平面加工部品を電解処理するための装置及び方法
平面加工部品(1)の電解処理用装置及び方法、特に加工部品表面において互いに電気的に絶縁の導電性構造Sを電解処理する方法に関する。方法は装置中輸送路T'、T"上で加工部品(1)を輸送かつ処理することから構成され、前記装置は二輸送路間の少なくとも一の組立体Aから構成され、前記組立体は各一輸送路と結合する接触電極を有する第一及び第二の回転可能な接触電極を含み、第一接触電極(2)は第一輸送路T'上を輸送され、かつ第二輸送路T"から隙間を置く加工部品に隣接し、第二接触電極(8)は第二輸送路T"において輸送され、かつ第一輸送路T'から隙間を置く加工部品に隣接する。組立体及び加工部品は処理液と接触する。接触電極は各々互いに絶縁であり、かつ第一及び第二輸送路(T'、T")上を輸送される加工部品と、第一及び第二輸送路(T'、T")の方へ各々向くが加工部品(1)とは接触しない第二セグメント(9)の間に電解領域Eが形成されるように電源(5)と接触する第一及び第二セグメント(9、10)から構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平面加工部品、特に、平面形状、例えばストリップ又は板形状などに形成された加工部品の表面において互いに電気的に絶縁された導電性構造をコンベヤー設置ラインにおいて電解処理するための装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】US4560445
【特許文献2】DE10065643C2
【特許文献3】WO03/038158A
【特許文献4】DE19951325A1
【特許文献5】DE10065649A1
【特許文献6】DE4413149A1
【0003】
商品用チップカード(スマートカード)、値札又は現品票を製造するために、箔様プラスチックが利用されており、その上に生産されることを所望される電気的機能に対して導電性構造は必須であった。
【0004】
従来の方法では、例えば銅コート材料を利用しており、エッチング処理を用いて所望の金属パターンが銅コート材料から製造される。この方法にかかるコストを低減し、及び、エッチング処理によって成されたものよりも更に細かい構造の製造を可能にするために、電着を用いた金属構造を製造する試みがある。アンテナコイル製造のような公知の方法は、特許文献1に記載されている。それから、金属構造をポリオレフィンフィルム上に、次の方法工程に従う方法順序を用いて製造される、即ち、膨潤し、エッチングし、続く触媒作用的活性金属の吸着のためにプラスチック材料のコンディショニングを行い、触媒作用的活性金属を析出し、陰像形態マスクを印刷し、触媒作用的活性結合を加速し、無電解及び電解金属めっきをする。
【0005】
金属めっきストリップ用処理は電気めっき法を含む。長い間、巻返し現像処理プラント(reel-to-reel processing plant)と呼ばれるものが、この目的でコンベヤー設置ラインとして使われており、材料がそこを貫くように輸送され、運搬中に処理液と接触する。ストリップは電解金属析出のために電気的に接触する。接触電極はこの目的で働く。電解処理用に二つの必須電極つまり接触電極と対電極のいずれか、又は処理プラントにおける処理液中の対電極のみ配置することが可能である。
【0006】
例えば特許文献2では、導電ストリップ形状の加工部品(work piece)を電気めっきするため、又は電解エッチングするための装置を記載しており、その中で電気的接触を設けるために働く接触ローラーと対電極の両方が浴内に配置される。そのような装置の問題点は、接触ローラーもまた浴内で金属めっきされ、それによって接触ローラー上に析出した金属が繊細な箔を損傷する危険性があることである。
【0007】
電解浴内でカソードへの金属析出を防ぐ、又は低減する目的で、特許文献3では、電気めっき構造による補強を目的とした電気めっき設備を記載しており、その電気めっき構造は、アノードと回転するコンタクトローラーが電解浴中に設置されているストリップ用の巻返し設備において基板上で導電性となるようにすでに構成されている。基板の方に向いたその側面において、コンタクトローラーは直流電源の負極に接続されており、基板から逆方向を向いた側面においては電源の正極に接続されている。これは、直流電動機の集電体のものと類似の方法でコンタクトローラーを分割することによって可能となる。その結果、通常運転中ローラーが一回転する間にコンタクトローラー上に析出した金属は電位を陽極に変えることによって除去されうる。この方法の大きな不都合は、陽極分極したコンタクトローラーから除去された金属が、補助カソード上に析出した層が繰り返し厚くなるにつれて、機械から定期的に除去されなければならないことである。
【0008】
他の基本的な不都合は、その全領域に渡って導電性である表面のみが電解処理され得るが、電気的にお互いが絶縁されており、かつ、例えばアンテナコイル製造に適している構造が電解処理されていないということである。
【0009】
したがって、特許文献4は、電気的に絶縁の箔材料表面において、互いに電気的に絶縁の導電性構造を非接触電解処理するための装置と方法を提示する。それによって材料は、処理液と接触するようにもたらされる間、処理プラントを貫く輸送路上を運ばれる。輸送中、材料は少なくとも一つの電極装置を通りぬけるように導かれ、電極装置は陰極分極した電極及び陽極分極した電極から各々構成され、陰極分極した電極と陽極分極した電極は交互に処理液と接触するようにもたらされる。電源は電極及び導電性構造を貫いて流れるように電流を発生させる。この目的で、二つの逆に分極された電極間で実際に直接電流が流れるのを防ぐような方法で、電極は互いに遮蔽されている。記載の方法の不都合な点は、析出した金属層が減少した被覆厚みを有するのみである、というのは、電極装置の結果、一方では金属が析出するが、しかしまた少なくとも部品において、加工部品が陰極分極した電極を通りぬけるよう導かれるにつれて他方では再び溶解するからである。
【0010】
特許文献5は、電解液の外側に設置された陰極のコンタクトローラーを有する一つの導電性表面を有するフレキシブルストリップを電気化学的巻返し処理するための装置を提案している。その周辺でストリップに傷がつけられている特殊なアノードローラーは、電解液の中で回転可能に配置されている。それによってアノードローラーは、ストリップに規定した間隔を置き、かつ、アノードからできるだけ近い距離に離れて保つ、イオン透過性の、電気的に絶縁された層を備える。互いに電気的に絶縁されてはいるが、構造を有する表面を処理することは不可能である。
【0011】
特許文献6は、プリント回路基板用のコンベヤー設置めっきライン、特に、コンタクトローラー及び例えば電解液に可溶なアノードを備えて構成されるコンベヤー設置めっきラインを記載する。金属で被覆される成形品と回転接触をもうけたコンタクトローラーのコンタクト表面上に好ましくない金属の析出を防ぐために、コンタクトセクタをコンタクトローラー上に備え、前記コンタクトセクタは代替として整流子を通り抜けて陰極、又は陽極にされ、成形品から逆を向いた領域において陽極にされる間、成形品に陰極接触をもうける。結果として、好ましくない金属析出の直後にセルフストリッピングが成される。
【0012】
結果として、公知の方法は、互いに電気的に絶縁であり、かつ例えばストリップ処理又はコンベヤー設置ラインにおいて箔ストリップ形状の電気的に絶縁された加工部品上に費用効率良く析出した、小型及び超小型構造を有する表面を電解処理することが可能ではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって現発明の根底にある課題は、公知の電解処理装置と方法の不都合を回避することであり、特に、公知技術を改良するために電気的に絶縁された箔又は板材料の表面において互いに電気的に絶縁された導電性構造の連続した電解処理を可能にする装置及び方法を見出すことである。これを目的として、装置は非常にコンパクトな構造となるべきで、特に、接触エレメントの好ましくない金属皮膜に関した公知の課題を回避するように接触エレメントをもたらすべきである。特に、超小型導電性構造を備え付け、かつ、チップカードの成分として例えば集配所において商品に印をつけ、自動識別し、分配する、又は例えばアクセスコントロール用電子識別カードとして使用される箔材料を製造するために利用されるということを方法と装置は意図する。そのようなタイプの電子成分は非常に低い費用のもと超大スケールで製造されてもよい。更に、方法と装置はプリント回路技術分野におけるプリント回路箔製造、及び玩具、自動車工学又はエレクトロニクス通信における通常の電気回路を有するプリント回路箔製造用に利用される。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この課題を解決するため、本発明は請求項1に従って装置、及び、請求項20に従って方法を呈する。本発明の好ましい実施形態は従属請求項に列挙する。
【0015】
本発明による方法と装置は電解処理、特に小型導電性構造に役に立ち、小型導電性構造は、電気的に絶縁された平面加工部品表面、又は平面加工部品上の完全な導電性表面において互いに電気的に絶縁であり、そのような加工部品は、好ましくはストリップ又は板形状、特にそのような導電性構造を備えたプラスチックストリップ(プラスチック箔)又は耐薬品性紙(例えばレジン含浸紙)の形状である。そのようなタイプの構造は数センチメートル例えば2〜5cm寸法を有する。好ましくは、装置及び方法がそれぞれ隣接する接触加工部品に関するセグメントの電位を変化させることに応じて除去処理(エッチング、軽度のエッチング)同様に金属被覆処理を行うように働く。簡潔にすると、ここで与えられた記述は後に金属被覆処理に関係している。
【0016】
本発明の装置は、a)〜f)
a)少なくとも二つの輸送路、実際互いに平行に走り、その上で加工部品がそれぞれの輸送方向に好ましくは連続的に輸送される輸送路にして、電解処理された加工部品上に構造を有する、
b)少なくとも一つの組立体、輸送路の間に設置され、第一の回転可能な接触電極及び第二の回転可能な接触電極を備えて構成された組立体にして、各々他の輸送路から隙間を置く一方でそれらが加工部品に隣接している輸送路の各々一つと組み合わせられている第一及び第二接触電極を有し、
c)互いに絶縁であって電源に接続される少なくとも二つのセグメントをその周囲に備えて構成している第一及び第二接触電極有し、
d)第一輸送路上を輸送される加工部品に隣接している第一接触電極の第一セグメント、及び第二輸送路上を輸送される加工部品に隣接している第二接触電極の第一セグメント、電源の第一極に接続されている第一及び第二接触電極の第一セグメントを有し、及び、
e)第二輸送路上を輸送される加工部品の方に向き、かつ、前記第二輸送路から隙間を置いた第一接触電極の第二セグメント、及び、第一輸送路上を輸送される加工部品の方に向き、かつ、前記第一輸送路から隙間を置いた第二接触電極の第二セグメント、電源の第二極に接続された前記第二セグメント、それによって加工部品処理用の電解領域Eが第一及び第二接触電極の第二セグメントと加工部品間に形成され、前記電解領域を貫いてそこを流れる電流を有する、かつ、
f)処理液と接触している組立体及び加工部品、
を備えて構成される。
【0017】
ここで使われているように、「組立体」という用語は上記の特徴b)、c)、d)及びe)を有する複数の接触電極を備えて構成される組立体として定義されているということを理解されたい。したがっていずれの構造体も、各々又は少なくともそれらの一つが上記特徴を有する二つかそれ以上の接触電極を備えて構成する一つかそれ以上の組立体を備えて構成する装置が本発明によって網羅されることが理解されるであろう。
【0018】
接触電極は導電性表面を有し、好ましくは、直流電動機におけるコレクタのものと同様の方法でセグメントに分割するよう施される。セグメントは、好ましくは絶縁部品によって互いに絶縁されている。電流はすり接点、リール接点、又は水銀接点によって種々のセグメントに伝達されてもよい。
【0019】
更なる電気的に絶縁の仕切り壁は隣接する接触電極間を流れる直流電流を防ぐ、又は減少させる目的で隣り合った接触電極間に施されてもよい。更に、小型サイズの構造に充分接触できる目的でも接触電極は密接に左右に並んで配列される。
【0020】
組立体の接触電極は、好ましくは実際に同じスピードで回転する。この目的で、組立体の、二つの接触電極の間で同期手段(Synchronization means)が結合されてもよい。接触電極に結合する、ギアーホイール、はめ歯ベルト、鎖又はそのような形状の中間ホイールが同期手段として用いられても良い。
【0021】
本発明による装置と方法は、特に回転可能な接触電極の二重機能によって特徴付けられる、すなわち、第一輸送路の方に向いた側面においてはアノードとして、及び第二輸送路の方に向いた側面おいてはカソードとして接触電極を同時に分極することによって、第二輸送路の方に向いた加工部品に接触するための電極の側面が陰極分極された場合に接触電極に好ましくなく析出した金属は、反対側において除去され、かつ、第一輸送路の方に向いた電極の側面がアノードとして働く場合に加工部品上に析出されるであろう。この目的で、加工部品は、輸送路の各々一つにおいて加工部品に各々隣接している第一接触電極の第一セグメント、及び、第二接触電極の第一セグメントを貫いて電源の一(第一)極に電気的に接続されている。第一接触電極の第二セグメント、及び第二接触電極の第二セグメントは、それぞれ違った輸送路上において加工部品の方に向いており、電源の他の(第二)極に電気的に接続され、かつ、これら輸送路上を輸送される加工部品と接触しない。その結果、第一と第二接触電極の第二セグメントと接触する加工部品の間に形成された加工部品処理のための電解領域Eを貫いて電流が流れる。したがって、第二セグメントから剥がれ落ちた金属は加工部品上及び、この目的で各々電解セルを形成している電解領域Eに析出されるであろう。組立体の接触電極が回転するにつれ、それに応じてセグメントは電位を変え、かつ、第一セグメントが第二セグメントをなし、逆もまた同様である。金属は予め陰極分極された(第一)セグメント上に析出され、それらが第二セグメントになるために陽極分極されると再び溶解するであろう、これは組立体の接触電極が自動表面除去(self-stripping)となり、かつ接触電極の表面除去に使われる電流は同時に加工部品を金属被覆するために働くという結果をもたらす。接触電極の有利な二重機能及び、回転中の接触電極のセグメントの極性における変化は、回転中に加工部品にセグメントが隣接しているかどうかによるが、金属が接触電極上に蓄積するのを防ぎ、かつ、それによって金属がめっき処理を妨害するのを防ぐ。
【0022】
これは、接触電極の表面除去用の両補助電極及び補足的なアノード無しですませられる。これは、装置に効率的で、かつコンパクトな構造体が多くのエネルギー、材料及びメンテナンス無しで良好な被覆厚みを達成することを可能にする。
【0023】
加工部品を電解処理するために、銅、ニッケル、金、銀、白金、錫、あるいはそれらの合金のような金属が金属被覆工程中に析出されてもよい。加工部品が金属めっきされる場合、加工部品又はその上(第一セグメント)のロールに隣接している接触電極のそれらセグメントの電位が、例えば陰極に変化されても良く、一方で加工部品と隣接せずにそこから(第二セグメント)隙間を置いているそれらセグメントは、陽極処理されても良い。その結果、第一電解領域は第一輸送路上の陰極分極した加工部品と組立体の二つの接触電極のうちの、第二の陽極処理したセグメントの間に形成され、第二電解領域は従って他の輸送路上の陰極分極した加工部品と第一接触電極の陽極処理したセグメントの間に形成される。金属が加工部品から電解排除(除去)される場合、セグメントはそれにしたがって逆に分極される。
【0024】
加工部品の効率の良い電解処理を行うために、複数の組立体が輸送路の間に配置されてもよい。複数の装置の各々が複数の組立体を有し、処理ラインの中で前後に及び/又は左右に(お互いの上に)並んで配置されてもよい。加工部品のガイダンスを改良するために、特に、接触を改良するために、補足的な輸送リールが反対側に、例えば加工部品のほかの側面上における接触電極の直接反対側に配置されてもよく、前記輸送リールはまた加工部品上で回転している。そのようなタイプの複数の処理ラインは一列に据えられてもよく、処理ラインは乾燥ステーション、加工部品用の保管ステーション、他、のような更なるステーションを備えて構成されてもよい。
【0025】
処理のために、それぞれ接触電極の方に向いた側面上において加工部品の表面は電解処理される。例えば互いに電気的に絶縁にされた小型導電性構造を有する加工部品、プラスチックストリップ、耐薬品性紙(例えば樹脂含浸紙)又は板は、装置において様々な方法で処理されてもよい。例えば、加工部品の様々な流れは、同じであったり逆であったりと様々な流れの輸送方向を有する輸送路すべてにおいて処理されてもよい。装置を貫くように進み、その中で処理することが更に可能である、しかし加工部品の一つの流れは方向転換手段又は輸送手段、例えばターンローラー又は他の方向転換又は輸送装置がこの場合装置の各々の転換点において配置されており、前記手段は加工部品を一つの輸送路から他の輸送路へ方向転換又は輸送するよう働き、それによって往路(forward route)又は帰路(return route)上において接触電極を通過するようにそれらを動かす。
【0026】
