説明

建設機械

【課題】冷却ファンで生起させた冷却風をオイルパンの側面にも十分に接触させることができる建設機械の提供。
【解決手段】エンジン7と、このエンジン7の駆動によって作動するフロント作業機3と、カウンタウエイト5と、エンジン7を冷却する風を生起させる冷却ファン12と、エンジン7に設けられ、エンジンオイルが収容されるオイルパン8とを備えるとともに、冷却ファン12によって生起され、オイルパン8の上方を流れる冷却風をオイルパン8の側面8cに導く冷却風案内手段を備えた。この冷却風案内手段は、カウンタウエイト5と、このカウンタウエイト5に対向するエンジン7の部分との間に設けてある。また、この冷却風案内手段は、それぞれ冷却風を案内可能な曲板状のベーン20a〜20bから成っている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジン、このエンジンを冷却する冷却風を生起させる冷却ファン、及びエンジンオイルが収容されるオイルパンを備えた油圧ショベル等の建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
図6は従来の建設機械の要部構成を示す図で、(a)図はエンジン室の平面図、(b)図はカウンタウエイト側からエンジン室を見た背面図である。
【0003】
これらの図6の(a)(b)図に示す要部構成を備えた建設機械は例えば油圧ショベルであり、この油圧ショベルは、図示しないが走行体と、この走行体上に配置される旋回体2と、この旋回体2に取り付けられた図示しない作業装置、すなわち上下方向に回動可能に設けられ、土砂の掘削作業等を行なうフロント作業機とを備えている。旋回体2上には、後側位置に重量バランスを確保するカウンタウエイト5を備え、このカウンタウエイト5の前側位置にはエンジン室6が形成されている。このエンジン室6内には、同図6の(b)図に示すように、エンジン7と、このエンジン7の下側部分に設けられ、エンジンオイルが収容されるオイルパン8とが配置されている。
【0004】
また、エンジン室6内には、エンジン7の排気ガスを外部に放出させるマフラー9と、エンジン7によって駆動される油圧ポンプ10とが設けられている。この油圧ポンプ10から吐出される圧油により、上述した走行体を走行させる図示しない走行モータ、旋回体2を旋回させる図示しない旋回モータ、フロント作業機を駆動する油圧シリンダ等の各種油圧アクチュエータが作動するようになっている。
【0005】
さらに、エンジン室6内には、エンジン冷却水を冷却するラジエータ11と、このラジエータ11とエンジン7との間に配置され、エンジン7を冷却する風を生起させる冷却ファン12とが配置されている。冷却ファン12によって生起した風は、同図6の(a)図に示すようにエンジン7の両側部に導かれ、また、同図7の(b)図に示すようにエンジン7の上方、及びエンジン7の下方すなわちオイルパン8の下方に導かれる。
【0006】
オイルパン8に収容されるエンジンオイルは、エンジン7の回転機構部に供給されるが、エンジン7の駆動に伴ってかなりの高温となる。エンジンオイルが高温になり過ぎると、粘性が低下し、回転機構部における油膜切れや焼付きを生じ、回転機構部の損傷を招く。このために、従来から上述した冷却ファン12で生起させた風をオイルパン8に接触させ、このオイルパン8を冷却することによって、このオイルパン8に収容されたエンジンオイルを冷却することが行なわれている。この種の従来技術として、特許文献1に示されるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−82015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上述した図6に示す従来技術、及び特許文献1に示される従来技術のいずれも、オイルパン8の冷却効率の確保という点では十分とは言えない。この点を図6に示す従来技術で説明すると、同図6の(b)図に示すように、従来にあっては、冷却ファン12で生起された冷却風は、そのほとんどがオイルパン8の前面8a及び底面8bに接触する。したがって、これらのオイルパン8の前面8a及び底面8bに接触した冷却風によって、オイルパン8は冷却されるが、オイルパン8の側面8cに接触する冷却風は少ない。このために従来技術にあっては、必ずしも十分なオイルパン8の冷却効率を確保できていなかった。
【0009】
