説明

弾性波デバイス及びその製造方法

【課題】小型化可能かつ性能の高い弾性波デバイスを提供する。
【解決手段】圧電基板2と、圧電基板2上に設けられたIDT22、24、26、28と、圧電基板2上に設けられた第1配線8、第2配線10及び第3配線12であって、少なくとも一つがIDTを構成する櫛型電極に接続され、第1配線8と第3配線12との間に第2配線10が位置している、第1配線8、第2配線10及び第3配線12と、圧電基板2の上、第1配線8の第2配線側10の領域の上、第2配線10の上、及び第3配線12の第2配線10側の領域の上に設けられた絶縁層14と、第1配線8の絶縁層14が設けられていない領域と、第3配線12の絶縁層14が設けられていない領域とを通じて、第1配線8及び第3配線12と接続されるように、第1配線8の上、第3配線12の上、及び絶縁層14の上に設けられた第4配線16と、を具備する弾性波デバイス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性波デバイス及びその製造方法に関し、特に立体配線を有した弾性波デバイス及びその製造方法に関する。
【0002】
基板上に弾性波素子を設けた弾性波デバイスは、移動体通信機器のデュプレクサや、フィルタとして広く用いられている。
【0003】
弾性波を利用した弾性波デバイスの1つとして、圧電基板の表面に、櫛型電極からなるIDT(Interdigital Transducer)と、反射器とで弾性波素子を形成し、この弾性波素子に電力を印加することで励振した弾性波を用いる弾性表面波デバイスがある。近年、移動体通信機器の発展に伴い、弾性波デバイスに小型化と性能の向上を同時に達成することが求められている。
【0004】
特許文献1には、配線を立体交差させることでデバイスの小型化を図り、同時に立体交差した複数の配線間に設けられた絶縁層が2つ以上の傾斜部を備えたテーパー部を有することで、配線に断線が発生することを抑制し、弾性波デバイスの性能向上をも図る技術が開示されている。また特許文献2には、立体交差した配線間に絶縁層を設けることで、配線間の容量を利用し、減衰特性に優れた弾性表面波デバイスを提供する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2005−210475号公報
【特許文献2】特開2007−259023号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の発明及び特許文献2の発明は、ともに弾性波デバイスの小型化が可能であるが、圧電基板と配線との段差により、配線の厚さが薄くなる。このため、配線に断線が発生する恐れがある。また、配線の抵抗が増大し、挿入損失の増大及び帯域外減衰量の劣化を招く可能性がある。このことは、弾性波デバイスの性能低下の原因となり得る。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑み、小型化可能かつ性能の高い弾性波デバイスの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、圧電基板と、前記圧電基板上に設けられた櫛型電極と、前記圧電基板上に設けられた第1配線、第2配線及び第3配線であって、少なくとも一つが前記櫛型電極に接続され、前記第1配線と前記第3配線との間に前記第2配線が位置している、前記第1配線、前記第2配線及び前記第3配線と、前記圧電基板の上、前記第1配線の前記第2配線側の領域の上、前記第2配線の上、及び前記第3配線の前記第2配線側の領域の上に設けられた絶縁層と、前記第1配線の前記絶縁層が設けられていない領域と、前記第3配線の前記絶縁層が設けられていない領域とを通じて、前記第1配線及び前記第3配線と接続されるように、前記第1配線の上、前記第3配線の上、及び前記絶縁層の上に設けられた第4配線と、を具備することを特徴とする弾性波デバイスである。本発明によれば、第1配線、第2配線及び第3配線と第4配線とが、立体交差しているため、弾性波デバイスの小型化が可能となる。また、絶縁層が第1配線及び第3配線の上に設けられるため、断線の発生を抑制することができ、弾性波デバイスの性能が向上する。
【0008】
上記構成において、前記絶縁層は、端部にテーパー部を有している構成とすることができる。この構成によれば、第4配線の厚さを確保することができるため、断線の発生を抑制でき、弾性波デバイスの性能が向上する。
【0009】
上記構成において、前記第1配線、前記第2配線及び前記第3配線は、前記櫛型電極と同じ金属層で形成されている構成とすることができる。
【0010】
上記構成において、前記絶縁層は感光性樹脂で形成されている構成とすることができる。この構成によれば、絶縁層を精度良く形成することができる。
