説明

建物ユニットの組立装置

【課題】 建物ユニットの組立装置において、柱を床フレームの端部だけでなく中間部にも接合可能とすること。
【解決手段】 建物ユニット1A(1B、1C)の組立装置10において、左右の組立台12A、12Bのうちで床フレーム3の搬入側に位置する組立台12Aに床フレーム3を通過可能とするトンネル部32を設けたもの。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は建物ユニットの組立装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建物ユニットの組立装置として、特公平1-34743号公報に記載のものがある。この従来技術は、床フレームが搬入される組立作業エリアの両側に、旋回扉状の柱供給支持装置を設け、柱供給支持装置が支持して供給する柱を床フレームの両端部(四隅)に立設するように接合するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技術には以下の問題点がある。
■柱の床フレームへの接合位置が床フレームの両端部だけに限定される。従って、床フレームの中間部に柱を立てることができない。
【0004】■柱を床フレームに供給する柱供給支持装置を旋回扉状としているから、柱供給支持装置の柱受取位置から柱接合位置への旋回の回転モーメントが大きく、その停止位置精度が不安定となる。このため、柱供給支持装置による柱の床フレームに対する位置決め精度の向上に困難がある。
【0005】本発明の課題は、建物ユニットの組立装置において、柱を床フレームの端部だけでなく中間部にも接合可能とすることにある。
【0006】また、本発明の課題は、柱供給支持治具により柱を床フレームの柱接合位置に位置付ける位置決め精度を向上することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明は、床フレームに左右の柱を接合してなる建物ユニットの組立装置において、床フレームを組立作業エリアに搬入する床フレーム搬入装置と、組立作業エリアの左右に設置される左右の組立台と、左右の組立台に設けた柱供給支持治具と、左右の組立台の柱供給支持治具に柱を搬入する柱搬入装置と、左右の柱を床フレームに接合する左右の接合装置とを有してなり、左右の組立台のうちで床フレームの搬入側に位置する組立台に床フレームを通過可能とするトンネル部を設け、床フレーム搬入装置により組立作業エリアに搬入された床フレームの柱接合位置に対し、柱搬入装置が左右の組立台の柱供給支持治具に供給した左右の柱を位置付け、これら左右の柱を左右の接合装置により床フレームに接合してなるようにしたものである。
【0008】請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の本発明において更に、前記組立台に設けた柱供給支持治具が、該組立台に設けたオーバーハングレールに沿って組立作業エリアの内外に移動でき、柱搬入装置が搬入する柱を組立作業エリア外で受取り、組立作業エリア内に導入可能としてなるようにしたものである。
【0009】請求項3に記載の本発明は、請求項1に記載の本発明において更に、前記柱を床フレームの柱接合金具の孔に挿入して接合するに際し、組立作業エリアに柱挿入ガイド装置を設けてなり、柱挿入ガイド装置はガイドを床フレームの柱接合金具の孔に貫通して柱下端の孔に係入して、該ガイドを柱とともに下降し、該柱を床フレームの柱接合金具の孔に挿入せしめるようにしたものである。
【0010】
【作用】請求項1の本発明によれば下記■の作用がある。
■左右の組立台のうちで少なくとも、床フレームの搬入側に位置する組立台に床フレームを通過可能とするトンネル部を設けた。そして、柱は組立台の柱供給支持治具に支持した状態で床フレームの柱接合位置に位置付け、接合するものである。従って、床フレームの一部を未だ組立台のトンネル部に留置した状態では、当該組立台の柱供給支持治具が支持する柱は床フレームの中間部に位置付けられるものとなり、床フレームの中間部を柱接合位置とする場合にも該柱を該柱接合位置に接合できる。
