説明

床架台

【課題】所望の大きさあるいは異形形状の床であっても、容易に構築することができる床架台を提供する。
【解決手段】床架台は、平面視形状が略長方形の主フレーム10と、該主フレーム10の長手方向及び短手方向の隣接する2辺に対し、側方へ張り出し可能に取り付けられた第1及び第2のサブフレームとしての長手サブフレーム40及び短手サブフレーム60とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は浴室等の床を構築するために用いられる床架台に係り、特に床板を支承するための床架台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、浴室の床はFRP製の防水パンで構成されることが多い。この防水パンは、特開平10−46641号公報に記載されるように、足ボルトや支持架台によって支承される。
【特許文献1】特開平10−46641号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
防水パンは規格寸法であり、所望の大きさあるいは異形形状の防水床を構築するのには不向きである。
【0004】
本発明は、所望の大きさあるいは異形形状の床であっても、容易に構築することができる床架台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明(請求項1)の床架台は、部屋の床板を支承して床を構築するための床架台であって、床板の全体又は大部分を支承する主フレームと、該主フレームから側方に張り出し可能なサブフレームとを備えてなるものである。
【0006】
請求項2の床架台は、請求項1において、該サブフレームは、該主フレームに対し、張り出し距離調節可能に取り付けられていることを特徴とするものである。
【0007】
請求項3の床架台は、請求項1又は2において、前記主フレームは平面視形状が方形であり、該主フレームの一辺に沿って第1のサブフレームが配置され、該一辺に隣接する辺に沿って第2のサブフレームが配置されていることを特徴とするものである。
【0008】
請求項4の床架台は、請求項3において、第1及び第2のサブフレームは、それぞれ、当該サブフレームが沿う主フレームの辺と平行方向に延在するメインビームと、該メインビームに対し該メインビームの延長方向に延出可能に設けられたスライドビームとを有することを特徴とするものである。
【0009】
請求項5の床架台は、請求項4において、該第1のサブフレームのメインビームの一端は、主フレームの1つのコーナー部に対峙しており、このメインビームの長さは、該第1のサブフレームが沿う主フレームの辺の長さよりも短く、このメインビームの他端側に前記スライドビームが設けられていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項6の床架台は、請求項5において、該第2のサブフレームのメインビームの一端は、該主フレームの前記1つのコーナー部に臨んでおり、このメインビームの他端は、該主フレームの他方のコーナー部に臨んでおり、このメインビームの該一端側に前記スライドビームが設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の床架台は、例えば、その上に床板を載設し、この床板の上に防水シートを敷設するようにして床構築に用いることができる。
【0012】
本発明の床架台は、主フレームと、この主フレームから側方に張り出し可能なサブフレームとを有しているため、このサブフレームを側方に張り出させることにより、主フレームよりも大きな床を構築することができる。
【0013】
請求項2のように、このサブフレームの張り出し距離を調節可能とすることにより、自在に所望大きさの床架台とすることができる。
【0014】
請求項3のように、主フレームの隣接2辺にそれぞれサブフレームを設けることにより、床架台の大きさを直交2方向において変えることができる。
【0015】
請求項4のようにメインビームとスライドビームとでサブフレームを構成した場合、サブフレームの張り出し方向と直交方向の大きさも調節可能となる。
【0016】
