説明

建設機械

【課題】 床板の前側部分にスペースをもった状態で排土操作レバーを排土装置を操作し易い場所に設置する。
【解決手段】 排土操作レバー27は、右フロント操作レバー20の前方に位置してキャノピ17の右前支柱17Bと走行操作レバー・ペダル21のレバー21Bとの間に、床板14から浮かせた状態で設ける構成としているから、排土操作レバー27の下側には、床板14との間に空間部28を形成できる。従って、排土操作レバー27は、スイング操作ペダル22、オペレータの右足の位置等に配慮することなく、操作し易い最適な位置、例えば走行操作レバー・ペダル21のレバー21Bの右側近傍に設置することができる。これにより、排土操作レバー27の操作性を高めることができる。また、オペレータの足元のスペースを広くすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば油圧ショベル等の建設機械に関し、特に、土砂等の排土作業を行う排土装置を備えた建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、建設機械としての油圧ショベルは、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載され、該下部走行体と共に車体を構成する上部旋回体と、該上部旋回体の前部に俯仰動可能に設けられたフロント装置とにより大略構成されている。また、油圧ショベルには、下部走行体を構成するトラックフレームに土砂の排土作業等を行うための排土装置が設けられたものがある。
【0003】
ここで、フロント装置は、旋回フレームの前部側に俯仰動可能に設けられたブームと、該ブームの先端に回動可能に取付けられたアームと、該アームの先端に回動可能に取付けられたバケット等により構成されている。
【0004】
また、排土装置は、例えば基端側がトラックフレームに上,下動可能に取付けられたアームと、左,右方向に延びた板状体からなり該アームの先端側に取付けられたブレード等を備えている。また、ブレードは、アームに対する取付位置を中心にして前,後方向と上,下方向に揺動可能となっている。
【0005】
一方、上部旋回体は、後側にエンジンを搭載した旋回フレームと、該旋回フレーム上の前側に設けられた床板と、該床板上に設けられたオペレータが着座する運転席と、該運転席の左,右両側に設けられ、フロント装置を操作するフロント操作レバーと、前記運転席の前側に位置して前記床板上に設けられ、下部走行体を走行させる走行操作レバー・ペダルと、排土装置を操作する排土操作レバーとを備えている。
【0006】
また、排土操作レバーは、排土作業等を行っているときに排土装置のブレードの位置を確認し易いように、床板の前側に配置された走行操作レバー・ペダルの右側に位置し、床板から上側に延びた塔状の取付台の上部に取付けられている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】特開2000−527119号公報
【0008】
そして、走行する場合には、走行操作レバー・ペダルを操作して下部走行体を駆動する。また、土砂の掘削作業を行うときには、左,右のフロント操作レバーによりフロント装置のブーム、アーム、バケットを操作する。また、土砂の排土作業等を行う場合には、排土操作レバーにより排土装置を操作し、走行操作レバー・ペダルを操作して下部走行体を走行させる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上述した従来技術による油圧ショベルでは、排土操作レバーを、走行操作レバー・ペダルの右側に配置した取付台の上部に取付けられている。しかし、走行操作レバー・ペダルの左,右両側は、他の装置の操作を行う操作ペダル、作業時にオペレータが足を乗せるためのペダル等を配設する場所である。従って、これらのペダルの邪魔にならない場所に排土操作レバーを設けた場合には、該排土操作レバーを排土装置を操作し易い場所に配置できなくなるという問題がある。
【0010】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、床板の前側部分を使用することなく、排土操作レバーを排土装置を操作し易い場所に配置して作業性を向上することができるようにした建設機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の発明による建設機械は、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体の前部に俯仰動可能に取付けられたフロント装置と、前記下部走行体に設けられた排土装置とからなり、前記上部旋回体は、原動機を搭載した旋回フレームと、該旋回フレーム上の前側に設けられた床板と、該床板上に設けられオペレータが着座する運転席と、該運転席の右側に設けられ前記フロント装置を操作するフロント操作レバーと、前記運転席の前側に位置して前記床板上に設けられ前記下部走行体の走行を操作する走行操作部材とを備えている。
【0012】
そして、上述した課題を解決するために、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記床板には前記運転席の右前側に位置してオペレータを保護する強度部材を設け、前記フロント操作レバーの前方に位置して前記強度部材と前記走行操作部材との間には前記排土装置を操作する排土操作レバーを前記床板から浮かせた状態で設ける構成としたことにある。