【0011】請求項2の本発明によれば下記■の作用がある。
■柱を組立作業エリア外から組立作業エリア内に導入する柱供給支持治具が、組立台に設けたオーバーハングレールに沿って直線移動するものになっている。従って、柱供給支持治具は旋回運動がないだけ、停止位置精度を向上でき、柱供給支持治具による柱の床フレームに対する位置決め精度を向上できる。
【0012】請求項3の本発明によれば下記■の作用がある。
■柱を床フレームの柱接合金具の孔に挿入して接合するに際し、柱挿入ガイド装置を用い、ガイドを床フレームの柱接合金具の孔に貫通して柱の下端の孔に係入して該ガイドを柱とともに下降し、該柱を床フレームの柱接合金具の孔に挿入せしめることとした。従って、柱と床フレームの柱接合金具の孔との間に大きな隙間を用意することなく、柱と柱接合金具の中心を位置決め可能とし柱の挿入を迅速容易化できる。そして、柱の下端部、或いは床フレームの柱接合金具の孔の開口部に大きな柱挿入用面取りを設ける必要がなく、柱の挿入後の柱と床フレームの溶接等の接合も安定化できる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は第1実施形態の組立装置を示す平面図、図2は組立台を示し、(A)は標準建物ユニット組立状態を示す側面図、(B)は特殊建物ユニット組立状態を示す側面図、図3は柱搬入装置を示す側面図、図4は柱挿入ガイド装置を示し、(A)は側面図、(B)は平面図、(C)は要部拡大図、図5は標準建物ユニットを示す側面図、図6は特殊建物ユニットを示す斜視図、図7は特殊建物ユニットの他の例を示す斜視図、図8は第2実施形態の組立装置を示す平面図、図9は組立台を示す側面図、図10は柱搬入装置を示す側面図である。
【0014】(第1実施形態)(図1〜図7)
組立装置10は、図5に示す如くの標準建物ユニット1Aを組立てるため、左右各2本の柱2A、2Bを床フレーム3に接合するものである。ここで、標準建物ユニット1Aは、4本の床梁4を矩形状に枠組してなる床フレーム3のコーナー部である柱接合部に柱接合金具である孔状ダイヤフラム5を溶接し、柱2A、2Bをダイヤフラム5に挿入し、柱2A、2Bの任意の高さ位置にダイヤフラム5を溶接し、天井梁を有さずに構成したものである。標準建物ユニット1Aは、左右方向(X方向)長さ寸法を例えば1800〜6700mm、前後方向(Y方向)幅寸法を例えば1200〜2800mmとし、床フレーム3の両端部だけでなく中間部にも柱2A、2Bを立て得るようになっている。
【0015】組立装置10は、図1に示す如く、床フレーム搬入装置11と、左右の組立台12A、12Bと、左右の柱供給支持治具13A、13Bと、柱搬入装置14と、左右の接合装置15A、15Bと、ユニット搬出装置16とを有して構成されている。
【0016】床フレーム搬入装置11は、図1に示す如く、床フレーム3を左方から右方へ(X方向)移動して組立作業エリア17に搬入するものであり、組立作業エリア17に入るまでの床フレーム3を移動するローラーコンベヤ21と、組立作業エリア17の内部で床フレーム3を移動調整可能とする移動ローラーコンベヤ22とからなる。本実施形態では、床フレーム搬入装置11は、床フレーム3をX方向に移動して組立作業エリア17に搬入し、床フレーム3の送り方向進み側の1つのコーナー部である柱接合部A(図1)を基準柱接合位置に位置付け、移動ローラーコンベヤ22の下方の支持台23をコンベヤ22の上方に上昇させ、該床フレーム3をこの支持台23により安定的に支持する状態で、不図示のロック手段により固定保持し、この床フレーム3への柱2A、2Bの組立接合作業を行なう。
【0017】左右の組立台12A、12Bは組立作業エリア17の左右に設置される(図1、図2)。本実施形態では、左組立台12Aは床上レール31に載架され、サーボモータ等により左右(X)に移動可能とされている。他方、右組立台12Bは床上に固定されている。そして、床フレーム3の搬入側に位置する左組立台12Aは、床フレーム3を通過可能とするトンネル部32(図2R>2)を備える。
