説明

平板ブロック及び平板ブロック用枠体

【課題】敷設した平板ブロックのずれを防止し、敷設面に隙間や凹凸ができないようにする。また、敷設した一部のブロックが損傷したときに容易に復旧できるようにする。
【解決手段】外側面に連結凸部12と連結凹部13とからなる連結手段を有するリング状プラスチック製の枠体11内にコンクリート等の硬化材を充填し、硬化させて平板ブロックを形成する。地盤上に並べた該平板ブロックの各辺の該連結凸部12は、隣り合う平板ブロックの該連結凹部13に挿入され、全ての平板ブロックが隣り合う連結ブロックと連結されることで、水平方向及び垂直方向のずれを防止できる。敷設した一部のブロックが損傷した場合、損傷したブロックのみを垂直方向に取り外し、新たなブロックを垂直方向から嵌め込んで取り替え、復旧工事を容易に完了できるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩道、公園の広場、駐車場等の舗装に用いて好適な、また、建築物の床面や壁面に用いて好適な平板ブロックに関する。
【背景技術】
【0002】
土木、建築において、舗装面、床面、壁面などの面を構成するために、多数の平板ブロックを並べて敷設することが行われている。
従来の平板ブロックは、コンクリート、石材、ガラスなどを平板状に成形したものである。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、舗装に用いる平板ブロックで、コンクリートで単純な四角平板状に成形されたものが記載されている。側面に連結手段は形成されていない。
また、下記特許文献2には、古タイヤを裁断して得たゴムチップをウレタン樹脂バインダーで結合した平板ブロックが記載されている。側面には雄雌嵌合する連結手段が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−207189号公報
【特許文献2】特開平11−310901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この種の平板ブロックは通常型枠で成形される。型枠は、板状の底型の四辺に側板を起立させて箱状に組み立てる。型枠内にコンクリート等を充填し、硬化させた後に側板を取り外し(又は外側に回動し)て成形した平板ブロックを取り出す。その後型枠を清掃・塗油などして再び組み立てて使用する。
このように、平板ブロックの成形は、型枠の組み立て、脱型、清掃・塗油などの作業が不可欠で、製造能率が悪かった。
本発明は、平板ブロックを容易に製造できるようにすることを課題とする。
【0006】
また、この種のブロックはコンクリート製等であり、隣り合うブロックどうしを連結するのが困難であるので、これにより敷設面を構成すると、ブロックが水平方向にずれ、隙間が空いて見苦しくなったり、上下方向にずれて凸凹になったりするという問題がある。
この種のブロックに設けることができる連結手段は、せいぜい前記特許文献2に示されるような単純な雄雌嵌合である。しかし、このような連結手段は、隣り合うブロックが離れるのを規制することができず、ブロックの目地に隙間が空くのを防止することができない。また、ブロックを連結するときに、ブロック面と平行な方向から連結しなければならないので、敷設した一部のブロックが損傷して取り替えるときに、面と垂直方向にそのブロックを取り外したり入れ込むことができないので、復旧工事が大掛かりになるという問題もある。
本発明は、敷設した平板ブロックのずれを防止し、敷設面に隙間や凹凸ができないようにすること、敷設した一部のブロックが損傷したときに容易に復旧できるようにすることも課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
〔請求項1〕
本発明は、外側面に連結手段を有するリング状プラスチック製枠体内にコンクリート等の硬化材を充填し、硬化させたことを特徴とする平板ブロックである。
【0008】