加工部品の同一表面において他の構造に対して電気的に絶縁された導電性構造が材料に施されたスルーめっき穴(through-plated hole)を貫いて加工部品のそれぞれ逆表面上に配置された他の構造に電気的に接続されている場合、接触電極から逆に向いた側面は、先端側面に位置する構造がそれによってスルーめっき穴を貫いて電気的に接続されるように電解処理されても良い。この場合、補足的な作用電極、例えば接触電極の方に向いていない加工部品の側面において配置される更なるアノード(補助アノード)が設けられている。両側面を処理するために、可溶及び非可溶アノードの両方がアノードとして利用されても良い。
【0027】
構造が貫いてめっきされない場合、組立体は、その際には輸送路は組立体の間に位置されるが、方向転換手段又は輸送手段を経由して複数の輸送路上の装置を貫いて加工部品が導かれるように配列されても良く、そうすることによって加工部品はいずれかの側面において処理されても良い。この場合、特定の実施形態において、ダミー(dummies)と呼ばれるもの、例えば金属基板又は、永続的な金属ストリップが接触電極の組立体を通り過ぎるようにして導かれてもよく、加工部品用に輸送路が設けられていないそれぞれの外側の輸送路上で加工部品のかわりに処理されてもよい。前記ダミーは電気的に接続されており、それによって接触電極の陽極分極された外部セグメントに対して対極を構成している。ダミー上に析出した金属は、ダミーが装置を出てから化学的にエッチングされる、又は、例えば永続的な金属ストリップの場合には、帰路において電解除去される。再利用可能にするために、ダミーは好ましくはステンレス鋼製である。本実施形態は、この方法において、一つの輸送路を共有して(この輸送路上で加工部品を処理するために)使用する二つの隣り合った組立体の間を加工部品が導かれるところにおいて適切である。
【0028】
接触電極は、好ましくは加工部品を輸送するのに利用されても良く、それによって装置の複雑さは、輸送ローラーやリールのような運送用のみに適する手段(means)を省くことによって、更に減少されるかもしれない。
【0029】
接触電極間の隙間は、例えば2〜5cmの超小型導電性構造も依然として容易に電解処理される程度、つまり電流が供給される程度に、小さくなるように選択されるべきである。接触電極の選択された直径によってもはや隙間を減少することができない場合、加工部品の輸送方向において見た場合において、これらは互いの中に組み込まれても良い。この目的で、接触電極の間に配置された絶縁隔壁は、曲形を有しても良い。曲形をした絶縁隔壁はまた、より大きな周囲領域からなる絶縁壁によって備えられた遮蔽効果のために、接触電極における集電体形セグメントの数を減じることを可能にする。その結果として、対電極側面に電流を供給する、すり接点は加工部品上を回転する電極側面よりも大きなサイズを有するように選択されても良く、それによって金属被覆処理の所要時間が延長されてもよい。
【0030】
このように接触電極を配列することによって、互いに電気的に絶縁された超小型構造でさえも確実に金属被覆することが可能となる。隣り合った接触電極の間の隙間が小さくなればなるほど、構造の端領域及び中央領域(輸送方向において見た場合)において被覆厚みの相違が小さくなる。このことは、構造が接触電極によって同時に接触され、かつ、本発明の装置を貫いて進む輸送路の一定の走行距離上のみの電解領域に置かれているという事実に起因する。端領域に関する限り、本装置において接触電極間の隙間が小さいことによって構造が加工部品がそこを貫いて輸送されるに従って少なくとも一つの接触電極によって常に電気的に接続されることが可能となる場合にのみ、この条件は適合される。このことは、構造が非常に大型、又は接触電極間の隙間が小さい場合にのみ可能となる。接触電極間の隙間はそのために、実施可能な範囲で、ただし数センチメートル寸法を有する構造の均一な金属被覆を可能とするためにせいぜい数センチメートルとするべきである。
【0031】
原則として、複数の実施形態は、前に述べた原則を実現するために予想されうる。特に好ましい第一実施形態は、加工部品が運搬の水平方向に装置の中に輸送されるということから成る。この場合、加工部品は水平又は垂直或いは傾斜方向で輸送されることも可能である。本装置は、入り口側面に少なくとも一つの開口部、又その出口側面に一つの開口部、例えば加工部品が装置の中に出入りする入り口と出口を与える開口部を備えて構成される。過剰な処理液が開口部を貫いて通り抜けるのを防ぐために、シール成分、例えばシーリングローラーが、輸送路のいずれか端の開口部に設けられても良い。更に、開口部通路周辺に液飛びガード、及び開口部通路の下に処理液用回収タンク又は対応室(corresponding chamber)を設けてもよい。流出する処理液は、回収タンクに回収され、例えば適したポンプとパイプラインを経由して本発明の装置に戻される。
【0032】
本装置において、複数の接触電極は前後に並んで配置されても良い。装置の超コンパクト構造、及びその結果による電解領域の超コンパクト構造はこのようにして成される。
【0033】
処理される絶縁構造の最小サイズは、特に、接触電極間で成された最小隙間によっても決定される。最小隙間は、接触電極の空間の寸法に依存し、又、電解領域において接触電極のセグメントと加工部品の間の隙間に依存する。従って、接触電極をローラーが小さな直径を有するように設計することが有利となり、それによって、ローラー又はリール電極の長手方向軸間の隙間が非常に小さくなるように選択することが可能となる。そのようにして作成された可能なコンパクト組立体によって、2cm又はそれ以下のオーダーの寸法を有する構造の電解処理が可能となる。
【0034】
最小可能サイズの接触電極を使用して電極間の最小隙間を減少させる目的は、例えば、特に弾性接触材料を使用した場合に、接触電極の機械的不安定性という結果をもたらす問題としばしば対立する。この問題は、好ましくは金属軸を有する機械安定接触ローラーによって解決されるかもしれない。
【0035】
処理が一側面のみで行われた場合、接触電極は、例えばコンタクトローラーや反対側の無電流ローラー(バックアップ又は輸送ローラー)を経由して加工部品と接触しても良い。
【0036】
ローラーやリールの代わりに、加工部品の表面全体に渡ってぬぐうことを意図した回転ブラシ又は導電性のスポンジ様装置が接触電極として利用されても良い。それの必要条件は、本発明に係る適切な分割、及び、分割したセグメントに供給する電力である。ブラシ又は導電性皮膜の変形は、それによって、隣接するセグメントにショート(short)が生じないようにする。
【0037】
接触電極は、輸送リールの補助、かつ、重力及び/又はバネの力で加工部品の表面に押し上げられる。
【0038】
本発明に係る装置は処理タンクの中に配置されても良く、処理タンクは、加工部品用の入り口及び出口において、液体を処理タンクに保留するためのシーリングリップ(sealing lips) 及び/又はスクレーパのようなシール成分を備えて構成されても良く、処理タンクはそれによって電解装置を形成している。絞りローラーが更に設けられても良く、加工部品を確実に誘導する一方で、例えば箔又は板を液から除去している場合に、前記ローラーは液を保持する。前記シーリング手段は、タンク中の液をできるだけ完全にとどめるために働き、そうすることによって処理液の最大可能な流出範囲を防ぐ。これは、特に加工部品が垂直位置において水平に輸送される場合に重要である、なぜならこの場合、その結果処理液において蓄積された圧力が流路口(passage aperture)の低い領域において非常に高くなるからである。加工部品はまた、特に箔ストリップ材料が処理される場合に、液浴レベルを通って上部から電解装置中に輸送されても良い。これらの状況下、処理タンクの側壁において加工部品用の入り口及び出口は施されない。
【0039】
作用電極、例えば補足的なアノードと同様に接触電極は、好ましくは延ばされ、又、特に加工部品の有用な(処理された)幅全体に渡って延在しても良く、好ましくは実際に加工部品の運搬方向に交差しても良い。
【0040】
板形状の加工部品がラインで処理される場合、運搬装置(transferring device)がターンローラーの代わりに備えられるべきである。運搬装置は、例えば輸送路のいずれか側面に配置された輸送又はガイドリールから成る。一つの輸送路から来る板は、それをつかまえる運搬装置へ入る。板が運搬装置へ正しく入るとすぐに、前記装置は回帰輸送路(returning conveying path)へ回転して板を放出する。輸送路上の隣接する板間の間隔が大きくなりすぎるのを防ぐために、運搬装置は、例えば輸送路間で上下運動をするのに加えて、前後運動を行っても良い。前後運動は、輸送後の板間の隙間が輸送前の隙間と一致するような大きさに選択される。板形状の加工部品が一側面でのみ被覆される場合、運搬装置もまた回転及び、前/後運動を組み合わせを行い、そうすることによって加工部品が方向転換した後に、それは、予め下向きにされ、それから分割された接触電極の方へ向けて上向きにされて処理されるべき側面を有する。
【0041】
ローラー形状の接触電極は、好ましくは弾性のある導電材料から作られても良い。その結果、一方では加工部品の表面上に非常に高い電流が通され、他方では接触電極間の隙間及び接触電極と電解領域間の隙間が減少されるであろう、こうなる理由は、電極と、この隙間を決定する加工部品の表面との間の接触面が堅いローラー上で細く引き伸ばしたような表面となるのではなく幅の広い表面になるためである。
【0042】
金属/プラスチック複合材料は、特に、高留分の導電性充填剤を有する弾性プラスチックから形成された複合材料が接触電極用の弾性材料として使用されうる。これらは、バインダー、ゴム様のシリコーン又は他の電気化学的に安定な弾性プラスチック材料のようなエラストマー、及び、導電性充填剤から成る。バインダーはまた、エレクトロニクス製造において使用されているように、完全に硬化していない導電性接着剤含む。導電性充填剤は、製造中、上記タイプの材料と混合される。金属/プラスチック複合材料はそのようにして得られる。
【0043】
間隙成分(interstitial components)とも呼ばれる充填剤は、好ましくはパウダー、繊維、針、円柱、ボール、片、フェルト及び他の形状の金属から成る。全コンタクト材料(contact material)に含まれうる充填剤の割合は、90重量%までであっても良い。充填剤の割合が増加すればするほど、金属/プラスチック複合材料の弾性は減少するが、導電性は増加する。二つの変数(variables)は特定のアプリケーションに適合する。電気化学的に安定で同時に導電性を有する材料のいずれも、充填剤として使用されるのに適する。一般的な充填剤として例えば、チタン、ニオブ、白金、金、銀、ステンレス鋼、及びエレクトロコール(electrocoal)がある。例えば、白金めっき、銀めっき又は金めっきされたチタン、銅、アルミニウム又はガラスから作られたボールのような粒子も使用されうる。
【0044】
本発明の特定の実施形態において接触電極のセグメントは、電極の軸に対して角α>0の傾斜があり、かつまた、加工部品の運搬方向に対して斜めに配向している境界線を備えて構成されてもよい。この設備によって、セグメント間の間隔によって例えばその間隔において部品を絶縁にすることによって産出された遮蔽効果が、加工部品上の一定の領域へ運搬されないのではなく、安定化されるであろう。これは、金属被覆している間に均一な金属析出するという結果をもたらす。更に境界線の角αはまた、接触電極の一つかそれ以上のセグメントにおいて様々な数値を有しても良い。境界線は例えばジグザグ線に設計されても良い。
【0045】
特定のコンパクト構造を確実に設けるために、接触電極は共有のキャリア枠(carrier frame)においてコンパクト組立体として収容されうる。
【0046】
本発明に係る装置は、好ましくはストリップ処理ラインにおいて一つの構成要素であり、加工部品を保管するための少なくとも一つの第一及び、一つの第二保管手段、例えば保管ドラム(巻き返し:reel-to-reel)をそなえて各々構成される。更に、そのようなタイプの処理ラインは、少なくとも一つの第一保管手段から少なくとも一つの第二保管手段へ処理ラインを通って加工部品を輸送するための輸送部材をしばしば備えて構成される。加えて、厳密な直線コースを維持する、繊細な加工部品を誘導するための手段、例えば側面にあるバウンディング・リール(bounding reel)、及び、輸送ローラーの位置を修正するための手段が施されてもよい。この目的で、センサーが輸送路に沿って施されても良く、前記センサーは非許容差を検出するような方法で、加工部品の外角位置を連続して表示し、かつ、箔の輸送及び/又は誘導用手段を修正する。
【0047】
この装置は、特に、箔のようなストリップ形状の薄い加工部品において金属を析出するために適している。そのようなタイプの箔は、例えばポリエステル、ポリアミド、又はポリオレフィン、特にポリエチレンから成っても良い。
【0048】
請求された装置は特に、プラスチック箔材料においてコイル形状の構造を製造するために利用されても良い。そのようなタイプのコイル形状の構造はデータキャリア(スマートカード)における非接触型データー転送用に利用されるアンテナのようなものに使われても良く、そのようなタイプのアンテナを備えて構成されるキャリアは、例えば、アンテナによって電気的に導線されて集積回路を収容しても良く、それによってアンテナにおいて発生した電気のパルスは、例えばそれらを保管する場所である集積回路に送られ、又は、アンテナを通って受け取られたデータは電気信号として処理される。信号の処理は、例えば既に保管されている他のデータを考慮に入れながら、提供されたデータを変換するのを可能にし、そうして得られたデータは代わりに保管され、及び/又はアンテナへ運ばれる。それからアンテナによって輸送されるこれらデータは、受信アンテナ(receiving antenna)において受け取られ、それによって発せられたデータは例えばデータキャリアにおいてアンテナによって受け取られたデータと比較されても良い。そのようなタイプのデータキャリアは、例えば商品のロジスティクス及び、販売取引において、例えば非接触型読み取り値札又は商品の現品票、更にスキー用カード、RFID(Radio Frequency Induced Device:ラジオ周波誘導装置)などのような人に関するデータキャリア及び、アクセスコントロール用認識票または自動車用認識手段として利用されても良い。
【0049】
電気的に絶縁された金属構造を備えた箔の更なるアプリケーション分野は、例えば自動車工学又は通信電子工学において、玩具又は腕時計用などの単純電子回路の製造がある。これら材料は、装置の能動及び受動電磁シールド用に更に利用されたり、又は、衣類用生地におけるのと同様に建物用のグリッド材料のシールドとして更に利用されても良い。
【0050】
データキャリアはポリエステル箔、又はポリ塩化ビニル箔のような箔から作られることが可能で、その上において電気的に絶縁の構造が電解的に生産されて、本発明に係る装置を使用する。この目的で、金属被覆された構造を施された箔、及び装置を利用して製造された箔は、その上に多重印刷するように生産された構造パターンに従って、各データキャリアのサイズに応じて個々の箔片に分割される。集積回路は、その後、箔片上に施され、かつ、集積回路に電気的に接続された金属構造が施されても良い。結合処理は、特にこの目的で利用される。集積回路は、キャリアが未施工であるが最終的にはハウジングされるチップ形状に実施されうるだけでなく、TABキャリア(TAB−Tape Automated Bonding:テープ自動ボンディングTAB)のようなキャリア上に施され、かつ箔上に設置されても良い。一旦、集積回路に電気的に接触すると、箔片はデータキャリア完成品になるように処理されることが可能で、前記片はその中に溶接されたアンテナを有するカードを形成するように、例えば他の片によって更に貼合せられる。
【0051】
特に、データキャリアにおいて電気的絶縁構造は次の方法に従って製造されうる。
【0052】
好ましくはストリップ形状であり、例えば厚み範囲20〜50μm、及び幅20cm、40cm、又は60cmを有する箔材料が、その周囲に箔を巻く保管ドラム(storage drum)上に施される。
【0053】
第一に、ストリップには、その中において例えば活性剤ワニス(activator varnish)又は活性剤ペースト(activator paste)が箔表面上に印刷されるように製造されるべき構造が施される。この目的で、前記ワニス又はペーストが例えば貴金属化合物、特に、パラジウム化合物、好ましくは有機パラジウム錯体を含有しても良い。ワニス又はペーストは更に溶剤、染料及び揺変性試薬のような従来の構成成分と同時に、その上バインダーを含む。ワニス又はペーストは、好ましくは前記ローラーを通り過ぎて導電性にされた箔上にローラーを経由して印刷され、特にオフセット、凹版またはリソグラフィー印刷処理によって、しかしまた、スクリーン印刷又は巻き返しスクリーン印刷によっても印刷される。この目的でワニス又はペーストは、リザーバからディスペンサーローラーへ、ディスペンサーローラーから印刷ローラーへ、及びそこから箔へ輸送される。過剰ワニス又は過剰ペーストはディスペンサーローラー及び印刷ローラーから、適したスクレーパを使用して除去される。印刷ローラーは例えば硬質クロムで被覆されても良い。箔は、充分にインク塗布するように、軟質カウンタローラー(「軟質ローラー」)によって印刷ローラーに対して押し付けられる。活性剤印刷装置に続くステーション内において、箔に印刷されたインクが乾燥される。この目的で、ストリップ形状をした箔材料は、例えば赤外放射器又は熱空気ファン(hot air blower)から形成された、又は活性剤ワニス又は活性剤ペーストに含まれるバインダーが紫外線照射活性下で(好ましくは溶剤を用いることなく)反応して乾燥する場合は紫外線放射器を備えて構成されても良い乾燥路を通って輸送される。これら乾燥装置は、ストリップ形状材料が貫いて輸送される乾燥トンネルに好ましくは配置される。乾燥ステーションを通り過ぎた後、ストリップ形状材料は、特にドラムから形成されても良い他のストリップ貯蔵設備に到達する。材料の巻きを解かれる第一貯蔵ドラムから材料が再度巻かれる第二ドラムへ行く途中において、前記材料はリール(巻き返し法)上に誘導されて広げられる。
