説明

廃熱利用装置

【課題】ランキンサイクルにおけるエネルギーの回収量の向上を図りつつ、内燃機関の出力の向上を実現し、かつ耐久性が高い廃熱利用装置を提供する。
【解決手段】実施例の廃熱利用装置は、エンジン5と、エンジン5に対して加圧空気を供給するターボチャージャ7と、排気還流路としての配管15、16を有する駆動系1と、これに用いられるランキンサイクル3とを備えている。ランキンサイクル3は、第1ボイラ27と、第2ボイラ28と、第3ボイラ29とを有している。また、ランキンサイクル3には、作動流体に第2ボイラ28を迂回させるバイパス路41と、三方弁43とが設けられている。この廃熱利用装置では、第1〜3ボイラ27〜29によって作動流体を十分に加熱可能である他、バイパス路41に作動流体を流入させることにより、第3ボイラ29に流入する作動流体の温度を低下させることが可能となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は廃熱利用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の図2に従来の廃熱利用装置が開示されている。この廃熱利用装置は、駆動系に用いられ、第1、2ボイラを有して作動流体を循環させるランキンサイクルを備えている。駆動系は、エンジンと、エンジンに加圧空気を供給するターボチャージャとを有している。ランキンサイクルにおける第1ボイラは、加圧空気と作動流体との間で熱交換を行うことで作動流体を加熱させる。第2ボイラは、エンジンの冷却水と作動流体との間で熱交換を行うことで作動流体を加熱させる。第2ボイラは、第1ボイラよりも作動流体の循環方向の下流側に位置している。また、第2ボイラの下流には膨張機が設けられている。
【0003】
このような廃熱利用装置では、第1、2ボイラによって作動流体を加熱することが可能であることから、膨張機に流入する作動流体の温度を高くすることが可能となる。また、この廃熱利用装置では、第1、2ボイラにおける熱交換により、加圧空気や冷却水を冷却することが可能となるため、エンジンの出力を向上させることも可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−8224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ランキンサイクルにおいて回収可能なエネルギーの量を大きくするためには、膨張機内で膨張及び減圧された作動流体が好適に気化する必要がある。このことは、膨張機を保護して廃熱利用装置の耐久性を向上させる観点からも必要とされる。膨張機内における作動流体の膨張が不完全な場合、回収可能なエネルギーの量が小さくなるばかりか膨張機から液相の作動流体が流出する液バック現象が生じることで、膨張機が損傷するおそれも生じるためである。
【0006】
そこで、膨張機内で作動流体を好適に膨張させるために、膨張機に流入させる作動流体について、飽和蒸気となる温度を超えた過熱蒸気温度(スーパーヒート)程度まで十分に加熱することが好ましい。
【0007】
しかし、上記従来の廃熱利用装置では、第1、2ボイラによって作動流体を加熱可能であるものの、膨張機に流入する作動流体の温度は、第2ボイラ内で放熱された熱量、すなわち、エンジンのような内燃機関の冷却水の温度に依存することとなる。特に、冷却水の温度が低い状態にある場合、第1ボイラによって加熱された作動流体が逆に第2ボイラ内で冷却水に対して放熱を行うことで、膨張機に流入する作動流体の温度がより低下してしまう事態も生じ得る。これらのため、上記の廃熱利用装置では、スーパーヒートの状態まで作動流体を加熱し難く、ランキンサイクルにおいて回収可能なエネルギーの量が不十分となるとともに、その耐久性も低下も懸念される。なお、第1ボイラ及び第2ボイラでの蒸発圧力を低くすれば、比較的低温の熱源でもスーパーヒートを確保することはできるが、その場合は回収エネルギーが低下してしまう。
【0008】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、ランキンサイクルにおけるエネルギーの回収量の向上を図りつつ、内燃機関の出力の向上を実現し、かつ耐久性が高い廃熱利用装置を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の廃熱利用装置は、内燃機関と、該内燃機関に対して加圧空気を供給する過給器と、該内燃機関で生じた排気の一部を還流排気として前記内燃機関に還流させる排気還流路とを有する駆動系に用いられ、ボイラを有して作動流体を循環させるランキンサイクルを備えた廃熱利用装置であって、
前記ボイラは、前記加圧空気との間で熱交換を行う第1ボイラと、前記内燃機関に対する冷却水との間で熱交換を行う第2ボイラと、前記還流排気との間で熱交換を行う第3ボイラとを有し、