枠体は、硬化材を充填するときの型枠も兼ねるので、型枠の側板を組み立て、脱型、清掃などする必要がなく、平板ブロックをきわめて容易に製造できる。
また、枠体はプラスチック製であるので、プラスチック成形工場で大量生産できる。また、射出成形で複雑な形状の連結手段を一体成形できるので、水平方向及び垂直方向のずれを防止することも可能となる。さらに、ブロック面に対して垂直な方向から連結するようにすることもできるので、敷設した一部のブロックが損傷した場合、損傷したブロックのみを垂直方向に取り外し、新たなブロックを垂直方向から嵌め込んで取り替え、復旧工事を容易に完了することができる。
【0009】
枠体のプラスチック材料は、例えばポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂を使用できるが、これに限るものではなく、必要な強度を有するものであればよい。また、廃棄プラスチックを再生した再生プラスチックを用いることもできる。
【0010】
平板ブロックの枠体内に充填する硬化材は、普通コンクリート、ポーラスコンクリート、ゴムチップとバインダーを混合したもの、ガラス片とバインダーを混合したもの、土とセメント等の固化剤を混合したもの、アスファルトコンクリート等を使用できる。
【0011】
〔請求項2〕
また本発明は、前記連結手段が前記枠体外側面から外側に突出形成した連結凸部、及び該連結凸部に対応して前記枠体外側面に凹設した連結凹部である請求項1に記載の平板ブロックである。
【0012】
連結手段の具体例としては、枠体外側面から外側に突出形成した連結凸部、及び該連結凸部に対応して枠体外側面に凹設した連結凹部とすることができる。
連結凸部と連結凹部を凹凸嵌合させることで、隣り合うユニットを連結固定できる。連結凹部は上下方向に貫通し、連結凸部を上下方向から挿入できるものであることが望ましい。
【0013】
〔請求項3〕
また本発明は、前記連結凸部が、上部に形成され側面長手方向に楔状に張り出す上向き突部と、下部に形成され側面長手方向に楔状に張り出す下向き突部を有し、該上向き突部と下向き突部が内外方向にずれて形成され、前記連結凹部が、その内側面に前記上向き突部及び下向き突部に対応して楔状に該凹部内側に張り出す上方受部及び下方受部を有し、前記連結凸部を上方又は下方から前記連結凹部内に挿入したときに、一方の前記突部が対応する受部を乗り越え、他方の突部の基端面が対応する受部の基端面に当接し、各突部の基端面と対応する受部の基端面が当接することで上下方向のずれが規制される請求項2に記載の平板ブロックである。
【0014】
連結凸部及び連結凹部を上記のように構成することで、連結凸部を上方又は下方から連結凹部内に挿入して連結することができ、しかも、ブロックのずれを、水平方向はもちろん上下方向も防止することができる。
なお、本発明における「上」「下」は、平板ブロック又は枠体を水平に置いた場合の上下方向を示している。また、「上向き」「下向き」は、楔状の幅の狭い方が向いている方向を意味し、「基端面」は楔状の幅の広い方の端面を意味する。
【0015】
〔請求項4〕
また本発明は、前記連結凸部が、上部に楔状に張り出し形成した上向き突部と、下部に楔状に張り出し形成した下向き突部を有し、前記連結凹部の、少なくとも前記突部に対応する部分の上端面が前記枠体上端よりも低く、下端面が前記枠体下端よりも高く形成され、前記連結凸部を上方又は下方から前記連結凹部内に挿入したときに、前記一方の突部が前記連結凹部から下方又は上方に脱出し、前記各突部の基端面が前記上端面及び下端面に当接することで上下方向のずれが規制される請求項2に記載の平板ブロックである。
【0016】
連結凸部及び連結凹部を上記のように構成しても、連結凸部を上方又は下方から連結凹部内に挿入して連結することができ、しかも、ブロックのずれを、水平方向はもちろん上下方向も防止することができる。
ただし、この場合は、連結凹部の高さが小さくなるので、前記請求項3の場合に比べて連結凹部の強度が減少する。
【0017】
〔請求項5〕