【0054】
活性剤ワニス又は活性剤ペーストによって印刷されたストリップ形状箔は、次に、金属構造を形成するために無電解及び/又は電解金属めっきされる。
【0055】
この目的で、活性剤ワニス又は活性剤ペーストによって印刷された箔は貯蔵ドラムから巻きを解かれて、処理ラインの様々な連続処理ステーションを通って誘導され、ストリップ形状材料はターンローラー上に通されて広げられる(巻き返し法)。原則として、ストリップ形状材料を直接、印刷処理から湿式化学的処理へ材料の更なる中間地点での保管をすることなく輸送することを可能にする。
【0056】
第一処理ステップにおいて印刷された材料は、通常水素化ホウ素ナトリウム(sodium boron hydride)、ジメチルアミノボラン(dimethyl amino borane)又は次亜リン酸塩(hypophosphite)などのアミノボラン(amino borane)のように水溶液において強い還元試薬である還元剤の中に運搬される。還元剤中において、ワニス又はペースト中に含まれる酸化貴金属は、金属性貴金属、例えば金属パラジウムに還元される。還元後ストリップは、過剰な還元剤を水で洗浄する洗浄ステーションに送られる。スプレー式洗浄ステーションは、好ましくはこの目的に使用される。次に、銅の超薄層(0.2〜0.5μm厚み)が活性剤構造上に無電解法で析出される。構造上への銅の析出は、還元剤中で形成された貴金属核によって開始され、非印刷領域上に銅は析出されない。酒石酸塩(tartrate)、エチレンジアミンテトラ酢酸塩(ethylene diamine tetraacetate)、又はテトラキスプロパン−2−オルイルエチレンジアミン(tetrakis-(propane-2-ol-yl)-ethylene)同様にホルムアルデヒド(formaldehyde)を含有する一般的な浴は銅浴として使用されても良い。銅めっき後ストリップ形状材料は、洗浄ステーションへ輸送され、洗浄ステーション中において過剰な銅浴が水のスプレー式洗浄によって剥がされる。
【0057】
次に、ストリップ形状材料は本発明に係る装置に送られ、その装置中において現導電性構造は銅などの更なる金属によって選択的に被覆される。好ましくは、銅が析出される。あらゆる公知の電解銅めっき浴、例えば二リン酸塩(pyrophosphate)、硫酸(sulfuric acid)、メタンスルホン酸(methane sulfonic acid)、アミド硫酸(amido sulfuric acid)、又はテトラフルオロホウ酸(tetrafluoroboric acid)を含む浴が電解銅析出用に使用可能である。特に、最適な浴は、例えば有機硫黄化合物、ポリグリコールエーテル(polyglycolether)化合物及びポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol)のような添加物と同様に、硫酸銅(copper sulfate)、硫酸及び少量の塩素(chloride)を含むことがある硫酸浴である。硫酸浴は好ましくは、室温に近い温度において、可能な限り高いカソード電流密度で運転される。例えば10A/dm2のカソード電流密度が選択される場合、銅は約2μm/minの割合で析出されるであろう。約2.5〜7.5m長さの線について、箔ストリップが1m/minのスピードで本発明に係る装置を貫くように輸送される場合、加工部品が一回貫いて通り過ぎる間に、5〜15μm厚みの銅層が析出されうる。材料が装置を貫いて何度も輸送される場合、それに伴ってラインが短縮されても良く、又は金属がより大きな被覆厚みをもたらすように析出されても良い。
【0058】
電流が加工部品及び、本発明に係る装置において直流電流の形態で電極へ供給されることが可能である。特定の実施形態において、パルス化電流もまた使用されても良い。パルス化電流は、できるだけ高い電流密度を産出するのに有利である、というのは、金属層、例えば良好な性質(光沢のような高い表面品質、粗さが無く、均一な被覆厚み、良好な延性、導電性)を呈する銅層もこれら条件下で析出されることが可能である。この目的で、逆パルス化電流と呼ばれるもの、即ち陰極性及び陽極性両方の電流パルスを備えて構成されるパルス化電流が、好ましくは利用される。原則として、単極性パルス化電流も勿論有利である。逆パルス化電流の使用、陰極性及び陽極性パルスのパルス高さ、それぞれのパルス幅及び、非常時の個々のパルス間隔時間もまた析出条件をできるだけ効果的にするために、最適化される。
【0059】
銅が析出される場合、酸化還元システムの化合物、特にFeSO4やFe2(SO4)3のようなFe2+及びFe3+化合物は、不溶性アノードが用いられる場合、めっき液中の銅イオン濃度を維持するために好ましくは浴に追加される。浴に含まれるFe2+イオンは、不溶性アノードにおいて酸化されてFe3+イオンを形成する。Fe3+イオンは、好ましくは金属銅片を含有するほかのタンク(再生タワー)に含まれる、金属銅片に運搬される。再生タワーにおいて、銅片はFe3+イオンの作用下で酸化させてCu2+及びFe2+イオンを形成する。二つの反応(Fe3+イオンを形成するFe2+イオンの陽極性酸化、及びFe2+イオンを形成する一方でCu2+を形成する銅片の酸化)が、同時に進行し、めっき液中の銅イオン濃度がおおむね一定に保持されうる。
【0060】
金属被覆処理中に、箔ストリップが本発明に係る装置を貫いて通り過ぎた後、過剰なめっき液を洗浄除去するスプレー式洗浄ステーションに材料が再度通される。それから、ストリップ材料は処理ラインの他のステーションに運搬されても良く、その中でストリップ材料は銅の変色を防ぐための不動態化手段と接触する。ストリップ形状箔材料を他の保管ドラム上に巻きつける前に、材料は乾燥ステーションにおいて乾燥される。この目的で使用される設備は、活性剤ワニス又は活性剤ペーストを乾燥させる目的で使用されるそれら(乾燥ステーション)と同様であっても良い。
【0061】
前述のメソッドステップを行うために使用されるステーションは、加熱及び冷却システム同様に、フィルターポンプ、化学物質用のためになるステーションのような、処理液を処理するための設備を備えるのと同様に、適したガイドや輸送リール又はローラーが備えられても良い。
【0062】
本発明は、次の図を参照することによって説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0063】
図1は、二つの各輸送路T'、T"の間に横に並んで配置された接触電極の二列の組立体Aを有する、本発明に係る装置の上面図(あるいは側面)であり、前記組立体は第一接触電極2と第二接触電極8を備えて構成される。装置は更に、電源(示されていない)及び壁15を有する処理タンクを備えて構成され、壁15はその入口と出口位置に設けられた加工部品1の通過用にスロット形状をした開口部を備えて構成される。加工部品1は、そのいずれかの側面において印刷された導電性構造(例えば絶縁処理されている)を有する箔ストリップである。シーリングローラー16は、タンクからの大きな液損失を防ぐ。タンクの外側面にある室21に損失液が回収され、ここに記載されていないポンプ及びパイプラインを通って前記タンクに戻される。加工部品1は、運搬方向18へ通され、前記タンクに入り、中を通って排出される。更に、補助アノード14及び、加工部品1を一列の組立体Aの範囲内において、また二列の組立体の間において一つの輸送路T'から他の輸送路T"へ方向変換するためのターンローラー13が、前記タンク内に配置されている。加工部品1輸送用バックアップ又は輸送リール又はホイール11が加工部品1用輸送路に並んで、又は加工部品1用輸送路のいずれかの側面に配列される。これらは絶縁リール又はホイール、例えばゴム様皮膜を施された鋼リールであっても良い。第一及び第二接触電極2、8が互いにごく接近して配置されるので、これによって加工部品1の代わりに隣接する接触電極の陰極分極された側面が被覆される、又はショート(short:短絡)が場合によっては起こる結果になるので、運搬方向18で見て第二接触電極8から第一接触電極2へ多量の電流が直接流れるのを防ぐために絶縁壁12によって互いに隔てられる。
【0064】
組立体Aの列内部において加工部品1の運搬方向を逆転する第一ターンローラー13が加工部品の入口位置から最も遠い場所に配置され、それによって組立体の一つの列内において逆の運搬方向(前及び後ろ)が得られる。第二の接触電極8は逆の運搬方向に沿って、第一接触電極2に対して片寄ってずれている。接触電極2、8各々は二つの逆に分極されたセグメント9、10(図1中に接触電極において黒白領域で、単に概略的に輪郭が描かれている)を備えて構成されている。加工部品が電気的に接触するように、電源の一方の第一極は、輸送路T'、T"において加工部品に隣接する接触電極2、8の、第一セグメント10の各々一つと接触し、及び、輸送路において加工部品から間隔を置いた接触電極2、8の第二のセグメント9と加工部品の間に電解領域Eが形成されるように、電源の他方の第二極は、輸送路T'、T"において加工部品の方に向き、かつ前記輸送路に対して間隔を置いた接触電極2、8の第二のセグメント9と接触する。
【0065】
接触電極2、8の第二のセグメント9は補助アノード14と同じ分極を備えて構成されることによって、加工部品がめっきを完了した場合に更なる電解領域を形成されうる。ターンローラー13によって、加工部品は、装置を通して前後に何度か行き来して、加工部品1の両方の表面が同じ程度に処理される。タンクの入口及び出口の近傍に、二列の組立体Aの間で加工部品1を方向変換をするためにターンローラー13が設けられている。組立体の第二列の末端において、加工部品はシーリングローラー16においてタンクを出て、例えば、洗浄又は乾燥ステーションのような他の処理ステーションへ通される。
【0066】
何度も加工部品1の方向を変えることによって、より厚い皮膜も容易に成されれうる長い処理路が、小さなスペース内において作成可能である。
【0067】
図2、3から、接触電極2、8がそれぞれ6つのセグメント9、10に分割されるというのが見て取れる。セグメントは絶縁リング6に固定され、絶縁リングは同様に軸7に固く設置されている。軸7は強度をもたせるように金属製であることが可能である。個々のセグメント9、10は絶縁部品3によって互いに電気的に絶縁されている。電流が接触電極のセグメント9、10へそれぞれ陰極性及び陽極性に接続されたシュー(shoe)4を通って供給される。前記シュー4は金属被覆処理において、電流が常に電源5の陰極から加工部品1に接触してつながっている表面のすぐ近傍で第一セグメント10へ流れるように、配置されている。その結果として、加工部品1は陰極に電気的接触される。電源5の正極は、(そこで加工部品と接触してつながることなく、組立体の他の各輸送路における帰路に存在する加工部品1の処理されるべき構造の方へ向き、かつ当該構造から間隔を置いている)反対側の第二のセグメント9に接続される。電解領域Eは第二のセグメント9と加工部品1の間に形成される。この分割の結果及びシュー4を通ってセグメント9、10に特別な電流を供給するという結果として、個々の電解領域Eが次々と形成される。その際、接触電極2、8の第二セグメント9はアノードを形成し、反対側の加工部品(接触電極2、8の第一セグメント10によって接触している)はカソードを形成する。統合することによって、二つの図2、3は本発明に係る組立体を表す。
【0068】
接触電極間に絶縁壁が配置されているにもかかわらず、第一セグメントが陰極分極される場合、第一セグメント10表面に微量の金属が場合によっては析出する。しかしながら、接触電極2、8が更に回転する場合に、これら第一セグメント10の電位は、陰極分極した金属構造を呈する反対側の加工部品1と向かい合う、陽極性の第二セグメント9を形成するために陽極性に変化することによって、析出した金属が間もなく再度溶解し、かつこれら加工部品1上に析出される。結果的に、処理液(導電性電解液)と常に接触している陰極接続された接触電極のコストのかかる除去(stripping)を必要としない。更に、金属溶解に使用された電流は、加工部品1上に金属を析出させるように働く。
【0069】
図4は、図1に係る電気めっきラインであるが、本発明の装置の接触電極2、8間に特別に形作られた絶縁壁12を有して、それゆえに作られた可能性としてのより高い電流密度の結果として金属析出が加速される電気めっきラインを示す。セグメント9、10は単に図式的に概要が描かれている。二つの接触電極2、8の組立体はAで図式的に概要が描かれている。金属被覆される構造Sは陰極分極された第一セグメント10によって接触電極を通って電気的に接続されており、かつ同時に、電解領域Eの中へ延びている。そこで、構造は電解作用で金属被覆される。組立体Aから離れた側の加工部品1の側面を金属被覆するために、更に補助アノード14が備えられており、当該アノード14もまた電源(図に示されていない)へ接続されている。前記アノード14と加工部品1の間の電流は、加工部品1がまたその側面に接触する場合にのみ発生する。本例の場合、組立体Aの方へ向いた電気接触側から確立される導電性結合によってこれは成される(スルーめっき)。
【0070】
更に、駆動される(輸送リール)か駆動されない(バックアップリール)のいずれかであるバックアップ・輸送リール11が備えられている。駆動されないバックアップ・輸送リールの場合、接触電極2、8はそれら自身が輸送リールとして駆動されて供されている。
【0071】
図5は特定の形状を有し、及び特に小型構造を処理するように働く絶縁壁12を有する図4に対応する別の例を示す。実施されたような、絶縁壁の特定の形状はまた超小型構造への充分な接触を可能にする。この例において、絶縁壁12は接触電極2、8の周囲で対になっている。その結果、隣接する接触電極2、8間の隙間は更に減じられうる。二つの陰極の第一セグメント10の間の隙間が狭窄されることによって、運搬方向に見て長さが例えば2.5cmより短い構造は、接触電極が例えば3cmの小さな直径でも依然として充分に接触されうる、その際、第一及び第二接触電極2、8が互いに重なり合う。
【0072】
図6は、図1と類似の本発明に係る装置の特定の実施形態を示す。この装置は、図1では二列の組立体の間に配置された補助アノード14を省いて、加工部品のいずれかの側において均一に金属を析出するのに用いられる。図6は、スルーめっきされた穴をいずれかの面に含む加工部品1において互いに絶縁された構造を被覆するための本発明に係る装置の非常にコンパクトな実施形態を図示している。本装置は三列の組立体を備えて構成される。外側二列の間に形成された組立体の一列は、それ自体関連した輸送路を持たないが、その代わり外側に位置する隣接の組立体の輸送路Tを使用する。原則としてかつ本発明にしたがって、輸送路TのT'及びT"部分は区別されるが、図をより良く理解するために、この中にこれは示されていない。
【0073】
加工部品1の入口側及び出口側において、電解領域Eは、輸送路のいずれかの側において、一方では接触電極2、8の第一セグメント10によって接触された加工部品1と、他方ではそれぞれ接触電極2、8の第二セグメント9及び補助陽極14との間で形成される。最初の方向変換後、一つの第一接触電極2と一つの第二接触電極8は常に互いに向かい合って配置され、それらの第一セグメント10が加工部品1の二つの側に直接陰極性に接触する。その各側面におけるギャップは、接触する加工部品1と、隣接する接触電極2、8の第二セグメント9の間に電解領域Eを形成する。電気めっき電流は、対置する陽極分極された接触電極2、8の第二セグメント9から加工部品1へ流れうる。
【0074】
図7は部分的な本発明に係る装置の断面前面図(浴タンクは省略)であり、二つの輸送路T'、T"において装置を貫いて輸送される加工部品1は垂直方向に向けられ、運搬方向は水平である。壁15は図示されていない前壁において加工部品1のタンクへの出入り通過のための開口部を備えて構成するタンクを形成する。通過用開口部は、ここでも示されていないシーリングローラーによってほぼ完全に閉鎖されている。入り口及び出口開口部から漏れる処理液は、シーリングローラーの下に集められ、ここでも図示されていないが、パイプライン、ポンプ及び場合によっては設けられるノズルシステムを介して処理タンクへ戻され、それによってライン19によって図示されるタンク中の浴レベルが常に一定に保持されうる。
【0075】
使用される方法により、公知の加熱及び冷却システム、ここではまた図示されていないが、フィルター及び処理液を計量分配するためのディスペンジングノズル(dispensing nozzle)がタンクに設けられる。
【0076】