該第3ボイラは、該第1ボイラよりも前記作動流体の循環方向の下流側に位置していることを特徴とする(請求項1)。
【0010】
本発明の廃熱利用装置はランキンサイクルを備えている。このランキンサイクルは、駆動系に用いられ、ボイラを有して作動流体を循環させる。駆動系は、内燃機関と、この内燃機関に対して加圧空気を供給する過給器と、内燃機関で生じた排気の一部を還流排気として内燃機関に還流させる排気還流路とを有している。ボイラは第1〜3ボイラを有している。
【0011】
このため、この廃熱利用装置は、第1〜3ボイラにおける熱交換により、作動流体を加熱できるとともに、作動流体によって、加圧空気、内燃機関に対する冷却水及び還流排気をそれぞれ冷却することが可能である。特に、冷却されることで還流排気は、その密度が増大することから、還流排気は内燃機関に好適に還流、つまり、内燃機関に吸気されることとなる。このため、内燃機関を好適に作動させることが可能となる。さらに、このように冷却された還流排気を内燃機関に還流させることで、大気中に放出された際の排気中における窒素酸化物の含有量を低減させることも可能となる。
【0012】
また、この際、発明者らの知見によれば、加圧空気の温度は約150°C程度であるのに対し、内燃機関で生じた排気の温度は約500°C程度となっている。本発明に係るランキンサイクルでは、第3ボイラが第1ボイラよりも作動流体の循環方向の下流側に位置していることから、作動流体は第3ボイラによって十分に加熱される。これにより、蒸発圧力を下げることなく、膨張機に流入する作動流体をスーパーヒートの状態又はスーパーヒートに近い状態とすることが可能となる。このため、膨張機における作動流体の膨張及び減圧時によって生じる圧力エネルギーを大きくすることが可能となる。また、このように作動流体が十分に加熱された状態であることから、膨張機内で作動流体が気化された状態を保ち、膨張機内で液化することも防止される。これらのため、この廃熱利用装置では、ランキンサイクルにおいて回収可能なエネルギーの量が多くなるとともに、液バック現象が抑制されて膨張機も損傷し難くなる。
【0013】
また、この廃熱利用装置では、第1ボイラに流入する作動流体の温度が第3ボイラから流出する作動流体の温度よりも低い状態となる。このため、第1ボイラにおいて加圧空気を好適に冷却させることが可能となり、内燃機関に対してより多くの加圧空気を供給することが可能となる。
【0014】
したがって、本発明の廃熱利用装置によれば、ランキンサイクルにおけるエネルギーの回収量の向上を図りつつ、内燃機関の出力の向上が実現可能であるとともに、耐久性を高くすることができる。
【0015】
内燃機関としては、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の他、種々の形式のエンジンを採用することができる。また、これらのエンジンはモータを組み合わせたハイブリッドエンジンでも良い。一方、過給器としては、ターボチャージャやスーパーチャージャ等を採用することができる。なお、内燃機関や過給機は複数であっても良い。
【0016】
ここで、内燃機関としてガソリンエンジン又はガソリンエンジンとモータとを組み合わせたハイブリットエンジンを採用した場合、冷却された排気(還流排気)を吸気させることで、これらの各エンジンではポンピングロスが抑制されることとなる。また、内燃機関としてディーゼルエンジン又はディーゼルエンジンとモータとを組み合わせたハイブリットエンジンを採用した場合、冷却された排気(還流排気)を吸気させることで、最終的に大気中に放出された際の排気中における窒素酸化物の含有量を低減させることが可能となる。
【0017】
ランキンサイクルは、ポンプと、第1ボイラと、第2ボイラと、第3ボイラと、膨張機と、凝縮器と、ポンプから第1ボイラ、第2ボイラ、第3ボイラ及び膨張機を経て凝縮器に作動流体を循環させる配管とを有していることが好ましい(請求項2)。この場合、第1〜3ボイラのうち、第1ボイラが作動流体の循環方向の最も上流側に位置するため、第1ボイラに流入する作動流体の温度が最も低い状態となる。このため、加圧空気を好適に冷却することが可能となり、内燃機関の出力をより向上させることが可能となる。また、第3ボイラが作動流体の循環方向の最も下流側に位置するため、第3ボイラによって加熱された作動流体が他の第1、2ボイラにおいて放熱されることがない。このため、膨張機に流入する作動流体の温度が十分に高い状態となり、膨張機において作動流体が好適に膨張し、回収可能なエネルギーの量がより大きくなるとともに、膨張機の損傷が好適に防止される。
【0018】
上記のように、ランキンサイクルにおいて、作動流体の循環方向で第1ボイラ、第2ボイラ、第3ボイラの順に位置させた場合、第2ボイラにおける熱交換によって作動流体が加熱された結果、第3ボイラに流入する作動流体の温度が高くなる。この場合、第3ボイラでは、排気還流路内の還流排気が十分に冷却されず、ひいては排気中に含まれる窒素酸化物を十分に低減できないことが懸念される。
