説明

建物構造とその建造方法

【課題】 簡易な構成で音響の伝搬を抑制できる建物の基礎床と天井の間に設けられる建物構造とその建物構造の建造方法を提供する。
【解決手段】
従来の建物構造に変わって、二重床と支持脚と間仕切り壁と密閉構造と、を備え、前記間仕切り壁の下端が前記床パネルの上面に接合され、前記密閉構造が前記間仕切り壁に沿って1対の側部を上下方向を向く様に配置された長尺の板材であって一方の側部を前記二重床と基礎床との一方に固定され他方の側部を前記二重床と基礎床との他方に向けた密閉用板材と前記間仕切り壁に沿って前記二重床と基礎床との他方に敷かれる様に配置された弾性または弾塑性のうちの一方を持つマット状部材である密閉用マット部材とを有し、前記密閉用板材の他方の側部が前記密閉用マット部材を前記間仕切り壁に沿って略隙間なく押し潰す、ものとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の基礎床と天井の間に設けられる建物構造とその建物構造を建造する建造方法に係る。
【背景技術】
【0002】
近年、建物の床構造を二重床とすることがある。
二重床をもつ建物構造を建造する方法には、壁先行工法と床先行工法とがある。
壁先行工法では、間仕切り壁を施工した後で、室内空間の床毎に二重床を施工する。
床先行工法では、複数の室内空間の床を形成する二重床を施工した後で、間仕切り壁を施工する。
二重床は、支持脚で基礎床の上面との間に所定の高さを持った隙間を設ける。
支持脚は、基礎床に接する個所にゴムブッシュ等を持つ。
ゴムブッシュは、二重床に発生した振動を基礎床に伝達することを抑制できる機能を有する。
この形態の音響伝搬を固体伝搬により音響伝搬という。
二重床に乗せた家具等の重さにより、ゴムブッシュは圧縮され支持脚はその重さに応じて僅かに縮む。
壁先行工法は、従来工法であり、床の施工を狭い室内空間で行わねばならず、一旦施工された後で間仕切り壁の設置位置を変更することが困難であるといった不具合があった。
そこで、床先行工法の確立が望まれていた。
【0003】
トイレ、ユニットバス等が、建物の室内空間に設置される。
床先行工法では、間仕切り壁の下端が二重床の上面に固定される。
ユニットバスを収納する室内空間では、水配管等の配置の関係から二重床を設けず、ユニットバスが基礎床に直接に設置される。
そこで、ユニットバス等の収納機器を収納する室内空間を囲う輪郭をもつ切欠き穴が二入床を構成する床パネルに設けられる。
そのため、ユニットバスの設けられた室内空間と隣接する室内空間の二重床と基礎床とで挟まれた床下空間とが連通する。
トイレを収納する室内空間では、二重床と基礎床との隙間に排水配管系が設けられる。
そこで、トイレを収納する室内空間の二重床と基礎床との隙間と隣接する室内空間の二重床と基礎床との隙間が連通する。
この形態の音響伝搬を、空気伝搬による音響伝搬という。
そのため、例えばユニットバスの中で湯桶等を落とすと、ユニットバスの壁が騒音を放射して、放射された音波が空気伝搬により二重床と基礎床との隙間に回り込み、二重床から室内空間に音響放射するという現象が生ずる。
また、トイレを使用した際の排水配管系から発生する音響が隣接する室内空間の二重床と基礎床との隙間に回り込み、隣接する室内空間に音響伝搬するという現象が生じる。
この現象を防止するには、上から見て室内空間を囲う輪郭または間仕切り壁に沿って床パネルと基礎床との隙間を密閉することが考えられる。
仮に、室内空間を囲う輪郭または間仕切り壁に沿って床パネルと基礎床との隙間に詰め物を詰める場合、詰め物の密度が低いと収納空間で発生した音波は遮られることなく室内空間に伝搬する。一方、詰め物の密度が高いと支持脚の動きを抑止し二重床から支持脚を通して基礎床に固体伝搬させてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は以上に述べた問題点に鑑み案出されたもので、簡易な構成で音響の伝搬を抑制できる建物の基礎床と天井の間に設けられる建物構造とその建物構造の建造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明に係る建物の基礎床と天井の間に設けられる建物構造を、建物の複数の室内空間の床を形成する床パネルと前記室内空間を囲う輪郭に沿って該床パネルに設けられ基礎床に向かって突起し下方に向いた側部を持つ突起部とを有する二重床と、前記床パネルを前記基礎床から所定の高さを持った隙間を設けて支持する支持脚と、前記室内空間を囲う様に前記二重床と天井との間を間仕切る間仕切り壁と、前記間仕切り壁に沿って基礎床に敷かれる様に配置された弾性または弾塑性のうちの一方を持つマット状部材である密閉用マット部材と、を備え、前記間仕切り壁の下端が前記床パネルの上面に接合され、前記突起部の前記側部が前記密閉用マット部材を前記間仕切り壁に沿って略隙間なく押し潰し、前記突起部と前記密閉用マットとが前記間仕切り壁に沿って前記床パネルと基礎床との隙間を密閉する、ものとした。
【0006】
上記本発明の構成により、二重床が、建物の複数の室内空間の床を形成する床パネルと前記室内空間を囲う輪郭に沿って該床パネルに設けられ基礎床に向かって突起し下方に向いた側部を持つ突起部とを有する。支持脚が、前記床パネルを前記基礎床から所定の高さを持った隙間を設けて支持する。間仕切り壁が、前記室内空間を囲う様に前記二重床と天井との間を間仕切る。密閉用マット部材が、前記間仕切り壁に沿って基礎床に敷かれる様に配置された弾性または弾塑性のうちの一方を持つマット状部材である。前記間仕切り壁の下端が前記床パネルの上面に接合される。前記突起部の前記側部が前記密閉用マット部材を前記間仕切り壁に沿って略隙間なく押し潰す。前記突起部と前記密閉用マットとが前記間仕切り壁に沿って前記床パネルと基礎床との隙間を密閉する。
その結果、室内空間で発生した音響が隣接する二重床の下の隙間へ空気伝搬するの抑制し、さらに支持脚が二重床に生じた音響を基礎床に固体伝搬するの抑制するのを妨害しない。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る建物の基礎床と天井の間に設けられる建物構造を、建物の複数の室内空間の床を形成する床パネルを有する二重床と、前記室内空間を囲う輪郭に沿って基礎床の上面に設けられ前記床パネルに向かって突起し上方に向いた側部を持つ突起部と、前記床パネルを前記基礎床から所定の高さを持った隙間を設けて支持する支持脚と、前記室内空間を囲う様に前記二重床と天井との間を間仕切る間仕切り壁と、前記間仕切り壁に沿って前記床パネルの下面に敷かれる様に配置された弾性または弾塑性のうちの一方を持つマット状部材である密閉用マット部材と、を備え、前記間仕切り壁の下端が前記床パネルの上面に接合され、前記突起部の前記側部が前記密閉用マット部材を前記間仕切り壁に沿って略隙間なく押し潰し、前記突起部と前記密閉用マットとが前記間仕切り壁に沿って前記床パネルと基礎床との隙間を密閉する、ものとした。
【0008】
上記本発明の構成により、二重床が、建物の複数の室内空間の床を形成する床パネルを有する。前記床パネルに向かって突起し上方に向いた側部を持つ突起部が、前記室内空間を囲う輪郭に沿って基礎床の上面に設けられる。支持脚が、前記床パネルを前記基礎床から所定の高さを持った隙間を設けて支持する。間仕切り壁が、前記室内空間を囲う様に前記二重床と天井との間を間仕切る。密閉用マット部材が、前記間仕切り壁に沿って前記床パネルの下面に敷かれる様に配置された弾性または弾塑性のうちの一方を持つマット状部材である。前記間仕切り壁の下端が前記床パネルの上面に接合される。前記突起部の前記側部が前記密閉用マット部材を前記間仕切り壁に沿って略隙間なく押し潰す。前記突起部と前記密閉用マットとが前記間仕切り壁に沿って前記床パネルと基礎床との隙間を密閉する。