【0013】
請求項2の発明によると、前記床板の右前側には、前記排土操作レバーの下側に位置してペダルを設ける構成としたことにある。
【0014】
請求項3の発明によると、前記排土操作レバーは、前記強度部材に支持ステーを利用して取付ける構成としたことにある。
【0015】
請求項4の発明によると、前記強度部材は、前記運転席の上側を覆うキャノピを構成して前記床板に立設された柱部材、前記運転席の周囲を取囲んでキャブを構成する建屋部材、前記キャノピ、キャブとは別個に床板に立設された手摺り部材のいずれか一の部材としたことにある。
【0016】
請求項5の発明によると、前記床板は、前記旋回フレームに対し前部側を支点として後部側が上,下方向にチルト動作するように取付ける構成としたことにある。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明によれば、フロント操作レバーの前方で強度部材と走行操作部材との間に位置する床板上は、運転席に着座したオペレータの右足が置かれる場所である。しかし、フロント操作レバーの前方で強度部材と走行操作部材との間は、排土装置を操作する排土操作レバーを配置するのに適した場所でもある。
【0018】
そこで、フロント操作レバーの前方で強度部材と走行操作部材との間のスペースには、床板から浮かせた状態で排土操作レバーを設けているから、オペレータの右足を置くのに邪魔にならない空中のスペースを利用することができ、排土操作レバーを自由に設置することができる。
【0019】
この結果、排土操作レバーは、排土装置を操作するのに適した場所、即ち走行操作部材の近傍で、操作しながら排土装置も確認し易い場所に設置することができるから、排土操作レバーの操作性を高めることができ、作業性を向上することができる。また、床板から浮かせた状態で設けた排土操作レバーは、オペレータの足元のスペースを広くすることができるから、居住性を良好にすることができる。一方、床板には運転席の右前側に強度部材を設けているから、この強度部材により運転席に着座したオペレータを保護することができる。
【0020】
請求項2の発明によれば、排土操作レバーを床板から浮かせた状態で設けることにより、床板の右前側には、排土操作レバーの下側に位置してペダルを設けることができ、例えば他の装置の操作を行う操作ペダル、作業時にオペレータが足を乗せるためのペダル等を設けることができる。
【0021】
請求項3の発明によれば、排土操作レバーは、支持ステーを利用して強度部材に取付けているから、例えば支持ステーに対する排土操作レバーの取付位置を変えたり、支持ステーを他の支持ステーと交換することにより、排土操作レバーの位置を任意に選択することができ、最適な作業姿勢、居住性を得ることができる。
【0022】
請求項4の発明によれば、運転席の上側を覆うキャノピを構成して床板に立設された柱部材、運転席の周囲を取囲んでキャブを構成する建屋部材、キャノピ、キャブとは別個に床板に立設された手摺り部材のいずれか一の部材を強度部材として用いることができるから、キャノピ式の建設機械、キャブ式の建設機械、これら以外の建設機械に広く対応することができる。
【0023】
請求項5の発明によれば、旋回フレームに対し前部側を支点として後部側を持上げることにより、床板を上方向にチルト動作したときには、原動機等のメンテナンス作業等を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態に係る建設機械として油圧ショベルを例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
【0025】
まず、図1ないし図10は本発明の第1の実施の形態を示している。この第1の実施の形態では、床板の前,後と左,右の四隅に設けられた4本の柱部材によってルーフを支持する4柱キャノピを備えた油圧ショベルを例に挙げて説明する。
【0026】
図1、図2において、1はキャノピ仕様の油圧ショベルで、該油圧ショベル1は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回装置3を介して旋回可能に搭載され、該下部走行体2と共に車体を構成する上部旋回体4と、該上部旋回体4の前側に揺動および俯仰動可能に設けられたフロント装置5と、前記下部走行体2の前側に設けられた排土装置6とにより大略構成されている。
【0027】
ここで、下部走行体2は、トラックフレーム2Aと、該トラックフレーム2Aの左,右両側に位置して前,後方向の一方に設けられた遊動輪2Bと、他方に設けられた駆動輪2C(いずれも左側のみ図示)と、遊動輪2Bと駆動輪2Cに巻装された履帯2Dとにより大略構成されている。また、下部走行体2のトラックフレーム2Aには、排土装置6が取付けられている。
【0028】
また、フロント装置5は、後述する旋回フレーム7の前端部に左,右方向に揺動可能に取付けられたスイングポスト5Aと、該スイングポスト5Aに俯仰動可能に取付けられたブーム5Bと、該ブーム5Bの先端部に俯仰動可能に取付けられたアームと、該アームの先端部に回動可能に取付けられたバケット(いずれも図示せず)とにより大略構成されている。また、スイングポスト5Aは、旋回フレーム7との間に設けられたスイングシリンダ(図示せず)によって揺動される。
【0029】