【0019】
このため、この廃熱利用装置では、第1ボイラの下流で配管から分岐し、第2ボイラを迂回して配管に合流するバイパス路と、第2ボイラに流入する作動流体の流量とバイパス路に流入する作動流体の流量とを調整可能な流量調整弁と、流量調整弁を制御する調整弁制御手段とを備えていることが好ましい(請求項3)。
【0020】
この場合、第1ボイラから流出した作動流体をバイパス路に流入させることで、作動流体に対し、第2ボイラにおける熱交換を回避させることが可能となる。これにより、第3ボイラに流入する作動流体の温度を低くすることができる。このため、排気還流路内の還流排気を十分に冷却でき、排気中に含まれる窒素酸化物を十分に低減させることができる。
【0021】
また、この廃熱利用装置では、調整弁制御手段が流量調整弁を制御することにより、第2ボイラに流入する作動流体の流量と、バイパス路に流入する該作動流体の流量とを調整可能である。このため、内燃機関の冷却を行いつつ、第3ボイラに流入する作動流体の温度を調整することで、内燃機関の冷却と、排気還流路内の還流排気の冷却とを好適に行うことが可能となる。
【0022】
調整弁制御手段は、駆動系における出力要求、又は排気中における窒素酸化物の含有量に応じて流量調整弁を制御することが好ましい(請求項4)。
【0023】
例えば、駆動系における所定値以上の出力要求がされた場合の他、排気中における窒素酸化物の含有量が閾置を越えた場合には、排気還流路内の還流排気について、十分な冷却が求められる。このため、これらの場合には、第2ボイラに流入する作動流体の流量よりもバイパス路に流入する作動流体の流量を多くすることで、第3ボイラに流入する作動流体の温度を低下させることが可能となる。これにより、第3ボイラにおいて、排気還流路内の還流排気を十分に冷却することが可能となる。このため、内燃機関における吸気温度が低下し、内燃機関における燃焼温度が低下することから、排気中の窒素酸化物の含有量を低下させることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の廃熱利用装置によれば、ランキンサイクルにおけるエネルギーの回収量の向上を図りつつ、内燃機関の出力の向上が実現可能であるとともに、耐久性を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】実施例の廃熱利用装置を示す模式構造図である。
【図2】実施例の廃熱利用装置に係り、作動流体が第1ボイラを経て第2ボイラに流入する状態を示す模式構造図である。
【図3】実施例の廃熱利用装置に係り、作動流体がバイパス路を経て第3ボイラに流入する状態を示す模式構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を具体化した実施例を図面を参照しつつ説明する。
【0027】
(実施例)
実施例の廃熱利用装置は、車両に搭載され、図1に示すように、車両の駆動系1に用いられている。この廃熱利用装置は、ランキンサイクル3と、バイパス路41と、三方弁43と、制御装置11とを備えている。
【0028】
駆動系1は、内燃機関としてのエンジン5と、過給器としてのターボチャージャ7と、ラジエータ9と、排気管流路としての配管15、16とを有している。
【0029】
エンジン5は、公知の水冷式ディーゼルエンジンである。エンジン5の内部には冷却水が流通可能なウォータジャケット(図示略)が形成されている。エンジン5には、このウォータジャケットとそれぞれ連通する流出口5aと流入口5bとが形成されている。さらに、エンジン5には、排気を排出する排気口5cと、後述する加圧空気を吸入する吸気口5dとが形成されている。
【0030】
ターボチャージャ7及びラジエータ9もそれぞれ公用品が採用されている。ターボチャージャ7は、エンジン5から生じた排気によって作動され、エンジン5に対し、車外の空気を加圧した加圧空気を供給する。また、ラジエータ9には、その内部に冷却水を流入させる流入口9aと、冷却水を流出させる流出口9bとが形成されている。ラジエータ9は、その内部を流通する冷却水と車外の空気との間で熱交換を行う。さらに、ラジエータ9の近傍には、電動ファン9cが設けられている。この電動ファン9cは、制御装置11と電気的に接続されている。
【0031】
エンジン5とターボチャージャ7とは配管13、配管17及び配管18によって接続されている。また、配管17と配管18には後述する第1ボイラ27が接続されている。配管13は内部を排気が流通可能となっており、エンジン5の排気口5cとターボチャージャ7とに接続されている。また、配管17は内部を加圧空気が流通可能となっており、配管18は内部を加圧空気及び還流排気が流通可能となっている。配管17はターボチャージャ7と、第1ボイラ27の第1流入口27aとに接続されている。配管18は第1ボイラ27の第1流出口27bと、エンジン5の吸気口5dとに接続されている。
