帯電装置、及び画像形成装置
【課題】 製造が容易で帯電周波数における騒音の減少を可能にする帯電装置及びその帯電装置を備える画像形成装置を提供する。
【解決手段】 被帯電体1に対向して配置されて前記被帯電体1の表面を帯電させる帯電部材2と、入力により設定される周波数の信号を発生する発振手段3を備えて、前記発振手段3により前記帯電部材2の帯電周波数を被帯電体1の形状に合わせて決定する。
【解決手段】 被帯電体1に対向して配置されて前記被帯電体1の表面を帯電させる帯電部材2と、入力により設定される周波数の信号を発生する発振手段3を備えて、前記発振手段3により前記帯電部材2の帯電周波数を被帯電体1の形状に合わせて決定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯電装置、及びその帯電装置を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の複写機、ファクシミリ装置、プリンタ機器等の電子写真式の画像形成装置においては、帯電装置に起因して騒音が発生しているが、オフィスの静音化の要請の進行に伴い画像形成装置の低騒音化が強く求められている。
また、オフィス業務の高効率化、高速化が高まり、これに伴って画像形成装置には今後ますますカラー化、高速化が進むと考えられる。
この結果、カラー化に伴って一つの画像形成装置内に使用する帯電装置の個数が増大して騒音が増大し、また高速駆動に伴う製品振動の増大化とこれに伴う製品騒音の増大が予測され、オフィス機器のさらなる静音化は急務となっている。
帯電装置においても、装置一台当りの騒音量は、数分の一から数十分の一に下げる必要がある。
電子写真方式の画像形成装置では、像担持体に帯電を施し、その帯電された範囲を露光により選択的に消去あるいは減少させ、像担持体上に静電潜像を形成する。像担持体に帯電する帯電装置としては、コロナ放電を利用したものが主流であった。しかし、このコロナ放電を用いた帯電装置は、オゾンが多量に発生してしまうという不具合があり、またコロナ放電を行わせるために5kV〜10kVという高電圧を印加する高電圧電源が必要となり、画像形成装置の低コスト化が難しくなる。
従って、近年、コロナ放電を利用しない帯電部材を像担持体に対向して設ける帯電装置が提案されている。この帯電装置には、像担持体と直接接触させる接触型と、微小な間隙を設ける非接触型とがある。接触型の帯電装置では、コロナ放電を用いる場合の不具合の多くが解消される一方、「像流れ」と呼ばれる異常画像の発生及び像担持体の摩耗量が増大する等の不具合が発生している。また、印加電圧に交流を用いた場合は騒音が発生するという不具合がある。さらに、接触型帯電装置では、トナーや紙粉を像担持体と帯電部材で擦りつけるので汚染を助長するという不具合もある。
そのために、非接触方式により像担持体を帯電させる帯電装置が多く提案されている。この非接触型の帯電装置では、接触型の帯電装置と比較して、帯電部材が像担持体に機械的に当接しないために互いに摩耗することが無く、さらに、トナー又は紙粉等により汚れることが少ないために、経時劣化を防止することができる。
【0003】
また、従来、所定の間隙にするために、帯電部材の両端にスペーサ部材を接着剤で貼着させているが、この接着剤が圧力を受けてスペーサ部材から染み出してくることがある。この染み出した接着剤にトナー等が付着して異常生成物を形成すると、異常放電が発生して像担持体、帯電部材の劣化を招くことになる。
また、異常放電により像担持体が正常に帯電しないために画像斑等の異常画像が形成されることがある。また、帯電部材の両端にスペーサ部材を接着剤で貼着させることにより、端部の構造が接触式と同様となり、印加電圧に交流を用いた場合は騒音が発生するという不具合は解消されず、接触型と非接触型の区別無く、帯電装置より騒音が発生している。ここに至り、これまでは遮蔽されていたため、ある程度寛容であった中空部品の内部騒音に関して、これを効率的に吸音、あるいは消音あるいは防音する必要が生じた。
また、電子写真方式における帯電騒音の原因は、放電による気体の急膨張ではなく、機械振動であるという説もある(非特許文献1参照)。
感光体ドラムの帯電騒音を低減する方法として、帯電ローラを感光体ドラムに押し当てることがよく知られている(特許文献1を参照)。この方法では、帯電ローラと感光体ドラムが接触することにより、お互いの振動を抑制する効果を得ている。
しかしながら、この方法は帯電ローラと感光体ドラムが完全に接触していることが絶対条件であり、製造上の精度等の原因で非接触区間が存在してしまう場合、静電力が非接触部位に集中してしまうため、帯電装置自体の破損を招いてしまう。このため、現実的ではない。
【0004】
また、円筒状ドラムの曲げ1次モード及び曲げ2次モードの腹に対応する部分の肉厚を薄くし、節に対応する部分の肉厚を厚くすることで、円筒状ドラムの曲げ1次モード及び曲げ2次モードの腹に対応する部分の重量の増加を抑制すると共に円筒状ドラムの剛性を増加させることができ、固有の共振周波数(固有振動数)を含む全周波数領域における振動応答レベルを低下できることも知られている(特許文献2を参照)。
しかしながら、この方法において使用するドラムは、その特徴のため、精度の良い製造が困難である。
またさらに、交流バイアスによる共振現象をベルト状基体等の薄肉部材からなる像担持体およびこれに対向近接してバイアス特性を設定される装置を備えた構成を対象とした像担持体の振動吸収方法として、バイアス特性を設定される装置との対向面と反対側に振動吸収部材が少なくとも一部を接触させた状態で配置されている像担持体を用いる方法も知られている(特許文献3を参照)。
しかしながら、この方法で使用する像担持体は、重量が大幅に増加しており、環境負荷の側面からは好ましくない。
【特許文献1】特許第3109959号
【特許文献2】特開2000−267499公報
【特許文献3】特開2004−78179公報
【非特許文献1】「Vibration and Noise Induced by Electrostatic Force on a Contact Charger Roller of Electrophotography」 Journal of Imaging Science and Technology Vol.39,No.6,Nov./Dec. 1995Hiroyuki Kawamoto, Koji Udagawa, and Masahiro Mori et al.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の帯電装置、及びその帯電装置を備えた画像形成装置においては、帯電騒音を低減するために帯電装置を破損させたり、被帯電体の製造が困難で、重量が大幅に増加するなどと言う問題が発生していた。
本発明は、このような問題点を解決するもので、製造が容易で帯電周波数における騒音の減少を可能にする帯電装置及びその帯電装置を備える画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の本発明は、被帯電体を帯電する帯電装置において、被帯電体に対向して配置されて前記被帯電体の表面を帯電させる帯電部材と、入力により設定される周波数の信号を発生する発振手段を備えて、前記発振手段により前記帯電部材の帯電周波数を被帯電体の形状に合わせて決定する帯電装置であることを特徴とする。
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の帯電装置において、前記被帯電体は、像担持体である帯電装置であることを特徴とする。
請求項3に記載の本発明は、請求項2に記載の帯電装置において、前記像担持体は、ドラム形状の感光体ドラムである帯電装置であることを特徴とする。
請求項4に記載の本発明は、請求項1、2又は3に記載の帯電装置において、前記帯電部材は、帯電ローラである帯電装置であることを特徴とする。
請求項5に記載の本発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の帯電装置において、前記発振手段は、前記被帯電体の形状にあわせて帯電周波数を変更可能である帯電装置であることを特徴とする。
請求項6に記載の本発明は、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の帯電装置において、前記発振手段は、前記被帯電体の形状に合わせて決定した帯電周波数を記録する帯電装置であることを特徴とする。
請求項7に記載の本発明は、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の帯電装置において、前記発振手段が発生する帯電周波数は、前記被帯電体の共振周波数と異なる帯電装置であることを特徴とする。
【0007】
請求項8に記載の本発明は、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の帯電装置において、前記発振手段が発生する整数倍する帯電周波数は、前記被帯電体の共振周波数と異なる帯電装置であることを特徴とする。
請求項9に記載の本発明は、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の帯電装置において、前記被帯電体の発する音を検知する音検知手段を備える帯電装置であることを特徴とする。
請求項10に記載の本発明は、請求項9に記載の帯電動装置において、前記発振手段が、前記音検知手段より取得する検知情報により、可聴周波数帯において、帯電周波数を連続的に変化させながら発生させ、前記被帯電体の帯電騒音を低減する帯電周波数を自動的に選択する帯電装置であることを特徴とする。
請求項11に記載の本発明は、請求項9又は10に記載の帯電装置において、前記発振手段が、前記音検知手段より取得する検知情報および選択した帯電騒音を低減する帯電周波数を記録する帯電装置であることを特徴とする。
請求項12に記載の本発明は、被帯電体を帯電して画像を形成する画像形成装置において、画像を形成する画像形成ユニットと、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の前記帯電装置を備える画像形成装置であることを特徴とする。
請求項13に記載の本発明は、請求項12に記載の画像形成装置において、前記画像形成ユニットは、前記画像形成ユニットを支持する構造体と、前記構造体に取り付けられて前記画像形成ユニットを覆う外装部材を備える画像形成装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、破損することなく製造が困難となることもなく重量が大幅に増加することなく帯電周波数における騒音の減少を可能にする帯電装置、及びその帯電装置を備えた画像形成装置を提供することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態例に係る帯電装置10の基本構成図である。