本発明は、上述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、冷却ファンで生起させた冷却風をオイルパンの側面にも十分に接触させることができる建設機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的を達成するために、本発明に係る建設機械は、エンジンと、このエンジンの駆動によって作動する作業装置と、上記エンジンを冷却する風を生起させる冷却ファンと、上記エンジンに設けられ、エンジンオイルが収容されるオイルパンとを備えた建設機械において、上記冷却ファンによって生起され、上記オイルパンの上方を流れる冷却風を上記オイルパンの側面に導く冷却風案内手段を備えたことを特徴としている。
【0011】
このように構成した本発明によれば、冷却風案内手段によって、オイルパンの上方を流れる冷却風をオイルパンの側面に導き、このオイルパンの側面にも十分に接触させることができる。これにより、オイルパンの冷却効率を高めることができる。
【0012】
また、本発明に係る建設機械は、上記発明において、重量バランスを確保するカウンタウエイトを備え、上記冷却風案内手段を、上記カウンタウエイトと、このカウンタウエイトに対向する上記エンジンの部分との間に設けたことを特徴としている。このように構成した本発明は、カウンタウエイトと、このカウンタウエイトに対向するエンジンとの間の今までは活用されていなかったデッドスペースを、冷却風案内手段の設置領域として有効に活用することができる。
【0013】
また、本発明に係る建設機械は、上記発明において、上記冷却風案内手段が、それぞれ上記冷却風を案内可能な曲板状の複数のベーンを含むことを特徴としている。このように構成した本発明は、曲板状の複数のベーンによって、オイルパンの上方を流れる冷却風を円滑にオイルパンの側面に接触させることができる。
【0014】
また、本発明に係る建設機械は、上記発明において、上記案内手段が、上記冷却風を受け止め、その流れを規制する規制手段を含むことを特徴としている。このように構成した本発明は、規制手段で受け止めた冷却風をオイルパンの側面に供給することが可能になり、オイルパンに接触する冷却風の風量の増加に貢献する。
【0015】
また、本発明に係る建設機械は、上記発明において、上記冷却風案内手段を、上記カウンタウエイトに固定したことを特徴としている。このように構成した本発明は、静止構造物であって振動が伝えられにくいカウンタウエイトに冷却風案内手段を安定して保持させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、冷却ファンによって生起され、オイルパンの上方を流れる冷却風をオイルパンの側面に導く冷却風案内手段を備えたことから、冷却ファンで生起させた冷却風をオイルパンの側面にも十分に接触させることができ、従来に比べてオイルパンの冷却効率を高めることができる。これによって、オイルパンに収容されたエンジンオイルの昇温を従来よりも抑制することができる。したがって、エンジンオイルの粘性低下を抑え、従来生じる懸念のあった油膜切れや焼付きによるエンジンの回転機構部の損傷を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る建設機械の第1実施形態を構成する油圧ショベルを示す側面図である。
【図2】図1に示す油圧ショベルの要部構成を示す図で、(a)図はエンジン室の平面図、(b)図はカウンタウエイト側からエンジン室を見た背面図、(c)図はエンジン室側からカウンタウエイトを見た要部正面図、(d)図は(c)図の側面図である。
【図3】本発明に係る建設機械の第2実施形態の要部構成を示す図で、(a)図はエンジン室の平面図、(b)図はカウンタウエイト側からエンジン室を見た背面図である。
【図4】本発明に係る建設機械の第3実施形態の要部構成を示す図で、(a)図はエンジン室の平面図、(b)図はカウンタウエイト側からエンジン室を見た背面図である。
【図5】本発明に係る建設機械の第4実施形態の要部構成を示す図で、(a)図はエンジン室の平面図、(b)図はカウンタウエイト側からエンジン室を見た背面図である。
【図6】従来の建設機械の要部構成を示す図で、(a)図はエンジン室の平面図、(b)図はカウンタウエイト側からエンジン室を見た背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る建設機械の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0019】
図1は本発明に係る建設機械の第1実施形態を構成する油圧ショベルを示す側面図である。
【0020】