【0032】
さらに、ターボチャージャ7には、配管14、19の各一端側が接続されている。配管14の他端側は、図示しないマフラと接続されている。配管19の他端側は図示しない車両のエアインテークに開口している。配管14は、ターボチャージャ7を介して配管13と連通している。同様に、配管19は、ターボチャージャ7を介して配管17と連通している。
【0033】
配管15、16は内部を排気の一部である還流排気が流通可能となっている。配管15の一端側は配管13に接続されている。同様に、配管16の一端側は配管18に接続されている。また、配管15の他端側は後述する第3ボイラ29の第5流入口29aに接続されている。配管16の他端側は第3ボイラ29の第5流出口29bに接続されている。さらに、配管15には可変バルブ21が設けられている。この可変バルブ21は制御装置11に電気的に接続されている。配管15、16は還流排気について、第3ボイラ29を経由させつつ配管18に合流させることで、エンジン5の排出口5cから排出された排気の一部を還流排気として吸気口5dからエンジン5内へ還流させる。なお、配管15の一端側は配管14に接続されても良い。この場合、配管16の一端側は配管19に接続される。
【0034】
一方、エンジン5とラジエータ9とは配管23〜25によって接続されている。また、配管23と配管24とには後述する第2ボイラ28が接続されている。配管23〜25は内部を冷却水が流通可能となっている。配管23は、エンジン5の流出口5aと第2ボイラ28の第3流入口28aとに接続されている。配管24は第2ボイラ28の第3流出口28bと、ラジエータ9の流入口9aとに接続されている。配管25は、ラジエータ9の流出口9bと、エンジン5の流入口5bとに接続されている。配管24には、第1電動ポンプP1が設けられている。この第1電動ポンプP1は、制御装置11に電気的に接続されている。なお、第1電動ポンプP1は、配管23又は配管24に設けられても良い。
【0035】
ランキンサイクル3は、第2電動ポンプP2と、第1ボイラ27と、第2ボイラ28と、第3ボイラ29と、膨張機31と、凝縮器33と、配管35〜40とを有している。このランキンサイクル3は、上記のバイパス路41及び三方弁43が一体に組み付けられている。配管35〜40及びバイパス路41には、作動流体としてのHFC134aが流通可能となっている。なお、第2電動ポンプP2及び三方弁43がそれぞれポンプ及び流量調整弁に相当している。
【0036】
第1ボイラ27には、第1流入口27a及び第1流出口27bと、第2流入口27c及び第2流出口27dとが形成されている。また、第1ボイラ27内には、両端側でそれぞれ第1流入口27a及び第1流出口27bと連通する第1通路27eと、両端側でそれぞれ第2流入口27c及び第2流出口27dと連通する第2通路27fとが設けられている。この第1ボイラ27では、第1通路27e内の加圧空気と、第2通路27f内の作動流体との熱交換により、加圧空気の冷却と作動流体の加熱とを行う。なお、第1ボイラ27、第2ボイラ28では熱源(加圧空気及び冷却水)と作動流体とが同一方向に流れるように図示されているが、熱交換をより効率的に行なうために、第3ボイラ29のように双方を異なる方向(対向流)としても良い。
【0037】
第2ボイラ28には、第3流入口28a及び第3流出口28bと、第4流入口28c及び第4流出口28dとが形成されている。また、第2ボイラ28内には、両端側でそれぞれ第3流入口28a及び第3流出口28bと連通する第3通路28eと、両端側でそれぞれ第4流入口28c及び第4流出口28dと連通する第4通路28fとが設けられている。この第2ボイラ28では、第3通路28e内の冷却水と、第4通路23f内の作動流体との熱交換により、冷却水の冷却と作動流体の加熱とを行う。
【0038】
第3ボイラ29には、第5流入口29a及び第5流出口29bと、第6流入口29c及び第6流出口29dとが形成されている。また、第3ボイラ29内には、両端側でそれぞれ第5流入口29a及び第5流出口29bと連通する第5通路29eと、両端側でそれぞれ第6流入口29c及び第6流出口29dと連通する第6通路29fとが設けられている。この第3ボイラ29では、第5通路29e内の還流排気と、第6通路29f内の作動流体との熱交換により、還流排気の冷却と作動流体の加熱とを行う。
【0039】
膨張機31には、その内部に作動流体を流入させる流入口31aと、作動流体を流出させる流出口31bとが形成されている。膨張機31では、第3ボイラ29を経て加熱された作動流体を膨張させることにより回転駆動力を発生させる。この膨張機31には図示しない公知の発電機が接続されている。発電機は膨張機31の駆動力によって発電を行い、図示しないバッテリに電力を充電する。
【0040】
