説明

建設機械

【課題】 搭載する機種に応じてキャブの側面を適宜に変化させることにより、外観上の見栄えを良好にする。
【解決手段】 キャブ18を構成するキャブボックス25の右パネル25Dに切欠き溝26を設け、この切欠き溝26を覆うようにキャブ18内に向けて凹陥した凹陥状仕切板27を設ける構成とする。従って、仕切板27は、搭載機器となる作動油タンク39、燃料タンク40、バッテリ41の一部を切欠き溝26からキャブ18内に侵入させつつ、キャブ18内と作動油タンク39、燃料タンク40、バッテリ41との間を画成することができる。また、凹陥状仕切板27に代えて平坦な平板状仕切板48を取付けることにより、この仕切板48を右パネル25Dとほぼ同一面に配置することができ、外観上の見栄えを良好にすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば油圧ショベル等の建設機械に関し、特に、オペレータが搭乗するキャブを備えた建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、建設機械としての油圧ショベルには、狭い現場での作業に適した小型の油圧ショベルがある。この小型の油圧ショベルは、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体の前側に俯仰動可能に設けられた作業装置とにより構成されている。
【0003】
また、上部旋回体は、支持構造体をなし前側に作業装置が設けられる旋回フレームと、該旋回フレームの後側に左,右方向に延在する横置き状態で搭載されたエンジンと、該エンジンの前側で、かつ左,右方向の右側に位置して前記旋回フレーム上に配置された作動油タンク、燃料タンク、バッテリを含む搭載機器と、該各搭載機器の左側に位置して前記旋回フレーム上に設けられオペレータが搭乗するキャブとにより大略構成されている。
【0004】
ここで、小型の油圧ショベルには、ミニショベルと呼ばれるさらに小型の油圧ショベルがある。このミニショベルでは、小さな旋回フレーム上にエンジン、作動油タンク、燃料タンク、バッテリ、キャブ等を搭載しなくてはならないから、これらの設置スペースを確保するのが困難である。
【0005】
そこで、油圧ショベルには、作動油タンク、燃料タンク、バッテリ等の一部をキャブ内に配置する構成としたものがある。詳しくは、キャブの右パネルにキャブ内に向けて凹陥した凹み部を設け、この凹み部によって各搭載機器の設置スペースをキャブ内に確保している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−16229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述した特許文献1によるものでは、キャブの右パネルに設けた凹み部を利用して、小さな旋回フレーム上に搭載機器の設置スペースを確保している。しかし、油圧ショベルには、1種類のキャブを、大きさが異なる複数の車体で共通のキャブとして用いることがある。この場合、上述したミニショベルよりも大きく、キャブ内に搭載機器を侵入させて配置する必要がない油圧ショベルに対し、ミニショベルにも用いる共通キャブを搭載すると、その右側面に不必要な凹み部が形成されてしまい、外観上の見栄えが悪くなるという問題がある。
【0008】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、搭載する機種に応じてキャブの側面を適宜に変化させることができ、外観上の見栄えを良好にすることができるようにした建設機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による建設機械は、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体に俯仰動可能に設けられた作業装置とからなり、前記上部旋回体は、支持構造体をなし前側に前記作業装置が設けられる旋回フレームと、該旋回フレームの後側に左,右方向に延在する横置き状態で搭載されたエンジンと、該エンジンの前側で、かつ左,右方向一側に位置して前記旋回フレーム上に配置された作動油タンク、燃料タンク、バッテリを含む搭載機器と、該搭載機器に対して左,右方向の反対側に位置して前記旋回フレーム上に設けられたキャブとを備え、前記キャブ内には、後部側に位置して運転席を有する運転席台座と、該運転席台座の前側に位置してオペレータが足を置く足置き場とを有している。
【0010】
そして、上述した課題を解決するために、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記キャブには前記搭載機器と対向する側面位置に少なくとも前記運転席台座から足置き場の前端側にかけて切欠き溝を設け、前記作動油タンク、燃料タンク、バッテリを含む搭載機器のうち一または複数の搭載機器を、キャブ内侵入機器として前記切欠き溝から前記キャブ内にその一部が侵入する状態で配置し、前記キャブ内に向けて凹陥した凹陥状仕切板を有し、該凹陥状仕切板によって前記切欠き溝を覆うことによって前記キャブ内と前記キャブ内侵入機器との間を画成する構成としたことにある。