図2は本発明の実施の形態例に係る帯電装置10の帯電ローラ20に入力する帯電信号を示す図である。
図1において、被帯電体1としての像担持体11を帯電する帯電装置10は、像担持体11(感光体ドラム12)に対向して配置されてその表面を帯電させる帯電部材2(帯電ローラ20)と、パラレルまたはシリアル入力により設定される周波数の信号を発生する発振手段3と、演算装置5を備えて、発振手段3により帯電ローラ20の帯電周波数を感光体ドラム12の形状、構造に合わせて決定するようになっている。
発振手段3は、帯電ローラ20に図2に示すような周波数の信号を入力する。図2の例は通常のサイン波であるが、オフセットを乗せるのが一般的である。
また、図2は理想状態のサイン波であるが、矩形波、あるいは他の周期を持った信号パターンであっても良い。
図3は、本発明の実施の形態例に係る帯電装置10における感光体ドラム12の振動形状を示す図である。
図3において、感光体ドラム12の振動形状には、円筒方向に全体が曲がる「曲げモード」(a)、表面が円筒方向に曲がる「表面振動モード」(b)、全体が高速で平行移動する「剛体モード」(c)の3種類が存在する。
感光体ドラム12の騒音原因となりうる振動形状は、「曲げモード」(a)と「表面振動モード」(b)である。
【0010】
図4は、本発明の実施の形態例に係る帯電装置10における発振手段3の機能構成を示すブロック図である。
図4において、発振手段3を、サイン波を発生する手段を用いて説明する。発振手段3の全体は、ロータリ・エンコーダ30、コンプレックス・プログラマブル・ロジック・デバイス31(以降CPLD31と略す)、ディジタル直接合成発振器32(以降DDS32と略す)及びLCD(液晶)モジュール33などから構成されている。
ロータリ・エンコーダ30により周波数の数値をアップ/ダウンすることができる。また、桁設定スイッチUP34および桁設定スイッチDOWN35は、ロータリ・エンコーダ30により入力する周波数の桁を設定することとし、桁設定スイッチUP34または桁設定スイッチDOWN35を押すごとに位置が1桁ずつ上位、あるいは下位にずれるようにする。ロータリ・エンコーダ30は、A相、あるいはB相の回転方向情報と回転量の情報をCPLD31内のエンコーダ入力判定モジュール310に入力する。
エンコーダ入力判定モジュール310は、これらの情報から入力数値を判定し、周波数設定UP/DOWNカウンタモジュール311へと入力数値情報を送信する。また、周波数設定UP/DOWNカウンタモジュール311は桁設定スイッチUP34および桁設定スイッチDOWN35からの入力情報も送信される。これらの情報により周波数設定UP/DOWNカウンタモジュール311は、信号周波数を設定する。設定された周波数の情報は10進→2進変換モジュール312において2進数に変換され、DDS32に設定値が入力される。DDS32は基準クロックに同期して、図示しない波形メモリからデータを呼び出し、そのデータを図示しないD−Aコンバータおよびローパスフィルタによりアナログ波形に変換し、出力する。
図4に示す発振手段3は説明の便宜上、単体でパラレルまたはシリアル入力により設定された周波数の信号を発生できる装置としてあるが、周波数設定UP/DOWNカウンタモジュール311、10進→2進変換モジュール312、およびDDS32以外の構成は図示しない画像形成装置の操作パネル部等と共用可能であることは言うまでも無い。
また、後天的に周波数を変更する必要がない場合、即ち製造工程内で周波数を設定し、これを変更しない、あるいは、する必要が無い場合は前記周波数設定UP/DOWNカウンタモジュール311、10進→2進変換モジュール312、およびDDS32以外は生産・検査等の工程内の機器に備え付けられていても良い。
【0011】
図5は、本発明の実施の形態例に係る帯電装置10における演算装置5の演算部をになうシステム構成を示すブロック図である。
図5において、演算装置5は、測定した帯電騒音情報はインターフェース50(以下I/F50と略す)、CPU51、ROM52、RAM53、表示装置54、ハードディスク55、キーボード56及びCD−RWドライブ57を含んで構成されている。また、汎用の処理装置を用意し、CD−RW(DVD−RW)58などの読取可能な記憶媒体には、帯電装置10における発振手段3の演算部を実行するプログラムが記憶されている。
更に、I/F50を介して外部装置から制御信号が入力され、キーボード56によって操作者による指令又は自動的に帯電装置10における発振手段3のプログラムが起動される。そして、CPU51は帯電装置10における発振手段3の算出プログラムに従い、演算処理を行う。
図6は、本発明の実施の形態例に係る帯電装置10における発振手段3の帯電周波数を決定するフローチャートである。
図6において、発振手段3は、演算装置5を利用して次のように製造が困難などとなることなく帯電周波数における騒音の減少を可能にする。
まず事前に感光体ドラム12の肉厚(mm)と共振周波数(Hz)との相関関係を作成する(ステップ1)。このとき、感光体ドラム12の肉厚(mm)は一定とは考えにくいため、製造上の特徴的な部位、例えば接合部などと共振周波数(Hz)の相関関係を考えると作成しやすい。図5に示す演算装置5を用いて相関関係を演算する。
【0012】
図7は、本発明の実施の形態例に係る帯電装置10における感光体ドラム12の肉厚(mm)と共振周波数(Hz)との相関関係を示すグラフである。ある半径の感光体ドラム12を、肉厚を0.1mmずつ変更し、1mmから1.5mmまでの6本を用意する。このときの、ある振動形状をした振動の周波数を調べた結果である。これより、この場合の共振周波数はほぼ線形に推移することがわかる。
図7のように、相関が正かつ線形であることは絶対条件ではない。形状により、相関が線形でないことも当然ありうる。ある程度の仕様が決定されれば、感光体ドラム12の形状も搭載可能なサイズも決定される。この時点で以上のような相関関係を作成する。感光体ドラム12の騒音の要因となりうる振動形状で、且つ可聴域に存在する共振周波数において、この相関関係を作成するが、はじめから問題となる振動形状がわかっている場合は、該当する相関関係のみが作成できれば良い。今回の説明においては、実験的に相関関係を求める手法を用いたが、相関関係を作成するための方法は、例えばシミュレーションを利用する方法など、どんな方法でも良い。
部品の組み付けを行う前に、感光体ドラム12の肉厚情報を取得する(ステップ2)。取得方法は、手動であっても自動であっても良いが、事前に相関を作成した際と同様の方法にする必要がある。
次に、感光ドラム12の肉厚情報と相関関係からこの感光体ドラム12固有の共振周波数を決定する(ステップ3)。
【0013】
次に、帯電周波数の設定をする(ステップ4)。帯電周波数は、感光体ドラム12の回転数等から機能を満たす、即ち感光体ドラム12を帯電させることが可能な周波数帯が決定される。この周波数帯のうち、前記共振周波数ではない周波数を選択し、図4に示すパラレルまたはシリアル入力により設定された周波数の信号を発生する発振手段3の発生周波数を前記帯電周波数に設定する。また、この周波数帯内に前記共振周波数が存在する場合、設定する周波数はこの共振周波数との差異が、少なくとも5Hz以上となるように帯電周波数を設定する。
次に、実際に低騒音となっているか確認を行う。定められた基準値よりも小さな騒音となっているかチェックを行う(ステップ5)。設定した帯電周波数で製品、あるいは部品を使用し、その際の騒音を測定する。基準値よりも騒音が小さければエンドで完了するが、基準値を越える場合は、帯電周波数を変化させて、微調整を行う(ステップ6)。
連続的、あるいは断続的に帯電周波数を変化させて、それぞれの帯電周波数における騒音を測定する。測定された周波数微調整後の騒音情報を基準値と比較する(ステップ7)。基準値よりも小さくなるまで、上記作業を繰り返す。上記の工程で取得・加工した情報はすべてCD−RW(DVD−RW)58、ハードディスク54などの記録媒体に記録可能であり、記録媒体に記録して後にこの情報を活用しても良い。
以上により、製造誤差にかかわりなく帯電周波数の騒音を抑制し、破損したり重量が大幅に増加することもなく低騒音の帯電装置10を提供することができる。
【0014】
図8は、本発明の実施の形態例に係る帯電装置10における感光体ドラム12の放射音発生メカニズムを簡略に示した図である。
図8において、被帯電体1である感光体ドラム12には、帯電ローラ20などから入力となる振動が伝播する。この入力に応じた騒音が感光体ドラム12から発生している。騒音は、感光体ドラム12の振動特性と音響特性に基づいた騒音を発生する。すなわち、入力となる振動の周波数が感光体ドラム12の共振周波数と一致するとき、騒音が発生する。
帯電装置10では、全ての周波数における騒音量を低減する。特に帯電周波数における騒音の大幅な減少が可能になる。
【0015】
次に、他の実施例を説明する。
図9は、本発明の実施の形態例に係る帯電装置10における2種類の肉厚の感光体ドラム12における、帯電周波数(Hz)と帯電騒音の音響パワーレベル(dB)の特性を示すグラフである。
図9のグラフにおいて、周波数A〜Dは帯電信号の帯電周波数(Hz)を示している。周波数A以外の周波数においては、感光体ドラム12を厚肉化することで、騒音が下がることがわかる。
また、図10は、本発明の実施の形態例に係る帯電装置10における帯電周波数を周波数Aとしたときに帯電ローラ20の近傍での放射音を周波数解析した結果のグラフである。これによると、周波数Aの4倍の周波数において、放射音は最大となっている。
また、この周波数Aの4倍の周波数には、肉厚が厚い感光体ドラム12の、図3にて説明した「表面振動モード」(b)の振動形状を有した共振周波数が存在している。すなわち、この帯電周波数の4倍と共振周波数が一致したため、周波数Aにおいては、騒音が大きくなったことがわかる。図2にて図示してあるが、帯電騒音は、帯電周波数に依存している。電気的な周波数に対し、帯電ローラ20及び感光体ドラム12間の引力は絶対値で生じる。すなわち図2のようにオフセットのない帯電周波数の場合、その波長と相関がある。また、オフセットがある場合は波長との相関があることが知られていた。前記結果より、これらの周波数と、その整数倍を考慮しなければならないことが明確である。これらより、帯電周波数の整数倍まで考慮して帯電周波数を決定する帯電装置10における発振手段3を説明する。
【0016】
図11は、本発明の実施の形態例に係る帯電装置10における発振手段3の帯電周波数の整数倍まで考慮して帯電周波数を決定するフローチャートである。
図11において、発振手段3は、演算装置5を利用して次のように帯電周波数の整数倍の周波数における騒音の減少を可能にする。