凝縮器33には、その内部に作動流体を流入させる流入口33aと、作動流体を流出させる流出口33bとが形成されている。凝縮器33は、その内部を流通する作動流体と車外の空気との間で熱交換を行い、膨張機31での膨張によって減圧された作動流体を冷却して液化させる。凝縮器33の近傍には電動ファン33cが設けられている。この電動ファン33cは制御装置11に電気的に接続されている。
【0041】
バイパス路41は、その内部に作動流体を流通させることにより、作動流体に第2ボイラ28を迂回させる。三方弁43は、作動流体を第2ボイラ28に全て流入させる場合と、作動流体をバイパス路41に全て流入させる場合とを択一的に切り替え可能な切替弁である。この三方弁43は制御装置11に電気的に接続されている。
【0042】
これらの第1〜3ボイラ27〜29、膨張機31、凝縮器33、バイパス路41及び三方弁43は、配管35〜40によって接続されている。具体的には、凝縮器33の流出口33bと第1ボイラ27の第2流入口27cとは、配管35によって接続されている。第1ボイラ27の第2流出口27dと三方弁43とは、配管36によって接続されている。三方弁43と第2ボイラ28の第4流入口28cとは、配管37によって接続されている。第2ボイラ28の第4流出口28dと第3ボイラ29の第6流入口29cとは、配管38によって接続されている。第3ボイラ29の第6流出口29dと、膨張機31の流入口31aとは、配管39によって接続されている。そして、膨張機31の流出口31bと凝縮器33の流入口33aとは、配管40によって接続されている。また、バイパス路41の一端側は三方弁43と接続されており、その他端側は配管38と接続されている。
【0043】
第2電動ポンプP2は配管35に設けられている。この第2電動ポンプP2を作動させることにより、作動流体は、図2及び図3に示すように、第2電動ポンプP2から第1ボイラ27、第2ボイラ28又はバイパス路41、第3ボイラ29及び膨張機31を経て凝縮器33に至る順で配管35〜40内を循環する。つまり、第1〜3ボイラ27〜29のうち、ランキンサイクル3における作動流体の流通方向において、第1ボイラ27が作動流体の循環方向の最も上流側に位置する。そして、第1ボイラ27の下流に第2ボイラ28が位置し、第3ボイラ29が第2ボイラ28の下流側に位置する。また、バイパス路41は、第3ボイラ29の上流側に位置している。同様に、三方弁43は第1ボイラ27の下流側であって、第2ボイラ28及びバイパス路41の上流側に位置している。
【0044】
図1に示すように、制御装置11は、電動ファン9c、33cの作動制御を行うことで、冷却水又は作動流体が外気に放熱する熱量の調整を行う。また、制御装置11は、第1、2電動ポンプP1、P2の作動制御を行う。さらに、制御装置11は、駆動系1による出力要求等の検出値に基づくマップを記憶しており、このマップによって、可変バルブ21の開閉制御と、三方弁43の切り替え制御とを行う。これにより、制御装置11は調整弁制御手段として機能する。この制御装置11では、上記のような、駆動系1による出力要求に基づくのではなく、排気中における窒素酸化物の含有量が閾置を越えることを直接又は間接的に検知することにより、可変バルブ21の開閉制御と、三方弁43の切り替え制御とを行うことも可能である。
【0045】
このように構成された廃熱利用装置では、車両を駆動させることにより以下のように作動する。
【0046】
図2に示すように、車両が駆動されることにより、駆動系1ではエンジン5が作動する。これにより、排気口5cから排出された排気が配管13内を流通する。この際、制御装置11は可変バルブ21を開制御し、配管13内を流通する排気の一部を配管15内に流入させる(同図の一点鎖線矢印参照)。なお、制御装置11は、駆動系1における出力要求が大きくなるにつれて、排気がより多く配管15内へ流通するように、可変バルブ21の開度を制御する。
【0047】
配管15へ流入せずに配管13を流通する排気は、ターボチャージャ7及び配管14を経てマフラから車外に排出される(同一点鎖線矢印参照)。この際、排気によってターボチャージャ7が作動される。これにより、車外の空気が配管19よりターボチャージャ7に吸引され、圧縮される。この空気は加圧空気として、配管17、第1ボイラ27の第1通路27e及び配管18を経てエンジン5の吸気口5dよりエンジン5内へ吸入される(同図の二点鎖線矢印参照)。
【0048】
一方、配管15に流入した排気、すなわち還流排気は、第3ボイラ29の第5通路29e及び配管16を経て配管18に至り、配管18内の加圧空気とともにエンジン5内へ吸入される。
【0049】
