説明

帯状金属薄板の突合せ接合装置

【課題】 幅広の帯状金属薄板であっても、先行の帯状金属薄板の終端と後行の帯状金属薄板の始端との突き合せ作業を簡単且つ正確に行えるようにする。
【解決手段】 先行の帯状金属薄板W1及び後行の帯状金属薄板W2を載置する作業用テーブル2を設けたキャビネット本体1と、先行の帯状金属薄板W1の終端部上面及び後行の帯状金属薄板W2の始端部上面を保持する上部クランプ4と、先行の帯状金属薄板W1と後行の帯状金属薄板W2の突合せ部近傍を上部クランプ4とで挾持固定する下部治具5と、両帯状金属薄板W1,W2の位置決めを行うセンタープレート6と、両帯状金属薄板W1,W2の突合せ部を突合せ溶接する溶接装置8とを具備した帯状金属薄板の突合せ接合装置に於いて、下部治具5に、先行の帯状金属薄板W1の終端部と後行の帯状金属薄板W2の始端部とを下部治具5の上面へ密着状に保持固定するワーククランプ7を配設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯状金属薄板を所定の幅に切断するスリッターライン、帯状金属薄板の焼鈍処理を行う焼鈍ライン、帯状金属薄板の表面処理を行うメッキライン、帯状金属薄板からパイプを生産する造管ライン、帯状金属薄板からリードフレーム等の各種部品を生産するプレスライン等にそれぞれ設置され、ライン上を流れている先行の帯状金属薄板の終端に新しい後行の帯状金属薄板の始端を突合せ溶接により接合するようにした帯状金属薄板の突合せ接合装置の改良に係り、特に、厚み(0.1mm〜0.4mm)の薄い幅広(100mm以上)の帯状金属薄板であっても、先行の帯状金属薄板の終端と後行の帯状金属薄板の始端との突き合せ作業を簡単且つ容易に行え、両帯状金属薄板の突合せ部の重なりやズレ、突合せ部の部分的な隙間が全くない理想的な突き合せを行えるようにした帯状金属薄板の突合せ接合装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、コイル状に巻き取られた帯状金属薄板の加工や熱処理、表面処理等を連続的に行うスリッターラインや焼鈍ライン、メッキライン、造管ライン、プレスライン等に於いては、生産性の向上及び品質の安定化等を図るため、ライン上を流れている先行の帯状金属薄板の終端に新しい後行の帯状金属薄板の始端を突合せ溶接により接合し、新しい帯状金属薄板を各ラインへ連続的に供給することが行われている。
【0003】
従来、ライン上を流れている先行の帯状金属薄板の終端に新しい後行の帯状金属薄板の始端を突合せ溶接により接合する装置としては、本件発明者が先に開発した帯状金属薄板の突合せ接合装置が知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0004】
即ち、前記帯状金属薄板の突合せ接合装置は、図示していないが、先行の帯状金属薄板の終端部及び後行の帯状金属薄板の始端部を支持載置する作業用テーブルを設けたキャビネット本体と、先行の帯状金属薄板の終端部及び後行の帯状金属薄板の始端部を幅方向に沿って切断する切断装置と、作業用テーブルの上方に間隔を空けて対向状に配設され、先行の帯状金属薄板の終端部上面及び後行の帯状金属薄板の始端部上面を保持する前後移動自在な左右の上部クランプと、作業用テーブルの中央部にその上面より所定距離だけ下方に位置した状態で配設され、シリンダにより作業用テーブルと同一高さ位置まで押し上げられて先行の帯状金属薄板の終端と後行の帯状金属薄板の始端とを突き合せた状態で両帯状金属薄板の突合せ部近傍を左右の上部クランプとで上下方向から挾持固定する下部クランプ(下部治具)と、下部クランプの中央部に垂直状に挿通され、上端部が下方位置にある下部クランプの上面より上方へ突出して先行の帯状金属薄板の終端及び後行の帯状金属薄板の始端の位置決めを行う固定状態のセンタープレートと、作業用テーブル上に上下動自在に設けられ、両帯状金属薄板を作業用テーブル上へ保持固定する左右のワーククランプと、両帯状金属薄板の突合せ部を突合せ溶接する溶接装置等から構成されている。
【0005】
而して、上述した帯状金属薄板の突合せ接合装置を用いて先行の帯状金属薄板の終端に後行の帯状金属薄板の始端を突合せ溶接により接合する場合には、先ず、切断装置により幅方向に沿って切断加工した先行の帯状金属薄板の終端部及び後行の帯状金属薄板の始端部をそれぞれ左右のワーククランプの下方へ挿入し、先行の帯状金属薄板の終端(切断端面)及び後行の帯状金属薄板の始端(切断端面)をセンタープレートの両側面へそれぞれ当接させ、この状態で左右のワーククランプを作動させて両帯状金属薄板を作業用テーブルの上面へ保持固定する。