まず事前に感光体ドラム12の肉厚(mm)と共振周波数(Hz)との相関関係を作成する(ステップ11)。このとき、感光体ドラム12の肉厚(mm)は一定とは考えにくいため、製造上の特徴的な部位、例えば接合部などと共振周波数(Hz)の相関関係を考えると作成しやすい。図5に示す演算装置5を用いて相関関係を演算する。
図7の感光体ドラム12の肉厚(mm)と共振周波数(Hz)との相関関係を示すグラフより、この場合の共振周波数はほぼ線形に推移することがわかる。相関が線形であることは絶対条件ではない。形状により、相関が線形でないことも当然ありうる。ある程度の仕様が決定されれば、感光体ドラム12の形状も搭載可能なサイズも決定される。この時点で以上のような相関関係を作成する。感光体ドラム12の騒音の要因となりうる振動形状で、且つ可聴域に存在する共振周波数において、この相関関係を作成するが、はじめから問題となる振動形状がわかっている場合は、該当する相関関係のみが作成できれば良い。今回の説明においては、実験的に相関関係を求める手法を用いたが、相関関係を作成するための方法は、例えばシミュレーションを利用する方法など、どのような方法であっても良い。
部品の組み付けを行う前に、感光体ドラム12の肉厚情報を取得する(ステップ12)。取得方法は、手動であっても自動であっても良いが、事前に相関を作成した際と同様の方法にする必要がある。
【0017】
次に、感光体ドラム12の肉厚情報と相関関係からこの感光体ドラム12固有の共振周波数を決定する(ステップ13)。
次に、帯電周波数の設定をする(ステップ14)。帯電周波数は、感光体ドラム12の回転数等から機能を満たす、即ち感光体ドラム12を帯電させることが可能な周波数帯が決定される。この周波数帯のうち、前記共振周波数ではない周波数を選択し、図4に示すパラレルまたはシリアル入力により設定された周波数の信号を発生する発振手段3の発生周波数を前記帯電周波数に設定する。また、この周波数帯内に前記共振周波数が存在する場合、設定する周波数はこの共振周波数との差異が、少なくとも5Hz以上となるように帯電周波数を設定する。
次に、帯電周波数とその整数倍が共振周波数に一致していない(帯電周波数*n≠共振周波数)ことを確認する(ステップ15)。これは、帯電周波数とその整数倍が共振周波数に一致していないかどうかを演算装置5にて演算して確認する。帯電周波数とその整数倍が共振周波数に一致しているならば、帯電周波数を再設定し、前記数式が「真」となるまで繰り返す。
【0018】
次に、実際に低騒音となっているか否かの確認を行う。定められた基準値よりも小さな帯電騒音となっているかのチェックを行う(ステップ16)。設定した帯電周波数で製品、あるいは部品を使用し、その際の帯電騒音を測定する。基準値よりも帯電騒音が小さければエンドで完了するが、基準値を越える場合は、帯電周波数を変化させて、帯電周波数の微調整を行う(ステップ17)。
連続的、あるいは断続的に帯電周波数を変化させて、それぞれの帯電周波数における帯電騒音を測定する。測定された周波数微調整後の帯電騒音情報を基準値と比較する(ステップ18)。基準値よりも小さくなるまで、上記作業を繰り返す。上記の工程で取得・加工した情報はすべてCD−RW(DVD−RW)58、ハードディスク54などの記録媒体に記録可能であり、記録媒体に記録して後にこの情報を活用しても良い。
以上により、製造誤差にかかわりなく帯電周波数の整数倍の騒音を抑制した、破損したり重量が大幅に増加することもなく低騒音の帯電装置10を提供することができる。
帯電装置10では、全ての周波数における騒音量を低減する。特に帯電周波数の整数倍の周波数における騒音の大幅な減少が可能になる。
【0019】
次に、さらに他の実施例を説明する。
図12は、本発明の実施の形態例に係る帯電装置10が感光体ドラム12の発する音を検知する音検知手段4を有する基本構成図である。
図12において、感光体ドラム12の発する音を検知する音検知手段4を有する帯電装置10は、感光体ドラム12の帯電騒音を低減する周波数を自動的に選択する。感光体ドラム12の近傍に音検知手段4の指向性のあるマイクロフォンが、感光体ドラム12を挟んだ帯電ローラ20と反対の位置に配置されている。
音検知手段4のマイクロフォンは演算装置5に接続されており、音検知手段4によって取得された感光体ドラム12の騒音情報は、直ちに演算装置5によって処理可能となっている。また、演算装置5は、単体で計算機を構成しても良く、図示しない画像形成装置内の部位、例えば操作パネルなどと共用可能なものは共用しても良い。
【0020】
図13は、本発明の実施の形態例に係る帯電装置10における発振手段3により感光体ドラム12の帯電騒音を低減する帯電周波数を自動的に選択するフローチャートである。
図13において、発振手段3は、演算装置5を利用して次のように感光体ドラム12の帯電騒音を低減する周波数を自動的に選択して帯電周波数における騒音の減少を可能にする。
まず事前に感光体ドラム12の肉厚(mm)と共振周波数(Hz)との相関関係を作成する(ステップ21)。このとき、感光体ドラム12の肉厚(mm)は一定とは考えにくいため、製造上の特徴的な部位、例えば接合部などと共振周波数(Hz)の相関関係を考えると作成しやすい。演算装置5を用いて相関関係を演算する。
相関関係は、ある程度仕様が決定された時点で、前述の各実施例と同様、図7に示すような感光体ドラム12の肉厚(mm)と共振周波数(Hz)との相関関係を作成する。感光体ドラム12の騒音の要因となりうる振動形状で、且つ可聴域に存在する共振周波数において、この相関関係を作成するが、はじめから問題となる振動形状がわかっている場合は、該当する相関関係のみが作成できれば良い。今回の説明においては、実験的に相関関係を求める手法を用いたが、相関関係を作成するための方法は、例えばシミュレーションを利用する方法など、どのような方法であっても良い。
部品の組み付けを行う前に、感光体ドラム12の肉厚情報を取得しておく(ステップ22)。取得方法は、手作業であっても自動であっても良いが、事前に相関を作成した際と同様の方法にする必要がある。
次に、感光体ドラム12の肉厚情報と相関関係からこの感光体ドラム固有の共振周波数を決定する(ステップ23)。
次に、帯電周波数の設定をする(ステップ24)。帯電周波数は、感光体ドラム12の回転数等から機能を満たす、即ち感光体ドラム12を帯電させることが可能な周波数帯が必要条件として決定される。この周波数帯のうち、前記共振周波数ではない周波数を選択し、図4に示すパラレルまたはシリアル入力により設定された周波数の信号を発生する発振手段3の発生周波数を前記帯電周波数に設定する。また、この周波数帯内に前記共振周波数が存在する場合、設定する周波数はこの共振周波数と異なるような周波数を設定する。また、前述の実施例と同様、帯電周波数とその整数倍が共振周波数に一致していないかも考慮し帯電周波数を設定する。
【0021】
次に、実際に低騒音となっているかについて確認を行う。実際に図示しない画像形成装置を駆動させ、感光体ドラム12を帯電させ、このときの感光体ドラム12の騒音を音検知手段4のマイクロフォンから取得する(ステップ25)。
取得した騒音情報を演算装置5にて周波数解析し、周波数毎の音圧レベルの情報、例えば前述の図10のような情報を取得する(ステップ26)。
次に、この騒音情報に関して、自動判別を行う(ステップ27)。判別式は、(共振周波数での音圧レベル)≦(周辺周波数帯の平均音圧レベル)+6である。
判別式、(共振周波数での音圧レベル)≦(周辺周波数帯の平均音圧レベル)+6を満たすか否かで判別する。判別式、(共振周波数での音圧レベル)≦(周辺周波数帯の平均音圧レベル)+6を満たしているならば(ステップ30)へ進むが、判別式、(共振周波数での音圧レベル)≦(周辺周波数帯の平均音圧レベル)+6を満たさなかった場合、帯電周波数を微調整して帯電周波数を再設定し再び騒音情報を取得、周波数解析する(ステップ28)。
再度判別式、(共振周波数での音圧レベル)≦(周辺周波数帯の平均音圧レベル)+6を用いて判別を行う。以上を判別式、(共振周波数での音圧レベル)≦(周辺周波数帯の平均音圧レベル)+6が「真」となるまで繰り返す(ステップ29)。
次に、カウンターの数値をセンシングし、画像形成装置などで設定された『セルフチェック』を行う枚数まで稼動したかを判定する(ステップ30)。設定された枚数とカウンターの情報が等しければ再び(ステップ25)以降を繰り返す。しかし設定された枚数とカウンターの情報が等しくなければ、等しくなるまで待機する(ステップ31)。
上記の工程で取得・加工した情報はすべてCD−RW(DVD−RW)58、ハードディスク54などの記録媒体に記録可能であり、記録媒体に記録した後にこの情報を活用しても良い。
以上により、帯電周波数および整数倍の帯電周波数において、感光体ドラム12の帯電騒音を低減する周波数を自動的に選択して、感光体ドラム12の経時変化に伴う騒音発生を抑制する低騒音の帯電装置10を提供することができる。
【0022】
図14は、本発明の実施の形態例に係る帯電装置10を備えた画像形成装置100の要部構成を示す正面図である。
図14において、帯電装置10を備えた画像形成装置100は、一般にコンソールタイプと称せられて、床面に載置して使用できるように、全体が高く設定され、その全体が上部と下部とから構成されている。
上部には、画像形成ユニット101と、画像形成ユニット101上に載置された光学ユニット140と自動原稿搬送装置141を備える原稿画像読み取りユニット104が構造体102に支持されて配置されている。
下部には、上部に配置された画像形成ユニット101に被記録媒体(P)の記録用紙を給送する複数の給紙カセットが収納された被記録媒体給送ユニット105が構造体102に支持されて配置されている。
自動原稿搬送装置141の原稿台142に載置された原稿(O)が、光学ユニット140のコンタクトガラス143上に自動搬送されて停止する。
次いで、光学ユニット140の光源144が図示の矢印(A)方向の右方に移動し、このとき、原稿(O)の原稿面が光源144により照明され、原稿(O)の画像が結像光学系145によって、画像形成ユニット101の像担持体11である感光体ドラム12上に結像される。
【0023】
被帯電体1である感光体ドラム12は、図示の矢印(B)方向の時計方向に回転し、この時帯電装置10の帯電ローラ20によって表面を一様に帯電され、その帯電面に結像光学系145により原稿画像が結像される。帯電装置10の帯電ローラ20は、製造が困難になることなく帯電周波数における騒音を減少して感光体ドラム12の表面を一様に帯電する。
これによって感光体ドラム12上に静電潜像が形成され、この潜像は画像形成ユニット101の現像ユニット110によってトナー像として可視像化される。
一方、下部に配置された被記録媒体給送ユニット105から被記録媒体(P)が感光体ドラム12に向けて給送され、画像形成ユニット101の転写部に配置された転写用の帯電装置10の帯電ローラ20によって感光体ドラム12上のトナー像が被記録媒体(P)に転写される。この転写用の帯電装置10の帯電ローラ20も製造が困難などとなることなく帯電周波数における騒音を減少して感光体ドラム12上のトナー像が被記録媒体(P)に転写される。