また、制御装置11は、第1、2電動ポンプP1、P2及び電動ファン9c、33cをそれぞれ作動させる。これにより、駆動系1では、エンジン5の冷却を行った冷却水が流出口5aより流出して、配管23、第2ボイラ28の第3通路28e及び配管24を経てラジエータ9の流入口9aよりラジエータ9の内部に至る。そして、ラジエータ9の内部の冷却水は、ラジエータ9の周りの空気と熱交換、すなわち、放熱されて冷却される。この際、制御装置11は電動ファン9cの作動量を適宜変更して、冷却水を好適に放熱させる。放熱されて冷却された冷却水は流出口9bから流出し、配管25を経てエンジン5の流入口5bからエンジン5内に流入してエンジン5の冷却を行う(同図の破線矢印参照)。
【0050】
そして、ランキンサイクル3では、制御装置11が三方弁43の切り替え制御を行う。具体的には、駆動系1による出力要求が所定値を下回る場合には、三方弁43により配管36と配管37とが連通され、配管36、37とバイパス路41とが非連通とされる。
【0051】
これにより、同図の実線矢印に示すように、第2電動ポンプP2によって吐出された作動流体は、配管35を経て第1ボイラ27の第2流入口27cから第2通路27fに至る。そして、作動流体は第1ボイラ27において加圧空気と熱交換される。この際、第1通路27eを流通する加圧空気はターボチャージャ7によって圧縮されることにより約150°C程度の熱を有しているため、第2通路27fを流通する作動流体は高い温度で加熱される。一方、第1通路27eを流通する加圧空気は、第2通路27fを流通する作動流体に対して放熱を行うため、一定程度冷却された状態でエンジン5に至ることとなる。
【0052】
第1ボイラ27において加熱された作動流体は第2流出口27dから流出し、配管36及び配管37を経て第2ボイラ28の第4流入口28cから第4通路28fに至る。そして、作動流体は第2ボイラ28において冷却水と熱交換される。この際、第3通路路28eを流通する冷却水はエンジン5の廃熱によって約80〜90°C程度の熱を有している。また、第4通路28fを流通する作動流体は、第1ボイラ27において既に一定程度加熱された状態にあるため、第2ボイラ28において、より加熱されることとなる。一方、第3通路28eを流通する冷却水は、第4通路28fを流通する作動流体に対して放熱を行うため、一定程度冷却された状態でラジエータ9に至ることとなる。
【0053】
第2ボイラ28において加熱された作動流体は第4流出口28dから流出し、配管38を経て第3ボイラ29の第6流入口29cから第6通路29fに至る。そして、作動流体は第3ボイラ29において還流排気と熱交換される。この際、第5通路29eを流通する還流排気はエンジン5の作動状況により、約500°C程度の熱を有することとなる。このため、第1、2ボイラ27、28において加熱されている作動流体は、第3ボイラ29において十分に加熱されることとなる。一方、第5通路29eを流通する還流排気は、第6通路29fを流通する作動流体に対して放熱を行うため、一定程度冷却された状態で加圧空気とともにエンジン5に還流することとなる。
【0054】
こうして、第1〜3ボイラ27〜29によって十分に加熱されることにより、作動流体は、スーパーヒートの状態又はスーパーヒートに近い状態の高温高圧の状態で第6流出口27dから流出し、配管39を経て膨張機31の流入口31aから膨張機31内へ至る。そして、高温高圧の作動流体は膨張機31内で膨張し、減圧される。この際の圧力エネルギーにより、膨張機31に接続された発電機は発電を行う。
【0055】
膨張機31内で減圧された作動流体は流出口31bから流出し、配管40を経て凝縮器33の流入口33aから凝縮器33内へ至る。凝縮器33の作動流体は、凝縮器33の周りの空気に放熱を行い、冷却される。この際、制御装置11は電動ファン33cの作動量を適宜変更して、作動流体を好適に放熱させて液化させる。冷却された作動流体は流出口33bから流出し、配管35を経て再び第1ボイラ27に至ることとなる。
【0056】
一方、駆動系1による出力要求が所定値以上となった場合、例えば、アクセルの開度が所定値以上となった場合には、制御装置11は、三方弁43の切り替え制御を行う。これにより、図3に示すように、配管36とバイパス路41とが連通され、配管36及びバイパス路41と配管37とが非連通とされる。
【0057】
これにより、同図の実線矢印に示すように、第1ボイラ27を経た作動流体はパイパス路41に流入する。そして、このバイパス路41内の作動流体は、第2ボイラ28を迂回しつつ、配管38から第3ボイラ29の第6通路29fに至る。
【0058】
ここで、バイパス路41を流通した作動流体は、第2ボイラ28における熱交換が行われていないため、上記の図2に示す状態よりも低温の状態で第3ボイラ29に流入することとなる。このため、第3ボイラ29における熱交換では、作動流体は還流排気からより多くの放熱を受けることとなる。この結果、第5通路29c内の還流排気はより冷却されることとなる。
【0059】
第3ボイラ29によって加熱された作動流体は、第6流出口29dから流出し、図2に示す場合と同様、膨張機31によって膨張及び減圧された後、凝縮器33によって放熱されることとなる。