その結果、室内空間で発生した音響が隣接する二重床の下の隙間へ空気伝搬するの抑制し、さらに支持脚が二重床に生じた音響を基礎床に固体伝搬するの抑制するのを妨害しない。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る建物の基礎床と天井の間に設けられる建物構造を、建物の複数の室内空間の床を形成する床パネルを有する二重床と、前記床パネルを前記基礎床から所定の高さを持った隙間を設けて支持する支持脚と、前記室内空間を囲う様に前記二重床と天井との間を間仕切る間仕切り壁と、前記間仕切り壁に沿って前記床パネルと基礎床との隙間を密閉する密閉構造と、を備え、前記間仕切り壁の下端が前記床パネルの上面に接合され、前記密閉構造が前記間仕切り壁に沿って1対の側部を上下方向を向く様に配置された長尺の板状部材であって一方の側部を前記二重床と基礎床との一方に固定され他方の側部を前記二重床と基礎床との他方に向けた密閉用部材と前記間仕切り壁に沿って前記二重床と基礎床との他方に敷かれる様に配置された弾性または弾塑性のうちの一方を持つマット状部材である密閉用マット部材とを有し、前記密閉用部材の他方の側部が前記密閉用マット部材を前記間仕切り壁に沿って略隙間なく押し潰す、ものとした。
【0010】
上記本発明の構成により、二重床が、建物の複数の室内空間の床を形成する床パネルを有する。支持脚が、前記床パネルを前記基礎床から所定の高さを持った隙間を設けて支持する。間仕切り壁が、前記室内空間を囲う様に前記二重床と天井との間を間仕切る。密閉構造が、前記間仕切り壁に沿って前記床パネルと基礎床との隙間を密閉する。前記間仕切り壁の下端が前記床パネルの上面に接合される。前記密閉構造の密閉用部材が、前記間仕切り壁に沿って1対の側部を上下方向を向く様に配置された長尺の板状部材であって一方の側部を前記二重床と基礎床との一方に固定され他方の側部を前記二重床と基礎床との他方に向ける。前記密閉構造の密閉用マット部材が、前記間仕切り壁に沿って前記二重床と基礎床との他方に敷かれる様に配置された弾性または弾塑性のうちの一方を持つマット状部材である。前記密閉用部材の他方の側部が前記密閉用マット部材を前記間仕切り壁に沿って略隙間なく押し潰す。
その結果、室内空間で発生した音響が隣接する二重床の下の隙間へ空気伝搬するの抑制し、さらに支持脚が二重床に生じた音響を基礎床に固体伝搬するの抑制するのを妨害しない。
【0011】
以下に、本発明の実施形態に係る建物構造を説明する。本発明は、以下に記載した実施形態のいずれか、またはそれらの中の二つ以上が組み合わされた態様を含む。
【0012】
本発明の実施形態に係る建物構造は、前記密閉用マット部材の押し潰された箇所での縦弾性係数が前記二重床を室内空間を囲う輪郭に沿って支える前記支持脚の弾性部の縦弾性係数より小さくてもよい。
この様にすると、支持脚の固体伝搬を抑制する機能が阻害されない。
【0013】
本発明の実施形態に係る建物構造は、前記密閉用マット部材の押し潰された側の面の全領域は前記間仕切り壁に沿って前記密閉用部材に押し潰された領域である押潰し領域と前記押潰し領域を挟む様に位置し少なくとも片方に縁部において自由状態での厚みをほぼ保持できるのに十分な幅寸法を持った領域である1対の自由状態領域とを持つ。
上記の実施形態の構成により、前記密閉用マット部材の押し潰された側の面の全領域は押し潰し領域と1対の自由状態領域とを持つ。前記押し潰し領域が前記間仕切り壁に沿って前記密閉用部材に押し潰された領域である。少なくとも片方の前記自由状態領域が前記押潰し領域を挟む様に位置し縁部において自由状態での厚みをほぼ保持できるのに十分な幅寸法を持った領域である。
その結果、室内空間で発生した音響が前記密閉用マット部材の前記押し潰し領域を挟む一方の端部から押し潰された箇所を通過して他方の端部へ空気伝搬する過程で大きく減衰され、音響の空気伝搬を効率良く抑制できる。
【0014】
建物の収納機器が前記室内空間の中で基礎床に直接に支持され、前記床パネルが前記収納機器を収納する前記室内空間を囲う輪郭をもつ切欠き穴を設けられ、前記密閉用部材が前記輪郭に倣う様に固定される、
上記の実施形態の構成により、建物の収納機器が前記室内空間の中で基礎床に直接に支持される。前記床パネルが前記収納機器を収納する前記室内空間を囲う輪郭をもつ切欠き穴を設けられる。前記密閉用部材が前記輪郭に倣う様に固定される。
その結果、収納機器から発した音響が室内空間から二重床と基礎床との隙間に伝搬するのを抑制できる。
【0015】
上記目的を達成するため、本発明に係る建物の基礎床と天井の間に設けられる建物構造を建造する建造方法を、支持脚に支持される二重床を施工する床施工工程と、前記室内空間を囲う様に前記二重床と天井との間を間仕切る間仕切り壁を施工する間仕切り壁施工工程と、前記間仕切り壁に沿って基礎床に敷かれる様に配置された弾性または弾塑性のうちの一方を持つマット状部材である密閉用マット部材を施工する密閉工程と、を備え、前記二重床が建物の複数の室内空間の床を形成する床パネルと前記室内空間を囲う輪郭に沿って該床パネルに設けられ基礎床に向かって突起し下方に向いた側部を持つ突起部とを有し、前記支持脚が前記床パネルを前記基礎床から所定の高さを持った隙間を設けて支持し、前記間仕切り壁の下端が前記床パネルの上面に接合され、前記突起部の前記側部が前記密閉用マット部材を前記間仕切り壁に沿って略隙間なく押し潰し、前記突起部と前記密閉用マットとが前記間仕切り壁に沿って前記床パネルと基礎床との隙間を密閉する、ものとした。
【0016】
上記本発明の構成により、支持脚に支持される二重床を施工する。前記室内空間を囲う様に前記二重床と天井との間を間仕切る間仕切り壁を施工する。前記間仕切り壁に沿って基礎床に敷かれる様に配置された弾性または弾塑性のうちの一方を持つマット状部材である密閉用マット部材を施工する。前記二重床が建物の複数の室内空間の床を形成する床パネルと前記室内空間を囲う輪郭に沿って該床パネルに設けられ基礎床に向かって突起し下方に向いた側部を持つ突起部とを有する。前記支持脚が前記床パネルを前記基礎床から所定の高さを持った隙間を設けて支持する。前記間仕切り壁の下端が前記床パネルの上面に接合される。前記突起部の前記側部が前記密閉用マット部材を前記間仕切り壁に沿って略隙間なく押し潰す。前記突起部と前記密閉用マットとが前記間仕切り壁に沿って前記床パネルと基礎床との隙間を密閉する。
その結果、室内空間で発生した音響が隣接する二重床の下の隙間へ空気伝搬するの抑制し、支持脚が二重床に生じた音響を基礎床に固体伝搬するの抑制するのを妨害しない。
【0017】
上記目的を達成するため、本発明に係る建物の基礎床と天井の間に設けられる建物構造を建造する建造方法を、支持脚に支持される二重床を施工する床施工工程と、前記室内空間を囲う様に前記二重床と天井との間を間仕切る間仕切り壁を施工する間仕切り壁施工工程と、前記間仕切り壁に沿って前記二重床の下面に敷かれる様に配置された弾性または弾塑性のうちの一方を持つマット状部材である密閉用マット部材を施工する密閉工程と、を備え、前記二重床が建物の複数の室内空間の床を形成する床パネルを有し、前記室内空間を囲う輪郭に沿って基礎床の上面に設けられ前記床パネルに向かって突起し上方に向いた側部を持つ突起部を設けられ、前記支持脚が前記床パネルを前記基礎床から所定の高さを持った隙間を設けて支持し、前記間仕切り壁の下端が前記床パネルの上面に接合され、前記突起部の前記側部が前記密閉用マット部材を前記間仕切り壁に沿って略隙間なく押し潰し、前記突起部と前記密閉用マットとが前記間仕切り壁に沿って前記床パネルと基礎床との隙間を密閉する、ものとした。
【0018】
上記本発明の構成により、支持脚に支持される二重床を施工する。前記室内空間を囲う様に前記二重床と天井との間を間仕切る間仕切り壁を施工する。前記間仕切り壁に沿って前記二重床の下面に敷かれる様に配置された弾性または弾塑性のうちの一方を持つマット状部材である密閉用マット部材を施工する。前記二重床が建物の複数の室内空間の床を形成する床パネルを有する。前記床パネルに向かって突起し上方に向いた側部を持つ突起部が、前記室内空間を囲う輪郭に沿って基礎床の上面に設けられる。前記支持脚が前記床パネルを前記基礎床から所定の高さを持った隙間を設けて支持する。前記間仕切り壁の下端が前記床パネルの上面に接合される。前記突起部の前記側部が前記密閉用マット部材を前記間仕切り壁に沿って略隙間なく押し潰す。前記突起部と前記密閉用マットとが前記間仕切り壁に沿って前記床パネルと基礎床との隙間を密閉する。