一方、排土装置6は、図3、図4に示す如く、基端側が2つに分岐して下部走行体2のトラックフレーム2Aに上,下方向に揺動可能に取付けられるV字状のアーム6Aと、左,右方向に延びた高強度な板状体からなり、背面側のほぼ中央が前記アーム6Aの先端側に自在ピン6Bを介して取付けられるブレード6Cと、前記アーム6Aの中央を前,後方向に延び、前記アーム6Aとトラックフレーム2Aとの間に設けられた昇降シリンダ6Dと、前記アーム6Aの左側を前,後方向に延び、アーム6Aとブレード6Cとの間に設けられたアングルシリンダ6Eと、前記ブレード6Cの背面に沿って左,右方向に延び、アーム6Aとブレード6Cとの間に設けられたチルトシリンダ6Fとにより大略構成されている。
【0030】
そして、排土装置6は、昇降シリンダ6Dによりアーム6Aを介してブレード6Cを上,下(矢示A,A′方向)に昇降する。また、アングルシリンダ6Eによりブレード6Cを自在ピン6Bの位置を支点にして前,後方向(矢示B,B′方向)にアングル動作する。さらに、チルトシリンダ6Fによりブレード6Cを自在ピン6Bの位置を支点にして上,下方向(矢示C,C′方向)にチルト動作する。
【0031】
次に、上部旋回体4は、下部走行体2の車幅内でほぼ旋回できるように、上方からみて略円形状に形成されている(図3参照)。また、上部旋回体4は、後述の旋回フレーム7、エンジン8、フロアベース13、キャノピ17、運転席18、フロント操作レバー19,20、走行操作レバー・ペダル21、支持ステー25、排土操作レバー27、油圧パイロット配管34等により大略構成されている。
【0032】
7は上部旋回体4の旋回フレームで、該旋回フレーム7は、上部旋回体4のベースを構成するもので、例えば鋼板等を用いて高強度に形成されている。また、旋回フレーム7の後側には、図2に示すように、原動機をなすエンジン8、カウンタウエイト9等が搭載されている。また、旋回フレーム7の右側には、作動油タンク10、燃料タンク11等が搭載され、これらは外装カバー12によって覆われている。
【0033】
13は旋回フレーム7上の左側寄りに設けられたフロアベースで、該フロアベース13は、その前部側が旋回フレーム7の前部に回動可能に支持され、後部側が旋回フレーム7の後側に設けられた支持部材(図示せず)に支持されている。これにより、フロアベース13は、図2に示すように、前部側を支点として後部側を持上げることにより、キャノピ17、運転席18等と一緒にチルトアップすることができる。そして、フロアベース13は、図5に示すように、後述の床板14、運転席台座15、建屋取付板16等によって大略構成されている。
【0034】
14は旋回フレーム7の前側に位置してフロアベース13の前側部分を形成する床板を示している。この床板14は、オペレータが乗る部分で、その前側部分は、運転席18に着座した運転姿勢でオペレータが足を乗せる後述の走行操作レバー・ペダル21、スイング操作ペダル22等を取付けるためのレバー・ペダル取付部14Aとなっている。
【0035】
また、15は床板14の後側に立ち上げて設けられた運転席台座で、該運転席台座15には、運転席18等が配設されている。さらに、16は運転席台座15の後端部から後側に延びて設けられた建屋取付板で、建屋取付板16は、エンジン8の上方位置で旋回フレーム7の後側に設けられた支持部材に支持されている。また、建屋取付板16には、後述するキャノピ17の後支柱17C,17Dが取付けられている。
【0036】
17はフロアベース13上に設けられたキャノピで、該キャノピ17は、運転席18の上側を覆うものである。そして、キャノピ17は、床板14の前側に位置するレバー・ペダル取付部14Aの左位置に立設された左前支柱17Aと、右位置に立設された右前支柱17Bと、建屋取付板16の左位置に立設された左後支柱17Cと、右位置に立設された右後支柱17Dと、運転席18の上側を覆うルーフ部材17E(図3中に図示)とにより4柱式のキャノピとして構成されている。また、キャノピ17には、右前支柱17Bと右後支柱17Dとに亘って手摺りパイプ17Fが設けられ、該手摺りパイプ17Fの下側は仕切板17Gによって覆われている。また、右前支柱17Bと手摺りパイプ17Fの前側寄り位置には、後述の排土操作レバー27を支持する支持ステー25を取付けるためのブラケット17H,17Jが溶接手段等を用いて固着されている。
【0037】
ここで、キャノピ17を構成する柱部材としての各支柱17A〜17D、手摺り部材としての手摺りパイプ17Fは、オペレータを保護する強度部材を構成している。また、各支柱17A〜17D、手摺りパイプ17Fは、フロアベース13の強度を高める補強部材としても機能し、これにより、フロアベース13をチルトアップしたときの歪み、変形等を抑え、フロアベース13を円滑にチルト動作させる機能も有している。
【0038】
18は床板14上に位置する運転席台座15に設けられた運転席を示している。この運転席18は、油圧ショベル1を操縦するときにオペレータが着座するものである。また、運転席18の近傍には、後述する左,右のフロント操作レバー19,20、走行操作レバー・ペダル21、排土操作レバー27等が配設されている。
【0039】
19は運転席18の左側に設けられた左フロント操作レバーで、該左フロント操作レバー19は、ボックス状のコンソール19Aと、該コンソール19Aの前部に傾転可能に設けられたレバー本体19Bとにより大略構成されている。
【0040】
また、20は運転席18の右側に設けられた右フロント操作レバーで、該右フロント操作レバー20は、左フロント操作レバー19と同様に、コンソール20Aとレバー本体20Bとにより大略構成されている。そして、左,右のフロント操作レバー19,20は、旋回装置3とフロント装置5を操作するものである。