【0060】
このように、この廃熱利用装置におけるランキンサイクル3では、第1〜3ボイラ27〜29における熱交換により、作動流体を加熱できるとともに、作動流体によって、加圧空気、冷却水及び還流排気をそれぞれ冷却することが可能である。
【0061】
これらの第1〜3ボイラ27〜29のうち、第3ボイラ29では、約500°C程度の温度となった還流排気と作動流体とが熱交換されるため、作動流体は第3ボイラ29によって十分に加熱される。また、図2に示すように、ランキンサイクル3において、第1〜3ボイラ27〜29のうち、第1ボイラ27が作動流体の循環方向の最も上流側に位置するため、第1ボイラ27に流入する作動流体の温度が最も低い状態となっている。これにより、加圧空気を好適に冷却することが可能となり、加圧空気の密度が増大することで、より多くの加圧空気をエンジン5に供給することが可能となっている。このため、エンジン5の出力をより向上させることが可能となっている。
【0062】
特に、この廃熱利用装置では、排気還流路としての配管15、16がそれぞれ配管13及び配管18に接続されている。このため、この廃熱利用装置では、冷却された還流排気を還流してエンジン5に吸気させることが可能となっている。この際、第3ボイラ29における熱交換による冷却で配管16及び配管18内を流通する還流排気の密度が増大することから、これらの配管16及び配管18内の還流排気はエンジン5に好適に還流されることとなる。このように冷却された還流排気をエンジン5に還流させることで、この廃熱利用装置では、最終的に配管14及びマフラを経て大気中に放出された際の排気中における窒素酸化物の含有量を十分に低減させることも可能となっている。
【0063】
また、駆動系1における出力要求等のいくつかの検出値を用いたマップ制御により可変バルブ21が開制御されるため、特定の条件下ではエンジン5に還流される還流排気の量が大きくなる場合がある。この際には、第5通路29eを流通する還流排気の流量が多くなるとともに、第3ボイラ29における熱交換により、これらの還流排気を好適に冷却させて還流させることが求められる。このため、第3ボイラ29に流入する作動流体の温度を可及的に低下させることが必要となる。
【0064】
ここで、上記のように、ランキンサイクル3において、作動流体の循環方向で第1ボイラ27、第2ボイラ28、第3ボイラ29の順に位置させた場合、第2ボイラ28における熱交換によって作動流体が加熱された結果、第3ボイラ29に流入する作動流体の温度が高くなってしまう。
【0065】
このため、この廃熱利用装置では、駆動系1における出力要求が高くなり、出力要求が所定値を超えた場合、図3に示すように、バイパス路41作動流体を全て流入させることにより、作動流体について、第2ボイラ28を迂回させることが可能となっている。
【0066】
こうして、この廃熱利用装置では、作動流体に対し、第2ボイラ28における熱交換を回避させることで、第3ボイラ29に流入する作動流体の温度を低下させることが可能となっている。これにより、この廃熱利用装置では、第3ボイラ29において、第5通路29e内の還流排気を十分に冷却することが可能となっている。このため、この廃熱利用装置では、駆動系1において、低燃費を狙い、その出力を低回転で実現するために空気密度を上げるとともに、排気中に含まれる窒素酸化物を十分に低減させることが可能となっている。
【0067】
ここで、このように、作動流体について、第2ボイラ28を迂回させることにより、第2ボイラ28における熱交換によって、第3通路28e内の冷却水を冷却できなくなる。このため、このような場合には、制御装置11が電動ファン9cの作動量を大きくすることで、ラジエータ9における冷却水の放熱量を多くさせる。これにより、この廃熱利用装置では、駆動系1における出力要求が所定値を超えた状態であっても、エンジン5を好適に冷却させることが可能となる。また、第2ボイラ28における熱交換が行われていない状態であっても、上記のように第5通路29e内の還流排気は非常に高温であることから、第3ボイラ29において作動流体は十分に加熱されることとなる。
【0068】