この被記録媒体(P)は、画像形成ユニット101の定着ユニット111を通り、転写されたトナー像が被記録媒体(P)上に定着され、ついで被記録媒体(P)は機外に排出されて収納される。図示した画像形成装置100は、両面コピーもとれるように構成されているが、ここではその説明は割愛する。
感光体ドラム12上に残留するトナーは、画像形成ユニット101のクリーニングユニット112によって除去されて次工程に備えられる。
上述のように、図示した画像形成装置100は画像形成ユニット101の各種部品やユニットを有しているが、これらの駆動は、複数の図示しない駆動モータによって駆動を得て回転している。
また、画像形成ユニット101や光学ユニット140の光源144等の各種部品とユニットは構造体102に支持されている。特に感光体ドラム12などの回転運動を行う中空のローラは、構造体102と結合する図示しない棒状の芯を通し、偏芯をおさえて回転するように支持されている。
【0024】
図15は、本発明の実施の形態例に係る帯電装置10を備えた画像形成装置100の構造体102の分解斜視図である。
図15において、構造体102は、上部の上部骨格体120と下部の下部骨格体121とを有する。
上部骨格体120は、前述の図示しない画像形成ユニット101と原稿画像読み取りユニット104などの支持用であって、感光体ドラム12、感光体ドラム12の表面を一様に帯電する帯電装置10、現像ユニット110、感光体ドラム12上のトナー像を被記録媒体(P)に転写する帯電装置10、定着ユニット111、およびクリーニングユニット112等を支持するものである。
また、下部骨格体121は、前述の図示しない被記録媒体給送ユニット105などを支持するものである。
まず、下部骨格体121は、その底部に位置するベース部材の板部材122にチャンネル状に形成された複数の骨組み部材123を組み付け、これらを溶接によって一体に固着したものから構成されている。
図示の矢印(C)で示した向きが、画像形成装置100の手前側、すなわち通常オペレータに向き合う側の正面となり、図示の矢印(D)で示した側が奥側となる。また、オペレータが画像形成装置100に向き合ったときに左右方向となる向きは、図示の矢印(E)で示してある。
【0025】
他方、上記上部骨格体120も、4本の略水平な骨組み部材124を矩形に組み付け、これに必要に応じて補強用の骨組み部材を組み付けると共に、これらを溶接によって互いに固着した下部部分と、この下部部分に溶接によって固着されて垂直に立った四本の骨組み部材125、奥側の骨組み部材126の上部に溶接により固着された骨組み部材127などを有して溶接で結合されている。
また、下部骨格体121の奥側の骨組み部材123の上部左右には、上方に突出する少なくとも二つのピン128が固定され、このピン128が上部骨格体120の骨組み部材124の奥側の部位に穿設された取り付け孔129に嵌合するようになっている。上部骨格体120を図示の矢印(F)方向に下ろして、下部骨格体121に、ピン128を介して互いに連結され、かつ位置決めされる。その際、一対の取り付け孔129の一方の孔を長孔にすると良い。
さらに上記構造体102の上部骨格体120と下部骨格体121を図示の矢印(G)方向に囲む外装部材103を取り付けて、概観を良くしたり、ユーザーへの安全性を高めたり、上記構造体102内に粉塵が入る事を防いだり、画像形成ユニット101を覆うことで騒音が漏れるのを確実に防ぐようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の形態例に係る帯電装置の基本構成図である。
【図2】本発明の実施の形態例に係る帯電装置の帯電ローラに入力する帯電信号を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態例に係る帯電装置における感光体ドラムの振動形状を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態例に係る帯電装置における発振手段の機能構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態例に係る帯電装置における演算装置の演算部をになうシステム構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態例に係る帯電装置における発振手段の帯電周波数を決定するフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態例に係る帯電装置における感光体ドラムの肉厚と共振周波数との相関関係を示すグラフ図である。
【図8】本発明の実施の形態例に係る帯電装置における感光体ドラムの放射音発生メカニズムを簡略に示した図である。
【図9】本発明の実施の形態例に係る帯電装置における2種類の肉厚の感光体ドラムにおける、帯電周波数と帯電騒音の音響パワーレベルの特性を示すグラフ図である。
【図10】本発明の実施の形態例に係る帯電装置における帯電周波数を周波数Aとしたときに帯電ローラの近傍での放射音を周波数解析した結果のグラフ図である。
【図11】本発明の実施の形態例に係る帯電装置における発振手段の帯電周波数の整数倍まで考慮して帯電周波数を決定するフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態例に係る帯電装置が感光体ドラムの発する音を検知する音検知手段を有する基本構成図である。
【図13】本発明の実施の形態例に係る帯電装置における発振手段により感光体ドラムの帯電騒音を低減する帯電周波数を自動的に選択するフローチャートである。
【図14】本発明の実施の形態例に係る帯電装置を備えた画像形成装置の要部構成を示す正面図である。
【図15】本発明の実施の形態例に係る帯電装置を備えた画像形成装置の構造体の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0027】
1 被帯電体、2 帯電部材、3 発振手段、4 音検知手段、5 演算装置、10 帯電装置、11 像担持体、12 感光体ドラム、20 帯電ローラ、30 ロータリ・エンコーダ、31 コンプレックス・プログラマブル・ロジック・デバイス(CPLD)、32 ディジタル直接合成発振器(DDS)、33 LCDモジュール、34 桁設定スイッチUP、35 桁設定スイッチDOWN、50 インターフェース(I/F)、51 CPU、52 ROM、53 RAM、54 表示装置、55 ハードディスク、56 キーボード、57 CD−RWドライブ、58 CD−RW(DVD−RW)、100 画像形成装置、101 画像形成ユニット、102 構造体、103 外装部材、104 原稿画像読み取りユニット、105 被記録媒体給送ユニット、110 現像ユニット、111 定着ユニット、112 クリーニングユニット、120 上部骨格体、121 下部骨格体、122 板部材、123〜127 骨組み部材、128 ピン、129 取り付け孔、140 光学ユニット、141 自動原稿搬送装置、142 原稿台、143 コンタクトガラス、144 光源、145 結像光学系、310 エンコーダ入力判定モジュール、311 周波数設定UP/DOWNカウンタモジュール、312 10進→2進変換モジュール、313 文字列表示シーケンサモジュール、314 キャラクタ表示シーケンサモジュール
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯電装置、及びその帯電装置を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の複写機、ファクシミリ装置、プリンタ機器等の電子写真式の画像形成装置においては、帯電装置に起因して騒音が発生しているが、オフィスの静音化の要請の進行に伴い画像形成装置の低騒音化が強く求められている。
また、オフィス業務の高効率化、高速化が高まり、これに伴って画像形成装置には今後ますますカラー化、高速化が進むと考えられる。
この結果、カラー化に伴って一つの画像形成装置内に使用する帯電装置の個数が増大して騒音が増大し、また高速駆動に伴う製品振動の増大化とこれに伴う製品騒音の増大が予測され、オフィス機器のさらなる静音化は急務となっている。
帯電装置においても、装置一台当りの騒音量は、数分の一から数十分の一に下げる必要がある。
電子写真方式の画像形成装置では、像担持体に帯電を施し、その帯電された範囲を露光により選択的に消去あるいは減少させ、像担持体上に静電潜像を形成する。像担持体に帯電する帯電装置としては、コロナ放電を利用したものが主流であった。しかし、このコロナ放電を用いた帯電装置は、オゾンが多量に発生してしまうという不具合があり、またコロナ放電を行わせるために5kV〜10kVという高電圧を印加する高電圧電源が必要となり、画像形成装置の低コスト化が難しくなる。
従って、近年、コロナ放電を利用しない帯電部材を像担持体に対向して設ける帯電装置が提案されている。この帯電装置には、像担持体と直接接触させる接触型と、微小な間隙を設ける非接触型とがある。接触型の帯電装置では、コロナ放電を用いる場合の不具合の多くが解消される一方、「像流れ」と呼ばれる異常画像の発生及び像担持体の摩耗量が増大する等の不具合が発生している。また、印加電圧に交流を用いた場合は騒音が発生するという不具合がある。さらに、接触型帯電装置では、トナーや紙粉を像担持体と帯電部材で擦りつけるので汚染を助長するという不具合もある。
そのために、非接触方式により像担持体を帯電させる帯電装置が多く提案されている。この非接触型の帯電装置では、接触型の帯電装置と比較して、帯電部材が像担持体に機械的に当接しないために互いに摩耗することが無く、さらに、トナー又は紙粉等により汚れることが少ないために、経時劣化を防止することができる。
【0003】
また、従来、所定の間隙にするために、帯電部材の両端にスペーサ部材を接着剤で貼着させているが、この接着剤が圧力を受けてスペーサ部材から染み出してくることがある。この染み出した接着剤にトナー等が付着して異常生成物を形成すると、異常放電が発生して像担持体、帯電部材の劣化を招くことになる。
また、異常放電により像担持体が正常に帯電しないために画像斑等の異常画像が形成されることがある。また、帯電部材の両端にスペーサ部材を接着剤で貼着させることにより、端部の構造が接触式と同様となり、印加電圧に交流を用いた場合は騒音が発生するという不具合は解消されず、接触型と非接触型の区別無く、帯電装置より騒音が発生している。ここに至り、これまでは遮蔽されていたため、ある程度寛容であった中空部品の内部騒音に関して、これを効率的に吸音、あるいは消音あるいは防音する必要が生じた。
また、電子写真方式における帯電騒音の原因は、放電による気体の急膨張ではなく、機械振動であるという説もある(非特許文献1参照)。
