説明

床下蓄熱システム及び床下蓄熱方法

【課題】本発明の目的は、冷房又は暖房の省エネルギー化が図られる床下蓄熱システム及び床下蓄熱方法を提供することである。
【解決手段】床下蓄熱システムは、屋根面2と太陽電池11との間に設けられた第1空気通路12と、外気を前記第1空気通路に取り入れるための第1空気取入れ口21と、前記第1空気通路と床下空間5とを接続する第2空気通路15と、前記第2空気通路に設けられた第1ファン20と、前記床下空間に配置された蓄熱ユニット40とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床下蓄熱システム及び床下蓄熱方法に関し、特に、ソーラーシステムハウスに好適な床下蓄熱システム及び床下蓄熱方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、太陽エネルギーを利用して室内の温度環境の改善を図るソーラーシステムハウスを開示している。ソーラーシステムハウスは、屋根面と太陽電池モジュールとの間に設けられた屋根上通気層を備える。送風用ファン装置は、外気を屋根上通気層に取り入れ、そこから各室に供給する。
【0003】
【特許文献1】特開平9−184209号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、冷房又は暖房の省エネルギー化が図られる床下蓄熱システム及び床下蓄熱方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下に、(発明を実施するための最良の形態)で使用される番号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号は、(特許請求の範囲)の記載と(発明を実施するための最良の形態)との対応関係を明らかにするために付加されたものである。ただし、それらの番号を、(特許請求の範囲)に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0006】
本発明による床下蓄熱システムは、屋根面(2)と太陽電池(11)との間に設けられた第1空気通路(12)と、外気を前記第1空気通路に取り入れるための第1空気取入れ口(21)と、前記第1空気通路と床下空間(5)とを接続する第2空気通路(15)と、前記第2空気通路に設けられた第1ファン(20)と、前記床下空間に配置された蓄熱ユニット(40)とを具備する。
【0007】
上記床下蓄熱システムは、前記第2空気通路に設けられた空気吹出し口(18a)と、前記第2空気通路に設けられた第1ダンパ群(32〜35)とを更に具備することが好ましい。前記第1ダンパ群が第1状態のとき、前記第1ファンは空気を前記第1空気通路から前記床下空間へ送る。前記第1ダンパ群が第2状態のとき、前記第1ファンは前記床下空間からの空気を前記空気吹出し口から室内(3)に吹き出す。
【0008】
上記床下蓄熱システムは、第3空気通路(60)と、前記第3空気通路に設けられた第2ファン(63)と、ヒートポンプ給湯器(50)とを更に具備することが好ましい。 前記ヒートポンプ給湯器は、外気から熱を奪う室外機(52)と、前記熱を用いて水を加熱する給湯タンク(51)とを備える。前記第3空気通路は、前記床下空間と前記室外機とを接続する。
【0009】
上記床下蓄熱システムは、前記第3空気通路に設けられた排気口(67)と、前記第3空気通路に設けられた第2ダンパ群(65、66)とを更に具備することが好ましい。前記第2ダンパ群は、前記床下空間が前記室外機に接続され、且つ、前記排気口が前記室外機から遮断される第1状態と、前記床下空間が前記室外機から遮断され、且つ、前記排気口が前記室外機に接続される第2状態とをとる。
【0010】
前記蓄熱ユニットは、キャスター(44)を備えることが好ましい。
【0011】
前記蓄熱ユニットは、潜熱型の蓄熱材(41)を備えることが好ましい。
【0012】
前記蓄熱ユニットは、前記キャスターが取り付けられた棚(42)を備えることが好ましい。前記棚は、複数の通気孔が設けられた棚板(43)を備える。前記棚板に蓄熱材(41)が載せられる。