【0041】
21は運転席18の前側に設けられた走行操作部材としての走行操作レバー・ペダルで、該走行操作レバー・ペダル21は、床板14のレバー・ペダル取付部14Aに取付けられている。また、走行操作レバー・ペダル21は、足踏み操作するペダル21Aと、該ペダル21Aの前側から上側に延び、該ペダル21Aと連動して傾転するレバー21Bとを備えている。そして、走行操作レバー・ペダル21は、ペダル21Aまたはレバー21Bを傾転操作することにより、下部走行体2を走行させるものである。
【0042】
22は床板14のレバー・ペダル取付部14Aの右側に設けられたスイング操作ペダルで、該スイング操作ペダル22は、フロント装置5のスイングポスト5Aを左,右方向に揺動操作するものである。また、スイング操作ペダル22は、後述の排土操作レバー27を床板14から浮かせた状態で配設することによって形成された空間部28を利用することにより、足踏み操作を行うのに最適な位置に設置することができる。一方、23は床板14のレバー・ペダル取付部14Aの左側に設けられた予備ペダルを示している。
【0043】
24は床板14の右側に立設されたカバー部材で、該カバー部材24は、右フロント操作レバー20の下側からキャノピ17の仕切板17Gに沿うように前側に延びて設けられている。また、カバー部材24は、タンク、ダクト等(いずれも図示せず)を覆うもので、その先端側は上側に向け角柱状に突出する突出部24Aとなっている。この突出部24Aの運転席18側には、図6等に示す如く、アワーメータ、燃料計、水温計等からなるモニタ部24Bが設けられている。
【0044】
25は運転席18の右前側に位置してキャノピ17に取付けられた支持ステーを示している。この支持ステー25は、後述の排土操作レバー27を右フロント操作レバー20の前方でキャノピ17の右前支柱17Bと走行操作レバー・ペダル21のレバー21Bとの間に配設するものである。そして、支持ステー25は、図5ないし図9に示すように、カバー部材24の突出部24Aと排土操作レバー27を取囲むようにほぼJ字状に屈曲した丸パイプ材からなる支持パイプ25Aと、該支持パイプ25Aの前,後の端部にそれぞれ固着された取付板25B,25Cと、前記支持パイプ25A左側寄りに互いに対応するように配置されたレバー取付台25D,25Eとにより構成されている。
【0045】
ここで、支持ステー25は、支持パイプ25Aに丸パイプ材を用いているから、高い強度を確保しつつカバー部材24のモニタ部24Bの邪魔にならないように細く形成することができる。
【0046】
そして、支持ステー25は、前側の取付板25Bがキャノピ17の右前支柱17Bに設けられたブラケット17Hにボルト26を用いて固定され、後側の取付板25Cがキャノピ17の手摺りパイプ17Fに設けられたブラケット17Jにボルト26を用いて固定されることにより、床板14の上方に該床板14とほぼ平行に固定されている。
【0047】
27は運転席18の右前側に位置して支持ステー25に取付けられた排土操作レバーを示している。この排土操作レバー27は、図5に示す如く、支持ステー25に取付けられることにより、右フロント操作レバー20の前方に位置してキャノピ17の右前支柱17Bと走行操作レバー・ペダル21のレバー21Bとの間に、床板14から浮かせた状態で設けられている。これにより、排土操作レバー27の下側には、図6に示すように、床板14との間に空間部28が形成され、この空間部28にスイング操作ペダル22が配設されている。また、排土操作レバー27は、図7、図8に示す如く、後述の弁ケース29、油圧パイロット弁31、レバー本体32、レバーブーツ33等により大略構成されている。
【0048】
29は排土操作レバー27の弁ケースで、該弁ケース29は、円筒状のケース本体29Aと、該ケース本体29Aの前側と後側に位置して外周面に固着された2個のブラケット29B,29Cとにより構成されている。また、前側のブラケット29Bには1個のボルト孔(図示せず)が形成され、後側のブラケット29Cには2個のボルト孔29Dが形成されている。そして、弁ケース29は、前側のブラケット29Bを1本のボルト30により支持ステー25のレバー取付台25Dに締着し、後側のブラケット29Cを2本のボルト30により支持ステー25のレバー取付台25Eに締着することにより、3点で支持ステー25に確実に固定することができる。なお、ブラケット29B,29Cのボルト孔29D等は、長孔またはボルト30が移動できるような大きさに形成することにより、支持ステー25に対して排土操作レバー27の取付位置(取付角度)をオペレータの好みに応じて調整することができる。
【0049】
31は弁ケース29内に収容される油圧パイロット弁で、該油圧パイロット弁31は、上側の操作部31Aを傾転操作することによりパイロット圧を発生する減圧弁型パイロット弁として構成されている。
【0050】
32は油圧パイロット弁31の操作部31Aに取付けられるレバー本体を示している。このレバー本体32の上端部には、グリップ部32Aが設けられ、該グリップ部32Aには、アングル操作とチルト操作を切換える切換ボタン32Bが設けられている。また、レバー本体32と弁ケース29との間はレバーブーツ33によって覆われている。
【0051】