【0011】
請求項2の発明は、前記凹陥状仕切板は前記足置き場の位置に着脱可能に取付ける構成としたことにある。
【0012】
請求項3の発明は、前記切欠き溝は前記キャブの側面を後端側から前端側にかけて形成し、前記エンジンは前記切欠き溝内を通って前記運転席台座の下側に配置する構成とし、前記凹陥状仕切板は前記運転席台座の位置から前記足置き場の前端側にかけて設ける構成としたことにある。
【0013】
請求項4の発明は、前記運転席台座と足置き場とをフロア部材として一体的に形成し、前記凹陥状仕切板は、少なくとも前記フロア部材の運転席台座の立上り壁よりも前側の切欠き溝を覆う構成としたことにある。
【0014】
請求項5の発明は、前記キャブは前記搭載機器がキャブ内侵入機器として前記キャブ内に侵入する小型機種と、搭載機器がキャブ内に侵入することがない大型機種とで共通化する構成とし、前記キャブを前記大型機種に取付けるときには前記キャブの切欠き溝を平板状仕切板で覆う構成としたことにある。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、キャブの搭載機器側の側面位置には切欠き溝を設けているから、この切欠き溝よりもキャブ内に入り込んだ位置に、作動油タンク、燃料タンク、バッテリ等の搭載機器の一部を配置することができる。
【0016】
また、切欠き溝には、キャブ内に向けて凹陥した凹陥状仕切板を取付ける構成としているから、キャブ内侵入機器の一部を切欠き溝からキャブ内に侵入させつつ、該切欠き溝を覆うことができ、前記キャブ内と前記キャブ内侵入機器との間を画成することができる。
【0017】
しかも、キャブの切欠き溝には、別個に設けた凹陥状仕切板を取付ける構成としているから、例えば凹陥状仕切板に代えて平坦な仕切板を用意して切欠き溝に取付けた場合には、キャブの側面を平坦に形成することができる。
【0018】
この結果、作動油タンク、燃料タンク、バッテリ等の搭載機器を切欠き溝からキャブ内に侵入させる必要がない場合には、前述した平坦な仕切板等を取付けることにより、キャブの側面を平坦にすることができ、外観上の見栄えを良好にすることができる。
【0019】
請求項2の発明によれば、凹陥状仕切板は、オペレータが足を置く足置き場の位置を利用して着脱可能に取付けることができる。これにより、目障りにならず、圧迫感もない足元位置に仕切板を取付けることができ、作業環境や作業性を良好にすることができる。
【0020】
請求項3の発明によれば、切欠き溝はキャブの側面を後端側から前端側にかけて形成しているから、運転席台座の下側には切欠き溝内を通るようにエンジンを配置することができる。そして、凹陥状仕切板は、切欠き溝とエンジンとの間を運転席台座の位置から足置き場の前端側にかけて設けることができる。
【0021】
請求項4の発明によれば、凹陥状仕切板は、少なくともフロア部材の運転席台座の立上り壁よりも前側の切欠き溝を覆うように設けているから、オペレータの足元に凹陥状仕切板を配置することができる。これにより、凹陥状仕切板は、オペレータに圧迫感を与えない位置に配置することができ、作業性、作業環境等を良好にすることができる。
【0022】
請求項5の発明によれば、キャブを小型機種に搭載する場合には、凹陥状仕切板によって切欠き溝を覆うことにより、キャブ内侵入機器の一部をキャブ内に侵入させることができる。一方、キャブを大型機種に搭載する場合には、平板状仕切板によって切欠き溝を覆うことにより、キャブの側面を平坦にして外観上の見栄えを良好にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態に適用される小型機種の油圧ショベルを示す正面図である。
【図2】図1の油圧ショベルを作業装置を省略した状態で示す左側面図である。
【図3】図1中の上部旋回体をタンクカバーの開閉カバーを省略した状態で示す平面図である。
【図4】上部旋回体を外装カバーとキャブの天井パネルを省略した状態で示す横断面図である。
【図5】タンクカバーの開閉カバーを開いた状態の上部旋回体を示す背面図である。
【図6】キャブをチルトアップした状態の上部旋回体を示す背面図である。
【図7】上部旋回体をタンクカバーを省略した状態で右前側からみた外観斜視図である。
【図8】上部旋回体をキャブボックスを省略した状態で左前側からみた外観斜視図である。
【図9】図8の上部旋回体をタンクカバーを分解した状態で示す分解斜視図である。
【図10】キャブ内侵入機器とタンクカバーとキャブボックスとフロア部材と凹陥状仕切板との配置関係を拡大して示す一部破断の左側面図である。
【図11】凹陥状仕切板をフロア部材に取付けた後にキャブボックスを取付ける状態を示す分解斜視図である。
【図12】フロア部材に凹陥状仕切板を取付ける状態を示す分解斜視図である。
【図13】凹陥状仕切板を単体で示す一部破断の斜視図である。
【図14】凹陥状仕切板を単体で示す正面図である。
【図15】凹陥状仕切板を単体で示す平面図である。
【図16】凹陥状仕切板を図14中の矢示XVI−XVI方向からみた断面図である。
【図17】本発明の実施の形態に適用される大型機種の油圧ショベルを示す正面図である。
