乳化剤は、化粧料又は皮膚科学において慣用的に使用されるものから選択される。
【0143】
乳化剤及び共乳化剤は、組成物の合計重量に対して0.3%〜30重量%、好ましくは0.5%〜20重量%の範囲の割合で一般的に存在する。エマルジョンは脂質ベシクルをも含み得る。
【0144】
保湿剤もまた使用され得、その中で特に以下のものが挙げられ得る。
グリセロール,
ヒドロキシエチルウレア又はNational Starch製のHydrovance(商標)
ポリオール
アミノ酸及びそれらのN-アシル誘導体
ピロリドンカルボン酸及びそれらの塩及びN-アシル誘導体、
糖、それらのアルキルエーテル及びそれらのアルキルエステル、
不均一なポリホロサイド(polyholoside)
トレハロース
エクトイン
グリコサミノグリカン及びそれらのサルフェート、
リン脂質及びホスホリルコリン基を含むポリマー
コレステロール
フィトステロール、及び
ヒアルロン酸。
【0145】
使用される油の例は、植物起源の炭化水素をベースとする油、合成エステル及びエーテル、シリコーンオイル、及びそれらの混合物を含む。
【0146】
界面活性剤も水性相及び油性相の混合物を均一化するために添加され得る。
【0147】
以下の実施例は、本発明の分野の非制限的な例示として与えられる。
【0148】
使用されるC-グリコシド誘導体は、Mexoryl SBB(商標)の商標名でChimex社により販売されるC-β-D-キシロピラノシド-2-ヒドロキシプロパンである。それは60/40の水/プロピレングリコール混合物中に30重量%の活性物質を含む溶液の形態である。
【実施例】
【0149】
実施例1:C-グリコシド化合物の抗炎症効果の評価
試験は、皮膚の炎症を起こしやすい剤、レチノール、に対する表面の表皮細胞の反応の阻害に対するC-β-D-キシロピラノシド-2-ヒドロキシプロパンの効果を、皮膚の炎症を起こしやすい剤での刺激後にヒトの表皮の正常なケラチン生成細胞(NHEK)により分泌されるインターロイキン−8を分析することにより評価することからなる。
【0150】
研究の原理及び目的
この研究はWilmerにより開発された試験を使用する[Wilmer,J.L.ら,J. invest. Dermatol.,第102巻:915〜922ページ(1994年)]。この試験は、ヒトのケラチン生成細胞(NHEK)の細胞株に対する種々の分子の抗炎症能力の評価を許す。この試験において、炎症の状況は培養媒体へのレチノールの添加により、NHEKによるIL-8(Il-8はケラチン生成細胞の炎症の開始に関与する)の生産を悪化させることにより模倣される。次にC-グリコシド化合物の抗炎症効果は、この悪化された生産に関するその阻害作用により測定される。
【0151】
実験条件
ヒトの表皮の正常なケラチン生成細胞が37℃において24時間10-6Mレチノールの存在下でインキュベートされる。レチノールに対する反応において、走化性の剤インターロイキン8(IL-8)の生産が、R&D社により販売されているアッセイキット(Elisa D8050)を使用して酵素アッセイにより測定される。アッセイキットにより供給される手順に従って、マイクロプレートリーダー(MRX/Dynatech)で吸光度が測定される。該C-グリコシド化合物の抗炎症保護効果を評価するために、ヒトのケラチン生成細胞による走化性マーカーIL-8の生産が0.04%以上の種々の濃度のC-グリコシド活性物質の存在下で測定される。
【0152】
対照試験もまた、参照鎮静剤であるデキサメタゾンを使用して行われる。
【0153】
結果はバックグランドのノイズを引いた後の対照の値の百分率として、及び化合物の存在下で得られるこれらの値の阻害の百分率として表される。
【0154】

【0155】

【0156】
これらの結果は、C-β-D-キシロピラノシド-2-ヒドロキシプロパンがレチノールの炎症反応を減少させることを明らかに示す。
【0157】
実施例2:美容液

【0158】
実施例3:O/Wエマルジョン

【0159】
実施例4:アフターサンの鎮静化ゲル

【0160】
実施例5:透明な剥離ゲル

【0161】
実施例6:クリームデオドラント

【0162】
実施例7:フェーシャルクレンザー


【特許請求の範囲】
【請求項1】
C−グリコシド誘導体を鎮静剤として非治療的に使用する方法。
【請求項2】
赤み、痒み、発熱感、火傷感、刺すこと、及びつっぱり感から選択された皮膚の反応を予防する及び/又は処置するための、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記C−グリコシド誘導体が、落屑剤,レチノイド,ビタミンD及びその誘導体,ビタミンB9及びそれらの誘導体,尿素及びその誘導体,過酸化物,抗毛喪失剤,毛染め及び毛の着色剤,制汗剤,除毛剤及び/又はパーマネントウェーブ活性剤,チオグリコレート及びそれらの塩,フェノキシエタノール,1,2-ペンタンジオール,芳香性アルコール溶液,アントラリン,アントラノイド,リチウム塩,脱色素剤,発熱効果を有する痩身剤,ニコチネート類及びそれらの誘導体,カプサイシン,抗シラミ活性剤,抗増殖剤,抗ウィルス剤,抗寄生虫剤,抗菌剤,抗痒疹剤,抗脂漏性剤、サンスクリーン、プロ着色剤及びアニオン性,カチオン性又は両性界面活性剤,及びそれらの混合物の群から選択された皮膚の炎症を起こしやすい1以上の化合物を含む化粧料組成物又は皮膚科学組成物の炎症効果を予防する及び/又は減少させることを意図されていることを特徴とする,請求項1又は2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項4】
敏感な皮膚及び/又は頭皮の処置のために、少なくとも1のC−グリコシド誘導体を非治療的に使用する方法。
【請求項5】
皮膚の炎症と関連する皮膚の病気を予防する及び/又は処置するための皮膚科学的組成物を製造するために、少なくとも1のC−グリコシド誘導体を使用する方法。
【請求項6】
C-グリコシド誘導体が、下記一般式(I)の化合物、及びそれらの化粧料的に許容される塩、それらの溶媒和物、例えば水和物、及びそれらの異性体であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法、