ここで、排土操作レバー27は、支持ステー25に取付けられることにより、スイング操作ペダル22を設置する場合、また該スイング操作ペダル22を足踏み操作する場合でも邪魔にならない床板14の上方で、排土装置6を操作するのに最適な位置に設けることができる。そして、排土操作レバー27は、図9に示すように、例えばレバー本体32を前,後方向(D,D′方向)に傾転操作することにより排土装置6のブレード6Cを昇降動作させることができる。また、レバー本体32を左,右方向(E,E′方向)に傾転操作することによりブレード6Cをアングル動作またはチルト動作させることができ、アングル動作とチルト動作の切換は切換ボタン32Bによって行うことができる。
【0052】
34は排土操作レバー27の油圧パイロット弁31に接続された複数本の油圧パイロット配管で、該各油圧パイロット配管34は、油圧パイロット弁31からのパイロット圧を制御弁(図示せず)に伝達するものである。また、各油圧パイロット配管34は、図8、図10に示すように、制御弁から右フロント操作レバー20の右側位置に延びた油圧ホース34Aと、油圧パイロット弁31から該油圧ホース34Aの先端側まで延びた金属配管34Bとに長さ方向で分割され、油圧ホース34Aと金属配管34Bとは継手部材34Cによって接続されている。また、各継手部材34Cは、例えばフロアベース13等に固定される継手ブラケット35に並べて取付けられている。
【0053】
ここで、油圧パイロット配管34のうち、排土操作レバー27の油圧パイロット弁31と継手ブラケット35に取付けられた継手部材34Cとの間は、例えばスチール製の金属配管34Bとしているから、油圧ホース34Aに比較して細くすることができ、運転席18の右前側のスペースを広くすることができる。また、スチール製の金属配管34Bは、排土操作レバー27の下側部分を支持することができるから、排土操作レバー27の取付強度を高めて振動を抑える働きもある。
【0054】
また、36は油圧パイロット配管34の油圧ホース34Aと金属配管34Bとの接続部分を覆うように継手ブラケット35に取付けられた飛散防止カバーを示している。この飛散防止カバー36は、油圧ホース34A、金属配管34Bと継手部材34Cとの間から圧油が漏れるようなことがあっても、漏れ出た圧油がオペレータに掛からないように、油圧パイロット配管34と運転席18との間を遮蔽している。
【0055】
37は排土操作レバー27の弁ケース29の下側に取付けられたボトムカバーを示している。このボトムカバー37は、例えば断熱性、可撓性を有する材料を用いて有底円筒状に形成され、油圧パイロット弁31に対する油圧パイロット配管34の金属配管34Bの接続部分を覆うものである。また、38はボトムカバー37から突出した金属配管34Bを覆う配管カバーで、該配管カバー38は、ボトムカバー37と共に保護カバーを構成するもので、断熱性、可撓性を有する材料を用いて筒状に形成されている。
【0056】
本実施の形態に適用される油圧ショベル1は、上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
【0057】
まず、オペレータは運転席18に着座し、この状態で走行操作レバー・ペダル21を操作することにより、下部走行体2を走行させることができる。また、フロント操作レバー19,20を操作することにより、フロント装置5を俯仰動させて土砂の掘削作業等を行なうことができる。
【0058】
一方、スイング操作ペダル22を足踏み操作することにより、フロント装置5を左,右方向に揺動し、側溝掘り作業を行うことができる。ここで、スイング操作ペダル22は、排土操作レバー27の下側の空間部28を利用して設置することにより、床板14の右前側で操作し易い位置に配置されているから、スイング操作ペダル22を正確かつ容易に操作することができる。
【0059】
また、オペレータは、排土操作レバー27により排土装置6のブレード6Cを昇降操作、アングル操作、チルト操作し、走行操作レバー・ペダル21によって下部走行体2を走行させることにより土砂の排土作業等を行うことができる。このときに、排土操作レバー27は、床板14から浮かせた状態で設けているから、スイング操作ペダル22、オペレータの右足の位置等に関係なく、排土装置6のブレード6C等が見易く、無理なく手が届く位置に設置することができ、排土装置6を正確かつ容易に操作することができる。
【0060】
一方、エンジン8等のメンテナンス作業を行う場合には、図2に示すように、フロアベース13の前部側を支点として後部側を持上げることにより、該フロアベース13をキャノピ17、運転席18等と一緒にチルトアップする。これにより、エンジン8を大きく露出させることができ、メンテナンス作業等を容易に行うことができる。
【0061】
かくして、本実施の形態によれば、排土操作レバー27は、右フロント操作レバー20の前方に位置してキャノピ17の右前支柱17Bと走行操作レバー・ペダル21のレバー21Bとの間に、床板14から浮かせた状態で設ける構成としているから、排土操作レバー27の下側には、床板14との間に空間部28を形成することができる。従って、排土操作レバー27は、スイング操作ペダル22、オペレータの右足の位置等に配慮することなく、操作し易い最適な位置、例えば排土装置6のブレード6C等が見易く、無理なく手が届く走行操作レバー・ペダル21のレバー21Bの右側近傍に設置することができる。
【0062】
この結果、スイング操作ペダル22、オペレータの右足を置くスペースを確保した状態でも、排土操作レバー27の操作性を高めることができるから、排土装置6による排土作業の作業性を向上することができる。また、床板14と排土操作レバー27との間に空間部28を形成することにより、オペレータの足元のスペースを広くすることができるから、居住性、作業環境を良好にすることができる。