【0013】
本発明による床下蓄熱方法は、屋根面(2)と太陽電池(11)との間に設けられた第1空気通路(12)に空気を取り入れるステップと、前記空気と前記太陽電池との間で熱交換させるステップと、前記空気を蓄熱ユニット(40)が配置された床下空間(5)に強制的に送るステップとを具備する。
【0014】
上記床下蓄熱方法は、前記床下空間の空気を強制的に室内(3)に吹き出すステップを更に具備することが好ましい。
【0015】
上記床下蓄熱方法は、ヒートポンプ給湯器(50)が外気から熱を奪うステップと、前記外気を前記床下空間に強制的に送るステップとを更に具備することが好ましい。
【0016】
上記床下蓄熱方法は、前記床下空間内の空気の通りみちの変化にあわせて前記蓄熱ユニットの配置を変更するステップを更に具備することが好ましい。
【0017】
上記床下蓄熱方法は、前記蓄熱ユニットが備える蓄熱材(41)が融解するステップと、 前記蓄熱材が凝固するステップとを更に具備することが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、冷房又は暖房の省エネルギー化が図られる床下蓄熱システム及び床下蓄熱方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
添付図面を参照して、本発明による床下蓄熱システム及び床下蓄熱方法を実施するための最良の形態を以下に説明する。
【0020】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る床下蓄熱システムの概略図である。床下蓄熱システムが適用される建物1は、屋根面2と、屋根面2に設けられた太陽電池11と、床4と、床4の上の空間としての室内3と、床4の下の床下空間5とを備える。太陽電池11は、太陽電池11と屋根面2との間に間隔が設けられるように、屋根面2を覆う。
【0021】
床下蓄熱システムは、屋根面2と太陽電池11との間に設けられた屋根上空気通路12と、屋根上空気通路12に外気を取り入れるための通気口21と、屋根上空気通路12に接続されるエアチャンバ13と、エアチャンバ13に接続されるベンチレーションボックス14と、エアチャンバ13と床下空間5とを接続する空気通路15と、空気通路15に設けられたファン20と、床4に設けられた通気口24と、床下空間5に外気を取り入れるための通気口23と、床下空間5に配置された複数の蓄熱ユニット40と、床下空間5の下の基礎コンクリート9と、床下空間5及び基礎コンクリート9の周囲に設けられた断熱材7と、エアチャンバ13とベンチレーションボックス14との間の接続及び遮断を切り替えるダンパ31と、空気通路15とエアチャンバ13との間の接続及び遮断を切り替えるダンパ32とを備える。ベンチレーションボックス14には通気口22が設けられている。空気通路15は、エアチャンバ13を介して屋根上空気通路12と床下空間5とを接続する。床4は建物1の周囲の地表面8より高く、基礎コンクリート9の上面6は地表面8より低い。断熱材7は、地表面8から深さHにわたって設けられている。深さHは、通常より深い1.5m〜2mであることが好ましい。断熱材7により、基礎コンクリート9は地面の浅い部分と熱的に接続されず、地面の深い部分と熱的に接続される。
【0022】
図2は、建物1の屋根の斜視図である。屋根面2は傾斜している。通気口21は屋根上空気通路12の軒側部分に設けられている。エアチャンバ13は屋根上空気通路12の棟側部分に接続されている。エアチャンバ13は通気口21よりも高い位置に配置されている。ベンチレーションボックス14はエアチャンバ13の上に位置する。屋根上空気通路12内には、空気の流れを整えるためのガイド12aが設けられている。ガイド12aは、屋根面2の最大傾斜方向に沿って延びている。
【0023】