【0006】
次に、左右の上部クランプを前進させて下部クランプの上方に位置させた後、下部クランプをシリンダにより作業用テーブルと同一高さ位置まで上昇させる。そうすると、センタープレートの上端部が両帯状金属薄板の切断端面から引き抜かれる。これに伴って、先行の帯状金属薄板の終端部及び後行の帯状金属薄板の始端部は、作業用テーブルと下部クランプとの段差によって撓みが生じているため、各帯状金属薄板の持っている弾性力によって近づく方向へ移動し、先行の帯状金属薄板の終端と後行の帯状金属薄板の始端とが正確に突合された状態で両帯状金属薄板の突合せ部近傍が左右の上部クランプと下部クランプとにより上下方向から挾持固定される。
【0007】
そして、両帯状金属薄板の突合せ部近傍が上部クランプ及び下部クランプにより挾持固定されたら、溶接装置を作動させて両帯状金属薄板の突合せ部を突合せ溶接する。
【0008】
前記帯状金属薄板の突合せ接合装置は、帯状金属薄板の撓み及び弾性力を利用して帯状金属板の端面同士の突き合せを行うようにしているため、幅が100mm以下の比較的狭い帯状金属薄板を突き合せる場合には、帯状金属薄板の持っている弾性力等を利用して帯状金属薄板の端面同士を簡単且つ正確に突き合せることができる。その結果、部分的な重なりや隙間のない理想的な突合せ溶接を行えることになる。
【0009】
しかし、従来の帯状金属薄板の突合せ接合装置は、幅が100mm以上の幅広の帯状金属薄板を突き合せる場合、先行の帯状金属薄板及び後行の帯状金属薄板をワーククランプにより作業用テーブルの上面へ保持固定したときに、両帯状金属薄板の撓みの量が手前側と奥側とで不均一になることが多く、先行の帯状金属薄板の終端と後行の帯状金属薄板の始端とが完全に突き合されず、先行の帯状金属薄板と後行の帯状金属薄板とが部分的に重なったり、或いは両帯状金属薄板の突合せ部に部分的な隙間を生じたりすると云う問題が発生している。
このような状態で両帯状金属薄板を突合せ溶接すると、溶接部に穴あきや重なり不良が発生することになり、精密な突合せ溶接を行えないことになる。
特に、厚みが0.1mm〜0.4mm位で幅が100mm以上の極めて薄い幅広の帯状金属薄板の場合、両帯状金属薄板を正確に且つ完全に突き合せるのが極めて困難であり、精密な突合せ溶接を行えないと云う問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許第2899276号公報
【特許文献2】特許第3564006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、このような問題点に鑑みて為されたものであり、その目的は、厚みの薄い幅広の帯状金属薄板であっても、先行の帯状金属薄板の終端と後行の帯状金属薄板の始端との突き合せ作業を簡単且つ容易に行え、両帯状金属薄板の突合せ部の重なりやズレ、突合せ部の部分的な隙間が全くない理想的な突き合せを行えるようにした帯状金属薄板の突合せ接合装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1の発明は、幅方向に沿って切断した先行の帯状金属薄板の終端部及び後行の帯状金属薄板の始端部を支持載置する作業用テーブルを設けたキャビネット本体と、作業用テーブルの上方に間隔を空けて対向状に配設され、先行の帯状金属薄板の終端部上面及び後行の帯状金属薄板の始端部上面を保持する左右の上部クランプと、作業用テーブルに上下動自在に配設され、先行の帯状金属薄板の終端と後行の帯状金属薄板の始端とを突き合せた状態で両帯状金属薄板の突合せ部近傍を左右の上部クランプとで上下方向から挾持固定する平盤状の下部治具と、下部治具に垂直状に挿通され、先行の帯状金属薄板の終端及び後行の帯状金属薄板の始端の位置決めを行うセンタープレートと、両帯状金属薄板の突合せ部を突合せ溶接する溶接装置とを具備した帯状金属薄板の突合せ接合装置に於いて、前記下部治具に、先行の帯状金属薄板の終端部と後行の帯状金属薄板の始端部とをそれぞれ下部治具の上面へ密着状態で保持固定する左右のワーククランプを上下動自在に配設したことに特徴がある。
【0013】
本発明の請求項2の発明は、平盤状の下部治具が、作業用テーブルの中央部に作業用テーブルの上面と同じ高さ位置に保持されており、両帯状金属薄板の突合せ部近傍を左右の上部クランプとで上下方向から挾持固定する際に、流体圧シリンダにより作業用テーブルの上面よりも上方位置へ押し上げられる構成としたことに特徴がある。
【発明の効果】
【0014】