【0063】
また、スイング操作ペダル22は、排土操作レバー27の下側の空間部28を利用することにより、排土操作レバー27に邪魔されることなく、床板14の右前側で操作し易い最適な位置に設置することができる。これにより、スイング操作ペダル22の操作性を高めて側溝掘り作業等の作業性を向上することができる。
【0064】
また、排土操作レバー27は、支持ステー25を利用してキャノピ17側に取付けているから、支持ステー25に対して排土操作レバー27の取付位置(取付角度)をオペレータの好みに応じて調整することができ、最適な作業姿勢、居住性を得ることができる。また、支持ステー25を他の形状のものに交換することができ、この場合には排土操作レバー27の取付位置を大きく変えることもできる。
【0065】
しかも、排土操作レバーを床板に設けた場合には、位置調整すると床板の通し穴が露出したり、床下の熱風が流れ出たりする。しかし、本実施の形態では、排土操作レバー27は、床板14から浮かせた状態で設けているから、外観上の見栄えや作業環境を良好にすることができる。
【0066】
一方、運転席18の上側を覆う4柱式のキャノピ17の右前支柱17B、手摺りパイプ17Fを利用して支持ステー25(排土操作レバー27)を取付けているから、既存のキャノピにも、本実施の形態による支持ステー25、排土操作レバー27を簡単に設けることができる。
【0067】
また、フロアベース13は、旋回フレーム7に対し前部側を支点として後部側を持上げることができるから、フロアベース13を上方向に持上げた(チルト動作した)ときには、エンジン8等のメンテナンス作業等を容易に行うことができる。
【0068】
また、排土操作レバー27に圧油を給排する複数本の油圧パイロット配管34は、長さ方向で油圧ホース34Aと金属配管34Bとに分割し、分割した油圧ホース34Aと金属配管34Bとは継手部材34Cにより接続しているから、設置場所に応じて配管、ホースを選択することができ、組立作業性等を向上することができる。
【0069】
また、油圧パイロット配管34のうち、排土操作レバー27の油圧パイロット弁31と継手ブラケット35との間は、スチール製の金属配管34Bとしている。従って、金属配管34Bは、油圧ホース34Aに比較して細くすることができ、運転席18の右前側のスペースを広くすることができる。また、金属配管34Bは、排土操作レバー27の下側部分を支持することができ、排土操作レバー27の取付強度を高めて振動を抑えることができる。
【0070】
また、油圧パイロット配管34の金属配管34Bは、保護カバーを構成するボトムカバー37、配管カバー38によって覆っているから、金属配管34Bの寿命を延ばすことができる。また、オペレータの金属配管34Bへの接触も防止することができる。
【0071】
さらに、支持ステー25の大部分を支持パイプ25Aとしているから、軽量化しつつ十分な強度を得ることができる。また、支持パイプ25Aを丸パイプ材により形成しているから、カバー部材24のモニタ部24Bの邪魔にならないように細く形成することができる。
【0072】
次に、図11および図12は本発明の第2の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、運転席の後側に立設された2本の柱部材によってルーフ部材を支持した2柱式のキャノピを備えた建設機械に関し、床板の右前側の手摺り部材に支持ステーを取付ける構成としたことにある。なお、第2の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0073】
図11、図12において、41はフロアベース13の建屋取付板16上に設けられたキャノピで、該キャノピ41は、運転席18の上側を覆うものである。そして、キャノピ41は、建屋取付板16に立設された2本の後支柱41Aと、該各後支柱41Aの上側に前側に迫り出して設けられ、運転席18の上側を覆うルーフ部材41Bとにより2柱式のキャノピとして構成されている。
【0074】
42は床板14のレバー・ペダル取付部14A前端に立設された前手摺り部材を示している。この前手摺り部材42は、例えば丸パイプ材を角枠状に折曲げることにより形成され、運転席18に着座したオペレータを前側から保護する強度部材を構成している。
【0075】
43はフロアベース13の右側に設けられた右手摺り部材で、該右手摺り部材43は、運転席18に着座したオペレータを右側から保護する強度部材を構成している。そして、右手摺り部材43は、床板14の前側に位置するレバー・ペダル取付部14Aの右位置に立設され、上側が後側に向けてJ字状に屈曲した縦手摺りパイプ43Aと、建屋取付板16から前側に延び、該縦手摺りパイプ43Aに固着された横手摺りパイプ43Bとにより構成されている。
【0076】
また、縦手摺りパイプ43Aと横手摺りパイプ43Bの前側寄り位置には、ブラケット43C,43Dが溶接手段等を用いて固着されている。そして、右手摺り部材43のブラケット43C,43Dにボルト26を用いて支持ステー25を取付けることにより、排土操作レバー27を床板14から浮かせた状態に設けることができる。
【0077】
ここで、右手摺り部材43は、フロアベース13の強度を高める補強部材としても機能し、これにより、フロアベース13をチルトアップしたときの歪み、変形等を抑え、フロアベース13を円滑にチルト動作させる機能も有している。