【0018】左組立台12Aには左側の2本の柱2Aのための2個の柱供給支持治具13Aを、右組立台12Bには右側の2本の柱2Bのための2個の柱供給支持治具13Bを備える。本実施形態では、組立台12Aに設けた柱供給支持治具13A(組立台12Bに設けた柱供給支持治具13Bも同じ)は、図1に示す如く、組立台12Aに設けてY方向に延在しているオーバーハングレール41A(41B)に沿って組立作業エリア17の内外に移動でき、柱搬入装置14が搬入する柱2A(2B)を組立作業エリア17の外で受取り、組立作業エリア17の中に導入し、柱2A(2B)を床フレーム3の柱接合位置に位置付ける。このとき、柱供給支持治具13A(13Bも同じ)は、組立台12Aのオーバーハングレール41A(12Bの41B)に設けた横行レール42に載架されてサーボモータ等によりY方向に横行可能とされる横行台43と、横行台43の昇降レール44に結合されてサーボモータ等により昇降可能とされる昇降台45とからなり、昇降台45に柱2A(2B)のためのチャック46を備えている(図4)。
【0019】柱搬入装置14は、図1に示す如く、柱ストックコンベヤ51から送り出される柱2A、2Bの左右の勝手違いをターンテーブル52の旋回により振り替え調整され、オーバーヘッドキャリア53により左右の倒立機54に搬入される。倒立機54は、図3に示す如く、シリンダ55により伏せ位置と起立位置との間を90度転回可能とされ、この伏せ位置でオーバーヘッドキャリア53からチャック56に受取った柱2A、2Bを起立させ、この柱2A、2Bをそのチャック56から、起立位置に待機している柱供給支持治具13A、13Bのチャック46に受け渡す。
【0020】左右の接合装置15A、15Bは、図1に示す如く、左右の組立台12A、12Bのそれぞれに搭載した溶接ロボット61により構成され、左右の柱2A、2Bを床フレーム3の接合位置(ダイヤフラム5)に溶接する。
【0021】ユニット搬出装置16は、図1に示す如く、左右の柱2A、2Bを床フレーム3に接合されて構築された建物ユニット1を下工程へと搬出する。ユニット搬出装置16は、組立作業エリア17の内部で建物ユニット1AをY方向に移動するスラストコンベヤ71と、スラストコンベヤ71から出た建物ユニット1AをY方向に移動するチェーンコンベヤ72と、この建物ユニット1Aを更にX方向に移動するローラーコンベヤ73とからなる。
【0022】更に、組立装置10は、組立台12A、12Bの柱供給支持治具13A、13Bのそれぞれに対応する柱挿入ガイド装置80を備えている。柱挿入ガイド装置80は、図4に示す如く、床フレーム搬入装置11により組立作業エリア17に位置付けられた床フレーム3の柱接合位置(ダイヤフラム5)に合致するように組立作業エリア17の移動ローラーコンベヤ22の下方に配置される。そして、柱挿入ガイド装置80は、シリンダ81により駆動されるガイドコーン82を、床フレーム3の柱接合位置であるダイヤフラム5の孔83に貫通し、柱2A(2B)の下端の孔84に係止して芯を出した状態で(図4(C))、ガイドコーン82を柱2A(2B)(柱供給支持治具13A、13Bの昇降台45)とともに下降し、結果として、柱2A(2B)を床フレーム3のダイヤフラム5の孔83に挿入可能とする。
【0023】以下、組立装置10により図5の標準建物ユニット1Aを組立てる手順について説明する。
(1) 床フレーム搬入装置11により床フレーム3を移動し、組立台12Aのトンネル部32に通過させて組立作業エリア17に搬入する。床フレーム3の1つのコーナー部である柱接合部Aを基準柱接合位置に位置付け(図1R>1)、これにより残る3つのコーナー部の柱接合部もそれらの柱接合位置のそれぞれに位置付けられることとなる状態で、該床フレーム3をロック手段により固定保持する。
【0024】(2) 柱搬入装置14の左右の倒立機54が供給する柱2A、2Bを、組立台12A、12Bのオーバーハングレール41A、41B上で待機している左右の柱供給支持治具13A、13Bのチャック46に供給して支持する。