接触電極2、8がタンク中で垂直に装着され、適したベアリング(部分的にのみ示される)を用いて上部及び下部で保持される。運搬方向で見て、例として示された一つの陰極分極した第一セグメント10を有する第一接触電極2が、例として示された一つの陽極分極した第二セグメント9を有する第二接触電極8の後方に置かれている。左手側に配置された第二接触電極8は、タンクの中において右手側に示された加工部品から間隔を置いており、かつ、第一セグメント10を通じてタンクの中において左手側に示された加工部品と接触する。対照的に、右手側に示された接触電極2は、左手側に示された接触電極8によって部分的に隠されているが、左の加工部品から間隔を置いており、かつ、その第一セグメント10を通して右の加工部品と接触する。絶縁部品3はセグメントの間に配置されている。
【0077】
接触電極2、8に圧力を加えるために、輸送・バックアップローラー11が楕円形ベアリング又は長い穴(図示されず)に支持されていても良く、またピンチスプリング20によって押圧されても良い。接触電極2、8の上端部において、シュー4を有する集電体22が配置されている。シュー4の各々1つが側面に配置されている。電源5の二つの極から接触電極の相当するセグメント9、10の各々一つの上へ、電流が送出される(集電体からセグメント9、10への電流の送出はここでは図示されていない)。電源5の陰極は、加工部品1と接触している接触電極2、8の第一セグメント10に電流を供給する外側のシュー4と接続されている。電源の陽極は、各々他の輸送路において加工部品の方へ向いている接触電極2、8の第二セグメント9に電流を供給し、かつそこから間隔をあけている内側のシュー4と接続されている。集電体22は液レベル19より上に配置される。それらは、接触電極の個々のセグメントに、ここでは図示されていないラインを経由して接続される。
【0078】
接触電極2、8相互のオフセット(間隔)は、及びその結果として、図示されていないターンローラーの直径もまた、加工部品1と接触電極2、8の陽極分極されたセグメントの間で短絡が生じるのを防ぐために、充分小さくなるように選択されるべきである。
【0079】
図8は、板形状の加工部品1をそのいずれかの側面で電解処理するための、本発明に係る装置の側面図である。加工部品は水平に配向され、水平の運搬方向18に輸送される。基板(加工部品)は処理タンクに入る前に輸送路T'の往路上においてシーリングローラーの間を、上位置で室21を通って導かれる。タンクは明瞭さを増すために半分切り取って示す。電解領域E、E'は往路において各々、陰極分極した加工部品1と陽極に接続された第二接触電極8及び補助アノード14の間でまた形成される。往路の端において、板形状の加工部品1を運搬するのに適した運搬装置17が備えられる。運搬装置17は可動性に支持され、かつ、ここでは図示されていない駆動装置によって、矢印によって示されるように上下、左右方向に動されるように適合される。矢印18の方向に一様に動く加工部品1は、上と下の輸送リール11の間で運搬装置17に入る。加工部品1が運搬装置の輸送リール11によって単に保持されるとすぐに、前記運搬装置は下の帰路位置へ、すなわち装置の組立体の他の輸送路T"へ動く。一旦それが下部位置へ到達すると、輸送リール11は逆回転方向へ駆動され、下の帰路の輸送路T"において加工部品を輸送する。そこで、接触電極8が輸送リールと共に加工部品1をつかみ、加工部品1は装置と接触し、かつ装置を通ってその出口18へ輸送されて更に処理される。組立体の列の端において、加工部品1はシーリングローラー16によって封鎖されているスロットを通ってタンクを出て、方法シーケンスに従って更に処理されうる。
【0080】
備えられた運搬装置の前後への動きは、その運搬中に隣接する基板間の間隔を同じに保持するのに役立つ。ここで図示されていないセンサーは、この目的で備えられても良く、前記センサーは先導する板形状の加工部品の位置を記録して、したがって連続する基板(加工部品)1の間の間隔を一定に保持するために運搬装置の前後への動きを制御する。加工部品が一側面においてのみ処理される場合、運搬装置は、上下運動の代わりに、加工部品1を装置の帰路の輸送路T"へ導くために、ストリップ形状加工部品に用いられるターンローラーと同様の半径を有する回転運動を実行しても良い。運搬装置が速いか遅いかいずれかの回転運動を実施することによって、隣接する板の間で同じ間隔を保持することが、それゆえ可能となる。
【0081】
この好ましい実施形態によって、低い費用及びわずかな保守費用で、非導電キャリア基体において互いに絶縁された複数の構造を電解処理することが、それゆえ可能となる。
【0082】
原則として、図9は図8に対応するが、組立体の列の端に運搬装置17を備えていない。その代わりに加工部品1は入口領域(スロット、シーリングローラー、室)と同様の出口領域を通ってタンクを出る。それによって、基板の二つの平行な流れは、装置を通って導かれる。ラインは基板とストリップ形状の加工部品の両方を処理するのに適している。いずれかの側面において加工部品1を処理するために、組立体から離れた側面においてなされる分離した電気的接触がもたらされないので、これら加工部品はこの場合スルーめっきされなければならない。
【0083】
図10は、中央部において中断され、かつ特定の方法で実施されたセグメント9、10を有する装置の接触電極8を図示する。電極8の内体に位置し、かつ絶縁部品3によって互いに電気的に絶縁にされたセグメントは、電極8の軸7の方向に対して角度α>0で傾斜する境界を有し、その結果として加工部品の運搬方向に対して傾斜して配向されている。この条件で、セグメント9、10間の絶縁部品3によって生じた遮蔽効果は加工部品の一定領域に伝えられず、代わりにむらなくさせられよう。
【0084】
図11は図10に係るセグメント9、10の他の実施形態であって、電極2、8の軸7に対するセグメント境界の角度αが一つのセグメント内で異なる値を有するものを示している。
【0085】
ここに記述された例、及び実施形態は例証する目的のみであり、それを考慮した様々な修正や変更並びに本願において記述された特徴の組み合わせは、当業者にとっては示唆されるであろうし、また、記載された発明の精神と認識範囲の内及び添付請求項の範囲内に含まれるものであると理解されるものである。ここに引用されたすべての刊行物、特許及び特許出願は、引用によって組み込まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明に係る、電解被覆加工部品用装置の上面図である。
【図2】本発明に係る、組立体の第一分割接触電極用装置の断面図である。
【図3】図2と同様に組立体の第二接触電極の断面図であり、総合すると図2及び3は現行の発明に関する組立体を図示している。
【図4】接触電極間に特別に形作られた絶縁壁を有する、図1に係る装置である。
【図5】特定の小型構造を処理するための特定の形状の絶縁壁を有する、図4に係る他の実施形態である。
【図6】本発明に係る、加工部品のいずれかの表面において均一に金属をめっきするための図1に類似の非常にコンパクトな構造を有する装置である。
【図7】本発明に係る、加工部品の垂直な配向及び移送の水平方向を有する装置の前面図(バックタンクは省略した)である。
【図8】本発明に係る、いずれかの側面において基板形状の加工部品を電解処理するための装置の側面図である。
【図9】両輸送路において輸送と同様の方向に輸送された加工部品を有する、図8に係る側面図である。
【図10】セグメントの特定の実施に関する装置の接触電極である。
【図11】図10に類似の、セグメントの他の実施である。
【符号の説明】
【0087】
1 加工部品
2 第一分割接触電極
3 絶縁部品
4 シュー
5 電源
6 絶縁リング
7 軸
8 第二分割接触電極
9 セグメント
10 セグメント
11 輸送リール/バックアップローラー
12 絶縁壁
13 方向変換/運搬用手段
14 補助電極/アノード
15 タンク壁
16 シーリングローラー
17 運搬装置
18 加工部品1の運搬方向
19 液レベル
20 ピンチスプリング
21 処理液用回収液だめを備えた液とびガード室
22 集電体
A 組立体
S 構造
T、T'、T" 輸送路
E、E' 電解領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、平面加工部品、特に、平面形状、例えばストリップ又は板形状などに形成された加工部品の表面において互いに電気的に絶縁された導電性構造をコンベヤー設置ラインにおいて電解処理するための装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】US4560445
【特許文献2】DE10065643C2
【特許文献3】WO03/038158A
【特許文献4】DE19951325A1
【特許文献5】DE10065649A1
【特許文献6】DE4413149A1
【0003】
商品用チップカード(スマートカード)、値札又は現品票を製造するために、箔様プラスチックが利用されており、その上に生産されることを所望される電気的機能に対して導電性構造は必須であった。
【0004】
従来の方法では、例えば銅コート材料を利用しており、エッチング処理を用いて所望の金属パターンが銅コート材料から製造される。この方法にかかるコストを低減し、及び、エッチング処理によって成されたものよりも更に細かい構造の製造を可能にするために、電着を用いた金属構造を製造する試みがある。アンテナコイル製造のような公知の方法は、特許文献1に記載されている。それから、金属構造をポリオレフィンフィルム上に、次の方法工程に従う方法順序を用いて製造される、即ち、膨潤し、エッチングし、続く触媒作用的活性金属の吸着のためにプラスチック材料のコンディショニングを行い、触媒作用的活性金属を析出し、陰像形態マスクを印刷し、触媒作用的活性結合を加速し、無電解及び電解金属めっきをする。
【0005】
金属めっきストリップ用処理は電気めっき法を含む。長い間、巻返し現像処理プラント(reel-to-reel processing plant)と呼ばれるものが、この目的でコンベヤー設置ラインとして使われており、材料がそこを貫くように輸送され、運搬中に処理液と接触する。ストリップは電解金属析出のために電気的に接触する。接触電極はこの目的で働く。電解処理用に二つの必須電極つまり接触電極と対電極のいずれか、又は処理プラントにおける処理液中の対電極のみ配置することが可能である。
【0006】
例えば特許文献2では、導電ストリップ形状の加工部品(work piece)を電気めっきするため、又は電解エッチングするための装置を記載しており、その中で電気的接触を設けるために働く接触ローラーと対電極の両方が浴内に配置される。そのような装置の問題点は、接触ローラーもまた浴内で金属めっきされ、それによって接触ローラー上に析出した金属が繊細な箔を損傷する危険性があることである。
【0007】
電解浴内でカソードへの金属析出を防ぐ、又は低減する目的で、特許文献3では、電気めっき構造による補強を目的とした電気めっき設備を記載しており、その電気めっき構造は、アノードと回転するコンタクトローラーが電解浴中に設置されているストリップ用の巻返し設備において基板上で導電性となるようにすでに構成されている。基板の方に向いたその側面において、コンタクトローラーは直流電源の負極に接続されており、基板から逆方向を向いた側面においては電源の正極に接続されている。これは、直流電動機の集電体のものと類似の方法でコンタクトローラーを分割することによって可能となる。その結果、通常運転中ローラーが一回転する間にコンタクトローラー上に析出した金属は電位を陽極に変えることによって除去されうる。この方法の大きな不都合は、陽極分極したコンタクトローラーから除去された金属が、補助カソード上に析出した層が繰り返し厚くなるにつれて、機械から定期的に除去されなければならないことである。
【0008】
他の基本的な不都合は、その全領域に渡って導電性である表面のみが電解処理され得るが、電気的にお互いが絶縁されており、かつ、例えばアンテナコイル製造に適している構造が電解処理されていないということである。
【0009】
したがって、特許文献4は、電気的に絶縁の箔材料表面において、互いに電気的に絶縁の導電性構造を非接触電解処理するための装置と方法を提示する。それによって材料は、処理液と接触するようにもたらされる間、処理プラントを貫く輸送路上を運ばれる。輸送中、材料は少なくとも一つの電極装置を通りぬけるように導かれ、電極装置は陰極分極した電極及び陽極分極した電極から各々構成され、陰極分極した電極と陽極分極した電極は交互に処理液と接触するようにもたらされる。電源は電極及び導電性構造を貫いて流れるように電流を発生させる。この目的で、二つの逆に分極された電極間で実際に直接電流が流れるのを防ぐような方法で、電極は互いに遮蔽されている。記載の方法の不都合な点は、析出した金属層が減少した被覆厚みを有するのみである、というのは、電極装置の結果、一方では金属が析出するが、しかしまた少なくとも部品において、加工部品が陰極分極した電極を通りぬけるよう導かれるにつれて他方では再び溶解するからである。
【0010】
特許文献5は、電解液の外側に設置された陰極のコンタクトローラーを有する一つの導電性表面を有するフレキシブルストリップを電気化学的巻返し処理するための装置を提案している。その周辺でストリップに傷がつけられている特殊なアノードローラーは、電解液の中で回転可能に配置されている。それによってアノードローラーは、ストリップに規定した間隔を置き、かつ、アノードからできるだけ近い距離に離れて保つ、イオン透過性の、電気的に絶縁された層を備える。互いに電気的に絶縁されてはいるが、構造を有する表面を処理することは不可能である。
【0011】
特許文献6は、プリント回路基板用のコンベヤー設置めっきライン、特に、コンタクトローラー及び例えば電解液に可溶なアノードを備えて構成されるコンベヤー設置めっきラインを記載する。金属で被覆される成形品と回転接触をもうけたコンタクトローラーのコンタクト表面上に好ましくない金属の析出を防ぐために、コンタクトセクタをコンタクトローラー上に備え、前記コンタクトセクタは代替として整流子を通り抜けて陰極、又は陽極にされ、成形品から逆を向いた領域において陽極にされる間、成形品に陰極接触をもうける。結果として、好ましくない金属析出の直後にセルフストリッピングが成される。
【0012】
結果として、公知の方法は、互いに電気的に絶縁であり、かつ例えばストリップ処理又はコンベヤー設置ラインにおいて箔ストリップ形状の電気的に絶縁された加工部品上に費用効率良く析出した、小型及び超小型構造を有する表面を電解処理することが可能ではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって現発明の根底にある課題は、公知の電解処理装置と方法の不都合を回避することであり、特に、公知技術を改良するために電気的に絶縁された箔又は板材料の表面において互いに電気的に絶縁された導電性構造の連続した電解処理を可能にする装置及び方法を見出すことである。これを目的として、装置は非常にコンパクトな構造となるべきで、特に、接触エレメントの好ましくない金属皮膜に関した公知の課題を回避するように接触エレメントをもたらすべきである。特に、超小型導電性構造を備え付け、かつ、チップカードの成分として例えば集配所において商品に印をつけ、自動識別し、分配する、又は例えばアクセスコントロール用電子識別カードとして使用される箔材料を製造するために利用されるということを方法と装置は意図する。そのようなタイプの電子成分は非常に低い費用のもと超大スケールで製造されてもよい。更に、方法と装置はプリント回路技術分野におけるプリント回路箔製造、及び玩具、自動車工学又はエレクトロニクス通信における通常の電気回路を有するプリント回路箔製造用に利用される。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この課題を解決するため、本発明は請求項1に従って装置、及び、請求項20に従って方法を呈する。本発明の好ましい実施形態は従属請求項に列挙する。
【0015】
本発明による方法と装置は電解処理、特に小型導電性構造に役に立ち、小型導電性構造は、電気的に絶縁された平面加工部品表面、又は平面加工部品上の完全な導電性表面において互いに電気的に絶縁であり、そのような加工部品は、好ましくはストリップ又は板形状、特にそのような導電性構造を備えたプラスチックストリップ(プラスチック箔)又は耐薬品性紙(例えばレジン含浸紙)の形状である。そのようなタイプの構造は数センチメートル例えば2〜5cm寸法を有する。好ましくは、装置及び方法がそれぞれ隣接する接触加工部品に関するセグメントの電位を変化させることに応じて除去処理(エッチング、軽度のエッチング)同様に金属被覆処理を行うように働く。簡潔にすると、ここで与えられた記述は後に金属被覆処理に関係している。
【0016】
本発明の装置は、a)〜f)
a)少なくとも二つの輸送路、実際互いに平行に走り、その上で加工部品がそれぞれの輸送方向に好ましくは連続的に輸送される輸送路にして、電解処理された加工部品上に構造を有する、
b)少なくとも一つの組立体、輸送路の間に設置され、第一の回転可能な接触電極及び第二の回転可能な接触電極を備えて構成された組立体にして、各々他の輸送路から隙間を置く一方でそれらが加工部品に隣接している輸送路の各々一つと組み合わせられている第一及び第二接触電極を有し、
c)互いに絶縁であって電源に接続される少なくとも二つのセグメントをその周囲に備えて構成している第一及び第二接触電極有し、
d)第一輸送路上を輸送される加工部品に隣接している第一接触電極の第一セグメント、及び第二輸送路上を輸送される加工部品に隣接している第二接触電極の第一セグメント、電源の第一極に接続されている第一及び第二接触電極の第一セグメントを有し、及び、