【図18】図17の油圧ショベルを作業装置を省略した状態で示す左側面図である。
【図19】図17中の上部旋回体をタンクカバーの開閉カバーを省略した状態で示す平面図である。
【図20】タンクカバーとキャブボックスとフロア部材と平板状仕切板との配置関係を拡大して示す一部破断の左側面図である。
【図21】フロア部材に平板状仕切板を取付ける状態を示す分解斜視図である。
【図22】平板状仕切板を単体で示す一部破断の斜視図である。
【図23】平板状仕切板を単体で示す正面図である。
【図24】平板状仕切板を単体で示す平面図である。
【図25】平板状仕切板を図23中の矢示XXV−XXV方向からみた断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態に係る建設機械の代表例として油圧ショベルを例に挙げ、図1ないし図25に従って詳細に説明する。
【0025】
図1において、1は建設機械としての油圧ショベルを示している。この油圧ショベル1は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3と、該上部旋回体3の前側に設けられ、土砂の掘削作業等を行う作業装置4とにより大略構成されている。ここで、図1に示す油圧ショベル1は、後述する図17に示す大型機種の油圧ショベル31よりも下部走行体2、上部旋回体3等が小さな小型機種となっている。従って、小型機種の油圧ショベル1では、上部旋回体3に後述の作動油タンク9、燃料タンク10、バッテリ11等の配置スペースを確保するのが難しいため、キャブ18内のスペースを利用して作動油タンク9、燃料タンク10、バッテリ11等を配置している。
【0026】
また、下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3は、図2、図3に示すように、支持構造体をなす旋回フレーム5と、該旋回フレーム5上に設けられた後述のエンジン6、熱交換器8、作動油タンク9、燃料タンク10、バッテリ11、外装カバー13、キャブ18とにより大略構成されている。また、旋回フレーム5の前側には、作業装置4が揺動可能かつ俯仰動可能に取付けられている。
【0027】
6は旋回フレーム5の後側に搭載されたエンジン(図4中に点線で図示)で、該エンジン6は、左,右方向に延在する横置き状態に配置されている。ここで、エンジン6は、後述するキャブ18に設けられた切欠き溝26内を通って運転席台座20の下側に配置されている。また、エンジン6の左側には、該エンジン6によって駆動される油圧ポンプ7が設けられ、エンジン6の右側にはラジエータ、オイルクーラ等の熱交換器8が配設されている。
【0028】
9はエンジン6の前側で、かつ左,右方向の右側に位置して旋回フレーム5上に配置された作動油タンクである(図4、図5、図7参照)。この作動油タンク9は、左,右方向に延びた直方体状の容器として形成され、後述のキャブ18側となる左端部9Aは、図10に示すように、該キャブ18内に侵入している。そして、作動油タンク9は、作業装置4等の各種アクチュエータを駆動するための作動油を貯えるものである。
【0029】
10は作動油タンク9の前側に位置して旋回フレーム5上に設けられた燃料タンクである。この燃料タンク10は、内部にエンジン6に供給する燃料を貯えるものである。また、燃料タンク10は、右側が旋回フレーム5の周囲に沿うように湾曲した異形な容器として形成されている。また、燃料タンク10の前側には給油口10Aが突設されている。さらに、燃料タンク10は、後述のキャブ18側となる左端部10Bが該キャブ18内に侵入している。
【0030】
11は燃料タンク10の上側に位置して作動油タンク9の前側に支持されたバッテリで、該バッテリ11は、エンジン6、各種電装部品(図示せず)等に供給する電気エネルギを貯えるものである。そして、バッテリ11は、後述のキャブ18側となる左端部11Aが該キャブ18内に侵入している。
【0031】
このように、作動油タンク9、燃料タンク10、バッテリ11は、旋回フレーム5上に搭載された搭載機器を構成している。この上で、作動油タンク9,燃料タンク10,バッテリ11の左端部9A,10B,11Aがキャブ18内に侵入することにより、該作動油タンク9、燃料タンク10、バッテリ11はキャブ内侵入機器を構成している。
【0032】
12は旋回フレーム5の後部に設けられたカウンタウエイトで、該カウンタウエイト12は、作業装置4との重量バランスをとるものである。また、カウンタウエイト12は、エンジン6を後側から覆うように円弧状に湾曲して形成されている。
【0033】
13は後述のキャブ18の後側から右側に亘って旋回フレーム5上に設けられた外装カバーである。この外装カバー13は、旋回フレーム5上に搭載されたエンジン6、油圧ポンプ7、熱交換器8、作動油タンク9、燃料タンク10、バッテリ11等の機器を覆うものである。
【0034】