【0025】(3) 左右の組立台12A、12Bの柱供給支持治具13A、13Bが支持する柱2A、2Bをオーバーハングレール41A、41Bに沿って組立作業エリア17の内部に導入する。組立台12Aの組立台12Bに対するX方向位置を調整し、組立台12Aの柱供給支持治具13Aが支持する柱2Aと、組立台12Bの柱供給支持治具13Bが支持する柱2Bの設置間隔を建物ユニット1Aの長さ寸法に対応せしめる。組立台12Aの側で2個の柱供給支持治具13Aの間隔を調整し、2個の柱供給支持治具13Aが支持する2個の柱2Aの間隔と、2個の柱供給支持治具13Bが支持する2個の柱2Bの間隔をそれぞれ建物ユニット1Aの幅寸法に対応せしめる。これにより、左右の柱供給支持治具13A、13Bが支持する全4本の柱2A、2Bが床フレーム3の全4個の柱接合位置に合致せしめられるものとなる。
【0026】(4) 左右の柱供給支持治具13A、13Bのチャック46は上述(2) 、(3) では柱2A、2Bをソフトクランプし、外力により柱2A、2Bが動ける状態としている。上述(3) の後、床フレーム3の各柱接合位置(ダイヤフラム5)に対応する柱挿入ガイド装置80のそれぞれを駆動し、それらのガイドコーン82を床フレーム3のダイヤフラム5の孔83に貫通し、柱2A(2B)の下端の孔84に係入し、結果として、柱2A(2B)をガイドコーン82に同芯化せしめる。この状態で、ガイドコーン82を柱2A(2B)(柱供給支持治具13A、13Bの昇降台45)とともに下降し、結果として、柱2A(2B)を床フレーム3のダイヤフラム5の孔83に挿入可能とする。柱2A(2B)の床フレーム3のダイヤフラム5への挿入完了後、チャック46による柱2A(2B)のクランプ状態をハードクランプとし、柱2A(2B)を床フレーム3の各柱接合位置に対する正規対応位置に矯正完了とする。
【0027】(5) 左右の組立台12A、12Bの接合装置15A、15Bの溶接ロボット61により、柱2A、2Bと床フレーム3の各柱接合位置のダイヤフラム5とを溶接接合する。
【0028】次に、組立装置10により図6の特殊建物ユニット1Bを組立てる方法について説明する。特殊建物ユニット1Bが標準建物ユニット1Aと実質的に異なる点は、床フレーム3において床梁4の左側に立てる柱2Aを床梁4の中間部に立てる中柱としたことにある。この特殊建物ユニット1Bの組立時には、標準建物ユニット1Aにおける組立手順(1) 〜(5) のうちの(3) で、左組立台12Aの2組立台12Bに対するX方向位置を調整するに際し、図2(B)に示す如く、床フレーム3の中柱2Aより左側部分を組立台12Aのトンネル部32に挿入する状態とする。これにより、組立台12Aの柱供給支持治具13Aが支持する中柱2Aと組立台12Bの柱供給支持治具13Bが支持する柱2Bの設置間隔を特殊建物ユニット1Bの左右柱間隔に対応せしめる。そして、特殊建物ユニット1Bの組立後には、左組立台12Aを左方向に移動し、組立台12Aのトンネル部32から建物ユニット1Bの床フレーム3の左側部分を出し、該建物ユニット1Bをユニット搬出装置16により搬出可能とする。
【0029】また、組立装置10により図7の特殊建物ユニット1Cを組立てる方法について説明する。特殊建物ユニット1Cが標準建物ユニット1Aと実質的に異なる点は、床フレーム3において床梁4の左右に立てる柱2A、2Bをともに床梁4の中間部に立てる中柱としたことにある。この特殊建物ユニット1Cの組立時には、標準建物ユニット1Aにおける組立手順(1) 〜(5) のうちの(3) で、左組立台12Aの右組立台12Bに対するX方向位置を調整するに際し、床フレーム3の中柱2Aより左側部分を組立台12Aのトンネル部32に、床フレーム3の中柱Bより右側部分を組立台12Bのトンネル部32(この場合には、右組立台12Bにもトンネル部30を設ける)に投入する状態とする。これにより、組立台12Aの柱供給支持治具13Aが支持する中柱2Aと組立台12Bの柱供給支持治具13Bが支持する中柱2Bの設置間隔を特殊建物ユニット1Cの左右柱間隔に対応せしめる。そして、特殊建物ユニット1Cの組立後には、移動ローラーコンベヤ22により組立台12Bのトンネル部32から建物ユニット1Cの床フレーム3の右側部分を出すとともに、左組立台12Aを左方向に移動し、組立台12Aのトンネル部32から建物ユニット1Cの床フレーム3の左側部分を出し、該建物ユニット1Cをユニット搬出装置16により搬出可能とする。