請求項5の床架台にあっては、第1のサブフレームのメインビームの長さを主フレームの辺長よりも小さくし、このメインビームの他端側を主フレームのコーナー部に達しないようにし、この他端側にスライドビームを設ける構成とすることができる。この場合には、該他端側に柱があっても第1のサブフレームを張り出させることができる。
【0017】
即ち、この場合、スライドビームをメインビーム側に退避させておくと、メインビームの他端側と主フレームのコーナー部との間が入隅状となるので、この入隅状部分を柱に当てがうことが可能となる。
【0018】
請求項6の床架台にあっては、第2のサブフレームのメインビームを、該第2のサブフレームが沿う主フレームの辺長と同等とし、このメインビームの前記第1のサブフレーム側の端部にスライドビームを設ける構成とすることができる。
【0019】
この場合、第1のサブフレーム及び第2のサブフレームの双方を張り出させ、且つ第2のサブフレームのスライドビームを延出させることにより、床架台を最大の大きさとすることができる。
【0020】
この最大大きさの状態から第2のサブフレームのスライドビームを後退させると、第1のサブフレームと第2のサブフレームとの間が入隅状となるので、この部分を柱に当てがうことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0022】
第1図は実施の形態に係る床架台の主フレームの斜視図、第2図はこの床架台の主フレームと各サブフレームとを分解した状態を示す平面図、第3図(a)は、この床架台の分解斜視図、第3図(b),(c)はそれぞれ第3図(a)のB−B線及びC−C線に沿う断面図、第4図は各サブフレームを最大まで張り出させた状態を示す斜視図、第5図は短手サブフレームのスライドビームを後退させた状態を示す斜視図、第6図は長手サブフレームのスライドビームを後退させた状態を示す斜視図、第7図は長手サブフレームのガイドレールと第2縦桟との分解斜視図、第8図はこのガイドレールと第3縦桟との分解斜視図、第9図はタイ金具による長手サブフレームと短手サブフレームとの連結部分の斜視図、第10図は第9図のX部分の第9図と反対側からの斜視図、第11図は第9図のXI−XI線に沿う断面図(分解図)である。
【0023】
この床架台は、平面視形状が略長方形の主フレーム10と、該主フレーム10の長手方向及び短手方向の隣接する2辺に対しそれぞれ側方へ張り出し可能に取り付けられた、第1及び第2のサブフレームとしての長手サブフレーム40及び短手サブフレーム60と、これらを支承するための複数の足ボルト80とを備えている。該サブフレーム40,60は、それぞれ、主フレーム10の側辺に沿うメインビームと、該メインビームを主フレーム10に連結する補助桟とからなる。
【0024】
該主フレーム10は、第1図に示すように、その長手方向に延在する第1〜第3縦桟11,12,13と、該縦桟11〜13と直交方向(即ち主フレーム10の短手方向)に延在してこれらの一端同士、他端同士及び途中同士をそれぞれ橋絡する第1〜第3横桟14,15,16,17とを有している。これらの桟11〜17は、いずれも、長手方向と直交方向の断面形状が略正方形であり、且つその面積が同じである(即ち同径の)金属製角パイプよりなる。なお、この実施の形態では、該角パイプは、いずれの箇所においても、直交する2側面がそれぞれ水平方向及び鉛直方向となるように配設されている。
【0025】
図示の通り、第1縦桟11、第1横桟14、第3縦桟13及び第4横桟17により、主フレーム10の長方形の外枠が構成されている。第2縦桟12は、第3縦桟13から第1縦桟11側へ、後述のガイドレール18〜20の長さとほぼ同じ距離だけ離隔した位置に配設されている。また、第2横桟15と第3横桟16とは、それぞれ、第1横桟14と第4横桟17との間において、縦桟11〜13を各々の延在方向に略3等分する位置に配設されている。
【0026】
この実施の形態では、長手サブフレーム40は第3縦桟13に沿って配置され、短手サブフレーム60は第1横桟14に沿って配置されている。
【0027】
主フレーム10には、長手サブフレーム40の該第3縦桟13からの張り出し方向及びこれと反対方向への移動を案内するガイドレール18,19,20と、これらのガイドレール18〜20のうち、後述のスライドビーム42が連結されるガイドレール20を該縦桟13の長手方向に位置変更可能に保持するレールホルダ21,22と、短手サブフレーム60の第1横桟14からの張り出し方向及びこれと反対方向への移動を案内するガイドレール23,24とが設けられている。なお、これらのガイドレール18,19,20,23,24及びレールホルダ21,22の詳しい構成は後で説明する。