また本発明は、前記枠体が、上面及び下面が開口し、対向する内側面に両端が結合している補強棒を網目状に一体形成したものである請求項1〜4のいずれかに記載の平板ブロックである。
【0018】
補強棒を網目状に設けることで、枠体内に硬化材を充填するときに枠体の変形が防止でき、また、基板ブロックに曲げ応力が生じたときの補強材となり、補強鉄筋の役割を果たす。したがって、ブロックを成形するときに枠体内部に補強鉄筋を装着する手間が省略できる。
補強棒は、枠体の射出成形において、枠体と一体に成形される。
【0019】
〔請求項6〕
また本発明は、プラスチックで上面及び下面が開口するリング状に形成され、外側面に連結手段を有すると共に、対向する内側面に両端が結合している補強棒を網目状に一体形成したことを特徴とする平板ブロック用枠体である。
【0020】
〔請求項7〕
また本発明は、前記連結手段が枠体外側面から外側に突出形成した連結凸部、及び該連結凸部に対応して枠体外側面に凹設した連結凹部である請求項6に記載の平板ブロック用枠体である。
【0021】
〔請求項8〕
また本発明は、前記連結凸部が、上部に形成され側面長手方向に楔状に張り出す上向き突部と、下部に形成され側面長手方向に楔状に張り出す下向き突部を有し、該上向き突部と下向き突部が内外方向にずれて形成され、
前記連結凹部が、その内側面に前記上向き突部及び下向き突部に対応して楔状に該凹部内側に張り出す上方受部及び下方受部を有し、
前記連結凸部を上方又は下方から前記連結凹部内に挿入したときに、一方の前記突部が対応する受部を乗り越え、他方の突部の基端面が対応する受部の基端面に当接し、各突部の基端面と対応する受部の基端面が当接することで上下方向のずれが規制される請求項7に記載の平板ブロック用枠体である。
【0022】
〔請求項9〕
また本発明は、前記連結凸部が、上部に楔状に張り出し形成した上向き突部と、下部に楔状に張り出し形成した下向き突部を有し、前記連結凹部の、少なくとも前記突部に対応する部分の上端面が前記枠体上端よりも低く、下端面が前記枠体下端よりも高く形成され、
前記連結凸部を上方又は下方から前記連結凹部内に挿入したときに、前記一方の突部が前記連結凹部から下方又は上方に脱出し、前記各突部の基端面が前記上端面及び下端面に当接することで上下方向のずれが規制される請求項7に記載の平板ブロック用枠体である。
【0023】
本発明の枠体にコンクリート等の硬化材を充填し、硬化させることで、容易に本発明の平板ブロックを製造することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の平板ブロックは、型枠の側板を必要とせず、側板の組み立て、脱型、清掃・塗油作業も不要なので、きわめて容易に製造することができる。
また、敷設したときの平板ブロックのずれを防ぎ、敷設面に隙間や凹凸ができるのを防止することができる。
さらに、敷設した平板ブロックの一部が損傷した場合でも、その損傷したブロックのみを取り替え、容易に復旧できるようにすることも可能である。
本発明の平板ブロック用枠体は、これを用いて本発明の平板ブロックを容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】枠体11の上面図である。
【図2】枠体11の斜視図である。
【図3】図1におけるA−A線断面図である。
【図4】平板ブロック1の略断面図である。
【図5】平板ブロック1の製造の説明図である。
【図6】連結凸部の平面図(a)、正面図(b)、底面図(c)及び側面図(d)である。
【図7】連結凸部の斜視図である。
【図8】連結凹部の平面図(a)、正面図(b)、底面図(c)及び側面図(d)である。
【図9】連結凹部の斜視図である。
【図10】連結突部を連結凹部に挿入するときの説明図である。
【図11】連結突部を連結凹部に挿入するときの説明図である。
【図12】連結凸部と連結凹部の連結状態の平面図である。
【図13】図12におけるB−B線断面図である。
【図14】連結凸部と連結凹部の連結状態の斜視図である。