【0030】従って、本実施形態によれば以下の作用がある。
■左右の組立台12A、12Bのうちで少なくとも、床フレーム3の搬入側に位置する組立台12A、12Bに床フレーム3を通過可能とするトンネル部32を設けた。そして、柱2A、2Bは組立台12A、12Bの柱供給支持治具13A、13Bに支持した状態で床フレーム3の柱接合位置に位置付け、接合するものである。従って、床フレーム3の一部を未だ組立台12A、12Bのトンネル部32に留置した状態では、当該組立台12A、12Bの柱供給支持治具13A、13Bが支持する柱2A、2Bは床フレーム3の中間部に位置付けられるものとなり、床フレーム3の中間部を柱接合位置とする場合にも該柱2A、2Bを該柱接合位置に接合できる。
【0031】■柱2A、2Bを組立作業エリア17外から組立作業エリア17内に導入する柱供給支持治具13A、13Bが、組立台12A、12Bに設けたオーバーハングレール41A、41Bに沿って直線移動するものになっている。従って、柱供給支持治具13A、13Bは旋回運動がないだけ、停止位置精度を向上でき、柱供給支持治具13A、13Bによる柱2A、2Bの床フレーム3に対する位置決め精度を向上できる。
【0032】■柱2A、2Bを床フレーム3のダイヤフラム5の孔83に挿入して接合するに際し、柱挿入ガイド装置80を用い、ガイドコーン82を床フレーム3のダイヤフラム5の孔83に貫通して柱2A、2Bの下端の孔84に係入して芯を出した状態で、該ガイドを柱とともに下降し、該柱2A、2Bを床フレーム3のダイヤフラム5の孔83に挿入せしめることとした。従って、柱2A、2Bと床フレーム3のダイヤフラム5の孔83との間に大きな隙間を用意することなく、柱2A、2Bの挿入を迅速容易化できる。そして、柱2A、2Bの下端部、或いは床フレーム3のダイヤフラム5の孔83の開口部に大きな柱挿入用面取りを設ける必要がなく、柱2A、2Bの挿入後の柱2A、2Bと床フレーム3の溶接等の接合も安定化できる。
【0033】(第2実施形態)(図8〜図10)
組立装置100は、組立装置10の変形例であり、組立装置10と実質的に同一機能部材は同一符号を付して説明を省略する。
【0034】組立装置100が組立装置10と実質的に異なる点は、右組立台12Bを、床上レール101に載架してサーボモータ等によりY方向に移動可能とし、これにより、組立後の建物ユニット1A(1B、1C)を組立作業エリア17からそのまま右方向(X方向)に、ユニット搬出装置102により搬出可能としたことにある。尚、ユニット搬出装置102は、右組立台12Bの移動領域ではリフトコンベヤ102Aになっている(図9R>9)。
【0035】組立装置100では、右組立台12Bが組立作業エリア17の側から柱搬入装置14の倒立機54の側に移動できるようになっているから、該組立台12Bが備える柱供給支持治具13Bのために第1実施形態の組立装置10で必要としていたオーバーハングレール41Bを必要としない。但し、右組立台12Aではその柱供給支持具13Aのためのオーバーハングレール41Aを備える。即ち、右組立台12Bは、組立作業エリア17の側から柱搬入装置14の倒立機54の側に位置付けられ、組立済みの建物ユニット1Aを組立作業エリア17からユニット搬出装置102により搬出可能とするとともに、柱搬入装置14の倒立機54が供給する柱2Bをその柱供給支持治具13Bに受取可能とする。そして、右組立台12Bを再び組立作業エリア17の側に位置付けることにより、その柱供給支持治具13Bが支持する柱2Bを組立作業エリア17の内部に導入するものとなる。以後、左右の柱供給支持治具13A、13Bが支持する柱2A、2Bを床フレーム3の柱接合位置(ダイヤフラム5)に合致しせしめ、接合装置15A、15Bの溶接ロボット61によりそれら柱2A、2Bを床フレーム3の全柱接合位置のダイヤフラム5に溶接接合することは、第1実施形態の組立装置10と同様である。