【0028】
長手サブフレーム40は、それぞれ該第3縦桟13と平行方向に延在するメインビーム41及びスライドビーム42と、該スライドビーム42を、メインビーム41の一端側に対し、該メインビーム41の延長方向へ延出可能に保持するスライドビームホルダ43と、該メインビーム41をガイドレール18,19にそれぞれ連結するための第1及び第2補助桟44,45と、該スライドビーム42をガイドレール20に連結するための第3補助桟46と、該メインビーム41の他端側を短手サブフレーム60に連結するためのタイ金具47とを備えている。
【0029】
該メインビーム41、スライドビーム42及び第1〜第3補助桟44〜46は、いずれも、主フレーム10の各桟11〜17と同径の金属製角パイプよりなる。
【0030】
スライドビームホルダ43は、この実施の形態では、第3図(b)に示すように、1本の前記角パイプの横幅(第3図(b)の断面における水平方向の幅。この断面における鉛直方向の幅は縦幅と称する。)と同等かそれよりも若干大きい間隔をあけて平行に対峙する1対の鉛直方向片(符号略)と、該鉛直方向片の下辺同士をつなぐ水平方向片(符号略)とを有する上向きコ字形の部材である。各鉛直方向片の縦幅は、1本の角パイプの縦幅よりも大きなものとなっている。
【0031】
このスライドビームホルダ43は、メインビーム41の一端側において、メインビーム41の下側から鉛直方向片の上端部同士の間に該メインビーム41を挟み込むようにして該メインビーム41に取り付けられている。このスライドビームホルダ43の水平方向片は、メインビーム41の下面に対し、1本の角パイプの縦幅と同等かそれよりも若干大きい間隔をあけて平行に対峙している。各鉛直方向片の上端部は、メインビーム41の両サイドの横向き面に重ね合わされて溶接やボルト留め等により固着されている。
【0032】
スライドビーム42は、上面をメインビーム41の下面に摺り合わせるようにして、後端側(メインビーム41の一端側の延長方向と反対側。該延長方向を先端側と称する。)が該スライドビームホルダ43の内側に挿抜方向スライド可能に差し込まれている。
【0033】
なお、この実施の形態では、スライドビーム42の先端側の上面に、前記角パイプからなる所定長さのアッパーピース48が取り付けられている。該アッパーピース48は、軸心線方向をスライドビーム42の軸心線方向と平行方向として該スライドビーム42の先端側に載置され、溶接等により該スライドビーム42に固着されている。従って、このアッパーピース48の上面は、メインビーム41の上面と略同一高さとなっている。
【0034】
第1及び第2補助桟44,45は、該メインビーム41の延在方向に位置を異ならせて配置され、それぞれ、該メインビーム41から主フレーム10側へ直角に延出している。なお、第3図(a)に示すように、各補助桟44,45は、メインビーム41よりも角パイプ1本分低い高さに配設され、その後端側は、上面がメインビーム41の下面に重ね合わされるようにして、溶接やボルト留め等により該メインビーム41に固着されている。
【0035】
第3補助桟46は、該スライドビーム42の延在方向の途中位置から主フレーム10側へ直角に延出している。この補助桟46は、後端面がスライドビーム42の主フレーム10側の横向き面に突き合わされて溶接等により固着されている。従って、第1〜第3補助桟44〜46は、いずれも略同じ高さ(メインビーム41よりも角パイプ1本分低い高さ)に配置されている。
【0036】
タイ金具47は、第10図に示すように、メインビーム41の主フレーム10側の横向き面に重ね合わされる鉛直方向片(符号略)と、該鉛直方向片の下辺から該主フレーム10側へ直角に張り出す水平方向片(符号略)とを有するL形の部材である。該鉛直方向片には、メインビーム41の延在方向に延在する長孔47aが設けられている。
【0037】
メインビーム41の他端近傍には、その両サイドの横向き面を貫通するようにして、タイ金具47の固定用のボルト41aが差し通されている。この実施の形態では、該メインビーム41の延在方向に位置を異ならせて2本のボルト41aが設けられている。