その結果、室内空間で発生した音響が隣接する二重床の下の隙間へ空気伝搬するの抑制し、支持脚が二重床に生じた音響を基礎床に固体伝搬するの抑制するのを妨害しない。
【0019】
上記目的を達成するため、本発明に係る建物の基礎床と天井の間に設けられる建物構造を建造する建造方法を、支持脚に支持される二重床を施工する床施工工程と、室内空間を囲う様に前記二重床と天井との間を間仕切る間仕切り壁を施工する間仕切り壁施工工程と、前記間仕切り壁に沿って前記二重床と基礎床との隙間を密閉する密閉構造を施工する密閉工程と、を備え、前記二重床が建物の複数の前記室内空間の床を形成する前記床パネルを有し、前記支持脚が前記床パネルを前記基礎床から所定の高さを持った隙間を設けて支持し、前記間仕切り壁の下端が前記床パネルの上面に接合され、前記密閉構造が前記間仕切り壁に沿って1対の側部を上下方向を向く様に配置された長尺の板状部材であって一方の側部を前記二重床と基礎床との一方に固定され他方の側部を前記二重床と基礎床との他方に向ける前記密閉用部材と前記間仕切り壁に沿って前記二重床と基礎床との他方に敷かれる様に配置された弾性または弾塑性のうちの一方を持つマット状部材である密閉用マット部材とを有し、前記密閉用部材の他方の側部が前記密閉用マット部材を前記間仕切り壁に沿って略隙間なく押し潰す、ものとした。
【0020】
上記本発明の構成により、支持脚に支持される二重床を施工する。前記室内空間を囲う様に前記二重床と天井との間を間仕切る間仕切り壁を施工する。前記間仕切り壁に沿って前記二重床と基礎床との隙間を密閉する密閉構造を施工する。前記二重床の床パネルが建物の複数の室内空間の床を形成する。前記支持脚が前記床パネルを前記基礎床から所定の高さを持った隙間を設けて支持する。前記間仕切り壁の下端が前記床パネルの上面に接合される。前記密閉構造の密閉用部材が前記間仕切り壁に沿って1対の側部を上下方向を向く様に配置された長尺の板状部材であって一方の側部を前記二重床と基礎床との一方に固定され他方の側部を前記二重床と基礎床との他方に向ける。前記密閉構造の密閉用マット部材が前記間仕切り壁に沿って前記二重床と基礎床との他方に敷かれる様に配置された弾性または弾塑性のうちの一方を持つマット状部材である。前記密閉用部材の他方の側部が前記密閉用マット部材を前記間仕切り壁に沿って略隙間なく押し潰す。
その結果、室内空間で発生した音響が隣接する二重床の下の隙間へ空気伝搬するの抑制し、支持脚が二重床に生じた音響を基礎床に固体伝搬するの抑制するのを妨害しない。
【0021】
以下に、本発明の実施形態に係る建物構造の建造方法を説明する。本発明は、以下に記載した実施形態のいずれか、またはそれらの中の二つ以上が組み合わされた態様を含む。
【0022】
本発明の実施形態に係る建造方法は、前記密閉用マット部材の押し潰された箇所での縦弾性係数が前記二重床を前記室内空間を囲う輪郭に沿って支える支持脚の弾性部の縦弾性係数より小さくてもよい。
この様にすると、支持脚の固体伝搬を抑制する機能が阻害されない。
【0023】
本発明の実施形態に係る建造方法は、前記密閉用マット部材の押し潰された側の面の全領域は前記間仕切り壁に沿って前記密閉用部材に押し潰された領域である押潰し領域と前記押潰し領域を挟む様に位置し少なくとも片方に縁部において自由状態での厚みをほぼ保持できるのに十分な幅寸法を持った領域である1対の自由状態領域とを持つ。
上記の実施形態の構成により、前記密閉用マット部材の押し潰された側の面の全領域は押し潰し領域と1対の自由状態領域とを持つ。前記押し潰し領域が前記間仕切り壁に沿って前記密閉用部材に押し潰された領域である。少なくとの片方の前記自由状態領域が前記押潰し領域を挟む様に位置し縁部において自由状態での厚みをほぼ保持できるのに十分な幅寸法を持った領域である。
その結果、室内空間で発生した音響が前記密閉用マット部材の前記押し潰し領域を挟む一方の端部から押し潰された箇所を通過して他方の端部へ空気伝搬する過程で大きく減衰され、音響の空気伝搬を効率良く抑制できる。
【0024】
本発明の実施形態に係る建造方法は、建物の収納機器が前記室内空間の中で基礎床に直接に支持され、前記床パネルが前記収納機器を収納する前記室内空間を囲う輪郭をもつ切欠き穴を設けられ、前記密閉用部材が前記輪郭に倣う様に固定される。
上記の実施形態の構成により、建物の収納機器が前記室内空間の中で基礎床に直接に支持される。前記床パネルが前記収納機器を収納する前記室内空間を囲う輪郭をもつ切欠き穴を設けられる。前記密閉用部材が前記輪郭に倣う様に固定される。
その結果、収納機器から発した音響が室内空間から二重床の下の隙間に伝搬するのを抑制できる。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように、本発明に係る建物構造とその建造方法は、その構成により、以下の効果を有する。
前記床パネルが前記支持脚に支持されて基礎床との間に所定の高さを持つ隙間を設け、前記床パネルと天井の間を前記間仕切り壁で間仕切り、床パネルから基礎床に向かって突起した突起部と基礎面に敷かれた前記密閉用マット部材とで基礎床と前記床パネルとの間を密閉し、前記突起部が前記密閉用マット部材を前記間仕切り壁に沿って押し潰す様にしたので、室内空間で発生した音響が隣接する前記二重床と基礎床の隙間へ空気伝搬するの抑制し、さらに前記支持脚が前記二重床に生じた音響を基礎床に固体伝搬するの抑制するのを妨害しない。
前記床パネルが前記支持脚に支持されて基礎床との間に所定の高さを持つ隙間を設け、前記床パネルと天井の間を前記間仕切り壁で間仕切り、基礎床から床パネルに向かって突起した突起部と床パネルの下面に敷かれた前記密閉用マット部材とで基礎床と前記床パネルとの間を密閉し、前記突起部が前記密閉用マット部材を前記間仕切り壁に沿って押し潰す様にしたので、室内空間で発生した音響が隣接する前記二重床と基礎床の隙間へ空気伝搬するの抑制し、さらに前記支持脚が前記二重床に生じた音響を基礎床に固体伝搬するの抑制するのを妨害しない。
前記床パネルが前記支持脚に支持されて基礎床との間に所定の高さを持つ隙間を設け、前記床パネルと天井の間を前記間仕切り壁で間仕切り、上下に配された前記密閉用部材と前記密閉用マット部材とで基礎床と前記床パネルとの間を密閉し、前記密閉用部材が前記密閉用マット部材を前記間仕切り壁に沿って押し潰す様にしたので、室内空間で発生した音響が隣接する前記二重床と基礎床の隙間へ空気伝搬するの抑制し、さらに前記支持脚が前記二重床に生じた音響を基礎床に固体伝搬するの抑制するのを妨害しない。
また、前記密閉用マット部材の押し潰される面の全領域の前記押し潰し領域を挟む位置に1対の前記自由状態領域を持ち、少なくとも片方の前記自由状態領域の幅寸法が端部で自由状態での厚みをほぼ保持できる寸法である様にしたので、室内空間で発生した音響が前記密閉用マット部材の前記押し潰し領域を挟む一方の端部から押し潰された箇所を通過して他方の端部へ空気伝搬する過程で大きく減衰され、音響の空気伝搬を効率良く抑制できる。
また、前記二重床を構成する前記床パネルに収納機器を収納する室内空間を囲う輪郭をもつ切欠き穴を設け、前記密閉用部材を前記輪郭に倣う様に固定したので、収納機器から発した音響が室内空間から二重床の下の隙間に伝搬するのを抑制できる。
従って、簡易な構成で車両に給電するのに適した建物構造とその建物構造を建造する建造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る建物構造の平面断面図である。
【図2】本発明の第一の実施形態に係る建物構造のA−A断面図である。
【図3】本発明の第一の実施形態に係る建物構造のB−B断面図である。
【図4】本発明の第一の実施形態に係る建物構造の部分断面図である。
【図5】本発明の第二の実施形態に係る建物構造の部分断面図である。
【図6】本発明の第一乃至第二の実施形態に係る建物構造のC−C断面図である。
【図7】本発明の第三の実施形態に係る建物構造の部分断面図である。
【図8】本発明の第四の実施形態に係る建物構造の部分断面図である。