【0036】以上、本発明の実施の形態を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0037】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、建物ユニットの組立装置において、柱を床フレームの端部だけでなく中間部にも接合できる。
【0038】また、本発明によれば、柱供給支持治具により柱を床フレームの柱接合位置に位置付ける位置決め精度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は第1実施形態の組立装置を示す平面図である。
【図2】図2は組立台を示し、(A)は標準建物ユニット組立状態を示す側面図、(B)は特殊建物ユニット組立状態を示す側面図である。
【図3】図3は柱搬入装置を示す側面図である。
【図4】図4は柱挿入ガイド装置を示し、(A)は側面図、(B)は平面図、(C)は要部拡大図である。
【図5】図5は標準建物ユニットを示す側面図である。
【図6】図6は特殊建物ユニットを示す斜視図である。
【図7】図7は特殊建物ユニットの他の例を示す斜視図である。
【図8】図8は第2実施形態の組立装置を示す平面図である。
【図9】図9は組立台を示す側面図である。
【図10】図10は柱搬入装置を示す側面図である。
【符号の説明】
1A、1B、1C 建物ユニット
2A、2B 柱
3 床フレーム
10、100 組立装置
11 床フレーム搬入装置
12A、12B 組立台
13A、13B 柱供給支持治具
14 柱搬入装置
15A、15B 接合装置
17 組立作業エリア
32 トンネル部
41A、41B オーバーハングレール
80 柱挿入ガイド装置
82 ガイドコーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】 床フレームに左右の柱を接合してなる建物ユニットの組立装置において、床フレームを組立作業エリアに搬入する床フレーム搬入装置と、組立作業エリアの左右に設置される左右の組立台と、左右の組立台に設けた柱供給支持治具と、左右の組立台の柱供給支持治具に柱を搬入する柱搬入装置と、左右の柱を床フレームに接合する左右の接合装置とを有してなり、左右の組立台のうちで床フレームの搬入側に位置する組立台に床フレームを通過可能とするトンネル部を設け、床フレーム搬入装置により組立作業エリアに搬入された床フレームの柱接合位置に対し、柱搬入装置が左右の組立台の柱供給支持治具に供給した左右の柱を位置付け、これら左右の柱を左右の接合装置により床フレームに接合してなることを特徴とする建物ユニットの組立装置。
【請求項2】 前記組立台に設けた柱供給支持治具が、該組立台に設けたオーバーハングレールに沿って組立作業エリアの内外に移動でき、柱搬入装置が搬入する柱を組立作業エリア外で受取り、組立作業エリア内に導入可能としてなる請求項1記載の建物ユニットの組立装置。
【請求項3】 前記柱を床フレームの柱接合金具の孔に挿入して接合するに際し、組立作業エリアに柱挿入ガイド装置を設けてなり、柱挿入ガイド装置はガイドを床フレームの柱接合金具の孔に貫通して柱下端の孔に係入して、該ガイドを柱とともに下降し、該柱を床フレームの柱接合金具の孔に挿入せしめる請求項1又は2記載の建物ユニットの組立装置。

【図1】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図10】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2000−291150(P2000−291150A)
【公開日】平成12年10月17日(2000.10.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−97800
【出願日】平成11年4月5日(1999.4.5)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】