【0038】
タイ金具47は、長孔47aにこれらのボルト41aが差し込まれ、これらのボルト41aにナット(符号略)が締め込まれることにより、メインビーム41に固定される。また、このナットを緩め、タイ金具47を該長孔47aに沿ってスライドさせることにより、このタイ金具47を該メインビーム41の他端側から該メインビーム41の延長方向へ延出させたり、該メインビーム41側へ後退させることができる。
【0039】
この実施の形態では、ビームアッパー48がメインビーム41の一端面に当接するまでスライドビーム42をメインビーム41側へ後退させたときに、メインビーム41とスライドビーム42との合計の長さが第3縦桟13の長さより所定長さ短くなり、スライドビーム42をメインビーム41の一端側からその延長方向へ最大まで延出させたときに、メインビーム41とスライドビーム42との合計の長さが第3縦桟13の長さとほぼ等しくなるよう構成されている。
【0040】
また、タイ金具47は、短手サブフレーム60の第1横桟14からの最大張り出し距離とほぼ等距離まで、メインビーム41の他端側からその延長方向へ延出させることができるようになっている。
【0041】
この長手サブフレーム40は、スライドビーム42を最大まで延出させたときに、該スライドビーム42の先端側が第3縦桟13と第4横桟17とのコーナー部に対峙し、メインビーム41の他端側が該第3縦桟13と第1横桟14とのコーナー部に対峙するよう配設されている。
【0042】
短手サブフレーム60は、それぞれ第1横桟14と平行方向に延在するメインビーム61及びスライドビーム62と、該スライドビーム62を、メインビーム61の一端側に対し、該メインビーム61の延長方向へ延出可能に保持するスライドビームホルダ63と、該メインビーム61をガイドレール23,24にそれぞれ連結するための第1及び第2補助桟64,65と、該スライドビーム62の先端にタイ金具47を連結するためのブラケット66とを備えている。
【0043】
この短手サブフレーム60においても、該メインビーム61、スライドビーム62及び第1、第2補助桟64,65は、いずれも、主フレーム10の各桟11〜17と同径の金属製角パイプよりなる。
【0044】
スライドビーム62は、メインビーム61の一端側において、その上面を該メインビーム61の下面に重ね合わせるようにして配設されている。スライドビームホルダ63は、第3図(c)に示すように、この2段重ね状のメインビーム61及びスライドビーム62の両サイドの横向き面にそれぞれまたがって重なり合う1対の鉛直方向片(符号略)を有している。各鉛直方向片は、下半側がスライドビーム62の両サイドの横向き面に対し溶接やボルト留め等により固着されており、上半側は、メインビーム61の両サイドの横向き面に対し摺動可能に対峙している。
【0045】
各鉛直方向片には、それぞれ、スライドビーム62の上面からメインビーム61の縦幅の1/2程度の高さに、該メインビーム61の長手方向に延在する長孔63aが設けられている。また、メインビーム61の一端近傍には、該メインビーム61を横幅方向に貫通して両サイドの該長孔63aに連通するボルト挿通孔61a(第11図)が設けられている。なお、第11図の通り、この実施の形態では、メインビーム61の長手方向に位置を異ならせて2個のボルト挿通孔61aが設けられている。
【0046】
メインビーム61及びその両サイドの鉛直方向片を該メインビーム61の幅方向に貫通するようにして、これらの長孔63a及びボルト挿通孔61aにボルト61bが差し通され、このボルト61bにナット(符号略)が締め込まれることにより、各鉛直方向片がメインビーム61に固定され、スライドビーム62が該メインビーム61の一端側に保持される。このナットを緩めて各鉛直方向片を長孔63aに沿ってスライドさせることにより、スライドビーム62を、メインビーム61の一端側からその延長方向へ延出させたり、該メインビーム41側へ後退させることができる。
【0047】
なお、この短手サブフレーム60においても、スライドビーム62の先端側の上面に、前記角パイプからなる所定長さのビームアッパー67が取り付けられている。該ビームアッパー67は、軸心線方向をスライドビーム62の軸心線方向と平行方向として該スライドビーム62の先端側に載置され、溶接等により該スライドビーム62に固着されている。従って、このビームアッパー67の上面は、メインビーム61の上面と略同一高さとなっている。