【図15】平板ブロック1の敷設面の説明図である。
【図16】平板ブロック1の連結状態の要部平面図である。
【図17】連結凸部16の平面図(a)及び正面図(b)である。
【図18】連結凹部17の平面図(a)及び背面図(b)である。
【図19】連結凸部16と連結凹部17の連結状態の平面図である。
【図20】図19におけるC−C線断面図である。
【図21】函体31の上面図である。
【図22】植生ユニット3の断面図である。
【図23】平板ブロック1を使用した舗装の平面図である。
【図24】枠体21の斜視図である。
【図25】平板ブロック2を使用した駐車場舗装の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0026】
図1〜3は、実施例の平板ブロック1に用いる実施例の枠体11の説明図である。
枠体11は、プラスチック製(ポリエチレン・ポリプロピレンを主体とするポリオレフィン系再生プラスチック製)で平面視四辺形(正方形)のリング状をなし、4つの各辺(側壁外周部)に連結手段としての連結凸部12及び連結凹部13を有する。1辺における連結凸部12と連結凹部13の位置は中心線に対して対称の位置にあり、各辺の連結凸部12及び連結凹部13の位置関係は点対称(中心点において90°ずつ回転したもの)となっている。
【0027】
枠体11は、上面及び下面が開口しており、対向する内側面に両端が結合している補強棒14を網目状に一体形成している。補強棒14は、平板ブロックに曲げ力が作用したときの引張補強となるので、深さ方向中央よりもやや下方に配置することが望ましい。この場合、補強棒14の断面はH形であるが、これに限るものでなく、四角形、円形など自由である。
【0028】
図4は、平板ブロック1の略断面図である。
平板ブロック1は、枠体11の内部に硬化材15(本実施例の場合は普通コンクリート)を充填したものである。
【0029】
平板ブロック1は、図5に示すように、鉄板などの平面状の底型4の上に枠体11を上下反転して置き、上から(底面側から)コンクリートを流し込んで製造することができる。平板ブロックの表面は底型表面と接して成形されるので平滑に成形でき、底型表面に凹凸模様を設けておけば、その模様がユニット表面に転写される。
従来のコンクリートのみの平板ブロックに比べて、型枠の側板が不要なので、型枠コストが低減され、成形後はブロックを底型から持ち上げるだけでよいので、製造能率が著しく向上する。
【0030】
図6,7は、枠体11の連結凸部12の説明図である。
連結凸部12は、枠体11の側壁から本体(2本の垂直方向の柱状本体)が外方に突出形成されており、側面長手方向(枠体の側壁と平行な水平方向)に楔状に張り出す上向き突部12aと下向き突部12bを有する。この場合の「上向き」「下向き」は、楔状の幅の狭い方が向いている方向を意味する。上向き突部12aは連結凸部12の上部に形成され、下方にいくほど突出量が大きくなる楔状で最下部が下向きの基端面となっている。下向き突部12bは、連結凸部の下部に形成され、上方に行くほど突出量が大きくなる楔状で最上部が上向きの基端面となっている。また、上向き突部12aと下向き突部12bは内外方向(枠体の側壁の厚み方向)にずれて形成されている。この場合は、上向き突部12aが内側(枠体寄り)、下向き突部12bが外側になっているが、その逆であってもよい。(図6(a))
【0031】
図8,9は、枠体11の連結凹部13の説明図である。
連結凹部13は、枠体11の側壁の外側面が平面視U字状に内側に引っ込むように凹設され、上下方向に貫通している。連結凹部13の基端両側には、連結凹部の入口の幅を狭めるように袖壁部13cが垂直に突出形成されている。連結凹部13の内側面には、内側面から凹部の内側に張り出す上方受部13aと下方受部13bが形成されている。上方受部13aは、上方に行くほど張出量が大きくなる楔状で最上部が上向きの基端面となっている。下方受部13bは、下方に行くほど張出量が大きくなる楔状で最下部が下向きの基端面となっており、上方受部13aよりも下側に形成されている。