そして、外装カバー13は、図1に示すように、カウンタウエイト12の上,下方向の中間部位に配置され、該カウンタウエイト12に形成されたエンジン6等に対する点検用の開口部(図示せず)を開閉可能に覆うエンジンカバー14と、カウンタウエイト12の左端側から前方へと延び、エンジン6等を左側方から覆う左側面カバー15と、図5ないし図7に示すように、熱交換器8、作動油タンク9、燃料タンク10等の右側面を覆うためカウンタウエイト12の右端側から旋回フレーム5の周縁に沿って前方へと延びつつ旋回フレーム5の右側面に設けられた右側面カバー16と、図8、図9に示すように、該右側面カバー16の上側に位置して設けられた後述のタンクカバー17とにより大略構成されている。
【0035】
17は右側面カバー16の上側からキャブ18の右側位置の間に設けられたタンクカバーである。このタンクカバー17は、旋回フレーム5の左,右方向の右側に搭載される熱交換器8、作動油タンク9、燃料タンク10等の各種機器の上面を覆うもので、図2、図5、図8に示すように、左側の固定カバー17Aと右側の開閉カバー17Bとにより構成されている。ここで、タンクカバー17は、後述するキャブ18の右側に各種機器の収容空間を画成する機能を有している。
【0036】
また、固定カバー17Aは、図7ないし図10に示すように、作動油タンク9、燃料タンク10、バッテリ11とキャブ18との間を仕切ると共に、作動油タンク9,燃料タンク10,バッテリ11の左端部9A,10B,11Aを覆うものである。また、固定カバー17Aは、図5、図8に示すように、その左側部分が後述する凹陥状仕切板27内に収容されている。即ち、固定カバー17Aは、作動油タンク9、燃料タンク10、バッテリ11の左側の近傍に立ち上げて配置された前下がりの縦板部17A1と、該縦板部17A1の前端縁から上端縁の後部まで設けられ、該縦板部17A1から作動油タンク9、燃料タンク10、バッテリ11の上側から覆うように右側に延びた張出し板部17A2とから形成されている。
【0037】
ここで、固定カバー17Aは、縦板部17A1が凹陥状仕切板27内に侵入して仕切面部27Bに対し接近して対面している。また、張出し板部17A2は、凹陥状仕切板27の縁取り部27Cの下側に重なるように配置されている。従って、固定カバー17Aは、左側部分が凹陥状仕切板27により、作動油タンク9,燃料タンク10,バッテリ11の左端部9A,10B,11Aと一緒にキャブ18内に侵入している。
【0038】
一方、タンクカバー17の開閉カバー17Bは、固定カバー17Aの張出し板部17A2の右端部に重なりつつ、作動油タンク9、燃料タンク10、バッテリ11を上側から覆うように前側から後側に延びた湾曲面状の上カバー部17B1と、該上カバー部17B1の右端縁から右側面カバー16に向けて下側に延びた横カバー部17B2とにより構成されている。そして、開閉カバー17Bは、その前端部が旋回フレーム5の前部にヒンジ(図示せず)等を介して開閉可能に取付けられている。これにより、図5に示す如く、開閉カバー17Bを前側に開いたときには、作動油の点検、交換、バッテリ11の点検、燃料タンク10への給油作業等を行うことができる。
【0039】
18は旋回フレーム5上に設けられたキャブで、該キャブ18は、搭載機器を構成する作動油タンク9、燃料タンク10、バッテリ11に対して左,右方向の反対側、即ち、旋回フレーム5の左前側に搭載されている。また、キャブ18は、オペレータが搭乗する運転室を画成するもので、図7、図11等に示す如く、後述するフロア部材19、運転席22、キャブボックス25、切欠き溝26、凹陥状仕切板27等により構成されている。
【0040】
また、キャブ18は、その前部が旋回フレーム5の前部に傾転可能に取付けられ、これにより、キャブ18は、図6に示すように、前側に傾転(チルトアップ)することができ、このチルトアップ状態では、キャブ18の下側に配設された油圧機器(図示せず)等のメンテナンス作業を行うことができる。
【0041】
さらに、キャブ18は、小型機種の油圧ショベル1と大型機種の油圧ショベル31とに共通して用いられるもので、後述の切欠き溝26に凹陥状仕切板27と平板状仕切板48とを選択的に取付ける構成となっている。
【0042】
19はキャブ18の底部を形成するフロア部材で、該フロア部材19は、旋回フレーム5の上側に複数個の防振マウント(図示せず)を介して取付けられている。また、フロア部材19は、図12に示すように、後部側に位置してステップ状に形成された運転席台座20と、該運転席台座20の前側に位置してオペレータが足を置くほぼ平坦な足置き場21とにより大略構成されている。
【0043】
また、運転席台座20は、足置き場21の後部から立上がった立上り壁20Aと、該立上り壁20Aの上端から後側に延びた座席取付板20Bとを有し、該座席取付板20B上には後述の運転席22が取付けられている。また、立上り壁20Aの後側で座席取付板20Bの下側には、エンジン6が配置されている。
【0044】
一方、足置き場21は、オペレータが足を置くもので、ほぼ平坦な長方形状をなし、前側部分はレバー・ペダル取付部21Aとなっている。また、足置き場21の右側部分は、後述する仕切板27,48が取付けられるもので、前,後方向に間隔をもって例えば3個のねじ孔21Bが設けられている。
【0045】
そして、フロア部材19は、足置き場21の前部が旋回フレーム5の前部に例えば傾転(チルトアップ、チルトダウン)可能かつ防振状態で取付けられている。一方、運転席台座20の後部は、旋回フレーム5側の構造物に防振状態で取付けられている。