e)第二輸送路上を輸送される加工部品の方に向き、かつ、前記第二輸送路から隙間を置いた第一接触電極の第二セグメント、及び、第一輸送路上を輸送される加工部品の方に向き、かつ、前記第一輸送路から隙間を置いた第二接触電極の第二セグメント、電源の第二極に接続された前記第二セグメント、それによって加工部品処理用の電解領域Eが第一及び第二接触電極の第二セグメントと加工部品間に形成され、前記電解領域を貫いてそこを流れる電流を有する、かつ、
f)処理液と接触している組立体及び加工部品、
を備えて構成される。
【0017】
ここで使われているように、「組立体」という用語は上記の特徴b)、c)、d)及びe)を有する複数の接触電極を備えて構成される組立体として定義されているということを理解されたい。したがっていずれの構造体も、各々又は少なくともそれらの一つが上記特徴を有する二つかそれ以上の接触電極を備えて構成する一つかそれ以上の組立体を備えて構成する装置が本発明によって網羅されることが理解されるであろう。
【0018】
接触電極は導電性表面を有し、好ましくは、直流電動機におけるコレクタのものと同様の方法でセグメントに分割するよう施される。セグメントは、好ましくは絶縁部品によって互いに絶縁されている。電流はすり接点、リール接点、又は水銀接点によって種々のセグメントに伝達されてもよい。
【0019】
更なる電気的に絶縁の仕切り壁は隣接する接触電極間を流れる直流電流を防ぐ、又は減少させる目的で隣り合った接触電極間に施されてもよい。更に、小型サイズの構造に充分接触できる目的でも接触電極は密接に左右に並んで配列される。
【0020】
組立体の接触電極は、好ましくは実際に同じスピードで回転する。この目的で、組立体の、二つの接触電極の間で同期手段(Synchronization means)が結合されてもよい。接触電極に結合する、ギアーホイール、はめ歯ベルト、鎖又はそのような形状の中間ホイールが同期手段として用いられても良い。
【0021】
本発明による装置と方法は、特に回転可能な接触電極の二重機能によって特徴付けられる、すなわち、第一輸送路の方に向いた側面においてはアノードとして、及び第二輸送路の方に向いた側面おいてはカソードとして接触電極を同時に分極することによって、第二輸送路の方に向いた加工部品に接触するための電極の側面が陰極分極された場合に接触電極に好ましくなく析出した金属は、反対側において除去され、かつ、第一輸送路の方に向いた電極の側面がアノードとして働く場合に加工部品上に析出されるであろう。この目的で、加工部品は、輸送路の各々一つにおいて加工部品に各々隣接している第一接触電極の第一セグメント、及び、第二接触電極の第一セグメントを貫いて電源の一(第一)極に電気的に接続されている。第一接触電極の第二セグメント、及び第二接触電極の第二セグメントは、それぞれ違った輸送路上において加工部品の方に向いており、電源の他の(第二)極に電気的に接続され、かつ、これら輸送路上を輸送される加工部品と接触しない。その結果、第一と第二接触電極の第二セグメントと接触する加工部品の間に形成された加工部品処理のための電解領域Eを貫いて電流が流れる。したがって、第二セグメントから剥がれ落ちた金属は加工部品上及び、この目的で各々電解セルを形成している電解領域Eに析出されるであろう。組立体の接触電極が回転するにつれ、それに応じてセグメントは電位を変え、かつ、第一セグメントが第二セグメントをなし、逆もまた同様である。金属は予め陰極分極された(第一)セグメント上に析出され、それらが第二セグメントになるために陽極分極されると再び溶解するであろう、これは組立体の接触電極が自動表面除去(self-stripping)となり、かつ接触電極の表面除去に使われる電流は同時に加工部品を金属被覆するために働くという結果をもたらす。接触電極の有利な二重機能及び、回転中の接触電極のセグメントの極性における変化は、回転中に加工部品にセグメントが隣接しているかどうかによるが、金属が接触電極上に蓄積するのを防ぎ、かつ、それによって金属がめっき処理を妨害するのを防ぐ。
【0022】
これは、接触電極の表面除去用の両補助電極及び補足的なアノード無しですませられる。これは、装置に効率的で、かつコンパクトな構造体が多くのエネルギー、材料及びメンテナンス無しで良好な被覆厚みを達成することを可能にする。
【0023】
加工部品を電解処理するために、銅、ニッケル、金、銀、白金、錫、あるいはそれらの合金のような金属が金属被覆工程中に析出されてもよい。加工部品が金属めっきされる場合、加工部品又はその上(第一セグメント)のロールに隣接している接触電極のそれらセグメントの電位が、例えば陰極に変化されても良く、一方で加工部品と隣接せずにそこから(第二セグメント)隙間を置いているそれらセグメントは、陽極処理されても良い。その結果、第一電解領域は第一輸送路上の陰極分極した加工部品と組立体の二つの接触電極のうちの、第二の陽極処理したセグメントの間に形成され、第二電解領域は従って他の輸送路上の陰極分極した加工部品と第一接触電極の陽極処理したセグメントの間に形成される。金属が加工部品から電解排除(除去)される場合、セグメントはそれにしたがって逆に分極される。
【0024】
加工部品の効率の良い電解処理を行うために、複数の組立体が輸送路の間に配置されてもよい。複数の装置の各々が複数の組立体を有し、処理ラインの中で前後に及び/又は左右に(お互いの上に)並んで配置されてもよい。加工部品のガイダンスを改良するために、特に、接触を改良するために、補足的な輸送リールが反対側に、例えば加工部品のほかの側面上における接触電極の直接反対側に配置されてもよく、前記輸送リールはまた加工部品上で回転している。そのようなタイプの複数の処理ラインは一列に据えられてもよく、処理ラインは乾燥ステーション、加工部品用の保管ステーション、他、のような更なるステーションを備えて構成されてもよい。
【0025】
処理のために、それぞれ接触電極の方に向いた側面上において加工部品の表面は電解処理される。例えば互いに電気的に絶縁にされた小型導電性構造を有する加工部品、プラスチックストリップ、耐薬品性紙(例えば樹脂含浸紙)又は板は、装置において様々な方法で処理されてもよい。例えば、加工部品の様々な流れは、同じであったり逆であったりと様々な流れの輸送方向を有する輸送路すべてにおいて処理されてもよい。装置を貫くように進み、その中で処理することが更に可能である、しかし加工部品の一つの流れは方向転換手段又は輸送手段、例えばターンローラー又は他の方向転換又は輸送装置がこの場合装置の各々の転換点において配置されており、前記手段は加工部品を一つの輸送路から他の輸送路へ方向転換又は輸送するよう働き、それによって往路(forward route)又は帰路(return route)上において接触電極を通過するようにそれらを動かす。
【0026】
加工部品の同一表面において他の構造に対して電気的に絶縁された導電性構造が材料に施されたスルーめっき穴(through-plated hole)を貫いて加工部品のそれぞれ逆表面上に配置された他の構造に電気的に接続されている場合、接触電極から逆に向いた側面は、先端側面に位置する構造がそれによってスルーめっき穴を貫いて電気的に接続されるように電解処理されても良い。この場合、補足的な作用電極、例えば接触電極の方に向いていない加工部品の側面において配置される更なるアノード(補助アノード)が設けられている。両側面を処理するために、可溶及び非可溶アノードの両方がアノードとして利用されても良い。
【0027】
構造が貫いてめっきされない場合、組立体は、その際には輸送路は組立体の間に位置されるが、方向転換手段又は輸送手段を経由して複数の輸送路上の装置を貫いて加工部品が導かれるように配列されても良く、そうすることによって加工部品はいずれかの側面において処理されても良い。この場合、特定の実施形態において、ダミー(dummies)と呼ばれるもの、例えば金属基板又は、永続的な金属ストリップが接触電極の組立体を通り過ぎるようにして導かれてもよく、加工部品用に輸送路が設けられていないそれぞれの外側の輸送路上で加工部品のかわりに処理されてもよい。前記ダミーは電気的に接続されており、それによって接触電極の陽極分極された外部セグメントに対して対極を構成している。ダミー上に析出した金属は、ダミーが装置を出てから化学的にエッチングされる、又は、例えば永続的な金属ストリップの場合には、帰路において電解除去される。再利用可能にするために、ダミーは好ましくはステンレス鋼製である。本実施形態は、この方法において、一つの輸送路を共有して(この輸送路上で加工部品を処理するために)使用する二つの隣り合った組立体の間を加工部品が導かれるところにおいて適切である。
【0028】
接触電極は、好ましくは加工部品を輸送するのに利用されても良く、それによって装置の複雑さは、輸送ローラーやリールのような運送用のみに適する手段(means)を省くことによって、更に減少されるかもしれない。
【0029】
接触電極間の隙間は、例えば2〜5cmの超小型導電性構造も依然として容易に電解処理される程度、つまり電流が供給される程度に、小さくなるように選択されるべきである。接触電極の選択された直径によってもはや隙間を減少することができない場合、加工部品の輸送方向において見た場合において、これらは互いの中に組み込まれても良い。この目的で、接触電極の間に配置された絶縁隔壁は、曲形を有しても良い。曲形をした絶縁隔壁はまた、より大きな周囲領域からなる絶縁壁によって備えられた遮蔽効果のために、接触電極における集電体形セグメントの数を減じることを可能にする。その結果として、対電極側面に電流を供給する、すり接点は加工部品上を回転する電極側面よりも大きなサイズを有するように選択されても良く、それによって金属被覆処理の所要時間が延長されてもよい。
【0030】
このように接触電極を配列することによって、互いに電気的に絶縁された超小型構造でさえも確実に金属被覆することが可能となる。隣り合った接触電極の間の隙間が小さくなればなるほど、構造の端領域及び中央領域(輸送方向において見た場合)において被覆厚みの相違が小さくなる。このことは、構造が接触電極によって同時に接触され、かつ、本発明の装置を貫いて進む輸送路の一定の走行距離上のみの電解領域に置かれているという事実に起因する。端領域に関する限り、本装置において接触電極間の隙間が小さいことによって構造が加工部品がそこを貫いて輸送されるに従って少なくとも一つの接触電極によって常に電気的に接続されることが可能となる場合にのみ、この条件は適合される。このことは、構造が非常に大型、又は接触電極間の隙間が小さい場合にのみ可能となる。接触電極間の隙間はそのために、実施可能な範囲で、ただし数センチメートル寸法を有する構造の均一な金属被覆を可能とするためにせいぜい数センチメートルとするべきである。
【0031】
原則として、複数の実施形態は、前に述べた原則を実現するために予想されうる。特に好ましい第一実施形態は、加工部品が運搬の水平方向に装置の中に輸送されるということから成る。この場合、加工部品は水平又は垂直或いは傾斜方向で輸送されることも可能である。本装置は、入り口側面に少なくとも一つの開口部、又その出口側面に一つの開口部、例えば加工部品が装置の中に出入りする入り口と出口を与える開口部を備えて構成される。過剰な処理液が開口部を貫いて通り抜けるのを防ぐために、シール成分、例えばシーリングローラーが、輸送路のいずれか端の開口部に設けられても良い。更に、開口部通路周辺に液飛びガード、及び開口部通路の下に処理液用回収タンク又は対応室(corresponding chamber)を設けてもよい。流出する処理液は、回収タンクに回収され、例えば適したポンプとパイプラインを経由して本発明の装置に戻される。
【0032】
本装置において、複数の接触電極は前後に並んで配置されても良い。装置の超コンパクト構造、及びその結果による電解領域の超コンパクト構造はこのようにして成される。
【0033】
処理される絶縁構造の最小サイズは、特に、接触電極間で成された最小隙間によっても決定される。最小隙間は、接触電極の空間の寸法に依存し、又、電解領域において接触電極のセグメントと加工部品の間の隙間に依存する。従って、接触電極をローラーが小さな直径を有するように設計することが有利となり、それによって、ローラー又はリール電極の長手方向軸間の隙間が非常に小さくなるように選択することが可能となる。そのようにして作成された可能なコンパクト組立体によって、2cm又はそれ以下のオーダーの寸法を有する構造の電解処理が可能となる。
【0034】
最小可能サイズの接触電極を使用して電極間の最小隙間を減少させる目的は、例えば、特に弾性接触材料を使用した場合に、接触電極の機械的不安定性という結果をもたらす問題としばしば対立する。この問題は、好ましくは金属軸を有する機械安定接触ローラーによって解決されるかもしれない。
【0035】
処理が一側面のみで行われた場合、接触電極は、例えばコンタクトローラーや反対側の無電流ローラー(バックアップ又は輸送ローラー)を経由して加工部品と接触しても良い。
【0036】
ローラーやリールの代わりに、加工部品の表面全体に渡ってぬぐうことを意図した回転ブラシ又は導電性のスポンジ様装置が接触電極として利用されても良い。それの必要条件は、本発明に係る適切な分割、及び、分割したセグメントに供給する電力である。ブラシ又は導電性皮膜の変形は、それによって、隣接するセグメントにショート(short)が生じないようにする。
【0037】
接触電極は、輸送リールの補助、かつ、重力及び/又はバネの力で加工部品の表面に押し上げられる。
【0038】
本発明に係る装置は処理タンクの中に配置されても良く、処理タンクは、加工部品用の入り口及び出口において、液体を処理タンクに保留するためのシーリングリップ(sealing lips) 及び/又はスクレーパのようなシール成分を備えて構成されても良く、処理タンクはそれによって電解装置を形成している。絞りローラーが更に設けられても良く、加工部品を確実に誘導する一方で、例えば箔又は板を液から除去している場合に、前記ローラーは液を保持する。前記シーリング手段は、タンク中の液をできるだけ完全にとどめるために働き、そうすることによって処理液の最大可能な流出範囲を防ぐ。これは、特に加工部品が垂直位置において水平に輸送される場合に重要である、なぜならこの場合、その結果処理液において蓄積された圧力が流路口(passage aperture)の低い領域において非常に高くなるからである。加工部品はまた、特に箔ストリップ材料が処理される場合に、液浴レベルを通って上部から電解装置中に輸送されても良い。これらの状況下、処理タンクの側壁において加工部品用の入り口及び出口は施されない。
【0039】
作用電極、例えば補足的なアノードと同様に接触電極は、好ましくは延ばされ、又、特に加工部品の有用な(処理された)幅全体に渡って延在しても良く、好ましくは実際に加工部品の運搬方向に交差しても良い。
【0040】
板形状の加工部品がラインで処理される場合、運搬装置(transferring device)がターンローラーの代わりに備えられるべきである。運搬装置は、例えば輸送路のいずれか側面に配置された輸送又はガイドリールから成る。一つの輸送路から来る板は、それをつかまえる運搬装置へ入る。板が運搬装置へ正しく入るとすぐに、前記装置は回帰輸送路(returning conveying path)へ回転して板を放出する。輸送路上の隣接する板間の間隔が大きくなりすぎるのを防ぐために、運搬装置は、例えば輸送路間で上下運動をするのに加えて、前後運動を行っても良い。前後運動は、輸送後の板間の隙間が輸送前の隙間と一致するような大きさに選択される。板形状の加工部品が一側面でのみ被覆される場合、運搬装置もまた回転及び、前/後運動を組み合わせを行い、そうすることによって加工部品が方向転換した後に、それは、予め下向きにされ、それから分割された接触電極の方へ向けて上向きにされて処理されるべき側面を有する。
【0041】
ローラー形状の接触電極は、好ましくは弾性のある導電材料から作られても良い。その結果、一方では加工部品の表面上に非常に高い電流が通され、他方では接触電極間の隙間及び接触電極と電解領域間の隙間が減少されるであろう、こうなる理由は、電極と、この隙間を決定する加工部品の表面との間の接触面が堅いローラー上で細く引き伸ばしたような表面となるのではなく幅の広い表面になるためである。
【0042】
金属/プラスチック複合材料は、特に、高留分の導電性充填剤を有する弾性プラスチックから形成された複合材料が接触電極用の弾性材料として使用されうる。これらは、バインダー、ゴム様のシリコーン又は他の電気化学的に安定な弾性プラスチック材料のようなエラストマー、及び、導電性充填剤から成る。バインダーはまた、エレクトロニクス製造において使用されているように、完全に硬化していない導電性接着剤含む。導電性充填剤は、製造中、上記タイプの材料と混合される。金属/プラスチック複合材料はそのようにして得られる。
【0043】
間隙成分(interstitial components)とも呼ばれる充填剤は、好ましくはパウダー、繊維、針、円柱、ボール、片、フェルト及び他の形状の金属から成る。全コンタクト材料(contact material)に含まれうる充填剤の割合は、90重量%までであっても良い。充填剤の割合が増加すればするほど、金属/プラスチック複合材料の弾性は減少するが、導電性は増加する。二つの変数(variables)は特定のアプリケーションに適合する。電気化学的に安定で同時に導電性を有する材料のいずれも、充填剤として使用されるのに適する。一般的な充填剤として例えば、チタン、ニオブ、白金、金、銀、ステンレス鋼、及びエレクトロコール(electrocoal)がある。例えば、白金めっき、銀めっき又は金めっきされたチタン、銅、アルミニウム又はガラスから作られたボールのような粒子も使用されうる。