本発明の請求項1の帯状金属薄板の突合せ接合装置は、先行の帯状金属薄板と後行の帯状金属薄板の突合せ部近傍を左右の上部クランプとで上下方向から挾持固定する平盤状の下部治具に、先行の帯状金属薄板の終端部と後行の帯状金属薄板の始端部とをそれぞれ下部治具の上面へ密着状態で保持固定する左右のワーククランプを上下動自在に配設する構成としているため、先行の帯状金属薄板の終端と後行の帯状金属薄板の始端とを下部治具の上面で突き合せ固定するときに、先行の帯状金属薄板の終端部と後行の帯状金属薄板の始端部とが真っ直ぐな平板になった状態で両帯状金属薄板の突き合せ固定を行える。
その結果、本発明の請求項1の帯状金属薄板の突合せ接合装置を用いれば、厚みの薄い幅広の帯状金属薄板であっても、先行の帯状金属薄板の終端と後行の帯状金属薄板の始端との突き合せ作業を簡単に且つ正確に高精度で行え、両帯状金属薄板の突合せ部の重なりやズレ、突合せ部の部分的な隙間が全くない理想的な突き合せを行える。延いては、溶接部の穴あきや重なり不良がなくなり、作業員が初心者であっても、安定した精密な突合せ溶接を行える。
【0015】
又、本発明の請求項2の帯状金属薄板の突合せ接合装置は、平盤状の下部治具が、作業用テーブルの中央部に作業用テーブルの上面と同じ高さ位置に保持されており、両帯状金属薄板の突合せ部近傍を左右の上部クランプとで上下方向から挾持固定する際に、流体圧シリンダにより作業用テーブルの上面よりも上方位置へ押し上げられる構成としているため、先行の帯状金属薄板の終端と後行の帯状金属薄板の始端とを突き合せ固定する際には、下部治具の上面が作業用テーブルの上面と面一になっているので、作業用テーブル及び下部治具に載せた両帯状金属薄板の突き合せ作業をより一層簡単且つ容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態に係る帯状金属薄板の突合せ接合装置の斜視図である。
【図2】帯状金属薄板の突合せ接合装置の正面図である。
【図3】帯状金属薄板の突合せ接合装置の側面図である。
【図4】左右の上部クランプ及び溶接装置を示し、(a)は上部クランプ及び溶接装置の平面図、(b)は上部クランプ及び溶接装置の側面図である。
【図5】図4のA−A線拡大断面図である。
【図6】図4のB−B線拡大断面図である。
【図7】ワーククランプを配設した下部治具の平面図である。
【図8】ワーククランプを配設した下部治具の側面図である。
【図9】ワーククランプを配設した下部治具の底面図である。
【図10】ワーククランプを配設した下部治具の縦断正面図である。
【図11】先行の帯状金属薄板の終端と後行の帯状金属薄板の始端とを突き合せた状態で先行の帯状金属薄板の終端部と後行の帯状金属薄板の始端部とを左右のワーククランプにより下部治具の上面へ保持固定した状態の要部の縦断正面図である。
【図12】下部治具を上昇させて両帯状金属薄板の突合せ部近傍を左右の上部クランプと下部治具とで上下方向から挾持固定し、両帯状金属薄板の突合せ部を溶接装置により突合せ溶接する状態の要部の縦断正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1乃至図3は本発明の実施の形態に係る帯状金属薄板の突合せ接合装置を示し、当該帯状金属薄板の突合せ接合装置は、コイル状に巻き取られた帯状金属薄板の加工や熱処理、表面処理等を連続的に行うスリッターラインや焼鈍ライン、メッキライン、造管ライン、プレスライン等の各ライン上に設置されており、ライン上を流れている先行の帯状金属薄板W1の終端に新しい後行の帯状金属薄板W2の始端を突合せ溶接により接合し、新しい後行の帯状金属薄板W2を先行の帯状金属薄板W1に引き続いてライン上へ供給できるようにしたものである。
【0018】
即ち、前記帯状金属薄板の突合せ接合装置は、図1乃至図3に示す如く、先行の帯状金属薄板W1の終端部及び後行の帯状金属薄板W2の始端部を支持載置する水平な作業用テーブル2を設けたキャビネット本体1と、先行の帯状金属薄板W1の終端部及び後行の帯状金属薄板W2の始端部を幅方向に沿って切断する切断装置3と、作業用テーブル2の上方に間隔を空けて対向状に配設され、先行の帯状金属薄板W1の終端部上面及び後行の帯状金属薄板W2の始端部上面を保持する左右の上部クランプ4と、作業用テーブル2の中央部に上下動自在に配設され、先行の帯状金属薄板W1の終端と後行の帯状金属薄板W2の始端とを突き合せた状態で両帯状金属薄板W1,W2の突合せ部近傍を左右の上部クランプ4とで上下方向から挾持固定する平盤状の下部治具5と、下部治具5に垂直状に挿通され、先行の帯状金属薄板W1の終端及び後行の帯状金属薄板W2の始端の位置決めを行う昇降自在なセンタープレート6と、下部治具5に上下動自在に配設され、先行の帯状金属薄板W1の終端部と後行の帯状金属薄板W2の始端部とをそれぞれ下部治具5の上面へ密着状態で保持固定する左右のワーククランプ7と、両帯状金属薄板W1,W2の突合せ部を突合せ溶接する溶接装置8と、両帯状金属薄板W1,W2の溶接部を圧延して溶接部の厚みや組織を均一化する手動式の圧延装置9とを具備しており、板厚が0.1mm〜0.5mmで且つ幅が100mm以上の幅広の帯状金属薄板であっても、先行の帯状金属薄板W1の終端と後行の帯状金属薄板W2の始端との突き合せ作業を簡単に且つ正確に高精度で行え、両帯状金属薄板の突合せ部の重なりやズレ、突合せ部の部分的な隙間が全くない理想的な突合せ溶接を行えるようにしたものである。
【0019】
尚、切断装置3及び圧延装置9は、作業用テーブル2の奥側のキャビネット本体1内に前後方向(両帯状金属薄板W1,W2の幅方向)へ往復移動自在に配設されており、両帯状金属薄板W1,W2の切断時、両帯状金属薄板W1,W2の溶接部の圧延時に作業用テーブル2側へそれぞれ引き出されるようになっている。この切断装置3及び圧延装置9は、従来公知のものと同様構造に構成されているため、ここではその詳細な説明を省略する。
【0020】
前記キャビネット本体1は、図1に示す如く、前面側の中間部分に水平姿勢の作業用テーブル2を備えており、当該作業用テーブル2の中央部には、下部治具5が収容される矩形状の大きな開口2aが形成されている。
又、キャビネット本体1の前面側には、溶接条件等を設定して溶接電流や溶接速度等を表示するタッチパネル10や各種スイッチ11等が配設されている。
更に、キャビネット本体1の内部には、溶接用電源装置及びその制御装置、溶接用ガスボンベ及びその付属品、切断装置3及び溶接装置8の制御装置等がそれぞれ格納されている(何れも図示省略)。
【0021】
前記左右の上部クランプ4は、キャビネット本体1内に収納されて作業用テーブル2の開口2a上方位置へ水平移動する溶接装置8の上部フレーム12の下面側に、両帯状金属薄板W1,W2の幅方向に沿う姿勢で且つ所定の間隙を空けて対向状に配設されており、先行の帯状金属薄板W1の終端部上面及び後行の帯状金属薄板W2の始端部上面を保持するものである。この左右の上部クランプ4は、両帯状金属薄板W1,W2の突合せ部を溶接する際に、主にアークの拡がりを遮断して両帯状金属薄板W1,W2の突合せ部にアークエネルギーを集中的に与えるものである。
【0022】
具体的には、左右の上部クランプ4は、図4乃至図6に示す如く、銅材により両帯状金属薄板W1,W2の幅よりも長めの長尺板状に形成されており、上部フレーム12の下面側に左右のスライド板13及び複数のリニアガイド14(リニアガイド14は、案内レール14a及び案内レール14a上を摺動するスライダ14bから成る)を介して両帯状金属薄板W1,W2の走行方向へ往復移動自在に取り付けられ、突合せ溶接する両帯状金属薄板W1,W2の厚みに応じてその間隙を調整できるように構成されている。
又、左右の上部クランプ4は、両帯状金属薄板W1,W2の走行方向へ往復移動する左右のスライド板13の下面側に複数本のボルト15により上下方向へ揺動自在に取り付けられており、左右のスライド板13と左右の上部クランプ4との間に介設した複数の圧縮コイルスプリング16により下方へ附勢され、鋭角状に形成した先端部が両帯状金属薄板W1,W2の突合せ部近傍の上面へ弾性的に当接するようになっている。
更に、左右の上部クランプ4は、上部フレーム12と左右のスライド板13との間に設けたクランプ幅調整機構17により両帯状金属薄板W1,W2の走行方向へ往復移動し、突合せ溶接する両帯状金属薄板W1,W2の厚みに応じて左右の上部クランプ4間の間隙を微調整できるように構成されている。
【0023】
前記クランプ幅調整機構17は、図5に示す如く、左右のスライド板13の上面に固定したクランプ幅調整金具17aと、上部フレーム12に両帯状金属薄板W1,W2の走行方向に沿う姿勢で正逆回転自在に支持され、先端部がクランプ幅調整金具17aに螺挿されたクランプ幅調整ボルト17bと、上部フレーム12とクランプ幅調整金具17aとの間に介設され、クランプ幅調整ボルト17bを抜け止めすると共に、クランプ幅調整金具17a及び左右のスライド板13を近づく方向へ附勢する圧縮コイルスプリング17cとから成り、クランプ幅調整ボルト17bを正回転若しくは逆回転させると、クランプ幅調整ボルト17bが一回転するごとにクランプ幅調整金具17a及び左右のスライド板13がクランプ幅調整ボルト17bに形成したネジのピッチ分だけ両帯状金属薄板W1,W2の走行方向へ移動するようになっている。