感光体ドラムの帯電騒音を低減する方法として、帯電ローラを感光体ドラムに押し当てることがよく知られている(特許文献1を参照)。この方法では、帯電ローラと感光体ドラムが接触することにより、お互いの振動を抑制する効果を得ている。
しかしながら、この方法は帯電ローラと感光体ドラムが完全に接触していることが絶対条件であり、製造上の精度等の原因で非接触区間が存在してしまう場合、静電力が非接触部位に集中してしまうため、帯電装置自体の破損を招いてしまう。このため、現実的ではない。
【0004】
また、円筒状ドラムの曲げ1次モード及び曲げ2次モードの腹に対応する部分の肉厚を薄くし、節に対応する部分の肉厚を厚くすることで、円筒状ドラムの曲げ1次モード及び曲げ2次モードの腹に対応する部分の重量の増加を抑制すると共に円筒状ドラムの剛性を増加させることができ、固有の共振周波数(固有振動数)を含む全周波数領域における振動応答レベルを低下できることも知られている(特許文献2を参照)。
しかしながら、この方法において使用するドラムは、その特徴のため、精度の良い製造が困難である。
またさらに、交流バイアスによる共振現象をベルト状基体等の薄肉部材からなる像担持体およびこれに対向近接してバイアス特性を設定される装置を備えた構成を対象とした像担持体の振動吸収方法として、バイアス特性を設定される装置との対向面と反対側に振動吸収部材が少なくとも一部を接触させた状態で配置されている像担持体を用いる方法も知られている(特許文献3を参照)。
しかしながら、この方法で使用する像担持体は、重量が大幅に増加しており、環境負荷の側面からは好ましくない。
【特許文献1】特許第3109959号
【特許文献2】特開2000−267499公報
【特許文献3】特開2004−78179公報
【非特許文献1】「Vibration and Noise Induced by Electrostatic Force on a Contact Charger Roller of Electrophotography」 Journal of Imaging Science and Technology Vol.39,No.6,Nov./Dec. 1995Hiroyuki Kawamoto, Koji Udagawa, and Masahiro Mori et al.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の帯電装置、及びその帯電装置を備えた画像形成装置においては、帯電騒音を低減するために帯電装置を破損させたり、被帯電体の製造が困難で、重量が大幅に増加するなどと言う問題が発生していた。
本発明は、このような問題点を解決するもので、製造が容易で帯電周波数における騒音の減少を可能にする帯電装置及びその帯電装置を備える画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の本発明は、被帯電体を帯電する帯電装置において、被帯電体に対向して配置されて前記被帯電体の表面を帯電させる帯電部材と、入力により設定される周波数の信号を発生する発振手段を備えて、前記発振手段により前記帯電部材の帯電周波数を被帯電体の形状に合わせて決定する帯電装置であることを特徴とする。
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の帯電装置において、前記被帯電体は、像担持体である帯電装置であることを特徴とする。
請求項3に記載の本発明は、請求項2に記載の帯電装置において、前記像担持体は、ドラム形状の感光体ドラムである帯電装置であることを特徴とする。
請求項4に記載の本発明は、請求項1、2又は3に記載の帯電装置において、前記帯電部材は、帯電ローラである帯電装置であることを特徴とする。
請求項5に記載の本発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の帯電装置において、前記発振手段は、前記被帯電体の形状にあわせて帯電周波数を変更可能である帯電装置であることを特徴とする。
請求項6に記載の本発明は、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の帯電装置において、前記発振手段は、前記被帯電体の形状に合わせて決定した帯電周波数を記録する帯電装置であることを特徴とする。
請求項7に記載の本発明は、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の帯電装置において、前記発振手段が発生する帯電周波数は、前記被帯電体の共振周波数と異なる帯電装置であることを特徴とする。
【0007】
請求項8に記載の本発明は、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の帯電装置において、前記発振手段が発生する整数倍する帯電周波数は、前記被帯電体の共振周波数と異なる帯電装置であることを特徴とする。
請求項9に記載の本発明は、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の帯電装置において、前記被帯電体の発する音を検知する音検知手段を備える帯電装置であることを特徴とする。
請求項10に記載の本発明は、請求項9に記載の帯電動装置において、前記発振手段が、前記音検知手段より取得する検知情報により、可聴周波数帯において、帯電周波数を連続的に変化させながら発生させ、前記被帯電体の帯電騒音を低減する帯電周波数を自動的に選択する帯電装置であることを特徴とする。
請求項11に記載の本発明は、請求項9又は10に記載の帯電装置において、前記発振手段が、前記音検知手段より取得する検知情報および選択した帯電騒音を低減する帯電周波数を記録する帯電装置であることを特徴とする。
請求項12に記載の本発明は、被帯電体を帯電して画像を形成する画像形成装置において、画像を形成する画像形成ユニットと、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の前記帯電装置を備える画像形成装置であることを特徴とする。
請求項13に記載の本発明は、請求項12に記載の画像形成装置において、前記画像形成ユニットは、前記画像形成ユニットを支持する構造体と、前記構造体に取り付けられて前記画像形成ユニットを覆う外装部材を備える画像形成装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、破損することなく製造が困難となることもなく重量が大幅に増加することなく帯電周波数における騒音の減少を可能にする帯電装置、及びその帯電装置を備えた画像形成装置を提供することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態例に係る帯電装置10の基本構成図である。
図2は本発明の実施の形態例に係る帯電装置10の帯電ローラ20に入力する帯電信号を示す図である。
図1において、被帯電体1としての像担持体11を帯電する帯電装置10は、像担持体11(感光体ドラム12)に対向して配置されてその表面を帯電させる帯電部材2(帯電ローラ20)と、パラレルまたはシリアル入力により設定される周波数の信号を発生する発振手段3と、演算装置5を備えて、発振手段3により帯電ローラ20の帯電周波数を感光体ドラム12の形状、構造に合わせて決定するようになっている。
発振手段3は、帯電ローラ20に図2に示すような周波数の信号を入力する。図2の例は通常のサイン波であるが、オフセットを乗せるのが一般的である。
また、図2は理想状態のサイン波であるが、矩形波、あるいは他の周期を持った信号パターンであっても良い。
図3は、本発明の実施の形態例に係る帯電装置10における感光体ドラム12の振動形状を示す図である。
図3において、感光体ドラム12の振動形状には、円筒方向に全体が曲がる「曲げモード」(a)、表面が円筒方向に曲がる「表面振動モード」(b)、全体が高速で平行移動する「剛体モード」(c)の3種類が存在する。
感光体ドラム12の騒音原因となりうる振動形状は、「曲げモード」(a)と「表面振動モード」(b)である。
【0010】
図4は、本発明の実施の形態例に係る帯電装置10における発振手段3の機能構成を示すブロック図である。
図4において、発振手段3を、サイン波を発生する手段を用いて説明する。発振手段3の全体は、ロータリ・エンコーダ30、コンプレックス・プログラマブル・ロジック・デバイス31(以降CPLD31と略す)、ディジタル直接合成発振器32(以降DDS32と略す)及びLCD(液晶)モジュール33などから構成されている。
ロータリ・エンコーダ30により周波数の数値をアップ/ダウンすることができる。また、桁設定スイッチUP34および桁設定スイッチDOWN35は、ロータリ・エンコーダ30により入力する周波数の桁を設定することとし、桁設定スイッチUP34または桁設定スイッチDOWN35を押すごとに位置が1桁ずつ上位、あるいは下位にずれるようにする。ロータリ・エンコーダ30は、A相、あるいはB相の回転方向情報と回転量の情報をCPLD31内のエンコーダ入力判定モジュール310に入力する。
エンコーダ入力判定モジュール310は、これらの情報から入力数値を判定し、周波数設定UP/DOWNカウンタモジュール311へと入力数値情報を送信する。また、周波数設定UP/DOWNカウンタモジュール311は桁設定スイッチUP34および桁設定スイッチDOWN35からの入力情報も送信される。これらの情報により周波数設定UP/DOWNカウンタモジュール311は、信号周波数を設定する。設定された周波数の情報は10進→2進変換モジュール312において2進数に変換され、DDS32に設定値が入力される。DDS32は基準クロックに同期して、図示しない波形メモリからデータを呼び出し、そのデータを図示しないD−Aコンバータおよびローパスフィルタによりアナログ波形に変換し、出力する。
図4に示す発振手段3は説明の便宜上、単体でパラレルまたはシリアル入力により設定された周波数の信号を発生できる装置としてあるが、周波数設定UP/DOWNカウンタモジュール311、10進→2進変換モジュール312、およびDDS32以外の構成は図示しない画像形成装置の操作パネル部等と共用可能であることは言うまでも無い。
また、後天的に周波数を変更する必要がない場合、即ち製造工程内で周波数を設定し、これを変更しない、あるいは、する必要が無い場合は前記周波数設定UP/DOWNカウンタモジュール311、10進→2進変換モジュール312、およびDDS32以外は生産・検査等の工程内の機器に備え付けられていても良い。
【0011】
図5は、本発明の実施の形態例に係る帯電装置10における演算装置5の演算部をになうシステム構成を示すブロック図である。