【0046】
22は運転席台座20の座席取付板20B上に設けられた運転席で、該運転席22は、オペレータが着座するものである。また、運転席22は、後述するキャブボックス25内の後側寄りで左,右方向のほぼ中央部に配設されている。また、運転席22の左,右両側には、作業用の操作レバー23が設けられ、前側となる足置き場21のレバー・ペダル取付部21Aには走行用の操作レバー・ペダル24が設けられている。
【0047】
25はキャブ18の外形を構成するキャブボックスで、該キャブボックス25は、前側に配置された前パネル25Aと、該前パネル25Aと対面するように後側に配置された後パネル25Bと、左側に位置して前記前パネル25Aと後パネル25Bとの間に設けられた左パネル25Cと、右側に位置して前記前パネル25Aと後パネル25Bとの間に設けられた右パネル25Dと、上側を閉塞して設けられた天井パネル25Eとによりボックス状に形成されている。
【0048】
また、左パネル25Cの前側位置には、ドア25Fが開,閉可能に取付けられている(図1参照)。一方、右パネル25Dには後述の切欠き溝26が設けられている。なお、キャブボックス25としては、角張った箱形状の他にも、例えば左パネル、天井パネル等が湾曲した円筒型、卵型等の他の形状も含むものである。
【0049】
26は搭載機器をなす作動油タンク9、燃料タンク10、バッテリ11と対向するキャブボックス25の右パネル25Dに設けられた切欠き溝である。この切欠き溝26は、運転席台座20の後端側から足置き場21の前端側にかけて右パネル25Dの下側部分を切欠くことにより形成されている。また、切欠き溝26は、前側に向け緩やかに下側に湾曲するように形成され、その端縁部には、後述の仕切板27,48との間をシールするためのシール部材26A(図10参照)が取付けられている。ここで、切欠き溝26は、運転席台座20の下側に配置されたエンジン6を避ける働きもある。
【0050】
27は切欠き溝26を覆うようにキャブ18を構成するキャブボックス25の右パネル25Dに位置して設けられた凹陥状仕切板を示している(以下、仕切板27という)。この仕切板27は、図7ないし図10に示すように、キャブ18内に向けて凹陥して形成されることにより、キャブ18内とキャブ内侵入機器となる作動油タンク9、燃料タンク10、バッテリ11との間を仕切るものである。また、仕切板27は、切欠き溝26を全長に亘って覆うように、運転席台座20の位置から足置き場21の前端側にかけて設けられている。
【0051】
ここで、仕切板27は、例えば1枚の鋼板に曲げ加工を施すことにより形成されている。即ち、仕切板27は、図12ないし図16に示すように、足置き場21の右端部に取付けられる長方形状の取付ブラケット27Aと、該取付ブラケット27Aの右端から屈曲して上側に延び切欠き溝26を覆う仕切面部27Bと、該仕切面部27Bの上端縁および前端縁から取付ブラケット27Aと反対側、即ち、キャブ18の外側(右側)に延びた帯状の縁取り部27Cとにより構成されている。また、取付ブラケット27Aには、足置き場21のねじ孔21Bに対応するように前,後方向に間隔をもって3個のボルト挿通孔27Dが形成されている。
【0052】
また、仕切板27の仕切面部27Bは、取付ブラケット27Aの後端部から後側が逆L字状に切取られており、この切取り部27B1が運転席台座20の立上り壁20Aと座席取付板20Bに嵌まるようになっている。これにより、仕切面部27Bの切取り部27B1は、切欠き溝26内にエンジン6を通すことができる。
【0053】
そして、仕切板27は、小型機種となる油圧ショベル1にキャブ18を搭載するときに、該キャブ18に取付けられるものである。その取付手順は、取付ブラケット27Aを足置き場21の右端部に配置し、ボルト挿通孔27Dに挿通したボルト28をねじ孔21Bに締着することにより、足置き場21の右側位置に着脱可能に取付けることができる。このように、フロア部材19に仕切板27を取付けたら、該フロア部材19に上側からキャブボックス25を被せ、周囲をボルト止めする。このときに、仕切板27は、図10に示すように、縁取り部27Cを切欠き溝26のシール部材26Aに弾性的に密着させることができる。
【0054】
これにより、仕切板27は、その仕切面部27Bをキャブボックス25の右パネル25Dから距離寸法Lだけキャブ18内に入り込んだ位置に配置することができ、この仕切面部27Bの位置まで作動油タンク9、燃料タンク10、バッテリ11をタンクカバー17で覆った状態で侵入させることができる。なお、作動油タンク9、燃料タンク10、バッテリ11は、図10に示すように、キャブ18内への挿入寸法が僅かとなる場合もある。これは、キャブ18が揺れることを考慮してクリアランスを設けた場合であり、例えばキャブ18が右側に揺れたときには、作動油タンク9、燃料タンク10、バッテリ11がキャブ18内に大きく挿入されることになる。
【0055】
また、前述したタンクカバー17が機器収容空間を画成する機能を有しているのに対し、仕切板27は、キャブ18内にオペレータの居住空間を画成する機能を有している。従って、図6に示すように、キャブ18をチルトアップした場合でも、居住空間は仕切板27によって外部と隔離することができる。