本発明に係る建設機械は、例えば油圧ショベルであり、この油圧ショベルは、走行体1と、この走行体1上に配置される旋回体2と、旋回体2に取り付けられる作業装置、例えば旋回体2に上下方向の回動可能に取り付けられ、土砂の掘削作業等を行なうフロント作業機3とを備えている。旋回体2上の前側位置には運転室4を設けてあり、後側位置には重量バランスを確保するカウンタウエイト5を設けてある。旋回体2上の運転室4とカウンタウエイト5との間には、エンジン室6が形成されている。
【0021】
図2は図1に示す油圧ショベルの要部構成を示す図で、(a)図はエンジン室の平面図、(b)図はカウンタウエイト側からエンジン室を見た背面図、(c)図はエンジン室側からカウンタウエイトを見た要部正面図、(d)図は(c)図の側面図である。
【0022】
旋回体2のエンジン室6内には、同図2の(a)(b)図に示すように、エンジン7と、このエンジン7の下側部分に設けられ、エンジンオイルが収容されるオイルパン8とが配置されている。また、エンジン7の排気ガスを外部に放出させるマフラー9と、エンジン7によって駆動される油圧ポンプ10とが設けられている。前述したように、この油圧ポンプ10から吐出される圧油により、走行体1を走行させる図示しない走行モータ、旋回体2を旋回させる図示しない旋回モータ、フロント作業機3を駆動する油圧シリンダ等の各種の油圧アクチュエータが作動するようになっている。さらに、エンジン室6内には、エンジン冷却水を冷却するラジエータ11と、このラジエータ11とエンジン7との間に配置され、エンジン7を冷却する風を生起させる冷却ファン12とが配置されている。以上の構成については、前述した図6に示す従来の構成と例えば同等である。
【0023】
この第1実施形態に係る建設機械は、オイルパン8の上方を流れる冷却風をオイルパン8の側面8cに導く冷却風案内手段を備えている。この冷却風案内手段は、例えば図2の(a)図に示すように、カウンタウエイト5と、このカウンタウエイト5に対向するエンジン7の部分との間に設けられ、同図2の(b)(c)図に示すように、それぞれ上板部と、この上板部に連設される側板部とから成る曲板状に形成され、冷却ファン12によって生起された冷却風を案内可能な複数のベーン20a,20b,20c,20dから成っている。これらのベーン20a,20b,20c,20dは、例えば同心円で、半径が次第に小さくなるように並設されており、例えばカウンタウエイト5に固定してある。上述したベーン20aは、水平方向に突出する上板部20a1と、この上板部20a1から垂下しカウンタウエイト5に固定される側板部20a2とから成っている。他のベーン20b,20c,20dも同様に、上板部20a1と同等の上板部、及び側板部20a2と同等の側板部とから成っている。
【0024】
この第1実施形態に係る建設機械によれば、図2の(b)図に示すように、冷却ファン12によって生起した冷却風は、オイルパン8の前面8a及び底面8bに接触するように流れるとともに、オイルパン8の上方を流れる冷却風がベーン20a〜20dの上板部20a1等及び側板部20a2等によって下方に案内されて、オイルパン8の側面8cにも接触するように流れる。すなわち、オイルパン8の前面8a、底面8b、及び側面8cが冷却風に接触して冷却される。これにより、オイルパン8の冷却効率を高めることができ、オイルパン8に収容されたエンジンオイルの昇温を抑制することができる。したがって、エンジンオイルの粘性低下を抑え、油膜切れや焼付きによるエンジン7の回転機構部の損傷を防止することができる。
【0025】
また、ベーン20a〜20dを、カウンタウエイト5と、このカウンタウエイト5に対向するエンジン7との間の今までは活用されていなかったデッドスペースに配置してある。すなわち、このデッドスペースを、ベーン20a〜20dの設置領域として有効に活用させることができる。
【0026】
また、曲板状の複数のベーン20a〜20dによって、オイルパン8の上方を流れる冷却風を円滑にオイルパン8の側面8cまで導き、この側面8cに接触させることができ、冷却効率を高めることに貢献する。
【0027】
また、ベーン20a〜20dのそれぞれを、静止構造物であって振動が伝えられにくいカウンタウエイト5に固定してあることから、ベーン20a〜20dを安定して保持させることができ、高い信頼性を確保できる。
【0028】
図3は本発明に係る建設機械の第2実施形態の要部構成を示す図で、(a)図はエンジン室の平面図、(b)図はカウンタウエイト側からエンジン室を見た背面図である。
【0029】
この図3に要部構成を示す第2実施形態に係る建設機械も、例えば図1に示す油圧ショベルと同等の油圧ショベルから成っている。この第2実施形態に備えられ、オイルパン8の上方を流れる冷却風をオイルパン8の側面8cに導く冷却風案内手段も、例えばカウンタウエイト5と、このカウンタウエイト5に対向するエンジン7の部分との間に設けられ、鉛直方向に立設されるガイド板21と、このガイド板21に設けた複数のベーン22a,22bとから成っている。その他の構成は、第1実施形態と同等である。