【0011】
上記構成において、前記感光性樹脂はポジ型感光性ポリイミドである構成とすることができる。この構成によれば、絶縁層の端部に形成されたテーパー部の傾斜角を制御することができる。
【0012】
上記構成において、前記第1配線、前記第2配線及び前記第3配線の各々は、異なる複数の前記櫛型電極の各々と接続されている構成とすることができる。
【0013】
上記構成において、前記第1配線及び前記第3配線は、接地されている構成とすることができる。
【0014】
本発明は、圧電基板上に櫛型電極を設ける工程と、前記圧電基板上に第1配線、第2配線及び第3配線を設ける工程であって、少なくとも一つが前記櫛型電極に接続され、前記第1配線と前記第3配線との間に前記第2配線が位置するように、前記圧電基板上に前記第1配線、前記第2配線及び前記第3配線を設ける工程と、前記圧電基板の上、前記第1配線の前記第2配線側の領域の上、前記第2配線の上、及び前記第3配線の前記第2配線側の領域の上に絶縁層を設ける工程と、前記第1配線の前記絶縁層が設けられていない領域と、前記第3配線の前記絶縁層が設けられていない領域とを通じて、前記第1配線及び前記第3配線と接続されるように、前記第1配線の上、前記第3配線の上、及び前記絶縁層の上に第4配線を設ける工程と、を有することを特徴とする弾性波デバイスの製造方法である。本発明によれば、第1配線、第2配線及び第3配線と第4配線とが、立体交差しているため、弾性波デバイスの小型化が可能となる。また、絶縁層が第1配線及び第3配線の上に設けられるため、断線の発生を抑制することができ、弾性波デバイスの性能が向上する。
【0015】
上記構成において、前記絶縁層を設ける工程は、前記絶縁層の端部にテーパー部を有するように、前記絶縁層を設ける工程とすることができる。この構成によれば、第4配線の厚さを確保することができるため、断線の発生を抑制でき、弾性波デバイスの性能が向上する。
【0016】
上記構成において、前記櫛型電極を設ける工程と、前記第1配線、前記第2配線及び前記第3配線を設ける工程とは同時に行われ、同じ金属層から前記櫛型電極、前記第1配線、前記第2配線及び前記第3配線を設ける工程とすることができる。
【0017】
上記構成において、前記絶縁層を設ける工程は、感光性樹脂をフォトリソグラフィ法により形成する工程と、前記形成された感光性樹脂を加熱して硬化する工程とを含む構成とすることができる。この構成によれば、絶縁層の形成を精度良く行うことができ、また絶縁層に形成されるテーパー部の傾斜角を制御することができる。
【0018】
上記構成において、前記硬化する工程において、前記圧電基板の前記櫛型電極が設けられた面と、前記櫛型電極が設けられていない面との両面から加熱する構成とすることができる。この構成によれば、工程を効率よく行うことができる。また、絶縁層に形成されるテーパー部の傾斜角を制御することができ、断線の発生を抑制することができるため、弾性波デバイスの性能が向上する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、小型化可能かつ性能の高い弾性波デバイスを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図面を用い、本発明が解決する課題について説明する。
【0021】
図1(a)は比較例に係る弾性表面波デバイスの上面図、図1(b)は図1(a)のB−B1に沿った断面図、図1(c)は断線が発生した場合の断面図である。
【0022】
図1(a)に示すように、例えばLiTaOやLiNbO等の圧電体からなる圧電基板2上に、反射器4、入力端子18、出力端子20、及びIDT22、24、26、28が設けられている。各IDTは、例えばAl等の金属からなる櫛型電極により形成されている。
【0023】
第1配線8は、IDT22を構成する一方の櫛型電極22a、及びIDT26を構成する一方の櫛型電極26aに接続されている。また、第1配線8は接地されている。第2配線10は、IDT22を構成する他方の櫛型電極22b、及びIDT26を構成する他方の櫛型電極26bに接続されている。第3配線12は、IDT24を構成する一方の櫛型電極24bに接続されている。第3配線12は、第2配線10と立体交差した第4配線16と接続され、第4配線16を介して第1配線と接続される。従って、第3配線12も接地される。第1配線8、第2配線10、第3配線12、IDT22、24、26、28、反射器4、入力端子18及び出力端子20は、同じ金属層から形成されている。このため図1(a)においては、これらの境界を点線で図示した(図2(a)においても同様)。第4配線16は例えば下にTi層、上にAu層を配置したTi−Au等の金属からなる。第1配線8、第2配線10、第3配線12及び第4配線の厚さは、例えば0.35μmである。