【0056】
次に、共通のキャブ18を大型機種となる油圧ショベル31に搭載した場合について、図17ないし図25を参照しつつ説明する。この場合、キャブ18には平板状仕切板48を取付ける構成となっている。
【0057】
図17において、31は小型機種の油圧ショベル1よりも大型な大型機種となる建設機械としての油圧ショベルで、該油圧ショベル31は、キャブ18を除く各構造物が大きくなっている以外は小型機種の油圧ショベル1とほぼ同様の構成となっている。
【0058】
即ち、大型機種の油圧ショベル31は、下部走行体32、上部旋回体33、作業装置34とにより大略構成されている。ここで、油圧ショベル31の上部旋回体33は、図3に示す小型機種の油圧ショベル1の上部旋回体3と比較し、図19に示すように、前,後方向と左,右方向に大きく形成されている。従って、キャブ18の右側には、後述する作動油タンク39、燃料タンク40等を配置する十分なスペースがあり、後述の工具箱47も設けることができる。
【0059】
そして、上部旋回体33は、図18、図19に示すように、支持構造体をなす旋回フレーム35と、該旋回フレーム35の後側にに左,右方向に延在する横置き状態に搭載されたエンジン36と、該エンジン36の左側に設けられた油圧ポンプ37と、前記エンジン36の右側に設けられたラジエータ、オイルクーラ等の熱交換器38と、エンジン36の前側で、キャブ18の右側に間隔をもって配置された作動油タンク39と、該作動油タンク39の右側に隣接して配置された燃料タンク40と、該燃料タンク40の上側に配置されたバッテリ41と、旋回フレーム35の後部に設けられたカウンタウエイト42と、キャブ18の後側から右側に亘って旋回フレーム5上に設けられた外装カバー43と、後述の工具箱47および前述したキャブ18とにより大略構成されている。
【0060】
また、外装カバー43は、図17ないし図20に示す如く、前述した外装カバー13とほぼ同様に、エンジンカバー44、左側面カバー45、右側面カバー(図示せず)、タンクカバー46とにより構成されている。ここで、タンクカバー46は、旋回フレーム35の左,右方向の右側に搭載される熱交換器38、作動油タンク39、燃料タンク40等の上面を覆うもので、左側の固定カバー46Aと右側の開閉カバー46Bとにより構成されている。また、タンクカバー46は、キャブ18側の固定カバー46Aが該キャブ18から離間した位置に配置されている。
【0061】
47はキャブ18とタンクカバー46との間に位置して旋回フレーム35上に設けられた工具箱である。この工具箱47は、メンテナンス用の工具、スペア部品等を収容するものである。
【0062】
このように、大型機種の油圧ショベル31は、旋回フレーム35上に工具箱47を配置できるほどにスペースに余裕があるから、作動油タンク39、燃料タンク40、バッテリ41等の搭載機器をキャブ18内に侵入させる必要はない。このために、大型機種の油圧ショベル31では、キャブ18の切欠き溝26を後述の平板状仕切板48によって覆う構成としている。
【0063】
そこで、凹陥状仕切板27に代えてキャブ18に取付けられた平板状仕切板48について述べる。
【0064】
即ち、48は切欠き溝26を覆うようにキャブ18を構成するキャブボックス25の右パネル25Dに位置して設けられた平板状仕切板である(以下、仕切板48という)。この平板状仕切板48は、切欠き溝26を全長に亘って覆うように、運転席台座20の位置から足置き場21の前端側にかけて設けられている。
【0065】
また、仕切板48は、小型機種に用いられる凹陥状仕切板27とほぼ同様に、例えば1枚の鋼板に曲げ加工を施すことにより形成されている。また、仕切板48は、図20ないし図25に示すように、足置き場21の右端部に取付けられる長方形状の取付ブラケット48Aと、該取付ブラケット48Aの右端から屈曲して上側に延び切欠き溝26を覆う仕切面部48Bと、該仕切面部48Bの上端縁および前端縁から取付ブラケット48Aと同方向、即ち、キャブ18の内側(左側)に延びた帯状の縁取り部48Cとにより構成され、取付ブラケット48Aには、足置き場21のねじ孔21Bに対応するように前,後方向に間隔をもって3個のボルト挿通孔48Dが形成されている。
【0066】
また、仕切板48の仕切面部48Bは、取付ブラケット48Aの後端部から後側が逆L字状に切取られており、この切取り部48B1が運転席台座20の立上り壁20Aと座席取付板20Bに嵌まるようになっている。
【0067】
ここで、仕切板48は、取付ブラケット48Aの幅寸法、即ち、各ボルト挿通孔48Dから仕切面部48Bまでの距離寸法が、凹陥状仕切板27よりも大きくなるように形成されている。これにより、仕切板48を足置き場21のねじ孔21Bに締着したときには、その仕切面部48Bを、凹陥状仕切板27の仕切面部27Bよりも外側(右側)に配置することができ、キャブボックス25の右パネル25Dとほぼ同一平面に配置することができる。
【0068】
本実施の形態による小型機種の油圧ショベル1および大型機種の油圧ショベル31は、上述の如き構成を有するもので、次に、共通のキャブ18を小型機種の油圧ショベル1と大型機種の油圧ショベル31とに搭載する場合の動作(作業)について説明する。