図3Aは、空気通路15を詳細に示す。空気通路15は、床下空間5とエアチャンバ13とを接続する主空気通路16と、バイパス空気通路17と、空気吹出し通路18とを備える。ダンパ32は、主空気通路16に設けられている。バイパス空気通路17の一端が主空気通路16の分岐部15aに接続され、バイパス空気通路17の他端が主空気通路16の分岐部15bに接続され、空気吹出し通路18が分岐部15cにおいて主空気通路16から分岐している。主空気通路16に沿って、ダンパ32よりも床下空間5の近くに分岐部15aが位置し、分岐部15aよりも床下空間5の近くに分岐部15cが位置し、分岐部15cよりも床下空間5の近くに分岐部15bが位置する。ファン20は、主空気通路16の分岐部15aと分岐部15bの間に設けられる。空気吹出し通路18には空気吹出し口18aが設けられている。主空気通路16の分岐部15cと分岐部15bの間にダンパ33が設けられ、バイパス空気通路17の分岐部15aと分岐部15bの間にダンパ34が設けられ、空気吹出し通路18の分岐部15cと空気吹出し口18aの間にダンパ35が設けられる。ダンパ32、ダンパ33、ダンパ34、及びダンパ35は、第1ダンパ群と称される場合がある。
【0024】
図3Aに示すように、ダンパ32及び33が閉状態、且つ、ダンパ34及び35が開状態の場合、ファン20は、床下空間5からの空気を強制的に空気吹出し口18aから室内3に吹き出す。つまり、床下空間5内の空気は、分岐部15bと、バイパス空気通路17と、分岐部15aと、分岐部15cと、空気吹出し通路18とを順に通過して空気吹出し口18aから室内3に吹き出す。
【0025】
図3Bに示すように、ダンパ32及び33が開状態、且つ、ダンパ34及び35が閉状態の場合、ファン20は、屋根上空気通路12からの空気を強制的に床下空間5に送る。つまり、屋根上空気通路12内の空気は、エアチャンバ13と、分岐部15aと、分岐部15cと、分岐部15bとを順に通過して床下空間5に流入する。
【0026】
図4に示すように、蓄熱ユニット40は、複数の蓄熱材41と、棚42と、棚42に取り付けられたキャスター44とを備える。棚42は、複数の棚板43を備える。各棚板43に蓄熱材41が載せられている。各蓄熱材41の上及び各棚板43の下には隙間が設けられているため、蓄熱材41と床下空間5内の空気との熱交換が促進される。各棚板43には複数の通気孔が設けられている。そのため、蓄熱材41の下側においても蓄熱材41と空気との熱交換が確保される。棚板43として、メッシュやパンチングメタルプレートが例示される。蓄熱ユニット40がキャスター44を備えるため、蓄熱ユニット40は上面6上を容易に移動できる。
【0027】
以下、本実施形態に係る床下蓄熱システムの動作を説明する。
【0028】
はじめに、夏季の晴れた昼間に好適な動作を説明する。
【0029】
夏季の晴れた昼間においては、太陽電池11は、太陽からの光エネルギーを利用して発電を行う。発電された電力は、二次電池に貯えられてから、又は二次電池に貯えられず直接に、建物1内で使用される。例えば、太陽電池11が発電した電力を用いてファン20を駆動することが可能である。また、太陽電池11は、太陽からの熱エネルギーを受けるために温度が高くなる。太陽電池11の過度の温度上昇は発電効率の低下を招く。
【0030】
そこで、ダンパ31を開き、ダンパ32を閉じる。屋根上空気通路12内の空気は、太陽電池11との熱交換により暖められる。暖められた屋根上空気通路12内の空気は、浮力によりエアチャンバ13へ移動する。これにより、外気が通気口21から屋根上空気通路12に取り入れられ、エアチャンバ13及びベンチレーションボックス14を順に通過し、通気口22から外に排気される自然対流による空気の流れが生じる。この結果、太陽電池11が冷却されて発電効率の低下が防がれる。また、屋根面2も冷却されるため、室内3の冷房負荷が低減される。なお、ベンチレーションボックス14の自然対流による換気力が弱い場合には、ダンパ31とエアチャンバ13の間に設けられた排気ファン19を使用して、エアチャンバ13の空気をベンチレーションボックス14を通過させて通気口22から外に強制的に排気することが可能である。
【0031】
また、夏季の晴れた昼間においては、床下空間5の温度が外気温よりも低くなる。上面6で床下空間5に接している基礎コンクリート9が、年間を通じて温度が一定の地面の深い部分と熱的に接続され、夏季に温度が上昇する地面の浅い部分と熱的に接続されないことが理由の一つである。