上方受部13aと下方受部13bは、内外方向(枠体の側壁の厚み方向)にずれて形成されている。上方受部13aは連結凸部の上向き突部12aに対応して外側に形成され、下方受部13bは連結凸部の下向き突部12bに対応して内側に形成されている。(図8(a))
【0032】
連結凸部12は、上下いずれの方向からも連結凹部13に挿入して連結することができる。
図10は連結凸部12を連結凹部13の上方から挿入する場合、図11は連結凹部13の下方から挿入する場合である。図12〜14は挿入が完了して連結された状態を示している。
連結凸部12を連結凹部13に上方から挿入すると、連結凸部12の下向き突部12bが連結凹部13の下方受部13bと接触するが、双方が弾性変形しながら更に継続して挿入が続き、やがて下向き突部12bが完全に下方受部13bの下方になると上向き突部12aの基端面が上方受部13aの基端面に当接し、挿入が停止する。このとき、下向き突部12bが弾性復帰して図17の状態となる。
【0033】
連結凸部12を連結凹部13に下方から挿入すると、連結凸部12の上向き突部12aが
連結凹部13の上方受部13aと接触するが、双方が弾性変形しながら更に継続して挿入が続き、やがて上向き突部12aが完全に上方受部13aの上方になると下向き突部12bの基端面が下方受部13bの基端面に当接し、挿入が停止する。このとき、上向き突部12aが弾性復帰して図17の状態となる。
【0034】
連結状態において、連結凸部と連結凹部は上下方向のずれが防止される。連結凸部が上方向にずれようとした場合、下向き突部12bの基端面が下方受部13bの基端面に当接し、連結凸部が下方向にずれようとした場合、上向き突部12aの基端面が上方受部13aの基端面に当接するからである。
また、連結凸部12は連結凹部13内に挿入されているので、水平方向のずれが防止されることはもちろんである。
【0035】
図15は、多数の平板ブロック1を連結して敷設した状態を示している。同図において、連結凸部及び連結凹部は省略して表している。
図16は、図15の連結部分を拡大して表している。平板ブロック1の各辺の連結凸部12は、隣り合う平板ブロックの連結凹部13に挿入され、全ての平板ブロックが隣り合う平板ブロックと連結されているので、水平方向及び上下方向のずれが生じない。
【0036】
図17〜20は、平板ブロック及び枠体の連結凸部、連結凹部の他例を示している。
図17の連結凸部16は、枠体11の側壁から本体(垂直方向の柱状本体)が外方に突出形成されており、上部に楔状に張り出し形成した上向き突部16aと、下部に楔状に張り出し形成した下向き突部16bを有する。この場合、上向き突部と下向き突部は側方(枠体の側壁と平行方向)に張り出しているが、これと直角方向に張り出していても良い。
【0037】
図18の連結凹部17は、枠体11の側壁の外側面が平面視U字状に内側に引っ込むように凹設され、上下方向に貫通している。連結凹部17の基端両側には、連結凹部の入口の幅を狭めるように袖壁部17cが垂直に突出形成されている。連結凹部17の上端面17aは枠体11上端よりも低く、下端面17bは枠体11下端よりも高く形成されている。本実施例の場合、連結凹部の上端面・下端面全体が上記のようになっているが、上向き突部16a・下向き突部16bに対応する部分のみが上記のようになっていても良い。これは、図20のように、連結凸部と連結凹部を連結した場合、上向き突部16a・下向き突部16bが枠体11から上下方向に突出しないようにするためである。
【0038】
図19,20は、連結凸部16と連結凹部17を連結した状態を示している。この場合も、前記実施例と同様に、連結凸部16は、上下いずれの方向からも連結凹部17に挿入して連結することができる。
連結状態において、連結凸部の上向き突部16aの基端面は連結凹部の上端面17aと、下向き突部16bの基端面は下端面17bに当接するので、上下方向のずれが防止される。もちろん、水平方向のずれも防止される。
【0039】