【0024】
図1(b)に示すように、第1配線8と第3配線12との間に第2配線10が位置している。第1配線8の一部は、例えばSiOからなる保護膜6で覆われている。第4配線16は保護膜6の上、第1配線8の上、及び第3配線12の上に設けられている。また、例えばポジ型感光性ポリイミド等の感光性樹脂からなり、端部にテーパー部14aを有した絶縁層14が圧電基板2の上及び第2配線10の上に設けられている。
【0025】
比較例1に係る弾性表面波デバイスにより、入力端子18から電気信号が入力され、入力端子18に接続されたIDT24により弾性波が励振される。弾性波はIDT22により電気信号に変換され、第2配線10を通じて、IDT26へと送信される。電気信号が入力されると、IDT26により弾性波が励起される。弾性波はIDT28により電気信号に変換され、出力端子20へと出力される(図1(a)参照)。また、図1(b)に示すように、第4配線16が第1配線8、第2配線10及び第3配線12と立体交差しているため、弾性表面波デバイスの小型化が可能となる。
【0026】
しかしながら、図1(c)に示すように、圧電基板2と第1配線8、及び圧電基板2と第3配線12との間には段差H1がある。また、第4配線16は、圧電基板2の上面から絶縁層14の最上部までの高さH2を跨いで設けられる。このため、第1配線8の端部付近の領域及び第3配線12の端部付近の領域においては第4配線16の厚さが薄くなり、第4配線16が断線する可能性がある。また、第4配線16厚さが薄くなることで、抵抗が増大し、挿入損失の増大及び帯域外減衰量の劣化を招く可能性がある。このことは、弾性表面波デバイスの性能低下の原因となり得る。
【0027】
以下、図面を用い、上記課題を解決するための実施例について説明する。
【実施例1】
【0028】
図2(a)は実施例1に係る弾性表面波デバイスの上面図であり、図2(b)はB−B1に沿った断面図である。
【0029】
図2(a)及び図2(b)に示すように、絶縁層14が圧電基板2の上、第2配線10の上、第1配線8の第2配線10側の領域8aの上、及び第3配線12の第2配線10側の領域12aの上に設けられている。絶縁層14の端部はテーパー部14aを有している。第4配線16は、保護膜6の上、第1配線8の上、第3配線12の上、及び絶縁層14の上に設けられており、第1配線8の絶縁層14が設けられていない領域8bと、第3配線12の絶縁層14が設けられていない領域12bとに接続されている。
【0030】
次に、実施例1に係る弾性表面波デバイスの製造方法について説明する。図3は製造工程を示したフローチャートである。図4(a)から図4(d)は、図2(a)のA−A1に沿った断面から見た、弾性表面波デバイスの製造方法を示した断面図である。図5(a)から図5(f)は、図2(a)のB−B1に沿った断面から見た、弾性表面波デバイスの製造方法を示した断面図である。なお、図面の簡略化のため、図4(b)から図4(d)においては、IDT26、28及び反射器4を区別せず、全てIDT30として表記する。また、IDTの電極指の本数を省略して図示している。
【0031】
図3のフローチャートに沿い、弾性表面波デバイスの製造方法について説明する。
【0032】
図4(a)及び図5(a)に示すように圧電基板2を準備する。図3のステップS10のスパッタリング工程において、例えばAl等の金属からなるIDT22、24、26、28、反射器4、第1配線8、第2配線10、第3配線12、入力端子18及び出力端子20を圧電基板2上に設ける。さらに、例えばSiOからなる保護膜6を、各IDT22、24、26、28、反射器4、及び第1配線8の一部の上に設ける。図4(b)に示すように、A−A1の領域においては、IDT30、及び第1配線8が形成される。第1配線8及びIDT30上には、例えばSiOからなる保護膜6が設けられる。図5(b)に示すように、B−B1の領域においては、第1配線8、第2配線10及び第3配線12が形成される。また、第1配線8の上の一部には保護膜6が設けられる。
【0033】
図3のステップS11のスピンコート工程において、例えばポジ型感光性ポリイミド等の感光性樹脂からなる、例えば厚さ1.0μmの絶縁層14を塗布する。図4(c)に示すように、A−A1の領域においては、圧電基板2及び保護膜6上に、絶縁層14に塗布する。図5(c)に示すように、B−B1の領域においては圧電基板2、保護膜6、第1配線8、第2配線10及び第3配線12上に、絶縁層14に塗布する。
【0034】