そして、これらのように、作動流体について、第2ボイラ28を迂回させる場合であっても、第2ボイラ28を迂回さない場合(図2参照)であっても、この廃熱利用装置では、第3ボイラ29が作動流体の循環方向の最も下流側に位置する。このため、この廃熱利用装置では、第3ボイラ29によって加熱された作動流体が他の第1、2ボイラ27、28において放熱されることがない。このため、この廃熱利用装置では、膨張機31に流入する作動流体をスーパーヒートの状態又はスーパーヒートに近い状態とすることが可能となる。このため、膨張機31における作動流体の膨張及び減圧時によって生じる圧力エネルギーを大きくすることが可能となっている。また、このように作動流体が十分に加熱された状態であることから、この廃熱利用装置では、膨張機31内で作動流体が気化された状態を保ち、膨張機31内で液化することも防止されている。これらのため、この廃熱利用装置では、ランキンサイクル3において回収可能な電力の量が多くなるとともに、液バック現象が抑制されて膨張機31も損傷し難くなっている。なお、第1〜3ボイラ27〜29での蒸発圧力を低くすれば、比較的低温の熱源(加圧空気、冷却水及び還流排気)でもスーパーヒートを確保することはできるが、その場合は膨張機31での回収エネルギーが低下してしまう。この点、この廃熱利用装置によれば、蒸発圧力の低下を伴うことなく作動流体のスーパーヒートを確保することができる。
【0069】
したがって、この廃熱利用装置によれば、ランキンサイクル3における電力の回収量の向上を図りつつ、エンジン5の出力の向上が実現可能であるとともに、耐久性を高くすることができる。
【0070】
特に、この廃熱利用装置では、駆動系1における所定値以上の出力要求に基づいて、制御装置11が三方弁43の切り替え制御を行うため、ランキンサイクル3における電力の回収量の向上と、エンジン5の出力の向上とを両立させ易くなっている。
【0071】
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0072】
例えば、三方弁43に替えて、第2ボイラ28に流入する作動流体の割合と、バイパス路41に流入する作動流体の割合とを任意に変更可能な流量調整弁を採用しても良い。この場合、第2ボイラ28を経た作動流体と、バイパス路41を経た作動流体とが配管38において合流した後、第3ボイラ29に流入することとなる。この際、第2ボイラ28において加熱された作動流体の割合により、第3ボイラ29に流入する作動流体の温度を調節することが可能となる。これにより、駆動系1における出力要求に応じて、エンジン5に還流される還流排気の温度をより適切な状態とすることが可能となる。
【0073】
さらに、配管40には、公知のレシーバを設けても良い。この場合、レシーバにより作動流体が好適に液化されるため、凝縮器33を経た作動流体は、第2電動ポンプP2によって好適に吐出されて、配管35〜40やバイパス路41を好適に循環することとなる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は車両等に利用可能である。
【符号の説明】
【0075】
1…駆動系
3…ランキンサイクル
5…エンジン(内燃機関)
7…ターボチャージャ(過給器)
11…制御装置(調整弁制御手段)
15、16…配管(排気還流路)
27…第1ボイラ
28…第2ボイラ
29…第3ボイラ
31…膨張機
33…凝縮器
35〜40…配管
41…パイパス路
43…三方弁(流量調整弁)
P2…第2電動ポンプ(ポンプ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関と、該内燃機関に対して加圧空気を供給する過給器と、該内燃機関で生じた排気の一部を還流排気として前記内燃機関に還流させる排気還流路とを有する駆動系に用いられ、ボイラを有して作動流体を循環させるランキンサイクルを備えた廃熱利用装置であって、
前記ボイラは、前記加圧空気との間で熱交換を行う第1ボイラと、前記内燃機関に対する冷却水との間で熱交換を行う第2ボイラと、前記還流排気との間で熱交換を行う第3ボイラとを有し、
該第3ボイラは、該第1ボイラよりも前記作動流体の循環方向の下流側に位置していることを特徴とする廃熱利用装置。
【請求項2】
前記ランキンサイクルは、ポンプと、前記第1ボイラと、前記第2ボイラと、前記第3ボイラと、膨張機と、凝縮器と、該ポンプから該第1ボイラ、該第2ボイラ、該第3ボイラ及び該膨張機を経て該凝縮器に前記作動流体を循環させる配管とを有している請求項1記載の廃熱利用装置。
【請求項3】
前記第1ボイラの下流で該配管から分岐し、該第2ボイラを迂回して該配管に合流するバイパス路と、該第2ボイラに流入する前記作動流体の流量と該バイパス路に流入する該作動流体の流量とを調整可能な流量調整弁と、
該流量調整弁を制御する調整弁制御手段とを備えている請求項2記載の廃熱利用装置。
【請求項4】
前記調整弁制御手段は、前記駆動系における出力要求、又は前記排気中における窒素酸化物の含有量に応じて前記流量調整弁を制御する請求項3記載の廃熱利用装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−68137(P2013−68137A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206669(P2011−206669)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【Fターム(参考)】