図5において、演算装置5は、測定した帯電騒音情報はインターフェース50(以下I/F50と略す)、CPU51、ROM52、RAM53、表示装置54、ハードディスク55、キーボード56及びCD−RWドライブ57を含んで構成されている。また、汎用の処理装置を用意し、CD−RW(DVD−RW)58などの読取可能な記憶媒体には、帯電装置10における発振手段3の演算部を実行するプログラムが記憶されている。
更に、I/F50を介して外部装置から制御信号が入力され、キーボード56によって操作者による指令又は自動的に帯電装置10における発振手段3のプログラムが起動される。そして、CPU51は帯電装置10における発振手段3の算出プログラムに従い、演算処理を行う。
図6は、本発明の実施の形態例に係る帯電装置10における発振手段3の帯電周波数を決定するフローチャートである。
図6において、発振手段3は、演算装置5を利用して次のように製造が困難などとなることなく帯電周波数における騒音の減少を可能にする。
まず事前に感光体ドラム12の肉厚(mm)と共振周波数(Hz)との相関関係を作成する(ステップ1)。このとき、感光体ドラム12の肉厚(mm)は一定とは考えにくいため、製造上の特徴的な部位、例えば接合部などと共振周波数(Hz)の相関関係を考えると作成しやすい。図5に示す演算装置5を用いて相関関係を演算する。
【0012】
図7は、本発明の実施の形態例に係る帯電装置10における感光体ドラム12の肉厚(mm)と共振周波数(Hz)との相関関係を示すグラフである。ある半径の感光体ドラム12を、肉厚を0.1mmずつ変更し、1mmから1.5mmまでの6本を用意する。このときの、ある振動形状をした振動の周波数を調べた結果である。これより、この場合の共振周波数はほぼ線形に推移することがわかる。
図7のように、相関が正かつ線形であることは絶対条件ではない。形状により、相関が線形でないことも当然ありうる。ある程度の仕様が決定されれば、感光体ドラム12の形状も搭載可能なサイズも決定される。この時点で以上のような相関関係を作成する。感光体ドラム12の騒音の要因となりうる振動形状で、且つ可聴域に存在する共振周波数において、この相関関係を作成するが、はじめから問題となる振動形状がわかっている場合は、該当する相関関係のみが作成できれば良い。今回の説明においては、実験的に相関関係を求める手法を用いたが、相関関係を作成するための方法は、例えばシミュレーションを利用する方法など、どんな方法でも良い。
部品の組み付けを行う前に、感光体ドラム12の肉厚情報を取得する(ステップ2)。取得方法は、手動であっても自動であっても良いが、事前に相関を作成した際と同様の方法にする必要がある。
次に、感光ドラム12の肉厚情報と相関関係からこの感光体ドラム12固有の共振周波数を決定する(ステップ3)。
【0013】
次に、帯電周波数の設定をする(ステップ4)。帯電周波数は、感光体ドラム12の回転数等から機能を満たす、即ち感光体ドラム12を帯電させることが可能な周波数帯が決定される。この周波数帯のうち、前記共振周波数ではない周波数を選択し、図4に示すパラレルまたはシリアル入力により設定された周波数の信号を発生する発振手段3の発生周波数を前記帯電周波数に設定する。また、この周波数帯内に前記共振周波数が存在する場合、設定する周波数はこの共振周波数との差異が、少なくとも5Hz以上となるように帯電周波数を設定する。
次に、実際に低騒音となっているか確認を行う。定められた基準値よりも小さな騒音となっているかチェックを行う(ステップ5)。設定した帯電周波数で製品、あるいは部品を使用し、その際の騒音を測定する。基準値よりも騒音が小さければエンドで完了するが、基準値を越える場合は、帯電周波数を変化させて、微調整を行う(ステップ6)。
連続的、あるいは断続的に帯電周波数を変化させて、それぞれの帯電周波数における騒音を測定する。測定された周波数微調整後の騒音情報を基準値と比較する(ステップ7)。基準値よりも小さくなるまで、上記作業を繰り返す。上記の工程で取得・加工した情報はすべてCD−RW(DVD−RW)58、ハードディスク54などの記録媒体に記録可能であり、記録媒体に記録して後にこの情報を活用しても良い。
以上により、製造誤差にかかわりなく帯電周波数の騒音を抑制し、破損したり重量が大幅に増加することもなく低騒音の帯電装置10を提供することができる。
【0014】
図8は、本発明の実施の形態例に係る帯電装置10における感光体ドラム12の放射音発生メカニズムを簡略に示した図である。
図8において、被帯電体1である感光体ドラム12には、帯電ローラ20などから入力となる振動が伝播する。この入力に応じた騒音が感光体ドラム12から発生している。騒音は、感光体ドラム12の振動特性と音響特性に基づいた騒音を発生する。すなわち、入力となる振動の周波数が感光体ドラム12の共振周波数と一致するとき、騒音が発生する。
帯電装置10では、全ての周波数における騒音量を低減する。特に帯電周波数における騒音の大幅な減少が可能になる。
【0015】
次に、他の実施例を説明する。
図9は、本発明の実施の形態例に係る帯電装置10における2種類の肉厚の感光体ドラム12における、帯電周波数(Hz)と帯電騒音の音響パワーレベル(dB)の特性を示すグラフである。
図9のグラフにおいて、周波数A〜Dは帯電信号の帯電周波数(Hz)を示している。周波数A以外の周波数においては、感光体ドラム12を厚肉化することで、騒音が下がることがわかる。
また、図10は、本発明の実施の形態例に係る帯電装置10における帯電周波数を周波数Aとしたときに帯電ローラ20の近傍での放射音を周波数解析した結果のグラフである。これによると、周波数Aの4倍の周波数において、放射音は最大となっている。
また、この周波数Aの4倍の周波数には、肉厚が厚い感光体ドラム12の、図3にて説明した「表面振動モード」(b)の振動形状を有した共振周波数が存在している。すなわち、この帯電周波数の4倍と共振周波数が一致したため、周波数Aにおいては、騒音が大きくなったことがわかる。図2にて図示してあるが、帯電騒音は、帯電周波数に依存している。電気的な周波数に対し、帯電ローラ20及び感光体ドラム12間の引力は絶対値で生じる。すなわち図2のようにオフセットのない帯電周波数の場合、その波長と相関がある。また、オフセットがある場合は波長との相関があることが知られていた。前記結果より、これらの周波数と、その整数倍を考慮しなければならないことが明確である。これらより、帯電周波数の整数倍まで考慮して帯電周波数を決定する帯電装置10における発振手段3を説明する。
【0016】
図11は、本発明の実施の形態例に係る帯電装置10における発振手段3の帯電周波数の整数倍まで考慮して帯電周波数を決定するフローチャートである。
図11において、発振手段3は、演算装置5を利用して次のように帯電周波数の整数倍の周波数における騒音の減少を可能にする。
まず事前に感光体ドラム12の肉厚(mm)と共振周波数(Hz)との相関関係を作成する(ステップ11)。このとき、感光体ドラム12の肉厚(mm)は一定とは考えにくいため、製造上の特徴的な部位、例えば接合部などと共振周波数(Hz)の相関関係を考えると作成しやすい。図5に示す演算装置5を用いて相関関係を演算する。
図7の感光体ドラム12の肉厚(mm)と共振周波数(Hz)との相関関係を示すグラフより、この場合の共振周波数はほぼ線形に推移することがわかる。相関が線形であることは絶対条件ではない。形状により、相関が線形でないことも当然ありうる。ある程度の仕様が決定されれば、感光体ドラム12の形状も搭載可能なサイズも決定される。この時点で以上のような相関関係を作成する。感光体ドラム12の騒音の要因となりうる振動形状で、且つ可聴域に存在する共振周波数において、この相関関係を作成するが、はじめから問題となる振動形状がわかっている場合は、該当する相関関係のみが作成できれば良い。今回の説明においては、実験的に相関関係を求める手法を用いたが、相関関係を作成するための方法は、例えばシミュレーションを利用する方法など、どのような方法であっても良い。
部品の組み付けを行う前に、感光体ドラム12の肉厚情報を取得する(ステップ12)。取得方法は、手動であっても自動であっても良いが、事前に相関を作成した際と同様の方法にする必要がある。
【0017】
次に、感光体ドラム12の肉厚情報と相関関係からこの感光体ドラム12固有の共振周波数を決定する(ステップ13)。
次に、帯電周波数の設定をする(ステップ14)。帯電周波数は、感光体ドラム12の回転数等から機能を満たす、即ち感光体ドラム12を帯電させることが可能な周波数帯が決定される。この周波数帯のうち、前記共振周波数ではない周波数を選択し、図4に示すパラレルまたはシリアル入力により設定された周波数の信号を発生する発振手段3の発生周波数を前記帯電周波数に設定する。また、この周波数帯内に前記共振周波数が存在する場合、設定する周波数はこの共振周波数との差異が、少なくとも5Hz以上となるように帯電周波数を設定する。
次に、帯電周波数とその整数倍が共振周波数に一致していない(帯電周波数*n≠共振周波数)ことを確認する(ステップ15)。これは、帯電周波数とその整数倍が共振周波数に一致していないかどうかを演算装置5にて演算して確認する。帯電周波数とその整数倍が共振周波数に一致しているならば、帯電周波数を再設定し、前記数式が「真」となるまで繰り返す。
【0018】
次に、実際に低騒音となっているか否かの確認を行う。定められた基準値よりも小さな帯電騒音となっているかのチェックを行う(ステップ16)。設定した帯電周波数で製品、あるいは部品を使用し、その際の帯電騒音を測定する。基準値よりも帯電騒音が小さければエンドで完了するが、基準値を越える場合は、帯電周波数を変化させて、帯電周波数の微調整を行う(ステップ17)。
連続的、あるいは断続的に帯電周波数を変化させて、それぞれの帯電周波数における帯電騒音を測定する。測定された周波数微調整後の帯電騒音情報を基準値と比較する(ステップ18)。基準値よりも小さくなるまで、上記作業を繰り返す。上記の工程で取得・加工した情報はすべてCD−RW(DVD−RW)58、ハードディスク54などの記録媒体に記録可能であり、記録媒体に記録して後にこの情報を活用しても良い。
以上により、製造誤差にかかわりなく帯電周波数の整数倍の騒音を抑制した、破損したり重量が大幅に増加することもなく低騒音の帯電装置10を提供することができる。
帯電装置10では、全ての周波数における騒音量を低減する。特に帯電周波数の整数倍の周波数における騒音の大幅な減少が可能になる。
【0019】
次に、さらに他の実施例を説明する。
図12は、本発明の実施の形態例に係る帯電装置10が感光体ドラム12の発する音を検知する音検知手段4を有する基本構成図である。
図12において、感光体ドラム12の発する音を検知する音検知手段4を有する帯電装置10は、感光体ドラム12の帯電騒音を低減する周波数を自動的に選択する。感光体ドラム12の近傍に音検知手段4の指向性のあるマイクロフォンが、感光体ドラム12を挟んだ帯電ローラ20と反対の位置に配置されている。