【0078】
かくして、このよう構成された第2の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、本実施の形態によれば、2柱式のキャノピ41を備えた油圧ショベル1でも、排土操作レバー27を床板14から浮かせた状態に設けることができ、操作性を高めることができる。
【0079】
次に、図13および図14は本発明の第3の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、キャブを備えた建設機械に関し、運転席の周囲を取囲む建屋部材に支持ステーを取付ける構成としたことにある。なお、第3の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0080】
図13、図14において、51はフロアベース13上に設けられたキャブで、該キャブ51は、運転席18の周囲と上側を取囲むものである。そして、キャブ51は、例えば床板14のレバー・ペダル取付部14A前端に立設された左,右の前ピラー51A,51Bと、建屋取付板16に立設された左,右の後ピラー51C,51Dと、運転席台座15の左側に立設された左中ピラー51Eと、前面をなす前窓枠51Fと、後側を覆う後面パネル51G、運転席18の左側を覆う左面パネル51Hと、右側を覆う右面パネル51Jと、運転席18の上側を覆うルーフパネル51Kとによりボックス状に形成されている。
【0081】
ここで、左前ピラー51A、右前ピラー51B、左後ピラー51C、右後ピラー51D、左中ピラー51E、前窓枠51F、後面パネル51G、左面パネル51H、右面パネル51Jは、運転席18の周囲を取囲む建屋部材を構成している。また、建屋部材を構成する右前ピラー51Bと右面パネル51Jの前側寄り位置には、ブラケット51L,51Mが溶接手段等を用いて固着されている。そして、キャブ51のブラケット51L,51Mにボルト26を用いて支持ステー25を取付けることにより、排土操作レバー27を床板14から浮かせた状態に設けることができる。
【0082】
ここで、キャブ51は、フロアベース13の強度を高める補強部材としても機能し、これにより、フロアベース13をチルトアップしたときの歪み、変形等を抑え、フロアベース13を円滑にチルト動作させる機能も有している。
【0083】
かくして、このよう構成された第3の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、本実施の形態によれば、キャブ51を備えた油圧ショベル1でも、排土操作レバー27を床板14から浮かせた状態に設けることができ、操作性を高めることができる。
【0084】
なお、第1の実施の形態では、支持ステー25をキャノピ17の右前支柱17Bと手摺りパイプ17Fとに取付ける構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えばキャノピ17の右前支柱17Bだけに支持ステーを取付ける構成としてもよい。この構成は、他の実施の形態にも同様に適用することができるものである。
【0085】
また、第1の実施の形態では、排土操作レバー27は、別個に設けられた支持ステー25を用いてキャノピ17に取付ける構成としている。しかし、本発明はこれに限らず、例えば排土操作レバー27の弁ケース29に直接的にステーを設け、該ステーをキャノピ17に取付ける構成としてもよい。この構成は、他の実施の形態にも同様に適用することができるものである。
【0086】
また、第2の実施の形態では、運転席18の右側に設けられた右手摺り部材43に支持ステー25を介して排土操作レバー27を支持する構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば前手摺り部材42に支持ステー25を介して排土操作レバー27を支持する構成としてもよい。
【0087】
一方、各実施の形態では、フロアベース13が旋回フレーム7に対してチルトアップ可能となった油圧ショベル1を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、フロアベース13が旋回フレーム7に固定された油圧ショベル1に適用してもよい。
【0088】
また、各実施の形態では、排土操作レバー27の下側の空間部28にはフロント装置5を揺動操作するスイング操作ペダル22を配置した場合を例に挙げた。しかし、本発明はこれに限らず、オフセット式のフロント装置を操作するオフセット操作ペダル、他のアタッチメントを操作する追加ペダル、足を乗せるだけの固定ペダル等を空間部に設ける構成としてもよい。また、ペダルを廃止する構成としてもよい。
【0089】
また、各実施の形態では、油圧パイロット配管34を、油圧ホース34Aと金属配管34Bに分割する構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、油圧パイロット配管を分割せずに、1本の油圧ホースまたは1本の金属配管により構成してもよい。
【0090】
さらに、第1、第2の実施の形態では、運転席18の上方を覆うキャノピ17、41を備えた油圧ショベル1を例に挙げ、第3の実施の形態では、運転席18の周囲を上方を覆うキャブ51を備えた油圧ショベル1を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えばキャノピ、キャブのいずれも備えていない油圧ショベルに適用してもよい。