【0048】
第1及び第2補助桟64,65は、該メインビーム61の延在方向に位置を異ならせて配置され、それぞれ、該メインビーム61から主フレーム10側へ直角に延出している。なお、第3図(a)に示すように、各補助桟64,65は、メインビーム61よりも角パイプ1本分低い高さに配設され、その後端側は、上面がメインビーム61の下面に重ね合わされるようにして、溶接やボルト留め等により該メインビーム61に固着されている。
【0049】
ブラケット66は、この実施の形態では、スライドビーム62の先端側において、スライドビームホルダ63の主フレーム10側の鉛直方向片の辺縁を切り起こすようにして形成されている。ただし、ブラケット66の構成はこれに限定されるものではない。このブラケット66は、スライドビーム62の先端面から、ほぼ角パイプの横幅分だけ該スライドビーム62の後端側へ後退した位置に配置されている。このブラケット66には、ボルト挿通孔(符号略)が設けられている。
【0050】
この実施の形態では、ビームアッパー67がメインビーム61の一端面に当接するまでスライドビーム62を後退させたときに、メインビーム61とスライドビーム62との合計の長さが、第1横桟14に1本の角パイプの横幅を加えた程度の長さとなり、スライドビーム62をメインビーム61の一端側からその延長方向へ最大まで延出させたときに、メインビーム41とスライドビーム42との合計の長さが、第1横桟14に、長手サブフレーム40の第3縦桟13からの最大の張り出し距離を加えた程度の長さとなるよう構成されている。
【0051】
この短手サブフレーム60は、ビームアッパー67がメインビーム61の端面に当接するまでスライドビーム62を後退させたときに、スライドビーム62の先端側が第1横桟14と第3縦桟13とのコーナー部に対峙し、メインビーム61の他端側が該第1横桟14と第1縦桟11とのコーナー部に対峙するよう配設されている。
【0052】
各ガイドレール18,19,20,23,24は、いずれも、補助桟(角パイプ)44〜46及び64,65に同軸状に外嵌しうる断面C字形の略管状体である。各ガイドレール18〜20,23,24には、各々に差し込まれた補助桟44〜46,64,65を固定するためのロックボルト(例えばガイドレール20においてはロックボルト20a。他は符号略。)が設けられている。
【0053】
ガイドレール18〜20は、第2図に示すように、第2縦桟12と第3縦桟13との間において、該縦桟12,13の延在方向に位置を異ならせて、各々の長手方向を該縦桟12,13の延在方向と直交方向とした姿勢で配置されている。なお、図示の通り、ガイドレール18は第1横桟14と第2横桟15との間に配置され、ガイドレール19は第2横桟15と第3横桟16との間に配置され、ガイドレール20は第3横桟16と第4横桟17との間に配置されている。
【0054】
該第1横桟14とガイドレール18との間隔は、メインビーム41の前記他端から第1補助桟44の付け根までの距離と等距離であり、ガイドレール18,19同士の間隔は、補助桟44,45同士の間隔と等距離である。
【0055】
ガイドレール18,19は、それぞれ、縦桟12,13に対し固定設置されている。なお、この実施の形態では、これらのガイドレール18,19は、縦桟12,13よりもほぼ1本の角パイプの縦幅分だけ低い高さに配設され、両端側の上面がそれぞれ縦桟12,13の下面に重ね合わされるようにして、溶接やボルト留め等により固着されている。
【0056】
該縦桟12,13のうち、第3横桟16と第4横桟17との間に延在している部分に、それぞれ、前記レールホルダ21,22が取り付けられている。
【0057】
レールホルダ21は、この実施の形態では、第7図に示すように、第2縦桟12の横向き面(この実施の形態では、第3縦桟13と対峙する側の面)に沿って延設された基片21aと、該基片21aの下辺から下方へ垂設された複数(この実施の形態では5個)のL形垂下片21bとを有している。該L形垂下片21bは、縦桟12の延在方向にガイドレール20の横幅分の間隔をおいて配列されている。この隣り合うL形垂下片21b,21b同士の間の凹所21cに、ガイドレール20の一端側が係合するようになっている。この実施の形態では、縦桟12の延在方向に位置を異ならせて4個の凹所21cが形成されている。