図3のステップS12のフォトリソグラフィ工程において、絶縁層14を形成する。図4(d)に示すように、A−A1の領域においては、絶縁層14は全て除去される。図5(d)に示すように、B−B1の領域においては、絶縁層14が、圧電基板2の上、第2配線10の上、第1配線8の第2配線10側の領域8aの上、及び第3配線12の第2配線10側の領域12aの上に残存する。また、絶縁層14の端部には、テーパー部14aが形成される。
【0035】
以降のステップS13、S14の工程においては、図4(d)に示した状態から変化しないため、説明を省略する。
【0036】
図3のステップS13の硬化工程において、図5(e)に示すように、形成された絶縁層14を、例えば250℃に加熱することによって硬化させる。このとき、例えばオーブンを使用し、圧電基板2の櫛型電極や配線が設けられた面2aと、櫛型電極や配線が設けられていない面2bとの両面から加熱する。
【0037】
図3のステップS14の蒸着及びリフトオフ工程において、図5(f)に示すように、圧電基板2の上、保護膜6の上、第1配線8の上、第3配線12の上、及び絶縁層14の上に例えばTi−Au等の金属からなる第4配線16を設ける。このとき、第4配線16は第1配線8の絶縁層14が設けられていない領域8bと、第3配線12の絶縁層14が設けられていない領域12bとに接続されている。以上の工程により、実施例1に係る弾性表面波デバイスが完成する。
【0038】
実施例1によれば、図2(b)に示すように、絶縁層14が圧電基板2の上、第2配線10の上、第1配線8の第2配線10側の領域8aの上、及び第3配線12の第2配線10側の領域12aの上に設けられる。このため、圧電基板2と第1配線8との間、及び圧電基板2と第3配線12との間の段差H1に関係なく、第4配線16を設けることができる。また、第4配線16は、第1配線8の上面から絶縁層14の最上部まで、及び第3配線12の上面から絶縁層14の最上部までの高さH3を跨いで設けられる。H3は、比較例1の図1(b)において第4配線16が跨ぐ高さH2より低い。従って、第4配線16は、比較例1の場合よりも緩やかな傾斜を形成する。このため第4配線16の厚さを確保することができ、断線が発生することを抑制できる。このことにより、弾性表面波デバイスの性能が向上する。
【0039】
また、絶縁層14の端部はテーパー部14aを有しているため、第4配線16が形成する傾斜は、より緩やかとなる。このため、第4配線16に断線が発生することを、より抑制することができる。また、第4配線16の厚さを確保することができるため、第4配線16が薄くなることによる抵抗値の上昇を抑えることができる。従って、挿入損失の増大及び帯域外減衰量の劣化を抑制することもできる。これらのことにより、弾性表面波デバイスの性能が向上する。
【0040】
図5(f)において形成される、第4配線16はTi−Auで形成されていなくても良い。しかし第4配線16のうち、下層のTiが第1配線8及び第3配線12を形成するAlと良好に密着するため、配線間の接続の信頼性が向上する。また、上層のAuは低抵抗である。従って、第4配線16の材質はTi−Auであることが好ましい。
【0041】
絶縁層14の材質は、ポジ型感光性ポリイミド等の感光性樹脂に限定されない。しかし、図5(d)に示したフォトリソグラフィ工程により、精度良く形成が可能で、端部にテーパー部14aを容易に形成できることから、絶縁層14の材質は感光性樹脂が好ましい。また、図5(e)に示すように、形成後に加熱することで、テーパー部14aの傾斜角度を制御することができるため、特にポジ型感光性ポリイミドであることが好ましい。
【0042】
図5(e)に示した硬化工程においては、圧電基板2の面2aまたは2bの、いずれか一方の面から加熱しても良い。しかし、テーパー部14aを精度良く形成でき、工程も効率的になることから、圧電基板2の面2a及び2bの両面から加熱することが好ましい。
【0043】
実施例1においては、第1配線8及び第3配線12は接地されているが、接地されていなくてもよい。また、第1配線8、第2配線10及び第3配線12の各々が、異なる複数の櫛型電極の各々に接続されている。しかし、第1配線8、第2配線10及び第3配線の少なくとも一つが櫛型電極と接続され、それ以外の配線は櫛型電極と接続されていない構成の弾性表面波デバイスにおいても、本発明は適用可能である。
【0044】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1(a)は比較例に係る弾性表面波デバイスの上面図、図1(b)はB−B1に沿った断面図であり、図1(c)は断線が発生した場合の断面図である。
【図2】図2(a)は実施例1に係る弾性表面波デバイスの上面図であり、図2(b)はB−B1に沿った断面図である。
【図3】図3、実施例1に係る弾性表面波デバイスの製造方法を示すフローチャートである。