【0069】
まず、共通のキャブ18を小型機種の油圧ショベル1に搭載する場合について述べる。この場合には、図12に示すように、凹陥状仕切板27を用意し、その取付ブラケット27Aをフロア部材19の前側に位置する足置き場21の右側位置にボルト止めする。次に、フロア部材19に仕切板27を取付けたら、図11に示すように、フロア部材19に上側からキャブボックス25を被せ、周囲をボルト止めする。
【0070】
このときに、仕切板27は、図10に示すように、その仕切面部27Bをキャブボックス25の右パネル25Dから距離寸法Lだけキャブ18内に入り込んだ位置に配置することができる。従って、仕切板27は、運転室を画成する位置を内側にオフセットすることによって、仕切面部27Bの位置まで作動油タンク9、燃料タンク10、バッテリ11等のキャブ内侵入機器を侵入させることができ、十分な大きさをもった作動油タンク9、燃料タンク10、バッテリ11を旋回フレーム5上に搭載することができる。
【0071】
一方、共通のキャブ18を大型機種の油圧ショベル31に搭載する場合について述べる。この場合には、図21に示すように、平板状仕切板48を用意し、その取付ブラケット48Aをフロア部材19の前側に位置する足置き場21の右側位置にボルト止めする。次に、フロア部材19に仕切板48を取付けたら、フロア部材19に上側からキャブボックス25を被せ、周囲をボルト止めする。このときに、仕切板48は、図20に示すように、その仕切面部48Bをキャブボックス25の右パネル25Dとほぼ同一平面となる位置に配置することができる。
【0072】
次に、本実施の形態による油圧ショベル1,31の動作について説明すると、オペレータは、キャブ18に搭乗し、走行用の操作レバー・ペダル24を操作することにより、下部走行体2,32を前進または後退させることができる。一方、作業用の操作レバー23を操作することにより、作業装置4,34を俯仰動させて土砂の掘削作業等を行うことができる。
【0073】
かくして、本実施の形態によれば、キャブ18には、搭載機器となる作動油タンク39、燃料タンク40、バッテリ41と対向するキャブボックス25の右パネル25Dに、フロア部材19の運転席台座20から足置き場21の前端側にかけて切欠き溝26を設け、前記作動油タンク39、燃料タンク40、バッテリ41を、前記切欠き溝26からキャブ18内にその一部が侵入する状態で配置し、前記キャブ18には、該キャブ18内に向けて凹陥して前記切欠き溝26を覆う凹陥状仕切板27を設け、該仕切板27によってキャブ18内と前記作動油タンク39、燃料タンク40、バッテリ41との間を画成する構成としている。
【0074】
従って、キャブボックス25の右パネル25Dに設けた切欠き溝26によって、作動油タンク39、燃料タンク40、バッテリ41の一部をキャブ18内に侵入させることができ、キャブ18内を作動油タンク39、燃料タンク40、バッテリ41の設置スペースとして利用することができる。これにより、小型機種の油圧ショベル1でも、十分な大きさをもった作動油タンク9、燃料タンク10、バッテリ11を旋回フレーム5上に搭載することができる。
【0075】
しかも、切欠き溝26には、キャブ18内に向けて凹陥した凹陥状仕切板27を取付けているから、該切欠き溝26を覆ってキャブ18内と作動油タンク9、燃料タンク10、バッテリ11との間を画成することができる。
【0076】
この場合、切欠き溝26を覆う仕切板27,48は、キャブ18と別個に設けているから、小型機種に用いる凹陥状仕切板27に代えて、大型機種に用いる平坦な平板状仕切板48を取付けることができる。この平板状仕切板48を切欠き溝26に取付けた場合には、仕切板48を右パネル25Dとほぼ同一面に配置することができる。
【0077】
この結果、作動油タンク9、燃料タンク10、バッテリ11等の搭載機器を切欠き溝26からキャブ18内に侵入させる必要がない場合、即ち、キャブ18を大型機種の油圧ショベル31に搭載する場合には、切欠き溝26を覆うように仕切板48を取付けることにより、キャブボックス25の右パネル25Dを平坦にすることができ、外観上の見栄えを良好にすることができる。
【0078】
また、2種類の仕切板27,48は、フロア部材19を構成する足置き場21を利用し、ボルト28を用いて着脱可能に取付けることができる。これにより、目障りにならず、圧迫感もない足元位置に仕切板27,48を取付けることができ、作業性や作業環境を良好にすることができる。
【0079】
一方、切欠き溝26はキャブボックス25の右パネル25Dの下側に後端側から前端側にかけて形成しているから、フロア部材19を構成する運転席台座20の下側には、切欠き溝26内を通るようにエンジン6を配置することができる。これにより、小型機種においても、凹陥状仕切板27は、切欠き溝26とエンジン6との間を運転席台座20の位置から足置き場21の前端側にかけて設けることができる。
【0080】
さらに、仕切板27は、フロア部材19の運転席台座20の立上り壁20Aよりも前側の切欠き溝26を覆うように設けているから、オペレータの足元に凹陥状仕切板27を配置することができる。これにより、凹陥状仕切板27は、オペレータに圧迫感を与えない位置に配置することができ、作業性、作業環境等を良好にすることができる。