平板ブロック1は、他のブロック(ユニット)と併用して敷設面を構成することができる。
図23は、歩道や公園の広場などに用いて好適な植生舗装を、平板ブロック1と植生ユニット3を市松模様に組み合わせて敷設した例を示している。
【0040】
植生ユニット3は、図21に示すプラスチック製の函体31に、図22に示すように、植生材35を充填したものである。
枠体31は、平板ブロック1と同じ大きさ、厚さの平面視四辺形(正方形)の箱状をなし、4つの各辺(側壁外周部)に連結手段としての連結凸部32及び連結凹部33が設けられている。連結凸部32及び連結凹部33は、平板ブロックの場合と全く同じ位置関係、形状で設けられているので、平板ブロック1と共に連結して敷設することができる。
底面には、水はけのために穴34が16個設けられているが、このような穴は、場合によっては設けなくとも良い。
【0041】
函体31に充填する植生材35は、芝生マット、植生土に種々の植物の種子や苗を植え付けたものなどを使用できる。
【0042】
図24は、他の実施例の平板ブロック2に用いる枠体21の斜視図である。
枠体21は、4つの各辺(側壁外周部)に連結手段としての連結凸部22及び連結凹部23を有する。枠体21の短辺の長さは前記枠体1の辺の長さと等しく、長辺の長さはその2倍となっている。枠体21の短辺における連結凸部22及び連結凹部23の位置は、前記枠体11における連結凸部12及び連結凹部13の位置に等しく、長辺における連結凸部22及び連結凹部23の位置は、前記枠対11を2個並べた場合の連結凸部12及び連結凹部13の位置に等しくなっている。連結突部22及び連結凹部23の形状は、前記連結凸部12及び連結凹部13の形状と全く同じである。
したがって、平板ブロック2は、前記の平板ブロック1や植生ユニット3と自由に組み合わせ、連結して敷設することができる。
【0043】
図25は、平板ブロック2と植生ユニット3を組み合わせて地盤上に敷設し、地盤を覆って植生舗装を施した駐車場を示している。
中央通路5を挟んで両側が駐車スペースとなっており、駐車スペースにおける自動車の車輪が通過する部分に平板ブロック2を配置し、その他の部分に植生ユニット3を配置している。
【0044】
平板ブロック2と植生ユニット3を敷設する地盤は、地面でもよいしコンクリートやアスファルト等の舗装でもよい。地盤上に厚さ10〜20mm程度の砂を敷き、その上に平板ブロック2と植生ユニット3を敷設することが望ましいが、地盤上に直接敷設することもできる。平板ブロック2と植生ユニット3の敷設は、各ブロック及びユニットを、連結凸部22,32と連結凹部23,33を連結しながら順次並べていけばよいので、きわめて簡単である。自動車の停止位置には車止め6を設けている。
中央通路5は、コンクリートやアスファルト等の舗装としてもよいし、平板ブロック2を敷設したものとすることもできる。
【0045】
万一、平板ブロック2又は植生ユニット3が損傷した場合、その損傷したブロック又はユニットのみを容易に交換することができる。
その場合、交換するブロック又はユニットをバールでこじるなどして連結凸部と連結凹部の連結を解除し、浮き上がらせて取り除き、その後、取り除いた部分に新たなブロック又はユニットを上方から差し入れ、連結凸部と連結凹部を連結させながら嵌め込むことができる。
【符号の説明】
【0046】
1 平板ブロック
11 枠体
12 連結凸部
12a 上向き突部
12b 下向き突部
13 連結凹部
13a 上方受部
13b 下方受部
13c 袖壁部
14 補強棒
15 硬化材
16 連結凸部
16a 上向き突部
16b 下向き突部
17 連結凹部
17a 上端面
17b 下端面
17c 袖壁部
2 平板ブロック
21 枠体
22 連結凸部
23 連結凹部
24 補強棒
25 硬化材
3 植生ユニット
31 枠体
32 連結凸部
33 連結凹部
34 穴
35 植生材
4 底型
5 中央通路
6 車止め