【図9】本発明の第五の実施形態に係る建物構造の部分断面図である。
【図10】本発明の第六の実施形態に係る建物構造の部分断面図である。
【図11】本発明の第七の実施形態に係る建物構造の部分断面図である。
【図12】本発明の第八の実施形態に係る建物構造の部分断面図である。
【図13】本発明の第一乃至第八の実施形態に係る建造方法の手順図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照して説明する。
【0028】
最初に、本発明の第一の実施形態にかかる建物構造を説明する。
図1は、本発明の第一の実施形態に係る建物構造の平面断面図である。図2は、本発明の第一の実施形態に係る建物構造のA−A断面図である。図3は、本発明の第一の実施形態に係る建物構造のB−B断面図である。図4は、本発明の第一の実施形態に係る建物構造の部分断面図である。図6は、本発明の第一乃至第二の実施形態に係る建物構造のC−C断面図である。
【0029】
第一の実施形態にかかる建物構造は、建物の基礎床と天井の間に設けられる構造であって、二重床10と複数の支持脚20と複数の間仕切り壁30と密閉構造40と天井50と壁構造60とで構成される。
以下では、上下1対のスラブ構造3とコンクリート壁4とで挟まれた空間に設ける場合を例に建物構造を例に説明する。
下側のスラブ構造3は、基礎床6に相当する。
【0030】
二重床10は、音響の遮断等の目的で基礎床6から浮いた床であって、床パネル11と床仕上材12とで構成される。
床パネル11は、建物の複数の室内空間の床を形成する板構造である、
例えば、床パネル11は、板材である。床パネル11は、複数の規格の寸法の板材を水平に付きあわせてできたものであってもよい。
床パネル11は、後述する支持脚20により支持される。
【0031】
収納機器5が室内空間Hの中で基礎床6に直接に支持される場合に、床パネル11が収納機器5を収納する室内空間Hを囲う輪郭Rをもつ切欠き穴を設けられ、間仕切り壁30の下端が輪郭Rに沿って床パネルの上面に接合されてもよい。
例えば、ユニットバス等の収納機器を室内空間に納める。ユニットバス等の収納機器は室内空間Hのなかで基礎床6に直接に支持される。
【0032】
床仕上材12は、床パネル11の上面を仕上げ処理する平材である。
例えば、床仕上材12は、絨毯、フローリング等である。
【0033】
複数の支持脚20は、複数の第一支持脚20aと複数の第二支持脚20bとで構成される。
支持脚20は、床パネル11を基礎床6の上面の基礎床面Lから所定の高さSを持った隙間を設けて支持する機器であり、受け板21とレベル調整ナット22と支持ボルト23と台座24とで構成される。
第一支持脚20aは、床パネル11を室内空間Hを囲う輪郭に沿って所定の間隔ごとに支持する。例えば、第一支持脚20aは、床パネル11を間仕切り壁30に沿って所定の間隔ごとに支持する。
第二支持脚20bは、床パネル11を室内空間Hの輪郭の内側の領域の所定の間隔ごとに支持する
受け板21は、床パネル11の下面に固定される板材である。受け板21には、後述する支持ボルト23が貫通する穴を設けられる。
レベル調整ナット22は、後述する支持ボルト23にねじ込まれる雌ねじを設けられた金具である。レベル調整ナット22は、受け板21に設けられた貫通穴の下に固定される。
支持ボルト23は、軸心を上下方向に向けてレベル調整ナット22にねじ込まれる雄ねじを設けられた棒状部材である。
台座24は、弾性材料性の部材であって、支持ボルト23の下端に固定される。
例えば、台座24は、ゴム製である。
支持ボルト23を回転させると受け板21と台座24との距離を伸長、短縮できる。
この様にすると、二重床10に生じた振動を基礎床6に固体伝搬するのを抑制できる。また、基礎床6に生じた振動を二重床10に固体伝搬するのを抑制できる。
第一支持脚20aの弾性部の縦弾性係数は、第二支持脚20bの弾性部の縦弾性系数より大きくしてもよい。
例えば、第一支持脚20aの台座24の縦弾性係数は、第二支持脚20bの台座24の縦弾性系数より大きくしてもよい。
この様にすると、間仕切り壁30の近傍での二重床10の沈み込みを小さく出来る。
【0034】
後述する密閉用マット部材42の押し潰された箇所での縦弾性係数が、二重床10を室内空間を囲う輪郭に沿って支持する支持脚20aの弾性部の縦弾性係数より小さくてもよい。
例えば、後述する密閉用マット部材42の押し潰された箇所での縦弾性係数が、第一支持脚20aの台座24の縦弾性係数より小さくてもよい。
この様にすると、第一支持脚20aの固体伝搬を抑制する機能が阻害されない。
【0035】
間仕切り壁30は、室内空間Hを囲う様に二重床10と後述する天井50との間を間仕切る壁である。
間仕切り壁30の下端が床パネル11の上面に接合される。
間仕切り壁30は、壁柱材31と壁パネル32と壁仕上材33と巾木34とで構成される。
壁柱材31は、間仕切り壁30の主構造材である。壁柱材31の下端が床パネル11に固定される。
壁パネル32は、壁柱材31に固定され、間仕切り壁の壁面を形成する板材である。
例えば、壁パネル32は石こうボードである。
壁仕上材33は、間仕切り壁30を化粧する材である。
例えば、壁仕上げ材33は、壁紙である。
巾木34は、間仕切り壁30の二重床10に接する個所を化粧する部材である。
【0036】
密閉構造40は、間仕切り壁30に沿って床パネル11と基礎床6との隙間を密閉する構造である。
密閉構造40は、密閉用部材41と密閉用マット部材42と際根太43とで構成される。
密閉用部材41は、間仕切り壁に沿って1対の側部Gを上下方向を向く様に配置された長尺の板状部材であって、一方の側部Gを二重床と基礎床との一方に固定され他方の側部Gを二重床と基礎床との他方に向くものである。
図4は、密閉用部材41の上方の側部Gを二重床10に固定され、下方の端部を基礎床6に向ける様子を示している。
密閉用部材41の上方が、側部Gが床パネル11の下面に付き合わせられる様に、後述する際根太43に固定される。
密閉用部材41の下方の側部Gと基礎床&との間に隙間を設けられる。
【0037】
密閉用マット部材42は、間仕切り壁30に沿って二重床10と基礎床6との他方に敷かれる様に配置された弾性または弾塑性のうちの一方を持つ部材である。
密閉用部材41の他方の側部Gが、密閉用マット部材42を間仕切り壁30に沿って略隙間なく押し潰す。
図4は、密閉用マット部材42が間仕切り壁30に沿って配置され基礎床6に敷かれる様に固定され、密閉用部材41の下方の側部Gが密閉用マット部材42を間仕切り壁30に沿って略隙間なく押し潰す様子を示している。
例えば、密閉用マット部材42は、スポンジ製、発泡樹脂製、ウレタンボード製、ロックウール製のマット状部材である。
【0038】
密閉用マット部材42は、押し潰される箇所の密度が上がる。
その結果、密閉用マット部材42の押し潰された箇所が音の漏れを遮り、二重床の下に漏れる音響エネルギーを少なくすることができる。
密閉用マット部材42の押し潰された箇所は、押し潰されるにしたがって密度が上がり、その縦弾性係数が増加する傾向がある。
押し潰された状態で、密閉用マット部材42の押し潰された箇所の縦弾性係数を、近傍にある支持脚20の弾性部の縦弾性係数より小さくする。
例えば、密閉用マット部材42の押し潰された箇所の縦弾性係数を、第一支持脚20aの弾性部である台座24の縦弾性係数より小さくする。
その結果。その支持脚20が二重床10に生じた音響を基礎床に固体伝搬するのを抑制する機能を阻害しない。
その結果、二重床10と基礎床との間の音響の固体伝搬を抑制し、音響が二重床10と基礎床6との隙間に空気伝搬するのを抑制できる。
【0039】
密閉用マット部材42の押し潰される側の面の全領域Wは押潰し領域W1と1対の自由状態領域W2とを持つ。
押潰し領域W1は、間仕切り壁30に沿って密閉用部材41に押し潰された領域である。
少なくとも片方の自由状態領域W2は、押潰し領域W1を挟む様に位置し縁部において自由状態での厚みをほぼ保持できるのに十分な幅寸法D1、D2を持った領域である。