従って、左右のスライド板13の下面側に取り付けた左右の上部クランプ4も、両帯状金属薄板W1,W2の走行方向へ移動し、左右の上部クランプ4の間隙が調整されることになる。
【0024】
前記下部治具5は、作業用テーブル2の中央部に形成した矩形状の開口2a内に上下動自在に配設されており、先行の帯状金属薄板W1の終端と後行の帯状金属薄板W2の始端とを突き合せた状態で両帯状金属薄板W1,W2の突合せ部近傍を左右の上部クランプ4とで上下方向から挾持固定するものである。この下部治具5は、両帯状金属薄板W1,W2の突合せ部を突合せ溶接する際に、余分な熱を吸収してビードの溶け落ちや穴あき等を防止すると共に、両帯状金属薄板W1,W2の突合せ部の裏面側にアルゴンガス等のシールドガスを流して溶接部の酸化を防止するものである。
【0025】
即ち、下部治具5は、図10に示す如く、作業用テーブル2の開口2a周縁部の下面側に取り付けた断面形状が凹状の下治具ベース18内に上下動自在に配設され、作業用テーブル2の開口2a内に位置する下部クランプ5′と、下部クランプ5′の略中央部上面に交換可能に嵌め込み固定された一対のバックバー5″とから成り、下治具ベース18の下面側に設けた二つの下部治具用流体圧シリンダ19により作業用テーブル2に対して上下動するようになっている。
【0026】
具体的には、下部クランプ5′は、図7及び図10に示す如く、銅材により作業用テーブル2の開口2aよりも若干小さめの矩形の厚肉板状に形成されており、その中央部上面には、一対のバックバー5″が交換可能に嵌め込まれる溝状の凹所5aが形成されている。この凹所5aは、下部クランプ5′の上面に帯状金属薄板の幅方向に略沿う姿勢で形成されており、その底面には、シールドガスが流れる細幅状の溝5bが形成されている。
【0027】
一方、一対のバックバー5″は、図7及び図10に示す如く、銅材により下部クランプ5′の凹所5aの深さと同じ厚みの長尺板状に形成されており、下部クランプ5′の凹所5a内に側面同士が対向する状態で嵌め込まれ、複数本のボルト20により凹所5a内に固定されている。このとき、一対のバックバー5″の上面と下部クランプ5′の上面は、面一になっており、又、一対のバックバー5″間には、下部クランプ5′の細幅状の溝に連通してシールドガスが流れるスリット状の溝が形成されている。
【0028】
そして、下部治具5は、作業用テーブル2の開口2a内に位置して下治具ベース18内に上下動自在に配設されており、下治具ベース18の下面側に設けた下部治具用流体圧シリンダ19の短縮時には、下部治具5の上面(下部クランプ5′の上面及びバックバー5″の上面)が作業用テーブル2の上面と同じ高さ位置に保持され、又、下部治具用流体圧シリンダ19の伸長時には、下部治具5の上面が作業用テーブル2の上面よりも上方位置へ押し上げられるようになっている。
【0029】
尚、下部治具5の下部クランプ5′には、初期アークを発生させるスタートタブ21が設けられている。このスタートタブ21は、銅材により円柱状に形成されており、下部クランプ5′の奥側部分で且つ溝状の凹所5aの一端部近傍位置に高さ調整可能にねじ込み固定されている。
【0030】
前記センタープレート6は、図10に示す如く、薄板の鋼板により長尺板状に形成されており、下部クランプ5′のシールドガスが流れる細幅状の溝5bの底面に形成したスリット溝5c内及び一対のバックバー5″間に鉛直姿勢で且つ昇降自在に配設されている。このセンタープレート6は、下部クランプ5′の下面に取り付けたセンタープレート用流体圧シリンダ22のロッドに長尺状のセンター上下プレート23を介して取り付けられており、センタープレート用流体圧シリンダ22の短縮時には、下部治具5内に収納され、又、センタープレート用流体圧シリンダ22の伸長時には、その先端部が下部治具5の上面(下部クランプ5′の上面及びバックバー5″の上面)から上方へ数ミリ程度突出するようになっている。
【0031】
前記左右のワーククランプ7は、下部治具5の下部クランプ5′の奥側部分に上下動自在に配設されており、先行の帯状金属薄板W1の終端部と後行の帯状金属薄板W2の始端部とをそれぞれ下部治具5の上面へ密着状態で保持固定するものである。
【0032】