【0044】
本発明の特定の実施形態において接触電極のセグメントは、電極の軸に対して角α>0の傾斜があり、かつまた、加工部品の運搬方向に対して斜めに配向している境界線を備えて構成されてもよい。この設備によって、セグメント間の間隔によって例えばその間隔において部品を絶縁にすることによって産出された遮蔽効果が、加工部品上の一定の領域へ運搬されないのではなく、安定化されるであろう。これは、金属被覆している間に均一な金属析出するという結果をもたらす。更に境界線の角αはまた、接触電極の一つかそれ以上のセグメントにおいて様々な数値を有しても良い。境界線は例えばジグザグ線に設計されても良い。
【0045】
特定のコンパクト構造を確実に設けるために、接触電極は共有のキャリア枠(carrier frame)においてコンパクト組立体として収容されうる。
【0046】
本発明に係る装置は、好ましくはストリップ処理ラインにおいて一つの構成要素であり、加工部品を保管するための少なくとも一つの第一及び、一つの第二保管手段、例えば保管ドラム(巻き返し:reel-to-reel)をそなえて各々構成される。更に、そのようなタイプの処理ラインは、少なくとも一つの第一保管手段から少なくとも一つの第二保管手段へ処理ラインを通って加工部品を輸送するための輸送部材をしばしば備えて構成される。加えて、厳密な直線コースを維持する、繊細な加工部品を誘導するための手段、例えば側面にあるバウンディング・リール(bounding reel)、及び、輸送ローラーの位置を修正するための手段が施されてもよい。この目的で、センサーが輸送路に沿って施されても良く、前記センサーは非許容差を検出するような方法で、加工部品の外角位置を連続して表示し、かつ、箔の輸送及び/又は誘導用手段を修正する。
【0047】
この装置は、特に、箔のようなストリップ形状の薄い加工部品において金属を析出するために適している。そのようなタイプの箔は、例えばポリエステル、ポリアミド、又はポリオレフィン、特にポリエチレンから成っても良い。
【0048】
請求された装置は特に、プラスチック箔材料においてコイル形状の構造を製造するために利用されても良い。そのようなタイプのコイル形状の構造はデータキャリア(スマートカード)における非接触型データー転送用に利用されるアンテナのようなものに使われても良く、そのようなタイプのアンテナを備えて構成されるキャリアは、例えば、アンテナによって電気的に導線されて集積回路を収容しても良く、それによってアンテナにおいて発生した電気のパルスは、例えばそれらを保管する場所である集積回路に送られ、又は、アンテナを通って受け取られたデータは電気信号として処理される。信号の処理は、例えば既に保管されている他のデータを考慮に入れながら、提供されたデータを変換するのを可能にし、そうして得られたデータは代わりに保管され、及び/又はアンテナへ運ばれる。それからアンテナによって輸送されるこれらデータは、受信アンテナ(receiving antenna)において受け取られ、それによって発せられたデータは例えばデータキャリアにおいてアンテナによって受け取られたデータと比較されても良い。そのようなタイプのデータキャリアは、例えば商品のロジスティクス及び、販売取引において、例えば非接触型読み取り値札又は商品の現品票、更にスキー用カード、RFID(Radio Frequency Induced Device:ラジオ周波誘導装置)などのような人に関するデータキャリア及び、アクセスコントロール用認識票または自動車用認識手段として利用されても良い。
【0049】
電気的に絶縁された金属構造を備えた箔の更なるアプリケーション分野は、例えば自動車工学又は通信電子工学において、玩具又は腕時計用などの単純電子回路の製造がある。これら材料は、装置の能動及び受動電磁シールド用に更に利用されたり、又は、衣類用生地におけるのと同様に建物用のグリッド材料のシールドとして更に利用されても良い。
【0050】
データキャリアはポリエステル箔、又はポリ塩化ビニル箔のような箔から作られることが可能で、その上において電気的に絶縁の構造が電解的に生産されて、本発明に係る装置を使用する。この目的で、金属被覆された構造を施された箔、及び装置を利用して製造された箔は、その上に多重印刷するように生産された構造パターンに従って、各データキャリアのサイズに応じて個々の箔片に分割される。集積回路は、その後、箔片上に施され、かつ、集積回路に電気的に接続された金属構造が施されても良い。結合処理は、特にこの目的で利用される。集積回路は、キャリアが未施工であるが最終的にはハウジングされるチップ形状に実施されうるだけでなく、TABキャリア(TAB−Tape Automated Bonding:テープ自動ボンディングTAB)のようなキャリア上に施され、かつ箔上に設置されても良い。一旦、集積回路に電気的に接触すると、箔片はデータキャリア完成品になるように処理されることが可能で、前記片はその中に溶接されたアンテナを有するカードを形成するように、例えば他の片によって更に貼合せられる。
【0051】
特に、データキャリアにおいて電気的絶縁構造は次の方法に従って製造されうる。
【0052】
好ましくはストリップ形状であり、例えば厚み範囲20〜50μm、及び幅20cm、40cm、又は60cmを有する箔材料が、その周囲に箔を巻く保管ドラム(storage drum)上に施される。
【0053】
第一に、ストリップには、その中において例えば活性剤ワニス(activator varnish)又は活性剤ペースト(activator paste)が箔表面上に印刷されるように製造されるべき構造が施される。この目的で、前記ワニス又はペーストが例えば貴金属化合物、特に、パラジウム化合物、好ましくは有機パラジウム錯体を含有しても良い。ワニス又はペーストは更に溶剤、染料及び揺変性試薬のような従来の構成成分と同時に、その上バインダーを含む。ワニス又はペーストは、好ましくは前記ローラーを通り過ぎて導電性にされた箔上にローラーを経由して印刷され、特にオフセット、凹版またはリソグラフィー印刷処理によって、しかしまた、スクリーン印刷又は巻き返しスクリーン印刷によっても印刷される。この目的でワニス又はペーストは、リザーバからディスペンサーローラーへ、ディスペンサーローラーから印刷ローラーへ、及びそこから箔へ輸送される。過剰ワニス又は過剰ペーストはディスペンサーローラー及び印刷ローラーから、適したスクレーパを使用して除去される。印刷ローラーは例えば硬質クロムで被覆されても良い。箔は、充分にインク塗布するように、軟質カウンタローラー(「軟質ローラー」)によって印刷ローラーに対して押し付けられる。活性剤印刷装置に続くステーション内において、箔に印刷されたインクが乾燥される。この目的で、ストリップ形状をした箔材料は、例えば赤外放射器又は熱空気ファン(hot air blower)から形成された、又は活性剤ワニス又は活性剤ペーストに含まれるバインダーが紫外線照射活性下で(好ましくは溶剤を用いることなく)反応して乾燥する場合は紫外線放射器を備えて構成されても良い乾燥路を通って輸送される。これら乾燥装置は、ストリップ形状材料が貫いて輸送される乾燥トンネルに好ましくは配置される。乾燥ステーションを通り過ぎた後、ストリップ形状材料は、特にドラムから形成されても良い他のストリップ貯蔵設備に到達する。材料の巻きを解かれる第一貯蔵ドラムから材料が再度巻かれる第二ドラムへ行く途中において、前記材料はリール(巻き返し法)上に誘導されて広げられる。
【0054】
活性剤ワニス又は活性剤ペーストによって印刷されたストリップ形状箔は、次に、金属構造を形成するために無電解及び/又は電解金属めっきされる。
【0055】
この目的で、活性剤ワニス又は活性剤ペーストによって印刷された箔は貯蔵ドラムから巻きを解かれて、処理ラインの様々な連続処理ステーションを通って誘導され、ストリップ形状材料はターンローラー上に通されて広げられる(巻き返し法)。原則として、ストリップ形状材料を直接、印刷処理から湿式化学的処理へ材料の更なる中間地点での保管をすることなく輸送することを可能にする。
【0056】
第一処理ステップにおいて印刷された材料は、通常水素化ホウ素ナトリウム(sodium boron hydride)、ジメチルアミノボラン(dimethyl amino borane)又は次亜リン酸塩(hypophosphite)などのアミノボラン(amino borane)のように水溶液において強い還元試薬である還元剤の中に運搬される。還元剤中において、ワニス又はペースト中に含まれる酸化貴金属は、金属性貴金属、例えば金属パラジウムに還元される。還元後ストリップは、過剰な還元剤を水で洗浄する洗浄ステーションに送られる。スプレー式洗浄ステーションは、好ましくはこの目的に使用される。次に、銅の超薄層(0.2〜0.5μm厚み)が活性剤構造上に無電解法で析出される。構造上への銅の析出は、還元剤中で形成された貴金属核によって開始され、非印刷領域上に銅は析出されない。酒石酸塩(tartrate)、エチレンジアミンテトラ酢酸塩(ethylene diamine tetraacetate)、又はテトラキスプロパン−2−オルイルエチレンジアミン(tetrakis-(propane-2-ol-yl)-ethylene)同様にホルムアルデヒド(formaldehyde)を含有する一般的な浴は銅浴として使用されても良い。銅めっき後ストリップ形状材料は、洗浄ステーションへ輸送され、洗浄ステーション中において過剰な銅浴が水のスプレー式洗浄によって剥がされる。
【0057】
次に、ストリップ形状材料は本発明に係る装置に送られ、その装置中において現導電性構造は銅などの更なる金属によって選択的に被覆される。好ましくは、銅が析出される。あらゆる公知の電解銅めっき浴、例えば二リン酸塩(pyrophosphate)、硫酸(sulfuric acid)、メタンスルホン酸(methane sulfonic acid)、アミド硫酸(amido sulfuric acid)、又はテトラフルオロホウ酸(tetrafluoroboric acid)を含む浴が電解銅析出用に使用可能である。特に、最適な浴は、例えば有機硫黄化合物、ポリグリコールエーテル(polyglycolether)化合物及びポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol)のような添加物と同様に、硫酸銅(copper sulfate)、硫酸及び少量の塩素(chloride)を含むことがある硫酸浴である。硫酸浴は好ましくは、室温に近い温度において、可能な限り高いカソード電流密度で運転される。例えば10A/dm2のカソード電流密度が選択される場合、銅は約2μm/minの割合で析出されるであろう。約2.5〜7.5m長さの線について、箔ストリップが1m/minのスピードで本発明に係る装置を貫くように輸送される場合、加工部品が一回貫いて通り過ぎる間に、5〜15μm厚みの銅層が析出されうる。材料が装置を貫いて何度も輸送される場合、それに伴ってラインが短縮されても良く、又は金属がより大きな被覆厚みをもたらすように析出されても良い。
【0058】
電流が加工部品及び、本発明に係る装置において直流電流の形態で電極へ供給されることが可能である。特定の実施形態において、パルス化電流もまた使用されても良い。パルス化電流は、できるだけ高い電流密度を産出するのに有利である、というのは、金属層、例えば良好な性質(光沢のような高い表面品質、粗さが無く、均一な被覆厚み、良好な延性、導電性)を呈する銅層もこれら条件下で析出されることが可能である。この目的で、逆パルス化電流と呼ばれるもの、即ち陰極性及び陽極性両方の電流パルスを備えて構成されるパルス化電流が、好ましくは利用される。原則として、単極性パルス化電流も勿論有利である。逆パルス化電流の使用、陰極性及び陽極性パルスのパルス高さ、それぞれのパルス幅及び、非常時の個々のパルス間隔時間もまた析出条件をできるだけ効果的にするために、最適化される。
【0059】
銅が析出される場合、酸化還元システムの化合物、特にFeSO4やFe2(SO4)3のようなFe2+及びFe3+化合物は、不溶性アノードが用いられる場合、めっき液中の銅イオン濃度を維持するために好ましくは浴に追加される。浴に含まれるFe2+イオンは、不溶性アノードにおいて酸化されてFe3+イオンを形成する。Fe3+イオンは、好ましくは金属銅片を含有するほかのタンク(再生タワー)に含まれる、金属銅片に運搬される。再生タワーにおいて、銅片はFe3+イオンの作用下で酸化させてCu2+及びFe2+イオンを形成する。二つの反応(Fe3+イオンを形成するFe2+イオンの陽極性酸化、及びFe2+イオンを形成する一方でCu2+を形成する銅片の酸化)が、同時に進行し、めっき液中の銅イオン濃度がおおむね一定に保持されうる。
【0060】
金属被覆処理中に、箔ストリップが本発明に係る装置を貫いて通り過ぎた後、過剰なめっき液を洗浄除去するスプレー式洗浄ステーションに材料が再度通される。それから、ストリップ材料は処理ラインの他のステーションに運搬されても良く、その中でストリップ材料は銅の変色を防ぐための不動態化手段と接触する。ストリップ形状箔材料を他の保管ドラム上に巻きつける前に、材料は乾燥ステーションにおいて乾燥される。この目的で使用される設備は、活性剤ワニス又は活性剤ペーストを乾燥させる目的で使用されるそれら(乾燥ステーション)と同様であっても良い。
【0061】
前述のメソッドステップを行うために使用されるステーションは、加熱及び冷却システム同様に、フィルターポンプ、化学物質用のためになるステーションのような、処理液を処理するための設備を備えるのと同様に、適したガイドや輸送リール又はローラーが備えられても良い。
【0062】
本発明は、次の図を参照することによって説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0063】
図1は、二つの各輸送路T'、T"の間に横に並んで配置された接触電極の二列の組立体Aを有する、本発明に係る装置の上面図(あるいは側面)であり、前記組立体は第一接触電極2と第二接触電極8を備えて構成される。装置は更に、電源(示されていない)及び壁15を有する処理タンクを備えて構成され、壁15はその入口と出口位置に設けられた加工部品1の通過用にスロット形状をした開口部を備えて構成される。加工部品1は、そのいずれかの側面において印刷された導電性構造(例えば絶縁処理されている)を有する箔ストリップである。シーリングローラー16は、タンクからの大きな液損失を防ぐ。タンクの外側面にある室21に損失液が回収され、ここに記載されていないポンプ及びパイプラインを通って前記タンクに戻される。加工部品1は、運搬方向18へ通され、前記タンクに入り、中を通って排出される。更に、補助アノード14及び、加工部品1を一列の組立体Aの範囲内において、また二列の組立体の間において一つの輸送路T'から他の輸送路T"へ方向変換するためのターンローラー13が、前記タンク内に配置されている。加工部品1輸送用バックアップ又は輸送リール又はホイール11が加工部品1用輸送路に並んで、又は加工部品1用輸送路のいずれかの側面に配列される。これらは絶縁リール又はホイール、例えばゴム様皮膜を施された鋼リールであっても良い。第一及び第二接触電極2、8が互いにごく接近して配置されるので、これによって加工部品1の代わりに隣接する接触電極の陰極分極された側面が被覆される、又はショート(short:短絡)が場合によっては起こる結果になるので、運搬方向18で見て第二接触電極8から第一接触電極2へ多量の電流が直接流れるのを防ぐために絶縁壁12によって互いに隔てられる。
【0064】
組立体Aの列内部において加工部品1の運搬方向を逆転する第一ターンローラー13が加工部品の入口位置から最も遠い場所に配置され、それによって組立体の一つの列内において逆の運搬方向(前及び後ろ)が得られる。第二の接触電極8は逆の運搬方向に沿って、第一接触電極2に対して片寄ってずれている。接触電極2、8各々は二つの逆に分極されたセグメント9、10(図1中に接触電極において黒白領域で、単に概略的に輪郭が描かれている)を備えて構成されている。加工部品が電気的に接触するように、電源の一方の第一極は、輸送路T'、T"において加工部品に隣接する接触電極2、8の、第一セグメント10の各々一つと接触し、及び、輸送路において加工部品から間隔を置いた接触電極2、8の第二のセグメント9と加工部品の間に電解領域Eが形成されるように、電源の他方の第二極は、輸送路T'、T"において加工部品の方に向き、かつ前記輸送路に対して間隔を置いた接触電極2、8の第二のセグメント9と接触する。
【0065】
接触電極2、8の第二のセグメント9は補助アノード14と同じ分極を備えて構成されることによって、加工部品がめっきを完了した場合に更なる電解領域を形成されうる。ターンローラー13によって、加工部品は、装置を通して前後に何度か行き来して、加工部品1の両方の表面が同じ程度に処理される。タンクの入口及び出口の近傍に、二列の組立体Aの間で加工部品1を方向変換をするためにターンローラー13が設けられている。組立体の第二列の末端において、加工部品はシーリングローラー16においてタンクを出て、例えば、洗浄又は乾燥ステーションのような他の処理ステーションへ通される。
【0066】
何度も加工部品1の方向を変えることによって、より厚い皮膜も容易に成されれうる長い処理路が、小さなスペース内において作成可能である。
【0067】