または、両方の自由状態領域W2は、押潰し領域W1を挟む様に位置し縁部において自由状態での厚みをほぼ保持できるのに十分な幅寸法をD1、D2持った領域であってもよい。
図6は、押潰し領域W1と1対の自由状態領域W2との関係を示す。
【0040】
際根太43は、間仕切り壁30に沿って二重床10に固定された根太である。
図4は、際根太43が、床パネル11の下面に間仕切り壁30に沿って固定される様子を示している。
際根太43と密閉用部材41とが一体となたL字形の断面を持った部材であってもよい。
【0041】
天井50は、室内空間Hの天井を形成する部材であり、天井吊り部材と天井パネルと天井仕上げ材とで構成される。
天井吊り部材が天井パネルを吊る部材である。
天井パネルは、天井を構成する板材である。
天井仕上げ材は、天井パネルを仕上げる部材である。
【0042】
壁構造60は、コンクリート壁に設けられた壁を構成する。
壁構造60は、壁柱と壁パネルと壁仕上材とで構成される。
【0043】
次に、本発明の第二の実施形態にかかる建物構造を、図を基に、説明する。
図5は、本発明の第二の実施形態に係る建物構造の部分断面図である。
【0044】
本発明の第一の実施形態にかかる建物構造と同じ構成の説明を省略し、異なる点のみを説明する。
第二の実施形態にかかる建物構造は、建物の基礎床と天井の間に設けられる構造であって、二重床10と複数の支持脚20と複数の間仕切り壁30と密閉構造40と天井50と壁構造60とで構成される。
【0045】
二重床10は、音響の遮断等の目的で基礎床から浮いた床であって、床パネル11と床仕上材12とで構成される。
床パネル11は、建物の隣接する複数の室内空間の床を形成する板構造である。
例えば、床パネルは隣接する複数の居住空間の床を形成する板構造である。
例えば、床パネルはトイレ空間の床と隣接する居住空間の床とを形成する板構造である。
例えば、床パネル11は、板材である。
床パネル11は、後述する支持脚20により支持される。
【0046】
床パネル11は、隣接した室内空間の床を形成する。
床パネル11は、間仕切り壁30の真下の箇所を、支持脚20により支持される。
【0047】
床仕上材12は、第一の実施形態にかかる建物構造のものと同じなので、説明を省略する。
【0048】
支持脚20と複数の間仕切り壁30と密閉構造40と天井50と壁構造60は、第一の実施形態にかかる建物構造のものと同じなので、説明を省略する。
【0049】
次に、本発明の第三の実施形態にかかる建物構造を、図を基に、説明する。
図7は、本発明の第三の実施形態に係る建物構造の部分断面図である。
【0050】
本発明の第一の実施形態にかかる建物構造と同じ構成の説明を省略し、異なる点のみを説明する。
第三の実施形態にかかる建物構造は、建物の基礎床と天井の間に設けられる構造であって、二重床10と複数の支持脚20と複数の間仕切り壁30と密閉構造40と天井50と壁構造60とで構成される。
【0051】
密閉構造40の配置を除き、他の構造は第一の実施形態にかかる建物構造のものと同じである。
床パネル11は、収納機器を収納する室内空間を囲う輪郭をもつ切欠き穴を設けられる。
密閉構造40の密閉用部材41が輪郭Rに倣う様に固定される。
例えば、密閉構造40の密閉用部材41が輪郭Rに倣う様に床パネル11に固定される。
例えば、密閉用部材41の面と輪郭Rとが上から見て略一致する様に密閉用部材41を固定しても良い。
図7は、際根太43が、床パネル11に輪郭Rに倣う様に固定され、密閉用部材41の上端が際根太43に固定されて、密閉用部材41が輪郭Rに倣う様に固定される様子を示している。
この様にすると収納機器から発生した音響が隣接する室内空間の二重床10と基礎床6との隙間に空気伝搬により回り込むことを抑制できる。
【0052】
次に、本発明の第四の実施形態にかかる建物構造を、図を基に、説明する。
図8は、本発明の第四の実施形態に係る建物構造の部分断面図である。
【0053】
本発明の第一の実施形態にかかる建物構造と同じ構成の説明を省略し、異なる点のみを説明する。
第四の実施形態にかかる建物構造は、建物の基礎床と天井の間に設けられる構造であって、二重床10と複数の支持脚20と複数の間仕切り壁30と密閉構造40と天井50と壁構造60とで構成される。
【0054】
密閉構造40の向きを除き、他の構造は第一の実施形態にかかる建物構造のものと同じである。
密閉用部材41は、間仕切り壁に沿って1対の側部Gを上下方向を向く様に配置された長尺の板状部材であって、一方の側部Gを基礎床に固定され他方の側部Gを二重床に向くものである。
密閉用マット部材42は、床パネル11の下面に敷かれる様に固定される。
例えば、密閉用マット部材42は、床パネル11の下面に敷かれる様に接着される。
図7は、際根太43に相当する部材が基礎床面Lに固定され、密閉用部材41の下端が際根太43に固定され、密閉用マット部材42が床パネル11に固定される様子を示している。
【0055】
次に、本発明の第五の実施形態にかかる建物構造を、図を基に、説明する。
図9は、本発明の第五の実施形態に係る建物構造の部分断面図である。
【0056】
本発明の第一の実施形態にかかる建物構造と同じ構成の説明を省略し、異なる点のみを説明する。
第五の実施形態にかかる建物構造は、建物の基礎床と天井の間に設けられる構造であって、二重床10と複数の支持脚20と複数の間仕切り壁30と密閉構造40と天井50と壁構造60とで構成される。
【0057】
支持脚20の受け板21と密閉構造の密閉用部材41を固定する部材とが同じ部材である点を除き他の構造は第一の実施形態にかかる建物構造のものと同じである。
密閉用部材41の上端が床パネル11の下面に突き当てられる様にして、密閉用部材41が支持脚20の受け板21に直接に固定されていてもよい。
密閉構造40の際根太43にレベル調整ナット22を固定し、支持脚20の受け板21を省略してもよい。
図9は、密閉構造40の際根太43にレベル調整ナット22を固定し、密閉用部材41の上端が床パネル11の下面に突き当てられる様にして、密閉用部材41を際根太43に固定される様子を示している。
【0058】
次に、本発明の第一の実施形態にかかる建造方法を、図を基に、説明する。
本発明の実施形態にかかる建造方法は、建物の基礎床と天井の間に設けられる建物構造を建造する建造方法であって、壁施工工程S10と床施工工程S20と密閉工程S30と間仕切り壁施工工程S40と天井施工工程S50とで構成される。
図13は、本発明の第一乃至第八の実施形態に係る建造方法の手順図である。
【0059】
壁施工工程S10は、コンクリート壁に沿って壁を施工する工程である。
【0060】
床施工工程S20は、支持脚20に支持される二重床10を施工する工程である。
二重床10が建物の複数の室内空間Hの床を形成する床パネルを有する。
支持脚20が床パネル11を基礎床面Lから所定の高さSを持った隙間を設けて支持する。
床パネル11が間仕切り壁30に沿った輪郭Rを持つ切欠き穴を設けられ、収納機器が室内空間Hの中で基礎床6に直接に支持されてもよい。
【0061】
密閉工程S30は、輪郭に沿って床パネルと基礎床との隙間を密閉する密閉構造を施工する工程である。
密閉構造40は、密閉用部材41と密閉用マット部材42と際根太43とで構成される。
密閉用部材41は、間仕切り壁30に沿って1対の側部Gが上下方向を向く様に配置された長尺の板状部材であって一方の側部Gが二重床10と基礎床6との一方に固定され他方の側部Gが二重床10と基礎床6との他方に向く。
密閉用マット部材42は、間仕切り壁30に沿って配置され、二重床10と基礎床6との他方に敷かれる様に配置された弾性または弾塑性のうちの一方を持つマット状部材である。
密閉用部材41の他方の側部Gが密閉用マット部材を間仕切り壁に沿って略隙間なく押し潰す。
密閉用マット部材42の押し潰される側の面の全領域Wは間仕切り壁30に沿って密閉用部材41に押し潰された領域である押潰し領域W1と押潰し領域W1を挟む様に位置し少なくとも片方に縁部において自由状態での厚みをほぼ保持できるのに十分な幅寸法を持った領域である1対の自由状態領域W2とを持つ。
【0062】
間仕切り壁施工工程S40は、室内空間を囲う様に二重床と天井との間を間仕切る間仕切り壁を施工する工程である。