【0058】
各L形垂下片21bは、基片21aの下辺から下方へ所定距離だけ延出した後、途中から第3縦桟13側へ直角に折れ曲がって水平に延在している。この水平に延在した部分(以下、垂下片21bの先端側と称する。)には、ボルト挿通孔(符号略)が設けられている。
【0059】
基片21aは、溶接等により縦桟12の横向き面に固着されている。各凹所21cの上側には、この基片21aと縦桟12とを該縦桟12の横幅方向に貫通したボルト挿通孔21dが設けられている。
【0060】
一方、レールホルダ22は、第8図に示すように、第3縦桟13の横向き面(この実施の形態では、第2縦桟12と対峙する側と反対側の面)に沿って延設された基片22aと、該基片22aの下辺から下方へ垂設された、レールホルダ21の垂下片21bと同数(即ち、この実施の形態では5個)のL形垂下片22bとを有している。この垂下片22bも、縦桟13の延在方向にガイドレール20の横幅分の間隔をおいて配列されている。この隣り合う垂下片22b,22b同士の間の凹所22cに、ガイドレール20の他端側が係合するようになっている。このレールホルダ22においても、縦桟13の延在方向に位置を異ならせて4個の凹所22cが形成されている。
【0061】
なお、この垂下片22bも、基片22aの下辺から下方へ所定距離だけ延出した後、途中から第2縦桟12側へ直角に折れ曲がって水平に延在しているが、この折れ曲がり部は省略されてもよい。この垂下片22bのうち、基片22aから真直ぐ下方へ垂れ下がった部分(以下、垂下片22bの基端側と称する。)には、ボルト挿通孔(符号略)が設けられている。
【0062】
基片22aも、溶接等により縦桟13の横向き面に固着されている。また、各凹所22cの上側には、この基片22aと縦桟13とを該縦桟13の横幅方向に貫通したボルト挿通孔22dが設けられている。
【0063】
これらのレールホルダ21,22は、対向する各々の凹所21c,22c同士がガイドレール18からそれぞれ等距離に位置するよう配置されている。
【0064】
ガイドレール20の上面には、該ガイドレール20の一端側を凹所21cに係合させたときに第2縦桟12の第1縦桟11側の横向き面に重なる第1起立フランジ20bと、他端側を凹所22cに係合させたときに第3縦桟13の第2縦桟12側の横向き面に重なる第2起立フランジ20cとが立設されている。これらの起立フランジ20b,20cには、それぞれ、前記ボルト挿通孔21d,22dに重なるボルト挿通孔20d,20eが設けられている。
【0065】
ガイドレール20の一端側の両横向き面からは、該一端側を凹所21cに係合させたときにこの凹所21cの両サイドのL形垂下片21b,21bの先端側(水平方向に延在した部分)に重なるサイドフランジ20f,20fが突設されている。各サイドフランジ20fは、板面を水平方向としてガイドレール20の両サイドの横向き面からそれぞれ側方へ延出している。各サイドフランジ20fには、垂下片21bのボルト挿通孔と重なり合う孔(符号略)が設けられている。
【0066】
ガイドレール20の他端側の両横向き面からは、該他端側を凹所22cに係合させたときにこの凹所22cの両サイドの垂下片22b,22bの基端側(鉛直方向に延在した部分)に重なり合う張出フランジ20g,20gが突設されている。各張出フランジ20gは、板面を鉛直方向として、ガイドレール20の両サイドの横向き面の該他端側の辺縁から側方へ延出している。各張出フランジ20gには、垂下片22bのボルト挿通孔と重なり合う孔(符号略)が設けられている。
【0067】
ガイドレール20を設置する場合には、スライドビーム42のメインビーム41からの延出量に応じて、主フレーム10の長手方向に並んでいる4組の凹所21c,22cのいずれかを選定してガイドレール20の両端側を係合させる。なお、当然ながら、スライドビーム42を最大まで延出させる場合には、ガイドレール19から最も離隔した凹所21c,22cにガイドレール20の両端を係合させ、スライドビーム42の延出量を最小にする場合には、ガイドレール19に最も近い凹所21c,22cにガイドレール20の両端を係合させる。