図2、3から、接触電極2、8がそれぞれ6つのセグメント9、10に分割されるというのが見て取れる。セグメントは絶縁リング6に固定され、絶縁リングは同様に軸7に固く設置されている。軸7は強度をもたせるように金属製であることが可能である。個々のセグメント9、10は絶縁部品3によって互いに電気的に絶縁されている。電流が接触電極のセグメント9、10へそれぞれ陰極性及び陽極性に接続されたシュー(shoe)4を通って供給される。前記シュー4は金属被覆処理において、電流が常に電源5の陰極から加工部品1に接触してつながっている表面のすぐ近傍で第一セグメント10へ流れるように、配置されている。その結果として、加工部品1は陰極に電気的接触される。電源5の正極は、(そこで加工部品と接触してつながることなく、組立体の他の各輸送路における帰路に存在する加工部品1の処理されるべき構造の方へ向き、かつ当該構造から間隔を置いている)反対側の第二のセグメント9に接続される。電解領域Eは第二のセグメント9と加工部品1の間に形成される。この分割の結果及びシュー4を通ってセグメント9、10に特別な電流を供給するという結果として、個々の電解領域Eが次々と形成される。その際、接触電極2、8の第二セグメント9はアノードを形成し、反対側の加工部品(接触電極2、8の第一セグメント10によって接触している)はカソードを形成する。統合することによって、二つの図2、3は本発明に係る組立体を表す。
【0068】
接触電極間に絶縁壁が配置されているにもかかわらず、第一セグメントが陰極分極される場合、第一セグメント10表面に微量の金属が場合によっては析出する。しかしながら、接触電極2、8が更に回転する場合に、これら第一セグメント10の電位は、陰極分極した金属構造を呈する反対側の加工部品1と向かい合う、陽極性の第二セグメント9を形成するために陽極性に変化することによって、析出した金属が間もなく再度溶解し、かつこれら加工部品1上に析出される。結果的に、処理液(導電性電解液)と常に接触している陰極接続された接触電極のコストのかかる除去(stripping)を必要としない。更に、金属溶解に使用された電流は、加工部品1上に金属を析出させるように働く。
【0069】
図4は、図1に係る電気めっきラインであるが、本発明の装置の接触電極2、8間に特別に形作られた絶縁壁12を有して、それゆえに作られた可能性としてのより高い電流密度の結果として金属析出が加速される電気めっきラインを示す。セグメント9、10は単に図式的に概要が描かれている。二つの接触電極2、8の組立体はAで図式的に概要が描かれている。金属被覆される構造Sは陰極分極された第一セグメント10によって接触電極を通って電気的に接続されており、かつ同時に、電解領域Eの中へ延びている。そこで、構造は電解作用で金属被覆される。組立体Aから離れた側の加工部品1の側面を金属被覆するために、更に補助アノード14が備えられており、当該アノード14もまた電源(図に示されていない)へ接続されている。前記アノード14と加工部品1の間の電流は、加工部品1がまたその側面に接触する場合にのみ発生する。本例の場合、組立体Aの方へ向いた電気接触側から確立される導電性結合によってこれは成される(スルーめっき)。
【0070】
更に、駆動される(輸送リール)か駆動されない(バックアップリール)のいずれかであるバックアップ・輸送リール11が備えられている。駆動されないバックアップ・輸送リールの場合、接触電極2、8はそれら自身が輸送リールとして駆動されて供されている。
【0071】
図5は特定の形状を有し、及び特に小型構造を処理するように働く絶縁壁12を有する図4に対応する別の例を示す。実施されたような、絶縁壁の特定の形状はまた超小型構造への充分な接触を可能にする。この例において、絶縁壁12は接触電極2、8の周囲で対になっている。その結果、隣接する接触電極2、8間の隙間は更に減じられうる。二つの陰極の第一セグメント10の間の隙間が狭窄されることによって、運搬方向に見て長さが例えば2.5cmより短い構造は、接触電極が例えば3cmの小さな直径でも依然として充分に接触されうる、その際、第一及び第二接触電極2、8が互いに重なり合う。
【0072】
図6は、図1と類似の本発明に係る装置の特定の実施形態を示す。この装置は、図1では二列の組立体の間に配置された補助アノード14を省いて、加工部品のいずれかの側において均一に金属を析出するのに用いられる。図6は、スルーめっきされた穴をいずれかの面に含む加工部品1において互いに絶縁された構造を被覆するための本発明に係る装置の非常にコンパクトな実施形態を図示している。本装置は三列の組立体を備えて構成される。外側二列の間に形成された組立体の一列は、それ自体関連した輸送路を持たないが、その代わり外側に位置する隣接の組立体の輸送路Tを使用する。原則としてかつ本発明にしたがって、輸送路TのT'及びT"部分は区別されるが、図をより良く理解するために、この中にこれは示されていない。
【0073】
加工部品1の入口側及び出口側において、電解領域Eは、輸送路のいずれかの側において、一方では接触電極2、8の第一セグメント10によって接触された加工部品1と、他方ではそれぞれ接触電極2、8の第二セグメント9及び補助陽極14との間で形成される。最初の方向変換後、一つの第一接触電極2と一つの第二接触電極8は常に互いに向かい合って配置され、それらの第一セグメント10が加工部品1の二つの側に直接陰極性に接触する。その各側面におけるギャップは、接触する加工部品1と、隣接する接触電極2、8の第二セグメント9の間に電解領域Eを形成する。電気めっき電流は、対置する陽極分極された接触電極2、8の第二セグメント9から加工部品1へ流れうる。
【0074】
図7は部分的な本発明に係る装置の断面前面図(浴タンクは省略)であり、二つの輸送路T'、T"において装置を貫いて輸送される加工部品1は垂直方向に向けられ、運搬方向は水平である。壁15は図示されていない前壁において加工部品1のタンクへの出入り通過のための開口部を備えて構成するタンクを形成する。通過用開口部は、ここでも示されていないシーリングローラーによってほぼ完全に閉鎖されている。入り口及び出口開口部から漏れる処理液は、シーリングローラーの下に集められ、ここでも図示されていないが、パイプライン、ポンプ及び場合によっては設けられるノズルシステムを介して処理タンクへ戻され、それによってライン19によって図示されるタンク中の浴レベルが常に一定に保持されうる。
【0075】
使用される方法により、公知の加熱及び冷却システム、ここではまた図示されていないが、フィルター及び処理液を計量分配するためのディスペンジングノズル(dispensing nozzle)がタンクに設けられる。
【0076】
接触電極2、8がタンク中で垂直に装着され、適したベアリング(部分的にのみ示される)を用いて上部及び下部で保持される。運搬方向で見て、例として示された一つの陰極分極した第一セグメント10を有する第一接触電極2が、例として示された一つの陽極分極した第二セグメント9を有する第二接触電極8の後方に置かれている。左手側に配置された第二接触電極8は、タンクの中において右手側に示された加工部品から間隔を置いており、かつ、第一セグメント10を通じてタンクの中において左手側に示された加工部品と接触する。対照的に、右手側に示された接触電極2は、左手側に示された接触電極8によって部分的に隠されているが、左の加工部品から間隔を置いており、かつ、その第一セグメント10を通して右の加工部品と接触する。絶縁部品3はセグメントの間に配置されている。
【0077】
接触電極2、8に圧力を加えるために、輸送・バックアップローラー11が楕円形ベアリング又は長い穴(図示されず)に支持されていても良く、またピンチスプリング20によって押圧されても良い。接触電極2、8の上端部において、シュー4を有する集電体22が配置されている。シュー4の各々1つが側面に配置されている。電源5の二つの極から接触電極の相当するセグメント9、10の各々一つの上へ、電流が送出される(集電体からセグメント9、10への電流の送出はここでは図示されていない)。電源5の陰極は、加工部品1と接触している接触電極2、8の第一セグメント10に電流を供給する外側のシュー4と接続されている。電源の陽極は、各々他の輸送路において加工部品の方へ向いている接触電極2、8の第二セグメント9に電流を供給し、かつそこから間隔をあけている内側のシュー4と接続されている。集電体22は液レベル19より上に配置される。それらは、接触電極の個々のセグメントに、ここでは図示されていないラインを経由して接続される。
【0078】
接触電極2、8相互のオフセット(間隔)は、及びその結果として、図示されていないターンローラーの直径もまた、加工部品1と接触電極2、8の陽極分極されたセグメントの間で短絡が生じるのを防ぐために、充分小さくなるように選択されるべきである。
【0079】
図8は、板形状の加工部品1をそのいずれかの側面で電解処理するための、本発明に係る装置の側面図である。加工部品は水平に配向され、水平の運搬方向18に輸送される。基板(加工部品)は処理タンクに入る前に輸送路T'の往路上においてシーリングローラーの間を、上位置で室21を通って導かれる。タンクは明瞭さを増すために半分切り取って示す。電解領域E、E'は往路において各々、陰極分極した加工部品1と陽極に接続された第二接触電極8及び補助アノード14の間でまた形成される。往路の端において、板形状の加工部品1を運搬するのに適した運搬装置17が備えられる。運搬装置17は可動性に支持され、かつ、ここでは図示されていない駆動装置によって、矢印によって示されるように上下、左右方向に動されるように適合される。矢印18の方向に一様に動く加工部品1は、上と下の輸送リール11の間で運搬装置17に入る。加工部品1が運搬装置の輸送リール11によって単に保持されるとすぐに、前記運搬装置は下の帰路位置へ、すなわち装置の組立体の他の輸送路T"へ動く。一旦それが下部位置へ到達すると、輸送リール11は逆回転方向へ駆動され、下の帰路の輸送路T"において加工部品を輸送する。そこで、接触電極8が輸送リールと共に加工部品1をつかみ、加工部品1は装置と接触し、かつ装置を通ってその出口18へ輸送されて更に処理される。組立体の列の端において、加工部品1はシーリングローラー16によって封鎖されているスロットを通ってタンクを出て、方法シーケンスに従って更に処理されうる。
【0080】
備えられた運搬装置の前後への動きは、その運搬中に隣接する基板間の間隔を同じに保持するのに役立つ。ここで図示されていないセンサーは、この目的で備えられても良く、前記センサーは先導する板形状の加工部品の位置を記録して、したがって連続する基板(加工部品)1の間の間隔を一定に保持するために運搬装置の前後への動きを制御する。加工部品が一側面においてのみ処理される場合、運搬装置は、上下運動の代わりに、加工部品1を装置の帰路の輸送路T"へ導くために、ストリップ形状加工部品に用いられるターンローラーと同様の半径を有する回転運動を実行しても良い。運搬装置が速いか遅いかいずれかの回転運動を実施することによって、隣接する板の間で同じ間隔を保持することが、それゆえ可能となる。
【0081】
この好ましい実施形態によって、低い費用及びわずかな保守費用で、非導電キャリア基体において互いに絶縁された複数の構造を電解処理することが、それゆえ可能となる。
【0082】
原則として、図9は図8に対応するが、組立体の列の端に運搬装置17を備えていない。その代わりに加工部品1は入口領域(スロット、シーリングローラー、室)と同様の出口領域を通ってタンクを出る。それによって、基板の二つの平行な流れは、装置を通って導かれる。ラインは基板とストリップ形状の加工部品の両方を処理するのに適している。いずれかの側面において加工部品1を処理するために、組立体から離れた側面においてなされる分離した電気的接触がもたらされないので、これら加工部品はこの場合スルーめっきされなければならない。
【0083】
図10は、中央部において中断され、かつ特定の方法で実施されたセグメント9、10を有する装置の接触電極8を図示する。電極8の内体に位置し、かつ絶縁部品3によって互いに電気的に絶縁にされたセグメントは、電極8の軸7の方向に対して角度α>0で傾斜する境界を有し、その結果として加工部品の運搬方向に対して傾斜して配向されている。この条件で、セグメント9、10間の絶縁部品3によって生じた遮蔽効果は加工部品の一定領域に伝えられず、代わりにむらなくさせられよう。
【0084】
図11は図10に係るセグメント9、10の他の実施形態であって、電極2、8の軸7に対するセグメント境界の角度αが一つのセグメント内で異なる値を有するものを示している。
【0085】
ここに記述された例、及び実施形態は例証する目的のみであり、それを考慮した様々な修正や変更並びに本願において記述された特徴の組み合わせは、当業者にとっては示唆されるであろうし、また、記載された発明の精神と認識範囲の内及び添付請求項の範囲内に含まれるものであると理解されるものである。ここに引用されたすべての刊行物、特許及び特許出願は、引用によって組み込まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明に係る、電解被覆加工部品用装置の上面図である。
【図2】本発明に係る、組立体の第一分割接触電極用装置の断面図である。
【図3】図2と同様に組立体の第二接触電極の断面図であり、総合すると図2及び3は現行の発明に関する組立体を図示している。
【図4】接触電極間に特別に形作られた絶縁壁を有する、図1に係る装置である。
【図5】特定の小型構造を処理するための特定の形状の絶縁壁を有する、図4に係る他の実施形態である。
【図6】本発明に係る、加工部品のいずれかの表面において均一に金属をめっきするための図1に類似の非常にコンパクトな構造を有する装置である。
【図7】本発明に係る、加工部品の垂直な配向及び移送の水平方向を有する装置の前面図(バックタンクは省略した)である。
【図8】本発明に係る、いずれかの側面において基板形状の加工部品を電解処理するための装置の側面図である。
【図9】両輸送路において輸送と同様の方向に輸送された加工部品を有する、図8に係る側面図である。
【図10】セグメントの特定の実施に関する装置の接触電極である。
【図11】図10に類似の、セグメントの他の実施である。
【符号の説明】
【0087】
1 加工部品
2 第一分割接触電極
3 絶縁部品
4 シュー
5 電源
6 絶縁リング
7 軸
8 第二分割接触電極
9 セグメント
10 セグメント
11 輸送リール/バックアップローラー
12 絶縁壁
13 方向変換/運搬用手段
14 補助電極/アノード
15 タンク壁
16 シーリングローラー
17 運搬装置
18 加工部品1の運搬方向
19 液レベル
20 ピンチスプリング
21 処理液用回収液だめを備えた液とびガード室
22 集電体
A 組立体
S 構造
T、T'、T" 輸送路
E、E' 電解領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面加工部品(1)電解処理用装置にして、前記装置は、a)〜f)の要件、すなわち、
a)加工部品を載せて輸送するために互いに実質的に平行に走る少なくとも二つの輸送路(T'、T")を有すること、
b)上記輸送路間に配置され、かつ第一の回転可能な接触電極(2)及び第二の回転可能な接触電極(8)を備えて構成された少なくとも一つの組立体(A)を有し、上記第一及び第二接触電極(2、8)は、電極(2、8)が加工部品(1)に隣接している輸送路の各々一方と組み合わされる一方で、各々他方の輸送路から間隔を置いていること、
c)上記第一及び第二接触電極(2、8)は、その外縁表面に各々、互いに絶縁され、かつ電源(5)に接続されている少なくとも二つのセグメント(9、10)を備えて構成されること、
d)第一輸送路(T')上を輸送される加工部品(1)に隣接している第一接触電極(2)の第一セグメント(10)、及び第二輸送路(T")上を輸送される加工部品(1)に隣接している第二接触電極(8)の第一セグメント(10)であって、前記両第一セグメント(10)は、電源(5)の第一極に接続されていること、及び
e)第二輸送路(T")上を輸送される加工部品(1)の方を向き、かつ前記第二輸送路から間隔を置く第一接触電極(2)の第二セグメント(9)、及び第一輸送路(T')上を輸送される加工部品の方を向き、かつ前記第一輸送路(T')から間隔を置く第二接触電極(8)の第二セグメント(9)であって、前記両第二セグメント(9)は、電源(5)の第二極に接続され、それによって加工部品(1)を処理するための電解領域(E)が、第一及び第二接触電極(2、8)の第二セグメント(9)と加工部品(1)の間に形成され、前記電解領域(E)を電流が流れること、そして、
f)上記組立体(A)及び加工部品(1)が処理液と接触すること、
を備えて構成される装置。
【請求項2】
加工部品(1)が構造表面において互いに電気的に絶縁である導電性構造(S)を備えて構成されており、かつ導電性構造(S)が長さ2〜5cmであることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
平面加工部品(1)がストリップ又は板形状であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
加工部品(1)が接触電極(2、8)によって輸送されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
少なくとも一つの作用電極(14)が補助的に設けられ、前記作用電極が前記組立体(A)から遠い側で、かつ搬送方向(18)へ対して実質的に横切って延在する加工部品(1)の側に配置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