具体的には、左右のワーククランプ7は、図7乃至図10に示す如く、下部クランプ5′の奥側部分に上下動自在に挿通された断面形状が逆L字形のクランプ爪7aと、下部クランプ5′の下面に固定したクランプ爪用流体圧シリンダ7bと、クランプ爪7aとクランプ爪用流体圧シリンダ7bのロッドを連動連結するシリンダ連結具7cとから成り、クランプ爪用流体圧シリンダ7bの短縮時には、クランプ爪7aの先端部と下部クランプ5′の上面との間に帯状金属薄板W1,W2の側辺部を挿入できる間隙が形成され、又、クランプ爪用流体圧シリンダ7bの伸長時には、シリンダ連結具7cを介してクランプ爪7aが押し下げられ、クランプ爪7aの先端部により帯状金属薄板W1,W2を下部クランプ5′の上面へ保持固定するようになっている。
【0033】
尚、左右のワーククランプ7の近傍位置で且つ下部治具5には、両帯状金属薄板W1,W2の幅方向の位置決めを行う位置決めストッパー24が配設されている。この位置決めストッパー24は、左右のワーククランプ7の近傍位置で且つ下部治具5の下部クランプ5′上面にボルト25により固定されている。
【0034】
前記溶接装置8は、下部治具5の上方位置に前後方向へ往復移動自在に配設されており、キャビネット本体1内に位置する待機位置と、下部治具5の上方に位置する溶接作業位置とを取り得るようになっている。この溶接装置8は、両帯状金属薄板W1,W2の突合せ溶接する際に前方へ引き出され、溶接用トーチ29が所定の速度で両帯状金属薄板W1,W2の突合せ部に沿って直線移動するようになっている。
【0035】
即ち、溶接装置8は、図1、図4及び図5に示す如く、キャビネット本体1内に前後方向へ往復移動自在に支持された略枠状の上部フレーム12と、上部フレーム12を待機位置と溶接作業位置とに亘って往復移動させる流体圧シリンダ等の駆動部(図示省略)と、上部フレーム12にガイドローラ26を介して両帯状金属薄板W1,W2の幅方向に沿って往復移動自在に支持されたトーチ走行部材27と、トーチ走行部材27の先端部に支持され、先端部からシールドガスを流すと共に、タングステン電極棒28を挿着した溶接用トーチ29と、トーチ走行部材27及び溶接用トーチ29を両帯状金属薄板W1,W2の幅方向に沿って往復移動させるモータ30a、ラック30b及びピニオンギア(図示省略)等から成るトーチ走行用駆動装置30等から構成されている。
又、上部フレーム12は、その先端に作業用テーブル2の手前側上面に固定した上部フレーム受け31の受け穴31aに抜き差し自在に挿入される係止片12aが設けられており、上部フレーム12が溶接作業位置のときに係止片12aが上部フレーム受け31の受け穴31aに挿入係止され、上部フレーム12が横方向や上下方向へ揺れるのを防止するようになっている。これにより、溶接用トーチ29は、両帯状金属薄板W1,W2の突合せ部に沿って正確に移動することになり、良好な溶接を行えることになる。
【0036】
次に、上述した帯状金属薄板の突合せ接合装置を用いてライン上を流れている先行の帯状金属薄板W1の終端に新しい後行の帯状金属薄板W2の始端を突合せ溶接により接合する場合について説明する。
【0037】
尚、両帯状金属薄板W1,W2には、厚みが0.1mm〜0.5mmで幅が100mm〜200mmの銅やアルミ、ステンレス、チタン、マグネシウム等の厚みの薄い幅広の帯状金属薄板が使用されている。又、溶接電流、アーク長さ、シールドガスの供給量、溶接用トーチ29の走行速度、タングステン電極棒28の先端形状等の溶接条件は、帯状金属薄板の材質、板厚、幅等に応じて最適の条件下に設定されていることは勿論である。
【0038】
先ず、切断装置3を作業用テーブル2側へ引き出し、切断装置3により先行の帯状金属薄板W1の終端部と後行の帯状金属薄板W2の始端部とを幅方向に沿って一直線状に切断加工した後、切断装置3を後退させてキャビネット本体1内へ収納する。
【0039】
次に、センタープレート6をセンタープレート用流体圧シリンダ22により上昇させ、センタープレート6の上端部を下部治具5の上面よりも上方へ突出させる。
【0040】
センタープレート6を下部治具5の上面よりも上方へ突出させたら、後行の帯状金属薄板W2の始端部側辺を左側のワーククランプ7のクランプ爪7aの下方へ挿入し、後行の帯状金属薄板W2の始端部側辺を左側の位置決めストッパー24へ押し当て、後行の帯状金属薄板W2の幅方向の位置決めを行う。又、後行の帯状金属薄板W2の切断した始端面(切断端面)をセンタープレート6の一方の側面に押し当てると共に、後行の帯状金属薄板W2の始端側縁をスタートタブ21に押し当て、この状態で左側のワーククランプ7を作動させて後行の帯状金属薄板W2の始端部を左側のワーククランプ7により下部治具5の上面へ密着状に保持固定する。
【0041】