【0032】
そこで、通気口23が閉じた状態、通気口24が開いた状態、且つ、第1ダンパ群が図3Aに示す状態において、ファン20が動作する。このとき、床下空間5内の空気が空気通路15に流入し、空気吹出し口18aから室内3に吹き出す。室内3の空気が通気口24を通って床下空間5に流入する。床下空間5の空気がファン20によって強制的に室内3に吹き出される。その結果、室内3の温度が下がり、室内3の冷房負荷が低減される。
【0033】
なお、通気口23を開いて、24時間換気のための外気を床下空間5に取り入れるようにしてもよい。
【0034】
次に、夏季の晴れた夜間に好適な動作を説明する。
【0035】
夏季の晴れた夜間においては、放射冷却により太陽電池11の温度が低下する。
【0036】
そこで、ダンパ31が閉じた状態、且つ、第1ダンパ群が図3Bに示す状態において、ファン20が動作する。外気が通気口21から屋根上空気通路12に取り入れられ、屋根上空気通路12において太陽電池11との熱交換により冷却されてから、エアチャンバ13及び空気通路15を順に通過し、床下空間5に流入する。太陽電池11と熱交換した屋根上空気通路12内の空気がファン20により強制的に床下空間5に送られる。この結果、床下空間5に流入した外気により運ばれた冷熱が蓄熱ユニット40及び基礎コンクリート9に蓄熱される。蓄熱ユニット40及び基礎コンクリート9に蓄熱された冷熱は、昼間、上述のように室内3の温度を下げるために利用される。このとき、床下空間5内の空気は通気口24を通って室内3に吹き出し、又は、通気口23を通って外に排気される。床下空間5内の空気がファン20によって強制的に室内3に吹き出される。
【0037】
次に、冬季の晴れた昼間に好適な動作を説明する。
【0038】
冬季の晴れた昼間においては、太陽電池11は、太陽からの光エネルギーを利用して発電を行う。また、太陽電池11は、太陽からの熱エネルギーを受けるために温度が高くなる。
【0039】
そこで、ダンパ31が閉じた状態、且つ、第1ダンパ群が図3Bに示す状態において、ファン20が動作する。外気が通気口21から屋根上空気通路12に取り入れられ、屋根上空気通路12において太陽電池11との熱交換により暖められてから、エアチャンバ13及び空気通路15を順に通過し、床下空間5に流入する。太陽電池11と熱交換した屋根上空気通路12内の空気がファン20により強制的に床下空間5に送られる。この結果、床下空間5に流入した外気により運ばれた熱が蓄熱ユニット40及び基礎コンクリート9に蓄熱される。このとき、床下空間5内の空気は通気口24を通って室内3に吹き出し、又は、通気口23を通って外に排気される。床下空間5内の空気がファン20によって強制的に室内3に吹き出される。
【0040】
次に冬季の夜間に好適な動作を説明する。
【0041】
冬季の夜間においては、床下空間5の温度が外気温よりも高くなる。基礎コンクリート9が、年間を通じて温度が一定の地面の深い部分と熱的に接続され、冬季に温度が低下する地面の浅い部分と熱的に接続されないため、又は、上述のように昼の間に蓄熱ユニット40及び基礎コンクリート9に蓄熱されるため、或いは両方のためである。その結果、冬季の夜間には床下空間5の温度が室内3の温度より高くなる。
【0042】
すると、床下空間5内の空気が通気口24を通って室内3に流入する。その結果室内3が暖められ、室内3の暖房負荷が低減される。床下空間5内の空気は自然対流により室内3に流入する。
【0043】
蓄熱材41としては、レンガのような顕熱型の蓄熱材を用いてもよいが、化学薬品系の潜熱型の蓄熱材を用いることにより大量の蓄熱が可能となり、熱の損失も防がれる。潜熱型の蓄熱材が融解及び凝固することにより、潜熱型の蓄熱材の温度変化をほとんど伴わずに大量の熱が出入りする。潜熱型の蓄熱材の融解温度及び凝固温度は、使用目的にあわせて設定することが可能である。例えば、硫酸ナトリウム、酢酸ナトリウムまたはパラフィンを含み、凝固温度が40℃程度、融解温度が42℃程度に設定された潜熱型の蓄熱材は、冬季の使用に好適である。異なる融解温度及び凝固温度に設定された潜熱型の蓄熱材を用意し、季節に応じて使い分けることが好ましい。