音検知手段4のマイクロフォンは演算装置5に接続されており、音検知手段4によって取得された感光体ドラム12の騒音情報は、直ちに演算装置5によって処理可能となっている。また、演算装置5は、単体で計算機を構成しても良く、図示しない画像形成装置内の部位、例えば操作パネルなどと共用可能なものは共用しても良い。
【0020】
図13は、本発明の実施の形態例に係る帯電装置10における発振手段3により感光体ドラム12の帯電騒音を低減する帯電周波数を自動的に選択するフローチャートである。
図13において、発振手段3は、演算装置5を利用して次のように感光体ドラム12の帯電騒音を低減する周波数を自動的に選択して帯電周波数における騒音の減少を可能にする。
まず事前に感光体ドラム12の肉厚(mm)と共振周波数(Hz)との相関関係を作成する(ステップ21)。このとき、感光体ドラム12の肉厚(mm)は一定とは考えにくいため、製造上の特徴的な部位、例えば接合部などと共振周波数(Hz)の相関関係を考えると作成しやすい。演算装置5を用いて相関関係を演算する。
相関関係は、ある程度仕様が決定された時点で、前述の各実施例と同様、図7に示すような感光体ドラム12の肉厚(mm)と共振周波数(Hz)との相関関係を作成する。感光体ドラム12の騒音の要因となりうる振動形状で、且つ可聴域に存在する共振周波数において、この相関関係を作成するが、はじめから問題となる振動形状がわかっている場合は、該当する相関関係のみが作成できれば良い。今回の説明においては、実験的に相関関係を求める手法を用いたが、相関関係を作成するための方法は、例えばシミュレーションを利用する方法など、どのような方法であっても良い。
部品の組み付けを行う前に、感光体ドラム12の肉厚情報を取得しておく(ステップ22)。取得方法は、手作業であっても自動であっても良いが、事前に相関を作成した際と同様の方法にする必要がある。
次に、感光体ドラム12の肉厚情報と相関関係からこの感光体ドラム固有の共振周波数を決定する(ステップ23)。
次に、帯電周波数の設定をする(ステップ24)。帯電周波数は、感光体ドラム12の回転数等から機能を満たす、即ち感光体ドラム12を帯電させることが可能な周波数帯が必要条件として決定される。この周波数帯のうち、前記共振周波数ではない周波数を選択し、図4に示すパラレルまたはシリアル入力により設定された周波数の信号を発生する発振手段3の発生周波数を前記帯電周波数に設定する。また、この周波数帯内に前記共振周波数が存在する場合、設定する周波数はこの共振周波数と異なるような周波数を設定する。また、前述の実施例と同様、帯電周波数とその整数倍が共振周波数に一致していないかも考慮し帯電周波数を設定する。
【0021】
次に、実際に低騒音となっているかについて確認を行う。実際に図示しない画像形成装置を駆動させ、感光体ドラム12を帯電させ、このときの感光体ドラム12の騒音を音検知手段4のマイクロフォンから取得する(ステップ25)。
取得した騒音情報を演算装置5にて周波数解析し、周波数毎の音圧レベルの情報、例えば前述の図10のような情報を取得する(ステップ26)。
次に、この騒音情報に関して、自動判別を行う(ステップ27)。判別式は、(共振周波数での音圧レベル)≦(周辺周波数帯の平均音圧レベル)+6である。
判別式、(共振周波数での音圧レベル)≦(周辺周波数帯の平均音圧レベル)+6を満たすか否かで判別する。判別式、(共振周波数での音圧レベル)≦(周辺周波数帯の平均音圧レベル)+6を満たしているならば(ステップ30)へ進むが、判別式、(共振周波数での音圧レベル)≦(周辺周波数帯の平均音圧レベル)+6を満たさなかった場合、帯電周波数を微調整して帯電周波数を再設定し再び騒音情報を取得、周波数解析する(ステップ28)。
再度判別式、(共振周波数での音圧レベル)≦(周辺周波数帯の平均音圧レベル)+6を用いて判別を行う。以上を判別式、(共振周波数での音圧レベル)≦(周辺周波数帯の平均音圧レベル)+6が「真」となるまで繰り返す(ステップ29)。
次に、カウンターの数値をセンシングし、画像形成装置などで設定された『セルフチェック』を行う枚数まで稼動したかを判定する(ステップ30)。設定された枚数とカウンターの情報が等しければ再び(ステップ25)以降を繰り返す。しかし設定された枚数とカウンターの情報が等しくなければ、等しくなるまで待機する(ステップ31)。
上記の工程で取得・加工した情報はすべてCD−RW(DVD−RW)58、ハードディスク54などの記録媒体に記録可能であり、記録媒体に記録した後にこの情報を活用しても良い。
以上により、帯電周波数および整数倍の帯電周波数において、感光体ドラム12の帯電騒音を低減する周波数を自動的に選択して、感光体ドラム12の経時変化に伴う騒音発生を抑制する低騒音の帯電装置10を提供することができる。
【0022】
図14は、本発明の実施の形態例に係る帯電装置10を備えた画像形成装置100の要部構成を示す正面図である。
図14において、帯電装置10を備えた画像形成装置100は、一般にコンソールタイプと称せられて、床面に載置して使用できるように、全体が高く設定され、その全体が上部と下部とから構成されている。
上部には、画像形成ユニット101と、画像形成ユニット101上に載置された光学ユニット140と自動原稿搬送装置141を備える原稿画像読み取りユニット104が構造体102に支持されて配置されている。
下部には、上部に配置された画像形成ユニット101に被記録媒体(P)の記録用紙を給送する複数の給紙カセットが収納された被記録媒体給送ユニット105が構造体102に支持されて配置されている。
自動原稿搬送装置141の原稿台142に載置された原稿(O)が、光学ユニット140のコンタクトガラス143上に自動搬送されて停止する。
次いで、光学ユニット140の光源144が図示の矢印(A)方向の右方に移動し、このとき、原稿(O)の原稿面が光源144により照明され、原稿(O)の画像が結像光学系145によって、画像形成ユニット101の像担持体11である感光体ドラム12上に結像される。
【0023】
被帯電体1である感光体ドラム12は、図示の矢印(B)方向の時計方向に回転し、この時帯電装置10の帯電ローラ20によって表面を一様に帯電され、その帯電面に結像光学系145により原稿画像が結像される。帯電装置10の帯電ローラ20は、製造が困難になることなく帯電周波数における騒音を減少して感光体ドラム12の表面を一様に帯電する。
これによって感光体ドラム12上に静電潜像が形成され、この潜像は画像形成ユニット101の現像ユニット110によってトナー像として可視像化される。
一方、下部に配置された被記録媒体給送ユニット105から被記録媒体(P)が感光体ドラム12に向けて給送され、画像形成ユニット101の転写部に配置された転写用の帯電装置10の帯電ローラ20によって感光体ドラム12上のトナー像が被記録媒体(P)に転写される。この転写用の帯電装置10の帯電ローラ20も製造が困難などとなることなく帯電周波数における騒音を減少して感光体ドラム12上のトナー像が被記録媒体(P)に転写される。
この被記録媒体(P)は、画像形成ユニット101の定着ユニット111を通り、転写されたトナー像が被記録媒体(P)上に定着され、ついで被記録媒体(P)は機外に排出されて収納される。図示した画像形成装置100は、両面コピーもとれるように構成されているが、ここではその説明は割愛する。
感光体ドラム12上に残留するトナーは、画像形成ユニット101のクリーニングユニット112によって除去されて次工程に備えられる。
上述のように、図示した画像形成装置100は画像形成ユニット101の各種部品やユニットを有しているが、これらの駆動は、複数の図示しない駆動モータによって駆動を得て回転している。
また、画像形成ユニット101や光学ユニット140の光源144等の各種部品とユニットは構造体102に支持されている。特に感光体ドラム12などの回転運動を行う中空のローラは、構造体102と結合する図示しない棒状の芯を通し、偏芯をおさえて回転するように支持されている。
【0024】
図15は、本発明の実施の形態例に係る帯電装置10を備えた画像形成装置100の構造体102の分解斜視図である。
図15において、構造体102は、上部の上部骨格体120と下部の下部骨格体121とを有する。
上部骨格体120は、前述の図示しない画像形成ユニット101と原稿画像読み取りユニット104などの支持用であって、感光体ドラム12、感光体ドラム12の表面を一様に帯電する帯電装置10、現像ユニット110、感光体ドラム12上のトナー像を被記録媒体(P)に転写する帯電装置10、定着ユニット111、およびクリーニングユニット112等を支持するものである。
また、下部骨格体121は、前述の図示しない被記録媒体給送ユニット105などを支持するものである。
まず、下部骨格体121は、その底部に位置するベース部材の板部材122にチャンネル状に形成された複数の骨組み部材123を組み付け、これらを溶接によって一体に固着したものから構成されている。
図示の矢印(C)で示した向きが、画像形成装置100の手前側、すなわち通常オペレータに向き合う側の正面となり、図示の矢印(D)で示した側が奥側となる。また、オペレータが画像形成装置100に向き合ったときに左右方向となる向きは、図示の矢印(E)で示してある。
【0025】
他方、上記上部骨格体120も、4本の略水平な骨組み部材124を矩形に組み付け、これに必要に応じて補強用の骨組み部材を組み付けると共に、これらを溶接によって互いに固着した下部部分と、この下部部分に溶接によって固着されて垂直に立った四本の骨組み部材125、奥側の骨組み部材126の上部に溶接により固着された骨組み部材127などを有して溶接で結合されている。
また、下部骨格体121の奥側の骨組み部材123の上部左右には、上方に突出する少なくとも二つのピン128が固定され、このピン128が上部骨格体120の骨組み部材124の奥側の部位に穿設された取り付け孔129に嵌合するようになっている。上部骨格体120を図示の矢印(F)方向に下ろして、下部骨格体121に、ピン128を介して互いに連結され、かつ位置決めされる。その際、一対の取り付け孔129の一方の孔を長孔にすると良い。
さらに上記構造体102の上部骨格体120と下部骨格体121を図示の矢印(G)方向に囲む外装部材103を取り付けて、概観を良くしたり、ユーザーへの安全性を高めたり、上記構造体102内に粉塵が入る事を防いだり、画像形成ユニット101を覆うことで騒音が漏れるのを確実に防ぐようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の形態例に係る帯電装置の基本構成図である。