【0068】
そして、第1起立フランジ20bを第2縦桟12の第1縦桟11側の横向き面に当てがい、ボルト挿通孔22d,20dにボルト(符号略)を差し通してナット締めすると共に、第2起立フランジ20cを第3縦桟13の第2縦桟12側の横向き面に当てがい、ボルト挿通孔22d,20cにボルトを差し通してナット締めする。また、この際、各サイドフランジ20fを当該凹所21cの両側の垂下片20bの先端側に重ね合わせ、これらのボルト挿通孔にボルトを差し通してナット締めすると共に、各張出フランジ20gを当該凹所22cの両側の垂下片20bの基端側に重ね合わせ、これらのボルト挿通孔にボルトを差し通してナット締めする。
【0069】
これにより、ガイドフレーム20の両端が縦桟12,13に対しそれぞれ固定される。
【0070】
ガイドレール23,24は、それぞれ、第1横桟14に対し、長手方向を該横桟14の延在方向と直交方向として、該横桟14の延在方向に位置を異ならせて固定設置されている。なお、この実施の形態では、これらのガイドレール23,24は、それぞれ、横桟14よりもほぼ1本の角パイプの縦幅分だけ低い高さに配設され、各々の主フレーム10の中央側と反対側の端部上面が該横桟14の下面に重ね合わされるようにして、溶接やボルト留め等により固着されている。
【0071】
長手サブフレーム40は、補助桟44〜46がそれぞれガイドレール18〜20に差し込まれ、ロックボルトによって固定されることにより、第3縦桟13の側方に設置される。また、短手サブフレーム60は、補助桟44,45がそれぞれガイドレール23,24に差し込まれ、ロックボルトによって固定されることにより、第1横桟14の側方に設置される。
【0072】
長手サブフレーム40の第3縦桟13からの張り出し量及び短手サブフレーム60の第1横桟14からの張り出し量を調節する場合には、ロックボルトを緩め、各ガイドレール18〜20,23,24への各補助桟44〜46の差し込み深さを調節する。
【0073】
なお、この実施の形態では、各ガイドレール18〜20,23,24の第3縦桟13側又は第1横桟14側の端部付近においてロックボルトを締め込むよう構成しているが、各ガイドレール18〜20,23,24の長手方向に位置を異ならせて複数箇所においてロックボルトを締め込めるよう構成してもよい。
【0074】
足ボルト80は、主フレーム10、長手サブフレーム40及び短手サブフレーム60の全体を均等に支承するように、複数箇所に分散して配置されている。なお、この実施の形態では、足ボルト80は、長手サブフレーム40においては、スライドビーム42の先端付近と、メインビーム41の途中及び他端付近とに配設され、短手サブフレーム60においては、スライドビーム62の両端付近と、メインビーム61の他端付近とに配設されている。
【0075】
このように構成された床架台を用いて床を構築する方法について以下に説明する。
【0076】
まず、建物躯体等の室の下地床上にこの床架台を設置する。この際、構築予定の床が主フレーム10よりも大きい場合、この床の大きさに合わせて長手サブフレーム40と短手サブフレーム60とを側方へ張り出させる。
【0077】
この床のコーナー部に柱が張り出していない場合、第4図に示すように、長手サブフレーム40のスライドビーム42を最大まで延出させ、その先端面が第4横桟17の外側(主フレーム10の中央側と反対側)の横向き面の延長線上に位置するようにする。また、短手サブフレーム60のスライドビーム62を、長手サブフレーム40の第3縦桟13からの張り出し距離と同程度延出させ、その先端面がメインビーム41の外側の横向き面の延長線上に位置するようにする。その後、タイ金具47をメインビーム41の他端側から延出させ、該タイ金具47の先端部とブラケット66とをボルト66a(第9図)で連結する。
【0078】
主フレーム10の第1横桟14と第3縦桟13とのコーナー部に柱が臨んでいる場合、第5図の通り、タイ金具47とスライドビーム62とをそれぞれメインビーム41,62側へ退避させ、各メインビーム41,61の他端側とこのコーナー部との間を入隅状とする。そして、この入隅状部分に柱を当てがうようにして床架台を設置する。
【0079】