その後、センタープレート6をセンタープレート用流体圧シリンダ22により下降させて下部治具5内に収納し、先行の帯状金属薄板W1の終端部側辺を右側のワーククランプ7のクランプ爪7aの下方へ挿入し、先行の帯状金属薄板W1の終端部側辺を右側の位置決めストッパー24へ押し当て、先行の帯状金属薄板W1の幅方向の位置決めを行う。又、先行の帯状金属薄板W1の切断した終端面(切断端面)を目視によって先に下部治具5の上面に保持固定した後行の帯状金属薄板W2の始端面に突き合せると共に、先行の帯状金属薄板W1の終端側縁をスタートタブ21に押し当て、この状態で右側のワーククランプ7を作動させて先行の帯状金属薄板W1の始端部を右側のワーククランプ7により下部治具5の上面へ密着状に保持固定する(図11参照)。
【0042】
このとき、平盤状の下部治具5に、先行の帯状金属薄板W1の終端部と後行の帯状金属薄板W2の始端部とをそれぞれ下部治具5の上面へ密着状態で保持固定する左右のワーククランプ7を上下動自在に配設しているため、先行の帯状金属薄板W1の終端と後行の帯状金属薄板W2の始端とを下部治具5の上面で突き合せ固定するときに、先行の帯状金属薄板W1の終端部と後行の帯状金属薄板W2の始端部とが真っ直ぐな平板になった状態で両帯状金属薄板W1,W2の突き合せ固定を行える。
その結果、厚みの薄い幅広の帯状金属薄板であっても、先行の帯状金属薄板W1の終端と後行の帯状金属薄板W2の始端との突き合せ作業を簡単に且つ正確に高精度で行え、両帯状金属薄板W1,W2の突合せ部の重なりやズレ、突合せ部の部分的な隙間が全くない理想的な突き合せを行える。
特に、平盤状の下部治具5は、作業用テーブル2の中央部に作業用テーブル2上面と同じ高さ位置に保持されているため、先行の帯状金属薄板W1の終端と後行の帯状金属薄板W2の始端とを下部治具5の上面で突き合せ固定する際には、両帯状金属薄板W1,W2の突き合せより一層簡単且つ容易に行える。
更に、左右のワーククランプ7の近傍位置で且つ下部治具5に、両帯状金属薄板W1,W2の幅方向の位置決めを行う位置決めストッパー24を配設しているため、両帯状金属薄板W1,W2を幅方向へズレることなく正確に突き合せすることができる。
【0043】
そして、先行の帯状金属薄板W1の終端と後行の帯状金属薄板W2の始端とが下部治具5の上面で突き合せ固定されたら、溶接装置8の上部フレーム12を待機位置から溶接作業位置へ前進させ、左右の上部クランプ4を両帯状金属薄板W1,W2の突合せ部の上方位置へ移動させる。この状態で下部治具5が下部治具用流体圧シリンダ19により上昇し、下部治具5の上面の高さ位置を上部クランプ4の下面の高さ位置と略同じ高さ位置にする。これにより、両帯状金属薄板W1,W2の突合せ部近傍が上部クランプ4及び下部治具5により上下方向から挾持固定されることになる(図12参照)。
【0044】
このとき、両帯状金属薄板W1,W2は、左右のワーククランプ7により切断端面同士が完全に突合された状態で下部治具5と一緒に上方へ持ち上げられるため、その切断端部の端面同士が正確に且つ確実に突き合された状態で左右の上部クランプ4と下部治具5との間で緊密に挾持固定されることになる。
又、左右の上部クランプ4の先端部を複数の圧縮コイルスプリング16により両帯状金属薄板W1,W2の突合せ部近傍の上面へ弾性的に当接させるようにしているため、幅広の帯状金属薄板であっても、端部全域を幅方向に亘って下部治具5の上面へ均一に押圧することができ、両帯状金属薄板W1,W2の突き合せを高精度に行える。
【0045】
両帯状金属薄板W1,W2の突合せ部近傍が左右の上部クランプ4及び下部治具5により上下方向から挾持固定されたら、溶接装置8の溶接用トーチ29を高さ調整した後、溶接用トーチ29のタングステン電極棒28先端とスタートタブ21との間にアークを発生させる。アークが安定したら、この状態で溶接用トーチ29が帯状金属薄板の幅方向に沿って移動し、両帯状金属薄板W1,W2の突合せ部を突合せ溶接する。
【0046】
両帯状金属薄板W1,W2の突合せ部の突合せ溶接が終了したら、アーク及びシールドガスが停止され、下部治具5が下降すると共に、溶接装置8が溶接作業位置から待機位置へ後退する。又、左右のワーククランプ7による両帯状金属薄板W1,W2の保持固定状態を解除する。これにより、突合せ溶接された両帯状金属薄板W1,W2は、フリーの状態となる。
【0047】
最後に、フリーの状態になった両帯状金属薄板W1,W2は、手動式の圧延装置9によりその溶接部が圧延加工され、両帯状金属薄板W1,W2の溶接部の厚みや組織が均一化される。
【0048】