【0091】
本発明において、特許請求の範囲に記載された以外の望ましい構成として、次のようなものを掲げることができる。
(1).前記排土操作レバーに接続される油圧配管は金属配管により形成してなる建設機械。
(2).前記排土操作レバーに圧油を給排する複数本の油圧配管は、長さ方向で分割し、分割した各油圧配管は継手部材を用いて接続する構成としてなる建設機械。
(3).前記排土操作レバーに接続される油圧配管は、保護カバーによって覆う構成としてなる建設機械。
(4).支持ステーはパイプ材により形成してなる建設機械。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の第1の実施の形態による4柱式キャノピを備えた油圧ショベルを示す正面図である。
【図2】フロアベースをキャノピ、運転席等と一緒にチルトアップした状態で示す油圧ショベルの正面図である。
【図3】フロント装置を省略した油圧ショベルを示す平面図である。
【図4】排土装置を分解して示す分解斜視図である。
【図5】フロアベース、キャノピ、運転席、支持ステー、排土操作レバー等を図1中の矢示V−V方向からみた拡大断面図である。
【図6】支持ステー、排土操作レバーの取付状態を運転席側からみた要部拡大の斜視図である。
【図7】図6中の支持ステー、排土操作レバーを分解して示す分解斜視図である。
【図8】排土操作レバー、油圧パイロット配管、飛散防止カバー等をより一層細かく分解して示す分解斜視図である。
【図9】排土操作レバーの操作方法を示す拡大平面図である。
【図10】油圧パイロット配管の油圧ホースと金属配管との接続状態を示す要部拡大斜視図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態による2柱式キャノピを備えた油圧ショベルを示す正面図である。
【図12】フロアベース、キャノピ、運転席、支持ステー、排土操作レバー等を図11中の矢示XII−XII方向からみた拡大断面図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態によるキャブを備えた油圧ショベルを示す正面図である。
【図14】フロアベース、キャブ、運転席、支持ステー、排土操作レバー等を図13中の矢示XIV−XIV方向からみた拡大断面図である。
【符号の説明】
【0093】
1 油圧ショベル(建設機械)
2 下部走行体
4 上部旋回体
5 フロント装置
6 排土装置
7 旋回フレーム
8 エンジン(原動機)
13 フロアベース
14 床板
17 4柱式キャノピ
17A〜17D 支柱(強度部材)
17E ルーフ部材
17F 手摺りパイプ(強度部材)
18 運転席
19 左フロント操作レバー
20 右フロント操作レバー
21 走行操作レバー・ペダル(走行操作部材)
22 スイング操作ペダル
25 支持ステー
25A 支持パイプ
27 排土操作レバー
28 空間部
34 油圧パイロット配管(油圧配管)
34A 油圧ホース
34B 金属配管
34C 継手部材
37 ボトムカバー(保護カバー)
38 配管カバー(保護カバー)
41 2柱式キャノピ
42 前手摺り部材(強度部材)
43 右手摺り部材(強度部材)
51 キャブ
51A〜51E ピラー(建屋部材)
51F 前窓枠
51G〜51K パネル(建屋部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体の前部に俯仰動可能に取付けられたフロント装置と、前記下部走行体に設けられた排土装置とからなり、前記上部旋回体は、原動機を搭載した旋回フレームと、該旋回フレーム上の前側に設けられた床板と、該床板上に設けられオペレータが着座する運転席と、該運転席の右側に設けられ前記フロント装置を操作するフロント操作レバーと、前記運転席の前側に位置して前記床板上に設けられ前記下部走行体の走行を操作する走行操作部材とを備えてなる建設機械において、
前記床板には前記運転席の右前側に位置してオペレータを保護する強度部材を設け、前記フロント操作レバーの前方に位置して前記強度部材と前記走行操作部材との間には前記排土装置を操作する排土操作レバーを前記床板から浮かせた状態で設ける構成としたことを特徴とする建設機械。
【請求項2】
前記床板の右前側には、前記排土操作レバーの下側に位置してペダルを設ける構成としてなる請求項1に記載の建設機械。
【請求項3】
前記排土操作レバーは、前記強度部材に支持ステーを利用して取付ける構成としてなる請求項1または2に記載の建設機械。
【請求項4】
前記強度部材は、前記運転席の上側を覆うキャノピを構成して前記床板に立設された柱部材、前記運転席の周囲を取囲んでキャブを構成する建屋部材、前記キャノピ、キャブとは別個に床板に立設された手摺り部材のいずれか一の部材である請求項1,2または3に記載の建設機械。
【請求項5】
前記床板は、前記旋回フレームに対し前部側を支点として後部側が上,下方向にチルト動作するように取付ける構成としてなる請求項1,2,3または4に記載の建設機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−233643(P2006−233643A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−51488(P2005−51488)
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】