間仕切り壁30の下端が床パネル11の上面に接合される。
【0063】
天井施工工程S50は、天井を施工する工程である。
【0064】
次に、本発明の第六の実施形態に係る建物構造を、図を基に、説明する。
図10は、本発明の第六の実施形態に係る建物構造の部分断面図である。
【0065】
第六の実施形態にかかる建物構造は、建物の基礎床と天井の間に設けられる構造であって、二重床10と複数の支持脚20と複数の間仕切り壁30と密閉構造40と天井50と壁構造60とで構成される。
以下では、上下1対のスラブ構造3とコンクリート壁4とで挟まれた空間に設ける場合を例に建物構造を例に説明する。
下側のスラブ構造3は、基礎床6に相当する。
【0066】
二重床10は、音響の遮断等の目的で基礎床6から浮いた床であって、床パネル11と床仕上材12とで構成される。
床パネル11は、建物の複数の室内空間の床を形成する板構造である。
突起部13が、室内空間Hを囲う輪郭に沿って床パネル11に設けられ、基礎床6に向かって突起し、下方に向いた側部Gを持つ。
例えば、突起部13が、室内空間Hを囲う輪郭に沿って床パネル11から基礎床Lに向かって突起し、下方に向いた側部Gを持つ。
例えば、床パネル11は、板材である。
例えば、突起部13は、室内空間を囲う輪郭に沿って床パネル11の下面から基礎床に向かって突起する。突起部13の下部が下方に向いた側部Gを形成する。
床パネル11は、後述する支持脚20により支持される。
【0067】
収納機器5が室内空間Hの中で基礎床6に直接に支持される場合に、床パネル11が収納機器5を収納する室内空間Hを囲う輪郭Rをもつ切欠き穴を設けられ、間仕切り壁30の下端が輪郭Rに沿って床パネルの上面に接合されてもよい。
例えば、ユニットバス等の収納機器を室内空間に納める。ユニットバス等の収納機器は室内空間Hのなかで基礎床6に直接に支持される。
【0068】
床仕上材12は、床パネル11の上面を仕上げ処理する平材である。
例えば、床仕上材12は、絨毯等である。
【0069】
支持脚20と複数の間仕切り壁30と天井50と壁構造60とは、第一の実施形態にかかる建物構造のものと同じなので、説明を省略する。
【0070】
密閉用マット部材42は、間仕切り壁30に沿って基礎床6に敷かれる様に配置された弾性または弾塑性のうちの一方を持つマット状部材である。
突起部13の側部Gが密閉用マット部材42を間仕切り壁30に沿って略隙間なく押し潰す。
突起部13と密閉用マット42とが、間仕切り壁30に沿って床パネル11と基礎床6との隙間を密閉する。
図10は、密閉用マット部材42が間仕切り壁30に沿って配置され基礎床6に敷かれる様に固定され、床パネル11の突起部14が間仕切り壁30に沿って床パネル11に設けられ、突起部14の下側に向いた側部Gが密閉用マット部材42を隙間なく押し潰す様子を示している。
例えば、密閉用マット部材42は、スポンジ製、発泡樹脂製、ウレタンボード製、ロックウール製のマット状部材である。
密閉用マット部材42は、押し潰される箇所の密度が上がる。
【0071】
密閉用マット部材42の押し潰される側の面の全領域Wは押潰し領域W1と1対の自由状態領域W2とを持つ。
押潰し領域W1は、間仕切り壁30に沿って密閉用部材41に押し潰された領域である。
少なくとも片方の自由状態領域W2は、押潰し領域W1を挟む様に位置し縁部において自由状態での厚みをほぼ保持できるのに十分な幅寸法D1、D2を持った領域である。
または、両方の自由状態領域W2は、押潰し領域W1を挟む様に位置し縁部において自由状態での厚みをほぼ保持できるのに十分な幅寸法をD1、D2持った領域であってもよい。
図6は、押潰し領域W1と1対の自由状態領域W2との関係を示す。
【0072】
次に、本発明の第七の実施形態に係る建物構造を、図を基に、説明する。
図11は、本発明の第七の実施形態に係る建物構造の部分断面図である。
【0073】
第七の実施形態にかかる建物構造は、建物の基礎床と天井の間に設けられる構造であって、二重床10と複数の支持脚20と複数の間仕切り壁30と密閉構造40と天井50と壁構造60とで構成される。
以下では、上下1対のスラブ構造3とコンクリート壁4とで挟まれた空間に設ける場合を例に建物構造を例に説明する。
下側のスラブ構造3は、基礎床6に相当する。
基礎床6から床パネルに向かって突起し上方に向いた側部Gを持つ突起部7が、室内空間を囲う輪郭に沿って基礎床の上面に設けられる。
例えば、基礎床6から床パネルに向かって突起し上方に向いた側部Gを持つ突起部7が、間仕切り壁30に沿って基礎床5の上面に設けられる。
【0074】
二重床10は、音響の遮断等の目的で基礎床6から浮いた床であって、床パネル11と床仕上材12とで構成される。
床パネル11は、建物の複数の室内空間の床を形成する板構造である。
例えば、床パネル11は、板材である。
床パネル11は、後述する支持脚20により支持される。
【0075】
収納機器5が室内空間Hの中で基礎床6に直接に支持される場合に、床パネル11が収納機器5を収納する室内空間Hを囲う輪郭Rをもつ切欠き穴を設けられ、間仕切り壁30の下端が輪郭Rに沿って床パネルの上面に接合されてもよい。
例えば、ユニットバス等の収納機器を室内空間に納める。ユニットバス等の収納機器は室内空間Hのなかで基礎床6に直接に支持される。
【0076】
床仕上材12は、床パネル11の上面を仕上げ処理する平材である。
例えば、床仕上材12は、絨毯等である。
【0077】
支持脚20と複数の間仕切り壁30と天井50と壁構造60とは、第一の実施形態にかかる建物構造のものと同じなので、説明を省略する。
【0078】
密閉用マット部材42は、間仕切り壁30に沿って床パネル11の下面に敷かれる様に配置された弾性または弾塑性のうちの一方を持つマット状部材である。
基礎床6の突起部7の側部Gが密閉用マット部材42を間仕切り壁30に沿って略隙間なく押し潰す。
基礎床6の突起部7と密閉用マット部材42とが、間仕切り壁30に沿って床パネル11と基礎床6との隙間を密閉する。
図11は、密閉用マット部材42が間仕切り壁30に沿って配置され床パネル11の下面に敷かれる様に固定され、基礎床6の突起部7の上側に向いた側部Gが密閉用マット部材42を隙間なく押し潰す様子を示している。
例えば、密閉用マット部材42は、スポンジ製、発泡樹脂製、ウレタンボード製、ロックウール製のマット状部材である。
密閉用マット部材42は、押し潰される箇所の密度が上がる。
【0079】
密閉用マット部材42の押し潰される側の面の全領域Wは押潰し領域W1と1対の自由状態領域W2とを持つ。
押潰し領域W1は、間仕切り壁30に沿って密閉用部材41に押し潰された領域である。
少なくとも片方の自由状態領域W2は、押潰し領域W1を挟む様に位置し縁部において自由状態での厚みをほぼ保持できるのに十分な幅寸法D1、D2を持った領域である。
または、両方の自由状態領域W2は、押潰し領域W1を挟む様に位置し縁部において自由状態での厚みをほぼ保持できるのに十分な幅寸法をD1、D2持った領域であってもよい。
図6は、押潰し領域W1と1対の自由状態領域W2との関係を示す。
【0080】
次に、本発明の第八の実施形態に係る建物構造を、図を基に、説明する。
図12は、本発明の第八の実施形態に係る建物構造の部分断面図である。
【0081】
第八の実施形態にかかる建物構造は、建物の基礎床と天井の間に設けられる構造であって、二重床10と複数の支持脚20と複数の間仕切り壁30と密閉構造40と天井50と壁構造60とで構成される。
以下では、上下1対のスラブ構造3とコンクリート壁4とで挟まれた空間に設ける場合を例に建物構造を例に説明する。
下側のスラブ構造3は、基礎床6に相当する。
基礎床6から床パネル11に向かって突起し上方に向いた側部Gを持つ突起部7が、室内空間Hを囲う輪郭に沿って基礎床6の上面に設けられる。
【0082】
二重床10は、音響の遮断等の目的で基礎床6から浮いた床であって、床パネル11と床仕上材12とで構成される。
床パネル11は、建物の複数の室内空間の床を形成する板構造である。