このように、上述した帯状金属薄板の突合せ接合装置は、平盤状の下部治具5に、先行の帯状金属薄板W1の終端部及び後行の帯状金属薄板W2の始端部を下部治具5の上面へ保持固定する左右のワーククランプ7を配設しているため、先行の帯状金属薄板W1の終端と後行の帯状金属薄板W2の始端とを下部治具5の上面で突き合せ固定するときに、先行の帯状金属薄板W1の終端部と後行の帯状金属薄板W2の始端部とを真っ直ぐな平板にした状態で両帯状金属薄板W1,W2の突き合せ固定を行える。
その結果、厚みが薄い幅広の帯状金属薄板であっても、先行の帯状金属薄板W1の終端と後行の帯状金属薄板W2の始端との突き合せ作業を簡単に且つ正確に高精度で行え、突合せ部の部分的な隙間や重なり、突合せ部のズレが全くない理想的な突き合せを行える。延いては、溶接部の穴あきや重なり不良がなくなり、作業員が初心者であっても、安定した精密な突合せ溶接を行える。
【0049】
尚、上記の実施の形態に於いては、下部治具5の下部クランプ5′を平面形状が矩形状になるように形成し、その略中央部に一対のバックバー5″が嵌め込み固定される溝状の凹所5aを形成すようにしたが、他の実施の形態に於いては、図示していないが、下部クランプ5′を左右二つの下部クランプに分割し、左右の下部クランプの対向する側縁部の角部上面に細幅状の切欠部を形成し、左右の下部クランプの切欠部にバックバー5″をそれぞれ嵌め込み固定するようにしても良い。
【0050】
又、上記の実施の形態に於いては、先に後行の帯状金属薄板W2の始端部を位置決めしてから左側のワーククランプ7により下部治具5の上面へ保持固定し、その後に先行の帯状金属薄板W1の終端を後行の帯状金属薄板W2の始端に突き合せ、先行の帯状金属薄板W1の終端部を右側のワーククランプ7により下部治具5の上面へ保持固定するようにしたが、他の実施の形態に於いては、先に先行の帯状金属薄板W1の始端部を位置決めしてから右側のワーククランプ7により下部治具5の上面へ保持固定し、その後に後行の帯状金属薄板W2の始端を先行の帯状金属薄板W1の終端に突き合せ、後行の帯状金属薄板W2の始端部を左側のワーククランプ7により下部治具5の上面へ保持固定するようにしても良い。
【符号の説明】
【0051】
1はキャビネット本体、2は作業用テーブル、4は左右の上部クランプ、5は下部治具、6はセンタープレート、7は左右のワーククランプ、8は溶接装置、19は下部軸用流体圧シリンダ、W1は先行の帯状金属薄板、W2は後行の帯状金属薄板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅方向に沿って切断した先行の帯状金属薄板(W1)の終端部及び後行の帯状金属薄板(W2)の始端部を支持載置する作業用テーブル(2)を設けたキャビネット本体(1)と、作業用テーブル(2)の上方に間隔を空けて対向状に配設され、先行の帯状金属薄板(W1)の終端部上面及び後行の帯状金属薄板(W2)の始端部上面を保持する左右の上部クランプ(4)と、作業用テーブル(2)に上下動自在に配設され、先行の帯状金属薄板(W1)の終端と後行の帯状金属薄板(W2)の始端とを突き合せた状態で両帯状金属薄板(W1),(W2)の突合せ部近傍を左右の上部クランプ(4)とで上下方向から挾持固定する平盤状の下部治具(5)と、下部治具(5)に垂直状に挿通され、先行の帯状金属薄板(W1)の終端及び後行の帯状金属薄板(W2)の始端の位置決めを行うセンタープレート(6)と、両帯状金属薄板(W1),(W2)の突合せ部を突合せ溶接する溶接装置(8)とを具備した帯状金属薄板の突合せ接合装置に於いて、前記下部治具(5)に、先行の帯状金属薄板(W1)の終端部と後行の帯状金属薄板(W2)の始端部とをそれぞれ下部治具(5)の上面へ密着状態で保持固定する左右のワーククランプ(7)を上下動自在に配設したことを特徴とする帯状金属薄板の突合せ接合装置。
【請求項2】
平盤状の下部治具(5)は、作業用テーブル(2)の中央部に作業用テーブル(2)の上面と同じ高さ位置に保持されており、両帯状金属薄板(W1),(W2)の突合せ部近傍を左右の上部クランプ(4)とで上下方向から挾持固定する際に、流体圧シリンダ(19)により作業用テーブル(2)の上面よりも上方位置へ押し上げられる構成としたことを特徴とする請求項1に記載の帯状金属薄板の突合せ接合装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−201488(P2010−201488A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−52220(P2009−52220)
【出願日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(591286823)
【Fターム(参考)】