説明

弾性殻バルブ

【課題】操作性が容易で、外部突起物が少なく防錆効果の高い医療用ボールバルブを提供する。
【解決手段】ハウジング材質を弾性を有するシリコーンゴムなどの材質で瓢箪形状に形成した弾性殻1を有し、内部には、外形に沿う瓢箪形状の3個の内室(閉鎖室3、開放室2、吸引室4)を有し、閉鎖室3と開放室2との室内に弾性殻1を手動で変形させることで移動可能な球形のガラス球形弁8を配置し、球形弁8の移動により流入口6と排出口7との連通を遮断・開放する防錆性を考慮した弾性殻バルブ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外殻が軟らかく、滑らかで、液体が漏れにくいサイホンポンプとしても使用できる弾性殻バルブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、バルブは、家庭用水道蛇口のように硬い外殻で内部の開閉装置を覆い、外殻から飛び出した装置によって内部の弁を操作し液体や気体の流れを制御している。これらの中には、内部の弁の形状が球体のものもある(特許文献1、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−39175号公報
【特許文献2】特開平11−108206号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のバルブは、金属などの硬い殻の中に弁があるものが一般的であり、医療用として体に装着するなど、バルブの周囲に対し損傷を与えないようにする場合は、突起物や外殻を防護しなければならない。また、衣服などで覆われた状態でのの操作も困難である。さらに、錆びることなく、サイホンポンプとしても使用できるバルブは無い。
本発明は、以上の問題点を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
外殻の材質をシリコーンゴムなどの復元性のある弾性材料を使用し、流入口、吸引室、開放室、閉鎖室、排出口を連結して設け、開放室と閉鎖室を行き来するガラス玉などの錆びない球形の弁を内蔵させる。
以上の構成よりなる弾性バルブ。
【発明の効果】
【0006】
従来のバルブの特性には無かった、バルブの本体が軟らかく、滑らかで、片手で押すだけで操作できて、錆びないことを、本発明により可能にし、液体が漏れにくいサイホンポンプとしても使用できる。
開放室を、閉鎖室の横に分岐して設けたり、吸引室を無くしたりしても使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の開放状態の縦断面図
【図2】本発明の閉鎖状態の縦断面図
【図3】本発明の開放室を分岐にした縦断面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(イ)シリコーンゴムなどの弾性材料で製作した弾性殻(1)の内部に開放室(2)、閉 鎖室(3)、吸引室(4)を設け、流入口(6)、排出口(7)を設ける。
(ロ)開放室(2)に、ガラス球などの球形弁(8)を内蔵する。
(ハ)必要に応じ、流入口(6)、排出口(7)に、ホースジョイント(9)、ホース( 10)を取り付ける。
(ニ)開放室(2)の径は、球形弁(8)の径より大きく、流体が流れるに十分な隙間を 確保した径とし、流体通過用溝(5)を設ける。
(ホ)閉鎖室(3)の径は、球形弁(8)の径より少し小さくして球形弁(8)との密着 性を良くする。
(ヘ)吸引室(4)は、流体を吸引するのに必要な大きさとし、吸引室(4)の壁の厚さ は、流体吸引に必要な復元力を持った厚さとする。
本発明は以上のような構造である。
本発明を使用するときは、開放室(2)の外側を押して、球形弁(8)を、閉鎖室(3)に移動させ、バルブを閉鎖状態(図2)にする。
吸引室(4)を押して流体を吸引した後、閉鎖室(3)の外側を押して、閉鎖室(3)の内部にある球形弁(8)を、開放室(2)に移動して、排出口(7)から流体を取り出す。
開放室(2)を閉鎖室(3)の横に分岐させた弾性殻バルブ(図3)も、開放室(2)や閉鎖室(3)の外側を押して球形弁(8)を移動させて使用する。
【符号の説明】
【0009】
1弾性殻、2開放室、3閉鎖室、4吸引室、5流体通過用溝、6流入口、7排出口、8球形弁、9ホースジョイント、10ホース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外殻の材質をシリコーンゴムなどの復元性のある弾性材料を使用し、流入口、吸引室、開放室、閉鎖室、排出口を連結して設け、開放室と閉鎖室を行き来するガラス玉などの錆びない球形の弁を内蔵させた弾性殻バルブ。
【請求項2】
外殻の材質をシリコーンゴムなどの復元性のある弾性材料を使用し、流入口、開放室、閉鎖室、排出口を設け、開放室を閉鎖室の横に分岐させ、開放室と閉鎖室を行き来するガラス玉などの錆びない球形の弁を内蔵させた弾性殻バルブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−163200(P2012−163200A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−37651(P2011−37651)
【出願日】平成23年2月7日(2011.2.7)
【出願人】(709003643)
【Fターム(参考)】