また、長手サブフレーム40の一端側に柱が臨んでいる場合、第6図の通り、スライドビーム42をメインビーム41側へ退避させ、メインビーム41の一端側と縦桟13との間を入隅状とする。なお、この際、スライドビーム42の退避位置に合わせてガイドレール20をガイドレール19寄りの凹所21c,22cに配置する。そして、この入隅状部分に柱を当てがうようにして床架台を設置する。
【0080】
その後、この床架台の上に、例えば、床板を載設し、この床板の上に防水シートを敷設するようにして床を構築する。
【0081】
以上のように、この床架台を用いることにより、所望の大きさあるいは異形形状の床を簡単に構築することができる。
【0082】
なお、この実施の形態は本発明の一例を示すものであり、本発明は上記実施の形態に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】実施の形態に係る床架台の主フレームの斜視図である。
【図2】床架台の平面図である。
【図3】床架台の分解斜視図及び要部断面図である。
【図4】各サブフレームを最大まで張り出させた状態を示す斜視図である。
【図5】短手サブフレームのスライドビームを後退させた状態を示す斜視図である。
【図6】長手サブフレームのスライドビームを後退させた状態を示す斜視図である。
【図7】長手サブフレームのガイドレールと第2縦桟との分解斜視図である。
【図8】ガイドレールと第3縦桟との分解斜視図である。
【図9】タイ金具による長手サブフレームと短手サブフレームとの連結部分の斜視図である。
【図10】図9のX部分の斜視図である。
【図11】図9のXI−XI線に沿う断面図である。
【符号の説明】
【0084】
10 主フレーム
11〜13 縦桟
14〜17 横桟
18〜20,23,24 ガイドレール
21,22 レールホルダ
40 長手サブフレーム
41 メインビーム
42 スライドビーム
43 スライドビームホルダ
44〜46 補助桟
47 タイ金具
60 短手サブフレーム
61 メインビーム
62 スライドビーム
63 スライドビームホルダ
64,65 補助桟

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部屋の床板を支承して床を構築するための床架台であって、
床板の全体又は大部分を支承する主フレームと、
該主フレームから側方に張り出し可能なサブフレームとを備えてなる床架台。
【請求項2】
請求項1において、該サブフレームは、該主フレームに対し、張り出し距離調節可能に取り付けられていることを特徴とする床架台。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記主フレームは平面視形状が方形であり、
該主フレームの一辺に沿って第1のサブフレームが配置され、該一辺に隣接する辺に沿って第2のサブフレームが配置されていることを特徴とする床架台。
【請求項4】
請求項3において、第1及び第2のサブフレームは、それぞれ、当該サブフレームが沿う主フレームの辺と平行方向に延在するメインビームと、該メインビームに対し該メインビームの延長方向に延出可能に設けられたスライドビームとを有することを特徴とする床架台。
【請求項5】
請求項4において、該第1のサブフレームのメインビームの一端は、主フレームの1つのコーナー部に対峙しており、
このメインビームの長さは、該第1のサブフレームが沿う主フレームの辺の長さよりも短く、
このメインビームの他端側に前記スライドビームが設けられていることを特徴とする床架台。
【請求項6】
請求項5において、該第2のサブフレームのメインビームの一端は、該主フレームの前記1つのコーナー部に臨んでおり、
このメインビームの他端は、該主フレームの他方のコーナー部に臨んでおり、
このメインビームの該一端側に前記スライドビームが設けられていることを特徴とする床架台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−161404(P2006−161404A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−354300(P2004−354300)
【出願日】平成16年12月7日(2004.12.7)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】