【0030】
ガイド板21は、カウンタウエイト5に固定される平板部21aと、この平板部21aの冷却風下流側の端部に連設され、冷却ファン12で生起された冷却風を受け止め、その流れを規制する規制手段、すなわち規制部21bとを有している。規制部21bは、湾曲状に形成してある。
【0031】
ベーン22a,22bのそれぞれは、ガイド板21の平板部21aのエンジン7に対向する面側に設けられ、例えば同心円状に、半径を互いに異ならせて並設させてある。
【0032】
この第2実施形態にあっても、第1実施形態と同様に、冷却ファン12によって生起した冷却風は、オイルパン8の前面8a及び底面8bに接触するように流れるとともに、オイルパン8の上方を流れる冷却風がベーン22a,22bによって下方に案内されて、オイルパン8の側面8cにも接触するように流れる。したがって、第1実施形態におけるのと同様に、オイルパン8の冷却効率を高めることができ、オイルパン8に収容されたエンジンオイルの昇温を抑制することができる。
【0033】
また、第1実施形態におけるのと同様に、ガイド板21とベーン22a,22bとを、カウンタウエイト5と、このカウンタウエイト5に対向するエンジン7の部分との間に設けてあることから、今までは活用されていなかったデッドスペースを、ベーン22a,22bが固定されたガイド板21の設置領域として有効に活用させることができる。また、冷却風の案内に好適な曲板状のベーン22a,22bを設けてあることから、オイルパン8の上方を流れる冷却風を円滑にオイルパン8の側面8cまで導き、この側面8cに接触させることができる。また、ベーン22a,22bが固定されるガイド板21をカウンタウエイト5に固定してあることから、このベーン22a,22bが固定されるガイド板21を安定して保持させることができる。
【0034】
それに加えて、この第2実施形態は、ガイド板21の規制部21bで受け止められた冷却風をオイルパン8の側面8cに供給することが可能になり、オイルパン8に接触する冷却風の風量を増加させることができる。したがって、オイルパン8に対するより高い冷却効率を得ることができる。
【0035】
図4は本発明に係る建設機械の第3実施形態の要部構成を示す図で、(a)図はエンジン室の平面図、(b)図はカウンタウエイト側からエンジン室を見た背面図である。
【0036】
この図4に要部構成を示す第3実施形態に係る建設機械も、例えば図1に示した油圧ショベルと同等の油圧ショベルから成っている。この第3実施形態に備えられる冷却風案内手段も、例えばカウンタウエイト5と、このカウンタウエイト5に対向するエンジン7の部分との間に設けられ、一枚板のガイド板23から成っている。このガイド板23は、上端部分に形成される水平板部21aと、この水平板部21aに連設される傾斜板部23bと、この傾斜板部23bの下端部分に形成される垂直板部23cとを有し、カウンタウエイト5に固定してある。その他の構成は第1実施形態と同等である。
【0037】
この第3実施形態にあっても、第1実施形態と同様に、冷却ファン12によって生起した冷却風は、オイルパン8の前面8a及び底面8bに接触するように流れるとともに、オイルパン8の上方を流れる冷却風がガイド板23の水平板部23a、傾斜板部23b、及び垂直板部23cによって下方に案内されて、オイルパン8の側面8cにも接触するように流れる。したがって、第1実施形態におけるのと同様に、オイルパン8の冷却効率を高めることができ、オイルパン8に収容されたエンジンオイルの昇温を抑制することができる。
【0038】
また、第1実施形態におけるのと同様に、ガイド板23を、カウンタウエイト5と、このカウンタウエイト5に対向するエンジン7の部分との間に設けてあることから、今まで活用されていなかったデッドスペースを、ガイド板23の設置領域として有効に活用させることができる。また、冷却風の案内に好適な傾斜部23bを有するガイド板23を設けてあることから、オイルパン8の上方を流れる冷却風を円滑にオイルパン8の側面8cまで導き、この側面8cに接触させることができる。また、ガイド板23をカウンタウエイト5に固定してあることから、ガイド板23を安定して保持させることができる。
【0039】
図5は本発明に係る建設機械の第4実施形態の要部構成を示す図で、(a)図はエンジン室の平面図、(b)図はカウンタウエイト側からエンジン室を見た背面図である。
【0040】