組立体(A)の回転可能な接触電極(2、8)の間に絶縁壁(12)を施していることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
第一輸送路(T')から第二輸送路(T")へ加工部品(1)を方向転換又は運搬するために方向転換又は運搬手段(13、17)を施していることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
第一輸送路(T')及び第二輸送路(T")が少なくとも一つの組立体(A)の輸送路と組み合わされていることを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
加工部品(1)が装置中において方向転換又は運搬手段(13)によって輸送路(T'、T")上で数回前後に送られることを特徴とする、請求項7又は8に記載の装置。
【請求項10】
連続して一列に配列されている少なくとも二つの組立体(A)が設けられていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
絶縁壁(12)が二つの隣り合った組立体(A)の間に配置されることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
一列に配列された隣接するアレー(A)の二つの第一接触電極(2)間、又は二つの第二接触電極(8)間の隙間が小さいことによって、構造(S)がそれぞれ第一及び第二接触電極(2、8)の少なくとも一つと永続的に接触すること、その際、前記第一及び第二接触電極(2、8)が一つの輸送路(T)上で加工部品(1)に隣接することを特徴とする、請求項10又は11に記載の装置。
【請求項13】
少なくとも二つの組立体(A)が、それらの間に共通の輸送路(T)を構成するように並んで隣接するように配設されていることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
少なくとも二列の隣接する組立体(A)が設けられていることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
組立体(A)の列の輸送路(T'、T")の列各々が方向転換又は運搬手段(13)によって互いに接続されていることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
加工部品(1)が実質的に水平に向けられ、かつ実質的に水平に延在する輸送路(T)上を輸送されることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
第一及び第二接触電極(2、8)において、第一及び第二セグメント(9、10)が軸線方向に延在することを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
第一又は第二セグメント(9、10)間の境界線がそれぞれ接触電極の軸(7)に対して角度α>0をもって傾斜していることを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項19】
それぞれ第一又は第二セグメント(9、10)間の境界線の少なくとも一つの角度αが、接触電極(2、8)の様々な領域において様々な値を有することを特徴とする、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
平面加工部品(1)を電解処理する方法にして、a)〜e)の要件、すなわち、
a)互いに実質的に平行に走る少なくとも二つの輸送路(T',T")上で加工部品を輸送すること、
b)加工部品を処理液と接触すること、
c)輸送路間に配置され、かつ第一の回転可能な接触電極(2)及び第二の回転可能な接触電極(8)を備える少なくとも一つの組立体(A)と接触するように加工部品(1)をもたらすこと、
d)第一輸送路(T')上を輸送させられる加工部品(1)に隣接している第一接触電極(2)の第一セグメント(10)を介して、及び第二輸送路(T")上を輸送させられる加工部品(1)に隣接している第二接触電極(8)の第一セグメント(10)を介して、電源(5)の第一極に加工部品を電気的に接続すること、そして
e)第二輸送路(T")上を輸送される加工部品(1)の方へ向いていて、かつ前記第二輸送路から隙間を置いている第一接触電極(2)の第二セグメント(9)、並びに第一輸送路(T')上を輸送される加工部品(1)の方へ向いていて、かつ前記第一輸送路から隙間を置いている第二接触電極(8)の第二セグメント(9)を、電源(5)の第二極に電気的に接続すること、それによって加工部品(1)を処理するための電解領域(E)が、第一及び第二接触電極(2、8)の第二セグメント(9)と加工部品(1)の間に形成されて、電流が前記電解領域(E)を流れること、
を備えて構成される方法。
【請求項21】
加工部品(1)が構造表面において互いに電気的に絶縁である導電性構造(S)を備えて構成されており、かつ導電性構造(S)が2〜5cmの大きさであることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
加工部品が隣接する組立体(A)の列によって処理されることを特徴とする、請求項20又は21に記載の方法。
【請求項23】
加工部品(1)に隣接し、かつ一列に配置されている隣接する組立体(A)に付属する二つの第一接触電極(2)又は二つの第二接触電極(8)の間の隙間が小さくなるように調節することによって、導電性構造(S)がそれぞれ第一及び第二接触電極(2、8)の少なくとも一つと永続的に接触することを特徴とする、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
加工部品(1)が、方向転換又は運搬手段(13)によって、処理液で満たされた処理タンクを貫いて数回前後に輸送されることを特徴とする、請求項20〜23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
第一と第二接触電極(2、8)の間に据えられた絶縁壁(12)が、隣接する接触電極(2、8)上に配置された第一及び第二セグメント(9、10)の間でショートが発生するのを防ぐことを特徴とする、請求項20〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
加工部品(1)に隣接する第一セグメント(10)が陰極分極し、かつ、加工部品から隙間を置く第二セグメント(9)が陽極分極することによって、加工部品上に金属が析出することを特徴とする、請求項20〜25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項1】
平面加工部品(1)電解処理用装置にして、前記装置は、a)〜f)の要件、すなわち、
a)加工部品を載せて輸送するために互いに実質的に平行に走る少なくとも二つの輸送路(T'、T")を有すること、
b)上記輸送路間に配置され、かつ第一の回転可能な接触電極(2)及び第二の回転可能な接触電極(8)を備えて構成された少なくとも一つの組立体(A)を有し、上記第一及び第二接触電極(2、8)は、電極(2、8)が加工部品(1)に隣接している輸送路の各々一方と組み合わされる一方で、各々他方の輸送路から間隔を置いていること、
c)上記第一及び第二接触電極(2、8)は、その外縁表面に各々、互いに絶縁され、かつ電源(5)に接続されている少なくとも二つのセグメント(9、10)を備えて構成されること、
d)第一輸送路(T')上を輸送される加工部品(1)に隣接している第一接触電極(2)の第一セグメント(10)、及び第二輸送路(T")上を輸送される加工部品(1)に隣接している第二接触電極(8)の第一セグメント(10)であって、前記両第一セグメント(10)は、電源(5)の第一極に接続されていること、及び
e)第二輸送路(T")上を輸送される加工部品(1)の方を向き、かつ前記第二輸送路から間隔を置く第一接触電極(2)の第二セグメント(9)、及び第一輸送路(T')上を輸送される加工部品の方を向き、かつ前記第一輸送路(T')から間隔を置く第二接触電極(8)の第二セグメント(9)であって、前記両第二セグメント(9)は、電源(5)の第二極に接続され、それによって加工部品(1)を処理するための電解領域(E)が、第一及び第二接触電極(2、8)の第二セグメント(9)と加工部品(1)の間に形成され、前記電解領域(E)を電流が流れること、そして、
f)上記組立体(A)及び加工部品(1)が処理液と接触すること、
を備えて構成される装置。
【請求項2】
加工部品(1)が構造表面において互いに電気的に絶縁である導電性構造(S)を備えて構成されており、かつ導電性構造(S)が長さ2〜5cmであることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
平面加工部品(1)がストリップ又は板形状であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
加工部品(1)が接触電極(2、8)によって輸送されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
少なくとも一つの作用電極(14)が補助的に設けられ、前記作用電極が前記組立体(A)から遠い側で、かつ搬送方向(18)へ対して実質的に横切って延在する加工部品(1)の側に配置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
組立体(A)の回転可能な接触電極(2、8)の間に絶縁壁(12)を施していることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
第一輸送路(T')から第二輸送路(T")へ加工部品(1)を方向転換又は運搬するために方向転換又は運搬手段(13、17)を施していることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
第一輸送路(T')及び第二輸送路(T")が少なくとも一つの組立体(A)の輸送路と組み合わされていることを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
加工部品(1)が装置中において方向転換又は運搬手段(13)によって輸送路(T'、T")上で数回前後に送られることを特徴とする、請求項7又は8に記載の装置。
【請求項10】
連続して一列に配列されている少なくとも二つの組立体(A)が設けられていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
絶縁壁(12)が二つの隣り合った組立体(A)の間に配置されることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
一列に配列された隣接するアレー(A)の二つの第一接触電極(2)間、又は二つの第二接触電極(8)間の隙間が小さいことによって、構造(S)がそれぞれ第一及び第二接触電極(2、8)の少なくとも一つと永続的に接触すること、その際、前記第一及び第二接触電極(2、8)が一つの輸送路(T)上で加工部品(1)に隣接することを特徴とする、請求項10又は11に記載の装置。
【請求項13】
少なくとも二つの組立体(A)が、それらの間に共通の輸送路(T)を構成するように並んで隣接するように配設されていることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
少なくとも二列の隣接する組立体(A)が設けられていることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
組立体(A)の列の輸送路(T'、T")の列各々が方向転換又は運搬手段(13)によって互いに接続されていることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
加工部品(1)が実質的に水平に向けられ、かつ実質的に水平に延在する輸送路(T)上を輸送されることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
第一及び第二接触電極(2、8)において、第一及び第二セグメント(9、10)が軸線方向に延在することを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
第一又は第二セグメント(9、10)間の境界線がそれぞれ接触電極の軸(7)に対して角度α>0をもって傾斜していることを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項19】
それぞれ第一又は第二セグメント(9、10)間の境界線の少なくとも一つの角度αが、接触電極(2、8)の様々な領域において様々な値を有することを特徴とする、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
平面加工部品(1)を電解処理する方法にして、a)〜e)の要件、すなわち、
a)互いに実質的に平行に走る少なくとも二つの輸送路(T',T")上で加工部品を輸送すること、
b)加工部品を処理液と接触すること、
c)輸送路間に配置され、かつ第一の回転可能な接触電極(2)及び第二の回転可能な接触電極(8)を備える少なくとも一つの組立体(A)と接触するように加工部品(1)をもたらすこと、
d)第一輸送路(T')上を輸送させられる加工部品(1)に隣接している第一接触電極(2)の第一セグメント(10)を介して、及び第二輸送路(T")上を輸送させられる加工部品(1)に隣接している第二接触電極(8)の第一セグメント(10)を介して、電源(5)の第一極に加工部品を電気的に接続すること、そして
e)第二輸送路(T")上を輸送される加工部品(1)の方へ向いていて、かつ前記第二輸送路から隙間を置いている第一接触電極(2)の第二セグメント(9)、並びに第一輸送路(T')上を輸送される加工部品(1)の方へ向いていて、かつ前記第一輸送路から隙間を置いている第二接触電極(8)の第二セグメント(9)を、電源(5)の第二極に電気的に接続すること、それによって加工部品(1)を処理するための電解領域(E)が、第一及び第二接触電極(2、8)の第二セグメント(9)と加工部品(1)の間に形成されて、電流が前記電解領域(E)を流れること、
を備えて構成される方法。
【請求項21】
加工部品(1)が構造表面において互いに電気的に絶縁である導電性構造(S)を備えて構成されており、かつ導電性構造(S)が2〜5cmの大きさであることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
加工部品が隣接する組立体(A)の列によって処理されることを特徴とする、請求項20又は21に記載の方法。
【請求項23】
加工部品(1)に隣接し、かつ一列に配置されている隣接する組立体(A)に付属する二つの第一接触電極(2)又は二つの第二接触電極(8)の間の隙間が小さくなるように調節することによって、導電性構造(S)がそれぞれ第一及び第二接触電極(2、8)の少なくとも一つと永続的に接触することを特徴とする、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
加工部品(1)が、方向転換又は運搬手段(13)によって、処理液で満たされた処理タンクを貫いて数回前後に輸送されることを特徴とする、請求項20〜23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
第一と第二接触電極(2、8)の間に据えられた絶縁壁(12)が、隣接する接触電極(2、8)上に配置された第一及び第二セグメント(9、10)の間でショートが発生するのを防ぐことを特徴とする、請求項20〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
加工部品(1)に隣接する第一セグメント(10)が陰極分極し、かつ、加工部品から隙間を置く第二セグメント(9)が陽極分極することによって、加工部品上に金属が析出することを特徴とする、請求項20〜25のいずれか一項に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2008−502797(P2008−502797A)
【公表日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−515894(P2007−515894)
【出願日】平成17年6月15日(2005.6.15)
【国際出願番号】PCT/EP2005/006553
【国際公開番号】WO2005/123990
【国際公開日】平成17年12月29日(2005.12.29)
【出願人】(597075328)アトーテヒ ドイッチュラント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (33)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月15日(2005.6.15)
【国際出願番号】PCT/EP2005/006553
【国際公開番号】WO2005/123990
【国際公開日】平成17年12月29日(2005.12.29)
【出願人】(597075328)アトーテヒ ドイッチュラント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (33)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]