【0044】
蓄熱ユニット40がキャスター44により床下空間5内を移動可能であるため、蓄熱材41の交換作業が容易になる。また、床下空間5内の空気の通りみちの変化にあわせて蓄熱ユニット40の配置を変更することも容易である。
【0045】
(第2の実施形態)
図5は、本発明の第2の実施形態に係る床下蓄熱システムの一部を示す。本実施形態に係る床下蓄熱システムは、第1の実施形態に係る床下蓄熱システムの通気口23に空気通路60を介してヒートポンプ給湯器50が接続されたものである。ヒートポンプ給湯器50は、外気から熱を奪う室外機52と、その熱を用いて水を加熱する給湯タンク51とを備える。
【0046】
空気通路60は、室外機52と通気口23とを接続する主空気通路61と、主空気通路61の分岐部61aから分岐する分岐空気通路62と、主空気通路61の分岐部61aより床下空間5の近くに設けられたファン63と、主空気通路61のファン63よりも床下空間5の近くに設けられたフィルタ64と、主空気通路61のフィルタ64よりも床下空間5の近くに設けられたダンパ65とを備える。主空気通路61は、通気口23を介して室外機52と床下空間5とを接続する。分岐空気通路62には排気口67が設けられ、分岐空気通路62の排気口67と分岐部61aの間にダンパ66が設けられる。
【0047】
ダンパ65及び66は、第2ダンパ群と称される場合がある。ダンパ65が開状態、且つ、ダンパ66が閉状態である第2ダンパ群の第1状態において、床下空間5が室外機52に接続され、かつ、排気口67が室外機52から遮断される。ダンパ65が閉状態、且つ、ダンパ66が開状態である第2ダンパ群の第2状態において、床下空間5が室外機52から遮断され、かつ、排気口67が室外機52に接続される。
【0048】
本実施形態に係る床下蓄熱システムは、第1の実施形態に係る床下蓄熱システムと同様に動作することが可能であるが、夏季の夜間には次のように動作することも可能である。
【0049】
ファン20が動作しない状態、ヒートポンプ給湯器50が運転中の状態、且つ、第2ダンパ群が第1状態において、ファン63が動作する。このとき、室外機52は外気から熱を奪う。熱を奪われた外気は、主空気通路61に流入し、分岐部61a、ファン63、フィルタ64及びダンパ65を順に通過して、床下空間5に流入する。熱を奪われて温度が低下した外気がファン63により強制的に床下空間5に送られる。この結果、床下空間5に流入した外気により運ばれた冷熱が蓄熱ユニット40及び基礎コンクリート9に蓄熱される。このとき、床下空間5内の空気は通気口24を通って室内3に吹き出す。床下空間5内の空気がファン63によって強制的に室内3に吹き出される。蓄熱ユニット40及び基礎コンクリート9に蓄熱された冷熱は、昼間、室内3の温度を下げるために利用される。したがって、ヒートポンプ給湯器50の冷排熱を利用して夏季の冷房負荷を低減することが可能である。
【0050】
中間期及び冬季においては、第2ダンパ群を第2状態にすることが好ましい。このとき、室外機52からの排気は、排気口67から大気中に放出され、床下空間5に流入しない。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態に係る床下蓄熱システムの概略図である。
【図2】図2は、第1の実施形態に係る床下蓄熱システムが適用される建物の屋根の斜視図である。
【図3A】図3Aは、床下空間の空気を室内に吹き出すための第1ダンパ群の状態を示す。
【図3B】図3Bは、屋根上空気通路の空気を床下空間に送るための第1ダンパ群の状態を示す。
【図4】図4は、蓄熱ユニットを示す。
【図5】図5は、本発明の第2の実施形態に係る床下蓄熱システムの一部を示す。
【符号の説明】
【0052】
1…建物
2…屋根面
3…室内
4…床
5…床下空間
6…上面
7…断熱材
8…地表面
9…基礎コンクリート
11…太陽電池
12…屋根上空気通路
12a…ガイド
13…エアチャンバ