突起部13が、室内空間Hを囲う輪郭に沿って床パネル11に設けられ基礎床6に向かって突起し、下方に向いた側部Gを持つ。
例えば、突起部13が、室内空間Hを囲う輪郭に沿って床パネル11から基礎床6に向かって突起し、下方に向いた側部Gを持つ。
例えば、床パネル11は、板材である。
例えば、突起部13は、室内空間を囲う輪郭に沿って床パネル11の下面から基礎床に向かって突起する。突起部13の下部が下方に向いた側部Gを形成する。
床パネル11は、後述する支持脚20により支持される。
【0083】
収納機器5が室内空間Hの中で基礎床6に直接に支持される場合に、床パネル11が収納機器5を収納する室内空間Hを囲う輪郭Rをもつ切欠き穴を設けられ、間仕切り壁30の下端が輪郭Rに沿って床パネルの上面に接合されてもよい。
例えば、ユニットバス等の収納機器を室内空間に納める。ユニットバス等の収納機器は室内空間Hのなかで基礎床6に直接に支持される。
【0084】
床仕上材12は、床パネル11の上面を仕上げ処理する平材である。
例えば、床仕上材12は、絨毯等である。
【0085】
支持脚20と複数の間仕切り壁30と天井50と壁構造60とは、第一の実施形態にかかる建物構造のものと同じなので、説明を省略する。
【0086】
密閉用マット部材42は、間仕切り壁30に沿って床パネル11から下方に突起する突起部13と基礎床6か上方に突起した突起部7とに挟まれ間仕切り壁30に沿って配置された弾性または弾塑性のうちの一方を持つマット状部材である。
床パネル11の突起部13の側部Gと基礎床6の突起部7の側部Gとが密閉用マット部材42を間仕切り壁30に沿って略隙間なく押し潰す。
床パネル11の突起部13と基礎床6の突起部7と密閉用マット部材42とが、間仕切り壁30に沿って床パネル11と基礎床6との隙間を密閉する。
図12は、密閉用マット部材42が間仕切り壁30に沿って配置され、床パネル11から下方に突起した突起部13の下側に向いた側部Gが密閉用マット部材42の上面を隙間なく押し潰し、基礎床6から上側に向いた側部Gが密閉用マット部材42の下面を隙間なく押し潰す様子を示している。
例えば、密閉用マット部材42は、スポンジ製、発泡樹脂製、ウレタンボード製、ロックウール製のマット状部材である。
密閉用マット部材42は、押し潰される箇所の密度が上がる。
【0087】
密閉用マット部材42の押し潰される側の上面と下面との両方の全領域Wは押潰し領域W1と1対の自由状態領域W2とを各々に持つ。
押潰し領域W1は、間仕切り壁30に沿って密閉用部材41に押し潰された領域である。
少なくとも片方の自由状態領域W2は、押潰し領域W1を挟む様に位置し縁部において自由状態での厚みをほぼ保持できるのに十分な幅寸法D1、D2を持った領域である。
または、両方の自由状態領域W2は、押潰し領域W1を挟む様に位置し縁部において自由状態での厚みをほぼ保持できるのに十分な幅寸法をD1、D2持った領域であってもよい。
図6は、押潰し領域W1と1対の自由状態領域W2との関係を示す。
【0088】
本発明の第六乃至八の実施形態に係る建物構造の建造方法は、第一の実施形態にかかる建物構造の検討方法の手順と同じなので、説明を省略する。
【0089】
また、本発明の実施形態に係る建物構造とその建物構造の建造方法は、その構成により、以下の効果を有する。
床パネル11が支持脚20に支持されて基礎床面Lとの間に所定の高さSを持つ隙間を設け、床パネル11と天井50の間を間仕切り壁30で間仕切り、床パネル11から基礎床Lに向かって突起した突起部13と密閉用マット部材42とで基礎床6と床パネル11との間を密閉し、突起部13の側部Gが密閉用マット部材42を間仕切り壁30に沿って押し潰す様にしたので、室内空間で発生した音響が隣接する二重床10と基礎床6の隙間へ空気伝搬するの抑制し、さらに支持脚20が二重床10に生じた音響を基礎床6に固体伝搬するの抑制するのを妨害しない。
また、床パネル11が支持脚20に支持されて基礎床面Lとの間に所定の高さSを持つ隙間を設け、床パネル11と天井50の間を間仕切り壁30で間仕切り、基礎床6から床パネル11に向かって突起した突起部7と床パネル11の下面に敷かれた密閉用マット部材42とで基礎床6と床パネル11との間を密閉し、突起部7が密閉用マット部材42を間仕切り壁30に沿って押し潰す様にしたので、室内空間Hで発生した音響が隣接する二重床10と基礎床6の隙間へ空気伝搬するの抑制し、さらに支持脚20が二重床10に生じた音響を基礎床6に固体伝搬するの抑制するのを妨害しない。
また、床パネル11が支持脚20に支持されて基礎床面Lとの間に所定の高さSを持つ隙間を設け、床パネル11と天井50の間を間仕切り壁30で間仕切り、上下に配された密閉用部材41と密閉用マット部材42とで基礎床6と床パネル11との間を密閉し、密閉用部材41が密閉用マット部材42を間仕切り壁30に沿って押し潰す様にしたので、室内空間Hで発生した音響が隙間へ空気伝搬するの抑制し、支持脚20が二重床10に生じた音響を基礎床6に固体伝搬するの抑制するのを妨害しない。
また、密閉用マット部材42の押し潰される面の全領域Wの押潰し領域W1を挟む位置に1対の自由状態領域W2を持ち、少なくとも片方の自由状態領域W2の幅寸法が端部で自由状態での厚みをほぼ保持できる寸法である様にしたので、室内空間でH発生した音響が密閉用マット部材42の押し潰し領域を挟む一方の端部から押し潰された箇所を通過して他方の端部へ空気伝搬する過程で大きく減衰され、音響の空気伝搬を効率良く抑制できる。
また、二重床10を構成する床パネル11にユニットバス当の収納機器を収納する室内空間を囲う輪郭Rをもつ切欠き穴を設け、密閉用部材41の上方の側部Gを床パネル11に固定したので、収納機器から発した音響が室内空間Hから二重床の下の隙間に伝搬するのを抑制できる。
また、密閉用マット部材42の押し潰される箇所の縦弾性係数を第一支持脚20aの台座24の縦弾性係数より小さくするので、第一支持脚20aの音響の固体伝搬を抑制する機能を阻害しない。
また、上記建物構造を採用すると、各種の利点をもっつ床先行工法を容易に採用できる。
また、1つの室内空間Hにバスユニットを納めると、バスユニットから発生した音響が室内空間Hから隣接する室内空間Hの二重床10と基礎床6の隙間に空気伝搬するのを抑制できる。また、支持脚20の台座24が自由に伸縮できるので、二重床10から基礎床6への固体伝搬、または基礎床6から二重床10への固定伝搬を抑制できる。
また、1つの室内空間Hにトイレユニットを納めると、トイレユニットの配水管系から発生した音響が室内空間の二重床10と基礎床6との隙間から、隣の室内空間Hの二重床10と基礎床6との隙間へ空気伝搬するのを抑制できる。また、支持脚20の台座24が自由に伸縮できるので、二重床10から基礎床6への固体伝搬、または基礎床6から二重床10への固定伝搬を抑制できる。
【0090】
本発明は以上に述べた実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。
際根太43と密閉用部材41とを別部材としたが、一体の部材としてもよい。
また、際根太43を介して密閉用部材41を固定したが、密閉用部材41を直接固定してもよい。
また、密閉用部材41の表面と裏面との一方または両方を密閉用マット部材で覆ってもよい。
【符号の説明】
【0091】
G 側部
H 室内空間
W 全領域
W1 押潰し領域
W2 自由状態領域
D1 幅寸法
D2 幅寸法
R 輪郭
L 基礎床面
5 収納機器
6 基礎床
7 突起部
10 二重床
11 床パネル
12 床仕上材
13 突起部
20 支持脚
20a 第一支持脚
20b 第二支持脚
21 受け板
22 レベル調整ナット
23 支持ボルト
24 台座
30 間仕切り壁
31 壁柱材
32 壁パネル
33 壁仕上材
34 巾木
40 密閉構造
41 密閉用部材
42 密閉用マット部材
43 際根太
50 天井
60 壁構造
S10 壁施工工程
S20 床施工工程
S30 密閉工程
S40 間仕切り壁施工工程
S50 天井施工工程
【先行技術文献】
【特許文献】
【0092】
【特許文献1】特開2001ー295451号
【特許文献2】特開平7ー71111号