ここで
Rは以下:
飽和のC1〜C20又は不飽和のC2〜C20の直鎖のアルキル基、又は飽和又は不飽和の,分岐状又は環状のC3〜C20のアルキル基;
飽和のC1〜C20又は不飽和のC2〜C20、又は飽和又は不飽和の、分岐状又は環状のC3〜C20の直鎖のヒドロフルオロアルキル又はパーフルオロアルキル基;
を表し、上記の基を構成する炭化水素をベースとする鎖は、適切であれば、以下:
酸素,
硫黄,
窒素、及び
ケイ素
から選択された1,2,3又はより多いヘテロ原子で中断されていてもよく、かつ以下
-OR4
-SR4
-NR4R5
-COOR4
-CONHR4
-CN,
ハロゲン原子,
C1〜C6のヒドロフルオロアルキル又はパーフルオロアルキル基,及び/又は
C3〜C8のシクロアルキル基,
(ここでR4及びR5は、互いに独立して水素原子、又は飽和のC1〜C30又は不飽和のC2〜C30、又は飽和又は不飽和の,分岐状又は環状のC3〜C30の直鎖のアルキル,パーフルオロアルキル又はヒドロフルオロアルキル基;又はC6〜C10のアリール基を表していてもよい)から選択された少なくとも一の基で置換されていてもよい、
Xは以下の基から選択された基を表す、


ここでR1,R2及びR3は、互いに独立して,水素原子又は基R(Rは上で定義された通りである)を表し、R1’は水素原子,-OH基又は上で定義された基Rを表し、R1はC6〜C10のアリール基を表してもよい;
Sは、L及び/又はDシリーズのピラノース及び/又はフラノースの形の単糖類又は20糖単位までを含む多糖類を表し、該単糖類又は多糖類は、必ず遊離であるヒドロキシル基で、及び任意的に保護された1以上のアミン官能基で任意的に置換されていてもよく、
結合S-CH2-Xは、α又はβであってよいC-アノマー性の結合を表す。
【請求項7】
Sが、D-グルコース,D-キシロース,L-フコース,D-ガラクトース及びD-マルトースから選択された単糖類を表すことを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
Xが、-CO-,-CH(OH)-及び-CH(NH2)-から選択された基を表すことを特徴とする、請求項5又は6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
Rが、-OH,-COOH又は-COOR”2(R”2は飽和のC1〜C4のアルキル基である)で任意的に置換されていてもよい直鎖のC1〜C4の基を表すことを特徴とする、請求項6,7、又は8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
C-グリコシド誘導体が、C-β-D-キシロピラノシド-2-ヒドロキシプロパン及びC-α-D-キシロピラノシド-2-ヒドロキシプロパンから選択される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
生理学的に許容される媒体中に、少なくとも1のC-グリコシド誘導体及び皮膚の炎症を起こしやすい少なくとも1の化粧料化合物又は医薬品化合物を含む、皮膚及び/又は粘膜及び/又は頭皮への局所的施与のための組成物であって、該化粧料化合物又は医薬品化合物が、落屑剤,レチノイド,ビタミンD及びその誘導体,ビタミンB9及びその誘導体,尿素及びその誘導体,過酸化物,抗脱毛剤,毛染め及び毛の着色剤,制汗剤,除毛剤及び/又はパーマネントウェーブ活性剤,チオグリコレート及びそれらの塩,フェノキシエタノール,1,2-ペンタンジオール,アントラリン,アントラノイド,リチウム塩,脱色素剤,発熱効果を有する痩身剤、ニコチネート類及びそれらの誘導体,カプサイシン,抗シラミ活性剤,抗増殖剤,抗ウィルス剤,抗寄生虫剤,抗菌剤,抗痒疹剤,抗脂漏性剤、サンスクリーン及び着色剤;カチオン性又は両性界面活性剤;アルキルサルフェート及びアルキルエーテルサルフェート,及びそれらの混合物の群から選択されるところの組成物。
【請求項12】
少なくとも1の抗炎症剤又は鎮静剤、又はそれらの混合物をもまた含むことを特徴とする、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
バラ科(Rosacea)ローザ・ガリカ(Rosa gallica)の抽出物を含むことを特徴とする、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
皮膚、毛及び/又は頭皮に請求項11〜13のいずれか1項に記載の化粧料組成物を施与することからなる少なくとも1の工程を含むことを特徴とする、皮膚、毛、及び/又は頭皮の非治療的なケアのための化粧方法。

【公開番号】特開2008−13564(P2008−13564A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−173934(P2007−173934)
【出願日】平成19年7月2日(2007.7.2)
【出願人】(595100370)ロレアル (108)
【氏名又は名称原語表記】L′OREAL
【Fターム(参考)】