【図2】本発明の実施の形態例に係る帯電装置の帯電ローラに入力する帯電信号を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態例に係る帯電装置における感光体ドラムの振動形状を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態例に係る帯電装置における発振手段の機能構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態例に係る帯電装置における演算装置の演算部をになうシステム構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態例に係る帯電装置における発振手段の帯電周波数を決定するフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態例に係る帯電装置における感光体ドラムの肉厚と共振周波数との相関関係を示すグラフ図である。
【図8】本発明の実施の形態例に係る帯電装置における感光体ドラムの放射音発生メカニズムを簡略に示した図である。
【図9】本発明の実施の形態例に係る帯電装置における2種類の肉厚の感光体ドラムにおける、帯電周波数と帯電騒音の音響パワーレベルの特性を示すグラフ図である。
【図10】本発明の実施の形態例に係る帯電装置における帯電周波数を周波数Aとしたときに帯電ローラの近傍での放射音を周波数解析した結果のグラフ図である。
【図11】本発明の実施の形態例に係る帯電装置における発振手段の帯電周波数の整数倍まで考慮して帯電周波数を決定するフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態例に係る帯電装置が感光体ドラムの発する音を検知する音検知手段を有する基本構成図である。
【図13】本発明の実施の形態例に係る帯電装置における発振手段により感光体ドラムの帯電騒音を低減する帯電周波数を自動的に選択するフローチャートである。
【図14】本発明の実施の形態例に係る帯電装置を備えた画像形成装置の要部構成を示す正面図である。
【図15】本発明の実施の形態例に係る帯電装置を備えた画像形成装置の構造体の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0027】
1 被帯電体、2 帯電部材、3 発振手段、4 音検知手段、5 演算装置、10 帯電装置、11 像担持体、12 感光体ドラム、20 帯電ローラ、30 ロータリ・エンコーダ、31 コンプレックス・プログラマブル・ロジック・デバイス(CPLD)、32 ディジタル直接合成発振器(DDS)、33 LCDモジュール、34 桁設定スイッチUP、35 桁設定スイッチDOWN、50 インターフェース(I/F)、51 CPU、52 ROM、53 RAM、54 表示装置、55 ハードディスク、56 キーボード、57 CD−RWドライブ、58 CD−RW(DVD−RW)、100 画像形成装置、101 画像形成ユニット、102 構造体、103 外装部材、104 原稿画像読み取りユニット、105 被記録媒体給送ユニット、110 現像ユニット、111 定着ユニット、112 クリーニングユニット、120 上部骨格体、121 下部骨格体、122 板部材、123〜127 骨組み部材、128 ピン、129 取り付け孔、140 光学ユニット、141 自動原稿搬送装置、142 原稿台、143 コンタクトガラス、144 光源、145 結像光学系、310 エンコーダ入力判定モジュール、311 周波数設定UP/DOWNカウンタモジュール、312 10進→2進変換モジュール、313 文字列表示シーケンサモジュール、314 キャラクタ表示シーケンサモジュール
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被帯電体を帯電する帯電装置において、前記被帯電体に対向して配置されて前記被帯電体の表面を帯電させる帯電部材と、入力により設定された周波数の信号を発生する発振手段と、を備え、前記発振手段により前記帯電部材の帯電周波数を被帯電体の形状に合わせて決定することを特徴とする帯電装置。
【請求項2】
請求項1に記載の帯電装置において、前記被帯電体は、像担持体であることを特徴とする帯電装置。
【請求項3】
請求項2に記載の帯電装置において、前記像担持体は、ドラム形状の感光体ドラムであることを特徴とする帯電装置。
【請求項4】
請求項1、2又は3に記載の帯電装置において、前記帯電部材は、帯電ローラであることを特徴とする帯電装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の帯電装置において、前記発振手段は、前記被帯電体の形状にあわせて帯電周波数を変更可能であることを特徴とする帯電装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の帯電装置において、前記被帯電体の形状に合わせて決定した帯電周波数を記録する記録媒体を備えたことを特徴とする帯電装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の帯電装置において、前記発振手段が発生する帯電周波数は、前記被帯電体の共振周波数と異なることを特徴とする帯電装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の帯電装置において、前記帯電周波数を整数倍した周波数は、前記被帯電体の共振周波数と異なることを特徴とする帯電装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の帯電装置において、前記被帯電体の発する音を検知する音検知手段を備えることを特徴とする帯電装置。
【請求項10】
請求項9に記載の帯電動装置において、前記発振手段が、前記音検知手段より取得する検知情報により、可聴周波数帯において、帯電周波数を連続的に変化させながら発生させ、前記被帯電体の帯電騒音を低減する帯電周波数を自動的に選択することを特徴とする帯電装置。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の帯電装置において、前記音検知手段より取得する検知情報および選択した帯電騒音を低減する帯電周波数を記録する記録媒体を備えたことを特徴とする帯電装置。
【請求項12】
被帯電体を帯電して画像を形成する画像形成装置において、画像を形成する画像形成ユニットと、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の前記帯電装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項12に記載の画像形成装置において、前記画像形成ユニットは、前記画像形成ユニットを支持する構造体と、前記構造体に取り付けられて前記画像形成ユニットを覆う外装部材を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
被帯電体を帯電する帯電装置において、前記被帯電体に対向して配置されて前記被帯電体の表面を帯電させる帯電部材と、入力により設定された周波数の信号を発生する発振手段と、を備え、前記発振手段により前記帯電部材の帯電周波数を被帯電体の形状に合わせて決定することを特徴とする帯電装置。
【請求項2】
請求項1に記載の帯電装置において、前記被帯電体は、像担持体であることを特徴とする帯電装置。
【請求項3】
請求項2に記載の帯電装置において、前記像担持体は、ドラム形状の感光体ドラムであることを特徴とする帯電装置。
【請求項4】
請求項1、2又は3に記載の帯電装置において、前記帯電部材は、帯電ローラであることを特徴とする帯電装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の帯電装置において、前記発振手段は、前記被帯電体の形状にあわせて帯電周波数を変更可能であることを特徴とする帯電装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の帯電装置において、前記被帯電体の形状に合わせて決定した帯電周波数を記録する記録媒体を備えたことを特徴とする帯電装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の帯電装置において、前記発振手段が発生する帯電周波数は、前記被帯電体の共振周波数と異なることを特徴とする帯電装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の帯電装置において、前記帯電周波数を整数倍した周波数は、前記被帯電体の共振周波数と異なることを特徴とする帯電装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の帯電装置において、前記被帯電体の発する音を検知する音検知手段を備えることを特徴とする帯電装置。
【請求項10】
請求項9に記載の帯電動装置において、前記発振手段が、前記音検知手段より取得する検知情報により、可聴周波数帯において、帯電周波数を連続的に変化させながら発生させ、前記被帯電体の帯電騒音を低減する帯電周波数を自動的に選択することを特徴とする帯電装置。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の帯電装置において、前記音検知手段より取得する検知情報および選択した帯電騒音を低減する帯電周波数を記録する記録媒体を備えたことを特徴とする帯電装置。
【請求項12】
被帯電体を帯電して画像を形成する画像形成装置において、画像を形成する画像形成ユニットと、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の前記帯電装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項12に記載の画像形成装置において、前記画像形成ユニットは、前記画像形成ユニットを支持する構造体と、前記構造体に取り付けられて前記画像形成ユニットを覆う外装部材を備えることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
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【図10】
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【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2007−78872(P2007−78872A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−264399(P2005−264399)
【出願日】平成17年9月12日(2005.9.12)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月12日(2005.9.12)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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