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側面に連結手段を有するリング状プラスチック製枠体内にコンクリート等の硬化材を充填し、硬化させたことを特徴とする平板ブロック。
【請求項2】
前記連結手段が前記枠体外側面から外側に突出形成した連結凸部、及び該連結凸部に対応して前記枠体外側面に凹設した連結凹部である請求項1に記載の平板ブロック。
【請求項3】
前記連結凸部が、上部に形成され側面長手方向に楔状に張り出す上向き突部と、下部に形成され側面長手方向に楔状に張り出す下向き突部を有し、該上向き突部と下向き突部が内外方向にずれて形成され、
前記連結凹部が、その内側面に前記上向き突部及び下向き突部に対応して楔状に該凹部内側に張り出す上方受部及び下方受部を有し、
前記連結凸部を上方又は下方から前記連結凹部内に挿入したときに、一方の前記突部が対応する受部を乗り越え、他方の突部の基端面が対応する受部の基端面に当接し、各突部の基端面と対応する受部の基端面が当接することで上下方向のずれが規制される請求項2に記載の平板ブロック。
【請求項4】
前記連結凸部が、上部に楔状に張り出し形成した上向き突部と、下部に楔状に張り出し形成した下向き突部を有し、前記連結凹部の、少なくとも前記突部に対応する部分の上端面が前記枠体上端よりも低く、下端面が前記枠体下端よりも高く形成され、
前記連結凸部を上方又は下方から前記連結凹部内に挿入したときに、前記一方の突部が前記連結凹部から下方又は上方に脱出し、前記各突部の基端面が前記上端面及び下端面に当接することで上下方向のずれが規制される請求項2に記載の平板ブロック。
【請求項5】
前記枠体が、上面及び下面が開口し、対向する内側面に両端が結合している補強棒を網目状に一体形成したものである請求項1〜4のいずれかに記載の平板ブロック。
【請求項6】
プラスチックで上面及び下面が開口するリング状に形成され、外側面に連結手段を有すると共に、対向する内側面に両端が結合している補強棒を網目状に一体形成したことを特徴とする平板ブロック用枠体。
【請求項7】
前記連結手段が枠体外側面から外側に突出形成した連結凸部、及び該連結凸部に対応して枠体外側面に凹設した連結凹部である請求項6に記載の平板ブロック用枠体。
【請求項8】
前記連結凸部が、上部に形成され側面長手方向に楔状に張り出す上向き突部と、下部に形成され側面長手方向に楔状に張り出す下向き突部を有し、該上向き突部と下向き突部が内外方向にずれて形成され、
前記連結凹部が、その内側面に前記上向き突部及び下向き突部に対応して楔状に該凹部内側に張り出す上方受部及び下方受部を有し、
前記連結凸部を上方又は下方から前記連結凹部内に挿入したときに、一方の前記突部が対応する受部を乗り越え、他方の突部の基端面が対応する受部の基端面に当接し、各突部の基端面と対応する受部の基端面が当接することで上下方向のずれが規制される請求項7に記載の平板ブロック用枠体。
【請求項9】
前記連結凸部が、上部に楔状に張り出し形成した上向き突部と、下部に楔状に張り出し形成した下向き突部を有し、前記連結凹部の、少なくとも前記突部に対応する部分の上端面が前記枠体上端よりも低く、下端面が前記枠体下端よりも高く形成され、
前記連結凸部を上方又は下方から前記連結凹部内に挿入したときに、前記一方の突部が前記連結凹部から下方又は上方に脱出し、前記各突部の基端面が前記上端面及び下端面に当接することで上下方向のずれが規制される請求項7に記載の平板ブロック用枠体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2011−106208(P2011−106208A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−264268(P2009−264268)
【出願日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(390028082)株式会社未来樹脂 (12)
【出願人】(390039505)株式会社サイコン工業 (10)
【Fターム(参考)】