この図5に要部構成を示す第4実施形態に係る建設機械も、例えば図1に示した油圧ショベルと同等の油圧ショベルから成っている。この第4実施形態に備えられる冷却風案内手段も、例えばカウンタウエイト5と、このカウンタウエイト5に対向するエンジン7の部分との間に設けられ、鉛直方向に立設され、カウンタウエイト5に固定されるガイド板24と、このガイド板24に固定した複数のベーン25a,25bと、冷却風下流に位置するガイド板24の端部付近のエンジン7の部分に固定され、冷却ファン12で生起された冷却風を受け止め、その流れを規制する規制手段、すなわち規制板26とから成っている。その他の構成は第1実施形態と同等である。
【0041】
ガイド板24に固定されるベーン25a,25bのそれぞれは、第2実施形態におけるベーン22a,22bと同様に曲板状に形成され、例えば同心円で、半径を互いに異ならせて並設してある。
【0042】
この第4実施形態にあっても、第1実施形態と同様に冷却ファン12によって生起した冷却風は、オイルパン8の前面8a及び底面8bに接触するように流れるとともに、オイルパン8の上方を流れる冷却風がベーン25a,25bによって下方に案内されてオイルパン8の側面8cにも接触するように流れる。したがって、第1実施形態におけるのと同様に、オイルパン8の冷却効率を高めることができ、オイルパン8に収容されたエンジンオイルの昇温を抑制することができる。
【0043】
また、第1実施形態におけるのと同様に、ベーン25a,25bが固定されたガイド板24、及び規制板26を、カウンタウエイト5と、このカウンタウエイト5に対向するエンジン7の部分との間に設けてあることから、今までは活用されていなかったデッドスペースを、ベーン25a,25bが固定されたガイド位置24、及び規制板26の設置領域として有効に活用させることができる。また、冷却風の案内に好適なベーン25a,25bを設けてあることから、オイルパン8の上方を流れる冷却風を円滑にオイルパン8の側面8cまで導き、この側面8cに接触させることができる。また、ベーン25a,25bが固定されるガイド板24をカウンタウエイト5に固定してあることから、このベーン25a,25bが固定されたガイド板24を安定して保持させることができる。
【符号の説明】
【0044】
1 走行体
2 旋回体
3 フロント作業機(作業装置)
4 運転室
5 カウンタウエイト
6 エンジン室
7 エンジン
8 オイルパン
8a 前面
8b 底面
8c 側面
9 マフラー
10 油圧ポンプ
11 ラジエータ
12 冷却ファン
20a ベーン
20a1 上板部
20a2 側板部
20b ベーン
20c ベーン
20d ベーン
21 ガイド板
21a 平板部
21b 規制部(規制手段)
22a ベーン
22b ベーン
23 ガイド板
23a 水平板部
23b 傾斜板部
23c 垂直板部
24 ガイド板
25a ベーン
25b ベーン
26 規制板(規制手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと、このエンジンの駆動によって作動する作業装置と、上記エンジンを冷却する風を生起させる冷却ファンと、上記エンジンに設けられ、エンジンオイルが収容されるオイルパンとを備えた建設機械において、
上記冷却ファンによって生起され、上記オイルパンの上方を流れる冷却風を上記オイルパンの側面に導く冷却風案内手段を備えたことを特徴とする建設機械。
【請求項2】
請求項1に記載の建設機械において、
重量バランスを確保するカウンタウエイトを備え、
上記冷却風案内手段を、上記カウンタウエイトと、このカウンタウエイトに対向する上記エンジンの部分との間に設けたことを特徴とする建設機械。
【請求項3】
請求項2に記載の建設機械において、
上記冷却風案内手段が、それぞれ上記冷却風を案内可能な曲板状の複数のベーンを含むことを特徴とする建設機械。
【請求項4】
請求項2に記載の建設機械において、
上記案内手段が、上記冷却風を受け止め、その流れを規制する規制手段を含むことを特徴とする建設機械。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか1項に記載の建設機械において、
上記冷却風案内手段を、上記カウンタウエイトに固定したことを特徴とする建設機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−43024(P2011−43024A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−193293(P2009−193293)
【出願日】平成21年8月24日(2009.8.24)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】