【図4】図4(a)から図4(d)は、実施例1に係る弾性表面波デバイスの製造方法を示す、A−A1に沿った断面図である。
【図5】図5(a)から図5(f)は、実施例1に係る弾性表面波デバイスの製造方法を示す、B−B1に沿った断面図である。
【符号の説明】
【0046】
2 圧電基板
4 反射器
8 第1配線
10 第2配線
12 第3配線
14 絶縁層
16 第4配線
22、24、26、28、30 IDT

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電基板と、
前記圧電基板上に設けられた櫛型電極と、
前記圧電基板上に設けられた第1配線、第2配線及び第3配線であって、少なくとも一つが前記櫛型電極に接続され、前記第1配線と前記第3配線との間に前記第2配線が位置している、前記第1配線、前記第2配線及び前記第3配線と、
前記圧電基板の上、前記第1配線の前記第2配線側の領域の上、前記第2配線の上、及び前記第3配線の前記第2配線側の領域の上に設けられた絶縁層と、
前記第1配線の前記絶縁層が設けられていない領域と、前記第3配線の前記絶縁層が設けられていない領域とを通じて、前記第1配線及び前記第3配線と接続されるように、前記第1配線の上、前記第3配線の上、及び前記絶縁層の上に設けられた第4配線と、を具備することを特徴とする弾性波デバイス。
【請求項2】
前記絶縁層は、端部にテーパー部を有していることを特徴とする請求項1記載の弾性波デバイス。
【請求項3】
前記第1配線、前記第2配線及び前記第3配線は、前記櫛型電極と同じ金属層で形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の弾性波デバイス。
【請求項4】
前記絶縁層は感光性樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1から3いずれか一項記載の弾性波デバイス。
【請求項5】
前記感光性樹脂はポジ型感光性ポリイミドであることを特徴とする請求項4記載の弾性波デバイス。
【請求項6】
前記第1配線、前記第2配線及び前記第3配線の各々は、異なる複数の前記櫛型電極の各々と接続されていることを特徴とする請求項1から5いずれか一項記載の弾性波デバイス。
【請求項7】
前記第1配線及び前記第3配線は、接地されていることを特徴とする請求項1から6いずれか一項記載の弾性波デバイス。
【請求項8】
圧電基板上に、櫛型電極を設ける工程と、
前記圧電基板上に第1配線、第2配線及び第3配線を設ける工程であって、少なくとも一つが前記櫛型電極に接続され、前記第1配線と前記第3配線との間に前記第2配線が位置するように、前記圧電基板上に前記第1配線、前記第2配線及び前記第3配線を設ける工程と、
前記圧電基板の上、前記第1配線の前記第2配線側の領域の上、前記第2配線の上、及び前記第3配線の前記第2配線側の領域の上に絶縁層を設ける工程と、
前記第1配線の前記絶縁層が設けられていない領域と、前記第3配線の前記絶縁層が設けられていない領域とを通じて、前記第1配線及び前記第3配線と接続されるように、前記第1配線の上、前記第3配線の上、及び前記絶縁層の上に第4配線を設ける工程と、を有することを特徴とする弾性波デバイスの製造方法。
【請求項9】
前記絶縁層を設ける工程は、前記絶縁層の端部にテーパー部を有するように、前記絶縁層を設ける工程であることを特徴とする請求項8記載の弾性波デバイスの製造方法。
【請求項10】
前記櫛型電極を設ける工程と、前記第1配線、前記第2配線及び前記第3配線を設ける工程とは同時に行われ、同じ金属層から前記櫛型電極、前記第1配線、前記第2配線及び前記第3配線を設ける工程であることを特徴とする請求項8または9記載の弾性波デバイスの製造方法。
【請求項11】
前記絶縁層を設ける工程は、感光性樹脂をフォトリソグラフィ法により形成する工程と、前記形成された感光性樹脂を加熱して硬化する工程とを含むことを特徴とする請求項8から10いずれか一項記載の弾性波デバイスの製造方法。
【請求項12】
前記硬化する工程において、前記圧電基板の前記櫛型電極が設けられた面と、前記櫛型電極が設けられていない面との両面から加熱することを特徴とする請求項11記載の弾性波デバイスの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−182407(P2009−182407A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−17583(P2008−17583)
【出願日】平成20年1月29日(2008.1.29)
【出願人】(398067270)富士通メディアデバイス株式会社 (198)
【Fターム(参考)】