【特許文献1】特開昭61−221449号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の基礎床と天井の間に設けられる建物構造であって、
建物の複数の室内空間の床を形成する床パネルと前記室内空間を囲う輪郭に沿って該床パネルに設けられ基礎床に向かって突起し下方に向いた側部を持つ突起部とを有する二重床と、
前記床パネルを前記基礎床から所定の高さを持った隙間を設けて支持する支持脚と、
前記室内空間を囲う様に前記二重床と天井との間を間仕切る間仕切り壁と、
前記間仕切り壁に沿って基礎床に敷かれる様に配置された弾性または弾塑性のうちの一方を持つマット状部材である密閉用マット部材と、
を備え、
前記間仕切り壁の下端が前記床パネルの上面に接合され、
前記突起部の前記側部が前記密閉用マット部材を前記間仕切り壁に沿って略隙間なく押し潰し、
前記突起部と前記密閉用マットとが前記間仕切り壁に沿って前記床パネルと基礎床との隙間を密閉する、
ことを特徴とする建物構造。
【請求項2】
建物の基礎床と天井の間に設けられる建物構造であって、
建物の複数の室内空間の床を形成する床パネルを有する二重床と、
前記室内空間を囲う輪郭に沿って基礎床の上面に設けられ基礎床から前記床パネルに向かって突起し上方に向いた側部を持つ突起部と、
前記床パネルを前記基礎床から所定の高さを持った隙間を設けて支持する支持脚と、
前記室内空間を囲う様に前記二重床と天井との間を間仕切る間仕切り壁と、
前記間仕切り壁に沿って前記床パネルの下面に敷かれる様に配置された弾性または弾塑性のうちの一方を持つマット状部材である密閉用マット部材と、
を備え、
前記間仕切り壁の下端が前記床パネルの上面に接合され、
前記突起部の前記側部が前記密閉用マット部材を前記間仕切り壁に沿って略隙間なく押し潰し、
前記突起部と前記密閉用マットとが前記間仕切り壁に沿って前記床パネルと基礎床との隙間を密閉する、
ことを特徴とする建物構造。
【請求項3】
建物の基礎床と天井の間に設けられる建物構造であって、
建物の複数の室内空間の床を形成する床パネルを有する二重床と、
前記床パネルを前記基礎床から所定の高さを持った隙間を設けて支持する支持脚と、
前記室内空間を囲う様に前記二重床と天井との間を間仕切る間仕切り壁と、
前記間仕切り壁に沿って前記床パネルと基礎床との隙間を密閉する密閉構造と、
を備え、
前記間仕切り壁の下端が前記床パネルの上面に接合され、
前記密閉構造が前記間仕切り壁に沿って1対の側部を上下方向を向く様に配置された長尺の板状部材であって一方の側部を前記二重床と基礎床との一方に固定され他方の側部を前記二重床と基礎床との他方に向けた密閉用部材と前記間仕切り壁に沿って前記二重床と基礎床との他方に敷かれる様に配置された弾性または弾塑性のうちの一方を持つマット状部材である密閉用マット部材とを有し、前記密閉用部材の他方の側部が前記密閉用マット部材を前記間仕切り壁に沿って略隙間なく押し潰す、
ことを特徴とする建物構造。
【請求項4】
前記密閉用マット部材の押し潰される側の面の全領域は前記間仕切り壁に沿って前記側部に押し潰された領域である押潰し領域と前記押潰し領域を挟む様に位置し少なくとも片方に縁部において自由状態での厚みをほぼ保持できるのに十分な幅寸法を持った領域である1対の自由状態領域とを持つ、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちのひとつに記載の建物構造。
【請求項5】
建物の収納機器が前記室内空間の中で基礎床に直接に支持され、
前記床パネルが前記収納機器を収納する前記室内空間を囲う輪郭をもつ切欠き穴を設けられる、
ことを特徴とする請求項4に記載の建物構造。
【請求項6】
建物の基礎床と天井の間に設けられる建物構造を建造する建造方法であって、
支持脚に支持される二重床を施工する床施工工程と、
前記室内空間を囲う様に前記二重床と天井との間を間仕切る間仕切り壁を施工する間仕切り壁施工工程と、
前記間仕切り壁に沿って基礎床に敷かれる様に配置された弾性または弾塑性のうちの一方を持つマット状部材である密閉用マット部材を施工する密閉工程と、
を備え、
前記二重床が建物の複数の室内空間の床を形成する床パネルと前記室内空間を囲う輪郭に沿って該床パネルに設けられ基礎床に向かって突起し下方に向いた側部を持つ突起部とを有し、
前記支持脚が前記床パネルを前記基礎床から所定の高さを持った隙間を設けて支持し、
前記間仕切り壁の下端が前記床パネルの上面に接合され、
前記突起部の前記側部が前記密閉用マット部材を前記間仕切り壁に沿って略隙間なく押し潰し、
前記突起部と前記密閉用マットとが前記間仕切り壁に沿って前記床パネルと基礎床との隙間を密閉する、
ことを特徴とする建造方法。
【請求項7】
建物の基礎床と天井の間に設けられる建物構造を建造する建造方法であって、
支持脚に支持される二重床を施工する床施工工程と、
前記室内空間を囲う様に前記二重床と天井との間を間仕切る間仕切り壁を施工する間仕切り壁施工工程と、
前記間仕切り壁に沿って前記二重床の下面に敷かれる様に配置された弾性または弾塑性のうちの一方を持つマット状部材である密閉用マット部材を施工する密閉工程と、
を備え、
前記二重床が建物の複数の室内空間の床を形成する床パネルを有し、
前記室内空間を囲う輪郭に沿って基礎床の上面に設けられ前記床パネルに向かって突起し上方に向いた側部を持つ突起部を設けられ、
前記支持脚が前記床パネルを前記基礎床から所定の高さを持った隙間を設けて支持し、
前記間仕切り壁の下端が前記床パネルの上面に接合され、
前記突起部の前記側部が前記密閉用マット部材を前記間仕切り壁に沿って略隙間なく押し潰し、
前記突起部と前記密閉用マットとが前記間仕切り壁に沿って前記床パネルと基礎床との隙間を密閉する、
ことを特徴とする建造方法。
【請求項8】
建物の基礎床と天井の間に設けられる建物構造を建造する建造方法であって、
支持脚に支持される二重床を施工する床施工工程と、
前記室内空間を囲う様に前記二重床と天井との間を間仕切る間仕切り壁を施工する間仕切り壁施工工程と、
前記間仕切り壁に沿って前記二重床と基礎床との隙間を密閉する密閉構造を施工する密閉工程と、
を備え、
前記二重床が建物の複数の室内空間の床を形成する前記床パネルを有し、
前記支持脚が前記床パネルを前記基礎床から所定の高さを持った隙間を設けて支持し、
前記間仕切り壁の下端が前記床パネルの上面に接合され、
前記密閉構造が前記間仕切り壁に沿って1対の側部を上下方向を向く様に配置された長尺の板状部材であって一方の側部を前記二重床と基礎床との一方に固定され他方の側部を前記二重床と基礎床との他方に向ける密閉用部材と前記間仕切り壁に沿って前記二重床と基礎床との他方に敷かれる様に配置された弾性または弾塑性のうちの一方を持つマット状部材である密閉用マット部材とを有し、前記密閉用部材の他方の前記側部が前記密閉用マット部材を前記間仕切り壁に沿って略隙間なく押し潰す、
ことを特徴とする建造方法。
【請求項9】
前記密閉用マット部材の押し潰される側の面の全領域は前記間仕切り壁に沿って前記側部に押し潰された領域である押潰し領域と前記押潰し領域を挟む様に位置し少なくとも片方に縁部において自由状態での厚みをほぼ保持できるのに十分な幅寸法を持った領域である1対の自由状態領域とを持つ、
ことを特徴とする請求項6乃至請求項8のうちのひとつに記載の建造方法。
【請求項10】
建物の収納機器が前記室内空間の中で基礎床に直接に支持され、
前記床パネルが前記収納機器を収納する前記室内空間を囲う輪郭をもつ切欠き穴を設けられる、
ことを特徴とする請求項9に記載の建造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−6892(P2011−6892A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−150593(P2009−150593)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(000174943)三井住友建設株式会社 (346)
【Fターム(参考)】