【0081】
なお、実施の形態では、搭載機器をなす作動油タンク9、燃料タンク10、バッテリ11の一部を切欠き溝26からキャブ18内に侵入させる構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば、作動油タンク9、燃料タンク10、バッテリ11のうち、いずれか1つまたは2つをキャブ18内に侵入させる構成としてもよい。また、キャブ18内に侵入するキャブ内侵入機器には、作動油タンク9、燃料タンク10、バッテリ11以外の搭載機器を適用することもできる。
【0082】
また、実施の形態では、2種類の仕切板27,48はフロア部材19の足置き場21にボルト止めした場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば、仕切板27,48をキャブボックス25の右パネル25Dに取付ける構成としてもよい。また、取付手段も、ボルト止め以外の手段、例えば溶接手段、嵌め込み手段等を用いて取付ける構成としてもよい。
【0083】
さらに、実施の形態では、建設機械として、クローラ式の下部走行体2,32を備えた油圧ショベル1,31を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えばホイール式の下部走行体を備えた油圧ショベル等に適用してもよい。それ以外にも、ホイールローダ、リフトトラック等の他の建設機械にも広く適用することができる。
【符号の説明】
【0084】
1 小型機種の油圧ショベル(建設機械)
2,32 下部走行体
3,33 上部旋回体
4,34 作業装置
5,35 旋回フレーム
6,36 エンジン
9,39 作動油タンク(搭載機器、キャブ内侵入機器)
10,40 燃料タンク(搭載機器、キャブ内侵入機器)
11,41 バッテリ(搭載機器、キャブ内侵入機器)
18 キャブ
19 フロア部材
20 運転席台座
20A 立上り壁
20B 座席取付板
21 足置き場
22 運転席
25 キャブボックス
25A 前パネル
25B 後パネル
25C 左パネル
25D 右パネル
26 切欠き溝
27 凹陥状仕切板
31 大型機種の油圧ショベル(建設機械)
48 平板状仕切板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体に俯仰動可能に設けられた作業装置とからなり、
前記上部旋回体は、支持構造体をなし前側に前記作業装置が設けられる旋回フレームと、該旋回フレームの後側に左,右方向に延在する横置き状態で搭載されたエンジンと、該エンジンの前側で、かつ左,右方向一側に位置して前記旋回フレーム上に配置された作動油タンク、燃料タンク、バッテリを含む搭載機器と、該搭載機器に対して左,右方向の反対側に位置して前記旋回フレーム上に設けられたキャブとを備え、
前記キャブ内には、後部側に位置して運転席を有する運転席台座と、該運転席台座の前側に位置してオペレータが足を置く足置き場とを有してなる建設機械において、
前記キャブには前記搭載機器と対向する側面位置に少なくとも前記運転席台座から足置き場の前端側にかけて切欠き溝を設け、
前記作動油タンク、燃料タンク、バッテリを含む搭載機器のうち一または複数の搭載機器を、キャブ内侵入機器として前記切欠き溝から前記キャブ内にその一部が侵入する状態で配置し、
前記キャブ内に向けて凹陥した凹陥状仕切板を有し、該凹陥状仕切板によって前記切欠き溝を覆うことによって前記キャブ内と前記キャブ内侵入機器との間を画成する構成としたことを特徴とする建設機械。
【請求項2】
前記凹陥状仕切板は前記足置き場の位置に着脱可能に取付ける構成としてなる請求項1に記載の建設機械。
【請求項3】
前記切欠き溝は前記キャブの側面を後端側から前端側にかけて形成し、
前記エンジンは前記切欠き溝内を通って前記運転席台座の下側に配置する構成とし、
前記凹陥状仕切板は前記運転席台座の位置から前記足置き場の前端側にかけて設ける構成としてなる請求項1または2に記載の建設機械。
【請求項4】
前記運転席台座と足置き場とをフロア部材として一体的に形成し、
前記凹陥状仕切板は、少なくとも前記フロア部材の運転席台座の立上り壁よりも前側の切欠き溝を覆う構成としてなる請求項1,2または3に記載の建設機械。
【請求項5】
前記キャブは前記搭載機器がキャブ内侵入機器として前記キャブ内に侵入する小型機種と、搭載機器がキャブ内に侵入することがない大型機種とで共通化する構成とし、
前記キャブを前記大型機種に取付けるときには前記キャブの切欠き溝を平板状仕切板で覆う構成としてなる請求項1に記載の建設機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2011−74660(P2011−74660A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−227344(P2009−227344)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】