14…ベンチレーションボックス
15…空気通路
15a〜15c…分岐部
16…主空気通路
17…バイパス空気通路
18…空気吹出し通路
18a…空気吹出し口
19…排気ファン
20…ファン
21〜24…通気口
31〜35…ダンパ
40…蓄熱ユニット
41…蓄熱材
42…棚
43…棚板
44…キャスター
50…ヒートポンプ給湯器
51…給湯タンク
52…室外機
60…空気通路
61…主空気通路
61a…分岐部
62…分岐空気通路
63…ファン
64…ファイルタ
65、66…ダンパ
67…排気口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋根面と太陽電池との間に設けられた第1空気通路と、
外気を前記第1空気通路に取り入れるための第1空気取入れ口と、
前記第1空気通路と床下空間とを接続する第2空気通路と、
前記第2空気通路に設けられた第1ファンと、
前記床下空間に配置された蓄熱ユニットと
を具備する
床下蓄熱システム。
【請求項2】
前記第2空気通路に設けられた空気吹出し口と、
前記第2空気通路に設けられた第1ダンパ群と
を更に具備し、
前記第1ダンパ群が第1状態のとき、前記第1ファンは空気を前記第1空気通路から前記床下空間へ送り、
前記第1ダンパ群が第2状態のとき、前記第1ファンは前記床下空間からの空気を前記空気吹出し口から室内に吹き出す
請求項1の床下蓄熱システム。
【請求項3】
第3空気通路と、
前記第3空気通路に設けられた第2ファンと、
ヒートポンプ給湯器と
を更に具備し、
前記ヒートポンプ給湯器は、
外気から熱を奪う室外機と、
前記熱を用いて水を加熱する給湯タンクと
を備え、
前記第3空気通路は、前記床下空間と前記室外機とを接続する
請求項2の床下蓄熱システム。
【請求項4】
前記第3空気通路に設けられた排気口と、
前記第3空気通路に設けられた第2ダンパ群と
を更に具備し、
前記第2ダンパ群は、
前記床下空間が前記室外機に接続され、且つ、前記排気口が前記室外機から遮断される第1状態と、
前記床下空間が前記室外機から遮断され、且つ、前記排気口が前記室外機に接続される第2状態と
をとる
請求項3の床下蓄熱システム。
【請求項5】
前記蓄熱ユニットは、キャスターを備える
請求項1乃至4のいずれかに記載の床下蓄熱システム。
【請求項6】
前記蓄熱ユニットは、潜熱型の蓄熱材を備える
請求項1乃至5のいずれかに記載の床下蓄熱システム。
【請求項7】
前記蓄熱ユニットは、前記キャスターが取り付けられた棚を備え、
前記棚は、複数の通気孔が設けられた棚板を備え、
前記棚板に蓄熱材が載せられる
請求項1乃至5のいずれかに記載の床下蓄熱システム。
【請求項8】
屋根面と太陽電池との間に設けられた第1空気通路に空気を取り入れるステップと、
前記空気と前記太陽電池との間で熱交換させるステップと、
前記空気を蓄熱ユニットが配置された床下空間に強制的に送るステップと
を具備する
床下蓄熱方法。
【請求項9】
前記床下空間の空気を強制的に室内に吹き出すステップを更に具備する
請求項8の床下蓄熱方法。
【請求項10】
ヒートポンプ給湯器が外気から熱を奪うステップと、
前記外気を前記床下空間に強制的に送るステップと
を更に具備する
請求項8又は9の床下蓄熱方法。
【請求項11】
前記床下空間内の空気の通りみちの変化にあわせて前記蓄熱ユニットの配置を変更するステップを更に具備する
請求項8乃至10のいずれかに記載の床下蓄熱方法。
【請求項12】
前記蓄熱ユニットが備える蓄熱材が融解するステップと、
前記蓄熱材が凝固するステップと
を更に具備する
請求項8乃至11のいずれかに記載の床下蓄熱方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2010−7991(P2010−7991A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−169512(P2008−169512)
【出願日】平成20年6月27日(2008.6.27)
【出願人】(000157164)菱重エステート株式会社 (10)
【Fターム(参考)】